(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】取り外し可能なポンプを備える飲料ディスペンサ・システム及び制御式ポンプ・システム
(51)【国際特許分類】
F04C 11/00 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
F04C11/00 D
(21)【出願番号】P 2020567455
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(86)【国際出願番号】 US2019019514
(87)【国際公開番号】W WO2019168813
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511000980
【氏名又は名称】スタンデックス・インターナショナル・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】STANDEX INTERNATIONAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】11 Keewaydin Drive, Salem, New Hampshire 03079, United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】520322484
【氏名又は名称】アルベル エージェンシーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーエン、アビハイ
(72)【発明者】
【氏名】キンバーリン、ロバート、アール.
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0147414(US,A1)
【文献】特開昭56-113599(JP,A)
【文献】特表2004-514191(JP,A)
【文献】特表平03-503998(JP,A)
【文献】特表2000-512959(JP,A)
【文献】国際公開第2018/031844(WO,A1)
【文献】米国特許第04209258(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/08- 2/28
F04C 11/00-15/06
B67D 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)であって、前記多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムが、
複数の取り外し可能なポンプ(14)を受けるためのポンプ・エンクロージャ(12)であって、前記ポンプ・エンクロージャ(12)が、少なくとも、前方パネル(16)、後方パネル(18)、第1及び第2の側方パネル(20,22)、底部パネル(24)、並びに取り外し可能な頂部パネル(26)を有し、前記パネルがポンプ・エンクロージャの内部空間(28)を画定し、
前記後方パネルが、複数の開口部(32)、及び前記複数の開口部(32)の上方に配置される少なくとも1つの水平方向リップ(34)を有し、前記リップ(34)には、複数のスロット(36)が形成され、それにより前記複数の開口部(32)の各々の上方に1つのスロット(36)が配置される、ポンプ・エンクロージャと、
前記ポンプ・エンクロージャの内部空間(28)の中に少なくとも部分的に配置される複数の取り外し可能なポンプ(14)であって、各取り外し可能なポンプ(14)が、
内部圧送チャンバ(42)、入口ポート(44)、及び出口ポート(46)を有するポンプ・ハウジング(40)であって、前記ポートの各々が前記圧送チャンバ(42)に流体連通される、ポンプ・ハウジング、
前記ポンプ・ハウジング(40)の外側表面に形成されたリテーナ・ピン孔(52)の中に受けられるばね付勢のリテーナ・ピン(50)、
ポンプ・モータ(60)、並びに
前記圧送チャンバ(42)の中に少なくとも部分的に配置され、前記ポンプ・モータ(60)によって駆動される圧送機構であって、前記圧送機構が、前記入口ポート(44)を通って前記圧送チャンバ(42)の中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、前記第1の圧力より高い第2の圧力で、前記圧送チャンバ(42)から前記出口ポート(46)を通して流体を排出することができる、圧送機構
を有する、複数の取り外し可能なポンプと
を備え、
前記ポンプ・モータ(60)、及び前記ポンプ・ハウジング(40)の少なくとも一部分が、前記ポンプ・エンクロージャの内部空間(28)の中に配置され、前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)が前記複数の後方パネル開口部(32)のうちの1つを通って延在し、前記リテーナ・ピン(50)の一部分が前記後方パネル・スロット(36)のうちの1つを通って延在し、それにより前記ポンプ・エンクロージャ(12)内で前記取り外し可能なポンプ(14)の少なくとも一部分を保持する、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項2】
各取り外し可能なポンプ(14)が、
第1の部分(82)、前記第1の部分(82)より細い第2の部分(84)、及びロック・リテーナ開口部(86)を有する摺動ロック部材(80)であって、前記摺動ロック部材(80)がロック位置とアンロック位置との間で摺動可能に移動することができる、摺動ロック部材と、
前記入口ポート(44)と前記出口ポート(46)との間にある位置で前記摺動ロック部材(80)を前記ポンプ・ハウジング(40)に固定するための、前記摺動ロック・リテーナ開口部(86)を通過する摺動ロック・リテーナ(88)と
をさらに有し、
前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)の各々が、前記摺動ロック部材(80)の前記第1の部分を受けるためのチャンネル(90)を有し、
前記摺動ロック部材(80)が前記ロック位置にあるとき、前記摺動ロック部材(80)の前記第1の部分(82)が前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)の前記チャンネル(90)の中に受けられ、それにより前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)の中の取り外し可能な取付具(92,94)に係合されてそれらを保持し、
前記摺動ロック部材(80)が前記ロック位置にあるとき、前記摺動ロック部材(80)の前記第2の部分(84)が前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)の前記チャンネル(90)に隣接して配置されるが、前記入口ポート(44)及び前記出口ポート(46)の中の前記取り外し可能な取付具(92,94)に係合されず、それらを保持しない、請求項1に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項3】
各取り外し可能なポンプ(14)について、前記入口ポート(44)が第1の断面積を有し、前記出口ポート(46)が前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する、請求項2に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項4】
各取り外し可能なポンプ(14)について、前記入口ポート(44)が第1の断面直径を有し、前記出口ポート(46)が前記第1の断面直径とは異なる第2の断面直径を有する、請求項2に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項5】
各取り外し可能なポンプ(14)について、前記圧送機構が、
複数の駆動ギア歯(72)を有する駆動ギア(70)であって、前記駆動ギアが前記圧送チャンバ(42)の中に配置されて前記ポンプ・モータ(60)より回転可能に駆動される、駆動ギアと、
前記駆動ギア歯(72)と噛合する複数の遊びギア歯(76)を有する遊びギア(74)であって、前記遊びギアが前記圧送チャンバ(42)の中に配置され、前記圧送チャンバ(42)内に配置されているアイドラ・シャフト(78)に取り付けられる、遊びギアと
を備える、請求項1に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項6】
各取り外し可能なポンプ(14)について、前記ポンプ・ハウジング(40)が、前記圧送チャンバ(42)に流体連通されるセンサ・ポート(48)と、前記センサ・ポート(48)に隣接して配置される圧力トランスデューサ(100)とをさらに有し、前記トランスデューサ(100)が、前記第2の圧力で一定量の流体に接触し、前記第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる、請求項1に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項7】
前記取り外し可能なポンプ(14)が飲料シロップ・ポンプである、請求項1に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項8】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム(120)であって、前記ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムが、
複数の飲料混合・計量分配ノズル(124)を有する飲料計量分配ステーション(122)と、
前記飲料混合・計量分配ノズル(124)の各々に流体連通される炭酸水の供給物と、
高濃度の飲料シロップの供給物を各々が有する複数の飲料シロップ・コンテナ(136)と、
請求項1~7のいずれか一項に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)であって、前記取り外し可能なポンプ(14)がシロップ・ポンプであり、各シロップ・ポンプ(14)について、前記入
口ポート(44)が、前記飲料シロップ・コンテナ(136)のうちの1つに流体連通され、且つ前記圧送チャンバ(42)に流体連通され、前記出
口ポート(46)が、前記圧送チャンバ(42)に流体連通され、且つ前記飲料混合・計量分配ノズル(124)のうちの1つに流体連通される、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムと
を備える、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム(120)。
【請求項9】
多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)であって、前記多連ポンプの制御式ポンプ・システムが、
少なくとも1つのパネル(18)を有する、複数の取り外し可能なポンプ(14)を受けるように適合されるポンプ・エンクロージャ(12)であって、前記パネルが、複数の開口部(32)、及び前記複数の開口部(32)の上方に配置される少なくとも1つの水平方向リップ(34)を有し、前記リップ(34)には、複数のスロット(36)が形成され、それにより前記複数の開口部(32)の各々の上方に1つのスロット(36)が配置される、ポンプ・エンクロージャと、
前記ポンプ・エンクロージャの中に少なくとも部分的に配置される複数の取り外し可能なポンプ(14)であって、各取り外し可能なポンプ(14)が、
内部圧送チャンバ(42)、入口ポート(44)、出口ポート(46)、及びセンサ・ポート(48)を有するポンプ・ハウジング(40)であって、前記ポートの各々が前記圧送チャンバ(42)に流体連通される、ポンプ・ハウジング、
前記ポンプ・ハウジング(40)の外側表面に形成されたリテーナ・ピン孔(52)の中に受けられるばね付勢のリテーナ・ピン(50)、
ポンプ・モータ(60)、
前記圧送チャンバ(42)の中に少なくとも部分的に配置され、前記ポンプ・モータ(60)によって駆動される圧送機構であって、前記圧送機構が、前記入口ポート(44)を通って前記圧送チャンバ(42)の中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、前記第1の圧力より高い第2の圧力で、前記圧送チャンバ(42)から前記出口ポート(46)を通して流体を排出することができる、圧送機構、
前記センサ・ポート(48)に隣接して配置される圧力トランスデューサ(100)であって、前記トンラスデューサ(100)が、前記第2の圧力で一定量の流体に接触し、前記第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる、圧力トランスデューサ、並びに
プログラム可能なマイクロ・コントローラ(102)であって、前記プログラム可能なマイクロ・コントローラが、前記圧力トランスデューサ(100)から前記電気信号を受信し、前記ポンプ・モータ(60)に電気接続され、前記ポンプ・モータ(60)を始動及び停止させることができる、プログラム可能なマイクロ・コントローラ
を有し、前記ポンプ(14)の少なくとも一部分が、前記ポンプ・エンクロージャ(12)の中に配置され、前記リテーナ・ピン(50)の一部分が前記パネル・スロット(36)のうちの1つを通って延在し、それにより前記ポンプ・エンクロージャ(12)内で前記取り外し可能なポンプ(14)の少なくとも一部分を保持する、複数の取り外し可能なポンプと、
前記複数の取り外し可能なポンプ(14)の各々を制御するための共通の制御盤(110)であって、前記制御盤(110)が、
前記取り外し可能なポンプ(14)のための前記プログラム可能なマイクロ・コントローラ(102)に電気接続された、各取り外し可能なポンプ(14)のための少なくとも1つのリセット・スイッチ(112)、及び
前記取り外し可能なポンプ(14)のための前記プログラム可能なマイクロ・コントローラ(102)に電気接続された、各取り外し可能なポンプ(14)のための少なくとも1つのポンプ状態インジケータ(114)であって、各ポンプ状態インジケータ(114)が複数のポンプ状態を示すことができる、少なくとも1つのポンプ状態インジケータ
を有する、共通の制御盤と
を備える、多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)。
【請求項10】
前記複数の取り外し可能なポンプ(14)の各々について、前記圧送機構が、
複数の駆動ギア歯(72)を有する駆動ギア(70)であって、前記駆動ギアが前記圧送チャンバ(42)の中に配置されて前記ポンプ・モータ(60)より回転可能に駆動される、駆動ギアと、
前記駆動ギア歯(72)と噛合する複数の遊びギア歯(76)を有する遊びギア(74)であって、前記遊びギアが前記圧送チャンバ(42)の中に配置され、前記圧送チャンバ(42)内に配置されているアイドラ・シャフト(78)に取り付けられる、遊びギアと
を備え、
前記センサ・ポート(48)が前記駆動ギア(70)及び前記遊びギア(74)の下流側に位置する、請求項9に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)。
【請求項11】
前記制御盤(110)が、各取り外し可能なポンプ(14)のための少なくとも2つのポンプ状態インジケータ(114)を有し、各ポンプ状態インジケータ(114)が複数のポンプ状態を示すことができる、請求項9に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)。
【請求項12】
前記複数の取り外し可能なポンプ(14)の各々について、前記第2の圧力が第1の所定の圧力閾値を超える場合に、前記マイクロ・コントローラ(102)が前記ポンプ・モータ(60)を停止させるようにプログラムされており、前記少なくとも1つのポンプ状態インジケータ(114)が第1のポンプ状態を報知する、請求項9に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)。
【請求項13】
前記複数の取り外し可能なポンプ(14)の各々について、前記第2の圧力が第2の所定の圧力閾値まで低下する場合に、前記マイクロ・コントローラ(102)が前記ポンプ・モータ(60)を停止させるようにプログラムされており、前記少なくとも1つのポンプ状態インジケータ(114)が第2のポンプ状態を報知する、請求項9に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)。
【請求項14】
前記取り外し可能なポンプ(14)が飲料シロップ・ポンプである、請求項9に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム(10)。
【請求項15】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム(120)であって、前記ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムが、
複数の飲料混合・計量分配ノズル(124)を有する飲料計量分配ステーション(122)と、
前記飲料混合・計量分配ノズル(124)の各々に流体連通される炭酸水の供給物と、
高濃度の飲料シロップの供給物を各々が有する複数の飲料シロップ・コンテナ(136)と、
請求項9~13のいずれか一項に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システム(10)であって、前記取り外し可能なポンプ(14)がシロップ・ポンプであり、各シロップ・ポンプ(14)について、前記入
口ポート(44)が、前記飲料シロップ・コンテナ(136)のうちの1つに流体連通され、且つ前記圧送チャンバ(42)に流体連通され、前記出
口ポート(46)が、前記圧送チャンバ(42)に流体連通され、且つ前記飲料混合・計量分配ノズル(124)のうちの1つに流体連通される、多連ポンプの制御式ポンプ・システムと
を備える、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2018年2月27日に出願した米国仮特許出願第62/635,575号の出願日の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は流体ポンプの分野に関する。より詳細には、本開示は、ポスト・ミックス式(post-mix)飲料ディスペンサ・システムのためのポンプ及び関連の制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサは、計量分配して消費されるための最終的な飲料を提供するために、炭酸水を高濃度の飲料シロップと混ぜ合わせるものである。しばしば濃厚な及び/又は高粘性を有する流体である飲料シロップは、通常、バッグインボックスのシロップ・コンテナから供給される。シロップ・ポンプが、シロップ・コンテナから計量分配ノズルまでシロップを移動させるのに使用され得る。
【0004】
従来、このシロップ・ポンプは、二酸化炭素などの圧縮気体によって駆動される膜タイプ・ポンプである。問題として、このようなポンプで使用されるゴム膜がシロップからのフレーバを吸収してしまう。ポンプ内の膜が所与のシロップのブレーバで飽和状態になると、ポンプが別のフレーバの飲料を圧送するために転用されることができない。ポンプが、実質的に、飲料シロップの単一のフレーバに専用となってしまう。より具体的には、膜ポンプはまた、ポンプを駆動するのに使用される圧縮二酸化炭素の漏洩を引き起こしやすく、それにより密閉空間においては窒息の危険をもたらす。
【0005】
さらに、結果として、膜ポンプは、保守管理及び/又は交換を必要とし、したがって訓練を受けた技術者によりポンプ・システムの保守管理を行うときに長いダウンタイムを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6,237,810号明細書
【文献】国際公開第2018/031844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、別のフレーバの飲料のためにポンプとして転用される場合におけるフレーバ相互汚染の問題を排除するような、飲料ディスペンサのための改善されたシロップ・ポンプが所望される。また、圧縮二酸化炭素又は他の不活性ガスの使用に付随する窒息の危険を排除するような、飲料ディスペンサのためのシロップ・ポンプを提供することが所望される。
【0008】
さらに、好適には特別なツール又は特別な訓練を受けた技術者を必要とすることなく、シロップ・ポンプ及び付随のシステムが容易に且つ迅速に保守管理を行われ得ることが望まれる。さらに、シロップ・ポンプの動作を監視及び制御するための改善されたシステムを提供することが望まれる。
引用文献1には、飲料ディスペンサ用のモジュール式取り付けブロックが開示されている。モジュール式取り付けブロックは、ブロック内に一体的に形成されたいくつかのポンプ・コンパートメント及びいくつかの計量分配バルブ・コンパートメントを含む。
引用文献2には、内部圧送チャンバを有するポンプ・ハウジング、ポンプ・モータ、及び圧送チャンバ内のモータによって駆動される圧送機構を含む飲料シロップ・ポンプ・システムが開示されている。圧送機構は、第1の圧力でシロップ流体を受け取り、第1の圧力より高い第2の圧力で流体を排出する。センサ・ポートに隣接し、第2の圧力で一定量の流体に接触する圧力トランスデューサが、第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる。プログラム可能なマイクロ・コントローラが、圧力トランスデューサから電気信号を受信し、ポンプ・モータを始動及び停止させることができる。第2の圧力が所定の最大圧力レベルを超える場合に、マイクロ・コントローラはポンプ・モータを即座に停止させる。第2の圧力が低下し、所定の第1の時間間隔の間、所定の最小圧力レベルを下回ったままである場合に、マイクロ・コントローラはまたポンプ・モータを停止させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の及び他の要求が、本開示に従って作られる、取り外し可能なポンプを備える飲料ディスペンサ・システム及びその付随の制御システムによって満たされる。
本開示は、請求項1に記載の多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムを提供する。
本開示はさらに、請求項9に記載の多連ポンプの制御式ポンプ・システムを提供する。
【0010】
第1の態様では、本開示が多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムを提供する。一実施例では、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムが、複数の取り外し可能なポンプを受けるためのポンプ・エンクロージャを有する。このポンプ・エンクロージャが、少なくとも、前方パネルと、後方パネルと、第1及び第2の側方パネルと、底部パネルと、取り外し可能な頂部パネルとを有する。したがって、パネルがポンプ・エンクロージャの中に内部空間を画定する。さらに、後方パネルが、複数の開口部と、複数の開口部の上方に配置される少なくとも1つの水平方向リップとを有する。このリップは、複数のスロットが形成されており、ここで、複数の開口部の各々の上方に1つのスロットが配置される。
【0011】
さらに、ポンプ・システムが、ポンプ・エンクロージャの内部空間内に少なくとも部分的に配置される複数の取り外し可能なポンプを有する。これらの取り外し可能なポンプの各々が、内部圧送チャンバと、入口ポートと、出口ポートとを有するポンプ・ハウジングを有し、これらのポートの各々が圧送チャンバに流体連通される。また、各取り外し可能なポンプが、ポンプ・ハウジングの外側表面に形成されたリテーナ・ピン孔の中に受けられるばね付勢のリテーナ・ピンを有する。
【0012】
また、各取り外し可能なポンプが、ポンプ・モータと、圧送チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、ポンプ・モータによって駆動される圧送機構とを有する。この圧送機構が、入口ポートを通って圧送チャンバの中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、第1の圧力より高い第2の圧力で、圧送チャンバから出口ポートを通して流体を排出することができる。
【0013】
各々の取り外し可能なポンプについて、ポンプ・モータ、及びポンプ・ハウジングの少なくとも一部分が、ポンプ・エンクロージャの内部空間の中に配置され、対して、入口ポート及び出口ポートが複数の後方パネル開口部のうちの1つを通って延在し、リテーナ・ピンの一部分が後方パネル・スロットのうちの1つを通って延在し、それによりポンプ・エンクロージャ内で取り外し可能なポンプの少なくとも一部分を保持する。
【0014】
多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムの特定の実施例では、各取り外し可能なポンプが、好適には、第1の部分と、第1の部分より細い第2の部分と、ロック・リテーナ開口部とを有する摺動ロック部材をさらに有する。この摺動ロック部材がロック位置とアンロック位置との間で摺動可能に移動することができる。さらに、入口ポートと出口ポートとの間にある位置で摺動ロック部材をポンプ・ハウジングに固定するための、摺動ロック・リテーナ開口部を通過する摺動ロック・リテーナが含まれる。
【0015】
入口ポート及び出口ポートの各々が、摺動ロック部材の第1の部分を受けるためのチャンネルを有する。摺動ロック部材がロック位置にあるとき、摺動ロック部材の第1の部分が入口ポート及び出口ポートのチャンネルの中に受けられ、それにより入口ポート及び出口ポートの中の取り外し可能な取付具に係合されてそれらを保持する。しかし、摺動ロック部材がロック位置にあるとき、摺動ロック部材の第2の部分が入口ポート及び出口ポートのチャンネルに隣接して配置されるが、入口ポート及び出口ポートの中の取り外し可能な取付具に係合されず、それらを保持しない。
【0016】
好適には、いくつかの例では、各取り外し可能なポンプについて、入口ポートが第1の断面積を有し、出口ポートが第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する。また、いくつかの例では、好適には、各々の取り外し可能なポンプについて、入口ポートが第1の断面直径を有し、出口ポートが第1の断面直径とは異なる第2の断面直径を有する。
【0017】
多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムの特定の実施例では、圧送機構の各取り外し可能なポンプが、好適には、複数の駆動ギア歯を有する駆動ギアを有し、駆動ギアが圧送チャンバの中に配置されてポンプ・モータより回転可能に駆動される。また、圧送機構が、好適には、駆動ギア歯と噛合する複数の遊びギア歯を有する遊びギアを有し、遊びギアが圧送チャンバの中に配置され、圧送チャンバ内に配置されているアイドラ・シャフトに取り付けられる。
【0018】
多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムの特定の実施例では、各取り外し可能なポンプのためのポンプ・ハウジングが、好適には、圧送チャンバに流体連通されるセンサ・ポートと、センサ・ポートに隣接して配置される圧力トランスデューサとをさらに有する。このトランスデューサが、第2の圧力で一定量の流体に接触し、第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる。
【0019】
多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システムの特定の実施例では、取り外し可能なポンプが好適には飲料シロップ・ポンプである。
【0020】
第2の態様では、本開示がポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムを提供する。一実施例では、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムが、複数の飲料混合・計量分配ノズルを有する飲料計量分配ステーションと;飲料混合・計量分配ノズルの各々に流体連通される炭酸水の供給物と;高濃度の飲料シロップの供給物を各々が有する複数の飲料シロップ・コンテナと、を有する。
【0021】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムが、多連ポンプのシロップ・ポンプ・システムをさらに有する。このシロップ・ポンプ・システムがさらに、複数のシロップ・ポンプを受けるためのポンプ・エンクロージャを有する。このポンプ・エンクロージャが、少なくとも、前方パネルと、後方パネルと、第1及び第2の側方パネルと、底部パネルと、取り外し可能な頂部パネルとを有する。したがって、パネルがポンプ・エンクロージャの中に内部空間を画定する。さらに、後方パネルが、複数の開口部と、複数の開口部の上方に配置される少なくとも1つの水平方向リップとを有する。このリップは、複数のスロットが形成されており、ここで、複数の開口部の各々の上方に1つのスロットが配置される。
【0022】
さらに、シロップ・ポンプ・システムが、ポンプ・エンクロージャの内部空間内に少なくとも部分的に配置される複数のシロップ・ポンプを有する。これらのシロップ・ポンプの各々が、内部圧送チャンバと、入口ポートと、出口ポートとを有するポンプ・ハウジング有し、これらのポートの各々が圧送チャンバに流体連通される。また、各シロップ・ポンプが、ポンプ・ハウジングの外側表面に形成されたリテーナ・ピン孔の中に受けられるばね付勢のリテーナ・ピンを有する。
【0023】
また、各シロップ・ポンプが、ポンプ・モータと、圧送チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、ポンプ・モータによって駆動される圧送機構とを有する。この圧送機構が、入口ポートを通って圧送チャンバの中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、第1の圧力より高い第2の圧力で、圧送チャンバから出口ポートを通して流体を排出することができる。
【0024】
各シロップ・ポンプについて、ポンプ・モータ、及びポンプ・ハウジングの少なくとも一部分が、ポンプ・エンクロージャの内部空間の中に配置され、対して、入口ポート及び出口ポートが複数の後方パネル開口部のうちの1つを通って延在し、リテーナ・ピンの一部分が後方パネル・スロットのうちの1つを通って延在し、それによりポンプ・エンクロージャ内で取り外し可能なポンプの少なくとも一部分を保持する。
【0025】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、各シロップ・ポンプが、好適には、第1の部分と、第1の部分より細い第2の部分と、ロック・リテーナ開口部とを有する摺動ロック部材をさらに有する。この摺動ロック部材がロック位置とアンロック位置との間で摺動可能に移動することができる。さらに、入口ポートと出口ポートとの間にある位置で摺動ロック部材をポンプ・ハウジングに固定するための、摺動ロック・リテーナ開口部を通過する摺動ロック・リテーナが含まれる。
【0026】
入口ポート及び出口ポートの各々が、摺動ロック部材の第1の部分を受けるためのチャンネルを有する。摺動ロック部材がロック位置にあるとき、摺動ロック部材の第1の部分が入口ポート及び出口ポートのチャンネルの中に受けられ、それにより入口ポート及び出口ポートの中の取り外し可能な取付具に係合されてそれらを保持する。しかし、摺動ロック部材がロック位置にあるとき、摺動ロック部材の第2の部分が入口ポート及び出口ポートのチャンネルに隣接して配置されるが、入口ポート及び出口ポートの中の取り外し可能な取付具に係合されず、それらを保持しない。
【0027】
好適には、いくつかの例では、各シロップ・ポンプについて、入口ポートが第1の断面積を有し、出口ポートが第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する。また、いくつかの例では、好適には、各々のシロップ・ポンプについて、入口ポートが第1の断面直径を有し、出口ポートが第1の断面直径とは異なる第2の断面直径を有する。
【0028】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、圧送機構の各シロップ・ポンプが、好適には、複数の駆動ギア歯を有する駆動ギアを有し、駆動ギアが圧送チャンバの中に配置されてポンプ・モータより回転可能に駆動される。また、圧送機構が、好適には、駆動ギア歯と噛合する複数の遊びギア歯を有する遊びギアを有し、遊びギアが圧送チャンバの中に配置され、圧送チャンバ内に配置されているアイドラ・シャフトに取り付けられる。
【0029】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、各シロップ・ポンプのためのポンプ・ハウジングが、好適には、圧送チャンバに流体連通されるセンサ・ポートと、センサ・ポートに隣接して配置される圧力トランスデューサとを有する。このトランスデューサが、第2の圧力で一定量の流体に接触し、第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる。
【0030】
第3の態様では、本開示が多連ポンプの制御式ポンプ・システムを提供する。一実施例では、制御式ポンプ・システムが、複数の取り外し可能なポンプを受けるように適合されるポンプ・エンクロージャと、ポンプ・エンクロージャの中に少なくとも部分的に配置される複数の取り外し可能なポンプとを有する。
【0031】
各取り外し可能なポンプがさらに、内部圧送チャンバと、入口ポートと、出口ポートと、センサ・ポートを有するポンプ・ハウジングを有し、ここではこれらのポートの各々が圧送チャンバに流体連通される。
【0032】
また、各取り外し可能なポンプが、ポンプ・モータと、圧送チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、ポンプ・モータによって駆動される圧送機構とを有する。この圧送機構が、入口ポートを通って圧送チャンバの中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、第1の圧力より高い第2の圧力で、圧送チャンバから出口ポートを通して流体を排出することができる。
【0033】
加えて、各取り外し可能なポンプが、センサ・ポートに隣接して配置される圧力トランスデューサをさらに有する。このトランスデューサが、第2の圧力で一定量の流体に接触し、第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる。プログラム可能なマイクロ・コントローラがさらに含まれ、このプログラム可能なマイクロ・コントローラが圧力トランスデューサから電気信号を受信し、ポンプ・モータに電気接続され、ポンプ・モータを始動及び停止させることができる。
【0034】
制御式ポンプ・システムが、複数の取り外し可能なポンプの各々を制御するための共通の制御盤を有する。この制御盤が、取り外し可能なポンプのためのプログラム可能なマイクロ・コントローラに電気接続された、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのリセット・スイッチ、さらには各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのポンプ状態インジケータを有する。少なくとも1つのポンプ状態インジケータが取り外し可能なポンプのためのプログラム可能なマイクロ・コントローラに電気接続され、各ポンプ状態インジケータが複数のポンプ状態を示すことができる。
【0035】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、各取り外し可能なポンプのための圧送機構が、好適には、複数の駆動ギア歯を有する駆動ギアを有し、駆動ギアが圧送チャンバの中に配置されてポンプ・モータより回転可能に駆動される。また、圧送機構が、好適には、駆動ギア歯と噛合する複数の遊びギア歯を有する遊びギアを有し、遊びギアが圧送チャンバの中に配置され、圧送チャンバ内に配置されているアイドラ・シャフトに取り付けられる。センサ・ポートが駆動ギア及び遊びギアの下流側に位置する。
【0036】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、各々の複数の取り外し可能なポンプのための圧力トランスデューサが、好適には、セラミック・ピエゾ・ディスクを有する。
【0037】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、制御盤が、好適には、各取り外し可能なポンプのための少なくとも2つのポンプ状態インジケータを有し、ここでは各ポンプ状態インジケータが複数のポンプ状態を示すことができる。
【0038】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのリセット・スイッチが好適には膜スイッチであり、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのポンプ状態インジケータがこの膜スイッチに組み込まれる。
【0039】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、複数の取り外し可能なポンプの各々について、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値を超える場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第1のポンプ状態を報知する。
【0040】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、複数の取り外し可能なポンプの各々について、第2の圧力が第2の所定の圧力閾値まで低下する場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第2のポンプ状態を報知する。
【0041】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、複数の取り外し可能なポンプの各々について、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを始動させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第3のポンプ状態を報知する。
【0042】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、複数の取り外し可能なポンプの各々について、所定の時間閾値を超える時間にわたって第2の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第4のポンプ状態を報知する。
【0043】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、複数の取り外し可能なポンプの各々について、所定の時間閾値を超える時間にわたって第2の圧力が第3の所定の圧力閾値と第4の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第4のポンプ状態を報知する。
【0044】
制御式ポンプ・システムの特定の実施例では、取り外し可能なポンプの各々が好適には飲料シロップ・ポンプである。
【0045】
第4の態様では、本開示がポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムを提供する。一実施例では、飲料ディスペンサ・システムが、複数の飲料混合・計量分配ノズルを有する飲料計量分配ステーションと;飲料混合・計量分配ノズルの各々に流体連通される炭酸水の供給物と;高濃度の飲料シロップの供給物を各々が有する複数の飲料シロップ・コンテナと、を有する。
【0046】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムが、多連ポンプのシロップ・ポンプ・システムをさらに有する。このシロップ・ポンプ・システムがさらに、複数のシロップ・ポンプを受けるように適合されるポンプ・エンクロージャと、ポンプ・エンクロージャの中に少なくとも部分的に配置される複数のシロップ・ポンプとを有する。
【0047】
各シロップ・ポンプがさらに、内部圧送チャンバと、飲料シロップ・コンテナのうちの1つ及び圧送チャンバに流体連通される入口ポートと、圧送チャンバ及び飲料混合・計量分配ノズルのうちの1つに流体連通される出口ポートと、圧送チャンバに流体連通されるセンサ・ポートと、を有するポンプ・ハウジングを有する。
【0048】
また、各シロップ・ポンプが、ポンプ・モータと、圧送チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、ポンプ・モータによって駆動される圧送機構とを有する。この圧送機構が、入口ポートを通って圧送チャンバの中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、第1の圧力より高い第2の圧力で、圧送チャンバから出口ポートを通して流体を排出することができる。
【0049】
加えて、各シロップ・ポンプが、センサ・ポートに隣接して配置される圧力トランスデューサをさらに有する。このトランスデューサが、第2の圧力で一定量の流体に接触し、第2の圧力に基づいて電気信号を発生させる。プログラム可能なマイクロ・コントローラがさらに含まれ、このプログラム可能なマイクロ・コントローラが圧力トランスデューサから電気信号を受信し、ポンプ・モータに電気接続され、ポンプ・モータを始動及び停止させることができる。
【0050】
シロップ・ポンプ・システムが、複数のシロップ・ポンプの各々を制御するための共通の制御盤を有する。この制御盤が、取り外し可能なポンプのためのプログラム可能なマイクロ・コントローラに電気接続された、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのリセット・スイッチ、さらには各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのポンプ状態インジケータを有する。少なくとも1つのポンプ状態インジケータがシロップ・ポンプのためのプログラム可能なマイクロ・コントローラに電気接続され、各ポンプ状態インジケータが複数のポンプ状態を示すことができる。
【0051】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、各シロップ・ポンプのための圧送機構が、好適には、複数の駆動ギア歯を有する駆動ギアを有し、駆動ギアが圧送チャンバの中に配置されてポンプ・モータより回転可能に駆動される。また、圧送機構が、好適には、駆動ギア歯と噛合する複数の遊びギア歯を有する遊びギアを有し、遊びギアが圧送チャンバの中に配置され、圧送チャンバ内に配置されているアイドラ・シャフトに取り付けられる。センサ・ポートが駆動ギア及び遊びギアの下流側に位置する。
【0052】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、各々の複数のシロップ・ポンプのための圧力トランスデューサが、好適には、セラミック・ピエゾ・ディスクを有する。
【0053】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、制御盤が、好適には、各シロップ・ポンプのための少なくとも2つのポンプ状態インジケータを有し、ここでは各ポンプ状態インジケータが複数のポンプ状態を示すことができる。
【0054】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのリセット・スイッチが好適には膜スイッチであり、各取り外し可能なポンプのための少なくとも1つのポンプ状態インジケータがこの膜スイッチに組み込まれる。
【0055】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、複数のシロップ・ポンプの各々について、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値を超える場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第1のポンプ状態を報知する。
【0056】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、複数のシロップ・ポンプの各々について、第2の圧力が第2の所定の圧力閾値まで低下する場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第2のポンプ状態を報知する。
【0057】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、複数のシロップ・ポンプの各々について、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを始動させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第3のポンプ状態を報知する。
【0058】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、複数のシロップ・ポンプの各々について、所定の時間閾値を超える時間にわたって第2の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第4のポンプ状態を報知する。
【0059】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの特定の実施例では、複数のシロップ・ポンプの各々について、所定の時間閾値を超える時間にわたって第2の圧力が第3の所定の圧力閾値と第4の所定の圧力閾値との間である場合に、マイクロ・コントローラが好適にはポンプ・モータを停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第4のポンプ状態を報知する。
【0060】
したがって、本開示によると、飲料シロップ及び他の流体のための複数のポンプを有するポンプ・システムが提供される。ポンプの各々が、特別なツール又は特別な訓練を受けた技術者を必要とすることなく、迅速に且つ容易に、共通のポンプ・エンクロージャの中に設置され得るか又はそこから取り外され得る。
【0061】
加えて、取り外し可能なポンプが、好適には、ガスによって駆動される膜ポンプではなく電気モータによって駆動される。したがって、有利には、膜ポンプのゴム成分によって吸収されて次いで他の飲料シロップの中へ浸出するシロップ・フレーバの問題(つまり、フレーバ相互汚染の問題)が排除される。したがって、本開示によるシロップ・ポンプは、所望される場合に別のフレーバの飲料のために容易に再び目的を果たすことができる。また、ガスによって駆動される膜ポンプを排除することにより、膜ポンプからの二酸化炭素又は他の不活性ガスの漏洩が、付随の密閉空間における窒息の危険と併せて、同様に排除される。
【0062】
さらに、本開示のポンプ・システムが、シロップ・ポンプの動作を監視及び制御するための改善されたシステムを提供する。
【0063】
細部をより明瞭に示すために正確な縮尺ではない図と併せて考察される詳細な説明を参照することにより本開示の別の利点が明らかとなる。複数の図を通して同様の参照符号が同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本開示の一実施例によるポンプ・エンクロージャを示す正面斜視図である。
【
図2】本開示の一実施例によるポンプ・システムを示す上面斜視図である。
【
図3】本開示の一実施例によるポンプ・システムの一部分を示す上面図である。
【
図4】本開示の一実施例によるポンプ・システムを示す背面斜視図である。
【
図5】本開示の一実施例による飲料シロップ・ポンプの一部分を示す分解斜視図である。
【
図6】本開示の一実施例による飲料シロップ・ポンプの脱着のステップを示す背面斜視図である。
【
図7】本開示の一実施例による飲料シロップ・ポンプの脱着のステップを示す背面斜視図である。
【
図8】本開示の一実施例による飲料シロップ・ポンプの脱着のステップを示す背面斜視図である。
【
図9】本開示の一実施例による飲料シロップ・ポンプの脱着のステップを示す背面斜視図である。
【
図10】本開示の一実施例による、ポンプ・エンクロージャからの飲料シロップ・ポンプの取り外しのステップを示す正面斜視図である。
【
図11】本開示の一実施例による、ポンプ・エンクロージャからの飲料シロップ・ポンプの取り外しのステップを示す正面斜視図である。
【
図12】本開示の一実施例による、ポンプ・エンクロージャからの飲料シロップ・ポンプの取り外しのステップを示す正面斜視図である。
【
図13】本開示の一実施例による、ポンプ・エンクロージャからの飲料シロップ・ポンプの取り外しのステップを示す正面斜視図である。
【
図14】本開示の一実施例による飲料ディスペンサ・システムを示す概略図である。
【
図15】本開示の一実施例によるポンプ制御手法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本開示は、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム及び関連の制御システムに関連する。ポンプ及び制御システムが、特には、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ内で飲料シロップを圧送するのに適する。
【0066】
図1~4に示されるように、本開示による多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム10は、複数の取り外し可能なポンプ14を受けるためのポンプ・エンクロージャ12を有する。このポンプ・エンクロージャ12は、概して、鋼又は別の金属から形成されるか、或はプラスチックから形成され、少なくとも、前方パネル16と、後方パネル18と、第1の側方パネル20及び第2の側方パネル22と、底部パネル24と、取り外し可能な頂部パネル26とを有する。したがって、これらのパネルがポンプ・エンクロージャ12の中に内部空間28を画定する。いくつかの例では、エンクロージャ12はまた、内部空間28を2つのセクションに分割する内部仕切り30を有することができる。後方パネル18はまた、複数の開口部32と、複数の開口部32の上方に配置される少なくとも1つの水平方向リップ34とを有する。このリップ34は、複数のスロット36が形成されており、ここで、複数の開口部32の各々の上方に1つのスロット36が配置される。
【0067】
さらに、ポンプ・システム10は、ポンプ・エンクロージャの内部空間28内に少なくとも部分的に配置される複数のポンプ14を有する。好適には、各ポンプが、ツールを一切必要とすることなく、単純な形で、ポンプ・エンクロージャ12の中に挿入され得、そこから取り外され得る。
【0068】
好適には、取り外し可能なポンプ14の各々は、例えば、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システムの中で使用されるのに適する、飲料シロップ・ポンプである。
【0069】
さらに
図5を参照すると、これらの取り外し可能なポンプ14の各々が、真鍮、ステンレス鋼、或は別の金属又は合金などの、高強度材料から概して形成されるポンプ・ハウジング40を有する。別法として、ポンプ・ハウジング40は、ポリマー材料から成形されてもよく、好適には、炭素繊維又はグラスファイバー・フィラメントなどの、繊維補強材を埋設されるポリマー材料から成形されてもよい。
【0070】
ポンプ・ハウジング40は、内部圧送チャンバ42と、入口ポート44と、出口ポート46と、好適にはセンサ・ポート48とを有し、これらのポートの各々が圧送チャンバ42に流体連通される。また、各取り外し可能なポンプ14は、ポンプ・ハウジング40の外側表面に形成されるリテーナ・ピン孔52の中に、好適には係留して受けられる、ばね付勢のリテーナ・ピン50を有する。
【0071】
加えて、各取り外し可能なポンプ14が、ポンプ・モータ60と、圧送チャンバ42内に少なくとも部分的に配置される、ポンプ・モータ60によって駆動される圧送機構とを有する。ポンプ・モータ60は好適には電気モータである。好適には、共通の電源64がエンクロージャ12の中に配置され、電気ポンプ・モータのすべてに電力供給するのに使用される。
【0072】
圧送機構は、概して、駆動シャフト66を介してポンプ・モータ60によって駆動される。いくつかの例では、駆動シャフト66が圧送機構に直接に結合され得る。このような事例では、ポンプ・ハウジング40が駆動シャフト開口部をさらに有し、駆動シャフト66がこの駆動シャフト開口部を通ってポンプ・ハウジング40及びシール組立体68の中まで延在し、それにより駆動シャフト開口部を通しての流体の漏洩を防止する。他の例では、駆動シャフト66が圧送機構に磁気的に結合され得る。
【0073】
圧送機構は、入口ポート44を通って圧送チャンバ42の中に入る流体を第1の圧力で受け取ることができ、第1の圧力より高い圧力第2の圧力で、圧送チャンバ42から出口ポート46を通して流体を排出することができる。
【0074】
例えば、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム10の特定の実施例では、各取り外し可能なポンプ14のための圧送機構は、好適にはギア・ポンプ機構である。このギア・ポンプ機構は好適には駆動ギア70を有する。駆動ギア70は複数の駆動ギア歯72を有し、圧送チャンバ42の中に配置され、ポンプ・モータ60により回転可能に駆動される。また、圧送機構は、好適には、遊びギア74を有する。遊びギアはまた、駆動ギア歯72と噛合する複数の遊びギア歯76を有し、やはり圧送チャンバ42の中に配置される。遊びギア74は、圧送チャンバ42内に配置されているアイドラ・シャフト78に取り付けられる。
【0075】
ギア・ポンプの動作中、流体が第1の圧力すなわち初期圧力で入口ポート44から圧送チャンバ42内に受け取られる。駆動シャフト66が駆動ギア70を回転させ、2つのギアの歯が噛合していることで駆動ギア70が遊びギア74を回転させる。2つのギアが回転するとき、流体がギア歯によって捕捉される。このとき、流体が、第1の圧力すなわち初期圧力より高い第2の圧力で出口ポート46を通して押し出されるまで圧送チャンバ42の周縁部内側に沿って移動する。
【0076】
各取り外し可能なポンプ14について、ポンプ・モータ60、及びポンプ・ハウジング40の少なくとも一部分は、ポンプ・エンクロージャの内部空間28の中に配置され、一方、
図4に見られるように、入口ポート44及び出口ポート46は、複数の後方パネル開口部32のうちの1つを通って延在する。この位置で、取り外し可能なポンプ14がリテーナ・ピン50の一部分により定位置で固定され、リテーナ・ピン50が、エンクロージャ12の後方パネル・スロット36のうちの1つを通って延在し、それによりポンプ・
エンクロージャ12内で取り外し可能なポンプ14の少なくとも一部分を保持する。
【0077】
好適には、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム10の各取り外し可能なポンプ14はさらに、ツールを用いない形で入口ポート44及び出口ポート46を供給ライン及び排出ラインに迅速に接続したり又はそこから脱着したりするのを可能にするように、構成される。
図6に示されるように、これは、入口ポート44及び出口ポート46に隣接するところでポンプ・ハウジング40に移動可能に取り付けられる摺動ロック部材80を提供することにより、達成され得る。摺動ロック部材80は、第1の部分82と、第1の部分82より細い第2の部分84と、ロック・リテーナ開口部86とを有する。摺動ロック部材80は、ロック位置とアンロック位置との間で摺動可能に移動することができる。さらに、入口ポート44と出口ポート46との間にある位置で摺動ロック部材80をポンプ・ハウジング40に固定するための、摺動ロック・リテーナ開口部86を通過する摺動ロック・リテーナ88が含まれる。
【0078】
入口ポート44及び出口ポート46の各々は、好適には、摺動ロック部材80の第1の部分82を受けるためのチャンネル90又は溝を有する。したがって、摺動ロック部材80がロック位置にあるとき、摺動ロック部材80の第1の部分82が入口ポート44及び出口ポート46のチャンネル90の中に受けられ、それにより入口ポート44及び出口ポート46の中の取り外し可能な取付具92、94に係合されてそれらを保持する。しかし、摺動ロック部材80がロック位置にあるときには、摺動ロック部材80の第2の部分84が入口ポート44及び出口ポート46のチャンネル90に隣接して配置されるが、入口ポート44及び出口ポート46の中の取り外し可能な取付具92、94に係合されず、それらを保持しない。したがって、入口ポート44及び出口ポート46が、ツールを用いない形で、供給ライン及び排出ラインに接続され得るか又はそこから脱着され得る。
【0079】
さらに、各取り外し可能なポンプについて、入口ポート44が好適には第1の断面積を有し、出口ポート46が好適には第1の断面積とは異なる第2の断面積を有する。また、いくつかの例では、好適には、各取り外し可能なポンプ14について、入口ポート44が第1の断面直径を有し、出口ポート46が第1の断面直径とは異なる第2の断面直径を有する。
【0080】
供給ラインのための取り外し可能な取付具92は、出口ポート46ではなく入口ポート44の中に嵌め込まれるように適合される断面積及び断面直径を有する。対して、排出ラインのための取り外し可能な取付具94は、入口ポート44ではなく出口ポート46の中に嵌め込まれるように適合される断面積及び断面直径を有する。このようにして、供給ラインを出口ポート46に不適切に接続すること又は排出ラインを入口ポート44に不適切に接続することが防止され得ることが認識されよう。
【0081】
別の態様では、センサ・制御システムが取り外し可能なポンプ14のためにさらに提供される。このセンサ・制御システムが上で言及したギア・ポンプ機構などの容積式ポンプ機構を、設備にダメージに与えることなく安全に使用するのを可能にする。
図1~5を再び参照すると、この点に関して、各取り外し可能なポンプ14が、センサ・ポート48に隣接して配置される圧力トランスデューサ100をさらに有する。各圧力トランスデューサ100は、好適には、セラミック・ピエゾ・ディスクを有する。トランスデューサ100は、第2の圧力(すなわち、排出圧力)で一定量の流体に接触し、第2に圧力に比例する電気信号を発生させる。
【0082】
各取り外し可能なポンプ14は分離式のプログラム可能なマイクロ・コントローラ102をさらに有し、プログラム可能なマイクロ・コントローラ102は、電気ケーブル104を介して圧力トランスデューサ100から電気信号を受信し、ポンプ・モータ60に電気接続されており、ポンプ・モータ60を始動又は停止させることができる。プログラム可能なマイクロ・コントローラ102は、例えば、ポンプ・モータ60に取り付けられるハウジング106の中に密閉され得る。いくつかの例では、金属プレート又は金属フィンなどの熱放出部108がハウジングの外側部分に取り付けられ得、それにより冷却を促進する。
【0083】
さらに、複数の取り外し可能なポンプ14の各々を制御するための共通の制御盤110が提供される。この制御盤110は、好適には、ポンプ・エンクロージャ12の前方パネル16の上に配置される。共通の制御盤110は、複数のワイヤ116を介してポンプ・マイクロコントローラの各々に電気接続される。制御盤110は、各取り外し可能なポンプ14のための少なくとも1つのリセット・スイッチ112を有し、リセット・スイッチ112は、取り外し可能なポンプ14のためのプログラム可能なマイクロ・コントローラ102に電気接続される。
【0084】
制御盤110は、各取り外し可能なポンプ14のための少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114をさらに有する。少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114は、取り外し可能なポンプ14のためのプログラム可能なマイクロ・コントローラ102に電気接続され、各ポンプ状態インジケータ114が複数のポンプ状態を示すことができる。好適には、状態インジケータ114は、LEDライドなどのインジケータ・ライトである。別法として、状態インジケータ114が、可聴アラーム装置及びビデオ・ディスプレイなどによって提供されてもよい。特に好適な実施例では、各取り外し可能なポンプ14のための少なくとも1つのリセット・スイッチ112は、好適には膜スイッチであり、各取り外し可能なポンプ14のための少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114がこの膜スイッチに組み込まれる。
【0085】
いくつかの例では、制御盤110が、各取り外し可能なポンプ14のための少なくとも2つのポンプ状態インジケータ114を有することができ、各ポンプ状態インジケータ114が複数のポンプ状態を示すことができる。
【0086】
複数の取り外し可能なポンプ14の各々について、マイクロ・コントローラ102が、概して、ポンプを始動又は停止させるように、及び圧力トランスデューサ100から受信する第2の圧力の情報に基づいて特定のポンプ状態を報知するように(ポンプ状態インジケータを使用する)、プログラムされる。
【0087】
例えば、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値を超える場合(例えば、586kPa(85psi)を超える)、マイクロ・コントローラ102は、好適には、ポンプ・モータ60を停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータが第1のポンプ状態を報知する。この第1のポンプ状態は、ポンプに関して準備の整ったスタンバイ状態に対応する。これは、例えば、点灯状態の緑のインジケータ・ライトにより制御盤110上で報知され得る。
【0088】
第2の圧力が第2の所定の圧力閾値未満まで低下する場合(例えば、103kPa(15psi)未満)、マイクロ・コントローラ102は、好適にはポンプ・モータ60を停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114が第2のポンプ状態を報知する。この第2のポンプ状態は、ポンプに関して空のシロップ・バッグ状態に対応する。これが、例えば、点滅する赤いライトにより制御盤110上で報知され得る。これは、飲料シロップ・コンテナが空であり、交換することが必要であることをオペレータに示すことになる。シロップ・コンテナの交換後、リセット・スイッチを使用してポンプを手動でリセットすることが必要となる可能性がある。
【0089】
第3の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合、マイクロ・コントローラ102は、好適にはポンプ・モータ60を始動させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114が第3のポンプ状態を報知する。この第3のポンプ状態は、ポンプに関して通常の圧送及びシロップ計量分配の状態に対応する。これは、例えば、高速点滅する緑のライトにより制御盤110上で報知され得る。
【0090】
所定の時間閾値を超える時間(例えば、1分を超える)にわたって、第2の圧力が第1の所定の圧力閾値と第2の所定の圧力閾値との間である場合、マイクロ・コントローラ102は、好適にはポンプ・モータ60を停止させるようにプログラムされており、少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114が第4のポンプ状態を報知する。この第4のポンプ状態は、ポンプが動作可能であるが排出ライン中に捕捉された空気が存在するという状態に対応する。これは、例えば、よりゆっくり点滅する緑のライトにより制御盤110上で報知され得る。
【0091】
別法として、所定の時間閾値を超える時間(例えば、1分を超える)にわたって第2の圧力が第3の所定の圧力閾値と第4の所定の圧力閾値との間である場合(例えば、207kPa(30psi)から414kPa(60psi))、マイクロ・コントローラ102はポンプ・モータ60を停止させるようにプログラムされていてよく、少なくとも1つのポンプ状態インジケータ114が第4のポンプ状態を報知する。これもやはり、ポンプが動作可能であるが排出ライン中に捕捉された空気が存在するという状態に対応するが、この状態を定義するのにより狭い圧力範囲を使用する。
【0092】
上で言及した制御手法が
図15のフローチャート概略図で概説される。
【0093】
有益なこととして、このセンサ・制御システムは、従来のガスによって駆動される膜ポンプを、上述の電動式のギア・ポンプなどの容積式ポンプに交換するのを容易にする。具体的には、センサ・制御システムは、容積式ポンプの動作を監視及び管理するのを可能にし、それによりポンプの過熱の状況及び/又はデッドヘッドによる過剰な加圧状況を低減又は防止する。
【0094】
別の態様では、本開示はまた、上述の多連ポンプの制御式の取り外し可能なポンプ・システム10を利用するポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム120に関連する。
図14に示されるように、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム120は、複数の飲料混合・計量分配ノズル124を有する飲料計量分配ステーション122と、飲料混合・計量分配ノズル124の各々に流体連通される炭酸水の供給物とを有する。例えば、飲料ディスペンサは水の炭酸化のシステムを有することができ、ここでは、未炭酸化の水126の供給源(市営の水供給ラインなど)が水ポンプ130により炭酸化タンク128の中へ圧送される。この混合タンク128がさらに圧縮ガス・シリンダなどの二酸化炭素ガスの供給源132に流体連通される。水が混合タンク128の中へ圧送され、次いで二酸化炭素ガスが混合タンク128内で水と混合されて水の中に溶解し、それにより炭酸水が提供される。炭酸水がさらに冷却装置134を通過させられ得、その後、混合・計量分配ノズル124に到達する。
【0095】
加えて、ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム120は、複数の飲料シロップ・コンテナ136をさらに有し、各コンテナが高濃度の飲料シロップの供給物を有する。これらの飲料シロップ・コンテナ136は、例えばバッグインボックスのシロップ・コンテナとして提供され得る。
【0096】
ポスト・ミックス式飲料ディスペンサ・システム120は、各飲料混合・計量分配ノズル124のための分離式のシロップ・ポンプを備える、多連ポンプのシロップ・ポンプ・システム10をさらに有する。したがって、各計量分配ノズル124が、同一のバッグインボックスの又は他の飲料シロップ・コンテナ136にさらに接続されて流体連通される。上述の制御式ポンプ・システム10が、シロップ・コンテナから計量分配ノズル124までシロップを移動させるのに使用され得る。したがって、シロップ・コンテナ136がポンプ入口ポート44に接続され、ポンプ出口ポート46が飲料混合・計量分配ノズルに接続され、それによりノズル124のための飲料シロップを供給する。
【0097】
上述したように、多連ポンプの取り外し可能なポンプ・システム10の各ポンプは、ツールを用いない形で、ポンプ・エンクロージャ12から迅速に取り外し可能となるか又はポンプ・エンクロージャ12の中に設置されるように構成される。ツールを用いない形でエンクロージャ12からポンプを取り外すことが可能であることが
図6から13に示される。
【0098】
通常の動作中、摺動ロック部材80が
図6に示されるようにロック位置から始まり、ここでは、摺動ロック部材80の第1の部分82が入口ポート44及び出口ポート46のチャンネル90の中に受けられ、それにより、入口ポート44及び出口ポート46のそれぞれの中の供給ライン及び排出ラインのための取り外し可能な取付具92、94に係合されてそれらを保持する。次いで、摺動ロック部材80が
図7に示されるようにアンロック位置まで移動させられ、ここでは、摺動ロック部材80の第2の部分84が、入口ポート44及び出口ポート46のチャンネル90に隣接して配置される。第2の部分84は、入口ポート44及び出口ポート46の中の取り外し可能な取付具92、94に係合されず、それらを保持しない。
【0099】
次いで、
図8に示されるように、供給ラインのための取付具92が入口ポート44から取り外され得、排出ラインのための取付具94が出口ポート46から取り外され得る。供給ライン及び排出ラインが取り外された状態で、
図9に示されるように、ポンプがエンクロージャ12の後方パネル18に取り付けられた状態を維持する。
【0100】
マイクロ・コントローラ102と共通の制御盤110との間での電気接続を形成する配線116が、次いで、
図10に示されるように切断される。
【0101】
次いで、
図11に示されるように、上述したように通常状態においてはエンクロージャ12の後方パネル18に形成されたスロット36のうちの1つを通って延在するばね付勢のリテーナ・ピン50が押し下げられ、それにより後方パネル・スロット36からピンが取り外される。次いで、
図12に示されるように、リテーナ・ピン50が後方開口部の水平方向リップ34から離れるまで、ポンプがその後方パネル開口部32の中で回転させられ得る。最後に、
図13に示されるように、ポンプが後方パネル開口部32から引き抜かれてポンプ・エンクロージャ12から取り外され得る。
【0102】
上記のステップを逆にすることにより、ツールを用いない形で新しいポンプを設置することが達成される。簡単に言うと、ポンプの一部分がエンクロージャ12の後方パネル開口部32を通して挿入され、後方パネル開口部32の上方でリップ34に形成されたスロット36に対してリテーナ・ピン50を位置合わせさせて係合させるまで、回転させられる。マイクロ・コントローラ102と制御盤110との間の配線接続が確立される。シロップ供給ラインが入口ポート44に取り付けられ、排出供給ラインが出口ポート46に取り付けられる。最後に、摺動ロック部材80がアンロック位置からロック位置まで移動させられ、それにより供給・排出ラインを定位置で保持する。
【0103】
したがって、有利には、本開示によると、飲料シロップを圧送するためにガスによって駆動される膜ポンプを利用しないポスト・ミックス式飲料ディスペンサが開示される。
【0104】
したがって、圧送される飲料シロップがこのポンプ内で使用されるゴム膜に接触することがなく、それによりポンプ内でのフレーバ相互汚染が防止される。
【0105】
加えて、ガスによって駆動される膜ポンプを排除することにより(また代わりに、制御式の容積式ポンプを提供することにより)、膜ポンプからの二酸化炭素又は他の不活性ガスの漏洩のリスクが同様に排除される。したがって、そのような二酸化炭素の漏洩によって起こる重大な密閉空間での窒息の危険も排除される。
【0106】
また、膜ポンプの場合では、結果として、保守管理及び/又は交換を必要として、したがって訓練を受けた技術者によりポンプ・システムの保守管理を行うときに長いダウンタイムを必要とする。
【0107】
さらに、特別なツール又は特別な訓練を受けた技術者を必要とすることなく、提供される飲料シロップ・ポンプが容易に且つ迅速に保守管理され得る。
【0108】
本開示のための好適な実施例の上記の記述は例示及び説明を目的として提供されるものである。包括的であることを意図されず、つまり、本開示を、開示される厳密な形態のみに限定することは意図されない。上記の教示に照らして明らかな修正形態又は変形形態が可能である。これらの実施例は、本開示の原理及びその実際的な用途を最良の形で例示することを目的として、またそれにより、企図される特定の使用に適するような多様な修正を行いながら当業者が本開示を多様な実施例において利用するのを可能にすることを目的として、選択されて説明されるものである。このようなすべての修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲に適正に、合法的に、且つ公平に権利が付与されるような場合の幅に従って解釈される場合の添付の特許請求の範囲によって決定される本開示の範囲内にある。