(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】自動剛性針シールド除去装置を備える自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20230414BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A61M5/32 502
A61M5/20 570
A61M5/32 510D
(21)【出願番号】P 2021518687
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2019077061
(87)【国際公開番号】W WO2020070326
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-06
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519130535
【氏名又は名称】フィリップス - メディサイズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ビャーネ ソレンセン
(72)【発明者】
【氏名】エスベン ウェルディング ヨハンセン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン オルセン
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲン ファンダー ラスムッセン
(72)【発明者】
【氏名】エミール ヴェーガー イェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ソレン コッホ ベヒマン
(72)【発明者】
【氏名】ルシール ドール
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-528182(JP,A)
【文献】特開2005-074224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0186075(US,A1)
【文献】特表2008-504934(JP,A)
【文献】特表2015-523131(JP,A)
【文献】国際公開第2012/066767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を送達するための自動注射器(100a、100b、100c、100d)であって、該自動注射器が近位端から遠位端まで延在し、前記自動注射器が、
-ハウジング(102)と、
-シリンジ(200)を受容するように構成されたシリンジホルダ(110)であって、前記シリンジが、
○近位端(201)から遠位端(203)まで延在するシリンジ区画(202)であって、薬剤を収容するシリンジ区画と、
○該シリンジ区画の前記近位端(201)と流体接続する中空の針(204)と、
○前記シリンジ区画の前記近位端(201)に接続され、前記中空の針を覆う剛性針シールド(206)と、
○ストッパを
近位に移動させるプランジャロッド(210)によって、前記シリンジ区画内で遠位位置から近位位置に移動可能なストッパ(208)と、を含む、シリンジホルダと、
-前記ハウジング(102)に対して前記シリンジホルダ(110)を相対的に移動させるように構成された第1の駆動モジュール(120)と、
-前記剛性針シールド(206)と前記シリンジ区画の前記近位端(201)との間に配置されるように構成された第1部分(132)を備える、剛性針シールド除去装置(130)であって、前記第1部分(132)が前記剛性針シールド(206)と前記シリンジ区画の前記近位端(201)との間に配置されるとき、前記剛性針シールド(206)が、前記シリンジホルダ(110)と前記剛性針シールド除去装置(130)との間の相対移動に応じて、前記シリンジ区画の前記近位端から分離され得る、剛性針シールド除去装置(130)と、を備え、
前記シリンジホルダ(110)、前記第1の駆動モジュール(120)、及び前記剛性針シールド除去装置(130)が、前記自動注射器の前記ハウジング(102)の内側に含まれ、
前記剛性針シールド除去装置(130)は、遠位端(134)から近位端まで延在する少なくとも2つのアーム(133)を備え、前記少なくとも2つのアーム(133)はそれぞれ、前記自動注射器(100a、100b、100c、100d)又は前記剛性針シールド除去装置(130)に枢動可能に取り付けられ、前記第1の駆動モジュール(120)は、前記シリンジ区画の前記近位端(201)と前記剛性針シールド(206)とを離すために、前記シリンジホルダ(110)を遠位に移動させるように構成されている、自動注射器。
【請求項2】
前記シリンジが、前記シリンジ区画の遠位端に接続されたプランジャロッドを更に備える、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
前記自動注射器が、プランジャロッドとして作用するピストンを備え、該ピストンは、前記ハウジングの内部に配置される、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記自動注射器が、プランジャロッドとして作用するピストンを備え、該ピストンは、前記ハウジングの内部に配置され、プランジャロッドの遠位端において前記ハウジングの外側に延在する、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項5】
前記シリンジが前記シリンジ区画の遠位端に接続されたプランジャロッドを更に備え、前記自動注射器は、薬剤の送達のために前記プランジャロッドを
近位に移動させるピストンを備える、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項6】
針の挿入のために前記シリンジホルダを近位方向に移動させるように構成された第1のばね(140)を更に備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項7】
前記シリンジを収容する前記シリンジホルダが針の挿入のために近位方向に移動するように、前記第1のばねを解放するように構成された作動ボタン(142)を更に備える、請求項6に記載の自動注射器。
【請求項8】
前記作動ボタン(142)が前記ハウジングの外側に配置されている、請求項7に記載の自動注射器。
【請求項9】
前記作動ボタン(142)が前記ハウジングの内部に位置付けられている、請求項7に記載の自動注射器。
【請求項10】
薬剤の送達のために前記プランジャロッドを
近位に移動させるように構成された第2の駆動モジュールを更に備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記第1の駆動モジュールが、第1の位置(L1)から第2の位置(L2)へと遠位側に前記シリンジホルダを移動させるように構成され、前記第2の位置において、前記剛性針シールド除去装置の前記第1部分が、前記剛性針シールドと前記シリンジ区画の前記近位端との間に配置される、請求項1~10のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項12】
前記第1の駆動モジュールが、前記第2の位置(L2)から第3の位置(L3)へと更に遠位に前記シリンジホルダを移動させるように構成され、前記第3の位置(L3)において、前記剛性針シールドが前記シリンジ区画から緩められる、請求項11に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記第2の位置(L2)から前記第3の位置(L3)への前記シリンジホルダの移動中に、前記剛性針シールド除去装置が移動していない、請求項12に記載の自動注射器。
【請求項14】
前記剛性針シールド除去装置が、前記シリンジ区画から分離されたときに前記剛性針シールドを支持するように構成された第2部分(138)を備え、前記第3の位置(L3)において前記剛性針シールドを支持して、ユーザが手動で取り外す前に、それが前記シリンジから分離されることを防止する、請求項12又は13に記載の自動注射器。
【請求項15】
前記第3の位置(L3)の前記剛性針シールドが、ユーザが容易に手動で取り外すために前記ハウジングから5~15mm突き出ている、請求項12~14のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項16】
前記自動注射器が、前記剛性針シールドが前記シリンジに取り付けられているかどうかを検出するように構成された剛性針シールドセンサ(146)を更に備える、請求項1~15のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項17】
前記剛性針シールドセンサが、前記剛性針シールド除去装置、前記シリンジホルダ、又は前記シリンジに接続されている、請求項16に記載の自動注射器。
【請求項18】
前記剛性針シールドセンサの遠位端(147)が前記シリンジホルダに接続され、前記剛性針シールドが前記シリンジに接続されたときに前記剛性針シールドセンサの近位端(148)が前記剛性針シールドと接触している、請求項17に記載の自動注射器。
【請求項19】
前記剛性針シールドセンサが、ばね仕掛けの回転アーム及び電子スイッチを備え、
前記剛性針シールドが前記シリンジに接続されているとき、前記回転アームが押下位置にあり、
前記回転アームが前記押下位置にあることは、前記電子スイッチと相互作用し、それによって、電子機器が前記剛性針シールドの存在を検出することを可能にする、請求項16~18のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項20】
前記自動注射器が、前記剛性針シールドセンサと比較して、前記剛性針シールドが前記剛性針シールドの長さに沿った1つ又はそれ以上の異なる位置で前記シリンジに取り付けられたかどうかを検出するように構成された1つ又はそれ以上の追加の剛性針シールドセンサを更に備える、請求項16~19のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項21】
第1のばねが、針の挿入のために、前記第3の位置(L3)から第4の位置(L4)に前記シリンジホルダを近位方向に移動させるように構成されている、請求項12~20のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項22】
前記第1の駆動モジュールが、薬剤の送達後に、前記第4の位置(L4)から第5の位置(L5)まで前記シリンジホルダを遠位に移動させるように更に構成され、前記シリンジは、前記第5の位置(L5)内の前記自動注射器から取り外し可能である、請求項21に記載の自動注射器。
【請求項23】
前記第5の位置(L5)及び前記第1の位置(L1)が同じである、請求項22に記載の自動注射器。
【請求項24】
前記第5の位置(L5)及び前記第3の位置(L3)が同じである、請求項23に記載の自動注射器。
【請求項25】
前記自動注射器が、前記シリンジが前記シリンジホルダ内に配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサ(144)を更に備える、請求項1~24のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項26】
前記シリンジセンサが前記自動注射器の前記ハウジングの内部に配置されている、請求項25に記載の自動注射器。
【請求項27】
前記ハウジングの内側に配置された剛性針シールド除去装置ホルダを更に備え、前記剛性針シールド除去装置の遠位端は、前記剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられている、請求項1~26のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項28】
前記剛性針シールド除去装置ホルダが、前記自動注射器の前記ハウジングに対して長手方向に移動可能である、請求項27に記載の自動注射器。
【請求項29】
前記剛性針シールド除去装置ホルダが、前記自動注射器の前記ハウジングの一体化部品である、請求項27に記載の自動注射器。
【請求項30】
前記剛性針シールド除去装置の少なくとも2つのアーム(133)の遠位端が、前記自動注射器又は前記剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられている、請求項27~29のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項31】
前記剛性針シールド除去装置の前記少なくとも2つのアームのそれぞれの遠位端と近位端との間の中間位置が、前記自動注射器又は前記剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる、請求項27~29のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項32】
前記自動注射器が1つ又はそれ以上の腕ばねを更に備え、前記剛性針シールド除去装置は、少なくとも2つのアームを備え、1つ又はそれ以上のアームばねは、前記少なくとも2つのアームを前記少なくとも2つのアームの近位端で中央に押す、請求項1~31のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項33】
前記剛性針シールドセンサが、前記少なくとも2つのアームの互いに向かう角度回転を検出するように構成されている、請求項32に記載の自動注射器。
【請求項34】
1つ又はそれ以上のアームが実質的に直線状である、請求項32又は33に記載の自動注射器。
【請求項35】
1つ又はそれ以上のアームがL字形状である、請求項32又は33に記載の自動注射器。
【請求項36】
前記自動注射器の近位端に皮膚センサ(150)を更に備え、該皮膚センサは前記ハウジングに対して相対的に長手方向に変位可能である、請求項1~35のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項37】
前記皮膚センサが挿入後に挿入針を覆う、請求項36に記載の自動注射器。
【請求項38】
前記第1の駆動モジュールが電気モータである、請求項1~37のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項39】
前記第1の駆動モジュールの前記電気モータは、前記自動注射器内の唯一のモータである、請求項38に記載の自動注射器。
【請求項40】
前記第2の駆動モジュールが電気モータである、請求項10~38のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項41】
シリンジを更に備え、該シリンジが、
-近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、薬剤を収容するシリンジ区画と、
-前記シリンジ区画の前記近位端と流体接続する中空の針と、
-前記シリンジ区画の前記近位端に接続され、前記中空の針を覆う剛性針シールドと、
-前記シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、を含むシリンジを備えている、請求項1~40のいずれか1項に記載の自動注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された剛性針シールド除去機構を有する自動注射器に関する。本発明はまた、改善されたカセット及び自動注射器システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
患者への薬剤送達のための自動注射器は、患者に送達される薬剤の種類に応じて多くの種類になる。薬剤が患者に送達される挿入針は、通常、剛性針シールドによって保護される。剛性針シールドの取り外しは、通常、手動で行われ、したがって、挿入前にユーザが挿入針と偶発的に接触する危険性をもたらし得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、第1の態様では、薬剤を送達するための自動注射器が開示され、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在する。自動注射器は、ハウジングと、シリンジを受容するように構成されたシリンジホルダと、を備え、シリンジは、
-近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、薬剤を収容するシリンジ区画と、
-シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
-シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
-シリンジ区画内の遠位位置から近位位置へと移動可能なストッパであって、ストッパを近位に移動させるプランジャロッドによって移動可能である、ストッパと、を備えている。
【0004】
自動注射器は、シリンジホルダをハウジングに対して相対的に移動させるように構成された第1の駆動モジュールと、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置されるように構成された第1部分を備える剛性針シールド除去装置と、を更に備え、第1部分が剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置されているとき、剛性針シールドは、シリンジホルダと剛性針シールド除去装置との間の相対移動の際に、シリンジ区画の近位端から分離することができ、シリンジホルダ、第1の駆動モジュール、及び剛性針シールド除去装置は、自動注射器のハウジングの内側に含まれる。
【0005】
剛性針シールド除去装置は、通常、遠位端から近位端まで延在する少なくとも2つのアームを備え、少なくとも2つのアームはそれぞれ、自動注射器又は剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる。
【0006】
自動注射器は、通常、再利用可能であり、一方、シリンジは1回使用の品目である。
【0007】
上述の自動注射器により、使用前にユーザが挿入針と偶発的に接触する危険性を引き起こすことなく、剛性針シールドの改善された取り外しが得られる。したがって、自動注射器の外側の剛性針シールドを手動で引き離すことによる針スティック損傷もまた、針の損傷、例えば、装置内にシリンジを挿入する前に剛性針シールドが引き抜かれる場合の針の曲げと共に回避される。
【0008】
一般に、剛性針シールドを手動で引っ張るためには強い力を必要とする。これは、器用さが低減された患者又は同様の患者にとって困難であり得る。上記自動注射器によって、この問題は回避される。
【0009】
剛性針シールドを手動で取り外すための代替的な解決策は、以前は、剛性針シールドを引き離すために専用の別個の剛性針シールド除去装置ツールを使用することであった。このような剛性針シールド除去装置ツールは、シリンジのコストを増大させる。シリンジを自動注射器に配置した後に、剛性針シールドを手動で引き抜くべく剛性針シールド除去装置が前部から突出するときに、シリンジを挿入することは更に矛盾し得る。しかしながら、このような剛性針シールド除去装置ツールの必要性は、上記自動注射器によって回避される。
【0010】
自動注射器は更にコンパクトであり、剛性針シールド除去装置がハウジングの内部に配置されるので、従来公知の自動注射器と比較してより堅牢な解決策が得られる。
【0011】
本明細書では、第2の態様では、薬剤を投与するための自動注射器に使用するためのカセットが開示される。自動注射器は、近位端から遠位端まで延在すると共に、
○近位端から遠位端まで延在するハウジングと、
○ピストンと、
○カセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ピストン及びカセット受容部を移動させるように構成された駆動モジュールであって、ピストン及びカセット受容部が一緒に又は別個に移動され得る、駆動モジュールと、を備えている。
【0012】
カセット受容部、ピストン、及び駆動モジュールは、自動注射器のハウジングの内部に含まれる。カセットは、自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【0013】
カセットは、通常、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
○シリンジ区画を空にするためにストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダと、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分を有する剛性針シールドホルダと、
○カセットの近位端に配置されたカセット皮膚センサと、を備えている。
【0014】
このカセットにより、使用前にユーザが挿入針と偶発的に接触する危険性を引き起こすことなく、剛性針シールドを取り外すための一体化機構を有する、1つの改良されたカセットで全て得られる。カセットはコンパクトで頑丈であり、これは、前面装填型の自動注射器において単純な方法で使用され得る。カセットは更に、ばねドライバなしで動作し、これによりコストが低減される。全ての移動が再利用可能な自動注射器によって取り扱われるため、より単純な機能である。
【0015】
本明細書では、第3の態様では、薬剤を投与するための自動注射器が開示され、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器はハウジングを備える。ハウジングの内部には、
○カセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○カセットのシリンジ内でストッパを近位に移動させるように構成されたピストンであって、シリンジの薬剤を空にするピストンと、
○ピストン及びカセット受容部を移動させるように構成された駆動モジュールであって、ピストン及びカセット受容部が、駆動モジュールによって一緒に又は別個に移動され得る、駆動モジュールと、
○針を挿入するためにシリンジ区画が針に近位に接続された状態で、シリンジホルダを移動させるように構成された第1のばねと、が含まれる。
【0016】
本明細書では、第4の態様では、薬剤を投与するための自動注射器に使用するためのカセットが開示される。自動注射器は、近位端から遠位端まで延在すると共に、
○近位端から遠位端まで延在するハウジングと、
○ピストンと、
○カセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ピストンを移動させるように構成された駆動モジュールと、を備えている。
【0017】
カセット受容部、ピストン、及び駆動モジュールは、自動注射器のハウジングの内部に含まれる。カセットは、自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【0018】
カセットは、通常、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
○シリンジ区画を空にするためにストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダと、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分を有する剛性針シールドホルダと、
○カセット皮膚センサと、を備えている。
【0019】
本明細書では、第5の態様では、薬剤を投与するための自動注射器が開示され、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器はハウジングを備えている。ハウジングの内部には、
○第4の態様によるカセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ストッパをカセットのシリンジの内部で近位に移動させ、それによってシリンジの薬剤を空にするように構成されたピストンと、
○ピストンを移動させるように構成された駆動モジュールと、を備えている。
【0020】
第6の態様で本明細書に開示されるのは、薬剤を投与する送達のための自動注射器であり、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在する。自動注射器は、
-ハウジングと、
-自動注射器の長手方向の近位位置と遠位位置との間でピストンを移動させるように構成された電気モータと、
-近位端から遠位端まで延在し、シリンジを受容するように構成されたシリンジホルダと、を備えている。
【0021】
シリンジは、
-薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
-シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
-シリンジ区画内のストッパ位置であって、ピストンが、ストッパを近位に移動させ、それによってシリンジ区画を空にするように構成されている、ストッパ位置と、を含む。
【0022】
自動注射器は、針の挿入のためにシリンジホルダをシリンジと共に近位に移動させるように構成された第1のばねを更に備える。電気モータは、自動注射器内の唯一のモータである。
【0023】
自動注射器は、ピストンを近位に移動させるために電気モータを作動させるように構成された作動ボタンを更に備え、ピストンの移動は、第1のばねを近位に解放する。
【0024】
上記により、自動注射器における1つの電気モータのみを使用することにより、通常よりも簡素かつよりコンパクトである堅牢な自動注射器が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の態様では、薬剤を送達するための自動注射器が開示され、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在している。自動注射器は、ハウジングと、シリンジを受容するように構成されたシリンジホルダと、を備え、シリンジは、
-近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、薬剤を収容するシリンジ区画と、
-シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
-シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
-シリンジ区画内の遠位位置から近位位置へと移動可能なストッパであって、ストッパを近位に移動させるプランジャロッドによって移動可能である、ストッパと、を備えている。
【0026】
自動注射器は、シリンジホルダをハウジングに対して相対的に移動させるように構成された第1の駆動モジュールと、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置されるように構成された第1部分を備える剛性針シールド除去装置と、を更に備え、第1部分が剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置されているとき、剛性針シールドは、シリンジホルダと剛性針シールド除去装置との間の相対移動の際に、シリンジ区画の近位端から分離することができ、シリンジホルダ、第1の駆動モジュール、及び剛性針シールド除去装置は、自動注射器のハウジングの内側に含まれる。剛性針シールド除去装置は、通常、遠位端から近位端まで延在する少なくとも2つのアームを備え、少なくとも2つのアームはそれぞれ、自動注射器又は剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジは、シリンジ区画の遠位端に接続されたプランジャロッドを更に備えている。プランジャロッドは、自動注射器の一部であるピストンによって近位方向に移動され得る。代替的に、ユーザは、薬剤の注入のためにプランジャロッドを近位に移動させることができる。したがって、1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジは、シリンジ区画の遠位端に接続されたプランジャロッドを更に備え、自動注射器は、薬剤の送達のためにプランジャロッドを近位に移動させるピストンを備えている。
【0028】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、プランジャロッドとして作用するピストンを備え、ピストンはハウジングの内部に配置されている。ピストンは、場合によっては、ピストンの遠位端においてハウジングの外側に延在してもよい。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、針の挿入のためにシリンジホルダを近位方向に移動させるように構成された第1のばねを更に備えている。ばねは、多くの場合、迅速な挿入を確実にし、堅牢な解決策を作り出すため、好ましい選択肢である。
【0030】
1つ又はそれ以上の実施例において、自動注射器は、シリンジを収容するシリンジホルダが針の挿入のために近位方向に移動するように、第1のばねを解放するように構成された作動ボタンを更に備えている。作動ボタンは、代替的に、例えば駆動モジュールの移動を作動させてもよく、これは次に、その移動中に第1のばねを解放する。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施例では、作動ボタンはハウジングの外側に配置される。これにより、ユーザに、ボタンへの容易なアクセスが提供される。
【0032】
1つ又はそれ以上の実施例では、作動ボタンはハウジングの内部に配置される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、薬剤の送達のためにプランジャロッドを近位に移動させるように構成された第2の駆動モジュールを更に備えている。あるいは、1つ又はそれ以上の実施例では、第1の駆動モジュールは、薬剤の送達のためにプランジャロッドを近位に移動させるように更に構成される。このようにして、第1の駆動モジュールは、複数の部品を移動させるように構成されている。これは、異なる部分が一緒に係止される場合に得られてもよく、それにより、1つの部分の移動によって他の部品の動きも生じ得る。
【0034】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1の駆動モジュールは、シリンジホルダを第1の位置から第2の位置へと遠位方向に移動させるように構成され、第2の位置では、剛性針シールド除去装置の第1部分は、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置される。これにより、ユーザが同じ精度でそれを行う必要がある代わりに、剛性針シールド除去装置が自動注射器によって正しく位置決めされることを確実にする。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施例において、第1の駆動モジュールは、シリンジホルダを第2の位置から第3の位置まで更に遠位に移動させるように構成され、第3の位置では、剛性針シールドは、シリンジ区画から緩められる。これにより、自動注射器は、ユーザの支援を必要とせずに剛性針シールドを緩める。これにより、ユーザが、剛性針シールドを除去するプロセス中に偶発的に針に触れることを防止する。
【0036】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダの第2の位置から第3の位置への移動中、剛性針シールド除去装置は移動していない。代替的に、剛性針シールドを保持する剛性針シールド除去装置は、シリンジホルダが移動していない間に近位方向に移動することができる。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールド除去装置は、第3の位置で剛性針シールドを支持し、それによって、ユーザが手動で取り外す前にシリンジから分離されることを防止する。これにより、ユーザは、注入プロセスが開始される直前まで通常行われない、剛性針シールドを取り外すときを判定する。
【0038】
1つ又はそれ以上の実施例では、第3の位置にある剛性針シールドは、ユーザによる容易な手動除去のためにハウジングから5~15mm突き出ている。これにより、ユーザは、ユーザが剛性針シールドを取り外す際にユーザが容易に触れることができない位置で、針が自動注射器の内部に依然として位置付けられていることを確実にするのと同時に、剛性針シールドを容易に取り外すことができるのに十分な材料を与える。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、剛性針シールドがシリンジに取り付けられているかどうかを検出するように構成された剛性針シールドセンサを更に備える。これにより、自動注射器は、剛性針シールドが取り外されるまで針を挿入するプロセスを開始しないことを確実にする。
【0040】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドセンサは、剛性針シールド除去装置、シリンジホルダ、又はシリンジに接続される。シリンジの設計に応じて、剛性針シールドセンサは、異なる位置に配置されてもよい。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドがシリンジに接続されたときに、剛性針シールドセンサの遠位端がシリンジホルダに接続され、剛性針シールドセンサの近位端が剛性針シールドと接触する。
【0042】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドセンサは、ばね仕掛けの回転アームと、電子スイッチとを備え、剛性針シールドがシリンジに接続されたときに回転アームは押下位置にあり、回転アームが押下位置にあることは、電子スイッチと相互作用し、それによって、電子機器が剛性針シールドの存在を検出することを可能にする。これは、剛性針シールドの存在の単純で強固な検出を提供する。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、剛性針シールドが、第1の言及した剛性針シールドセンサと比較して、剛性針シールドが剛性針シールドの長さに沿った1つ又はそれ以上の異なる位置でシリンジに取り付けられたかどうかを検出するように構成された1つ又はそれ以上の追加の剛性針シールドセンサを更に備える。これにより、剛性針シールドの存在の検出における堅牢性が向上する。
【0044】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1のばねは、針の挿入のために、第3の位置から第4の位置へとシリンジホルダを近位方向に移動させるように構成されている。
【0045】
1つ又はそれ以上の実施例において、第1の駆動モジュール又は第2の駆動モジュールは、シリンジホルダが第4の位置にあるとき、薬剤の送達のためにプランジャロッドを近位に移動させる。これにより、薬剤が患者に送達される。
【0046】
1つ又はそれ以上の実施例において、第1の駆動モジュールは、薬剤の送達後に、第4の位置から第5の位置へとシリンジホルダを遠位に移動させるように更に構成されている。これにより、シリンジを取り外すことができる構成に自動注入をもたらす。すなわち、シリンジは、自動注射器から第5の位置で取り外し可能である。
【0047】
1つ又はそれ以上の実施例では、第5の位置及び第1の位置は同じである。
【0048】
1つ又はそれ以上の実施例では、第5の位置及び第3の位置は同じである。
【0049】
1つ又はそれ以上の実施例において、自動注射器は、シリンジがシリンジホルダ内に配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサを更に備える。
【0050】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジセンサは、自動注射器のハウジングの内側に配置される。
【0051】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、ハウジングの内側に位置付けられた剛性針シールド除去装置ホルダを更に備え、針シールド除去装置の遠位端は、剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる。剛性針シールド除去装置ホルダは、自動注射器のハウジングに対して長手方向に移動可能であってもよい。
【0052】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールド除去装置ホルダは、自動注射器のハウジングの一体化部品である。
【0053】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールド除去装置は、遠位端から近位端まで延在する少なくとも2つのアームを備える。少なくとも2つのアームはそれぞれ、自動注射器又は剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられてもよい。
【0054】
1つ又はそれ以上の実施例では、針シールド除去装置の少なくとも2つのアームの遠位端は、自動注射器又は剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる。
【0055】
1つ又はそれ以上の実施例では、針シールド除去装置の少なくとも2つのアームのそれぞれの遠位端と近位端との間の中間位置が、自動注射器又は剛性針シールド除去装置ホルダに枢動可能に取り付けられる。
【0056】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールド除去装置は、シリンジ区画から緩められたときに剛性針シールドを支持するように構成された第2部分を備える。第2部分は、手動による影響を与えることなく、剛性針シールドがシリンジから偶発的に落下するのを防止する。
【0057】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、1つ又はそれ以上のアームばねを更に備え、剛性針シールド除去装置は、少なくとも2つのアームを備え、1つ又はそれ以上のアームばねは、少なくとも2つのアームを少なくとも2つのアームの近位端で中央に押す。
【0058】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドセンサは、少なくとも2つのアームの互いに向かう角度回転を検出するように構成される。
【0059】
1つ又はそれ以上の実施例では、1つ又はそれ以上のアームは、実質的に直線状である。
【0060】
1つ又はそれ以上の実施例では、1つ又はそれ以上のアームはL字形である。
【0061】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、自動注射器の近位端に皮膚センサを更に備え、皮膚センサはハウジングに対して相対的に長手方向に変位可能である。皮膚センサは通常、ユーザが針の挿入及びその後の薬剤の注入のために、自動注射器を皮膚上に配置するときに押し下げられる。
【0062】
1つ又はそれ以上の実施例では、皮膚センサは挿入後に挿入針を覆う。皮膚センサは、薬剤の注入後にユーザが針と接触することを防止するために、近位位置に係止することができる。
【0063】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1の駆動モジュールは電気モータである。
【0064】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1の駆動モジュールの電気モータは、自動注射器内の唯一のモータである。
【0065】
1つ又はそれ以上の実施例では、第2の駆動モジュールは電気モータである。
【0066】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、
-近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、薬剤を収容するシリンジ区画と、
-シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
-シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
-シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、を含むシリンジを備えている。
【0067】
本明細書では、第2の態様では、薬剤を投与するための自動注射器に使用するためのカセットが開示される。自動注射器は、近位端から遠位端まで延在すると共に、
○近位端から遠位端まで延在するハウジングと、
○ピストンと、
○カセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ピストン及びカセット受容部を移動させるように構成された駆動モジュールであって、ピストン及びカセット受容部が一緒に又は別個に移動され得る、駆動モジュールと、を備えている。
【0068】
カセット受容部、ピストン、及び駆動モジュールは、自動注射器のハウジングの内部に含まれる。カセットは、自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【0069】
カセットは、通常、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
○シリンジ区画を空にするためにストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダと、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分を有する剛性針シールドホルダと、
○カセットの近位端に配置されたカセット皮膚センサと、を備えている。
【0070】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、部分的にシリンジホルダ内に収容される。
【0071】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、部分的にシリンジホルダ及び剛性針シールドホルダの周囲に延在する。
【0072】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジ区画、シリンジホルダ、及びカセット皮膚センサは、剛性針シールドホルダ及び針シールドに対して遠位方向に移動可能である。これにより、患者に薬剤を送達するためにカセットを準備しながら、シリンジからの剛性針シールドの分離が可能になる。
【0073】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1の位置にあるカセット皮膚センサは、剛性針シールドを覆い、第2の位置では、剛性針シールドの少なくとも近位部が露出し、剛性針シールドが取り外されることを可能にする。
【0074】
1つ又はそれ以上の実施例では、駆動モジュールは、剛性針シールドに対してカセット皮膚センサを遠位に移動させ、それによって剛性針シールドを露出させるように構成されている。
【0075】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットが自動注射器の内側に配置されるとき、シリンジホルダの遠位端は自動注射器内のカセット受容部に係止するように構成される。
【0076】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダの遠位端は、第1のスナップ継手によってカセット受容部に係止され、第1のスナップ継手は、ピストンが第1の位置にあるときにカセット受容部からカセットを解放することを可能にし、ピストンが第2の位置にあるときにカセットをカセット受容部に係止する。
【0077】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダの遠位端は、内側凹部を備え、カセット受容部上の1つ又はそれ以上の係止アームが、シリンジホルダの内側凹部にスナップ嵌めされ、それによって第1のスナップ嵌め継手を形成する。
【0078】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、第2のスナップ継手によってシリンジホルダに取り付けられる。
【0079】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダは、1つ又はそれ以上の近位に延在するアームを備え、剛性針シールドホルダは、1つ又はそれ以上の遠位方向に延在する突出部を備え、シリンジホルダの1つ又はそれ以上の近位に延在するアームは、剛性針シールドホルダの1つ又はそれ以上の遠位に延在する突出部に係止し、それによって第2のスナップ継手を形成する。
【0080】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダに対して遠位側にシリンジホルダが移動すると、第2のスナップ継手が解放される。
【0081】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、シリンジホルダが遠位方向に移動され、それによって第2のスナップ嵌めを解除する間、剛性針シールドホルダを保持するように構成されたシャーシを更に備える。
【0082】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、第3のスナップ継手によってシリンジホルダに係止される。
【0083】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダは、第1支持面を備え、カセット皮膚センサはアームを備え、カセット皮膚センサのアームは、シリンジホルダの第1支持面に当接し、それによって第3のスナップ継手を形成する。
【0084】
1つ又はそれ以上の実施例では、第3のスナップ継手は、剛性針シールドホルダに対して遠位側にカセット皮膚センサを移動させることによって解放される。
【0085】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、カセット皮膚センサを剛性針シールドホルダに対して遠位に移動させるときに、カセット皮膚センサのアームをシリンジホルダの第1支持面から解放するように構成された傾斜面を備える。
【0086】
1つ又はそれ以上の実施例では、ストッパがシリンジ区画を空にするために近位に移動された後、自動注射器内の第2のばねが、カセット皮膚センサに近位方向への圧力を及ぼし、それにより、カセット皮膚センサ、剛性針シールドホルダ、及びシリンジホルダが互いに係止して、針を覆う近位位置にカセット皮膚センサを位置決めする。
【0087】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサのアームは第1近位面を含み、剛性針シールドホルダは、第1遠位面を含み、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサアームの第1近位面及び剛性針シールドホルダの第1遠位面が当接することにより、カセット皮膚センサが剛性針シールドホルダに対して近位に移動することを防止する。
【0088】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは第1遠位面を含み、剛性針シールドホルダは、第1近位面を備え、薬剤の送達後に、カセット皮膚センサの第1遠位面と剛性針シールドホルダの第1近位面とが当接することにより、剛性針シールドホルダがカセット皮膚センサに対して近位方向に移動することを防止する。
【0089】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは第2近位面を含み、剛性針シールドホルダは、第2遠位面を備え、薬剤の送達後に、カセット皮膚センサの第2近位面及び剛性針シールドホルダの第2遠位面が当接することにより、剛性針シールドホルダがカセット皮膚センサに対して遠位に移動するのを防止する。
【0090】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは第2遠位面を備え、シリンジホルダは、第1近位面を備え、薬剤の送達後、カセット皮膚センサの第2遠位面及びシリンジホルダの第1近位面が当接することにより、カセット皮膚センサがシリンジホルダに対して遠位に移動することを防止する。
【0091】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサのアームは第1近位面を含み、シリンジホルダは、第1遠位面を備え、薬剤の送達後、カセット皮膚センサアームの第1近位面及びシリンジホルダの第1遠位面が当接することにより、シリンジホルダがカセット皮膚センサに対して遠位方向に移動することを防止する。
【0092】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットはばねを備えていない。
【0093】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットは、剛性針シールドがシリンジ区画に取り付けられているかどうかを検出するように構成された剛性針シールドセンサを更に備える。
【0094】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドセンサは、剛性針シールドホルダに接続される。
【0095】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドがシリンジ区画に接続されているとき、剛性針シールドセンサの遠位端が剛性針シールドホルダに接続され、剛性針シールドセンサの近位端が剛性針シールドと接触する。
【0096】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドセンサは、ばね仕掛けの回転アームと、電子スイッチとを備え、剛性針シールドがシリンジ区画に接続されたときに回転アームは押下位置にあり、回転アームが押下位置にあることは、電子スイッチと相互作用し、それによって、電子機器が剛性針シールドの存在を検出することを可能にする。
【0097】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、剛性針シールドが、第1の言及した剛性針シールドセンサと比較して、剛性針シールドが剛性針シールドの長さに沿った1つ又はそれ以上の異なる位置でシリンジに取り付けられたかどうかを検出するように構成された1つ又はそれ以上の追加の剛性針シールドセンサを更に備える。
【0098】
本明細書では、第3の態様では、薬剤を投与するための自動注射器を更に開示し、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器はハウジングを備える。ハウジングの内部には、
○上述のカセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○カセットのシリンジ内でストッパを近位に移動させるように構成されたピストンであって、シリンジの薬剤を空にするピストンと、
○ピストン及びカセット受容部を移動させるように構成された駆動モジュールであって、ピストン及びカセット受容部が、駆動モジュールによって一緒に又は別個に移動され得る、駆動モジュールと、
○針を挿入するためにシリンジ区画が針に近位に接続された状態で、シリンジホルダを移動させるように構成された第1のばねと、が含まれる。
【0099】
1つ又はそれ以上の実施例では、駆動モジュールは、剛性針シールドホルダ及び剛性針シールドに対して遠位方向にシリンジ区画、シリンジホルダ及びカセット皮膚センサを移動させ、それによって剛性針シールドの取り外しを可能にするように更に構成される。
【0100】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、作動ボタンを更に備え、作動ボタンが作動すると、駆動モジュールがピストンを遠位位置から近位方向に移動させ、ピストンの近位方向への移動中に第1のばねが解放される。
【0101】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1のばねは、シリンジホルダを移動させて針を針挿入速度で挿入するように構成され、駆動モジュールは、ピストンを薬剤送達速度で移動させるように構成され、針挿入速度は薬剤送達速度よりも速く、それにより、ピストンがシリンジ区画に追いつく前に、針の挿入中及び挿入後の期間、ピストン及びストッパが長手方向に分離される。
【0102】
1つ又はそれ以上の実施例では、ピストンがシリンジ区画に追いついた後のピストンの近位方向への更なる移動が、ストッパを近位方向に移動させ、それによって薬剤を送達する。
【0103】
1つ又はそれ以上の実施例において、自動注射器は、シリンジがシリンジホルダ内に配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサを更に備える。
【0104】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサに近位方向への圧力をかける第2のばねを更に備える。
【0105】
本明細書では、第4の態様では、薬剤を投与するための自動注射器に使用するためのカセットが開示される。自動注射器は、近位端から遠位端まで延在すると共に、
○近位端から遠位端まで延在するハウジングと、
○ピストンと、
○カセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ピストンを移動させるように構成された駆動モジュールと、を備えている。
【0106】
カセット受容部、ピストン、及び駆動モジュールは、自動注射器のハウジングの内部に含まれる。カセットは、自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【0107】
カセットは、通常、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
○シリンジ区画を空にするためにストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダと、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分を有する剛性針シールドホルダと、
○カセット皮膚センサと、を備えている。
【0108】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジ区画、中空針、及びストッパは、シリンジの一部であり、シリンジは、シリンジの遠位端においてシリンジホルダ内に固定される。
【0109】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットは、カセットの遠位端において同じ長手方向軸を共有する自動注射器と相互作用する。これにより、カセットが注射器内に詰まってしまうリスクを軽減し、また、可能な限り滑動部として接続を行うのに役立つ。
【0110】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジホルダは、シリンジ区画を支持するシリンジホルダ支持管を備える。
【0111】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、シリンジホルダの大部分など、シリンジホルダの少なくとも一部を覆う。
【0112】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、少なくとも第1皮膚センサピン及び/又はカセット皮膚センサの遠位端から延在する第2皮膚センサピンを含む。
【0113】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジホルダは、
●自動注射器の第1皮膚センサ解放ピンの通過を可能にする第1のピン開口部と、
●第1カセット皮膚センサピンの通過を可能にする第2のピン開口部と、
●自動注射器の皮膚センサ前方ピン及び/又は第2カセット皮膚センサピンの通過を可能にする第3のピン開口部と、
●自動注射器の第2皮膚センサ解放ピンの通過を可能にする第4のピン開口部と、
●自動注射器ピストンの通過を可能にするピストン開口部と、の群から選択される1つ又はそれ以上の開口部を備えている。
【0114】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジホルダは環状シリンジホルダ部を備え、ピストン開口部及び/又はピン開口部のうちの1つ又はそれ以上は、環状シリンジホルダ部内に配置される。
【0115】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジホルダは、環状シリンジホルダ部から近位方向に延在する第1シリンジホルダアームを備える。
【0116】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1シリンジホルダアームは、近位面を備え、カセット皮膚センサは、近位面と係合する第1係止突起を備え、第1係止突起と近位面との係合は、カセット皮膚センサがシリンジホルダに向かって移動することを防止する。
【0117】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1シリンジホルダアームは、環状シリンジホルダ部に柔軟に接続される。
【0118】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1シリンジホルダアームは、自動注射器の第1皮膚センサ解放ピンの、シリンジホルダ内の第1のピン開口部を通って近位方向に移動することによって偏向可能であり、第1シリンジホルダアームの撓みは、カセット皮膚センサを解放して、シリンジホルダに向かって移動させる。
【0119】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット皮膚センサがシリンジホルダに向かって移動すると、
-第1カセット皮膚センサピンが、シリンジホルダ内の第2のピン開口部に入る/延在する、及び
-第2カセット皮膚センサピンが、シリンジホルダ内の第3のピン開口部に入る/延在する。
【0120】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジホルダは、環状シリンジホルダ部から近位方向に延在する第2シリンジホルダアームを備える。
【0121】
1つ又はそれ以上の実施例では、第2シリンジホルダアームは遠位面を備え、カセット皮膚センサは、遠位面が静止する第2係止突起を備え、第2係止突起と遠位面との係合は、カセット皮膚センサのシリンジホルダから離れる移動を防止する。
【0122】
1つ又はそれ以上の実施例では、第2シリンジホルダアームは、環状シリンジホルダ部に柔軟に接続される。
【0123】
1つ又はそれ以上の実施例では、第2シリンジホルダアームは、自動注射器の第2皮膚センサ解放ピンの、シリンジホルダ内の第4のピン開口部を通って近位方向に移動することによって偏向可能であり、第2シリンジホルダアームの撓みは、カセット皮膚センサがシリンジホルダから離れる方向に移動することを可能にする。
【0124】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダは、カセット内のシリンジを係止する1つ又はそれ以上のカセット係止突起を更に備える。
【0125】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットが自動注射器内に配置されたとき、シリンジホルダ、したがってカセットは自動注射器ハウジングに係止される。
【0126】
1つ又はそれ以上の実施例では、シリンジホルダ及び皮膚センサは、皮膚センサをシリンジホルダから解放すると、互いに対して長手方向に移動可能である。
【0127】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットは、近位端から遠位端まで延在するカセットハウジングを更に備え、カセットハウジングは、少なくともシリンジホルダ及びカセット皮膚センサを封入する。
【0128】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットハウジングは、遠位端に1つ又はそれ以上の係止開口部を備え、開口部内に、シリンジホルダ上の1つ又はそれ以上のシリンジホルダ係止突出部が、シリンジホルダをカセットハウジングに係止する。
【0129】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットハウジングは、カセットハウジングの内側に、カセットハウジング内に皮膚センサを案内するための1つ又はそれ以上の内部突出レールを備える。
【0130】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットハウジングは、皮膚センサハウジング開口部を有する遠位端表面を含み、この開口部を通してカセット皮膚センサが延在する。
【0131】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセットハウジングは楕円形である。
【0132】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、第1部分を有する内側剛性針シールド管と外側剛性針シールド管とを備え、
●外側剛性針シールド管が、内側剛性針シールド管を取り囲み、
●内側剛性針シールド管が、剛性針シールドを取り囲む。
【0133】
1つ又はそれ以上の実施例では、外側剛性針シールド管は、カセットハウジングの遠位端面に当接し、カセット皮膚センサの近位端は、内側剛性針シールド管と外側剛性針シールド管との間に配置される。
【0134】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、シリンジ区画から取り外し可能であり、剛性針シールドホルダが取り外されると、剛性針シールドがそれに追従し、それによって中空針が露出する。
【0135】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、シリンジとカセット皮膚センサとの間に配置された細長い管である。
【0136】
1つ又はそれ以上の実施例では、剛性針シールドホルダは、剛性針シールドホルダの遠位端から延在する少なくとも1つのホルダピンを備える。
【0137】
1つ又はそれ以上の実施例では、少なくとも1つのホルダピンに隣接する自動注射器内の剛性針シールドホルダピンの近位移動時に、剛性針シールドホルダ、したがって剛性針シールドも近位に押されて、剛性針シールドを解放する。
【0138】
本明細書では、第5の態様では、薬剤を投与するための自動注射器が開示され、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器はハウジングを備えている。ハウジングの内部には、
○第4の態様によるカセットを受容するように構成されたカセット受容部と、
○ストッパをカセットのシリンジの内部で近位に移動させ、それによってシリンジの薬剤を空にするように構成されたピストンと、
○ピストンを移動させるように構成された駆動モジュールと、を備えている。
【0139】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、
●第1皮膚センサ解放ピンと、
●皮膚センサ前方ピンと、
●第2皮膚センサ解放ピンと、
●カセット検出ピンと、の群から選択される1つ又はそれ以上のピンを更に備える。
【0140】
1つ又はそれ以上の実施例では、カセット受容部は、近位端から遠位端まで延在するカセット受容シャーシであり、シャーシの近位端は、環状シャーシ部を備え、環状シャーシ部は、
●自動注射器ピストンの通過を可能にするためのピストン開口部と、
●第1皮膚センサ解放ピンの通過を可能にするための第1のピン開口部と、
●第1カセット皮膚センサピンの通過を可能にする第2のピン開口部と、
●第3のピン開口部であって、
-自動注射器の皮膚センサ前方ピン、及び/又は
-第2カセット皮膚センサピン
の通過を可能にする第3のピン開口部と、
●第2皮膚センサ解放ピンの通過を可能にする第4のピン開口部と、
●カセット検出ピンの通過を可能にするための第5の開口部と、の群から選択される1つ又はそれ以上の開口部を含む。
【0141】
1つ又はそれ以上の実施例では、第2のピン開口部は、自動注射器の内側で第1のカセットセンサピン、したがってカセット皮膚センサの遠位移動を制限する端面を有する井戸型の開口部である。
【0142】
1つ又はそれ以上の実施例では、駆動モジュールは、第1皮膚センサ解放ピン、皮膚センサ前方ピン、第2皮膚センサ解放ピン、及びカセット検出ピンを近位に移動させるように更に構成される。
【0143】
1つ又はそれ以上の実施例では、駆動モジュールが第1皮膚センサ解放ピンを近位側に移動させるとき、カセット皮膚センサは、シリンジホルダから遠位側に係止解除されてカセット皮膚センサの遠位移動を可能にし、カセット皮膚センサの係止解除が自動注射器内のカセットを係止する。
【0144】
1つ又はそれ以上の実施例では、駆動モジュールが薬剤送達のためにピストンを近位に移動させるとき、第2皮膚センサ解放ピンはまた、薬剤の送達及び/又は患者の皮膚からの自動注射器の除去の後に、カセット皮膚センサの近位方向への移動のために係止解除される。
【0145】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、少なくとも第1皮膚センサ解放ピン及び第2皮膚センサ解放ピンの近位方向への移動によって、カセット皮膚センサがシリンジホルダから解放された後に、自動注射器の皮膚センサ前方ピンを第2カセット皮膚センサピンに対して押す皮膚センサばねシステムを更に備える。
【0146】
1つ又はそれ以上の実施例では、皮膚センサばねシステムは、カセット皮膚センサの遠位移動を防止する係止位置でカセット皮膚センサを近位側に押す。
【0147】
1つ又はそれ以上の実施例では、ハウジングは、カセットを受容するための近位開口部を有する1つの部品内にある。
【0148】
第6の態様で本明細書に開示されるのは、薬剤を投与する送達のための自動注射器であり、自動注射器は、近位端から遠位端まで延在する。自動注射器は、
-ハウジングと、
-自動注射器の長手方向の近位位置と遠位位置との間でピストンを移動させるように構成された電気モータと、
-近位端から遠位端まで延在し、シリンジを受容するように構成されたシリンジホルダと、を備えている。
【0149】
シリンジは、
-薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
-シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
-シリンジ区画内のストッパ位置であって、ピストンが、ストッパを近位に移動させ、それによってシリンジ区画を空にするように構成されている、ストッパ位置と、を含む。
【0150】
自動注射器は、針の挿入のためにシリンジホルダをシリンジと共に近位に移動させるように構成された第1のばねを更に備える。電気モータは、自動注射器内の唯一のモータである。
【0151】
自動注射器は、ピストンを近位に移動させるために電気モータを作動させるように構成された作動ボタンを更に備え、ピストンの移動は、第1のばねを近位に解放する。
【0152】
上記により、自動注射器における1つの電気モータのみを使用することにより、通常よりも簡素かつよりコンパクトである堅牢な自動注射器が得られる。
【0153】
1つ又はそれ以上の実施例では、ピストンはシリンジ内のプランジャロッドを押圧する。代替的な実施例では、ピストンは、シリンジ内のストッパを直接押圧する。
【0154】
中空針は、シリンジに解放可能に取り付けられてもよい。
【0155】
1つ又はそれ以上の実施例では、電気モータは、第1のばねの解放と同時に薬剤の注入のためにピストンを近位に移動させるように構成されている。
【0156】
1つ又はそれ以上の実施例では、自動注射器は、解放アームを備え、ピストンが解放アームを通過すると、ピストン上の解放指部が第1のばねを解放する。
【0157】
1つ又はそれ以上の実施例では、第1のばねは、シリンジホルダを移動させて針を針挿入速度で挿入するように構成され、電気モータは、ピストンを薬剤送達速度で移動させるように構成され、針挿入速度は薬剤送達速度よりも速く、それにより、ピストンがシリンジ区画に追いつく前に、針の挿入中及び挿入後の期間、ピストン及びストッパが長手方向に分離される。
【0158】
1つ又はそれ以上の実施例では、ピストンがシリンジ区画に追いついた後のピストンの近位方向への更なる移動が、ストッパを近位方向に移動させ、それによって薬剤を送達する。
【0159】
1つ又はそれ以上の実施例において、自動注射器は、シリンジがシリンジホルダ内に配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサを更に備える。
【0160】
1つ又はそれ以上の実施例において、シリンジは、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドを更に備え、自動注射器は、シリンジ区画の近位端と剛性針シールドとを分離するように構成された剛性針シールド除去装置を更に備える。
【0161】
1つ又はそれ以上の実施例では、電気モータは、シリンジ区画の近位端と剛性針シールドとを分離するために、シリンジホルダを遠位方向に移動させるように更に構成される。
【0162】
第6の態様による自動注射器はまた、シリンジを受容するときに自動注射器の第1の態様について上述したような剛性針シールド除去装置を備えてもよい。
【0163】
第6の態様による自動注射器はまた、第2の態様又は第4の態様において上述したカセットを受容するように構成されてもよい。
【0164】
特定の態様/実施例と関連して記載される上記の特徴のいずれも、その態様/実施例に限定されず、そのように図示されていない場合でも、任意の他の実施例で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
以下、図面を参照して、様々な実施例を説明する。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、各図の説明に関して詳細に説明されない。また、図面は、実施例の説明を容易にすることを意図したものであることにも留意されたい。それらは、特許請求される発明の網羅的な説明、又は特許請求される発明の範囲の限定として意図されていない。加えて、図示された例は、示される全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施例と関連して記載される態様又は利点は、必ずしもその実施例に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合でも、任意の他の実施例で実施することができる。
【0166】
【
図1】A~Kは、自動注射内のシリンジの装填前、剛性針シールドの取り外し中、及びシリンジ内の薬剤の注入前、注射中、及び注射後の自動注射器の第1の実施形態の切断図を示す。
【
図2】A~Fは、剛性針シールドの取り外し中、及びシリンジ内の薬剤の注入前、注射中、及び注射後の自動注射器内のシリンジホルダの長手方向位置を示す。
【
図3】A1~E2は、剛性針シールドの取り外し中の自動注射器の第2の実施形態の切断図を示す。図「1」及び「2」の図は、異なるカットスルーレベルで示されるものと同じである。
【
図4】A~Fは、剛性針シールドの取り外し中の自動注射器の第3の実施形態の切断図を示す。
【
図5】A~Cは、剛性針シールドの存在を検出するための剛性針シールドセンサを示す。
【
図6】A~Eは、シリンジなし(
図6A~
図6C)及びシリンジあり(
図6D~
図6E)の両自動注射器の第4の実施形態の図/カットスルー図を示す。
【
図7】A~Dは、カットスルー図における自動注射器の第4の実施形態における剛性針シールドの除去を示す。
【
図8】A~Fは、自動注射器の第4の実施形態における剛性針シールドの取り外しの斜視図を示す。
【
図9】A~Dは、針の挿入及び自動注射器の第4の実施形態における薬剤の送達をもたらす機構を切断図で示す。
【
図10】異なる角度からの
図9A~Dに示される自動注射器を示す。
【
図11A】異なる図に収容されたカセットを備える自動注射器の第5の実施形態を示す。
【
図11B】異なる図に収容されたカセットを備える自動注射器の第5の実施形態を示す。
【
図11C】異なる図に収容されたカセットを備える自動注射器の第5の実施形態を示す。
【
図11D】異なる図に収容されたカセットを備える自動注射器の第5の実施形態を示す。
【
図14】
図12に示されるカセット内の剛性針シールドを示す。
【
図15】
図12に示されるカセット内の剛性針シールドホルダを示す。
【
図16】それぞれ
図13、14及び15に示されるシリンジ、剛性針シールド、及び剛性針シールドホルダの組み合わせを示す。
【
図17】
図12に示されるカセット内のシリンジホルダを示す。
【
図18】
図13~16に示されるシリンジ、剛性針シールド、剛性針シールドホルダ、及びシリンジホルダの組み合わせを示す。
【
図19B】カセット皮膚センサの内側を示す切断図である。
【
図20】
図13~19Bに示されるシリンジ、剛性針シールド、剛性針シールドホルダ、シリンジホルダ、及びカセット皮膚センサの組み合わせを示す。
【
図21】カセット皮膚センサ、剛性針シールドホルダ及びシリンジホルダが一緒に係止されている位置におけるカセットの拡大図を示す。
【
図22A】針の挿入及び薬剤の注入中の選択された工程中のカセットを示す。
【
図22B】針の挿入及び薬剤の注入中の選択された工程中のカセットを示す。
【
図22C】針の挿入及び薬剤の注入中の選択された工程中のカセットを示す。
【
図22D】針の挿入及び薬剤の注入中の選択された工程中のカセットを示す。
【
図23】自動注射器の第5の実施形態におけるカセット受容部を示す。
【
図24】自動注射器内のカセット間の接続の拡大図を有する自動注射器の切断図を示す。
【
図25A】遠位端からの視界でカセットに接続された自動注射器の第5の実施形態の内部部品を示す。
【
図25B】反対方向から見た、
図25に示される部品の側面切断図を示す。
【
図26A】第5の実施形態における自動注射器のピストンを示す。
【
図26B】第5の実施形態における自動注射器のシャーシを示す。
【
図27】第5の実施形態における自動注射器内のスライダを示す。
【
図28】シャーシ及びスライダが一緒に係止された拡大図を示す。
【
図29A】分解図のカセットの第6の実施形態を示す。
【
図29B】2つの異なる方向からのシリンジホルダの拡大図を示す。
【
図29C】2つの異なる方向からのシリンジホルダの拡大図を示す。
【
図31】自動注射器が分解図で示されている、
図29~30のカセットを受容するための自動注射器の第6の実施形態を示す。
【
図34A】自動注射器内のカセットの装着及び係止中にカセットが異なる位置にあるカセットを有する自動注射器の切断図を示す。
【
図34B】自動注射器内のカセットの装着及び係止中にカセットが異なる位置にあるカセットを有する自動注射器の切断図を示す。
【
図34C】自動注射器内のカセットの装着及び係止中にカセットが異なる位置にあるカセットを有する自動注射器の切断図を示す。
【
図35A】自動注射器によってカセット皮膚センサをシリンジホルダから解放する工程を示す。
【
図35B】自動注射器によってカセット皮膚センサをシリンジホルダから解放する工程を示す。
【
図35C】自動注射器によってカセット皮膚センサをシリンジホルダから解放する工程を示す。
【
図35D】薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
【
図35E】薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
【
図35F】薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
【
図36】カセットが分解図にある自動注射器の第7の実施形態を示す。
【
図37A】
図36の自動注射器カセットにおける剛性針シールドの解放を示す。
【
図37B】
図36の自動注射器カセットにおける剛性針シールドの解放を示す。
【
図37C】
図36の自動注射器カセットにおける剛性針シールドの解放を示す。
【0167】
ここで、添付図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。この点に関して、本実施例は、異なる形態を有してもよく、本明細書に記載される説明に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、実施例は、態様を説明するために、図面を参照することによって、以下に単に説明される。本明細書で使用するとき、用語「及び/又は」は、関連する列挙された請求項のうちの1つ以上の任意及び全ての組み合わせを含む。「少なくとも1つの要素」などの表現は、要素のリストの前に、要素のリスト全体を修正し、リストの個々の要素を修正しない。
【0168】
図面では、複数の層及び領域の厚さは、その説明を明確にし容易にするために拡大された様式で示されている。層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「上」と称される場合、それは、他の層、領域、要素、若しくはプレート上に直接存在してもよく、又は介在層、領域、要素、又はプレートがそれらの間に存在してもよい。逆に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「直接」と称される場合、介在する層、領域、要素、又はプレートはそれらの間に介在する層、領域、要素、又はプレートが存在しない。更に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「下方」と称される場合、他の層、領域、要素、若しくはプレート、又は介在層、領域、要素、若しくはプレートがそれらの間に存在してもよい。逆に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「直下」と称される場合、介在する層、領域、要素、又はプレートはそれらの間に介在する層、領域、要素、又はプレートが存在しない。
【0169】
空間的に相対する用語「下部」又は「底部」、及び「上部」、「下方」、「下方」、「下方」、「下方」、「上方」、及び同様のものは、図面に示されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するために説明を容易にするために使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することが意図されると理解されるであろう。例えば、図面に示されているデバイスが回転される場合、他の要素の「下」側にあるものとして説明される要素、又は「下」又は「下」別の要素が、他の要素の「上方」側、又は「上方」の別の要素に配向される。したがって、「下」又は「下」という例示的な用語は、図の特定の向きに応じて、「下方」及び「上方」の配向位置の両方を含み得る。同様に、図の1つにある装置を裏返した場合、他の要素の「下」又は「下」と記述されている要素は、他の要素の「上」に配置される。したがって、例示的な用語「下」又は「下」は、上及び下の配向の両方を包含することができ、したがって、空間的に相対する用語は、記載される向きに応じて異なって解釈され得る。
【0170】
本明細書全体を通して、要素が別の要素に「接続されている」と称される場合、要素は、他の要素に「直接接続される」、又は、その間に介在する1つ又はそれ以上の介在要素を用いて、他の要素に「電気的に接続される」。
【0171】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、「少なくとも1つの(at least one)」も含むことが意図され得る。「少なくとも1つの」は、「a」又は「an」を限定するものとして解釈されるべきではない。用語「含む(comprises )」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including )」という用語は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。
【0172】
用語「第1」、「第2」、「第3」などは、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する「第1要素」は、「第2要素」又は「第3要素」、及び「第2要素」、及び「第3要素」は、本明細書の教示から逸脱することなく、同様に呼称され得る。
【0173】
本明細書で使用するとき、「約(About )」又は「およそ(approximately )」は、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な偏差範囲内の、記述された値及び手段を包含し、質問における測定及び特定の量の測定に関連する誤差(すなわち、測定システムの制限)を包含する。例えば、「約」は、1つ又はそれ以上の標準偏差内、又は記載された値の±30%、20%、10%、5%以内を意味し得る。
【0174】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されるものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない意味を有するものとして解釈されるべきであることが更に理解されるであろう。
【0175】
例示的な例は、本明細書において、理想化された実施例の概略図である断面図を参照して説明され、同様の参照番号は、本明細書全体を通して同様の要素を指す。したがって、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形が予想される。したがって、本明細書に記載される実施例は、本明細書に例示されるような領域の特定の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造から得られる形状の偏差を含むものである。例えば、平坦であるように図示又は説明される領域は、粗い及び/又は非線形の特徴を有してもよい。更に、図示される鋭角は、丸みを帯びていてもよい。したがって、図に示される領域は、本質的に概略的であり、それらの形状は、領域の正確な形状を例示することを意図するものではなく、本特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の例示的な実施例を具体的に説明するために、説明に関連付けられていない部品の一部は、提供されなくてもよい。
【0176】
近位方向又は近位面への全ての言及は、挿入方向、すなわち挿入針の方向、及び薬剤の注入中に皮膚に接触する自動注射器の外側部分の方向に配向された部品、表面、及び同様のものを指す。
【0177】
同様に、遠位方向又は遠位面への全ての参照は、挿入針の方向から離れる方向、すなわちユーザの方向に向けられた部分、表面、及び同様の方向を指す。
【0178】
図1A~
図1Kは、自動注射器100aの第1の実施形態の切断図を示す。
図1Aは、シリンジ200が挿入されていない自動注射器100aを示す。自動注射器は、遠位端103から近位端まで延在するハウジング102を備え、近位端104は、薬剤の注入中に患者の皮膚に接している。
【0179】
ハウジング102の内側には、シリンジホルダ110と、ハウジング102に対して相対的にシリンジホルダ110を移動させるように構成された第1の駆動モジュール120(図示せず)とがある。第1の駆動モジュールは、例えば電気モータであってもよく、自動注射器100a内の唯一のモータであってもよい。
【0180】
自動注射器は、ハウジング102の内側に、遠位端134から近位端135まで延在する剛性針シールド除去装置130を更に備える。剛性針シールド除去装置ホルダ136は、例えば
図1G、
図1H、及び
図1Gを比較するときに見られるように、ハウジング102に対して相対的に長手方向に移動可能である。
図1A~
図1Kに示される剛性針シールド除去装置130は、アーム134の遠位端において、針シールド除去装置ホルダ136にそれぞれ枢動可能に取り付けられた2つのアーム133を備える。
【0181】
図1B~
図1Jは、シリンジがシリンジホルダ110の内側に配置された自動注射器100aを示す。シリンジ200は、近位端201から遠位端203まで延在するシリンジ区画202を備える。シリンジ区画202の内側は、患者に投与される薬剤である。また、シリンジ区画202の内側には、シリンジ区画202を空にするために、遠位位置からシリンジ区画室内の近位位置に移動可能なストッパ208がある。ストッパ208は、シリンジ区画202を空にするときにストッパ208を
近位に移動させるプランジャロッド210によって移動される。
【0182】
シリンジ区画202の近位端201には、シリンジ区画と流体接続し、それによってシリンジ区画202内の薬剤と流体接続する中空針204がある。シリンジ区画の近位端201に接続され、中空針204を覆っているのは、剛性針シールド206である。
【0183】
図1B~
図1Fは、シリンジ200が自動注射器100aの内側に配置されたときに剛性針シールド206が自動的に取り外される様子を示す。
図1Bでは、シリンジ200はシリンジホルダ110に挿入されており、剛性針シールド除去装置130は開放位置にあり、アーム133はシリンジ200に触れていない。シリンジ200がシリンジホルダ110の内側に配置されると、駆動モジュールが剛性針シールド130がアーム133の近位端135をシリンジ200に向かって移動させるのと同時に、シリンジホルダ110をシリンジ200と共に遠位方向に移動させることができる。これにより、剛性針シールド除去装置132の第1の端部を、剛性針シールド206とシリンジ区画の近位端201との間の位置にもたらす。この移動は、
図1B~
図1Dに示される。
【0184】
剛性針シールドの近位端132、135が剛性針シールド206とシリンジ区画202の近位端201との間に配置されると、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールド206が、
図1Eに示されるように、シリンジ区画202と共に遠位方向に更に移動するのを防止する。剛性針シールドがシリンジ区画201の近位端から分離されたときに、シリンジホルダ110の更なる移動により、ユーザは、自動注射器100a内部のシリンジ200から剛性針シールドを手動で容易に取り外すことができる。
【0185】
剛性針シールド206が剛性針シールド206を手動で取り外す前に、剛性針シールド206がシリンジ200から分離されることを回避するために、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールド206がシリンジ区画202から分離されたときに剛性針シールド206を支持するように構成された第2部分138を有してもよい。第2部分は、
図9の自動注射器の第5の実施形態の説明でより詳細に示される。
【0186】
図1Fは、剛性針シールドが取り外された後、したがって針204を露出させたシリンジを有する自動注射器を示す。自動注射器100aの近位端の針の前にあるのは、皮膚センサ150である。皮膚センサ150は、ユーザが針204の挿入及び薬剤のその後の注入のために皮膚センサを皮膚に押し付けるとき、皮膚センサ150が遠位方向に移動するように、ハウジング102に対して相対的に移動可能である。これは、
図1Gに示されるように、皮膚センサ150をハウジング102の主に内側の位置にする。皮膚センサ150は、近位端に少なくとも挿入針204が通過することを可能にする開口部を備える。
【0187】
図1Gに示される自動注射器100aは、針204の挿入及びシリンジ区画202内の薬剤のその後の注射の準備ができている。針204の注入は、作動ボタン142(
図1A~
図1Kには示されていない)を抑制することによって行われ、これは、シリンジ200を収容するシリンジホルダ110が針204の挿入のために近位方向に移動する、第1のばね140(
図1A~
図1Kには示されていない)を解放する。作動ボタンは、ハウジング102の外側又はハウジング102の内側のいずれかに位置付けられてもよい。
【0188】
図1Hは、針204が患者に注入された位置を示す。この位置では、剛性針シールド除去装置130が近位方向に剛性針シールド除去装置130を迂回することを防止することにより、剛性針シールド除去装置130及びそのホルダ136は、シリンジ200と共に近位方向に移動されており、シリンジ区画202が近位方向に剛性針シールド除去装置130を迂回することを防止する。剛性針シールド除去装置ホルダ136は、シリンジホルダ110上の遠位面114と接触して配置される。
【0189】
図1Iでは、プランジャロッド210は近位方向に移動している。プランジャロッド210は、それによって、ストッパ208をその最も近位の位置に移動させ、それによってシリンジ区画202内の薬剤が患者に送達される。プランジャロッド210は、シリンジプランジャロッド210の遠位端を押圧する自動注射器の内側の別のプランジャロッドによって移動され得る。第1の駆動モジュールは、この運動を制御してもよく、又は第2の駆動モジュールによって制御されてもよい。
【0190】
薬剤の注入後、シリンジホルダ110を遠位方向に移動させて、空のシリンジ200を注射針204と共にハウジング102の内側の位置に移動させ、針204との接触が防止される。これは
図1Jに見られる。自動注射器は、ここにおいて患者の皮膚から取り外される準備が整っている。患者から自動注射器を取り外すとき、皮膚センサ150は近位方向に移動し、針204からユーザを更に保護する。したがって、皮膚センサ150は挿入後に挿入針204を覆う。
【0191】
空のシリンジ202を有するシリンジホルダ110がハウジング102の内部に後退した後、剛性針シールド除去装置130は、そのアーム133を再び開き、自動注射器100aから空のシリンジ200を容易に取り外すことができる。
図1Kは、シリンジ200の取り外し後の自動注射器100aを示す。シリンジホルダ110及び剛性針シールド除去装置130は、ここで、新しいシリンジ200が自動注射器100aの内側に配置される準備ができている
図1Aに示されるように、元の位置に戻る。
【0192】
図2A~
図2Eは、剛性針シールド206の取り外し中、及びシリンジ200内の薬剤の注射前、注射中、及び注射後のハウジング102、シリンジホルダ110及びシリンジ200の長手方向位置を示す。
【0193】
図2Aでは、自動注射器は、
図1B又は
図1Cに示す位置に対応する第1の位置L1にある。次に、駆動モジュールは、
図1Dの位置に対応する
図2Bに示されるように自動注射器を第2の位置L2に移動させ、第2の位置では、剛性針シールド除去装置130の第1部分132は、剛性針シールド206とシリンジ区画202の近位端201との間に配置される。
【0194】
図2Cでは、自動注射器は、第1の駆動モジュールによって第3の位置L3に移動されており、第3の位置L3では、剛性針シールドはシリンジ区画から緩められている。これは、
図1E及び
図1Fに示される位置に対応し、剛性針シールド206は除去されている。第3の位置L3の剛性針シールド206は、ユーザによる容易な手動除去のために、ハウジング102から5~15mm突き出ていてもよい。
【0195】
図2Dでは、剛性針シールド206が取り外され、針204が第1のばね140によって患者に挿入されている。自動注射器は、ここで
図1H及び
図1Iに示される位置に対応する第4の位置L4にある。
【0196】
薬剤の送達後、第1の駆動モジュールは、
図1Jに示される位置に対応する
図2Eに示すように、自動注射器を第5の位置L5に移動させる。これはまた、
図2Cに示すような第3の位置にも対応する。空のシリンジ200は、この位置で自動注射器100aから取り外し可能であってもよい。あるいは、シリンジホルダ110は、空のシリンジ200を取り外すために、第1の位置L1まで近位方向に移動される。
【0197】
図3A1~
図3E2では、自動注射器100bの第2の実施形態が示されている。画像「1」及び「2」は、自動注射器を通る切断が行われた位置である差と共に、同じ位置に自動注射器を示す。自動注射器100aの第1の実施形態と同様に、自動注射器100bの第2の実施形態は、遠位端103から近位端104である近位端まで延在する。
【0198】
ハウジング102の内側にはまた、シリンジホルダ110と、ハウジング102に対して相対的にシリンジホルダ110を移動させるように構成された第1の駆動モジュール120(図示せず)と、を含む。第1の駆動モジュールは、例えば電気モータであってもよく、自動注射器100b内の唯一のモータであってもよい。
【0199】
自動注射器は、ハウジング102の内側に、第1の実施形態について記載したものと同様の剛性針シールド除去装置130を備える。剛性針シールドの取り外しは、第1の実施形態と第2の実施形態との間の差別的特徴を構成し、第2の実施形態100bは、ハウジング102の内側に配置された歯車ラックシステム160を備える。歯車ラック160システムは、3つのラック部、すなわち、第1歯車ラック部162、第2歯車ラック部154及び第3歯車ラックを含む。
【0200】
第1歯車ラック部162は、ハウジング102に対して相対的に変位可能である。
図3A1~
図3E2に示されるように、第1の歯車ラックは、ハウジング102の内側で長手方向に延在するチャネルの内側に延在する。第2歯車ラック部164は、ハウジング102に接続され、第1歯車ラック部162と歯車接続されている。第2歯車ラック部はホイールであり、ハウジング102に接続された中心軸の周りを回る。第3の歯車ラック部166は、針シールド除去装置130が接続される剛性針シールド除去装置ホルダ136の一部である。第3歯車ラック部166は、ハウジング102に対して相対的に変位可能であり、第2の歯車ラック部164と歯車接続されている。第2歯車ラック部164は、第1歯車ラック部162と第3歯車ラック部166とを接続し、第1歯車ラック部162の第3歯車ラック部166への移動を伝達する。
【0201】
自動注射器100bは、カバー170を更に備え、カバー170は、シリンジ200がハウジング102の内部に位置付けられた後に再びハウジング102から取り外し、ハウジング102に接続することができる。カバー170は、ハウジング102内のカバーチャネルに遠位方向に(手動で)移動させることができることができる。ハウジング102内にシリンジ200を配置した後にカバーを自動注射器100b上に配置することにより、剛性針シールドアーム133は、シリンジ200と剛性針シールド206との間の間隙内に移動する。これは
図3A1~
図3A2及び
図3B1~
図3B2に示されており、剛性針シールド130は、剛性針シールド206と、後者のシリンジ区画の近位端201との間に配置され、剛性針シールドアーム133は第1の図で開放される。
【0202】
カバー150が遠位方向に移動されると、カバー102は、
図3B1~
図3B2及び
図3C1~
図3C2を比較することによって示されるように、接続指163によって第1の歯車ラック部162を遠位方向に沿って移動させる。
【0203】
第1歯車ラック162の遠位移動は、第2歯車ラック部164を回転させ、それによって第3歯車ラック部166が第1/第2歯車ラック部162/164と第2/第3歯車ラック部164/166との間の歯車接続によって近位方向に移動する。第1歯車ラック部162は、第3歯車ラック部166を半分の速度及び2倍の力で反対方向に移動させる。
【0204】
自動注射器100bは、2つのラックばね、すなわち、第1ラックばね152及び第2ラックばね154を更に備える。第1ラックばね152は、第1歯車ラック部162と同じチャネル内に配置され、第1歯車ラック部162は第1歯車ラック部162の遠位端に直接接続される。
【0205】
第2ラックばね154は、
図3A2、
図3C2、
図3D2、及び
図3E2に示されるように、その一部の周囲に延在する剛性針シールド除去装置ホルダ136に接続されている。
図3B2では、ラックばね152、154は、残りの部分のより明瞭な図のために省略されている。
【0206】
第1歯車ラック162の遠位方向への移動は、カバー170を遠位方向に押すことによって、
図3C1~
図3C2及び
図3D1~
図3D2に示されるように第1トラックばね162を圧縮させる。また、
図3A1~
図3A2及び
図3C1~
図3C2を比較するときに示されるように、第2ラックばね154は、第3歯車ラック部166の近位方向への移動によって圧縮され、後者は第1及び第2歯車ラック部162、164への歯車接続の結果である。
【0207】
カバー170が自動注射器100bの内側で遠位に移動されると、剛性針シールド除去装置ホルダ136は近位方向に近位方向に剛性針シールド206を押す。これにより、剛性針シールド206がシリンジ区画202の近位端201から緩められ、剛性針シールドは、ここで、
図3C1~
図3D2に示される位置において、シリンジ200を用いて自動注射器から(手動で)取り外され得る。
【0208】
更に、
図3D2では、第1の歯車ラック部162がその遠位限界に対して移動され、それによって接続指がカバー170との接触から押し出され、それによってカバー170と第1の歯車ラック部162との間の接続が破断されることが分かる。カバー170と第1の歯車ラック部162との間の接続が破断されると、第1ラックばね152及び第2歯車ラックばね154が解放され、ばね152、154が
図3C1~
図3D2に示される圧縮位置から弛緩するにつれて歯車ラックシステム160がリセットされる。歯車ラックシステムのこのリセットの間、剛性針シールド除去装置は、
図3E1~
図3E2に示されるように開放され、自動注射器100aの第1の実施形態について説明したように、針204の挿入及びその後の薬剤の注入を可能にする。リセットされると、第1の歯車ラック部162は、ハウジング102の内側のカバー170に沿って延在し、接続指は近位方向に真っ直ぐ前方に向いている。
【0209】
図4A~
図4Fは、自動注射器100cの第3の実施形態を示し、
図4Aは、シリンジ200を有さない自動注射器100cを示し、
図4B~
図4Fは、シリンジ200が挿入された自動注射器を示す。自動注射器100cは、遠位端103から近位端104まで延在するハウジング102を備え、近位端104は、薬剤の注入中に患者の皮膚に接している。
【0210】
ハウジング102の内側には、シリンジホルダ110と、ハウジング102に対して相対的にシリンジホルダ110を移動させるように構成された第1の駆動モジュール120(図示せず)とがある。第1の駆動モジュールは、例えば電気モータであってもよく、自動注射器100c内の唯一のモータであってもよい。
【0211】
自動注射器は、ハウジング102の内側に、前述の実施形態に記載したものと同様に、剛性針シールド除去装置130を更に備える。
【0212】
剛性針シールド130は、ハウジング102の一部を形成する剛性針シールド除去装置ホルダ136に接続される。前述の実施形態と比較して、自動注射器100cの第3の実施形態の剛性針シールド除去装置ホルダ136は、ハウジング102に対して再び移動可能ではない。
【0213】
シリンジホルダ110は、
図4Aに示すように、ハウジング102の内側の遠位端に最も遠い初期位置にある。自動注射器100cは、ここでシリンジ200を受容する準備が整っている。この実施形態では、剛性針シールド除去装置130は開放位置にある。
【0214】
図4Bは、シリンジホルダ110内に配置されたシリンジ200を有する自動注射器100cを示す。
図4Cでは、シリンジ200を有するシリンジホルダ110は、駆動モジュールによって近位方向に移動されている。この移動は、
図2A及び
図2Fに示され、説明されるように、シリンジホルダ110を第1の位置L1に対応する位置にもたらす。同時に、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールド206とシリンジ区画202の近位端201との間の位置に移動する。
【0215】
図4Dでは、シリンジホルダ110は遠位方向にわずかに移動し、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールド206とシリンジ区画202の近位端201との間に完全に位置付けられている。この位置は、
図2B及び
図2Fに示され、説明される第2の位置L2に対応する。
【0216】
図4Eは、剛性針シールド除去装置130を移動させることなく、駆動モジュールがシリンジホルダ110を遠位方向に更に有する位置にある自動注射器100cを示す。これは、剛性針シールド206をシリンジ200から緩める。この位置は、
図2C及び
図2Fに示され、説明される第3の位置に対応する。この位置では、剛性針シールド206をユーザによって取り外すことができる。
【0217】
図4Fでは、剛性針シールド除去装置130は、そのアーム133を再び開放し、自動注射器は、第1の実施形態に記載されているように、針を挿入する準備ができている。
【0218】
上記の自動注射器の全ての実施形態は、シリンジ200がシリンジホルダ110内に配置されているときを検出するように構成されたシリンジセンサ144(図示せず)を更に備える。シリンジセンサ144は、自動注射器のハウジング102の内部に配置することができる。シリンジセンサは、ハウジング102又はシリンジホルダ110の内側の異なる位置に配置することができる。
【0219】
上記実施形態に記載されるように、シリンジホルダ110内にシリンジ200を配置した後に、カバー(第4の実施形態に記載されるように自動注射器の内側にehシリンジを配置するときに取り外されるハウジングの一部)を自動注射器102上に配置することにより駆動モジュールを作動させ、上記実施形態に記載されるように、シリンジホルダ110の移動を開始することができる。
【0220】
上記の自動注射器の全ての実施形態は、剛性針シールド206がシリンジ区画200に取り付けられているかどうかを検出するように構成された剛性針シールドセンサ146を更に備えてもよい。
図5A~
図5Cは、自動注射器100a、100b、100c内のシリンジホルダ110に接続された剛性針シールドセンサ146の例を示す。
【0221】
剛性針シールドセンサ146の遠位端147は、シリンジホルダ110に接続され、剛性針シールドセンサ146の近位端148は、剛性針シールド206が
図5Bに示されるようにシリンジ200に接続されているとき、剛性針シールド206と接触する。
【0222】
あるいは、剛性針シールドセンサ146は、異なる位置でシリンジホルダ110に接続されてもよく、又はハウジング102の一部に接続されてもよい。剛性針シールドがシリンジに取り付けられているかどうかを検出するように構成された1つ又はそれ以上の追加の剛性針シールドセンサはまた、自動注射器の内側に配置されたときに、剛性針シールド206の長さに沿った1つ又はそれ以上の異なる位置に存在してもよい。
【0223】
図5A~
図5Cに示す剛性針シールドセンサ146は、電子スイッチ(図示せず)に接続されたばね仕掛けの回転アームである。剛性針シールド206がシリンジ区画202に接続されているとき、回転アームは、
図5Bに示されるように押下位置にある。回転アームが押下位置にあるとき、回転アームは、電子スイッチと相互作用することにより、電子機器が剛性針シールド206の存在を検出することを可能にする。剛性針シールドが取り外されると、
図5Cに示されるように、剛性針シールドセンサ146を再び弛緩させ、電子スイッチへの電子接続が破断する。
【0224】
電子自動注射器では、ユーザが薬剤の注入を試行することを可能にする前に、剛性針シールドがシリンジから装着されるか又は完全に取り外されているかどうかに関する情報が重要である。ユーザが針の挿入及びその後の薬剤の注入を試みたときに、剛性針シールドがシリンジ区画の先端にまだ着座している場合、患者に薬剤が送達されない可能性がある。
【0225】
図5A~
図5Cに示される設計では、剛性針シールドセンサ146は、シリンジ区画202に近い剛性針シールド206の存在のみを検出するが、剛性針シールドセンサ146が更に外に相互作用する設計を容易に想像することができ(例えば、針先端部の領域の周りで)、引き離されるが完全に取り外されていなくても、剛性針シールド206は、剛性針シールドセンサ146によって検出可能であろう。
【0226】
図6Aは、近位端103から遠位端104まで延在するハウジング102を備える自動注射器100dの第4の実施形態を示す。ハウジングは、2つの部品を含み、第1部分106及び第2部分108は、取り外し可能なカバーを形成し、これにより、自動注射器100d内のシリンジの位置決めを可能にする。代替的な設計は、一体型物品として構築されたハウジングを有してもよい。
【0227】
図6Bでは、
図6Aに示すハウジングカバー部108が取り外されて、自動注射器100dのハウジング102の内側のシリンジホルダ110及び剛性針シールド除去装置130を示している。
【0228】
図6Cでは、ハウジング106の第1部分及び皮膚センサ150も除去されており、シリンジホルダ110及び剛性針シールド除去装置130がより明瞭に見える。自動注射器100dのピストン168もまた、
図6Cに見ることができる。
図6D~
図6Eに示されるように、自動注射器100dのピストン168は、薬剤の注入のためにシリンジ200内のプランジャロッド210を近位方向に移動させるように構成されている。図に示されるようなロッドの代わりに、自動注射器内のプレート又は同様のものは、シリンジのプランジャロッド210を近位方向に移動させることができる。
【0229】
図6Dでは、シリンジ200がシリンジホルダ110内に配置され、
図6Eでは、シリンジ200は、第1の駆動モジュール120によって近位方向に移動され、それによって剛性針シールド206は、シリンジ区画202から容易に取り外すための位置にある。
【0230】
図7A~
図7Dは、シリンジ区画202から剛性針シールド206を緩める間のシリンジ200を有する自動注射器100dを示す。
図7Aでは、シリンジ200及びシリンジホルダ110は前方位置にある。駆動モジュールが、第1に
図7Bに示される位置まで、第2に
図7Cに示す位置まで遠位方向にシリンジホルダ110を移動させると、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールドを
図7Aに示す位置に保持し、それによって剛性針シールド206をシリンジ区画202から緩める。
図7Dに示すように、剛性針シールドは、シリンジ区画202から取り外すことができ、それによって挿入針204を露出させることができる。駆動モジュールはまた、
図7A~
図7Dを比較して、自動注射器のピストン168を遠位方向に移動させる。
【0231】
図8A~
図8Fは、剛性針シールドの取り外し中の自動注射器の外側近位端の拡大図を示す。
図8Aでは、シリンジ200が自動注射器100d内に配置される前に、剛性針シールド除去装置130を見ることができる。剛性針シールドとシリンジ区画202との間に配置されるように構成されている、剛性針シールド除去装置130の第1部分132は、剛性針シールド除去アーム133の一部として明確に視認可能である。剛性針シールド除去装置130の遠位端134は、剛性針シールド除去装置130の第2部分138であり、剛性針シールド除去装置130は、シリンジ区画202から分離した後にシリンジが偶発的に落下しないように剛性針シールド206を保持するように構成されている。
【0232】
図8Bでは、シリンジ200は自動注射器100dの内側に配置されている。シリンジ200は後退位置にあり、剛性針シールド除去装置130は、剛性針シールド206とシリンジ区画202との間に位置付けられていない。
【0233】
図8Cでは、シリンジ200は、
図8Dに示されるように、シリンジ202の遠位方向への移動が剛性針シールド206とシリンジ区画202との間で剛性針シールド除去装置130の第1部分132を位置付ける。
【0234】
図8Eでは、剛性針シールドは、シリンジ区画202から緩められているが、剛性針シールド除去装置130の第2部分138によって保持され、ユーザが手動で取り外すまで、剛性針シールド除去装置130の第2部分138によって保持される。
図8Fでは、剛性針シールドはユーザによって取り外され、自動注射器100dは注入の準備が整っている。
【0235】
シリンジ及び剛性針シールドの存在の検出は、例えば
図5A~
図5Cに関連して上述したようなシリンジセンサ及び剛性針シールドセンサを使用して得ることができる。
【0236】
剛性針シールド除去アーム133は、
図8A~
図8Fでは見えないアームばねによって近位端で中央に押される。ばね付勢構成は、剛性針シールドの手動取り外し後に剛性針シールド除去装置への支持を提供する。ばね付勢アーム133は、シリンジの動き及び注射手順と干渉せず、アーム133の上部の丸みを帯びた縁部に起因して、シリンジの搭載又は取り外しに干渉しない。
【0237】
アーム133は、自動注射器100a、100b、100cの第1の3つの実施形態に示されるように、
図8A~
図8F又はL字型に示されるように、実質的に直線状であり得る。剛性針シールドセンサ146は、2つのアーム133の互いに向かう角度回転を検出するように構成されてもよい。
【0238】
図9A~
図9Dは、針の挿入及びその後の薬剤の注入機構を示す。
図9Aでは、自動注入100dは、作動ボタンを押すことによって作動する準備ができている位置にある。作動時に、駆動モジュール120(
図10を参照)は、ピストン168を近位方向に移動させる。ピストンロッド168が自動注射器上の解放アーム141を通過するとき、ピストンロッド168上の解放指部167は第1のばね140を解放する(
図9Bを参照)。第1のばね140は、シリンジホルダを前方に押し進め、それによって針204を挿入する。
図9Cは、針204の注入直後の自動注射器100dを示す。針の挿入後、駆動モジュール120は、ピストン168を近位方向に前方に移動させ続ける。ピストン168がプランジャロッド210と共に追いつくと、プランジャロッド210(次にストッパ208を移動させる)を近位方向に移動させ、それによって薬剤を患者に送達する。これを
図9Dに示す。
【0239】
第1のばね140は針挿入速度で移動し、駆動モジュールは、薬剤送達速度でピストンを移動させ、針挿入速度は薬剤送達速度よりも大きく、ピストン168及びプランジャロッド210は、ピストン168がシリンジ区画202と共に捕捉される前に、針204を挿入した後の期間の間、長手方向に分離される。
【0240】
自動注射器100dは、薬剤の注入後に皮膚から自動注射器100dを取り外した後に、皮膚センサ150上に圧力を近位方向にかける第2のばねを更に備えてもよい。これは、皮膚センサ150を近位方向に押して、薬剤の注入後に針204と偶発的に接触するのを防ぐために、皮膚センサ150を針204を覆う位置に係止する。
【0241】
図10は、遠位端から斜視図でカセットシリンジ200に接続された自動注射器100dの内部部分を示す。
図10では、駆動モジュール120を見ることができる。駆動モジュールは、モータ122と、ねじ126に接続された歯車ボックス124とを備える。ピストン168はシャーシ180に接続され、これは次に駆動モジュール120に接続される。シリンジホルダ110は、スライダ190に接続される。
【0242】
図11A~
図11Cは、近位端103から遠位端104まで延在するハウジング102を備える自動注射器100eの第5の実施形態を示す。
図11Aでは、2つのハウジング部、すなわち、第1部分106及び第2部分108が可視である。第2のハウジング部分108は、カセット400が自動注射器100e内に前方に装填され得るため、必ずしも取り外し可能ではない。あるいは、ハウジングは、一体型物品であってもよい。カセット400は、
図11Aにおいて可視であり、カセット皮膚センサ450は、ハウジング102の近位端103の外側に延在する。作動ボタン142もまた、
図11Aで見ることができる。
【0243】
図11Bでは、ハウジング102は、自動注射器102内のより明瞭な視界のために部分的に省略されており、ピストン168、カセット受容部172及びカセットをカセット皮膚センサ450及び剛性針シールドホルダ430と共に見ることができる。カセット400は、
図12~
図24でより詳細に説明される。
【0244】
図11Cでは、カセット400を有する自動注射器100eの切断図が斜視図で示されている。
図11Dでは、剛性針シールド206が取り外された後の自動注射器100eのカセット400による切断図が側面図で示されている。この図では、針204の挿入のための第1のばね140を見ることができる。
図23及び
図24では、カセット400と自動注射器100dとの間の接続が更に詳細に説明されており、
図24は、第1のスナップ嵌め継手による2つの部分の係止を示している。
【0245】
図11Bに示されるカセット受容部172は、カセット400を受容するように構成され、ピストン168は、カセット400のシリンジ200内でストッパ208を近位に移動させ、それによってシリンジの薬剤を空にするように構成され、駆動モジュール(
図25A~
図25Bを参照)は、ピストン168及びカセット受容部172を移動させるように構成されている。ピストン及びカセット受容部は、駆動モジュールによって一緒に又は別個に移動され得る。第1のばね(
図25Bを参照)は、針204の挿入のために針204に接続されたシリンジ区画202を用いてシリンジホルダ410を近位に動かすように構成されている。
【0246】
カセット受容部172との接続により、駆動モジュール120は、シリンジ区画202、シリンジホルダ410及びカセット皮膚センサ450を剛性針シールドホルダ430及び剛性針シールド206に対して遠位方向に移動させ、それによって剛性針シールド206を取り外し可能にするように更に構成されている。
【0247】
図12は、薬剤を収容し、かつ近位端201から遠位端203まで延在するシリンジ区画202と、シリンジ区画202の近位端201と流体接続する中空針204と、シリンジ区画202の近位端201に接続され、中空針204を覆う剛性針シールド206と、シリンジ区画を空にするためにストッパ208を近位に移動させるピストン168によってシリンジ区画202内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパ208と、を備えるカセット400の拡大図を示す。
【0248】
カセット400は、シリンジ区画202の少なくとも一部の周りに延在するシリンジホルダ410と、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に位置付けられた第1部分431を有する剛性針シールドホルダ430と、カセット400の近位端に位置付けられたカセット皮膚センサ450と、を有する、シリンジホルダ410を更に備える。カセットは、通常、ばねなしである。
【0249】
カセット部分は、別個に、かつ以下の図において選択された組み合わせで示され、
図13は、シリンジ区画202及び針204を有するシリンジ200を示し、
図14は剛性針シールド206を示しており、
図15は剛性針シールドホルダ430を示し、
図16は、シリンジ200と、剛性針シールド206と、剛性針シールドホルダ430との組み合わせを示す。
図17は、シリンジホルダ410を示し、
図18は、シリンジ200,剛性針シールド206、剛性針シールドホルダ430、及びシリンジホルダ410の組み合わせを示す。
図19A~
図19Bは、カセット皮膚センサを示し、
図18Bはカセット皮膚センサの内側を示す切断図である。
【0250】
図20は、シリンジ200と、剛性針シールド206と、剛性針シールドホルダ430と、シリンジホルダ410と、カセット皮膚センサ450との組み合わせを示し、
図21は、カセット皮膚センサ450が剛性針遮蔽ホルダ430及びシリンジホルダ410が一緒に係止されている位置におけるカセット400の拡大図を示す。
【0251】
図12~
図20に見られるように、剛性針シールドホルダ430は、部分的にシリンジホルダ410の内側に収容されている。同様に、カセット皮膚センサ450は、部分的にシリンジホルダ410及び剛性針シールドホルダ430の周囲に延在する。シリンジホルダ410及びカセット皮膚センサ450は、剛性針シールドホルダ430及び剛性針シールド206に対して遠位方向に移動可能である。
【0252】
カセット皮膚センサ450は、自動注射器100d内に配置される前に、カセット400に対応する
図12に示される第1の位置にある剛性針シールド206を覆う。カセット400が自動注射器100e内に配置されたとき、自動注射器100dの駆動モジュール120は、カセット皮膚センサ450を剛性針シールド206に対して遠位方向に移動させる。これは、剛性針シールドホルダ430によって適所に保持されるので、剛性針シールド206を露出させる。この第2の位置では、剛性針シールド206の少なくとも近位部が露出され、ユーザによって剛性針シールド206を取り外すことができる。
【0253】
剛性針シールドホルダ430は、
図18に見ることができる第2のスナップ継手424、444によってシリンジホルダ410に取り付けられる。シリンジホルダ410は、
図17にも見られるように、1つ又はそれ以上の近位に延在するアーム424を備える。
図15に見られるように、剛性針シールドホルダ430は、1つ又はそれ以上の遠位に延在する突出部444を備える。
図18は、シリンジホルダ410の1つ又はそれ以上の近位に延在するアーム424が、剛性針シールドホルダ430の1つ又はそれ以上の遠位に延在する突出部444に係止し、それによって第2のスナップ継手424、444を形成する方法を示す。第2のスナップ継手424、444は、剛性針シールドホルダ430に対して遠位側にシリンジホルダ410を移動させると解放される。通常、自動注射器100eは、シリンジホルダ410が遠位方向に移動され、それによって第2のスナップ嵌めを解除する間、剛性針シールドホルダ430を保持するように構成されたシャーシを備える。
【0254】
カセット皮膚センサ450は、
図20に示されるように、第3のスナップ継手411、451によってシリンジホルダ410に係止される。第3のスナップ継手は、シリンジホルダ410上の第1支持面411と、カセット皮膚センサ450上のアーム451とによって形成され、カセット皮膚センサ450のアーム451は、シリンジホルダ410の第1支持面411に対して静止し、それによって第3のスナップ継手411、451を形成する。第3のスナップ継手は、剛性針シールドホルダ430に対して遠位にカセット皮膚センサ450を移動させることによって解放される。より具体的には、カセット皮膚センサ450のアーム451は、剛性針シールドホルダ430上の傾斜面440によって、シリンジホルダ410の第1支持面411から解放される。剛性針シールドホルダ430上の表面440は、
図16において明確に視認可能であり、
図19Bは、アーム451の第1近位面452を示すカセット皮膚センサ450上のアーム451の内側を示す。
【0255】
ストッパ208が近位方向に移動されて、シリンジ区画202を空にした後、自動注射器100e内の第2のばねは、カセット皮膚センサ450に近位方向に圧力をかける。これは、カセット皮膚センサ450、剛性針シールドホルダ430及びシリンジホルダ410を互いに係止し、カセット皮膚センサ450を針204を覆う近位位置に位置決めする。これにより、注射後にユーザが針204と偶発的に接触することを防止する。係止は、
図21に近接して見ることができ、以下に詳細に説明する。
【0256】
剛性針シールドホルダ430は、
図15及び
図16に示されるような第1遠位面432を備える。薬剤の送達後、カセット皮膚センサアーム451の第1近位面452及び剛性針シールドホルダ430の第1遠位面432が当接することにより、カセット皮膚センサ450が剛性針シールドホルダ430に対して近位に移動することを防止する。
【0257】
カセット皮膚センサ450は、
図19Bに示されるような第1遠位面454を含み、剛性針シールドホルダ430は、
図15に示されるような第1近位面434を備える。薬剤の送達後、カセット皮膚センサ450の第1遠位面454及び剛性針シールドホルダ430の第1近位面434が当接することにより、剛性針シールドホルダ430がカセット皮膚センサ450に対して近位に移動するのを防止する。
【0258】
カセット皮膚センサ450は、
図19Bに示される第2近位面456を含み、剛性針シールドホルダ430は、
図15に示されるような第2遠位面436を備える。薬剤の送達後、カセット皮膚センサ450の第2近位面456及び剛性針シールドホルダ430の第2遠位面436が当接することにより、剛性針シールドホルダ430がカセット皮膚センサ450に対して遠位に移動するのを防止する。
【0259】
カセット皮膚センサ450は、
図19Bに示される第2遠位面458を含み、シリンジホルダ410は、
図17に示されるような第1近位面418を備える。薬剤の送達後、カセット皮膚センサ450の第2遠位面458及びシリンジホルダ410の第1近位面418が当接することにより、カセット皮膚センサ450がシリンジホルダ410に対して遠位に移動するのを防止する。
【0260】
カセット皮膚センサ450のアーム451は、
図19Bに示されるような第1近位面452を含み、シリンジホルダ410は、
図17に示されるような第1遠位面412を備える。薬剤の送達後、カセット皮膚センサアーム451の第1近位面452及びシリンジホルダ410の第1遠位面412が当接することにより、シリンジホルダ410がカセット皮膚センサ450に対して遠位に移動することを防止する。
【0261】
カセット400は、剛性針シールド206がシリンジ区画202に取り付けられているか否かを検出するように構成された剛性針シールドセンサ446を更に備えてもよい。剛性針シールドセンサ446は図には示されていないが、
図5A~
図5Cに関連して説明されるセンサがカセット400内に含まれ得ることが容易に理解され得る。剛性針シールドセンサ446は、剛性針シールドホルダ430に接続されてもよい。そのような設定では、剛性針シールド206がシリンジ区画202に接続されている場合、剛性針シールドセンサ446の遠位端447は、剛性針シールドホルダ430に接続され得、剛性針シールドセンサ446の近位端448は、剛性針シールド206と接触し得る。これは、
図5A~
図5Cに関連して記載されたものと同様の剛性針シールドセンサを有するカセットを提供する。
【0262】
図22A~
図22Dは、針の挿入及び薬剤の注入中の選択された工程中のカセット400を示す。
図22Aでは、カセット400は、針204の挿入の準備が整った剛性針シールドの取り外し後に示されている。
図22Bでは、シリンジホルダ410は、剛性針シールドホルダ430及びカセット皮膚センサ450と比較して近位に移動されており、それによって針204が患者に挿入されている。薬剤はまだ送達されていない。
図22Cでは、ストッパ208が前方に移動し、薬剤が患者に送達されている。
図22Dでは、針204は患者から後退しており、カセット皮膚センサ450及び剛性針シールドホルダ430は、シリンジホルダ410に対して近位方向に移動し、それによってカセット皮膚センサ450は針204を覆う。カセット400は、ここで
図21に示される係止位置にある。
【0263】
図23は、自動注射器100eの第5の実施形態におけるカセット受容部172を拡大して示す。カセット400が自動注射器100eに装着されたときに、シリンジホルダ410の遠位端は、第1のスナップ継手174、422によってカセット受容部172に係止される。第1のスナップ継手は、ピストン168が
図24に示されるように第1の位置にあるときにカセット受容部172からカセット400を解放することを可能にするように構成される。シリンジホルダ410の遠位端420は、
図24に示すように、カセット受容部172上の係止アーム174がスナップ嵌めされる内側凹部422を備える。ピストン168は、カセット受容部172上の係止アーム174が屈曲され得、それによってシリンジホルダ410がカセット受容部172に取り付けられることを可能にするように配置された収縮部分169を備える。ピストンが遠位方向に第2の位置に移動すると、収縮部分169は、係止アーム174から離れる方向に移動する。これは、係止アーム174がここで屈曲することを防止されるため、カセット400をカセット受容部172に係止する。これは、係止アーム174から内側凹部422を解放するために必要とされる。
【0264】
図25Aは、遠位端からの図でカセット400に接続された自動注射器100eの内部部分を示す。
図25Bは、
図25Aに示される部品の側面切断図を示す。
図25Aでは、駆動モジュール120を見ることができる。駆動モジュールは、モータ122と、ねじ126に接続された歯車ボックス124とを備える。
図25Aに示されるピストン168は、シャーシ180に接続され、シャーシ180は次に駆動モジュール120に接続される。スライダ190に接続されたカセット受容部172もまた、
図25Aに見られる。更に光パネル176が可視である。パネルは、ユーザに視覚情報を提供することができる。あるいは、音声フィードバックがパネルからユーザに提供されてもよい。
図25Bでは、皮膚センサスイッチ178及びカセットセンサスイッチ179を備えるセンサシステム177もまた見られる。
図25C~
図25Dは、センサシステム177の拡大を示す。
図25Cでは、皮膚センサスイッチ178は開いており、カセットセンサスイッチ179は、カセット400が自動注射器100e内に配置されていない状態に対応して閉じる。
図25Dでは、皮膚センサスイッチ178及びカセットセンサスイッチ179は両方とも、カセット400が自動注射器100e内に配置されている状況に対応して開いている。スイッチは、アクチュエータ構成要素175がカセット400内の皮膚センサ450によって長手方向に押される際に開閉される。
【0265】
図26Aは、ピストン168を示しており、
図26Bはシャーシ180を示し、
図26Cは、シャーシ180に接続されたピストン168を底面図で示す。
【0266】
図27は、カセット受容部172(図示せず)が取り付けられるスライダ190を示す。
図28は、シャーシ180及びスライダ190が一緒に係止された拡大図を示す。シャーシ180は、係止面182を備え、係止面182は、スライダ190上の係止アーム192が当接して係止接続を形成する。自動注射器100e内のカセット400の装填後に、駆動モジュール120がシャーシ180をピストン168と共に遠位方向に移動させると、係止面182は、スライダ190上の係止アーム192と接触し、スライダ190もまた遠位方向に移動する。この位置では、ピストン168は、カセットをカセット受容部172に解放不能に係止する位置に到達している。剛性針シールドホルダ430(この図には示されていない)は、シャーシ内のハードストップに対して静止しており、自動注射器100e内に移動することはできない。カセットの残りの構成要素は、スライダ190が近位に移動するときに自動注射器100e内に移動することができる。
【0267】
作動ボタン142の作動時に、駆動モジュール120は、針の挿入及び薬剤の注入のためにシャーシ180を近位に移動させる。係止アーム192は、この移動中に係止面182から解放され、第1のばね140は、スライダ190をカセット400と共に前方に押し、それによって針204を挿入することができる。駆動モジュール120は、プランジャロッドを近位方向に前方に移動させ続ける。ピストン168がカセット400と共に追いつくとき、ピストン168は、ストッパ208を近位方向に移動させ、それによって薬剤を患者に送達する。第1のばね140はそれによって針挿入速度で移動し、駆動モジュールは、薬剤送達速度でピストンを移動させ、針挿入速度は薬剤送達速度よりも大きく、ピストン168がシリンジ区画202と共に捕捉される前に、ピストン168及びストッパ208は、針204の挿入後の期間の間、長手方向に分離される。これはまた、
図9A~
図9Dに関連して示され、説明される。
【0268】
自動注射器は、薬剤の注射後に皮膚から自動注射器100eを取り外した後に、カセット皮膚センサ450上に近位方向に圧力をかける第2のばねを更に備えてもよい。これは、
図21に関連して説明されるように、皮膚センサ450を近位方向に押してカセット部品を一緒に係止する。
【0269】
図29Aは、分解図のカセット500の第6の実施形態を示す。カセット500を受容するための自動注射器100fを
図31~
図35に示す。前述した実施形態と同様に、シリンジ区画202が薬剤を収容するシリンジ200、シリンジ区画と流体接続する中空針204、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールド206と、自動注射器のピストンによって遠位位置からシリンジ区画202内の近位位置へと移動可能なストッパ208と、を備える。
【0270】
図29Aに示される針シールド206は、外側部分206及び内側部分207の両方を有する。部品は、通常、接続されていてもよく、又は一体型物品として製造されてもよい。
【0271】
シリンジ200の周囲に配置されたシリンジホルダ510は、シリンジ区画202の少なくとも一部の周囲に延在する。シリンジホルダ510は、シリンジ区画202を支持するシリンジホルダ支持管511を有する。管511は、シリンジ区画202内の薬剤を検査するための開口部を有する。シリンジ200は、カラー状の形状を有するシリンジ200の端部205においてシリンジホルダ510の内側に固定される。シリンジ200をシリンジホルダ510の内側に固定するために、環状シリンジホルダ部519を使用することができる。これは省略されてもよい。
【0272】
カセット500は、近位541から遠位端542まで延在するカセットハウジング540を備える。カセットハウジング540は楕円形であり、自動注射器100f内のカセット500の正確な位置決めを確実にするのに役立つ。楕円形状はまた、カセットをよりコンパクトにすることができる。
【0273】
カセットハウジング540は、カセット皮膚センサ550を包囲する。カセットハウジング540の近位端541は、開口部545を有するハウジング肩部546であり、開口部545を通ってカセット皮膚センサ540が延在することができる。カセットハウジング540は、皮膚センサ550を案内するための内部に内部突出レール548(図には図示せず)を有する。2つの部分540、550は、係止解除構成で互いに対して移動可能である。カセット皮膚センサ550は、カセットハウジング540から近位に延在するように配置される。
【0274】
カセットハウジング540は、皮膚センサハウジング開口部545を有する遠位端面543を有し、この開口部を通してカセット皮膚センサ550が延在する。これは、例えば、
図30のように、切り取られた画像において最も明確に見られる。カセットハウジング540は、カセット500内の薬剤を検査するための長手方向に開口部547を有する。
【0275】
カセット皮膚センサ550は、2つのピン、すなわち、カセット皮膚センサ550の遠位端552から延在する第1皮膚センサピン557及び第2皮膚センサピン558を有する。
【0276】
カセット皮膚センサ550は、
図29B~
図29Cでより詳細に示されるシリンジホルダ510の大部分ではない場合、カセット皮膚センサ550は少なくとも一部を被覆する。シリンジホルダ510は、薬剤を検査するための開口部を有する細長い管状部分511を有する。シリンジホルダ510の遠位端509には、第1のピン開口部526と、第2のピン開口部527と、第3のピン開口部528と、第4のピン開口部529と、ピストン開口部525と、を含む多数の開口部を有する環状注射器ホルダ部分519がある。ピストン開口部525を通して、薬剤が患者に送達されたときに自動注射器ピストン1168が延在するピストン開口部525を通る。
【0277】
シリンジホルダ510はまた、環状シリンジホルダ部519から近位方向に延在する第1シリンジホルダアーム512を備える。第1シリンジホルダアーム512は、アーム512の近位端に近位面514を有する。カセット皮膚センサ550及びシリンジホルダ510が第1の位置にあるとき、カセット皮膚センサ550上の第1係止突起553は、近位面514と係合する。第1係止突起553と近位面514とのこの係合は、カセット皮膚センサ550のシリンジホルダ510への移動を防止する。第1シリンジホルダアーム512は、環状シリンジホルダ部519に柔軟に接続される。
【0278】
シリンジホルダ510はまた、シリンジ200をシリンジホルダ510の内側に係止するシリンジホルダリング507を備える。
【0279】
カセット500が自動注射器100f内に配置されると、第1のピン開口部526は、自動注射器100fの第1皮膚センサ解放ピン1156の通過を可能にする。これは、
図35A~
図35Fに関連して見られ、説明される。自動注射器100fの第1皮膚センサ解放ピン1156がシリンジホルダ510の第1のピン開口部526を通過するとき、第1のシリンジホルダアーム512と接触し、それを偏向させる。これにより、カセット皮膚センサ550が解放され、それがシリンジホルダ510に向かって、すなわち、カセット皮膚センサ550の遠位方向の移動に向かって移動することができる。カセット皮膚センサ550がシリンジホルダ510に向かって移動すると、第1カセット皮膚センサピン557は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。同様に、第2カセット皮膚センサピン558は、カセット皮膚センサ558が遠位に移動するときに、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。
【0280】
シリンジホルダ510及び皮膚センサ550は、皮膚センサ550をシリンジホルダ510から解放すると、互いに対して長手方向に移動可能である。
【0281】
シリンジホルダ510はまた、環状シリンジホルダ部519から近位方向に延在する第2シリンジホルダアーム516を有する(
図35Gを参照)。第2シリンジホルダアーム516は、アームの近位端に遠位面518を備える。遠位面518は、カセット皮膚センサ550上の第2係止突起554に対して静止している。この係合は、カセット皮膚センサ550がシリンジホルダ510から離れるように移動するのを防止する。第1シリンジホルダアーム512の撓みによってカセット皮膚センサ550及びシリンジホルダ510を係止解除する前に、2つの部品は、互いに向かって及び互いから離れる方向に移動することを防止される。
【0282】
第2シリンジホルダアーム516はまた、環状シリンジホルダ部519に柔軟に接続される。自動注射器100fの第2皮膚センサ解放ピン1159が第4のピン開口部529を通って押されると、第2のシリンジホルダアーム516と接触する(
図35Gを参照)。これにより、第2シリンジホルダアーム516が偏向し、これがカセット皮膚センサ550を再び解放し、この時間は、近位方向にシリンジホルダ510から離れるように移動することが可能になる。
【0283】
第3のピン開口部528は、自動注射器100fの皮膚センサ前方ピン1158(
図35A~
図35Fを参照)の通過を可能にし、これはカセット皮膚センサ550の第2カセット皮膚センサピン558を押す。第2カセット皮膚センサピン558はまた、皮膚センサ前方ピン1158と接触する前に、第3のピン開口部528を通過してもよい。
【0284】
シリンジホルダ510は、カセットハウジング540の遠位端541の開口部544に嵌合する2つのシリンジホルダ係止突出部524を有する。これは、シリンジホルダ510及びカセットハウジング540を一緒に係止する。より多くの係止突起/開口部も想像することができる。
【0285】
シリンジホルダ510は、シリンジ200をカセット500に係止する1つ又はそれ以上のカセット係止突起539を更に備える。
【0286】
カセット500は、剛性針シールド206とシリンジ区画201の近位端との間に配置された第1部分531を有する剛性針シールドホルダ530を更に有する。剛性針シールドホルダ530は、第1部分531及び外側の外側剛性針シールド管536を有する内側剛性針シールド管535を備える。これは、
図34A~
図34Cに最も明確に見られる。外側剛性針シールド管536は、内側剛性針シールド管535を包囲し、内側剛性針シールド管535は剛性針シールド206を包囲する。
【0287】
外側剛性針シールド管536は、
図30に示されるようにカセットハウジング540のハウジング肩部546に当接する。カセット皮膚センサ550の近位端560は、
図30に示されるように、内側剛性針シールド管535と外側剛性針シールド管536との間に配置される。剛性針シールドホルダ530は、シリンジ区画202から取り外し可能であり、剛性針シールドホルダ530が取り外されると、剛性針シールド206はそれに追従し、中空針204は露出される。したがって、剛性針シールドホルダ530は、カセットキャップ及び剛性針シールドホルダの両方として機能する。
【0288】
図31~
図32は、
図29~
図30のカセットを受容する自動注射器の第6の実施形態を示す。自動注射器100fは、
図31の分解図に示されているが、
図32A~
図32Bは組み立てられた自動注射器100fを示す。自動注射器の内部で透明なビューを得るために、外側ハウジング1102は省略されている。外側ハウジング1102は、
図34A~
図34Dに見ることができる。
【0289】
自動注射器100fは、近位端から遠位端まで延在し、近位端1103から遠位端1104まで延在するハウジング1102を備える。ハウジングは、自動注射器のこの実施形態では1つの部品内にある。カセット500は、前面装填構成で自動注射器に装填される。
【0290】
自動注射器は、カセット500を受容するように構成されたカセット受容部1110を備える。カセット500は、カセット500の遠位端において自動注射器100fと相互作用し、それによって2つの部分は同じ長手方向軸を共有する。これにより、カセットが自動注射器内に詰まってしまうリスクを軽減する。更に、接続を可能な限り滑動させる。カセット500と平行に延在する唯一の自動注射器要素は、通常、注射器ハウジング1102である。自動注射器100fの内側は、ピストン1168を移動させるように構成された駆動モジュール1150である。ピストン1168は、シリンジ内でストッパ208を近位方向に押して移動させ、それによって薬剤をシリンジから排出することができる。ピストン1168は、親ねじ1169上の雄ねじと係合する内側ねじ切り(図には示されていない)を有する。親ねじ1169が駆動要素1150によって回転されると、ピストン1168は近位方向に移動する。駆動モジュール1150はモータ1151を含み、モータ1151は、歯車アセンブリ1153を通って親ねじ1151を回転させる。歯車アセンブリ1153は、歯車カバー1152によって被覆され、いくつかのOリング1155及びシャーシカバー1154によって覆われている。
【0291】
駆動要素1150はまた、自動注射器100fに含まれるピンの数の移動を制御する。
図31に示されるように、ピンの数は、第1皮膚センサ解放ピン1156、皮膚センサ前方ピン1158、第2皮膚センサ解放ピン1159、及びカセット検出ピン1160を含む。したがって、駆動モジュール1150は、第1皮膚センサ解放ピン1156を、皮膚センサ前方ピン1158、第2皮膚センサ解放ピン1159、及びカセット検出ピン1160を近位に移動させるように更に構成される。
【0292】
薬剤送達後にカセット皮膚センサ550を近位に押す皮膚センサ前方ピン1158に作用するのは、ばねシステム1140である。ばねシステム1140は、その周囲に、皮膚センサ前方ピン1158に接続された支持シャーシ1142が見られるばね案内ピン1141を含む。ばね1143もまた、案内ピン1141の周りに延在する。ばね1143が弛緩すると、支持シャーシ1142を前方に押し、次いで、皮膚センサ前方ピン1158を近位に押す。皮膚センサ前方ピン1158の遠位端における皮膚センサ前方ピン1158の内側は、皮膚センサ前方ピン1158用の案内ピン1161である。皮膚センサばねシステム1140が薬剤送達後にカセット皮膚センサ550を近位に押すと、カセット皮膚センサ550の遠位移動を防止する係止位置に押される。
【0293】
自動注射器100fはまた、カセットを受容するように構成されたカセット受容部1110を備える。カセット受容部は、
図31及び
図33に見られるようなシャーシの形状であり、後者はカセット受容シャーシ1110の拡大図を示す。カセット受容シャーシ1110は、近位端1111から遠位端1112まで延在する。シャーシ1110の近位端1111には、ピストン開口部1115と、第1のピン開口部1116と、第2のピン開口部1117と、第3のピン開口部1118と、第4のピン開口部1119と、第5の開口部1120とを含む、いくつかの開口部を有する環状シャーシ部1114である。
【0294】
カセット500が自動注射器100f内に配置されると、ピストン開口部1115は、シリンジホルダ510内のピストン開口部525と位置合わせされて、自動注射器ピストン1168がそこを通って延在することを可能にする。同様に、シリンジホルダ510内の第1のピン開口部526は、第1皮膚センサ解放ピン1156が両方の開口部を通過して第1シリンジホルダアーム512を偏向させることによって、カセット皮膚センサ550をシリンジホルダ510から係止解除することができるように、第1のピン開口部1116と位置合わせされる。
【0295】
環状シャーシ部1114内の第2のピン開口部1117は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527と位置合わせされて、カセット皮膚センサ550の第1カセット皮膚センサピン557の通過を可能にする。第2のピン開口部1117は、その遠位方向への移動においてカセット皮膚センサ550の第1カセット皮膚センサピン557を停止する端面1121(
図35Gを参照)を有し、これは、カセット皮膚センサ550の第1カセット皮膚センサピン557を自動注射器に向かって遠位方向に移動させる。したがって、第2のピン開口部1117は、第1のカセットセンサピン557の遠位移動を制限する端面1121を有する溶接形状の開口部であり、それによって自動注射器100fの内側のカセット皮膚センサ550である。
【0296】
第3のピン開口部1118は、皮膚センサ前方ピン1158及び/又は第2カセット皮膚センサピン558の通過を可能にするために、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528と位置合わせされる。これは、
図35A~
図35Fに詳細に示されている。第4のピン開口部1119は、第2皮膚センサ解放ピン1159の通過を可能にするために、シリンジホルダ510内の第4のピン開口部529と位置合わせされる。
【0297】
第5の開口部1120は、シリンジホルダ内に対応する開口部を有さない。その代わりに、第5の開口部1120を通じて、カセット検出ピン1160が延在する。カセット検出ピン1160は、カセット500が自動注射器100fに接続されているときを検出する。カセット検出ピン1160によるカセットの検出がない場合、カセット皮膚センサ550の解放は生じない。
【0298】
カセット受容部1110、ピストン1168及び駆動モジュール1150は、自動注射器100fのハウジング1102の内部に含まれ、カセット500は自動注射器100f内に取り外し可能に受容される。
【0299】
図34A~
図34Cは、自動注射器100f内のカセット500の装着及び係止中のカセット500を有する自動注射器100fの切断図を示す。
図34Aでは、カセット500は自動注射器ハウジング1102の内部に受容されている。
図34A~
図34Cに見られるように、注射器ハウジング1102はその内側に突出タブ1105を有する。カセット500が自動注射器100f内に配置されると、カセット係止突起539は突出タブ1105の近くに配置される。その後、自動注射器は、
図34A及び34Bを比較するときに見られるように、皮膚センサ解放ピン1156、1159をピストン1168と共に前方に移動させる。カセット係止突起539は、ここで突出タブ1105をバイパスすることを防止され、それによってカセット500を自動注射器100fに係止する。カセット500が自動注射器100fの内部にしっかりと係止されると、剛性針シールドホルダ530は、カセット500から手動で取り外すことができる。これはまた、針204を露出させる剛性針シールド206を除去する。
【0300】
少なくとも第1皮膚センサ解放ピン1156の更なる近位移動によって、カセット皮膚センサ500は、シリンジホルダ510から解放される。このプロセスは、第1皮膚センサ解放ピン1156を近位に移動させることによって、カセット皮膚センサ550をシリンジホルダ510から解放する工程を示す、
図35A~
図35Cに示される。
図35Bに見られるように、アーム512の第1係止突起553及び近位面514はもはや係合しない。自動注射器は、ここで、患者への針204の挿入の準備が整っている。これは、カセット500を患者の皮膚に向かって押圧することによって行われ、それによって、
図35C及び
図35Dに示されるようにカセット皮膚センサ550を遠位に押すことによって行われる。したがって、駆動モジュール1150が第1皮膚センサ解放ピン1156を近位側に移動させるとき、カセット皮膚センサ550は、カセット皮膚センサ550の遠位移動を可能にするように、シリンジホルダ510から遠位に係止解除され、カセット皮膚センサ550の係止解除は自動注射器100f内のカセット500を係止する。
【0301】
駆動モジュール1150が薬剤送達のためにピストン1168を近位方向に移動させるとき、第2皮膚センサ解放ピン1156はまた、薬剤の送達及び/又は患者の皮膚からの自動注射器100fの取り外しの後に、カセット皮膚センサ550の近位方向への移動のために係止解除される。
【0302】
図35D~
図35Eは、薬剤送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサ550の係止を示す。
図35Dは、送達位置を示す。この位置では、皮膚センサ前方ピン1158は、ばねシステム1140によって第2カセット皮膚センサピン558に圧力を加える。
図35Eでは、自動注射器は患者の皮膚から持ち上げられている。そうすることによって、ばねシステム1140は、カセット皮膚センサ550を近位方向に前進させる。カセット皮膚センサ550が第2皮膚センサ解放ピン1159によって近位方向に移動するために係止解除されているため、カセット皮膚センサ550は、例えば、カセット皮膚センサ突出部と係合するカセットハウジング内の突出部によって、針との接触が防止される前方位置に係止され得る。
【0303】
薬剤の送達後、駆動モジュールは、ピストン及び皮膚センサ解放ピン1156、1157を後退させ、これはカセットを自動注射器から係止解除し、ユーザがカセットを取り外すことを可能にする。剛性針シールド及び剛性針シールドホルダは、使用後にカセットに接続することができず、これにより、使用されていないカセットを使用しないことを確実にする。
【0304】
カセット500及び自動注射器100fは、針の手動挿入を使用した構成で示され、説明される。自動針挿入もまた、例えば
図9に関連して説明されるようなばねモータシステムを含むことによって想定され得る。
【0305】
図36は、カセット600が分解図にある自動注射器100gの第7の実施形態の選択された部分を示す。自動注射器100gは、多数の解放ピン1181及びピストン1168及び剛性針シールド解放ピンシステム1182と共に示されるカセット受容シャーシ1180を備える。カセット600は、剛性針シールド206とシリンジ200の近位端との間に配置された第1部分631を有する剛性針シールドホルダ630を備える。剛性針シールドホルダ630は、シリンジ200とカセット皮膚センサ650との間に位置付けられ、カセット皮膚センサ650に対して長手方向に移動可能である細長い管である。シリンジホルダ630は、剛性針シールドホルダ630の遠位端から延在する2つの剛性針シールドホルダピン632を備える。剛性針シールドホルダピン1182は、2つのホルダピン632に当接する。剛性針シールド解放ピンシステム1182が近位方向に前方に移動すると、剛性針シールドホルダ630は、剛性針シールド206を解放するために近位側に押される。この解放シーケンスは
図37A~
図37Cに示され、
図37Aは、針シールド解放ピンシステム1182の移動前のシステムを示し、
図37Bは、針シールド解放ピンシステム1182の近位方向への移動後のシステムを示し、
図37Cは、ユーザが剛性針シールド206を取り外した後のシステムを示す。
【0306】
自動注射器は、以下の項目によって更に説明され得る。
項目1.薬剤を投与する送達のための自動注射器であって、自動注射器が、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器が、
-ハウジングと、
-自動注射器の長手方向の近位位置と遠位位置との間でピストンを移動させるように構成された電気モータと、
-近位端から遠位端まで延在し、シリンジを受容するように構成されたシリンジホルダであって、シリンジが、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画内のストッパ位置であって、ピストンが、ストッパを近位に移動させ、それによってシリンジ区画を空にするように構成されている、ストッパ位置と、を含む、シリンジホルダと、
-針の挿入のためにシリンジホルダをシリンジと共に近位に移動させるように構成された第1のばねと、を備え、
電気モータが、自動注射器内の唯一のモータであり、
自動注射器が、ピストンを近位に移動させるために電気モータを作動させるように構成された作動ボタンであって、ピストンの移動が第1のばねを近位に解放する、作動ボタンを更に備えている、自動注射器。
【0307】
項目2.電気モータが、第1のばねの解放と同時に薬剤の注入のためにピストンを近位に移動させるように構成されている、項目1に記載の自動注射器。
【0308】
項目3.自動注射器が解放アームを備え、ピストンが解放アームを通過するとき、ピストン上の解放指部が第1のばねを解放する、項目1又は2に記載の自動注射器。
【0309】
項目4.項目1~3のいずれか1項に記載の自動注射器であって、
○第1のばねは、針を針挿入速度で挿入するためにシリンジホルダを移動させるように構成され、
○電気モータは、ピストンを薬剤送達速度で移動させるように構成され、針挿入速度は薬剤送達速度よりも大きく、
それにより、ピストン及びストッパが、ピストンがシリンジ区画に追いつく前に、針の挿入後、及びその間に長手方向に分離される、自動注射器。
【0310】
項目5.ピストンがシリンジ区画に追いついた後のピストンの近位方向への更なる移動が、ストッパを近位方向に移動させ、それによって薬剤を送達する、項目4に記載の自動注射器。
【0311】
項目6.自動注射器が、シリンジホルダ内にシリンジが配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサを更に備えている、項目1~5のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0312】
項目7.シリンジが、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドを更に備え、自動注射器が、シリンジ区画の近位端と剛性針シールドとを分離するように構成された剛性針シールド除去装置を更に備えている、項目1~6のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0313】
項目8.電気モータが、シリンジ区画の近位端と剛性針シールドとを分離するために、シリンジホルダを遠位方向に移動させるように更に構成されている、項目7に記載の自動注射器。
【0314】
カセット及び自動注射器は、以下の条項によって更に説明され得る:
条項1.薬剤を投与するための自動注射器で使用するためのカセット(400、500)であって、自動注射器(100e、100f、100g)は、近位端から遠位端まで延在し、
-近位端(103、1103)から遠位端(104、1104)まで延在するハウジング(102、1102)と、
-ピストン(168、1168)と、
-カセット(400、500)を受容するように構成されたカセット受容部(172、1110)と、
-ピストン(168、1168)を移動させるように構成された駆動モジュール(120、1150)と、を備え、カセット受容部(172、1110)、ピストン(168、1168)、及び駆動モジュール(120、1150)は、自動注射器(100e、100f)のハウジング(102、1102)の内部に含まれ、
カセット(400、500)は、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画(202)と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続している中空針(204)と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールド(206)と、
○シリンジ区画を空にするために、ストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内の遠位位置から近位位置に移動可能なストッパ(208)と、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダ(410、510)と、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分(431、531、631)を有する剛性針シールドホルダ(430、530、630)と、
○カセット皮膚センサ(450、550、560)と、を備え、
カセット(400、500)は、自動注射器(100e、100f)内に取り外し可能に受容される、カセット。
【0315】
条項2.シリンジ区画(202)、中空針(204)、及びストッパ(208)が、シリンジ(200)の一部であり、シリンジ(200)は、シリンジ(200)の遠位端(205)においてシリンジホルダ(410、510)の内部に固定されている、条項1に記載のカセット。
【0316】
条項3.カセット(400、500)が、同じ長手方向軸を共有するカセット(400、500)の遠位端において、自動注射器(100e、100f)とインターフェイス接続されている、条項1又は2に記載のカセット。
【0317】
条項4.シリンジホルダ(510)が、シリンジ区画(202)を支持するシリンジホルダ支持管(511)を備えている、条項1~3のいずれか1項に記載のカセット。
【0318】
条項5.カセット皮膚センサ(450、550)が、シリンジホルダの大部分など、シリンジホルダ(410、510)の少なくとも一部を覆う、条項1~4のいずれか1項に記載のカセット。
【0319】
条項6.カセット皮膚センサ(550)が、カセット皮膚センサ(550)の遠位端(552)から延在する第1皮膚センサピン(557)及び/又は第2皮膚センサピン(558)を少なくとも含む、条項1~5のいずれか1項に記載のカセット。
【0320】
条項7.条項1~6のいずれか1項に記載のカセットであって、シリンジホルダ(510)が、
●自動注射器(100f)の第1皮膚センサ解放ピン(1156)の通過を可能にする第1のピン開口部(526)と、
●第1カセット皮膚センサピン(557)の通過を可能にする第2のピン開口部(527)と、
●自動注射器(100f)の皮膚センサ前方ピン(1158)及び/又は第2カセット皮膚センサピン(558)の通過を可能にする第3のピン開口部(528)と、
●自動注射器(100f)の第2皮膚センサ解放ピン(1159)の通過を可能にする第4のピン開口部(529)と、
●自動注射器ピストン(1168)の通過を可能にするピストン開口部(525)と、の群から選択される1つ又はそれ以上の開口部を備えている、カセット。
【0321】
条項8.シリンジホルダ(510)が環状シリンジホルダ部(519)を備え、ピストン開口部(525)及び/又はピン開口部(526、527、528、529)のうちの1つ又はそれ以上が、環状シリンジホルダ部(519)内に配置されている、条項7に記載のカセット。
【0322】
条項9.シリンジホルダ(510)が、環状シリンジホルダ部(519)から近位方向に延在する第1シリンジホルダアーム(512)を備えている、条項8に記載のカセット。
【0323】
条項10.第1シリンジホルダアーム(512)が近位面(514)を備え、カセット皮膚センサ(550)が、近位面(514)と係合する第1係止突起(553)を備え、第1係止突起(553)と近位面(514)との係合は、カセット皮膚センサ(550)がシリンジホルダ(510)に向かって移動することを防止する、条項9に記載のカセット。
【0324】
条項11.第1シリンジホルダアーム(512)が環状シリンジホルダ部(519)に柔軟に接続されている、条項9又は10に記載のカセット。
【0325】
条項12.第1シリンジホルダアーム(512)が、シリンジホルダ(510)内の第1のピン開口部(526)を通る自動注射器(100f)の第1皮膚センサ解放ピン(1156)の近位方向への移動によって偏向可能であり、第1シリンジホルダアーム(512)の偏向が、カセット皮膚センサ(550)を解放して、カセット皮膚センサ(550)がシリンジホルダ(510)に向かって移動することを可能にする、条項9~11のいずれか1項に記載のカセット。
【0326】
条項13.条項12に記載のカセットであって、カセット皮膚センサ(550)がシリンジホルダ(510)に向かって移動すると、
-第1カセット皮膚センサピン(557)は、シリンジホルダ(510)内の第2のピン開口部(527)内に引き込まれ/延在し、
-第2カセット皮膚センサピン(558)は、シリンジホルダ(510)内の第3のピン開口部(528)内に引き込まれる/延在する、カセット。
【0327】
条項14.シリンジホルダ(510)が、環状シリンジホルダ部(519)から近位方向に延在する第2シリンジホルダアーム(516)を備えている、条項8~13のいずれか1項に記載のカセット。
【0328】
項目15.第2シリンジホルダアーム(516)が遠位面(518)を含み、カセット皮膚センサ(550)が、遠位面(518)が静止している第2係止突起(554)を備え、第2係止突起(554)と遠位面(518)との係合は、シリンジホルダ(510)から離れる方向へのカセット皮膚センサ(550)の移動を防止する、条項14に記載のカセット。
【0329】
条項16.第2シリンジホルダアーム(516)が環状シリンジホルダ部(519)に柔軟に接続されている、条項14又は15に記載のカセット。
【0330】
条項17.第2シリンジホルダアーム(516)が、シリンジホルダ(510)内の第4のピン開口部(529)を通る自動注射器(100f)の第2皮膚センサ解放ピン(1159)の近位方向への移動によって偏向可能であり、第2シリンジホルダアーム(516)の偏向により、カセット皮膚センサ(550)がシリンジホルダ(510)から離れるように移動することを可能にする、条項14~16のいずれか1項に記載のカセット。
【0331】
条項18.シリンジホルダ(510)は、カセット(500)が自動注射器(100f)内に配置されているときに、シリンジホルダ(510)を、したがってカセット(500)を自動注射器ハウジング(1102)に係止する1つ又はそれ以上のカセット係止突起(539)を更に含む、条項1~17のいずれか1項に記載のカセット。
【0332】
条項19.シリンジホルダ(510)及び皮膚センサ(550)は、皮膚センサ(550)がシリンジホルダ(510)から解放されると、互いに対して長手方向に移動可能である、条項1~18のいずれか1項に記載のカセット。
【0333】
条項20.カセット(550)が、近位端(541)から遠位端(542)まで延在するカセットハウジング(540)を更に備え、カセットハウジング(540)は、少なくともシリンジホルダ(510)とカセット皮膚センサ(550)とを封入する、条項1~19のいずれか1項に記載のカセット。
【0334】
条項21.カセットハウジング(540)が、遠位端(541)に1つ又はそれ以上の係止開口部(544)を備え、遠位端(541)内に、シリンジホルダ(510)上の1つ又はそれ以上のシリンジホルダ係止突出部(524)が、シリンジホルダ(510)をカセットハウジング(540)に係止する、条項20に記載のカセット。
【0335】
条項22.カセットハウジング(540)が、カセットハウジング(540)の内側に、カセットハウジング(540)内の皮膚センサ(550)をガイドするための1つ又はそれ以上の内側突出レール(548)を含む、条項20又は21に記載のカセット。
【0336】
条項23.カセットハウジング(540)が、カセット皮膚センサ(550)が通って延在する皮膚センサハウジング開口部(545)を有する遠位端面(543)を含む、条項20~22のいずれか1項に記載のカセット。
【0337】
条項24.カセットハウジング(540)が楕円形である、条項20~23のいずれか1項に記載のカセット。
【0338】
条項25.剛性針シールドホルダ(530)が、第1部分(531)を含む内側剛性針シールド管(535)と外側剛性針シールド管(536)とを備え、
●外側剛性針シールド管(536)は、内側剛性針シールド管(535)を取り囲み、
●内側剛性針シールド管(535)は、剛性針シールド(206)を取り囲む、条項1~24のいずれか1項に記載のカセット。
【0339】
条項26.外側剛性針シールド管(536)がカセットハウジング(540)のハウジング肩部(546)に当接し、カセット皮膚センサ(550)の近位端(560)が、内側剛性針シールド管(535)と外側剛性針シールド管(536)との間に配置されている、条項25に記載のカセット。
【0340】
条項27.剛性針シールドホルダ(530)がシリンジ区画(202)から取り外し可能であり、剛性針シールドホルダ(530)が取り外されると、剛性針シールド(206)がそれに追従し、それによって中空針(204)が露出する、条項25又は26に記載のカセット。
【0341】
条項28.剛性針シールドホルダ(630)が、シリンジ(200)とカセット皮膚センサ(650)との間に配置された細長い管である、条項1~24のいずれか1項に記載のカセット。
【0342】
条項29.剛性針シールドホルダ(630)が、剛性針シールドホルダ(630)の遠位端から延在する少なくとも1つのホルダピン(632)を備えている、条項28に記載のカセット。
【0343】
条項30.少なくとも1つのホルダピン(632)に当接する自動注射器の剛性針シールドホルダピン(1182)が近位方向に移動すると、剛性針シールド(206)を解放するために剛性針シールドホルダ(630)が近位側に押される、条項29に記載のカセット。
【0344】
条項31.剛性針シールドホルダが、部分的にシリンジホルダ内に収容されている、条項1に記載のカセット。
【0345】
条項32.カセット皮膚センサが、部分的にシリンジホルダ及び剛性針シールドホルダの周囲に延在している、条項1~5又は31のいずれか1項に記載のカセット。
【0346】
条項33.シリンジ区画、シリンジホルダ、及びカセット皮膚センサが、剛性針シールドホルダ及び針シールドに対して遠位方向に移動可能である、条項1~5又は31~32のいずれか1項に記載のカセット。
【0347】
条項34.第1の位置にあるカセット皮膚センサが剛性針シールドを覆い、第2の位置において、剛性針シールドの少なくとも近位部分を露出させることにより剛性針シールドが取り外し可能になる、前述の条項1~5又は31~33のいずれか1項に記載のカセット。
【0348】
条項35.自動注射器の駆動モジュールが、カセット受容部を移動させるように更に構成され、ピストン及びカセット受容部は、一緒に又は別個に移動され得る、前述の条項1~5又は31~34のいずれか1項に記載のカセット。
【0349】
条項36.駆動モジュールは、剛性針シールドに対してカセット皮膚センサを遠位方向に移動させ、それによって剛性針シールドを露出させるように構成されている、前述の条項1~5又は31~35のいずれか1項に記載のカセット。
【0350】
条項37.カセットが自動注射器の内部に配置されるとき、シリンジホルダの遠位端が自動注射器内のカセット受容部に係止されるように構成されている、前述の条項1~5又は31~36のいずれか1項に記載のカセット。
【0351】
条項38.シリンジホルダの遠位端が、第1のスナップ継手(174、422)によってカセット受容部(172)に係止され、第1のスナップ継手は、
○ピストンが第1の位置にあるときにカセット受容部からカセットを解放することを可能にし、
○ピストンが第2の位置にあるときにカセットをカセット受容部に係止する、条項37に記載のカセット。
【0352】
条項39.シリンジホルダの遠位端(420)が内側凹部(422)を備え、カセット受容部上の1つ又はそれ以上の係止アーム(174)が、シリンジホルダの内側凹部にスナップ嵌めされ、それによって第1のスナップ嵌め継手を形成する、条項38に記載のカセット。
【0353】
条項40.剛性針シールドホルダが、第2のスナップ継手(424、444)によってシリンジホルダに取り付けられる、前述の条項1~5又は31~39のいずれか1項に記載のカセット。
【0354】
条項41.シリンジホルダが、1つ又はそれ以上の近位に延在するアーム(424)を備え、剛性針シールドホルダが、1つ又はそれ以上の遠位に延在する突出部(444)を備え、シリンジホルダの1つ又はそれ以上の近位に延在するアーム(424)は、剛性針シールドホルダの1つ又はそれ以上の遠位に延在する突出部(444)に係止し、それによって第2のスナップ継手を形成する、条項40に記載のカセット。
【0355】
条項42.剛性針シールドホルダに対して遠位側にシリンジホルダが移動すると、第2のスナップ継手が解放される、条項40又は41に記載のカセット。
【0356】
条項43.自動注射器が、シリンジホルダが遠位方向に移動され、それによって第2のスナップ嵌めを解除する間、剛性針シールドホルダを保持するように構成されたシャーシを更に備えている、条項42に記載のカセット。
【0357】
条項44.カセット皮膚センサが、第3のスナップ継手(411、451)によってシリンジホルダに係止される、前述の条項1~5又は31~43のいずれか1項に記載のカセット。
【0358】
条項45.シリンジホルダが第1支持面(411)を備え、カセット皮膚センサがアーム(451)を備え、カセット皮膚センサのアームは、シリンジホルダの第1支持面に当接し、それによって第3のスナップ継手を形成する、条項44に記載のカセット。
【0359】
条項46.第3のスナップ継手が、カセット皮膚センサを剛性針シールドホルダに対して遠位側に移動させることによって解放される、条項44又は45に記載のカセット。
【0360】
条項47.剛性針シールドホルダが、カセット皮膚センサを剛性針シールドホルダに対して遠位方向に移動させるときに、カセット皮膚センサのアーム(451)をシリンジホルダの第1支持面から解放するように構成された傾斜面(440)を備えている、条項44~46のいずれか1項に記載のカセット。
【0361】
条項48.ストッパがシリンジ区画を空にするために近位に移動された後、自動注射器内の第2のばねが、カセット皮膚センサに近位方向への圧力を及ぼし、それにより、カセット皮膚センサ、剛性針シールドホルダ、及びシリンジホルダが互いに係止して、針を覆う近位位置にカセット皮膚センサを位置決めする、条項47に記載のカセット。
【0362】
条項49.前述の条項1~5又は31~48のいずれか1項に記載のカセットであって、
○カセット皮膚センサ(450)のアーム(451)が第1近位面(452)を備え、及び
○剛性針シールドホルダ(430)が第1遠位面(432)を備え、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサアーム(451)の第1近位面(452)と剛性針シールドホルダ(430)の第1遠位面(432)とが当接することにより、カセット皮膚センサ(450)が剛性針シールドホルダ(430)に対して近位に移動することを防止する、カセット。
【0363】
条項50.前述の条項1~5又は31~49のいずれか1項に記載のカセットであって、
○カセット皮膚センサ(450)が第1遠位面(454)を備え、及び
○剛性針シールドホルダ(430)が第1近位面(434)を備え、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサの第1遠位面(454)と剛性針シールドホルダの第1近位面(434)とが当接することにより、剛性針シールドホルダがカセット皮膚センサに対して近位に移動することを防止する、カセット。
【0364】
条項51.前述の条項1~5又は31~50のいずれか1項に記載のカセットであって、
○カセット皮膚センサが第2近位面(456)を備え、及び
○剛性針シールドホルダが第2遠位面(436)を備え、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサの第2近位面(456)と剛性針シールドホルダの第2遠位面(436)とが当接することにより、剛性針シールドホルダがカセット皮膚センサに対して遠位に移動することを防止する、カセット。
【0365】
条項52.前述の条項1~5又は31~51のいずれか1項に記載のカセットであって、
○カセット皮膚センサが第2遠位面(458)を備え、及び
○シリンジホルダ(410)が第1近位面(418)を備え、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサの第2遠位面とシリンジホルダの第1近位面とが当接することにより、カセット皮膚センサがシリンジホルダに対して遠位に移動することを防止する、カセット。
【0366】
条項53.前述の条項1~5又は31~52のいずれか1項に記載のカセットであって、
○カセット皮膚センサ(450)のアーム(451)が第1近位面(452)を備え、及び
○シリンジホルダ(410)が第1遠位面(412)を備え、
薬剤の送達後、カセット皮膚センサアーム(451)の第1近位面(452)とシリンジホルダ(410)の第1遠位面(412)とが当接することにより、シリンジホルダ(410)がカセット皮膚センサ(450)に対して遠位に移動することを防止する、カセット。
【0367】
条項54.カセットがばねを備えていない、前述の条項1~5又は31~53のいずれか1項に記載のカセット。
【0368】
条項55.カセットが、剛性針シールドがシリンジ区画に取り付けられているかどうかを検出するように構成された剛性針シールドセンサ(446)を更に備えている、前述の条項1~5又は31~54のいずれか1項に記載のカセット。
【0369】
条項56.剛性針シールドホルダに剛性針シールドセンサが接続されている、条項55に記載のカセット。
【0370】
条項57.剛性針シールドがシリンジ区画に接続されたときに、剛性針シールドセンサの遠位端(447)が剛性針シールドホルダに接続され、剛性針シールドセンサの近位端(448)が剛性針シールドと接触する、条項55又は56に記載のカセット。
【0371】
条項58.剛性針シールドセンサがばね仕掛けの回転アームと電子スイッチとを備え、剛性針シールドがシリンジ区画に接続されたときに回転アームが押下位置にあり、回転アームが押下位置にあることは、電子スイッチと相互作用し、それによって、電子機器が剛性針シールドの存在を検出することを可能にする、条項55~57のいずれか1項に記載のカセット。
【0372】
条項59.カセットが、第1に言及した剛性針シールドセンサと比較して、剛性針シールドが剛性針シールドの長さに沿って1つ又はそれ以上の異なる位置でシリンジに取り付けられたかどうかを検出するように構成された1つ又はそれ以上の追加の剛性針シールドセンサを更に備えている、条項55~58のいずれか1項に記載のカセット。
【0373】
条項60.薬剤を投与するための自動注射器(100e、100f)であって、自動注射器が、近位端から遠位端まで延在し、自動注射器(100e、100f)が、ハウジング(102、1102)を備え、ハウジング(102、1102)の内部に、
●条項1~59のいずれか1項に記載のカセットを受容するように構成されたカセット受容部(172、1110)と、
●ストッパをカセットのシリンジの内部で近位に移動させ、それによってシリンジの薬剤を空にするように構成されたピストン(168、1168)と、
●ピストンを移動させるように構成された駆動モジュール(120、1150)と、を備えている、自動注射器。
【0374】
条項61.条項60に記載の自動注射器であって、
●第1皮膚センサ解放ピン(1156)と、
●皮膚センサ前方ピン(1158)と、
●第2皮膚センサ解放ピン(1159)と、
●カセット検出ピン(1160)と、の群から選択される1つ又はそれ以上のピンを更に備えている、自動注射器。
【0375】
条項62.条項60又は61に記載の自動注射器であって、カセット受容部(1110)は、近位端(1111)から遠位端(1112)まで延在するカセット受容シャーシであり、シャーシ(1110)の近位端(1111)は、環状シャーシ部(1114)を備え、環状シャーシ部は、
●自動注射器ピストン(1168)の通過を可能にするためのピストン開口部(1115)と、
●第1皮膚センサ解放ピン(1156)の通過を可能にするための第1のピン開口部(1116)と、
●第1カセット皮膚センサピン(557)の通過を可能にするための第2のピン開口部(1117)と、
●第3のピン開口部(1118)であって、
-自動注射器の皮膚センサ前方ピン(1158)、及び/又は
-第2カセット皮膚センサピン(558)、の通過を可能にするための第3のピン開口部と、
●第2皮膚センサ解放ピン(1159)の通過を可能にするための第4のピン開口部(1119)と、
●カセット検出ピン(1160)の通過を可能にするための第5の開口部(1120)と、の群から選択される1つ又はそれ以上の開口部を含む、自動注射器。
【0376】
条項63.第2のピン開口部(1117)が、第1のカセットセンサピン(557)の遠位方向への移動を制限する端面(1121)を有する溶接形状の開口部であり、それによって、カセット皮膚センサ(550)が自動注射器(100f)の内側にある、条項62に記載の自動注射器。
【0377】
条項64.駆動モジュール(1150)が、第1皮膚センサ解放ピン(1156)、皮膚センサ前方ピン(1158)、第2皮膚センサ解放ピン(1159)、及びカセット検出ピン(1160)を近位側に移動させるように更に構成されている、条項61~63のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0378】
条項65.駆動モジュール(1150)が第1皮膚センサ解放ピン(1156)を近位側に移動させるとき、カセット皮膚センサ(550)は、シリンジホルダ(510)から遠位側に係止解除されてカセット皮膚センサ(550)の遠位移動を可能にし、カセット皮膚センサ(550)の係止解除が自動注射器(100f)内のカセット(500)を係止する、条項64に記載の自動注射器。
【0379】
条項66.駆動モジュール(1150)が薬送達のためにピストン(1168)を近位方向に移動させるとき、第2皮膚センサ解放ピン(1156)はまた、薬物の送達及び/又は患者の皮膚からの自動注射器(100f)の除去の後に、カセット皮膚センサ(550)の近位方向への移動のために係止解除される、条項64又は65に記載の自動注射器。
【0380】
条項67.少なくとも、第1皮膚センサ解放ピン(1156)及び第2皮膚センサ解放ピン(1159)の近位方向への移動によってカセット皮膚センサ(550)をシリンジホルダ(510)から解放した後に、自動注射器(100f)の皮膚センサ前方ピン(1158)を第2のカセット皮膚センサピン(558)に対して押す皮膚センサばねシステム(1140)を更に備えている、条項61~66のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0381】
条項68.皮膚センサばねシステム(1140)が、カセット皮膚センサ(550)の遠位移動を防止する係止位置でカセット皮膚センサ(550)を近位側に押す、条項66に記載の自動注射器。
【0382】
条項69.ハウジング(1102)が、カセット(500)を受容するための近位開口部と一体に成形されている、条項60~68のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0383】
条項70.駆動モジュールが、カセット受容部を移動させるように構成され、ピストン及びカセット受容部が、一緒に又は別個に移動され得る、条項60に記載の自動注射器。
【0384】
条項71.針の挿入のために、シリンジ区画が針に接続された状態で、シリンジホルダを近位に移動させるように構成された第1のばね(140)を更に備えている、条項60及び70のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0385】
条項72.駆動モジュールが、シリンジ区画、シリンジホルダ、及びカセット皮膚センサを剛性針シールドホルダ及び剛性針シールドに対して遠位方向に移動させ、それによって剛性針シールドの取り外しを可能にするように更に構成されている、条項60及び70~71のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0386】
条項73.作動ボタンを更に備え、作動ボタン(142)が作動すると、駆動モジュールがピストンを遠位位置から近位方向に移動させ、ピストンの近位方向への移動中に第1のばねが解放される、条項60及び70~72のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0387】
条項74.条項73に記載の自動注射器であって、
○第1のばねは、針を針挿入速度で挿入するためにシリンジホルダを移動させるように構成され、
○駆動モジュールは、ピストンを薬物送達速度で移動させるように構成され、針挿入速度は薬物送達速度よりも大きく、
それにより、ピストン及びストッパが、ピストンがシリンジ区画に追いつく前に、針の挿入後、及びその間に長手方向に分離される、自動注射器。
【0388】
条項75.ピストンがシリンジ区画に追いついた後のピストンの近位方向への更なる移動が、ストッパを近位方向に移動させ、それによって薬剤を送達する、条項74に記載の自動注射器。
【0389】
条項76.自動注射器が、シリンジホルダ内にシリンジが配置されたときを検出するように構成されたシリンジセンサを更に備えている、条項60及び70~75のいずれか1項に記載の自動注射器。
【0390】
条項77.カセット皮膚センサに近位方向への圧力をかける第2のばねを更に備えている、条項60及び70~76のいずれか1項に記載の自動注射器。
【符号の説明】
【0391】
100a 自動注射器
100b 自動注射器
100c 自動注射器
100d 自動注射器
100e 自動注射器
100f 自動注射器
100g 自動注射器
102 ハウジング
103 ハウジングの近位端
104 ハウジングの遠位端
106 ハウジングの第1部分
108 ハウジングの第2部分
110 シリンジホルダ
112 シリンジホルダの遠位面
114 シリンジホルダの遠位面
120 駆動モジュール
122 駆動モジュール内のモータ
124 駆動モジュール内の歯車ボックス
126 駆動モジュール内のねじ又はロッド
128 第2駆動モジュール
130 剛性針シールド除去装置
132 剛性針シールド除去装置の第1部分
133 剛性針シールド除去アーム
134 剛性針シールド除去装置の遠位端
135 剛性針シールド除去装置の近位端
136 剛性針シールド除去装置ホルダ
138 剛性針シールドを保持するための剛性針シールド除去装置の第2部分
140 第1のばね
141 解放アーム
142 作動ボタン
144 シリンジセンサ
146 剛性針シールドセンサ
147 剛性針シールドセンサの遠位端
148 剛性針シールドセンサの近位端
150 皮膚センサ
152 第1ラックばね
154 第2ラックばね
160 歯車ラックシステム
162 第1歯車ラック部
163 第1歯車ラック部上の接続指
164 第2歯車ラック部
166 第3歯車ラック部
167 解放ファインダ
168 ピストン
169 ピストンの収縮部分
170 カバー
172 カセット受容部
174 カセット受容部上の係止アーム
175 アクチュエータ構成要素
176 光システム
177 センサシステム
178 皮膚センサスイッチ
179 カセットセンサスイッチ
180 シャーシ
182 シャーシの係止面
190 スライダ
192 スライダ上の係止アーム
200 シリンジ
201 シリンジ/シリンジ区画の近位端
202 シリンジ区画
203 シリンジ/シリンジ区画の遠位端
204 中空針
205 シリンジの遠位端面
206 剛性針シールド
207 剛性針シールドの内側部分
208 ストッパ
210 プランジャロッド
400 カセット
410 シリンジホルダ
411 シリンジホルダの第1支持面
412 シリンジホルダの第1遠位面
418 シリンジホルダの第1近位面
420 シリンジホルダの遠位端
421 シリンジホルダの近位端
422 シリンジホルダの内側凹部
424 シリンジホルダの遠位突出部
430 剛性針シールドホルダ
431 分離部
432 剛性針シールドホルダの第1遠位面
434 剛性針シールドホルダの第1近位面
436 剛性針シールドホルダの第2遠位面
438 剛性針シールドホルダの第2近位面
440 剛性針シールドホルダの傾斜面
442 剛性針シールドホルダのタブアーム
444 剛性針シールドホルダの突出タブ
446 剛性針シールドセンサ
447 剛性針シールドセンサの遠位端
448 剛性針シールドセンサの近位端
450 カセット皮膚センサ
451 カセット皮膚センサのアーム
452 カセット皮膚センサの第1近位面
453 カセット皮膚センサの内側突出部
454 カセット皮膚センサの第1遠位面
456 カセット皮膚センサの第2近位面
458 カセット皮膚センサの第2遠位面
460 カセット皮膚センサの近位端の開口部
500 カセット
507 シリンジホルダリング
508 シリンジホルダの近位端
509 シリンジホルダの遠位端
510 シリンジホルダ
511 シリンジホルダ支持管
512 第1シリンジホルダアーム
513 第1シリンジホルダアームの近位端
514 第1シリンジホルダアームの近位端の近位面
516 第2シリンジホルダアーム
517 第2シリンジホルダアームの近位端
518 第2シリンジホルダアームの近位端の遠位面
519 環状シリンジホルダ部
520 環状シリンジホルダ部の近位支持面
521 環状シリンジホルダ部の遠位支持面
522 第1シリンジホルダ係止アーム
523 第2シリンジホルダ係止アーム
524 シリンジホルダ係止突出部ハウジング
525 環状シリンジホルダ部内のピストン開口部
526 環状シリンジホルダ部内の第1ピン開口部
527 環状シリンジホルダ部内の第2ピン開口部
528 環状シリンジホルダ部内の第3ピン開口部
529 環状シリンジホルダ部内の第4ピン開口部
530 剛性針シールドホルダ/キャップ
531 剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分
535 内側剛性針シールド管
536 外側剛性針シールド管
537 剛性針シールドホルダの遠位端
538 剛性針シールドホルダの近位端
539 シリンジホルダを自動注射器に係止するカセット係止突起
540 カセットハウジング
541 カセットハウジングの近位端
542 カセットハウジングの遠位端
543 カセットハウジングの遠位端面
544 カセットハウジング内の係止開口部
545 皮膚センサハウジング開口部
546 ハウジング肩部
547 薬物検査用のハウジング内の開口部
548 カセットハウジングの内側の突出レール
550 カセット皮膚センサ
552 カセット皮膚センサの遠位端
553 第1係止突起
554 第2係止突起
556 シリンジの検査用開口部
557 第1カセット皮膚センサピン
558 第2カセット皮膚センサピン
560 カセット皮膚センサの近位端
562 カセット皮膚センサの皮膚接触面
566 カセット皮膚センサアーム
567 カセット皮膚センサアームの係止面
568 カセットハウジング内のレール内に嵌合するカセット皮膚センサレール
600 カセット
630 剛性針シールドホルダ
631 剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1部分
632 剛性針シールドホルダピン
650 カセット皮膚センサ
1102 ハウジング
1103 ハウジングの近位端
1104 ハウジングの遠位端
1105 ハウジングの内側の突出タブ
1110 カセット受容部/カセット受容シャーシ
1111 シャーシの近位端
1112 シャーシの遠位端
1113 遠位に延在するシャーシアーム
1114 環状シャーシ部
1115 近位環状シャーシ部内のピストン開口部
1116 近位環状シャーシ部内の第1ピン開口部
1117 近位環状シャーシ部内の第2ピン開口部
1118 近位環状シャーシ部内の第3ピン開口部
1119 近位環状シャーシ部内の第4ピン開口部
1120 近位環状シャーシ部内の第5開口部
1121 第2ピン開口部の端面
1140 皮膚センサに作用するばねシステム
1141 ばね案内ピン
1142 皮膚センサ前方ピンを案内するための支持シャーシ
1143 皮膚センサに作用するばねシステム内のばね
1150 駆動モジュール
1151 モータ
1152 歯車カバー
1153 歯車アセンブリ
1154 シャーシカバー
1155 Oリング
1156 第1皮膚センサ解放ピン
1158 皮膚センサ前方ピン
1159 第2皮膚センサ解放ピン
1160 カセット検出ピン
1161 皮膚センサ前方ピン用案内ピン
1168 親ねじに適合するように内部にねじ山を有するピストン
1169 親ねじ
1170 ブリッジ
1171 スイッチ
1180 カセット受容シャーシ
1181 解放ピン
1182 剛性針シールド解放ピンシステム
L1 シリンジホルダの第1の位置
L2 シリンジホルダの第2の位置
L3 シリンジホルダの第3の位置
L4 シリンジホルダの第4の位置
L5 シリンジホルダの第5の位置