IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昆山国顕光電有限公司の特許一覧

特許7262614位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体
<>
  • 特許-位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体 図1
  • 特許-位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体 図2
  • 特許-位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体 図3
  • 特許-位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20230414BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20230414BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G06T7/60 150
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021559289
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2020084901
(87)【国際公開番号】W WO2021036280
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】201910802721.7
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張原
(72)【発明者】
【氏名】陳乃熙
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-073177(JP,A)
【文献】特開平05-180618(JP,A)
【文献】特開2012-008619(JP,A)
【文献】特開2001-134771(JP,A)
【文献】特開2011-179974(JP,A)
【文献】特開平06-053700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00
G06T 7/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の階調画像を取得して、前記階調画像上の各ピクセルの階調値を特定するステップと、
前記階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、前記階調画像における測定対象領域及び前記測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定するステップと、
前記測定対象領域の階調値及び前記第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定するステップと、
前記第1の階調変化領域内で前記目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、前記目標ピクセルを前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとするステップと、
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、前記測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、前記測定対象領域の位置情報を取得するステップと、
を含む位置決め方法。
【請求項2】
前記階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、前記階調画像における測定対象領域及び前記測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する前記ステップは、
前記階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、第1の階調値及び第2の階調値を特定するステップと、
前記階調画像において階調値が前記第1の階調値と等しい第1のピクセルを識別し、前記第1のピクセルが位置する領域を前記測定対象領域として特定するステップと、
前記階調画像において階調値が前記第1の階調値と前記第2の階調値との間にある第2のピクセルを識別するステップと、
前記第2のピクセルが位置する領域を前記第1の階調変化領域として特定するステップと、
を含む請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項3】
前記測定対象領域の階調値及び前記第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定する前記ステップは、
前記第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、前記第1の階調変化領域内で階調値の差が第1の所定の閾値を超え且つ互いに隣接する複数組の候補ピクセルを特定するステップと、
前記複数組の候補ピクセルにおける前記測定対象領域の階調値に近接する階調値の平均値を前記目標階調値とするステップと、
を含む請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項4】
前記第1の階調変化領域内で前記目標階調値に合致する目標ピクセルを特定する前記ステップは、
前記第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値及び前記目標階調値に基づいて、前記第1の階調変化領域内でピクセルの階調値が前記目標階調値と等しいM個のピクセルを特定するステップと、
N個のピクセルが接続されて形成された形状が前記測定対象領域の形状に類似するように、前記M個のピクセルからN個のピクセルを特定し、前記N個のピクセルを前記目標ピクセルとするステップであって、ここでNとMの比の値が第2の所定の閾値を超え、M≧Nであり、且つ、M、Nがいずれも1より大きい正の整数であるステップと、
を含む請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項5】
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルは、前記測定対象領域の第1の辺縁の実際の辺縁ピクセル及び前記測定対象領域の第2の辺縁の実際の辺縁ピクセルを含み、前記測定対象領域の中心位置は、前記測定対象領域の中心線であり、前記基準位置は、基準直線であり、前記第1の辺縁、前記第2の辺縁、前記中心線及び前記基準直線は互いに平行であり、
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、前記測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定するステップは、
前記第1の辺縁に垂直な方向において、前記第1の辺縁と前記基準直線との間、及び前記第2の辺縁と前記基準直線との間のピクセル数及びピクセルサイズをそれぞれ取得するステップと、
前記ピクセル数及びピクセルサイズに基づいて、前記第1の辺縁と前記基準直線との相対距離、及び前記第2の辺縁と前記基準直線との相対距離をそれぞれ算出するステップと、
前記第1の辺縁と前記基準直線との相対距離、及び前記第2の辺縁と前記基準直線との相対距離に基づいて、前記測定対象領域の中心線と前記基準直線との相対距離を特定するステップと、
を含む請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項6】
前記第1の辺縁と前記基準直線との相対距離、及び前記第2の辺縁と前記基準直線との相対距離に基づいて、前記第1の辺縁に垂直な方向における前記測定対象領域の幅サイズを特定するステップ
をさらに含む請求項5に記載の位置決め方法。
【請求項7】
前記階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、前記階調画像における基準領域及び前記基準領域に隣接する第2の階調変化領域を特定するステップと、
前記第2の階調変化領域内で前記基準領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、前記基準領域の実際の辺縁ピクセルが位置する直線を基準直線とするステップと、
をさらに含む請求項5に記載の位置決め方法。
【請求項8】
前記測定対象領域の中心位置は、前記測定対象領域の測定中心点位置であり、前記基準位置は、前記測定対象領域に対応する所定の中心点位置であり、
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、前記測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定する前記ステップは、
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、前記測定対象領域の形状を特定するステップと、
前記測定対象領域の形状と所定の形状とを比較して、前記測定対象領域の形状と前記所定の形状との類似度を取得するステップと、
前記類似度が第3の所定の閾値を超えた場合、前記測定対象領域の測定中心点位置と前記所定の中心点位置との相対距離を算出するステップと、
を含む請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項9】
測定対象物の階調画像を取得して、前記階調画像上の各ピクセルの階調値を特定する画像取得モジュールと、
前記階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、前記階調画像における測定対象領域及び前記測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する領域識別モジュールと、
前記測定対象領域の階調値及び前記第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定する目標階調特定モジュールと、
前記第1の階調変化領域内で前記目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、前記目標ピクセルを前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとする辺縁特定モジュールと、
前記測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、前記測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、前記測定対象領域の位置情報を取得する位置特定モジュールと、
を含む位置決め装置。
【請求項10】
プログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の位置決め方法が実現される、
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年08月28日に出願した「位置決め方法及び装置、記憶媒体」という名称の中国特許出願第201910802721.7号の優先権を主張し、当該出願の全ての内容が本文に援用される。
【0002】
本願はコンピュータ技術分野に関し、特に、位置決め方法、位置決め装置、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
製品の製造過程において、製品の品質を管理するために、製品の位置又はサイズを測定する必要がある。例示的に、表示パネル業界において、表示パネルにおける目標領域の位置、例えば、封止領域の位置、ピクセル蒸着の位置等をより正確に特定する必要がある。しかしながら、従来技術において、通常、測定対象物の画像を取得した後、手動測定により、目標領域の位置を特定していたが、手動測定は誤差が大きく、目標領域の位置を正確に特定することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、目標領域の位置を如何に正確に特定するかは、当業者にとって解決すべき技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様は、位置決め方法を提供し、当該位置決め方法は、
測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値を特定するステップと、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定するステップと、
測定対象領域の階調値及び第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定するステップと、
第1の階調変化領域内で目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、目標ピクセルを測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとするステップと、
測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、測定対象領域の位置情報を取得するステップと、を含む。
【0006】
第2の態様において、本願の実施例は、位置決め装置を提供し、当該位置決め装置は、
測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値を特定する画像取得モジュールと、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する領域識別モジュールと、
測定対象領域の階調値及び第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定する目標階調特定モジュールと、
第1の階調変化領域内で目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、目標ピクセルを測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとする辺縁特定モジュールと、
測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、測定対象領域の位置情報を取得する位置特定モジュールと、を含む。
【0007】
第3の態様において、本願の実施例は、プログラムが記憶された記憶媒体であって、プログラムがプロセッサによって実行されると、上記に記載の位置決め方法が実現される記憶媒体を提供する。
本願の実施例により提供される位置決め方法によれば、当該方法は、測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値に基づき、測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する。測定対象領域及び第1の階調変化領域を利用して目標階調値を特定し、当該目標階調値を利用して第1の階調変化領域内で測定対象領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離をさらに特定して、測定対象領域の位置情報を取得する。これにより、測定対象領域の境界をより正確に特定し、さらに、測定対象領域の位置をより正確に特定することができる一方、本願の実施例によれば、人の目による測定を必要とせず、測定の自動化を実現し、効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本願の実施例により提供される位置決め方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の実施例により提供される測定対象物の階調画像模式図である。
図3図3は、本願の実施例により提供される図2におけるE領域の拡大模式図である。
図4図4は、本願の実施例により提供される位置決め装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ガラスフリット(Frit)を用いて封止した表示パネルにおいて、Fritが封止プロセスにおいて水分及び酸素に対する遮断作用を達成するためには、表示パネルにおけるFrit封止領域の位置を正確に特定して、切断時にFrit封止領域が破壊されて封止の失効が引き起されることを防止する必要がある。或いは、薄膜封止(TFE:Thin-Film Encapsulation)を用いる表示パネルにおいて、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)のプロセスを用いて封止構造の一部の封止膜層を形成する場合、成膜の過程において、封止膜層の境界にCVDシャドウ(shadow)が生じうる。CVDシャドウは、封止效果に直接影響し、例えば、CVDシャドウの位置が管理制御範囲を超えると、封止失効を引き起こし、表示パネルの点灯後に黒点や黒ずみ等が現れる。或いは、表示パネルの蒸着ピクセル位置精度(PPA:Pixel Posit1n Accuracy)の測定技術において、蒸着PPAは、蒸着プロセスを評価する重要な評価指標であり、PPAシフトは、パネルの混色等の異常を引き起こす。サブピクセルの実際の蒸着位置を特定して、PPA補償値を特定し、表示パネルの混色等の異常を防止する必要がある。
【0010】
しかしながら、従来技術において、上記領域の位置を人の目で測定するため、誤差が大きく、効率が低い等の問題がある。
【0011】
従来技術の問題の少なくとも一つを解決するために、本願の実施例は、位置決め方法及び装置、記憶媒体を提供する。以下、先ず、本願の実施例により提供される位置決め方法を紹介する。
【0012】
図1は、本願の実施例により提供される位置決め方法のフローチャートを示す。図1に示すように、本願の実施例により提供される位置決め方法は、ステップ110乃至ステップ150を含む。
【0013】
ステップ110において、測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値を特定する。
【0014】
当該ステップにおいて、例示的に、測定対象物は、例えば、表示パネル、半導体チップ、太陽電池パネル等であってもよい。
【0015】
選択可能に、自動光学検出(AOI:Automated Optical Inspection)カメラ、CCDカメラ(Charge Coupled Device camera、電荷結合素子カメラ)、画像収集カード等を用いて測定対象物の原始画像を取得することができる。原始画像のフォーマットは、bmp、jpg、png等であってもよい。その後、原始画像に対して階調化処理を行って、当該測定対象物の階調画像を取得する。階調画像は、ピクセルドットアレイの集合であり、ピクセルはそれぞれ対応する階調値を有し、階調画像上の各ピクセルの階調値を読み取り、ピクセルを位置決め粒度とすることで、階調画像上の各領域をより正確に識別することができる。
ステップ120において、階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する。
【0016】
例示的に、Frit封止を用いた表示パネルを測定対象物とする例において、AOIカラーカメラを利用し、安定した光源強度を設定して表示パネルの測定領域を撮影して、測定領域のカラー図面を取得することができる。ここで、取得されたカラー図面において、表示パネルの表示領域が青色、モリブデン線領域が白色、Frit領域が黒色を呈している。当該カラー図面に対して階調化処理を行うと、図2に示す表示パネルの階調画像が取得される。当該階調画像は、表示領域A、モリブデン線領域B、Frit領域C及びFrit領域Cの両側のガラス板領域D1、D2を有してもよい。階調画像において、表示領域A、モリブデン線領域B、Frit領域C及びガラス板領域D1、D2はいずれも一定の階調値を保持し、各領域の階調値は互いに異なり(ガラス板領域D1、D2の階調値は同じであってもよい)、各領域の境界にはいずれも階調変化の領域が存在する。図2におけるFrit領域Cの左側の境界を例にすると、人の目で見ると、Frit領域Cとガラス板領域D1とは隣接しているが、実際に、Frit領域Cは第1の階調値を有し、ガラス板領域D1は第2の階調値を有し、両者の間に第1の階調変化領域が存在する。図3は、Frit領域Cの左側の境界での第1の階調変化領域Eの拡大模式図を示す。
【0017】
選択可能に、ステップ120は、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、第1の階調値及び第2の階調値を特定するステップと、
階調画像において階調値が第1の階調値と等しい第1のピクセルを識別し、第1のピクセルが位置する領域を測定対象領域として特定するステップと、
階調画像において階調値が第1の階調値と第2の階調値との間にある第2のピクセルを識別するステップと、
第2のピクセルが位置する領域を第1の階調変化領域として特定するステップと、を含む。
【0018】
例示的に、図2におけるFrit領域Cを測定対象領域とする例において、第1の階調変化領域は、Frit領域Cの境界に位置する。表示パネルにおける各領域の位置関係(例えば、表示領域Aとモリブデン線領域Bとが隣接し、Frit領域Cの両側はそれぞれガラス板領域D1、D2に隣接する)及び階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、Frit領域Cの第1の階調値及びガラス板領域D1、D2の第2の階調値を識別し、階調画像において第1の階調値と等しい第1のピクセルが位置する領域をFrit領域Cとし、階調画像において階調値が第1の階調値と第2の階調値との間にある第2のピクセルが位置する領域を第1の階調変化領域とする。理想的には、第1の階調値及び第2の階調値は、二つの異なる具体的な数値である。プロセス過程及び画像収集装置の影響を受けて、第1の階調値が一つの比較的小さい数値範囲であってもよく、第2の階調値の場合も同じであることは、理解すべきである。この時、特定されたFrit領域C(即ち、測定対象領域)は、一つの大体な領域であり、以下の実施例では、測定対象領域の境界の第1の階調変化領域内で測定対象領域の実際の境界を特定することを紹介する。
【0019】
ステップ130において、測定対象領域の階調値及び第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定する。
選択可能に、第1の階調変化領域の中心線上又は中心線近傍のピクセルの階調値の平均値を目標階調値としてもよい。或いは、実際の要求に応じて,目標階調値を特定してもよく、例えば、続いて、Frit領域Cを測定対象領域とし、Frit領域Cとガラス板領域D1との間の領域を第1の階調変化領域とする例において、Frit領域Cは、第1の階調値を有し、ガラス板領域D1は第2の階調値を有し、第1の階調値は、第2の階調値未満であり、第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値は、第1の階調値と第2の階調値との間である。例えば、Frit領域Cの範囲を比較的大きく特定する必要がある場合、第1の階調変化領域の一部のピクセルの階調値を目標階調値とすればよく、例示的に、これらピクセルの階調値と第1の階調値の差と、第2の階調値と第1の階調値の差と、の比の値は、50%程度である。
【0020】
選択可能に、ステップ130は、
第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、第1の階調変化領域内で階調値の差が第1の所定の閾値を超え且つ互いに隣接する複数組の候補ピクセルを特定するステップと、
複数組の候補ピクセルにおける測定対象領域の階調値に近接する階調値の平均値を目標階調値とするステップと、を含む。
【0021】
図2及び図3に示すように、Frit領域Cは第1の階調値を有し、ガラス板領域D1は第2の階調値を有する。第1の階調変化領域内のFrit領域Cに近接するピクセルの階調値は第1の階調値に近接し、ガラス板領域D1に近接するピクセルの階調値は第2の階調値に近接し、Frit領域Cからガラス板領域D1への方向に、第1の階調変化領域内のピクセルの階調値は、第1の階調値から第2の階調値へ変化し、第1の階調変化領域内には、階調値が飛躍的に変化する隣接するピクセルが幾つか存在する(二つの隣接するピクセルの階調値の差が比較的大きい)。第1の階調値及び第2の階調値に基づいて第1の所定の閾値を設定して、二つの隣接するピクセルの階調値の差が第1の所定の閾値を超える複数組の候補ピクセルを特定する。任意の一組の候補ピクセルにおける一方のピクセルの階調値が第1の階調値に近接し、他方のピクセルの階調値が第2の階調値に近接する。複数組の候補ピクセルのうち階調値が第1の階調値(即ち、測定対象領域の階調値)に近接する複数のピクセルの階調値の平均値を算出し、当該平均値を目標階調値とする。
【0022】
上記実施例は、測定対象領域の一つの境界のみを例にして目標階調値を特定する手順を説明したが、測定対象領域の他の任意の一つの境界に対応する目標階調値はいずれも上述の方法に従って特定することができ、重複する点については省略する。
【0023】
本願の実施例によれば、目標階調値をより正確に特定することができ、さらに、当該目標階調値に基づいて特定測定対象領域の実際の境界をより正確に特定することができる。
ステップ140において、第1の階調変化領域内で目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、目標ピクセルを測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとする。
【0024】
選択可能に、ステップ140における第1の階調変化領域内で目標階調値に合致する目標ピクセルを特定するステップは、
第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値及び目標階調値に基づいて、第1の階調変化領域内でピクセルの階調値が目標階調値と等しいM個のピクセルを特定するステップと、
N個のピクセルが接続されて形成された形状が測定対象領域の形状に類似するように、M個のピクセルからN個のピクセルを特定し、N個のピクセルを目標ピクセルとするステップであって、ここでNとMの比の値が第2の所定の閾値を超え、M≧Nであり、且つ、M、Nがいずれも1より大きい正の整数であるステップと、を含む。ここで、測定対象領域の形状が既知であり、かつ、M個の画素も既知であるため、N個の画素を決定する際には、一例として、M個の画素点のうち、一部の画素点を選択して、選択された部分の画素点を結んだ形状が測定対象領域の形状と類似しているか否かを判断し、類似している場合は、当該一部の画素点がN個の画素点になり、類似していない場合は、測定対象領域の形状と類似するN個の画素点が選択されるまで、選択を継続する。
【0025】
当該ステップにおいて、第1の階調変化領域内において目標階調値に合致するM個のピクセルがランダムに分布される可能性があるが、測定対象領域の形状が一定であるため、M個のピクセルから、NとMの比の値が第2の所定の閾値を超え、且つ、N個のピクセルが接続されて形成された形状が測定対象領域の形状に類似するようにN個のピクセルを選択することで、測定対象領域の実際の辺縁ピクセルをより正確に特定することができる。
【0026】
選択可能に、測定対象領域は、円形領域であり、対応する第1の階調変化領域は、測定対象領域を囲む環状領域である。或いは、測定対象領域は、多角形であり、測定対象領域の各辺に対応する第1の階調変化領域の階調値変化の傾向がそれぞれ異なる場合、各境界にそれぞれ対応する実際の辺縁ピクセルをそれぞれ特定してもよい。
【0027】
ステップ150において、測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、測定対象領域の位置情報を取得する。
選択可能に、基準位置は、階調画像上の固定位置又は階調画像上の比較的安定した位置であってもよい。基準位置を基準として、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離が特定され、得られる測定対象領域の位置情報がより正確になる。
【0028】
選択可能に、測定対象領域の実際の辺縁ピクセルは、測定対象領域の第1の辺縁の実際の辺縁ピクセル及び測定対象領域の第2の辺縁の実際の辺縁ピクセルを含み、測定対象領域の中心位置は、測定対象領域の中心線であり、基準位置は、基準直線であり、第1の辺縁、第2の辺縁、中心線及び基準直線は互いに平行である。選択可能に、ステップ150は、
第1の辺縁に垂直な方向において、第1の辺縁と基準直線との間、及び第2の辺縁と基準直線との間のピクセル数及びピクセルサイズをそれぞれ取得するステップと、
ピクセル数及びピクセルサイズに基づいて、第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離をそれぞれ算出するステップと、
第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離に基づいて、測定対象領域の中心線と基準直線との相対距離を特定するステップと、を含む。
【0029】
図2に示すように、続いて、Frit領域Cを測定対象領域とする例において、Frit領域Cにおけるガラス板領域D1に隣接する辺縁をFrit領域Cの第1の辺縁とし、Frit領域Cにおけるガラス板領域D2に隣接する辺縁をFrit領域Cの第2の辺縁とする。基準位置は、予め取得されていてもよいし、取得された階調画像から算出されていてもよい。基準位置は基準直線であり、当該基準直線は、表示パネルにおいて位置が比較的安定している構造の階調画像における位置を模式的に示す線であり、例えば、表示領域AにおけるFrit領域Cに近接する一つの辺縁線であってもよい。
Frit領域Cの第1の辺縁に垂直な方向において、即ち、図2における水平方向において、第1の辺縁と基準直線との間のピクセル数がΔX1であり、ピクセルのサイズがpixelで、pixelが階調画像における各ピクセルの大きさであり、一般にマイクロメートルμm(10-6m)であれば、第1の辺縁と基準直線との相対距離L1は、ΔX1*pixelである。同様に、第2の辺縁と基準直線との間のピクセル数がΔX2であり、ピクセルのサイズがpixelである場合、第2の辺縁と基準直線との相対距離L2は、ΔX2*pixelである。L1とL2との平均値を算出して、Frit領域Cと基準直線との相対距離を取得する。
【0030】
選択可能に、ステップ150の後、本願の実施例により提供される位置決め方法は、さらに、
第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離に基づいて、第1の辺縁に垂直な方向における測定対象領域の幅サイズを特定するステップを含む。
【0031】
図2に示すように、続いて、Frit領域Cを測定対象領域とする例において、Frit領域Cと基準直線との相対距離を特定した後、Frit領域Cの幅を特定する必要がある。このように、Frit領域Cと基準直線との相対距離、及びFrit領域Cの幅に基づいて、表示パネルの切断位置をより正確に特定して、Frit封止領域の破壊を防止することができる。また、測定されたFrit領域Cと基準直線との相対距離、及びFrit領域Cの幅を、所定のものと比較して、Frit封止位置及びサイズが所定の要件を満たすか否かを特定することもできる。
【0032】
選択可能に、本願の実施例により提供される位置決め方法は、さらに、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における基準領域及び基準領域に隣接する第2の階調変化領域を特定するステップと、
第2の階調変化領域内で基準領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、基準領域の実際の辺縁ピクセルが位置する直線を基準直線とするステップと、を含む。
【0033】
例示的に、基準領域は、測定対象物上の位置が比較的安定している構造の階調画像における領域であってもよく、基準領域の辺縁を基準直線とすると、得られる測定対象領域の位置情報がより正確である。
【0034】
図2に示すように、表示領域Aを基準領域とし、Frit領域Cを測定対象領域とする例において、一般に、表示領域Aは、位置が比較的安定している領域であり、且つ、表示パネル上で占める面積が比較的大きく(図2において表示領域Aは実際の表示領域の一部であってもよい)、表示領域Aの実際の辺縁ピクセルが位置する直線を基準直線として選択する。好ましくは、当該基準直線は、表示領域AにおいてFrit領域Cに近接する一つの辺縁である。
【0035】
例えば、表示パネルにおける各領域の位置関係(表示領域Aとモリブデン線領域Bとが隣接する)及び階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、表示領域Aの第3の階調値及びモリブデン線領域Bの第4の階調値を識別し、階調画像において第3の階調値と等しい第3のピクセルが位置する領域を表示領域Aとし、階調画像において階調値が第3の階調値と第4の階調値との間にある第4のピクセルが位置する領域を第2の階調変化領域とする。さらに、上記に説明の方法に従って表示領域Aに対応する目標階調値を特定し、表示領域Aに対応する目標階調値に基づいて、第2の階調変化領域内で表示領域Aの実際の辺縁ピクセルを特定してもよいが、重複する点については、その説明を省略する。
【0036】
選択可能に、測定対象領域の中心位置は、測定対象領域の測定中心点位置であり、基準位置は、測定対象領域に対応する所定の中心点位置である。選択可能に、ステップ150は、
測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の形状を特定するステップと、
測定対象領域の形状と所定の形状とを比較して、測定対象領域の形状と所定の形状との類似度を取得するステップと、
類似度が第3の所定の閾値を超えた場合、測定対象領域の測定中心点位置と所定の中心点位置との相対距離を算出するステップと、を含むことができる。
【0037】
例示的に、測定対象領域は、サブピクセルの実際の蒸着領域であり、測定中心点位置は、測定により取得される当該サブピクセルの実際の蒸着領域の実際の中心点位置である。所定の形状は、所定の当該サブピクセルの標準蒸着形状、例えば四角形、六角形等であってもよい。所定の中心点位置は、当該サブピクセルの標準中心点位置であってもよい。
【0038】
例示的に、標準Arrayプロセスに対応するピクセル定義層(PDL:Pixel Definition Layer)で規定された開口領域の位置と標準蒸着形状とを、図形Teach手段によって事前登録処理することができ、事前登録のPDLで規定された開口領域の位置に基づいて、各サブピクセルの標準中心点位置を特定することができる。
【0039】
例えば、所定の標準蒸着形状は六角形であり、測定により取得される実際の蒸着形状は四角形であると、当該四角形で算出される測定中心点位置は、誤差が比較的大きい位置であり、続いて、当該四角形の測定中心点位置と所定の中心点位置との相対距離を算出すると、これも誤差が比較的大きい結果である。当該ステップにおいて、測定対象領域の形状と所定の形状とを比較して、二つの形状の類似度を取得し、類似度が第3の所定の閾値を超えた場合、測定対象領域の測定中心点位置と所定の中心点位置との相対距離をさらに特定する。本願の実施例によれば、PPAシフトを正確に測定し、PPA補償値をさらに特定して、混色現象の発生を避けることができる。
【0040】
以上、本願の実施例により提供される位置決め方法によれば、当該方法は、測定対象物の階調画像を取得することにより、階調画像上の各ピクセルの階調値に基づき、測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する。測定対象領域及び第1の階調変化領域を利用して目標階調値を特定し、当該目標階調値を利用して第1の階調変化領域内で測定対象領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離をさらに特定して、測定対象領域の位置情報を取得する。これにより、測定対象領域の境界をより正確に特定し、さらに、測定対象領域の位置をより正確に特定することができる一方、本願の実施例によれば、人の目による測定を必要とせず、測定の自動化を実現し、効率を向上させることができる。
【0041】
図4は、本願の実施例により提供される位置決め装置の構造模式図である。図4に示すように、本願の実施例により提供される位置決め装置は、
測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値を特定するのに用いられる画像取得モジュール201と、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定するのに用いられる領域識別モジュール202と、
測定対象領域の階調値及び第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、目標階調値を特定するのに用いられる目標階調特定モジュール203と、
第1の階調変化領域内で目標階調値に合致する目標ピクセルを特定し、目標ピクセルを測定対象領域の実際の辺縁ピクセルとするのに用いられる辺縁特定モジュール204と、
測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離を特定して、測定対象領域の位置情報を取得するのに用いられる位置特定モジュール205と、を含む。
【0042】
選択可能に、領域識別モジュール202は、具体的に、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、第1の階調値及び第2の階調値を特定し、
階調画像において階調値が第1の階調値と等しい第1のピクセルを識別し、第1のピクセルが位置する領域を測定対象領域として特定し、
階調画像において階調値が第1の階調値と第2の階調値との間にある第2のピクセルを識別し、
第2のピクセルが位置する領域を第1の階調変化領域として特定するのに用いられる。
【0043】
選択可能に、目標階調特定モジュール203は、具体的に、
第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値に基づいて、第1の階調変化領域内で階調値の差が第1の所定の閾値を超え且つ互いに隣接する複数組の候補ピクセルを特定し、
複数組の候補ピクセルにおける測定対象領域の階調値に近接する階調値の平均値を目標階調値とするのに用いられる。
【0044】
選択可能に、辺縁特定モジュール204は、具体的に、
第1の階調変化領域内の各ピクセルの階調値及び目標階調値に基づいて、第1の階調変化領域内でピクセルの階調値が目標階調値と等しいM個のピクセルを特定し、
N個のピクセルが接続されて形成された形状が測定対象領域の形状に類似するように、M個のピクセルからN個のピクセルを特定し、N個のピクセルを目標ピクセルとするのに用いられ、
ここでNとMの比の値が第2の所定の閾値を超え、M≧Nであり、且つ、M、Nがいずれも1より大きい正の整数である。ここで、測定対象領域の形状が既知であり、かつ、M個の画素も既知であるため、辺縁特定モジュール204は、N個の画素を決定する際には、一例として、M個の画素点のうち、一部の画素点を選択して、選択された部分の画素点を結んだ形状が測定対象領域の形状と類似しているか否かを判断し、類似している場合は、当該一部の画素点がN個の画素点になり、類似していない場合は、測定対象領域の形状と類似するN個の画素点が選択されるまで、選択を継続する。
【0045】
選択可能に、測定対象領域の実際の辺縁ピクセルは、測定対象領域の第1の辺縁の実際の辺縁ピクセル及び測定対象領域の第2の辺縁の実際の辺縁ピクセルを含み、測定対象領域の中心位置は、測定対象領域の中心線であり、基準位置は、基準直線であり、第1の辺縁、第2の辺縁、中心線及び基準直線が互いに平行であり、位置特定モジュール205は、具体的に、
第1の辺縁に垂直な方向において、第1の辺縁と基準直線との間、及び第2の辺縁と基準直線との間のピクセル数及びピクセルサイズをそれぞれ取得し、
ピクセル数及びピクセルサイズに基づいて、第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離をそれぞれ算出し、
第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離に基づいて、測定対象領域の中心線と基準直線との相対距離を特定するのに用いられる。
【0046】
選択可能に、位置特定モジュール205は、さらに、
第1の辺縁と基準直線との相対距離、及び第2の辺縁と基準直線との相対距離に基づいて、第1の辺縁に垂直な方向における測定対象領域の幅サイズを特定するのに用いられる。
【0047】
選択可能に、領域識別モジュール202は、さらに、
階調画像上の各ピクセルの階調値に基づいて、階調画像における基準領域及び基準領域に隣接する第2の階調変化領域を特定するのに用いられ、
辺縁特定モジュール204は、さらに、
第2の階調変化領域内で基準領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、基準領域の実際の辺縁ピクセルが位置する直線を基準直線とするのに用いられる。
【0048】
選択可能に、測定対象領域の中心位置は、測定対象領域の測定中心点位置であり、基準位置は、測定対象領域に対応する所定の中心点位置であり、位置特定モジュール205は、具体的に、
測定対象領域の実際の辺縁ピクセルに基づいて、測定対象領域の形状を特定し、
測定対象領域の形状と所定の形状とを比較して、測定対象領域の形状と所定の形状との類似度を取得し、
類似度が第3の所定の閾値を超えた場合、測定対象領域の測定中心点位置と所定の中心点位置との相対距離を算出するのに用いられる。
【0049】
本願の実施例により提供される位置決め装置によれば、当該装置は、測定対象物の階調画像を取得して、階調画像上の各ピクセルの階調値に基づき、測定対象領域及び測定対象領域に隣接する第1の階調変化領域を特定する。測定対象領域及び第1の階調変化領域を利用して目標階調値を特定し、当該目標階調値を利用して第1の階調変化領域内で測定対象領域の実際の辺縁ピクセルを特定し、測定対象領域の中心位置と基準位置との相対距離をさらに特定して、測定対象領域の位置情報を取得する。これにより、測定対象領域の境界をより正確に特定し、さらに、測定対象領域の位置をより正確に特定することができる一方、本願の実施例によれば、人の目による測定を必要とせず、測定の自動化を実現し、効率を向上させることができる。
本願の実施例は、さらに、プロセッサによって実行されると上述した位置決め方法を実現するプログラムが記憶されている記憶媒体を提供する。
【0050】
上述した構成ブロック図に示す機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせとして実現することができる。ハードウェアの形で実現される場合、それは、例えば、電子回路、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であり得る。ソフトウェアの形で実現される場合、本願の実施例の要素は、所望のタスクを実行するために使用されるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機械可読媒体に格納されてもよく、又は搬送波により搬送されるデータ信号を介して伝送媒体又は通信リンク上で伝送されてもよい。「機械可読媒体」は、情報を記憶又は送信することができる任意の媒体を含むことができる。機械可読媒体の例としては、電子回路、半導体メモリ装置、ROM(Read only memory、読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(RF)リンク等が挙げられる。コードセグメントは、インターネット、イントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロードすることができる。
図1
図2
図3
図4