(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システムおよびそれを利用した仮想発電所の運営方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20230414BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20230414BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230414BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/00 130
H02J3/38 120
H02J3/46
H02J3/00 180
(21)【出願番号】P 2021574237
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2021005815
(87)【国際公開番号】W WO2021230593
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0058706
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508058516
【氏名又は名称】コリア ディストリクト ヒーティング コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Korea District Heating Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャ・キュン・ク
(72)【発明者】
【氏名】テ・ソン・オム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ハ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・スン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ファン・チャン
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2019-0076572(KR,A)
【文献】特開2013-198197(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0132662(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2019-0111202(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1636411(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/00
H02J 3/38
H02J 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想発電所に連携された複数の分散型電源と、
前記仮想発電所に連携され
た仮想発電所出力調整システムであって、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産する新再生熱併合発電所
及び電力を熱に変換する熱変換装置を含む仮想発電所出力調整装置と、
熱貯蔵装置と、熱供給装置と、を含む仮想発電所出力調整システムと、
前記複数の分散型電源の発電量を予測して入札を進め、前記複数の分散型電源の発電量を基に前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析し、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調節して、前記仮想発電所の出力変動を安定化させる仮想発電所管理装置と、
を含
み、
前記仮想発電所管理装置は、前記分散型電源の発電量が不足しているときに前記新再生熱併合発電所の発電量を増加させることと、前記分散型電源の発電量が過剰であるときに前記熱変換装置の電力消費量を増加させることと、によって、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調節するように構成されており、
前記熱供給装置は、前記熱変換装置によって変換された熱を、直接又は前記熱貯蔵装置に貯蔵された後に、前記仮想発電所内の熱負荷に供給するように構成されており、
前記仮想発電所管理装置は、
個別分散型電源が入札期間中に発電できる発電量を予測して、前記個別分散型電源の個別入札発電量を決定し、
前記入札期間中に前記個別分散型電源による出力値が前記個別入札発電量を維持させるよう、前記個別分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節し、
前記入札期間中に前記個別分散型電源の実発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることを特徴とする、新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項2】
前記仮想発電所管理装置は、
前記複数の分散型電源の予想発電量を合算して仮想発電所で発電するVPP予想発電量を導出し、導出された前記VPP予想発電量を基にVPP入札発電量を決定することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項3】
前記仮想発電所管理装置は、
前記複数の分散型電源から生産される発電量をリアルタイムでモニタリングして、仮想発電所で発電されるVPP発電量を導出し、前記VPP発電量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を予測することを特徴とする請求項2に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項4】
前記仮想発電所管理装置は、
前記VPP発電量から前記仮想発電所の負荷で消費する電力使用量を差し引いてVPP予想出力量を計算し、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することを特徴とする請求項3に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項5】
前記仮想発電所管理装置は、
前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さい場合、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の分だけ前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることを特徴とする請求項4に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項6】
前記仮想発電所管理装置は、
電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記系統周波数を用いて前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項7】
前記仮想発電所管理装置は、
前記仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記区域周波数を用いて前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項8】
前記仮想発電所管理装置は、
個別分散型電源の発電量をリアルタイムで分析し、前記個別分散型電源の実発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項9】
前記仮想発電所管理装置は、
入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに前記個別分散型電源の実発電量の区間平均値を導出し、前記複数の区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することを特徴とする
請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項10】
前記新再生熱併合発電所は、
ウッドチップ、燃料電池、または副生ガスのうち少なくとも一つを用いて電力を生産することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項11】
前記仮想発電所管理装置は、
前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を予測し、前記電力需要量を基に、前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項12】
前記仮想発電所管理装置は、
仮想発電所に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、分散型電源が追加的に発電できる応動量または前記変動性電源の出力変動に対応するために、前記分散型電源が追加的に発電できる応動速度を分析し、
前記変動性電源の出力が減少して、仮想発電所内の電力供給が仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量よりも小さいか、或いは前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整することを特徴とする請求項1に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システム。
【請求項13】
新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法であって、前記仮想発電所は、
仮想発電所に連携された複数の分散型電源と、
前記仮想発電所に連携された仮想発電所出力調整システムであって、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産する新再生熱併合発電所及び電力を熱に変換する熱変換装置を含む仮想発電所出力調整装置と、熱貯蔵装置と、熱供給装置と、を含む仮想発電所出力調整システムと、
仮想発電所管理装置と、
を含み、
前記方法は、
前記仮想発電所管理装置が、仮想発電所に連携された分散型電源の発電量を予測するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記仮想発電所に連携された仮想発電所出力調整装置の発電量を調節して、前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップ
であって、前記分散型電源の発電量が不足しているときに前記新再生熱併合発電所の発電量を増加させるステップと、前記分散型電源の発電量が過剰であるときに前記熱変換装置の電力消費量を増加させるステップと、を含む、前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップと、
前記熱貯蔵装置が、前記前記熱変換装置によって変換された熱を貯蔵するステップと、
前記熱供給装置が、前記熱を前記仮想発電所内の熱負荷に供給するステップと、
を含
み、
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、
入札期間中に発電できる前記分散型電源の予想発電量を予測するステップと、
前記入札期間中に個別分散型電源の予想発電量と前記個別入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整するステップと、
を含み、
前記発電量を調整するステップは、
前記入札期間中に前記分散型電源の予想発電量が、前記個別入札発電量以下である場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることを特徴とする、新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項14】
前記新再生熱併合発電所は、
ウッドチップまたは副生ガスのうち少なくとも一つを用いて電力を生産することを特徴とする
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項15】
前記仮想発電所管理装置が、前記複数の分散型電源から生産される発電量をモニタリングして、仮想発電所で発電されるVPP発電量を導出するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記VPP発電量から前記仮想発電所の負荷で消費する電力使用量を差し引いて、VPP予想出力量を計算するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記新再生熱併合発電所の発電量を制御するステップと、
をさらに含むことを特徴とする
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項16】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、
電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出するステップと、
前記系統周波数を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、
を含む
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項17】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、
前記仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出するステップと、
前記区域周波数を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、
を含む
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項18】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、
個別分散型電源の発電量をリアルタイムで分析するステップと、
前記個別分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、
を含む
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項19】
前記発電量を調整するステップは、
前記入札期間を複数の区間に分割するステップと、
前記複数の区間ごとに前記個別分散型電源の実発電量の区間平均値を導出するステップと、
を含むことを特徴とする
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項20】
前記発電量を調整するステップは、
前記複数の区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御するステップ
をさらに含むことを特徴とする
請求項19に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項21】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、
前記仮想発電所のVPP入札発電量、個別分散型電源の発電量、電力系統の系統情報、または仮想発電所の外部から受信された制御信号のうち少なくとも一つを基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調節することを特徴とする
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項22】
前記仮想発電所管理装置が、仮想発電所に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、前記分散型電源が追加的に発電できる応動量または前記変動性電源の出力変動に対応するために、前記分散型電源が追加的に発電できる応動速度を分析するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整するステップと、
をさらに含む
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【請求項23】
前記仮想発電所管理装置が、前記分散型電源から生産される発電量をモニタリングするステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記分散型電源の発電量と前記分散型電源の個別入札発電量とを比較するステップと、
前記仮想発電所管理装置が、前記発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合、
前記新再生熱併合発電所の発電量を増加させるステップと
、
を含む
請求項13に記載の新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システムおよびそれを利用した仮想発電所の運営方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、化石燃料の枯渇やエネルギー問題を背景に、新再生可能エネルギー源の比重が着実に増大しつつある。また、地球規模の気候危機への対応および産業競争力の確保に向けた新再生可能エネルギー源の比重が世界的に拡大傾向にある。さらに、従来の中央給電中心の電力供給方式を補完するために、分散型電源(Distributed Energy Resource;DER)が電力系統に積極的に導入されている。
【0003】
分散型電源は、負荷の近くに中小規模で設置することができる上、短期間で設置することや短い時間内に起動することが可能であるという利点を有している。さらに、電力網内に点在している様々なタイプの分散型電源を、進歩した情報通信技術および自動制御技術を用いて、単一の発電システムとして運営するための統合管理システム、すなわち仮想発電所(Virtual Power Plant,VPP)が開発されつつある。
【0004】
しかし、新再生可能エネルギー源を利用して発電する分散型電源の場合には、気候や天候などにより出力が急変して出力制御が難しく、瞬時に発生する出力変動性により電力需給の不均衡をもたらしかねない。
【0005】
例えば、分散型電源の出力が急増して分散型電源の発電量が入札発電量を超える場合、電力系統や仮想発電所の周波数が高くなり、電力供給の過剰で需給の不均衡が生じかねない。また、分散型電源の出力が急減して分散型電源の発電量が入札発電量よりも低くなる場合、電力系統の系統周波数が低くなり、電力供給の不足で需給の不均衡が生じるという問題があった。
【0006】
そこで、電力系統および仮想発電所を安定的に運営することができる方策が求められる。
【0007】
一方、最近では、ESS(Energy storage system)や揚水発電所を通じて新再生可能エネルギーを貯蔵し、足りない電力量を補う方法が研究されつつある。
【0008】
しかし、ESSは価格が高くて経済性が低い。また、ESSは容量限界で大容量の電力を貯蔵することが不可能であり、これによって電力系統の足りない電力量を補うには限界があった。さらに、ESSは火災や爆発の危険があることから安定性が低いという問題も有している。
【0009】
なお、揚水発電所は大容量の電力を貯蔵することは可能であるものの、設置や運営にかかるコストが高くて経済性が低く、稼働時間も2時間以内と短いという欠点があった。また、揚水発電所は設置場所に制約が多く、建設期間が長いという問題のほか、周辺の環境を破壊するという問題も抱えている。
【0010】
この背景技術の部分に記載された事項は、発明の背景に関する理解を深めるために作成されたものであって、この技術が属する分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術ではない事項を含むことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、仮想発電所に仮想発電所出力調整装置を連携させ、分散型電源の出力変動によって発生される仮想発電所の出力変動および誤差を仮想発電所出力調整装置で調整することで、仮想発電所の出力を安定化させることができる仮想発電所システムおよび仮想発電所の運営方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例に係る新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所システムは、仮想発電所に連携された複数の分散型電源と、前記仮想発電所に連携され、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産する新再生熱併合発電所を含む仮想発電所出力調整装置と、前記複数の分散型電源の発電量を予測して入札を進め、前記複数の分散型電源の発電量を基に前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析し、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調節して、前記仮想発電所の出力変動を安定化させる仮想発電所管理装置と、を含む。
【0013】
前記仮想発電所管理装置は、前記複数の分散型電源の予想発電量を合算して仮想発電所で発電するVPP予想発電量を導出し、導出された前記VPP予想発電量を基にVPP入札発電量を決定することができる。
【0014】
前記仮想発電所管理装置は、前記複数の分散型電源から生産される発電量をリアルタイムでモニタリングして、仮想発電所で発電されるVPP発電量を導出し、前記VPP発電量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を予測することができる。
【0015】
前記仮想発電所管理装置は、前記VPP発電量から前記仮想発電所の負荷で消費する電力使用量を差し引いてVPP予想出力量を計算し、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することができる。
【0016】
前記仮想発電所管理装置は、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さい場合、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の分だけ前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることができる。
【0017】
前記仮想発電所管理装置は、電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記系統周波数を用いて前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することができる。
【0018】
前記仮想発電所管理装置は、前記仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記区域周波数を用いて前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することができる。
【0019】
前記仮想発電所管理装置は、個別分散型電源の発電量をリアルタイムで分析し、前記個別分散型電源の実発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節することができる。
【0020】
前記仮想発電所管理装置は、個別分散型電源が入札期間中に発電できる発電量を予測して、前記個別分散型電源の個別入札発電量を決定し、前記入札期間中に前記個別分散型電源による出力値が前記個別入札発電量を維持させるよう、前記個別分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節することができる。
【0021】
前記仮想発電所管理装置は、前記入札期間中に前記個別分散型電源の実発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることができる。
【0022】
前記仮想発電所管理装置は、入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに個別分散型電源の実発電量の区間平均値を導出し、前記複数の区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御することができる。
【0023】
前記新再生熱併合発電所は、ウッドチップ、燃料電池、または副生ガスのうち少なくとも一つを用いて電力を生産することができる。
【0024】
前記仮想発電所管理装置は、前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を予測し、前記電力需要量を基に、前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析することができる。
【0025】
前記仮想発電所管理装置は、仮想発電所に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、分散型電源が追加的に発電できる応動量または前記変動性電源の出力変動に対応するために、前記分散型電源が追加的に発電できる応動速度を分析し、前記変動性電源の出力が減少して、仮想発電所内の電力供給が仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量よりも小さいか、或いは前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整することができる。
【0026】
本発明の一実施例に係る新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法は、仮想発電所に連携された分散型電源の発電量を予測するステップと、前記分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所の出力変動および誤差を分析するステップと、前記仮想発電所に連携された仮想発電所出力調整装置の発電量を調節して、前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップと、を含む。
【0027】
前記仮想発電所出力調整装置は、前記仮想発電所に連携され、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産する新再生熱併合発電所を含むことができる。
【0028】
前記新再生熱併合発電所は、ウッドチップまたは副生ガスのうち少なくとも一つを用いて電力を生産することができる。
【0029】
複数の分散型電源から生産される発電量をモニタリングして、仮想発電所で発電されるVPP発電量を導出するステップと、前記VPP発電量から前記仮想発電所の負荷で消費する電力使用量を差し引いて、VPP予想出力量を計算するステップと、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記新再生熱併合発電所の発電量を制御するステップと、をさらに含むことができる。
【0030】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出するステップと、前記系統周波数を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、を含むことができる。
【0031】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、前記仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出するステップと、前記区域周波数を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、を含むことができる。
【0032】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、個別分散型電源の発電量をリアルタイムで分析するステップと、前記個別分散型電源の発電量を基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量をリアルタイムで調節するステップと、を含むことができる。
【0033】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、入札期間中に発電できる分散型電源の予想発電量を予測するステップと、前記入札期間中に前記個別分散型電源の予想発電量と前記個別入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整するステップと、を含むことができる。
【0034】
前記発電量を調整するステップは、前記入札期間中に前記分散型電源の予想発電量が、前記個別入札発電量の以下である場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を増加させることができる。
【0035】
前記発電量を調整するステップは、前記入札期間を複数の区間に分割するステップと、前記複数の区間ごとに個別分散型電源の実発電量の区間平均値を導出するステップと、を含むことができる。
【0036】
前記発電量を調整するステップは、前記複数の区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を制御するステップをさらに含むことができる。
【0037】
前記仮想発電所の出力変動および誤差を調整するステップは、前記仮想発電所のVPP入札発電量、個別分散型電源の発電量、電力系統の系統情報、または仮想発電所の外部から受信された制御信号のうち少なくとも一つを基に、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調節することができる。
【0038】
仮想発電所に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、分散型電源が追加的に発電できる応動量または前記変動性電源の出力変動に対応するために、前記分散型電源が追加的に発電できる応動速度を分析するステップと、前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、前記仮想発電所出力調整装置の発電量を調整するステップと、をさらに含むことができる。
【0039】
本発明の一実施例に係る新再生熱併合発電所を活用した仮想発電所の運営方法は、分散型電源から生産される発電量をモニタリングするステップと、前記分散型電源の発電量と前記分散型電源の個別入札発電量とを比較するステップと、前記発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合、前記新再生熱併合発電所の発電量を増加させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0040】
本発明によると、仮想発電所に仮想発電所出力調整装置を連携させ、仮想発電所出力調整装置を通じて分散型電源の出力変動による仮想発電所の出力変動および誤差を調整することにより、仮想発電所の出力を安定化させることができる環境を提供する。
【0041】
また、本発明は、仮想発電所出力調整装置が分散型電源の出力変動によって過剰に生産される余剰電力を利用して熱エネルギーを生産することにより、新再生可能エネルギー源のように出力制御が難しい分散型電源の出力変動による仮想発電所の出力変動を最小限に抑え、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる。
【0042】
また、本発明は、仮想発電所出力調整装置で生産された熱エネルギーを大容量で貯蔵して熱負荷に提供することにより、仮想発電所の出力を安定化させるだけでなく、エネルギー源の浪費を防ぐことができる環境を提供する。
【0043】
また、本発明は、仮想発電所に新再生熱併合発電所を分散型電源で連携させ、分散型電源の出力変動に対応して前記新再生熱併合発電所の発電量を調整し、前記新再生熱併合発電所で発電された電力で仮想発電所の足りない出力を補うことにより、新再生可能エネルギー源のように出力制御が難しい分散型電源によって発生する仮想発電所の出力不足およびこれによる仮想発電所の出力変動を最小限に抑えて、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【0044】
また、本発明は、各個別分散型電源の予想発電量を分析し、分散型電源の予想発電量を合算してVPP予想発電量を導出し、前記VPP予想発電量を基にVPP入札発電量を導出することにより、最適な入札発電量を効果的に決定することができる環境を提供する。
【0045】
また、本発明は、複数の分散型電源から生産される発電量をモニタリングして、仮想発電所内でリアルタイムで発電されるVPP発電量を導出し、前記VPP発電量とVPP入札発電量とを比較して、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を調整することにより、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【0046】
また、本発明は、電力系統の系統周波数または仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された周波数を基に、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を制御することにより、変動性電源である分散型電源の出力変動による電力系統の系統周波数の急変および仮想発電所の区域周波数の急変を防ぐことができる環境を提供する。
【0047】
また、本発明は、個別分散型電源の発電量をリアルタイムでモニタリングし、前記個別分散型電源の発電量と個別分散型電源の個別入札発電量とを比較して、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を制御することにより、個別分散型電源の出力を一定して維持させ、これにより、個別分散型電源の出力が平坦化されて、仮想発電所に提供されるのと同じ効果を与える。
【0048】
また、本発明は、入札期間中に個別分散型電源の発電量を予測して、前記個別分散型電源の個別入札発電量を決定し、前記個別入札発電量と前記個別分散型電源の発電量とをリアルタイムで比較し、これを基に熱変換装置の電力消費量を制御したり、新再生熱併合発電所の発電量をリアルタイムで制御することにより、入札期間中に個別分散型電源の出力量を前記個別入札発電量に合わせることができる環境を提供する。
【0049】
また、本発明は、電力取引所とのVPP入札発電量、個別分散型電源の発電量、電力系統の系統情報、または電力取引所から受信された制御信号のうち少なくとも一つを基に、仮想発電所出力調整装置の動作を制御することにより、仮想発電所の出力を安定的に維持させ、これにより、電力系統を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整装置を活用した仮想発電所システムを簡略に示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例に従って、仮想発電所に連携された分散型電源の発電量を予測して入札を進め、仮想発電所出力調整装置を制御して、仮想発電所の出力を安定化させる過程を簡略に示すフロー図である。
【
図5】電力系統において一般的な1日の電力需要曲線を示すグラフである。
【
図6】変動性電源の出力増加による純負荷量の変化を示すグラフである。
【
図7】本発明の一実施例に従って、個別分散型電源の予想発電量を基にVPP予想発電量を導出し、導出されたVPP予想発電量を利用してVPP入札発電量を決定する過程を簡略に示すフロー図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る個別分散型電源の予想発電量および平均発電量を示すグラフである。
【
図9】本発明の一実施例に従って、仮想発電所のVPP予想発電量とVPP入札発電量とを示すグラフである。
【
図10】本発明の一実施例に従って、VPP予想出力量とVPP入札発電量とを比較して、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。
【
図11】本発明の一実施例に従って、VPP予想出力量とVPP入札発電量とを比較して、仮想発電所出力調整装置を制御する例を示すグラフである。
【
図12】本発明の一実施例に従って、電力系統の系統周波数または仮想発電所の区域周波数をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。
【
図13】本発明の一実施例に従って、個別分散型電源の発電量を予測して入札を進め、個別分散型電源の実発電量をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。
【
図14】本発明の一実施例に従って、入札期間を複数の区間に分けて個別分散型電源の発電量をモニタリングし、それぞれの区間ごとに個別分散型電源の実発電量をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の好ましい実施例を、添付した図面に基づいて詳細に説明すると次の通りである。
【0052】
これに先立ち、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらに代替することができる様々な均等物と変形例とがあり得ることを理解すべきである。
【0053】
以下では、添付した図面を参考にしながら、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるよう詳細に説明する。しかし、本発明は、種々の異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。なお、図面で本発明を明確に説明するために、説明とは関係のない部分は省略し、明細書全体において、類似した部分については類似した図面の符号を付した。
【0054】
図面で示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであるため、本発明が必ずしも図面に示されたものに限定されるものではなく、複数の部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0055】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を排除するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…機」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアかソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現することができる。
【0056】
別途定義されていない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているものと同じ用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されてはならない。
【0057】
また、実施例を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施例の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0058】
それでは、
図1~
図14を参考にしながら、本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整装置を活用した仮想発電所システムおよび仮想発電所の運営方法について詳細に説明する。
【0059】
図1は、本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整装置を活用した仮想発電所システムを簡略に示す図である。このとき、電力系統10および仮想発電所システムは、本発明の実施例に係る説明を行うために必要な概略的な構成のみを示すだけであって、このような構成に限るものではない。
【0060】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所(Virtual Power Plant,以下VPP)システムは、電力系統10の電力取引所(Korea Power Exchange,KPX)20と連携される。
【0061】
なお、前記仮想発電所システムは、仮想発電所(VPP)100に連携された様々な種類の分散型電源(Distributed Energy Resource,DER)110を含み、分散型電源110から生産された電力を電力系統10に供給することができる。
【0062】
なお、前記電力取引所20は、電力系統10の複数の発電所(12-1~12-n)で生産した電力を送電用変電所14および配電用変電所16を介して電力使用者に供給するよう電力市場を運営する。
【0063】
なお、前記分散型電源110は、風力発電機、太陽光発電機、地熱発電機、燃料電池、バイオエネルギー、海洋エネルギー、または出力調整ができない変動性電源のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0064】
また、前記仮想発電所システムは、電力取引所20と入札を進め、複数の分散型電源(110-1~110-m)から生産された電力の一部を電力系統10に供給することができる。
【0065】
なお、仮想発電所システムは、仮想発電所管理装置200を通じて電力取引所20と入札を進めることができる。前記仮想発電所管理装置200は、仮想発電所100から電力系統10に供給するVPP入札発電量を決定することができる。ここで、前記VPP入札発電量は入札期間中に仮想発電所100から電力系統10に供給する電力供給量または電力出力量を含む。
【0066】
なお、仮想発電所システムは、前記VPP入札発電量に応じて前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)から生産された電力の一部を電力系統10に供給することができる。
【0067】
例えば、前記仮想発電所管理装置200は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の発電量を予測して入札を執行することができる。なお、前記仮想発電所管理装置200は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の前記予想発電量から前記仮想発電所100内の負荷120で消費される電力消費量を差し引いて前記VPP入札発電量を決定することができる。
【0068】
また、前記仮想発電所管理装置200は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することができる。なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100内に配置された負荷の電力需要量を予測し、前記電力需要量を基に、前記仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することもできる。
【0069】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100の出力変動および誤差の分析結果を基に、仮想発電所出力調整システム300の動作を制御して、前記仮想発電所100の出力変動を安定化させることができる。
【0070】
前記仮想発電所出力調整システム300は、前記仮想発電所100内に配置されてよい。なお、前記仮想発電所出力調整システム300は、仮想発電所出力調整装置310を通じて、仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)から生産された電力を消費して熱に変換することができる。また、前記仮想発電所出力調整システム300は、仮想発電所出力調整装置310を通じて電力を生産して、仮想発電所100に供給することもできる。
【0071】
例えば、前記仮想発電所出力調整装置310は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)から生産された電力の一部を供給されて熱エネルギーに変換する熱変換装置および、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産する新再生熱併合発電所などを含むことができる。
【0072】
こうした仮想発電所出力調整装置310の熱変換装置および新再生熱併合発電所は、従来のESS(Energy storage system)や揚水発電所とは異なり、コストが安く速応性が高いという利点を有している。また、前記仮想発電所出力調整装置310は、分散型電源110や仮想発電所100の周辺に設置することが容易であり、設置地域において制限が緩いという利点も有している。
【0073】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、仮想発電所100に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、分散型電源が追加的に発電できる応動量情報を分析することができる。
【0074】
ここで、応動量情報は、仮想発電所100に連携された変動性電源(例えば、新再生可能エネルギー源)の出力変動に対応するために、仮想発電所100に連携された分散型電源が追加的に発電できる応動量の値または前記変動性電源の出力変動に対応して、分散型電源が追加的に発電できる応動速度を含む。
【0075】
なお、前記応動量は、仮想発電所100に連携された変動性電源(例えば、新再生可能エネルギー源)の出力変動に対応するために、仮想発電所100に連携された分散型電源が追加的に発電できる発電量を含む。なお、応動速度は、仮想発電所100に連携された変動性電源の出力変動に対応して、仮想発電所100に連携された分散型電源が追加的に発電できる発電速度を含む。このとき、このような応動量および応動速度は、分散型電源のランプレート(Ramp Rate)特性情報を含むことができる。
【0076】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記変動性電源の出力が減少して、仮想発電所100内の電力供給が仮想発電所100内に配置された負荷の電力需要量よりも小さいか、或いは前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量または発電量を調整することができる。
【0077】
例えば、前記変動性電源の出力が減少して、仮想発電所100内の電力供給が仮想発電所100内に配置された負荷の電力需要量よりも小さいか、或いは前記分散型電源の応動量または応動速度が前記仮想発電所内に配置された負荷の電力需要量を満たしていない場合、本発明は、前記仮想発電所出力調整装置310の熱変換装置が電力消費量を減少させたり、前記仮想発電所出力調整装置310の新再生熱併合発電所が発電量を増加させるよう制御することができる。
【0078】
また、前記仮想発電所管理装置200は、仮想発電所100に連携された変動性電源の出力変動に対応するために、前記仮想発電所出力調整装置310の新再生熱併合発電所が追加的に発電できる応動量情報を分析することができる。
【0079】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100に連携された変動性電源の出力が減少して、前記仮想発電所100内の電力供給が仮想発電所100内に配置された負荷の電力需要量よりも小さい場合、前記仮想発電所出力調整装置310の新再生熱併合発電所の応動量情報を基に、前記熱変換装置の熱生産量を制御したり、新再生熱併合発電所の発電量を制御することもできる。
【0080】
図2は、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置の概略的な構成を示すブロック図である。このとき、仮想発電所管理装置200は、本発明の実施例に係る説明を行うために必要な概略的な構成のみを示すだけであって、このような構成に限るものではない。
【0081】
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を予測し、電力取引所20と入札を進める。
【0082】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することができる。なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記分析結果を基に、前記VPP出力調整システム300を制御して、仮想発電所100の出力変動を安定化させることができる
【0083】
本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、VPP制御モジュール210、送受信モジュール220、入札モジュール230、モニタリングモジュール240、分析モジュール250、そしてVPP出力調整モジュール260を含む。
【0084】
前記VPP制御モジュール210は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動および負荷120の需要変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析し、前記分析結果を基に、前記VPP出力調整システム300を制御して、仮想発電所の出力変動を安定化させるよう前記各部の動作を制御することができる。
【0085】
前記送受信モジュール220は、仮想発電所情報を電力取引所20に送信し、前記電力取引所20から電力系統情報および電力系統分析情報を受信することができる。
【0086】
例えば、前記仮想発電所情報は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の発電量情報、負荷120の電力消費量情報などを含む。なお、前記送受信モジュール220は、仮想発電所100で検針された計量データを電力取引所20に送信することができる。
【0087】
なお、前記送受信モジュール220は、前記電力取引所20から電力系統情報および電力系統分析情報を受信することができる。ここで、電力系統情報および電力系統分析情報は、電力系統10に連携された発電機12のランプレート(Ramp Rate)特性情報、電力系統10の系統周波数情報、電力系統10の電力需給情報、電力系統10の変動性電源による純負荷量情報、前記変動性電源による応動量情報、電力系統10に連携された新再生出力変動情報、および電力系統10の予備力量情報などを含む。
【0088】
ここで、ランプレート特性情報は、1分当たりの発電機出力の変動であり、発電機の出力増加速度、発電機の出力減少速度、または発電機の速度調整率を含む。
【0089】
なお、電力系統10の系統周波数情報は、リアルタイムの系統周波数、系統周波数の予測値、周波数変化率、または周波数敏感度などを含む。周波数変化率や周波数敏感度は時間の変化に伴う系統周波数の変化率または変化の程度を含む。
【0090】
なお、周波数変化率は正の値(+)を持つか、或いは負の値(-)を持つことができる。例えば、周波数変化率が正の数である場合は、系統周波数が急増する場合を含むことができる。なお、周波数変化率が負の数である場合は、系統周波数が急減する場合を含むことができる。
【0091】
また、電力系統10の電力需給情報は、電力系統10の電力需給の不均衡を含む。ここで、電力系統10の電力需給の不均衡は、電力系統10に連携された発電機の脱落、電力系統10の電力需要の急変、または電力系統10に連携された変動性電源出力変動の急変などによって、電力系統10の電力供給と電力需要との間の偏差が、電力需給の設定値を超える場合を含む。
【0092】
なお、前記純負荷量情報は、電力系統10の総負荷量から電力系統10に連携された変動性電源(例えば、新再生可能エネルギー源)の出力量を差し引いた値を含む。
【0093】
また、応動量情報は、電力系統10に連携された変動性電源(例えば、新再生可能エネルギー源)の出力変動に対応するために、電力系統に連係された発電機が追加的に発電できる応動量の値または前記変動性電源の出力変動に対応して発電機が追加的に発電できる応動速度を含むことができる。
【0094】
前記入札モジュール230は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を予測して電力取引所20と入札を執行する。また、前記入札モジュール230は、それぞれの分散型電源の特性および発電容量を基に、それぞれの分散型電源の予想発電量を分析することができる。なお、前記入札モジュール230は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を合算してVPP予想発電量を導出することができる。
【0095】
なお、前記入札モジュール230は、前記VPP予想発電量を基に電力取引所20と入札を進め、VPP入札発電量を決定することができる。ここで、前記VPP予想発電量は、仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)が入札期間中に発電することが予想される発電量を含む。なお、前記VPP入札発電量は入札期間中に仮想発電所100から電力系統10に供給する電力供給量または電力出力量を含む。
【0096】
なお、前記入札モジュール230は、本発明の一実施例に係る分散型電源発電量予測部232、VPP発電量計算部234、およびVPP入札発電量決定部236を含むことができる。
【0097】
前記分散型電源発電量予測部232は、それぞれの分散型電源の特性および発電容量を基に、それぞれの分散型電源の予想発電量を分析する。なお、前記分散型電源発電量予測部232は、それぞれの分散型電源の予想発電量を基に、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)が、特定の時点または入札期間中に発電できる発電量を予測することができる。
【0098】
前記VPP発電量計算部234は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を合算して前記仮想発電所100で発電できるVPP予想発電量を導出することができる。
【0099】
なお、前記VPP入札発電量決定部236は、前記VPP予想発電量を基にVPP入札発電量を決定する。また、前記VPP入札発電量決定部236は、前記VPP予想発電量から所定期間の間に仮想発電所100の負荷120で消費することが予想される電力使用量を差し引いて前記VPP入札発電量を決定することができる。
【0100】
前記モニタリングモジュール240は、仮想発電所100に連携された分散型電源110の発電量および仮想発電所100内に配置された負荷120の電力使用量をリアルタイムでモニタリングすることができる。
【0101】
例えば、前記モニタリングモジュール240は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の実発電量をリアルタイムでモニタリングすることができる。なお、前記モニタリングモジュール240は、個別分散型電源110の発電量、発電量の変化量および変化率などをリアルタイムでモニタリングすることができる。
【0102】
また、前記モニタリングモジュール240は、前記仮想発電所100に連携された負荷120の電力使用量、電力使用量の変化量および変化率などをリアルタイムでモニタリングすることもできる。
【0103】
なお、前記モニタリングモジュール240は、本発明の一実施例に係る分散型電源モニタリング部242、そしてVPPモニタリング部244を含むことができる。
【0104】
前記分散型電源モニタリング部242は、前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)の実発電量をリアルタイムでモニタリングすることができる。なお、前記分散型電源モニタリング部242は、個別分散型電源110に対する発電量、発電量の変化量および変化率などをリアルタイムでモニタリングすることができる。
【0105】
前記VPPモニタリング部244は、前記仮想発電所100の発電量および電力使用量をリアルタイムでモニタリングすることができる。また、前記VPPモニタリング部244は、前記仮想発電所100の複数の分散型電源(110-1~110-m)による総発電量と仮想発電所100の負荷120による総使用量とをリアルタイムでモニタリングすることができる。
【0106】
例えば、前記VPPモニタリング部244は、前記仮想発電所100の余剰電力量をリアルタイムでモニタリングすることができる。ここで、前記余剰電力量は、仮想発電所100の複数の分散型電源(110-1~110-m)による総発電量から仮想発電所100の負荷120による総使用量を差し引いた値を含むことができる。
【0107】
なお、前記分析モジュール250は、個別分散型電源110の出力変動を分析することができる。また、前記分析モジュール250は、仮想発電所100の仮想発電所情報を基に、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することができる。
【0108】
また、前記分析モジュール250は、前記送受信モジュール220から受信された電力系統情報を基に、電力系統10の系統周波数、電力需給の不均衡、純負荷量情報、応動量情報、および新再生可能エネルギー源の出力情報の変化などを分析することができる。
【0109】
なお、前記分析モジュール250は、本発明の一実施例に係る分散型電源分析部252、そしてVPP分析部254を含むことができる。
【0110】
前記分散型電源分析部252は、前記モニタリングモジュール240でモニタリングされた複数の分散型電源(110-1~110-m)の実発電量を基に、個別分散型電源110の出力変動および複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動を分析する。
【0111】
なお、前記VPP分析部254は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動および負荷120の需要変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することができる。
【0112】
また、前記VPP分析部254は、前記モニタリングモジュール240でモニタリングされた仮想発電所100の余剰電力量を基に、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動による仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することができる。
【0113】
なお、前記VPP分析部254は、仮想発電所100内に配置された負荷120の需要反応および電力需要量を予測し、前記電力需要量を基に、前記仮想発電所100の出力変動および誤差を分析することもできる。
【0114】
前記VPP出力調整モジュール260は、前記分析モジュール250の分析結果を基に、仮想発電所出力調整システム300の動作を制御することができる。具体的には、前記VPP出力調整モジュール260は、仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および発電量を制御することができる。これにより、前記VPP出力調整モジュール260は、前記仮想発電所100から電力系統10に提供する出力量を調整し、前記仮想発電所100の出力変動を安定化させることができる。
【0115】
ここで、前記VPP出力調整モジュール260は、前記VPP入札発電量、仮想発電所100の区域周波数、個別分散型電源110の発電量、個別分散型電源110の個別入札発電量、および電力系統情報(例えば、系統周波数、電力需給情報、予備力量、純負荷量、応動量、新再生出力変動等)、および仮想発電所の外部(例えば、電力取引所)から受信された制御信号のうち少なくとも一つを利用して、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および発電量を制御することができる。
【0116】
もちろん、前記VPP出力調整モジュール260は、前記VPP入札発電量、仮想発電所100の区域周波数、個別分散型電源110の発電量、個別分散型電源110の個別入札発電量、および電力系統情報(例えば、系統周波数、電力需給情報、予備力量、純負荷量、応動量、新再生出力変動等)、および仮想発電所の外部(例えば、電力取引所)から受信された制御信号などを複合的に考慮して、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および発電量を制御することもできる。
【0117】
なお、前記VPP出力調整モジュール260は、本発明の一実施例に係る電力消費量制御部262および発電量制御部264を含むことができる。
【0118】
前記電力消費量制御部262は、前記VPP入札発電量、仮想発電所100の区域周波数、個別分散型電源110の発電量、個別分散型電源110の個別入札発電量、電力系統情報、および仮想発電所の外部から受信された制御信号などを基に、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量または熱生産量を制御することができる。
【0119】
なお、前記発電量制御部264は、前記VPP入札発電量、仮想発電所100の区域周波数、個別分散型電源110の発電量、個別分散型電源110の個別入札発電量、電力系統情報、および仮想発電所の外部から受信された制御信号を基に、仮想発電所出力調整装置310の発電量を制御することができる。
【0120】
図3は、本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整システムの概略的な構成を示すブロック図である。このとき、仮想発電所出力調整システム300は、本発明の実施例に係る説明を行うために必要な概略的な構成のみを示すだけであって、このような構成に限るものではない。
【0121】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所出力調整システム300は、仮想発電所出力調整装置310、熱貯蔵装置340、および熱供給装置350を含むことができる。
【0122】
なお、前記仮想発電所出力調整装置310は、本発明の一実施例に従って熱変換装置320および新再生熱併合発電所330を含むことができる。
【0123】
前記熱変換装置320は、前記複数の分散型電源から生産された電力を供給され、これを熱エネルギーに変換する。なお、前記熱変換装置320は、変換された前記熱エネルギーを熱貯蔵装置340または熱供給装置350に供給することができる。
【0124】
ここで、前記熱変換装置320は、ボイラーまたは電熱器などを含むことができる。なお、前記熱貯蔵装置340は、前記熱エネルギーを貯蔵する蓄熱槽などを含むことができる。また、前記熱供給装置350は、熱負荷に前記熱エネルギーを供給するヒートポンプなどを含むことができるが、本発明の構成がこれに限定されるものではない。
【0125】
なお、前記熱変換装置320は、生産された熱エネルギーを大容量の蓄熱槽に貯蔵し、電力系統10または仮想発電所100内に配置された熱負荷に提供することができる。
【0126】
このように、本発明は、仮想発電所出力調整装置310で生産された熱エネルギーを大容量で貯蔵して熱負荷に提供することにより、仮想発電所の出力を安定化させるだけでなく、エネルギー源の浪費を防ぐことができる環境を提供する。
【0127】
前記新再生熱併合発電所330は、前記仮想発電所100に連携され、新再生可能エネルギー源を利用して電力を生産することができる。なお、前記新再生熱併合発電所330は、生産された電力を、前記仮想発電所100または前記電力系統10に供給することができる。なお、前記新再生熱併合発電所330は、ウッドチップ、燃料電池、または副生ガスのうち少なくとも一つを用いて電力を生産することができる。
【0128】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記熱変換装置320の電力消費量および熱生産量を制御したり、前記新再生熱併合発電所330の発電量を調節することにより、分散型電源110の出力変動による仮想発電所の出力変動を安定化させることができる。
【0129】
例えば、前記仮想発電所管理装置200は、VPP予想出力量をVPP入札発電量と比較して、前記熱変換装置320の電力消費量を制御することができる。ここで、前記VPP予想出力量は、入札期間中に前記仮想発電所100から前記電力系統10に供給されることが予想される電力量を含む。
【0130】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記複数の分散型電源から生産される発電量をリアルタイムでモニタリングし、仮想発電所100でリアルタイムで発電されるVPP発電量を導出することができる。なお、前記VPP予想出力量は、前記VPP発電量から前記仮想発電所100の負荷120で消費される電力使用量を差し引いて計算することができる。
【0131】
このとき、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも大きい場合、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の分だけ前記熱変換装置320の電力消費量を増加させることができる。
【0132】
これとは異なり、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さい場合、前記仮想発電所管理装置200は、前記熱変換装置320の熱生産を中断させることもできる。
【0133】
また、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記新再生熱併合発電所330の発電量を制御することができる。
【0134】
このとき、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さい場合、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の分だけ前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させることができる。
【0135】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記系統周波数を用いて前記熱変換装置320の電力消費量を決定することができる。
【0136】
もちろん、前記仮想発電所管理装置200は、電力系統の系統周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記系統周波数を用いて前記新再生熱併合発電所330の発電量を制御することもできる。
【0137】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記区域周波数を用いて前記熱変換装置320の電力消費量を決定することができる。
【0138】
また、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された前記区域周波数を用いて前記新再生熱併合発電所330の発電量を制御することもできる。
【0139】
前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の発電量をリアルタイムでモニタリングし、前記個別分散型電源110の発電量を基に、前記熱変換装置320の熱生産量をリアルタイムで調節することができる。
【0140】
また、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の発電量をリアルタイムで分析し、前記個別分散型電源110の実発電量を基に、前記新再生熱併合発電所330の発電量をリアルタイムで調節することもできる。
【0141】
前記仮想発電所管理装置200は、入札期間中に発電できる個別分散型電源110の発電量を予測して、前記個別分散型電源110の個別入札発電量を決定する。なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記個別入札発電量と前記個別分散型電源の実発電量とを比較し、前記個別分散型電源110の個別入札発電量と前記実発電量との差を基に、前記熱変換装置320の電力消費量または熱生産量を調整することができる。
【0142】
例えば、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間中に前記個別分散型電源110の実発電量が前記個別入札発電量を超える場合、前記実発電量と前記個別入札発電量との差の分だけ前記熱変換装置の電力消費量または熱生産量を増加させることができる。
【0143】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに個別分散型電源110の実発電量の区間平均値を導出し、前記区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記熱変換装置320の熱生産量を制御することができる。
【0144】
また、前記仮想発電所管理装置200は、入札期間中に発電できる個別分散型電源110の平均発電量を予測し、予測された前記平均発電量を基に、前記個別分散型電源110の個別入札発電量を決定することができる。なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間中に前記個別分散型電源110による出力値を前記個別入札発電量で維持させることができるよう、前記個別分散型電源110の実発電量を基に、前記新再生熱併合発電所330の発電量をリアルタイムで調節することができる。
【0145】
例えば、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間中に前記個別分散型電源による実発電量の平均値が前記個別入札発電量よりも小さい場合、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させることができる。
【0146】
また、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに個別分散型電源110の実発電量の区間平均値を導出し、前記区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記新再生熱併合発電所330の発電量を制御することができる。
【0147】
図4は、本発明の一実施例に従って、仮想発電所に連携された分散型電源の発電量を予測して入札を進め、仮想発電所出力調整装置を制御して、仮想発電所の出力を安定化させる過程を簡略に示すフロー図である。このとき、以下のフロー図は、
図1~
図3の構成と連携して同一の図面符号を用いて説明する。
【0148】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を予測する(S102)。ここで、前記仮想発電所管理装置200は、それぞれの分散型電源の特性および発電容量を基に、それぞれの分散型電源の予想発電量を予測することができる。
【0149】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、電力取引所20と入札を進め、仮想発電所100から電力系統10に供給するVPP入札発電量を決定することができる(S104)。
【0150】
ここで、前記仮想発電所管理装置200は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を合算してVPP予想発電量を導出し、前記VPP予想発電量を基に電力取引所20と入札を進め、前記VPP入札発電量を決定することができる。
【0151】
例えば、前記VPP予想発電量は、前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)が、特定の時点または入札期間中に発電できるVPP最小発電量とVPP最大発電量とを含むことができる。なお、前記VPP入札発電量は、前記VPP最小発電量とVPP最大発電量との間の値に決定することができる。
【0152】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記複数の分散型電源(110-1~110-m)の出力変動による前記仮想発電所100の出力変動および誤差を分析する(S106)。
【0153】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記分析結果を基に、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および電力生産量を制御することができる(S108)。
【0154】
ここで、前記仮想発電所管理装置200は、電力取引所20との前記VPP入札発電量、個別分散型電源110の発電量、電力系統10の系統情報(例えば、周波数、電力需給、予備力量、純負荷量、応動量、新再生出力変動等)、または仮想発電所100の外部(例えば、電力取引所)から受信された制御信号のうち少なくとも一つを基に、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。
【0155】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を通じて、前記仮想発電所100の出力変動および誤差を調整して前記仮想発電所100の出力変動を安定化させることができる(S110)。
【0156】
例えば、本発明は、仮想発電所100の余剰電力を活用して、前記仮想発電所出力調整装置310で熱エネルギーを生産し、生産された熱エネルギーを熱負荷に提供し、それと同時に仮想発電所100の出力を安定化させることができる。
【0157】
また、本発明は、仮想発電所100の足りない出力を前記仮想発電所出力調整装置310で生産された電力で補わせ、仮想発電所100の出力を安定化させることもできる。
【0158】
図5は、電力系統において一般的な1日の電力需要曲線を示すグラフであり、
図6は、変動性電源の出力増加による純負荷量の変化を示すグラフである。
【0159】
図5および
図6を参照すると、電力系統10に関連された変動性電源や仮想発電所100に連携された分散型電源の出力変動性の増加時に純負荷量はダックカーブの形で形成される。特に、電力系統10または仮想発電所100に連携される変動性電源(例えば、新再生可能エネルギー源)の比重が増加する場合、日の出後に電力負荷が急減し、日没後に電力負荷が急増する現象により、電力需要曲線が従来の電力需要曲線とは異なるパターンで変化することが予想される。また、ダックカーブ現象が進む場合には、電力需要予測の誤差が増加し、制約コストが増加するという困難が予想される。
【0160】
例えば、新再生可能エネルギー源である風力発電機は、風速によって出力が大きく左右され、太陽光発電機は、太陽光モジュールの日射量によって出力が左右される。なお、風力および太陽光などの新再生可能エネルギー源は昼間の時間帯に出力が増加し、これによって電力系統10や仮想発電所100の総負荷量から新再生可能エネルギー源の出力量を差し引いた電力系統10や仮想発電所100の純負荷量が大きく減少する。
【0161】
特に、新再生可能エネルギー源の出力変動性が大きい季節の昼間の時間帯に、新再生可能エネルギー源が電力系統10や仮想発電所100に連携されている場合、電力系統10または仮想発電所100の電力需給の不均衡を引き起こし、電力系統10の系統周波数または仮想発電所100の区域周波数が不安定になるという問題が発生する。
【0162】
したがって、本発明は、仮想発電所出力調整装置310を仮想発電所100に連携させ、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および発電量を調節して、仮想発電所100の余剰電力を消費したり、仮想発電所100の足りない出力を補うことにより、分散型電源の出力変動による仮想発電所の出力変動および誤差を解消し、仮想発電所の出力を安定化させることができる環境を提供する。
【0163】
図7は、本発明の一実施例に従って、個別分散型電源の予想発電量を基にVPP予想発電量を導出し、導出されたVPP予想発電量を利用してVPP入札発電量を決定する過程を簡略に示すフロー図である。このとき、以下のフロー図は、
図1~
図3の構成と連携して同一の図面符号を用いて説明する。
【0164】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の特性を分析する(S202)。ここで、個別分散型電源は、風力発電機、太陽光発電機、地熱発電機、燃料電池、バイオエネルギー、海洋エネルギー、または出力調整ができない変動性電源のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0165】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の特性を基に、所定期間(例えば、入札期間)の間に個別分散型電源110が発電できる予想発電量を導出することができる(S204)。
【0166】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量を合算してVPP予想発電量を導出することができる(S206およびS208)。ここで、前記VPP予想発電量は、仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)が、特定の時点または入札期間中に発電できる発電量を含む。
【0167】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記入札期間中に仮想発電所100から電力系統10に出力するVPP入札発電量を決定することができる(S210)。ここで、前記VPP入札発電量は、前記入札期間中に前記仮想発電所100から前記電力系統10に供給する電力供給量または電力出力量を含む。
【0168】
図8は、本発明の一実施例に係る個別分散型電源の予想発電量および平均発電量を示すグラフであり、
図9は、本発明の一実施例に従って、仮想発電所のVPP予想発電量とVPP入札発電量とを示すグラフである。
【0169】
図8および
図9を参照すると、前記仮想発電所管理装置200は、複数の分散型電源(110-1~110-m)のそれぞれの特性を分析して、それぞれの分散型電源の予想発電量(P
DER1_予想~P
DERm_予想)および平均発電量(P
DER1_平均~P
DERm_平均)を予測することができる。
【0170】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の予想発電量(PDER1_予想~PDERm_予想)または平均発電量(PDER1_平均~PDERm_平均)を合算して仮想発電所100の発電量を導出することができる。
【0171】
例えば、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)が、特定の時点または入札期間中に発電できる予想発電量(PDER1_予想~PDERm_予想)を合算してVPP予想発電量(Pvpp_予想発電量)を導出することができる。
【0172】
ここで、VPP予想発電量(PVPP_予想発電量)は、仮想発電所100の最小発電量であるVPP最小発電量(Pvpp_min)と仮想発電所100の最大発電量であるVPP最大発電量(Pvpp_max)とを含むことができる。
【0173】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP予想発電量(PVPP_予想発電量)を基に、入札期間中に前記仮想発電所100から前記電力系統10に出力するVPP入札発電量(PVPP入札発電量)を決定することができる。
【0174】
このとき、前記VPP入札発電量(PVPP入札発電量)は、前記VPP最小発電量(Pvpp_min)とVPP最大発電量(Pvpp_max)との間の値を持つことができる。なお、前記VPP入札発電量(PVPP入札発電量)は、複数の分散型電源(110-1~110-m)の平均発電量(PDER1_平均~PDERm_平均)を合算した値であってもよい。
【0175】
図10は、本発明の一実施例に従って、VPP予想出力量とVPP入札発電量とを比較して、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。このとき、以下のフロー図は、
図1~
図3の構成と連携して同一の図面符号を用いて説明する。
【0176】
図10を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、電力取引所20と入札を進め、仮想発電所100から電力系統10に供給するVPP入札発電量を決定する(S302)。ここで、前記VPP入札発電量は、入札期間中に前記仮想発電所100から前記電力系統10に供給する電力供給量または電力出力量を含むことができる。
【0177】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)から生産される発電量をリアルタイムでモニタリングし、前記仮想発電所100で発電されるVPP発電量を導出する(S304)。ここで、前記VPP発電量は、特定の時点または入札期間中に前記複数の分散型電源(110-1~110-m)からそれぞれ生産される発電量の総和を含むことができる。
【0178】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP発電量から仮想発電所100の負荷120で消費される電力使用量を差し引いてVPP予想出力量を計算する(S306)。ここで、前記VPP予想発電量は、前記仮想発電所100に連携された複数の分散型電源(110-1~110-m)が、特定の時点または入札期間中に発電できる発電量を含むことができる。
【0179】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP発電量または前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。
【0180】
例えば、分散型電源110の発電量が減少して、前記VPP発電量が前記VPP入札発電量よりも大きい場合に、前記仮想発電所管理装置200は、新再生熱併合発電所330の発電量または電力生産量を増加させるよう制御することができる(S308およびS310)。
【0181】
このとき、仮想発電所100に連携された負荷120の電力使用量が急激に増加して、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さくなる場合にも、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させるよう制御することもできる。
【0182】
なお、仮想発電所管理装置200は、前記VPP発電量と前記VPP入札発電量との差の値または前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の値に比例して、前記新再生熱併合発電所330の発電量の大きさを制御することもできる。
【0183】
また、分散型電源110の発電量が増加したり、負荷120の電力使用量が急減して、前記VPP発電量や前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも大きい場合には、前記熱変換装置320の電力消費量を増加させるよう制御することができる(S312およびS314)。このとき、前記仮想発電所管理装置200は、前記VPP発電量と前記VPP入札発電量との差の値または前記VPP予想出力量と前記VPP入札発電量との差の値に比例して、前記熱変換装置320の電力消費量の大きさを制御することもできる。
【0184】
図11は、本発明の一実施例に従って、VPP予想出力量とVPP入札発電量とを比較して、仮想発電所出力調整装置を制御する例を示すグラフである。
【0185】
図11を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、VPP入札発電量(P
VPP入札発電量)とVPP予想出力量(P
VPP予想出力量)とをリアルタイムで比較して、熱変換装置320の電力消費量および新再生熱併合発電所330の発電量をリアルタイムで制御することができる。
【0186】
例えば、前記VPP予想出力量(PVPP予想出力量)が前記VPP入札発電量(PVPP入札発電量)よりも小さい区間(t0~t1、t2~t3、t4~t5)においては、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させることができる。
【0187】
なお、本発明は、新再生熱併合発電所330で生産された電力を、前記仮想発電所100または前記電力系統10に供給して、前記仮想発電所100の足りない発電量および出力量を補うことができる。
【0188】
また、前記VPP予想出力量(PVPP予想出力量)が前記VPP入札発電量(PVPP入札発電量)よりも大きい区間(t1~t2、t3~t4)においては、前記熱変換装置320の電力消費量を調節して、仮想発電所100の余剰電力を消費することができる。
【0189】
もちろん、前記VPP予想出力量(PVPP予想出力量)が前記VPP入札発電量(PVPP入札発電量)よりも大きい区間(t1~t2、t3~t4)であるが、負荷120の電力使用量が急激に増加して、前記VPP予想出力量が前記VPP入札発電量よりも小さくなる場合には、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させるよう制御することができる。
【0190】
図12は、本発明の一実施例に従って、電力系統の系統周波数または仮想発電所の区域周波数をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。このとき、以下のフロー図は、
図1~
図3の構成と連携して同一の図面符号を用いて説明する。
【0191】
図12を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、電力系統10の系統周波数または仮想発電所100の区域周波数をリアルタイムで検出し、周波数の変化をモニタリングする(S402)。
【0192】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記系統周波数または前記区域周波数を設定値と比較して、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。
【0193】
例えば、電力系統10に連携された変動性電源の出力が急変したり、発電機の脱落または大規模な負荷の急増により、電力系統10の系統周波数が急変することがある。このとき、本発明は、前記系統周波数または前記区域周波数を設定値と比較し、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。
【0194】
なお、本発明は、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を通じて、仮想発電所100の出力量を調節することができ、結果的に電力系統10の系統周波数を所定の範囲内で維持させることができる。
【0195】
また、仮想発電所100に連携された分散型電源110の出力が急変して、仮想発電所100の区域周波数が急変することがある。このときも、本発明は、前記系統周波数または前記区域周波数を設定値と比較して、仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。なお、本発明は、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を通じて、仮想発電所100の出力を安定的に維持させることができる。
【0196】
例えば、仮想発電所管理装置200は、前記系統周波数または前記区域周波数が設定済みの第1周波数の設定値よりも大きい場合には、熱変換装置320の電力消費量を増加させるよう制御することができる(S404およびS406)。
【0197】
また、仮想発電所管理装置200は、前記系統周波数または前記区域周波数が設定済みの第2周波数の設定値よりも小さい場合には、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させるよう制御することができる(S408およびS410)。
【0198】
もちろん、前記仮想発電所管理装置200は、前記系統周波数と前記区域周波数とを直接比較し、前記比較結果を基に、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することもできる。
【0199】
図13は、本発明の一実施例に従って、個別分散型電源の発電量をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する過程を簡略に示すフロー図である。このとき、以下のフロー図は、
図1~
図3の構成と連携して同一の図面符号を用いて説明する。
【0200】
図13を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の予想発電量を予測する(S502)。
【0201】
なお、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の前記予想発電量を分析し、個別分散型電源110が入札期間中に発電できる総発電量の中で、前記入札期間中に電力系統10に供給する個別分散型電源110の個別入札発電量を決定することができる(S504)。
【0202】
また、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の前記予想発電量と個別分散型電源110の前記個別入札発電量とを比較し、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を事前に予測することができる。なお、前記仮想発電所管理装置200は、前記予想発電量と前記個別入札発電量とを比較した結果を用いて、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量および発電量を予め分析することができる(S506)。
【0203】
例えば、前記予想発電量が前記個別入札発電量よりも大きい場合には、仮想発電所100を安定化させたり、個別分散型電源110の出力を一定して維持させることができるよう、前記熱変換装置320が前記個別分散型電源110の余剰電力を使用しなければならない電力消費量の大きさや量を分析し予測することができる(S508)。
【0204】
なお、前記予想発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合には、仮想発電所100を安定化させたり、個別分散型電源110の出力を一定して維持させることができるよう、前記新再生熱併合発電所330が発電しなければならない発電量の大きさや量を分析し予測することができる(S510)。
【0205】
また、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110が実際に発電している実発電量をモニタリングすることができる(S512)。なお、前記仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の実発電量を個別分散型電源110の個別入札発電量と比較し、前記比較結果を基に、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することができる。
【0206】
例えば、個別分散型電源110の実発電量が前記個別入札発電量よりも大きい場合には、前記熱変換装置320の電力消費量を増加させるよう制御することができる(S514およびS516)。
【0207】
また、個別分散型電源110の実発電量が前記個別入札発電量よりも小さい場合には、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させるよう制御することができる(S518)。
【0208】
すなわち、本発明は、個別分散型電源110の実発電量をリアルタイムでモニタリングし、前記個別分散型電源110の実発電量を前記個別分散型電源110の個別入札発電量と比較して、前記熱変換装置320の電力消費量を制御したり、前記新再生熱併合発電所330の発電量を制御することにより、個別分散型電源の出力を一定して維持させることができる。なお、これにより、本発明は、個別分散型電源110の出力が平坦化されて、仮想発電所100に提供されるのと同じ効果を与えることができる。
【0209】
なお、本発明は、個別分散型電源110の前記予想発電量と前期個別入札発電量とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を事前に予め予測・分析した後、個別分散型電源110の実発電量と前記個別入札発電量とをリアルタイムで比較して、熱変換装置320および新再生熱併合発電所330の動作をリアルタイムで制御することにより、分散型電源の出力変動により効果的に対応できる環境を提供する。
【0210】
また、本発明は、前記個別分散型電源110の入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに前記個別分散型電源110の実発電量の区間平均値を導出することができる。なお、本発明は、前記区間ごとに各区間の区間平均値を前記個別入札発電量と比較して、前記熱変換装置320および前記新再生熱併合発電所330の動作を制御することができる。
【0211】
もちろん、本発明は、前記仮想発電所100の入札期間を複数の区間に分割し、各区間ごとに前記仮想発電所100の実発電量の区間平均値を導出することもできる。なお、本発明は、前記区間ごとに各区間の区間平均値をVPP入札発電量と比較して、前記熱変換装置320および前記新再生熱併合発電所330の動作を制御することもできる。
【0212】
図14は、本発明の一実施例に従って、入札期間を複数の区間に分けて個別分散型電源の発電量をモニタリングし、それぞれの区間ごとに個別分散型電源の実発電量をモニタリングして、仮想発電所出力調整装置を制御する例を示すグラフである。
【0213】
図14を参照すると、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の入札期間(ta~te)を複数の区間に分割することができる。ここで、前記複数の区間は、第1区間(ta~tb)、第2区間(tb~tc)、第3区間(tc~td)、および第4区間(td~te)を含むことができる。
【0214】
なお、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、個別分散型電源110の実発電量(PDER_発電量)を個別分散型電源110の個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)と比較し、前記比較結果を基に、前記仮想発電所出力調整装置310の電力消費量または発電量をリアルタイムで制御することができる。
【0215】
また、本発明の一実施例に係る仮想発電所管理装置200は、各区間ごとに個別分散型電源110の実発電量の区間平均値(PDER_区間平均値)を導出し、各区間の区間平均値(PDER_区間平均値)と前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)とを比較して、前記仮想発電所出力調整装置310の動作を制御することもできる。
【0216】
例えば、前記第1区間(ta~tb)および前記第4区間(td~te)は、前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)よりも第1区間の平均値(PDER_第1区間の平均値)および第4区間の平均値(PDER_第4区間の平均値)が大きいため、前記熱変換装置320の熱生産量を増加させることができる。このとき、前記熱変換装置320の熱生産量は、前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)と第1区間の平均値(PDER_第1区間の平均値)との差に比例するか、または前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)と第4区間の平均値(PDER_第4区間の平均値)との差に比例し得る。
【0217】
また、前記第2区間(tb~tc)および第3区間(tc~td)は、前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)よりも第2区間の平均値(PDER_第2区間の平均値)および第3区間の平均値(PDER_第3区間の平均値)が小さいため、前記新再生熱併合発電所330の発電量を増加させることができる。
【0218】
このとき、前記新再生熱併合発電所330の発電量は、前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)と第2区間の平均値(PDER_第2区間の平均値)との差に比例し得る。なお、新再生熱併合発電所330の発電量は、前記個別入札発電量(PDER_個別入札発電量)と第3区間の平均値(PDER_第3区間の平均値)との差に比例し得る。
【0219】
このように、本発明の一実施例に係る仮想発電所システムおよび仮想発電所の運営方法は、仮想発電所に仮想発電所出力調整装置を連携させ、仮想発電所出力調整装置を通じて分散型電源の出力変動による仮想発電所の出力変動および誤差を調整することにより、仮想発電所の出力を安定化させることができる環境を提供する。
【0220】
また、本発明は、仮想発電所出力調整装置が分散型電源の出力変動によって過剰に生産される余剰電力を利用して熱エネルギーを生産することにより、新再生可能エネルギー源のように出力制御が難しい分散型電源の出力変動による仮想発電所の出力変動を最小限に抑え、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる。
【0221】
また、本発明は、仮想発電所出力調整装置で生産された熱エネルギーを大容量で貯蔵して熱負荷に提供することにより、エネルギー源の浪費を防ぐことができる環境を提供する。
【0222】
また、本発明は、仮想発電所に新再生熱併合発電所を分散型電源で連携させ、分散型電源の出力変動に対応して前記新再生熱併合発電所の発電量を調整し、前記新再生熱併合発電所で発電された電力で仮想発電所の足りない出力を補うことにより、新再生可能エネルギー源のように出力制御が難しい分散型電源によって発生する仮想発電所の出力不足およびこれによる仮想発電所の出力変動を最小限に抑えて、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【0223】
また、本発明は、各個別分散型電源の予想発電量を分析し、分散型電源の予想発電量を合算してVPP予想発電量を導出し、前記VPP予想発電量を基にVPP入札発電量を導出することにより、最適な入札発電量を効果的に決定することができる環境を提供する。
【0224】
また、本発明は、複数の分散型電源から生産される発電量をモニタリングして、仮想発電所内でリアルタイムで発電されるVPP発電量を導出し、前記VPP発電量とVPP入札発電量とを比較して、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を調整することにより、仮想発電所の出力を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【0225】
また、本発明は、電力系統の系統周波数または仮想発電所の区域周波数をリアルタイムで検出し、検出された周波数を基に、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を制御することにより、変動性電源である分散型電源の出力変動による電力系統の系統周波数の急変および仮想発電所の区域周波数の急変を防ぐことができる環境を提供する。
【0226】
また、本発明は、個別分散型電源の発電量をリアルタイムでモニタリングし、前記個別分散型電源の発電量と個別分散型電源の個別入札発電量とを比較して、熱変換装置の電力消費量または新再生熱併合発電所の発電量を制御することにより、個別分散型電源の出力を一定して維持させ、これにより、個別分散型電源の出力が平坦化されて、仮想発電所に提供されるのと同じ効果を与える。
【0227】
また、本発明は、入札期間中に個別分散型電源の発電量を予測して、前記個別分散型電源の個別入札発電量を決定し、前記個別入札発電量と前記個別分散型電源の発電量とをリアルタイムで比較し、これを基に熱変換装置の電力消費量を制御したり、新再生熱併合発電所の発電量をリアルタイムで制御することにより、入札期間中に個別分散型電源の出力量を前記個別入札発電量に合わせることができる環境を提供する。
【0228】
また、本発明は、電力取引所とのVPP入札発電量、個別分散型電源の発電量、電力系統の系統情報、または電力取引所から受信された制御信号のうち少なくとも一つを基に、仮想発電所出力調整装置の動作を制御することにより、仮想発電所の出力を安定的に維持させ、これにより、電力系統を安定的に維持させることができる環境を提供する。
【0229】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置および方法を通じて具現されるとは限らず、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現されることもある。こうした記録媒体は、サーバだけでなくユーザー端末でも実行されることがある。
【0230】
以上で本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。