(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20230414BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230414BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20230414BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/56
(21)【出願番号】P 2022062994
(22)【出願日】2022-04-05
(62)【分割の表示】P 2020523171の分割
【原出願日】2019-06-06
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2018110055
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一ノ倉 啓慈
(72)【発明者】
【氏名】前田 公輝
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 一義
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0049565(US,A1)
【文献】特開2017-045832(JP,A)
【文献】特開2009-231351(JP,A)
【文献】特開2001-203291(JP,A)
【文献】特開昭59-096749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0276543(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0204090(US,A1)
【文献】特開2011-124248(JP,A)
【文献】特開2010-028049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板及び前記支持基板の一方側に位置する
環状のシーリング部材を有する半導体発光素子と、
前記シーリング部材と対向するように前記半導体発光素子を実装する実装基板と、
前記支持基板の一部と前記シーリング部材の側面とを一体的に被覆し、前記半導体発光素子と前記実装基板とを封止する
環状の封止部と、を備え、
前記実装基板には、前記
環状の封止部にて
囲まれるとともに封止された隙間領域に開口する収容孔が形成されており、
前記収容孔には、電子部品が配されている、
半導体発光装置。
【請求項2】
前記封止部は、前記半導体発光素子と前記実装基板とを電気的に接続している、
請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記封止部は、前記シーリング部材の前記側面のうちの内側面及び外側面を覆っている、
請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記支持基板は、幅方向における両端部に形成された段差部を備え、
前記封止部は、前記段差部に充填されている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記封止部は、前記実装基板側に向かうにつれて前記半導体発光素子の外側方向及び内側方向に拡張する末広がり形状を有する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記収容孔は、前記実装基板における前記半導体発光素子側の電極に沿うように形成されている、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記収容孔は、前記電極の一部を取り囲むよう形成されている、
請求項6に記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス蓋の凹部加工歪や溶着加工歪によって発生する内部応力を緩和してLED素子の接続不良や封止不良による信頼性の低下を抑制した発光装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の発光装置は、無機材質基板上にLED素子を実装し、前記無機材質基板上のLED素子実装領域の周囲に平板ガラスに凹部形成したガラス蓋を被せて金属溶着により封止する発光装置の製造方法において、前記発光装置の組み立て加工によって生じた応力を緩和するための応力緩和処理として熱処理加工を行うことによって提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、応力緩和処理をしなくとも半導体発光素子が実装基板から剥がれにくい半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様は、支持基板及び前記支持基板の一方側に位置する環状のシーリング部材を有する半導体発光素子と、前記シーリング部材と対向するように前記半導体発光素子を実装する実装基板と、前記支持基板の一部と前記シーリング部材の側面とを一体的に被覆し、前記半導体発光素子と前記実装基板とを封止する環状の封止部と、を備え、前記実装基板には、前記環状の封止部にて囲まれるとともに封止された隙間領域に開口する収容孔が形成されており、前記収容孔には、電子部品が配されている、半導体発光装置
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施態様によれば、応力緩和処理をしなくとも半導体発光素子が実装基板から剥がれるのを抑制することが可能な半導体発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図5】本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図6】本発明の第4の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図7】変形例に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図8】本発明の第5の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図10】
図8に示す半導体発光装置から半導体発光素子を抜き出して示す斜視図である。
【
図11】
図8に示す半導体発光装置から実装基板を抜き出して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、
図1から
図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、各図面における各構成要素の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致するものではない。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す斜視図である。
図1に示すように、半導体発光装置1は、紫外線等の所定の波長域の光を発光する半導体発光素子2と、電流の値によらずに電圧の値を一定に保つ定電圧素子5と、これら半導体発光素子2及び定電圧素子5を実装する実装基板3とを備えて構成されている。半導体発光素子2及び実装基板3についての詳細は、後述する。定電圧素子5には、例えば、ツェナーダイオードを用いることができる。
【0011】
図2は、
図1のA-A断面図ある。
図2に示すように、半導体発光装置1は、半導体発光素子2と実装基板3とを接続する封止部26と接合部27とをさらに備えている。各構成要素について、以下、説明する。
【0012】
(半導体発光素子2)
半導体発光素子2には、例えば、トランジスタ、レーザダイオード(Laser Diode:LD)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等が含まれる。本実施の形態では、半導体発光素子2として、紫外領域の波長の光(特に、中心波長が230nm~360nmの深紫外光)を発する発光ダイオードを例に挙げて説明する。
【0013】
半導体発光素子2は、支持基板20側を上向き(実装基板3側から半導体発光素子2側に向かう向き)とし第1及び第2の電極23,24側を下向き(半導体発光素子2側から実装基板3側に向かう向き)として実装基板3の基体部31にフリップチップ実装されている。換言すれば、実装基板3は、第1の電極23及び第2の電極24と対向するように半導体発光素子2を実装する。
【0014】
なお、以下の説明において、半導体発光素子2の各層について説明する場合に限り、「下」(例えば、「下面」、「下側」、「下向き」等)とは、支持基板20側(図示上側)を指すものとし、「上」(例えば、「上面」、「上側」、「上向き」等)とは、第1及び第2の電極23,24側(図示下側)を指すものとする。また、半導体発光素子2以外の構成要素について説明する場合は、図示の方向の通りとする。また、「上」又は「下」とは、一つの対象物と他の対象物との相対的な位置関係を示すものであり、当該一つの対象物が第三対象物を間に挟まずに当該他の対象物の上又は下に配置されている状態のみならず、当該一つの対象物が第三対象物を間に挟んで当該他の対象物の上又は下に配置されている状態も含むものとする。
【0015】
半導体発光素子2は、上面視において、例えば、略正方形や略長方形等の矩形状の形状を有している。なお、
図2に示す半導体発光素子2の構成は一例であり、半導体発光素子2は、
図2に示した構成に限定されるものではなく、例えば、公知の技術事項に該当し得るその他の半導体層を適宜追加してもよい。
【0016】
図2に示すように、半導体発光素子2は、例えば、支持基板20と、支持基板20上に形成されたAlGaN系の窒化物半導体層21と、第1の電極23と、第2の電極24、絶縁層25とを有している。
【0017】
また、窒化物半導体層21は、支持基板20側から、AlNを含むバッファ層21aと、n型のAlGaN(以下、単に「n型AlGaN」ともいう。)を含むn型クラッド層21bと、AlGaNを含む活性層21cと、p型のAlGaN(以下、単に「p型AlGaN」ともいう。)を含むp型クラッド層21dとを順次形成して構成されている。また、p型クラッド層21d上にp型のGaNにより形成されたp型コンタクト層(不図示)や、所定の値以上のAl組成比を有するp型AlGaNにより形成された電子ブロック層(不図示)を設けてもよい。
【0018】
窒化物半導体層21を構成するAlGaN系の窒化物半導体には、例えば、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)にて表される2元系、3元系又は4元系のIII族窒化物半導体を用いることができる。また、これらのIII族元素の一部は、ホウ素(B)、タリウム(Tl)等で置き換えても良く、また、Nの一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置き換えても良い。
【0019】
以下、窒化物半導体層21を構成する各層の概要について説明する。なお、以下の説明では、支持基板20の上面視において活性層21cが形成される中央の領域を内側領域60といい、第1の幅dを有する外縁の領域を外縁領域61といい、内側領域60と外縁領域61との間の領域を中間領域62ともいう。
【0020】
支持基板20は、半導体発光素子2が発する紫外光(特に、深紫外光)に対して透光性を有している。支持基板20は、例えば、サファイア(Al2O3)基板である。また、支持基板20には、サファイア(Al2O3)基板の他に、例えば、窒化アルミニウム(AlN)基板や、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板を用いてもよい。
【0021】
支持基板20は、上面を構成する第1の主面20aと、第1の主面20aの反対側に位置して、下面を構成する第2の主面20bを有する。第1の主面20aは、バッファ層21aより上側の各層を成長させるための結晶成長面となる一主面である。第2の主面20bは、活性層21cが発する紫外光(特に、深紫外光)を外部に取り出すための光取出面となる一主面である。
【0022】
支持基板20の第1の主面20a側の幅方向の両端部には、外縁領域61の幅に対応する第1の幅dを有する底面20caと高さHを有する壁面20cbとを有して構成された段差部20cが設けられている(
図3参照)。この段差部20cは、例えば、支持基板20の第1の主面20a側の両端の角部が内側に向かって第1の幅dで切り欠けられて形成される。なお、Hは、好ましくは、1nm以上であり、より好ましくは、10nm~100nmであり、最適には、20±10nmである。第1の幅dは、例えば、5μm~35μmである。
【0023】
バッファ層21aは、n型クラッド層21bより上側の各層を形成するための下地層(テンプレート層)であり、アンドープのAlN層を含んでもよい。バッファ層21aは、支持基板20の全面には形成されず、支持基板20の外縁領域61よりも内側の領域上にのみ形成される。
【0024】
n型クラッド層21bは、n型AlGaNにより形成された層であり、例えば、n型の不純物としてシリコン(Si)がドープされたAlpGa1-pN層(0≦p≦1)である。なお、n型の不純物としては、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、テルル(Te)、炭素(C)等を用いてもよい。n型クラッド層21bは、1μm~3μm程度の厚さを有し、例えば、2μm程度の厚さを有している。なお、n型クラッド層21bは、バッファ層21aと同様に、バッファ層21aの外縁領域61よりも内側の領域上にのみ形成される。
【0025】
活性層21cは、AlrGa1-rNを含んで構成される障壁層(不図示)と、AlsGa1-sNを含んで構成される井戸層(不図示)(0≦r≦1、0≦s≦1、r>s)とを交互に積層した多重量子井戸層である。活性層21cは、中心波長が360nm以下の深紫外光を出力するために、例えば、バンドギャップが3.4eV以上となるように構成されている。活性層21cは、n型クラッド層21bの全面には形成されず、n型クラッド層21bの内側領域60上にのみ形成される。内側領域60は、第2の幅Dを有する領域である。第2の幅Dは、例えば、750nm~1200nmである。なお、第2の幅Dは、活性層21cの幅及びp型クラッド層21dの幅に対応している。
【0026】
p型クラッド層21dは、p型AlGaNにより形成される層であり、例えば、p型の不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされたAlqGa1-qNクラッド層(0≦q≦1)である。なお、p型の不純物としては、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等を用いてもよい。p型クラッド層21dは、300nm~700nm程度の厚さを有し、例えば、400nm~600nm程度の厚さを有する。p型クラッド層21dは、活性層21cと同様に、活性層21cの内側領域60上にのみ形成される。
【0027】
第1の電極23は、n型クラッド層21b上に形成されたカソード側電極(n電極)である。具体的には、第1の電極23は、n型クラッド層21bの中間領域62上に、活性層21c及びp型クラッド層21dが形成される内側領域60の周囲を囲むように枠状に形成される(
図1及び
図2参照)。第1の電極23は、n型クラッド層21b上に順にチタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)またはクロム(Cr)/Pt/Auが順に積層された多層膜で形成される。
【0028】
第1の電極23は、半導体発光装置1の内部の構造を封止するためのシーリング部材を兼ねた電極であり、中間領域62上に設けられている。中間領域62の幅に対応する第1の電極23の幅(以下、「第3の幅W」)は、100μm以上であることが好ましく、第3の幅Wは、200μm以上であることがより好ましい。
【0029】
第2の電極24は、p型クラッド層21d上に形成されたアノード側電極(p電極)である。具体的には、第2の電極24は、第2の電極24は、p型クラッド層21d上に順に積層されるニッケル(Ni)/金(Au)の多層膜で形成される。
【0030】
絶縁層25は、各層の露出部分、並びに第1の電極23及び第2の電極24の露出部分を被覆して保護するパッシベーション層である。絶縁層25は、例えば、酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)などで形成される。
【0031】
絶縁層25は、外縁領域61及び中間領域62において、支持基板20の段差部20cの底面20ca及び壁面20cb(以下、単に「段差部20cの表面」ともいう。)、バッファ層21aの側面、n型クラッド層21bの側面及び上面、並びに第1の電極23の側面を被覆する。
【0032】
また、絶縁層25は、内側領域60において、活性層21cの側面、p型クラッド層21dの側面、及び第2の電極24の側面を被覆する。絶縁層25は、第1の電極23及び第2の電極24の上面の一部をさらに被覆してもよい。なお、絶縁層25は、必ずしも設けなくてもよい。
【0033】
半導体発光素子2は、支持基板20上に、有機金属化学気相成長(MOVPE)法や、分子線エピタキシ(MBE)法などの周知のエピタキシャル成長法を用いて各層を形成することにより製造してよい。また、支持基板20の幅方向の両端の角部、バッファ層21a、n型クラッド層21b、活性層21c及びp型クラッド層21dの除去は、反応性イオンエッチングやプラズマ等を用いたドライエッチング等の周知技術により実現してよい。
【0034】
(実装基板3)
実装基板3は、平板状の形状を有するパッケージの一例である。実装基板3は、基体部31と、この基体部31の下面31bに設けられた第1の下部電極311及び第2の下部電極312と、基体部31の上面31aに設けられた第1の上部電極313及び第2の上部電極314とを有して構成されている。
【0035】
基体部31は、上面31aと下面31bとを有する板状部材である。基体部31は、アルミナ(Al2O3)や窒化アルミニウム(AlN)等を含むセラミック基板であり、例えば、高温焼成セラミック多層基板(HTCC、High Temperature Co-fired Ceramic)である。
【0036】
第1の下部電極311及び第2の下部電極312は、半導体発光装置1を外部基板などに実装するための電極である。第1の下部電極311は、及び第2の下部電極312は、半導体発光装置1のアノード電極又はカソード電極となる。
【0037】
第1の上部電極313は、半導体発光素子2の第1の電極23と接合される電極部分であり、第1の電極23に対応した枠状の形状を有する(
図1参照)。好ましくは、第1の上部電極313は、継ぎ目がないように配置される。第1の下部電極311は、基体部31の内部で第1の上部電極313と電気的に接続される。
【0038】
第2の上部電極314は、半導体発光素子2の第2の電極24と接合される電極部分であり、第1の上部電極313の内側に設けられ、上面視において略正方形状の形状を有する島状の電極である(
図1参照)。第2の下部電極312は、基体部31の内部で第2の上部電極314と電気的に接続される。
【0039】
第1の上部電極313及び第2の上部電極314はともに、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等を含む基材にニッケル(Ni)や金(Au)等がメッキされて形成され、例えば、W/Ni/Auの積層構造を有する。
【0040】
(封止部26)
図3は、封止部26を拡大して示す図である。なお、
図3では、説明の便宜上、絶縁層25の記載を省略した。また、
図3では、説明の便宜上、構成の一部を図示上下方向に圧縮して描いており、
図2及び
図3の間で構成要素の厚みの寸法比は必ずしも一致していない点に留意されたい。
図3に示すように、封止部26は、シーリング部材でもある第1の電極23と実装基板3との間を接合して封止する。封止部26は、金錫(AuSn)を含み、例えば、錫(Sn)の含有量が20~30重量%の金錫合金で構成される。
【0041】
封止部26は、支持基板20側から実装基板3側に向かって延在する略長方形錐台の末広がり形状を有している。具体的には、封止部26は、半導体発光素子2の外側において、支持基板20の段差部20cの底面20caを起点とし、第1の上部電極313の上面を終点として、支持基板20側から第1の上部電極313側に向かって延在している。好ましくは、封止部26は、段差部20c内の全域に充填される。
【0042】
また、封止部26は、半導体発光素子2の内側において、n型クラッド層21bの上面、より具体的には、n型クラッド層21bの上面と第1の電極23と側面が交差する線を始点とし、第1の上部電極313の上面を終点として、n型クラッド層21b側から第1の上部電極313側に向かって延在している。
【0043】
また、封止部26は、実装基板3側(第1の上部電極313側)に向かうにつれて裾状に広がる裾部260を有する。具体的には、封止部26は、半導体発光素子2の外側において、第1の上部電極313側に向かうにつれて半導体発光素子2の外側方向に拡張するとともに、半導体発光素子2の内側において、第1の上部電極313側に向かうにつれて半導体発光素子2の内側方向に拡張する裾部260を有する。また、裾部260の外面260aは、好ましくは、曲面状の形状を有している。
【0044】
裾部260の半導体発光素子2の外側方向における先端部の位置は、支持基板20の半導体発光素子2の外側方向における先端部よりも外側に突出している。好ましくは、裾部260の半導体発光素子2の外側方向における先端部の位置は、第1の上部電極313の半導体発光素子2の外側方向における先端部の位置と略一致する。また、好ましくは、裾部260の半導体発光素子2の内側方向における先端部の位置は、第1の上部電極313の半導体発光素子2の内側方向における先端部の位置と略一致する。
【0045】
封止部26の外側面の高さは、好ましくは、3μm~8μmである。封止部26の内側面の高さは、好ましくは、1μm~3μmである。
【0046】
封止部26は、絶縁層25の表面を被覆するように設けられている。すなわち、封止部26は、絶縁層25(
図3では図示省略)を挟んで、支持基板20の一部(具体的には、段差部20cの表面)、バッファ層21aの側面、n型クラッド層21bの側面及び上面、並びに第1の電極23の側面を一体的に被覆する。
【0047】
(接合部27)
接合部27は、第2の電極24と実装基板3の間を接合する。接合部27は、封止部26と同様に、金錫(AuSn)を含み、例えば、錫(Sn)の含有量が20~30重量%の金錫合金で構成される。
【0048】
(製造方法)
次に、半導体発光装置1の製造方法の一例についてその概要を説明する。半導体発光装置1は、例えば、以下の手順で製造することができる。
<半導体発光素子2の準備>
(1)半導体発光素子2(支持基板20及び窒化物半導体層21からなるもの)の内側領域60内に第2の上部電極314を配置し、この第2の上部電極314を囲むようにしつつ、継ぎ目がないように第1の上部電極313を配置する。
(2)第1の上部電極313の外側には窒化物半導体層21が露出しないように加工する。例えば、絶縁層25を窒化物半導体層21の表面に形成してもよい。
(3)半導体発光素子2の第1の電極23及び第2の電極24の表面に、AuSn半田を形成する。
【0049】
<実装基板3への実装>
(4)実装基板3に、定電圧素子5を搭載するためのAuスタッドバンプ(不図示)を形成する。
(5)実装基板3に、Auスタッドバンプを介して定電圧素子5を搭載する。
(6)ドライ窒素雰囲気、又はドライエア雰囲気(酸素濃度3%~20%の範囲の混合ガス)を充填させた実装装置(不図示)に実装基板3を設置する。
(7)実装装置の内部の温度を280℃~308℃の範囲か、又は311℃~330℃の範囲に昇温する。ここで、280℃~308℃は、AuSnの溶融温度である。なお、好ましくは、実装の際の温度が309℃~310℃にならないようにする。なお、この309℃~310℃との温度は、従来の製造方法によって石英ガラス等により形成された蓋部材を封着する際に、AuSnを溶融させたときに石英ガラスがパッケージ材からはがれやすくなる温度である。
(8)半導体発光素子2を搭載する位置を確認しながら、実装基板3に搭載する。搭載するときに、荷重は10g~100gの範囲にする。
【0050】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上のようにすれば、封止部26が支持基板20から第1の電極23に亘って形成されているため、封止の効果を高めて信頼性の高い気密封止構造を実現することができるとともに、例えば、応力緩和処理の工程を経なくとも半導体発光素子2が実装基板3から剥がれるのを抑制することができる。これにより、n型クラッド層21bを形成するn型AlGaNが外気に接触することを抑制することができ、活性層21cの外側の領域等劣化が始まりやすい部分の気密性をより高めて半導体発光素子2の劣化を抑制することができる。
【0051】
また、上述のようにすれば、実装基板3として蓋部材付のパッケージを採用する従来の半導体発光装置と比較して、パッケージの組立に必要な組立部材、及び組立工数を減らすことができる。この結果、製品のコストを低減することができる。
【0052】
また、半導体発光素子2の一部である支持基板20を窓部材として用いて気密封止を行うことで、従来の半導体発光素子で用いられている光を透過させる蓋部材を使用せずに半導体発光素子2を封止することができる。このような、半導体発光素子2から出射された光を遮る蓋部材を備えない構成により、蓋部材を採用する従来構造と比べ、光の出力を向上させることができる。
【0053】
また、例えば、石英ガラス等の実装基板3との熱膨張係数差が大きい蓋部材を用いる従来技術と比較して、蓋部材を用いない構成によれば、蓋部材が実装基板3から剥がれる虞も無くなるため、歩留りを向上させることができる。
【0054】
さらに、支持基板20をサファイアで形成することにより、機械的な強度と化学的な安定性を高めることができ、従来のパッケージによる封止を行う構造を有する半導体発光素子と同等の強度と安定性を担保することができる。
【0055】
さらにまた、半導体発光素子2を実装基板3に密封するときに、ドライ窒素雰囲気やドライエア雰囲気を封じ込めることができ、その結果、半導体発光素子2の発光特性が向上するとともに寿命を長くすることができる。以上をまとめると、本発明によると、高信頼性、高い光出力の特性を満たす半導体発光装置1を提供することができる。
【0056】
<変形例1>
半導体発光素子2は、上面視において、必ずしも矩形状である必要はなく、円形や多角形状を有するものでもよい。内側領域60と中間領域62との境界となる線及び中間領域62と外縁領域61との境界となる線は、それぞれ、上面視において、円形でもよく、三角形や六角形などの矩形とは異なる多角形でもよく、不規則形状のループでもよい。また、各種電極の形状も適宜調整してよい。
【0057】
<変形例2>
半導体発光装置1の内部において半導体発光素子2と実装基板3との間に形成された隙間領域(
図2の「R」参照。)において、各層の露出部分に所定の厚みを有する反射膜や反射電極(不図示)をさらに設けてもよい。反射膜を用いる場合は、隙間領域Rにおいて、封止部26や絶縁層25の表面に被覆してもよい。反射膜や反射電極による反射によって光の出力(取出し率)をさらに高めるとともに、定電圧素子5に照射される光の量を低減することで定電圧素子5の劣化を抑制することができるという更なる効果を奏する。なお、反射膜や反射電極を形成する工程は、例えば、上述した製造方法の(1)と(2)との間に設けてもよい。
【0058】
[第2の実施の形態]
次に、
図4を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。第2の実施の形態では、半導体発光素子2の第1の電極23及び第2の電極24とは別に枠状のシーリング部材28が設けられる点で上述の実施の形態と相違する。以下、第2の実施の形態について上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0059】
(半導体発光素子2)
バッファ層21aのうち中間領域62上には枠状のシーリング部材28が設けられる。このシーリング部材28は、例えば、バッファ層21a上に順にTi/Pt/Au又はCr/Pt/Auが順に積層された多層膜で形成される。
【0060】
n型クラッド層21bは、バッファ層21aのうちの内側領域60上にのみ設けられる。第1の電極23は、n型クラッド層21bのうち第1の内側領域601上に設けられる。なお、上記のシーリング部材28を設けたことにより、第1の電極23は、シーリング機能を有しなくてもよい。第2の実施の形態において、第2の幅Dは、好ましくは、1630nm~2395nm、第3の幅Wは、好ましくは、5μm~35μmである。
【0061】
活性層21c、p型クラッド層21d及び第2の電極24は、内側領域60のうち第1の内側領域601以外の第2の内側領域602上に順次形成して設けられる。ここで、第1の内側領域601の幅D1は、例えば、430nm~695nmである。また、第2の内側領域602の幅D2は、例えば、1200nm~1700nmである。
【0062】
絶縁層25は、上述の実施の形態で説明した被覆対象に加えて、シーリング部材28の側面をさらに被覆する。実装基板3は、シーリング部材28と対向するように半導体発光素子2を実装する。
【0063】
(実装基板3)
実装基板3の第1の上部電極313は、基体部31の上面31a内において、第1の電極23と対応する位置に設けられる。第2の上部電極314は、基体部31の上面31a内において、第2の電極24と対応する位置に設けられる。また、基体部31の上面31a内において、シーリング部材28に対応する位置には、封止金属層315が設けられている。封止金属層315は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等を含む基材にニッケル(Ni)や金(Au)等がメッキされて形成される。
【0064】
(封止部26)
封止部26は、支持基板20側から封止金属層315側に向かって延在する略長方形錐台の末広がり形状を有している。具体的には、封止部26は、半導体発光素子2の外側において、支持基板20の段差部20cの底面20caを起点とし、封止金属層315の上面を終点として、支持基板20側から封止金属層315側に向かって延在している。
【0065】
また、封止部26は、半導体発光素子2の内側において、バッファ層21aの上面、より具体的には、バッファ層21aの上面と第1の電極23と側面が交差する線を始点とし、封止金属層315の上面を終点として、バッファ層21a側から封止金属層315側に向かって延在している。
【0066】
また、封止部26は、実装基板側(封止金属層315側)に向かうにつれて裾状に広がる裾部260を有する。具体的には、封止部26は、半導体発光素子2の外側において、封止金属層315側に向かうにつれて半導体発光素子2の外側方向に拡張するとともに、半導体発光素子2の内側において、封止金属層315側に向かうにつれて半導体発光素子2の内側方向に拡張する裾部260を有する。
【0067】
好ましくは、裾部260の半導体発光素子2の外側方向における先端部の位置は、封止金属層315の半導体発光素子2の外側方向における先端部の位置と略一致する。また、好ましくは、裾部260の半導体発光素子2の内側方向における先端部の位置は、封止金属層315の半導体発光素子2の内側方向における先端部の位置と略一致する。
【0068】
封止部26の外側面の高さは、好ましくは、3μm~8μmである。封止部26の内側面の高さは、好ましくは、1μm~3μmである。
【0069】
封止部26は、絶縁層25の表面を被覆するように設けられている。すなわち、封止部26は、絶縁層25を挟んで、支持基板20の一部(具体的には、段差部20cの表面)、バッファ層21aの側面、シーリング部材28の側面、及び第1の電極23の側面を一体的に被覆する。
【0070】
(接合部27,29)
上述の実施の形態で説明した接合部27を第1の接合部27とした場合に、第1の電極23と第1の上部電極313との間を接合する第2の接合部29をさらに備える。第2の接合部29は、第1の接合部27と同様に、金錫(AuSn)を含み、例えば、錫(Sn)の含有量が20~30重量%の金錫合金で構成される。
【0071】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、封止の効果を高めて信頼性の高い気密封止構造を実現することができ、応力緩和処理の工程を経なくとも半導体発光素子2が実装基板3から剥がれるのを抑制することができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
次に、
図5を参照して第3の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光装置1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。第3の実施の形態は、半導体発光素子2の周囲に樹脂保護層10が設けられる点で上述の実施の形態と相違する。以下、第3の実施の形態について上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0073】
樹脂保護層10は、実装基板3に実装された半導体発光素子2の露出部分を被覆して半導体発光素子2を保護する。樹脂保護層10は、透光性を有する樹脂材料で構成される。樹脂保護層10は、光の取出の効率を高めるため、光取出面となる支持基板20より屈折率の低い材料であることが好ましい。樹脂保護層10として、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。樹脂保護層10は、図示されるようなドーム形状を有することによりレンズとして機能してもよい。
【0074】
(第3の実施の形態の作用及び効果)
第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、封止の効果を高めて信頼性の高い気密封止構造を実現することができ、応力緩和処理を経なくとも半導体発光素子2が実装基板3から剥がれるのを抑制することができる。また、半導体発光装置1の内部において半導体発光素子2と実装基板3との間に形成された隙間領域Rに樹脂保護層10を構成する樹脂材が入り込みにくくなるため、ハロゲン酸の発生を抑制して劣化を抑えることができるという更なる効果を奏する。
【0075】
[第4の実施の形態]
次に、
図6を参照して第4の実施の形態について説明する。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体発光装置1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。第4の実施の形態は、半導体発光素子2を収容するパッケージ基板41と、このパッケージ基板41上に覆うように設けられた蓋体42とを有するパッケージ4を備える点で上述の実施の形態と相違する。以下、第4の実施の形態について上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
(パッケージ4)
パッケージ4は、下地部を構成するパッケージ基板41と、このパッケージ基板41と接合する蓋体42と、パッケージ基板41及び蓋体42を互いに接合する接着層43とを有して構成されている。具体的には、パッケージ基板41の上面41cに、接着層43を介して蓋体42が取り付けられる。これにより、蓋体42とパッケージ基板41とが接合して一体化し、蓋体42及びパッケージ基板41で形成される内部空間を外部から気密に封止する。
【0077】
接着層43の材料には、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
【0078】
パッケージ基板41は、半導体発光素子2を搭載する。パッケージ基板41は、実装基板の一例である。パッケージ基板41は、略直方体形状に形成されると共に、その上面に半導体発光素子2を搭載する凹部41aが形成されている。パッケージ基板41は、セラミックを含む無機材質基板である。具体的には、パッケージ基板41は、例えば、高温焼成セラミック多層基板(HTCC、High Temperature Co-fired Ceramic)により形成される。
【0079】
蓋体42は、深紫外光を透過する板状の窓部材である。蓋体42は、パッケージ基板41の凹部41aを覆うように配置される。蓋体42は、例えば、石英(SiO2)ガラスやサファイア(Al2O3)を含むガラス蓋である。
【0080】
パッケージ基板41の下面41dには、第1の下部電極411及び第2の下部電極412が設けられる。また、パッケージ基板41の凹部41aの底面41bには、第1の電極23に対応する位置に設けられた第1の上部電極413と、第2の電極24に対応する位置に設けられた第2の上部電極414とが設けられる。
【0081】
(第4の実施の形態の作用及び効果)
第4の実施の形態によれば、上述の各実施の形態が奏する効果に加えて、封止の効果をさらに高めて信頼性の高い気密封止構造を実現することができる。
【0082】
<変形例3>
図7を参照して変形例について説明する。
図7は、変形例に係る半導体発光装置の構成の一例を概略的に示す斜視図である。
図7では、蓋体42を省略して示した。上述の実施の形態では、第2の上部電極414を半導体発光素子2の中心部にパッケージ基板41の凹部41aの内壁と離隔して配置したが、
図7に示すように、パッケージ基板41の凹部41aを構成する4つうちの内壁のうちのいずれか1つに接触するように配置してもよい。
【0083】
好ましくは、凹部41aを構成する4つうちの内壁のうち、第2の上部電極414を挟んで定電圧素子5と対抗する内壁41eに接するように設ける。このようにすれば、シート状のセラミック部材を積層させてパッケージ基板41を形成する従来の方法を用いて、本発明に係るパッケージ基板41を形成することができる。
【0084】
[第5の実施の形態]
次に、
図8~
図12を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。
図8~
図12に示すように、実装基板3の基体部31の上面に定電圧素子5を収容する収容孔310を形成してもよい。換言すれば、実装基板3は、定電圧素子5を収容するキャビティ構造を備えてもよい。
【0085】
また、半導体発光素子2への通電時に生じる自己発熱により発生する熱を基体部31の下面部へ効率よく移動させるため、前述の収容孔310は、略正方形状の第2の上部電極314の一辺に沿って平行に配置され、直方体形状を有する。この形状により、熱が移動する経路を増やすことができる。そして、動作時に放熱を十分に行うことができるため、半導体発光素子2の熱的な劣化を抑制し半導体発光装置1の信頼性をより向上させることができる。
【0086】
なお、
図8~
図12では記載を省略したが、第5の実施の形態に係る半導体発光装置1においても、封止部26は、実装基板3側に向かうにつれて裾状に広がる裾部260を有している。また、封止部26を裾状にするために、支持基板20の第1の主面側の幅方向の両端部に、
図3に示すような段差部20cが設けられている。
【0087】
(実施形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0088】
[1]支持基板(20)及び前記支持基板(20)の一方側に位置するシーリング部材を有する半導体発光素子(2)と、前記シーリング部材と対向するように前記半導体発光素子(2)を実装する実装基板(3)と、前記支持基板(20)の一部と前記シーリング部材の側面とを一体的に被覆し、前記半導体発光素子(2)と前記実装基板(3)とを封止する封止部(26)と、を備え、前記実装基板(3)には、前記封止部(26)にて封止された空間に開口する収容孔(310)が形成されており、前記収容孔(310)には、電子部品(5)が配されている、半導体発光装置(1)。
[2]前記封止部(26)は、前記半導体発光素子(2)と前記実装基板(3)とを電気的に接続している、前記[1]に記載の半導体発光装置(1)。
[3]前記封止部(26)は、前記シーリング部材の前記側面のうちの内側面及び外側面を覆っている、前記[1]又は[2]に記載の半導体発光装置(1)。
[4]前記支持基板(20)は、幅方向における両端部に形成された段差部(20c)を備え、前記封止部(26)は、前記段差部(20c)に充填されている、前記[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の半導体発光装置(1)。
[5]前記封止部(26)は、前記実装基板(3)側に向かうにつれて前記半導体発光素子(2)の外側方向及び内側方向に拡張する末広がり形状を有する、前記[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の半導体発光装置(1)。
[6]前記収容孔(310)は、前記実装基板(3)における前記半導体発光素子(2)側の電極(313,314)に沿うように形成されている、前記[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の半導体発光装置(1)。
【産業上の利用可能性】
【0089】
応力緩和処理をしなくとも半導体発光素子が実装基板から剥がれるのを抑制することができる半導体発光装置を提供する。
【符号の説明】
【0090】
1…半導体発光装置
2…半導体発光素子
20…支持基板
20c…段差部
21b…n型クラッド層
26…封止部
28…シーリング部材
3…実装基板
10…樹脂保護層