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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-13
(45)【発行日】2023-04-21
(54)【発明の名称】ワーク検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230414BHJP
【FI】
H01L21/92 604T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023504339
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2022039412
【審査請求日】2023-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 満宏
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-135285(JP,A)
【文献】特開2009-295814(JP,A)
【文献】特開2006-090918(JP,A)
【文献】特開2016-054256(JP,A)
【文献】特開2009-038146(JP,A)
【文献】特開2015-162590(JP,A)
【文献】特開2002-357635(JP,A)
【文献】特開2013-057572(JP,A)
【文献】特開2013-160612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/66
H01L 21/52
G01R 31/26
G01R 31/28
G01B 11/00
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを第1受渡位置において搬入した第1テーブルを、検査位置に移送する第1ステージと、
固定された状態で、前記検査位置において前記ワークを検査する検査ツールと、
別のワークを第2受渡位置において搬入した第2テーブルを、前記第1テーブルが退避した後の前記検査位置に移送する第2ステージと、
互いに平行配置される前記第1ステージ及び前記第2ステージを、前記第1テーブル及び前記第2テーブルの各々の移送方向に対する交差方向に、独立して往復移動させるステージ移動部と、
検査前の前記ワークを前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置に搬入させるとともに、検査後の前記ワークを前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置から搬出させる搬送部と、を備え、
前記検査ツールが、前記第1テーブルに載置した前記ワークの検査を終了すると、
前記ステージ移動部が、前記検査位置において前記交差方向へ、前記第1ステージを退避させて前記第2ステージに入れ替え、
前記検査ツールが、前記第2テーブルに載置した前記ワークを検査中、前記搬送部が、前記第1受渡位置において検査後の前記ワークを搬出し検査前の前記ワークを搬入し、
前記検査ツールが、前記第2テーブルに載置した前記ワークの検査を終了すると、
前記ステージ移動部が、前記検査位置において前記交差方向へ、前記第2ステージを退避させて前記第1ステージに入れ替え、
前記検査ツールが、前記第1テーブルに載置した前記ワークを検査中、前記搬送部が、前記第2受渡位置において検査後の前記ワークを搬出し検査前の前記ワークを搬入する、工程を実行するワーク検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク検査装置において、
前記検査位置において前記検査ツールに対する前記第1テーブル及び前記第2テーブルの小刻みな移動を伴って前記ワークが検査されるワーク検査装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワーク検査装置において、
前記ワークは、LSIチップを電気的に接合させるバンプを上面に配列させた多層配線基板であるワーク検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載のワーク検査装置において、
前記第1テーブル及び前記第2テーブルの各々に設置され、前記多層配線基板の底面を吸引する吸着治具を備えるワーク検査装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のワーク検査装置において、
前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置とは反対側の前記第1ステージ及び前記第2ステージ上に位置する前記ワークを別件検査する別件検査ツールを備えるワーク検査装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のワーク検査装置において、
前記搬送部は、
検査前の前記ワークを収容したトレーを取得し、
前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置の近傍に前記トレーを交互に位置付けして前記ワークの受け渡しを実行し、
検査後の前記ワークを収容した前記トレーを排出するワーク検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーに収容されたワークをピックアップして検査するワーク検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体のパッケージあるいはウェハーから複数に切り離された後のチップ等の検査は、次の二つに大別される。一つ目は、被検査物であるワークを収容するトレーに、ワークを収容したまま検査するイントレー方式である(例えば、特許文献1)。二つ目は、トレーからワークを搬出し検査台に乗せて検査して、検査の終了後に再びトレーに搬入するピックアンドプレース方式である(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-295814号公報
【文献】特開2003-114251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検査ツールが小型・軽量でXYステージに載せて移動できれば、イントレー方式で問題ない。しかし、バンプを検査する光学式三次元計測器のように光学系が大型である場合は、検査ツールをXYステージに載せて移動させることが困難なため、イントレー方式の実現は困難である。また、検査時にワークを吸着したり押さえたりする必要がある場合も、イントレー方式は適切でない。
【0005】
一方において、ピックアンドプレース方式では、上述したイントレー方式の欠点が克服できるものの、検査対象のワークをトレーから搬出・搬入する交換作業が必要となる。このため、この交換作業に多くの時間がとられ、スループットが低下する課題がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、大型の検査ツールが適用される場合であっても、スループットを低下させることがないワーク検査技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るワーク検査装置は、ワークを第1受渡位置において搬入した第1テーブルを検査位置に移送する第1ステージと、固定された状態で前記検査位置において前記ワークを検査する検査ツールと、別のワークを第2受渡位置において搬入した第2テーブルを前記第1テーブルが退避した後の前記検査位置に移送する第2ステージと、互いに平行配置される前記第1ステージ及び前記第2ステージを、前記第1テーブル及び前記第2テーブルの各々の移送方向に対する交差方向に、移動させるステージ移動部と、検査前の前記ワークを前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置に搬入させるとともに検査後の前記ワークを前記第1受渡位置及び前記第2受渡位置から搬出させる搬送部と、を備え、前記検査ツールが前記第1テーブルに載置した前記ワークの検査を終了し、ステージ移動部が前記検査位置において前記交差方向へ前記第1ステージを退避させて前記第2ステージに入れ替え、前記検査ツールが前記第2テーブルに載置した前記ワークを検査中、前記搬送部が前記第1受渡位置において検査後の前記ワークを搬出し検査前の前記ワークを搬入し、前記検査ツールが前記第2テーブルに載置した前記ワークの検査を終了し、ステージ移動部が前記検査位置において前記交差方向へ前記第2ステージを退避させて前記第1ステージに入れ替え、前記検査ツールが前記第1テーブルに載置した前記ワークを検査中、前記搬送部が前記第2受渡位置において検査後の前記ワークを搬出し検査前の前記ワークを搬入する、工程を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、大型の検査ツールが適用される場合であっても、スループットを低下させることがないワーク検査技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るワーク検査装置を示す上面図。
図2】(A)~(D)第1実施形態に係るワーク検査装置の動作の説明図。
図3】(E)~(H)第1実施形態に係るワーク検査装置の動作の説明図。
図4】(I)~(L)第1実施形態に係るワーク検査装置の動作の説明図。
図5】(A)本実施形態のワークとして適用される、バンプを上面に配列させた多層配線基板の上面透視図、(B)多層配線基板にLSIチップを実装したLSIパッケージの側面透視図。
図6】本発明の第2実施形態に係るワーク検査装置を示す上面図。
図7】本発明の第3実施形態に係るワーク検査装置に適用される、多層配線基板の底面を吸引する吸着治具の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るワーク検査装置10A(10)を示す上面図である。このようにワーク検査装置10は、ワーク30aを第1受渡位置31において搬入した第1テーブル21を検査位置35に移送する第1ステージ11と、この検査位置35においてワーク30を検査する検査ツール15と、別のワーク30bを第2受渡位置32において搬入した第2テーブル22を第1テーブル21が退避した後の検査位置35に移送する第2ステージ12と、検査前のワーク30を第1受渡位置31及び第2受渡位置32に搬入させるとともに検査後のワーク30a,30bを第1受渡位置31及び第2受渡位置32から搬出させる搬送部25と、を備えている。
【0011】
実施形態において、トレー26に収容された未検査のワーク30を順番に第1受渡位置31及び第2受渡位置32に搬入し、検査済のワーク30を第1受渡位置31及び第2受渡位置32から同一のトレー26の同一の位置に搬出するというプロセスを説明する。しかし、ワーク30の搬出・搬入のプロセスは、これに限定されることはない。例えば、搬入元のトレーと搬出先のトレーが別々である場合もあるし、検査結果(OK,NG)によって搬出先のトレーが異なる場合もある。
【0012】
さらにワーク検査装置10は、互いに平行配置される第1ステージ11及び第2ステージ12を、各々の長手方向に対し交差方向に移動させるステージ移動部16を備えている。第1ステージ11は、ステージ移動部16と組み合わされることで、第1受渡位置31と検査位置35の間で、第1テーブル21を繰り返し往復させる。同様に第2ステージ12は、ステージ移動部16と組み合わされることで、第2受渡位置32と検査位置35の間で第2テーブル22を繰り返し往復させる。
【0013】
さらに第1ステージ11及び第2ステージ12は、ステージ移動部16に対し独立に移動できるように構成されている。これにより、検査ツール15を固定したまま、ワーク30を移動させて任意位置の検査を行える。
【0014】
なおワーク検査装置10の変形例として、このようなステージ移動部16を必要としない形態もとり得る。例えば、検査位置35を中心とする放射方向に沿って、長手方向を揃えた第1ステージ11及び第2ステージ12を配置する。これにより、第1ステージ11及び第2ステージ12の放射状端部の第1受渡位置及び第2受渡位置の各々からワーク30を搬入し、その放射状中心の検査位置35に移送することができる。
【0015】
そして、ステージ移動部16は、そのベースにガイドと固定の永久磁石を有し、可動する第1ステージ11及び第2ステージ12のベースに可動子コイルを配置した構造を持つムービングコイル型のリニアモータステージを採用することが好ましい。これにより、ステージ移動部16は、コンパクトな構成で、第1ステージ11及び第2ステージ12をそれぞれ独立に動作させることができる。第1ステージ11及び第2ステージ12についてもムービングコイル型のリニアモータステージを採用することができる。なお、ステージ移動部16、第1ステージ11及び第2ステージ12について、一般的なボールねじ方式を採用することもできる。
【0016】
また搬送部25は、検査前のワーク30を収容した(満載させた)トレー26を図中左側から取得する。そして、第1受渡位置31及び第2受渡位置32の近傍にトレー26を交互に位置付けしてワーク30の受け渡しを実行する。さらに、検査後のワーク30を収容した(満載させた)トレー26を図中左側に排出する。
【0017】
このような動作をする搬送部25は、トレー26を載置して移動させるコンベア27と、ワーク30をピックアップしたりリリースしたりしてトレー26と受渡位置31,32との相互間で受け渡しさせる輸送ロボット(28a,28b)と、を有している。なお搬送部25の動作は、図示されるように複数の直線運動を組み合わせて実現させるほかに、回転運動も併せ持つ多軸ロボットアームも組み合わせて実現させる場合もある。
【0018】
コンベア27は、ベルトあるいはプラスチックチェーン等で構成されるキャリアを二列に配置して構成されている。ワーク30が二次元的に配置されているトレー26は、その両端がコンベア27に支持されて図中左右方向に移動し、第1受渡位置31又は第2受渡位置32の近傍に位置付けられる。
【0019】
図2の(A)~(D)、図3の(E)~(H)、図4の(I)~(L)に基づいて第1実施形態に係るワーク検査装置10Aの動作を説明する。図2(A)の初期状態において、第1ステージ11の第1テーブル21は第1受渡位置31にあり、第2ステージ12の第2テーブル22は第2受渡位置32にある。そして搬送部25は、検査前のワーク30の収容されたトレー26を、図中左側から取得し、第1受渡位置31の近傍に位置付けする。この状態で、トレー26に収容されたワーク30aが、第1受渡位置31に位置する第1テーブル21に搬入される。
【0020】
次に、図2(B)に示すように、第1ステージ11は、ワーク30aを載置した第1テーブル21を検査位置35に移送し、検査ツール15はワーク30aの検査を開始する。一方で、搬送部25は、検査前のワーク30が収容されたトレー26を、第2受渡位置32の近傍に位置付けする。この状態で、トレー26に収容されたワーク30bが、第2受渡位置32に位置する第2テーブル22に搬入される。
【0021】
次に、図2(C)に示すように、搬送部25は、検査前のワーク30が収容されたトレー26を、第1受渡位置31の近傍に位置付けする。そして、第2ステージ12は、そのままの位置で、第2テーブル22を反対側に移動させ、第1テーブル21のワーク30aの検査が終了するまで待機状態に入る。
【0022】
そして、図2(D)に示すように、ワーク30aの検査が終了すると、第1ステージ11は検査位置35から退避する。そして、これと同時に(入れ替わるように)第2ステージ12は、これまで待機していた第2テーブル22を検査位置35に移送し、検査ツール15はワーク30bの検査を開始する。
【0023】
次に、図3(E)に示すように、第2ステージ12に載置されているワーク30bの検査中に、第1ステージ11は、そのままの位置で、検査後のワーク30aを載置した第1テーブル21を第1受渡位置31に移送する。そして搬送部25は、検査後のワーク30aを第1受渡位置31からトレー26に搬出させる。
【0024】
次に、図3(F)に示すように、第2ステージ12に載置されているワーク30bの検査中に、トレー26に収容されていたワーク30cが、第1受渡位置31に位置する第1テーブル21に搬入される。
【0025】
次に、図3(G)に示すように、搬送部25は、検査前のワーク30が収容されたトレー26を、第2受渡位置32の近傍に位置付けする。そして、第1ステージ11は、そのままの位置で、第1テーブル21を反対側に移動させ、第2テーブル22のワーク30bの検査が終了するまで待機状態に入る。
【0026】
次に、図3(H)に示すように、ワーク30bの検査が終了すると、第2ステージ12は検査位置35から退避する。そして、これと同時に(入れ替わるように)第1ステージ11は、これまで待機していた第1テーブル21を検査位置35に移送し、検査ツール15はワーク30cの検査を開始する。
【0027】
次に、図4(I)に示すように、第1ステージ11に載置されているワーク30cの検査中に、第2ステージ12は、そのままの位置で、検査後のワーク30bを載置した第2テーブル22を第2受渡位置32に移送する。そして搬送部25は、検査後のワーク30bを第2受渡位置32からトレー26に搬出させる。
【0028】
次に、図4(J)に示すように、第1ステージ11に載置されているワーク30cの検査中に、トレー26に収容されていたワーク30dが、第2受渡位置32に位置する第2テーブル22に搬入される。
【0029】
次に、図4(K)に示すように、搬送部25は、検査前のワーク30が収容されたトレー26を、第1受渡位置31の近傍に位置付けする。そして、第2ステージ12は、そのままの位置で、第2テーブル22を反対側に移動させ、第1テーブル21のワーク30cの検査が終了するまで待機状態に入る。
【0030】
そして、図4(L)に示すように、ワーク30cの検査が終了すると、第1ステージ11は検査位置35から退避する。そして、これと同時に(入れ替わるように)第2ステージ12は、これまで待機していた第2テーブル22を検査位置35に移送し、検査ツール15はワーク30dの検査を開始する。以降は、図3(E)からの流れを繰り返し、トレー26に未検査のワーク30が無くなったところで、搬送部25は、このトレー26を排出し、新規のトレーを取得する。
【0031】
このように、一つのワーク30の検査が終了したら、これを退避させるのと同時に(入れ替わるように)近隣で待機している次のワーク30の検査を開始できる。これにより、第1ステージ11及び第2ステージ12により、検査位置35にワーク30を間断なく供給することができ、ワーク検査のスループットを低下させることはない。また、検査位置35におけるワーク30の検査中は、第1テーブル21及び第2テーブル22を検査ツール15に対し小刻みに移動させることができる。これにより、検査ツール15そのものの検査範囲が狭い場合であっても、ワーク30を広範囲で検査することができる。
【0032】
図5(A)は、本実施形態のワークとして適用される、バンプ37を上面に配列させた多層配線基板38の上面透視図である。図5(B)は、この多層配線基板38にLSIチップ36を実装したLSIパッケージの側面透視図である。このLSIパッケージは、多層配線基板38の電極とLSIチップ36の電極とがバンプ37により電気的に接合されている。さらにLSIパッケージは、劣化や熱対策のために樹脂でパッケージングされている。このように、ボール状のバンプ37を用いて電気接続する方式をフリップチップ実装という。
【0033】
フリップチップ実装は、多層配線基板38の電極とLSIチップ36の電極同士を直接重ね合わせるためバンプ37の高さを揃える必要がある。バンプ37の高さにバラツキがあると、接続不良が発生するためである。その他にバンプの位置、バンプの径、その他バンプの形状異常、さらには基板上の異物などの不良も検出することが求められる。なお、ワーク30は、実施形態においてLSIパッケージを例示しているが、これに限定されず、トレー26、第1テーブル21及び第2テーブル22に載置できるものであれば該当する。
【0034】
検査ツール15は、多層配線基板38の上面に配列させたバンプ37の各種寸法を計測したり異物などを検出したりする計測・検査機器である。具体的には光を応用した表面形状計測機及び画像計測機もしくはこれら両方の機能を備え、表面の凸凹情報を計測することができる計測・検査機である。なお、検査ツール15は特に限定されず、接触式であるか非接触式であるかにかかわらず、ワーク30を検査するものであれば、適宜採用することができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に図6を参照して本発明における第2実施形態について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係るワーク検査装置10B(10)を示す上面図である。第2実施形態のワーク検査装置10Bは、上述した第1実施形態の構成に別件検査ツール17(17a,17b)をさらに追加した構成をとる。なお、図6において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0036】
別件検査ツール17a(17)は、第1受渡位置31とは反対側の第1ステージ11においてワーク30を別件検査するように位置している。そして、別件検査ツール17b(17)は、第2受渡位置32とは反対側の第2ステージ12上においてワーク30を別件検査するように位置している。
【0037】
第2実施形態の第1ステージ11及び第2ステージ12は、第1実施形態よりも先端を伸ばして、検査ツール15と別件検査ツール17とが干渉し合わないようにすることができる。別件検査ツール17による検査も、検査ツール15による検査中に実施することができれば、ワーク検査のスループットを低下させることはない。
【0038】
別件検査ツール17の具体例としては、ワーク30に刻印されている識別IDの読取器等が挙げられる。これにより、別件検査ツール17によるワーク30の識別データと、検査ツール15による検査データとを、紐付けて管理することが容易になる。なお、別件検査ツール17は、このような識別IDの読取器に限定されることははく、任意の機器を採用することができる。
【0039】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るワーク検査装置10に適用される、多層配線基板の底面を吸引する吸着治具の縦断面図である。良好な電気接合を得るためには、バンプ37の形状が揃っていることだけでなく、多層配線基板38の反りや厚さのバラツキが無いかもしくは考慮することも求められる。
【0040】
そこで第3実施形態では、多層配線基板38の底面を吸引する吸着治具20が、第1テーブル21及び第2テーブル22の各々に設置されていることを特徴とする。第3実施形態のワーク検査装置は、第1実施形態又は第2実施形態のワーク検査装置10(10A,10B)に吸着治具20を追加することで実現される。この吸着治具20には、厚さ方向を貫通し減圧装置(図示略)に連通する複数の吸引孔29が設けられている。
【符号の説明】
【0041】
10(10A,10B)…ワーク検査装置、11…第1ステージ、12…第2ステージ、15…検査ツール、16…ステージ移動部、17(17a,17b)…別件検査ツール、20…吸着治具、21…第1テーブル、22…第2テーブル、25…搬送部、26…トレー、27…コンベア、29…吸引孔、30(30a,30b)…ワーク、31…第1受渡位置、32…第2受渡位置、35…検査位置、36…LSIチップ、37…バンプ、38…多層配線基板。
【要約】
大型の検査ツールが適用される場合であっても、トレーに収容されたワークを、スループットを低下させることなく検査する。
ワーク検査装置10は、トレー26に収容されたワーク30aを第1受渡位置31において搬入した第1テーブル21を検査位置35に移送する第1ステージ11と、この検査位置35においてワーク30を検査する検査ツール15と、別のワーク30bを第2受渡位置32において搬入した第2テーブル22を第1テーブル21が退避した後の検査位置35に移送する第2ステージ12と、検査前のワーク30をトレー26から第1受渡位置31及び第2受渡位置32に搬入させるとともに検査後のワーク30a,30bを第1受渡位置31及び第2受渡位置32からトレー26に搬出させる搬送部25と、を備えている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7