(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
A63F7/02 350B
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2018190374
(22)【出願日】2018-10-05
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【審査官】永田 美佐
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-080679(JP,A)
【文献】特開2004-275256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
遊技機から
該遊技機の前扉が開扉されていることを示す開扉入力信号を受け、該開扉入力信号に基づいて
前記前扉が開いている期間を通知する開扉通知信号を
管理コンピュータに出力する開扉通知部と、
リモコンから前記前扉のロック状態を解除させることを示すロック解除信号を受けた場合において、前記開扉入力信号をあわせて受け付けたときに
、前記ロック解除信号を受け付けてからあらかじめ設定されている所定の無効期間だけ、出力される前記開扉通知信号を無効化する無効化処理部と
、を備えている
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記無効化処理部は、前記所定の無効期間に、前記開扉通知信号の出力を停止することにより前記開扉通知信号の出力を無効化する
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記無効化処理部は、前記所定の無効期間に、前記開扉通知信号が無効であることを示す無効化信号を出力することにより前記開扉通知信号の出力を無効化する
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記無効化処理部は、
リモコンから前記前扉をロック状態にさせることを示す扉ロック信号を受けた場合、前記開扉通知信号
の出力を無効化
する処理を解除する
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記開扉入力信号を受けた場合に前記前扉が開扉状態であることを表示するように構成されている一方で、
前記開扉通知信号を無効化する処理の期間中は、前記前扉が開扉状態であっても開扉状態であることを表示しない
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から
5のうちのいずれか1項に記載の遊技情報表示装置において、
前記ロック解除信号を受信した場合に、前記遊技機に付設されたワイヤーロック装置用の印加電圧信号を出力する
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報を表示するための遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイヤーロック装置を用いて、遊技機の前扉の不正な開放を規制する技術が開示されている。また、特許文献1には、ワイヤーロック装置による施錠が解除された場合に、表示器(遊技情報表示装置に相当)に施錠が解除されていることを示す表示をさせたり、センタコンピュータ(管理コンピュータに相当)に通知したりすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技客が違法に遊技機または遊技機メーカーで共通の統一鍵を所有し、スロット機等の遊技機の前扉を開けて、コイン等を不正に取得することがある。そこで、遊技場では、遊技機の前扉が開扉されたことを示す開扉信号が管理コンピュータに送られた場合に、管理コンピュータ(管理スタッフ)からその遊技機の情報(台番号等)をホールスタッフに通知することが行われている。
【0005】
一方で、遊技場の開店中において、ホールスタッフが業務の都合で遊技機の前扉を開く場合がある。例えば、自動補給機が設置されていないスロット遊技機では、コインを補充するたびに、ホールスタッフが遊技機の前扉を開ける必要がある。
【0006】
そうすると、例えば、ホールスタッフが前扉を開扉する(例えば、コインを補充する)たびに、遊技機から開扉信号が出力されるので、ホールスタッフへは、その都度、不正情報ではない誤った情報が与えられることになる。ホールスタッフが、前扉の開扉前にインカム等で伝達することも考えられるが、非常に面倒であるとともに、伝え忘れることもありえる。そして、誤った情報が多すぎると、不正情報がその誤った情報に埋もれてしまう恐れがある。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明の目的は、ホールスタッフ等の従業者に誤った不正情報が伝達されにくくするための機能を有する遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る、遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置は、遊技機から該遊技機の前扉が開扉されていることを示す開扉入力信号を受け、該開扉入力信号に基づいて前記前扉が開いている期間を通知する開扉通知信号を管理コンピュータに出力する開扉通知部と、リモコンから前記前扉のロック状態を解除させることを示すロック解除信号を受けた場合において、前記開扉入力信号をあわせて受け付けたときに、前記ロック解除信号を受け付けてからあらかじめ設定されている所定の無効期間だけ、出力される前記開扉通知信号を無効化する無効化処理部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本態様の遊技情報表示装置は、ロック解除信号を受けた場合(例えば、従業者が遊技機の前扉を開扉している場合)に、開扉通知信号を無効化させるようにしている。これにより、従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0010】
また、ロック解除信号を受け付けてからあらかじめ設定されている所定の無効期間だけ、出力される開扉通知信号を無効化することにより、不正情報が適切に通知される状態に戻すことができ、従業者に対してより的確に不正情報を伝達することができる。
【0011】
前記無効化処理部は、前記所定の無効期間に、前記開扉通知信号の出力を停止することにより前記開扉通知信号の出力を無効化するようにしてもよい。
【0012】
このように、開扉通知信号の出力を停止させることで、管理コンピュータに遊技機の前扉が開扉された情報が伝達されないので、従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0013】
前記無効化処理部は、前記所定の無効期間に、前記開扉通知信号が無効であることを示す無効化信号を出力することにより前記開扉通知信号の出力を無効化するようにしてもよい。
【0014】
このように、無効化信号を外部に出力することで、無効期間であることを明示することができ、管理コンピュータにおいて、無効期間の間、従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0015】
前記無効化処理部は、リモコンから前記前扉をロック状態にさせることを示す扉ロック信号を受けた場合、前記開扉通知信号の出力を無効化する処理を解除するようにしてもよい。
【0016】
上記態様の遊技情報表示装置では、無効期間内であっても、扉ロック信号を受けた場合、すなわち、前扉がロック状態になると、再び開扉通知信号を出力するようになる。これにより、例えば、従業者が前扉をロックした後に、不正遊技者が前扉を開扉した場合には、開扉通知信号を管理コンピュータに通知することができる。
【0017】
前記遊技情報表示装置は、前記開扉入力信号を受けた場合に前記前扉が開扉状態であることを表示するように構成されている一方で、前記無効化期間中は、前記前扉が開扉状態であっても開扉状態であることを表示しないようにしてもよい。
【0018】
これにより、遊技情報表示装置を視認した従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0019】
前記ロック解除信号を受信した場合に、前記遊技機に付設されたワイヤーロック装置用の印加電圧信号を出力するようにしてもよい。
【0020】
これにより、ワイヤーロック装置の解除用の操作により、開扉通知信号を無効化させることができる。すなわち、ワイヤーロック装置の解除操作が、開扉通知信号を無効化のための操作を兼ねることができるので、利便性が高い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、所定の無効期間の間、開扉通知信号を無効化させる処理を行うので、従業者に誤った不正情報が伝達されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】実施形態に係る遊技情報表示装置の使用状態を示すイメージ図
【
図1B】実施形態に係る遊技情報表示装置の使用状態を示すイメージ図
【
図2】遊技情報表示装置及び周辺装置の構成例を示すブロック図
【
図4】遊技情報表示装置の動作を説明するためのタイミングチャート
【
図5】遊技情報表示装置の動作を説明するためのタイミングチャート
【
図6】遊技情報表示装置の動作を説明するためのタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
図1A及び
図1Bは実施形態に係る遊技情報表示装置6の使用状態を示すイメージ図である。
図1Aは、遊技機7の前扉72が閉扉された状態を示しており、
図1Bは、遊技機7の前扉72が開扉された状態を示している。
【0025】
パチンコホール等の遊技場には、遊技場の管理を行うための管理コンピュータ1と、管理コンピュータ1と双方向通信可能に接続された中継ユニット2と、遊技場の通路に沿って遊技機ユニット4が横並びに配置された遊技島Gとが設けられている。
【0026】
中継ユニット2は、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続された構成になっている。
【0027】
遊技機ユニット4は、遊技機7(例えば、パチンコ機、パチスロ機)と、遊技情報を表示するための遊技情報表示装置6とを備えている。
図1A及び
図1Bでは、遊技機7としてパチンコ機を例示している。ただし、本開示の遊技情報表示装置6は、パチンコ機に限定されるものではなく、パチスロ機に対しても同じ構成のものを同様に適用することができる。
【0028】
遊技機7は、遊技機本体71と、遊技機本体71の前側に設けられた前扉72とを備えている。
【0029】
前扉72は、前表面に設けられた透過性を有する前板を介して盤面が見えるように構成されている。本実施形態では、遊技者と対向する側、すなわち、遊技者に近い側を「前」、遊技者と遠い側(離れている側)を「後」とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を横方向とする。なお、遊技機7には、従来から知られている構成を適用することができるので、具体的構成の図示を省略するとともに、その詳細説明を省略する場合がある。
【0030】
前扉72は、その横方向の一方の端部を支軸(図示省略)にして、閉扉位置と開扉位置との間で回動できるように、遊技機本体71に支持されている。
【0031】
前扉72は、閉扉位置において、従業者が所有する台鍵での施錠/開錠が可能に構成された鍵ロック機構、及び、後述するワイヤーロック装置3により、開扉方向への回動が規制されている。すなわち、前扉72は、閉扉位置において、2重にロックがかかっている(移動規制されている)状態になっており、鍵ロック機構及びワイヤーロック装置3による移動規制が解除されると、手動での開閉操作が可能になる。
【0032】
図1Bに示すように、遊技機本体71内側の前寄りの位置で、かつ、前扉の開閉動作に邪魔にならない位置に、ワイヤーロック装置3が取り付け固定されている。ワイヤーロック装置3は、例えば、遊技機本体71の支柱や、遊技島Gの支柱等にねじ止め等により固定されている。ワイヤーロック装置3は、装置本体31を備え、装置本体31には、ワイヤー32及びワイヤー32を巻き取るためのモータ(図示省略)が内蔵されている。ワイヤー32の基端は、例えば、モータによって駆動される巻き付け具(図示省略)に固定されている。また、ワイヤー32の先端には、取付金具33が設けられていて、この取付金具33が、遊技機7の前扉72の裏面等にねじ止め等により固定される。そして、ワイヤーロック装置3は、所定の印加電圧(例えば、DC電圧)が供給されるとワイヤーが引き出し可能となる一方で、印加電圧が供給されないとワイヤーの引き出しが規制されるように構成されている。これにより、ワイヤーロック装置3に所定の印加電圧を与えるか否かを切り替えることで、ワイヤー32を所定の長さ位置でロックさせることができ、ひいては、遊技機7の前扉72を所定の位置以上に開かないようにロックさせることができる。
【0033】
なお、ワイヤーロック装置3には、従来から知られている構成を適用することができるので、具体的構成の図示を省略するとともに、その詳細説明を省略している。
【0034】
図2に示すように、遊技情報表示装置6は、通信部61と、制御部62と、記憶部63と、電圧供給部64と、操作入力部65と、表示部66とを備えている。
【0035】
通信部61は、図示しない入出力ボックス及び中継ユニット2を介して、管理コンピュータ1や遊技機7との間で情報通信をする機能を有する。具体的に、通信部61は、管理コンピュータ1から表示部66に表示させる情報を受け取ったり、管理コンピュータ1から受けた指示または自機内での処理に基づいて、管理コンピュータ1に遊技情報や呼出情報を送信したりする。また、通信部61は、ホールスタッフP(従業者に相当)が所持しているリモコン81から送られてくるロック解除信号S1等の無線信号を受信できるように構成されている。通信部61に受信された情報は、制御部62を介して記憶部63に格納される。
【0036】
電圧供給部64は、制御部62の制御を受けて、所定の印加電圧信号VCを出力端子(図示省略)から出力する。出力された印加電圧信号VCは、例えば、外部のワイヤーロック装置3に供給され、ワイヤーロック装置3のワイヤーロックの解除に使用される。
【0037】
図3に示すように、操作入力部65は、正面視において、遊技情報表示装置6の左下端部に設けられ、遊技場のホールスタッフPを呼び出すための呼出ボタン65aと、遊技情報表示装置6の右下端部に設けられ、表示部66の表示画面66a,66bの表示内容を切り替えるためのデータボタン65bとを備えている。
【0038】
表示部66は、遊技情報表示装置6の前側(遊技者に見える側)に設けられており、表示画面66a,66bを有する。表示部66は、制御部62の制御を受けて、表示画面66a,66bに遊技情報を表示する。さらに、表示部66は、制御部62の制御を受けて、遊技機7から前扉72が開扉されていることを示す開扉入力信号S2を受けた場合に、前扉72が開扉状態であることを表示画面66a,66bに表示する。ここで、「遊技情報」とは、遊技に関する情報の総称であるものとし、例えば、遊技機に関する遊技機情報、遊技場に関する遊技場情報が含まれる。
【0039】
制御部62は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、例えば、記憶部63に記憶されたプログラムに基づいて、遊技情報表示装置6全体の動作を制御する。
【0040】
例えば、制御部62及び通信部61は、開扉通知部としての機能を有している。制御部62は、自機が接続された遊技機7(以下、対象遊技機7という)から開扉入力信号S2を受けた場合に、開扉入力信号S2に基づいて、前扉の開扉を通知する開扉通知信号S3を出力する。制御部62から出力された開扉通知信号S3は、通信部61を介して外部に出力され、中継ユニット2を経由して管理コンピュータ1に送られる。
【0041】
管理コンピュータ1で開扉通知信号S3が受信されると、前扉72が開扉された遊技機7として、対象遊技機7の台番号等の情報(以下、開扉遊技機情報という)がインカム9等を介してホールスタッフPに共有される。
【0042】
また、例えば、制御部62及び通信部61は、無効化処理部としての機能を有している。制御部62は、開扉入力信号S2とあわせて、リモコン81からロック解除信号S1を受けた場合、所定の無効期間Tw(以下、単に無効期間Twという)の間、開扉通知信号S3を無効化させる処理である無効化処理を行う。なお、無効期間Twの長さは、任意に設定することが可能である。また、無効期間Twは、あらかじめ設定されて記憶部63等に格納されていてもよいし、外部のリモコン81や管理コンピュータ1等から設定できるようにしてもよい。
【0043】
ここで、「無効化処理」は、開扉通知信号S3を無効化させる処理であればよく、その具体的な方法は、特に限定されるものではない。以下において、
図4及び
図5のタイミングチャートを用いて具体例を示す。
【0044】
-無効化処理(1)-
まず、制御部62が、無効期間Twの間、管理コンピュータ1への開扉通知信号S3の出力を停止させる無効化処理について、
図4を参照しつつ、全体の流れを通して具体的に説明する。なお、
図4において、各信号及びフラグは、ハイ(HIGH)アクティブであるものとする。
【0045】
図4の時刻t1では、ホールスタッフPの操作を受けたリモコン81から遊技情報表示装置6にロック解除信号S1が送られる。すなわち、ロック解除信号S1が「HIGH」になる。ロック解除信号S1を受けた制御部62は、電圧供給部64を介して、ワイヤーロック装置3に印加電圧信号VCを出力する。これにより、ワイヤーロック装置3のロック状態が解除されて、ホールスタッフPが対象遊技機7の鍵を開けて、前扉72を開くことができる状態になる。また、制御部62では、開扉通知信号S3の出力を停止させる期間を示す開扉通知停止フラグを「HIGH」にする。制御部62は、その後、無効期間Twの間(時刻t1からt3までの間)、開扉通知停止フラグを「HIGH」状態にする。
【0046】
時刻t2では、ホールスタッフPが対象遊技機7の前扉72を開扉したものとする。そうすると、開扉入力信号S2が「HIGH」になる。前述のとおり、制御部62は、開扉入力信号S2が「HIGH」になると、開扉通知信号S3を出力する、すなわち、「HIGH」にするように構成されている。しかしながら、開扉通知停止フラグが「HIGH」なので、制御部62は、開扉通知信号S3が「LOW」の状態(通知されない状態)を維持する。
【0047】
時刻t21(t2<t21<t3)において、ホールスタッフPの作業が終わって対象遊技機7の前扉72が閉じられると、開扉入力信号S2が「LOW」になる。
【0048】
そして、無効期間Twが終了する時刻t3において、開扉通知停止フラグが「LOW」となるが、開扉入力信号S2も「LOW」であるため、通信部61から管理コンピュータ1に開扉通知信号S3が送られない。したがって、ホールスタッフPに対しても対象遊技機7の開扉遊技機情報が通知されない。
【0049】
このように、遊技情報表示装置6では、リモコン81(外部に相当)からロック解除信号S1を受けた場合、すなわち、ホールスタッフPが開扉している場合に、所定の無効期間Twの間、開扉通知信号S3を出力しないようにしている。すなわち、開扉通知信号S3を無効化させるようにしている。これにより、管理コンピュータ1に対して、ホールスタッフPによる対象遊技機7の前扉72の開扉は通知されず、他のホールスタッフPや管理者等の従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0050】
さらに、遊技情報表示装置6では、無効期間Twが経過した後は、開扉通知停止フラグを「LOW」状態にしている。これにより、無効期間Tw経過後は、「対象遊技機7の前扉72が開扉された場合、遊技情報表示装置6から管理コンピュータ1に開扉通知信号S3が出力される」という状態に戻すことができる。例えば、
図4の破線で示すように、遊技情報表示装置6は、時刻t31(t31>t3)に開扉入力信号S2が入力された場合には、開扉通知信号S3を出力するので、ホールスタッフPに開扉遊技機情報が伝達される。これにより、セキュリティの低下を防ぐことができる。例えば、リモコン81の誤操作によりロック解除信号S1が送られてきた場合等のように、意図しない状態でロック解除状態が設定されている場合に、その後に解除されない状態が長期間にわたって継続するような事態を回避することができる。
【0051】
なお、上記の説明において、対象遊技機7の前扉72が時刻t21で閉扉されずに、時刻t3の経過後、すなわち、無効期間Twの経過後も開いていた場合の処理に関し、(1)所定の無効期間Twの経過後に開扉通知信号の無効化処理を解除してもよいし、(2)所定の無効期間Tw中に開扉された場合には無効期間Tw経過後も開扉通知信号の無効化処理を継続させるとしてもよい。
【0052】
-無効化処理(2)-
次に、制御部62が、開扉通知信号S3に加えて、無効期間Twの間、開扉通知信号S3が無効であることを示す無効化信号S4を出力する無効化処理について
図5を参照しつつ、全体の流れを通して具体的に説明する。なお、
図5において、
図4と共通の要素には、同じ名称や符号を付している。また、「無効化処理(1)」との相違点を中心に説明するものとし、共通部分について説明を省略する場合がある。
【0053】
図5の時刻t1において、制御部62は、ロック解除信号S1を受けて、ワイヤーロック装置3に印加電圧信号VCを出力するとともに、管理コンピュータ1に開扉通知信号S3が無効であることを示す無効化信号S4を出力する。無効化信号S4は、無効期間Twの間(時間t1から時間t3までの間)、出力される。
【0054】
時間t2では、制御部62は、開扉入力信号S2に基づいて、開扉通知信号S3を出力する、すなわち、開扉通知信号S3を「HIGH」にする。制御部62から出力された開扉通知信号S3及び無効化信号S4は、通信部61を介して外部に出力され、中継ユニット2を経由して管理コンピュータ1に送られる。これにより、管理コンピュータ1において、無効化信号S4が送られている無効期間Twの間、ホールスタッフPに対して対象遊技機7の開扉遊技機情報を通知しないようにすることができる。これにより、従業者に対して誤った不正情報が伝達されるのを防ぐことができる。
【0055】
時刻t21(t2<t21<t3)において、ホールスタッフPの作業が終わって対象遊技機7の前扉72が閉じられると、開扉入力信号S2及び開扉通知信号S3が「LOW」になる。
【0056】
-無効化処理(3)-
次に、無効期間中に、制御部62が、リモコン81(外部に相当)から対象遊技機7の前扉72をロック状態に戻すことを示す扉ロック信号S5を受けた場合の処理について説明する。
【0057】
具体的に、制御部62は、開扉通知信号S3を無効化させる処理を解除する処理を行う。以下、
図6を参照しつつ、全体の流れを通して具体的に説明する。なお、
図6において、
図4と共通の要素には、同じ名称や符号を付している。また、「無効化処理(1)」との相違点を中心に説明するものとし、共通部分について説明を省略する場合がある。
【0058】
図6の時間t1では、
図4の場合と同様に、制御部62は、ワイヤーロック装置3に印加電圧信号VCを出力するとともに、開扉通知停止フラグを「HIGH」にする。
【0059】
時刻t2において、ホールスタッフPが対象遊技機7の前扉72を開扉すると、開扉入力信号S2が「HIGH」になるが、開扉通知停止フラグが「HIGH」なので、開扉通知信号S3は、「LOW」の状態(通知されない状態)を維持する。
【0060】
時刻t22(t2<t22<t3)において、ホールスタッフPの作業が終わって対象遊技機7の前扉72が閉じられると、開扉入力信号S2が「LOW」になる。
【0061】
その後、時刻t23(t23<t3)では、作業が終わったホールスタッフPがリモコン81を操作し、リモコン81から遊技情報表示装置6に、前扉をロック状態にさせることを示す扉ロック信号S5が送信されたものとする。すなわち、扉ロック信号S5が「HIGH」になったものとする。
【0062】
扉ロック信号S5を受けた制御部62は、電圧供給部64からワイヤーロック装置3に出力していた印加電圧信号VCを停止する。これにより、ワイヤーロック装置3が再びロックされることで、対象遊技機7の前扉72がロックされた状態になる。また、制御部62では、無効期間Twの間であっても、開扉通知停止フラグを「LOW」にする。これにより、「対象遊技機7の前扉72が開扉された場合、遊技情報表示装置6から管理コンピュータ1に開扉通知信号S3が出力される」という状態に戻される。
【0063】
したがって、例えば、時刻t23以降の時刻t24(t24>t23)において、不正遊技者が何らかの方法を用いて対象遊技機7の前扉72を開いた場合に、遊技情報表示装置6に開扉入力信号S2が入力されると、無効期間が経過する前であっても、制御部62から管理コンピュータ1に開扉通知信号S3が出力される。そうすると、管理コンピュータ1もくしは管理スタッフからホールスタッフに対象遊技機7の開扉遊技機情報が伝達され、ホールスタッフPが不正遊技者を捕獲することができる。
【0064】
以上のように、制御部62が、ホールスタッフPの操作を受けたリモコン81から扉ロック信号S5を受信したときに、開扉通知信号を無効化させる処理を解除することで、再び開扉通知信号を出力するようになる。これにより、不正情報が適切に通知される状態に戻すことができ、セキュリティの低下を防ぐことができる。
【0065】
なお、上記の実施形態では、遊技機7にワイヤーロック装置3が取り付けられているものとしたが、本開示の技術は、ワイヤーロック装置3が取り付けられていない遊技機ユニット4とともに設置された遊技情報表示装置6に対しても適用することができる。この場合においても、例えば、ホールスタッフPが遊技機7の前扉72を開く前に、リモコン81から遊技情報表示装置6にロック解除信号S1を送るように運用したり、ロック解除信号S1に連動した鍵を用いることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る遊技情報表示装置は、従業者に誤った不正情報が伝達されにくくすることができるので、極めて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0067】
6 遊技情報表示装置
7 遊技機
72 前扉
S1 ロック解除信号
S2 開扉入力信号
S3 開扉通知信号
S4 無効化信号
S5 扉ロック信号
VC 印加電圧信号