(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2019069621
(22)【出願日】2019-04-01
【審査請求日】2022-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】511232514
【氏名又は名称】株式会社BOOOM
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正樹
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-023611(JP,A)
【文献】特開2017-006383(JP,A)
【文献】特開2017-169905(JP,A)
【文献】特開2017-185142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示又は停止表示するための回転リールと、
前記回転リールの図柄を変動表示させるためのスタートスイッチと、
前記回転リールに対応して設けられ、対応する回転リールの図柄を停止表示させるためのストップスイッチと、
複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行う当せん抽せん手段と、
前記複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶した役抽せんテーブルと、
前記当せん抽せん手段の抽せん結果と前記ストップスイッチの操作とに基づいて前記回転リールの図柄の停止表示に係る制御を行うリール制御手段と、
前記回転リールが図柄を停止表示した際の前記回転リールの停止位置に基づいて前記複数の当せん役のいずれかに入賞したか又は入賞しなかったかの判定を行う入賞判定手段と、
前記ストップスイッチの操作順に関する情報を報知する押し順報知制御手段と、
遊技区間を制御するための遊技区間制御手段と、
遊技に係る情報を表示可能な表示手段と、
を備え、
前記遊技区間は、前記押し順報知制御手段によって小役の入賞がアシストされる特定遊技を実行可能な有利区間と、前記特定遊技を実行できない通常区間と、を含み、
前記有利区間は、
前記有利区間において遊技者に付与された利益が予め設定された所定の上限数に到達したときに終了するものであり、
前記特定遊技は、
前記特定遊技において遊技者に付与された利益が終了条件数に到達したときに終了するものであって、前記終了条件数は前記所定の上限数の範囲で上乗せ可能に構成されており、
前記所定の上限数を複数のくじに分割して、
前記くじに当せんしたときに、当該くじに割り当てられた数の利益が前記終了条件数に上乗せされるようにし、
分割したすべての前記くじの当せん状況を前記表示手段によって表示可能であることを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記有利区間を開始するときに、前記くじの分割パターンを選択するパターン選択抽せんを実行することを特徴とする、請求項
1記載の遊技機。
【請求項3】
前記終了条件数として、遊技者に払い出された遊技媒体の差枚数を使用することを特徴とする、請求項1
または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記終了条件数として、
消化ゲーム数を使用することを特徴とする、請求項1
または2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、ストップスイッチの正解の押し順を報知することで入賞の利益を得やすくした遊技期間(ATやART)を設けたものが知られている。また、こうしたATやARTを実行可能な遊技区間である有利区間や、ATやARTを実行できない遊技区間である通常区間を備えたものが知られている。有利区間のゲーム数は予め上限が定められており、この上限を超えて有利区間を継続することはできないようになっている。
【0003】
このような遊技機に関して、例えば特許文献1には、ART状態において、ART状態用ゲーム数カウンタの値を上乗せする抽せんが行う遊技機が開示されている。この遊技機においては、抽せんの結果、ART状態用ゲーム数カウンタの値を上乗せすることが決定された場合には、ART状態用ゲーム数カウンタの値を上乗せする処理を行う。そして、有利期間ゲーム数カウンタの値から、ART状態用ゲーム数カウンタの値を減算した結果、上限オーバーであると判定された場合には、上限オーバー時上乗せ演出を決定する処理を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1記載の遊技機では、有利区間の上限ゲーム数を超えるARTゲーム数を上乗せすることが決定された場合には、有利区間の上限ゲーム数を超えない範囲でのみARTゲーム数の上乗せがされることになる。言い換えると、有利区間の上限ゲーム数を超えた分については、抽せんでARTゲーム数の上乗せが決定されたにもかかわらず、実際にはゲーム数が上乗せされないことになる。このため、遊技者からすれば、いったん付与された利益が取り消されるような印象となってしまい、興を削がれてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ATやARTのゲーム数の上乗せ抽せんを行う遊技機において、有利区間の上限に対する遊技者のストレスを軽減することができる遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
すなわち、複数の図柄を変動表示又は停止表示するための回転リールと、前記回転リールの図柄を変動表示させるためのスタートスイッチと、前記回転リールに対応して設けられ、対応する回転リールの図柄を停止表示させるためのストップスイッチと、複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行う当せん抽せん手段と、前記複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶した役抽せんテーブルと、前記当せん抽せん手段の抽せん結果と前記ストップスイッチの操作とに基づいて前記回転リールの図柄の停止表示に係る制御を行うリール制御手段と、前記回転リールが図柄を停止表示した際の前記回転リールの停止位置に基づいて前記複数の当せん役のいずれかに入賞したか又は入賞しなかったかの判定を行う入賞判定手段と、前記ストップスイッチの操作順に関する情報を報知する押し順報知制御手段と、遊技区間を制御するための遊技区間制御手段と、遊技に係る情報を表示可能な表示手段と、を備え、前記遊技区間は、前記押し順報知制御手段によって小役の入賞がアシストされる特定遊技を実行可能な有利区間と、前記特定遊技を実行できない通常区間と、を含み、前記有利区間は、遊技者に付与された利益が予め設定された所定の上限数に到達したときに終了するものであり、前記特定遊技は、遊技者に付与された利益が終了条件数に到達したときに終了するものであって、前記終了条件数は前記所定の上限数の範囲で上乗せ可能に構成されており、前記所定の上限数のうちでまだ上乗せされていない利益の数は、上乗せ可能な利益数として前記表示手段によって表示可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の通りであり、有利区間は、遊技者に付与された利益が予め設定された所定の上限数に到達したときに終了するものであり、特定遊技は、遊技者に付与された利益が終了条件数に到達したときに終了するものであって、終了条件数は所定の上限数の範囲で上乗せ可能に構成されており、所定の上限数のうちでまだ上乗せされていない利益の数は、上乗せ可能な利益数として表示手段によって表示可能となっている。このような構成によれば、有利区間の上限数が予め遊技者に対して表示されているため、いったん付与された利益が取り消されるような印象を遊技者に与えることがない。また、有利区間の上限数に到達したときに唐突な印象を遊技者に与えることもない。よって、有利区間の上限に対する遊技者のストレスを軽減することができる。また、上乗せ可能な利益数が遊技者に表示されることで遊技者は期待感を持って遊技を行うことができるので、遊技者に新たな興趣を感じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】スロットマシンの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】スロットマシンの有効ラインを示す説明図である。
【
図4】スロットマシンの遊技区間の遷移を示す説明図である。
【
図6】分割パターンを選択するくじの当せん確率を示す図である。
【
図7】(a)パターンAの初期表示を示す図、(b)パターンBの初期表示を示す図、(c)パターンCの初期表示を示す図、(d)パターンDの初期表示を示す図である。
【
図10】特定遊技開始直後の表示手段による表示を示す図である。
【
図11】特定遊技においてどのように遊技者に利益が付与されるかの一例を示す図である。
【
図12】変形例に係る図であって、特定遊技においてどのように遊技者に利益が付与されるかの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシン10を例に説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、四角箱状の筐体11と、筐体11の正面側に開閉自在に取り付けられる前扉31を有する。この前扉31には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されている。
【0011】
また、前扉31の高さ方向略中央部には、スロットマシン10を作動させるための操作部31Aおよびメダル投入口14が設けられている。操作部31Aには、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50などが設けられている。
【0012】
また、操作部31Aの下方には、下パネル31Bを挟んで、メダルを払い出すためのメダル払い出し口18と、メダル払い出し口18から払い出されたメダルを貯留可能な下皿31Cが設けられている。
【0013】
上記した前扉31の表示窓12には、背後の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。回転リール40は、図柄表示窓13の裏側に配置されて、回転可能にスロットマシン10に取り付けられており、外周表面に表示された複数の図柄を変動表示又は停止表示するためのものである。本実施形態においては、左リール41、中リール42、右リール43の3個の回転リール40が設けられており、それぞれの回転リール40が個別に回転可能となっている。
【0014】
上記した図柄表示窓13からは、3個の回転リール40のそれぞれについて、上段、中段、下段の3段の図柄が表示されるようになっており、計9個の図柄が図柄表示窓13を通して表示されるようになっている。そして、この計9個の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。有効ラインとは、3個の回転リール40のそれぞれについて表示位置にある図柄を1個ずつ繋いでできるラインのうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、
図3に示すように、左リール41の中段の図柄と、中リール42の中段の図柄と、右リール43の中段の図柄と、を繋ぐラインLが有効ラインとして設定されている。この有効ラインに沿って役に対応付けられた図柄組合せが表示されると、当該役に入賞となる。
【0015】
また、本実施形態では、1回のゲームを行うために、メダルを1~3枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、1枚のメダルをベットした場合も、2枚のメダルをベットした場合も、3枚のメダルをベットした場合も、上記したラインLが有効ラインとなるように構成されている。
このスロットマシン10の内部には、図示しないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(
図2参照)が内蔵されている。
【0016】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、
図2に示すように、投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53が接続されている。
なお、入力段に接続されるのは上記した各入力装置に限定されるものではない。
【0017】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、
図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵されたスイッチであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。投入スイッチ15が遊技メダルを検知すると、最大50枚まで遊技メダルを遊技機内部に貯留(クレジット)することができるようになっている。このようにクレジットされた遊技メダルは、クレジット表示部32に数値として表示され、次ゲーム以降に使用することができる。
【0018】
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部31Aの上面に位置するスイッチである。ベットスイッチ16を押下することで、クレジットをメダル投入に代えることができる。クレジットをメダル投入に代えることで、ゲームを開始可能な状態となる。
【0019】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、
図1に示すように、操作部31Aの上面左端に位置するスイッチであって、クレジットされているメダルを払い戻すためのものである。
【0020】
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、
図1に示すように、操作部31Aの正面左側に位置するレバーである。ゲームを開始可能な状態でスタートスイッチ30を操作すると、後述するリールユニット60の駆動が開始し、回転リール40の図柄が変動表示される。
【0021】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、後述するリールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、
図1に示すように、各回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)に対応した3個のスイッチ(左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53)から構成され、各回転リール40の下方に一個ずつ配置されている。回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止し、回転リール40の図柄が停止表示されるようになっている。
【0022】
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出部66(画像表示部67、ランプ68、スピーカ69)、の各パーツが接続されている。
なお、出力段上記した各パーツに限定されるものではない。
【0023】
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定あるいは支持された3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)とから構成されている。各回転リール40は、短円筒状の回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、それぞれ20個(または21個)の図柄が等間隔で表示されている。
【0024】
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に配置されており、ゲームの結果等に基づいてメダルを払い出すためのものである。
【0025】
(演出部66)
演出部66は、制御装置20の制御により、入賞等の報知など、種々の演出を行うものである。具体的には、演出部66は、画像表示部67と、ランプ68と、スピーカ69と、から構成されている。
【0026】
画像表示部67は、回転リール40の上方に設けられた窓部の背後に配置され、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。本実施形態においては、この画像表示部67が、遊技に係る情報を表示可能な表示手段として機能している。
ランプ68は、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。
スピーカ69は、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0027】
(制御装置20)
制御装置20は、スロットマシン10の作動を制御するためのものである。この制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行するように構成されている。
【0028】
本実施形態に係る制御装置20は、
図2に示すように、遊技状態制御手段100、当せん抽せん手段110、役抽せんテーブル120、リール制御手段130、入賞判定手段140、ホッパー制御手段150、演出制御手段200、押し順報知制御手段210、設定手段220、特定遊技制御手段230、遊技区間制御手段240、の各手段として機能する。なお、制御装置20としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0029】
(遊技状態制御手段100)
遊技状態制御手段100は、遊技状態の管理を行うためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は複数の遊技状態を備えており、遊技状態制御手段100は現在の遊技状態を記憶するとともに、遊技状態の移行契機となる所定の事象が発生したときに遊技状態を切り替える処理を実行する。
【0030】
本実施形態に係るスロットマシン10は、特に図示しないが、リプレイ役の当せん確率が異なる複数の遊技状態を備えている。例えば、工場出荷時又は設定変更時に設定される初期状態や、初期状態よりも相対的にリプレイ役の当せん確率が向上したリプレイ高確率状態などを備えている。
【0031】
(当せん抽せん手段110)
当せん抽せん手段110は、複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行うためのものである。すなわち、予め定めた抽せん確率に基づいて当せん役に係る抽せんを行うものである。そして、当せん抽せん手段110による抽せんの結果、所定の当せん役に当せんした場合に当せんフラグが成立し、この当せんフラグの成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当せん図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0032】
具体的には、当せん抽せん手段110は、乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段を備え、この乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を役抽せんテーブル120に照合することにより抽せんを行う。本実施形態に係る当せん抽せん手段110は、16bitで乱数を発生させるため、0~65535までの65536通りの乱数を発生させるようになっている。後述する役抽せんテーブル120には、この65536通りの乱数のそれぞれに当せん領域が割り当てられており、この役抽せんテーブル120に乱数を照合することにより当せん役またはハズレを特定することができる。
【0033】
本実施形態に係るスロットマシン10は、当せん役として、入賞により遊技メダルを新たに投入することなく再度のゲームを行うことができるリプレイ役や、入賞により遊技メダルを払い出す小役などを備えている。
【0034】
(役抽せんテーブル120)
役抽せんテーブル120は、当せん抽せん手段110が抽出した乱数がいずれかの当せん役またはハズレに対応するかを定めたものである。この役抽せんテーブル120は、複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶しており、具体的には、当せん抽せん手段110において発生する乱数と当せん役との対応表として設けられている。当せん抽せん手段110は、遊技状態や設定値等に応じてこれらの役抽せんテーブル120を切り替えて使用する。これにより、遊技状態ごとに当せん確率が変動するように構成されている。
【0035】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させるとともに、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当せん抽せん手段110の抽せん結果および有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
【0036】
このリール制御手段130は、メダルがベットされ、前ゲーム開始から所定時間(いわゆるウエイト時間)が経過しているなど、所定のゲーム開始条件を満たしている場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づいて全ての回転リール40の回転を開始させる。
【0037】
また、回転リール40が回転中にいずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号に基づきストップ信号を出力し、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させる。
【0038】
なお、リール制御手段130は回転リール40を停止させる際、停止操作がされたときの図柄表示位置を基準として、最大4コマのスベリコマ数で図柄を回転方向に移動させて停止させることができる。このような制御により、当せん抽せん手段110の抽せん結果が「ハズレ」の場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行う。また、抽せん結果が所定の当せん役に当せんの場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当せんに係る入賞の態様となるように引き込み制御を行う。
【0039】
このような蹴飛ばし制御及び引き込み制御は、当せん抽せん手段110による役抽せんの結果や、ストップスイッチ50の操作タイミング、停止位置の優先順位などに基づいて計算されて実行される。例えば、2種類以上の役に同時当せんしている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示できるように引き込み制御が行われる。
【0040】
なお、後述する押し順小役に当せんしている場合には、正解の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、当該押し順小役に係る図柄を有効ライン上に引き込んで、押し順小役を入賞させる。一方、その正解の押し順以外の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、当該押し順小役に係る図柄が有効ライン上に揃わないようにして、押し順小役が入賞しないように制御する。
【0041】
(入賞判定手段140)
入賞判定手段140は、ストップスイッチ50の操作により3個の回転リール40が停止したときに、その表示態様に基づいて、入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。具体的には、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効入賞ライン上に所定の図柄配列が揃うことを条件として、当該図柄配列に対応した当せん役に入賞したと判定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に払い出し入賞信号を出力する(もしくはメダルを払い出す代わりにクレジットに加算する)。また、入賞が遊技状態を移行させるものであれば、遊技状態制御手段100に通知して遊技状態を移行させる。また、リプレイ役が入賞した場合には、自動ベット処理を行い、遊技メダルを新たに投入することなく次ゲームを開始できるようにする。
【0042】
(ホッパー制御手段150)
ホッパー制御手段150は、入賞判定手段140からの払い出し入賞信号、精算スイッチ17の操作信号などに基づいて、ホッパーユニット65を作動させ、メダルの払い出しを制御するためのものである。なお、入賞がメダル払い出しを伴う場合に、この払い出しメダルを自動的にクレジットとして電子的に貯留し、クレジットの許容枚数を超過する払い出し分だけをホッパーユニット65から払い出させるようにしてもよい。
【0043】
(演出制御手段200)
演出制御手段200は、画像表示部67、ランプ68やスピーカ69等の演出部66の作動を制御するためのものである。この演出制御手段200は、ROMに記憶されている演出データをもとに、入賞の報知や押し順報知などの演出を行わせる。
【0044】
また、この演出制御手段200は、複数回のゲームにわたって連続演出を行わせることができる。所定の条件下においてストーリー性のある連続演出を行わせることで、遊技者に有利な状況を示唆し、ゲームを盛り上げることができるようになっている。
【0045】
本実施形態に係る演出制御手段200は、後述する有利区間中の遊技において、
図8に示すような情報表示画面を画像表示部67に表示させる。これにより、後述するような有利区間の上限についての情報(遊技者に付与された利益、終了条件数、上乗せ可能な利益数)を遊技者に報知するようになっている。
【0046】
(押し順報知制御手段210)
押し順報知制御手段210は、後述する有利区間において押し順報知を制御するためのものである。具体的には、この押し順報知制御手段210は、押し順小役に当せんしたときに、当該押し順小役を入賞させるための正解の押し順(ストップスイッチ50の操作順)を取得し、その正解の押し順を報知するための演出を選択する。押し順報知制御手段210が選択した演出は、演出制御手段200に通知されて実行され、これにより押し順報知が実行される。この押し順報知は、例えば、画像表示部67に操作順を表示したり、操作すべきストップスイッチ50をスピーカ69から音声で報知したり、操作すべきストップスイッチ50を光らせたりすることで行われる。
【0047】
なお、押し順小役は所定の押し順でストップスイッチ50が操作されたときに入賞図柄が揃うように制御される小役やリプレイ役である。押し順が報知されない場合、どの押し順小役に当せんしたかが分からず、正解の押し順も分からないため、押し順小役を狙って入賞させることは困難となっている。一方で、正解の押し順が報知される場合には、押し順報知に従ってストップスイッチ50を操作することで容易に押し順小役を入賞させることができるようになっている。
【0048】
(設定手段220)
設定手段220は、遊技者への有利度が異なる複数段階の設定値の中から設定値を設定するためのものである。この設定値は、鍵のかけられた筐体11の内部に設けられたスイッチを操作することで変更可能であり、スロットマシン10が設置されたホールの管理者によって、ホールの営業開始前あるいは営業終了後に予め設定される。図示しないが、この設定値ごとに異なる役抽せんテーブル120が設けられており、役抽せんにおいて設定値に応じた役抽せんテーブル120が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。本実施形態においては、設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。なお、本実施形態においては設定値を6段階としているが、これに限らず、設定値は5段階以下であってもよい。
【0049】
(特定遊技制御手段230)
特定遊技制御手段230は、特定遊技の実行を制御するためのものである。特定遊技とは、押し順報知制御手段210を作動させることで、遊技者に有利な操作態様を表示する指示機能を発動させた遊技であり、ART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)と呼ばれる遊技である。
【0050】
特定遊技の実行中は、押し順小役の正解の押し順が押し順報知制御手段210によって報知される。このため、遊技者は押し順報知制御手段210の報知に従ってストップスイッチ50を操作するだけで押し順小役に入賞させることができるので、容易にメダルを増加させることができる。
【0051】
この特定遊技制御手段230は、後述する有利区間中のゲームにおいて特定遊技抽せんを実行し、特定遊技抽せんに当せんしたときに特定遊技を開始する制御を実行する。なお、本実施形態においては特定遊技抽せんに当せんしたときに特定遊技を開始するようにしているが、これに限らず、特定遊技抽せんを介さずに特定遊技を開始するようにしてもよい。例えば、所定の条件下において有利区間に移行すると、有利区間に移行すると同時に特定遊技を開始するようにしてもよい。
【0052】
特定遊技制御手段230による特定遊技抽せんは、例えば、乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を特定遊技抽せんテーブルに照合することにより行われる。特定遊技抽せんテーブルにおいては、抽出可能なすべての乱数にそれぞれ「当たり」か「ハズレ」が割り当てられているため、乱数を特定遊技抽せんテーブルに照合することにより「当たり」か「ハズレ」を特定することができる。
【0053】
このように開始した特定遊技は、付与された終了条件数を消化するまで継続する。なお、終了条件数は、特定遊技の開始時に加算されるとともに、後述する上乗せ抽せんに当せんしたときにも加算される。そして付与された終了条件数を消化したら、特定遊技制御手段230は特定遊技を終了させる。この終了条件数については、後ほど詳しく説明する。
【0054】
(遊技区間制御手段240)
遊技区間制御手段240は、遊技区間を制御するためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は、遊技区間として、ストップスイッチ50の押し順が報知されない通常区間と、ストップスイッチ50の押し順を報知可能な有利区間と、を備えている。
【0055】
通常区間とは、当せん役の入賞をアシストできない遊技区間である。具体的には、押し順報知制御手段210による押し順報知ができない遊技区間である。この遊技区間では上記した特定遊技を実行することができない。
【0056】
また、有利区間とは、当せん役の入賞をアシスト可能な遊技区間である。具体的には、押し順報知制御手段210による押し順報知が可能な遊技区間である。この遊技区間では上記した特定遊技を実行可能である。
【0057】
この遊技区間制御手段240は、
図4に示すように、通常区間のゲーム中(例えばゲームの開始時)に有利区間抽せんを実行し、有利区間抽せんに当せんしたときに遊技区間を有利区間に移行する制御を実行する。遊技区間制御手段240による有利区間抽せんは、例えば、乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を有利区間抽せんテーブルに照合することにより行われる。有利区間抽せんテーブルにおいては、抽出可能なすべての乱数にそれぞれ「当たり」か「ハズレ」が割り当てられているため、乱数を有利区間抽せんテーブルに照合することにより「当たり」か「ハズレ」を特定することができる。
【0058】
この有利区間は、遊技者に付与された利益が所定の上限数に到達したときに終了するように設定されている。本実施形態においては、所定の上限数として、有利区間中に遊技者に払い出された遊技媒体の差枚数を使用している。遊技媒体の差枚数とは、ベットした遊技媒体の数と払い出された遊技媒体の数の差であり、実質的に遊技者が獲得した遊技媒体の数である。本実施形態に係る遊技区間制御手段240は、有利区間が開始してからの遊技媒体の差枚数を累積して計測する。そして、この累積した遊技媒体の差枚数が上限数(例えば2400枚)に到達すると、有利区間が終了するようになっている。
【0059】
なお、所定の上限数としては、上記した遊技媒体の差枚数に加えて、有利区間中に遊技者が実行したゲーム数を使用してもよい。すなわち、遊技区間制御手段240は、有利区間が開始してからのゲーム数を累積して計測し、この累積したゲーム数が上限数(例えば1500ゲーム)に到達すると、有利区間を終了するようにしてもよい。
【0060】
この有利区間中に特定遊技抽せんに当せんすると、
図4に示すように、特定遊技が開始する。この特定遊技は、遊技者に付与された利益が終了条件数(後述)に到達したときに終了する。特定遊技が終了するときに有利区間の終了条件が同時に達成されている場合には、特定遊技の終了後に通常区間に移行する。一方、特定遊技が終了するときに有利区間の終了条件がいまだ達成されていない場合には、特定遊技の終了後に非特定遊技の有利区間に移行する。
【0061】
(終了条件数について)
終了条件数とは、特定遊技(ATまたはART)を終了する条件となる数である。この終了条件数は、前記した所定の上限数(有利区間の終了条件を規定する数)の範囲で設定される値である。
【0062】
本実施形態においては、所定の上限数として「遊技媒体の差枚数」が設定されているため、この終了条件数としても「遊技媒体の差枚数」が設定されている。具体的には、本実施形態に係る特定遊技制御手段230は、特定遊技が開始してからの遊技媒体の差枚数を累積して計測する。そして、この累積した遊技媒体の差枚数が特定遊技の終了条件数に到達すると、特定遊技が終了するようになっている。
【0063】
なお、所定の上限数として「実行したゲーム数」が設定されている場合には、この終了条件数としても「実行したゲーム数」が設定される。この場合、特定遊技制御手段230は、特定遊技が開始してからのゲーム数を累積して計測する。そして、この累積したゲーム数が終了条件数に到達すると、特定遊技が終了することになる。
【0064】
この終了条件数の初期値(特定遊技の終了条件の初期値)は、特定遊技の開始時に後述する利益数決定抽せんによって決定される。本実施形態においては、利益数決定抽せんで10~1000の値が選択されるようになっている。ただし、この終了条件数は、所定の上限数(本実施形態においては2400枚)の範囲で上乗せ可能である。具体的には、後述する上乗せ抽せんに当せんすることで、終了条件数は最大2400枚まで上乗せされるようになっている。このため、上乗せ抽せんに当せんすれば、特定遊技を延長することができるように構成されている。
【0065】
上乗せ抽せんは、例えば、特定遊技中の各ゲームにおいて、乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を上乗せ抽せんテーブルに照合することにより行われる。上乗せ抽せんテーブルにおいては、抽出可能なすべての乱数にそれぞれ「当たり」か「ハズレ」が割り当てられているため、乱数を有利区間抽せんテーブルに照合することにより「当たり」か「ハズレ」を特定することができる。
【0066】
上乗せ抽せんで「当たり」の場合には、上乗せされる利益数を決定するための利益数決定抽せんが実行される。利益数決定抽せんは、それぞれ利益数が割り当てられた複数のくじのうちから1のくじを選択するものであり、上記したような乱数を使用した抽せんで実行することができる。そして、利益数決定抽せんでくじが選択されると、当該くじに割り当てられた数の利益が終了条件数に上乗せされるようになっている。
【0067】
なお、本実施形態においては、有利区間の上限数(有利区間で許容される最大差枚数である2400枚)を複数のくじに分割している。このため、分割された複数のくじにすべて当せんすることで、特定遊技の終了条件数が上限数の2400枚となる(遊技者の利益が最大となる)ようになっている。
【0068】
ここで、本実施形態においては、くじの分割パターンは1つではなく、複数の分割パターンを設けている。これにより、どの分割パターンを使用して有利区間を実行するかによって、遊技性が変化するように構成されている。具体的には、
図5に示すような4つの分割パターンが設けられている。
【0069】
パターンAは、最大差枚数の2400枚を26個のくじに分割している。このパターンAでは、20枚が上乗せされるくじが7個、30枚が上乗せされるくじが7個、50枚が上乗せされるくじが5個、100枚が上乗せされるくじが3個、200枚が上乗せされるくじが2個、300枚が上乗せされるくじが1個、800枚が上乗せされるくじが1個、となっている。このパターンAは、くじがバランスよく割り振られた基本的な配当を得られるパターンとなっている。
【0070】
パターンBは、最大差枚数の2400枚を26個のくじに分割している。このパターンBでは、50枚が上乗せされるくじが16個、100枚が上乗せされるくじが5個、200枚が上乗せされるくじが4個、300枚が上乗せされるくじが1個、となっている。このパターンBは、上乗せ枚数の最小値と最大値の幅が小さく設定されているため、安定した配当を得られるパターンとなっている。
【0071】
パターンCは、最大差枚数の2400枚を19個のくじに分割している。このパターンCでは、10枚が上乗せされるくじが10個、20枚が上乗せされるくじが5個、100枚が上乗せされるくじが2個、1000枚が上乗せされるくじが2個、となっている。このパターンCは、上乗せ枚数が小さいくじと上乗せ枚数が大きいくじとに偏って設定されているため、くじの抽せん結果によって浮き沈みの激しいパターンとなっている。
【0072】
パターンDは、最大差枚数の2400枚を15個のくじに分割している。このパターンDでは、100枚が上乗せされるくじが8個、200枚が上乗せされるくじが5個、3000枚が上乗せされるくじが2個、となっている。このパターンDは、平均上乗せ枚数が高く設定されているため、遊技者にとって有利なパターンとなっている。
【0073】
有利区間を開始するときには、これら複数の分割パターンのうちの1つが選択されて使用される。例えば、有利区間を開始するときに、遊技区間制御手段240がパターン選択抽せんを実行して、どの分割パターンを使用するかを決定する。
【0074】
図6は、本実施形態に係るパターン選択抽せんの当せん確率を示す表である。この図が示すように、本実施形態においては、パターン選択抽せんの当せん確率が設定値によって異なるように構成されている。
【0075】
具体的には、設定値=1のときには、50%の確率でパターンAが選択され、15%の確率でパターンBが選択され、30%の確率でパターンCが選択され、5%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0076】
また、設定値=2のときには、50%の確率でパターンAが選択され、30%の確率でパターンBが選択され、15%の確率でパターンCが選択され、5%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0077】
また、設定値=3のときには、40%の確率でパターンAが選択され、10%の確率でパターンBが選択され、40%の確率でパターンCが選択され、10%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0078】
また、設定値=4のときには、40%の確率でパターンAが選択され、40%の確率でパターンBが選択され、10%の確率でパターンCが選択され、10%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0079】
また、設定値=5のときには、30%の確率でパターンAが選択され、10%の確率でパターンBが選択され、45%の確率でパターンCが選択され、15%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0080】
また、設定値=6のときには、25%の確率でパターンAが選択され、10%の確率でパターンBが選択され、40%の確率でパターンCが選択され、25%の確率でパターンDが選択されるようになっている。
【0081】
このように、設定値が高く設定されているときには、遊技者にとって有利なパターン(パターンDなど)に当せんする確率が高くなるようにしている。なお、本実施形態においては、パターン選択抽せんの当せん確率が設定値によって異なるように構成しているが、これに限らない。例えば、パターン選択抽せんの当せん確率が各設定値に共通であってもよいし、パターン選択抽せんの当せん確率が別のパラメータによって変化するようにしてもよい。
【0082】
このパターン選択抽せんによって有利区間の開始時に選択された分割パターンは、その有利区間中に実行される利益数決定抽せんにおいて使用される。利益数決定抽せんは、終了条件数の初期値または上乗せ数を決定するための抽せん処理であり、特定遊技(ATまたはART)の開始時または上乗せ抽せんの当せん時に実行される。この利益数決定抽せんにおいては、当せん可能なくじ(未当せんの残りくじ)の中から1個のくじが選択される。そして、選択されたくじに割り当てられた数(差枚数)が、特定遊技の終了条件数に加算される。このとき、当せんしたくじは、当せん済みのくじとして当せん可能なくじから除外される。
【0083】
例えば、有利区間の開始時に実行されたパターン選択抽せんにおいて、
図7(a)に示すパターンAが選択されたとする。この場合、当該有利区間においては、このパターンAを使用して利益数決定抽せんが実行される。例えば、特定遊技開始時の利益数決定抽せんで20枚の利益が割り当てられたくじに当せんすると、特定遊技の終了条件数の初期値は「20」となる。また、20枚の利益が割り当てられたくじは1つ減るので、残り「6」となる。
【0084】
また、この特定遊技において、上乗せ抽せんに当せんした場合には、再び利益数決定抽せんが実行される。この利益数決定抽せんにおいて20枚の利益が割り当てられたくじに当せんすると、特定遊技の終了条件数には20が加算される(加算前が「20」であれば「40」となる)。そして、20枚の利益が割り当てられたくじは更に1つ減るので、残り「5」となる。
【0085】
(有利区間の上限についての情報表示について)
本実施形態においては、有利区間の遊技を実行中に、有利区間の上限についての情報が画像表示部67に表示されるようになっている。例えば、当せん可能なくじ(未当せんの残りくじ)や、特定遊技の終了条件数までの残り枚数などが、遊技者によって確認可能に表示されている。
【0086】
当せん可能なくじ(未当せんの残りくじ)は、
図7に示すような態様で表示される。すなわち、割り当てられた利益数によってくじを分類し、分類したくじごとに、あと何回当せん可能であるかという情報を表示するようにしている。このように、残りくじを表示することで、所定の上限数のうちでまだ上乗せされていない利益の数が、上乗せ可能な利益数として画像表示部67に表示されるようになっている。また、上乗せ可能な利益数は分割してくじとして表示されているため、遊技者は段階的に上乗せされていくイメージを直観的に理解できるようになっている。
【0087】
なお、
図8に示すように、有利区間中は、残りくじの情報が常に画像表示部67に表示されるようにしてもよい。そして、既に獲得済み(または最初からくじが割り当てられていない)くじについては、残りくじが「0」であることを示す表示を行ってもよい(
図8においては「済」と表示している)。
また、有利区間中の画像表示部67には、既に獲得した差枚数、終了条件数までの残り枚数、現在の終了条件数などを、直接的または間接的に表示してもよい。
【0088】
本実施形態においては、
図8に示すように、画像表示部67の画面左上に、既に獲得した差枚数(特定遊技が開始してからの遊技媒体の差枚数を累積した値)が表示されている(
図8においては「TOTAL +120枚」と表示している)。
【0089】
また、画像表示部67の画面右上に、特定遊技の終了条件数までの残り枚数が表示されている(
図8においては「残り 30枚」と表示している)。この終了条件数までの残り枚数は、終了条件数から既に獲得した差枚数を減算した値である。このため、遊技者は、「終了条件数までの残り枚数」に「既に獲得した差枚数」を加算することで、現在の終了条件数を知ることができる(
図8の状態における終了条件数は、120+30=150枚である)。
その他、画像表示部67には、有利区間(または特定遊技)で消化したゲーム数を表示してもよい(
図8においては「25G」と表示している)。
【0090】
(スロットマシン10の処理フロー)
次に、スロットマシン10の処理フローについて、
図9を参照しつつ説明する。
まず、
図9に示すステップS100において、スタートスイッチ30の操作が検出されるまで待機する。スタートスイッチ30の操作が検出され、所定のゲーム開始条件を満たしている場合には、ステップS105に進む。
ステップS105では、当せん抽せん手段110によって抽せんが実行され、当せん役が決定される。そして、ステップS110に進む。
【0091】
ステップS110では、有利区間中であるか否かがチェックされる。有利区間中ではない場合(通常区間中である場合)には、ステップS115に進む。有利区間中である場合には、ステップS170に進む。
【0092】
ステップS115に進んだ場合、有利区間抽せんを実行し、当せんの可否が判定される。有利区間抽せんに当せんした場合には、ステップS120に進む。有利区間抽せんに非当せんの場合には、ステップS140に進む。
【0093】
ステップS120に進んだ場合、遊技区間を通常区間から有利区間に移行させるためのフラグがセットされる。これにより、次ゲームから有利区間が開始する。そして、ステップS125に進む。
【0094】
ステップS125では、
図6に示す当せん確率に従い、パターン選択抽せんが実行される。このパターン選択抽せんにより、有利区間中に使用する分割パターンが選択される。そして、ステップS140に進む。
【0095】
ステップS170に進んだ場合、特定遊技中であるか否かがチェックされる。特定遊技中ではない場合には、ステップS175に進む。特定遊技中である場合には、ステップS185に進む。
【0096】
ステップS175に進んだ場合、特定遊技抽せんを実行し、当せんの可否が判定される。特定遊技抽せんに当せんした場合には、ステップS180に進む。特定遊技抽せんに非当せんの場合には、ステップS140に進む。
【0097】
ステップS180に進んだ場合、特定遊技(ATまたはART)を開始させるためのフラグがセットされる。これにより、次ゲームから特定遊技が開始する。また、特定遊技の終了条件数の初期値を決定するために、利益数決定抽せんが実行される。この利益数決定抽せんにおいては、ステップS125におけるパターン選択抽せんで選択されたパターンが使用される。この利益数決定抽せんで選択された利益数が、特定遊技の終了条件数となる。
【0098】
例えば、ステップS125におけるパターン選択抽せんで「パターンA」が選択された場合、このパターンAを使用して利益数決定抽せんが実行される。この利益数決定抽せんで「20枚」が選択された場合、特定遊技開始時には、
図10に示すような状態となる。この
図10に示す状態では、
図7(a)に示す「パターンA」の初期値から「20枚」のくじが1個抹消されている(「残り6回」)。この時点では特定遊技中のベット枚数は0枚、獲得枚数も0枚であるため、獲得差枚数は0枚として表示されている(「TOTAL +0枚」)。また、終了条件数が20枚、獲得差枚数が0枚であるので、終了条件数までの残り枚数は20-0=20と表示されている(「残り 20枚」)。
このように利益数決定抽せんが終了したら、ステップS140に進む。
【0099】
ステップS185に進んだ場合、特定遊技中であるため、終了条件数の上乗せ抽せんが実行される。そして、上乗せ抽せんに当せんした場合、利益数決定抽せんが実行されて、残りくじの中から上乗せされる利益数が決定される。
図10の状態であれば、6/25の確率で20枚のくじに当せんし、7/25の確率で30枚のくじに当せんし、5/25の確率で50枚のくじに当せんし、3/25の確率で100枚のくじに当せんし、2/25の確率で200枚のくじに当せんし、1/25の確率で300枚のくじに当せんし、1/25の確率で800枚のくじに当せんする。そして、当せんしたくじに割り当てられた数の利益が、終了条件数に上乗せされる(画像表示部67による表示上は、終了条件数までの残り枚数に、当せんしたくじに割り当てられた枚数が加算される)。そして、ステップS140に進む。
【0100】
ステップS140では、リール制御手段130が回転リール40の回転を開始する。このとき、現在のゲームが特定遊技中(または有利区間中)であり、押し順小役に当せんしている場合には、押し順報知制御手段210によってストップスイッチ50の押し順を報知してもよい。そして、ステップS145に進む。
【0101】
ステップS145では、ストップスイッチ50の操作が検出されるまで待機する。ストップスイッチ50の操作が検出されたら、リール制御手段130は、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40を停止する制御を行う。すべての回転リール40が停止したら、ステップS155に進む。
【0102】
ステップS155では、入賞判定手段140が、停止した回転リール40の表示態様に基づいて、入賞の判定を行う。判定の結果、当せん役に入賞している場合、その当せん役に応じた利益が遊技者に付与される。そして、ステップS160に進む。
【0103】
ステップS160では、有利区間中であり、かつ、有利区間中に獲得した差枚数が上限数(2400枚)に到達しているかがチェックされる。有利区間中ではない場合や、有利区間中に獲得した差枚数が上限数に到達していない場合は、ステップS190に進む。一方、有利区間中であり、かつ、有利区間中に獲得した差枚数が上限数に到達している場合には、ステップS165に進む。
【0104】
ステップS165に進んだ場合、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。これにより、有利区間が終了する。このとき、特定遊技を実行中であれば特定遊技も終了する。そして、ステップS100に戻って次のゲームの開始を待つ。
【0105】
ステップS190に進んだ場合、特定遊技中であり、かつ、特定遊技中に獲得した差枚数が終了条件数に到達しているかがチェックされる。特定遊技中ではない場合や、特定遊技中に獲得した差枚数が終了条件数に到達していない場合は、ステップS100に戻って次のゲームの開始を待つ。一方、特定遊技中であり、かつ、特定遊技中に獲得した差枚数が終了条件数に到達している場合には、ステップS195に進む。
ステップS195に進んだ場合、特定遊技を終了する。そして、ステップS100に戻って次のゲームの開始を待つ。
【0106】
(ゲームフローの一例)
次に、上記したような構成で実行されるゲームフローについて、
図11を参照しつつ説明する。なお、以下の例では、有利区間中において差枚数を獲得できるのは特定遊技中に限られ、すなわち、特定遊技が実行されていない有利区間中においては、差枚数が増減しない仕様となっている。また、有利区間中には速やかに特定遊技に当せんするように設定されている。例えば、有利区間中の特定遊技抽せんの当せん確率が20%以上となるように設定されている。
【0107】
まず、遊技者は通常区間の遊技において、有利区間へ移行することを目指してゲームを行う。そして、通常区間の遊技中に有利区間抽せんに当せんすると、(1)に示すように、有利区間に移行する。有利区間に移行するタイミングでパターン選択抽せんが実行され、有利区間の上限数である2400枚をどのように分割するかが決定される。上限数である2400枚は、パターン選択抽せんの結果に従い分割されて複数のくじが作成される。なお、この例では、説明の便宜上、
図5とは異なる簡略化したくじのパターンが作成される。すなわち、この例では、100枚が2個、200枚が1個、1000枚が2個のくじが作成される。なお、この時点で獲得した差枚数は0枚であるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は、有利区間の上限数と同じ2400枚である。
【0108】
この有利区間の遊技中に特定遊技抽せんに当せんすると、(2)に示すように、特定遊技が開始される。特定遊技を開始するタイミングで利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「100枚」のくじに当せんしたとする。これにより、100枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与される(終了条件数に100が加算される)ため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は2300枚(2400-100)となる。
【0109】
この特定遊技を実行中において、遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では100枚)に到達する前に上乗せ抽せんに当せんすると、(3)に示すように、利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「200枚」のくじに当せんしたとする。これにより、200枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与されるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は2100枚(2300-200)となる。
【0110】
この特定遊技を実行中において、遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では300枚)に到達する前に2回目の上乗せ抽せんに当せんすると、(4)に示すように、利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「1000枚」のくじに当せんしたとする。これにより、1000枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与されるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は1000枚(2100-1000)となる。
【0111】
その後、特定遊技で上乗せ抽せんに当せんすることなく、特定遊技中に遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では1300枚)に到達したとき(この例では1300枚の差枚数を遊技者が獲得したとき)には、(5)に示すように、特定遊技が終了する。このタイミングでは、有利区間中に遊技者の獲得した差枚数が、有利区間の上限数(2400枚)に到達していないため、有利区間は終了せずに継続する。
【0112】
この有利区間の継続中に特定遊技抽せんに当せんすると、(6)に示すように、再び特定遊技が開始する。そして、特定遊技を開始するタイミングで利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「100枚」のくじに当せんしたとする。これにより、100枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与される(終了条件数に100が加算される)ため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は1000枚(1100-100)となる。
【0113】
この特定遊技を実行中において、遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では100枚)に到達する前に上乗せ抽せんに当せんすると、(7)に示すように、利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「1000枚」のくじに当せんしたとする。これにより、1000枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与されるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は0枚(1000-1000)となる。すなわち、すべてのくじに当せんしたことになるため、残りくじが0であり、遊技者に最大の利益が付与された状態となる。
【0114】
そして、この特定遊技中に遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(1100枚)に到達すると、(8)に示すように、特定遊技が終了する。このタイミングでは、有利区間中に遊技者の獲得した差枚数が、有利区間の上限数(2400枚)に到達しているため、特定遊技の終了と同時に有利区間が終了する。このため、遊技区間は通常区間に移行するので、遊技者は再び有利区間へ移行することを目指してゲームを行う。
【0115】
(変形例に係るゲームフローの一例)
次に、変形例に係るゲームフローについて、
図12を参照しつつ説明する。この変形例では、有利区間の開始と同時に特定遊技が開始し、特定遊技の終了と同時に有利区間が終了するように構成されている。すなわち、特定遊技抽せんで特定遊技が開始するのではなく、有利区間抽せんに当せんすることで特定遊技が開始するように構成されている。そしえて、終了条件数に到達したら特定遊技が終了するが、このときに同時に有利区間も終了するように構成されている。
【0116】
この例では、まず、遊技者は通常区間の遊技において、有利区間へ移行することを目指してゲームを行う。そして、通常区間の遊技中に有利区間抽せんに当せんすると、(1)に示すように、有利区間に移行する。有利区間に移行するタイミングでパターン選択抽せんが実行され、有利区間の上限数である2400枚をどのように分割するかが決定される。上限数である2400枚は、パターン選択抽せんの結果に従い分割されて複数のくじが作成される。
【0117】
また、有利区間の開始と同時に特定遊技が開始する。特定遊技を開始するタイミングで利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「100枚」のくじに当せんしたとする。これにより、100枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与される(終了条件数に100が加算される)ため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は2300枚(2400-100)となる。
【0118】
この特定遊技を実行中において、遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では100枚)に到達する前に上乗せ抽せんに当せんすると、(2)に示すように、利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「200枚」のくじに当せんしたとする。これにより、200枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与されるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は2100枚(2300-200)となる。
【0119】
この特定遊技を実行中において、遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では300枚)に到達する前に2回目の上乗せ抽せんに当せんすると、(3)に示すように、利益数決定抽せんが実行され、1のくじが選択される。この例では、利益数決定抽せんで「1000枚」のくじに当せんしたとする。これにより、1000枚の差枚数を獲得する権利が遊技者に付与されるため、上乗せ可能な利益数(残り枚数)は1000枚(2100-1000)となる。
【0120】
その後、特定遊技で上乗せ抽せんに当せんすることなく、特定遊技中に遊技者の獲得した差枚数が終了条件数(この状態では1300枚)に到達したとき(この例では1300枚の差枚数を遊技者が獲得したとき)には、(4)に示すように、特定遊技が終了する。そして、特定遊技の終了と同時に有利区間が終了し、遊技区間は通常区間に移行する。このため、遊技者は再び有利区間へ移行することを目指してゲームを行う。
【0121】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、有利区間は、有利区間中に遊技者に付与された利益(差枚数)が予め設定された所定の上限数(例えば2400枚)に到達したときに終了する。また、特定遊技(AT)は、特定遊技中に遊技者に付与された利益が終了条件数に到達したときに終了するものであって、終了条件数は所定の上限数(例えば2400枚)の範囲で上乗せ可能に構成されている。そして、所定の上限数のうちでまだ上乗せされていない利益の数は、上乗せ可能な利益数として画像表示部67(表示手段)によって表示可能となっている。このような構成によれば、有利区間の上限数が予め遊技者に対して表示されているため、いったん付与された利益が取り消されるような印象を遊技者に与えることがない。また、有利区間の上限数に到達したときに唐突な印象を遊技者に与えることもない。よって、有利区間の上限に対する遊技者のストレスを軽減することができる。また、上乗せ可能な利益数が遊技者に表示されることで遊技者は期待感を持って遊技を行うことができるので、新たな興趣を生じさせる遊技を実現することができる。
【0122】
また、画像表示部67(表示手段)は、上乗せ可能な利益数を、遊技者に付与可能な単位(本実施形態においては、10枚、20枚、30枚、50枚、100枚、200枚、300枚、500枚、800枚、1000枚といういずれかの単位)で分割して表示している。このような構成によれば、遊技者は、獲得可能な利益を単位ごとに認識することができる。よって、上乗せ可能な利益数を直観的に把握することができる。また、すべての単位をコンプリートする楽しみが生じるので、遊技の興趣が高まる。
【0123】
また、上乗せ可能な利益数を複数のくじに分割し、くじに当せんしたときに、当該くじに割り当てられた数の利益が終了条件数に上乗せされるようにしている。このような構成によれば、くじを順番に引き当てていくことで終了条件数を徐々に上乗せしていく遊技性が生まれるので、遊技者の興趣を高めることができる。
【0124】
また、有利区間を開始するときに、くじの分割パターンを選択するパターン選択抽せんを実行するようにしている。このような構成によれば、どの分割パターンが選択されるかによって、上乗せのしやすさなどのゲーム性が変化するため、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0125】
なお、上記した実施形態においては、終了条件数として、遊技者に払い出された遊技媒体の差枚数を使用するようにしたが、これに限らず、終了条件数として別の値を使用するようにしてもよい。
【0126】
例えば、終了条件数として、有利区間の消化ゲーム数を使用するようにしてもよい。具体的には、遊技者に付与された利益(有利区間の消化ゲーム数)が終了条件数に到達したときに有利区間が終了するようにしてもよい。そして、この終了条件数は、所定の上限数(例えば1500ゲーム)の範囲で上乗せ可能に構成してもよい。このような構成は、上記したくじに「差枚数」を割り当てる代わりに「消化ゲーム数」を割り当てるようにすることで実現可能である。これにより、上乗せ抽せんに当せんすることで、終了条件数が最大1500ゲームまで上乗せされるようにすることができる。このような構成であっても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、有利区間の消化ゲーム数が終了条件数に到達する前に、有利区間中の獲得差枚数が2400枚を超えてしまった場合には、有利区間を終了するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
10 スロットマシン
11 筐体
12 表示窓
13 図柄表示窓
14 メダル投入口
15 投入スイッチ
16 ベットスイッチ
17 精算スイッチ
18 メダル払い出し口
20 制御装置
30 スタートスイッチ
31 前扉
31A 操作部
31B 下パネル
31C 下皿
32 クレジット表示部
40 回転リール
41 左リール
42 中リール
43 右リール
50 ストップスイッチ
51 左ストップスイッチ
52 中ストップスイッチ
53 右ストップスイッチ
60 リールユニット
65 ホッパーユニット
66 演出部
67 画像表示部(表示手段)
68 ランプ
69 スピーカ
100 遊技状態制御手段
110 当せん抽せん手段
120 役抽せんテーブル
130 リール制御手段
140 入賞判定手段
150 ホッパー制御手段
200 演出制御手段
210 押し順報知制御手段
220 設定手段
230 特定遊技制御手段
240 遊技区間制御手段