(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019094320
(22)【出願日】2019-05-20
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】河邉 法広
(72)【発明者】
【氏名】清原 賢二
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-080867(JP,A)
【文献】特開2018-166812(JP,A)
【文献】特開2011-240037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の判定処理で小当たりの判定を行うと、特別入賞口を開放させる小当たり遊技状態を制御可能とし、前記判定処理で大当たりの判定を行うと、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を制御可能な遊技制御手段を備える遊技機において、
所定の演出を実行可能な演出制御手段を備え、
前記大当たりには、第1大当たりと、前記第1大当たりよりも遊技者にとって有利な第2大当たりとがあり、
前記遊技制御手段は、
所定の条件が成立することで、前記小当たり遊技状態が実行され易い小当たり入賞容易遊技状態を制御可能とし、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段によ
って前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状
態に制御されていることを示唆する状態示唆背景画像を
前記一方の遊技状態の制御が終了するまで表示可能とし、
前記遊技制御手段により前記一方の遊技状態の制御が終了となり、前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、他方の遊技状態の制御が開始されても、前記状態示唆背景画像を変更することなく当該状態示唆背景画像の表示を継続可能とし、
前記小当たり入賞容易遊技状態での前記状態示唆背景画像の表示中に、前記判定処理で前記第2大当たりの判定が行われた場合には、前記状態示唆背景画像を前記第2大当たりに基づく前記大当たり遊技状態であることを示唆する第2大当たり示唆背景画像に変更可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりパチンコ遊技機には、始動口(入球口)への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、大当たり当選である場合に大入賞口を開放させる大当たり遊技状態に制御するものがある。この種のパチンコ遊技機では、例えば下記特許文献1のように、大当たり遊技状態の終了後に所定の遊技状態(高確率状態且つ非入球容易状態)に移行可能となるものがある。
【0003】
上述した所定の遊技状態は、小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態である。遊技者はその所定の遊技状態で実行された小当たり遊技状態にて開放された大入賞口に遊技球を入球させることで、徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能となっている。
【0004】
また小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態に移行可能な遊技機において、大当たり遊技状態や、小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態で、それぞれ異なる演出が実行可能であり、これらの演出によって遊技者を楽しませることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態で実行される演出には、未だ遊技興趣を高めるための改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、斬新な演出を提供して、遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、
所定の判定処理で小当たりの判定を行うと、特別入賞口を開放させる小当たり遊技状態を制御可能とし、前記判定処理で大当たりの判定を行うと、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を制御可能な遊技制御手段を備える遊技機において、
所定の演出を実行可能な演出制御手段を備え、
前記大当たりには、第1大当たりと、前記第1大当たりよりも遊技者にとって有利な第2大当たりとがあり、
前記遊技制御手段は、
所定の条件が成立することで、前記小当たり遊技状態が実行され易い小当たり入賞容易遊技状態を制御可能とし、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段によって前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態に制御されていることを示唆する状態示唆背景画像を前記一方の遊技状態の制御が終了するまで表示可能とし、
前記遊技制御手段により前記一方の遊技状態の制御が終了となり、前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、他方の遊技状態の制御が開始されても、前記状態示唆背景画像を変更することなく当該状態示唆背景画像の表示を継続可能とし、
前記小当たり入賞容易遊技状態での前記状態示唆背景画像の表示中に、前記判定処理で前記第2大当たりの判定が行われた場合には、前記状態示唆背景画像を前記第2大当たりに基づく前記大当たり遊技状態であることを示唆する第2大当たり示唆背景画像に変更可能であることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機によれば、斬新な演出を提供して、遊技興趣を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図3】(A)は電チューの開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図であり、(B)は電チューの開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。
【
図4】(A)は大入賞口の開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図であり、(B)は大入賞口の開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。
【
図5】
図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図6】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図10】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図12】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図14】各種の演出モードが設定されているときの背景画像を示す図である。
【
図18】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図19】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図22】第1特別動作処理のフローチャートである。
【
図23】第2特別動作処理のフローチャートである。
【
図24】第1特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図25】特
図1大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図26】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図28】第2特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図29】特
図2大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図30】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図31】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図32】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図33】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図34】第1特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図35】第2特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図36】第1特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図37】特
図2強制停止処理のフローチャートである。
【
図38】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図39】第2特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図40】特
図1強制停止処理のフローチャートである。
【
図41】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図42】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図43】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図44】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図45】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図46】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図47】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図48】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図49】モードステータス設定処理のフローチャートである。
【
図50】バトルRUSHモード移行設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
【0012】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(
図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
【0013】
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(
図1において不図示)が設けられている。
【0014】
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0015】
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0016】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0017】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0018】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0019】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(
図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(
図5参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0020】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0021】
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、第1固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、第1固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0022】
また、遊技領域6における電チュー12Dの左下方には、大入賞口14を備えた大入賞装置14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、大入賞口ソレノイド14s(
図6参照)により駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この大入賞口14は、後述する大当たり遊技(大当たり遊技状態)の実行中、又は後述する小当たり遊技(小当たり遊技状態)の実行中に開放する。つまり、大入賞口14は、小当たり遊技や大当たり遊技における兼用のアタッカーになっている。
【0023】
また、遊技領域6における大入賞口14の右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
【0024】
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
【0025】
また、遊技領域6における電チュー12Dの上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、第1始動口11の左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0026】
遊技領域6における大入賞口14の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口20(第3入球口)を備える第3始動入賞装置20Dが設けられている。第3始動口20を、第3入球口や、第2固定入球口、第3始動入賞口、第3始動領域ともいう。また第3始動入賞装置20Dを、第3入球手段や、第2固定入球手段、第3始動入賞装置ともいう。第3始動口20への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0027】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0028】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0029】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、大入賞口14(大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、大入賞口14、第2始動口12、第3始動口20への入賞を狙うことができる。
【0030】
ここで、
図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、
図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
【0031】
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている大入賞口14や第3始動口20の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う低確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球して、第3始動口20に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に大入賞口14が開放されていても、大入賞口14に入球することがほとんどない。
【0032】
一方、
図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、大入賞口14の方に向かうと共に、第3始動口20の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、第3始動口20に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、開放した大入賞口14に入球することが可能である。
【0033】
続いて、
図4に基づいて、電チュー開閉部材12kが閉状態であって大入賞口14が開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であって大入賞口14が閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。また本形態では、電チュー開閉部材12kが閉状態であれば、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、
図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、左方に流下した遊技球が大入賞口14の方に向かうと共に、第3始動口20の方に向かうようになっている。
【0034】
図4(A)を用いて、電チュー開閉部材12kが閉状態であって大入賞口14が開状態であるときの遊技球の流れについて説明する。
図4(A)に示すように、閉状態となっている電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。
図4(A)に示すように、AT開閉部材14kが開放状態で、大入賞口14が開状態であるときには、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下した遊技球は大入賞口14にそのまま入球し得る。そのため、大入賞口14が開状態である場合には、遊技球は大入賞口14にほとんど入賞することになるため、大入賞口14の直下に設けられている第3始動口20に遊技球が入球することがほとんどない。つまり、後述する大当たり遊技や後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)で小当たり遊技が実行されている場合には、大入賞口14が開放していることで、右打ちされた遊技球はほとんど大入賞口14へと入球することになるため、第3始動口20に入球することがほとんどない。
【0035】
次に、
図4(B)を用いて、電チュー開閉部材12kが閉状態であって大入賞口14が閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。
図4(B)に示すように、閉状態となっている電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。
図4(B)に示すように、AT開閉部材14kが閉鎖状態となっているため、大入賞口14が閉状態であり、そのまま遊技球は大入賞口14に入球することなく、その大入賞口14よりも下流へと流下することになる。これにより、大入賞口14よりも下流に流下した遊技球は、大入賞口14の直下に設けられている第3始動口20に入球することが可能である。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)で、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖し、且つ大入賞口14が閉鎖しているときに、第3始動口20に入球することが可能である。
【0036】
図4を用いて説明したように、右遊技領域6Rに第3始動口20と大入賞口14を配置し、大入賞口14の直下に第3始動口20を配置することで、後述する高確非時短状態にて、遊技者は右遊技領域6Rに向けて遊技球を発射し、その遊技球が右遊技領域6Rを流下していき、流下した第3始動口20に入球して、第2特別図柄の抽選が行われ、第2特別図柄の抽選にて小当たり当選すると、小当たり遊技が実行されることになる。これにより、遊技者は遊技球を右遊技領域6Rに向けて継続して発射させて、右遊技領域6Rを流下する遊技球を小当たり遊技にて開放される大入賞口14に入賞させることが可能となっている。その後小当たり遊技の実行が終了しても、遊技者は遊技球を右遊技領域6Rに向けて継続して発射させて、右遊技領域6Rを流下する遊技球を第3始動口20に入球させることが可能となっている。
【0037】
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。
図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0038】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0039】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0040】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
【0041】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0042】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口20のいずれの始動口に遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11又は第2始動口12への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第3始動口20への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0043】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口20のいずれの始動口への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
【0044】
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0045】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0046】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0047】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0048】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0049】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0050】
2.遊技機の電気的構成
次に
図6及び
図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図6及び
図7に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0051】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0052】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0053】
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0054】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0055】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ20aは、第3始動口20内に設けられて、第3始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。本形態では、大入賞口14に遊技球が1個入賞し、1個の遊技球が検出されると、15個の賞球を遊技者に払い出される。
【0056】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および大入賞口ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0057】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)によりなされる。
【0058】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0059】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0060】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0061】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0062】
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0063】
また
図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
【0064】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0065】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0066】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0067】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0068】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0069】
なお
図6及び
図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図6及び
図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図6又は
図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図6又は
図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0070】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。但し本形態では、第2特別図柄の抽選がなされる場合に限って、第2特別図柄表示器41bに小当たり図柄が停止表示されることがあって、第1特別図柄の抽選がなされる場合には、第1特別図柄表示器41aに小当たり図柄が停止表示されることはない。
【0071】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態ではインターバル時間は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0072】
また特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて大入賞口14を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、大入賞口14を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0073】
大当たり(大当たり図柄)には、
図8に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に移行させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)に移行させる大当たりである。
【0074】
図8に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的に、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特
図1_確変図柄」が停止表示される。これに対して、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなる場合に、大当たり図柄として「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0075】
また、第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には、3種類ある。具体的には、第2特別図柄の抽選で確変大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特
図2_確変図柄1」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり3となる場合には、大当たり図柄として「特
図2_確変図柄2」が停止表示される。これらに対して、第2特別図柄の抽選で通常大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特
図2_通常図柄」が停止表示される。
【0076】
そして、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が100回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(規定回数)のことである。
【0077】
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「通常遊技状態」や「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、通常遊技状態である。
【0078】
図8に示すように、第1特別図柄の抽選で、確変大当たり1に当選する場合(特
図1_確変図柄1(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。本形態では、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1に当選し、実行された大当たり遊技が終了すると(所定の条件)、高確非時短状態に移行可能である。
【0079】
これらに対して、第1特別図柄の抽選で、通常大当たりに当選する場合(特
図1_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が100回に設定される。なお、特
図1_確変図柄と、特
図1_通常図柄に対する振分率は、65%:35%に設定されている。
【0080】
また
図8に示すように、第2特別図柄の抽選で、確変大当たり2に当選する場合(特
図2_確変図柄1(第2大当たり当選))が停止表示する場合、又は確変大当たり3に当選する場合(特
図2_確変図柄2(第3大当たり当選))が停止表示する場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確非時短状態に制御される。本形態では、第2特別図柄の抽選で確変大当たり2又は確変大当たり3に当選し、実行された大当たり遊技が終了すると(所定の条件)、高確非時短状態に移行可能である。
【0081】
これらに対して、第2特別図柄の抽選で、通常大当たり2に当選する場合(特
図2_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が100回に設定される。なお、特
図2_確変図柄1と、特
図2_確変図柄2と、特
図2_通常図柄に対する振分率は、45%:20%:35%に設定されている。
【0082】
また
図8に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりが、確変大当たり1である場合、5R大当たりである。この5R大当たりでは、1Rから5Rまで、1ラウンド当たり最大1.8秒の大入賞口14の開放を5回行う。従って、1ラウンド当たりの大入賞口14の総開放時間は最大9.0秒である。またラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態の確変大当たり1である場合、1ラウンド当たりの開放時間が短いため賞球が少ないため、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞することが困難なラウンドとなっている。
【0083】
一方、
図8に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりが、通常大当たり1である場合、5R大当たりである。この5R大当たりでは、1Rから5Rまで大入賞口14を最大29.5秒にわたって1回開放する。またラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態の通常大当たり1である場合、1ラウンド当たりの開放時間が長いため、実質的なラウンド数は5ラウンドである。ここで実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
【0084】
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりが、確変大当たり2である場合には、10R大当たりである。この10R大当たりでは、1Rから10Rまで、1ラウンド当たり最大1.8秒の大入賞口14の開放を5回行う。従って、1ラウンド当たりの大入賞口14の総開放時間は最大9.0秒である。またラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態の確変大当たり2である場合、1ラウンド当たりの開放時間が短いため賞球が少ないため、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞することが困難なラウンドとなっている。
【0085】
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりが、確変大当たり3である場合には、10R大当たりである。この10R大当たりでは、1Rから10Rまで大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。またラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態の確変大当たり3である場合、1ラウンド当たりの開放時間が長いため、実質的なラウンド数は10ラウンドである。
【0086】
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりが、通常大当たり2である場合には、5R大当たりである。この5R大当たりでは、1Rから5Rまで、1ラウンド当たり最大1.8秒の大入賞口14の開放を5回行う。従って、1ラウンド当たりの大入賞口14の総開放時間は最大9.0秒である。またラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、4.0秒に設定されている(
図8参照)。本形態の通常大当たり2である場合、1ラウンド当たりの開放時間が短いため賞球が少ないため、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞することが困難なラウンドとなっている。
【0087】
また本形態では、上述したように、第2特別図柄の抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、
図8に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、大入賞口14が最大1.8秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_小当たり図柄」が停止表示される。
【0088】
本形態では、上記したように特別図柄の抽選により確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合でも実行される大当たり遊技の1ラウンドは、最大1.8秒の大入賞口14の開放を5回行う(
図8参照)。従って、1ラウンド当たりの大入賞口14の総開放時間は最大9.0秒である。一方、本形態の小当たり遊技では、上述した大当たり遊技にて開放される大入賞口と同じ大入賞口14が最大1.8秒で1回開放される(
図8参照)。よって、上述した大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)と、上述した小当たり遊技における大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)は、同じ開放時間となる(
図8参照)。これにより、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様(単位開放遊技における特別入賞口の開放態様)と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様(小当たり遊技における特別入賞口の開放態様)は同じとなる(
図8参照)。そのため、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の開放態様か、又は高確非時短状態にて実行された小当たり遊技における大入賞口14の開放態様かを、遊技者に判別させ難くすることが可能となる。
【0089】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図9(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。
図9(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口20のいずれの始動口への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0090】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0091】
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、
図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0092】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図10(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0093】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図11参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
【0094】
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0095】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では
図10(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では7秒であるのに対して、時短状態では1.0秒である。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
【0096】
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には
図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが0.2秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放する。
【0097】
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図12参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には
図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
【0098】
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
【0099】
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0100】
ところで本形態では、非入球容易状態では、右打ちされた遊技球は、電チュー12Dに入球し難く設定されている。即ち、
図10(C)に示すように、非時短状態は、時短状態と異なり、普通図柄の抽選で当たりと判定され難い。また
図10(D)に示すように、非時短状態における普通図柄の変動時間は、時短状態における普通図柄の変動時間よりも、長い時間(7秒)に設定されている。
【0101】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
【0102】
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0103】
電サポ制御状態を伴う低確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0104】
これに対して、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(
図11参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
【0105】
本形態では、第2特別図柄の抽選において、
図10(A)に示すように、約5分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的頻繁に当選することが可能である。そのため、第2特別図柄の抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、大入賞口14が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
【0106】
ここで電サポ制御状態を伴う低確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、第3始動口20に入球することがほとんどない。つまり、第3始動口20に入球して、特
図2の抽選が実行されて、小当たり遊技によって大入賞口14が開放しても、大入賞口14への入賞をほぼ得ることができない。
【0107】
これに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちにより右遊技領域6R(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。右打ちされた遊技球は、上述したように、第3始動口20に入球し得る。そのため、第2特別図柄の抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって大入賞口14が開放し得る。この場合、高確非時短状態において、小当たり遊技で大入賞口14が開放されれば、右遊技領域6Rに配置されている大入賞口14の下流に第3始動口20が配置されているため、右打ちから左打ちに変更することなく、続けて右打ちされた遊技球が、
図4(A)に示すように大入賞口14に入賞させることが可能となっている。また、通常遊技状態である場合に選択される変動パターン(変動パターンP21、変動パターンP22、変動パターンP23)に基づく変動時間(6000000ms)よりも、高確非時短状態である場合に選択される変動パターン(変動パターンP31、変動パターンP32、変動パターンP33、変動パターンP34)に基づく変動時間(4000ms、4000ms、7000ms、5000ms)は極めて短い(
図11参照)。そのため、通常遊技状態よりも、高確非時短状態にて第2特別図柄の抽選にて小当たり当選した場合には、小当たり遊技がスムーズに実行されることになる。これにより、高確非時短状態では、右打ちされた遊技球が第3始動口20に入球することで、高い確率で第2特別図柄の抽選で小当たり当選し、極めて短い変動時間に基づく変動表示が行われて、小当たり図柄が停止表示されるため、通常遊技状態である場合よりも小当たり遊技が実行され易いことになる。また通常遊技状態や低確時短状態である場合よりも、高確非時短状態にて実行される小当たり遊技にて開放される大入賞口14に遊技球を入賞させることが容易となる。これにより、高確非時短状態では、始動口への入賞、大入賞口への入賞を得ることができる。
【0108】
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態(小当たり入賞容易遊技状態)は、電サポ制御状態を伴う低確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、低確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態(特別遊技状態)は、小当たり当選に基づく大入賞口14の開放により、通常遊技状態や時短状態である場合よりも大入賞口14へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態(小当たり入賞容易遊技状態)」とも称する。
【0109】
ここで本形態では、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態で、右打ちされた遊技球が第3始動口20に入球し得るように設定したため、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が第3始動口20に入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
【0110】
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、
図11に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
【0111】
本形態では、高確非時短状態において第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合には、変動パターンP31が選択され、その変動パターンP31に基づく変動時間は4000ms(4.0秒)である(
図11参照)。また高確非時短状態において、第2特別図柄の抽選で大当たり当選した場合には、変動パターンP32が選択され、その変動パターンP32に基づく変動時間は4000ms(4.0秒)である(
図11参照)。よって、変動パターンP31に基づく変動時間と変動パターンP32に基づく変動時間は同じである。これにより、高確非時短状態における特別図柄の変動時間の長さによって、特別図柄の抽選にて当たり当選した場合に、大当たり遊技又は小当たり遊技が実行されるか否かを把握させ難くすることが可能となっている。
【0112】
また本形態では、上述したように、大当たり遊技におけるインターバル時間は4.0秒である(
図8参照)。本形態では、変動パターンP32に基づく変動時間(4000ms(4.0秒)、
図8参照)と大当たり遊技におけるインターバル時間は同じ時間となっている(
図11参照)。これにより、大当たり遊技における1回のラウンド遊技が終了して、次のラウンド遊技が開始されるまでにかかる時間と、小当たり遊技の実行終了し、第2特別図柄の抽選で小当たり当選して、第2特別図柄の変動表示後に、次の小当たり遊技の実行開始までにかかる時間を同じぐらいにすることが可能となる。そのため、大当たり遊技が実行されているのか、又は高確非時短状態にて小当たり遊技が実行されているのかを遊技者に把握させ難くすることが可能となる。
【0113】
なお
図8に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、1ラウンド当たりの大入賞口14が開放されるラウンド数が10Rである確変大当たり2又は確変大当たり3があるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、1ラウンド当たりの大入賞口14が開放されるラウンド数が5Rである確変大当たり1や通常大当たり1がある。これにより、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、大当たり遊技の実行中に開放される大入賞口14への入賞によって獲得可能な賞球数よりも、第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に、大当たり遊技の実行中に開放される大入賞口14への入賞によって獲得可能な賞球数の方が多くなり得る。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さにより、第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
【0114】
5.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機PY1の遊技の流れについて、
図13に基づいて説明する。
図13に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、低確時短状態と、高確非時短状態との間を移行しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒低確時短状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。なお
図13では、低確非時短状態に移行する場合を黒色の矢印で示していて、低確時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示していて、バトルRUSHモードに移行する場合を白抜きの矢印で示している。ここでバトルRUSHモード(示唆演出)とは、高確非時短状態や確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3)に当選した場合に実行される大当たり遊技、又は高確非時短状態にて通常大当たりに当選して実行される大当たり遊技に対応する演出モードのことである(
図8参照)。即ち、バトルRUSHモードに設定されている場合とは、確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3)に当選して、大当たり遊技が実行されている場合、高確非時短状態にて通常大当たりに当選して大当たり遊技が実行されている場合、又は高確非時短状態に制御されている場合のいずれかである。本形態のバトルRUSHモードは、高確非時短状態に制御されている場合、確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3)の大当たりに当選して、実行される大当たり遊技が実行されている場合、又は高確非時短状態にて通常大当たりに当選して大当たり遊技が実行されている場合のうち、いずれかの場合であることを示唆する演出モードのことである。
【0115】
低確非時短状態では、第1始動口11や一般入賞口10へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特
図1の抽選で大当たりを狙うことになる。
図13に示すように、低確非時短状態にて特
図1の抽選で大当たりに当選すると、65%の確率で特
図1_確変図柄(
図13では、特
図1_11Hと示す)になる。この場合、大当たり遊技後の高確非時短状態に移行する。
【0116】
また、低確非時短状態にて特
図1の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特
図1_通常図柄(
図13では、特
図1_12Hと示す)になる。この場合、大当たり遊技後の低確時短状態では、時短回数が100回に設定される。なお、低確時短状態にて特図の変動回数が規定回数(100回)に至ると、低確非時短状態(通常遊技状態)へ移行することになる。従って、遊技者は左打ちを行って、特
図1の抽選で再び大当たりへの当選を狙うことになる。
【0117】
ここで高確非時短状態では、右打ちにより第3始動口20への入球を狙うことになる。本形態では、第3始動口20に入球し、第2特別図柄の抽選により、小当たり当選すると、大入賞口14が開放される小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に、大入賞口14に入賞させることで持ち球を増やすことが可能となっている。なお大入賞口14の開放中である場合には、大入賞口14に遊技球が入賞することになるため、
図4(B)に示すように第3始動口20に入球することがほとんどない。従って、高確非時短状態が続く限り(次回の大当たりを引き当てない限り)、遊技者は、第3始動口20に遊技球を入球させ、第2特別図柄の抽選により、小当たり当選し、実行された小当たり遊技にて開放される大入賞口14への入賞によって、持ち球を徐々に増やす(ベースが1を超える)ことが可能である。
【0118】
これに対して、低確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、
図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、大入賞口14や第3始動口20に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
【0119】
図13に示すように、高確非時短状態にて、特
図2の抽選で大当たりに当選すると、45%の確率で特
図2_確変図柄1(
図13では、特
図2_21Hと示す)になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特
図1_確変図柄に当選した場合と同様である。また高確非時短状態にて、特
図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特
図2_確変図柄2(
図13では、特
図2_22Hと示す)になる。この場合、特
図2_確変図柄1に当選した場合の大当たり遊技でのラウンド数は同様だが、1ラウンドにおける大入賞口14の開放回数が少なく、特
図2_確変図柄1に当選した場合に実行される大当たり遊技よりも、1ラウンド当たりの大入賞口14の開放時間が長い(
図8参照)。1ラウンド当たりにおける大入賞口14の開放時間が長いため、特
図2_確変図柄1に当選した場合の大当たり遊技よりも、特
図2_確変図柄2に当選した場合の大当たり遊技の方が、獲得可能な賞球数が多くなる。
【0120】
また高確非時短状態にて、特
図2の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特
図2_通常図柄(
図13では、特
図2_23Hと示す)になる。この場合には、上記した特
図1_通常図柄に当選した場合と同様、大当たり遊技後に低確時短状態に制御される。なお、低確時短状態にて特図の変動回数が規定回数(100回)に至ると、低確非時短状態(通常遊技状態)へ移行することになる。
【0121】
また
図13に示すように、低確確時短状態にて、特
図1の抽選で大当たりに当選すると、65%の確率で特
図1_確変図柄(
図13では、特
図1_11Hと示す)になる。また低確時短状態にて、特
図1の抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で特
図1_通常図柄(
図13では、特
図1_12Hと示す)になる。この場合には、大当たり遊技後に低確時短状態に制御される。なお、低確時短状態にて特図の変動回数が規定回数(100回)に至ると、低確非時短状態(通常遊技状態)へ移行することになる。
【0122】
本形態では各遊技状態などに対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50の表示画面50aに表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では
図14に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、低確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態、確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3)に当選した場合に実行される大当たり遊技、及び高確非時短状態にて通常大当たりに当選して実行される大当たり遊技に対応するバトルRUSHモードとがある。
【0123】
昼モードに設定されているときには、
図14(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。
【0124】
夜モードに設定されているときには、
図14(B)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(低確時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、
図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。また夜モードに設定されているときには、表示画面50aにて、低確時短状態における特別図柄の変動表示の回数を示す残り回数画像KMが表示される。表示画面50aにて残り回数画像KMが表示されることで、遊技者に低確時短状態にて特別図柄の変動表示可能な回数を把握させることが可能となる。即ち、遊技者に残り回数画像KMを確認させることで低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの特別図柄の変動表示の残り回数を把握させることが可能となる。
【0125】
本形態では、通常遊技状態である場合に特別図柄の抽選により確変大当たり1に当選して、その確変大当たり1に基づく大当たり遊技が実行されると、バトルRUSHモードに設定される。確変大当たり1に当選して実行された大当たり遊技の実行が終了となり、パチンコ遊技機PY1の遊技状態が高確非時短状態に制御されても、バトルRUSHモードは継続して設定されることになる。その後、バトルRUSHモードに設定されている場合に、特別図柄の抽選で通常大当たりに当選し、実行された大当たり遊技が終了となると、低確時短状態への移行に伴って、バトルRUSHモードが終了となる。そして夜モードに設定されることになる。ここでバトルRUSHモードに設定されているときには、
図14(C)に示すように、表示画面50aに宇宙を示すバトル画像BTが表示される場合がある。そのため、バトル画像BTを見た遊技者に対して、大当たり遊技が実行されているか、又は最も有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に制御されているかを把握させることが可能となる。
【0126】
またバトルRUSHモードの設定中には、
図14(C)に示すように、表示画面50aの左下部に獲得賞球数画像KS(遊技者が獲得した賞球数に関する情報を示す特定表示)が表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者はバトルRUSHモードの設定中に、大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数を把握することが可能となる。その他にも、バトルRUSHモードの設定中には、
図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口20、及び大入賞口14への入賞を狙うことが可能である。なお第3始動口20、大入賞口14への入賞を促す演出は、右打ち画像Raの表示に限られず、その他の画像の表示や、特定のランプの発光や特定の音声の出力等であっても良い。
【0127】
6.演出例
次に本形態の演出例について、
図15から
図17を用いて説明する。先ず
図15(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、表示画面50aにて第1特別図柄の抽選に基づく変動演出が実行される。この第1特別図柄の抽選にて、特
図1_確変図柄(
図8参照)に当選したこととする。その後、
図15(B)に示すように、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が「7」で停止表示し、リーチ状態となる。そして、
図15(C)に示すように、「777」のゾロ目で演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が停止表示される。
【0128】
その後、大当たり遊技のオープニング演出が開始されると、
図15(D)に示すように、表示画面50aにてバトルRUSH突入画像RTが表示される。表示画面50aにバトルRUSH突入画像RTが表示されることで、遊技者に特別図柄の抽選にて確変大当たりに当選したこと、大当たり遊技の実行が開始されること、及びバトルRUSHモードへ移行することを把握させることが可能となる。
【0129】
そして大当たり遊技の実行が開始されると、
図15(E)に示すようにバトルRUSHモードに設定される。バトルRUSHモードに設定されているときには、表示画面50aにてバトル画像BTが表示される場合がある。表示画面50aにバトル画像BTが表示されることで、遊技者に大当たり遊技の実行中であることを把握させることが可能となる。また
図15(E)に示すように、表示画面50aの左下部に、「0200pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が200個であることを把握させることが可能となる。
【0130】
その後大当たり遊技の実行が終了して、高確非時短状態に移行すると、
図15(F)に示す演出例が表示画面50aに表示される。
図15(F)に示すように、表示画面50aにてバトル画像BTが継続して表示される。
図15(F)に示すように、表示画面50aにバトル画像BTが継続して表示されることで、遊技者に大当たり遊技の実行が長く続いているように思わせることが可能となる。また
図15(F)に示すように、表示画面50aの右下方には、小さい演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が変動表示されている。表示画面50aの右下方に小さい演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)を変動表示させることで、遊技者に高確非時短状態にて特別図柄が変動表示中であることを把握させることが可能となる。また
図15(F)に示すように、表示画面50aの左下部に、「0225pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が225個であることを把握させることが可能となる。
図15(F)に示すように、表示画面50aの右上方に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口20への入球又は大入賞口14への入賞を狙うことが可能である。その後、
図16(A)に進むことになる。
【0131】
図16(A)に示すように、表示画面50aにてバトル画像BTが継続して表示される。表示画面50aの右下方に、左演出図柄EZ1で「2」、中演出図柄EZ2で「4」、右演出図柄EZ3で「6」が停止表示されている。表示画面50aの右下方に、左演出図柄EZ1で「2」、中演出図柄EZ2で「4」、右演出図柄EZ3で「6」が停止表示されることで、遊技者に特別図柄の抽選で小当たり当選したことを把握させることが可能となる。また
図16(A)に示すように、表示画面50aの左下部に、「0225pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が225個であることを把握させることが可能となる。
【0132】
そして小当たり遊技の実行が開始されても、
図16(B)に示すように、表示画面50aにてバトル画像BTが継続して表示される。また
図16(B)に示すように、表示画面50aの左下部に、「0285pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が285個であることを把握させることが可能となる。
【0133】
その後小当たり遊技の実行が終了して、複数回高確非時短状態で第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、小当たり遊技が複数回行われることになる。その後、
図16(C)に示す演出例が表示画面50aに表示されることになる。なお
図16(C)から
図16(F)に示す演出例では、第2特別図柄の抽選で確変大当たり3に当選したことを前提で説明する。
図16(C)に示すように、表示画面50aの右下方には、小さい演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が変動表示されている。また
図16(C)に示すように、表示画面50aの左下部に、「1100pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が1100個であることを把握させることが可能となる。
【0134】
図16(D)に示すように、表示画面50aの右下方には左演出図柄EZ1で「7」、右演出図柄EZ3で「7」が停止表示され、リーチ状態となっている。その後
図16(E)に示すように、表示画面50a上の右下方に、「777」のゾロ目で演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が停止表示される。
【0135】
本形態では、第2特別図柄の抽選にて確変大当たり3に当選して、大当たり遊技が実行される場合にのみ、
図16(F)に示すように、SUPERバトルRUSHゾーンに突入する。SUPERバトルRUSHゾーン中は、表示画面50aにバトル画像BTが表示されず、
図16(F)に示すように表示画面50aにてSUPERバトル画像SRが表示される。また
図16(F)に示すように表示画面50aにてSUPERバトル画像SRが表示されることで、遊技者に確変大当たり3に基づく大当たり遊技が実行されていることを把握させることが可能となる。また確変大当たり3に基づく大当たり遊技が実行される場合のみ
図16(F)に示すように表示画面50aにてSUPERバトル画像SRが表示されるため、本形態にて最も遊技者にとって有利な確変大当たり3に基づく大当たり遊技が実行されていることを遊技者に把握させることが可能となる。即ち、大当たり図柄の中でも最も有利な大当たり図柄(特
図2_確変図柄2)を引き当てたことによる満足感を与えることが可能である。本形態では、確変大当たり3に基づく大当たり遊技の実行が終了すると、SUPERバトルRUSHゾーンが終了し、これに伴って、表示画面50aにて表示されたSUPERバトル画像SRも終了となる。
【0136】
確変大当たり3に基づく大当たり遊技の実行が終了して高確非時短状態に移行すると、
図16(G)に示すように表示画面50aにてバトル画像BTが表示される。表示画面50aにバトル画像BTが表示されることで、遊技者に確変大当たり3に基づく大当たり遊技が終了して、その大当たり遊技後に高確非時短状態に移行したことを把握させることが可能となる。また
図16(G)に示すように、表示画面50aの左下部に、「2600pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が2600個であることを把握させることが可能となる。その後、大当たり遊技の実行が終了して、複数回高確非時短状態で第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、小当たり遊技が3回ほど行われることになる。そして、
図17(A)に進む。
【0137】
図17(A)に示すように、表示画面50aにてバトル画像BTが継続して表示される。なお
図17(A)から
図17(E)は、第2特別図柄の抽選で通常大当たり2に当選し、大当たり遊技の実行が終了するまでを示す演出例である。表示画面50aの右下方に、演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が変動表示されている。表示画面50aの左下部に、「3000pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者に大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて獲得した賞球数が3000個であることを把握させることが可能となる。
【0138】
その後、
図17(B)に示すように左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が「7」で停止し、リーチ状態となる。そして、特別図柄の抽選にて通常大当たり2に当選した場合には、
図17(C)に示すように、「222」のゾロ目で演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が停止表示される。
【0139】
そして大当たり遊技が実行されても、
図17(D)に示すように表示画面50aにバトル画像BTが継続して表示され、遊技者に高確非時短状態が長く制御されているように思わせることが可能となる。また
図17(D)に示すように、表示画面50aの左下部に、「3150pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示される。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードに設定されている場合に、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した賞球数が3150個であることを把握させることが可能となる。
【0140】
そして、通常大当たり2に当選した場合に実行される大当たり遊技のエンディングでは、
図17(E)に示すように表示画面50aにてエンディング演出が実行される。
図17(E)に示すエンディング演出では、表示画面50aにてバトルRUSHモード終了と示すバトルRUSHエンディング画像RSが表示される。また
図16(E)に示すように、表示画面50aの左下部に、「3750pt」と示す獲得賞球数画像KSが表示されている。この獲得賞球数画像KSの表示により、遊技者に通常遊技状態にて確変大当たりに当選して大当たり遊技が実行されることに伴って、バトルRUSHモードに設定されてから通常大当たり2に基づく大当たり遊技の実行が終了するまでに、大当たり遊技や高確非時短状態での小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入賞させて獲得した総賞球数が3750個であることを把握させることが可能となる。
【0141】
第2特別図柄の抽選にて通常大当たり2に当選し、実行された大当たり遊技が終了して、低確時短状態に制御される場合には、
図17(F)に示すように夜モードに設定される。夜モードに設定されているときには、表示画面50aにて夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(低確時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、
図17(F)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。また夜モードに設定されているときには、表示画面50aにて、低確時短状態における特別図柄の変動表示の回数を示す残り回数画像KMが表示される。
図17(F)に示すように、表示画面50aに、「0回目」と示す残り回数画像KMが表示され、遊技者に低確時短状態に移行してから特別図柄の変動表示が行われていないことを把握させることが可能となる。
【0142】
従来のパチンコ遊技機には、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を行い、大当たり当選である場合には、大入賞口を開放させる大当たり遊技を実行し、その大当たり遊技の終了後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行可能なものがあった。そして、大当たり遊技の終了後に移行した小当たりラッシュ状態で、小当たり遊技を頻繁に実行させて、小当たり遊技にて開放された大入賞口に遊技球を入球させることで、徐々に賞球を増やすことが可能となっている。小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機において、小当たりラッシュ状態をより良く遊技者に見せるため、小当たりラッシュ状態に制御されている場合に画像表示装置の表示画面に表示される演出を、大当たり遊技や高確非時短状態以外の遊技状態に制御されている場合に表示される演出と異なるものにし、遊技者を楽しませることが可能となっていた。しかしながら、単に小当たりラッシュ状態や大当たり遊技において、それぞれ異なる演出を行う構成としただけでは、あまりにもありきたりな演出となり遊技者を十分に楽しませることが困難となっていた。よって、大当たり遊技にて実行可能な演出や、小当たりラッシュ状態にて実行可能な演出には、遊技者の面白みを高めるための改善の余地がある。
【0143】
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、通常遊技状態に特別図柄の抽選により確変大当たりに当選した場合に大当たり遊技が実行されると、バトルRUSHモードが設定される(
図14参照)。そして、バトルRUSHモードに設定されている場合には、表示画面50aにバトル画像BTが表示される(
図14(C)参照)。その後、大当たり遊技が終了して、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行してもバトルRUSHモードは継続し、表示画面50aに表示されるバトル画像BTも継続される(
図15(E)から
図15(F)、
図16(A)参照)。これにより、確変大当たりに当選して、実行される大当たり遊技が終了して、小当たりラッシュ状態に移行しても、表示画面50aにバトル画像BTが継続して表示されたままであるため、表示画面50aに表示されたバトル画像BTを遊技者に確認させて、長時間大当たり遊技が実行されているという印象を与えることが可能となり、斬新な演出となる(
図15(E)、
図15(F)、
図16(A)参照)。またバトルRUSHモードは、大当たり遊技だけでなく、小当たりラッシュ状態である場合にも設定されているため、小当たりラッシュ状態にて特別図柄の抽選にて大当たり当選とならずに、小当たりラッシュ状態が長い間継続しているという印象を遊技者に与えるといったことも可能となり、斬新な演出となる(
図17(A)から
図17(D)参照)。このように、大当たり遊技や小当たりラッシュ状態でもバトルRUSHモードが設定されたままであって、表示画面50aにてバトル画像BTが表示される場合があるため、表示画面50aに表示される演出では遊技者に大当たり遊技又は小当たりラッシュ状態であるかを把握させ難くすることが可能となり、大当たり遊技又は小当たりラッシュ状態が長い時間継続しているなと思わせることが可能となる。
【0144】
ところが、仮に大当たり遊技と小当たりラッシュ状態にて表示画面50aに表示される演出が同じでも、大当たり遊技における大入賞口14の開放態様と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様が異なる場合、遊技者が大入賞口14の開放態様を確認することで、大当たり遊技が実行されているのか、又は小当たりラッシュ状態にて小当たり遊技が実行されているのかを判別することが可能となってしまう。そこで本形態では、大当たり遊技と小当たり遊技とで大入賞口14を兼用することとした(
図8参照)。また確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)を、小当たり遊技における大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)を同じにした(
図8参照)。これにより、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様は同じである。そのため、大当たり遊技や小当たり遊技でも同じ大入賞口14が開放され、大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様が同じであることから、大入賞口14の開放態様を見ても、大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の開放態様なのか、又は小当たり遊技における大入賞口14の開放態様なのか判断することが困難となり、遊技者に大当たり遊技が長い時間継続している印象をより与えることや、小当たりラッシュ状態にて小当たり遊技が連続して実行されているという印象を与えることが可能となる。こうして、遊技者は表示画面50aに表示される演出や大入賞口14の開放態様では、大当たり遊技の実行中なのか、又は小当たりラッシュ状態であるのかを判別することが困難となる。
【0145】
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に
図18~
図43に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から
図18に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0146】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図8に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0147】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0148】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図19に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0149】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(
図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0150】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図18の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0151】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図18参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0152】
[センサ検出処理]
図20に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
【0153】
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、
図8(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0154】
ステップS205では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
【0155】
続いて、特
図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特
図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり
図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0156】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特
図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特
図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0157】
続いて特
図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特
図2関係乱数取得処理(S212)では、特
図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0158】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(
図21参照)。
図21に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0159】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、
図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0160】
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、
図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0161】
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0162】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
【0163】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(
図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(
図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
【0164】
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
【0165】
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、
図19に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。
図22に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0166】
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
【0167】
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
【0168】
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、
図19に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。
図23に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置14Dに関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0169】
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
【0170】
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
【0171】
[第1特別図柄待機処理]
図24に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特
図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1202)及び特
図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
【0172】
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
【0173】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図1変動開始処理を実行する(S1207)。特
図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図1の変動時間)を、特
図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1207)でセットされる特
図1変動開始コマンドには、特
図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特
図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0174】
[特
図1大当たり判定処理]
図25に示すように、特
図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0175】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
【0176】
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特
図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(
図29のステップS1605参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1308)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特
図1の処理と特
図2の処理とを並行して行っているところ、特
図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特
図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特
図2の変動表示中に、特
図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
【0177】
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(
図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1306)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図8参照)をセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1308に進む。ステップS1308では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
【0178】
[特
図1変動パターン選択処理]次に
図25および
図26に基づいて特
図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。
図25に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
【0179】
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
【0180】
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
【0181】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0182】
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、
図27に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402~S1406と同様の流れで処理(S1407~S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(
図10の特
図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
【0183】
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図11の特
図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図10の特
図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
【0184】
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0185】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特
図1変動開始コマンドに含められる。
【0186】
ここで
図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(
図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0187】
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(
図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
【0188】
[第2特別図柄待機処理]
図28に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特
図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1502)及び特
図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
【0189】
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
【0190】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2変動開始処理を実行する(S1507)。特
図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図2の変動時間)を、特
図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1507)でセットされる特
図2変動開始コマンドには、特
図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特
図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0191】
[特
図2大当たり判定処理]
図29に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0192】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図10(A)参照)をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
【0193】
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特
図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(
図25のステップS1305参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1604)及び小当たりの当否判定(S1608)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。これにより、大当たり当選を示す特
図1の変動表示中に、特
図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
【0194】
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(
図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1606)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図8参照)をセットして(S1607)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1604でNO)、ステップS1608に進む。
【0195】
ステップS1608では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(
図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(24H)をセットして(S1610)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1608でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。
【0196】
[特
図2変動パターン選択処理]次に
図30~
図32に基づいて特
図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。
図30に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
【0197】
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
【0198】
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
【0199】
一方、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
【0200】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、
図11に示すように、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22,P23が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
【0201】
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、
図31に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
【0202】
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
【0203】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、
図11に示すように、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特
図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、高確非時短状態における第2特別図柄の抽選にて小当たり当選し、特
図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、4000msという短い変動時間になる変動パターンP31が選択されるようにしている。これにより、高確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球すると、第2特別図柄の抽選結果が小当たりであることを短い間で得ることが可能となる。よって、高確非時短状態にて小当たり遊技が実行されてから、次に小当たり遊技が実行されるまでの間を比較的短くすることが可能となっている。
【0204】
またステップS1710において、小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特
図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。
【0205】
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1716)。ONであれば(S1716でYES)、時短状態中大当たりテーブル(
図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
【0206】
また第2大当たりフラグがONではない場合、即ち第2大当たりフラグがOFFである場合(S1715でNO)には、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1717)。小当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中小当たりテーブル(
図11の特
図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。
【0207】
また小当たりフラグがONではない場合、即ち小当たりフラグがOFFである場合(S1719でNO)には、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であるか否か判定する(S1719)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図11の特
図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
【0208】
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図11の特
図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで
図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」~「10」であり、非時短状態であれば「1」~「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
【0209】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図30に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特
図2変動開始コマンドに含められる。
【0210】
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特
図1大当たり判定処理(S1202),特
図2大当たり判定処理(S1502)の後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
【0211】
図33に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2003で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
【0212】
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。
【0213】
ステップS2009では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0214】
[第1特別図柄変動中処理]
図34に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特
図1変動時間タイマにセットされている値(特
図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特
図1の変動時間が経過したか、即ち特
図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特
図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
【0215】
本形態では、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、
図22に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、
図34に示すステップS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(
図43のステップS2913参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、
図34に示すステップS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特
図1の変動表示中に特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特
図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
【0216】
[第2特別図柄変動中処理]
図35に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特
図2変動時間タイマにセットされている値(特
図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特
図2の変動時間が経過したか、即ち特
図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特
図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
【0217】
[第1特別図柄確定処理]
図36に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
【0218】
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
【0219】
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0220】
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
【0221】
[特
図2強制停止処理]特
図2強制停止処理(S2104)は、特
図2の変動表示中に、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図37に示すように、特
図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特
図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
【0222】
[遊技状態リセット処理]
図38に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットし(S2406)、本処理を終える。
【0223】
[第2特別図柄確定処理]
図39に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
【0224】
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、
図35に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
【0225】
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0226】
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2511)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(
図8参照)をセットして(S2512)、本処理を終える。
【0227】
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2513)、本処理を終える。
【0228】
[特
図1強制停止処理]特
図1強制停止処理(S2504)は、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図40に示すように、特
図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特
図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
【0229】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。
図41に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0230】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったこと、1回のラウンド終了(インターバル時間(4.0秒)を含む、
図8参照)が終了して次のラウンドが開始する時間に至ったこと、又は1ラウンドにおける開放間のインターバルの時間が経過して次の大入賞口14の開放を開始する時間に至ったことのうち、いずれかに該当したか否かを判定する(S2703)。また本形態では、インターバル時間(4.0秒)は、第2特別図柄の抽選にて小当たり当選した場合に変動パターンP31が選択された場合の変動時間(4.0秒)と同じ時間となっている(
図8、
図11参照)。よって、第2特別図柄の抽選にて小当たり当選して、変動パターンP32に基づく変動時間(4.0秒)が経過して、小当たり遊技が実行されるまでの間と、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選して、実行される大当たり遊技にて1ラウンドが終了して、次のラウンドが開始されるまでの間の同じ間隔にすることが可能となる。
【0231】
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図8参照)に従って大入賞口(大入賞口14)を開放させる(S2704)。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放され得る(
図8参照)。続いてステップS2705では、大入賞口14の開放が1回のラウンドで初めて開放するか否かを判定する。大入賞口14の開放が1回のラウンドで初めて開放する場合には(S2705でYES)、ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2706)を行って、本処理を終える。一方、大入賞口14の開放が1回のラウンドで初めて開放しない場合、即ち確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれかに当選し、実行される大当たり遊技の1回のラウンドにおける大入賞口14の5回の開放のうち、2回目から5回目の開放である場合(S2705でNO)、そのまま本処理を終了する。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2706)では、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0232】
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、大入賞口14の開放中であれば、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2707)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(
図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2707でNO)、処理を終える。
【0233】
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2707でYES)には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2708)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2709)。終了していなければ(S2709でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2709でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2710)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2711)。「0」でなければ(S2711でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
【0234】
一方「0」であれば(S2711でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2712)、大当たりのエンディングを開始する(S2713)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2714)、処理を終える。
【0235】
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2715)、エンディング時間が経過していなければ(S2715でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2715でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2716)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2717)。続いて、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2718)。その後、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図23に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図22に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
【0236】
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2717)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(
図8参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、高確非時短状態又は低確時短状態に制御するための処理である。
図42に示すように、遊技状態設定処理(S2717)ではまず、特
図1_確変図柄又は特
図2_確変図柄が停止表示しているか否かを判定する(S2801)。ここで特
図2_確変図柄とは、特
図2_確変図柄1と特
図2_確変図柄2のことである(
図8参照)。
【0237】
ステップS2801の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2802)、確変カウンタの値に「10000」をセットして(S2803)、ステップS2806に進む。こうして、特
図1_確変図柄又は特
図2_確変図柄に当選した場合には、高確非時短状態に制御されることになる。一方、ステップS2801の判定結果がNOであれば、特
図1_通常図柄又は特
図2_通常図柄が停止表示していることになり、ステップS2804に進む。ステップS2804では、時短フラグをONにして、時短カウンタの値に「100」をセットして(S2805)、ステップS2806に進む。こうして、特
図1_通常図柄又は特
図2_通常図柄に当選した場合には、時短回数が100回に設定された低確時短状態に制御されることになる。
【0238】
ステップS2806では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2717)を終える。
【0239】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。
図43に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0240】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(
図7参照)、極めて短い時間に設定している。
【0241】
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(
図8の小当たりの欄参照)に従って大入賞口14を開放させる(S2904)。
【0242】
ステップS2902において大入賞口14の開放中であれば(S2902でYES)、大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、大入賞口14の開放時間が経過したか否か(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(本形態では最大1.8秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、大入賞口14の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
【0243】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は大入賞口14の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
【0244】
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における大入賞口14の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(
図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、大入賞装置14D内へ入賞した遊技球が当該大入賞装置14D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
【0245】
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。また小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2912)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2913)、本処理を終える。こうして特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、
図22に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
【0246】
8.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図44~
図50に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から
図44に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0247】
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0248】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0249】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0250】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
図45に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
【0251】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図46に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40a(
図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(
図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0252】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
【0253】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0254】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図47に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
【0255】
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
【0256】
[受信コマンド解析処理]
図48に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。また遊技状態指定コマンドを受信していなければ(S4401でNO)、そのままS4403に進む。
【0257】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド,特
図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
【0258】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また変動停止コマンドを受信していなければ(S4405でNO)、そのままステップS4407に進む。
【0259】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、オープニング演出選択処理を行う(S4408)。なお本形態では、オープニングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図8参照)に関する情報が含まれている。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またオープニングコマンドを受信していなければ(S4407でNO)、そのままステップS4409に進む。
【0260】
本形態のオープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドに含まれている大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(11H、21H、22H、
図8参照)に関する情報に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に「バトルRUSHモード突入」と示すバトルRUSH突入画像RTを表示するオープニング演出パターンを選択する場合がある。そして、選択したオープニング演出パターンにて、大当たり遊技のオープニング中に「バトルRUSHモード突入」と示すバトルRUSH突入画像RTを表示するオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする場合がある。これにより、大当たり遊技のオープニング中に「バトルRUSHモード突入」と示すバトルRUSH突入画像RTを表示するオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図15(D)に示すように、表示画面50a上にてバトルRUSH突入画像RTを表示する。このバトルRUSH突入画像RTの表示により、遊技者に通常遊技状態にて特別図柄の抽選に当選し、大当たり遊技の実行が開始され、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行することを把握させることが可能となる。
【0261】
続いて、演出制御用マイコン121は、後述するバトルRUSHモード移行設定処理を行う(S4409)。またオープニングコマンドを受信していなければ(S4407でNO)、そのままS4410に進む。
【0262】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)、ラウンド演出選択処理を行う(S4411)。ラウンド演出選択処理(S4411)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またラウンド指定コマンドを受信していなければ(S4410でNO)、そのままステップS4411に進む。
【0263】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4412)、受信していれば(S4412でYES)、エンディング演出選択処理を行う(S14413)。なお本形態では、エンディングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図8参照)に関する情報が含まれている。エンディング演出選択処理(S4413)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またエンディングコマンドを受信していなければ(S4412でNO)、そのままステップS4414に進む。
【0264】
本形態のエンディング演出選択処理(S4413)では、バトルRUSHモードが設定されている場合に、エンディングコマンドに含まれている大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(12H、23H、
図8参照)に関する情報に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に「バトルRUSHモード終了」と示すバトルRUSHエンディング画像RSを表示するエンディング演出パターンを選択する場合がある。そして、選択したエンディング演出パターンにて、大当たり遊技のエンディング中に「バトルRUSHモード終了」と示すバトルRUSHエンディング画像RSを表示するエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする場合がある。これにより、大当たり遊技のエンディング中に「バトルRUSHモード終了」と示すバトルRUSHエンディング画像RSを表示するエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図17(E)に示すように、表示画面50a上にてバトルRUSHエンディング画像RSを表示する。このバトルRUSHエンディング画像RSの表示により、遊技者にバトルRUSHモードが終了し、大当たり遊技の終了後に低確時短状態に移行することを把握させることが可能となる。
【0265】
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4414)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0266】
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、低確非時短状態に制御されているときに昼モード(
図14(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また低確時短状態に制御されているときに夜モード(
図14(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また特別図柄の抽選にて確変大当たりに当選して、大当たり遊技が実行されている場合、高確非時短状態に制御されている場合、又は高確非時短状態に制御されている場合に特別図柄の抽選にて通常大当たりに当選して大当たり遊技が実行されている場合のいずれの場合でも、バトルRUSHモード(
図14(C)参照)に設定する場合には、モードステータスに「3」をセットする。
【0267】
図49に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。次に、遊技状態指定コマンドに含まれている情報(確変カウンタの値の情報、時短カウンタの値の情報)に基づいて、各種演出カウンタの値の情報を更新する(S4503)。具体的には、確変カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている確変演出カウンタの値を更新する。また、時短カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている時短演出カウンタの値を更新する。
【0268】
続いて、遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4504)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(確変フラグがONか否かの情報、時短フラグがONか否かの情報)が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4504でYES)、ステップS4505に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4504でNO)、本処理を終了する。
【0269】
ステップS4505では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4505でYES)、モードステータスに「3」をセットして(S4506)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4507)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
【0270】
ステップS4507を経て、ステップS4515に進むと、バトルRUSHモードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図14(C)に示すように、表示画面50aにバトル画像BTを表示する。こうして遊技者には、バトル画像BTの表示により、演出モードがバトルRUSHモードが設定されていることで、大当たり遊技の実行されている又は小当たりラッシュ状態であることを把握させることが可能である。
【0271】
またステップS4505でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4508)。低確時短状態の情報であれば(S4508でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4509)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4510)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
【0272】
ステップS4510を経て、ステップS4511に進むと、表示画面50a上にて獲得賞球数画像KSが表示されているか否かを判定する(S4511)。獲得賞球数画像KSが表示されている場合には(S4511でYES)、獲得賞球数画像終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし、S4515に進む。これにより、獲得賞球数画像終了コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aの左下部の獲得賞球数画像KSの表示を終了する。また獲得賞球数画像KSが表示されていない場合には(S4511でNO)、そのままS4515に進む。
【0273】
ステップS4512又はステップS4511でNOと判定された場合を経て、ステップS4515に進むと、夜モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図14(B)に示すように、表示画面50aに夜背景画像H2を表示する。こうして遊技者には、夜背景画像H2の表示により、演出モードが夜モード(低確時短状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
【0274】
またステップS4508でNOと判定された場合、低確非時短状態であることになる。この場合、モードステータスに「1」をセットして(S4513)、左打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4514)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aの左上部に左打ち画像(図示省略)を所定時間だけ表示する。この左打ち画像の表示により、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行したときに、遊技者に左打ちを促すことが可能である。
【0275】
ステップS4514を経て、ステップS4515に進むと、昼モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、
図14(A)に示すように、表示画面50aに昼背景画像H1を表示する。こうして遊技者には、昼背景画像H1の表示により、演出モードが昼モード(通常遊技状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
【0276】
[バトルRUSHモード移行設定処理]バトルRUSHモード移行設定処理(S4409)は、特別図柄の抽選で大当たりに当選して、大当たり遊技が実行される場合に、バトルRUSHモードに移行するか否かを決める処理である。
図50に示すように、バトルRUSHモード移行設定処理(S4409)ではまず、演出制御用マイコン121は、ステップS4408にて受信したオープニングコマンドに含まれる大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図8参照)に関する情報に基づいて、確変大当たりであるか否かを判定する(S4601)。確変大当たりである場合には(S4601でYES)、ステップS4602に進む。また確変大当たりではない場合、即ち通常大当たりである場合には(S4601でNO)、そのまま本処理を終えて、ステップS4410に進む。
【0277】
次に、モードステータスの値が「3」であるか否かを判定する(S4603)。モードステータスの値が「3」でない場合には(S4602でNO)、モードステータスの値を「3」にセットする(S4603)。これにより、確変大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技が実行される場合には、設定されているモードからバトルRUSHモードに切替えられる。また獲得賞球数画像コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4604)。続いて、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4605)。そして、背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4606)、本処理を終える。またモードステータスの値が「3」である場合には(S4602でYES)、そのままS4606に進む。
【0278】
本形態では、ステップS4408にて受信したオープニングコマンドに含まれる大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図8参照)に関する情報に基づいて、確変大当たり1又は確変大当たり2である場合には、獲得賞球画像コマンド、右打ち表示コマンド及びバトルRUSHモードの設定に基づく背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、
図14(C)に示すように、表示画面50aにて、バトル画像BTと、獲得賞球数画像KSとが表示されると共に、右打ち画像Raが表示される。その後、本処理を終了して、ステップS4410に進む。本形態では、
図14(C)に示すように、表示画面50aにて、バトル画像BTが表示されると、遊技者に通常遊技状態にて確変大当たりに当選して、大当たり遊技が実行され、バトルRUSHモードが設定されることを把握させることが可能となる。また
図14(C)に示すように、表示画面50aにて、獲得賞球数画像KSが表示されると、遊技者にバトルRUSHモードが設定されている場合に大入賞口14の入賞によって獲得した賞球数を把握させることが可能となる。また
図14(C)に示すように、表示画面50aにて、右打ち画像Raが表示されると、遊技者に大入賞口14に遊技球を入賞させるために、右打ちを示唆することが可能となる。
【0279】
また、ステップS4408にて受信したオープニングコマンドに含まれる大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(
図8参照)に関する情報に基づいて、確変大当たり3である場合には、獲得賞球画像コマンド、右打ち表示コマンド及びSUPERバトルRUSHゾーンに基づく背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、
図16(F)に示すように、表示画面50aにて、SUPERバトル画像SRと、獲得賞球数画像KSとが表示されると共に、右打ち画像Raが表示される。本形態では、表示画面50aにてSUPERバトル画像SRが表示されると、遊技者に確変大当たり3に当選して、遊技者にとって最も有利な大当たり遊技が実行されることを把握させることが可能となる。
【0280】
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、通常遊技状態にて特別図柄の抽選により確変大当たりに当選し、大当たり遊技が実行されると、バトルRUSHモードに設定される(
図13参照)。そしてバトルRUSHモードに設定されると、表示画面50aにはバトル画像BTが表示される(
図15(E)、
図15(F)、
図16(A)から
図16(E)、
図16(G)、
図17(A)から
図17(D)参照)。その大当たり遊技の実行が終了して、高確非時短状態に移行しても、バトルRUSHモードが継続して設定され、表示画面50a上ではバトル画像BTが継続して表示される。これにより、遊技者に大当たり遊技が長時間行われているかのように思わせることが可能となる斬新な演出を提供することが可能となる。
【0281】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドでも、大入賞口14が開放時間最大1.8秒で5回開放される(
図8参照)。また小当たり遊技では、大入賞口14が開放時間最大1.8秒で1回開放される(
図8参照)。これにより、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の1回の開放時間(最大1.8秒)と小当たり遊技における大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)は同じである。従って、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様は同じとなっている。これにより、遊技者に確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれかの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様であるのか、又は小当たり遊技における大入賞口14の開放態様であるのかを判別させ難くすることが可能となる。そのため表示画面50aにバトル画像BTが表示されている場合に、大入賞口14の開放態様を用いて、大当たり遊技又は高確非時短状態であるかを判別させ難くすることが可能となる。
【0282】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、バトルRUSHモードに設定されている場合には、表示画面50aの左下方に獲得賞球数画像KSが表示される(
図14(C)参照)。この獲得賞球数画像KSを表示画面50aに表示されることにより、遊技者にバトルRUSHモードが設定されている間、即ち通常遊技状態にて確変大当たりに当選して、実行された大当たり遊技から、高確非時短状態にて通常大当たりに当選して、実行された大当たり遊技の実行が終了するまでに、大当たり遊技又は小当たりラッシュ状態にて実行された小当たり遊技にて開放された大入賞口14に遊技球を入球させて獲得した賞球数を遊技者に把握させることが可能となる。
【0283】
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0284】
上記形態では、第1特別図柄の抽選で確変大当たり、又は第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選して、実行された大当たり遊技が終了することが、「所定の条件」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、第1特別図柄の抽選で確変大当たり、又は第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選して、実行された大当たり遊技の終了後に移行した高確時短状態にて、特別図柄の変動表示が所定の変動回数(例えば、10回)行われたことが、「所定の条件」に相当しても良い。また大当たり図柄の種類に応じて、実行された大当たり遊技が終了して高確非時短状態に移行する場合と、実行された大当たり遊技の終了後に移行した高確時短状態にて、特別図柄の変動表示が所定の変動回数(例えば、10回)行われて、高確非時短状態に移行する場合とがあっても良い。
【0285】
上記形態では、
図8に示すように、第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に、実行される大当たり遊技の終了後には高確非時短状態又は低確時短状態に移行したが、これに限定されることはない。例えば、第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に、実行される大当たり遊技の終了後に高確時短状態、高確非時短状態、又は低確時短状態のうち、いずれかの遊技状態に移行可能であっても良い。
【0286】
上記形態では、
図8に示すように、第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に、実行される大当たり遊技の終了後には高確非時短状態又は低確時短状態に移行したが、これに限定されることはない。例えば、第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に、実行される大当たり遊技の終了後に高確時短状態、高確非時短状態、又は低確時短状態のうち、いずれかの遊技状態に移行可能であっても良い。
【0287】
上記形態では、通常遊技状態にて確変大当たりに当選し、大当たり遊技の実行が開始されることに伴って、大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆するバトルRUSHモード(示唆演出)が設定された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大当たり遊技の実行が終了して、高確非時短状態への移行に伴って、大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆するバトルRUSHモード(示唆演出)が設定されるようにしても良い。これにより、高確非時短状態への移行に伴って、バトルRUSHモードが設定されれば、遊技者に大当たり遊技の実行中でも、表示画面50aにバトル画像BTが表示されるため、大当たり遊技の実行中であっても遊技者には長時間高確非時短状態が継続し、小当たり遊技にて開放された大入賞口14に入賞させて持ち球が徐々に増えているなと思わせることが可能となる。
【0288】
上記形態では、通常遊技状態にて確変大当たりに当選し、大当たり遊技の実行が開始されることに伴って、大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆する一つのバトルRUSHモード(示唆演出)が設定された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、示唆演出の種類は2種類以上であっても良い。この場合、確変大当たりの種類によって、示唆演出が異なるようにしても良い。
【0289】
上記形態では、通常遊技状態にて確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される場合に、大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆するバトルRUSHモード(示唆演出)が設定され、大当たり遊技が終了して移行した高確非時短状態でも継続してバトルRUSHモードが設定されていたが、これに限定されることはない。例えば、確変大当たりに当選して、大当たり遊技が実行される場合に実行される示唆演出と、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行する場合に実行される示唆演出が異なっても良い。
【0290】
上記形態では、
図14(C)に示す通常遊技状態にて確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される場合に設定される大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆するバトルRUSHモードが、「示唆演出」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、表示画面50aにエフェクト画像を表示したり、スピーカ610(音出力手段)から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54(発光手段)を特定の発光態様で発光させて、大当たり遊技又は高確非時短状態を示唆する演出が、「示唆演出」に相当しても良い。
【0291】
上記形態では、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されていたが、これに限定されることはない。例えば、高確非時短状態では、ベースが「1」付近に設定されていても良い。これにより高確非時短状態にて、低確時短状態におけるベースが「1」を超えないように設定されていた状態を再現することが可能となる。また上記形態では、高確非時短状態と大当たり遊技の実行中では、それぞれ異なる演出モードが設定されるようにしても良い。この場合、高確非時短状態ではバトルRUSHモードが設定され、大当たり遊技の実行中はバトルRUSHモードと異なる特別な演出モードが設定されるようにしても良い。例えば、ベースが「1」付近に設定されている高確非時短状態で、バトルRUSHモードが設定されている場合に、特別図柄の抽選により大当たりに当選すると、大当たり遊技が実行されることに伴って、特別な演出モードが設定されるようにしても良い。これにより、遊技者にバトルRUSHモード(高確非時短状態)に設定されている場合にはあまり賞球数が増えないと思わせ、特別な演出モードが設定されることを契機にして、バトルRUSHモードが設定されていた場合よりも、大入賞口14への入賞によって賞球数が増え始めたと思わせることが可能となる。さらに、特別な演出モードが設定されることを契機にして、バトルRUSHモードが設定されていた場合よりも、大入賞口14への入賞によって賞球数が増え始めるという新規の遊技体感を遊技者に与えることが可能となる。なお大当たり遊技では、ベースが「1」を超えており、高確非時短状態でのベースよりも高いこととする。
【0292】
上記形態の大入賞口14は、小当たり遊技や大当たり遊技における兼用のアタッカーになっていたが、これに限定されることはない。例えば、小当たり遊技にて開放される大入賞口と、大当たり遊技にて開放される大入賞口をそれぞれ設けるようにしても良い。
【0293】
また上記形態では、大当たり遊技では大入賞口14が開放され、小当たり遊技でも大入賞口14が開放されたが、これに限定されることはない。例えば、遊技領域6に大入賞口14と当該大入賞口14と異なる大入賞口を設けても良い。この場合、小当たり遊技では大入賞口14のみが開放されるが、大当たり遊技では大当たり図柄の種類に応じて、大入賞口14のみが開放される場合や、ラウンドに応じて大入賞口14又は大入賞口14と異なる大入賞口が開放される場合があっても良い。
【0294】
また上記形態では、小当たり遊技における大入賞口14の総開放時間を最大1.8秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、大入賞口14の総開放時間を最大1.8秒以下としておくことが望ましい。
【0295】
また上記形態では、小当たり遊技における大入賞口14の総開放時間を最大1.8秒とし、小当たり遊技にて大入賞口14が1回開放されるようにした。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大入賞口14の総開放時間最大1.8秒内であれば、小当たり遊技にて大入賞口14は複数回開放されるようにしても良い。
【0296】
また上記形態では、大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の開放回数は、5回であった(
図8参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大入賞口14の開放回数は4回未満でも良い。また大入賞口14の開放回数は6回以上であっても良い。但し大入賞口14の1回の大入賞口14の開放時間は最大1.8秒以上としておくことが望ましい。
【0297】
また上記形態では、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間を最大1.8秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し大入賞口14の1回の大入賞口14の開放時間は最大1.8秒以上としておくことが望ましい。
【0298】
また上記形態の通常大当たり1又は確変大当たり3に当選した場合に実行される大当たり遊技では、1ラウンド当たり大入賞口14が1回開放されていたが、これに限定されることはない(
図8参照)。例えば、大当たり遊技の1ラウンド中に複数回大入賞口14を開放させることがあってもよい。但し大入賞口14の1回の開放時間は、最大1.8秒であることとする。
【0299】
上記形態では、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14が最大1.8秒で5回開放し、小当たり遊技にて大入賞口14が最大1.8秒で1回開放した(
図8参照)。これにより、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)と、小当たり遊技における大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)が同じとなっている(
図8参照)。従って、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様(単位開放遊技における特別入賞口の開放態様)と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様(小当たり遊技における特別入賞口の開放態様)が同じであり、これが「小当たり遊技における特別入賞口の開放態様と、単位開放遊技における特別入賞口の開放態様が実質的に同じである」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、単位開放遊技における特別入賞口の開放態様と、小当たり遊技における特別入賞口の開放態様とが完全に同じである必要はなく、多少の差がある場合であっても、「小当たり遊技における特別入賞口の開放態様と、単位開放遊技における特別入賞口の開放態様が実質的に同じである」に相当しても良い。この場合、遊技者が確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに基づく大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の開放態様であるのか、又は小当たり遊技における大入賞口14の開放態様であるのか判別し難くければ良い。例えば、小当たり遊技にて開放される大入賞口14の開放時間が、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間と0.5秒といった遊技者が視認しても判別困難な時間差であれば良い。また確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の1ラウンドの大入賞口14の開放時間が小当たり遊技における大入賞口14の開放時間が同じであることで、「小当たり遊技における特別入賞口の開放態様と、単位開放遊技における特別入賞口の開放態様が実質的に同じである」に相当しても良い。
【0300】
また上記形態では、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技におけるOP時間は4.0秒で、ED時間は1.5秒であった(
図8参照)。また小当たり遊技におけるOP時間は0.004秒で、ED時間は0.3秒であった(
図8参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技におけるOP時間と小当たり遊技におけるOP時間を同じ時間にしても良い。また確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技におけるED時間と小当たり遊技におけるED時間を同じ時間にしても良い。これにより、確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選して、実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける大入賞口14の開放態様と、小当たり遊技における大入賞口14の開放態様は同じにするだけでなく、OP時間やED時間を同じ時間にすることで、遊技者をより大当たり遊技が実行されているのか、又は小当たりラッシュ状態で小当たり遊技が実行されているのか判別させ難くすることが可能となる。
【0301】
上記形態では、変動パターンP21に基づく変動時間と変動パターンP22に基づく変動時間は4000msと同じであったが、これに限定されることはない(
図8参照)。例えば、変動パターンP21に基づく変動時間と変動パターンP22に基づく変動時間は異なる時間であっても良い。
【0302】
上記形態では、変動パターンP21に基づく変動時間と大当たり遊技におけるインターバル時間が同じであったが、これに限定されることはない(
図8参照)。例えば、変動パターンP21に基づく変動時間と大当たり遊技におけるインターバル時間は異なる時間であっても良い。
【0303】
また上記形態では、バトルRUSHモードが設定されている場合に、表示画面50aの左下方に表示された獲得賞球数画像KSが、「特定表示」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、画像表示装置50とは異なる別の表示装置に表示したり、表示画面50aにエフェクト画像などを表示したり、スピーカ610(音出力手段)から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54(発光手段)を特定の発光態様で発光させて、遊技者に獲得した賞球数を示すことが「特定表示」に相当しても良い。
【0304】
また上記形態では、バトルRUSHモードが設定されている場合に、表示画面50aの左下方に獲得賞球数画像KSを表示されたが、これに限定されることはない。例えば、バトルRUSHモードが設定されている場合に、表示画面50aに獲得賞球数画像KSが表示されないようにしても良い。
【0305】
上記形態では、バトルRUSHモードが設定されている場合に、表示画面50aの右下方に演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が表示される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、バトルRUSHモードが設定されている場合に、表示画面50aに演出図柄EZ(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)が表示されないようにしても良い。またバトルRUSHモードが設定されている場合に、特別図柄が変動表示又は停止表示であることを報知するため、表示画面50aに演出図柄EZとは異なる図柄を表示させても良い。
【0306】
また上記形態では、遊技領域6には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12を備える普通可変入賞装置12Dが配置されていたが、これに限定されることはない。例えば、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12を備える普通可変入賞装置12Dが遊技領域6に設けられていなくても良い。これにより、遊技領域6にゲート13も設ける必要はなく、大当たり遊技の終了後に低確時短状態に移行せず、大当たり遊技の終了後には、低確非時短状態(通常遊技状態)又は高確非時短状態に移行しても良い。これにより、普通可変入賞装置12Dが配置されていないにも拘わらず、大入賞口14への入球が容易となる擬似電サポ制御状態に移行可能である。そのため、普通可変入賞装置12Dが設けられていないにも拘らず、電チュー12Dに備えられた電チュー開閉部材12kよりも大きい大入賞装置14Dに備えられたAT開閉部材14kによって、右遊技領域6Rを流下する遊技球の第3始動口20への入球し易さを調整するという、斬新な小当たりラッシュ状態を遊技者に体感させて、楽しませることが可能となる。また電チュー12Dよりも大きい一つの大入賞装置14Dによって、大当たり遊技や小当たり遊技における大入賞口の役割と、右遊技領域6Rを流下する遊技球の第3始動口20への入球し易さを調整する電チューの役割を担うことが可能となっているため、余分な普通可変入賞装置12Dを設けない分部品点数が減ることになるためコスト削減を図ることが可能となる。
【0307】
また上記形態では、
図10(A)に示すように、特
図2の抽選では小当たりに当選することがあるものの、特
図1の抽選では小当たりに当選することがないように設定されていた。しかしながら、特
図1の抽選でも小当たりに当選することがあるように設定しても良い。
【0308】
また上記形態では、
図10(A)に示すように、特
図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていたが、適宜変更可能である。例えば、小当たりに当選する確率を5分の1よりも低い確率に設定しても良い。また小当たりに当選する確率を5分の1よりも高い確率に設定しても良い
【0309】
また上記形態では、
図10(A)に示すように、遊技状態に拘わらず、特
図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていた。しかしながら、遊技状態に応じて、特
図2の抽選において小当たりに当選する確率を変えても良い。例えば、高確時短状態において、特
図2の抽選で小当たりに当選する確率を約10分の1に設定する。
【0310】
また上記形態では、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく大入賞口14の開放により、遊技球が大入賞口14へ入賞し易い小当たりラッシュ状態になるという点で、遊技者に有利であった。しかしながら、高確非時短状態において、必ずしも小当たりラッシュ状態になる必要はなく、通常遊技状態や高確時短状態よりも有利になっていれば良い。例えば、高確非時短状態で大当たりに当選した場合には、通常遊技状態や高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、出玉(実質的なラウンド数)が多い大当たりに当選し易かったり、高確率状態への移行割合が高いように設定されていても良い。
【0311】
上記形態では、
図2に示すように、右遊技領域6Rには、大入賞口14の直下に第3始動口20が設けられていた。これにより、大入賞口14の開状態である場合に、右遊技領域6Rを流下する遊技球が大入賞口14に入賞するため、第3始動口20に遊技球が入球することがほとんどなかった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大入賞口14の開状態である場合に、右遊技領域6Rを流下する遊技球が大入賞口14に入賞するため、第3始動口20に遊技球が入球することがほとんどない状態となれば、第3始動口20を大入賞口14の直下ではなく、大入賞口14よりも下流の別の位置に設けても良い。
【0312】
上記形態では、第2始動口12に遊技球が入球すると、第1特別図柄の抽選が行われたが、これに限定されることはない。例えば、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選が行われるようにしても良い。
【0313】
上記形態ではインターバル時間は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれていなかった。しかしながら、これに限定されることはない(
図8参照)。例えば、インターバル時間は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれても良い。
【0314】
また上記形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
【0315】
また上記形態では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口20のいずれの始動口への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0316】
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定されるパチンコ遊技機PY1であったが、いわゆるV確機(大入賞装置の内部に設けられた特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御するパチンコ遊技機)であっても良い。
【0317】
また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。但し、ST機や転落機よりも、本形態のように確変ループタイプの遊技機の方が好ましい。
【0318】
また上記形態では、特
図1の変動表示中であっても特
図2の変動表示を実行でき、且つ、特
図2の変動表示中であっても特
図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特
図2の変動と特
図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
【0319】
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0320】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の制御処理(大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理(S1202)又は特
図2大当たり判定処理(S1502))で、小当たりの判定を行うと、特別入賞口(大入賞口14)を開放させる小当たり遊技状態(小当たり遊技)と、前記制御処理で、大当たりの判定を行うと、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態(大当たり遊技)とを制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
所定の条件(特
図1の抽選で確変大当たり、又は特
図2の抽選で確変大当たりに当選して、実行された大当たり遊技が終了されること、
図8参照)が成立することで、前記小当たり遊技状態が実行され易い小当たり入賞容易遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)を制御可能とし、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段により前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態に制御される場合に、前記一方の遊技状態であることを示唆する示唆演出(バトルRUSHモード、
図14(C)参照)を実行可能とし、
前記遊技制御手段により前記一方の遊技状態の制御が終了となり、前記大当たり遊技状態又は前記小当たり入賞容易遊技状態のうち、他方の遊技状態に制御される場合でも、前記示唆演出を継続可能であることを特徴とする遊技機である。
【0321】
この構成の遊技機によれば、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態又は小当たり遊技状態が実行され易い小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態に制御される場合には、一方の遊技状態であることを示唆する示唆演出が実行されるときがある。また、その一方の遊技状態が終了し、他方の遊技状態に制御される場合でも、継続して示唆演出が実行されるときがある。これにより、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態が長時間続くように思わせることが可能であり、斬新な演出を遊技者に提供して、遊技興趣を高めることが可能である。
【0322】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記大当たり遊技状態は、
前記特別入賞口が開放される遊技状態とし、
複数の単位開放遊技(ラウンド遊技)にて構成され、
前記小当たり遊技における前記特別入賞口の開放態様(小当たり遊技における大入賞口14の開放態様(大入賞口14の開放時間(最大1.8秒)、1回開放)、
図8参照)と、前記単位開放遊技における前記特別入賞口の開放態様(確変大当たり1、確変大当たり2、又は通常大当たり2のいずれの大当たりに当選した場合でも実行される大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放態様(大当たり遊技の1ラウンドにおける1回の大入賞口14の開放時間(最大1.8秒))、
図8参照)が実質的に同じである場合があることを特徴とする遊技機である。
【0323】
この構成の遊技機によれば、小当り遊技における特別入賞口の開放態様と単位開放遊技における特別入賞口の開放態様が実質的に同じである場合があることによって、遊技者が特別入賞口の開放態様を確認して、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態に制御されているかを把握させ難くすることが可能となる。そのため特別入賞口の開放態様を用いて、示唆演出が実行されている場合に、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態が長時間続くように思わせることが可能である。
【0324】
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記示唆演出を実行している場合には、遊技者が獲得した賞球数に関する情報を示す特定表示(獲得賞球数画像KS、
図14(C)参照)を表示可能であることを特徴とする遊技機である。
【0325】
この構成の遊技機によれば、示唆演出が実行されている場合には、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態にて、遊技者が獲得した賞球数に関する情報を示す特定表示が実行される場合がある。これにより、示唆演出が実行されている場合に、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態のうち、いずれの遊技状態に制御されている場合でも、特定表示によって、獲得した賞球数に関する情報を遊技者に把握させることが可能となる。
【0326】
ところで、特開2015-013042号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、大当たり当選である場合に大入賞口を開放させる大当たり遊技状態に制御し、その大当たり遊技状態の終了後に、小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態(高確率状態且つ非入球容易状態)に移行可能となっている。遊技者は小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態で実行された小当たり遊技状態にて開放された大入賞口に遊技球を入球させることで、徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能となっている。また小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態に移行可能な遊技機では、大当たり遊技状態や、小当たり遊技状態が実行され易い所定の遊技状態でそれぞれ異なる演出が実行可能であって、これらの演出によって遊技者を楽しませることが可能となっているものがある。しかしながら、小当たり遊技状態が実行され易い遊技状態で実行される演出には、未だ遊技興趣を高めるための改善の余地があった。そこで上記したA1~A3に係る発明は、特開2015-013042号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態のうち、一方の遊技状態に制御される場合に、一方の遊技状態であることを示唆する示唆演出を実行可能とし、前記一方の遊技状態の制御が終了となり、大当たり遊技状態又は小当たり入賞容易遊技状態のうち、他方の遊技状態に制御される場合でも、前記示唆演出を継続可能であるという点で相違している。これにより、斬新な演出を提供して、遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0327】
PY1…パチンコ遊技機
6…遊技領域
11…第1始動口
12…第2始動口
20…第3始動口
14…大入賞口
50…画像表示装置
50a…表示画面
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン