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特許7262821スマートルービックキューブの面方位センシング構造およびスマートルービックキューブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】スマートルービックキューブの面方位センシング構造およびスマートルービックキューブ
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/06 20060101AFI20230417BHJP
   A63F 9/12 20060101ALI20230417BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A63H33/06 B
A63F9/12 C
H05K7/14 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021011159
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022016724
(43)【公開日】2022-01-24
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】202010666074.4
(32)【優先日】2020-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519129687
【氏名又は名称】広州淦源智能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】江淦源
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0009451(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0161668(US,A1)
【文献】中国実用新案第210186416(CN,U)
【文献】特表2019-526402(JP,A)
【文献】特表昭62-502592(JP,A)
【文献】中国実用新案第210384805(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104874176(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105664482(CN,A)
【文献】国際公開第2021/019619(WO,A1)
【文献】高評価の競技用キューブGAN354Mを買ってみた,[online],2018年11月04日,インターネット: <URL:https://michimani.net/post/other-rubics-gan354m>,[検索日2021.12.03]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/06
A63F 9/12
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電気的に接続されて正六面体を形成し、かつ、それぞれの外面に円環状銅箔が設けられる6枚のプリント回路基板と、ここで、円環状銅箔の円心は前記プリント回路基板の中心に位置し、前記円環状の周辺には、円心が共通で半径が等しい4本の円弧状銅箔が等間隔で設けられ、前記円環状銅箔と円弧状銅箔の円心が共通であり、
ロッド本体の底部にはディスクベースが設けられ、前記ディスクベースの底面には底板銅箔が固定され、前記底板銅箔には、前記プリント回路基板の一側に向かって突出した第1のブラシブレード、第2のブラシブレードおよび第3のブラシブレードが設けられる6本の軸状ロッドと、を含み、
前記プリント回路基板上の前記円心に貫通孔が開設され、前記ディスクベースの底面中心には、前記貫通孔に対応する、前記底板銅箔を貫通する突起柱が設けられ、前記軸状ロッドは、突起柱が前記貫通孔に挿入されることで、それ自身の中心軸に沿ってプリント回路基板上に回転可能に取り付けられ、
前記底板銅箔が軸状ロッドと共に回動する時、前記第1のブラシブレードと第2のブラシブレードは、ブラッシングする経路が前記円環状銅箔の上にあり、かつ前記プリント回路基板に電気的に接続され、また、前記第3のブラシブレードがブラッシングする経路は、4本の前記円弧状銅箔をカバーし、かつ第3のブラシブレードは円弧状銅箔をブラッシングするときに前記プリント回路基板に電気的に接続され、
前記正六面体には、マスタ制御チップセットおよびマスタ制御チップセットに電力を供給するための電池が設けられ、前記マスタ制御チップセットは、前記円環状銅箔に電気的に接続され、
さらに、上、下半円状のボールカバーを閉合してなるボールカバーを含み、前記正六面体は前記ボールカバー内に設けられ、前記軸状ロッドはボールカバーを貫通してボールカバーの外に延出していることを特徴とするスマートルービックキューブの面方位センシング構造。
【請求項2】
前記ボールカバーの隙間線は、4本の軸状ロッドが共有する水平面の上に位置し、前記4本の軸状ロッドに対応するボールカバーの前記位置には、いずれも上半円管および下半円管が設けられ、前記上半円管はすべて前記上半円状のボールカバーに位置し、前記下半円管はすべて前記下半円状のボールカバーに位置し、前記上、下半円状のボールカバーが閉合されると、各対応する上、下半円管はすべて、前記軸状ロッド本体に嵌着されている円管として閉合され、各前記円管はすべてボールシャフトによって嵌着されていることを特徴とする請求項1に記載のスマートルービックキューブの面方位センシング構造。
【請求項3】
前記正六面体の一方の面のプリント回路基板の内側には、CRボタン電池を取り付けるための電池スロットが設けられ、電池スロットに対応する前記ボールカバーの位置には、前記CRボタン電池を出し入れするための電池入出口が開設され、電池入出口に対応するプリント回路基板の底部が切断されることを特徴とする請求項2に記載のスマートルービックキューブの面方位センシング構造。
【請求項4】
前記電池入出口を閉じるための電池カバーをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のスマートルービックキューブの面方位センシング構造。
【請求項5】
中心軸と、前記中心軸に接続された6つのセンターキューブと、2つのセンターキューブごとの間に埋め込まれた12のエッジキューブと、3つの前記エッジキューブの間に埋め込まれた8つのコーナーキューブとを含むスマートルービックキューブであって、前記中心軸は、請求項1-4のいずれか一項に記載のスマートルービックキューブの面方位センシング構造であることを特徴とするスマートルービックキューブ。
【請求項6】
前記軸状ロッドの末端には、軸心浮動弾性調整システムによって前記センターキューブに接続された突起ブロックが設けられることを特徴とする請求項5に記載のスマートルービックキューブ。
【請求項7】
前記コーナーキューブ内の前記エッジキューブに隣接する3側の位置には第1の磁石が設けられ、エッジキューブ内のコーナーキューブに隣接する2側の位置には、前記第1の磁石に対応する第2の磁石が設けられることを特徴とする請求項5または6に記載のスマートルービックキューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに移動可能な要素を備えた知的玩具の分野に関し、具体的には、提示と記録機能を有するスマートルービックキューブおよびそのスマートルービックキューブの中心軸構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ルービックキューブは、構造が簡単で、変化に富み、非常に人気のある知的玩具である。従来の3次ルービックキューブは、1つの中心軸、中心軸に接続された6つのセンターキューブ、2つのセンターキューブごとの間に埋め込まれた12のエッジキューブ、および3つのエッジキューブの間に埋め込まれた8つのコーナーキューブで構成されている。
【0003】
かつ、従来の3次ルービックキューブは、以下のような欠陥がある。
【0004】
(1)ルービックキューブは変化に富み、公式を知らないと復元が困難であり、また、前記公式の形式が非常に複雑であるため、利用者が覚えにくいという復元の困難さ。
【0005】
(2)現在のルービックキューブ復元競技では、復元に成功した後にプレイヤーが自らでボタンを押して計時を止める必要があるため、常に0.5秒程度の計時誤差が発生するという計時の低精度。
【0006】
(3)回復操作中に手が操作過程を遮蔽しているため、傍観者やカメラが完全な操作過程を観察することが困難であり、また、ルービックキューブの復元プロセスを記録することも困難であるというプレイヤー間の技術的コミュニケーションの不便性。
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、提示と記録機能を有するスマートルービックキューブ(公開番号WO/2016/173476)が先行技術で提供されているが、以下のような欠点がある。
【0008】
(1)電子部品やプラスチック部品が多いため、重量が重く、プレイヤーのスピードアップに寄与しない。
【0009】
(2)組立工程が複雑であるため、製造コストが高すぎになり、利用者の分解や試験調整にも使い勝手が悪い。
【0010】
(3)面方位センシングに関連する部品の配置が多すぎるため、センシング誤差が発生しやすく、ひいてはスマートルービックキューブにおけるマスタコントローラの判定にエラーが生じ、使用体験に影響を与える。
【0011】
(4)スマートルービックキューブの面方位センサ、すなわち、先行技術中の物理的検出モジュール回路は、一般的にセンターキューブ内に取り付けられているため、利用者は、開示番号CN210384805Uの先行出願における軸心浮動弾性調整システムを使用して、スマートルービックキューブの軸心および浮動振幅を調整することができない。
【0012】
(5)スマートルービックキューブの各種センサや面方位検出機構は、すべてワイヤ溶接やFPCフラットワイヤ溶接を使用しており、溶接コストが高く、ワイヤのレイアウトが乱雑で、長期間使用すると、ロジン接続や断線が発生しやすく、スマートルービックキューブが正常に使用できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の第1の目的は、面方位センシング構造を提供することにあり、スマートルービックキューブの部品を低減し、センシング精度を向上させ、長期使用に耐えうる高い安定性を有することを旨とする。
【0014】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の第2の目的は、スマートルービックキューブを提供することにあり、従来のスマートルービックキューブの基本機能を有しながら、ルービックキューブ競技のプレイヤーがルービックキューブの弾性、浮動振幅および位置決め性能を調整して、競技会でより良いパフォーマンスを発揮できることを旨とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の目的を実現するために、本発明は、以下のような技術的解決手段を採用する。
【0016】
面方位センシング構造であって、それは、
互いに電気的に接続されて正六面体を形成し、かつ、それぞれの外面に円環状銅箔が設けられる6枚のプリント回路基板と、ここで、円環状銅箔の円心は前記プリント回路基板の中心に位置し、前記円環状銅箔の周辺には、円心が共通で半径が等しい4本の円弧状銅箔が等間隔で設けられ、前記円環状銅箔と円弧状銅箔の円心が共通であり、
ロッド本体の底部にはディスクベースが設けられ、前記ディスクベースの底面には底板銅箔が固定され、前記底板銅箔には、前記プリント回路基板の一側に向かって突出した第1のブラシブレード、第2のブラシブレードおよび第3のブラシブレードが設けられる6本の軸状ロッドと、を含み、
前記プリント回路基板上の前記円心に貫通孔が開設され、前記ディスクベースの底面中心には、前記貫通孔に対応する、前記底板銅箔を貫通する突起柱が設けられ、前記軸状ロッドは、突起柱が前記貫通孔に挿入されることで、それ自身の中心軸に沿ってプリント回路基板上に回転可能に取り付けられ、
前記底板銅箔が軸状ロッドと共に回動する時、前記第1のブラシブレードと第2のブラシブレードは、ブラッシングする経路が前記円環状銅箔の上にあり、かつ前記プリント回路基板に電気的に接続され、また、前記第3のブラシブレードがブラッシングする経路は、4本の前記円弧状銅箔をカバーし、かつ第3のブラシブレードは円弧状銅箔をブラッシングするときに前記プリント回路基板に電気的に接続され、
前記正六面体には、マスタ制御チップセットおよびマスタ制御チップセットに電力を供給するための電池が設けられ、前記マスタ制御チップセットは、前記円環状銅箔に電気的に接続され、前記軸状ロッドのうちのいずれかが回転すると、マスタ制御チップセットは、第3のブラシブレードが円弧状銅箔をブラッシングした時に引き起こされたレベル変化信号を受信し、
さらに、上、下半円状のボールカバーを閉合してなるボールカバーを含み、前記正六面体は前記ボールカバー内に設けられ、前記軸状ロッドはボールカバーを貫通してボールカバーの外に延出している。
【0017】
さらに、前記ボールカバーの隙間線は、4本の軸状ロッドが共有する水平面の上に位置し、前記4本の軸状ロッドに対応するボールカバーの前記位置には、いずれも上半円管および下半円管が設けられ、前記上半円管はすべて前記上半円状のボールカバーに位置し、前記下半円管はすべて前記下半円状のボールカバーに位置し、前記上、下半円状のボールカバーが閉合されると、各対応する上、下半円管はすべて、前記軸状ロッドの本体に嵌着されている円管として閉合され、各前記円管はすべてボールシャフトによって嵌着されている。
【0018】
さらに、前記正六面体の一方の面のプリント回路基板の内側には、CRボタン電池を取り付けるための電池スロットが設けられ、電池スロットに対応する前記ボールカバーの位置には、前記CRボタン電池を出し入れするための電池入出口が開設され、電池入出口に対応するプリント回路基板の底部が切断される。
【0019】
さらに、前記電池入出口を閉じるための電池カバーを含む、ということを特徴とする。
【0020】
第2の目的を実現するために、本発明は、以下のような技術的解決手段を採用する。
【0021】
中心軸と、前記中心軸に接続された6つのセンターキューブと、2つのセンターキューブごとの間に埋め込まれた12のエッジキューブと、3つの前記エッジキューブの間に埋め込まれた8つのコーナーキューブを含むスマートルービックキューブであって、それは、前記中心軸は前記面方位センシング構造である。
【0022】
さらに、前記軸状ロッドの末端には、軸心浮動弾性調整システムによって前記センターキューブに接続された突起ブロックが設けられる。
【0023】
さらに、前記コーナーキューブ内の前記エッジキューブに隣接する3側の位置には、いずれも第1の磁石が設けられ、エッジキューブ内のコーナーキューブに隣接する2側の位置には、いずれも前記第1の磁石に対応する第2の磁石が設けられる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、先行技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0025】
(1)6枚のプリント回路基板をステッチングしてスマートルービックキューブの軸心となる正六面体を形成し、マスタ制御チップセットは、ブラシブレードが銅箔をブラッシングしてレベルの変化を引き起こすことだけにより、層の回動を認識し、よって、層の位置変化の認識がより正確になり、脱調率が低くなるとともに、部品点数の削減と組立工程の簡素化を実現している。
【0026】
(2)面方位センシングに関連するすべての部品を軸心に集中させることで、ルービックキューブのコーナーキューブ、エッジキューブおよびセンターキューブの内部には、軸心浮動弾性調整システムや磁性位置決めシステムなどの他の機能コンポーネントを取り付ける空間を有させ、スマートルービックキューブをより簡単で自由に回転させや力をかけると共に、そのスマート機能をよりスムーズに動作させ、ユーザー体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に記載の6枚のプリント回路基板によって構成された正六面体の斜視図である。
図2図1に記載の正六面体の構造を示す分解図である。
図3】本発明に記載の面方位センシング構造の斜視図である。
図4】本発明に記載の面方位センシング構造の電池を取り出した場合の構造を示す模式図である。
図5図3に記載の面方位センシング構造の一部の部品の分解模式図である。
図6】本発明に記載のスマートルービックキューブの一部の部品の分解模式図である。
図7】本発明に係るマスタ制御チップセットと各検出箇所の回路構造を示すブロック図である。
図8】本発明に記載の検出箇所の構造を示す分解図である。
図9】本発明に記載の軸状ロッドが時計回りに360°回動したときに、マスタ制御チップセットによって検出されるレベルの変化を示す図である。
図10】本発明に記載の軸状ロッドが1つの円弧状銅箔の範囲で1回循環回動するときに、マスタ制御チップセットによって検出されたレベルの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
ここで、1センターキューブ、2エッジキューブ、3コーナーキューブ、4正六面体、41トップPCB、42ボトムPCB、43フロントPCB、44リアPCB、45左PCB、46右PCB、5円環状銅箔、6円弧状銅箔、7電池スロット、8ボールカバー、81上半円状のボールカバー、82下半円状のボールカバー、9電池入出口、10電池カバー、11軸状ロッド、111ディスクベース、112突起柱、113突起ブロック、114ロッド本体、12隙間線、13円管、131上半円管、132下半円管、14ボールブッシュ、15底板銅箔、151第1のブラシブレード、152第2のブラシブレード、153第3のブラシブレード、16第1の磁石、17第2の磁石、18CRボタン電池、19軸心浮動弾性調整システム、20貫通孔。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施例における技術的解決手段は、図面に関連して以下に明確かつ完全に記載されるが、記載された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。
【0030】
説明すべきこととして、本発明の実施例において関連する方向指示(例えば、上、下、左、右、フロント、リア、トップ、ボトム、内、外、垂直、横方向、縦方向、反時計回り、時計回り、周方向、径方向、軸方向...)がある場合、当該方向指示は、特定の姿勢における各部品の相対的な位置関係、移動状況などを説明するためにのみ使用され、その特定の姿勢が変更された場合には、それに応じて方向指示も変更される。
【0031】
また、本発明の実施例において、「第1」または「第2」などに関連する記述がある場合、当該「第1」または「第2」などの記述は、説明するためのものに過ぎず、その相対的な重要度を指示や示唆するもの、或いは指示される技術的特徴の数を暗示的に表示するものとして理解できない。そこで、「第1」、「第2」に限定される特徴は、明示的や暗示的に、少なくとも1つのそのような特徴を含むことができる。
【0032】
また、各実施例間の技術的解決手段は、互いに組み合わせることができるが、それは、当業者によって実現できることに基づいていなければならず、技術的解決手段の組み合わせが矛盾しているか、または実現できない場合、そのような技術的解決手段の組み合わせは、存在しないものとみなされ、本発明の保護範囲内に含まれないものとする。
【0033】
本発明は、面方位センシング構造を提供する。
【0034】
本発明の実施例では、当該面方位センシング構造は、各枚が1本の軸状ロッド11に対応する合計6枚のPCB(プリント回路基板)と、上、下半円状のボールカバー82を閉合してなるボールカバー8と、PCB上に設けられたマスタ制御チップセットとを含む。
【0035】
具体的には、図1から図4に示すように、6枚のPCBを互いにステッチングして正六面体4を形成し、6枚のPCBをそれぞれトップPCB41、ボトムPCB42、フロントPCB43、リアPCB44、左PCB45、右PCB46とし、6枚のPCBが互いに電気的に接続され、各PCBの外面には、円心がプリント回路基板の中心に位置する円環状銅箔5が設けられ、円環状の周辺には、円心が共通で半径が等しい4本の円弧状銅箔6が等間隔で設けられ、円環状銅箔5と円弧状銅箔6の円心が共通であり、マスタ制御チップセットに電力を供給するために、正六面体4の内部に向かったボトムPCB 42の一側には、CRボタン電池18を取り付けるための電池スロット7が設けられ、電池スロット7が配置されている位置に対応するフロントPCB 43の底部が切断され、正六面体4は、上、下半円状のボールカバー82を閉合してなるボールカバー8の内に設けられ、電池スロット7に対応したボールカバー8の位置には、CRボタン電池18を出し入れするための電池入出口9が開設され、さらに電池入出口9を閉じるための電池カバー10が設けられる。
【0036】
具体的には、図3から図5に示すように、軸状ロッド11のロッド本体114は、ボールカバー8を貫通してボールカバー8の外に延出し、ボールカバー8の隙間線12は、フロント、リア、左、右PCB 43、44、45、46に対応する軸状ロッド11の軸線が共有する水平面の上に位置し、これらの4本の軸状ロッド11に対応するボールカバー8の位置には、すべて上半円管131および下半円管132が設けられ、上半円管131はすべて上半円状のボールカバー81に位置し、下半円管132はすべて下半円状のボールカバー82に位置し、上、下半円状のボールカバー82が閉合されると、各対応する上、下半円管132はすべて、軸状ロッド11のロッド本体114に嵌着されている円管13として閉合され、各円管13はすべてボールブッシュ14によって嵌着されている。
【0037】
具体的には、図5に示すように、各軸状ロッド11のロッド本体114の底部にはディスクベース111が設けられ、各ディスクベース111の底面には底板銅箔15が固定され、底板銅箔15には、PCBの一側に向かって突出した第1のブラシブレード151、第2のブラシブレード152および第3のブラシブレード153が設けられ、各円環状銅箔5上の円心に貫通孔20が開設され、ディスクベース111の底面中心には、貫通孔20に対応する、底板銅箔15を貫通する突起柱112が設けられ、各軸状ロッド11は、突起柱112が貫通孔20に挿入されることで、それ自身の中心軸に沿ってそれぞれ対応するPCB上に回転可能に取り付けられ、そのうちの底板銅箔15が軸状ロッド11と共に回動する時、第1のブラシブレード151と第2のブラシブレード152は、ブラッシングする経路が円環状銅箔5の上にあり、かつPCBに電気的に接続され、また、第3のブラシブレード153がブラッシングする経路は、4本の円弧状銅箔6をカバーし、かつ第3のブラシブレード153は円弧状銅箔6をブラッシングするときにPCBに電気的に接続され、2つの円弧状銅箔6の間の隙間をブラッシングするときにPCBに電気的に接続されていない。
【0038】
具体的には、マスタ制御チップセットは、レベル検出モジュール、データ処理モジュール、演算記憶モジュール、ブルートゥース(登録商標)送信モジュールを含み、軸状ロッド11のうちのいずれかが回転すると、マスタ制御チップセットにおけるレベル検出モジュールは、当該軸状ロッド11の対応する底板銅箔上の第3のブラシブレード153が円弧状銅箔6をブラッシングしたときに引き起こされたレベル変化信号を受信する。
【0039】
本発明は、さらに、スマートルービックキューブを提供する。
【0040】
本発明の実施例では、図6に示すように、当該スマートルービックキューブは、本発明に係る面方位センシング構造を中心軸として、さらに、面方位センシング構造の軸状ロッド11に接続された6つのセンターキューブ1、2つのセンターキューブ1ごとの間に埋め込まれた12のエッジキューブ2、および3つのエッジキューブ2の間に埋め込まれた8つのコーナーキューブ3を含み、コーナーキューブ3内のエッジキューブ2に隣接する3側の位置にはいずれも第1の磁石16が設けられ、エッジキューブ2内のコーナーキューブ3に隣接する2側の位置には、いずれも第1の磁石16に対応する第2の磁石17が設けられ、軸状ロッド11の末端には、軸心浮動弾性調整システム19によってセンターキューブ1に接続された突起ブロック113が設けられ、軸心浮動弾性調整システム19の具体的な構造および使用方法については、公開番号CN210384805Uの先行公開書類を参照することができ、ここでは説明を繰り返さない。
【0041】
具体的には、図7に示すように、面方位センシング構造の各PCBとそれに対応する軸状ロッド11と、当該PCB上の円環状銅箔5と4本の円弧状銅箔6と、軸状ロッド11底部の底板銅箔15上の第1、第2、第3のブラシブレード153とは一体となって1つの検出箇所を形成しており、それとマスタ制御チップセットとの回路接続関係を図8に示す。
【0042】
上記検出箇所に対応する層の回動を例として、層が360°回動し、対応する層の軸状ロッド11も360°回動する場合、第3のブラシブレード153はすべての円弧状銅箔6をブラッシングし、マスタ制御チップセットに図9に示すレベルの変化を検出させ、図9の各ピークは、1つの円弧状銅箔6に対応し、90°回動するごとに対応する高レベルが現れることを意味し、マスタ制御チップセットは、これらのレベル変化を演算および記憶のためのデジタル信号に変換し、最終的にブルートゥース(登録商標)を介してスマート端末のAPPに送信してスマートルービックキューブの対応する層の回動を提示する。

【0043】
同様に、上記検出箇所に対応する層の回動を例として、当該層が逆方向に90°未満回転した場合、マスタ制御チップセットによって検出されたレベル変化は、図10に示すとおりであり、このとき、レベル変化は、デジタル信号に変換され、マスタ制御チップセットに内蔵されたアルゴリズムにより、スマート端末のAPPの提示エラーを発生させないように、層が回動したことを示す信号をスマート端末に送信しないと定義されている。
【0044】
注意すべきこととして、当業者であれば、第3のブラシブレード153が円弧状銅箔6をブラッシングするときに図9または図10のようなレベル変化を実現できるための本実施例で設計された回路に限定されずに、第3のブラシブレード153が円弧状銅箔6をブラッシングするときに発生したレベル変化信号をマスタ制御チップセットが正常に認識できる限り、他の形態の回路を設けることもできる。
【0045】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、それによって本発明の特許範囲を限定するものではないが、本発明の構想の下で、本発明の明細書及び図面の内容を用いてなされた等価な構造変換、または他の関連する技術分野に直接/間接的に適用されたものは、すべて本発明の特許保護の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10