(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】インライン希釈及び自動校正ICP-MS化学種分析
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20230417BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20230417BHJP
G01N 1/38 20060101ALI20230417BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20230417BHJP
【FI】
G01N1/10 P
G01N1/00 101L
G01N1/38
G01N27/62 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178460
(22)【出願日】2021-11-01
(62)【分割の表示】P 2016237763の分割
【原出願日】2016-12-07
【審査請求日】2021-11-16
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516257707
【氏名又は名称】エレメンタル・サイエンティフィック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ELEMENTAL SCIENTIFIC, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ポール・フィールド
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・ウィーデリン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・サリバン
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-008113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0106945(US,A1)
【文献】特表2013-520682(JP,A)
【文献】特開平05-126691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0305464(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0050737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 - 1/44
G01N 30/00 -30/96
G01N 35/00 -37/00
G01N 33/48 -33/98
G01N 27/60 -27/92
G01N 21/62 -21/74
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバルブであって、前記第1のバルブは、サンプリング装置から前記第1のバルブに連結された保持ループの中にサンプル液を受け入れる第1バルブ形態を有する第1のバルブと、
前記第1のバルブと連結された複数のシリンジポンプであって、前記複数のシリンジポンプは、第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、キャリア液を供給するように構成されたキャリアシリンジポンプと、前記第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、希釈液を供給するように構成された希釈シリンジポンプと、前記第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、標準液を供給するように構成された標準シリンジポンプと、を含み、前記第1のバルブは、インライン希釈サンプルを形成するために、前記希釈液、前記標準液または前記サンプル液の少なくとも2つを混合するように構成され、前記第1のバルブは、前記第1のバルブから前記インライン希釈サンプルを送達するように構成される、複数のシリンジポンプと、
前記第1のバルブと連結された第2のバルブであって、前記第2のバルブは、前記第1のバルブから前記第2のバルブに連結されたサンプル保持ループの中に前記インライン希釈サンプルを受け入れるように構成された第1バルブ形態を有し、前記第2のバルブは、溶離液源またはキャリア液源の少なくとも1つと連結し、前記溶離液源からの溶離液または前記キャリア液源からのキャリア液の少なくとも1つを受け入れるように第2バルブ形態を有する第2のバルブと、を備
え、
前記第2バルブ形態は、さらに前記サンプル保持ループからスペシエーションカラムにインライン希釈サンプルを移すように構成され、
前記スペシエーションカラムは、誘導結合プラズマトーチ部品に連結されるシステム。
【請求項2】
さらに前記希釈シリンジポンプ及び前記標準シリンジポンプと操作可能に連結されたコンピュータシステムを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピュータシステムは、インライン希釈要因に従って、前記希釈シリンジポンプ及び前記標準シリンジポンプのそれぞれによって出力される流量を制御するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記インライン希釈要因は、前記コンピュータシステムによってアクセスできる、非一時的キャリア媒体部品に記憶されている請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは複数のインライン希釈要因に従って、前記希釈シリンジポンプ及び前記標準シリンジポンプのそれぞれによって出力される前記流量を制御するように構成される請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムは、前記複数のインライン希釈要因に従ってインライン希釈されたサンプルの誘導結合プラズマ分光分析システムによる分析に基づいた校正カーブを発生するように構成される請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記スペシエーションカラムは、前記誘導結合プラズマトーチ部品の噴射機に連結される請求項
1に記載のシステム。
【請求項8】
さらに、前記第2のバルブと前記スペシエーションカラムの間に連結されたスペシエーションバイパスバルブを備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項9】
前記スペシエーションバイパスバルブは、前記第2のバルブから前記スペシエーションカラムを通って、誘導結合プラズマトーチ部品への第1の流れの経路を提供するスペシエーション形態を含み、前記スペシエーションバイパスバルブは、前記第2のバルブから前記スペシエーションカラムを迂回して、前記誘導結合プラズマトーチ部品への第2の流れの経路を提供するスペシエーションバイパス形態を含む、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
第1のバルブであって、前記第1のバルブは、サンプリング装置から前記第1のバルブに連結された保持ループの中にサンプル液を受け入れる第1バルブ形態を有する第1のバルブと、
前記第1のバルブと連結された複数の流体ポンプであって、前記複数の流体ポンプは、第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、キャリア液を供給するように構成されたキャリア流体ポンプと、前記第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、希釈液を供給するように構成された希釈流体ポンプと、前記第2バルブ形態の前記第1のバルブへ、標準液を供給するように構成された標準流体ポンプと、を含み、前記第1のバルブは、インライン希釈サンプルを形成するために、前記希釈液、前記標準液または前記サンプル液の少なくとも2つを混合するように構成され、前記第1のバルブは、前記第1のバルブから前記インライン希釈サンプルを送達するように構成される、複数の流体ポンプと、
前記第1のバルブと連結された第2のバルブであって、前記第2のバルブは、前記第1のバルブから前記第2のバルブに連結されたサンプル保持ループの中に前記インライン希釈サンプルを受け入れるように構成された第1バルブ形態を有し、前記第2のバルブは、溶離液源またはキャリア液源の少なくとも1つと連結し、前記溶離液源からの溶離液または前記キャリア液源からのキャリア液の少なくとも1つを受け入れるように第2バルブ形態を有する第2のバルブと、を備え、
前記第2バルブ形態は、さらに前記サンプル保持ループからスペシエーションカラムにインライン希釈サンプルを移すように構成され、
前記スペシエーションカラムは、誘導結合プラズマトーチ部品に連結されるシステム。
【請求項11】
さらに前記希釈流体ポンプ及び前記標準流体ポンプと操作可能に連結されたコンピュータシステムを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、インライン希釈要因に従って、前記希釈流体ポンプ及び前記標準流体ポンプのそれぞれによって出力される流量を制御するように構成される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記インライン希釈要因は、前記コンピュータシステムによってアクセスできる、非一時的キャリア媒体部品に記憶されている請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータシステムは複数のインライン希釈要因に従って、前記希釈流体ポンプ及び前記標準流体ポンプのそれぞれによって出力される前記流量を制御するように構成される請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータシステムは、前記複数のインライン希釈要因に従ってインライン希釈されたサンプルの誘導結合プラズマ分光分析システムによる分析に基づいた校正カーブを発生するように構成される請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記スペシエーションカラムは、前記誘導結合プラズマトーチ部品の噴射機に連結される請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
さらに、前記第2のバルブと前記スペシエーションカラムの間に連結されたスペシエーションバイパスバルブを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記スペシエーションバイパスバルブは、前記第2のバルブから前記スペシエーションカラムを通って、誘導結合プラズマトーチ部品への第1の流れの経路を提供するスペシエーション形態を含み、前記スペシエーションバイパスバルブは、前記第2のバルブから前記スペシエーションカラムを迂回して、前記誘導結合プラズマトーチ部品への第2の流れの経路を提供するスペシエーションバイパス形態を含む、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35USC§119(e)のもとで2015年12月8日に出願され、「INLINE DILUTION AND AUTOCALIBRATION FOR ICP-MS SPECIATION ANALYSIS」というタイトルされた米国仮出願シリアルNo.62/264,661との利益を請求する。米国仮出願シリアルNo.62/264,661はここで全体的に言及することにより包含される。
【背景技術】
【0002】
分光分析は、物質を構成する部分を識別するために波長に応じて放出強度の測定を参照する。誘導結合プラズマ(ICP)分光分析は、微量の要素の濃度および液体サンプルの同位体比を決定するために使われる共通的な分析技術である。例えば、半導体工業では、ICP分光分析は、サンプル中の金属濃度を決定するために使われる。ICP分光分析は、約7000Kの温度に達する電磁的に発生され、部分的にイオン化されたアルゴンプラズマを使用する。サンプルがプラズマに導入されると、高温は、サンプルの原子をイオン化または光放出させる。それぞれの化学要素は、特徴的な質量または放出波長を発生するので、放出された質量や光のスペクトルを測定することで、オリジナルサンプルの要素の組成物を決定することができる。分析されるためのサンプルは、しばしばサンプル混合物で提供される。
【0003】
サンプル導入システムは、分析のためのICP分光分析機(例、誘導結合プラズマ質量分光分析機(ICP/ICP-MS)、誘導結合プラズマ原子放出分光分析機(ICP-AES)、またはそのようなもの)中に液体サンプルを導入することを採用されうる。例えば、サンプル導入システムは容器から液体サンプルの一定分量を引き出して、その後、ICP分光分析機によってプラズマでイオン化するのに適している多分散系エアロゾルの中に一定量変換する噴霧機に一定量輸送する。エアロゾルは、それからより大きなエアロゾル粒子を取り除くために噴霧チャンバーに仕分けられる。噴霧チャンバーから離れるや否や、エアロゾルは、分析のためのICP-MSまたはICP-AESのプラズマトーチ部品によってプラズマ中に導入される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ICP分光分析によって化学種を明らかにすること及び次の分析のための所定の化学物質のインラインの自動希釈のシステム及び方法が記載される。システムの実施形態は、保有ループの中にサンプルを受ける第1のバルブと、第1のバルブからインライン希釈サンプルを届けるための第1のバルブに連結された複数のシリンジポンプと、第1のバルブから、連結されたサンプル保有ループの中にインライン希釈サンプルを受けるための第1のバルブに連結された第2のバルブと、を含み、第2のバルブは、前記インライン希釈サンプルの1以上の化学種を分離するために、前記サンプル保有ループから、スペシエーションカラムへ、前記インライン希釈サンプルを運ぶため、少なくとも、溶離液またはキャリア液のいずれか一を受けるように少なくとも溶離液源またはキャリア液源の少なくとも1つと連結されるように構成されている。
【0005】
この概要は、詳細な説明で下記に記載される、単純化された形態の概念から選ばれたものが導入するために提供される。この概要は、権利要求された主題の重要な特徴または本質的な特徴を明らかにする意図はなく、権利要求された主題の範囲を決定する助けとして使用される意図もない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の実施例による化学種を明らかにする分析のためにサンプルをインライン希釈するICP分光分析システムを描く図。
【
図2】
図1で示されるシステムのようなICP分光分析システムによって化学種を明らかにする分析のためにサンプルをインライン希釈するシステムを制御するためのコンピュータシステムを描いたブロック図。
【
図3A】ICP分光分析システムによって化学種を明らかにする分析のためにサンプルをインライン希釈するシステムの、スペシエーションバイパスバルブを含むバルブシステムの概略図。
【
図3B】ICP分光分析システムによって化学種を明らかにする分析のためにサンプルをインライン希釈するシステムの、スペシエーションバイパスバルブを含むバルブシステムの概略図。
【
図3C】ICP分光分析システムによって化学種を明らかにする分析のためにサンプルをインライン希釈するシステムの、スペシエーションバイパスバルブを含むバルブシステムの概略図。
【
図4A】リンゴジュースサンプルの様々な希釈液のヒ素の測定された経過時間を示すグラフ。
【
図4B】米粉の様々な希釈液のヒ素の測定された経過時間を示すグラフ。
【
図5】単純に混合された標準及び校正ブランクの自動校正を通した校正クロマトグラム。
【
図6】自動校正から得られた主要ヒ素化学種の5つの校正カーブのグラフ。
【
図7A】自動化されたインライン希釈のヒ素の化学種の測定の経過時間を示すグラフ。
【
図7B】脱イオン化された水で手動希釈のヒ素の化学種の測定の経過時間を示すグラフ。
【
図7C】移動相で手動希釈のヒ素の化学種の測定の経過時間を示すグラフ。
【
図8A】様々なサンプルの間で測定されたヒ酸塩の濃度についての手動希釈の効果を示すグラフ。
【
図8B】様々なサンプルの間で測定されたヒ素の化学種の濃度についての手動希釈の効果を示すグラフ。
【
図9】リンゴジュース及び米粉の抜き取りマトリクスの主ヒ素化学種の5つの急な回復を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明は、図を参照して説明される。図において、説明や図の異なる例における同じ参照番号の使用は、同様なまたは同一の特徴の品物を示す。
図1~9を参照すると、ICP分光分析によって化学種を明らかにすること及び次の分析のための所定の化学物質のインライン及び自動希釈のシステム及び方法が記載される。要素の様々な化学種の分析は、サンプル分析の重要な側面であり、特に特定の要素の分析のみで、要素に関連するすべての関連のある情報を提供できるものではない。例えば、1つの要素の異なる化学種は、一般的に要素の量の情報が要素の毒性に応じて示されることを提供するのではなく、意外なことに異なる毒性レベルを有するができる。例えば、クロム(例えばCr(III))の1の化学種が、クロム(例えばCr(VI))の別の化学種が、発がん性物質として人に毒である一方、栄養に関する利益を提供することができる。別の例として、いくつかの有機ヒ素化学種(例えば、アルセノベタイン(AsB)が、無機ヒ素化学種(例えば、亜ヒ酸塩(As(III))、ヒ酸塩(As(V)))が高い毒性である一方、相対的に無毒または毒性が低いということができる。
【0008】
ICP-MSは、非常に低い濃度において、いくつかの化学要素の存在を決定するために役立たせることができるが、ICP-MSは、典型的に化学要素の異なる化学種を区別することができない。要素の異なる化学種を区別するための1つの手順は、液体の流れの経過時間から異なる化学種を分離するための分離カラム(例えば、スペシエーションカラム)を使うことを含み、化学種は、化学種が分離された時の様々な時間で要素のピークとしてICP-MSで測定されることができる。ピークは、(例えば、リンゴジュースや米粉などの)食材を含む、採取された様々な材料のマトリクス組成物によって影響される。例えば、ピークの形状は、ピークが上がったときなど、サンプルのマトリクス組成物によって影響されうる。サンプル分析において大きな逸脱を避けるために、サンプルは、特定のスペシエーションカラムの化学的性質へのかなりの変化を避けることによるような、サンプル分析におけるマトリクスの効果を最小限にするためのより低い濃度へ希釈されることができる。しかしながら、サンプルを前もって希釈しようと試みることは、所定の特定の要素の化学種が、その要素の異なる化学種に変換されることを引き起こすことができ、ICP-MSのよる化学種の量の誤った分析の結果をもたらす。例えば、手動で、サンプルの小瓶(例えば、オートサンプラによって、利用可能なサンプル小瓶)で前に希釈されると、ヒ素の有機化学種(例えば、アルセノベタイン(AsB)、ジメチルアルシン酸(DMA)、及びモノメチルアルソン酸(MMA))がヒ素の無機化学種(例えばヒ酸塩(As(V))に変換されることができる。それゆえ、興味ある化学要素の総量が、ICP-MSによって同じに測定されるであろう一方、興味ある化学要素の個々の化学種の量が、分析前に化学要素の1つの化学種が、別の化学種へ変換することにより異なるであろう。さらに高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)が化学種を明らかにするために使用されることができ、前記HPLCシステムは、典型的に、システムの要求された高い圧力を促進するために金属の部品や部分を含み、化学種の低い濃度を測定することにとって汚染の危険を引き起こす可能性がある。
【0009】
その結果、本開示は、ICP-MSによって化学種を明らかにすること及び次の分析のための所定の化学物質のインライン及び自動希釈のシステム及び方法に向けられる。インライン及び自動希釈を提供することによって、化学物質は、それぞれのサンプルの前もった希釈をすること(例えば、サンプル小瓶で)及びサンプルに化学種を明らかにすること及び分析することのために前に希釈されたサンプルを取り除くためにオートサンプラで待機させることを許す(化学種が興味ある化学物質の異なる化学種へ変換される時間を提供する)というよりむしろ、化学種が明らかにされ、実時間で分析される。はっきりした例が、ここで、ヒ素及びヒ素の化学種に向けられて提供される一方で、自動インライン希釈のシステムと方法は、ヒ素及びヒ素の化学種に限定されず、準備の後に少しの期間の間も希釈した形態が安定でない、いかなる、すべての溶液を包含する。実施例は、他の要素だけでなく、油などのような、混合しないまたは部分的に混合する溶液も含む。ここで記載されるシステムは、高い精度で化学分析を提供するため、きれいなシステムでシリンジポンプ(例えばぜん動ポンプとは対照的に)を通して低い圧力で操作することができる。例えば、実施において、ここで記載されるシステムは、サンプル液体に接する金属部品を含まず、そのような接触に関連する金属汚染の危険を避けることができる。
【0010】
つぎの議論において、ICP-MSによって化学種を明らかにすること及び次の分析のための所定の化学物質のインライン及び自動希釈を提供するための技術の実施例の実施は、提示される。
【0011】
実施例
図1は、実施例の実施におけるICP-MSによって化学種を明らかにすること及び次の分析のための所定の化学物質のインライン及び自動希釈を提供するためのシステム100を描く。示しているように、システム100は、一般的にサンプリング装置102(例えば、オートサンプラ)、バルブシステム104、及びICPトーチ部品108と液体伝達するスペシエーションカラム106を含む。バルブシステム104は、システム100を通り抜ける様々な液体(例えば、サンプル液体、キャリア液体、希釈液体、内部標準液体、溶離液体、リンス液体など)の流れを促進するために複数の位置の間で切り替えられる1以上のバルブを含む。実施において、バルブシステム104は、少なくとも第1のバルブ110、第2のバルブ112、及び第3のバルブ114を含む。例えば、1以上の第1のバルブ110、第2のバルブ112、及び第3のバルブ114は、異なるバルブの形態の間でそれぞれのバルブを通って流れる液体の異なる流れの経路を促進するために、バルブの形態の間で切り替えられる回転バルブであってもよい。第1のバルブ110は、サンプリング装置102と連結され、サンプル103を受け、保有ループ116のような受けたサンプルを保持する。例えば、実施において、第1のバルブ110は少なくとも、2つの形態を切り替えることができ、第1のバルブの形態において、第1のバルブ110は、サンプル装置102からのサンプル103を受けるための流れの経路を提供し、受けたサンプル103を直接、保有ループ116に送る。第1のバルブ110も1以上の内部標準溶液、希釈溶液、キャリア溶液、及びリンス溶液を供給するために構成されたポンプシステム118と連結される。実施において、ポンプシステム118は118a、118b、118c、及び118dのような複数のシリンジポンプを含む。シリンジポンプは、第1のバルブ110で所望のサンプルの希釈液及び/またはサンプルへの標準添加を作製するために、特定の割合でそれぞれのシリンジを動かすために操作される。例えば、第1のバルブ110は、キャリアシリンジポンプ118bからキャリア液体、希釈シリンジポンプ118cから希釈液体、及び標準シリンジポンプ118dから標準液体を受けるための流れの経路を有する第2のバルブの形態へ切り替えることができる。ここで、液体はサンプル103のインライン希釈を提供し、第1のバルブ110から第2のバルブ112へ希釈したサンプルを届ける。4つのシリンジポンプが
図1で表される一方、4つよりも少ないシリンジポンプまたは4つよりも多いシリンジポンプも使われうることが理解される。実施において、ポンプシステム118(例えば、シリンジポンプ118a、118b、118c、及び118d)のそれぞれのシリンジポンプは、第1のバルブ110で制御された希釈液または制御された標準添加液を提供するために特定の噴射率で操作することができる。実施例として、次の表1は、様々な校正カーブの自動準備のための様々なインライン希釈要因(例えば、第1のバルブから)を提供するための標準液(例えば、シリンジポンプ118dを通って)、及び希釈液(シリンジポンプ118cを通って)のための流量を記載している。実施において、希釈液、標準液、及び/またはサンプルは、第1のバルブ110の混合部を通って、混合される。混合部は、混合するために希釈液、標準液、及び/またはサンプルを持ってくるための、1以上の混合ポート124、混合チャネル126、及び液体トランスファーライン128を含み、それらは第1のバルブ110と第2のバルブ112の間で連結される。インライン希釈要因は、要素の個々の化学種(例えばCr(III)、Cr(IV);アルセノベタイン(AsB)、ジメチルジメチルアルシン酸(DMA)、モノメチルアルソン酸(MMA)、亜ヒ酸塩(As(III))、ヒ酸塩(As(V));等)で用意され、分析の下でそれぞれの化学種にとって個々の校正カーブを提供することになる。
【表1】
【0012】
実施において、インライン希釈要因は、システム100の1以上の部品の自動制御によって促進される。例えば、電気機械装置(例えば、電気的なモータ、サーボ、作動装置、またはそのようなもの)は、システム100の内部に組み込まれまたは外部で駆動する制御論理による自動的な操作を促進するために、バルブシステム104(例えば、第1のバルブ110、第2のバルブ112、第3のバルブ114など)、及び/またはポンプシステム118(例えば、シリンジポンプ118a、118b、118c、118dなど)、及び/または別のポンプ/バルブと連結され、組み込まれていてもよい。電気機械装置は、1以上の操作にしたがって、複数のバルブに直接シリンジポンプ118a、118b、118c、118dから、及び他のシリンジ、流れの経路、溶離液源などから液体の流れを運ぶようにさせる形態であることができる。
図2に示されているのは、オートサンプリングシステム100は、プロセッサを有するコンピュータシステム150によって制御されていてもよい。プロセッサは、非一時的なキャリア媒体156(フラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、SDカード、光学ディスク、またはそのようなもの)からコンピュータが読めるプログラム指示154(例えば、制御論理)を実行する。コンピューティングシステム150は、システム100の様々な部品と接続されることができる。接続は、直接または1以上のネットワーク接続158(例えば、ローカルエリアネットワーキング(LAN)、ワイヤレスエリアネットワーキング(WAN、WLAN)、1以上のハブ接続(例えばUSBハブ)など)であることができる。例えば、コンピューティングシステム150は、サンプリング装置102、バルブシステム104、ポンプシステム118、それの部品、ここで提供されるあらゆる様々なポンプまたはバルブ、またはそれらの組み合わせとコミュニケーションがとれるように連結される。プログラムの指示154をプロセッサ152によって実行すると、コンピューティングシステム150は、1以上の操作モード(例えば、自動校正カーブ、サンプル収集、サンプル希釈、化学種を明らかにすること、化学種を明らかにすることを避けることなど)に従って、オートサンプリングシステム100を制御する(例えば、ポンプやバルブを制御する)ことができる。実施において、プログラムの指示154は、少なくとも、プロセッサ152によって実行されるソフトウェアプログラムの部分を形成する。
【0013】
プロセッサ152は、コンピューティングシステム150の処理機能を提供する。プロセッサ152は、あらゆる数のプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の処理システム及びデータ及びその他のコンピュータシステム150によってアクセスできるまたは生成した情報を保持する常駐するまたは外部のメモリを有していてもよい。プロセッサ152は、形成される材料、それが採用される処理の機構に限定されず、半導体及び/またはトランジスタ(例えば、電気集積回路(ICs))などによって実行されてもよい。
【0014】
非一時的なキャリア媒体156は、コンピューティングシステム150の操作に関連した様々なデータを記憶する機能を有するストレージを提供する装置が読めるストレージ媒体の実施例である。コンピューティングシステム150は、ソフトウェアプログラム、コードセグメント、またはプログラム指示154、またはプロセッサ152に指示する他のデータ、及びここで記載された技術を処理するためのコンピューティングシステム150のその他の要素のようなものである。単一のキャリア媒体156は
図2に示されているが、幅広いメモリの型、組み合わせが用いられる。媒体156は、例えば、取り外し可能なまたは不可能なメモリ素子を含み、RAM、ROM、フラッシュ(例えば、SDカード、mini-SDカード、micro-SDカード)、磁気、光学、USBメモリ装置などのようなものがある。コンピューティングシステム150の実施形態において、キャリア媒体156は取り外し可能なSIM(サブスクライバアイデンティティモジュール)カード、USIM(ユニバーサルサブスクライバアイデンティティモジュール)カード、UICC(ユニバーサルインテグレイテッドサーキットカーズ)などのような、ICC(インテグレイテッドサーキットカード)メモリであってもよい。
【0015】
コンピューティングシステム150は、コンピューティングシステム150の使用者に情報を表示するための1以上のディスプレイを含むことができる。実施形態において、ディスプレイはグラフィカルユーザインターフェースのような文字及び/または絵の情報を表示するように構成されたCRT(カソードレイチューブ)ディスプレイ、LED(ライトエミッティングダイオード)ディスプレイ、OLED(オーガニックLED)ディスプレイ、LCD(リキッドクリスタルダイオード)ディスプレイ、TFT(シンフィルムトランジスタ)LCDディスプレイ、LEP(ライトエミッティングポリマ)またはPLED(ポリマライトエミッティングダイオード)などからなっていてもよい。ディスプレイは、暗闇や他の低照度環境で観察されるようにバックライトを通して光っていてもよい。ディスプレイは、使用者から入力(例えば、データ、命令など)を受けるためのタッチスクリーンを提供されてもよい。例えば、使用者はタッチスクリーンに接触することによって及び/またはタッチスクリーンに身振り手振りをすることによって、コンピューティングシステム150を操作してもよい。いくつかの実施形態において、タッチスクリーンは、容量タッチスクリーン、抵抗タッチスクリーン、赤外線タッチスクリーン、それらの組み合わせ及びそのようなものであってもよい。コンピューティングシステム150は、さらに1以上の入力/出力(I/O)装置(例えば、キーパッド、ボタン、ワイヤレス入力装置、サムホイール入力装置、トラックスティック入力装置など)を含んでいてもよい。I/O装置は、マイクロフォン、スピーカなどの1以上の音響I/O装置を含んでいてもよい。
【0016】
コンピューティングシステム150は、異なる装置(例えば、部品/周辺機器)の間及び/または1以上のネットワーク越しにデータを送信したり、受信したりすることをコンピューティング装置に許す通信機能の代表的な通信モジュールを含んでいてもよい。通信モジュールは、これに限られる必要はないが、ブラウザ、送信機及び/または受信機、データポート、ソフトウェアインターフェース及びドライバ、ネットワーキングインターフェース、データ処理部品などを含む、様々な通信部品及び機能の代表であってよい。
【0017】
1以上のネットワーク158は様々な異なる通信経路及びネットワーク接続の代表であり、個々に、または組み合わさって、インライン希釈及び自動校正システム環境(例えばシステム100)の部品間を通信するために用いられる。それゆえ、1以上のネットワーク158は、単一のネットワークまたは、複数のネットワークを用いて達成される通信経路の代表であってもよい。さらに、1以上のネットワーク158は、様々な異なるネットワーク及び接続の代表であり、これに限られる必要はないが、インターネット、イントラネット、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えばイーサネット(登録商標))、ワイドエリアネットワーク(WAN)、通信衛星ネットワーク、セル方式のネットワーク、モバイルデータ通信ネットワーク、ワイヤ接続またはワイヤレス接続などを含むことを予期されている。ワイヤレスネットワークの例は、これに限定される必要はないが、802.11、802.16(Wi-Max)標準、ワイファイアライアンスによって、広められたWi-Fi標準、ブルートゥースインタレストグループによって、広められたBluetooth(登録商標)標準などのような1以上のインスティチュートオブエレクトリカルアンドエレクトロニクスエンジニアズ(IEEE)の標準に従う通信のために設定されるネットワークがある。ワイヤ接続の通信は、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)、シリアル接続などのようなものも予期されている。
【0018】
コンピューティングシステム150は、メモリ(例えば、キャリア媒体156)に記憶可能で、プロセッサ152によって実行可能なユーザインターフェースを含むように記載されている。ユーザインターフェースは、ディスプレイを通して、コンピューティングシステム150の使用者に、情報とデータの表示を制御するための機能として代表的なものである。いくつかの実施において、ディスプレイは、コンピューティングシステム150と一体化されなくてもよく、代わりに外部からユニバーサルシリアルバス(USB)を用いて接続されていてもよい。ユーザインターフェースは、タッチスクリーンまたは、I/O装置を通して、入力(例えば、サンプル同一性、所望の希釈要因、標準溶液の同一性、溶離液の同一性/ロケーションなど)を提供することによって、使用者が、コンピューティングシステム150の1以上のアプリケーションと情報をやりとりすることができる機能を提供してもよい。例えば、ユーザインターフェースは、ディスプレイまたは別途ディスプレイと組み合わされた表示によって、アプリケーションを設定するために、機能をオンライン希釈制御モジュールにさらすため、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を生成させてもよい。実施形態において、APIは、さらに、インライン希釈制御モジュールを設定するための機能を触れてもよく、分析のために所望の希釈要因を提供するためのタッチスクリーン及び/またはI/O装置を通して入力を提供することによって、使用者は、アプリケーションと情報をやりとりすることができる。
【0019】
インライン希釈制御モジュールはソフトウェアを有していてもよい。ソフトウェアは、メモリ(例えば、キャリア媒体156)に記憶され、プロセッサ152によって実行可能であり、コンピューティングシステム150へ機能を与えるために特定の操作または操作の群をする。インライン希釈制御モジュールは、例えば、内部標準及び/またはサンプリング装置からのサンプルの希釈を制御するための機能を提供する。例えば、インライン希釈制御モジュールは、キャリア液及び/または希釈液の量を制御してもよい。キャリア液及び/または希釈液は、ポンプシステム118のポンプ(例えば、保有ループ116から運ばれたサンプル103と混合するための第1のバルブ110)によって供給される。
【0020】
実施において、ユーザインターフェースは、ブラウザ(例えば、インライン希釈制御モジュールの機能を実施するために)を含んでいてもよい。ブラウザは、ワールドワイドウェブの中のウェブページ、プライベートネットワークのウェブサーバによって提供されるウェブページなどのようなコンテンツを表示し、及び情報をやりとりすることをコンピューティング装置に可能とする。ブラウザは、様々な方法で構成されてよい。例えば、ブラウザは、ユーザインターフェースによって接続されるインライン希釈制御モジュールとして構成されてもよい。ブラウザは、かなりのメモリと処理リソースを有するフルリソース装置(例えば、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)など)によって、使用のために適切なウェブブラウザであってもよい。
【0021】
一般に、ここで記載される装置のいくつかは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定された論理回路)、手動処理、または、これらの実施の組み合わせを使用することによって実施されることができる。ここで使われる、モジュール及び機能という言葉は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせに代表される。システム100におけるモジュール間の通信は、例えば、ワイヤ接続、ワイヤレス、またはそれらのいくつかの組み合わせでできる。ソフトウェアの実施の場合において、例えば、モジュールは、ここで記載されるプロセッサ152のようなプロセッサに実行されたとき、特定のタスクを処理する実行可能な指示に代表されるかもしれない。プログラムコードは1以上の装置が可読なストレージ媒体に記憶される。ストレージ媒体の例は、コンピューティングシステム150と関連する非一時的キャリア媒体156である。
【0022】
再び、
図1を参照して、第2のバルブ112は、第1のバルブ110と第3のバルブ114の間に連結されるように示され、第1のバルブ110及び第3のバルブ114から液体を受けるように構成される。例えば、実施において、第2のバルブは、少なくとも2つの形態の間を切り替え可能である。第1のバルブの形態は、第2のバルブ112が第1のバルブ110から希釈したサンプルを受け、希釈したサンプルをサンプル保有ループ120に直接運ぶように流れの経路を提供する。第2のバルブ112は、スペシエーションカラム106にも連結される。第1のバルブ110及び第3のバルブ114からスペシエーションカラム106へ受けた液体を導入することになる。例えば、第2のバルブ112は、第2の形態に切り替えることができる。第2の形態は、1以上のサンプル、希釈したサンプル溶液、標準溶液、希釈した標準溶液、または、そのようなものを保有ループ120(または、直接に第1のバルブから)スペシエーションカラム106へ、興味ある化学物質の様々な化学種を分離するために、導入することができる。実施において、サンプルまたは希釈されたサンプルは、スペシエーションカラム106に導入されると、第2のバルブ112は、ICP-MA分析のために、スペシエーションカラム106からICPトーチ部品108へ興味ある化学種を運ぶために、第3のバルブ114から受けた1以上の溶離液を導入することができる。
【0023】
実施において、システム100は、サンプル103のスペシエーション分析と化学種を明らかにする分析なしのサンプルの総金属分析を交互に入れ替えることができる。例えば、
図3A-3Cを参照すると、システム100は第2のバルブ112とスペシエーションカラム106の間を連結されるスペシエーションバイパスバルブ300を含むことができる。スペシエーションバイパスバルブ300は、少なくともスペシエーション形態300A(
図3Bに示されている)及びスペシエーションバイパス形態300B(
図3Cに示されている)という、少なくとも2つの形態の間を切り替え可能である。スペシエーション形態300Aにおいて、第2のバルブ112から受ける液体(例えば、サンプル保有ループ120に保持された希釈されたサンプル液体、液体ライン122を通して溶離液源からの溶離液)はICP器具によって、分析のために、スペシエーションバイパスバルブ300及びスペシエーションカラム106を通って、ICPトーチ部品108へ(示される噴射機304とともに)流れの経路に沿って流れることができる。スペシエーションバイパス形態300Bにおいて、第2のバルブ112から受けた液体は、スペシエーションカラム106の中に受けられることはなく、代わりに、ICP器具によって分析のためのICPトーチ部品108(示される噴射機304とともに)流れの経路306に沿って流れる。
【0024】
サンプルまたは標準のインライン希釈液(第1のバルブ110での、混合している場所によって促進される)のための希釈液の量または割合は、分析される興味ある化学種によることができる。
図4A及び4Bを参照すると、グラフは、リンゴジュースサンプル(
図4Aに示されている)及び米粉サンプル(
図4Bに示されている)の様々な希釈液のICP分光分析システム(例えば、ここで記載されるシステム100である)によって経過時間が測定されたヒ素を示して提供されている。示しているように、化学種の溶離液におけるサンプルマトリックス効果は、1から2へ、1から3へ、1から4へ、1から5への自動希釈が提供されるように、サンプルの希釈によって緩和される。実施において、ヒ素化学種にとって、5つの希釈要因がリンゴジュースと米粉のマトリクスから興味ある化学種の分離に利用される。
【0025】
分析の例の分類において、安定な保持時間は、10日以上のスペシエーション試験と、10以上の異なるマトリクスに渡る18の分離サンプルが観測された。サンプルは、リンゴジュース、ワイン、ソフトドリンク、アイスティー及び米粉抽出成分が含まれた。表2は、決定された保持時間に関連するデータを提供する。
【表2】
【0026】
実施において、校正クロマトグラムは、システム100によって生成されることができる。例えば、システム100は単一に混合された標準(それぞれの化学種の5パーツパービリオン(ppb))の自動校正及び校正ブランクを生成することができる。
図5を参照すると、校正クロマトグラムは、5つのヒ素化学種のインライン希釈のシステム100によって自動校正と、校正ブランクを用いて示される。希釈液は、50パーツパートリロン(ppt)、100ppt、500ppt、1ppb、及び5ppbを含む。システム100によるヒ素標準のインライン希釈の自動校正は、
図6に示されるように、5つの主要ヒ素化学種のすべてについて高い線の校正カーブの結果をもたらした。
【実施例1】
【0027】
希釈されたリンゴジュースの5つの要因の分析は、ICP-MSによって行われた。ICP-MSは3つの異なる希釈方法があり、サンプルを希釈して0分、20分、40分、60分の自動インライン希釈のもの、脱イオン化された水で手動で希釈されて0分のもの、移動相で手動で希釈されて0分のものである。自動インライン希釈方法のヒ酸塩(As(V))の測定結果は、
図7Aに示される。脱イオン化された水で手動で希釈されたもののヒ酸塩(As(V))の測定結果は
図7Bで示される。及び、移動相で手動で希釈されたもののヒ酸塩(As(V))の測定結果は
図7Cで示される。示されているように、手動希釈のそれぞれで測定されたヒ酸塩の量(
図7B及び
図7C)で経過時間が増加した一方で、測定されたヒ酸塩の量は、自動インライン希釈の60分の分析(例えば、
図7A)で一定量残った。
図8A及び8Bを参照すると、3つの異なるリンゴジュースの濃度において、手動希釈の効果は、見られる。
図8Aは、3つのリンゴジュースのサンプルのそれぞれについて手動希釈(ここですべてのサンプルは希釈されて時間0のもの)及び自動インライン希釈(ここでサンプルは、希釈されて時間が0分、20分、40分、60分のもの)したもののヒ酸塩(As(V))の測定された濃度を示した。
図8は、測定された値にパーセントの違いを含む。見てわかるように、手動と自動インライン希釈法のパーセントの違いは、41パーセントの違い、6パーセントの違い、45パーセントの違い、を含む。すべての場合で、手動希釈のサンプルは、自動インライン希釈のサンプルより高いヒ酸塩の測定値を示した。測定されたヒ素(有機及び無機の化学種)の総量は、測定されたヒ酸塩の量(800で印された)及び測定された有機化学種及び亜ヒ酸(As(III))(802で印された)の量として、
図8Bに示される。見てわかるように、測定されたヒ素の総量(804で印された)は、手動希釈のサンプルと、自動インライン希釈のサンプルで同じであったが、測定された化学種の量の間のブレークダウンは、異なった(例えば、800は、手動希釈と自動希釈のサンプルで異なる。802は、手動希釈と自動希釈のサンプルの間で異なる)。特に、手動希釈のサンプルはすべて、自動インライン希釈のサンプルより高いヒ酸塩800が存在し(
図8Aにも示される)及び、ヒ素化学種802の残存が少ない(すなわち、有機及び亜ヒ酸塩化学種)。少しの特別な化学の変換経路へ縛られない一方で、ヒ素の有機化学種は、希釈され、期間を未試験のものを残すことを許したとき(例えばここで上述のように提供された実験例における60分まで)、ヒ酸塩へ変換されうる。それによって、ヒ素化学種の量の不正確な分析が、様々なサンプルで存在する。自動インライン希釈は、近く間を置かない希釈とサンプリングを提供し、そのため、ヒ素化学種へ変換する実時間を提供しない。
【0028】
図9を参照すると、リンゴジュースと米粉のサンプルの自動インライン希釈の間に提供される5つの主要なヒ素の化学種のそれぞれのパーセント回復が示される。すべての回復は、リンゴジュース及び米粉抽出成分のマトリクスの両方で(プラス、マイナス)10パーセント周辺の中に入っていた。
【0029】
主題は、構造的特徴及び/または処理操作を詳細に言語で記載されているが、添付された請求項に定義された主題は、上述の明細書の特徴及び行為に限定される必要はないと理解される。むしろ、上述の明細書の特徴及び行為は、請求項を実施する例の形態として開示されている。