(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】検索ニーズ評価プログラム、検索ニーズ評価装置および検索ニーズ評価方法、ならびに、評価プログラム、評価装置および評価方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/904 20190101AFI20230417BHJP
G06F 16/906 20190101ALI20230417BHJP
G06F 16/958 20190101ALI20230417BHJP
【FI】
G06F16/904
G06F16/906
G06F16/958
(21)【出願番号】P 2022552383
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 JP2020041202
(87)【国際公開番号】W WO2022097197
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513084229
【氏名又は名称】データ・サイエンティスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】榊原 直也
(72)【発明者】
【氏名】廣部 祐樹
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0249984(US,A1)
【文献】特開2017-059184(JP,A)
【文献】広瀬 雅之,単語ウェブ共起頻度とトピック確率モデルに基づく可視化手法を用いた特異なウェブページの特定,人工知能学会研究会資料 第69回 知識ベースシステム研究会資料 (SIG-KBS-A405) ,社団法人人工知能学会,2005年02月25日,pp.69~74
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容および各内容の度合いと、検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズおよび各検索ニーズの度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを第1図形で表示させ、前記検索クエリに関連付けて、前記検索クエリに含まれる検索ニーズならびにその度合いを第2図形で表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させ、
前記第1図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの内容に対応し、
前記第1図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する内容の度合いに対応し、
前記第2図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの検索ニーズに対応し、
前記第2図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する検索ニーズの度合いに対応し、
前記第1図形における特定の表示態様に対応する内容と、前記第2図形における前記特定の表示態様に対応する検索ニーズは、共通する、評価プログラム。
【請求項2】
前記評価対象ウェブページおよび前記検索クエリは複数あり、
前記表示データ生成手段は、
前記複数の評価対象ウェブページが第1方向に並び、
前記複数の評価対象ウェブページのそれぞれに対応する複数の前記第1図形が前記第1方向に並び、
前記複数の検索クエリが前記第1方向とは異なる第2方向に並び、
前記複数の検索クエリのそれぞれに対応する複数の前記第2図形が前記第2方向に並ぶよう、前記表示データを生成する、請求項1に記載の評価プログラム。
【請求項3】
前記第1図形は、前記第1方向に延びる第1バーであり、
前記第2図形は、前記第1方向に延びる第2バーであり、
前記表示データ生成手段は、前記複数の第2バーの一端が前記第2方向に延びる仮想第1直線上に並び、前記複数の第2バーの他端が前記第2方向に延びる仮想第2直線上に並ぶよう、前記表示データを生成する、請求項2に記載の評価プログラム。
【請求項4】
前記第1図形は第1カラーバーであり、前記第1カラーバーにおける1つの色が1つの内容に対応し、
前記第2図形は第2カラーバーであり、前記第2カラーバーにおける1つの色が検索ニーズに対応する、請求項1乃至3のいずれかに記載の評価プログラム。
【請求項5】
前記表示データ生成手段は、前記評価対象ウェブページに関連する検索クエリと、その検索クエリに対する検索結果における当該評価対象ウェブページの表示順位と、を関連付けて表示する、請求項1乃至4のいずれかに記載の評価プログラム。
【請求項6】
内容取得手段が、評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容および各内容の度合いと、検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズおよび各検索ニーズの度合いと、を取得するステップと、
表示データ生成手段が、前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを第1図形で表示させ、前記検索クエリに関連付けて、前記検索クエリに含まれる検索ニーズならびにその度合いを第2図形で表示させるための表示データを生成するステップと、を含み、
前記第1図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの内容に対応し、
前記第1図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する内容の度合いに対応し、
前記第2図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの検索ニーズに対応し、
前記第2図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する検索ニーズの度合いに対応し、
前記第1図形における特定の表示態様に対応する内容と、前記第2図形における前記特定の表示態様に対応する検索ニーズは、共通する、評価方法。
【請求項7】
評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容および各内容の度合いと、検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズおよび各検索ニーズの度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを第1図形で表示させ、前記検索クエリに関連付けて、前記検索クエリに含まれる検索ニーズならびにその度合いを第2図形で表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備え、
前記第1図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの内容に対応し、
前記第1図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する内容の度合いに対応し、
前記第2図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの検索ニーズに対応し、
前記第2図形における1つの表示態様が占める面積が、その表示態様に対応する検索ニーズの度合いに対応し、
前記第1図形における特定の表示態様に対応する内容と、前記第2図形における前記特定の表示態様に対応する検索ニーズは、共通する、評価装置。
【請求項8】
コンピュータを、
評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させ、
前記評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、は、評価対象ウェブページに関連する複数の検索クエリのそれぞれについての、当該検索クエリに含まれる1以上の内容と、その度合いと、当該検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブペ
ージと、に基づく、評価プログラム。
【請求項9】
前記評価対象ウェブページに関連する複数の検索クエリは、その評価対象ウェブページをヒットさせうる検索クエリ、または、その評価対象ウェブページに流入する検索クエリである、請求項
8に記載の評価プログラム。
【請求項10】
内容取得手段が、評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得するステップと、
表示データ生成手段が、前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を含み、
前記評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、は、評価対象ウェブページに関連する複数の検索クエリのそれぞれについての、当該検索クエリに含まれる1以上の内容と、その度合いと、当該検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページと、に基づく、評価方法。
【請求項11】
評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備え、
前記評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、は、評価対象ウェブページに関連する複数の検索クエリのそれぞれについての、当該検索クエリに含まれる1以上の内容と、その度合いと、当該検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページと、に基づく、評価装置。
【請求項12】
コンピュータを、
評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを
、前記評価対象ウェブページの流入数または経済規模に応じて重み付けをして合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得る合算手段と、
前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる評価プログラム。
【請求項13】
前記評価対象単位は、ドメインであり、
前記評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページは、前記ドメインを共通に有するウェブページである、請求項1
2に記載の評価プログラム。
【請求項14】
前記評価対象単位は、ユーザによって指定された2以上の評価対象ウェブページから構成される、請求項1
2に記載の評価プログラム。
【請求項15】
前記評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページは、ユーザによって指定されたウェブページの下位階層のウェブページを含む、請求項1
3に記載の評価プログラム。
【請求項16】
前記表示データ生成手段は、前記評価対象単位の内容およびその度合いを図形で表示させるための前記表示データを生成し、
前記図形は、1以上の表示態様を含み、1つの表示態様が1つの内容に対応し、
前記図形における1つの表示態様が占める面積が、その
表示態様に対応する内容の度合いに対応する、請求項1
2乃至
15のいずれかに記載の評価プログラム。
【請求項17】
前記表示データ生成手段は、ユーザから内容の指定を受け付け、指定された内容に応じた前記表示データを生成する、請求項1
2乃至
16のいずれかに記載の評価プログラム。
【請求項18】
前記評価対象単位は複数あり、
前記表示データ生成手段は、
(1)前記複数の評価対象単位のうち、ユーザから指定された内容を含む評価対象単位についてのみ、前記内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する、または、
(2)前記複数の評価対象単位のうち、ユーザから指定された内容を含まない評価対象単位についてのみ、前記内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する、請求項
17に記載の評価プログラム。
【請求項19】
前記表示データ生成手段は、指定された内容の度合いに応じた順で前記複数の評価対象単位をソートして、前記評価対象単位の内容及びその度合いて表示させるための表示データを生成する、請求項
17に記載の評価プログラム。
【請求項20】
前記表示データ生成手段は、指定された内容の度合いが大きい順にソートするか、指定された内容の度合いが小さい順にソートするか、をユーザからの指定に基づいて決定する請求項
19に記載の評価プログラム。
【請求項21】
内容取得手段が、評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得するステップと、
合算手段が、前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを
、前記評価対象ウェブページの流入数または経済規模に応じて重み付けをして合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得るステップと、
表示データ生成手段が、前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を含む評価
方法。
【請求項22】
評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、
前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを
、前記評価対象ウェブページの流入数または経済規模に応じて重み付けをして合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得る合算手段と、
前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備える評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索ニーズ評価プログラム、検索ニーズ評価装置および検索ニーズ評価方法、ならびに、評価プログラム、評価装置および評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検索語に対する検索結果に当該検索語の検索ニーズが反映されること(例えば、特許文献1)を利用して、1の検索語と他の検索語間の検索ニーズの類似度を取得する検索ニーズ評価装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許明細書2012/0209838号公報
【文献】特許第6680956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの課題は、検索クエリが有する検索ニーズをより分かりやすく提示する検索ニーズ評価プログラム、検索ニーズ評価装置および検索ニーズ評価方法を提供することである。
【0005】
本発明の別の課題は、ウェブページやウェブサイトなどの評価する分かりやすく提示する評価プログラム、評価装置および評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、コンピュータを、評価対象検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記評価対象検索クエリに関連付けて、前記評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いをカラーバーで表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させ、前記カラーバーにおける1つの色が1つの検索ニーズに対応し、前記カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する検索ニーズの度合いに対応する、検索ニーズ評価プログラムが提供される。
【0007】
前記カラーバーの総面積は、前記評価対象検索クエリの検索数、流入数または経済規模に対応してもよい。
【0008】
前記評価対象検索クエリは複数あり、前記表示データ生成手段は、ユーザ操作に応じて、全ての前記評価対象検索クエリについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第1表示データ、または、ユーザからの指定に応じた、前記複数の評価対象検索クエリのうちの一部のみについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第2表示データを生成してもよい。
【0009】
前記評価対象検索クエリは複数あり、前記表示データ生成手段は、ユーザからの指定に応じた順序で、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成してもよい。
【0010】
一態様によれば、コンピュータを、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させ、前記表示データ生成手段は、ユーザ操作に応じて、全ての前記評価対象検索クエリについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第1表示データ、または、ユーザからの指定に応じた、前記複数の評価対象検索クエリのうちの一部のみについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第2表示データを生成する、検索ニーズ評価プログラムが提供される。
【0011】
前記表示データ生成手段は、前記複数の評価対象検索クエリのうち、ユーザから指定された検索ニーズに基づいて特定される評価対象検索クエリについてのみ、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための前記第2表示データを生成してもよい。
【0012】
前記表示データ生成手段は、前記複数の評価対象検索クエリのうち、ユーザから指定された検索ニーズと、その度合いと、に基づいて特定される評価対象検索クエリについてのみ、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための前記第2表示データを生成してもよい。
【0013】
一態様によれば、コンピュータを、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、ユーザからの指定に応じた順序で、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる、検索ニーズ評価プログラムが提供される。
【0014】
前記表示データは、前記評価対象検索クエリの検索数、流入数またはその度合いを示す情報を含んでもよい。
【0015】
前記検索ニーズ取得手段は、検索クエリに対する検索結果に当該検索クエリの検索ニーズが反映されることを利用して、前記評価対象検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得してもよい。
【0016】
前記検索ニーズ取得手段は、前記評価対象検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページを、それぞれが1つの前記検索ニーズに対応1以上の部分集合に分類し、
各部分集合に分類されたウェブページの流入数の合計値が、その部分集合に対応する検索ニーズの度合いに対応してもよい。
【0017】
一態様によれば、コンピュータを、検索クエリ群に含まれる複数の検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記複数の検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いに基づき、前記検索クエリ群に含まれる検索ニーズおよびその度合いを取得して前記検索クエリ群に関連付けて表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる、検索ニーズ評価プログラムが提供される。
【0018】
前記表示データ生成手段は、前記複数の検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズの度合いを、当該検索クエリの流入数または経済規模に応じて重みづけして合算することにより、前記検索クエリ群に含まれる各検索ニーズの度合いを取得してもよい。
【0019】
一態様によれば、評価対象検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記評価対象検索クエリに関連付けて、前記評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いをカラーバーで表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備え、前記カラーバーにおける1つの色が1つの検索ニーズに対応し、前記カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する検索ニーズの度合いに対応する、検索ニーズ評価装置が提供される。
【0020】
一態様によれば、検索ニーズ取得手段が、評価対象検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得するステップと、表示データ生成手段が、前記評価対象検索クエリに関連付けて、前記評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いをカラーバーで表示させるための表示データを生成するステップと、を備え、前記カラーバーにおける1つの色が1つの検索ニーズに対応し、前記カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する検索ニーズの度合いに対応する、検索ニーズ評価方法が提供される。
【0021】
一態様によれば、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、とを備え、前記表示データ生成手段は、ユーザ操作に応じて、全ての前記評価対象検索クエリについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第1表示データ、または、ユーザからの指定に応じた、前記複数の評価対象検索クエリのうちの一部のみについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第2表示データを生成する、検索ニーズ評価方法が提供される。
【0022】
一態様によれば、検索ニーズ取得手段が、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得するステップと、表示データ生成手段が、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を備え、前記表示データ生成手段は、ユーザ操作に応じて、全ての前記評価対象検索クエリについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第1表示データ、または、ユーザからの指定に応じた、前記複数の評価対象検索クエリのうちの一部のみについて、前記検索ニーズおよびその度合いを表示させるための第2表示データを生成する、検索ニーズ評価方法が提供される。
【0023】
一態様によれば、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、ユーザからの指定に応じた順序で、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備える検索ニーズ評価装置が提供される。
【0024】
一態様によれば、検索ニーズ取得手段が、複数の評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得するステップと、表示データ生成手段が、ユーザからの指定に応じた順序で、前記複数の評価対象検索クエリのそれぞれに関連付けて、前記評価対象検索クエリのそれぞれに含まれる検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を備える検索ニーズ評価方法が提供される。
【0025】
一態様によれば、検索クエリ群に含まれる複数の検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得する検索ニーズ取得手段と、前記複数の検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いに基づき、前記検索クエリ群に含まれる検索ニーズおよびその度合いを取得して前記検索クエリ群に関連付けて表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備える検索ニーズ評価装置が提供される。
【0026】
一態様によれば、検索ニーズ取得手段が、検索クエリ群に含まれる複数の検索クエリのそれぞれに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いと、を取得するステップと、表示データ生成手段が、前記複数の検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いに基づき、前記検索クエリ群に含まれる検索ニーズおよびその度合いを取得して前記検索クエリ群に関連付けて表示させるための表示データを生成するステップと、を備える検索ニーズ評価方法が提供される。
【0027】
一態様によれば、コンピュータを、評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる評価プログラムが提供される。
【0028】
前記表示データ生成手段は、前記評価対象ウェブページに関連する検索クエリと、その検索クエリに対する検索結果における当該評価対象ウェブページの表示順位と、を関連付けて表示してもよい。
【0029】
前記表示データ生成手段は、前記検索クエリと、その検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いと、を関連付けて表示してもよい。
【0030】
一態様によれば、コンピュータを、評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得る合算手段と、前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる評価プログラムが提供される。
【0031】
前記評価対象単位は、ドメインであり、前記評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページは、前記ドメインを共通に有するウェブページであってもよい。
【0032】
前記評価対象単位は、ユーザによって指定された2以上の評価対象ウェブページから構成されてもよい。
【0033】
前記評価対象単位は複数あり、前記表示データ生成手段は、ユーザ操作に応じて、全ての前記評価対象単位について、内容およびその度合いを表示させるための第1表示データ、または、ユーザからの指定に応じた、前記複数の評価対象単位のうちの一部のみについて、内容およびその度合いを表示させるための第2表示データを生成してもよい。
【0034】
前記評価対象単位は複数あり、前記表示データ生成手段は、ユーザからの指定に応じた順序で、前記複数の評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位のそれぞれの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成してもよい。
【0035】
前記合算手段は、前記評価対象ウェブページの流入数または経済規模に応じて重み付けをして合算することにより、前記評価対象単位の度合いを得てもよい。
【0036】
前記評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、は、評価対象ウェブページに関連する複数の検索クエリのそれぞれについての、当該検索クエリに含まれる1以上の内容と、その度合いと、当該検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページと、に基づいてもよい。
【0037】
前記内容取得手段は、複数の検索クエリのそれぞれについて、当該検索クエリに含まれる1以上の内容と、その度合いと、当該検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページと、を取得し、前記評価対象ウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリに含まれる内容およびその度合いに基づいて、前記評価対象ウェブページに含まれる内容およびその度合いを決定してもよい。
【0038】
前記内容取得手段は、前記評価対象ウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリに特定の内容が含まれる場合、この特定の内容が前記評価対象ウェブページに含まれると決定してもよい。
【0039】
前記内容取得手段は、前記評価対象ウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリのそれぞれに含まれる前記特定の内容の度合いを合算することによって、前記評価対象ウェブページに含まれると決定した前記特定の内容の度合いを決定してもよい。
【0040】
前記内容取得手段は、前記評価対象ウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリのそれぞれに含まれる前記特定の内容の度合いを、当該1以上の検索クエリのそれぞれの検索数も考慮して合算することによって、前記評価対象ウェブページに含まれると決定した前記特定の内容の度合いを決定してもよい。
【0041】
前記表示データ生成手段は、前記評価対象単位の内容およびその度合いをカラーバーで表示させるための前記表示データを生成し、前記カラーバーにおける1つの色が1つの内容に対応し、前記カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する内容の度合いに対応してもよい。
【0042】
一態様によれば、コンピュータを、対象検索クエリに対してヒットする1以上のウェブページに含まれる1以上のワードと、各ワードが各ウェブページにおいて使用されている回数と、前記1以上のウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する取得手段と、取得された各ワードの内容の度合いを、前記回数と、前記ウェブページに含まれる内容の度合いと、に応じて算出する算出手段と、各ワードに関連付けて、その内容および度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、として機能させる評価プログラムが提供される。
【0043】
前記算出手段は、前記1以上のウェブページのそれぞれの流入数または獲得経済規模も考慮して、各ワードの内容の度合いを算出してもよい。
【0044】
一態様によれば、評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、を備える評価装置が提供される。
【0045】
一態様によれば、内容取得手段が、評価対象単位である評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得するステップと、表示データ生成手段が、前記評価対象ウェブページに関連付けて、前記評価対象ウェブページの内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を備える評価方法が提供される。
【0046】
一態様によれば、評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する内容取得手段と、前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得る合算手段と、前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段と、とを備える評価装置が提供される。
【0047】
一態様によれば、内容取得手段が、評価対象単位に属する複数の評価対象ウェブページのそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得するステップと、合算手段が、前記複数の評価対象ウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを合算して、前記評価対象単位の内容と、その度合いとを得るステップと、表示データ生成手段が、前記評価対象単位に関連付けて、前記評価対象単位の内容およびその度合いを表示させるための表示データを生成するステップと、を備える評価プログラムが提供される。
【0048】
一態様によれば、コンピュータを、 監視対象値を取得する取得手段と、前記監視対象値と、基準値と、を比較する比較手段と、比較結果に応じて通知情報を生成する通知情報生成手段と、として機能させ、前記監視対象値は、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの割合、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの推定流入量、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの獲得経済規模、または、特定の検索クエリのニーズ純度、である、通知プログラムが提供される。
【0049】
前記取得手段は、検索エンジンから前記監視対象値を取得してもよい。
【0050】
前記取得手段は、検索エンジンから検索データを取得し、前記検索データに基づいて前記監視対象値を算出してもよい。
【0051】
一態様によれば、監視対象値を取得する取得手段と、前記監視対象値と、基準値と、を比較する比較手段と、比較結果に応じて通知情報を生成する通知情報生成手段と、を備え、前記監視対象値は、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの割合、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの推定流入量、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの獲得経済規模、または、特定の検索クエリのニーズ純度、である、通知装置が提供される。
【0052】
一態様によれば、取得手段が、監視対象値を取得するステップと、比較手段が、前記監視対象値と、基準値と、を比較するステップと、通知情報生成手段が、比較結果に応じて通知情報を生成するステップと、を備え、前記監視対象値は、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの割合、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの推定流入量、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの獲得経済規模、または、特定の検索クエリのニーズ純度、である、通知方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】第1の実施形態に係る検索ニーズ評価システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】「storage」に対する検索結果を示す図。
【
図3A】ウェブページW1~W6を部分集合に分類した結果を模式的に示す図。
【
図3B】評価対象クエリの検索数および検索ニーズを示す図。
【
図4A】ユーザ端末3に表示される評価対象検索クエリの検索ニーズと、その度合いを模式的に示す図。
【
図4B】ユーザ端末3に表示される評価対象検索クエリの検索ニーズと、その度合いを模式的に示す図。
【
図5A】検索ニーズに応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図5B】検索ニーズに応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図6A】検索ニーズの割合に応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図6B】検索ニーズの割合に応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図7A】ユーザが指定する順序で評価対象検索クエリの表示を可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図7B】ユーザが指定する順序で評価対象検索クエリの表示を可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図8】カラーバーを検索数(あるいは流入数)に応じた長さで表示する画面例を模式的に示す図。
【
図9A】特定の検索ニーズの流入数に応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図9B】特定の検索ニーズの流入数に応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図10】検索クエリ群の検索ニーズをカラーバーで表示する場合の画面例を模式的に示す図。
【
図11】第2の実施形態に係るウェブページ評価システムの概略構成を示すブロック図。
【
図12A】評価対象ウェブページに含まれる内容とその度合いを模式的に示す図。
【
図12B】各検索クエリに対する検索結果を模式的に示す図。
【
図13A】ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図。
【
図13B】ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図。
【
図14A】内容に応じたウェブページのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図14B】内容に応じたウェブページのフィルタリングを可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図15A】ユーザが指定する順序で評価対象ウェブページの表示を可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図15B】ユーザが指定する順序で評価対象ウェブページの表示を可能とした場合の画面例を模式的に示す図。
【
図16】第3の実施形態に係る評価システムの概略構成を示すブロック図。
【
図17】内容取得部41によって取得される複数のウェブページのそれぞれについての内容およびその度合いの一例を示す図。
【
図18】ドメインごとに内容および度合いを合算した図。
【
図20】各検索クエリの検索ニーズとその度合いを模式的に示す図。
【
図21】評価対象ウェブページの検索ニーズとその度合いを模式的に示す図。
【
図22】ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図。
【
図23】各検索クエリに対する検索結果を模式的に示す図。
【
図24】各ウェブページの内容とその度合いを模式的に示す図。
【
図25】ドメインごとに合算した内容の度合いを模式的に示す図。
【
図26】第6の実施形態に係る評価システムの概略構成を示すブロック図。
【
図27A】情報取得部51が取得する情報の一例を模式的に示す図。
【
図27B】情報取得部51が取得する情報の別の例を模式的に示す図。
【
図28A】ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図。
【
図28B】ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図。
【
図29】第7の実施形態に係る通知システムの概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0055】
(第1の実施形態)
検索を行う者は、当然、何らかの意図を持って検索を行う。しかし、その意図が必ずしも検索クエリに直接的に反映されているわけではない。
【0056】
例えば、「storage」には、倉庫設備、収納家具、そして、コンピュータ等におけるデータ記憶手段の意味を有する(他にもあるかもしれないが、ここでは省略する)。よって、「storage」で検索を行う者は、倉庫設備についての検索を意図することもあるし、収納家具についての検索を意図することもあるし、データ記憶手段についての検索を意図することもある。
【0057】
本明細書では、ある検索クエリがどのような意図で検索されるのかを(検索クエリの/検索クエリに含まれる)「検索ニーズ」と呼ぶ。上記の例では、「storage」は、倉庫設備、収納家具、データ記憶手段の3つの検索ニーズを含んでいる。
【0058】
通常、検索クエリを「storage」として検索を行う者は、主観的にはいずれかの意味を意図して検索を行うものと思われる。しかし、客観的には、その検索クエリがどのような意図で検索されるのか容易には分からない。
【0059】
そこで、第1の実施形態では、検索クエリがどのような検索ニーズをどのような度合いで含んでいるか(各検索ニーズがどの程度混在しているか)、の評価を行うこととする。度合いとは、上記の例で言えば、「storage」で検索を行う者のうち、倉庫設備、収納家具、データ記憶手段のそれぞれを意図する者がどの程度の割合で混在しているかに対応する。
【0060】
図1は、第1の実施形態に係る検索ニーズ評価システムの概略構成を示すブロック図である。検索ニーズ評価システムは、検索エンジン1と、検索ニーズ評価装置2と、ユーザ端末3とを備えている。
【0061】
検索エンジン1は1または複数のワードを含む任意の検索クエリに対する検索結果を出力する。なお、本明細書における「ワード」とは、1または複数の形態素からなる語句あるいはフレーズを意味するものとする。検索結果には、1以上のウェブページが所定の表示順位で含まれる。検索エンジン1は、各ウェブページの内容解析データや検索訪問者のクリックスルーレート(Click Through Rate:CTR)・滞在時間・離脱率などの行動データを用いることによって、当該検索ニーズに合致していた可能性が高いとみられるウェブページの表示順位が高くなるよう、独自に表示順位の基準を定めている。よって、検索結果には検索ニーズが反映される傾向があると言える。本実施形態では、検索結果に検索ニーズが反映される傾向があることを利用する。
【0062】
検索ニーズ評価装置2は、検索ニーズ取得部21と、表示データ生成部22とを有するコンピュータである。これら各部の機能の一部または全部は、検索ニーズ評価装置2が有するプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0063】
検索ニーズ取得部21は、ユーザが任意に指定する評価対象検索クエリに含まれる1以上の検索ニーズと、その度合いとを取得する。検索ニーズ取得部21は、検索ニーズおよびその度合いを外部から受信することによって取得してもよいし、検索エンジン1から必要な検索データを受け取り、自ら解析することで取得してもよい。以下では、後者について説明する。
【0064】
表示データ生成部22は、評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズと、その度合いとをユーザ端末3に表示させるための表示データを生成し、ユーザ端末3に送信する。一例として、表示データ生成部22は検索ニーズおよびその度合いをカラーバー(後述)で表示させる。
【0065】
ユーザ端末3は、入力インターフェース31(マウス、キーボード、タッチパネルなど)と、制御部32と、ディスプレイ33とを有するコンピュータである。制御部32は、検索ニーズ評価装置2からの表示データに基づいて、評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズと、その度合いとをディスプレイ33に表示させる。制御部32はユーザ端末3が予め有するウェブブラウザであってよい。あるいは、制御部32の機能の一部または全部は、ユーザ端末3が有するプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現される専用アプリケーションであってもよい。
【0066】
以下、評価対象検索クエリが「storage」である場合を例に取って、具体的に説明する。
【0067】
図2は、「storage」に対する検索結果を示す図である。ここでは、「storage」を検索クエリとして検索エンジン1が検索を行うと、ウェブページW1~W6がこの表示順位で出力されるものとする。そして、この検索クエリの検索数(月当たりの検索数、以下同じ)は2,000であり、ウェブページW1~W6への流入数は図示のとおりとする。なお、流入数は、実測値でもよいし、表示順位などに基づく推定値でもよい(この点は以下の「流入数」についても同様である)。このような検索データが検索エンジン1から検索ニーズ評価装置2の検索ニーズ取得部21に提供される。
【0068】
検索ニーズ取得部21はウェブページW1~W6を部分集合に分類する。分類された1つの部分集合が1つの検索ニーズに対応する。検索ニーズ取得部21は検索結果に検索ニーズが反映されることを利用して、1つの部分集合に1つの検索ニーズが対応するよう分類を行うとも言える。
【0069】
分類手法として特許文献2に記載の手法を適用できる。例えば、検索ニーズ取得部21は、複数のウェブページの内容および構造の少なくとも一方を多次元の特徴ベクトルデータに変換し、この特徴ベクトルデータに基づいて複数のウェブページを複数の部分集合に分類してよい。より具体的には、検索ニーズ取得部21は特徴ベクトルデータにクラスタリングまたはクラス分類のアルゴリズムに従った処理を行って分類してもよい。あるいは、検索ニーズ取得部21は特徴ベクトルデータ間の類似度を特定し、類似度に基づいて分類してもよい。
【0070】
なお、実際には、1つの検索クエリに対して多数のウェブページがヒットし得るが、その場合、全てのウェブページを分類してもよいし、表示順位が上位所定数のウェブページのみを分類してもよい。
【0071】
図3Aは、ウェブページW1~W6を部分集合に分類した結果を模式的に示す図である。ここでは、ウェブページW1,W3,W4が第1の部分集合G1に、ウェブページW2,W6が第2の部分集合G2に、ウェブページW5が第3の部分集合G3に分類されたものとする。なお、検索ニーズ取得部21は、第1の部分集合G1に含まれるウェブページW1,W3,W4(のタイトル、画像、音声)などを解析してウェブページの内容を特定することによって、検索ニーズが倉庫設備であることを把握してもよい。他の部分集合についても同様である。
【0072】
ここで、
図2によれば、第1の部分集合G1に含まれるウェブページW1,W3,W4の流入数は、それぞれ600,400,300であるから、第1の部分集合G1に含まれるウェブページW1,W3,W4への総流入数は1,300である。同様に、第2の部分集合G2に含まれるウェブページW2,W6への総流入数は550である。そして、第3の部分集合G3に含まれるウェブページW5への総流入数は150である。
【0073】
よって、第1~第3の部分集合に含まれるウェブページへの総流入数の割合は、それぞれ65.0%,27.5%,7.5%である。このように、各部分集合に分類されたウェブページの流入数の合計値が、その部分集合に対応する検索ニーズの度合いに対応する。
【0074】
以上から、検索ニーズ取得部21は、「storage」には第1~第3の部分集合にそれぞれ対応する3つの検索ニーズがあること、および、その度合いの比率が65.0:27.5:7.5であることを取得する。
【0075】
また、必要に応じて、検索ニーズ取得部21は評価対象検索クエリのニーズ純度を取得してもよい。ニーズ純度とは、検索クエリに含まれる検索ニーズのばらつきの大小を示す指標であり、検索結果が同様あるいは類似する性質のウェブページで占められていればニーズ純度は大きくなるし、様々な性質のウェブページを含んでいればニーズ純度は小さくなる。
【0076】
ニーズ純度は、例えばウェブページの分散に基づいて算出され得る。より具体的には、全ウェブページ(あるいは、部分集合に含まれるウェブページ)の特徴ベクトルデータの平均座標を算出し、各特徴ベクトルデータの平均座標からの距離の分散をニーズ純度としてもよい。あるいは、ニーズ純度はウェブページのノード間の平均経路長に基づいて算出されてもよい。
【0077】
以上は1つの検索クエリ「storage」についての処理を示したものだが、他にも評価対象となる検索クエリがある場合、同様に検索ニーズおよびその度合いを検索ニーズ取得部21が取得する。例えば、
図3Bに示すように、評価対象検索クエリが「storage」、「storage near me」、「data storage」である場合、そのそれぞれについて、検索数、検索ニーズおよびその度合いを取得する。
【0078】
そして、表示データ生成部22は、評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズと、その度合いとをユーザ端末3のディスプレイ33に表示させるための表示データを生成し、ユーザ端末3に送信する。この表示データに応じて、ユーザ端末3のディスプレイ33に評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズと、その度合いが表示される。
【0079】
図4Aは、ユーザ端末3に表示される評価対象検索クエリの検索ニーズと、その度合いを模式的に示す図である。このような画面を表示させるための表示データを表示生成部22が生成する。
【0080】
本実施形態では、検索ニーズおよびその度合いがカラーバーC1~C3で示される。便宜上、
図4AのカラーバーC1~C3において、各模様(スポット、斜線および交差線)が1つの色を示すものとする。カラーバーC1~C3における1つの色が1つの検索ニーズに対応する。そして、カラーバーC1~C3における1つの色が占める面積(すなわち、カラーバーの各部分の長さ)がその色に対応する検索ニーズの度合いに対応する。
【0081】
例えば、評価対象検索クエリの1つである「storage」には、
図3Aの第1~第3の部分集合にそれぞれ対応する3つの検索ニーズが含まれる。よって、「storage」のカラーバーは3色を含む。そして、その度合いは65:27.5:7.5であるので、3色の面積の比は65:27.5:7.5となる。
【0082】
一方、評価対象検索クエリの1つである「storage near me」には、
図3Bに示すように、1つの検索ニーズ(倉庫設備)のみを含む。よって、「storage near me」のカラーバーは1色のみを含む。「data storage」についても同様である。
【0083】
以下、評価対象検索クエリの検索ニーズおよびその度合いの他の表示例を説明する。以下では、説明のため、検索ニーズ評価装置2によって
図4Bに示すようにより多くの評価対象検索クエリについての結果を得たものとする。
【0084】
図5Aおよび
図5Bは、検索ニーズに応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例である。
図5Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して1または複数の検索ニーズを指定できる。同図はカラーバーにおける「倉庫設備」を示す部分を選択することによって、検索ニーズのうちの「倉庫設備」を指定した例である。
【0085】
図5Aにおいて、「倉庫設備」を検索ニーズとして含む評価対象検索クエリは、「storage」、「stoage near me」、「storage sheld」、「cube storage」、「mini storage」、「storage solutions」の6つである。よって、表示データ生成部22は、
図5Bに示すように、これら6つの評価対象検索クエリおよびこれに関連付けられた情報(検索者数、ニーズ純度、カラーバー)のみを表示し、他の評価対象検索クエリを非表示とするための表示データを生成する。
【0086】
なお、
図5Aとは異なり、ユーザが指定した1または複数の検索ニーズを含まない評価対象検索クエリを表示するようにしてもよい。また、ユーザが指定した1または複数の検索ニーズを含む評価対象検索クエリを表示しないようにしてもよい。いずれにしても、表示データ生成部22は、ユーザから指定された検索ニーズに基づいて特定される評価対象検索クエリについてのみ、検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成するのが望ましい。
【0087】
図6Aおよび
図6Bは、検索ニーズの度合いに応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例である。
図6Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して、検索ニーズと、その度合いを指定できる。同図はカラーバーにおける「倉庫設備」を示す部分を選択することによって、検索ニーズのうちの「倉庫設備」を指定し、度合いとして30%を指定した例である。
【0088】
図6Aにおいて、「倉庫設備」を検索ニーズとして含み、かつ、その度合いが30%以上である評価対象クエリは、「storage」、「stoage near me」、「mini storage」の3つである。よって、表示データ生成部22は、
図6Bに示すように、これら3つの評価対象検索クエリおよびこれに関連付けられた情報(検索者数、ニーズ純度、カラーバー)のみを表示し、他の評価対象検索クエリを非表示とするための表示データを生成する。
【0089】
なお、度合いの指定は、数値を入力する形式でもよいし、スライダで指定する形式でもよいし、予め定めた数値から選択する形式でもよい。また、度合いを何%以上といった指定に限らず、何%以下といった指定、何%~何%といった指定、何%~何%を除くといった指定でもよい。いずれにしても、表示データ生成部22は、ユーザから指定された検索ニーズと、その度合いとに基づいて特定される評価対象検索クエリについてのみ、検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成できるのが望ましい。
【0090】
以上述べたように、表示データ生成部22は、ユーザ操作に応じて、全ての評価対象検索クエリについて、検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成することができ、かつ、ユーザからの指定に応じて、複数の評価対象検索クエリのうちの一部のみについて、検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データも生成できるのが望ましい。
【0091】
図7Aおよび
図7Bは、ユーザが指定する順序で評価対象検索クエリの表示を可能とした場合の画面例である。
図7Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して、検索ニーズを指定できる。同図はカラーバーにおける「倉庫設備」を示す部分を選択することによって、検索ニーズのうちの「倉庫設備」を指定した例である。
【0092】
この場合、表示データ生成部22は、
図7Bに示すように、「倉庫設備」の度合いの順に評価対象検索クエリをソートして表示させるための表示データを生成する。なお、順序は、降順でもよいし、昇順でもよいしが、
図7Aに示すようにユーザがいずれかを選択できるのが望ましい。
【0093】
このように、表示データ生成部22はユーザからの指定に応じた順序で複数の評価対象検索クエリを表示させるための表示データを生成できるのが望ましい。
【0094】
図8は、カラーバーを検索数(あるいは流入数)に応じた長さで表示する画面例である。例えば、評価対象検索クエリ「storage」のカラーバーの長さL1(言い換えると、カラーバーの総面積)は、その検索数368,000に対応した長さとなっている。他の検索クエリのカラーバーも検索数に応じた長さ、具体的には比例した長さで表示される。また、カラーバーの長さを流入数あるいは経済規模に応じた長さとしてもよい。
【0095】
図9Aおよび
図9Bは、特定の検索ニーズの流入数に応じた評価対象検索クエリのフィルタリングを可能とした場合の画面例である。
図9Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して、検索ニーズと、その検索数を指定できる。同図はカラーバーにおける「倉庫設備」を示す部分を選択することによって、検索ニーズのうちの「倉庫設備」を指定し、流入数として50,000/月を指定した例である。
【0096】
図3Bを用いて説明したように、検索ニーズ取得部21は、評価対象検索クエリのそれぞれについて、検索ニーズ毎の流入数を把握している。そこで、表示データ生成部22は、
図9Bに示すように、「倉庫設備」の流入数が50,000/月である評価対象検索クエリおよびこれに関連付けられた情報(検索者数、ニーズ純度、カラーバー)のみを表示し、他の評価対象検索クエリを非表示とするための表示データを生成する。
【0097】
なお、流入数の指定は、数値を入力する形式でもよいし、スライダで指定する形式でもよいし、予め定めた数値から選択する形式でもよい。また、流入数を何%以上といった指定に限らず、何%以下といった指定、何%~何%といった指定、何%~何%を除くといった指定でもよい。いずれにしても、表示データ生成部22は、ユーザから指定された検索ニーズと、その流入数とに基づいて特定される評価対象検索クエリについてのみ、検索ニーズおよびその度合いを表示させるための表示データを生成できるのが望ましい。また、流入数に代えて検索数を用いてもよい。
【0098】
以上は検索クエリごとに検索ニーズを表示するものであったが、互いに関連する複数の検索クエリをまとめた「検索クエリ群」について検索ニーズを表示するのも有効である。
【0099】
ウェブサイトやウェブページを作成する際に、大量の検索クエリのそれぞれについて検索ニーズを確認するのは困難なこともある。そこで、まずは複数の検索クエリをまとめた検索クエリ群を大まかに俯瞰してターゲットとする1つの検索クエリ群を選び、次いで、その検索クエリ群に含まれる各検索クエリを確認してターゲットとして選定することができると、ウェブサイトやウェブページの作成効率が向上する。
【0100】
そこで、以下のように、表示データ生成部22は、複数の検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いに基づいて、検索クエリ群に含まれる検索ニーズおよびその度合いを取得(算出)して、検索クエリ群ごとに検索ニーズを表示してもよい。検索クエリ群に含まれる検索ニーズの度合いの算出方法の例を以下に述べる。
【0101】
例えば、検索クエリ群Wに検索クエリQ1~Qnが含まれるとする。そして、検索クエリQkの検索ニーズの度合いのベクトルCkが下記(1)式で表されるとする。
【数1】
【0102】
上記(1)式は、検索クエリQkが検索ニーズa,b,c・・・を含み、そのそれぞれの度合いがCka,Ckb,Ckc・・・であることを示す。この場合、表示データ生成部22は下記(2)式に基づいて検索クエリ群Wに含まれる各検索ニーズとその度合いを算出する。
【数2】
【0103】
ここで、Aは定数であり、0であってもよい。vkは、定数であってもよいし、検索クエリkにおける検索数、検索規模などを加味した重みであってもよい。
【0104】
一例として、検索クエリ群「storage」、「warehousing」、「data storage」の検索ニーズをカラーバーで表示する例を
図10に示す。ここでの検索クエリ群とは、各群名の語句が検索クエリに内包された検索クエリ群とする。例として検索クエリ群「storage」とは、「storage」「storage XX」「XX storage」(XXは任意の語句)などstorageといった語句が使用されている検索クエリ群を表す。図示のように、検索クエリ群「storage」は「倉庫設備」の検索ニーズが大きいが、「収納家具」および「データ記憶手段」の検索ニーズも一定程度存在する。一方、検索クエリ群「warehousing」の検索ニーズは「倉庫設備」が大半を占めており、検索クエリ群「data storage」の検索ニーズは「データ記憶手段」が大半を占めている。
【0105】
このように検索クエリ群でまとめて検索ニーズを表示することで、検索クエリ群間の比較を容易に行うことができる。よって、ウェブサイトやウェブページの作成者は、最初にターゲットとする検索クエリ群を迅速に選ぶことができる。例えば、データ記憶手段をテーマとするウェブページを作成する際には、
図10を参考にしてまずは「data storage」にアプローチすればよいこと(次いで、「data storage」に含まれる個別の検索クエリにアプローチすればよいこと)が分かる。
【0106】
なお、
図10は表示の一例にすぎず、検索クエリ群に含まれる検索クエリの検索数の合計値や、検索クエリ群に含まれる検索クエリの数を併記してもよい。その他、
図5A~
図9Bを用いて説明したような制御ができてもよい(各図の検索クエリが検索クエリ群に置換される)。
【0107】
また、例として検索クエリ群を共通した語句を含む検索クエリの集まりとして表したが、特定の語句を共通しない任意の複数の検索クエリを検索クエリ群としてもよい。
【0108】
なお、検索ニーズおよびその度合いの表示手法はカラーバーに限られない。例えば、色に代わる任意の表示態様(例えば、
図4Aのような模様)を1つの検索ニーズに対応させてもよい。また、表形式で検索ニーズおよびその度合いを示してもよい。また、バーに代わる任意の図形(例えば、円)において、1つの表示態様が占める面積が、その表示対応に対応する検索ニーズの度合いを示すようにしてもよい。その場合でも、
図8に示すように、図形の大きさを検索数(流入数)に対応させるなど、表示データが評価対象クエリの検索数(流入数)を示す情報を含んでいるのが望ましい。
【0109】
このように、第1の実施形態によれば、カラーバーなどによって、評価対象検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いを分かりやすく表示できる。よって、ウェブページ作成者は、どのような検索クエリに対して、どのようなウェブページを作成するのがよいかを迅速に把握できる。したがって、
図4Aのような画面をユーザ端末3に長時間表示させる必要がなくなり、ユーザ端末3の消費電力を削減できる。また、検索ニーズ評価装置2からユーザ端末3に送信するデータは表示データのみでよく(検索データそのものを送信する必要はなく)、通信量を低減できる。
【0110】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いを評価するものであった。これに対し、以下に述べる第2の実施形態はウェブページの内容により満たしている検索ニーズおよびその度合いを評価するものである。
【0111】
本明細書では、あるウェブページを解析して特定される当該ウェブページの1または複数のテーマを(ウェブページの/ウェブページに含まれる)「内容」と呼ぶ。例えば、あるウェブページが倉庫設備のみをテーマとしている場合、そのウェブページに含まれる内容は「倉庫設備」のみである。一方、別のウェブページが、倉庫設備および収納家具をテーマとしている場合、そのウェブページに含まれる内容は「倉庫設備」および「収納家具」である。
【0112】
ウェブページの内容は、例えば、ウェブページのHTMLソース、phpファイル、PDFファイル、プレゼンテーションファイルなどウェブ経由で取得できる情報を解析して得られるものであってよく、より具体的な例としてHTMLソースのタイトルタグに含まれるワードをそのウェブページの内容としてもよい。あるいは、ウェブページの内容は、ウェブページに含まれるテキストを自然言語処理して特定されてもよいし、画像および/または音声認識をして特定されてもよい。
【0113】
また、ウェブページに含まれる内容の度合いも、HTMLソース等の解析(具体例として、ウェブページ内の形態素群の一致度・網羅度)によって定量的に算出される。例えば、あるウェブページでは「倉庫設備」という形態素(あるいは「倉庫設備」と関連する形態素)が多用されているのに対し、「収納家具」という形態素があまり使用されていない場合、そのウェブページは、内容として「倉庫設備」および「収納家具」を含むが、前者の度合いの方が高いといえる。
【0114】
第2の実施形態では、各ウェブページに含まれる内容と、その度合いとを分かりやすく表示する。
【0115】
ウェブページの内容と、そのウェブページに流入する検索者の検索ニーズが一致しているのが望ましい。例えば、「データ記憶手段」の情報を求めている閲覧者にアプローチするためウェブページを作成した場合に、検索ニーズ「データ記憶手段」の度合いが大きい検索クエリに対する検索結果の表示順位が高ければ、目的とする顧客に情報が届きやすくなるため、そのウェブページは好ましいものになっていると言える。一方、「データ記憶手段」を求める閲覧者のためのウェブページを作成したにもかかわらず、検索ニーズ「収納家具」の度合いが大きい検索クエリに対する検索結果の表示順位が高く、検索ニーズ「データ記憶手段」の度合いが大きい検索クエリに対する検索結果の表示順位が低くなっている可能性もあり、これは目的とする想定顧客に情報が届きにくい状況であり、好ましい状況ではない。しかし、そのようなことを把握するのは容易ではない。
【0116】
また、サイトおよびサイト内のページを作成・改修する際に、検索結果上位を占めている競合他サイト・ページの状況を把握することが重要であることは明らかである。上位サイトのコンテンツ内容、検索者ニーズとの一致度合い、自サイトがターゲットとする顧客層のニーズの一致度合いを考量することで、サイト・ページの作成・改修の重要度・難度について検討することが可能となる。しかし、検索クエリやそれにヒットするサイト・ページは膨大であり、一つ一つについて分析していくことは膨大にコストがかかり容易ではない。
【0117】
そこで、第2の実施形態では、それぞれのウェブページが満たしているニーズを評すべき、ウェブページに含まれる内容と、検索クエリに含まれる検索ニーズとの関係を分かりやすく表示することとする。なお、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0118】
図11は、第2の実施形態に係るウェブページ評価システムの概略構成を示すブロック図である。評価システムは、検索エンジン1と、ウェブページ評価装置4と、ユーザ端末3とを備えている。そして、ウェブページ評価装置4は、第1の実施形態で説明した検索ニーズ取得部21と、内容取得部41と、表示データ生成部42とを有する。これら各部の機能の一部または全部は、検索ニーズ評価装置2が有するプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0119】
内容取得部41は、ユーザが任意に指定する評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いとを取得する。内容取得部41は、内容およびその度合いを外部から受信することによって取得してもよい。あるいは、内容取得部41は、評価対象ウェブページに対して、上述した解析を自ら行って内容およびその度合いを取得してもよい。
【0120】
以下では、評価対象ウェブページが「a.cоm/index.html」、「b.cоm/index.html」、「c.cоm/index.html」である場合を例に取って、具体的に説明する。
【0121】
図12Aは、評価対象ウェブページの内容およびその度合いを示す図である。図示のように、「a.com/index.html」の内容は「倉庫設備」、「収納家具」および「データ記憶手段」を含んでおり、その度合いは順に80%、15%、5%である。「b.cоm/index.html」および「c.cоm/index.html」についても図示のとおりである。なお、
図12Aの右側のカラーバーは各評価対象ウェブページの内容とその度合いを示したものである。
【0122】
また、内容取得部41は、評価対象ウェブページと関連する複数の検索クエリについての検索結果を取得する。なお、このような検索クエリは、ユーザが指定してもよいし、内容取得部41が評価対象ウェブページを解析して指定してもよい。
【0123】
図12Bは、評価対象ウェブページと関連する各検索クエリに対する検索結果を示す図である。例えば、検索クエリ「storage」に対する検索結果は、表示順位1位が「a.cоm/index.html」であり、同2位が「b.cоm/index.html」であるとする(同3位は、評価対象でないウェブページである)。なお、同図では省略しているが、実際には4位以下の検索結果も取得されてよい。また、各検索クエリの検索数やニーズ純度を検索ニーズ取得部21が取得可能である。
【0124】
表示データ生成部42は、
図12Aおよび
図12Bに示す情報に基づいて、評価対象ウェブページを評価するための画面をディスプレイ33に表示するための表示データを生成する。
【0125】
図13Aは、ディスプレイ33に表示される画面の一例を示す図である。同図の「P」で示す部分は第1の実施形態の
図4Aと同様である。
図13Aの「Q」で示すカラーバーは各評価対象ウェブサイトの内容およびその度合いであり、
図11に基づく。なお、カラーバーの長さ(言い換えると、総面積)は全ての評価対象ウェブサイトについて共通していてもよいし、流入数や経済規模に応じた長さ、具体的には比例した長さで表示されてもよい(
図8と同様)。
図13Aの「R」で示す表は
図12に基づく。
【0126】
このように、評価対象ウェブページを評価対象単位とし、各評価対象ウェブページに関連する検索クエリと、その検索クエリに対する検索結果における当該評価対象ウェブページの表示順位と、を関連付けて表示する。よって、各評価対象ウェブページが、どのような検索クエリに対して、どのような表示順位となっているかを一見して把握できる。
【0127】
また、検索クエリには、その検索クエリに含まれる検索ニーズとその度合いとが関連付けられている。よって、
図13Aのような画面により、各評価対象ウェブページが、どのような検索ニーズを含む検索クエリに対して、どのような表示順位となっているかを一見して把握できる。
【0128】
なお、表示データ生成部42は、各評価対象ウェブページの内容およびその度合いと、その評価対象ウェブページが獲得した総流入数(あるいは経済規模、以下同じ)に基づき、各評価対象ウェブページの内容ごとの流入数を算出し、表示データに含めてもよい。例えば、評価対象ウェブページ「a.com/index.html」への総流入数が1,000であり、同ウェブページの内容およびその度合いが
図12Aに示すものであった場合、「倉庫設備」による流入数は1,000*80%=800であり、「収納家具」による流入数は1,000*15%=150であり、「データ記憶手段」による流入数は1,000*5%=5である。
【0129】
このような画面により、各評価対象ウェブページについて、どのような検索ニーズを含む検索クエリに対して、どのような検索結果(表示順位)となっているかを把握できる。
【0130】
例えば、評価対象ウェブページ「c.com/index.html」はその内容として「データ記憶手段」のみを含む。そして、検索ニーズとして「データ記憶手段」のみを含む検索クエリ「data storage」に対する検索結果が1位となっている。すなわち「c.com/index.html」は「a.com/index.html」および「b.cоm/index.html」と異なり「データ記憶手段」のニーズのみに合致したウェブページになっていると考えられる。
【0131】
以下、評価対象ウェブページを評価する画面の他の表示例を説明する。以下では、説明のため、ウェブページ評価装置4によって
図13Bに示すようにより多くの評価対象ウェブページについての結果を得たものとする。
【0132】
図14Aおよび
図14Bは、内容に応じたウェブページのフィルタリングを可能とした場合の画面例である。
図14Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して1または複数の内容を指定できる。同図はカラーバーにおける「倉庫設備」を示す部分を選択することによって、内容のうちの「倉庫設備」を指定した例である。
【0133】
図14Aにおいて、「倉庫設備」を内容として含む評価対象ウェブページは、「a.cоm/index.html」、「b.com/index.html」の2つである。よって、表示データ生成部22は、
図14Bに示すように、これら2つの評価対象ウェブページおよびこれに関連付けられた情報(各検索クエリに対する表示順位、カラーバー)のみを表示し、他の評価対象ウェブページを非表示とするための表示データを生成する。
【0134】
なお、
図14Aとは異なり、ユーザが指定した1または複数の内容を含まない評価対象ウェブページを表示するようにしてもよい。また、ユーザが指定した1または複数の内容を含む評価対象ウェブページを表示しないようにしてもよい。いずれにしても、表示データ生成部22は、ユーザから指定された内容に基づいて特定される評価対象ウェブページについてのみ、内容およびその度合いをカラーバー等で表示させるための表示データを生成するのが望ましい。
【0135】
以上述べたように、表示データ生成部42は、ユーザ操作に応じて、全ての評価対象ウェブページについて、内容およびそのその度合いを表示させるための表示データを生成することができ、かつ、ユーザからの指定に応じた、複数の評価対象ウェブページのうちの一部のみについて、内容およびその度合いを表示させるための表示データも生成できるのが望ましい。
【0136】
図15Aおよび
図15Bは、ユーザが指定する順序で評価対象ウェブページの表示を可能とした場合の画面例である。
図15Aに示すように、ユーザは入力インターフェース31を介して、内容を指定できる。同図はカラーバーにおける「収納家具」を示す部分を選択することによって、内容のうちの「収納家具」を指定した例である。
【0137】
この場合、表示データ生成部22は、
図15Bに示すように、「収納家具」の度合いの順に評価対象ウェブページをソートして表示させるための表示データを生成する。なお、順序は、降順でもよいし、昇順でもよいしが、
図15Aに示すようにユーザがいずれかを選択できるのが望ましい。
【0138】
このように、表示データ生成部42はユーザからの指定に応じた順序で複数の評価対象ウェブページを表示させるための表示データを生成できるのが望ましい。
【0139】
以上述べたように、第2の実施形態では、評価対象ウェブページが、どのような検索ニーズを含む検索クエリに対して、どのような表示順位になっているかを分かりやすく表示できる。よって、ウェブページ作成者は、想定する顧客層のニーズと、ウェブページの内容およびウェブページに流入する検索者の検索ニーズが一致しているかを迅速に把握できる。
【0140】
また、ユーザが指定してフィルタリングやソートを行うことにより、ユーザのサイトが目的とする検索ニーズと合致した競合サイトのみを表示することが可能となり、競合サイトの情報を考慮した上でサイト作成・改修の計画を立てるための情報を容易に取得することが可能となる。
【0141】
したがって、通常では膨大な人的リソースをかけて行う分析を本技術により効率的に行うことが可能となり、
図13Aのような画面をユーザ端末3に長時間表示させる必要がなくなり、ユーザ端末3の消費電力を削減できる。また、ウェブページ評価装置4からユーザ端末3に送信するデータは表示データのみでよく(検索データそのものを送信する必要はなく)、通信量を低減できる。
【0142】
(第3の実施形態)
次に説明する第3の実施形態は第2の実施形態の変形例である。すなわち、第2の実施形態では個々のウェブページの評価を行うものであったが、第3の実施形態では共通のドメインを有する複数のウェブページをドメイン単位で評価するものである。以下では、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0143】
図16は、第3の実施形態に係る評価システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態のウェブサイト評価装置4’は合算部43をさらに有する。
【0144】
内容取得部41は、ユーザが任意に指定する評価対象ドメインを共通に有する複数のウェブページ(評価対象ウェブページ)のそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する。なお、ドメインが共通する複数のウェブページは、そのドメインに属するウェブページとも言える。取得の手法は第2の実施形態で述べたとおりである。
【0145】
合算部43は、ドメインが共通する複数のウェブページの内容のそれぞれについて、その度合いを合算する。これにより、評価対象ドメインの内容およびその度合いを算出する。例えば、ドメインが共通するウェブページW1~Wnがあるとする。そして、ウェブページWkの内容の度合いのベクトルCkが下記(3)式で表されるとする。
【数3】
【0146】
上記(3)式は、ウェブページWkが内容a,b,c・・・を含み、その度合いがそれぞれCka,Ckb,Ckc・・・であることを示す。この場合、合算部43は下記(4)
式に基づいて評価対象ドメインWの内容およびその度合いを算出する。
【数4】
【0147】
ここで、Aは定数であり、0であってもよい。vkは、ウェブページWkにおける対象検索クエリ群全ての流入数の合計あるいは獲得経済規模の合計とすることができる。あるいは、vkも定数であってもよい。
【0148】
例えば、流入数(あるいは獲得経済規模、以下同じ)の合計が大きいウェブページほど高く評価(スコアを高く)し、流入数の合計が0であればそのウェブページを評価しない(スコアを0とする)とする場合、vkをウェブページWkにおける対象検索クエリ群全ての流入数の合計とし、Aを0とすればよい。
【0149】
また、流入数の合計が大きいウェブページほど高く評価するが、(仮に流入数が0であるとしても)存在すること自体を評価する場合、vkをウェブページWkにおける対象検索クエリ群全ての流入数の合計とし、Aを正の定数とすればよい。
【0150】
あるいは、存在する全てのウェブページに一定の(流入数の合計に依らない)スコアを付与するのであれば、A,vkを定数とすればよい。
【0151】
以下、具体例を述べる。
図17に、内容取得部41によって取得される複数のウェブページのそれぞれについての内容およびその度合いの一例を示す。同図では、評価対象ドメインが「a.com」、「b.com」、「c.com」であるとしている。そして、「a.com」をドメインとする2つのウェブページ「a.com/home.html」と「a.com/torage.html」があり、これらの内容および度合いと、流入数vが示されている。他のドメインも図示のとおりである。
【0152】
上記(4)式に基づいて各評価対象ドメインの内容を合算したものを
図18に示す。例えば、ドメイン「a.com」の内容「倉庫設備」の度合いは、100%*150+80%*30=174となる。同様の計算により、「a.com」の内容「収納家具」および「データ記憶手段」の度合いは、それぞれ4.71および1.29となる。
【0153】
以上から、
図18に示すように、評価対象ドメイン「a.cоm」は内容として倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ174、4.71および1.29(比率にすると、96.7:2.6:0.7)である。
【0154】
具体的な表示画面例として、例えば
図18のような表形式でもよいし、カラーバー(同図右)を付記してもよいし、カラーバーのみでもよい。この場合のカラーバーは、1つの色が、ドメイン(の下層にあるいずれかのウェブページ)に含まれる1つの内容に対応する。そして、カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する内容の度合いに対応する。
【0155】
このように、第3の実施形態では、評価対象ドメインに含まれる内容およびその度合いを分かりやすく表示できる。多くのウェブサイトは、いわゆるトップページの下層に複数のウェブページが連なった構成となっているが、ターゲットとする検索ニーズを下層ウェブページのいずれで適切にカバーできているかを評価できる。
【0156】
また、第2の実施形態において
図14A等を用いて述べたのと同様の表示を行ってもよく、カラーバーの内容によりユーザが指定してフィルタリングやソートすることにより、ユーザのサイトが目的とする検索ニーズと合致した競合サイトのみをドメイン単位で表示することが可能となり、競合サイトの情報を考慮した上でサイト作成・改修の計画を立てるための情報を容易に取得することが可能となる。
【0157】
(第4の実施形態)
上述した第2の実施形態は、ウェブページを解析して当該ウェブページに含まれる内容を特定するものであった。このようにウェブページを解析することで、精度よく内容を特定できる。しかし、そのような解析が困難なこと(例えば、解析のリソースが足りない場合など)もあり得る。そのような場合も考慮し、本実施形態では、各検索クエリの検索ニーズと、その検索クエリにおける各評価対象ウェブページへの流入数(または獲得経済規模)とを掛け合わせて、より簡易かつ低コストに評価対象ウェブページの内容およびその度合いを推定することとする。
【0158】
第4の実施形態に係るウェブページ評価システムの概略構成は
図10に示すものと同様であり、重複する説明を省略する。その内容取得部41は、ユーザが任意に指定する評価対象ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いとを取得する。本実施形態では、内容取得部41は、検索ニーズおよびその度合いを外部から受信することによって取得してもよいし、検索エンジン1から必要な検索データを受け取り、自ら解析することで取得してもよい。以下では、後者につき、評価対象ウェブページが「a.cоm/index.html」、「b.cоm/index.html」、「c.cоm/index.html」である場合を例に取って、具体的に説明する。
【0159】
まず、内容取得部41は、評価対象ウェブページと関連する複数の検索クエリについての検索結果を取得する。なお、このような検索クエリは、ユーザが指定してもよいし、内容取得部41が評価対象ウェブページを解析して指定してもよい。
【0160】
図19は、各検索クエリに対する検索結果を示す図である。例えば、検索クエリ「storage」に対する検索結果は、表示順位1位が「a.cоm/index.html」であり、同2位が「b.cоm/index.html」であるとする(同3位および同4位は、評価対象でないウェブページである)。
【0161】
続いて、内容取得部41は、第1の実施形態と同様、検索結果に含まれるウェブページを部分集合に分類するなどにより、(検索クエリの)検索ニーズを取得する。また、内容取得部41は部分集合ごとに当該部分集合に含まれるウェブページへの総流入数を算出する。
【0162】
この総流入数は、各部分集合に対応する検索ニーズの、検索数を加味した(検索数で重みを付けた)度合いと言える。例えば、「storage near me」における倉庫設備の検索ニーズの度合いは100%であり、「data storage」におけるデータ記憶手段の検索ニーズも100%ではある。しかし、前者の総流入数が1,500であるのに対し、後者の総流入数は800であるから、前者の方が度合いが大きいと評価される。
【0163】
図20は、以上のようにして得られる各検索クエリに含まれる検索ニーズとその総流入数を模式的に示す図であり、
図3Bと対応している。
【0164】
内容取得部41は、以上のようにして得られた、検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページ(
図19)と、検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合い(
図20)と、に基づいて(具体的には、複数の検索クエリに関して検索ニーズを集計して)、評価対象ウェブページの検索ニーズおよびその度合いを取得する。
【0165】
図21は、評価対象ウェブページの検索ニーズとその度合いを模式的に示す図である。まずは、評価対象ウェブページ「a.cоm/index.html」の検索ニーズとその度合いを取得する手法について説明する。
【0166】
図19によれば、「a.cоm/index.html」は、検索クエリ「storage」および「storage near me」に対する検索結果に含まれる。そして、
図20によれば、検索クエリ「storage」の検索ニーズは倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段である。よって、「a.cоm」は検索ニーズとして倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでいる。また、検索クエリ「storage near me」の検索ニーズは倉庫設備である。よって、「a.cоm/index.html」は検索ニーズとして倉庫設備を含んでいる。以上を総合して、内容取得部41は、「a.cоm/index.html」は検索ニーズとして倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでいると決定する。
【0167】
そして、検索ニーズの1つである倉庫設備の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれる倉庫設備の検索ニーズの度合いが1,300であり、検索クエリ「storage near me」に含まれる倉庫設備の検索ニーズの度合いが1,500である(
図7)から、その合計である2,800となる。このように、内容取得部41は、評価対象ウェブページが検索結果に含まれる検索クエリのそれぞれに含まれる共通の検索ニーズの度合い(望ましくは、検索数を加味した度合い)を合算することによって、当該共通の検索ニーズの度合いを決定する。
【0168】
一方、検索ニーズの1つである収納家具の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれる収納家具の検索ニーズの度合いが550であるから、550となる。また、検索ニーズの1つであるデータ記憶手段の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれるデータ記憶手段の検索ニーズの度合いが150であるから、150となる。
【0169】
以上から、
図21に示すように、「a.cоm/index.html」は検索ニーズとして倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ2,800、550および150(比率にすると、80.0:15.7:4.3)である。
【0170】
次に評価対象ウェブページ「b.cоm/index.html」について説明する。
図19によれば、「b.cоm/index.html」は、検索クエリ「storage」に対する検索結果のみに含まれる。そして、
図7によれば、検索クエリ「storage」の検索ニーズは倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段である。よって、内容取得部41は、「b.cоm/index.html」は検索ニーズとして倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでいると決定する。
【0171】
そして、検索ニーズの1つである倉庫設備の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれる倉庫設備の検索ニーズの度合いが1,300であるから、1,300となる。検索ニーズの1つである収納家具の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれる収納家具の検索ニーズの度合いが550であるから、550となる。また、検索ニーズの1つであるデータ記憶手段の度合いは、検索クエリ「storage」に含まれるデータ記憶手段の検索ニーズの度合いが150であるから、150となる。
【0172】
以上から、
図21に示すように、「b.cоm/index.html」は検索ニーズとして倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ1,300、550および150(比率にすると、65.0:27.5:7.5)である。
【0173】
次に、評価対象ウェブページ「c.cоm/index.html」について説明する。
図19によれば、「c.cоm」は、検索クエリ「data storage」に対する検索結果のみに含まれる。そして、
図20によれば、検索クエリ「data storage」の検索ニーズはデータ記憶手段のみである。よって、内容取得部41は、「c.cоm」は検索ニーズとしてデータ記憶手段のみを含んでいると決定する。
【0174】
そして、その度合いは、検索クエリ「data storage」に含まれるデータ記憶手段の度合いが800であるから、800となる。
【0175】
以上から、
図21に示すように、「c.cоm/index.html」は検索ニーズとしてデータ記憶手段のみを含んでおり、その度合いはそれぞれ800である。
【0176】
このようにして各ウェブページの検索ニーズおよびその度合いが取得されると、表示データ生成部42は、評価対象検索ウェブページに含まれる検索ニーズと、その度合いとをユーザ端末3のディスプレイ33に表示させるための表示データを生成し、ユーザ端末3に送信する。この表示データに応じて、ユーザ端末3のディスプレイ33には、評価対象ウェブページに関連付けて、検索ニーズと、その度合いとが表示される。
【0177】
表示される画面は
図21の左側に示すような表であってもよいし、同図の右側に示すような第1,2の実施形態と同様のカラーバーであってもよい。カラーバーに代えて任意の表示態様や任意の図形でもよいことも、第1,2の実施形態と同様である。
【0178】
また、表示データ生成部42は
図22のような画面を表示させてもよい。
図22の画面では、検索クエリ、その検索ニーズおよびその度合いと、ウェブページ、その検索ニーズおよびその度合いと、を示している。具体的には、複数の検索クエリが並んでおり、そのそれぞれに関連付けて検索クエリの検索ニーズおよびその度合いが(例えばカラーバーで)表示される。その他、検索数やニーズ純度が表示されてもよい。
【0179】
また、複数の検索クエリのそれぞれに関連付けて、当該検索クエリに対する検索結果として各ウェブページが表示される順位が表示される。さらに、各ウェブページに関連付けて、そのそれぞれの検索ニーズおよびその度合いが(例えばカラーバーで)表示される。カラーバーにおける1つの色が、ウェブページに含まれる1つの検索ニーズに対応する。そして、カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する検索ニーズの度合いに対応する。
【0180】
また、第2の実施形態において
図14A等を用いて述べたのと同様、ユーザはカラーバーの情報を用いて、フィルタリングやソートを行えるものとするのが望ましい。
【0181】
このように、第4の実施形態では、各検索クエリの検索ニーズと、その検索クエリにおける各評価対象ウェブページへの流入数(または獲得経済規模)とに基づいて、評価対象ウェブページに含まれる内容およびその度合いを分かりやすく表示できる。よって、ウェブページを解析してその内容を特定する必要がなく、かつ、評価対象ウェブページに、どのような意図を持って検索を行ったものが流入しているかを迅速に把握できる。したがって、
図19あるいは
図22のような画面をユーザ端末3に長時間表示させる必要がなくなり、ユーザ端末3の消費電力を削減できる。また、ウェブページ評価装置4からユーザ端末3に送信するデータは表示データのみでよく(検索データそのものを送信する必要はなく)、通信量を低減できる。
【0182】
(第5の実施形態)
次に説明する第5の実施形態は第4の実施形態の変形例である。すなわち、第4の実施形態では個々のウェブページの評価を行うものであったが、第5の実施形態では共通のドメインを有する複数のウェブページをドメイン単位で評価するものである。以下では、第2,3の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0183】
第5の実施形態に係る評価システムの概略構成は
図16と同様であり、合算部43を有する。
【0184】
内容取得部41は、ユーザが任意に指定する評価対象ドメインを共通に有する複数のウェブページ(評価対象ウェブページ)のそれぞれについて、各ウェブページに含まれる1以上の内容と、その度合いと、を取得する。なお、ドメインが共通する複数のウェブページは、そのドメインに属するウェブページとも言える。内容取得部41は、内容およびその度合いを外部から受信することによって取得してもよいし、検索エンジン1から必要な検索データを受け取り、自ら解析することで取得してもよい。以下では、後者につき、評価対象ドメインが「a.cоm」、「b.cоm」、「c.cоm」である場合を例に取って、具体的に説明する。
【0185】
まず、内容取得部41は、評価対象ドメインと関連する複数の検索クエリについての検索結果を取得する。なお、このような検索クエリは、ユーザが指定してもよいし、内容取得部41が評価対象ドメインの下層にあるウェブページを解析して指定してもよい。
【0186】
図23は、各検索クエリに対する検索結果を模式的に示す図である。例えば、検索クエリ「storage」に対する検索結果は、表示順位1位が「a.cоm/storage」であり、同2位が「b.cоm」である(同3位および同4位は、評価対象でないドメインを有するウェブページである)。検索クエリ「storage near me」に対する検索結果は、表示順位1位が「a.cоm/home」であり、同2位が「a.cоm/storage」であり、同3位が「c.cоm/home」である。検索クエリ「data storage」に対する検索結果は、表示順位1位が「c.cоm/data」である。
【0187】
ここで、ウェブページ「a.cоm/storage」および「a.cоm/home」は、いずれもドメインが「a.cоm」である。また、ウェブページ「c.cоm/home」および「c.cоm/data」は、いずれもドメインが「c.cоm」である。
【0188】
続いて、内容取得部41は、第2の実施形態と同様、検索結果に含まれるウェブページを部分集合に分類するなどにより、(検索クエリの)検索ニーズを取得する。また、内容取得部41は部分集合ごとに当該部分集合に含まれるウェブページへの総流入数を算出する。
【0189】
さらに、内容取得部41は、第2の実施形態と同様、検索クエリに対する検索結果に含まれるウェブページと、検索クエリに含まれる検索ニーズおよびその度合いと、に基づいて(具体的には、複数の検索クエリに関して検索ニーズを集計して)、各ウェブページの内容およびその度合いを取得する。
【0190】
図24は、以上のようにして得られる各ウェブページの内容とその度合いを模式的に示す図であり、
図12Bと対応している。
【0191】
そして、合算部43は、ドメインが共通する複数のウェブページに含まれる内容のそれぞれについて、その度合いを合算する。
【0192】
図25は、ドメインごとに合算した内容の度合いを模式的に示す図である。まずは、評価対象ドメイン「a.cоm」についての内容の合算について説明する。
【0193】
図24によれば、「a.cоm」をドメインとして有する2つのウェブページ「a.cоm/home」と「a.cоm/storage」が検索クエリに対してヒットしている。そして、前者は倉庫設備を内容として含み、その度合いは1,500である。後者も倉庫設備を内容として含み、その度合いは2,800である。
【0194】
そこで、合算部43は倉庫設備に関して「a.cоm/home」の度合い1,500と、「a.cоm/storage」の度合い2,800とを合算し、評価対象ドメイン「a.cоm」に含まれる倉庫設備の内容の度合いを4,300とする(
図23)。
【0195】
一方、
図24によれば、「a.cоm/storage」は収納家具およびデータ記憶手段も内容として含んでいるが、「a.cоm/home」はこれらを内容として含まない。よって、合算部43は、評価対象ドメイン「a.cоm」に含まれる収納家具およびデータ記憶手段の内容の度合いを、「a.cоm/storage」のそれらとそれぞれ同じ550および150とする(
図25)。
【0196】
以上から、
図25に示すように、評価対象ドメイン「a.cоm」は内容として倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ4,300、550および150(比率にすると、86.0:11.0:3.0)である。
【0197】
このように、合算部43は、評価対象ドメインの下層にあるいずれかのウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリに特定の検索ニーズが含まれる場合、この特定の検索ニーズが評価対象ドメイン(の下層にあるいずれかのウェブページ)の内容に含まれると決定する。そして、合算部43は、評価対象ドメインの下層にあるいずれかのウェブページが検索結果に含まれる1以上の検索クエリのそれぞれに含まれる特定の内容の度合いを合算することによって、評価対象ドメインに含まれると決定した特定の内容の度合いを決定する。
【0198】
次に、評価対象ドメイン「b.cоm」について説明する。
図24によれば、「b.cоm」をドメインとして有するウェブページ「b.cоm」のみが検索クエリに対してヒットしている。そして、このウェブページ「b.cоm」は倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を内容として含み、その度合いはそれぞれ1,300、550、150である。
【0199】
よって、合算部43は、評価対象ドメイン「b.cоm」に含まれる倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段の内容の度合いを、「b.cоm」のそれらとそれぞれ同じ1,300、550、150とする(
図25)。
【0200】
以上から、
図25に示すように、評価対象ドメイン「c.cоm」は内容として倉庫設備、収納家具およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ1,300、550、150(比率にすると、65.0:27.5:7.5)である。
【0201】
次に、評価対象ドメイン「b.cоm」について説明する。
図24によれば、「c.cоm」をドメインとして有する2つのウェブページ「c.cоm/data」と「c.cоm/home」が検索クエリに対してヒットしている。
【0202】
「c.cоm/data」のみがデータ記憶手段を内容として含み、その度合いは800である。よって、合算部43は、評価対象ドメイン「c.cоm」に含まれるデータ記憶手段の内容の度合いを、「c.cоm/data」のそれと同じ800とする(
図25)。
【0203】
また、「c.cоm/home」のみが倉庫設備を内容として含み、その度合いは1,500である。よって、合算部43は、評価対象ドメイン「c.cоm」に含まれる倉庫設備の内容の度合いを、「c.cоm/home」のそれと同じ1,500とする(
図25)。
【0204】
以上から、
図25に示すように、評価対象ドメイン「c.cоm」は内容として倉庫設備およびデータ記憶手段を含んでおり、その度合いはそれぞれ1,500、800(比率にすると、65.2:34.8)である。
【0205】
このようにして各ウェブページの内容およびその度合いが取得されると、表示データ生成部42は、評価対象検索ドメインに含まれる内容と、その度合いとをユーザ端末3に表示させるための表示データを生成し、ユーザ端末3に送信する。この表示データに応じて、ユーザ端末3のディスプレイ33には、評価対象ドメインに関連付けて、内容と、その度合いとが表示される。
【0206】
具体的な表示画面は、例えば
図13Aと同様とすることができる。この場合のカラーバーは、1つの色が、ドメイン(の下層にあるいずれかのウェブページ)に含まれる1つの内容に対応する。そして、カラーバーにおける1つの色が占める面積が、その色に対応する内容の度合いに対応する。
【0207】
また、第2の実施形態において
図14A等を用いて述べたのと同様、ユーザはカラーバーの情報を用いて、フィルタリングやソートを行えるものとするのが望ましい。
【0208】
このように、第5の実施形態では、評価対象ドメインに含まれる内容およびその度合いを分かりやすく表示できる。多くのウェブサイトは、いわゆるトップページの下層に複数のウェブページが連なった構成となっているが、ターゲットとする内容を下層ウェブページのいずれで適切にカバーできているかを評価できる。
【0209】
なお、第3および第5の実施形態では、ドメインを単位として評価を行うものであった。しかし、評価単位はドメインに限らず、ユーザが任意に指定した2以上のウェブページとすることができる。例えば、ユーザが2つのドメインを評価対象として指定してもよい。この場合、2つのドメインのいずれかを有するウェブページが評価対象ウェブページとなり、評価対象単位に属することとなる。あるいは、ユーザが特定のウェブページを指定してもよい。この場合、その指定されたウェブページの下位階層のウェブページが評価対象ウェブページとし評価対象単位に属することになる。その他、ユーザが個別に複数のウェブページを評価対象単位として指定してもよい。
【0210】
(第6の実施形態)
本実施形態では、特定の検索クエリ(以下「対象検索クエリ」という)をターゲットとしてウェブページを作成することを想定している。その場合、ユーザ(検索者)が求めている情報やページ内容を知るべく、対象検索クエリで既に高い検索順位を獲得しているウェブページを参照するのは有効である。具体的には、そのようなウェブページでどのようなワードが用いられているか、どのようなワードが重要であるか、を知ることが有用である。
【0211】
しかし、ページ内で使用されるワードにおいて、検索上位ページで多く共通しているワードが必ずしも一部のページのみで使用されるワードよりも重要度が高いとは限らない。なぜなら、検索者のニーズが混在している検索クエリの場合などにおいて、検索上位ページ群が異なるニーズを満たすページが混在している可能性があるからである。そのため、サイト制作者が自身が制作するウェブページに入れるべきワードか否かは、対象とする検索ニーズを満たすワードか否かが重要になる。
【0212】
そこで、第6の実施形態は、形態素(ワード)ごとに内容(ニーズ)とその度合いを示し、対象とする検索ニーズを満たすためにウェブページに盛り込むべきワードを把握しやすいようにする。
【0213】
図26は、第6の実施形態に係る評価システムの概略構成を示すブロック図である。評価システムは、検索エンジン1と、評価装置5と、ユーザ端末3とを備えている。以下、他の実施形態との共通点は説明を省略する。
【0214】
評価装置5は、情報取得部51と、算出部52と、表示データ生成部53とを有する。
【0215】
情報取得部51は、対象検索クエリに対してヒットする1以上のウェブページと、そのそれぞれに含まれる1以上のワードと、各ワードが各ウェブページにおいて使用されている回数と、を検索エンジン1から取得する。また、情報取得部51は、1以上のウェブページに含まれる内容と、その度合いとを取得する(この点は第2の実施形態等で説明したとおりである)。
【0216】
図27Aは、対象検索クエリが「AI」である場合の、情報取得部51が取得する情報を模式的に示す図である。なお、「AI」は、"Artificial intelligence"(人工知能)の略語であるとともに、「AI」なる歌手が存在するものと仮定する。検索対象クエリ「AI」には「人工知能」および「歌手」の検索ニーズが混在しているといえる。また、説明を簡略化するため、「AI」に対してヒットするウェブページはW1,W2の2つであるとしている(多数ある場合には、例えば上位所定数を採用すればよい)。
【0217】
ウェブページW1には「人工知能」というワードが5回、「intelligence」というワードが4回、「コンサート」というワードが1回使用されている。また、カラーバーによって示されるように、ウェブページW1の内容は「人工知能」が95%、「歌手」が5%である。
【0218】
一方、ウェブページW2には「人工知能」というワードが1回、「コンサート」というワードが4回使用されている。また、カラーバーによって示されるように、ウェブページW2の内容は「人工知能」が10%、「歌手」が90%である。
【0219】
以上から、ワード「人工知能」、「intelligence」、「コンサート」は、いずれも、内容(コンテキスト)として「人工知能」および「歌手」を含んでいるといえる。また、これらのワードはニーズとして「人工知能」および「歌手」を含んでいるともいえる。
【0220】
別の例を示す。
図27Bは、対象検索クエリが「storage」である場合の、情報取得部51が取得する情報を模式的に示す図である。なお、「storage」は、「倉庫設備」のニーズと「データ記憶手段」のニーズが混在していると仮定する。また、説明を簡略化するため、「storage」に対してヒットするウェブページはW1,W2の2つであるとしている(多数ある場合には、例えば上位所定数を採用すればよい)。
【0221】
ウェブページW1には「storage」というワードが5回、「address」というワードが4回、「TB」というワードが0回使用されている。また、カラーバーによって示されるように、ウェブページW1の内容は「倉庫設備」が95%、「データ記憶手段」が5%である。
【0222】
一方、ウェブページW2には「storage」というワードが3回、「address」というワードが0回、「TB」というワードが10回使用されている。また、カラーバーによって示されるように、ウェブページW2の内容は「倉庫設備」が10%、「データ記憶手段」が90%である。
【0223】
以上から、ワード「storage」「address」「TB」はウェブページ内容が異なると、使用頻度が変化するため、それぞれ異なるニーズを満たす語句であると考えられる。
【0224】
図26に戻り、算出部52は、各ワードの内容の度合いを、ウェブページに含まれる回数と、ウェブページに含まれる内容の度合いと、に応じて算出する。
【0225】
単純な算出法として、あるワードがウェブページWi(i=1~n)にNi回使用され、ウェブページWiの内容Cの度合いがPiである場合、算出部52はそのワードにおける内容Cの度合いRを(5)式で算出することができる。
【数5】
【0226】
図27Aの例では、ワード「人工知能」における内容「人工知能」の度合いは、5*0.95+1*0.1=4.85となる。また、ワード「人工知能」における内容「歌手」の度合いは、5*0.05+1*0.9=1.15となる。他のワード「intelligence」および「コンサート」についても同様に算出した結果を
図28Aに示す。
【0227】
より一般的には、算出部52は(6)式に基づいて、あるワードの内容の度合いRを算出できる。
【数6】
【0228】
ここで、Ni(i=1~n)はウェブページWiに使用される回数である。s(Ni)はNiに対して単調増加する関数である。例えば、s(Ni)=Niとしてもよいし、s(Ni)を対数関数として使用回数が多い場合に影響が大きくなりすぎないようにしてもよい。Aは定数であり、viはウェブページWiの重みである。重みviは定数でもよいし、流入数や獲得経済規模が多いほど大きく設定してもよい。Cia,Cib,Cic・・・はウェブページWiにおける内容a,b,c・・・の各度合いである。上記(6)式において、s(Ni)=Ni、vi=1としたのが上記(5)式となる。
【0229】
図26に戻り、表示制御部53は、各ワードに関連付けて、その内容および度合いを表示させる。表示態様は任意であるが、
図28Aの左のような表形式でもよいし、同図の右に示すカラーバー形式でもよい。なお、
図28Bは
図27Aと対応している。
【0230】
また、第2の実施形態において
図14A等を用いて述べたのと同様、ユーザはカラーバーの情報を用いて、フィルタリングやソートを行えるものとするのが望ましい。
【0231】
例えば、
図28によれば、対象検索クエリを「AI」とするウェブページ作成者は、ターゲットを「人工知能」にするのであれば、「人工知能」や「intelligence」をウェブページに盛り込むのがよいことが分かる。
図27Aおよび
図28は単純化した例であるが、通常は対象検索クエリに関連するワードは多数ある。そのような場合でも、
図28に示すように、各ワードに関連付けて各ワードに含まれる内容とその度合いを表示することで、作成するウェブページの内容に応じて盛り込むべきワード(ひいては、そのワードに基づいてどのようなコンテンツにすればいか)を迅速に把握できる。
【0232】
(第7の実施形態)
検索ニーズは時々刻々と変化することから、前述のウェブページ等の評価もまた検索ニーズの変化に伴い変化していく。上述した各実施形態によれば、各種の評価をディスプレイに表示できる。しかし、サイト管理者がディスプレイ上での評価(指標)のみで検索ニーズ等の変化を確認する場合、確認工数がかかり、またディスプレイ上で確認するまでの時間の遅れや確認漏れが発生する恐れがあり、検索ニーズの変化に対応していないウェブページがウェブサイト内で多くなってしまう恐れがある。
【0233】
そこで、第7の実施形態ではユーザが指定した特定の条件を満たした際に、ユーザに対して通知を行うこととする。
【0234】
図29は、第7の実施形態に係る通知システムの概略構成を示すブロック図である。上述した各実施形態を本実施形態に適用できるため、重複する説明は省略する。
【0235】
通知システムは、検索エンジン1と、通知装置6と、ユーザ端末3とを備えている。通知装置6は、取得部61と、比較部62と、通知情報生成部63とを有する。
【0236】
取得部61はユーザが指定する監視対象値を取得する。監視対象値は、検索動向に依存して変動する任意のパラメータであってよく、例えば、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの割合、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの推定流入量、特定の検索クエリにおける特定の検索ニーズの獲得経済規模、または、特定の検索クエリのニーズ純度である。
【0237】
取得部61は検索エンジン1から監視対象値を取得してもよい。あるいは、取得部61は検索エンジン1から検索データを取得し、検索データに基づいて監視対象値を算出してもよい、取得部61が検索エンジン1からデータを取得する頻度は可能な限り高い方がよい。
【0238】
比較部62は監視対象値と基準値とを比較する。基準値は1つの閾値であり、比較部62は監視対象値と基準値との比較を行ってもよい。あるいは、基準値は上限値および下限値からなる範囲であり、比較部62は監視対象値と上限値との比較、および、監視対象値と下限値との比較を行ってもよい。基準値(閾値、上限値、下限値)は予め定めた固定値であってもよいし、ユーザが任意に設定できてもよい。
【0239】
通知情報生成部63は比較部62による比較結果に応じて通知情報を生成する。例えば、監視対象値が閾値を超えた/下回った場合に、通知情報生成部63は通知情報を生成してもよい。あるいは、監視対象値が上限値および下限値からなる範囲内に入った/外れた場合に、通知情報生成部63は通知情報を生成してもよい。
【0240】
そして、通知情報は通知情報生成部63からユーザ端末3に送信される。具体的にユーザに通知する方法としては、ディスプレイ33に通知を表示してもよいし、通知を含むメールをユーザ端末33に送信してもよいし、ユーザ端末3のインストールされたアプリ(SNSアプリ等)にプッシュ通知してもよい。
【0241】
以上のように、本実施形態では、監視対象値を監視し、検索動向等の変化によってこの値が大きく変動した場合に、自動的に通知を行うことができる。
【0242】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0243】
1 検索エンジン
2 検索ニーズ評価装置
21 検索ニーズ取得部
22 表示データ生成部
3 ユーザ端末
31 入力インターフェース
32 制御部
33 ディスプレイ
4 ウェブページ評価装置
4’ ウェブサイト評価装置
41 内容取得部
42 表示データ生成部
43 合算部
5 評価装置
51 情報取得部
52 合算部
53 表示データ生成部
6 通知装置
61 取得部
62 比較部
63 通知情報生成部