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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
B65F1/00 A
B65F1/00 W
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2016220552
(22)【出願日】2016-11-11
(65)【公開番号】P2018076169
(43)【公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-08-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】594192349
【氏名又は名称】リソテック ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101281
【弁理士】
【氏名又は名称】辻永 和徳
(72)【発明者】
【氏名】関口 淳
(72)【発明者】
【氏名】山内 唯志
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】田合 弘幸
【審判官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】実公昭35-30482(JP,Y1)
【文献】実開昭58-176686(JP,U)
【文献】実開昭58-24190(JP,U)
【文献】特開平8-257121(JP,A)
【文献】特開2013-80317(JP,A)
【文献】特開2005-75614(JP,A)
【文献】特開2008-214095(JP,A)
【文献】特開2005-75614(JP,A)
【文献】実開平5-9794(JP,U)
【文献】特開2010-173840(JP,A)
【文献】国際公開第2008/038317(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体および蓋を備えたゴミ箱であって、該蓋の内側に、ゴミ箱を閉じた時に下方向に伸びてゴミ箱内部のゴミを圧縮でき、ゴミ箱を開ける際に上方向に縮む伸縮機構を有し、該伸縮機構にはゴミを圧縮するための部材である圧縮板、およびゴミ箱を開ける際に圧縮板を上方向に引き上げる手段、及びバネが取り付けられ、該伸縮機構は複数の棒状部材を伸縮可能に組み合わせた機構であり、該伸縮機構にはゴミ箱が閉じられている時にはバネが縮むことにより伸縮機構が伸びてゴミを圧縮するようにバネが取り付けられ、ゴミ箱の蓋を開ける際には圧縮板を上方向に引き上げる手段に加えられる力によりバネを伸ばして該伸縮機構を縮める、ゴミ箱。
【請求項2】
該圧縮板を上方向に引き上げる手段が圧縮に接続されたワイヤーである、請求項1記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部のゴミを圧縮する機能を有するゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、様々な医療用廃棄物(以降、「医療ごみ」と呼ぶ)が出る。医療ごみは専用のダンボール製のゴミ箱に入れられ、封をされて、廃棄物業者に引き取られる。ゴミの中にはヘッドカバーや、靴カバー、ゴム手袋などがあり、これらはそのまま捨てた場合「かさ」があるため、すぐにゴミ箱がいっぱいになってしまう。廃棄するための費用はゴミの箱単位で計算されるので、このようなかさばった状態でゴミを処理することはコストアップとなる。
【0003】
通常のゴミの場合には、手で押し付けてゴミの「かさ」を減らすことができるが、医療ごみでは注射針などが混入しており、手で押す場合には手に刺さり感染の危険性がある。このため、手でゴミを押して圧縮することは禁止されており、簡単にゴミの「かさ」を減らすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミのかさを減らすことは、ごみ箱交換の頻度を下げるので、手間を低減する。また、ゴミのかさを減らすことは、出されるごみ箱の数量を減らすことになり、ゴミ処理のコストを低減する。したがって、ゴミに触れることなくゴミを圧縮することのできるゴミ箱の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、ゴミ箱の蓋の裏側にゴミを圧縮する伸縮機構を取り付けることにより、上記の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体および蓋を備えたゴミ箱であって、該蓋の内側に、ゴミ箱を閉じた時に伸びてゴミ箱内部のゴミを圧縮でき、ゴミ箱を開けた時に縮む伸縮機構を有するゴミ箱を提供する。該伸縮機構は、ゴミ箱の開閉に応じて伸縮でき、伸びた時にゴミ箱内部のゴミを圧縮できる任意の物であることができる。典型的には、伸縮機構はゴミを圧縮するための部材である圧縮板、圧縮板を下方向に付勢する手段、および圧縮板を上方向に引き上げる手段から構成される。
【0007】
伸縮機構は、ゴミ箱の蓋が閉じている状態では圧縮板を下方向に付勢する手段により伸びて圧縮板はゴミを押し付け続け、ゴミのかさを減らす。ゴミ箱の蓋を開けるとその動作に連動して圧縮板を上方向に引き上げる手段により伸縮機構が縮み、ゴミ箱の蓋に収納され、ゴミを捨てる際に邪魔にならない構造を有する。
【0008】
以下においては、該伸縮機構として、たとえばマジックハンドのような、複数の棒状部材を伸縮可能に組み合わせたものに平面の硬質部材である圧縮板を取り付けた部材を使用し、圧縮板を下方向に付勢する手段としてバネを使用し、圧縮板を上方向に引き上げる手段としてワイヤーを使用する態様に基づいて本発明を説明する。
また、本発明の好ましい態様においては、ゴミ箱の外側に伸縮機構の高さと連動したインジケーターを設け、たとえばインジケーターの色を変えることにより、内部のゴミの量を表示することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゴミ箱は一般的なゴミ箱として使用する事ができるが、特には医療ゴミのためのゴミ箱、たとえば病院内のゴミ箱として有用であり、ゴミのかさが多く、頻繁にゴミ箱を交換する必要のある、手術室の靴カバーや、ヘッドカバー用ゴミ箱、採血室のゴム手袋、触れると危険のある使用済みの注射器および注射針などを捨てるゴミ箱として有用である。
【0010】
本発明のゴミ箱では、ゴミに触れることなくゴミを圧縮することのできるので、注射針などの危険なゴミを安全に圧縮することができる。さらに本発明のゴミ箱はゴミのかさを減らせるため、ゴミ箱の交換頻度を下げて交換の手間を減らすことができる。また、ゴミを圧縮することで、排出される医療ゴミの段ボールの数を減らし、ゴミ処理経費を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1はゴミ箱の閉じた状態の断面図である。
図2図2はゴミ箱の閉じた状態の平面図である。
図3図3はゴミ箱の開く直前の状態の断面図である。
図4図4はゴミ箱の開く直前の状態の平面図である。
図5図5はゴミ箱の開いた状態の断面図である。
図6図6はゴミ箱の開いた状態の平面図である。
図7図7はゴミ箱の閉じる直前の状態の断面図である。
図8図8はゴミ箱の閉じた瞬間の状態の断面図である。
図9図9はゴミ箱の閉じた状態の断面図である。
図10図10はゴミ箱の閉じた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のゴミ箱について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1はゴミ箱の閉じた状態の断面図である。ゴミ箱は筐体1と蓋2を有し、筐体1内部には段ボール製のゴミ箱3が置かれる。ペダル4と蓋2はワイヤー7により連結され、ペダル4を踏むと蓋2が持ち上げられる、ゴミ箱が開けられる。蓋2の内側には伸縮機構が取り付けられている。伸縮機構が蓋2が閉じている状態で伸びるように、伸縮機構にはバネのような付勢手段6が取り付けられる。また蓋2は閉じている時にはバネ8などを使用してロックすることができる。
【0013】
図2はゴミ箱の閉じた状態の平面図である。蓋の上のワイヤー固定部11により、蓋上のブロック部分12とワイヤ-7が連結される。また該ブロック部分には異なるワイヤー17が好ましくは滑車を利用して取り回される。ワイヤー17の一端は蓋に固定され、他の端はゴミ箱内部の伸縮機構と連結される。
【0014】
図4を参照する。ペダル4を踏み込むとワイヤー7が引っ張られる。そうすると図4に示すように蓋上のブロック部分が引っ張られ、ワイヤー17がゴミ箱内部の伸縮機構に取り付けられた圧縮板を引き上げる。図4に示すように滑車を用いると、ワイヤー17の引き上げ距離を約4倍に大きくすることができる。
【0015】
図3はゴミ箱のペダルを踏み始め、蓋が開く直前の状態の断面図である。上記のように、ペダル4を踏み込むとワイヤー17が引き上げられ、ゴミ箱内部の伸縮機構が縮められ、好ましくは伸縮機構に取り付けられた圧縮板5は蓋の下端より上に引き上げられる。圧縮板が引き上げられると、圧縮板を固定していたシャフト13が左に移動し、蓋のロック14を解除し、蓋を開けることができるようにすることができる。
【0016】
図5はゴミ箱の開いた状態の断面図である。ペダルが十分に踏み込まれると、図6に示されるように、蓋上のブロック部分12が蓋の端まで引っ張られ固定され、さらにペダルが踏み込まれると、さらにワイヤー7が引っ張られ、蓋が開けられる。蓋が開いた時に、バネなどの手段により、伸縮機構をロックして縮んだ状態で固定することが好ましい。
【0017】
図7はペダルを離し、ゴミ箱の閉じる直前の状態の断面図である。ペダルを離すとワイヤー7が緩み、蓋が閉まり始める。エアシリンダ74を設けて、蓋の急激な閉止を防ぐことが好ましい。また圧縮板をロックしたままで保持し、蓋が完全に閉まるまで縮んだ状態で保持することが好ましい。
【0018】
図8はゴミ箱の閉じる瞬間の状態の断面図である。蓋が完全に閉じると蓋はロックされる。
【0019】
図9はゴミ箱の閉じた状態の断面図である。ゴミ箱が完全に閉じると圧縮板のロックが解除され、伸縮機構が伸び、圧縮板が下方向に移動する。伸縮機構の伸びる能力に応じて、たとえばゴミが91で示される線より上まである場合にゴミが圧縮される。
【0020】
図10に示すように、圧縮板が移動するとゴミ箱内部のゴミ100は圧縮される。本発明のゴミ箱では蓋が閉じられてからゴミを圧縮するので、内部のダンボール製のゴミ箱一杯にゴミを投入できる。
【符号の説明】
【0021】
1: ゴミ箱の筐体
2: ゴミ箱の蓋
3: ダンボール製のゴミ箱
4: ペダル
5: 圧縮板
6: バネ
7: ワイヤー
8: バネ
11: ワイヤー固定部分
12: ブロック
13: シャフト
14: 蓋のロック
17: ワイヤー
74: エアシリンダー
91: ゴミの圧縮面
100: ゴミ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10