(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】開口絞り
(51)【国際特許分類】
G02B 5/00 20060101AFI20230417BHJP
G02B 21/06 20060101ALI20230417BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20230417BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20230417BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
G02B5/00 B
G02B21/06
G01N21/84 E
G01N21/956 A
H01L21/66 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017092795
(22)【出願日】2017-05-09
【審査請求日】2020-04-21
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504164631
【氏名又は名称】カムテック エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】CAMTEK LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ギラード, トメル
(72)【発明者】
【氏名】コーレン, シモン
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0058454(US,A1)
【文献】特開平06-011440(JP,A)
【文献】特開2014-240936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00 - 5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含む円形領域を含む開口絞りであって、
前記少なくとも1つの開口領域内の各ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた前記照射角度からの正反射角度に対応付けられた前記少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ、
前記少なくとも1つの開口領域が、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含む境界を有する第1開口領域を含み、
前記円形領域が、外側リングによって囲まれた内側円形部分を含み、
前記内側円形部分の中に複数の内側開口部分が位置付けされ、
前記外側リングの中に複数の外側開口部分が位置付けされている、開口絞り。
【請求項2】
前記第1開口領域が、円弧の組み合わせと異なる形状を有する、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項3】
前記円形領域が対称軸を有し、複数の前記開口領域が、前記対称軸に関連して対称である、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項4】
前記内側円形部分及び前記外側リングのうちの少なくとも1つの中に、少なくとも1つの開口領域をさらに含む、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項5】
前記内側開口部分がそれぞれ、少なくとも1つの割線及び前記内側円形部分の端部によって区切られている、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項6】
前記外側開口部分がそれぞれ、前記外側リングの少なくとも1つの半径方向線、内側端部、及び外側端部によって区切られている、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項7】
3つの前記外側開口部分が、前記外側リングの中に位置し、2つの内側開口部分が、内側円形領域の中に位置する、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項8】
少なくとも1つの線状の境界部分が、半径方向の線状の境界部分と、開口絞りの対称軸に向って開口絞りのどの直径にも属さない線状の境界部分とからなる、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項9】
開口絞りが、第1の対称軸と第2の対称軸を有する、請求項8に記載の開口絞り。
【請求項10】
第1開口領域が、5つの直線状の境界部分と、1つの非直線状の境界部分とを含む請求項1に記載の開口絞り。
【請求項11】
第1開口領域が、複数の直線状の境界部分と、複数の非直線状の境界部分とを含む、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項12】
前記少なくとも1つの開口領域が、1つ以上の線形境界部分と1つ以上の非線形境界部分とを含む境界を有する第2開口領域を含む、請求項1に記載の開口絞り。
【請求項13】
前記第2開口領域は、3つの外側開口部分と、1つの内側開口部分とを含む請求項12に記載の開口絞り。
【請求項14】
前記1つの内側開口部分が対称軸を有し、前記3つの外側開口部分のうち2つが対称軸に対して対称的に配置されている、請求項13に記載の開口絞り。
【請求項15】
前記少なくとも1つの開口領域が、1つ以上の線形境界部分および1つ以上の非線形境界部分からなる境界を有する第3開口領域を含む、請求項12に記載の開口絞り。
【請求項16】
前記第3開口領域は、1つの外側開口部分を有する請求項15に記載の開口絞り。
【請求項17】
光源、対物レンズ、及び開口絞りを備えた検査システムであって、
前記光源が、前記開口絞りに照射を行うように構成され、
前記開口絞りが、前記対物レンズの絞りにおいて位置付けされており、
前記開口絞りは、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含む円形領域を含み、
前記少なくとも1つの開口領域内の各ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた前記照射角度からの正反射角度に対応付けられた前記少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ、
前記少なくとも1つの開口領域が、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含む境界を有する第1開口領域を含み、
円形領域が、外側リングによって囲まれた内側円形部分を含み、
前記内側円形部分の中に複数の内側開口部分が位置付けされ、
前記外側リングの中に複数の外側開口部分が位置付けされている、システム。
【請求項18】
前記第1開口領域が、円弧の組み合わせと異なる形状を有する、請求項17に記載の検査システム。
【請求項19】
前記円形領域が対称軸を有し、複数の前記開口領域が、前記対称軸に関連して対称である、請求項17に記載の検査システム。
【請求項20】
前記開口絞りは、前記内側円形部分及び前記外側リングのうちの少なくとも1つの中に少なくとも1つの開口領域をさらに含む、請求項17に記載の検査システム。
【請求項21】
前記内側開口部分がそれぞれ、少なくとも1つの割線及び前記内側円形部分の端部によって区切られている、請求項17に記載の検査システム。
【請求項22】
前記外側開口部分がそれぞれ、前記外側リングの少なくとも1つの半径方向線、内側端部、及び外側端部によって区切られている、請求項17に記載の検査システム。
【請求項23】
4つの外側開口部分が、前記外側リングの中に位置し、2つの内側開口部分が、前記内側円形
部分の中に位置する、請求項17に記載の検査システム。
【請求項24】
対物レンズの絞りに位置する開口絞りに照射を行うことと、
前記開口絞り及び前記対物レンズを通過する光によって対象物に照射を行うことと、
前記開口絞りを通過する反射光を前記対物レンズによって集光することであって、正反射光とは異なる前記反射光を、集光することと、
前記開口絞りを通過する前記反射光を検出器に向けて方向付けることと、
を含む方法であって、
前記開口絞りが、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含む円形領域を含み、
前記少なくとも1つの開口領域内の各ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた前記照射角度からの正反射角度に対応付けられた前記少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ、
前記少なくとも1つの開口領域が、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含む境界を有する第1開口領域を含み、
前記円形領域が、外側リングによって囲まれた内側円形部分を含み、
複数の内側開口部分が、前記内側円形部分の中に位置付けされ、
複数の外側開口部分が、前記外側リングの中に位置付けされている、方法。
【請求項25】
前記第1開口領域が、円弧の組み合わせと異なる形状を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記円形領域が対称軸を有し、複数の前記開口領域が、前記対称軸に関連して対称である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記開口絞りが、前記内側円形部分及び前記外側リングのうちの少なくとも1つの中に少なくとも1つの開口領域をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記内側開口部分がそれぞれ、少なくとも1つの割線及び前記内側円形部分の端部によって区切られている、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記外側開口部分がそれぞれ、前記外側リングの少なくとも1つの半径方向線、内側端部、及び外側端部によって区切られている、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
4つの外側開口部分が、前記外側リングの中に位置し、2つの内側開口部分が、前記内側円形
部分の中に位置する、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つの線状境界部分が、半径方向の線状境界部分と、開口絞りの対称軸に向いて開口絞りのどの直径にも属さない線状境界部分とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
開口絞りが、第1の対称軸と第2の対称軸を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1開口領域が、5つの直線状の境界部分と、1つの非直線状の境界部分とを含む請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記第1開口領域が、複数の直線状の境界部分と、複数の非直線状の境界部分とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの開口領域が、1つ以上の線形境界部分と1つ以上の非線形境界部分とを含む境界を有する第2開口領域を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記第2開口領域は、3つの外側開口部分と、1つの内側開口部分とを含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1つの内側開口部分が対称軸を有し、前記3つの外側開口部分のうち2つが対称軸に対して対称的に配置されている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの開口領域が、1つ以上の線形境界部分および1つ以上の非線形境界部分を含む境界を有する第3開口領域を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記第3開口領域は、1つの外側開口部分を有する請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本出願は、2017年3月17に出願された米国特許出願第15469578号から優先権を主張し、且つ、2015年6月14日に出願された米国仮特許出願番号第62/175,315号から優先権を主張する2016年5月19日に出願された米国特許出願番号第15/158632号から優先権を主張する。これらのすべての出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[002]2次元欠陥検出は、試料照明の2つの主要なモードを有する。それは、ウエハの形態に対して感度が低い明視野、及び、散乱光を集光し、それゆえにウエハの形態に対して感度が高く、特に傷の特定に有益な暗視野である。
【0003】
[003]周知のすべての暗視野技法は、大きな斜角でウエハに照射を行う。これらの技法は、広範囲の用途に適しているが、ウエハの局所的な低角度の傾斜によって特徴づけられる種類の欠陥を発見し損ねる。このような種類の欠陥には、表面を変形させるような割れ目や応力が含まれる。
【発明の概要】
【0004】
[004]本発明の実施形態によると、複数のポイントを含み得る円形領域を含み得る開口絞りが提供され得る。この複数のポイントは、すべての極角にわたって広がり得る複数の不透明領域ポイント及びすべての極角にわたって広がり得る複数の開口ポイントを含み、各開口ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた対応する不透明領域内の対応ポイントに関連付けられる。
【0005】
[005]大半の不透明領域ポイントの各不透明領域ポイントは、正反射の伝播経路を含む仮想平面内の正反射角度から小さな角度偏差で対応付けられる不透明領域に属し得る。
【0006】
[006]複数の開口ポイントは、円形領域の中心からの大半の距離の中に位置付けされ得る。
【0007】
[007]本発明の実施形態によると、1つ又は複数の開口エリアによって囲まれた不透明らせん状エリアを含み得る円形領域を含み得る開口絞りが提供され得、各開口ポイントは、照射角度に対応付けられ、且つ開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた不透明らせん状領域の対応する不透明領域ポイントに関連付けられる。
【0008】
[008]本発明の実施形態によると、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含む円形領域を含み得る開口絞りが提供され得、円形領域の中心からの複数の距離について、且つ各極角について、円形領域の中心からの距離で位置付けされ得、極角によって配向された円形領域の直径に属し得る不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがある。
【0009】
[009]各開口ポイントは、照射角度に対応してもよく、各不透明領域ポイントは、正反射角度に対応してもよい。
【0010】
[0010]各不透明領域ポイントと、最も近い開口ポイントとの間の距離は、正反射角度からの小さな角度偏差に対応し得る。
【0011】
[0011]小さな角度偏差は、5度を越えない。
【0012】
[0012]少なくとも1つの不透明エリアは、放射対称をなす複数の不透明エリアを含み得る。大半の不透明エリアは、リングのセグメントとして形成され得る。
【0013】
[0013]少なくとも1つの不透明エリアは、放射対称をなす複数の不透明エリアを含み得る。複数の不透明エリアの大半は、90度を越えない角度範囲に沿って広がる。
【0014】
[0014]少なくとも1つの不透明エリアは、らせん状不透明エリアである。
【0015】
[0015]少なくとも1つの不透明エリアは、らせんに近似する。
【0016】
[0016]本発明の実施形態によると、光源、対物レンズ、及び開口絞りを含み得る検査システムが提供され得る。光源は、開口絞りに照射を行うように構成され、開口絞りは、対物レンズの絞りにおいて位置付けされており、(i)開口絞りが、複数のポイントを含み得る円形領域を含み得、複数のポイントが、すべての極角にわたって広がり得る複数の不透明領域ポイント及びすべての極角にわたって広がり得る複数の開口ポイントを含み得、各開口ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた対応する不透明領域内の対応ポイントに関連付けられること、(ii)開口絞りが、1つ又は複数の開口エリアによって囲まれた不透明らせん状エリアを含み得る円形領域を含み得、各開口ポイントが、照射角度に対応付けられ、且つ開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた不透明らせん状領域の対応する不透明領域ポイントに関連付けられること、及び(iii)開口絞りが、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含み得る円形領域を含み得、円形領域の中心からの複数の距離について、且つ各極角について、円形領域の中心からの距離で位置付けされ得、極角によって配向された円形領域の直径に属し得る不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがあることのうちの少なくとも1つが真である。
【0017】
[0017]本発明の実施形態によると、対物レンズの絞りにおいて位置する開口絞りに照射を行うことと、開口絞り及び対物レンズを通過する光によって対象物に照射を行うことと、開口絞りを通過する反射光を対物レンズによって集光することであって、反射光が正反射光と異なる、集光することと、開口絞りを通過する反射光を検出器に向けて方向付けることとを含み得る方法が提供され得、(i)開口絞りが、複数のポイントを含み得る円形領域を含み得、複数のポイントが、すべての極角にわたって広がり得る複数の不透明領域ポイント及びすべての極角にわたって広がり得る複数の開口ポイントを含み得、各開口ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた対応する不透明領域に関連付けられること、(ii)開口絞りが、1つ又は複数の開口エリアによって囲まれた不透明らせん状エリアを含み得る円形領域を含み得、各開口ポイントが、照射角度に対応付けられ、且つ開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた不透明らせん状領域の対応する不透明領域ポイントに関連付けられること、及び(iii)開口絞りが、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含み得る円形領域を含み得、円形領域の中心からの複数の距離について、且つ各極角について、円形領域の中心からの距離で位置付けされ得、極角によって配向された円形領域の直径に属し得る不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがあることのうちの少なくとも1つが真である、方法。
【0018】
[0018]複数のポイントを含み得る非円形領域を含み得る開口絞りが提供され得る。この複数のポイントは、複数の不透明領域ポイント及び複数の開口ポイントを含み得、各開口ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられ得る対応する不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ得る。非円形領域は、楕円形(真円ではない)、多角形であってもよく、或いは、任意の他の形状であってもよい。非円形領域は、非線形境界部分、線形境界部分と非線形境界部分との組み合わせなどを有してもよい。
【0019】
[0019]大半の不透明領域ポイントの各不透明領域ポイントは、正反射の伝播経路を含む仮想平面内の正反射角度から小さな角度偏差(例えば、2、3、4、5度など)で対応付けられ得る不透明領域に属し得る。
【0020】
[0020]複数の開口ポイントは、多角形であり得る少なくとも1つの開口を形成し得る。
【0021】
[0021]複数の開口ポイントは、三角形状の開口及び台形形状の開口を形成し得る。
【0022】
[0022]複数の不透明ポイントは、三角形状の不透明領域及び台形形状の不透明領域を形成し得る。
【0023】
[0023]非円形領域は、非対称軸を有し得る。三角形状の開口及び台形状の不透明領域は、非対称軸の一方の側に位置付けされ得、三角形状の不透明領域及び台形形状の開口は、非対称軸の他方の側に位置付けされ得る。
【0024】
[0024]複数のポイントを含み得る円形領域を含み得る開口絞りが提供され得る。この複数のポイントは、複数の不透明領域ポイント及び複数の開口ポイントを含み得、各開口ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられ得る対応する不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ得る。複数の開口ポイントは、複数の開口を形成し得る。複数の開口は、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含み得る境界を有し得る特定の開口を含み得る。
【0025】
[0025]特定の開口は、円弧の組み合わせと異なる形状を有し得る。
【0026】
[0026]円形領域は、対称軸を有し得る。複数の開口は、対称軸に関連して対称であり得る。
【0027】
[0027]円形領域は、外側リングによって囲まれ得る内側円形部分を含み得る。複数の内側開口部分が、内側円形部分の中に位置付けされ得る。複数の外側開口部分が、外側リングの中に位置付けされ得る。
【0028】
[0028]開口絞りは、内側円形部分及び外側リングのうちの少なくとも1つの中に少なくとも1つの開口さらに含み得る。
【0029】
[0029]内側開口部分は、それぞれ、少なくとも1つの割線及び内側円形部分の端部によって区切られ得る。
【0030】
[0030]外側開口部分は、それぞれ、外側リングの少なくとも1つの半径方向線、内側端部、及び外側端部によって区切られ得る。
【0031】
[0031]3つの外側開口部分及び2つの外側開口が、外側リングの中に位置し得、2つの内側開口部分が、内側円形領域の中に位置し得る。
【0032】
[0032]少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含み得る領域を含み得る開口絞りが提供され得る。領域の軸からの複数の距離について、且つ軸に沿って位置付けされた複数の距離について、領域の軸からの当該距離で位置付けされ得る不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがあり得る。
【0033】
[0033]開口絞りにおいて、領域の軸は、対称軸及び非対称軸から選択され得る。
【0034】
[0034]各開口ポイントは、照射角度に対応してもよく、各不透明領域ポイントは、正反射角度に対応してもよい。
【0035】
[0035]各不透明領域ポイントと、最も近い開口ポイントとの間の距離は、正反射角度からの小さな角度偏差に対応し得る。
【0036】
[0036]小さな角度偏差は、5度を越えない。
【0037】
[0037]少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含み得る円形領域を含み得る開口絞りが提供され得る。少なくとも1つの開口領域内の各ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられており、少なくとも1つの開口領域は、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含み得る境界を有する特定の開口領域を含む。
【0038】
[0038]少なくとも1つの開口領域内の各ポイントについては、少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントが、少なくとも1つの開口領域内のポイントに対して、非円形領域の中心に関連して対称である。対称とは、反対側で、且つ、非円形領域の中心並びに少なくとも1つの開口領域内のポイント及び少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントを通過する仮想線に沿って、非円形領域の中心から同じ距離に位置付けられることを意味し得る。
【0039】
[0039]少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含み得る非円形領域を含み得る開口絞りが提供され得る。少なくとも1つの開口領域内の各ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられる。
【0040】
[0040]光源、対物レンズ、及び開口絞りを含み得る検査システムが提供され得る。光源は、開口絞りに照射を行うように構成され得、開口絞りは、対物レンズの絞りにおいて位置づけされ得る。さらに、以下の少なくとも1つが真であり得る。
a.開口絞りは、複数のポイントを含み得る非円形領域を含み得、複数のポイントは、複数の不透明領域ポイント及び複数の開口ポイントを含み得る。各開口ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられ得る対応する不透明領域ポイントに関連付けられ得る。
b.開口絞りは、複数のポイントを含み得る円形領域を含み得る。複数のポイントは、複数の不透明領域ポイント及び複数の開口ポイントを含み得る。各開口ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられ得る対応する不透明領域ポイントに関連付けられ得る。複数の開口ポイントは、複数の開口を形成し得る。複数の開口は、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含み得る境界を有し得る特定の開口を含み得る。
c.開口絞りは、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含み得る領域を含み得る。領域の軸からの複数の距離について、且つ軸に沿って位置付けされた複数について、領域の軸からの距離で位置付けされ得る不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがあり得る。
【0041】
[0041](a)対物レンズの絞りにおいて位置し得る開口絞りに照射を行うことと、(b)開口絞り及び対物レンズを通過する光によって対象物に照射を行うことと、(c)開口絞りを通過する反射光を対物レンズによって集光することであって、反射光が正反射光と異なる、集光することと、(d)開口絞りを通過する反射光を検出器に向けて方向付けることとを含み得る方法が提供され得る。さらに、以下の少なくとも1つが真であり得る。
a.開口絞りは、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含み得る円形領域を含み得る。少なくとも1つの開口領域内の各ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられており、少なくとも1つの開口領域は、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含み得る境界を有する特定の開口領域を含む。
b.開口絞りは、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含み得る非円形領域を含み得、少なくとも1つの開口領域内の各ポイントは、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられる。
c.開口絞りは、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含み得る領域を含み得、領域の軸からの複数の距離について、且つ軸に沿って位置付けされた複数について、領域の軸からの距離で位置付けされた不透明領域ポイント及び開口ポイントを含み得る一対のポイントがある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
[0042]本発明は、添付の図面と併せて下記の詳細な説明からより完全に理解且つ認識されるであろう。
【0043】
【
図1】本発明の実施形態に係る、対象物、光源、ビームスプリッタ、開口絞り、及びカメラを示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る、対象物、対物レンズ、開口絞り、及び遮断された光線を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る、対象物、対物レンズ、開口絞り、及び遮断されていない光線を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る開口絞り及び幾らかの遮断された光線を示す。
【
図8】2つの異なるダイの平らな正反射領域、並びに近接する欠け欠陥及び亀裂欠陥がある場合とない場合のダイ間の間隙を示す。
【
図9】2つの異なるダイからなる平らな正反射領域、並びに欠け欠陥及び亀裂欠陥が近接するダイ間の間隙のイメージ図を示す。
【
図10】本発明の実施形態に係る、2つの異なるダイからなる平らな正反射領域、並びに欠け欠陥及び亀裂欠陥が近接するダイ間の間隙のイメージ図を示す。
【
図17】本発明の実施形態に係る、検出された信号の標準化電力と正反射からの角度偏差との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0060]本発明を実装する装置は、主に当業者には周知の光学部品及び回路から構成されているので、回路の詳細に関しては、本発明の教示を不明瞭にしないように、又は本発明の教示から逸れないようにするため、本発明の基礎概念の理解及び認識のために上記で図示されたように必要とみなされる程度よりも詳しく説明しない。
【0045】
[0061]以下の明細書では、本発明は、本発明の実施形態の特定の実施例を参照して説明される。しかしながら、添付の請求の範囲で示された本発明のより広い精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な修正及び変更を行うことができることが明らかである。
【0046】
[0062]「正反射」という用語は、表面から光が鏡のよう反射することを指し、入射光(入射光線)の方向及び反射した出射光(反射光線)の方向が、面法線に対して同じ角度をなし、したがって、(図面では)入射角度は反射角度に等しく、入射方向、法線方向、反射方向が共角であることを指す(wikipedia.org)。
【0047】
[0063]顕微鏡対物レンズの変更手段をもたらす開口絞りが提供されており、それにより、明視野で使用された際に、低角度の暗視野照明が生じ、上述の種類の欠陥の検出が可能となる。
【0048】
[0064]開口絞りは、シフトされた円弧を含み得、平らな表面からの正反射(入射角度が反射角度と等しい)を遮断しながら、低角度の正反射(入射角度と反射角度との間で僅かな角度の小さな角度差異が存在する)がカメラに戻ることを可能にする。したがって、局所的なウエハの傾斜として現れる欠陥は、周囲に対して明るくて高コントラストの形状として映る。
【0049】
[0065]
図1は、本発明の実施形態に係る対象物10、光源30、ビームスプリッタ40、開口絞り100、対物レンズ20、及びカメラ50を例示する。光源30からの光は、ビームスプリッタ40を通過し、開口絞り100の1つ又は複数の不透明ブロックによって部分的に遮断される。開口絞りの1つ又は複数の開口部を通過した光は、対物レンズ20を通過し、対象物10に導かれる。
【0050】
[0066]開口絞り100の開口の各開口ポイントを通過するそれぞれの入射光は、発散して、視野全体(対象物)を照らすことに留意されたい。視野の各ポイントは、1つ又は複数の開口における全てのポイントからの入射光の寄与を受け取る(これは、絞りが位置する特別な位置、及び典型的な顕微鏡照明、すなわち、ケーラー照明の設計に起因する)。
【0051】
[0067]対象物10から反射した光は、対物レンズ20によって集光される。任意の入射光線の正反射である反射光線は、開口絞りによって遮断される。任意の入射光線の正反射ではない反射光線は、開口絞りを通過して、ビームスプリッタ40によってカメラに向けて方向付けられる。
【0052】
[0068]開口絞りは、対物レンズ20の絞りにおいて位置する。対物レンズ20は、顕微鏡に正常に装着される。
【0053】
[0069]開口絞りが対象物系絞りにおいて位置するので、開口絞りの各ポイントは、視野全体を照らすための(入射光線のための)入射角、或いは、(反射光線のための)反射角に対応付けられる。特に、開口絞りの中心は、入射光の法線角及び反射光の法線角に対応し得る。開口絞りの任意のポイントと開口絞りの中心との間の距離は、入射角(反射角)の値を規定する。
【0054】
[0070]対象物から正反射したビームは、開口絞りにおけるフィールドポイントに対応付けられる。このフィールドポイントは、初期フィールドポイント(入射ビーム)に対して(開口絞りの中心に関連して)対称をなす。
【0055】
[0071]開口絞りは、対物の絞りに配置される。その非対称構造は、通常の条件下では、対象物からの正反射光線の復路を遮断する。
図3は、対物レンズ内で右方に偏向(矢印52)し、次いで、左方に偏向(矢印53)して、(水平の)対象物10に衝突する入射光線51を示す。光線53の正反射である反射光線(矢印54)は、左方に偏向し、次いで、右方に偏向(光線55)して、開口絞り100の不透明エリアによって遮断される。
【0056】
[0072]しかしながら、対象物(ウエハ)の局所的に傾斜した領域からの光は、光軸に対して反れた角度で反射する。この光は、入射光線に対して対称をなさない絞りにおけるポイントにさらに対応付けられる。開口絞りの非対称性によって、これらの反れた光線が意図的に捕捉される。このことは
図3で示されており、光線55が開口絞り100によって遮断されず、対物レンズから光線56が出てくる。
【0057】
[0073]したがって、この開口絞りの効果は、平らな領域からの反射を減らしながら、低角度の表面傾斜に焦点を当て、結果的に低角度の欠陥の高コントラストを実現することである。開口絞りの細かい設計により、図示された典型的な表面傾斜に基づく用途に対する最適化が可能となる。
【0058】
[0074]開口絞りは、薄い固体ディスクであってもよく、或いは、フレームによって囲まれ得る円形領域を少なくとも含んでもよい。簡単に説明すると、開口絞りは円形であると推測される。
【0059】
[0075]開口絞りは、光の通過を可能にする特定の開口を有する、光に対する1つ又は複数の不透明エリアを含む。
【0060】
[0076]
図4は、本発明の実施形態に係る開口絞り100を示す。円形領域120の中には、不透明エリア101-107、及び開口111-117がある。
【0061】
[0077]明るい領域は開口であり、黒い空隙は材料である。開口の構造には、半径方向断面で見たとき、材料と開口とが交互するエリアがある。さらに、任意の所与の角度で、開口絞りの中心から等間隔(すなわち、同じ半径)にあるポイントは、それぞれ、相手材(一方は開口に属し、他方は不透明エリアに属する)から作製されている。ウエハマップ構築プロセスの改善のために低い正反射を得ることには、幾つかの利点があることに留意するべきである。これは、ウエハを完全に走査することを可能とする。低い正反射により改善され得るダイ間の整列等が必要とされる。
【0062】
[0078]
図5は、開口の中の各入射ポイント(141及び142)につき、不透明エリアによって遮断される対応する正反射ポイント(121及び122)があることを示す。対応ポイント及び入射ポイントは、同じ仮想直径(152及び154)に属する。これは、(限定しないが、直径151、152、153、及び154などの任意の配向の任意の直径について)すべての極角に当てはまる。不透明エリア101の外側では、不透明ポイントと開口ポイントが対称をなしている。
【0063】
[0079]
図5は、各不透明エリアが、限られた角度範囲に沿って及んでいる際に、半径方向で狭いことをさらに示している。これにより、(水平方向に対して)低い傾斜の表面からの反射光線が、開口絞り100を通過することを可能になる。典型的な値は、0.5度でピークレスポンス、0.3から1度の間で有意義なレスポンスを有し、0度で非常に低い正反射がある。
【0064】
[0080]開口絞りの外径は、対物レンズの直径に適合するべきである。開口絞りの中心は、開いていてもよく、全開放されていてもよい。
【0065】
[0081]
図6は、本発明の実施形態に係る、開口ポイント141、対応する不透明領域121、及び正反射角度から微妙に偏差する反射角度の間の対応付けを示す。
【0066】
[0082]光線161は、ポイント141を通過し、入射角度171を有する。照射された対象物(対象物の照射されたポイント)が水平である場合、反射光線163は、入射角度171に等しい反射角度172で反射する。反射光線163は、不透明エリア121によって遮断される。不透明エリア121の幅135は、反射角度172からの小さな角度偏差173の影響を受ける反射光線を遮断するように調整される。反射光線162及び164(傾いたボックスのように図示されたウエハの傾いたエリアから反射)は、不透明エリア121によって遮断されず、不透明エリア121の境界の近くを通過する。
【0067】
[0083]
図7は、本発明の実施形態に係る開口絞り100を示す。
【0068】
[0084]開口絞り100は、1つ又は複数の開口エリア182によって囲まれた不透明らせん状エリア181を含む。各開口ポイント(143など)は、照射角度に対応付けられ、且つ開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた不透明らせん状エリアの対応する不透明領域ポイント(ポイント123など)に関連付けされる。不透明らせん状エリア181の幅は、正反射ではなく、正反射からわずかの角度で偏差する反射を遮断しないように調整することができる。
【0069】
[0085]
図8は、2つの異なるダイからなる2つの領域、及びこれらの領域の間の間隙323から構成されたボックス201を示す。領域211及び213は、それぞれ異なるダイに属し得る。
【0070】
[0086]
図8は、2つの異なるダイからなる(平坦、水平、及び正反射性である)2つの領域211及び213、及びこれらの領域の間の間隙212から構成されたボックス202を示す。領域211及び213は、それぞれ異なるダイに属し得る。ボックス202には、間隙212に近接する欠け欠陥215及び亀裂欠陥216がさらに示されている。ウエハ内の内部亀裂は、ウエハの一部を微妙に上昇(又は傾斜)させる場合があり、それにより、水平に対して微妙に傾斜した上部表面を有する亀裂欠陥216が生じる。
【0071】
[0087]
図9は、2つの異なるダイからなる平らな正反射領域、並びに欠け欠陥及び亀裂欠陥が近接するダイ間の間隙のイメージ
図203、204、及び205を示す。
【0072】
[0088]イメージ
図203は、明視野照明を用いて得られた。イメージ
図203では、金属の適正な反射は明るい。暗い領域は、欠けた材料を示す。これは、欠け欠陥215である。亀裂は観察可能ではない。
【0073】
[0089]イメージ
図204は、暗視野照明を用いて得られた。イメージ
図204では、金属の適正な反射は暗い。欠けた材料は、端部からの反射に起因して明るく見える。欠け欠陥215は、明るい領域として検出される。亀裂欠陥は、傾斜角度が低いために観察可能ではない。
【0074】
[0090]イメージ
図205は、有効瞳直径(effective pupil diameter)よりも明らかに小さい直径を有する円形開口絞りを用いて得られた。円形開口絞りは、対物レンズの瞳において配置される。このような円形開口絞りは、亀裂欠陥の検出を可能にするが、亀裂欠陥216は暗く見えるので、欠け欠陥215と区別することが難しい。
【0075】
【0076】
[0092]イメージ
図206では、(正反射の遮断に起因して)適正な金属反射が低く、欠け欠陥215は、明らかに視認できる亀裂欠陥216よりも遥かに暗い。亀裂欠陥216は、欠け欠陥215、領域211、及び間隙212よりも明るい。
【0077】
[0093]
図11は、本発明の実施形態に係る方法300を示す。
【0078】
[0094]方法300は、対物レンズの絞りにおいて位置する開口絞りに照射を行うステップ310で開始し得る。
【0079】
[0095]ステップ310の後に、開口絞り及び対物レンズを通過する光によって対象物に照射を行うステップ320が続き得る。
【0080】
[0096]ステップ320の後に、開口絞りを通過する、正反射光と異なる反射光を対物レンズによって集光し、開口絞りを通過する反射光を検出器に向けて方向付けるステップ330が続き得る。
【0081】
[0097]ステップ310及び320で言及された開口絞りは、明細書(
図4、5、7、及び12から16を含むが、それらに限定されない)に記載されたいずれかの開口絞りであってもよい。
【0082】
[0098]開口絞りについては、発明の概要又は明細書の他のいずれかの箇所における開口絞りに関する任意の記載をステップ310で照射された開口絞りに当てはめることができる。
【0083】
[0099]例えば、以下の少なくとも1つが真である:
(i)開口絞りが、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含む円形領域を含み、少なくとも1つの開口領域内の各ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられ、少なくとも1つの開口領域が、少なくとも1つの線形境界部分及び少なくとも1つの非線形境界部分を含む境界を有する特定の開口領域を含むこと、
(ii)開口絞りが、少なくとも1つの不透明領域及び少なくとも1つの開口領域を含む非円形領域を含み、少なくとも1つの開口領域内の各ポイントが、(a)照射角度に対応付けられ、且つ(b)開口ポイントに対応付いた照射角度からの正反射角度に対応付けられた少なくとも1つの不透明領域内の対応ポイントに関連付けられること、
(iii)開口絞りが、少なくとも1つの不透明エリア及び少なくとも1つの開口を含む領域を含み、領域の軸からの複数の距離について、且つ軸に沿って位置付けされた複数について、領域の軸からの距離で位置付けされた不透明領域ポイント及び開口ポイントを含む一対のポイントがあること。
【0084】
[0100]
図12は、不透明領域412によって囲まれた、三角形状の開口424を含む三角形420として形成された非円形領域及び台形形状の開口422を含む開口絞り410を示す。
【0085】
[0101]四角420は、(-45度で配向された)対称軸429及び45度で配向された非対称軸428を有する。
【0086】
[0102]非対称軸428が非対称軸と呼ばれるのは、四角420の中では、非対称軸の一方の側に位置する各開口ポイントは、対応する不透明ポイントが鏡映位置(すなわち、非対称軸の他方の側)に位置するからである。
【0087】
[0103]三角形状の開口424は、三角形状の不透明領域421によって「鏡映」される。台形状の開口422は、台形状の不透明領域423によって「鏡映」される。
【0088】
[0104]
図13は、3つの開口ポイント431、432、及び433、並びにそれぞれ対応する不透明ポイント434、435、及び436を示す。
【0089】
[0105]ポイント431及び434は、軸438上に位置付けされ、ポイント432及び435は、軸437上に位置付けされ、ポイント433及び436は、軸439上に位置付けされる。軸437及び438は、対称軸429に平行する。
【0090】
[0106]対称軸及び非対称軸は、他の態様(例えば、45度及び/又は-45度で配向されない態様)で配向されてもよい。この配向は、対称の欠陥の予期される配向又は実際の配向に従って設定されてもよい。
【0091】
[0107]例えば、開口絞り410は、(0度及び90度の配向に対応する)X軸及び/又はY軸に沿って配向するように予期される欠陥を検査するよう設計されている。
【0092】
[0108]三角形状の開口424及び台形状の開口422の形状及び配向により、水平又は垂直な欠陥からの非正反射を受けることが可能となる。
【0093】
[0109]
図14から
図16は、本発明の実施形態に係る開口絞り450を示す。
【0094】
[0110]開口絞り450は、らせん状ではなく、らせんの近似形とは異なる開口絞りの実施例である。
【0095】
[0111]開口絞り450は、3つの開口461、462、及び463を含む。開口463及び462を組み合わせてもよく、開口部465(
図15参照)を開口部462の他の部分から分離し得ることに留意されたい。
【0096】
[0112]開口絞り450は、対称軸491及び非対称軸492を有する。この対称は、開口463及び開口部465が、開口部455に対する関係において異なるので、おおよその対称である。
【0097】
[0113]開口絞り450もさらに、(0度及び90度の配向に対応する)X軸及び/又はY軸に沿って配向するように予期される欠陥を検査するよう設計されている。
【0098】
[0114]開口絞り450(
図17参照)は、開口絞り410に比べて、(正反射に対する)1から5度の角度偏差でより多くの(減衰がより少ない)反射信号を通過させる。
図17の(開口絞り410に関連する)曲線710に対する(開口絞り450に関連する)曲線720を参照されたい。
【0099】
[0115]開口絞りの円形領域459は、内側円形部分452、及び内側円形部分452を囲む外側リング451から形成され得る。
【0100】
[0116]内側円形部分452の中に位置する様々な開口及び/又は開口部分は、それぞれ、内側開口及び/又は内側開口部分と呼ばれる。
【0101】
[0117]外側リング451の中に位置する様々な開口及び/又は開口部分は、それぞれ、外側開口及び/又は外側開口部分と呼ばれる。
【0102】
[00118]開口462は、線形縁部4621、4623、4625、4627、4629、4651、4652、4653、4654、4656、並びに非線形縁部4622、4624、4626、4628、4655、及び4657を有する。
【0103】
[00119]線形縁部4621、4652は、非対称軸に平行であり、内側円形領域452の割線である。
【0104】
[00120]線形縁部4623、2625、4627、4629、4654、及び4656は、開口絞り450の仮想直径の一部である。
【0105】
[00121]線形縁部4651及び4653は、非対称軸に対して(90度未満で)配向され、開口絞り450の任意の直径の一部ではない。
【0106】
[00122]開口461は、線形縁部4611、4613、及び4615を有し、非線形縁部4614を有する。
【0107】
[00123]線形縁部4611は、非対称軸に平行であり、内側円形領域452の割線である。
【0108】
[00124]線形縁部4613は、開口絞り450の仮想直径の一部である。
【0109】
[00125]線形縁部4612及び4616は、非対称軸に対して(90度未満で)配向され、開口絞り450の任意の直径の一部ではない。
【0110】
[00126]縁部4614、4624、4628、及び4655は、外側リング451の外側端部の一部であり得る。
【0111】
[00127]縁部4622、4651、4653、及び4657は、内側円形領域452の外側にある外側リング451の内側端部の一部であり得る。
【0112】
[0128]
図16は、5つの開口ポイント471、472、473、474、及び475、並びにそれぞれ対応する不透明ポイント476、477、478、479、及び480を示す。
【0113】
[0129]開口ポイントと対応する不透明ポイントとのそれぞれの対は、開口絞り450の中心から同じ距離で、互いに対向する側で開口絞り450の直径上に位置付けされる。
【0114】
[00130]対称軸及び非対称軸は、他の態様(例えば、45度及び/又は-45度で配向されない態様)で配向されてもよい。この配向は、対称の欠陥の予期される配向又は実際の配向に従って設定されてもよい。
【0115】
[00131]当業者であれば、上記の動作の機能間の境界は例示に過ぎないことを認識するであろう。複数の動作の機能を単一の動作に組み合わせてもよく、且つ/又は、単一の動作の機能を追加の動作群に分散させてもよい。さらに、代替の実施形態は、特定の動作の複数の実例を含んでもよく、他の様々な実施形態で動作の順序が変更されてもよい。
【0116】
[00132]したがって、本明細書に示す構造は例示に過ぎず、実際には、同じ機能を達成する多くの他の構造を実装し得ることを理解されたい。抽象的ではあるが、それでも明確な意味において、所望の機能が達成されるように、同じ機能を達成する構成要素の任意の配置が効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた任意の2つの構成要素は、構造又は中間構成要素に関わらず、所望の機能が達成されるように、互いに「関連付け」られていると見なしてもよい。同様に、そのように関連付けられた任意2つの構成要素は、さらに、所望の機能が達成するために、互いに「動作可能に接続されている」又は「動作可能に連結されている」と見なしてもよい。
【0117】
[00133]しかしながら、その他の修正、変形、及び代替物も可能である。したがって、本明細書及び図面は、限定的ではなく例示的なものとみなすべきである。
【0118】
[00134]本出願は、二次元に限定されず、三次元検査に拡大することができる。検査される基板は、ウエハに限定されず、任意の種類の基板、特にプリント基板、ソーラーパネル、MEMSデバイスなどの平坦な基板を含み得る。
【0119】
[00135]「含む/備える(comprising)」という用語は、請求項に列挙された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外しない。このように使用される用語は、本明細書に記載された本発明の実施形態が、例えば、図示されているか又はさもなければ本明細書に記載されている配向とは異なる配向で動作可能であるように、適切な状況下で交換可能であると理解される。
【0120】
[00136]さらに、本明細書で使用される不定冠詞(a又はan)は、1つ又は1つ以上であると規定される。また、特許請求の範囲において「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」などの導入句を使用することは、不定冠詞「a」又は「an」によって別の請求項の要素を導入することが、そのように導入された請求項の要素を含む任意の特定の請求項を、たとえ同じ請求項が導入句「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、そのような要素を1つのみを含む発明に限定すると解釈するべきではない。定冠詞の使用についても同じことが言える。別途記載されていない限り、「第1」及び「第2」などの表現は、このような表現が表す要素を恣意的に区別するために使用される。
【0121】
[00137]したがって、これらの表現は、必ずしもこのような要素の一時的な優先順位づけ又はその他の優先順位づけを示すことを意図していない。特定の手段が互いに異なる請求項に列挙されているという事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。