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特許7262970アブレーションラインにおけるギャップ検出のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】アブレーションラインにおけるギャップ検出のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/367 20210101AFI20230417BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20230417BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A61B5/367 100
A61B18/14
A61B5/06
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018203572
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2019080926
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】15/799,254
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ドロール・バーマン
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・プレスマン
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-506234(JP,A)
【文献】特開2017-086913(JP,A)
【文献】特開2007-244857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーションライン内のギャップを検出するためのシステムであって、複数の微小電極及びアブレーション電極を含むカテーテルであって、組織位置において前記アブレーションラインに沿って配置されるように構成された、カテーテルと、前記複数の微小電極及び前記アブレーション電極と通信する処理装置であって、前記処理装置は、ペーシングプロトコルに従って一対の微小電極を介してペーシング信号を送信すること、生体組織が存在する場合には電極を介して捕捉信号を受信すること、受信された捕捉信号に基づいて前記アブレーションライン内の前記ギャップを判定すること、及び前記アブレーション電極を用いて、前記カテーテルを移動させることなく、前記アブレーションライン内の検出されたギャップ内の前記生体組織をアブレーションさせること、を行うように構成されている、処理装置と、を含み、
前記カテーテルは、どの対の微小電極が標的組織と接触しているかを自動的に検出する力センサまたは熱電対のいずれか一方と、1つ又は2つの小型コイル、インピーダンス式位置センサ若しくは超音波位置センサからなる位置センサと、をさらに含み、
前記力センサまたは熱電対のいずれか一方を用いて前記標的組織と接触していると判定された各対の微小電極が、前記標的組織に前記ペーシング信号を送信し、
送信された前記ペーシング信号に応答する前記標的組織の補信号から前記アブレーションライン内の前記ギャップが検出されると、前記アブレーションライン内の前記ギャップ内の前記生体組織をアブレーションさせるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記処理装置は、前記複数の微小電極からどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを判定すること、及び、前記標的組織と接触している前記対の微小電極に基づいて前記ペーシングプロトコルを実施すること、を行うように構成されたペーシング信号ユニットを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理装置は、前記ペーシングプロトコルに従って、前記カテーテルを移動させることなく、前記組織位置において別の一対の微小電極を介して別のペーシング信号を送信するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理装置は、前記カテーテルが標的組織と接触しているかどうかを判定するために、前記組織位置において対の微小電極間で信号を使用するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記捕捉信号をユーザに向けて表示するためのディスプレイを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
標的組織のアブレーションラインに沿ったギャップ検出に用いるためのカテーテルであって、前記カテーテルは、複数の微小電極であって、前記標的組織と接触する各対の微小電極はペーシング信号を送信する、微小電極と、アブレーション電極であって、前記アブレーション電極は、前記ペーシング信号に応答した前記標的組織からの捕捉信号から検出された前記アブレーションライン内のギャップ内の生体組織をアブレーションする、アブレーション電極と、を備え、前記ペーシング信号の送信、及びアブレーションは、前記標的組織に前記カテーテルを一度配置することで行われ
前記カテーテルは、どの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを自動的に検出する力センサまたは熱電対のいずれか一方と、1つ又は2つの小型コイル、インピーダンス式位置センサ若しくは超音波位置センサからなる位置センサと、をさらに含み、
前記力センサまたは熱電対のいずれか一方を用いて前記標的組織と接触していると判定された各対の微小電極が、前記標的組織に前記ペーシング信号を送信し、
送信された前記ペーシング信号に応答する前記標的組織の補信号から前記アブレーションライン内の前記ギャップが検出されると、前記アブレーションライン内の前記ギャップ内の前記生体組織をアブレーションさせるように構成される、カテーテル。
【請求項7】
前記複数の微小電極及び前記アブレーション電極は前記カテーテルの遠位端にある、請求項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記複数の微小電極は凹部内にあり、前記カテーテルの外面と面一になっている、請求項に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本明細書ではアブレーションラインにおけるギャップ検出のための方法及びシステムが説明される。カテーテルの遠位先端部には、カテーテル内に存在する標準的なセンサ及び電極の他に、一組の微小電極が実装される。これらの微小電極は、アブレーションラインに沿った局所的ギャップ検出を提供する。本システムはペーシングプロトコルを用いて所与の組織位置での微小電極の各ペアを順序付けする。ペーシング信号は組織の位置に印加される。生体組織が存在する場合、ペーシング信号は生体組織を通って伝達されて心臓にパルスを送る。オペレータは、心臓からの捕捉信号を見て、アブレーションラインにギャップが存在することを知る。続いて、検出されたギャップ内の組織をアブレーションするためにアブレーション電極を用いることができる。したがって、器具及び/又はカテーテルを切り替える必要なしに、同じ場所でペーシング及びアブレーションを実施することができる。一実施形態では、力センサを用いてどの対の電極が組織と接触しているかを判定することによってペーシングプロトコルを自動化することができる。一実施形態では、一対の微小電極間の信号伝達を用いて、カテーテルが組織と接触しているか否かを判定することができる。カテーテルが組織と接触していることを示す信号の存在。
【図面の簡単な説明】
【0002】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて実例として示される下記の説明文より得ることができる。
図1】特定の実施形態に従う、医療システムの高度な概略的絵図である。
図1A】特定の実装形態に従う、医療システムの高度なブロック図である。
図2】特定の実装形態に従う、例示的なカテーテルの概略図である。
図3】特定の実装形態に従う、微小電極を備えたカテーテルの例示的な遠位先端部の図である。
図4】特定の実装形態に従う、ギャップ検出のフローチャートである。
図5】特定の実装形態に従う、本明細書で説明される方法及びシステムを用いたアブレーションラインの概略図である。
図6】特定の実装形態に従う、ペーシングシーケンスを用いる微小電極の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本特許出願に参照により援用される文書には、本明細書において明示的又は非明示的になされた定義と矛盾した形で定義された用語が含まれる場合がある。何らかの対立が生じる場合、本明細書における定義が支配するとみなされるべきである。
【0004】
心臓アブレーションは、リズムの欠陥の一因となる心臓内の組織を破壊する損傷部位を作ることによって、不整脈として知られる心臓リズムの欠陥を補正するために使用され得る、電気生理学者によって実施される医療処置である。これらの損傷部位はアブレーションラインとも称され得る。心臓アブレーションを使用して治療され得る例示的不整脈には、心臓の心房で生じる異常な心臓リズムである、心房細動(AF)がある。心臓アブレーションの目標は、不整脈を取り除いて、患者の心臓を正常な心臓リズムに戻すこと、又は不整脈の頻度及び患者の症状の重篤度を低減させることである。
【0005】
心臓アブレーションは、鼠径部の小さい切開部及び血管を通して心臓に挿入されることができる、長い可撓性カテーテル(内視鏡)を用いることができ、心臓アブレーションを使用して、小さい傷又は損傷部位を生じさせるためのエネルギー(例えば、無線周波(RF)エネルギー又は超低温)を組織に適用して、心臓リズム障害の原因であり得る不完全な電気インパルスを遮断することができる。経壁損傷部位とも呼ばれるこれらの損傷部位は、心組織を貫通し、誤った電気信号が伝達されるのを防ぐ瘢痕組織である。
【0006】
心臓アブレーション処置を行う医師は、カテーテル、すなわちアブレーション電極と組織(すなわち、アブレーション標的)との間に表面接触があることを保証する、すなわち確実に知ることができない場合に大きな問題に面する。その結果、心臓アブレーション処置を実施した結果、必要とされるとおりにアブレーションされなかった組織が生じる場合があり、アブレーション処置は成功裏に完了しない(すなわち、不整脈が継続する場合があり、不規則な心拍が継続する場合がある)。アブレーション損傷部位又はライン(以下「アブレーションライン」)におけるこれらの未アブレーション領域はギャップと称される。このため、医師は、アブレーションライン中にギャップが存在しないことを確認するための改善された装置を必要とする。
【0007】
本明細書では、アブレーションラインにおけるギャップ検出のための方法及びシステムが説明される。一般に、カテーテルはアブレーションライン内のギャップを検出するための微小電極を備える。微小電極は、アブレーションラインに沿った局所的ギャップ検出を提供する。ペーシングプロトコルは、所与の組織位置で各微小電極対を順序付けするために用いられる。アブレーションラインにギャップがなければ瘢痕組織のみが存在することになり、瘢痕組織はリターン信号を全く発生させない。生体組織が存在する場合、ペーシング信号は生体組織を通って伝達されて心臓にパルスを送る。オペレータは、センサ上で心臓からの捕捉信号を見て、アブレーションラインにギャップが存在することを知る。一実施形態では、システムは捕捉信号に基づいてギャップを判定することができる。続いて、検出されたギャップ内の組織をアブレーションするためにアブレーション電極が用いられる。このシステム及び/又は装置は、ペーシング技術及び捕捉技術(ペーシング及び捕捉は試験方法である)と、治療方法であるアブレーション処置とを組み合わせている。したがって、器具及び/又はカテーテルを切り替える必要なしに、同じ場所でペーシング/捕捉及びアブレーションを実施することができる。
【0008】
一実施形態では、力センサを用いてどの対(複数可)の電極が組織と接触しているかを判定することでペーシングプロトコルを自動化することができる。一実施形態では、一対の微小電極間の信号伝達を用いて、カテーテルが組織と接触しているか否かを判定することができる。カテーテルが組織と接触していることを示す信号の存在。
【0009】
図1は、医療処置中に情報を生成して表示し、かつ被験者内の様々なカテーテルの配置を制御するために用いられる例示の医療システム100の図である。例示的なシステム100は、心臓カテーテルなどのカテーテル110と、コンソール120と、付随するカテーテル制御ユニット112とを含む。本明細書に記載されるとおり、カテーテル110は、例えば、患者102の心臓103内の電位をマッピングする、又はアブレーション処置を実施するなどの診断又は治療的処置に用いられることを理解されたい。あるいは、カテーテル110は、心臓103、肺、又は他の体器官におけるその他の治療及び/又は診断目的、並びに耳鼻咽喉(ENT)処置のために、必要な変更を加えて使用してもよい。
【0010】
オペレータ130は、カテーテル制御ユニット112を用いて、カテーテル110の遠位端114が患者の心臓103の心腔に入るように、カテーテル110を患者102の脈管系に挿入することができる。コンソール120は、磁気位置検知を用いて、心臓103内の遠位端114の位置座標を決定することができる。位置座標を決定するために、コンソール120内の駆動回路122は磁界発生器124を駆動して磁界を患者102の身体内に生成することができる。磁界発生器124は、患者103の外部の既知の位置で患者103の胴体の下に配置され得るコイルを含んでもよい。これらのコイルは、心臓103を含む所定の作業範囲に磁場を発生させることができる。
【0011】
カテーテル110の遠位端114内にある位置センサ126は、これらの磁界に応答して電気信号を生成することができる。処理装置(複数可)140は、位置座標及び向きの座標の両方を含む、遠位端114の位置座標を決定するために、これらの信号を処理することができる。上記で説明された位置検知の既知の方法は、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)のCARTO(商標)マッピングシステムにより実現されており、本明細書で引用される特許及び特許出願で詳細に説明されている。
【0012】
位置センサ126は、遠位端114の位置座標を示す信号をコンソール120に送信するように構成されている。位置センサ126は、1つ又は2つ以上の小型コイルを備えてもよく、通常は、異なる軸に沿った向きに配置された複数のコイルを備えてもよい。あるいは、位置センサ126は、別のタイプの磁気センサ、又はインピーダンス式位置センサ若しくは超音波位置センサなどの他のタイプの位置トランスデューサのいずれかを備えてもよい。
【0013】
カテーテル110は、遠位端114に収容された力センサ128も含むことができる。力センサ128は、遠位端114によって心臓103の心内膜組織に加えられた力を測定し、コンソール120に送られる信号を生成することができる。力センサ128は、遠位端114のバネによって接続された磁界送受信器を含むことができ、バネのたわみの測定値に基づいて力の指標を生成することができる。カテーテル及び力センサの機能の更なる詳細は、参照によってそれらがあたかも完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0093806号及び同第2009/0138007号で説明されている。あるいは、遠位端114は、例えば、光ファイバ又はインピーダンス測定を用いることのできる別の種類の力センサを含んでもよい。
【0014】
カテーテル110は、遠位端114に連結され、かつインピーダンス式位置トランスデューサとして機能するように構成された電極130を含んでもよい。更に又はあるいは、電極130は、特定の生理学的性質、例えば、複数の位置のうちの1つ又は複数における心組織の局所表面電位を測定するように構成されてもよい。電極130は、心臓103の心内膜組織をアブレーションするために高周波(RF)エネルギーを印加するように構成されてもよい。
【0015】
電極130がアブレーション電極として構成されたカテーテル110では、カテーテル110は、遠位端114に微小電極190を含むことができる。本明細書で説明するように、微小電極190はアブレーションライン内のギャップを検出するように構成されている。名称が暗に示すように、微小電極190は、例えば、電極130などの標準的なより大型の電極よりも小さく、これらについては本明細書の下記で図3に関連して説明される。微小電極190は、不整脈の診断において、より微かな心組織の電気活動を検出する際により優れた空間分解能を提供することができる。
【0016】
例示的な医療システム100は、磁気式センサを用いて遠位端114の位置を測定するように構成され得るが、その他の位置追跡技術(例えば、インピーダンス式センサ)を用いてもよい。磁気位置追跡技術は、例えば米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、及び同第6,177,792号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。インピーダンス式位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0017】
処理装置(複数可)140は、カテーテル110から信号を受信し、かつコンソール120のその他の構成要素を制御するための、適切なフロントエンド回路及びインターフェース回路を備える汎用コンピュータであってもよい。処理装置(複数可)140は、本明細書に記載される機能を実行するように、ソフトウェアを使用してプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子的形態でコンソール120にダウンロードするか、又は光学式、磁気式、若しくは電子式記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供することができる。あるいは、処理装置(複数可)140の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0018】
ここで更に図1Aを参照すると、処理装置(複数可)140は、処理装置(複数可)140内の個別のユニットとして表すことのできる(例えば、説明上又は物理的に)特定の機能を実装することができる。例えば、処理装置(複数可)140は、カテーテル110内のセンサから信号を受信するように構成することができるデコーダユニット142(例えば、処理回路としてハードウェア内に、及び/又はソフトウェアモジュールとしてソフトウェア内に実装される)を含むことができ、また信号を用いて遠位端114内の遠位先端部の位置、向き、距離、温度、及び/又は心電図(ECG)の値を計算することができる。一実施形態では、処理装置(複数可)140は、医療システム100内の他の装置に命令を送信するためのコントローラユニット144を含むことができる。一実施形態では、処理装置(複数可)202は、ペーシング信号ユニット146(例えば、処理回路としてハードウェア内に、及び/又はソフトウェアモジュールとしてソフトウェア内に実装される)と、捕捉ユニット148とを含むことができる。ペーシング信号ユニット146は各対の微小電極190を順次ペーシングするように構成され、ここでペーシングとは一対の微小電極190を介したペース信号の生成及び送達のことである。捕捉ユニット148は、ペース信号に応答して捕捉が発生したか否かを判定するように構成され、捕捉はペース信号がアブレーションされた損傷部位ではなく生体組織を通して送られた場合に発生する。例えば、カテーテル110は、ペース信号に応答した心内信号を捕捉するように構成された電極130を含むことができる。一実施形態では、オペレータ、例えば、外科医は、例えばディスプレイ又はセンサ上で捕捉を見ることができる。一実施形態では、医療システム100は捕捉された信号に基づいてギャップを判定することができる。更なる詳細が、本明細書の下記で図4図6と関連して提供される。処理ユニット142、144、146、及び148は実施例であり、処理装置(複数可)140に実装され得る全ての可能な機能を備えているわけではない。他の機能及び/又は処理ユニットが処理装置(複数可)140に含まれ得るが、図示されていない。
【0019】
図1の実施例では、コンソール120はまた、ケーブル150によって外部センサ152に接続され得る。外部センサ152は、例えば、接着剤パッチを使用して患者の皮膚に取り付けることができる体表面電極及び/又は位置センサを含み得る。体表面電極は、心組織の分極及び脱分極によって生成される電気インパルスを検出することができる。位置センサは、高度なカテーテル位置及び/又は磁気位置センサを使用して、使用中にカテーテル110の位置を特定することができる。図1に示されてはいないが、外部センサ152は、患者102が着用するように構成されたベストに組み込まれていてもよい。外部センサ152は、患者103の呼吸周期の識別及び追跡を補助することができる。外部センサ152は、ケーブル150を介してコンソール120に情報を送信することができる。
【0020】
更に又はあるいは、カテーテル110及び外部センサ152は、無線インターフェースを介して、コンソール120と、及び相互で、通信することができる。例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,266,551号は、とりわけ、信号処理装置及び/又は計算装置に物理的に接続されていない無線カテーテルについて記載している。もっと正確に言えば、送受信器はカテーテルの近位端に取り付けられている。送受信機は、赤外線(IR)送信、無線周波数(RF)送信、無線送信、Bluetooth(登録商標)送信、音響送信、又はその他の送信などの無線通信方法を使用して信号処理装置及び/又はコンピュータ装置と通信する。
【0021】
カテーテル110は、コンソール120内の対応する入出力(I/O)インターフェース160と通信可能な無線デジタルインターフェースを備えることができる。無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160は、IR、RF、Bluetooth、IEEE 802.11ファミリー規格の1つ、又はHiperLAN規格などの当該技術分野で既知の任意の好適な無線通信規格に従って動作し得る。外部センサ152は、可撓性基板上に集積された1つ又は2つ以上の無線センサノードを含んでもよい。1つ又は2つ以上の無線センサノードは、ローカルデジタル信号処理を可能にする無線送受信ユニット(WTRU)と、無線リンクと、小型の再充電式電池などの電源とを含み得る。
【0022】
無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160は、コンソール120がカテーテル110及び外部センサ152と相互作用することを可能にし得る。処理装置(複数可)140は、外部センサ152から受信した電気インパルスと、無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160並びに医療システム100の他の構成要素を介してカテーテル110から受信した信号とに基づいて、ディスプレイ170上に示すことができる情報105を生成することができる。情報105としては、本明細書の下記で説明する捕捉信号が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0023】
診断処理中、処理装置(複数可)140は、情報105を提示することができ、かつ/又は、メモリ180にデータを保存することができる。メモリ180としては、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリが挙げられ得る。
【0024】
カテーテル制御ユニット112は、1つ又は複数の入力装置185を使用して選択可能な情報105に基づいて、カテーテル110を操作するためにオペレータ130によって操作されるように構成することができる。あるいは、医療システム100は、オペレータ130が情報105に基づいてカテーテル110を操作するためにカテーテル制御ユニット112を操作する間にコンソール120を操作する第2のオペレータを含むことができる。第2のオペレータに情報105が与えられてもよい。カテーテル110の遠位端114を移動させて位置決めするためのカテーテル制御装置112の構造及び使用の技術は、上記で引用したCARTO(商標)マッピングシステムで採用されるものなどの現況技術の範囲内である。例えば、参照によってあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第6,690,963号を更に参照されたい。
【0025】
図2に1つの例示的なカテーテル200がより詳細に示されており、図には、カテーテル200に含まれ得る要素の全てではないが一部が示されている。カテーテル200は、限定するものではないが、次の構成要素のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むことができる:電極(複数可)210;微小電極212;温度センサ(複数可)215;非接触型電極220;画像センサ(複数可)225;位置決め又は位置センサ(複数可)230;遠位先端部235;遠位端240;ハンドル245;及び/又はケーブル250。図2のカテーテル200の概略図は、カテーテル200の考えられ得る構成要素の高度な表現であり、カテーテル200内の構成要素の位置及び構成は、図示とは異なるものであってもよい。
【0026】
カテーテル200の遠位端240は、心組織の電気特性を測定するのに使用され得る電極(複数可)210を、遠位先端部235に含み得る。電極(複数可)210は、電気信号を診断目的で心臓に伝送することにも使用され得る。電極(複数可)210は、所望されるアブレーションの位置で心組織に直接エネルギー(例えば、RFエネルギー)を印加することによって、欠陥のある心組織に対するアブレーションも実施し得る。
【0027】
カテーテル200の遠位端240は、アブレーションライン内のギャップを検出するために使用され得る微小電極212を遠位先端部235に含むことができる。一実施形態では、カテーテル200は、アブレーション用に構成された電極(複数可)210と、ギャップ検出用に構成された微小電極212とを含む。
【0028】
カテーテル200の遠位端240は、遠位端240と接触する心組織の温度を測定し、かつ/又は遠位端240自体の温度を測定するための温度センサ(複数可)215を含んでもよい。例えば、温度測定用の熱電対又はサーミスタを、温度センサ(複数可)215としての機能を果たすように、遠位端240に沿った任意の場所に配置することができる。
【0029】
遠位端240は、列状に配置される非接触型電極220を含むことができ、非接触電極220は、患者の心腔の壁から遠距離場電気信号を同時に受信して測定するのに使用され得る。電極(複数可)210、微小電極212、及び非接触型電極220は、心臓の電気的特性に関する情報を、処理のために、例えば、処理装置(複数可)140などの処理装置(複数可)に提供する。
【0030】
カテーテル(複数可)200は、電荷結合素子(CCD)画像センサなどの1つ又は2つ以上の画像センサ(複数可)225、及び/又は体腔に挿入された際に内視鏡画像をキャプチャするためのカメラを装備し得る。画像センサ(複数可)225は、遠位端240に位置決めされ得る。
【0031】
遠位端240は、カテーテル200の遠位先端部235に、体内のカテーテル200の位置及びに向き(及び/又は距離)を判定するのに使用される信号を生成し得る位置センサ(複数可)230を含み得る。一実施例では、遠位先端部235の位置決め情報を容易に正確にするため、位置センサ(複数可)230、電極(複数可)210、微小電極212、及び遠位先端部235の相対的な位置及び向きは固定され、既知のものとなる。例えば、位置センサ(複数可)230の位置は、心臓の外部の既知の位置に対する相対的位置に部分的に基づいて(例えば、心臓外センサに基づいて)決定され得る。カテーテル200の位置情報は患者の解剖学的構造に関連しているため、位置センサ(複数可)230を使用することで、周辺空間の磁界内の位置精度を改善し、患者の動きに適応可能な位置情報を提供することができる。
【0032】
カテーテル220のハンドル245は、医師などのオペレータによって操作されることができ、医師が遠位先端部235を所望の方向へと効果的に誘導するのを可能にする制御装置250を含み得る。
【0033】
電極210、微小電極212、非接触型電極220、及びセンサ215、225、230は、心臓内のカテーテル200の機能をリアルタイムに操作して表示するのに用いることのできる位置情報、電気情報、画像情報、及び/又は温度情報をコンソール120などのコンソールシステムに提供するために、ハンドル245及びケーブル250を貫いて通ることのできるワイヤを介して処理装置(複数可)140に接続することができる。
【0034】
図3は、特定の実装形態に従う、微小電極を備えたカテーテル300の例示的な遠位先端部の図である。一実施形態では、カテーテル300は、3つの微小電極310、315、及び320の一組を含む遠位先端部305を有する。各微小電極310、315、及び320は、限定するものではないが、パラジウム、白金、金、ステンレス鋼など、及びそれらの組み合わせといった医療グレードの金属から製造することができる。各微小電極310、315、及び320は、微小電極310、315、320の外面が遠位先端部305の輪郭と面一となるように、遠位先端部305内の凹部312、317、及び322内にセットされる。一実施形態では、微小電極310、315、及び320は、遠位先端部305の周囲に実質的に均等に分布している。一実施形態では、遠位先端部305は温度を測定するために熱電対(複数可)325を含むことができ、これはひいては微小電極310、315、及び320の対が組織と接触しているか否か、また微小電極310、315、及び320のどの対が組織と接触しているかを判定するのに用いることができる。
【0035】
図4は、ギャップ検出の方法を使用することができる例示的なシナリオ400を示す。シナリオ400は、ギャップ410を含むアブレーションライン405を示す。一対の微小電極415が示されており、これらは、図6に関連して本明細書の下記で説明されるとおり、アブレーションライン405と接触してギャップ410の検出を試みる。
【0036】
図5は、特定の実装形態に従う、一組の微小電極505、510、及び515のためのペーシングプロトコル500を示す。ペーシングプロトコル500は、所与の組織位置に対して一方の対の微小電極から他方の対の微小電極までペーシング信号を順序付けする。例えば、ペーシングプロトコル500は、微小電極505及び510のために第1のペーシング信号を、微小電極510及び515のために第2のペーシング信号を、並びに微小電極515及び505のために第3のペーシング信号を送ることができる。その結果、ペーシングプロトコル500並びに一組の微小電極505、510、及び515は、各組織位置に対して3回の読み取りを可能にする。ペーシングプロトコル500は、例えば、ペーシング信号ユニット146に実装することができる。
【0037】
一実施形態では、ペーシングプロトコル500は、どの対(複数可)の微小電極が標的組織と接触しているかに基づいて特定の対の微小電極を選択する。一実施形態では、オペレータ及び/又は医師は、各対の微小電極からの信号を見ることによって、どの対(複数可)の微小電極が組織と接触しているかを知ることができる。例えば、一対の微小電極の間に信号が存在しない場合、その組織位置でペーシングする必要はない。信号が存在しない、すなわちエネルギーが存在しない場合、一対の微小電極が組織と接触していないことを示す。一対の微小電極(定義によれば、標的組織と接触している)によってギャップが検出された場合、アブレーション電極も標的組織と接触するため、これはアブレーション処置中に医師を補助する。つまり、ペーシングが発生する場所はアブレーションが発生する場所と同じである。これは、ペーシングの場所がアブレーションの場所とは異なる従来のシステムとは対照的である。更に、ペーシングの位置がアブレーションの位置と同じであるため、アブレーションの時間は低減される。
【0038】
一実施形態では、組織と接触する一対の微小電極を自動的に検出する接触力情報を用いることによって、ペーシングプロトコル500を自動化することができる。例えば、特定の対の微小電極でペーシングプロトコルを自動的に開始するために、図1の力センサ128を用いて、ペーシング信号ユニット146に情報を提供することができる。一実施形態では、特定の対の微小電極を省略するために力情報を用いることができる。
【0039】
図6は、特定の実装形態に従う、ギャップを検出するための方法のフローチャート600である。フローチャート600は、図4及び図5に関連して説明される。カテーテルは、組織位置におけるアブレーションライン405などのアブレーションライン上に位置決めされる(605)。ペース信号は、例えば、ペーシングプロトコル500などのペーシングプロトコルに従い、一対の微小電極を介して送信される(610)。例えば、一対の微小電極は、図4の一対の微小電極415、又は図5の微小電極505、510、及び515から形成される一対の微小電極のうちの1つであってもよい。続いて、システムは捕捉が発生したか発生したかを判定する(615)。捕捉が検出されない場合、現在の位置で他の対の微小電極が組織と接触しているか否かの判定が下される(630)。捕捉が検出された場合、医師、オペレータ、又はその両者にアブレーションライン内にギャップが存在すると通知が送られる(620)。これは、例えば一対の微小電極415によりアブレーションライン405内でギャップ410が検出されている図4に示される。続いて医師は検出された生体組織をアブレーションすることができる(625)。現在の位置で他の対の微小電極が組織と接触しているか否かの判定が下される(630)。別の一対の微小電極が組織と接触している場合、ペーシングプロトコルに従ってペース信号が一対の微小電極を介して送信される(610)。他の対の微小電極が組織と接触してない場合は、医師及び/又はオペレータに通知する(635)。チェックする必要がある他の組織位置が存在するかを判定する(640)。他の位置が利用可能である場合、カテーテルを移動させて新たな組織位置に向けて配置し(645)、例えばペーシングプロトコル500などのペーシングプロトコルに従って、ペース信号を一対の微小電極を介して送信する(610)。他に位置が存在しない場合は、終了する(650)。
【0040】
一般に、アブレーションライン内のギャップを検出するための方法は、組織位置においてアブレーションラインに沿ってカテーテルを配置することと、ペーシングプロトコルに従って一対の微小電極を介してペーシング信号を送信することと、生体組織が存在する場合には捕捉信号を受信することと、捕捉信号に基づいてアブレーションライン内のギャップを判定することと、アブレーション電極を用いて、カテーテル移動を伴わず、アブレーションライン内の検出されたギャップ内の生体組織をアブレーションすることと、を含む。一実施形態では、この方法は、ペーシングプロトコルに従って、どの対の微小電極が標的組織と接触しているかを判定することを更に含む。一実施形態では、この方法は、ペーシングプロトコルに従って、力センサを使用して組織位置でどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを自動的に検出することを更に含む。一実施形態では、この方法は、ペーシングプロトコルに従って、熱電対を使用して組織位置でどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを自動的に検出することを更に含む。一実施形態では、本方法は、ペーシングプロトコルに従って、カテーテルを移動させることなく、組織位置において別の一対の微小電極を介して別のペーシング信号を送信することを更に含む。一実施形態では、この方法は、ペーシングプロトコルに従って、カテーテルを移動させることなく、組織位置の各対の微小電極を順序付けした後に、別の組織位置にカテーテルを配置することを更に含む。一実施形態では、この方法は、カテーテルが標的組織と接触しているかどうかを判定するために、組織位置における対の微小電極間の信号伝達を使用することを更に含む。一実施形態では、この方法は、捕捉信号をユーザに向けて表示することを更に含む。
【0041】
一般に、アブレーションライン内のギャップを検出するためのシステムは、複数の微小電極及びアブレーション電極を含むカテーテルであって、組織位置においてアブレーションラインに沿って配置されるように構成された、カテーテルと、複数の微小電極及びアブレーション電極と通信する処理装置と、を含む。処理装置は、ペーシングプロトコルに従って一対の微小電極を介してペーシング信号を送信し、生体組織が存在する場合には電極を介して捕捉信号を受信し、受信された捕捉信号に基づいてアブレーションライン内のギャップを判定し、アブレーション電極を用いて、カテーテルを移動させることなく、アブレーションライン内の検出されたギャップ内の生体組織をアブレーションさせるように構成されている。一実施形態では、処理装置は、複数の微小電極からどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを判定すること、及び、標的組織と接触している対の微小電極に基づいてペーシングプロトコルを実施すること、を行うように構成されたペーシング信号ユニットを更に含む。一実施形態では、このシステムは、ペーシング信号ユニットと通信する力センサを更に含み、力センサは組織位置でどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを自動的に検出する。一実施形態では、このシステムは、ペーシング信号ユニットと通信する熱電対を更に含み、熱電対は組織位置でどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを検出する。一実施形態では、処理装置は、ペーシングプロトコルに従って、カテーテルを移動させることなく、組織位置において別の一対の微小電極を介して別のペーシング信号を送信するように更に構成されている。一実施形態では、処理装置は、カテーテルが標的組織と接触しているかどうかを判定するために、組織位置において対の微小電極間で信号を使用するように更に構成されている。一実施形態では、このシステムは、捕捉信号をユーザに向けて表示するためのディスプレイを更に含む。
【0042】
一般に、標的組織のアブレーションラインに沿ったギャップ検出に用いるためのカテーテルは、複数の微小電極であって、標的組織と接触する各対の電極はペーシング信号を送信する、微小電極と、アブレーション電極と、を含む。アブレーション電極は、ペーシング信号に応答した標的組織からの捕捉信号から検出されたアブレーションライン内のギャップ内の生体組織をアブレーションし、ペーシング信号の送信及びアブレーションは、標的組織にカテーテルを一度配置することで行われる。一実施形態では、カテーテルは、どの対の微小電極が標的組織と接触しているかを自動的に検出するように構成された力センサを更に含む。一実施形態では、カテーテルは、どの対の微小電極が標的組織と接触しているかを検出するように構成された熱電対を更に含む。一実施形態では、複数の微小電極及びアブレーション電極はカテーテルの遠位端にある。一実施形態では、複数の微小電極は凹部内にあり、カテーテルの外面と面一になっている。
【0043】
本明細書の説明は、心臓系向けの心臓アブレーション処置に関してのものであるが、当業者であれば、本開示が、呼吸器/肺系統、呼吸器系及び肺系統、消化器系、神経血管系、並びに/又は循環系を含むがこれらに限定されない身体の任意の空洞又は系において用いることのできるシステム及び処置に対して適用可能であることを理解するであろう。
【0044】
特徴及び要素が特定の組み合わせで上に記載されるが、当業者であれば、特徴又は要素の各々を単独で又は他の特徴及び要素と組み合わせて使用できることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載される方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行に対して、コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装されてもよい。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気媒体、例えば内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク、磁気光学媒体、並びに光学媒体、例えば、CD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(DVD)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) アブレーションライン内のギャップを検出するための方法であって、組織位置において前記アブレーションラインに沿ってカテーテルを配置することと、ペーシングプロトコルに従って一対の微小電極を介してペーシング信号を送信することと、生体組織が存在する場合には捕捉信号を受信することと、前記捕捉信号に基づいて前記アブレーションライン内のギャップを判定することと、アブレーション電極を用いて、カテーテル移動を伴わず、前記アブレーションライン内の前記検出されたギャップ内の前記生体組織をアブレーションすることと、を含む、方法。
(2) 前記ペーシングプロトコルに従って、どの対の微小電極が標的組織と接触しているかを判定することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ペーシングプロトコルに従って、力センサを使用して前記組織位置でどの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを自動的に検出することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記ペーシングプロトコルに従って、熱電対を使用して前記組織位置でどの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを自動的に検出することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記ペーシングプロトコルに従って、前記カテーテルを移動させることなく、前記組織位置において別の一対の微小電極を介して別のペーシング信号を送信することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
【0046】
(6) 前記ペーシングプロトコルに従って、前記カテーテルを移動させることなく、前記組織位置の各対の微小電極を順序付けした後に、別の組織位置に前記カテーテルを配置することを更に含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記カテーテルが前記標的組織と接触しているかどうかを判定するために、前記組織位置における対の微小電極間で信号伝達を使用することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記捕捉信号をユーザに向けて表示することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) アブレーションライン内のギャップを検出するためのシステムであって、複数の微小電極及びアブレーション電極を含むカテーテルであって、組織位置において前記アブレーションラインに沿って配置されるように構成された、カテーテルと、前記複数の微小電極及び前記アブレーション電極と通信する処理装置であって、前記処理装置は、ペーシングプロトコルに従って一対の微小電極を介してペーシング信号を送信すること、生体組織が存在する場合には電極を介して捕捉信号を受信すること、受信された捕捉信号に基づいて前記アブレーションライン内のギャップを判定すること、及び前記アブレーション電極を用いて、前記カテーテルを移動させることなく、前記アブレーションライン内の検出されたギャップ内の前記生体組織をアブレーションさせること、を行うように構成されている、処理装置と、を含む、システム。
(10) 前記処理装置は、前記複数の微小電極からどの対の微小電極が標的組織と接触しているかを判定すること、及び、前記標的組織と接触している前記対の微小電極に基づいて前記ペーシングプロトコルを実施すること、を行うように構成されたペーシング信号ユニットを更に含む、実施態様9に記載のシステム。
【0047】
(11) 前記ペーシング信号ユニットと通信する力センサを更に含み、前記力センサは前記組織位置でどの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを自動的に検出する、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記ペーシング信号ユニットと通信する熱電対を更に備え、前記熱電対は前記組織位置でどの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを検出する、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記処理装置は、前記ペーシングプロトコルに従って、前記カテーテルを移動させることなく、前記組織位置において別の一対の微小電極を介して別のペーシング信号を送信するように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(14) 前記処理装置は、前記カテーテルが標的組織と接触しているかどうかを判定するために、前記組織位置において対の微小電極間で信号を使用するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(15) 前記捕捉信号をユーザに向けて表示するためのディスプレイを更に含む、実施態様9に記載のシステム。
【0048】
(16) 標的組織のアブレーションラインに沿ったギャップ検出に用いるためのカテーテルであって、前記カテーテルは、複数の微小電極であって、前記標的組織と接触する各対の電極はペーシング信号を送信する、微小電極と、アブレーション電極であって、前記アブレーション電極は、前記ペーシング信号に応答した前記標的組織からの捕捉信号から検出された前記アブレーションライン内のギャップ内の生体組織をアブレーションする、アブレーション電極と、を備え、前記ペーシング信号の送信、及びアブレーションは、前記標的組織に前記カテーテルを一度配置することで行われる、カテーテル。
(17) どの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを自動的に検出するように構成された力センサを更に備える、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) どの対の微小電極が前記標的組織と接触しているかを検出するように構成された熱電対を更に備える、実施態様16に記載のカテーテル。
(19) 前記複数の微小電極及び前記アブレーション電極は前記カテーテルの遠位端にある、実施態様16に記載のカテーテル。
(20) 前記複数の微小電極は凹部内にあり、前記カテーテルの外面と面一になっている、実施態様16に記載のカテーテル。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6