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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ベース部材
(51)【国際特許分類】
   A47B 91/00 20060101AFI20230417BHJP
   A47B 91/02 20060101ALI20230417BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A47B91/00 A
A47B91/02
A47B97/00 M
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018204309
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020068997
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】藤形 亮
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-043940(JP,U)
【文献】実開平06-082941(JP,U)
【文献】実開昭63-075247(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 91/00-91/02
A47B 97/00
H05K 5/00- 5/06
H02G 3/00- 3/04
H02B 1/00- 1/38
H02B 1/40- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置されるベース部材であって、
前記床面に設置される第1フレームと、
前記第1フレームの上方に配置された第2フレームと、
前記第2フレームに取り付けられ、長さが調整自在な複数の脚部と、
少なくとも前記第1フレームの前側に設けられ、前記床面から立ち上がるように形成された下部遮蔽板と、
前記第2フレームの周囲において垂下するように形成された上部遮蔽板と、を備え、
前記上部遮蔽板は、少なくとも前記第2フレームの前側において前記下部遮蔽板に重なるように設けられると共に、前記第2フレームの前側から見て前記第2フレームの両側のうち少なくとも片側において前記第2フレームの前側に直交する奥行方向に設けられ、下側に配線を挿通するための切欠き部が形成され、
前記第2フレームの両側のうち少なくとも片側において前記上部遮蔽板に隣接して鉛直方向に摺動自在に設けられ、前記切欠き部を閉塞する端部材を更に備えていることを特徴とする、ベース部材。
【請求項2】
前記端部材は、前記第2フレームの高さが変化した際に自然落下により下部が前記床面に当接するように前記上部遮蔽板と前記第2フレームとに挟持されている、請求項1に記載のベース部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に設置されると共に、上方に什器が設置されるベース部材に関する。
【背景技術】
【0002】
什器を床面に設置する際、床面が水平となっているとは限らず、不陸が生じている場合がある。このような床面に什器を設置すると、不安定となったり什器に歪が生じたりする虞がある。そのため、什器を床面に設置する際に、什器の下側に伸縮自在な脚を備えたベース部材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このようなベース部材を用いることにより、床面が水平でなく不陸があった場合でも、それぞれの脚の長さを床面の形状に合わせて調整することで什器を水平に設置することができる。しかし、脚の長さを調整して什器を床面に設置した際に、床面と什器の底面との間に隙間が生じて美観が損なわれる場合がある。
【0003】
そこで、ベース部材を床面に設置する下部遮蔽板と伸縮脚の上部に接続される上部遮蔽板との二重構造にして、伸縮脚を伸ばしても隙間が外部から見えないようにした構造も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-050985号公報
【文献】実開昭63-75247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなベース部材を用いて什器を壁面に沿って設置すると、什器に電子機器を収容して配線を敷設する際に、什器の両側において見栄え良く配線を敷設することが困難な場合がある。什器の上方あるいは前方に配線を敷設する場合は、モールで配線を隠すことがある。しかし、モールを用いて配線を敷設すると、モールの存在により見栄えが悪くなっていた。什器の後ろに配線を通す場合は、配線を通す領域を確保するために、什器と壁面との間に隙間を設けて什器を設置する。そのため、什器と壁面との間に生じる隙間により見栄えが悪化すると共に、安定性が低下していた。
【0006】
そこで、本発明は、什器を安定的に設置すると共に、美観性を損なわずに配線を敷設することができるベース部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るベース部材は、床面に設置されるベース部材であって、前記床面に設置される第1フレームと、前記第1フレームの上方に配置された第2フレームと、前記第2フレームに取り付けられ、長さが調整自在な複数の脚部と、少なくとも前記第1フレームの前側に設けられ、前記床面から立ち上がるように形成された下部遮蔽板と、前記第2フレームの周囲において垂下するように形成された上部遮蔽板と、を備え、前記上部遮蔽板は、少なくとも前記第2フレームの前側において前記下部遮蔽板に重なるように設けられると共に、前記第2フレームの前側から見て前記第2フレームの両側のうち少なくとも片側において前記前側に直交する奥行方向に設けられ、下側に配線を挿通するための切欠き部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
このようなベース部材によれば、複数の脚部の長さを調整して床面の不陸に合わせてベース部材の高さを調整することを可能とすると共に、下部遮蔽板と上部遮蔽板とが協働して床面とベース部材との間に生じる隙間を遮蔽してベース部材の上に載置された什器の美観性を向上させることができる。
【0009】
上記ベース部材は、前記第2フレームの左右両側のうち少なくとも片側において前記上部遮蔽板に隣接して鉛直方向に摺動自在に設けられ、前記切欠き部を閉塞する端部材を更に備えるように構成されていてもよい。
【0010】
このようなベース部材によれば、左右の上部遮蔽板の切欠き部により形成された開口が端部材で遮蔽されて什器の美観性を向上させることができる。
【0011】
上記ベース部材は、前記端部材は、前記第2フレームの高さが変化した際に自然落下により下部が床面に当接するように前記上部遮蔽板と前記第2フレームとに挟持されていてもよい。
【0012】
このようなベース部材によれば、第2フレームの高さが変化しても端部材が自然落下して下部が床面に当接しているので、左右の上部遮蔽板の切欠き部により形成された開口が端部材で遮蔽されて什器の美観性を向上させることができる。
【0013】
上記ベース部材は、前記端部材は、前記脚部に係止される係止片を備え、前記係止片は、前記第1フレームと前記脚部に鉛直方向に挟持されるように形成されていてもよい。
【0014】
このようなベース部材によれば、端部材に形成された係止片により、端部材が第1フレーム上で脚部に上方から押圧され、端部材と床面との間の隙間が無くなると共に、左右の上部遮蔽板の切欠き部により形成された開口が端部材で遮蔽されて什器の美観性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るベース部材によれば、什器を安定的に設置すると共に、美観性を損なわずに配線を敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るベース部材の構成を示す斜視図である。
図2】ベース部材の構成を示す分解斜視図である。
図3】第2フレームの構成を示す分解斜視図である。
図4】第2フレームの高さの調整の状態を示す断面図である。
図5】ベース部材に配線を敷設する状態を示す図である。
図6】上部遮蔽板に端部材を取り付ける状態を示す分解斜視図である。
図7】高さが変化した第2フレームにおける端部材の状態を示す断面図である。
図8】上部遮蔽板に他の端部材を取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るベース部材について説明する。ベース部材は、什器を安定的に床面に設置させつつも、美観性を損なわずに配線を敷設することを可能とする部材である。以下、図において、y軸方向を前後方向とし、x軸方向を横方向として説明する。
【0018】
図1から図3に示されるように、ベース部材1は、床面に設置される第1フレーム2と、第1フレーム2に載置される第2フレーム10とを備える。
【0019】
第1フレーム2は、例えば、床面に載置される底板2Aを備える。底板2Aは、矩形の枠状に形成された板状体である。底板2Aは、例えば、金属板を切断することにより形成されている。底板2Aは、矩形の板状体から更にサイズが小さい矩形の板状体が切り出され、矩形の肉抜部3が形成されている。これにより、底板2Aは、枠状に形成され、長手の一対の枠部2Bと、短手の一対の枠部2Cとが形成されている。
【0020】
底板2Aには、一対の補強部材4が設けられている。一対の補強部材4は、横方向に平行に対向する一対の枠部2Bに直交する方向(図のy軸方向)に架橋するように配置されている(図2参照)。一対の補強部材4は、前後方向に平行に対向する一対の枠部2Cに平行に配置されている。
【0021】
補強部材4は、例えば、金属板が折り曲げられることにより、正面(y軸方向)から見た断面がハット形になるように形成されている。これにより、補強部材4は、底部に相当する部分に床面に略平行なフランジ部4Aが形成されている。底板2Aと補強部材4とは、例えば、フランジ部4Aと底板2Aの接触部分Cにおいてスポット溶接等を用いて接合されている。
【0022】
短手の一対の枠部2Cの上には、第2フレーム10に取り付けられた複数の脚部が載置される。一対の枠部2Cには、後述のように複数の脚部Gの台座部G2から什器の荷重が下方に伝達される。底板2Aは、このような構成により、床面に設置された後、上部に什器(不図示)が載置された際に撓んで床面の形状に馴染む。
【0023】
一対の枠部2Bの長辺2Dにおいて、帯状の下部遮蔽板5が立設されている。底板2Aの長辺は、上述のように什器が載置された状態では、床面に馴染んで接している。そのため、下部遮蔽板5は、什器が載置された状態で略床面から上方に立ち上がるように形成されている。下部遮蔽板5は、少なくとも前側に一つ設けられている。
【0024】
次に、第2フレーム10について説明する。第2フレーム10は、第1フレーム2上で什器を支持する。第2フレーム10は、上部遮蔽板15を支持するための支持フレーム11と、複数の脚部Gが取り付けられると共に什器を支持するための一対の脚支持部14とを備える。脚支持部14には、例えば、支持フレーム11がスポット溶接等を用いて接合されている。
【0025】
脚支持部14は、例えば、金属板を折り曲げて、前側から見てS字が倒置した断面形状に形成された部材である。脚支持部14は、例えば、前側から見てU字断面のレール状部材14Aと、レール状部材14Aに隣接した逆U字断面のレール状部材14Bとが連結されて形成されている。レール状部材14Aは、例えば、2つの脚部Gを備える。レール状部材14Aの底面には、脚部G用の雌ネジ穴14A1が形成されている。
【0026】
レール状部材14Bの頂面には、什器を連結するためのビス穴14B1が適宜設けられる。ビス穴14B1は、横方向から見て雌ネジ穴14A1の鉛直線上に配置されるよう形成されている。レール状部材14Aとレール状部材14Bとは、例えば、ボルト及びナットを用いて連結されている。ボルト穴は、レール状部材14Aとレール状部材14Bとが接触するそれぞれの側板に設けられている。
【0027】
脚支持部14においてボルト穴は、横方向からみて一つの脚部Gに対して両側の位置に2個配置されるように合計4個形成されている。これにより、脚部Gから伝達される下側からの荷重と、什器から伝達される上側からの荷重に対して必要な剛性を確保して、脚支持部14が座屈することが防止される。脚支持部14には、第2フレーム10に載置された什器の荷重を支持する複数の脚部Gが取り付けられる。
【0028】
脚部Gは、雄ネジの溝が形成された棒状のネジ部G1と、ネジ部G1の下部に設けられ、床面に接触する逆皿状の台座部G2とを備える。脚部Gは、雌ネジ穴14A1に螺入される。溝G3に脚部Gを螺入することにより、脚部Gは、長さが調整自在に脚支持部14に取り付けられる。
【0029】
ネジ部G1の先端には、溝G3が形成されている。溝G3にマイナスドライバー等の工具の先端を嵌め込み、脚部Gを回転させることで、支持フレーム11の上側から支持フレーム11の下面からの突出量を変更し、脚部Gの長さを調整することができる。脚支持部14には、支持フレーム11が取り付けられる。支持フレーム11は、例えば、金属板を折り曲げて形成された複数の部材等により構成されている。
【0030】
支持フレーム11は、例えば、平面視で矩形の枠状に形成されている(図2参照)。支持フレーム11は、横方向に平行に配置された一対の横杆12と、一対の横杆12に連結され、前後方向に平行に配置された一対の連結部材13とを備える。支持フレーム11は、一対の脚支持部14の位置関係を保持すると共に、上部遮蔽板15を支持する。一対の横杆12は、一対の脚支持部14により架橋され、スポット溶接等により接合されている。
【0031】
横杆12は、横方向から見て断面が矩形のパイプ状の部材である(図3参照)。一対の横杆12の両端部には、横杆12と直交する一対の連結部材13が連結される。横杆12の先端部の上面に連結部材13の先端部の下面が接触し、接触部において、例えば、横杆12と連結部材13とがスポット溶接により接合される。横杆12と連結部材13とにより矩形の支持フレーム11が形成される。横杆12は、第2フレーム10が第1フレーム2の上に載置された際に、第1フレーム2の下部遮蔽板5に隣接する(図2参照)。
【0032】
支持フレーム11の周囲には、第2フレーム10を覆うための上部遮蔽板15が延在するように取り付けられている。上部遮蔽板15は、横杆12を覆う第1上部遮蔽板16と、連結部材13を覆う第2上部遮蔽板17とを備える。上部遮蔽板15は、少なくとも支持フレーム11の前側を覆うように設けられる。第1上部遮蔽板16は、支持フレーム11に垂下するように形成されている。
【0033】
第1上部遮蔽板16は、例えば、逆L字断面形状に形成されている。第1上部遮蔽板16は、帯状の頂板16Aと、頂板16Aの前縁から垂下した帯状の側板16Bとを備える。頂板16Aは、連結部材13及び脚支持部14の端部の上側に引っ掛けられるようにスポット溶接等を用いて固定されている。側板16Bは、例えば、横杆12の前側あるいは後ろ側から見て横杆12、連結部材13、脚支持部14を覆う寸法で形成されている。側板16Bは、例えば、下端の位置が横杆12の下面の位置と略同じ長さで形成されている。
【0034】
図4に示されるように、第1上部遮蔽板16は、第2フレーム10が第1フレーム2に載置された際に、下部遮蔽板5と協働して、床面と第2フレーム10との間の隙間が什器の外部から視認できないように覆い隠す。そして、複数の脚部Gの長さが調整されて什器が最も低い状態となった場合、下部遮蔽板5と第1上部遮蔽板16とは、前後方向から見て互いに重なった状態となる。
【0035】
複数の脚部Gの長さが伸長された際には、第2フレーム10は上方に上昇する。第2フレーム10の上昇に伴って、第1上部遮蔽板16と下部遮蔽板5との重なり量は減少する。複数の脚部Gの第2フレーム10の下方からの突出量が後述の調整範囲以内である場合、即ち、第2フレーム10の上昇量が第1上部遮蔽板16と下部遮蔽板5との鉛直方向の重なり幅よりも小さい場合には、床面と第2フレーム10との間に隙間は生じない。
【0036】
調整範囲とは、第2フレーム10が略最も低い位置に設置された状態における第1上部遮蔽板16と下部遮蔽板5との重なり量である。また、床面に不陸があり、第1フレーム2が床面の形状に馴染んで変形している場合でも、第1上部遮蔽板16と下部遮蔽板5とが重なっている限りは、床面と第2フレーム10との間に隙間は生じない。第2フレーム10の横方向の両側面には、第2上部遮蔽板17が取り付けられる。第2上部遮蔽板17は、例えば、連結部材13の外方の側面にネジSを用いて固定されている。
【0037】
第2上部遮蔽板17は、側面方向から見て、床面と第2フレーム10との間の隙間を見えにくくする。第2上部遮蔽板17は、少なくとも第2フレーム10の右側または左側のうち、少なくとも一方の側に設けられている。即ち、第2上部遮蔽板17は、第2フレーム10の前側から見て第2フレーム10の両側のうち少なくとも片側において前側に直交する奥行方向に設けられている。
【0038】
また、第2上部遮蔽板17の下部には、矩形の切欠き部18が形成されている(図1図3参照)。切欠き部18は、ベース部材1が床面に設置された際に、ケーブル類(配線)を横方向に挿通するための開口として形成されている。
【0039】
図5に示されるように、切欠き部18が形成されていることにより、ベース部材1の上方に什器Jが載置された状態で、什器Jに収納された電子機器EのケーブルKは、ベース部材1を経由してベース部材1の側方に引き出されることを可能とする。他の什器が隣接された状態でも、切欠き部18が形成されていることにより、ケーブル類を隣接するベース部材1の中に引き込むことができる。
【0040】
上述したベース部材1によれば、什器を設置する場合、ベース部材1を什器の下に設置することで高さを調整可能としつつも床面とベース部材1との間の隙間が外部から視認できないように遮蔽し、什器の美観性を向上させることができる。また、ベース部材1によれば、切欠き部18を通して配線を通すことが可能となるため、配線を左右の什器の間に敷設する際に、配線を外側から視認できないように遮蔽することができ、什器の美観性を向上させることができる。また、ベース部材1には、左右に第2上部遮蔽板17があるため、配線を通す部分以外は遮蔽されており、左右側から見た什器の美観性を向上させることができる。
【0041】
また、ベース部材1によれば、伸縮自在な脚部Gを最も短くして上部遮蔽板15の下端が床面に非常に接近する場合においても、配線を切欠き部18に通して敷設することが可能であるため、配線にダメージを与える虞が無い。さらに、ベース部材1によれば、切欠き部18が設けられていることにより、什器を横方向に複数個連結する場合は、隣接したベース部材1の横方向に配線を敷設することができ、什器の美観性を向上させることができる。
【0042】
[変形例]
図6に示されるように、ベース部材1において、配線が必要でない場合には、第2上部遮蔽板17の切欠き部18を閉塞するエンドカバー20(端部材)が設けられていてもよい。
【0043】
エンドカバー20は、例えば、第2上部遮蔽板17と第2フレーム10の間に配置されている。エンドカバー20は、鉛直方向に摺動自在に第2上部遮蔽板17と連結部材13とに挟持されている。エンドカバー20には、ネジSが相対的に摺動自在とする鉛直方向に長い長孔21が設けられている。
【0044】
図7に示されるように、第2上部遮蔽板17の上端部は折り曲げられており、ネジSで第2上部遮蔽板17が連結部材13にネジSで取り付けられた際のエンドカバー20が摺動する隙間が確保される。第2上部遮蔽板17と第2フレーム10の間には、適宜ワッシャー等のスペーサーを用いて隙間の幅が調整される。エンドカバー20は、第2フレーム10の高さが変化した際に自然落下により下部が床面に当接する。エンドカバー20は、第2フレーム10の高さが変化した際にネジSが締め込まれて固定されるようにしてもよい。
【0045】
図8に示されるように、他のエンドカバー30は、脚部Gに係止されるものであってもよい。エンドカバー30は、例えば、係止片33により脚部Gに固定される。エンドカバー30は、底板31と、底板31の外側の側面から立設された端面板32とを備える。底板31には、脚部Gに脚部Gに係止される係止片33が形成されている。係止片33は、例えば、底板31から切り出され、折り曲げられることにより形成されている。
【0046】
係止片33は、底板31から上方に立設された起立片34と、起立片34の先端から水平方向に延びた水平片35とを備える。これにより、起立片34は、断面が逆L字形に形成されている。水平片35の先端部には、脚部Gのネジ部G1に当接する欠円アーチ形状の当接部35Aが形成されている。底板31には、当接部35Aに対応する欠円形の切り残し片31Aが形成されている。
【0047】
即ち、脚部Gにエンドカバー30を係止した状態で第2フレーム10を第1フレーム2上に載置すると、エンドカバー30には、切り残し片31Aを介して脚部Gの台座部G2から第2フレーム10上に載置された什器の荷重が伝達される。この状態で、切り残し片31Aは、脚部Gの台座部G2の下面と底板2Aとに上下方向に挟持され、エンドカバー30が固定される。
【0048】
脚部Gの長さを調整した際もエンドカバー30は、切り残し片31Aが脚部Gの台座部G2と底板2Aとによって上下方向に挟持され、固定状態が維持される。この時、エンドカバー30が第1フレーム2上で脚部Gに上方から押圧される。脚部Gの長さを調整して第2フレーム10の高さが変化した場合でも、エンドカバー30と床面との間の隙間が無くなると共に、左右の第2上部遮蔽板17の切欠き部18により形成された開口がエンドカバー30で遮蔽されて什器の美観性を向上させることができる。
【0049】
上述した変形例に係るベース部材1によれば、エンドカバー20,30により切欠き部18が塞がれ、配線が不要な場合、什器の側面が第2上部遮蔽板17の切欠き部18により生じる開口が外部から視認される状態となることが防止され、美観性を向上させることができる。
【0050】
そして、変形例に係るベース部材1によれば、左右方向で什器を連続的に設置する際、ベース部材の外側から内側へ配線を通す必要が無い場合(ベース部材1において配線を通したい場合)、最も外側の側面の第2上部遮蔽板17にエンドカバー20,30を取り付けることで切欠き部18により生じる開口を覆い隠すことができ、美観性を更に向上させることができる。
【0051】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態を適宜組み合わせ、または置換して構成してもよい。例えば、第2上部遮蔽板17と連結部材13とが一体で形成されていても良い。また、上述したエンドカバーは、例えば、金属板で形成されるのではなく、ゴム板等の可撓性を有する素材で形成し、切欠き部18を閉塞しつつ、配線を可能とするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…ベース部材、2…第1フレーム、2A…底板、2B…枠部、2C…枠部、2D…長辺、3…肉抜部、4…補強部材、4A…フランジ部、5…下部遮蔽板、10…第2フレーム、11…支持フレーム、12…横杆、13…連結部材、14…脚支持部、14A…レール状部材、14A1…雌ネジ穴、14B…レール状部材、14B1…ビス穴、15…上部遮蔽板、16…第1上部遮蔽板、16A…頂板、16B…側板、17…第2上部遮蔽板、18…切欠き部、20…エンドカバー、21…長孔、30…エンドカバー、31…底板、31A…切り残し片、32…端面板、33…係止片、34…起立片、35…水平片、35A…当接部、C…接触部分、E…電子機器、G…脚部、G1…ネジ部、G2…台座部、G3…溝、J…什器、K…ケーブル、S…ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8