(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20230417BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230417BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R31/28 K
H01L21/66 B
(21)【出願番号】P 2018233811
(22)【出願日】2018-12-13
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】菊地 義徳
(72)【発明者】
【氏名】安田 貴生
(72)【発明者】
【氏名】工藤 俊之
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-106168(JP,A)
【文献】特開2014-130125(JP,A)
【文献】特開2014-202580(JP,A)
【文献】特開2012-163410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26-31/28
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦部を下面領域に有する支持部材と、該支持部材の下面側に設けられた配線基板とを有して、検査装置側に接続される電気的接続装置であって、
前記配線基板の下面側に設けられ、複数の接続端子を有する接続ユニットと、
前記接続ユニットの下面側に設けられ、被検査体と電気的に接触する複数のプローブと前記複数の接続端子との間を電気的に接続させるプローブ基板と、
前記プローブ基板の上面に配置された
ものであり、それぞれの上面が前記プローブ基板の水平性基準面となる複数のアンカーと、
前記配線基板及び前記接続ユニットの貫通孔を介して、前記プローブ基板の前
記各アンカーと前記支持部材の前記平坦部との間をそれぞれ支持する複数の支持部と
を備え、
前記複数のアンカー及び前記複数の支持部は、
正方形の各頂点と、
2つの長辺のそれぞれが、前記正方形の一方の対向する頂点のそれぞれを通る第1の長方形の各頂点と、
2つの長辺のそれぞれが、前記正方形の他方の対向する頂点のそれぞれを通る第2の長方形の各頂点と、
前記正方形の対角線の交点を中心として、前記第1の長方形及び第2の長方形を包囲する大きさの直径を有する仮想円上に、互いに等間隔に位置する複数箇所と
に配置され
、
前記支持部材の下面中央部に設けた円形の内側に、前記平坦部を格子状に形成し、それ以外の前記円形の内側をザグリ加工して凹ませた複数のザグリ部を有する円形ザグリ加工部を有し、
前記正方形と前記第1の長方形と前記第2の長方形の各頂点に位置する前記各アンカーは、前記円形ザグリ加工部の格子状に形成された前記平坦部の位置と対応する位置に配置され、
前記仮想円の直径は、前記円形ザグリ加工部の外周円の直径よりも短く形成される
ことを特徴とする電気的接続装置。
【請求項2】
前記複数のアンカー及び前記複数の支持部のうち、前記仮想円上に配置される前記アンカー及び前記支持部は、前記円形ザグリ加工部の外周のわずかに内側に配置されることを特徴とする請求項
1に記載の電気的接続装置。
【請求項3】
前記円形ザグリ加工部の外周の径寸法が、円板状の被検査体の外径寸法と同じ又はほぼ同じであることを特徴とする請求項
2に記載の電気的接続装置。
【請求項4】
前記第1の長方形及び前記第2の長方形の各長辺の長さが、前記正方形の対角線の長さの2倍程度であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項5】
前記複数のアンカーのそれぞれが高さ調整可能なものであることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続装置に関し、例えば、半導体集積回路の通電試験等に用いられる電気的接続装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ上に形成された各半導体集積回路(被検査体)の電気的な検査には、テストヘッドに複数のプローブ(電気的接触子)を有するプローブカードを備えた検査装置が用いられる。
【0003】
例えば、検査装置のテストヘッドにプローブカードが取り付けられ、プローブカードの下面に現れる各プローブの先端を各半導体集積回路の各電極端子に電気的に接触させる。そして、テスターからの電気信号がプローブを介して被検査体に供給され、被検査体からの信号を、プローブを介してテスター側に取り込むことで、被検査体の電気的検査を行なう。
【0004】
検査の際、半導体ウェハがチャック面に載置され、チャック面上の半導体ウェハに対してプローブカードが押圧され、各プローブの先端が被検査体の電極に電気的に接触される。
【0005】
このとき、半導体ウェハに向けて押圧されるプローブカードは反力を受けるのでプローブカードの変形(例えば撓み)を抑えると共に、各プローブの先端を被検査体の電極に確実に接触させるため、プローブカードの水平性(平行)を保持することが求められる。
【0006】
従来、プローブカードのプローブ基板の一方の面(例えば上面)が平面となっており、プローブカードを検査装置側に取り付ける際に、プローブ基板の一方の面を検査装置側に接触させるものがある。この場合、プローブカードのプローブ基板の一方の面が、検査装置側に接触するので、プローブ基板の一方の面(接触面)がプローブカードの水平性(平行)の基準面となり、プローブカードの水平性を安定させることができる。
【0007】
また、例えば特許文献1には、テストヘッドの下面に、ポゴピンブロックを含む接続ユニットを設け、プローブカードを検査装置側に取り付ける際に、プローブカードを接続ユニットに接続させるものが開示されている。この接続ユニットには、プローブカードの配線基板の上面に取り付けられた複数のアンカーが当接するアンカー当接部が形成され、各アンカー当接部に高さ調整されたアンカーを当接させてプローブカードを接続ユニットに取り付けることで、プローブカードの水平性(平行)を保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年の半導体集積回路の高集積化、電極間の狭ピッチ化等に伴い、検査装置を用いた被検査体の電気的検査には、被検査体の測定DUT(DUT:Device Under Test)数を増加させることが望まれている。
【0010】
ところが、測定DUT数を増加させると、プローブカードに装着されるプローブ数が増えるため、各プローブを被検査体に押圧する際に、従来よりも大きな反力がプローブカードに加わることになる。そのため、従来よりもプローブカードの平坦性を保持することが難しくなる。
【0011】
本発明は、プローブ数が増加しても、プローブカードの水平性を安定的に保持する事が可能な電気的接続装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、本発明は、平坦部を下面領域に有する支持部材と、該支持部材の下面側に設けられた配線基板とを有して、検査装置側に接続される電気的接続装置であって、配線基板の下面側に設けられ、複数の接続端子を有する接続ユニットと、接続ユニットの下面側に設けられ、被検査体と電気的に接触する複数のプローブと複数の接続端子との間を電気的に接続させるプローブ基板と、プローブ基板の上面に配置されたものであり、それぞれの上面が前記プローブ基板の水平性基準面となる複数のアンカーと、配線基板及び接続ユニットの貫通孔を介して、プローブ基板の各アンカーと支持部材の平坦部との間をそれぞれ支持する複数の支持部とを備え、複数のアンカー及び前記複数の支持部は、正方形の各頂点と、2つの長辺のそれぞれが、正方形の一方の対向する頂点のそれぞれを通る第1の長方形の各頂点と、2つの長辺のそれぞれが、正方形の他方の対向する頂点のそれぞれを通る第2の長方形の各頂点と、正方形の対角線の交点を中心として、第1の長方形及び第2の長方形を包囲する大きさの直径を有する仮想円上に、互いに等間隔に位置する複数箇所とに配置され、支持部材の下面中央部に設けた円形の内側に、平坦部を格子状に形成し、それ以外の円形の内側をザグリ加工して凹ませた複数のザグリ部を有する円形ザグリ加工部を有し、正方形と第1の長方形と第2の長方形の各頂点に位置する各アンカーは、円形ザグリ加工部の格子状に形成された平坦部の位置と対応する位置に配置され、仮想円の直径は、円形ザグリ加工部の外周円の直径よりも短く形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プローブ数が増加しても、プローブカードの水平性を安定的に保持する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る検査装置(以下では、テスターとも呼ぶ。)の主要な構成を示す構成図である。
【
図2】実施形態に係る検査装置側にプローブカードを接続する接続構成を説明する説明図である。
【
図3】実施形態に係る支持部材の上面及び下面の構成を示す構成図である。
【
図4】実施形態に係る配線基板上に配置される支持部材の構成を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係るプローブカードの上面及び側面の構成を示す図である。
【
図6】実施形態において、支持部材の下面の円形ザグリ加工部の構成と、アンカーの位置との関係を説明する説明図である(その1)。
【
図7】実施形態において、アンカー及び支持部を介してプローブカードをテスター側に取り付けた場合のプローブカードの変形量(変位差)を示すFEM解析結果である(その1)。
【
図8】実施形態において、アンカー及び支持部を介してプローブカードをテスター側に取り付けた場合のプローブカードの変形量(変位差)を示すFEM解析結果である(その2)。
【
図9】実施形態において、支持部材の下面の円形ザグリ加工部の構成と、アンカーの位置との関係を説明する説明図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る電気的接続装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
この実施形態では、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体集積回路を被検査体とする検査装置に用いられるプローブカードに、本発明に係る電気的接続装置を適用する場合を例示する。
【0017】
(A-1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る検査装置(以下では、テスターとも呼ぶ。)の主要な構成を示す構成図である。
図2は、実施形態に係る検査装置側にプローブカードを接続する接続構成を説明する説明図である。なお、以下では、
図1中の上下方向に従って「上」、「下」を言及する。
【0018】
図1において、この実施形態に係る検査装置1の主要な構成は、テストヘッド21、支持部材(スティフナ)22、配線基板23、接続ユニット24、プローブカード25、検査ステージ26、チャックトップ27を有する。
【0019】
[検査ステージ26、チャックトップ27]
検査ステージ26は、Xステージ、Yステージ、Zステージ及びθステージを組み合わせて構成されている。検査ステージ26の上部には、チャックトップ27が設けられている。
【0020】
チャックトップ27は、水平方向のX軸方向と、水平面上においてX軸に対して垂直なY軸方向と、X軸及びY軸の水平面(XY平面)に対して垂直なZ軸方向に位置調整が可能であり、さらにZ軸回りのθ方向に回転姿勢が調整可能である。
【0021】
チャックトップ27の上面には、被検査体28を載置する載置面271が設けられている。この実施形態では、被検査体28は、半導体ウェハに組み込まれている各半導体集積回路とし、複数の半導体集積回路が組み込まれた半導体ウェハが載置面271上に載置される場合を例示する。
【0022】
[支持部材22]
支持部材22は、配線基板23の上面に配置されるものであり、配線基板23の姿勢を安定化させるものである。支持部材22の中央部には、固定部212が設けられており、この固定部212を介してテストヘッド21に固定される。
【0023】
配線基板23の下面には、後述する接続ユニット24が設けられており、接続ユニット24を介してプローブカード25がテスター側に取り付けられ、プローブカード25の下面に現れる各プローブ42の先端を被検査体28の各電極に対して確実に接触させる。そのため、支持部材22は、プローブカード25が取り付けられた状態の配線基板23の姿勢を安定化させるために、配線基板23の上面に設けられる。
【0024】
図3(A)は、実施形態に係る支持部材22の上面の構成を示す構成図であり、
図3(B)は、実施形態に係る支持部材22の下面の構成を示す構成図である。
【0025】
図3(A)及び
図3(B)に示すように、支持部材22は、肉厚の円板状に形成された本体部221を有する。
【0026】
図3(A)に示すように、支持部材22の本体部221の上面はフラット(平坦面)になっている。
【0027】
図3(B)に示すように、支持部材22の本体部221の下面は、基本的にはフラット(平坦面)であるが、配線基板23の上面から突出する電極や電子部品等が支持部材22の下面と干渉するのを防止するため、本体部221の下面中央部(下面中央領域)において、円形の外周に沿って、当該円形の内側に対してザグリ加工(逃げ加工)を施して、円形ザグリ加工部225を形成する。この円形ザグリ加工部225には、円形の外周に沿って略三角形に凹ませたザグリ部227aや、円形の内側に、正方形に凹ませたザグリ部227bを等間隔に設ける。その結果、円形ザグリ加工部225の内側には、格子状の平坦当接部(以下では、「平坦部」又は「格子状平坦部」とも呼ぶ。)226(226a~226j)が形成される。なお、
図3(B)において、斜線部分がザグリ部227である。
【0028】
円形ザグリ加工部225の内側に形成された格子状の平坦当接部226a~226jは、x軸方向に等間隔に形成された5本の平坦当接部226a~226eと、y軸方向に等間隔に形成された5本の平坦当接部226f~226jとを有する。x軸方向に形成された5本の平坦当接部226a~226eのうち、真ん中に位置する平坦当接部226cは、本体部221の中心を通り、同様に、y軸方向に形成された5本の平坦当接部226f~226jのうち、真ん中に位置する平坦当接部226hは、本体部221の中心を通る。この実施形態では、支持部材22の円形ザグリ加工部225の内側に格子状の平坦当接部226a~226jを形成する例を説明したが、平坦当接部226は、後述する複数の支持部233がそれぞれ当接可能であれば、格子状に限られるものではない。また、円形ザグリ加工部225は、ザグリに代えて、本体部221を厚み方向に貫通する孔(抜き)を形成することもできる。
【0029】
図4は、実施形態に係る配線基板23上に配置される支持部材22の構成を示す斜視図である。
【0030】
図4に示すように、支持部材22は、本体部221の円の大きさが配線基板23の円の大きさよりも小さく設定されている。本体部221の上面には、突起部224が設けられ、この突起部224がテストヘッド21の下面に形成された図示しない凹部と係合することで、支持部材22がテストヘッド21に固定されるようになっている。なお、このように支持部材22をテストヘッド21に固定する構造は、省略することもできる。
【0031】
[配線基板23]
配線基板23は、テストヘッド21の下面に設けられるテストヘッド配線基板である。
【0032】
配線基板23の上面には、電極(図示しない)が設けられており、その配線基板23の上面の電極は、複数の接続部211を通じてテストヘッド21と電気的に接続されている。
【0033】
配線基板23の下面には配線パターン(図示しない)が形成されており、その配線パターン上に複数の端子部231が設けられ、各端子部231は、接続端子であるポゴピン31の上端部311と接触可能に配置されている。
【0034】
更に、配線基板23の内部には、配線基板23の下面の各端子部231と、テストヘッド21と接続する各接続部211との間を電気的に接続する配線路(図示しない)が形成されている。したがって、配線基板23は、その内部の配線路を介して、テストヘッド21と各ポゴピン31との間で電気的に接続させることができる。
【0035】
配線基板23には、配線基板23の上面と下面とを貫通させた複数の貫通孔232が設けられており、各貫通孔232には棒状の支持部233が挿通される。貫通孔232の形状は、支持部233の形状に対応した形状とすることができ、貫通孔232に支持部233を挿通可能にするため、貫通孔232の径は、支持部233の径と同程度又はわずかに大きくなっている。
【0036】
この実施形態では、貫通孔232に挿通される支持部233の断面形状が略円形である円柱の部材である場合を例示するが、これに限定されるものではなく、支持部233の断面形状が略正方形の直角柱の部材や、断面形状が多角形の多角柱の部材などであってもよい。
【0037】
配線基板23における各貫通孔232は、後述するプローブカード25の上面252に形成される複数のアンカー251の位置に対応する位置に配置されている。なお、プローブカード25の上面252に形成される各アンカー251の配置の詳細な説明は後述する。
【0038】
配線基板23に設けられた各貫通孔232に挿通される各支持部233の下端面235は、プローブカード25の上面252のアンカー251の上面253に当接し、各支持部233の上端面234は、配線基板23の上面に対してわずかに露出し、支持部材22の下面に形成された円形ザグリ加工部225の平坦当接部226に当接可能である。
【0039】
ここで、各貫通孔232に挿通された各支持部233の上端面234は、テストヘッド21側の水平性(平行)の基準面となる。つまり、後述するように、プローブカード25の上面252の各アンカー251の上面253は、プローブカード25の水平性(平行)の基準面となるところ、各貫通孔232に挿通される各支持部233の下端面235が、対応する各アンカー251の上面253に当接して支持される。
【0040】
そのため、各支持部233の上端面234がテストヘッド21側の水平性(平行)の基準面となり、テストヘッド21の下面と、プローブカード25の上面及び下面とを平行に保持すると共に、各支持部233を設けることにより、配線基板23の撓み抑えることができる。その結果、プローブカード25の下面に現れる各プローブ42の先端の高さ位置を、被検査体28の各電極に対して平行とすることができ、各プローブ42の先端が被検査体28の各電極に対して確実に接触させることができる。
【0041】
[接続ユニット24]
接続ユニット24は、後述するプローブカード25の各プローブ(プローブ針)42の上端部と、配線基板23の下面の複数の端子部231との間を電気的に接続させるための部材である。また、接続ユニット24は、後述するプローブ基板255の上面に配置される複数のアンカー251及び複数の支持部233の位置に、複数の支持部233のそれぞれを貫通させる複数の貫通穴を有する。接続ユニット24は、ポゴピンブロック30と、ポゴピンブロック支持部33とを有する。
【0042】
ポゴピンブロック30は、接続端子となる複数のポゴピン31を支持するポゴピン支持部材である。ポゴピンブロック30は、複数のポゴピン31を支持することができれば、様々な部材を適用することができる。なお、以下では、接続端子として軸方向に弾性変形可能に形成された周知のポゴピン31を用いる例を説明するが、ポゴピン以外の接続端子として、例えば、単純な棒材や板材で形成された周知の端子、コネクタ等を用いることも可能である。
【0043】
例えば、ポゴピンブロック30は、肉厚の円盤状に形成され、プローブカード25の上面252の電極に対応する位置に、上下に貫通する複数のポゴピン挿入孔を備えるものとしてもよい。そして、ポゴピンブロック30の上下に貫通する各ポゴピン挿入孔に各ポゴピン31が装着され、各ポゴピン31の上端部311と下端部312とがポゴピンブロック30の上面と下面から突出するような部材としてもよい。
【0044】
また例えば、ポゴピンブロック30は、複数枚(例えば2枚)の基板で形成されるものとし、ポゴピンブロック30として機能する各基板には、プローブカード25の上面252の電極に対応する位置に、上下に貫通する複数のポゴピン挿入孔を備えるものとしてもよい。そして、ポゴピンブロック30として機能する各基板の各ポゴピン挿入孔に各ポゴピン31が装着され、各基板が各ポゴピン31の中腹部を支持し、各ポゴピン31の上端部311を配線基板23の下面の端子部231と接続させ、各ポゴピン31の下端部312がプローブカード25の上面252の電極と接続させるようにしてもよい。
【0045】
ポゴピンブロック支持部33は、ポゴピンブロック30の周囲に設けられており、ポゴピンブロック30を、テスター側の配線基板23に取り付けて支持する部材である。ポゴピンブロック30のポゴピンブロック支持部33は、配線基板23と、図示しない位置決めピンにより位置決めされて、図示しない支持機構により支持される。
【0046】
例えば、ポゴピンブロック支持部33の上側面には環状溝(図示しない)が設けられており、この環状溝にOリング(図示しない)が取り付けられている。そして、図示しない吸排気手段により、配線基板23の下面と、ポゴピンブロック支持部33と、プローブカード25の上面252とにより囲まれる内部空間の空気が排気され、負圧状態となる。すなわち、前記内部空間が減圧状態となる。そのため、配線基板23とプローブカード25とは互いにポゴピンブロック30の方向にポゴピン31を押し込ながら引き込みあい、配線基板23とプローブカード25との距離を縮める。また同時に、前記内部空間が真空になると、プローブカード25の上面252が、ポゴピンブロック30の方向に向けて引き込まれることにより、支持部233は、プローブカード25の上面252のアンカー251と当接することになる。
【0047】
その結果、プローブカード25のプローブ42は、ポゴピン31、配線基板23の下面の端子部231、配線基板23内の配線路、配線基板23の上面の電極(図示しない)及び接続部211を介して、テスター側と電気的に接続される。これにより、被検査体28は、検査可能な状態となる。
【0048】
なお、接続ユニット24の構成としては、種々のものがあり、
図1に示すような接続ユニット24の構成に限定されず、様々な構成を広く適用することができる。また、この実施形態では、プローブカード25をテスター側に取り付ける方法、つまり、配線基板23の下面と、ポゴピンブロック支持部33と、プローブカード25の上面252とを接続する方法として、減圧による吸着方式を採用する例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、周知の機械的な固定構造等を採用することもできる。
【0049】
[プローブカード25]
図5(A)は、実施形態に係るプローブカード25の上面252の構成を示す平面図であり、
図5(B)は、実施形態に係るプローブカード25の側面図である。
【0050】
図5(A)に示すように、プローブカード25は、略円形若しくは多角形(例えば16角形)の板状部材であり、プローブカード25の外周縁部には、当該プローブカード25を検査装置に取り付けるための係合部51a~51fが設けられている。なお、プローブカード25を検査装置に取り付ける方法は特に限定されるものではなく、係合部51a~51fの個数や形状は様々な構成をとることができる。
【0051】
図5(B)に示すように、プローブカード25は、多層配線基板254と、この多層配線基板254の上面に位置するプローブ基板255とにより形成されている。
【0052】
プローブ基板255は、例えばセラミック等の電気的絶縁材料により形成されたものであり、プローブ基板255の上面252には各ポゴピン31と接続する電極端子が形成されると共に、配線基板23の各支持部233と当接する複数のアンカー251が配置されている。このプローブ基板255の上面252に形成されるアンカー251の配置構成の詳細な説明は後述する。
【0053】
プローブ基板255の内部には、当該プローブ基板255の下面に設けられた複数の接続端子と、当該プローブ基板255の上面の電極端子との間を結ぶ配線路(図示しない)が形成されている。プローブ基板255の下面の複数の接続端子は、多層配線基板254の上面に現れる複数のプローブ42の上部先端部の位置に対応する位置に設けられている。そのため、多層配線基板254の上面に現れる各プローブ42が、プローブ基板255の下面の各接続端子と電気的に接続することができる。
【0054】
多層配線基板254は、例えば、ポリイミド樹脂等の電気的絶縁材料で形成されており、多層配線基板254の下面には、複数のプローブ42が取り付けられた略円形のプローブランド(接触子領域)が設けられている。多層配線基板254の内部には、複数の配線路(図示しない)が形成されており、複数の配線路は、プローブランドの各プローブ42とプローブ基板255の下面の接続端子とは対応するように形成されている。
【0055】
複数のプローブ42は、その下部先端部が被検査体28の電極と電気的に接触し、その上部先端部がプローブ基板255の接続端子と電気的に接触するものである。各プローブ42は、例えばカンチレバータイプ等の電気的接触子を適用することができる。
【0056】
各アンカー251は、プローブカード25のプローブ基板255の上面252に配置されており、配線基板23の貫通孔232に挿通されている支持部233を支持するための部材である。各アンカー251は、後述するように支持部材22の下面の円形ザグリ加工部225に形成されている格子状の平坦当接部226(226a~226j)の位置に対応するように配置される。このように、アンカー251を配置することにより、各アンカー251を土台にして設けられる各支持部233で配線基板23を支持することができるので、配線基板23の撓み等の変形を抑えることができる。
【0057】
アンカー251は、1又は複数枚の所定厚さのシム(図示しない)を入れることで、アンカー251の高さを微調整できるようになっている。例えば、シムはステンレス等の板部材を適用することができ、プローブ基板255とアンカー251とに間に挟むことで、アンカー251の高さを微調整することができる。そして、複数のアンカー251の上面253を含む平面がプローブ基板255の上面252と平行になるように、各アンカー251の高さを調整する。
【0058】
[アンカー251の配置]
次に、プローブ基板255の上面253に設けられるアンカー251の配置について、
図1、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0059】
図6は、実施形態において、支持部材22の下面の円形ザグリ加工部225の構成と、アンカー251の位置との関係を説明する説明図である(その1)。
【0060】
図6では、説明を容易にするため、配線基板23、接続ユニット24及びプローブカード25を表しておらず、支持部材22の円形ザグリ加工部225に対して配置されるアンカー251の位置関係を表している。
【0061】
また、支持部233はアンカー251の上面253に支持されるものなので、支持部233の位置も、
図6に示すアンカー251の位置と対応する位置に配置される。
【0062】
図6に示すように、複数のアンカー251は、支持部材22の下面の円形ザグリ加工部225に形成されている平坦当接部226(226a~
226j)の位置に対応する位置に配置される。この実施形態では、20個のアンカー251(251a~251t)を配置する場合を例示する。
【0063】
20個のアンカー251a~251tのうち、4個のアンカー251a~251dは、円形ザグリ加工部225の中心を中心(重心)とし、その中心周りに45°だけ傾けた略正方形Sの頂点位置に配置される。換言すると、円形ザグリ加工部225の中心をxy座標系の原点とした場合、2個のアンカー251a及び251cは、原点からy軸上の正方向、負方向に所定長(平坦当接部226の間隔長)だけ離れた位置に配置され、2個のアンカー251b及び251dは、原点からx軸上の正方向、負方向に所定長(平坦当接部226の間隔長)だけ離れた位置に配置される。この正方形Sはx軸の対角線とy軸の対角線の交点が、円形ザグリ加工部225の外周の中心と略一致する。
【0064】
また、20個のアンカー251a~251tのうち、4個のアンカー251e~251hは、円形ザグリ加工部225の中心、つまり正方形Sの対角線の交点を中心(重心)とし、縦長(y軸方向に長い)の略長方形R1の頂点の位置に配置される。略長方形R1の長辺は、略正方形Sの対角線の長さのほぼ2倍程度の長さとすることができる。略長方形R1の2つの長辺のそれぞれは、略正方形Sの一方の対向する頂点のそれぞれを通るものである。つまり、4個のアンカー251e~251hで形成される略長方形R1の4辺うち、アンカー251fとアンカー251gとを結ぶ長辺(右辺)は、上述した略正方形Sのアンカー251bを略中点として含み、アンカー251eとアンカー251hとを結ぶ長辺(左辺)は、上述した略正方形Sのアンカー251dを略中点として含む。
【0065】
さらに、20個のアンカー251a~251tのうち、4個のアンカー251i~251lは、円形ザグリ加工部225の中心、つまり正方形Sの対角線の交点を中心(重心)とし、横長(x軸方向に長い)の略長方形R2の頂点の位置に配置される。略長方形R2の長辺は、略正方形Sの対角線の長さのほぼ2倍程度の長さとすることができる。略長方形R2の2つの長辺のそれぞれは、略正方形Sの他方の対向する頂点のそれぞれを通るものである。4個のアンカー251i~251lで形成される略長方形R2の4辺うち、アンカー251iとアンカー251jとを結ぶ長辺(上辺)は、上述した略正方形Sのアンカー251aを略中点として含み、アンカー251lとアンカー251kとを結ぶ長辺(下辺)は、上述した略正方形Sのアンカー251cを略中点として含む。
【0066】
また、20個のアンカー251a~251tのうち、残りの8個のアンカー251m~251tは、円形ザグリ加工部225の外周付近の仮想円C上であって、円形ザグリ加工部225の中心の周りに等間隔、即ち等角度(例えば45°)間隔に配置される。
【0067】
円形ザグリ加工部225の外周円の径寸法は、被検査体の半導体ウェハの外径寸法と同じ若しくはほぼ同じである。
図6の例では、仮想円Cの直径は、略長方形R1、R2と非接触で、略長方形R1、R2を包囲する長さを有し、円形ザグリ加工部225の外周円の直径よりもわずかに長い場合を例示している。すなわち、仮想円C上に配置される8個のアンカー251m~251tは、円形ザグリ加工部225の外周円よりもわずかに外側の位置に等角度間隔に配置される。
【0068】
図6の例のように、円形ザグリ加工部225の平坦当接部226の位置に対応するように、プローブ基板255の上面252に複数のアンカー251を配置させ、各アンカー251の上面253に各支持部233を接触させて、プローブカード25をテスター側に取り付けることで、従来よりも、ポゴピン31の配置エリアを広くすることができる。
【0069】
つまり、従来テスター側にプローブカードを取り付ける際、水平性を保持するためにテスター側とプローブカードとは接触面(基準面)同士を接触させるものなどがあった。この場合、プローブカードを接触面でテスター側に接触させているのでポゴピン数を増やすことが難しいという課題がある。
【0070】
これに対して、この実施形態の場合、例えば円柱部材の複数(20個)の支持部233を介して、プローブカード25を配線基板23に対して取り付けることができるので、ポゴピン31の配置エリアが従来よりも広くなる。その結果、ポゴピン31の配置数を従来よりも増加させることができ、さらに測定DUT数を増加させることができる。また、プローブカード25を面接触させる際、アンカー251及び支持部233を介してプローブカード25をテスター側に取り付けるので、プローブ基板255の破損等を抑えることができる。
【0071】
また、この実施形態において、プローブカード25を接続ユニット24に取り付ける際、各アンカー251の上面253がプローブカード25の高さを調整する基準面となる。また、支持部233の下端面235がアンカー251の上面253に支持されるので、支持部233の上端面234がテスター側の高さを調整する基準面となる。そのため、テストヘッド21及び配線基板23の下面の水平性と、プローブカード25の下面の水平性を保持することができ、互いを平行に設けることができる。
【0072】
さらに、円形ザグリ加工部225の平坦当接部226の位置に対応するようにアンカー251及び支持部233を配置させることにより、接続ユニット24を介してプローブカード25をテスターに装着する際に、アンカー251及び支持部233を介して、配線基板23に対してプローブカード25を安定させて装着することができる。
【0073】
また、アンカー251及び支持部233を介して、配線基板23に対してプローブカード25を取り付けることで、セラミック等で形成されたプローブ基板255の厚さを20~30%程度厚くすることができる。その結果、プローブカード25の変形(例えば撓み)を抑えることができる。
【0074】
図7は、アンカー251及び支持部233を介してプローブカード25をテスター側に取り付けた場合のプローブカード25の変形量(変位差)を示すFEM解析結果である。
【0075】
図7では、「コンタクト荷重」、「接続ユニットの厚さ」、「支持部233の有無」、「支持部233の個数」、「アンカー251及び支持部233の配置」の条件を変えた場合の支持部材22及びプローブカード25の変形量をFEM解析している。
【0076】
特に、条件1~条件5では、「支持部233の個数」と「アンカー251及び支持部233の配置」の条件を変えている。
【0077】
なお、「コンタクト荷重」はテスターによりプローブカード25を被検査体28へ接触させたときの荷重であり、プローブカード25の下側から上側方向の反力である。例えば、この例では、条件1~条件5のいずれの場合も「2,942N(=300kgf)」とする。
【0078】
また、条件1~条件5のいずれの場合も「接続ユニットの厚さ」を「5.1mm」とし、「支持部233の有無」が「ある」ものとした。
【0079】
条件1は、17個のアンカー251及び支持部233を用いて、円形ザグリ加工部225の中心に1個のアンカー251及び支持部233を配置し、円形ザグリ加工部225の外周円上に8個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置し、前記外周円の半分の半径を持つ円上に8個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置した。
【0080】
条件2は、17個のアンカー251及び支持部233を用いて、円形ザグリ加工部225の中心に1個のアンカー251及び支持部233を配置し、円形ザグリ加工部225の外周円上に8個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置し、前記外周円の半分の半径を持つ円上に8個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置した。さらに、前記外周円上の8個のアンカー251及び支持部233は、内側の円上の8個のアンカー251及び支持部233の位置に対して角度をずらして配置した。この点が条件1と異なる。
【0081】
条件3は、21個のアンカー251及び支持部233を用いて、円形ザグリ加工部225の中心に1個のアンカー251及び支持部233を配置し、円形ザグリ加工部225の外周円上に12個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置し、前記外周円の半分の半径を持つ円上に8個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置した。
【0082】
条件4は、この実施形態に係るアンカー251及び支持部233の配置である。
図6に例示した通り、20個のアンカー251及び支持部233を配置した。
【0083】
条件5は、19個のアンカー251及び支持部233を用いて、円形ザグリ加工部225の中心に1個のアンカー251及び支持部233を配置し、円形ザグリ加工部225の外周円上に12個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置し、前記外周円の半分の半径を持つ円上に6個のアンカー251及び支持部233を等角度間隔に配置した。
【0084】
図7のFEM解析結果において、条件1~条件5の結果を比較すると、条件3、4及び5はいずれも、条件1及び2よりも、プローブカード25の面内変位差が小さく、良好な結果となった。さらに、条件3~条件5の結果を比較すると、条件4が、プローブカード25の面内変位差が少なく、最も良好であった。このことから、条件4が、プローブカード25の変形(例えば撓み)を最も抑えており、プローブカード25の水平性(平行)を最も保持することを確認できた。換言すると、条件4に従って、20個のアンカー251及び支持部233を
図6のように配置させた場合に、プローブカード25のプローブ42が被検査体28に対して確実に電気的接触をさせることができる。
【0085】
[アンカー251及び支持部233の配置の最適化]
図7のFEM解析結果より、条件4に従って、20個のアンカー251及び支持部233を
図6のように配置させることがプローブカード25の変位差を小さくすることが確認できた。
【0086】
さらに、以下では、アンカー251及び支持部233の配置を変えてFEM解析を行ない、アンカー251及び支持部233の最適化を図る。
【0087】
図8は、20個のアンカー251及び支持部233を介してプローブカード25をテスター側に取り付けた場合のプローブカード25の変形量(変位差)を示すFEM解析結果である。
【0088】
ここでは、「最外周(仮想円C上)の支持部233の位置」の条件を変えた場合の支持部材22及びプローブカード25の変形量をFEM解析している。
【0089】
条件4-1は、20個のアンカー251及び支持部233を
図6に示すように配置した場合である。
【0090】
これに対し、条件4-2は、20個のアンカー251及び支持部233を、
図9(B)に示すように配置した場合である。なお、
図9(A)に示すアンカー251の配置は、
図6に示すアンカー251の配置を示しており、
図9(B)との対比をわかりやすく示している。
【0091】
図9(B)において、
図6に例示する配置と同様に、20個のアンカー251は、支持部材22の下面の円形ザグリ加工部225に形成されている平坦当接部226(226a~226j)の位置に対応する位置に配置される。
【0092】
20個のアンカー251a~251tのうち、12個のアンカー251a~251lは、
図6に示す配置と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0093】
20個のアンカー251a~251tのうち、残りの8個のアンカー251m~251tは、円形ザグリ加工部225の外周円の直径よりもわずかに短い仮想円C1上に、等角度間隔に配置される。換言すると、
図9(B)に示す配置は、20個のアンカー251a~251tのうち、最外周に位置しているアンカー251m~251tの位置が、円形ザグリ加工部225の外周円の内側に配置される。
【0094】
このことから、
図9(B)のように、20個アンカー251及び支持部233のうち、最外周のアンカー251m~251tの位置を円形ザグリ加工部225の外周円の内側に配置した方が、プローブカード25の変形(例えば撓み)を最も抑えており、プローブカード25の水平性(平行)を最も保持することを確認できた。
【0095】
(A-2)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、複数のアンカー及び各アンカーの上面に支持される複数の支持部を、プローブ基板の上面の所定位置に配置して、支持部材の下面の円形ザグリ加工部に形成される格子状の平坦当接部に当接させることにより、プローブカードの変形(例えば撓み)を抑えながら、ポゴピン等の接続端子の数を増加させることができる。その結果、検査装置を用いた測定DUT数を増加させることができる。
【0096】
この実施形態によれば、プローブカードのプローブ基板の厚さを従来よりも厚くすることができ、さらにアンカー及び支持部の個数と配置を最適化させることにより、プローブカードの水平性(平行)を良好に保持することができる。
【0097】
この実施形態によれば、プローブ基板の上面に配置させる各アンカーに、シム等を追加若しくは抜き取りを行なうことで、各アンカーの高さ調整が可能となり、プローブカードの水平性(平行)を調整することができる。
【0098】
この実施形態によれば、検査装置(テスター)側にプローブカードを取り付ける際に、アンカー及び支持部を介して、配線基板側に対してプローブカードを取り付けるので、例えばセラミック等で形成されるプローブ基板の破損リスクを抑えることができる。
【符号の説明】
【0099】
1…検査装置、21…テストヘッド、22…支持部材、23…配線基板、24…接続ユニット、25…プローブカード、26…検査ステージ、27…チャックトップ、28…検査ステージ、30…ポゴピンブロック、31…ポゴピン、33…ポゴピンブロック支持部、42…プローブ、51a~51f…係合部、211…接続部、224…突起部、225…円形ザグリ加工部、226(226a~226j)…平坦当接部、227…ザグリ部、231…端子部、232…貫通孔、233…支持部、234…上端面、235…下端面、251(251a~251t)…アンカー、252…上面、253…上面、254…多層配線基板、255…プローブ基板、271…載置面、311…上端部、312…下端部。