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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】プログラム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20230417BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20230417BHJP
   A63F 13/422 20140101ALI20230417BHJP
【FI】
A63F13/80 A
A63F13/533
A63F13/422
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019003436
(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公開番号】P2020110354
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】福塚 翼
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-071132(JP,A)
【文献】特開2004-237003(JP,A)
【文献】特開2014-230654(JP,A)
【文献】特開2003-062333(JP,A)
【文献】特開2000-189558(JP,A)
【文献】特開2007-097669(JP,A)
【文献】石畑 恭平 Kyohei Ishihata,コンピュータ麻雀のアルゴリズム 初版 ,第1版,株式会社工学社 星 正明,2007年12月15日,pp.156-165
【文献】鳴きとシャンテン数,無料ネット麻雀戦術書,2013年01月25日,https://web.archive.org/web/20130125005917/http://beginners.biz/naki/naki07.html,<検索日:2022年11月11日>
【文献】ゲーム操作,オンライン麻雀 Maru-Jan 公式サイト,2014年11月19日,https:/web.archive.org/web/20141119034953/https://www.maru-jan.com/guide/howtoplay/game_sousa.html,<検索日:2022年11月09日>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
予め定められた複数の識別情報のうちユーザに関連付けられている識別情報の組合せを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する特定手段と、
前記表示手段により表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せから除外する除外手段と、
他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する除外識別情報表示手段と、
前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せとの関係において前記除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報を前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込むか否かを前記ユーザに問合せるための問合せ表示を実行する問合せ手段と、
前記問合せ表示に対して前記ユーザから取込操作を受付けることにより、前記除外識別情報を前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込む手段と、して機能させ、
前記問合せ手段は、前記除外識別情報が前記特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況である際には前記問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況である際に前記問合せ表示を実行し、
前記除外手段は、前記表示手段により表示された識別情報の組合せのうちから除外する識別情報としてユーザにより指定された識別情報が除外されたときよりも当該識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くならないときには当該指定された識別情報を除外する一方、当該指定された識別情報が除外されたときよりも当該識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くなるときには当該指定された識別情報を除外するかを確認するための確認表示を実行し、当該確認表示に対してユーザから除外操作を受け付けることにより当該指定された識別情報を除外する、プログラム。
【請求項2】
前記複数種類の役は、所定条件を満たす識別情報の組合せ部を構成要素とする役を含み、
前記特定識別情報は、前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せとの関係において、前記組合せ部を成立させる識別情報であり、
前記第1状況は、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数が、前記除外識別情報を取り込んでも当該除外識別情報を取り込まない際よりも少なくならない状況であり、
前記第2状況は、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数が、前記除外識別情報を取り込まない際よりも当該除外識別情報を取り込んだ際の方が少なくなる状況である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の識別情報は、前記ユーザが役を成立させることにより付与される特典を高くする特別識別情報を含み、
前記問合せ手段は、前記除外識別情報が前記特定識別情報であるが、当該除外識別情報を取り込んでも当該除外識別情報を取り込まなくても、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数が同じとなる識別情報であっても、当該除外識別情報が前記特別識別情報である際には、前記問合せ表示を実行する、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記問合せ手段により前記問合せ表示が実行されている際に、前記ユーザに関連付けられている識別情報のうち、前記除外識別情報と役の一部を構成し得る識別情報を報知する手段と、して機能させる、請求項1~請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記問合せ手段により前記問合せ表示に応じて前記除外識別情報を取り込んだ際に、前記ユーザに関連付けられている識別情報のうち除外することにより役成立に関する有利度合いを高める識別情報を報知する手段と、して機能させる、請求項1~請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、麻雀ゲームを進行させるプログラムであり、
前記複数種類の役は、4組の面子と1組の雀頭とを形成する手牌の模様に基づいて成立する役を含み、
前記除外識別情報は、前記他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタにより捨てられた捨て牌であり、
前記特定識別情報は、前記ユーザに関連付けられている手牌の組合せとの関係において前記面子を成立させる特定牌であり、
前記問合せ手段は、前記特定牌を取り込むことによる前記雀頭および前記面子の成立状況の変動に基づいて、前記問合せ表示を実行するか否かを制御する、請求項1~請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記問合せ手段は、前記雀頭が成立している際に前記捨て牌を取り込むことにより、当該雀頭が不成立となって前記面子が成立する際には、前記問合せ表示を実行しない、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記問合せ手段は、前記面子が成立している際に、前記捨て牌が当該面子に関連する牌である際は、前記問合せ表示を実行しない、請求項6または請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記問合せ手段は、前記雀頭が成立している際に前記捨て牌を取り込むことにより、当該雀頭が不成立となることなく前記面子の数が増える際には、前記問合せ表示を実行する、請求項6~請求項8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
予め定められた複数の識別情報のうちユーザに関連付けられている識別情報の組合せを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する特定手段と、
前記表示手段により表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せから除外する除外手段と、
他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する除外識別情報表示手段と、
前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せとの関係において前記除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報を前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込むか否かを前記ユーザに問合せるための問合せ表示を実行する問合せ手段と、
前記問合せ表示に対して前記ユーザから取込操作を受付けることにより、前記除外識別情報を前記ユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込む手段と、を備え、
前記問合せ手段は、前記除外識別情報が前記特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況である際には前記問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況である際に前記問合せ表示を実行し、
前記除外手段は、前記表示手段により表示された識別情報の組合せのうちから除外する識別情報としてユーザにより指定された識別情報が除外されたときよりも当該識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くならないときには当該指定された識別情報を除外する一方、当該指定された識別情報が除外されたときよりも当該識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くなるときには当該指定された識別情報を除外するかを確認するための確認表示を実行し、当該確認表示に対してユーザから除外操作を受け付けることにより当該指定された識別情報を除外する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
麻雀ゲームとしては、いずれかのプレイヤが捨て牌を鳴ける局面になるとゲーム進行を止め、当該捨て牌を鳴くか否かを当該プレイヤに問い合わせるものがある。ただし、問合せの際にはゲーム進行が止められるため、いずれかのプレイヤが捨て牌を鳴けることが他のプレイヤに知られてしまうという鳴き待ち問題が生じる。
【0003】
そこで、特許文献1の麻雀ゲームでは、牌が捨てられたときに、捨てたプレイヤの端末と捨て牌を鳴けるプレイヤの端末とにのみ捨て牌を表示させ、鳴けるプレイヤの端末で鳴き・アガリ・キャンセルのいずれかが指示されると、他のプレイヤの画面にも捨て牌を表示させるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-047774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の麻雀ゲームにおいては、捨て牌を鳴けるプレイヤは、当該プレイヤの手牌の状態にかかわらず、鳴き・アガリ・キャンセルの指示を入力する必要がある。即ち、手牌の状態を考慮すると捨て牌を鳴くことがあり得ない場合でも、プレイヤは、わざわざキャンセル指示を入力するといった不要な手間が生じる。この結果、特許文献1の麻雀ゲームでは、興趣が損なわれる虞があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、不要な手間を抑制しつつ興趣を低下させてしまうことを防止できる、プログラム、および情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プログラムは、コンピュータを、予め定められた複数の識別情報のうちユーザに関連付けられている識別情報の組合せを表示する表示手段と、表示手段により表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する特定手段と、表示手段により表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せから除外する除外手段と、他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する除外識別情報表示手段と、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せとの関係において除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報をユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込むか否かをユーザに問合せるための問合せ表示を実行する問合せ手段と、問合せ表示に対してユーザから取込操作を受付けることにより、除外識別情報をユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込む手段と、して機能させ、問合せ手段は、除外識別情報が特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況である際には問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況である際に問合せ表示を実行し、除外手段は、表示手段により表示された識別情報の組合せのうちから除外する識別情報としてユーザにより指定された識別情報が除外されたときよりも識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くならないときには指定された識別情報を除外する一方、指定された識別情報が除外されたときよりも識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くなるときには指定された識別情報を除外するかを確認するための確認表示を実行し、確認表示に対してユーザから除外操作を受け付けることにより指定された識別情報を除外する
【0009】
一実施形態のある局面によれば、予め定められた複数の識別情報のうちユーザに関連付けられている識別情報の組合せを表示する表示手段と、表示手段により表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する特定手段と、表示手段により表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せから除外する除外手段と、他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する除外識別情報表示手段と、ユーザに関連付けられている識別情報の組合せとの関係において除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報をユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込むか否かをユーザに問合せるための問合せ表示を実行する問合せ手段と、問合せ表示に対してユーザから取込操作を受付けることにより、除外識別情報をユーザに関連付けられている識別情報の組合せに取り込む手段と、を備え、問合せ手段は、除外識別情報が特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況である際には問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況である際に問合せ表示を実行し、除外手段は、表示手段により表示された識別情報の組合せのうちから除外する識別情報としてユーザにより指定された識別情報が除外されたときよりも識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くならないときには指定された識別情報を除外する一方、指定された識別情報が除外されたときよりも識別情報とは異なる識別情報が除外されたときの方が役成立に関する有利度合いが高くなるときには指定された識別情報を除外するかを確認するための確認表示を実行し、確認表示に対してユーザから除外操作を受け付けることにより指定された識別情報を除外する
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、不要な手間を抑制しつつゲームの興趣を低下させてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ゲームシステムの全体的な構成を示す模式図である。
図2】ユーザ端末の機能的構成を示す図である。
図3】ゲームサーバの機能的構成を示すブロック図である。
図4】管理者用対局処理の一例を示すフローチャートである。
図5】ユーザ用対局処理の一部を示すフローチャートである。
図6】ユーザ用対局処理の他の一部を示すフローチャートである。
図7】ユーザ用対局処理のその他の一部を示すフローチャートである。
図8】(A)は対局画面の一例を示す図であり、(B)は対局画面の他の一例を示す図である。
図9】問合せ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
図1は、ゲームシステム1の全体的な構成を示す模式図である。本実施形態では、ゲームシステム1は、予め定められた複数の役(達成条件)のうちのいずれかの役の成立により特典(例えば点数等)を付与するゲームを提供する。ゲームの種類としては、ユーザによって操作されるキャラクタ(プレイヤキャラクタまたは操作キャラクタ)が、3人のNPC(ノンプレイヤキャラクタ)または3人の他ユーザによってそれぞれ操作される3人のキャラクタと対戦可能な麻雀ゲームを例示する。
【0014】
麻雀ゲームでは、部屋の麻雀卓に積まれた136枚あまりの牌(識別情報)の山から牌をキャラクタ毎に1つずつ引き、14枚~18枚の手牌(当該キャラクタが所有する牌)の組合せからなる役の成立を目指す。また、麻雀では、家(自家または他家)、鳴く、晒す、シャンテンなどの専門用語が用いられる。ここで、家はキャラクタを意味し、自家はユーザまたは操作キャラクタを意味し、他家は他ユーザまたは他のキャラクタを意味する。また、自家の左側の家は上家と呼ばれ、自家の右側の家は下家と呼ばれる。さらに、鳴くは、ポン、チー、大明槓、小明槓の総称であり、晒すは牌の模様を他のキャラクタに見せることを意味する。
【0015】
また、シャンテンとは、最短で何回ツモればテンパイ可能かを示す用語である。具体的には、最短で3回ツモればテンパイ可能な手牌の状態を3シャンテンと呼び、最短で2回ツモればテンパイ可能な手牌の状態を2シャンテンと呼ぶ。このため、役の成立に近づくほど、即ち自家の手牌の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが高くなるほど、シャンテンの数が小さくなり、シャンテンの数が小さくなることをシャンテン数アップと呼ぶ。
【0016】
なお、ゲームの種類は、役の成立により特典(例えば点数等)を付与するゲームであればこれに限らず、例えば、トランプを用いたゲーム(例えばポーカー)などであってもよい。
【0017】
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100と、ゲームサーバ200とを含む。各ユーザ端末100とゲームサーバ200とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、インターネット、図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム(たとえば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution))、または所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(たとえばWi-Fi(登録商標))を含み得る。
【0018】
(ユーザ端末およびゲームサーバの構成)
ユーザ端末100は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であることがより好ましい。図1に示すように、ユーザ端末100は、通信バスによって互いに電気的に接続されたプロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15とを備える。
【0019】
入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介した各種データ入出力機能、および音声入出力機能を備える。
【0020】
タッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組合せた電子部品である。入力部151は、タッチセンシティブなデバイスであり、たとえばタッチパッド等によって構成される。表示部152は、たとえば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。入力部151は、タッチスクリーン15に対するユーザの指やスタイラスといった物体の接触または近接を検知し、操作入力として受け付ける。入力部151は、当該操作入力に含まれるユーザの作用(主に、タッチ操作、スワイプ操作、フリック操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された画面位置の情報を検知して、該情報を外部へ情報信号として出力する機能を備える。タッチスクリーン15は、タッチセンシティブであればよい。タッチセンシティブなデバイスは、静電容量方式、抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0021】
ゲームサーバ200は、ゲームに関する各種サービスを各ユーザ端末100に提供する。ゲームサーバ200は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであることが、より好ましい。図1に示すように、ゲームサーバ200は、通信バスによって互いに電気的に接続されたプロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信インターフェース(IF)23と、入出力IF24とを備える。
【0022】
プロセッサ10、20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んで構成される。プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、ゲームサーバ200全体の動作を制御する。
【0023】
メモリ11、21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成され得る主記憶装置を含んで構成される。
【0024】
ストレージ12、22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置によって構成され得る補助記憶装置を含んで構成される。メモリ11には、プロセッサ10がストレージ12からロードした各種プログラムおよびデータが一時的に記憶される。メモリ21には、プロセッサ20がストレージ22からロードした各種プログラムおよびデータが一時的に記憶される。これによりメモリ11は、プロセッサ10に対して作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20に対して作業領域を提供する。
【0025】
ゲームサーバ200のストレージ22には、ゲームプログラム等のゲームデータが格納される。ユーザ端末100のストレージ12には、ゲームサーバ200からダウンロードされるゲームプログラム等のゲームデータが格納される。当該ゲームプログラムは、メモリ11、21に展開される。プロセッサ10は、メモリ11に展開されるゲームプログラムを実行する。プロセッサ20は、メモリ21に展開されるゲームプログラムを実行する。メモリ11には、プロセッサ10が当該ゲームプログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータも一時的に格納される。メモリ21には、プロセッサ20が当該ゲームプログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータも一時的に格納される。
【0026】
通信IF13、23は、ユーザ端末100とゲームサーバ200との間で各種データを送受信するための通信制御機能を備える。通信制御機能には、たとえば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、有線LAN、無線LAN、携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、近距離無線通信機能等が含まれる。
【0027】
本実施形態では、各種データは、所定のゲームプログラム、ユーザ情報、ゲーム情報等のゲームデータ、それらをユーザ端末100とゲームサーバ200との間に送受信させる指示、および、ゲームを進行させるための指示を含む。
【0028】
たとえばプロセッサ10は、通信IF13を介してユーザIDをゲームサーバ200に送信することによって、当該ユーザIDに関連付けられたオブジェクト(配牌、ツモ牌、捨て牌等)に関する情報をゲームサーバ200から受信する。また、プロセッサ10は、ユーザ作用に基づいて麻雀卓に牌を配置し、ゲームの結果として取得されたゲームポイント(点棒)を、通信IF13を介してゲームサーバ200に送信する。
【0029】
ゲームサーバ200の入出力IF24は、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部、および、液晶ディスプレイ等の出力部を備えており、コンピュータの情報をモニタリングするために用いられる。
【0030】
(ユーザ端末の機能的構成)
図2は、ユーザ端末100の機能的構成を示す図である。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能し得る。記憶部120にはゲームプログラムが格納されている。このゲームプログラムは、主記憶上に展開されかつ制御部110において実行される。また、本実施形態では、このゲームプログラムは、プロセッサ10およびメモリ11を備えるユーザ端末100に対し、麻雀ゲームを進行させる制御部110および記憶部120としてユーザ端末100を機能させるプログラムである。
【0031】
制御部110は、当該ゲームプログラムによって、作用受付部111、端末処理部112、タイマー部113、端末判定部114、表示制御部115、報酬計算部116、および送受信部117として機能し得る。制御部110が当該ゲームプログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータ、および制御部110によって利用される各種ゲームデータも、主記憶上に一時的に格納される。
【0032】
作用受付部111は、タッチスクリーン15の入力部151に対するユーザの作用を検知する。作用受付部111は、タッチスクリーン15およびその他の入出力IF14を介したコンソールによる操作指示等から、いかなる入力がなされたかを判別し、その結果を端末処理部112等の必要な要素に出力する。作用受付部111は、タッチスクリーン15に対する作用入力がなされた場合には、入力位置の座標情報および作用の種類(タッチ操作、スライド動作等)を検知する。また、作用受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れることを検知することによって、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0033】
端末処理部112は、ユーザ端末100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信、およびゲームの実行に必要な演算処理その他の処理を行う。端末処理部112は、たとえば、作用受付部111によって検知された作用に基づいて、ゲームプログラムに従ったゲームを展開させ、その結果を示すゲーム画像を描画するよう、表示制御部115に指示する。また、端末処理部112は、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて仮想空間内におけるゲームオブジェクトを操作する。また、端末処理部112は、タッチスクリーン15に対する操作入力および演算処理の結果等に基づいて、記憶部120に記憶されている各種データの更新等の処理を行う。なお、端末処理部112は、ゲームの進行状態に応じて、ゲーム空間の視野を指定するための仮想カメラの位置を制御してもよい。
【0034】
タイマー部113は、麻雀部屋内の時刻を規定するとともに、麻雀部屋内の時間の経過を計測する。タイマー部113は、たとえば、牌がツモられた時刻を記憶部120に記憶させ、その後に経過した時間を測定する。タイマー部113は、測定することによって得られる時間情報を端末判定部114に提供する。端末判定部114は、タイマー部113および記憶部120を参照して、今回のツモから所定時間が経過したか否かなどを判定できる。
【0035】
表示制御部115は、ゲームサーバ200から受信したユーザ情報、ゲームプログラムによる演算結果、およびユーザの入力部151に対する作用に基づいて、表示部152に表示される画像を生成する。本実施形態では、ユーザ端末100は、配牌、牌山、ツモ牌、捨て牌、ポン、チー、カン、ロンあがり、ツモあがり、流局等などの対局の開始から終了までに刻々と変化するゲーム情報をゲームサーバ200から取得し、この情報を用いて対局画面の画像を生成する。なお、これらのゲーム情報は、ユーザ端末100側においても記憶しているものであってもよい。表示制御部115は、端末処理部112によるゲーム進行制御に応じて表示画像を更新する。
【0036】
報酬計算部116は、作用受付部111から受信した操作に基づいて、各ユーザに提供される報酬を算出して、ユーザに付与する。たとえば報酬計算部116は、ユーザに付与される点棒を算出し、ユーザに付与する。
【0037】
送受信部117は、ゲームサーバ200から各種情報を受信したり、ゲームサーバ200に各種情報を送信したりする。送受信部117は、制御部110の制御によって各種情報をゲームサーバ200に対して送信する。ゲームサーバ200は、ネットワーク2および通信IF23を介して当該情報を受信し、送受信部211が情報の内容を識別して受け付ける。送受信部117は、たとえば、ユーザ端末100上で動作可能なゲームプログラム、ユーザ情報、ゲーム画面等のゲーム空間情報、自ユーザの配牌、牌山、他のユーザの捨て牌、他のユーザによるポン、チー、カン、ロンあがり、ツモあがり等のゲーム情報を、ゲームサーバ200から受信することができる。なお、これらの情報は、ユーザ端末100側においても記憶しているものであってもよい。一方、送受信部117は、ユーザ情報、自ユーザの捨て牌、自ユーザによるポン、チー、カン、ロンあがり、ツモあがり等のゲーム情報を、ゲームサーバ200に送信することができる。
【0038】
記憶部120には、制御部110が前述の各部として機能するために必要なデータが記憶されている。当該データとしては、たとえば、ゲームプログラム、ゲーム情報、およびユーザ情報が含まれる。ゲーム情報としては、オブジェクト管理テーブル等が挙げられる。ユーザ情報としては、ユーザ管理テーブル等が挙げられる。
【0039】
本実施形態では、ゲームプログラムは、操作キャラクタの立場で麻雀ゲームを進める操作キャラクタ側プログラムと、管理者の立場で当該麻雀ゲームを取り仕切る管理者側プログラムと、NPCの立場で麻雀ゲームを進めるNPC側プログラムとによって構成されている。また、本実施形態では、操作キャラクタが3人のNPCと対局を行うシングルプレイモードと、自ユーザの操作キャラクタが3人の他ユーザにそれぞれ対応する3人の操作キャラクタとオンラインで対局を行う対戦プレイモードとが準備されている。
【0040】
このうち、シングルプレイモードでは、操作キャラクタと3人のNPCとで麻雀卓を囲むパーティが構成され、対局が開始される。一方、対戦プレイモードでは、4人の操作キャラクタのうちのいずれか1人がホストとして部屋を作り、残りの3人の操作キャラクタがゲストとして当該部屋に入ることで、麻雀卓を囲むパーティが構成され、対局が開始される。
【0041】
(ゲームサーバの機能的構成)
図3は、ゲームサーバ200の機能的構成を示すブロック図である。ゲームサーバ200は、各ユーザ端末100にゲーム進行に必要な情報を提供するゲーム提供機能を有している。ゲームサーバ200は、ユーザ端末100からゲーム情報を受信し、ユーザ端末100上で動作可能なゲームプログラム、Webページ(ゲーム画面等)、ユーザ情報およびゲームパラメータ等の各種ゲームデータ、各種通知等を送信する。ゲームサーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能し得る。
【0042】
図3に示すように、制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラムによって、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213、マッチング部214、計測部215として機能し得る。本実施形態では、このゲームプログラムは、プロセッサ20およびメモリ21を備えるゲームサーバ200に対し、麻雀ゲームを進行させる制御部210および記憶部220としてゲームサーバ200を機能させるプログラムであり、管理者の立場で当該麻雀ゲームを取り仕切る上述の管理者側プログラムも含んでいる。
【0043】
送受信部211は、各ユーザ端末100から送信される各種情報を受信したり、各ユーザ端末100に各種情報を送信したりする。
【0044】
各ユーザ端末100は、制御部110の制御に基づいて各種情報をゲームサーバ200に対して送信する。ゲームサーバ200は、ネットワーク2および通信IF23を介して当該情報を受信し、送受信部211が情報の内容を識別して受け付ける。
【0045】
送受信部211は、記憶部220に格納されている各種管理テーブルを参照する。送受信部211は、必要に応じてデータ管理部213によって更新された各種管理テーブルを参照して、必要な処理を実行する。当該情報には、各ユーザに配られる牌の組合せを特定するための配牌情報、配牌の後に残った牌を特定するための牌山情報、各ユーザによるポン、チー、カンなどの情報が含まれる。
【0046】
また、送受信部211は、ユーザ端末100上で動作可能なゲームプログラム、ユーザ情報、ゲーム画面等のゲーム空間情報、各ユーザの配牌、牌山、各ユーザの捨て牌、各ユーザによるポン、チー、カン、ロンあがり、ツモあがり等のゲーム情報をユーザ端末100に送信する。
【0047】
サーバ処理部212は、ゲームサーバ200全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信、および、ゲームの進行に必要な演算処理を行う。サーバ処理部212は、たとえば、送受信部211が受信したユーザ端末100からの情報または要求に基づいて、ゲームプログラムに従った演算処理を実行する。そして、その結果としての各種ユーザ情報、ゲーム情報等のゲームデータ、およびゲームプログラム等を、通信IF13を介してユーザ端末100に送信することによって、ユーザ端末100においてさらにゲームを進行させる。
【0048】
データ管理部213は、サーバ処理部212における各種演算結果に基づいて、記憶部220に格納されている各種ゲームデータ、およびデータベースのレコードを、追加、更新、または削除することによって、必要な処理を実行する。
【0049】
送受信部211は、例えば、ユーザが麻雀卓に牌を晒すようにユーザ端末100に作用を与えると、その結果としてユーザが保有するオブジェクト情報およびゲームポイントに関する情報をユーザ端末100から受信する。サーバ処理部212は、受信された情報に基づいて必要な処理を実行し、一方、データ管理部213はユーザ情報およびゲーム情報を更新する。
【0050】
また、例えば、送受信部211がユーザ端末100から捨て牌を実行する要求を受信した場合、データ管理部213は、捨て牌の情報を、ユーザ情報と、捨て牌の配置位置等に関するゲーム情報とに関連付けて記憶する。
【0051】
マッチング部214は、対戦プレイモードにおいて、複数の操作キャラクタを所定のゲーム空間に関連付ける。たとえばマッチング部214は、ある操作キャラクタがホストとして部屋を作る操作を行った場合、当該操作キャラクタをホストとし、他の3人の操作キャラクタをゲストとするパーティをマッチングによって組成し、当該パーティに属する4人の操作キャラクタを同じ麻雀部屋に一時的に関連付ける。
【0052】
計測部215は、タイマー部113と同様に、麻雀部屋内の時刻を規定するとともに、麻雀部屋内の時間を計測する機能を有する。計測部215は、例えば、対局開始時に発動させたいスキルを選択するための画面が表示された時刻からの経過時間を計測する。計測部215は、麻雀部屋の時間情報を生成し、タイマー部113で生成された麻雀部屋の時間情報と照合する。これにより、ユーザ端末100とゲームサーバ200において麻雀部屋の時間情報が同期され、各種時間情報の計測および判定を円滑に実施し得る。
【0053】
記憶部220には、ゲームプログラムおよびユーザの認証プログラム等が格納されている。また、記憶部220には、ユーザ管理テーブル等のユーザ情報、オブジェクト管理テーブル等のゲーム情報を管理するデータベースが構築されていてもよい。
【0054】
(動作について)
対戦プレイモードが選択されたとき、ホスト役の操作キャラクタに対応するユーザ端末100の制御部110は、管理者側プログラムに従って図4に示す管理者用対局処理を実行し、操作キャラクタ側プログラムに従って図5図7に示す操作キャラクタ用対局処理を実行する。また、ゲスト役の操作キャラクタに対応するユーザ端末100の制御部110は、操作キャラクタ側プログラムに従って図5図7に示す操作キャラクタ用対局処理を実行する。
【0055】
また、シングルプレイモードが選択されたときは、ユーザが操作するユーザ端末100の制御部110は、管理者側プログラムに従って当該管理者用対局処理を実行し、操作キャラクタ側プログラムに従って当該操作キャラクタ用対局処理を実行することに加えて、NPC側プログラムに従ってNPC用対局処理を実行する。
【0056】
対戦プレイモードおよびシングルプレイモードのいずれにおいても、対局に臨む4人のキャラクタは、管理者による管理の下で対局を進める。なお、管理者用対局処理は、ゲームサーバ200で実行し、処理結果を各ユーザ端末100に送信するようにしてもよい。
【0057】
以下では、対戦プレイモードを念頭において、管理者用対局処理および操作キャラクタ用対局処理の詳細を説明する。
【0058】
図4を参照して、ステップS01では、当該4人の操作キャラクタの各々即ち各家に対して無作為な配牌を実行する。具体的には、136枚あまりの牌のうちから乱数抽選により13枚の牌を家毎に選び、ホスト役の家について選んだ13枚の牌は、当該家に対応するユーザ端末100の記憶部120に記憶する一方、ゲスト役の家について選んだ13枚の牌は、ゲームサーバ200を介して当該家に対応するユーザ端末100に送信する。送信された牌は、当該ユーザ端末100の記憶部120に記憶される。
【0059】
ステップS02では、各家に対応する操作キャラクタ用対局処理と連携し、各家間の引き牌の順番等を仕切ったり、各家の捨て牌を他家の対局画面に表示したりしながら対局を進める。ステップS03では、いずれかの家が上がったか又は今回の対局が流局となったか否かを、ステップS02の処理結果に基づいて判定する。いずれかの家が上がったか又は今回の対局が流局となったと判定されなければ、ステップS02に戻る。
【0060】
一方、いずれかの家が上がったか又は今回の対局が流局となったと判定されると、ステップS04で清算を行う。具体的には、上がり役の点数(特典)を特定するとともに、各家の順位や、各家間の点数差を特定する。ここで、対局中に鳴いて役を成立させた場合の点数は、対局中に鳴かずに当該役を成立させた場合の点数よりも低くなる蓋然性が高い。即ち、特典に関する有利度合いは、他家の捨て牌を鳴いて役を成立させた場合の方が、他家の捨て牌を鳴かずに当該役を成立させた場合よりも低くなる虞れがある。対局中に鳴かずに当該役を成立させた場合には、リーチやツモといった役を成立させることができるためである。今回の管理者用対局処理は、ステップS04の処理の後に終了する。
【0061】
図5を参照して、ステップS11では、図8(A)に示す対局画面をタッチスクリーン15に表示する。図8(A)を参照して、対局画面の中央やや上段には、麻雀卓が自家の視点(斜め上)で表示される。麻雀卓の中央には、自家および他家の捨て牌を表示するための河エリアRVが割り当てられており、河エリアRVの下側には、自家の手牌を表示するための手牌エリアHAが割り当てられている。操作キャラクタは、手牌エリアHAの下側に表示される。
【0062】
ステップS12では、ステップS01の処理によって自家に配られた牌を手牌エリアHAに表示する。牌は、例えば図8(A)に示すように表示される。ステップS13では、自家の順番が到来したか否かをステップS02の処理結果に基づいて判定し、当該順番が到来したと判定されると、ステップS14に進む。ステップS14では、牌山から牌をツモり、ツモった牌を手牌エリアHAに表示する。
【0063】
ステップS15では、ツモる前に当該手牌エリアHAに表示されていた牌とツモった牌との組合せを複数種類の役と照合することにより、当該複数種類の役のうちのいずれかの役が成立しているか否かを判定する。当該役が成立していると判定されたときは、ステップS16に進み、上がり(即ち「ツモ」)を宣言する操作が自家によって行われたか否かをタッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。当該上がりを宣言する操作が行われたと判定されると、ステップS17に進み、上がりを管理者側プログラムに通知する。操作キャラクタ用対局処理は、当該通知の後に終了する。
【0064】
ステップS15において役が成立していると判定されなかったとき、又はステップS16において上がりを宣言する操作が行われたと判定されなかったときは、ステップS18に進む。ステップS18では、手牌エリアHA上の複数の手牌(鳴いた牌を除く)のうちのいずれかの手牌に対するタッチ操作が行われたか否かを、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。
【0065】
当該手牌に対するタッチ操作が行われたと判定されなければ、ステップS21に進み、リーチを宣言する操作などの他の操作が行われたか否かをタッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。当該他の操作が行われたと判定されなかったときは、ステップS15に戻る。一方、当該他の操作が行われたと判定されたときは、ステップS21で対応する処理を実行し、ステップS23で処理の完了を管理者側プログラムに通知し、その後にステップS13に戻る。
【0066】
ステップS18において、いずれかの手牌に対するタッチ操作が行われたと判定されたときは、ステップS19に進み、ガイド枠GFをタッチスクリーン15に表示する。ステップS20ではタッチされた手牌を河エリアRV側に拡大表示する。
【0067】
したがって、図8(A)に示すように、一萬牌がタッチされると、当該牌がタッチ位置よりも上側の位置に拡大表示される。また、図8(B)に示すように、一筒牌がタッチされると、当該牌がタッチ位置よりも上側の位置に拡大表示される。
【0068】
ステップS24では、タッチ位置が移動したか否かをタッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。当該タッチ位置が移動したと判定されたときは、ステップS25に進み、現在のタッチ位置は手牌エリアHAを含んで画面下部に広がる下部エリア内の位置であるか否かを判定する。
【0069】
現在のタッチ位置は当該下部エリア内の位置であると判定されると、ステップS26に進み、拡大表示する牌を当該タッチ位置の鉛直方向に位置する牌に変更する。牌の変更が完了すると、ステップS24に戻る。なお、現在のタッチ位置は当該下部エリア内の位置であると判定されなかったときは、ステップS26の処理を実行することなくステップS24に戻る。
【0070】
したがって、図8(A)に示す一萬牌が拡大表示されている状態でタッチ位置が右側に移動されると、一萬牌が元の位置に通常表示され、右隣りの一索牌がタッチ位置よりも上側の位置に拡大表示される。また、図8(B)に示す一索牌が拡大表示されている状態でタッチ位置が左側に移動されると、一索牌が元の位置に通常表示され、左隣りの一萬牌がタッチ位置よりも上側の位置に拡大表示される。なお、タッチ位置が河エリアRVに移動すると、ガイド枠GFは強調表示される。
【0071】
ステップS24においてタッチ位置が移動したと判定されなかったときは、ステップS27に進み、タッチ操作が解除されたか否かをタッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。当該タッチ操作が解除されたと判定されなかったときはステップS24に戻る。一方、当該タッチ操作が解除されたと判定されたときは、ステップS28に進み、ガイド枠GFを非表示とする。
【0072】
ステップS29では、直前のタッチ位置は河エリアRV内の位置であるか否かを、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。直前のタッチ位置は河エリアRV内の位置であると判定されなかったときは、ステップS33で牌の拡大表示を終了し、その後にステップS15に戻る。この結果、拡大表示されていた牌は、元の位置に通常表示される。
【0073】
ステップS29において、直前のタッチ位置は河エリアRV内の位置であると判定されたときは、ステップS30に進み、直前にタッチされていた手牌を対象とする捨て牌を実行する。即ち、捨て牌は、いずれかの牌が拡大表示されている状態でタッチ位置を河エリアRVにスライドさせたときに実行される。ステップS31では、捨てられた手牌を河エリアRVに移動させて縮小表示する。ステップS31の処理が完了すると、ステップS32で処理の完了を管理者側プログラムに通知し、その後にステップS13に戻る。
【0074】
ステップS13において、自家の順番が到来したと判定されなかったときは、ステップS34に進み、他家が捨て牌を実行したか否かをステップS02の処理結果に基づいて判定する。なお、自家と上家との関係では、自家が牌をツモる順番が到来するのは、上家が捨て牌を実行した後である。このため、上家が捨て牌を実行した時点では、ステップS13からの移行先は、ステップS14ではなく、ステップS34となる。
【0075】
ステップS34において、他家が捨て牌を実行したと判定されなかったときは、ステップS13に戻り、他家が捨て牌を実行したと判定されたときは、ステップS35に進む。ステップS35では、当該捨て牌が自家にとっての上がり牌(即ち、ロンを宣言できる牌)であるか否かを、ステップS12、S14、S30の処理が行われた結果である現在の自家の手牌に基づいて判定する。当該捨て牌が上がり牌であると判定されたときはステップS40に進む。
【0076】
例えば、自家の手牌が1つの対子(雀頭)と3つの面子(順子または刻子)と両面塔子であり、当該捨て牌が当該両面塔子とともに順子を成立させる牌であれば、役が成立する。また、自家の手牌が6つの対子と1枚の牌とからなる13枚の牌であり、当該捨て牌が当該1枚の牌と同じ牌であれば、七対子が成立する。この場合、ステップS35からステップS40に進む。
【0077】
ステップS35において、当該捨て牌が上がり牌であると判定されなかったときは、ステップS36に進む。ステップS36では、当該捨て牌を鳴くことにより(即ち、カンを宣言することにより)自家の手牌において槓子(即ち大明槓)が成立可能であるか否かを、現在の自家の手牌に基づいて判定する。当該槓子が成立可能であると判定されたときは、当該捨て牌は鳴くことが可能な特定牌であるとみなして、ステップS40に進む。
【0078】
槓子とは、互いに同じ4枚の牌により成立する面子である。このため、ステップS36では、具体的には、当該捨て牌と同じ3枚の牌が自家の手牌に存在するか否かを判定する。例えば、自家の手牌が3枚の五筒牌を含んでいる状況で、他家が五筒牌を捨てた場合は、当該五筒牌を鳴くことにより、槓子が成立可能である。この場合、ステップS40に進む。なお、槓子を成立させると、三槓子や嶺上開花などの役の成立に関する有利度合いが高くなる。
【0079】
ステップS36において、槓子が成立可能であると判定されなかったときは、ステップS37に進む。ステップS37では、当該捨て牌を鳴くことにより(即ち、ポンを宣言することにより)自家の手牌において刻子が成立可能であるか否かを、現在の手牌に基づいて判定する。刻子が成立可能であると判定されたときは、当該捨て牌は鳴くことが可能な特定牌であるとみなして、ステップS39に進む。刻子とは、互いに同じ3枚の牌により成立する面子である。このため、例えば、2枚の白牌が自家の手牌に存在する状況で、他家が白牌を捨てた場合は、当該捨て牌を鳴くことにより、刻子が成立可能である。即ち、当該捨て牌を鳴くと、1つの面子が新たに成立する。このように1面子が成立する場合、ステップS39に進む。
【0080】
ステップS37において、刻子が成立可能であると判定されなかったときは、ステップS38に進む。ステップS38では、捨て牌を行った他家が上家に該当し、当該捨て牌を鳴くことにより(即ち、チーを宣言することにより)自家の手牌において順子が成立可能であるか否かを、現在の手牌に基づいて判定する。順子が成立可能であると判定されなかったときは、ステップS13に戻る。一方、順子が成立可能であると判定されたときは、当該捨て牌は鳴くことが可能な特定牌であるとみなして、ステップS39に進む。
【0081】
順子とは、同種の数牌であって番号が連続する3枚の数牌により成立する面子である。このため、例えば、三筒牌および四筒牌からなる両面塔子が自家の手牌に存在する状況で、上家が二筒牌または五筒牌を捨てた場合や、三筒牌および五筒牌からなる嵌張塔子が自家の手牌に存在する状況で、上家が四筒牌を捨てた場合は、当該捨て牌を鳴くことにより、順子が成立可能である。また、五筒牌と六筒牌と七筒牌とが1枚ずつ自家の手牌に存在しており、上家が四筒牌、五筒牌、六筒牌、七筒牌、または八筒牌を捨てた場合も、当該捨て牌を鳴くことにより、順子が成立可能である。このように1面子が成立する場合、ステップS39に進む。
【0082】
ステップS39では、当該捨て牌を鳴くことにより自家の手牌のシャンテン数がアップするか否かを判定する。当該シャンテン数がアップすると判定されなかったときはステップS13に戻り、当該シャンテン数がアップすると判定されたときはステップS40に進む。
【0083】
例えば、自家の手牌において対子が1つだけ成立している状況で、他家が当該対子をなす2つの牌と同じ牌を捨てた場合、当該捨て牌を鳴くと、雀頭が消滅して刻子が新たに成立する。即ち、当該捨て牌を鳴いてもシャンテン数はアップしない。この場合、ステップS13に戻る。
【0084】
これに対して、自家の手牌において複数の対子が成立している状況で、他家が当該複数の対子のうちのいずれかの対子をなす2つの牌と同じ牌を捨てた場合、当該捨て牌を鳴くと、雀頭が消滅しないまま刻子が新たに成立する。即ち、当該捨て牌を鳴くことにより、シャンテン数がアップする。この場合は、ステップS40に進む。
【0085】
また、自家の手牌において、五索牌と六索牌と七索牌とが1枚ずつ存在しているものの、他に索子牌が存在していない状況で、上家が四索牌、五索牌、六索牌、七索牌、または八索牌を捨てた場合、当該捨て牌を鳴いても、順子が増えることはなく、雀頭が新たに成立することもない。即ち、当該捨て牌を鳴いてもシャンテン数はアップしない。このような場合には、ステップS13に戻る。
【0086】
これに対して、自家の手牌において、1枚の五索牌と、1枚の六索牌と、2枚の七索牌(雀頭)とが存在しているものの、他に索子牌が存在していない状況で、上家が四索牌または七索牌を捨てた場合は、当該捨て牌を鳴くと、雀頭が消滅することなく、順子が新たに成立する。即ち、当該捨て牌を鳴くことにより、シャンテン数がアップする。この場合は、ステップS40に進む。
【0087】
また、2枚の五索牌と、2枚の六索牌と、1枚の七索牌とが自家の手牌に存在しており、上家が七索牌を捨てた場合は、当該捨て牌を鳴くと、既存の順子が消滅することなく、順子が新たに成立する。即ち、当該捨て牌を鳴くことにより、シャンテン数がアップする。このような場合には、ステップS40に進む。
【0088】
なお、カン、ポン、チーは、自家がリーチした後は宣言できないが、リーチしている状態で当該捨て牌を取り込むことにより槓子、刻子または順子が成立可能であっても、シャンテン数がアップすることはない。このため、リーチ状態であるか否かにかかわらず、ステップS39からステップS13に戻る。即ち、自家がリーチした状態では、ステップS39からステップS40に進むことはない。
【0089】
ステップS40では、自家の対局画面のうち河エリアRVと手牌エリアHAとの間に、図9に示す問合せ画面NS1を表示する。図9によれば、問合せ画面NS1は、「鳴く」ボタン(取込操作を受け付けるためのボタン)B1と「キャンセル」ボタンB2とによって構成される。
【0090】
なお、他家に対応するユーザ端末100の対局画面には、当該問合せ画面NS1は表示されない。また、当該問合せ画面NS1が自家の対局画面に表示される間、捨て牌画像は、自家の対局画面と、捨て牌を実行した他家の対局画面とには表示されるが、残る2人の他家の対局画面には表示されない。当該2人の他家の対局画面に当該捨て牌画像が表示されるのは、当該問合せ画面NS1に対する自家の操作が完了した後である。これにより、自家が捨て牌を鳴けることが当該2人の他家に知られてしまう懸念を軽減することができる。
【0091】
ステップS41では、自家により「キャンセル」ボタンB2がタッチされたか否かを、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。「キャンセル」ボタンB2がタッチされたと判定されたときは、ステップS42で問合せ画面NS1を非表示とし、その後にステップS13に戻る。一方、「キャンセル」ボタンB2がタッチされたと判定されなかったときは、ステップS43に進む。ステップS43では、自家により「鳴く」ボタンB1がタッチされたか否か(即ち、取込操作が行われたか否か)を、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいて判定する。
【0092】
「鳴く」ボタンB1がタッチされたと判定されなかったときは、ステップS41に戻る。一方、「鳴く」ボタンB1がタッチされたと判定されたときは、ステップS44に進んで問合せ画面NS1を非表示とする。ステップS45では、自家の手牌において役が成立したか否か(即ち、ロン上がりとなったか否か)をステップS35の処理結果に基づいて判定する。
【0093】
当該役が成立したと判定されたときは、ステップS48に進み、上がりを管理者側プログラムに通知する。操作キャラクタ用対局処理は、当該通知の後に終了する。一方、当該役が成立したと判定されなかったときは、ステップS46に進む。ステップS46では、当該捨て牌を自家の手牌に取り込み、当該捨て牌を含む面子を手牌エリアHAのうちの右上の位置に晒して表示する。ステップS47では、ステップS46の処理の完了を管理者側プログラムに通知する。この結果、他家の対局画面においても、当該面子が表示される。ステップS47の処理が完了すると、ステップS15に移行する。
【0094】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、自家の手牌の組合せとの関係において、他家の捨て牌が役の一部を構成し得る特定牌であることを条件として、当該特定牌を鳴くか否かを取り合わせるための問合せ画面NS1が、自家の対局画面に表示される。具体的には、他家の捨て牌が特定牌であっても、当該捨て牌を鳴く場合の役成立に関する有利度合いが当該捨て牌を鳴かない場合の役成立に関する有利度合いよりも高くならない状況(第1状況)であるときには、問合せ画面NS1は表示されない。換言すれば、当該捨て牌を鳴く場合の役成立に関する有利度合いが当該捨て牌を鳴かない場合の役成立に関する有利度合いよりも高くなる状況(第2状況)であるときには、問合せ画面NS1が表示される。当該問合せ画面NS1上の「鳴く」ボタンB1がユーザによりタッチされると、当該特定牌が自家の手牌の組合せに取り込まれる。
【0095】
鳴いても役成立に関する有利度合いが高くならない状況では問合せ画面NS1を非表示とすることにより、不要なユーザ操作を抑制しつつ麻雀ゲームの興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、複数種類の役は、所定条件を満たす牌の組合せ部を構成要素とする役を含み、特定牌は、自家の手牌の組合せとの関係において当該組合せ部を成立させる牌である。これを踏まえて、第1状況は、特定牌を鳴かないときよりも当該特定牌を鳴いたときの方が、シャンテン数がアップしない状況であり、第2状況は、特定牌を鳴かないときよりも当該特定牌を鳴いたときの方が、シャンテン数がアップする状況である。これにより、シャンテン数がアップしない不要なユーザ操作を要求してしまうことを防止でき、ひいては麻雀ゲームの興趣の低下を抑制することができる。
【0097】
さらに、本実施形態によれば、複数種類の役は、4組の面子と1組の雀頭とを形成する手牌の模様に基づいて成立し、特定牌は、自家の手牌の組合せとの関係において雀頭および面子のうちのいずれかを成立させる牌である。これを踏まえて、問合せ画面NS1を表示するか否かは、特定牌を鳴くことによる雀頭および面子の成立状況の変動に基づいて制御される。
【0098】
具体的には、特定牌を鳴くことにより、雀頭が不成立となって面子が成立する場合には、問合せ画面NS1は表示されない。また、特定牌を鳴いても、雀頭が成立することがなく、面子の数が増えることもない場合にも、問合せ画面NS1は表示されない。一方、特定牌を鳴くことにより、雀頭が不成立となることなく面子の数が増える場合には、問合せ画面NS1が表示される。これにより、不要なユーザ操作を抑制しつつ麻雀ゲームの興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
【0099】
<変形例>
以上説明した実施形態の変形例などを以下に列挙する。
【0100】
(1) 上記実施形態においては、手牌エリアHA内のいずれかの手牌をタッチし、タッチ位置を河エリアRVに移動させることにより、タッチされた手牌を対象とする捨て牌が実行される。しかし、このような処理により捨て牌を実行することに加えて、手牌エリアHA内のいずれかの手牌をフリックすることにより、当該手牌を対象とする捨て牌を実行するようにしてもよい。
【0101】
即ち、手牌エリアHA内のいずれかの手牌がフリックされた場合に、手牌エリアHA内の手牌のシャンテン数が、フリックされた手牌とは異なる手牌を捨てたときよりも、当該フリックされた手牌を捨てたときの方が低い特定状況となるか否かを判定し、当該特定状況となると判定されなかったときは、当該フリックされた手牌を対象とする捨て牌処理を実行する一方、当該特定状況となると判定されたときは、捨て牌を行ってもよいか否かを確認する画面を表示し、当該確認画面に対するユーザ操作に応じて捨て牌を実行するようにしてもよい。
【0102】
この結果、当該特定状況となると判定されなかったときは、ロングタップ等よりも簡易なタッチ操作(フリック操作)により捨て牌処理が実行され、操作性を向上させることができる。また、当該特定状況となると判定されたときは、確認画面が表示されるため、ユーザの誤操作により意図しない手牌が捨てられ、ユーザの意図しないゲーム展開となることを極力回避することができる。
【0103】
(2) 上記実施形態においては、特定牌を鳴いてもシャンテン数がアップしない状況では、当該特定牌がドラ牌(特別の識別情報)であるか否かにかかわらず、問合せ画面NS1は非表示とされる。しかし、当該特定牌がドラ牌であるときは、鳴いてもシャンテン数がアップしない状況においても、問合せ画面NS1を表示するようにしてもよい。この場合は、ステップS39でシャンテン数がアップすると判定されなかったときに移行するステップとして、当該特定牌(捨て牌)がドラ牌であるか否かを判定するステップを追加し、ドラ牌であると判定されたときはステップS40に進む一方、ドラ牌であると判定されなかったときはステップS13に戻るようにすればよい。
【0104】
(3) 上記実施形態においては、問合せ画面NS1が表示されたものの自ユーザが特定牌を鳴きたくない状況では、「キャンセル」ボタンB2のタッチを受け付けることにより、ステップS13に戻る。しかし、問合せ画面NS1に対して何の操作も行われない時間が所定時間に亘り継続した場合に、「キャンセル」ボタンB2のタッチを待つことなくステップS13に戻るようにしてもよい。
【0105】
(4) 上記実施形態においては、鳴くことによりシャンテン数がアップする状況では、問合せ画面NS1が表示されるに留まる。しかし、問合せ画面NS1の表示とともに、手牌のうち、鳴く対象である特定牌との組合せにより面子等を構成する牌を、他の牌と異なる態様で表示するようにしてもよい。これにより、手牌のうち特定牌と関係する牌を報知できるため、問合せ画面において鳴くか否かについて検討しやすくできる。
【0106】
(5) 上記実施形態においては、問合せに応じて鳴いた後においては、ユーザ自らが捨て牌を選定して捨て牌操作を行う必要がある。つまり、鳴いてから捨て牌までにおいて支援されることはない。しかし、鳴いた後の手牌の組合せのうち、捨て牌によりシャンテン数をダウンさせない牌を報知することにより、自家の捨て牌操作を支援するようにしてもよい。
【0107】
(6) 上記実施形態においては、対戦プレイモードが選択されると、自ユーザが操作するキャラクタは、3人の他ユーザがそれぞれ操作する3人のキャラクタとの間で対局を行う。しかし、他ユーザが3人揃わなかった場合には、不足する他ユーザのキャラクタの代わりにNPCが対局を行うようにしてもよい。即ち、対戦相手である3人のキャラクタの少なくとも1人は、NPCであってもよい。
【0108】
(7) 上記実施形態においては、対戦プレイモードが選択されると、各ユーザのユーザ端末100間の同期は、ゲームサーバ200を介して確立される。しかし、例えばローカルエリア・ネットワーク環境化では、ユーザ端末100同士で通信を行うことで、ユーザ端末100間の同期が確立するようにしてもよい。
【0109】
(8) 上記実施形態においては、縦長の対局画面をタッチスクリーン15に表示するようにしている。しかし、これに代えて横長の対局画面をタッチスクリーン15に表示したり、ユーザ端末100の姿勢に応じて対局画面の表示態様を縦長と横長との間で切り替えるようにしてもよい。
【0110】
(9) 上記実施形態においては、特定牌を鳴いてもシャンテン数がアップしない状況では問合せ画面NS1は非表示とされる。しかし、他家の捨て牌が特定牌であるときには常に問合せ画面NS1を表示する第1モードと、他家の捨て牌が特定牌であるときであっても第1状況であるときには問合せ画面NS1を表示せず、鳴くことによりシャンテン数が高くなる第2状況であるときにのみ問合せ画面NS1を表示する第2モードとを準備し、ユーザ設定により第1モードおよび第2モードのいずれかを選択できるようにしてもよい。これによって、ユーザの好みに合わせて対局を楽しむことができる。また、モードを変更する操作は、対局中に受け付けるようにしてもよい。これにより、対局の進行度合いに応じてユーザの好みのモードを選択することができる。
【0111】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0112】
(付記1):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、入力部、および表示部を備えるコンピュータ(図1のユーザ端末100)において実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザによって操作される操作キャラクタを含む複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームであり、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、予め定められた複数の識別情報(牌)のうちユーザが所有する識別情報(手牌)の組合せを表示する第1ステップ(S12、S14)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する第2ステップ(S15)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザが所有する識別情報の組合せから除外する第3ステップ(S30)と、他のキャラクタにより除外された除外識別情報(捨て牌)を表示する第4ステップ(S02)と、前記ユーザが所有する識別情報の組合せとの関係において前記除外識別情報が役の一部(面子)を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込むか否かを前記ユーザに問合せるための問合せ表示を実行する第5ステップ(S36~S40)と、前記問合せ表示に対して前記ユーザから取込操作(鳴く操作)を受付けることにより、前記除外識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込む第6ステップ(S46)とを実行させ、前記第5ステップは、前記除外識別情報が前記特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合い(シャンテン数)が当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況であるときには前記問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況であるときに前記問合せ表示を実行する。
【0113】
(付記2):
(付記1)において、前記複数種類の役は、所定条件を満たす識別情報の組合せ部(雀頭、面子)を構成要素とする役を含み、前記特定識別情報は、前記ユーザが所有する識別情報の組合せとの関係において、前記組合せ部を成立させる識別情報であり、前記第1状況は、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数(シャンテン数)が、前記除外識別情報を取り込んでも当該除外識別情報を取り込まないときよりも少なくならない状況であり、前記第2状況は、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数が、前記除外識別情報を取り込まないときよりも当該除外識別情報を取り込んだときの方が少なくなる状況である。
【0114】
(付記3):
(付記1)または(付記2)において、前記複数の識別情報は、前記ユーザが役を成立させることにより付与される特典を高くする特別識別情報(ドラ牌)を含み、前記第5ステップは、前記除外識別情報が前記特定識別情報であるが、当該除外識別情報を取り込んでも当該除外識別情報を取り込まなくても、前記役を成立させる識別情報の組合せとなるまでに要する識別情報数が同じとなる識別情報であっても、当該除外識別情報が前記特別識別情報であるときには、前記問合せ表示を実行する。
【0115】
(付記4):
(付記1)から(付記3)のいずれかにおいて、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、前記第5ステップにより前記問合せ表示が実行されているときに、前記ユーザが所有する識別情報のうち、前記除外識別情報と役の一部を構成し得る識別情報を報知する第6ステップを実行させる。
【0116】
(付記5):
(付記1)から(付記4)のいずれかにおいて、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、前記第5ステップにより前記問合せ表示に応じて前記除外識別情報を取り込んだときに、前記ユーザが所有する識別情報のうち除外することにより役成立に関する有利度合いを高める識別情報を報知する第7ステップを実行させる。
【0117】
(付記6):
(付記1)から(付記5)のいずれかにおいて、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、麻雀ゲームであり、前記複数種類の役は、4組の面子と1組の雀頭とを形成する手牌の模様に基づいて成立する役を含み、前記除外識別情報は、前記他のキャラクタにより捨てられた捨て牌であり、前記特定識別情報は、前記ユーザが所有する手牌の組合せとの関係において前記面子を成立させる特定牌であり、前記第5ステップは、前記特定牌を取り込むことによる前記雀頭および前記面子の成立状況の変動に基づいて、前記問合せ表示を実行するか否かを制御する。
【0118】
(付記7):
(付記6)において、前記第5ステップは、前記雀頭が成立しているときにおいて前記捨て牌を取り込むことにより、当該雀頭が不成立となって前記面子が成立する場合には、前記問合せ表示を実行しない。
【0119】
(付記8):
(付記6)または(付記7)において、前記第5のステップは、前記面子が成立しているときにおいて、前記捨て牌が当該面子に関連する牌である場合には、前記問合せ表示を実行しない。
【0120】
(付記9):
(付記6)から(付記8)のいずれかにおいて、前記第5ステップは、前記雀頭が成立しているときにおいて前記捨て牌を取り込むことにより、当該雀頭が不成立となることなく前記面子の数が増える場合には、前記問合せ表示を実行する。
【0121】
(付記10):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、および表示部を備えるコンピュータ(図1のユーザ端末100)により実行されるゲーム方法であって、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザによって操作される操作キャラクタを含む複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームであり、前記ゲーム方法は、前記コンピュータが、予め定められた複数の識別情報のうちユーザが所有する識別情報の組合せを表示する第1ステップ(S12、S14)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する第2ステップ(S15)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザが所有する識別情報の組合せから除外する第3ステップ(S30)と、他のキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する第4ステップ(S02)と、前記ユーザが所有する識別情報の組合せとの関係において前記除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込むか否かを前記ユーザに問合せるための問合せ表示を実行する第5ステップ(S36~S40)と、前記問合せ表示に対して前記ユーザから取込操作を受付けることにより、前記除外識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込む第6ステップ(S46)とを備え、前記第5ステップは、前記除外識別情報が前記特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況であるときには前記問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況であるときに前記問合せ表示を実行する。
【0122】
(付記11):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、情報処理装置(図1のユーザ端末100)であって、ゲームプログラムを記憶する記憶部(図2の120)と、前記ゲームプログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部(図2の110)とを備え、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザによって操作される操作キャラクタを含む複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームであり、前記制御部は、予め定められた複数の識別情報のうちユーザが所有する識別情報の組合せを表示する第1ステップ(S12、S14)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せに基づいて、予め定められた複数種類の役のうちから成立している役を特定する第2ステップ(S15)と、前記第1ステップにより表示された識別情報の組合せのうちユーザにより指定された識別情報を、ユーザが所有する識別情報の組合せから除外する第3ステップ(S30)と、他のキャラクタにより除外された除外識別情報を表示する第4ステップ(S02)と、前記ユーザが所有する識別情報の組合せとの関係において前記除外識別情報が役の一部を構成し得る識別情報である特定識別情報であることを条件として、当該特定識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込むか否かを前記ユーザに問合せるための問合せ表示を実行する第5ステップ(S36~S40)と、前記問合せ表示に対して前記ユーザから取込操作を受付けることにより、前記除外識別情報を前記ユーザが所有する識別情報の組合せに取り込む第6ステップ(S46)とを実行し、前記第5ステップは、前記除外識別情報が前記特定識別情報であっても、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くならない第1状況であるときには前記問合せ表示を実行せず、当該除外識別情報が取り込まれた識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いが当該除外識別情報を取り込まない識別情報の組合せに基づく役成立に関する有利度合いよりも高くなる第2状況であるときに前記問合せ表示を実行する。
【0123】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部110の制御ブロック(特に、作用受付部111、端末処理部112、タイマー部113、端末判定部114、表示制御部115、報酬計算部116、および送受信部117)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0124】
後者の場合、制御部110を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0125】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0126】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、100 ユーザ端末、110 制御部、111 作用受付部、112 端末処理部、113 タイマー部、114 端末判定部、115 表示制御部、116 報酬計算部、117 送受信部、120 記憶部、151 入力部、152 表示部、200 ゲームサーバ、210 制御部、211 送受信部、212 サーバ処理部、213 データ管理部、214 マッチング部、215 計測部、220 記憶部、301。

図1
図2
図3
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図5
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図9