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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】照明手摺
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
E04F11/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019113700
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020204236
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000110479
【氏名又は名称】ナカ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519223055
【氏名又は名称】有限会社シリウスライティングオフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(74)【代理人】
【氏名又は名称】川島 晃一
(72)【発明者】
【氏名】戸恒 浩人
(72)【発明者】
【氏名】津久井 隆
(72)【発明者】
【氏名】細谷 秀靖
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-149389(JP,A)
【文献】特開平09-282911(JP,A)
【文献】特開2018-066150(JP,A)
【文献】特開平10-097804(JP,A)
【文献】特開2019-2232(JP,A)
【文献】特開2013-53476(JP,A)
【文献】実開昭57-33844(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開口する凹部が長手通しに設けられた手摺笠木と、前記手摺笠木の凹部内に複数のLED光源が並列に配置されたLEDモジュールと、前記凹部の開口部に配置された帯板状の照明カバーとを備えた照明手摺であって、
前記照明カバーは、光透過層と遮光層とが前記開口部の長手方向または幅方向に交互に繰り返し配置されたルーバー部を備え
前記ルーバー部は、前記光透過層と前記遮光層とが前記開口部の長手方向に交互に配置されると共に、前記遮光層が前記開口部の長手方向に対して略直交に配置されていることを特徴とする照明手摺。
【請求項2】
前記照明手摺は階段に設置され、
前記LEDモジュールの隣り合う前記LED光源は、これらを通る仮想鉛直面に対して、当該LED光源の出射光軸が前記階段の踏面側に向かうように傾いて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明手摺。
【請求項3】
下方に開口する凹部が長手通しに設けられた手摺笠木と、前記手摺笠木の凹部内に複数のLED光源が並列に配置されたLEDモジュールと、前記凹部の開口部に配置された帯板状の照明カバーとを備えた照明手摺であって、
前記照明手摺は階上廊下の光透過性を有する壁面にブラケットにより設置され、
前記LEDモジュールの隣り合う前記LED光源は、これらを通る仮想鉛直面に対して、当該LED光源の出射光軸が前記階上廊下の床面側に向かうように前記壁面側に傾いて配置され、
前記照明カバーは、光透過層と遮光層とが前記開口部の長手方向または幅方向に交互に繰り返し配置されたルーバー部を備え、
前記ルーバー部は、前記光透過層と前記遮光層とが前記開口部の幅方向に交互に配置されると共に、前記遮光層が前記開口部の長手方向に対して略平行に配置され、
前記ルーバー部の遮光層は、隣り合う前記LED光源を通る仮想鉛直面に対して傾くように配置され、
前記遮光層と前記LED光源の出射光軸とが略平行となっていることを特徴とする照明手摺。
【請求項4】
前記手摺笠木の前記凹部内に固定されるレール部材と、前記レール部材に保持されるハウジングとを備え、
前記ハウジングは、前記LEDモジュールを収容するLEDモジュール保持部と、前記照明カバーにより閉塞される投光用開口部とを備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階段や通路等に設置される手摺笠木に照明を組み込んだ照明手摺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、階段や通路等に設置される手摺において、照明を手摺笠木に組み込んだ照明手摺が広く知られている。この種の照明手摺として、下方に開口する凹部を長手通しに有する手すり本体(手摺笠木)と、凹部内に配置された複数の発光ダイオード(LED光源)と、凹部の開口部に配置された光透過性部材(照明カバー)とを備えた照明手摺が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3202849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明手摺を階段に設置した場合、LED光源の指向性が強いことから、通行人が階下から階上を見上げた際に、LED光源の光が目に入って眩しさを感じることがあった。
しかし、LED光源の眩しさを軽減するために、照明手摺のLED光源の輝度を下げると、照明として十分な明るさを確保できない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、階段、傾斜路、吹き抜けなど高低差のある場所に設置した場合に、通行人が低地から見上げた際にLED光源の眩しさを防止すると共に、十分な明るさで照明することができる照明手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、下方に開口する凹部が長手通しに設けられた手摺笠木と、前記手摺笠木の凹部内に複数のLED光源が並列に配置されたLEDモジュールと、前記凹部の開口部に配置された帯板状の照明カバーとを備えた照明手摺であって、前記照明カバーは、光透過層と遮光層とが前記開口部の長手方向または幅方向に交互に繰り返し配置されたルーバー部を備えていること、を特徴とする。
第1の特徴によれば、光透過層と遮光層とが交互に積層されたルーバー部により光の出射方向が制限されるため、視野範囲外から手摺笠木の開口部を見たときはLED光源の光が直接目に入らず、通行人が感じる不快な眩しさを防止することができ、加えて、視野範囲では十分な明るさで照明することができる。
【0007】
本発明の第2の特徴は、前記照明手摺は階段に設置され、前記LEDモジュールの隣り合う前記LED光源は、これらを通る仮想鉛直面に対して、当該LED光源の出射光軸が前記階段の踏面側に向かうように傾いて配置されていること、を特徴とする。
第2の特徴によれば、階段の踏面にLED光源の出射光軸を向けることで、十分な明るさで照明することができる。
【0008】
本発明の第3の特徴は、前記ルーバー部は、前記光透過層と前記遮光層とが前記開口部の長手方向に交互に配置されると共に、前記遮光層が前記開口部の長手方向に対して略直交に配置されていること、を特徴する。
第3の特徴によれば、開口部の長手方向に対して直交に配置された遮光層により、照明カバーから手摺笠木の長手方向に出射する光が遮蔽されるため、通行人が照明手摺を低位置から見上げた際に、LED光源の光が直接目に入るのを防止することができる。具体例としては、第3の特徴を備えた本発明は、階段、傾斜路など高低差のある場所に設置されると、より効果的である。
本発明の第4の特徴は、前記照明手摺は階上廊下の光透過性を有する壁面にブラケットによりに設置され、前記LEDモジュールの隣り合う前記LED光源は、これらを通る仮想鉛直面に対して、当該LED光源の出射光軸が前記階上廊下の床面側に向かうように前記壁面側に傾いて配置されていること、を特徴とする。
第4の特徴によれば、廊下の床面にLED光源の出射光軸を向けることで、十分な明るさで照明することができる。
【0009】
本発明の第の特徴は、前記ルーバー部は、前記光透過層と前記遮光層とが前記開口部の幅方向に交互に配置されると共に、前記遮光層が前記開口部の長手方向に対して平行に配置されていること、を特徴する。
の特徴によれば、開口部の長手方向に対して平行に配置された遮光層により、照明カバーから手摺笠木の幅方向に出射する光が遮蔽されるため、通行人が照明手摺を低位置から見上げた際に、LED光源の光が直接目に入ることを防止できる。具体例としては、第の特徴を備えた本発明は、階段、傾斜路、吹き抜けなど高低差のある場所において光透過性を有する壁面(例えば、ガラス壁等)に設置されると、より効果的である。
【0010】
本発明の第の特徴は、前記第の特徴に加え、前記ルーバー部の遮光層は、隣り合う前記LED光源を通る仮想鉛直面に対して傾くように配置されていること、を特徴とする。
の特徴によれば、LED光源の光を階段の踏面や廊下の床面に向けることができるため、通行人が照明手摺を低位置から見上げた際に、LED光源の光が直接目に入ることをより効果的に防止できる。
【0011】
本発明の第7の特徴は、前記第6の特徴に加え、前記遮光層の傾斜方向と前記LED光源素子の発光軸とが略平行となっていること、を特徴とする。
第7の特徴によれば、照明カバーにおいてLED光源の光が透過する視野範囲を制限しつつ、視野範囲では、LED光源からの光を遮光層で遮ることなく効率よく透過することができ、より明るく照らすことができる。
本発明の第8の特徴は、前記手摺笠木の前記凹部内に固定されるレール部材と、前記レール部材に保持されるハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記LEDモジュールを収容するLEDモジュール保持部と、前記照明カバーにより閉塞される投光用開口部とを備えていること、を特徴とする。
【0012】
本発明は、前記LED光源と前記照明カバーとの間に光拡散板を設けてもよい。
これによれば、光拡散板によりLED光源からの光が拡散される結果、光が面状に広がり拡散されるため、照明カバーにおいて複数のLED光源の光が点々と見えることを軽減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、階段、傾斜路、吹き抜けなど高低差のある場所に設置した場合に、通行人が低地から見上げた際にLED光源の眩しさを防止すると共に、十分な明るさで照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る照明手摺の第1例及び第2例の設置状態を示す全体斜視図である。
図2】第1例の照明手摺が階段及び階上廊下に設置された状態を示す斜視図である。
図3】第1例の照明手摺を示す断面斜視図である。
図4】第1例の照明手摺の分解斜視図である。
図5】第1例の照明手摺の断面説明図である。
図6】(a)は第1例の照明手摺の下面図であり、(b)はb-b線断面図である。
図7】第2例の照明手摺がガラス壁に設置された状態を示す斜視図である。
図8】第2例の照明手摺の断面説明図である。
図9】第2例の照明カバーの拡大断面図である。
【0015】
以下、本発明に係る照明手摺を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、第1例の照明手摺10は、階段及び階上廊下の壁面W1に設置されており、また、第2例の照明手摺100は、階上廊下の光透過性を有するガラスフェンスG及び壁面W2に設置されている。
【0016】
先ずは、本発明の実施形態の第1例について、図2から図6を参照して説明する。
図2に示すように、第1例の照明手摺10は、壁面W1に所定の間隔をおいて取り付けられるブラケット20に支持され、階段及び階上廊下の壁面W1に固定される。図3に示すように、ブラケット20は2本の棒体をL字状に連結した形状であり、ビス等により壁面W1に固定される。ブラケット20の上端に支持部材21が連結され、この支持部材21の上にネジ等によって手摺笠木30が固定される。
【0017】
図4に示すように、照明手摺10は、下方に開口する凹部31が長手通しに設けられた手摺笠木30と、LEDモジュール40を有する照明ユニット50とを備えている。
手摺笠木30は、ステンレス等の金属板の折り曲げ加工により、下方に開口した凹部31を有する略筒状に形成されている。
図4に示すように、照明ユニット50は、LEDモジュール40と、LEDモジュール40及び電気ケーブル51を収容するハウジング60と、ハウジング60の投光用開口部69を閉塞する照明カバー80を備えている。
【0018】
LEDモジュール40は、適宜間隔で複数のLED光源41を並列に実装した帯状のプリント基板42を透明の軟質合成樹脂製の収容チューブ43内に収容して形成されている。
図4に示すように、プリント基板42の長手方向一端側には、陽極側および陰極側の2本のリード線52がプリント基板42にプリントされる電気回路に接続されてプリント基板42から引き出され、これらのリード線52を給電用の電気ケーブル51に結線させることによりLED光源41に給電できるようになっている。
なお、LED光源41の配置間隔は光量等を考慮して適宜決定される。
【0019】
ハウジング60は、アルミニウム等の金属の押出成形により形成されている。ハウジング60は、図5に示すように、LEDモジュール40を保持するLEDモジュール保持部61と、電気ケーブル51を保持するケーブル保持部62と、照明カバー80及び光拡散板90が設けられる一対のガイド壁63と、係止爪64を有する一対の係止片65とで構成されている。
【0020】
手摺笠木30の凹部31の天井壁には、長尺のレール部材66がネジで固定されている。レール部材66は、両端に一対の弾性係止片67が設けられており、弾性係止片67とハウジング60の係止爪64とが弾性嵌合してハウジング60がレール部材66に保持されている。
【0021】
一対のガイド壁65の下端には、それぞれ鍔部68が形成されており、一対の鍔部68の間が投光用開口部69となっている。投光用開口部69は、一対の鍔部68に保持される照明カバー80により閉塞される。そして、照明カバー80と一対の鍔部68により凹部31の開口部32が閉塞される。
【0022】
図5に示すように、隣り合うLED光源41は、これらを通る仮想鉛直面Sに対して、LED光源41の出射光軸P(出射光量が最大となる光軸)が傾くように配置される。第1例では、LED光源41の出射光軸Pは、階段の踏面や廊下の床面に向かうように、仮想鉛直面Sを基準に壁面W1側に傾いている。
【0023】
照明カバー80は、帯板状に形成されている。また、照明カバー80には、入射したLED光源41の光に対し、出射方向を制限しつつ透過させるルーバー部81が設けられている。照明カバー80は、ハウジング60における一対のガイド壁65に形成された照明カバー装着溝70に装着されている。
【0024】
図6(b)に示すように、ルーバー部81は、LED光源41の光を透過させる光透過層82とLED光源41の光を遮蔽する遮光層83とを備えている。第1例では、光透過層82と遮光層83とが笠木本体30の開口部32の長手方向に交互に配置されると共に、遮光層83が開口部32の長手方向に対して略直交に配置されている。光透過層82は、透明なシリコーンゴム組成物で形成される。また、遮光層83は、シリコーンゴム組成物に、黒、青、緑、赤などの色彩が着色されることにより形成される。
ルーバー部81の厚み(図6(b)の左右方向)は、0.1~2.5mm程度が好ましい。 光透過層82の厚み(図6(b)の上下方向)は、0.05mm~0.3mm程度が好ましく、遮光層83の厚み(図6(b)の上下方向)は、0.005mm~0.05mm程度が好ましい。
【0025】
ルーバー部81の表裏(図6(b)の左右側)には、耐熱性を有する高透明なプラスチックフィルム84(例えば、ポリカーボネート等)が貼り付けられている。第1例では、プラスチックフィルム84に対して光透過層82と遮光層83とが垂直となるように配置されている。プラスチックフィルム84の厚みは、0.01mm~0.5mm程度が好ましい。
【0026】
LEDモジュール40と照明カバー80との間には、LED光源41からの光を拡散させて透過させる光拡散板90が設けられている。光拡散板90は、一対のガイド壁65に形成された光拡散板装着溝71に装着されている。
【0027】
次に、上述した第1例の照明手摺10を壁面W1に取り付ける方法について説明する。
まず、施工現場において、ブラケット20間の間隔に合わせて照明ユニット40、レール部材66、照明カバー80、光拡散板90を切断し、また、電気ケーブル51を手摺笠木30の全長よりやや長くなる程度に切断する。
【0028】
そして、LEDモジュール40をハウジング60のLEDモジュール保持部61に固定し、照明カバー80をガイド壁63の照明カバー装着溝70に挿入し、光拡散板90を光拡散板装着溝71に挿入する。そして、電気用ケーブル51をケーブル保持部62に収容する。
【0029】
次に、手摺笠木30の凹部31の天井壁に、レール部材66をネジで固定し、LEDモジュール40等を収容したハウジング60を凹部31内に挿入し、レール部材66の弾性係止片67とハウジング60の係止爪64とを弾性嵌合させ、レール部材66にハウジング60を保持させる。このとき、LED光源41の出射光軸Pが階段の踏面や廊下の床面となるようにハウジング60を取り付ける。
【0030】
そして、連結補助部材91をハウジング60,60間の凹部31内に挿入し、ネジ等により支持部材21を介して手摺笠木30をブラケット20に固定する。
最後に、電気ケーブル51の両端を適宜の穴を通して壁面W1の内側に引き出すなどし、電源制御部を介して商用電源やバッテリーに接続すれば、照明手摺10が完成する。
【0031】
上述した第1例の照明手摺10によれば、照明カバー80のルーバー部81は、光透過層82と遮光層83とが開口部32の長手方向に交互に配置されると共に、遮光層83が開口部32の長手方向に対して略直交に配置されているので、遮光層83により照明カバー80から手摺笠木30の長手方向に出射する光が遮蔽される。これにより、照明手摺10を階段に設置した場合に、通行人が階下側から階上を見上げた際に、階上側のLED光源41の光が通行人の目に直接入ることを防止でき、通行人が感じる不快な眩しさを防止することができる。
【0032】
また、照明手摺10をブラケット20により壁面W1に取り付けたとき、LED光源41の出射光軸Pが、階段の踏面や廊下の床面に向かうように、仮想鉛直面Sを基準に壁面W1側に傾いているので、階段の踏面や廊下の床面を十分な明るさで照明することができる。
さらに、LEDモジュール40と照明カバー80との間に光拡散板90を設けたので、光拡散板90によりLED光源41からの光が拡散されるため、照明カバー80において複数のLED光源41の光が点々と見えることを軽減できる。
【0033】
次に、本発明の実施形態の第2例について、図7から図9を参照して説明する。
第2例の照明手摺100は、第1例の照明手摺10と照明カバー80のみが相違し、その他については同一の構成である。以下、第2例について、第1例と同一の構成については、その詳細は第1例の説明を援用する。
第2例の照明カバー110は、図8及び図9に示すように、第2例のルーバー部111は、光透過層112と遮光層113とが手摺笠木30の開口部32の幅方向に交互に配置されると共に、遮光層113が開口部32の長手方向に対して略平行に配置されている。
ルーバー部111の厚み(図9の上下方向)は、0.1~2.5mm程度が好ましい。 光透過層112の厚み(図9の左右方向)は、0.05mm~0.3mm程度が好ましく、遮光層113の厚み(図9の左右方向)は、0.005mm~0.05mm程度が好ましい。
【0034】
ルーバー部111の表裏(図9の上下側)は、耐熱性を有する高透明なプラスチックフィルム114(例えば、ポリカーボネート等)が貼り付けられている。
第2例では、図8及び図9に示すように、ルーバー部111の遮光層113は、隣り合うLED光源41を通る仮想鉛直面Sに対して傾くように配置されており、遮光層113とLED光源41の出射光軸Pとが略平行となっている。即ち、第2例においては、図9に示すように、光透過層112と遮光層113とが、LED光源41の出射光軸Pと略平行となっている。
【0035】
第2例の照明手摺100によれば、照明カバー100のルーバー部111は、光透過層112と遮光層113とが開口部32の幅方向に交互に配置されると共に、遮光層113が開口部32の長手方向に対して略平行に配置されているので、遮光層113により照明カバー110から手摺笠木30の幅方向に出射する光が遮蔽される。また、照明カバー110は、隣り合うLED光源41を通る仮想鉛直面Sを基準に、遮光層113がガラスフェンスG側に傾いているので、照明カバー110からガラスフェンスG方向に出射する光が遮蔽される。これにより、第2例のように照明手摺100を階上廊下のガラスフェンスGに設置した場合に、階下の通行人が階上を見上げた際に、ガラスフェンスG越しにLED光源41の光が通行人の目に直接入るのを防止することができる。
【0036】
また、第2例によれば、照明手摺100をブラケット20によりガラスフェンスGや壁面W2に取り付けたとき、LED光源41は、出射光軸Pが仮想鉛直面Sを基準にガラスフェンスG側に傾いて配置されており、ルーバー部111は、遮光層113が出射光軸Pと略平行に配置されている。これにより、LED光源41の光を効率よく階上廊下の床面に向けて出射させて、より明るく照らすことができる。
【0037】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜の変更が可能である。
本実施形態では、ブラケット20を利用して照明手摺10,100を壁面等に取り付ける場合を示したが、階段や傾斜路等に複数の手摺支柱を立設し、これらの手摺支柱に照明手摺10,100を架設することも可能である。この場合には、電気ケーブル51を手摺支柱を介して階段の下方のスペースなどに引き出した上で、商用電源等に接続すればよい。また、本実施形態では、ハウジング60とレール部材66が別体となっているが、ハウジングとレール部材とを一体に成形してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、階段、傾斜路、吹き抜け等に設置される照明手摺に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
10,100 照明手摺
20 ブラケット
21 支持部材
30 手摺笠木
31 凹部
32 開口部
40 LEDモジュール
41 LED光源
42 プリント基板
43 収容チューブ
50 照明ユニット
51 電気ケーブル
52 リード線
60 ハウジング
61 LEDモジュール保持部
62 ケーブル保持部
63 ガイド壁
64 係止爪
65 係止片
66 レール部材
67 弾性係止片
68 鍔部
69 投光用開口部
70 照明カバー装着溝
71 光拡散板装着溝
80,110 照明カバー
81,111 ルーバー部
82,112 光透過層
83,113 遮光層
84,114 プラスチックフィルム
90 光拡散板
91 連結補助部材
W1,W2 壁面
G ガラスフェンス
P 出射光軸
S 仮想鉛直面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9