(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】薄膜型太陽電池
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0468 20140101AFI20230417BHJP
【FI】
H01L31/04 532C
(21)【出願番号】P 2019569326
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(86)【国際出願番号】 KR2018007831
(87)【国際公開番号】W WO2019013537
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】10-2017-0087563
(32)【優先日】2017-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒュン キョ
(72)【発明者】
【氏名】キム トク ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】マ チャン ス
(72)【発明者】
【氏名】ミン ギョン イン
(72)【発明者】
【氏名】パク チャン ギュン
(72)【発明者】
【氏名】リ ユン ギュン
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-154713(JP,A)
【文献】特開2002-343998(JP,A)
【文献】特開2015-207607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0137210(US,A1)
【文献】特開2010-272871(JP,A)
【文献】特開2011-243850(JP,A)
【文献】特表2005-530069(JP,A)
【文献】特表2017-503346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0017280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で互いに直列に接続している複数の単位セル、および
前記複数の単位セル内に備えられた光透過部を含み、
前記光透過部が、少なくとも一つの断絶部を有する不連続的な直線構造からなり、
前記光透過部が、前記少なくとも一つの断絶部を間に置いて離隔した複数の連続領域に複数の直線として備えられ、前記複数の連続領域には、複数のドットパターンが互いに重なり、
前記光透過部は、所定の方向に互いに離隔した第1光透過部及び第2光透過部を含み、
前記第1光透過部の前記少なくとも一つの断絶部が、第1断絶部及び第2断絶部を含み、
前記第
1光透過部の前記複数の連続領域は、前記第1断絶部を間に置いて離隔した第1連続領域及び第2連続領域、前記第2断絶部を間に置いて離隔した前記第2連続領域及び第3連続領域を含み、
前記第1断絶部の長さが、前記第2断絶部の長さと異なり、
前記第2光透過部の前記少なくとも一つの断絶部が、第3断絶部を含み、
前記第2光透過部の前記複数の連続領域が、前
記第3断絶部を間において隔絶した第4連続領域及び第5連続領域を含み、
前記所定の方向について、前記第1断絶部の全体が前記第5連続領域と重なり、
前記第3断絶部の全体が前記第1連続領域と重なる、
薄膜型太陽電池。
【請求項2】
前記第1連続領域、前記第2連続領域、及び前記第3連続領域の中の少なくとも2つの連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数が、互いに異なる請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項3】
前記第1光透過部のパターンは、前記第2光透過部のパターンと異なる請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項4】
前記第1光透過部の断絶部は、前記第2光透過部の断絶部と重ならないように備えられている請求項3に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項5】
前記第1光透過部の断絶部の長さは、前記第2光透過部の断絶部の長さと異なる請求項3に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項6】
前記第1光透過部の連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数は、前記第2光透過部の連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数と異なる請求項3に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項7】
前記基板上で前記複数の単位セル間を分離するように第1方向に配列された複数の分離部を含み、
前記光透過部は、前記複数の分離部と交差するように第2方向に配列され、前記複数の分離部とともに活性領域を画定し、
前記光透過部のそれぞれの前記断絶部は、前記活性領域の境界に設けられている、請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項8】
前記活性領域が、第1活性領域および第2活性領域を含み、
前記第1活性領域に備えられた前記断絶部と前記第2活性領域に備えられた前記断絶部は互いに非対称に設けられている請求項7に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項9】
前記基板上に第1電極、半導体層、及び第2電極が備えられていて、
前記光透過部が、前記半導体層と前記第2電極の所定領域が除去された構造からなる請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜型太陽電池に関するものであり、より詳細には、シースルー(see-through)構造を有する薄膜型太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体の性質を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換させる装置である。
【0003】
太陽電池は、P(positive)型半導体とN(negative)型半導体を接合させたPN接合構造をしている。このような構造の太陽電池に太陽光が入射すると、入射した太陽光エネルギーにより前記半導体内で正孔(hole)と電子(electron)が発生する。ここで、前記PN接合で発生した電界によって前記正孔(+)は、P型半導体の方に移動して前記電子(-)は、N型半導体の方に移動するようになって電位が発生し、それによって電力を生産できるようになる。
【0004】
前記太陽電池は、薄膜型太陽電池(Thin film type solar cell)とウェハ型太陽電池(Wafer type solar cell)に区分することができる。
【0005】
前記薄膜型太陽電池は、ガラスなどの基板上に薄膜形態で半導体を形成して製造されたものであり、前記ウェハ型太陽電池は、シリコンウエハ自体を基板に用いて製造されたものである。
【0006】
前記ウェハ型太陽電池は、前記薄膜型太陽電池に比べて効率が優れているが、工程上、厚さを最小化するには限界があり、高価な半導体基板を利用するため、製造費用が上昇する欠点がある。
【0007】
前記薄膜型太陽電池は、シースルー(see-through)形態の光透過領域の確保が可能であるため、建築物の窓ガラスまたは車両のサンルーフなどに容易に適用することができる。
【0008】
以下、図を参照して従来のシースルー形態の薄膜型太陽電池について説明することにする。
【0009】
図1aは、従来のシースルータイプの薄膜型太陽電池の概略的な平面図であり、
図1bは、
図1aのA-B線の断面図である。
【0010】
図1aから分かるように、基板10上に第1単位セル(U1)、第2単位セル(U2)、第3単位セル(U3)及び第4単位セル(U4)のような複数の単位セル(U1、U2、U3、U4)が備えられている。
【0011】
前記複数の単位セル(U1、U2、U3、U4)は、第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)によって直列に接続している。前記第1分離部(P1)と前記第2分離部(P3)は、隣接する単位セル(U1、U2、U3、U4)間の前面電極と背面電極をそれぞれ分離する役割をし、前記コンタクト部(P2)は、隣接する単位セル(U1、U2、U3、U4)間を直列に接続する役割をする。このような第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)の1セットは、互いに隣接する単位セル(U1、U2、U3、U4)間で互いに同じ方向、例として縦方向に配列されている。
【0012】
前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)と交差する方向、例として横方向に複数の光透過部(T)が配列されている。前記光透過部(T)を介して光が透過することができ、薄膜型太陽電池がシースルー形態を有するようになる。
【0013】
図1bから分かるように、基板10上に複数の前面電極20が形成されていて、前記複数の前面電極20上に複数の半導体層30が形成されていて、前記複数の半導体層30上に複数の背面電極40が形成されている。
【0014】
前記複数の前面電極20は、前記第1分離部(P1)を間に置いて、それぞれの単位セル(U1、U2、U3)に形成されている。
【0015】
前記複数の半導体層30は、前記のコンタクト部(P2)及び前記第2分離部(P3)を間に置いて、それぞれの単位セル(U1、U2、U3)に形成されている。
【0016】
前記複数の背面電極40は、前記第2分離部(P3)を間に置いて、それぞれの単位セル(U1、U2、U3)に形成されている。
【0017】
互いに隣接する単位セル(U1、U2、U3)間で、いずれか一つの単位セル(U1、U2)内の背面電極40は、その隣接する単位セル(U2、U3)内の前面電極20と前記コンタクト部(P2)を介して接続し、それによって複数の単位セル(U1、U2、U3)が直列に接続する。
【0018】
それぞれの単位セル(U1、U2、U3)内には、光透過部(T)が備えられている。参考に、
図1bには、第2単位セル(U2)に前記光透過部(T)を備えた様子のみを示している。
【0019】
前記光透過部(T)は、前記半導体層30及び前記背面電極40の所定領域を除去して形成され、それによって、光が前記光透過部(T)を介して透過することができる。前記光透過部(T)領域には、前記基板10と前記前面電極20も形成されているが、前記基板10と前記前面電極20は、透明な材料からなることによって、前記光透過部(T)領域で光を透過させることができる。
【0020】
このような従来の薄膜型太陽電池は、光透過部(T)領域でモアレ(Moire)現象のような縞模様が形成されて事物が歪曲して見えるという問題がある。
【0021】
前記光透過部(T)は、一般的に、レーザー加工を介して前記半導体層30及び前記背面電極40の所定領域を除去して形成され、それによって前記光透過部(T)は、微細なドットパターン(dot pattern)が連続して成り立つ。ここで、前記微細なドットパターンからなる光透過部(T)を介して光が透過するとき、前記ドットパターンを通過する光が、互いに波長の干渉を引き起こして前記モアレ現象のような縞模様を形成し、それによって前記光透過部(T)を介して見える事物が歪曲されることで薄膜型太陽電池の視認性が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前述した従来の薄膜型太陽電池の問題点を解決するために考え出されたものであり、本発明は、光透過部の領域でモアレ現象のような縞模様が形成される問題を解消することにより、視認性が向上した薄膜型太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成するために、本発明は、基板上で互いに直列に接続している複数の単位セル;および前記複数の単位セル内に備えられた光透過部を含み、前記光透過部は、少なくとも一つの断絶部を有する不連続的な直線構造からなる薄膜型太陽電池を提供する。
【0024】
前記光透過部は、前記断絶部を間に置いて離隔した複数の連続領域に備えられ、前記複数の連続領域では、複数のドットパターンが互いに重なることができる。
【0025】
前記断絶部は、第1断絶部及び第2断絶部を含み、前記連続領域は、前記第1断絶部を間に置いて離隔した第1連続領域及び第2連続領域、前記第2断絶部を間に置いて離隔した前記第2連続領域及び第3連続領域を含み得る。
【0026】
前記第1断絶部の長さは、前記第2断絶部の長さと異なり得る。
【0027】
前記第1連続領域、前記第2連続領域、及び前記第3連続領域の中で少なくとも2つの連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数は、互いに異なり得る。
【0028】
前記光透過部は、所定方向に互いに離隔した第1光透過部および第2光透過部を含み、前記第1光透過部のパターンは、前記第2光透過部のパターンと異なり得る。
【0029】
前記第1光透過部および第2光透過部のそれぞれは、前記断絶部を間に置いて離隔した複数の連続領域に備えられていて、前記第1光透過部の断絶部は、前記第2光透過部の断絶部と重ならないように備えることができる。
【0030】
前記第1光透過部および第2光透過部のそれぞれは、前記断絶部を間に置いて離隔した複数の連続領域に備えられていて、前記第1光透過部の断絶部の長さは、前記第2光透過部の断絶部の長さと異なり得る。
【0031】
前記第1光透過部および第2光透過部のそれぞれは、前記断絶部を間に置いて離隔した複数の連続領域に備えられていて、前記第1光透過部の連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数は、前記第2光透過部の連続領域内に備えられた前記複数のドットパターンの数と異なり得る。
【0032】
本発明は、また、基板上で複数の単位セル間を分離するように第1方向に配列された複数の分離部;及び前記複数の分離部と交差するように第2方向に配列され、前記複数の分離部とともに活性領域を画定する複数の光透過部を含み、前記活性領域の境界には、前記光透過部の断絶部が設けられている薄膜型太陽電池を提供する。
【0033】
前記複数の光透過部は、互いに離隔している第1光透過部および第2光透過部を含み、前記断絶部は、前記第1光透過部の第1断絶部及び前記第2光透過部の第2断絶部を含み得る。
【0034】
前記第1光透過部のパターンは、前記第2光透過部のパターンと異なり得る。
【0035】
前記第1断絶部と前記第2断絶部は、互いに重ならないように備えられ得る。
【0036】
前記活性領域は、第1活性領域および第2活性領域を含み、前記第1活性領域に備えられた前記断絶部と前記第2活性領域に備えられた前記断絶部は、互いに非対称に設けられ得る。
【0037】
前記基板上には、第1電極、半導体層、及び第2電極が備えられていて、前記光透過部は、前記半導体層および前記第2電極の所定領域が除去された構造からなり得る。
【発明の効果】
【0038】
以上のような本発明によれば、次のような効果がある。
【0039】
本発明の一実施例によると、光透過部が不連続に形成されることにより、複数のドットパターンからなる光透過部の繰り返し特性が緩和され得、それによって、光が前記光透過部を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生するという問題が効果的に解消され得る。
【0040】
本発明の他の実施例によると、第1断絶部の長さを第2断絶部の長さと異なって形成することにより、複数のドットパターンからなる光透過部の繰り返し特性がより緩和され得、それによって、光が前記光透過部を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0041】
本発明のまた他の実施例によると、光透過部を含む複数の連続領域の中の少なくとも2つの連続領域でレーザースポット(LS)の数またはドットパターンの数を互いに異なるように形成することにより、複数のドットパターンからなる光透過部の繰り返し特性がより緩和され得、それによって、光が前記光透過部を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0042】
本発明のまた他の実施例によると、第1光透過部の断絶部が第2光透過部の断絶部と重ならないように形成することにより、複数のドットパターンからなる光透過部の繰り返し特性がより緩和され得、それによって、光が前記光透過部を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1A】従来のシースルータイプの薄膜型太陽電池の概略的な平面図である。
【
図2A】本発明の一実施例に係るシースルータイプの薄膜型太陽電池の概略的な平面図である。
【
図3】本発明の一実施例による光透過部(T)を示すものである。
【
図4】本発明の他の実施例による光透過部(T)を示すものである。
【
図5】本発明のまた他の実施例による光透過部(T)を示すものである。
【
図6】本発明のまた他の実施例による光透過部(T)を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ画定される。
【0045】
本発明の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する詳細な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合は、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特別な明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0046】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0047】
位置関係の説明である場合には、例えば、「~の上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~の隣に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0048】
時間の関係に対する説明である場合には、例えば、「~の後」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、連続していない場合も含むことができる。
【0049】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
【0050】
本発明の複数の実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに独立して実施可能であり得、関連の関係で一緒に実施することもできる。
【0051】
以下、図を参照して、本発明の好ましい実施例について詳細に説明することにする。
【0052】
図2aは、本発明の一実施例に係るシースルータイプの薄膜型太陽電池の概略的な平面図であり、
図2bは、
図2aのA-B線の断面図である。
【0053】
図2aから分かるように、基板100上に第1単位セル(U1)、第2単位セル(U2)、第3単位セル(U3)及び第4単位セル(U4)を含む複数の単位セル(U1、U2、U3、U4)が備えられている。
【0054】
前記複数の単位セル(U1、U2、U3、U4)のそれぞれは、第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)の一セットによって互いに分離されている。すなわち、前記第1単位セル(U1)と前記第2単位セル(U2)の間、前記第2単位セル(U2)と前記第3単位セル(U3)の間、前記第3単位セル(U3)と前記第4単位セル(U4)の間には、それぞれ、前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)の一セットが形成されている。
【0055】
前記複数の単位セル(U1、U2、U3、U4)は、前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)の一セットによって直列に接続している。
【0056】
前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)は、互いに同じ方向、例として縦方向に一列に配列している。また、前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)と交差する方向、例として横方向には、複数の光透過部(T)が配列している。
【0057】
前記複数の光透過部(T)は、縦方向に所定間隔を有しながら互いに離隔している。前記光透過部(T)を介して光が透過することができ、本発明の一実施例に係る薄膜型太陽電池がシースルー形態を有するようになる。
【0058】
前記光透過部(T)は、前記第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)と交差しながら連続的な直線構造で形成されず、その代わりに不連続的な直線構造で形成される。すなわち、前記光透過部(T)が配列された仮想の直線内の所定の領域に、断絶部(D)が備えられている。
【0059】
本明細書で光透過部(T)が不連続的な直線構造で形成されるということは、直線構造内に断絶部(D)が備えられていて、前記断絶部(D)により直線構造が連続にならず、前記断絶部(D)を間に置いて複数の直線が互いに離隔配列され、前記互いに離隔した複数の直線を連結すると、連続する1つの直線になることを意味する。
【0060】
前記光透過部(T)を構成する不連続的な直線構造は、一つまたは二つ以上の前記断絶部(D)を備えることができる。
【0061】
このように、本発明の一実施例によれば、前記光透過部(T)が連続的な直線構造で形成されず、不連続的な直線構造で形成されるので、光が前記光透過部(T)を透過する際にモアレ(Moire)現象のような縞模様が形成されず、それによって薄膜型太陽電池の視認性が向上し得る。
【0062】
本発明者は、前記光透過部(T)を連続的な直線構造で形成する場合、前記光透過部(T)を構成する微細なドットパターンが連続的に形成され、そのような連続的なドットパターンを介して光が通過する際、モアレ現象のような縞模様が発生することを確認し、それで前記の連続的なドットパターンを不連続的なドットパターンに変更した場合、光が不連続的なドットパターンを通過しながら、前記モアレ現象のような縞模様が発生しない点を確認して本発明を完成した。
【0063】
図2bから分かるように、基板100上に複数の第1電極200が形成されていて、前記複数の第1電極200上に複数の半導体層300が形成されていて、前記複数の半導体層300上に複数の第2電極400が形成されている。
【0064】
前記基板100には、ガラスまたは透明なプラスチックを利用することができる。
【0065】
前記第1電極200は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、またはITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質からなることができる。前記第1電極200は、薄膜型太陽電池の前面電極として機能することができ、それによって太陽光が前記透明導電物質からなる第1電極200を介して内部に入射することができる。この場合、入射する太陽光が太陽電池の内部に最大限に吸収されるようにするために、前記第1電極200の表面に凹凸構造が形成され得る。
【0066】
前記第1電極200は、それぞれの単位セル(U1、U2、U3、U4)にパターン形成されている。詳細には、複数の第1電極200は、第1分離部(P1)を間に置いて互いに離隔している。前記第1分離部(P1)は、前記第1電極200を形成するための電極層の所定の領域をレーザースクライビング工程を通じて除去することによって形成することができる。
【0067】
前記半導体層300は、シリコン系半導体物質、例としてアモルファスシリコン(a-Si:H)または微結晶シリコン(μc-Si:H)などからなり得る。前記半導体層300は、P(Positive)型半導体層、I(Intrinsic)型半導体層およびN(Negative)型半導体層が順に積層したPIN構造で形成され得る。このように前記半導体層300をPIN構造で形成するようになると、I型半導体層がP型半導体層とN型半導体層によって空乏層(depletion)になり内部に電界が発生するようになり、太陽光によって生成された正孔および電子が前記電界によってドリフト(drift)され、それぞれP型半導体層およびN型半導体層で収集されることになる。
【0068】
前記半導体層300をPIN構造で形成する場合には、太陽光が入射する側に近い位置にP型半導体層を形成し、続いてI型半導体層およびN型半導体層を形成することが好ましい。その理由は、一般的に正孔のドリフト移動度(drift mobility)が電子のドリフト移動度より低いため、P型半導体層を受光面に近く形成することで、入射光によるキャリアの収集効率を最大化するためである。
【0069】
前記半導体層300は、それぞれの単位セル(U1、U2、U3、U4)にパターン形成されている。詳細には、複数の半導体層300は、コンタクト部(P2)および第2分離部(P3)を間に置いて離隔している。前記コンタクト部(P2)は、前記半導体層300を形成するための半導体物質層の所定領域をレーザースクライビング工程を通じて除去することによって形成することができる。
【0070】
前記第2分離部(P3)は、前記半導体層300を形成するための半導体物質層および前記第2電極400を形成するための電極層それぞれの所定の領域をレーザースクライビング工程を通じて除去することにより形成することができる。
【0071】
前記第2電極400は、Ag、Al、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cuなどのような金属物質からなることができるが、必ずしもそれに限定されるものではなく、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、またはITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質からなることもできる。前記第2電極400は、太陽光が入射する面の反対面に該当する背面電極として機能することができ、この場合、前記第2電極400は、不透明導電物質からなることができる。ただし、必ずしもそれに限定されるものではなく、第2電極400が透明導電物質からなることにより、透明な薄膜太陽電池を具現することもできる。
【0072】
前記第2電極400は、それぞれの単位セル(U1、U2、U3、U4)にパターン形成されている。詳細には、複数の第2電極400は、前記第2分離部(P3)を間に置いて離隔している。特に、前記第2電極400は、前記コンタクト部(P2)を介して前記第1電極200と電気的に接続する。詳細には、互いに隣接する単位セル(U1、U2、U3)間で、いずれか一つの単位セル(U1、U2)内の第2電極400は、それと隣接する単位セル(U2、U3)内の第2電極(200)と、前記コンタクト部(P2)を介して接続し、それによって複数の単位セル(U1、U2、U3)が直列に接続することができる。
【0073】
ここで、それぞれの単位セル(U1、U2、U3)内には、光透過部(T)が備えられている。前記光透過部(T)は、前記半導体層300および前記第2電極400の所定領域をレーザースクライビング工程を通じて除去することによって形成される。したがって、外部光が前記光透過部(T)を介して透過することができる。前記光透過部(T)の領域には、前記基板100と、前記第1電極200も形成されているが、前記基板100と、前記第1電極200も透明な材料からなるので、前記光透過(T)領域で光が透過することができる。
【0074】
一方、前述した断絶部(D)領域は、前記光透過部(T)とは異なり、前記半導体層300および前記第2電極400の所定領域が除去されずにそのまま残存することになる。したがって、前記の断絶部(D)は、前記光透過部(T)のように光が透過することができる範囲ではないことがあり得る。詳細には、前記第2電極400が不透明な材料からなる場合には、前記断絶部(D)は、光が透過することができない領域となり、前記第2電極400が透明な材料からなる場合には、前記断絶部(D)は、光が透過することができるが、前記半導体層300を通過しながら相当量の光が吸収されるため、前記光透過部(T)に比べて光透過率が少なくなる。
【0075】
以下では、本発明の様々な実施例による光透過部(T)の構造について、より詳細に説明することにする。
【0076】
図3は、本発明の一実施例による光透過部(T)を示すものである。
【0077】
図3に示すように、光透過部(T)は、レーザースクライビング工程を通じて形成され、それによって複数のレーザスポット(Laser Spot;LS)を含む。
【0078】
前記レーザースポット(LS)は、ドットパターン(dot pattern)からなる。前記ドットパターンは、レーザースポット(LS)の形状によって、その形状が決定され、図に示したように円形になり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0079】
このようにドットパターンからなる複数のレーザスポット(LS)は、重畳して配列され、それによって前記光透過部(T)が備えられた連続領域(A1、A2、A3)が設けられる。前記連続領域(A1、A2、A3)は、前述した
図2bのように半導体層300と第2電極400は、除去することにより、基板100上に形成された第1電極200を含み得る。
【0080】
前記連続領域(A1、A2、A3)は、図に示したように、複数のドットパターンが互いに重畳しながら配列した第1連続領域(A1)、第2連続領域(A2)、及び第3連続領域(A3)を含む。前記光透過部(T)の形成時にレーザーが一直線に移動することにより、前記第1連続領域(A1)、第2連続領域(A2)、及び前記第3連続領域(A3)が、仮想の一直線上に配列することができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。ここで、それぞれの連続領域(A1、A2、A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、互いに同一に形成することができる。
【0081】
前記連続領域(A1、A2、A3)間には断絶部(D1、D2)が形成されている。すなわち、第1連続領域(A1)と第2連続領域(A2)との間に第1断絶部(D1)が形成されていて、第2連続領域(A2)と第3連続領域(A3)との間に第2断絶部(D2)が形成されている。前記断絶部(D1、D2)は、前述した
図2bのように、基板100上に形成された第1電極200、半導体層300、及び第2電極400を含み得る。ここで、前記第1断絶部(D1)の長さは、前記第2断絶部(D2)の長さと異なって形成される。
【0082】
このような
図3の構造によると、光透過部(T)が不連続に形成されるとともに、前記第1断絶部(D1)の長さが前記第2断絶部(D2)の長さと異なるように形成されることにより、前記複数のドットパターンからなる光透過部(T)の繰り返し特性がより緩和され得る。それによって、光が前記光透過部(T)を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0083】
図4は、本発明の他の実施例による光透過部(T)を示すものである。前述した
図3による実施例と同一の構成に対して同一の符号を付与し、同じ構成の繰り返し説明は省略することにする。
【0084】
図4に示すように、光透過部(T)は、断絶部(D1、D2、D3)を間に置いて離隔した連続領域(A1、A2、A3)に備えられている。
【0085】
詳細には、第1連続領域(A1)と第2連続領域(A2)は、第1断絶部(D1)を間に置いて離隔していて、前記第2連続領域(A2)と第3連続領域(A3)は第2断絶部(D2)を間に置いて離隔している。
【0086】
ここで、前記第1連続領域(A1)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、前記第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と異なる。また、前記第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、前記第3連続領域(A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と異なる。また、前記第1連続領域(A1)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、前記第3連続領域(A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と異なる。
【0087】
このように、前記第1連続領域(A1)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数、第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数、及び前記第3連続領域(A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、すべて異なって形成することができる。
【0088】
ただし、必ずしもそれに限定されるものではなく、第1連続領域(A1)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数、第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数、及び前記第3連続領域(A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数の中で、2つの連続領域(A1、A2、A3)でのみレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数が異なることもできる。例として、第1連続領域(A1)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、前記第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と相違し、前記第3連続領域(A3)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数は、前記第1連続領域(A1)または前記第2連続領域(A2)内のレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と同じであり得る。
【0089】
前記第1断絶部(D1)の長さは、前記第2断絶部(D2)の長さと同一に形成することができるが、必ずしもそれに限定されるものではなく、前記第1断絶部(D1)の長さが前記第2断絶部(D2)の長さと異なるように形成することもできる。
【0090】
このような
図4の構造によると、光透過部(T)が不連続に形成するとともに、前記第1連続領域(A1)、第2連続領域(A2)、及び前記第3連続領域(A3)の中から、少なくとも2つの連続領域(A1、A2、A3)でレーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数が互いに異なるように形成することにより、前記複数のドットパターンからなる光透過部(T)の繰り返し特性がより緩和され得る。それによって、光が前記光透過部(T)を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0091】
図5は、本発明のまた他の実施例による光透過部(T)を示すものである。
【0092】
図5に示すように、複数の第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)と交差しながら、複数の光透過部(T1、T2)が配列されている。以下、本明細書では、単位セルを区分して単位セル間を直列に接続するための第1分離部(P1)、コンタクト部(P2)、及び第2分離部(P3)の一セットを便宜上、分離部と通称することにする。
【0093】
互いに隣り合いながら離隔した3つの分離部及び前記3つの分離部と交差しながら互いに離隔した2つの光透過部(T1、T2)によって活性領域(AA1、AA2)を画定することができる。すなわち、第1活性領域(AA1)は左側の分離部、中央の分離部、第1光透過部(T1)、及び第2光透過部(T2)によって画定され、第2活性領域(AA2)は中央の分離部、右側の分離部、第1光透過部(T1)、及び第2光透過部(T2)によって画定することができる。
【0094】
前記第1光透過部(T1)は、複数のドットパターンからなる複数の第1レーザースポット(LS1)を含む連続領域(A11、A12、A13)に備えられ、前記連続領域(A11、A12、A13)の間には断絶部(D11、D12)が備えられている。詳細には、第1連続領域(A11)と第2連続領域(A12)との間には、第1断絶部(D11)が備えられていて、第2連続領域(A12)と第3連続領域(A13)との間には、第2断絶部(D12)が備えられている。前記第1連続領域(A11)、第2連続領域(A12)、及び前記第3連続領域(A13)のそれぞれに備えられた第1レーザースポット(LS1)の数およびドットパターンの数は、互いに同じだすが、必ずしもそれに限定されるものではなく、互いに異なることもできる。また、前記第1断絶部(D11)の長さは、前記第2断絶部(D12)の長さと同じですが、必ずしもそれに限定されるものではなく、互いに異なることもできる。
【0095】
前記第2光透過部(T2)は、複数のドットパターンからなる複数の第2レーザスポット(LS2)を含む連続領域(A21、A22、A23)に備えられ、前記連続領域(A21、A22、A23)の間には断絶部(D21、D22)が備えられている。詳細には、第1連続領域(A21)と第2連続領域(A22)との間には、第1断絶部(D21)が備えられていて、第2連続領域(A22)と第3連続領域(A23)との間には、第2断絶部(D22)が備えられている。前記第1連続領域(A21)、第2連続領域(A22)、及び前記第3連続領域(A23)のそれぞれに備えられた第2レーザスポット(LS2)の数およびドットパターンの数は、互いに同じですが、必ずしもそれに限定されるものではなく、互いに異なることもできる。また、前記第1断絶部(D21)の長さは、前記第2断絶部(D22)の長さと同じですが、必ずしもそれに限定されるものではなく、互いに異なることもできる。
【0096】
前記第1光透過部(T1)のパターンは、前記第2光透過部(T2)のパターンと異なるように形成されている。詳細には、前記第2光透過部(T2)を含む連続領域(A21、A22、A23)は、前記第1光透過部(T1)を含む連続領域(A11、A12、A13)と比較して一側面、例として、右側にシフト(shift)している。したがって、前記第1光透過部(T1)を含む第1および第2連続領域(A11、A12)の間に備えられた第1断絶部(D11)は、前記第2光透過部(T2)を含む第1及び第2連続領域(A21、A22)の間に備えられた第1断絶部(D21)と重ならず、また、前記第1光透過部(T1)を含む第2および第3連続領域(A12、A13)間に備えられた第2断絶部(D12)は、前記第2光透過部(T2)を含む第2および第3連続領域(A22、A23)の間に備えられた第2断絶部(D22)と重ならない。
【0097】
本明細書において、第1光透過部(T1)の第1/第2断絶部(D11、D12)が第2光透過部(T2)の第1/第2断絶部(D21、D22)と重ならないというのは、前記第1連続領域(A11、A12、A13)または前記第2連続領域(A21、A22、A23)の配列方向(例として、横方向)と垂直方向(例として縦方向)で互いに重ならないことを意味する。
【0098】
その代わりに、前記第1光透過部(T1)を含む第1および第2連続領域(A11、A12)の間に備えられた第1断絶部(D11)は、前記第2光透過部(T2)を含む第1連続領域(A21)と重なり、前記第1光透過部(T1)を含む第2および第3連続領域(A12、A13)の間に備えられた第2断絶部(D12)は、前記第2光透過(T2)を含む第2連続領域(A22)と重なる。
【0099】
また、前記第2光透過部(T2)を含む第1および第2連続領域(A21、A22)の間に備えられた第1断絶部(D21)は、前記第1光透過部(T1)を含む第2連続領域(A12)と重なり、前記第2光透過部(T2)を含む第2および第3連続領域(A22、A23)の間に備えられた第2断絶部(D22)は、前記第1光透過(T1)に備えられた第3連続領域(A13)と重なる。
【0100】
このような構成によって、前記第1活性領域(AA1)及び前記第2活性領域(AA2)の境界は、少なくとも一つの断絶部(D11、D12 D21、D22)を備えることになる。すなわち、前記第1活性領域(AA1)の境界は、前記第1光透過部(T1)の第1断絶部(D11)及び第2光透過部(T2)の第1断絶部(D21)を備え、前記第2活性領域(AA2)の境界は、前記第1光透過部(T1)の第2断絶部(D12)及び第2光透過部(T2)の第2断絶部(D22)を備える。ここで、前記第1活性領域(AA1)の境界に備えられた第1断絶部(D11、D21)は、前記第2活性領域(AA2)の境界に備えられた第2断絶部(D12、D22)と重ならず、したがって互いに非対称に設けられている。
【0101】
本明細書で光透過部(T1、T2)の断絶部(D11、D12、D21、D22)とは、前記光透過部(T1、T2)を含む連続領域(A11、A12、A13、A21、A22、A23)の間に備えられた断絶部(D11、D12、D21、D22)を意味する。
【0102】
このような
図5の構造によると、光透過(T1、T2)が不連続に形成されるとともに、第1光透過部(T1)の断絶部(D11、D12)が第2光透過部(T2)の断絶部(D21、D22)と重ならないように形成されることにより、複数のドットパターンからなる光透過部(T)の繰り返し特性がより緩和され得る。それによって、光が前記光透過部(T)を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0103】
図6は、本発明のまた他の実施例による光透過部(T)を示すものである。前述した
図5による実施例と同一の構成に対して同一の符号を付与し、同じ構成の繰り返し説明は省略することにする。
【0104】
図6に示すように、複数の分離部と交差しながら、第1光透過部(T1)と第2光透過部(T2)が互いに離隔するように配置され、第1活性領域(AA1)及び第2活性領域(AA2)が画定される。
【0105】
前記第1光透過部(T1)は、第1~第3連続領域(A11、A12、A13)に備えられ、前記第1~第3連続領域(A11、A12、A13)の間には、第1~第2断絶部(D11、D12)が備えられている。
【0106】
前記第2光透過部(T2)は、第1~第3連続領域(A21、A22、A23)に備えられ、前記第1~第3連続領域(A21、A22、A23)の間には、第1~第2断絶部(D21、D22)が備えられている。
【0107】
ここで、前記第1光透過部(T1)を含む前記第1~第3連続領域(A11、A12、A13)内の第1レーザースポット(LS1)の数およびドットパターンの数は、前記第2光透過(T2)を含む第1~第3連続領域(A21、A22、A23)内の第2レーザースポット(LS2)の数およびドットパターンの数と異なる。
【0108】
一方、前記第1光透過部(T1)を含む第1~第3連続領域(A11、A12、A13)それぞれの第1レーザースポット(LS1)の数およびドットパターンの数は同じにすることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。また、前記第2光透過部(T2)を含む第1~第3連続領域(A21、A22、A23)のそれぞれの第2レーザスポット(LS2)の数およびドットパターンの数は同じにすることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0109】
前記第1光透過部(T1)の断絶部(D11、D12)の長さは、前記第2光透過部(T2)の断絶部(D21、D22)の長さと同じにすることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0110】
一方、前記第1光透過部(T1)の第1断絶部(D11)の長さと第2断絶部(D12)の長さは同じにすることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。また、前記第2光透過部(T2)の第1断絶部(D21)の長さと第2断絶部(D22)の長さは同じにすることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0111】
このような
図6の構造によると、光透過(T1、T2)が不連続に形成されるとともに、第1光透過部(T1)の断絶部(D11、D12)が第2光透過部(T2)の断絶部(D21、D22)と重ならず、また、第1光透過部(T1)を含む第1~第3連続領域(A11、A12、A13)内の第1レーザースポット(LS1)の数およびドットパターンの数が第2光透過部(T2)を含む第1~第3連続領域(A21、A22、A23)内の第2レーザースポット(LS)の数およびドットパターンの数と相違するように形成されることにより、複数のドットパターンからなる光透過部(T)の繰り返し特性がより緩和され得る。それによって、光が前記光透過部(T)を透過する際にモアレ現象のような縞模様が発生する問題が効果的に解消され得る。
【0112】
以上、添付の図を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明しましたが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるわけではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施することができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。