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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ハンドオーバー関連技術、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20230417BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20230417BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20230417BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20230417BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230417BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20230417BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W92/18
H04W36/36
H04W4/08
H04W84/12
H04W88/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020528956
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2018039939
(87)【国際公開番号】W WO2019133049
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】62/612,358
(32)【優先日】2017-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】100112759
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アクデニス,ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】カバルカンティ,デイヴ エー.
(72)【発明者】
【氏名】クレフォルン,トーステン
(72)【発明者】
【氏名】エリオット,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,ジェフリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ガリーヴ,ミケイル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】グレウェル,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ヒマヤット,ナジーン
(72)【発明者】
【氏名】イスカンデル,シャーディー
(72)【発明者】
【氏名】ムカージー,ウダヤン
(72)【発明者】
【氏名】スキナー,ハリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】スダカラン,スシュルス
(72)【発明者】
【氏名】ユー,キャンディ
(72)【発明者】
【氏名】ヒレマス,チェタン
(72)【発明者】
【氏名】チャンドワニ,ニーラム
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス,ジーザス
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/130742(WO,A1)
【文献】特表2009-531950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、前記メモリに結合される処理回路とを有するモバイル・デバイス装置であって、前記処理回路は:
第1セルのカバレッジから第2セルへ複数のモバイル・デバイスとともに移動するように関連付けられる場合に、前記第2セルを検出し:
前記第2セルの1つ以上のパラメータを測定し;
前記1つ以上のパラメータを、前記複数のモバイル・デバイスのうちの1つ以上の他のモバイル・デバイスへ伝達し;
前記モバイル・デバイスが属するスウォームのスウォーム識別子と、前記スウォームの前記第2セルへのハンドオーバーのためのハンドオーバー・リクエストを、前記第1セルへ送信し;及び
前記スウォームに属する複数のモバイル・デバイスに関する特定のハンドオーバー情報を前記第1セルから受信する、装置。
【請求項2】
前記処理回路は、前記第1セルのカバレッジから前記第2セルへ前記複数のモバイル・デバイスとともに移動しながら前記第2セルを検出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理回路は更に、デバイス・ツー・デバイス(D2D)プロトコルを利用して前記1つ以上のパラメータを伝達する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記D2Dプロトコルは、IEEE802.11又は802.15規格ファミリに従って動作するワイヤレス・プロトコルを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記処理回路は更に、第1モバイル・デバイスの接続が前記第1セルによりサービスされている間に前記1つ以上のパラメータを伝達する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
メモリと、前記メモリに結合される処理回路とを有する基地局装置であって、前記処理回路は:
第1セルを介して前記基地局に無線接続される複数のモバイル・デバイスのスウォームを識別するステップであって、前記スウォームの複数のモバイル・デバイスは、前記スウォームの1つ以上の他のモバイル・デバイスに隣接している、ステップ;
前記スウォームの前記モバイル・デバイスの各々に識別子を割り当てるステップ;
前記スウォームにスウォーム識別子を割り当てるステップ;
前記スウォームの第1モバイル・デバイスから第1情報を受信するステップであって、前記第1情報は前記スウォーム識別子と前記第1モバイル・デバイスが第2セルを測定した旨の指標とを含む、ステップ;
前記第1モバイル・デバイスから第2情報を受信するステップであって、前記第2情報は前記スウォーム識別子と前記スウォームの前記第2セルへのハンドオーバーのためのハンドオーバー・リクエストとを含む、ステップ;及び
前記ハンドオーバー・リクエストに応答して、前記スウォームの各モバイル・デバイスのハンドオーバー地点を決定するステップ;
を行う、装置。
【請求項7】
前記スウォームの各モバイル・デバイスは、互いに同じ方向に移動しており、各々が閾値の範囲内の平均速度を有する、請求項6に記載の装置。
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1情報は、前記スウォームの第2モバイル・デバイスからの測定情報を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1情報は、前記スウォームの複数のモバイル・デバイスからの測定情報を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記スウォームの前記複数のモバイル・デバイスは、前記スウォームの非中心モバイル・デバイスを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路は、ハンドオーバー情報を前記スウォームへ送信し、前記ハンドオーバー情報は、前記スウォーム識別子と前記スウォームの複数のモバイル・デバイスに関する特定のハンドオーバー情報とを含む、請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権
本願は、「HANDOVER-Related TECHNOLOGY,APPARATUSES,AND METHODS」と題する2017年12月30日付けで出願された米国仮特許出願第62/612,358号に対する優先権を主張する。上記仮出願は全体的に本願に援用される。
【0002】
技術分野
実施態様は無線通信に関連する。幾つかの態様は、3GPP(Third Generation Partnership Project)ネットワーク、3GPP LTE (Long Term Evolution)ネットワーク、3GPP LTE-A(LTE Advanced)ネットワーク、及び、ニュー・ラジオ(NR)ネットワークを含む第5世代(5G)ネットワークを含む無線ネットワークに関連する。他の態様は、無線ネットワークにおいてハンドオーバーを実行するための技術、方法及び装置に関する。
【0003】
背景技術
移動通信は、初期の音声システムから、今日の高度に複雑化した統合通信プラットフォームへと著しく進化してきた。様々なネットワーク・デバイスと通信する様々なタイプのデバイスの増加に伴い、3GPP LTEシステムの利用が増加している。モバイル・デバイス(ユーザー装置又はUE)の現代社会への浸透は、多くの異種環境における多様なネットワーク化されたデバイスへの需要を駆り立て続けている。
【0004】
LTE及びLTE-Advancedは、携帯電話などのユーザー装置(UE)のための高速データの無線通信の規格である。LTE-Advanced及び様々な無線システムにおいて、キャリア・アグリゲーションは、異なる周波数で動作する複数のキャリア信号を用いて単一のUEの通信を搬送することができ、そして単一のデバイスに対して利用可能な帯域幅を増やす技術である。幾つかの態様において、1つ以上のコンポーネント・キャリアが認可不要の周波数で動作する場合に、キャリア・アグリゲーションが使用されてもよい。
【0005】
3GPP LTEシステムを用いたネットワーク化されたUEの利用は家庭や職場で増加している。第5世代(5G)無線システムがやがて登場しようとしており、より大きな高速性、接続性、及び利便性を可能にするように期待されている。次世代5Gネットワークは、スループット、カバレッジ、及びロバスト性を向上させるように期待されている。現在のセルラー・ネットワーク周波数が飽和するにつれて、ミリメートル波(mm波)周波数のような高周波数が、それらの高帯域幅に起因して有益であり得る。
【0006】
爆発的な無線トラフィックの増加は、速度改善の必要性につながる。成熟した物理層技術では、スペクトル効率の更なる改善は限界であるかもしれない。一方、低周波バンドにおけるライセンスされたスペクトルの不足は、データ・レートの増進に欠陥を生じさせる。このように、免許不要のスペクトルにおけるLTEシステムの運用に関心が浮上しつつある。その結果、3GPPリリース13におけるLTEの重要な改良は、ライセンス支援アクセス(LAA)により免許不要スペクトルでの動作を可能にすることであり、これはLTE-Advancedシステムによって導入されたフレキシブル・キャリア・アグリゲーション(CA)フレームワークを利用することによってシステム帯域幅を拡大する。Rel-13LAAシステムはCAにより免許不要スペクトルに対するダウンリンク動作の設計に焦点を当てる一方、Rel-14エンハンストLAA(eLAA)システムはCAにより免許不要スペクトルに対するアップリンク動作の設計に焦点を当てている。
【0007】
免許不要スペクトルでの可能性のあるLTE動作は、二重接続(DC)、DCベースのLAA、及び免許不要スペクトルにおけるスタンドアロンLTEシステムを介して、免許不要スペクトルでのLTE動作(これに限定されるわけではない)を含み、これによると、LTEベースの技術は、認可スペクトルにおける「アンカー」を必要とせずに、免許不要スペクトルにおいて単独で動作し、これは「マルチファイア(MulteFire)」と呼ばれる。マルチファイアは、LTE技術のパフォーマンス上の利点と、Wi-Fiのような展開の単純さとを組み合わせる。ライセンス・スペクトル及びアンライセンス・スペクトルにおけるLTEシステムの運用をさらに強化することは、今後のリリースや5Gシステムで重要なものとなる可能性があり、それはスループットと効率を向上させるためのハンドオーバー動作に対する改善を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面において、同様な数字は異なる図における同様なコンポーネントを描写することが可能である。異なる接尾辞を有する同様な番号は、類似のコンポーネントのうちの異なるインスタンスを表現することができる。図面は、限定ではなく例示として、本書で議論される様々な態様を一般的に例示する。
【0009】
図1A】幾つかの態様によるネットワークのアーキテクチャを示す。
【0010】
図1B】幾つかの態様による全体的な次世代(NG)システム・アーキテクチャの簡略化された図である。
【0011】
図1C】幾つかの態様によるNG-RAN及び5Gコア(5GC)の間の機能的な分割を示す。
【0012】
図1D】幾つかの態様による非ローミング5Gシステム・アーキテクチャを示す。
図1E】幾つかの態様による非ローミング5Gシステム・アーキテクチャを示す
【0013】
図2】幾つかの態様によるデバイスの構成要素の例を示す。
【0014】
図3】幾つかの態様によるベースバンド回路の例示的なインターフェースを示す。
【0015】
図4】幾つかの態様によるコントロール・プレーンのプロトコル・スタックを示す図である。
【0016】
図5】幾つかの態様によるユーザー・プレーンのプロトコル・スタックを示す図である。
【0017】
図6】機械読み取り可能な又はコンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、非一時的な機械読み取り可能な記憶媒体)から命令を読み取り、本願で議論される任意の1つ以上の方法を実行することが可能な、幾つかの例示的な態様による構成要素を示すブロック図である。
【0018】
図7】幾つかの態様による例示的なgNB間ハンドオーバー手順を示す。
【0019】
図8】幾つかの態様による例示的なAMF/UPF内のハンドオーバー手順を示す。
【0020】
図9】幾つかの態様により第1セル及び第2セルの存在下で同様な方向及び速度で移動するUEのスウォーム例を概略的に示す。
【0021】
図10A】幾つかの態様によるモバイル・デバイス群の改良されたセル・ハンドオーバーのための例示的なシステムを概略的に示す。
図10B】幾つかの態様によるモバイル・デバイス群の改良されたセル・ハンドオーバーのための例示的なシステムを概略的に示す。
【0022】
図11】幾つかの態様によるモバイル・デバイス群の改善されたセル・ハンドオーバーのための例示的なシステムを概略的に示す。
【0023】
図12】幾つかの態様によるスウォームに属するUEについてセル・ハンドオーバーを実施する例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。
【0024】
図13】幾つかの態様によるモバイル・デバイス群をハンドオーバーするシステムを概略的に示す。
【0025】
図14A】幾つかの態様によるセル境界を横切って移動しているデバイスの横断セル(Xcell)ハンドオーバーに関連するシステム及びタイミングを概略的に示す。
図14B】幾つかの態様によるセル境界を横切って移動しているデバイスの横断セル(Xcell)ハンドオーバーに関連するシステム及びタイミングを概略的に示す。
図14C】幾つかの態様によるセル境界を横切って移動しているデバイスの横断セル(Xcell)ハンドオーバーに関連するシステム及びタイミングを概略的に示す。
【0026】
図15】何らかの態様に従ってXセル・シナリオにおける高速移動スウォームを取り扱うように構成された例示的なシステムを概略的に示す。
【0027】
図16A】何らかの態様に従って例示的な方法がスウォームに対する高速Xセル・イベント中にサービス欠落を防止することが可能なシナリオを概略的に示す。
図16B】何らかの態様に従って例示的な方法がスウォームに対する高速Xセル・イベント中にサービス欠落を防止することが可能なシナリオを概略的に示す。
【0028】
図17】何らかの態様に従って第1セルから第2セルへモバイル・デバイス群をハンドオーバーするためのシステムを概略的に示す。
【0029】
図18】何らかの態様に従って第1セルと第2セルとの間の重複領域内にモバイル・デバイス群が位置する例示的なシステムを概略的に示す。
【0030】
図19】何らかの態様に従って第1セルから第2セルへ減少した制御通信トラフィックでモバイル・デバイス群をハンドオーバーするための例示的なシステムを概略的に示す。
【0031】
図20】幾つかの態様による基地局を動作させる例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。
【0032】
図21】何らかの態様に従ってハンドオーバーの失敗及び不必要なハンドオーバーを回避するための例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。
【0033】
図22】何らかの態様に従ってハンドオーバーの失敗及び不必要なハンドオーバーを回避するための代替的な又は強化された例示的な方法を概略的に示す。
【0034】
図23】幾つかの態様によるデバイス間の方位角及び仰角情報の通信を示す。
【0035】
図24】幾つかの態様による例示的な遮られているアンテナ・アレイを示す。
【0036】
図25】幾つかの態様によるビーム方向の決定法を示す。
【0037】
図26】幾つかの態様によるデバイス方向のモニタリングを示す。
【0038】
図27A】何らかの態様に従って異なるビーム・フォーミング(BF)又はビーム調整(BA)構成がどのようにシステムに記憶され使用され得るかを示す。
【0039】
図27B】幾つかの態様による通信リンクの妨害を示す。
【0040】
図28】幾つかの態様による、第1ミリメートル波(mm波)接続から第2mm波接続へのハンドオーバーを実行するための例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。
【0041】
図29】幾つかの態様による無線アーキテクチャにおける予約ベースのリソース割り当てを示す。
【0042】
図30】幾つかの態様による無線アーキテクチャにおけるスペクトル・リソースの動的な割り当てを示す。
【0043】
図31】幾つかの態様による無線アーキテクチャにおけるスペクトル・リソースのコグニティブ及び自律的な割り当てを示す。
【0044】
図32】幾つかの態様によるリソース配分のための例示的な方法のフロー図を示す。
図33】幾つかの態様によるリソース配分のための例示的な方法のフロー図を示す。
【0045】
図34】幾つかの態様によるハンドオーバーをトリガするために測定及び位置情報を組み合わせる例示的な方法のシグナリングを概略的に示す。
【0046】
図35】何らかの態様に従うUEによって開始されたハンドオーバーをトリガするために測定及び位置情報を組み合わせる例示的な方法のシグナリングを概略的に示す。
【0047】
図36】幾つかの態様による位置に基づくトリガを使用してハンドオーバーを実行する例示的な方法を示す。
【0048】
図37】幾つかの態様による位置に基づくトリガを使用してハンドオーバーを実行する例示的な方法を示す。
【0049】
図38】幾つかの態様によるハンドオーバー・イベントを支援するためにモバイル基地局を調整する例示的な方法を図式的に示す。
【0050】
図39】幾つかの態様による例示的なネットワーク図を示す。
【0051】
図40】幾つかの態様によるアウター移動セル、バックホール移動セル、及び中央軌道コントローラの例示的な内部構成を示す。
図41】幾つかの態様によるアウター移動セル、バックホール移動セル、及び中央軌道コントローラの例示的な内部構成を示す。
図42】幾つかの態様によるアウター移動セル、バックホール移動セル、及び中央軌道コントローラの例示的な内部構成を示す。
図43】幾つかの態様によるアウター移動セル、バックホール移動セル、及び中央軌道コントローラの例示的な内部構成を示す。
図44】幾つかの態様によるアウター移動セル、バックホール移動セル、及び中央軌道コントローラの例示的な内部構成を示す。
【0052】
図45】何らかの態様に従ってバックホール移動セルが種々の端末デバイスにバックホールを提供することが可能な例示的な通信インフラストラクチャを示す。
【0053】
図46】幾つかの態様による例示的なメッセージ・シーケンス・チャートを示す。
【0054】
図47】幾つかの態様による移動セルの軌道を管理するための例示的な方法を示す。
【0055】
図48】幾つかの態様によるアウター移動セルを動作させるための例示的な方法を示す。
【0056】
図49】幾つかの態様によるバックホール移動セルを動作させるための例示的な方法を示す。
【0057】
図50】幾つかの態様による移動セルの軌道を管理するための例示的な方法を示す。
【0058】
図51】幾つかの態様によるバックホール移動セルを動作させるための例示的な方法を示す。
【0059】
図52】幾つかの態様によるハンドオーバーを実行するための例示的な方法のフローチャートである。
【0060】
図53】幾つかの態様によるハンドオーバーを実行するための例示的方法のフローチャートである。
【0061】
図54】幾つかの態様によるハンドオーバーを実行するための例示的方法のフローチャートである。
【0062】
図55】幾つかの態様による支援ドローンを使用する例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。
【0063】
図56】幾つかの態様によるモバイルUEのハンドオーバーを支援するためにドローンを使用するシグナリングの例示的な方法のシグナリング・フローチャートを概略的に示す。
【0064】
図57】幾つかの態様による無線ネットワークにおける分散クラウド管理(DCM)のための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。
【0065】
図58】幾つかの態様による無線ネットワークにおけるDCMのための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。
【0066】
図59】幾つかの態様による無線ネットワークにおけるDCMのための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。
【0067】
図60】幾つかの態様による無線ネットワークにおけるDCMのための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。
【0068】
図61】幾つかの態様による無線デバイス群にハンドオーバーされるUEを示す。
【0069】
図62】幾つかの態様によるハンドオーバーを実行するための例示的な方法を示す。
【0070】
図63】幾つかの態様による無線ネットワーク・インフラストラクチャを示す。
【0071】
図64】幾つかの態様によるアップリンクにおけるデータ処理に関する5G動作を示す。
【0072】
図65】幾つかの態様によるダウンリンクにおけるデータ処理に関する5G動作を示す。
【0073】
図66】幾つかの態様によるネットワーク・スライスを示す。
【0074】
図67】幾つかの態様によるエボルブド・パケット・コア(EPC)のためのユーザー・プレーン・パイプラインを示す。
【0075】
図68】幾つかの態様による種々のネットワーク機能を示す。
【0076】
図69A】幾つかの態様による方法を実施するためのシステムを示す。
図69B】幾つかの態様による方法を実施するためのシステムを示す。
図70】幾つかの態様による方法を実施するためのシステムを示す。
【0077】
図71】幾つかの態様による例示的な方法のフローチャートである。
【0078】
図72】幾つかの局面によるエボルブド・ノードB(eNB)、新世代ノードB(gNB)、アクセス・ポイント(AP)、無線局(STA)、又はユーザー装置(UE)等の通信デバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下の説明及び図面は、当業者がそれらを実施することができるように、十分に説明している。他の態様は、構造、論理、電気、プロセス、及びその他の変更を組み込むことができる。幾つかの態様の一部分及び特徴は、他の態様のものに包含されてもよく、又はそれらに代用されてもよい。特許請求の範囲に記載される態様は、それらの特許請求の範囲の全ての利用可能な均等物を包含する。
【0080】
本願で説明される何れの無線リンクも、以下の例示的な任意の1つ以上の無線通信技術及び/又は規格に従って動作することができるが、それらに限定されない:移動通信のためのグローバル・システム(GSM(登録商標))無線通信技術、ゼネラル・パケット無線サービス(GPRS)無線通信技術、GSMエボリューションのためのエンハンスト・データ・レート(EDEG)無線通信技術、及び/又は第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)無線通信技術、例えば、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)、フリーダム・オブ・マルチメディア(FOMA)、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)、3GPPロング・ターム・エボリューション・アドバンスト(LTE Advanced)、符号分割多元接続2000(CDMA2000)、セルラー・デジタル・パケット・データ(CDPD)、モビテックス(Mobitex)、第3世代(3G)、回線交換データ(CSD)、高速回線交換データ(HSCSD)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(第3世代)(UMTS(3G))、ワイドバンド符号分割多元接続(ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(W-CDMA(UMTS))、高速パケット・アクセス(HSPA)、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)、高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)、高速パケット・アクセス・プラス(HSPA+)、ユニバーサル・モバイル・照れコミュニケーションズ・システム時分割複信(UMTS-TDD)、時分割符号分割多重アクセス(TD-CDMA)、時分割同期符号分割多重アクセス(TD-CDMA)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース8(第4世代前)(3GPPリリース8(Pre-4G))、3GPPリリース9(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース9)、3GPPリリース10(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース10)、3GPPリリース11(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース11)、3GPPリリース12(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース12)、3GPPリリース13(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース13)、3GPPリリース14(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース14)、3GPPリリース15(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース15)、3GPPリリース16(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース16)、3GPPリリース17(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース17)、3GPPリリース118(第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース18)、3GPP 5G、3GPP LTEエクストラ、LTE-アドバンスト・プロ、LTEライセンス支援アクセス(LAA)、マルチファイア(MuLTEfire)、UMTS地上無線アクセス(UTRA)、エボルブドUMTS地上無線アクセス(E-UTRA)、ロング・ターム・エボリューション・アドバンスト(第4世代)((LTE Advanced (4G)) cdmaOne(2G)、符号分割多重アクセス2000(3世代)(CDMA2000(3G))、エボリューション・データ・オプティマイズド又はエボリューション・データ・オンリー(EV-DO)、アドバンスト・モバイル・フォン・システム(第1世代)(AMPS(1G))、トータル・アクセス通信システム/拡張トータル・アクセス通信システム(TACS/ETACS)、デジタルAMPS(第2世代)(D-AMPS(2G))、プッシュ・トゥ・トーク(PTT)、移動電話システム(MTS)、改良移動電話システム(IMTS)、アドバンスト移動電話システム(AMTS)、OLT(ノルウェー語:Offentlig Landmobil Telefoni、公衆陸上移動電話)、MTD(スウェーデン語:Mobiltelefonisystem D、移動電話システムD)、公衆自動ランド・モバイル(Autotel/PALM)、ARP(フィンランド語:Autoradiopuhelin、「自動車無線電話」)、NMT(ノルウェー移動電話)、NTT(Nippon Telegraph and Telephone)大容量方式(Hicap)、セルラー・デジタル・パケット・データ(CDPD)、モビテックス(Mobitex)、統合デジタル・エンハンスト・ネットワーク(iDEN)、パーソナル・デジタル・セルラー(PDC)、回線交換データ(CSD)、パーソナル・ハンディ・フォン・システム(PHS)、ワイドバンド統合デジタル・エンハンスト・ネットワーク(WiDEN)、iBurst、アンライセンス・モバイル・アクセス(UMA)、(3GPPゼネラル・アクセス・ネットワーク又はGAN規格とも言及される)、ジグビー(Zigbee)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標)(r))、ワイヤレス・ギガビット・アライアンス(WiGig)規格、一般的なミリメートル波規格(WiGig,IEEE 802.11ad,IEEE 802.11ay等の10-30GHz及びそれ以上で動作する無線システム )、300GHz及びTHzバンド以上で動作する技術、(3TGPP/LTEベースの又はIEEE802.11p及びその他の)ヴィークル・ツー・ヴィークル(V2V),ヴィークル・ツー・エックス(V2X)、ヴィークル・ツー・インフラストラクチャ(V2I)、及びインフラストラクチャ・ツー・ヴィークル(I2V)通信技術、3GPPセルラーV2X、インテリジェント・トランスポート・システム等のDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信システムである。
【0081】
本願で説明される態様は、例えば個別ライセンス・スペクトル、アンライセンス・スペクトル、ライセンス共有スペクトル(2.3-2.4GHz、3.4-3.6GHz、3.6-3.8GHz及びそれ以上におけるライセンス共有スペクトル(LSA)、3.55-3.7GHz及びそれ以上の周波数におけるスペクトル・アクセス・システム(SAS)等) を含む任意のスペクトル管理方式の状況で使用されることが可能である。適用可能な例示的なスペクトル・バンドは、IMT(International Mobile Telecommunications)スペクトル(幾つか例を挙げると、450-470MHz,790-960MHz,1710-2025MHz,2110-2200MHz,2300-2400MHz,2500-2690MHz,698-790MHz,610-790MHz,3400-3600MHzを含むもの)、IMTアドバンスト・スペクトル、IMT-2020スペクトル(例えば、3600-3800MHz、3.5GHzバンド、700MHzバンド、24.25-86GHzレンジ内のバンドを含むことが予想される)、連邦通信委員会の「スペクトラム・フロンティア」5Gイニシアチブ(27.5-28.35GHz,29.1-29.25GHz,31-31.3GHz,37-38.6GHz,38.6-40GHz,42-42.5GHz,57-64GHz,71-76GHz,81-86GHz及び92-94GHz等を含む)の下で利用可能にされるスペクトル、5.9GHz(典型的には、5.85-5.925 GHz)及び63-64GHzのITS(Intelligent Transport Systems)バンド、WiGigバンド1(57.24-59.40 GHz)、WiGigバンド2(59.40-61.56 GHz)、WiGigバンド3(61.56-63.72GHz)、及びWiGigバンド4(63.72-65.88 GHz)に現在割り当てられているバンド、70.2 GHz-71 GHzのバンド、65.88GHz及び71GHzの間の任意のバンド、76-81GHz等の自動車レーダー・アプリケーションに現在割り当てられているバンド、及び94-300GHz及びそれ以上を含む将来的なバンドを含む。更に、その方式はTVホワイト・スペース・バンド(典型的には、790MHz未満)等のバンドに基づいて二次的に使用されることが可能であり、その場合、特に400MHz及び700MHzバンドが使用され得る。セルラー・アプリケーションとは別に、PMSE(Program Making and Special Events)、医療、健康、外科手術、自動車、低遅延、ドローン等の垂直マーケットに関する特定のアプリケーションを取り扱うことが可能である。
【0082】
本願で説明される態様はまた、OFDMキャリア・データ・ビット・ベクトルを、対応するシンボル・リソースに割り当てることによって、様々なシングル・キャリア又はOFDMフレーバ(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタ・バンクに基づくマルチキャリア(FBMC)、OFDMA等)、特に3GPP NR(New Radio)に適用されることが可能である。
【0083】
図1Aは、幾つかの態様によるネットワークのアーキテクチャを示す。ネットワーク140Aは、ユーザー装置(UE)101及びUE102を含むように示されている。UE101及び102は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラー・ネットワークに接続可能な携帯用タッチスクリーン・モバイル・コンピューティング・デバイス)として示されているが、パーソナル・データ・アシスタント(PDA)、ページャ-、ラップトップ・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ワイヤレス・ハンドセット、ドローン、又は、有線及び/又は無線通信インターフェースを含む他の任意のコンピューティング・デバイス等の任意の移動又は固定コンピューティング・デバイスを含んでもよい。
【0084】
幾つかの態様において、UE101及び102の何れも、短命のUE接続を利用する低電力IoTアプリケーション用に設計されたネットワーク・アクセス・レイヤを含むことが可能なIoT(Internet of Things)UEを有することが可能である。IoT UEは、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)、近接型サービス(ProSe)又はデバイス・ツー・デバイス(D2D)通信、センサ-・ネットワーク、又はIoTネットワークを介して、MTCサーバー又はデバイスとデータを交換するために、マシン・ツー・マシン(M2M)又はマシン・タイプ通信(MTC)のような技術を利用することができる。データのM2M又はMTC交換は、マシン始動型データ交換であり得る。IoTネットワークは、IoT UEを相互接続することを描写し、これは、短命の接続とともに、(インターネットインフラストラクチャ内で)一意に識別可能な組み込みコンピューティング・デバイスを含む。IoT UEは、バックグラウンド・アプリケーション(例えば、キープ・アライブ・メッセージ、ステータス更新など)を実行して、IoTネットワークの接続を促すことができる。
【0085】
UE101及び102は、接続するように例えば無線アクセス・ネットワーク(RAN)110と通信的に結合するように構成されることが可能であり、RAN110は、例えばエボルブド・ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)地上無線アクセス・ネットワーク(E-UTRAN)、NextGen RAN(NG RAN)又は何らかの他のタイプのRANであってもよい。UE101及び102は、それぞれ物理通信インターフェース又はレイヤ(以下で詳細に説明される)をそれぞれが含む接続103及び104を利用する;この例では、接続103及び104は、通信結合を可能にするためのエア・インターフェースとして示されており、以下のようなセルラー通信プロトコルに準拠することが可能である:移動通信用グローバル・システム(GSM)プロトコル、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク・プロトコル、プッシュ・トゥ・トーク(PTT)プロトコル、PTTオーバー・セルラー(POC)プロトコル、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS)プロトコル、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)プロトコル、第5世代(5G)プロトコル、ニュー・ラジオ(NR)プロトコル等。
【0086】
幾つかの態様において、RAN110は、NG RAN又はNGコアRANを含むことが可能である。NG RAN110は、例えば、アクセス及び移動管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、ユーザー・プレーン機能(UPF)、ポリシー制御機能(PCF)、統一データ管理(UDM)機能、ネットワーク機能(NF)、及びリポジトリ機能(NRF)等の様々な機能を含むことができる。AMFは、アクセス制御及び移動を管理するために使用することができ、また、ネットワーク・スライス選択機能を含むこともできる。SMFは、ネットワーク・ポリシーに従って各種セッションをセットアップ及び管理するように構成されることが可能である。UPFは、望ましいサービス・タイプに応じて1つ以上の構成で配備されることが可能である。PCFは、ネットワーク・スライシング、モビリティ管理、及びローミング(4G通信システムのPCRFと同様)を使用して、ポリシー・フレームワークを提供するように構成
されることが可能である。UDMは、加入者プロファイル及びデータ(4G通信システムのHSSに類似)を格納するように構成されることが可能である。NG RAN及びNGコアの種々の態様は本願では図1B図1C図1D、及び図1Eを参照して説明される。
【0087】
ある態様では、UE101及び102は、更に、ProSeインターフェース105を介して通信データを直接的に交換することができる。また、ProSeインターフェース105は代替的に1つ以上の論理チャネルを含むサイドリンク・インターフェースと言及されてもよく、論理チャネルは、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、物理的サイドリンク検出チャネル(PSDCH)、及び物理的サイドリンク・ブロードキャスト・チャネル(PSBCH)を含むが、これらに限定されない。
【0088】
UE102は、接続107を介してアクセス・ポイント(AP)106にアクセスするように構成されているように示されている。接続107は、例えば任意のIEEE802.11プロトコルに従う接続のようなローカル無線接続を含むことができ、これにより、AP106はワイヤレス・フィデリティ(WiFi(登録商標))ルーターを含むことが可能である。この例では、AP106は、無線システムのコア・ネットワークに接続することなく、インターネットに接続されるように示されている(以下において詳細に説明される)。
【0089】
RAN110は、接続103及び104を有効にする1つ以上のアクセス・ノードを含むことができる。これらのアクセス・ノード(AN)は、基地局(BS)、NodeB、エボルブドNodeB(eNB)、次世代NodeB(gNB)、RANノード等として言及されることが可能であり、地上局(例えば、地上アクセス・ポイント)又は(例えば、セルのような)地理的エリア内でカバレッジを提供する衛星局を含むことが可能である。幾つかの態様において、通信ノード111及び112は、送信/受信ポイント(TRP)であり得る。通信ノード111及び112がNodeB(例えば、eNB又はgNB)である場合の例では、1つ以上のTRPがNodeBの通信セル内で機能することができる。RAN110は、マクロセル、例えばマクロRANノード111を提供するための1つ以上のRANノード、及びフェムト・セル又はピコ・セル(例えば、マクロセルと比較して、より小さなカバレッジ・エリア、より小さなユーザー容量、又はより大きな帯域幅を有するセル)を提供するための1つ以上のRANノード、例えば低電力(LP)RANノード112を含むことができる。
【0090】
RANノード111及び112の何れも、エア・インターフェース・プロトコルを終端することができ、UE101及び102の最初の接点となることができる。幾つかの態様において、RANノード111及び112の何れも、RAN110のための様々な論理機能を充足することが可能であり、論理機能は、無線ベアラ管理、上りリンク及び下りリンクの動的無線リソース管理及びデータ・パケット・スケジューリング、並びに移動管理などの無線ネットワーク・コントローラ機能を含むが、これらに限定されない。一例において、ノード111及び/又は112の何れも、新世代ノードB(gNB)、エボルブド・ノードB(eNB)、又は別のタイプのRANノードであるとすることが可能である。
【0091】
幾つかの態様によれば、UE101及び102は、直交周波数分割多重化(OFDM)通信信号を利用して互いに、様々な通信技術に従って、マルチキャリア通信チャネルを介して任意のRANノード111及び112と通信するように構成されることが可能であり、通信技術は、直交周波数分割多重化(OFDM)通信技術(例えば、ダウンリンク通信)又はシングル・キャリア周波数分割多重化(SC-FDMA)通信技術(例えば、アップリンク及びProSe又はサイドリンク通信)等であるが、これらに限定されない。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを含むことができる。
【0092】
幾つかの態様において、ダウンリンク・リソース・グリッドは、RANノード111及び112の何れかからUE101及び102へのダウンリンク伝送に使用されることが可能であるが、アップリンク伝送に同様な技術を使用することもできる。グリッドは、リソース・グリッド又は時間周波数リソース・グリッドと呼ばれる時間-周波数グリッドであるとすることが可能であり、各スロットの下りリンクにおける物理リソースである。このような時間-周波数平面表現は、OFDMシステムに使用されることが可能であり、これは無線リソース割り当てに適用可能である。リソース・グリッドの各列及び各行は、それぞれ1つのOFDMシンボル及び1つのOFDMサブキャリアに対応し得る。時間ドメイン内のリソース・グリッドの継続時間は、無線フレーム内の1つのスロットに対応し得る。リソース・グリッド内の最小の時間-周波数単位は、リソース・エレメントとして示されてもよい。各リソース・グリッドは、特定の物理チャネルのリソース・エレメントへのマッピングを記述する多数のリソース・ブロックを含むことができる。各リソース・ブロックは、リソース・エレメントの集合を含むことができ;周波数ドメインではこれは幾つかの態様において、現在割り当てられることが可能な最小量のリソースを表すことができる。このようなリソース・ブロックを使用して伝送される幾つかの異なる物理ダウンリンク・チャネルが存在し得る。
【0093】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザー・データ及び上位レイヤ・シグナリングをUE101及び102へ伝送することができる。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、特に、PDSCHチャネルに関連したトランスポート・フォーマット及びリソース割り当てに関する情報を運ぶことができる。それはまた、アップリンク共有チャネルに関連するトランスポート・フォーマット、リソース割り当て、及びH-ARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)情報について、UE101及び102に通知することも可能である。典型的には、ダウンリンク・スケジューリング(制御及び共有チャネル・リソース・ブロックを、セル内のUE102に割り当てること)は、UE101及び102のいずれかからフィードバックされたチャネル品質情報に基づいて、RANノード111及び112のいずれかで実行されることが可能である。ダウンリンク・リソース割り当て情報は、UE101及び102各々のために使用される(例えば、割り当てられる)PDCCH上で送信されてもよい。
【0094】
PDCCHは制御情報を運ぶために制御チャネル要素(CCE)を用いることができる。リソース要素にマッピングされる前に、PDCCH複素シンボルは、まず四つ組(quadruplets)に編成され、次いでレート・マッチングのためにサブブロック・インターリーバーを使用して置換されてもよい。各PDCCHは、これらのCCEのうちの1つ又は複数を使用して送信されてもよく、各CCEは、リソース・エレメント・グループ(REG)として知られる4つの物理リソース・エレメントの9セットに対応してもよい。4つの直交位相シフト・キーイング(QPSK)シンボルが各REGにマッピングされてもよい。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)のサイズ及びチャネル状態に応じて、1つ以上のCCEを使用して送信されることが可能である。異なるCCE数とともに(例えば、アグリゲーション・レベル、L=1、2、4、又は8)、LTEで定義された4つ以上の異なるPDCCHフォーマットが存在し得る。
【0095】
幾つかの態様は、上述の概念の拡張である、制御チャネル情報に対するリソース割り当ての概念を使用することができる。例えば、幾つかの態様は、制御情報伝送のためにPDSCHリソースを使用するエンハンスト物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)を利用することができる。EPDCCHは、1つ以上のエンハンスト制御チャネル・エレメント(ECCE)を使用して伝送されることが可能である。上記と同様に、各ECCEは、エンハンスト・リソース・エレメント・グループ(EREG)として知られる4つの物理リソース・エレメントの9セットに対応してもよい。ECCEは、幾つかの構成に応じて他の数のEREGを有していてもよい。
【0096】
RAN110は、S1インターフェース113を介してコア・ネットワーク120に通信的に結合されるように示されている。実施態様において、CN120は、エボルブド・パケットコア(EPC)ネットワーク、NextGenパケット・コア(NPC)ネットワーク、又は何らかの他のタイプのCN(例えば、図1B~1Eを参照して示されるようなもの)であってもよい。この態様では、S1インターフェース113は2つの部分に分割される、即ち:RANノード111及び112とサービング・ゲートウェイ(S-GW)122との間のトラフィック・データを運ぶS1-Uインターフェース114と、RANノード111及び112とMME121との間のシグナリング・インターフェースであるS1-モビリティ管理エンティティ(MME)インターフェース115とに分割される。
【0097】
この態様では、CN120は、MME121、S-GW122、パケット・データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)123、及びホーム・サブスクライバ・サーバー(HSS)124を含む。MME121は、レガシーのサービング・ゼネラル・パケット無線サービス(GPRS)サポート・ノード(SGSN)のコントロール・プレーンに機能的に類似していてもよい。MME121は、ゲートウェイ選択及びトラッキング・エリア・リスト管理のようなアクセスにおける移動側面を管理することができる。HSS124は、通信セッションのネットワーク・エンティティの処理をサポートするための加入者関連情報を含む、ネットワーク・ユーザのためのデータベースを含むことができる。CN120は、モバイル・サブスクライバの数、装置の能力、ネットワークの組織などに応じて、1つ以上のHSS124を備えることができる。例えば、HSS 124は、ルーティング/ローミング、認証、認可、ネーミング/アドレッシング、レゾリューション、位置依存性などのサポートを提供することができる。
【0098】
S-GW122は、RAN110に向かってS1インターフェース113を終端し、RAN110とCN120との間でデータ・パケットをルーティングすることができる。加えて、S-GW122は、RANノード間ハンドオーバーのためのローカル・モビリティ・アンカー・ポイントであってもよく、また、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供してもよい。S-GW122の他の責務は、合法的な傍受、課金、及び何らかのポリシー実施を含むことが可能である。
【0099】
P-GW123は、PDNに向かってSGiインターフェースを終端することができる。P-GW123は、インターネット・プロトコル(IP)インターフェース125を介して、EPCネットワーク123と、アプリケーション・サーバー130(代替的に、アプリケーション機能(AF)と言及される)を含むネットワーク等の外部ネットワークとの間でデータ・パケットをルーティングすることができる。一般に、アプリケーション・サーバー130は、コア・ネットワーク(例えば、UMTSパケット・サービス、LTE PSデータ・サービスなど)と共にIPベアラ・・リソースを使用するアプリケーションを提供する要素とすることができる。この態様では、P-GW123は、IP通信インターフェース125を介してアプリケーション・サーバー130に通信可能に結合されるように示されている。アプリケーション・サーバー130はまた、CN 120を介してUE101及び102のための1つ以上の通信サービス(例えば、ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)セッション、PTTセッション、グループ通信セッション、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなど)をサポートするように構成されることが可能である。
【0100】
P-GW123は、更に、ポリシーの実施及び課金データ収集のためのノードであってもよい。ポリシー及び課金実施機能(PCRF)126は、CN120のポリシー及び課金制御エレメントである。非ローミング・シナリオでは、幾つかの態様において、UEのインターネット・プロトコル接続アクセス・ネットワーク(IP-CAN)セッションに関連するホーム公衆陸上移動通信網(HPLMN)内に単一のPCRFが存在してもよい。トラフィックの中断を伴うローミングのシナリオでは、UEのIP-CANセッションに関連する2つのPCRF:HPLMN内のホームPCRF(H-PCRF)と、訪問・公衆陸上移動通信網(VPLMN)内の訪問PCRF(V-PCRF))とが存在してもよい。PCRF 126は、P-GW123を介してアプリケーション・サーバー130と通信可能に結合されてもよい。アプリケーション・サーバー130は、新しいサービス・フローを示すためにPCRF126に信号を送り、適切なサービス品質(QoS)と課金パラメータを選択することができる。PCRF126は、この規則を、適当なトラフィック・フロー・テンプレート(TFT)及び識別子のQoSクラス(QCI)と共に、ポリシー及び課金実行機能(図示せず)に提供することができ、これはアプリケーション・サーバー130によって指定されるQoS及び課金を開始する。
【0101】
一例では、ノード111又は112はいずれも、UE101/102に対して(例えば動的に)、アンテナ・パネル選択及び受信(Rx)ビーム選択を伝達するように構成されることが可能であり、これは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)におけるデータ受信、並びにチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)測定及びチャネル状態情報(CSI)計算のためにUEにより使用されることが可能である。
【0102】
一例では、ノード111又は112はいずれも、UE101/102に対して(例えば動的に)、アンテナ・パネル選択及び送信(Tx)ビーム選択を伝達するように構成されることが可能であり、これは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)におけるデータ伝送、並びにサウンディング・リファレンス信号(SRS)のためにUEにより使用されることが可能である。
【0103】
幾つかの態様において、LTEベースの通信は、12~14のシンボルを含む1msの固定伝送時間間隔(TTI)長を使用することが可能であるし、あるいはより小さなTTI(例えば、NRベースの通信)を使用することも可能である。リクエスト、グラント、又はデータの送信は、TTIとともに1つ以上のサブフレームを使用することによって達成されることが可能である。この点に関し、TTI長は、送信機及び受信機における処理時間だけでなく、空中を伝送する時間の双方に影響を与える可能性がある。
【0104】
図1Bは何らかの態様に従った次世代(NG)システム・アーキテクチャの簡略化された図である。図1Bを参照すると、NGシステム・アーキテクチャ140Bは、NG-RAN110及び5Gネットワーク・コア(5GC)120を含む。NG-RAN110は、gNB128及びng-eNB130のような複数のノードを含むことができる。gNB128及びng-eNB130は、例えばN1インターフェースを介してUE 102に通信可能に結合することができる。
【0105】
5GC120は、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)132及び/又はユーザー・プレーン機能(UPF)134を含む。AMF132及びUPF134は、NGインターフェースを介してgNB128及びng-eNB130に通信可能に結合されることが可能である。より具体的には、幾つかの態様において、gNB128及びng-eNB130は、NG-CインターフェースによってAMF132に接続され、またNG-UインターフェースによってUPF134に接続されることが可能である。gNB128及びng-eNB130は、Xnインターフェースを介して互いに結合されることが可能である。
【0106】
幾つかの態様では、gNB128は、UEに向かうニュー・ラジオ(NR)ユーザー・プレーン及び制御プレーン・プロトコルの終端を提供するノードを含むことが可能であり、NGインターフェースを介して5GC 120に接続される。幾つかの態様において、ng-eNB130は、UEに向かうエボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス(E-UTRA)ユーザー・プレーン及び制御プレーン・プロトコルの終端を提供するノードを含むことが可能であり、NGインターフェースを介して5GC120に接続される。
【0107】
幾つかの態様において、gNB128及びng-eNB130の各々は、基地局、モバイル・エッジ・サーバー、スモール・セル、ホームeNB等として実装されることが可能である。
【0108】
図1Cは、何らかの態様に従うNG-RAN及び5Gコア(5GC)の間の機能分割を示す。図1Cを参照すると、NG-RAN110内のgNB128及びng-eNB130、ならびに5GC120内のAMF 132、UPF134及びSMF136によって実行されることが可能な機能のより詳細な図が示されている。幾つかの態様において、5GC120は、NG-RAN110を介して1つ以上のデバイスに対してインターネット138へのアクセスを提供することができる。
【0109】
幾つかの態様において、gNB128及びng-eNB130は、以下の機能をホストするように構成されることが可能である:無線リソース管理のための機能(例えば、セル間無線リソース管理129A、無線ベアラ制御129B、無線アドミッション制御129D、接続移動制御129C、上りリンク及び下りリンク双方におけるUEに対するリソースの動的な割り当て(スケジューリング)129F);IPヘッダ圧縮、データの暗号化及び完全性の保護;AMFへのルーティングが、UEにより提供される情報から判明しない場合に、UEアタッチメントにおいてAMFの選択を行うこと;ユーザー・プレーン・データのUPFへのルーティング;コントロール・プレーン情報のAMFへのルーティング;コネクションの設定及び解放;(AMFに由来する)ページング・メッセージのスケジューリング及び送信;(AFM又はオペレーション又はメンテナンスに由来する)システム・ブロードキャスト情報のスケジューリング及び送信;モビリティ及びスケジューリング129Fのためのメジャーメント及びメジャーメント・レポート設定;アップリンクにおけるトランスポート・レベル・パケット・マーキング;セッション管理;ネットワーク・スライシングのサポート;QoSフロー管理及びデータ無線ベアラに対するマッピング;RRC_INACTIVE状態でのUEのサポート;ノン・アクセス・ストラタム(NAS)メッセージに関する配信機能;無線アクセス・ネットワーク共有;デュアル・コネクティビティ;及びNRとE-UTRAとの間の緊密な相互作用、等々を挙げることができる。
【0110】
幾つかの態様において、AMF132は、以下の機能をホストするように構成されることが可能であり、例えば:NASシグナリング終端;NASシグナリング・セキュリティ133A;アクセス・ストラタム(AS)セキュリティ制御;3GPPアクセス・ネットワーク間の移動性のためのコア・ネットワーク(CN)間ノード・シグナリング;UE、到達可能性(例えば、ページング再送の制御及び実行)等のモバイル・デバイスを含むアイドル・モード・モビリティ処理133B;登録エリア管理;システム内及びシステム間モビリティのサポート;アクセス認証;ローミング権利の確認を含むアクセス認可;モビリティ管理制御(加入及びポリシー);ネットワーク・スライシングのサポート;及び/又はSMF選択、等々を特に含む。
【0111】
UPF134は、以下の機能をホストするように構成することが可能であり、例えば:ボリティ・アンカー135A(例えば、RAT内/RAT間移動のためのアンカー・ポイント)、135Bを処理するパケット・データ・ユニット(PDU)(例えば、データ・ネットワークに対する相互接続の外部PDUセッション・ポイント)、パケット・ルーティング及び転送;ポリシー・ルール実施のユーザー・プレーン部分及びパケット検査;トラフィック使用状況報告;データ・ネットワークへのルーティング・トラフィック・フローをサポートするアップリンク分類器;マルチ・ホームPDUセッションをサポートする分岐ポイント;ユーザー・プレーンのQoS処理(例えば、パケット・フィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制);アップリンク・トラフィック検証(SDFのQoSフローへのマッピング);及び/又はダウンリンク・パケット・バッファリング及びダウンリンク・データ通知トリガリング、等々を特に含む。
【0112】
セッション管理機能(SMF)136は、以下の機能をホストするようい構成されることが可能であり、例えば:セッション管理;UE IPアドレス割り当て及び管理137A;UP機能の選択及び制御;適切な宛先へトラフィックをルーティングするためのUPFにおけるトラフィック・ステアリングを設定することを含むPDUセッション制御137B;ポリシー実施及びQoSの制御部分;及び/又はダウンリンク・データ通知、等々の機能を特に含む。
【0113】
図1D及び図1Eは、何らかの態様による非ローミング5Gシステム・アーキテクチャを示す。図1Dを参照すると、参照ポイント表現における5Gシステム・アーキテクチャ140Dが示されている。より具体的には、UE102は、RAN110だけでなく、1つ以上の他の5GCネットワーク・エンティティとも通信することができる。システム・アーキテクチャ140Dの5GCは、アクセス及び移動管理機能(AMF)132、セッション管理機能(SMF)136、ポリシー制御機能(PCF)148、アプリケーション機能(AF)150、ユーザー・プレーン機能(UPF)134、ネットワーク・スライス選択機能(NSSF)142、認証サーバー機能(AUSF)144、及び統合データ管理(UDM)146のような複数のネットワーク機能(NF)を含む。UPF134は、例えば、オペレータ・サービス、インターネット・アクセス、又は第三者サービスを含むことが可能なデータ・ネットワーク152への接続を提供することができる。
【0114】
図1Eを参照すると、5Gシステム・アーキテクチャ140E及びサービス・ベースの表現が示されている。システム・アーキテクチャ140Eは、システム・アーキテクチャ140Dと実質的に類似(又は同じ)であるとすることが可能である。図1Dに示されるネットワーク・エンティティに加えて、システム・アーキテクチャ140Eは、ネットワーク・エクスポージャ機能(NEF)154及びネットワーク・リポジトリ機能(NRF)156を含むことも可能である。
【0115】
幾つかの態様において、5Gシステム・アーキテクチャは、サービス・ベースであることが可能であり、ネットワーク機能間の相互作用は、対応するポイント・ツー・ポイントのリファレンス・ポイントNi(図1Dに示されるようなもの)又はサービス・ベース・インターフェース(図1Eに示されるようなもの)によって表現されることが可能である。
【0116】
リファレンス・ポイント表現は、対応するNFサービス間に相互作用が存在し得ることを示す。例えば、図1Dは以下のリファレンス・ポイントを示している:N1(UEとAMFとの間)、N2(RANとAMFとの間)、N3(RANとUPFとの間)、N4(SFMとUPFとの間)、N5(PCFとAFとの間)、N6(UPFとDNとの間)、N7(SFMとPCFとの間)、N8(UDMとAMFとの間)、N9(2つのUPFの間)、N10(UDMとSFMとの間)、N11(AFMとSFMとの間)、N12(AUSFとAMFとの間)、N13(AUSFとUDMとの間)、N14(2つのAFMの間)、N15(非ローミング・シナリオのケースではPCFとAFMとの間、ローミング・シナリオのケースでは、PCTと訪問ネットワークとAFMとの間)、N16(2つのSFMの間;図1Dには示されていない)、及びN22(AFMとNSSFとの間)。図1Dに示されていない他のリファレンス・ポイント表現もまた使用することが可能である。
【0117】
図1Eに示すように、幾つかの態様において、サービス・ベースの表現は、他の認可されたネットワーク機能がそれらのサービスにアクセスすることを可能にする制御プレーン内でネットワーク機能を表現するために使用されることが可能である。この点に関し、5Gシステム・アーキテクチャ140Eは以下のサービス・ベースのインターフェースを含むことが可能である:Namf158H(AMF132により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Namf158I(AMF136により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Namf158B(NEF154により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Namf158D(PCF148により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Namf158E(UDM146により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Namf158F(AF150により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Nnrf158C(NRF156により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Nnrf158A(NSSF142により示されるサービス・ベースのインターフェース)、Nnrf158G(AUSF144により示されるサービス・ベースのインターフェース)。図1Eに示されていない他のサービス・ベースのインターフェース(例えば、Nudr、N5g-eir、及びNudsf)もまた使用されることが可能である。
【0118】
本願で使用されるように、回路という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)又は他の専用回路、電子回路、1つ以上のソフトウェア又はファームウェア・プログラムを実行するプロセッサ(共有、専用、又はグループ化されたもの)又はメモリ(共有、専用、又はグループ化されたもの)、組み合わせ論理回路、又は上述の機能を提供する他の適切なハードウェア構成要素を指してもよいし、それらの一部分であってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。幾つかの態様において、1つ又は複数のソフトウェア・モジュール又はファームウェア・モジュールによって、回路が実装されてもよいし、又は、回路に関連する機能がそれらによって実装されてもよい。幾つかの態様において、回路は、少なくとも部分的にハードウェアで動作可能な論理を含んでもよい。幾つかの態様において、本願に開示される回路及びモジュールは、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの組み合わせで実装されてもよい。幾つかの態様において、回路に関連する機能は、ハードウェア又はソフトウェア/ファームウェア・モジュールの1つより多い部分にわたって分散されることが可能である。幾つかの態様において、(本願に開示されるような)モジュールは、少なくとも部分的にハードウェアで動作可能な論理を含んでもよい。本願に記載の態様は、適切に構成された任意のハードウェア又はソフトウェアを使用して、システム内に実装されてもよい。
【0119】
図2は、何らかの態様に従ったデバイス200の例示的な構成要素を示す。幾つかの態様において、デバイス200は、アプリケーション回路202、ベースバンド回路204、無線周波数(RF)回路206、フロント・エンド・モジュール(FEM)回路208、1つ以上のアンテナ210、及び少なくとも図示のように一緒に結合された電力管理回路(PMC)212を含んでもよい。図示されたデバイス200の構成要素は、UE又はRANノードに含まれてもよい。幾つかの態様では、デバイス200は、より少ない要素を含むことができる(例えば、RANノードは、アプリケーション回路202を利用せず、その代わりに、EPCから受信したIPデータを処理するためのプロセッサ/コントローラを含んでもよい)。幾つかの態様において、デバイス200は、例えば、メモリ/ストレージ、ディスプレイ、カメラ、センサ、及び/又は入力/出力(I/O)インターフェース要素などの追加的な要素を含んでもよい。他の態様において、以下に説明される構成要素は、1つより多いデバイスに含まれてもよい(例えば、上記の回路は、クラウドRAN(C-RAN)実装のために1つより多いデバイスに別々に含まれてもよい)。
【0120】
アプリケーション回路202は、1つ以上のアプリケーション・プロセッサを含んでもよい。例えば、アプリケーション回路202は、1つ以上のシングル・コア又はマルチ・コア・プロセッサなどの回路を含むことが可能であるが、これらに限定されない。プロセッサは、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、及び専用プロセッサ(例えば、グラフィックス・プロセッサ、アプリケーション・プロセッサなど)の任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、メモリ/ストレージに結合され、及び/又はそれらを含んでもよく、メモリ/ストレージに記憶された命令を実行して、種々のアプリケーション又はオペレーティング・システムがデバイス200上で動作することを可能にするように構成されてもよい。幾つかの態様において、アプリケーション回路202のプロセッサは、EPCから受信したIPデータ・パケットを処理することができる。
【0121】
ベースバンド回路204は、1つ以上のシングル・コア又はマルチ・コア・プロセッサなどの回路を含んでもよいが、これらに限定されない。ベースバンド回路204は、RF回路206の受信信号経路から受信したベースバンド信号を処理し、RF回路206の送信信号経路のベースバンド信号を生成するために、1つ以上のベースバンド・プロセッサ又は制御論理部を含んでもよい。ベースバンド処理回路204は、ベースバンド信号の生成及び処理のため、ならびにRF回路206の動作を制御するために、アプリケーション回路202とのインターフェースとなり得る。例えば、幾つかの態様において、ベースバンド回路204は、第3世代(3G)ベースバンド・プロセッサ204A、第4世代(4G)ベースバンド・プロセッサ204B、第5世代(5G)ベースバンド・プロセッサ204C、又は他の既存の世代、開発中の世代、又は将来開発されるべき世代(例えば、第2世代(2G)、第6世代(6G)など)の他のベースバンド・プロセッサ204Dを含んでもよい。ベースバンド回路204(例えば、ベースバンド・プロセッサ204A~204Dのうちの1つ以上)は、RF回路206を介して1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を取り扱うことができる。他の態様において、ベースバンド・プロセッサ204A~204Dの機能の一部又は全部は、メモリ204Gに格納されたモジュールに含まれ、中央処理デバイス(CPU)204Eにより実行されてもよい。無線制御機能は、信号変調/復調、符号化/復号化、無線周波数シフトなどを含み
得るが、これらに限定されない。幾つかの態様において、ベースバンド回路204の変調/復調回路は、高速フーリエ変換(FET)、プリコーディング、又はコンステレーション・マッピング/デマッピング機能を含んでもよい。幾つかの態様において、ベースバンド回路204の符号化/復号回路は、畳み込み、テール・ビット畳み込み、ターボ、ビタビ、又は低密度パリティ・チェック(LDPC)エンコーダ/デコーダ機能を含んでもよい。変調/復調及びエンコーダ/デコーダ機能の態様は、これらの例に限定されず、他の態様における他の適切な機能を含んでもよい。
【0122】
幾つかの態様において、ベースバンド回路204は、1つ以上の音声デジタル信号プロセッサ(DSP)204Fを含んでもよい。音声DSP(複数可)204Fは、圧縮/解凍及びエコー・キャンセルのための要素を含んでもよく、他の態様では他の適切な処理要素を含んでもよい。ベースバンド回路の構成要素は、単一のチップ、単一のチップセットに適切に組み合わされてもよく、あるいは幾つかの態様では、同一の回路基板上に配置されてもよい。幾つかの態様では、ベースバンド回路204及びアプリケーション回路202の構成要素の一部又は全部が、例えばシステム・オン・チップ(SOC)上に一緒に実装されてもよい。
【0123】
幾つかの態様において、ベースバンド回路204は、1つ以上の無線技術と互換性のある通信を提供してもよい。例えば、幾つかの態様において、ベースバンド回路204は、エボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(EUTRAN)、又は他の無線メトロポリタン・エリア・ネットワーク(WMAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、及び/又は無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)との通信をサポートすることができる。1つより多い無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成されたベースバンド回路204は、幾つかの態様では、マルチ・モード・ベースバンド回路と呼ばれてもよい。
【0124】
RF回路206は、非固体媒体を介して、変調された電磁放射を利用して無線ネットワークとの通信を可能にすることができる。種々の態様において、RF回路206は、無線ネットワークとの通信を促すために、スイッチ、フィルタ、増幅器等を含むことができる。RF回路206は受信信号経路を含むことが可能であり、受信信号経路は、FEM回路208から受信したRF信号をダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンド回路204に供給する回路を含むことができる。RF回路206はまた、送信信号経路を含むことが可能であり、送信信号経路は、ベースバンド回路204によって提供されるベースバンド信号をアップコンバートし、RF出力信号を、送信のためにFEM回路208に提供する回路を含むことができる。
【0125】
幾つかの態様において、RF回路206の受信信号経路は、ミキサ206A、増幅器206B、及びフィルタ206Cを含んでもよい。幾つかの態様では、RF回路206の送信信号経路は、フィルタ206C及びミキサ206Aを含んでもよい。RF回路206はまた、受信信号経路及び送信信号経路のミキサ206Aによって使用される周波数を合成するためのシンセサイザ206Dを含んでもよい。幾つかの態様において、受信信号経路のミキサ206Aは、シンセサイザ206Dによって提供される合成周波数に基づいて、FEM回路208から受信したRF信号をダウンコンバートするように構成されていてもよい。増幅器206Bは、ダウン変換された信号を増幅するように構成されてもよく、フィルタ206Cは、出力ベースバンド信号を生成するために、ダウンコンバートされた信号から望ましくない信号を除去するように構成されたローパス・フィルタ(LPF)又はバンド・パス・フィルタ(BPF)であってもよい。出力ベースバンド信号は、更なる処理のためにベースバンド回路204に供給されてもよい。幾つかの態様において、出力ベースバンド信号は、オプションとして、ゼロ周波数ベースバンド信号であってもよい。幾つかの態様では、受信信号経路のミキサ206Aは、受動ミキサを含んでもよい。
【0126】
幾つかの態様において、送信信号経路のミキサ206Aは、FEM回路208のRF出力信号を生成するために、シンセサイザ206Dによって提供される合成周波数に基づいて、入力ベースバンド信号をアップコンバートするように構成されてもよい。ベースバンド信号は、ベースバンド回路204によって供給されることが可能であり、フィルタ206Cによってフィルタリングされることが可能である。
【0127】
幾つかの態様において、受信信号経路のミキサ206A及び送信信号経路のミキサ206Aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、直交ダウンコンバージョン及びアップコンバージョンのためにそれぞれ構成されてもよい。幾つかの態様において、受信信号経路のミキサ206A及び送信信号経路のミキサ206Aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、イメージ除去(例えば、ハートレー・イメージ除去)のために構成されてもよい。幾つかの態様において、受信信号経路のミキサ206A及び送信信号経路のミキサ206Aは、それぞれダイレクト・ダウンコンバージョン及びダイレクト・アップコンバージョンのために構成されてもよい。幾つかの態様において、受信信号経路のミキサ206A及び送信信号経路のミキサ206Aは、スーパー・ヘテロダイン動作のために構成されてもよい。
【0128】
幾つかの態様において、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、オプションとして、アナログ・ベースバンド信号であってもよい。幾つかの代替的な態様によれば、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、デジタル・ベースバンド信号であってもよい。これらの代替的な態様において、RF回路206は、アナログ-デジタル変換器(ADC)及びデジタル-アナログ変換器(DAC)回路を含んでもよく、ベースバンド回路204は、RF回路206と通信するためのデジタル・ベースバンド・インターフェースを含んでもよい。
【0129】
幾つかのデュアル・モードの態様において、各スペクトルの信号を処理するために、別個の無線IC回路がオプションとして提供されてもよい。
【0130】
幾つかの態様において、シンセサイザ206Dは、オプションとして、フラクショナルNシンセサイザ又はフラクショナルN/N+1シンセサイザであってもよいが、他のタイプの周波数シンセサイザが適切であるかもしれない。例えば、シンセサイザ206Dは、デルタ・シグマ・シンセサイザ、周波数乗算器、又は周波数分周器とともに位相同期ループを含むシンセサイザであってもよい。
【0131】
シンセサイザ206Dは、周波数入力及びディバイダ制御入力に基づいて、RF回路206のミキサ回路206Aによって使用される出力周波数を合成するように構成されてもよい。幾つかの態様において、シンセサイザ206Dは、フラクショナルN/N+1シンセサイザであってもよい。
【0132】
幾つかの態様では、周波数入力は電圧制御発振器(VCO)によって提供されてもよいが、必須ではない。ディバイダ制御入力は、例えば、所望の出力周波数に応じて、ベースバンド回路204又はアプリケーション・プロセッサ202のいずれかによって提供されてもよい。幾つかの態様において、ディバイダ制御入力(例えば、N)は、アプリケーション・プロセッサ202によって示されるチャネルに基づいてルックアップ・テーブルから決定されてもよい。
【0133】
RF回路206のシンセサイザ回路206Dは、ディバイダ、遅延ロック・ループ(DLL)、マルチプレクサ及び位相アキュムレータを含んでもよい。幾つかの態様において、ディバイダはデュアル・モジュラス・ディバイダ(DMD)であってもよく、位相アキュムレータはデジタル位相アキュムレータ(DPA)であってもよい。幾つかの態様において、DMDは、分数分周比を提供するために、入力信号をN又はN+1のいずれかで分割するように(例えば、キャリー・アウトに基づいて)構成されてもよい。幾つかの例示的な態様において、DLLは、カスケードされたチューナブル遅延素子のセット、位相検出器、チャージ・ポンプ、及びD型フリップ・フロップを含んでもよい。これらの態様において、遅延素子は、VCO周期を、Nd個の等しい位相パケットに分割するように構成されてもよく、ここで、Ndは、遅延ラインにおける遅延素子の数である。このようにして、DLLは、遅延ラインを通る全遅延を1つのVCOサイクルに維持することを支援するために負帰還を提供する。
【0134】
幾つかの態様では、シンセサイザ回路206Dは、出力周波数としてキャリア周波数を生成するように構成されてもよいが、他の態様において、出力周波数は、キャリア周波数の倍数(例えば、キャリア周波数の2倍、又はキャリア周波数の4倍)であってもよく、直交ジェネレータ及び分周回路と共に使用されて、互いに対して複数の異なる位相を有する複数の信号をキャリア周波数で生成してもよい。幾つかの態様において、出力周波数は、LO周波数(fLO)であってもよい。幾つかの態様において、RF回路206は、IQ/極座標変換器を含んでもよい。
【0135】
FEM回路208は受信信号経路を含むことが可能であり、受信信号経路は、1つ以上のアンテナ210から受信したRF信号に対して動作するように、及び/又は受信した信号を増幅し、増幅されたバージョンの受信信号を更なる処理のためにRF回路206に供給するように構成された回路を含むことができる。また、FEM回路208は送信信号経路を含むことが可能であり、送信信号経路は、1つ以上のアンテナ210のうちの1つ以上による送信のためにRF回路206によって提供される送信用信号を増幅するように構成された回路を含むことができる。種々の態様において、送信信号経路又は受信信号経路を介する増幅は、RF回路206において部分的に又は単独で、FEM208において部分的に又は単独で、あるいはRF回路206及びFEM208双方で行われてもよい。
【0136】
幾つかの態様において、FEM回路208は、送信モード及び受信モード動作を切り替えるために、TX/RXスイッチを含んでもよい。FEM回路は、受信信号経路と送信信号経路とを含むことができる。FEM回路の受信信号経路は、受信されたRF信号を増幅し、増幅された受信RF信号を出力として(例えば、RF回路206に)供給するためのLNAを含んでもよい。FEM回路208の送信信号経路は、入力RF信号(例えば、RF回路206によって提供される)を増幅するための電力増幅器(PA)を含み、(例えば、1つ以上のアンテナ210による)以後の送信のためにRF信号を生成する1つ以上のフィルタを含んでもよい。
【0137】
幾つかの態様において、PMC212は、ベースバンド回路204に供給される電力を管理することができる。PMC212は、電源選択、電圧スケーリング、バッテリ充電、及び/又はDC-DC変換を制御することができる。PMC212は、幾つかの態様において、デバイス200がバッテリによって給電されることが可能である場合、例えばデバイスがUEに含まれる場合に含まれてもよい。PMC212は、便利な実装サイズ及び放熱特性を提供しながら、電力変換効率を向上させることができる。
【0138】
図2はベースバンド回路204に結合されるPMC212を示す。他の態様において、PMC212は、追加的又は代替的に、アプリケーション回路202、RF回路206、又はFEM208などの他の構成要素に結合され、同様な電力管理動作を実行してもよいが、それらに限定されない。
【0139】
幾つかの態様において、PMC212は、デバイス200の種々の電力節約機構を制御するか、又はその機構の一部であってもよい。例えば、デバイス200がRRC_接続状態にある場合、その状態ではまだRANノードに接続されており、トラフィックを近く受信することを期待しているので、デバイス200は、一定期間のインアクティブの後に、間欠受信モード(DRX)として知られている状態に入る可能性がある。この状態の間、デバイス200は、短時間間隔で電源を落とし、従って電力を節約することができる。
【0140】
幾つかの態様によれば、拡張された期間の間にデータ・トラフィック活動が存在しない場合、デバイス200はRRC_アイドル状態に落ちることが可能であり、その状態ではネットワークから切り離され、チャネル品質フィードバック、ハンドオーバー等の動作を実行しない。デバイス200は、非常に低い電力状態に入り、ページングを実行し、その間、定期的に目覚め、ネットワークをリスニングし、その後再び電源を落とす。デバイス200は、データを受信するためにRRC_Connected状態に戻ることができる。
【0141】
追加的な省電力モードは、ページング間隔より長い周期の間(数秒~数時間に及ぶ)、デバイスがネットワークに対して利用不可能になることを許容する。この間、デバイス200は、幾つかの態様において、ネットワークに到達不可能であってよく、電源を落とすことができる。この時間に送信された如何なるデータも、大きくなり得る遅延を含み、その遅延は許容可能であることが仮定されている。
【0142】
アプリケーション回路202のプロセッサ及びベースバンド回路204のプロセッサは、プロトコル・スタックのうちの1つ以上のインスタンスのエレメントを実行するために使用されることが可能である。例えば、ベースバンド回路204のプロセッサは、単独で又は組み合わせで、レイヤ3、レイヤ2、又はレイヤ1の機能を実行するために使用されてもよい一方、アプリケーション回路204のプロセッサは、これらのレイヤから受信されるデータ(例えば、パケット・データ)を利用し、更にレイヤ4の機能(例えば、伝送通信プロトコル(TCP)及びユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)レイヤ)を実行してもよい。本願で言及するように、レイヤ3は、以下で更に詳細に説明する無線リソース制御(RRC)レイヤを含んでもよい。本願で言及するように、レイヤ2は、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、及びパケット・データ・コンバージェス・プロトコル(PDCP)レイヤを含んでもよく、これらは、以下において更に詳細に説明される。本願で言及するように、レイヤ1は、以下で更に詳細に説明されるUE/RANノードの物理(PHY)レイヤを含んでもよい。
【0143】
図3は、幾つかの態様によるベースバンド回路の例示的なインターフェースを示す。上述したように、図2のベースバンド回路204は、プロセッサ204A~204Eと、プロセッサによって利用されるメモリ204Gとを含むことができる。各プロセッサ204A~204Eは、メモリ204Gへデータを送信する/メモリからデータを受信するために、それぞれメモリ・インターフェース304A~304Eを含んでもよい。
【0144】
ベースバンド回路204は、メモリ・インターフェース312(例えば、ベースバンド回路204に対して外部のメモリへデータを送信する/そこからデータを受信するインターフェース)、アプリケーション回路インターフェース314(例えば、図2のアプリケーション回路202へデータを送信する/そこからデータを受信するインターフェース)、RF回路インターフェース316(例えば、図2のRF回路206へデータを送信する/そこからデータを受信するインターフェース)、無線ハードウェア接続インターフェース318(例えば、近距離通信(NFC)構成要素、ブルートゥース構成要素(Bluetooth(登録商標)低エネルギ)、Wi-Fi(登録商標)構成要素、及びその他の通信構成要素へデータを送信する/そこからデータを受信するインターフェース)、及び電力管理インターフェース320(例えば、PMC212へ電力又は制御信号を送信する/そこから電力又は制御信号を受信するインターフェース)等の他の回路/デバイスに通信可能に結合する1つ以上のインターフェースを更に含んでもよい。
【0145】
図4は、幾つかの態様による制御プレーン・プロトコル・スタックの図である。一態様では、制御プレーン400は、UE101(又代替的に、UE102)、RANノード111(又は代替的に、RANノード112)、及びMME121の間の通信プロトコル・スタックとして示される。
【0146】
PHYレイヤ401は、幾つかの態様において、1つ以上のエア・インターフェースを介してMACレイヤ402によって使用される情報を送信又は受信することができる。PHYレイヤ401は、更に、リンク・アダプテーション又は適応変調符号化(AMC)、電力制御、セル・サーチ(例えば、初期同期及びハンドオーバーの目的のため)、及びRRCレイヤ405などの上位レイヤによって使用される他の測定を実行することができる。PHYレイヤ401は、幾つかの態様において、更に、トランスポート・チャネル上でのエラー検出、トランスポート・チャネルの順方向誤り訂正符号化(FEC)/復号化、物理チャネルの変調/復調、インターリーブ、レート・マッチング、物理チャネルへのマッピング、及び複数入力複数出力(MIMO)アンテナ処理を更に実行することができる。
【0147】
MACレイヤ402は、幾つかの態様において、論理チャネル及びトランスポート・チャネルの間のマッピング、1つ以上の論理チャネルからのMACサービス・データ・ユニット(SDU)を、トランスポート・チャネルを介してPHYへ運ばれるトランスポート・ブロック(TB)へ多重化すること、トランスポート・チャネルを介してPHYから運ばれるトランスポート・ブロック(TB)からMAC SDUを1つ以上の論理チャネルへ分離すること、MAC SDUをTBへの多重化すること、スケジューリング情報報告、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による誤り訂正、及び論理チャネルの優先順位付けを実行することができる。
【0148】
RLCレイヤ403は、幾つかの態様において、トランスペアレント・モード(TM)、非アクノリッジ・モード(UM)、アクノリッジ・モード(AM)を含む複数の動作モードで動作することが可能である。RLCレイヤ403は、上位レイヤ・プロトコル・データ・ユニット(PDU)の転送と、AMデータ転送に関する自動再送要求による誤り訂正と、UM及びAMデータ転送のためのRLC SDUの連結、セグメンテーション及び再構築とを実行することができる。RLCレイヤ403はまた、幾つかの態様において、AMデータ転送のためのRLCデータPDUの再セグメンテーション、UM及びAMデータ転送に関するRLCデータPDUのリオーダリング、UM及びAMデータ転送に関する重複データの検出、UM及びAMデータ転送に関するRLC SDUの廃棄、AMデータ転送に関するプロトコル・エラーの検出を実行し、及びRLC再確立を実行することができる。
【0149】
PDCPレイヤ404は、幾つかの態様において、IPデータのヘッダ圧縮及び解凍を実行し、PDCPシーケンス番号(SN)を維持し、下位レイヤの再構築時に上位レイヤPDUの番号順の配信を実行し、RLC AMにマッピングされた無線ベアラに関し、下位レイヤの再構築時に下位レイヤSDUの重複を除去し、制御プレーン・データを暗号化及び解読し、制御プレーン・データの完全性保護及び完全性検証を実行し、時間に基づくデータの破棄を制御し、セキュリティ・オペレーション(例えば、暗号化、解読、完全性保護、完全性検証など)を実行することができる。
【0150】
幾つかの態様において、RRCレイヤ405の主要サービス及び機能は、(例えば、非アクセス・ストラタム(NAS)に関連するマスター情報ブロック(MIB)又はシステム情報ブロック(SIB)に含まれる)システム情報のブロードキャスト、アクセス・ストラタム(AS)に関連するシステム情報のブロードキャスト、ページング、UEとE-UTRANとの間のRRC接続の確立、維持、及び解放(例えば、RRC接続ページング、RRC接続確立、RRC接続変更、及びRRC接続解放)、ポイント・ツー・ポイントの無線ベアラの確立、設定、維持、及び解放、鍵管理を含むセキュリティ機能、相互無線アクセス技術(RAT)モビリティ、及びUEメジャーメント・レポートのためのメジャーメント設定を含むことができる。MIB及びSIBは、各々が個々のデータ・フィールド又はデータ構造を含むことが可能な1つ以上の情報要素(IE)を含むことができる。
【0151】
UE101及びRANノード111は、Uuインターフェース(例えば、LTE-Uuインターフェース)を利用して、PHYレイヤ401、MACレイヤ402、RLCレイヤ403、PDCPレイヤ404、及びRRCレイヤ405を含むプロトコル・スタックを介して制御プレーン・データを交換してもよい。
【0152】
非アクセス・ストラタム(NAS)プロトコル406は、図4に示すようにUE101とMME121との間で制御プレーンの最上位レイヤを形成する。実施態様において、NASプロトコル406は、UE101とP-GW123との間のIP接続を確立及び維持するために、UE101のモビリティとセッション管理手順とをサポートする。
【0153】
S1アプリケーション・プロトコル(S1-AP)レイヤ415は、S1インターフェースの機能をサポートすることができ、基本手順(EP)を含む。EPは、RANノード111とCN120との間の相互作用の一単位である。特定の態様において、S1-APレイヤ・サービスは、UE関連サービス及び非UE関連サービスの2つのグループを含むことができる。これらのサービスは、E-UTRAN無線アクセス・ベアラ(E-RAB)管理、UEケーパビリティ指示、モビリティ、NASシグナリング転送、RAN情報管理(RIM)、及びコンフィギュレーション転送を含むが、これらに限定されない。
【0154】
ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)レイヤ(代替的にSCTP/IPレイヤと呼ばれることもある)414は、IPレイヤ413によってサポートされるIPプロトコルに部分的に基づいて、RANノード111とMME121との間のシグナリング・メッセージの信頼性のある配信を保証することができる。L2レイヤ412及びL1レイヤ411は、情報を交換するためにRANノード及びMMEにより使用する通信リンク(例えば、有線又は無線リンク)を指してもよい。
【0155】
RANノード111及びMME121は、L1レイヤ411、L2レイヤ412、IPレイヤ413、SCTPレイヤ414、及びS1-APレイヤ415を含むプロトコル・スタックを介して制御プレーン・データを交換するために、S1-MMEインターフェースを利用することができる。
【0156】
図5は、何らかの態様によるユーザー・プレーン・プロトコル・スタックを示す図である。この態様では、ユーザー・プレーン500は、UE 101(又は代替的にUE102)、RANノード111(又は代替的にRANノード112)、S-GW122、及びP-GW123の間の通信プロトコル・スタックとして示される。ユーザー・プレーン500は、制御プレーン400と同じプロトコル・レイヤの少なくとも一部を利用することができる。例えば、UE101及びRANノード111は、PHYレイヤ401、MACレイヤ402、RLCレイヤ403、及びPDCPレイヤ404を含むプロトコル・スタックを介して、ユーザー・プレーン・データを交換するために、Uuインターフェース(例えば、LTE-Uuインターフェース)を利用することができる。
【0157】
ユーザー・プレーン(GTP-U)レイヤ504のためのゼネラル・パケット無線サービス(GPRS)トンネリング・プロトコルは、GPRSコア・ネットワーク内、及び無線アクセス・ネットワークとコア・ネットワークとの間においてユーザー・データを搬送するために使用することができる。転送されるユーザー・データは、例えば、IPv4、IPv6、又はPPPフォーマットのパケットであるとすることが可能である。UDP及びIPセキュリティ(UDP/IP)レイヤ503は、データ完全性のためのチェックサム、ソース及び宛先での異なる機能をアドレス指定するためのポート番号、及び選択されたデータ・フローにおける暗号化及び認証を提供することができる。RANノード111及びS-GW122は、L1レイヤ411、L2レイヤ412、UDP/IPレイヤ503、及びGTP-Uレイヤ504を含むプロトコル・スタックを介して、ユーザー・プレーン・データを交換するためにS1-Uインターフェースを利用することができる。S-GW122及びP-GW123は、L1レイヤ411、L2レイヤ412、UDP/IPレイヤ503、及びGTP-Uレイヤ504を含むプロトコル・スタックを介してユーザー・プレーン・データを交換するために、S5/S8aインターフェースを利用することができる。図4に関して上述したように、NASプロトコルは、UE101とP-GW123との間のIP接続性を確立して維持するために、UE 101のモビリティ及びセッション管理手順をサポートする。
【0158】
図6は、幾つかの例示的な態様による、機械読み取り可能な又はコンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、非一時的な機械読み取り可能な記憶媒体)から命令を読み込み、本願で議論される方法のうちの任意の1つ以上を実行することが可能な構成要素を示すブロック図である。具体的には、図6は、1つ以上のプロセッサ(又はプロセッサコア)610、1つ以上のメモリ/記憶デバイス620、及び1つ以上の通信リソース630を含むハードウェア・リソース600を表す概略図を示し、これらの各々は、バス640を介して通信可能に結合することができる。ノード仮想化(例えば、NFV)が使用される態様については、ハイパーバイザ602を実行して、ハードウェア・リソース600を利用するための1つ以上のネットワーク・スライス及び/又はサブスライスの実行環境を提供することができる。
【0159】
プロセッサ610(例えば、中央処理ユニット(CPU)、縮小命令セット・コンピューティング(RISC)プロセッサ、複合命令セット・コンピューティング(CISC)プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ベースバンド・プロセッサのようなデジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波集積回路(RFIC)、別のプロセッサ、又はそれらの任意の適切な組み合わせ)は、例えばプロセッサ612及びプロセッサ614を含むことができる。
【0160】
メモリ/ストレージ・デバイス620は、メイン・メモリ、ディスク・ストレージ、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含んでもよい。メモリ/ストレージ・デバイス620は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、消去可能でプログラム可能なリードオンリー・メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリー・メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ソリッド・ステート・ストレージ等の任意のタイプの揮発性又は不揮発性メモリを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0161】
通信リソース630は、ネットワーク608を介して1つ以上のペリフェラル・デバイス604又は1つ以上のデータベース606と通信するために、相互接続又はネットワーク・インターフェース構成要素又はその他の適切なデバイスを含んでもよい。例えば、通信リソース630は、有線通信コンポーネント(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)を介しして結合するもの)、セルラー通信コンポーネント、NFCコンポーネント、Bluetooth(登録商標)コンポーネント(例えば、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ)、Wi-Fi(登録商標)コンポーネント、及び他の通信コンポーネントを含んでもよい。
【0162】
命令650は、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、又は他の実行可能コードを含み、少なくとも何れかのプロセッサ610に、本願で説明される方法のうちの任意の1つ以上を実行させることができる。命令650は、完全に又は部分的に、プロセッサ610(例えば、プロセッサのキャッシュ・メモリ)、メモリ/ストレージ・デバイス620、又はそれらの任意の適切な組み合わせのうちの少なくとも1つの内部に常駐してもよい。更に、命令650の任意の部分は、ペリフェラル・デバイス604又はデータベース606の任意の組み合わせからハードウェア・リソース600へ転送されてもよい。従って、プロセッサ610のメモリ、メモリ/ストレージ・デバイス620、ペリフェラル・デバイス604、及びデータベース606は、コンピュータ読み取り可能な及び機械読み取り可能な媒体の例である。
【0163】
図7は、幾つかの態様による例示的なノードBハンドオーバー手順を示す。図7を参照すると、例示的な通信シーケンス700は、UE702、ソースgNB704、及びターゲットgNB706の間で行われることが可能である。ハンドオーバー(HO)を開始する前に、ソースgNB704は、UEメジャーメント手順を設定するために、メジャーメント手順コンフィギュレーションをUE702に伝達することができる(図7では図示せず)。例えば、コンフィギュレーションは、ビーム選択、ビーム・コンソリデーション(beam consolidation)、フィルタリング、等々の最中に使用される無線リソース制御(RRC)コンフィギュレーション・パラメータを含むことができる。これにより、UE702は、メジャーメント・レポート(図7には示されていない)をソースgNB704に伝達することができる。幾つかの態様において、メジャーメント・レポートは、セル・ビームフォーミング・メジャーメント及び/又は1つ以上の個々のビーム・メジャーメントのようなUE702で受信されるSSバースト・セットに基づくもの等のビームフォーミングに関する1つ以上のメジャーメントを含むことができる。メジャーメント・レポートは、更に、無線リソース管理情報を含むことができる。
【0164】
従って、ソースgNB704は、UEをターゲットgNB706にハンドオーバーする決定を下すことができる。708において、ソースgNB 704は、HOを開始するために、ターゲットgNB706にHOリクエストを伝達することができる。710において、ターゲットgNB706は、アドミッション・コントロールを実行し、712において、ハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメントの一部として無線リソース制御(RRC)コンフィギュレーションを提供することができる。幾つかの態様では、712におけるハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメントは、ハンドオーバーを実行するためにRRCメッセージとしてUEへ送信されるべきトランスペアレント・コンテナを含むことができる。
【0165】
714において、ソースgNB704は、ハンドオーバー・コマンド714でRRCコンフィギュレーションをUE702に提供することができる。幾つかの態様において、ハンドオーバー・コマンド・メッセージは、セルID情報に加えて、システム情報を読み込むことなくターゲットgNB1106にアクセスするためにUEによって使用され得る追加情報を含むことができる。幾つかの態様において、ハンドオーバー・コマンド・メッセージは、衝突許容型及び衝突非許容型(競合のない)ランダム・アクセスに使用され得る情報を更に含むことができる。716において、UE702は、RRCコネクションを移し、ターゲットgNB706に関連する新しいセルに切り替えることができる。718において、ハンドオーバー完了メッセージが、ターゲットgNB706に伝達されることが可能である。
【0166】
図8は、何らかの態様による例示的なAMF/UPF内ハンドオーバー手順を示す。図8を参照すると、ハンドオーバー通信シーケンス800は、UE802、ソースgNB804、ターゲットgNB806、AMF808、及び少なくとも1つのUPF810の間で実行されることが可能である。幾つかの態様において、ハンドオーバー通信シーケンス800はイントラNR RANハンドオーバーを表し、その場合、ハンドオーバー準備段階812及びハンドオーバー実行段階814は5GCの関与なしに実行される(即ち、準備メッセージは、gNB間で直接的に交換される)。更に、ハンドオーバー完了段階816の間のソースgNBにおけるリソースの解放は、ターゲットgNB806によってトリガされる。
【0167】
A818において、ローミング及びアクセス制限は、AMF808によって提供されることが可能であり、ソースgNB804内のUEコンテキストに包含されることが可能である。ソースgNB内のUEコンテキストは、コネクション確立時又は最後のトラッキング・エリア(TA)更新時の何れかにおいて、818で提供されるローミング及びアクセス制限に関する情報を含むことができる。
【0168】
820において、ソースgNB804は、ローミング及びアクセス制限情報、例えば利用可能な複数の周波数帯域情報に応じて、UEメジャーメント手順を設定することができる。ソースgNB804によって提供されるメジャーメントは、UEのコネクション移動を制御する機能を支援することができる。これに応答して、メジャーメント・レポートがトリガされ、UE802によりソースgNB804へ送信されることが可能である。
【0169】
822において、ソースgNB704は、UE802からのメジャーメント・レポート及び無線リソース管理(RRM)情報に基づいて、UEをハンドオフする決定を下すことができる。824において、ソースgNB 804は、ターゲットgNB806に対してハンドオーバー(HO)リクエスト・メッセージを発行することができ、ターゲット側でHOを準備するための情報を渡し(その情報は、例えば、ソースeNBにおけるUE X2シグナリング・コンテキスト・リファレンス、ソースeNBにおけるUE S1 EPCシグナリングコンテキスト参照、ターゲット・セルID、KgNB*、ソースgNB804でのUE802のセル無線ネットワーク・テンポラリ識別子(C-RNTI)を含むRRCコンテキスト、UEインアクティブ時間を含むRRMコンフィギュレーション、アンテナ情報及びDLキャリア周波数を含む基本ASコンフィギュレーション(RAN1フィードバックの影響を受ける)、異なるRATのUEケーパビリティ等であり)、利用可能であれば、ビーム関連情報を含むUEが報告したメジャーメント情報を含むことができる。CAが設定されている場合、RRMコンフィギュレーションは、メジャーメント情報が利用可能である各周波数で最良のセルのリストを含むことができる。
【0170】
826において、リソースがターゲットgNB806によって許可され得る場合、HOが成功する可能性を高めるために、受信したQoS情報に応じてターゲットgNB806によってアドミッション・コントロールが実行されてもよい。ターゲットgNB806は、受信したQoS情報に応じて、許可されるリソースを設定することができ、C-RNTIを予約することができる。ターゲット・セルで使用されるASコンフィギュレーションは、独立して(例えば「確立(establishment)」として)、又はソース・セルで使用されるASコンフィギュレーションと比較した場合の差分(デルタ)として(例えば「再構成(reconfiguration)」として)、指定されることが可能である。
【0171】
828において、ターゲットgNB806は、L1/L2でHOを準備し、ハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメント・メッセージをソースgNB804へ送信することができる。ハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメント・メッセージは、ハンドオーバーを実行するためにRRCメッセージとしてUE802へ送信されるべきトランスペアレント・コンテナを含むことができる。コンテナは、新しいC-RNTI、選択されたセキュリティ・アルゴリズムのためのターゲットgNBセキュリティ・アルゴリズム識別子を含むことが可能であり、専用RACHプリアンブル、及びその他のパラメータ(例えば、アクセスパラメータ、SIB等)を含んでもよい。RACHレスHOが設定されている場合、コンテナは、タイミング調整指示及びアップリンク・グラントを含むことができる。アップリンク・グラントが含まれていない場合、UE802は、アップリンク・グラントを受け取るために、ターゲットgNB806のPDCCHを監視するように設定されることが可能である。ハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメント・メッセージはまた、転送トンネルのRNL/TNL情報を含んでもよい。メイク・ビフォー・ブレイク(Make-Before-Break)HOが設定されていない場合、ソースgNB804がハンドオーバー・リクエスト・アクノリッジメントを受信するとすぐに、又はハンドオーバー・コマンドの送信がダウンリンクで開始されるとすぐに、データ転送が開始されてもよい。
【0172】
830において、ソースgNB804は、Uuハンドオーバーをトリガすることができ、ハンドオーバー・コマンド・メッセージをUE802へ送信することができる。ハンドオーバー・コマンド・メッセージは、ターゲット・セルにアクセスするために使用される情報を運び、この情報は、幾つかの態様によれば、少なくともターゲット・セルID、新しいC-RNTI、選択されたセキュリティ・アルゴリズムのターゲットgNBセキュリティ・アルゴリズム識別子を含み、専用のRACHリソースのセット、RACHリソースとSSブロックとの間の関連付け、RACHリソースとUE固有のCSI-RSコンフィギュレーションとの間の関連付け、共通のRACHリソース、ターゲットgNB SIBなどを含むことが可能である。
【0173】
832において、ソースgNB804は、SNステータス・トランスファ・メッセージをターゲットgNB806へ送信し、PDCPステータス保持が適用されるアップリンクPDCP_SN受信機ステータスとE-RABのダウンリンクPDCP_SN送信機ステータス(例えば、RLC AMの場合)を伝達する。アップリンクPDCP_SN受信機ステータスは、少なくとも、第1の欠落したアップリンクSDUのPDCP_SNを含むことができ、そのようなSDUが存在する場合には、UEがターゲット・セル内で再送するアウト・オブ・シーケンス・アップリンクSDUの受信ステータスのビット・マップを含むことができる。ダウンリンクPDCP_SN送信機ステータスは、ターゲットeNBがPDCP_SNを未だ有していない新しいSDUに割り当てる次のPDCP_SNを示すことができる。幾つかの態様において、UEのE-RABのいずれもPDCPステータス保存で取り扱われることとなっている場合、ソースeNBはこのメッセージの送信を省略してもよい。
【0174】
834において、UE802は、ソースgNB804に関連付けられた古いセルから離脱することができ、ターゲットgNB806に関連付けられた新しいセルに同期することができる。836において、ソースgNB 804は、バッファリングされている転送中のパケットをターゲットgNB806へ届けることができる。838において、ユーザー・データは、ソースgNB804からターゲットgNB806へ転送されることが可能である。840において、ターゲットgNB806は、ソースgNB804から受信したユーザー・データをバッファリングすることができる。
【0175】
842において、UE802は、何らかの態様に従って、RACH(RACH-less HOが設定されていない場合)を介して、818においてMobilityControlInformationメッセージ(又は別のタイプのメッセージ)で専用RACHプリアンブルが示されていた場合には、競合のない手順に従って、あるいは専用プリアンブルが指定されていない場合には衝突許容型の手順に従って、あるいはRACH-less HOが設定されている場合にはPUSCHにより、ターゲットgNB806に対して同期を実行し、ターゲット・セルにアクセスすることができる。
【0176】
844において、ターゲットgNB806は、PATH SWITCH REQUESTメッセージをAMF808へ送信し、5GCをトリガして、DLデータ・パスをターゲットgNB806に切り替え、ターゲットgNB806に向かうNG-Cインターフェース・インスタンスを確立する。846において、5GCは、ターゲットgNB806に向けてDLデータ・パスを切り替える。848において、AMF808は、PATH SWITCH REQUESTメッセージを、PATH SWITCH REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージにより確認する。
【0177】
850において、UE CONTEXT RELEASEメッセージを送信することにより、ターゲットgNB806は、ハンドオーバーの成功をソースgNB804に通知し、ソースgNB804によるリソースの解放をトリガする。ターゲットgNB806は、PATH SWITCH REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージがAMF808から受信された後に、このメッセージを送信するように設定されることが可能である。UE CONTEXT RELEASEメッセージを受信すると、ソースgNB804は、進行中のデータ転送が継続できるように、UEコンテキストに関連付けられている無線及びCプレーン関連のリソースを解放することができる。
【0178】
UEのようなモバイル・デバイスはユビキタスになってきたので、極めて多くのUEが第1セルから第2セルへ同時に横切る状況もまた生じている。例えば、繁忙なハイウェイの車(エンド・ユーザーの移動端末及び/又は車の自身の移動端末)、列車内の人々、スウォーム・フォーメーション(a swarm formation)の中のドローン、工場内のロボット、そしてある経路に沿って大きなグループの中で歩くだけの人々でさえ、多数のUEが1つのセルから別のセルへ同時に、又はほぼ同時に横切ることが可能な状況の例である。
【0179】
幾つかの態様において、各モバイル・デバイス又はUEのデータ接続及び/又は音声接続は、(例えば、図7及び図8に関連して説明される1つ以上のハンドオーバー関連オペレーションの間に)一方のセルから他方のセルへロバストに転送又はハンドオーバーされることが可能である。多数のUEが同時に(又はほぼ同時に)ハンドオーバー支援から恩恵を得ることができる場合(例えば、図7及び図8に関連して説明されるハンドオーバー関連オペレーションのうちの1つ以上を実行する場合)、ネットワーク・インフラストラクチャは、データ速度の低下、接続の切断などの劣化を経験し得る。幾つかの態様によれば、本願に記載される技術は、(例えば、ハンドオーバー関連オペレーションが、UEの群れのような複数のUEに関連して生じる場合に)ハンドオーバー・パフォーマンスを改善するために使用されることが可能である。
【0180】
図9は、第1セル901及び第2セル902の存在下で、同様な方向及び速度で移動するUE903a~903j(総称して903x)のスウォーム910の例を概略的に示している。第1及び第2セル(901及び902)は、各々、セル・コントローラ(図示せず)を含むことが可能である。第1セル901のセル・コントローラは、第2セル902のセル・コントローラとともに共存していてもよいし、していなくてもよい。特定の態様において、スウォーム910は接続されることが可能であり、各UE 903xは、例えばデバイス・ツー・デバイス(D2D)通信及びディスカバリにより、スウォーム910内の他のUEを認識することができる。
【0181】
特定の態様において、スウォーム910は、エッジ・デバイス903a~903f及び903h~903j、並びにインナー・デバイス903gを含むことができる。エッジ・デバイス903a~903f及び903h~903jは、スウォーム910の物理的周辺部を規定することができる。エッジ・デバイス903a~903f及び903h~903jは、1つ以上の前縁デバイス903jを更に含むことができる。前縁デバイス903jは、一般に、先ずセル境界に関連する信号変化を測定し、境界が、スウォーム910に応対している第1セル901に関連するか、又はスウォーム910が移動しつつある第2セル902に関連するかを測定する。特定の態様では、スウォーム910の前縁に位置する例示的なデバイス又はUEは、セル境界に関連する通信セル測定値をスウォーム910の残り(例えば、インナー・デバイス903g)に伝達することができる。特定の態様において、セル測定値は、セル・コントローラ又は第1基地局904などのセル・インフラストラクチャを介して、スウォーム910の残りへ伝達されることが可能である。幾つかの態様において、前縁デバイス903jのセル測定値は、D2D通信プロトコル又は別のタイプの無線プロトコルを介してスウォーム910に伝達されることが可能である。
【0182】
本願で使用されるように、スウォームに関連する「物理的範囲」という用語は、群れの1つ以上のエッジを指し、それを越えると通信デバイスは群れの一部とは考えられない。幾つかの態様において、物理的範囲は、互いに特定の距離の境界内に延びるスウォーム・エッジと関連付けられることが可能である。幾つかの態様において、物理的範囲は、それを超えるとデバイスがスウォーム内の他のデバイスとの接続を失う境界、又はそれを超えると信号特性が閾値を超えて劣化する境界に関連付けられることが可能である(例えば、信号強度が閾値を下回る境界)。
【0183】
幾つかの態様において、前縁デバイス(複数可)903jは、メジャーメント情報を提供する場合に、スウォーム情報も提供することができる。スウォーム情報は、例えば、第1基地局904又はセル・コントローラに、あるいはスウォーム910内の他のデバイスに提供されることが可能である。幾つかの態様において、第1基地局904とスウォーム910の他のデバイスとの間の通信もまた、スウォーム情報も含むことが可能である。幾つかの態様において、スウォーム情報は、受信デバイスがスウォーム910に属するかどうかの指標を含むことができる。スウォーム情報はまた、受信デバイスが所属するスウォーム910を識別する情報を含むことも可能である。前縁デバイス903jが新しいセルを測定すると、第1基地局904、及び他のスウォーム・メンバーは、ハンドオーバーの準備を開始し、その結果、1つ以上のスウォーム・デバイス903xのハンドオーバー中に時間臨界期間の前に基地局904による任意の前処理が始められるようになる。本願で使用される場合、用語「ホップ」(又は「ホップ(複数)」)は、スウォーム内の1つの(発信元の)デバイスからスウォーム内の別の(受信側の)デバイス(又はデバイス(複数))へ、選択的に、スウォーム内の1つ以上の他の中間デバイス(又はデバイス(複数))(即ち、発信元デバイスと受信側デバイスとの間に位置するデバイス)への情報の伝播を示す。
【0184】
再度図9を参照すると、モバイル・デバイス903xのスウォーム910は、ネットワーク内を移動することが可能である。スウォーム910のモバイル・デバイス903xは、第1セル901と第2セル902との間の境界を超えることができる。指示された移動方向に移動する前縁デバイス903jは、第2セル902を最初に検出することができる。前縁デバイス903jは、第2セル902を検出した場合、及び/又は第2セル902へのハンドオーバーが必要であることを認識した場合、第2セル902に関するメジャーメント情報(例えば、セルID、周波数、タイミングなど)をスウォーム910の他のデバイス903xへ送信することができる。この通信交換は、スウォーム910内の通信リンク(例えば、D2Dリンク)を介して行うことができる。メジャーメント情報は、スウォーム910にローカルに維持されることが可能であるので、スウォーム910の外側のデバイスに対して著しい干渉を発生しがちではないであろう。D2D通信リンクのレンジに依存して、メジャーメント情報は、所望であれば、数ホップを経た大きなスウォームを介して伝搬することが可能である。例えば、メジャーメント情報の伝播がスウォームの動きより速い場合、メジャーメント情報は、ハンドオーバーの準備をするためにスウォームの他のデバイスを支援することができる。
【0185】
ある態様では、第2デバイスが第2セルに、第1エッジ・デバイスが第2セルを発見した時間的に非常に近接して遭遇したことで、第2エッジ・デバイスもまた第2セルを発見する前に、第1エッジ・デバイスにより生成されたメジャーメント情報、第1メジャーメント情報は第2エッジ・デバイスによって受信されていないかもしれない。第2エッジ・デバイスが第2セルを検出した後であって、第2デバイスが第2セルの第2メジャーメント情報をブロードキャストする前に、第1エッジ・デバイスからの第1メジャーメント情報が第2エッジ・デバイスで受信された場合、第2デバイスは、第2メジャーメント情報の共有をスキップすることができる。幾つかの態様では、第2メジャーメント情報を共有する代わりに、第2エッジ・デバイスは、第1メジャーメント情報を共有することができる。第2エッジ・デバイスが第2メジャーメント情報を送信する状況において、第2エッジ・デバイスは、第1メジャーメント情報の共有をスキップして、比較的短い時間フレームの中で第2セルのメジャーメント情報を2回送信することを回避することができる。幾つかの態様において、スキップ共有判断は、第2エッジ・デバイス、又は代替的に複数のデバイス(例えば、基地局、第1エッジ・デバイス、及び/又は第2エッジ・デバイス)で行われることが可能である。
【0186】
幾つかの態様において、第1エッジ・デバイス903jは、第1セル901から第2セル902へのハンドオーバーを要求することができる。典型的には、排他的ではないが、ハンドオーバーのリクエストは、デバイスの接続を現在処理している、又は潜在的に処理できる第1セルよりも、第2セルの方がより強い信号をデバイスに提供していることを示すメジャーメント情報を提供することによって、デバイスによって実行されることが可能である。ハンドオーバー・メジャーメント情報又はハンドオーバー・リクエストを第1セル901のセル・コントローラ又は第1基地局904へ送ることに加えて、第1エッジ・デバイス903jは、スウォーム情報を第1基地局904へ送ることができる。スウォーム情報は、第1エッジ・デバイス903jがスウォーム910の一部であること、スウォーム910内のデバイスの数、スウォーム910の大凡の物理的サイズ、スウォーム910の速度、又はそれらの組み合わせを示すことができる。
【0187】
幾つかの態様において、第1基地局904は、第2基地局905又は第2セル902のセル・コントローラに、第1エッジ・デバイス903jが到来しつつあること、及び第1エッジ・デバイス903jがスウォーム910の一部として第2セル902の方に到来しつつあることを通知することができる。到来しつつあるスウォーム910を第2基地局905に通知することは、第2基地局905が、例えば他のセル境界におけるデバイスを隣接するセルにハンドオーバーすること又は負荷バランスをとることによって、リソースを準備して割り当てることを許容することができる。幾つかの態様において、第2セル902は、そのビームを調整し、前縁デバイス903j周囲のカバレッジを改善し、到来しつつあるスウォーム・デバイス903xに対してより良い効率又は受信を持たせるようにすることが可能である。
【0188】
図10A及び図10Bは、モバイル・デバイス1003a~1003j(総称して1003x)のスウォーム1010の改良されたセル・ハンドオーバーのための例示的なシステム1000を概略的に示す。システムは、第1セル1001、第1セル・コントローラ又は第1基地局1004、第2セル1002、第2セル・コントローラ又は第2基地局1005、及びモバイル・デバイス1003x又はUEのスウォーム1010を含むことができる。複数のモバイル・デバイス1003xは、エッジ・デバイス、及び、スウォーム1003が十分に大きい場合には、インナー・デバイス(例えば、1003g)を含むことが可能である。幾つかの態様によれば、スウォーム1010のデバイス1003xは、例えば、グローバル・ポジショニング・データ、D2D無線信号分析、又はそれらの組み合わせを使用することによって、スウォーム1010内のそれらの位置を知ることができる。幾つかの態様において、インナー・デバイス1003gは、セル信号メジャーメントを行わないことによって電力を節約することができ、スウォーム1010のエッジ・デバイス(例えば、デバイス1003j)によって提供されるメジャーメント情報を当てにすることができる。スウォーム1010が、図10Bのように、セル境界を通過する場合に、セル境界に隣接するインナー・デバイスは、各自それぞれのハンドオーバーを完了するためのメジャーメントを可能にする。
【0189】
図11は、一般に、モバイル・デバイス1103a~1103j(総称して1103x)のスウォーム1110の改良されたセル・ハンドオーバーのための例示的なシステム1100を示す。システム1100は、第1セル1101、第1セル・コントローラ又は第1基地局1104、第2セル1102、第2セル・コントローラ又は第2基地局1105、及びモバイル・デバイス1103x又はUEのスウォーム1110を含むことができる。前縁デバイス(例えば、1103j)は、第2セル1102の信号強度が第1セル1101の信号強度よりも強い場合に、第1セル1101の基地局1104に、ハンドオーバー・リクエストを提供することができる。ハンドオーバー・リクエストは、スウォーム1110を識別する情報、例えばスウォーム識別子を含むことができる。幾つかの態様において、ハンドオーバー・リクエストは、第1セル1101の信号と同じくらい強いか又はより強くなりつつある第2セル1102の信号を示す前縁デバイス1103jのメジャーメント情報であるとすることができるか、又はそれを含むことができる。
【0190】
幾つかの態様において、ハンドオーバー・リクエストとともに受信されるスウォーム識別子に応答して、第1セル1101の基地局1104は、第2セル1102へのハンドオーバーが予想されることに備えて、スウォーム1110の他のデバイスが第2セル1102を特に測定するように命令又は要求することができる。幾つかの態様において、第1基地局1104からのコマンド又はリクエストは、スウォーム1110内の各デバイスに個別に送信されることが可能である。幾つかの例において、第1基地局1104は、スウォーム識別子を含むマルチキャスト/ブロードキャストを提供することができる。スウォーム識別子は、コマンド又はリクエストが処理されるべきか否かを決定するために、第1セル1101に接続されたスウォーム1110の他のデバイスによって使用されることが可能である。特定の状況、例えば大きなスウォームの場合、マルチキャスト/ブロードキャスト機構を使用することは、各々のスウォーム・デバイスへ個々の送信を提供することと比較して、無線トラフィックを減少させることができる。
【0191】
図12は、スウォームのUEについてセル・ハンドオーバーを実行する例示的な方法1200のフローチャートを概略的に示す。1201において、スウォームの特定のUEは、スウォームの他のUEに対する特定のUEの位置を決定することができる。幾つかの態様において、UEは、自身の及び1つ以上の他の近隣のUEのGPSデータを使用することができる。幾つかの態様において、特定のUEは、特定のUEの1つ以上の無線機器に関連する測距アルゴリズムを使用することができる。特定のUEの相対的な位置が、スウォームの他のUEに対して決定されると、特定のUEは、その特定のUEがスウォームのエッジ・デバイスであるか、又はスウォームのインナー・デバイスであるかを決定することができる。例えば、自身の及び周辺UEのGPSデータに基づいて、特定のUEは、その特定のUEが他のUEに対してどこに位置するか、及び特定のUEがスウォームのエッジにあるかどうか(即ち、トップ・エッジUEについては、北の方向に位置する他のUEは存在しないこと、等々)を判定することができる。位置情報はまた、複数のUEの位置決定を支援するためにUE間で共有されることが可能であり、及び/又はUE位置情報は、特定のUEに通信可能に結合された1つ以上の基地局から(例えば、周期的に又は要求に応じて)受信されることが可能である。
【0192】
幾つかの態様において、特定のUEがスウォームのエッジ・デバイスとして自身を識別した場合、それは現時点でスウォームの前縁デバイスであるかどうかを決定するために、軌道情報、セル・カバレッジ情報、信号強度、又はそれらの組み合わせを使用することができる。エッジ・デバイスは、スウォームの物理的周辺部を形成し、セル境界を最初に検出する可能性がある。スウォームの前縁デバイスは、スウォームの他のデバイスより先にセル境界に遭遇する高い可能性を有するものである。
【0193】
1202において、特定のUEがスウォームのエッジ・デバイス、又はスウォームの前縁デバイスとして識別した場合、UEは、新しいセルを測定し続けることが可能であり、又は新しいセルに対する測定の周波数を増加させることが可能である。1203において、特定のUEが、スウォームのインナー・デバイスとして、又はエッジ・デバイスであるが現在の前縁デバイスではないものとして識別した場合、デバイスは、エネルギを保存するために信号測定を低減又は停止することができる。1204において、エッジ・デバイス、又は前縁デバイスは、スウォーム識別子(ID)を使用して、新しく検出されたセルに関する情報を送信することができる。幾つかの例では、新しいセル情報は、サービス基地局を介してネットワークに送信されることが可能である。幾つかの態様において、前縁デバイスは、新しいセル情報を送信するために1つ以上の無線機を使用することができる。このような無線機は、802.11無線機、802.15無線機、WiFi無線機、3PPG D2D対応無線機、V2X対応無線機、又はこれらの組み合わせを含むことが可能であるが、これらに限定されない。1205において、新たなセル・メジャーメントは、スウォーム全体にわたって更に伝播されることが可能である。
【0194】
幾つかの態様において、モバイル・デバイスのスウォームがセル境界に到達し、全てのモバイル・デバイスが次のセルへのハンドオーバーを実行する場合、問題が発生する可能性がある。例えば、多くの新たなモバイル・デバイスの突然の追加は、ターゲット・セルに突然大きな負荷を与える可能性がある。スウォームが高速に移動し、双方のセル、電流セル、及びターゲット・セルに関連するセル塔の近くを通過する場合、セル横断シナリオ(Xcell)が多くのデバイスについて発生する可能性がある。
【0195】
幾つかの態様によれば、Xcellは、デバイスが現在のセル及びターゲット・セルのセル塔に非常に近いところで(例えば、セル塔から所定の距離の範囲内で)ハンドオーバーを実行しようとしている場合のシナリオを指すことができる。幾つかの態様において、Xcellは、現在のセル及びターゲット・セルのセル塔に非常に近接してハンドオーバーを実行しようとしているデバイス自体を指すことが可能である。2つのセルのカバレッジ・エリアはほとんど重複しないかもしれない。従って、ハンドオーバーは、デバイスが動いている場合、困難である可能性があり、また非常に素早く行う必要があるかもしれない。幾つかの態様において、全てのモバイル・デバイスは、それらがスウォームの中で一緒に移動し、全てがほぼ同じハンドオーバー・シナリオを経験するという事前情報を使用せずに、個々にハンドオーバーを行う。幾つかの態様において、スウォームは、モデム、電話、車両、ロボット、ドローン等の形態におけるモバイル・デバイス又はUEを含むことができる。
【0196】
図13は、モバイル・デバイスのスウォームをハンドオーバーするためのシステム1300を概略的に示す。システム1300は、UE1302a~1302j(集合的に1302x)のようなモバイル・デバイスのスウォーム1301、第1セル・システム、及び第2セル・システムを含むことが可能である。第1及び第2セル・システムの各々は、それぞれセル1303、1304及び基地局1307、1308又はセル・コントローラを含むことができる。各セル1303、1304は、基地局1307、1308がUEとの無線接続を提供して維持することが可能な境界を含むことが可能である。スウォーム1301の各UEは、スウォーム1301の少なくとも1つの他のメンバーによって発見されることが可能であり、スウォーム1301の1つ以上の他のメンバー1302xに近接することによって、スウォーム1301でのメンバーシップを維持することが可能である。スウォームは静的であるとすることが可能であるが、図示のスウォーム1301は、速度及び方向の両方において同様な軌跡を共有するUE1302xを含む。図13の図示のシステムでは、モバイル・デバイスのスウォーム1301は、第1セル1303及び第2セル1304双方のためのアンテナを含むインフラストラクチャ1306の非常に近くを比較的高速で移動している。
【0197】
Xcellハンドオーバーは、固有の課題を提示する。1つの課題はタイミングである。図14A~14Cは、サービス・セル、又は第1セル1403、及びターゲット・セル、又は第2セル1404のためのアンテナを保持するインフラストラクチャ付近のセル境界を越えて移動しつつあるデバイスのXcellハンドオーバーに関連するシステム1400及びタイミング1450を概略的に示す。図14Aは、例示的シナリオの物理的な関係を概略的に示す。図示のシナリオでは、システム1400は、単一のモバイル・デバイス又はUE1402、第1セル・システム1403、1407、及び第2セル・システム1404、1408を含むことが可能である。特定の例では、単一のモバイル・デバイス1402は、スウォームのメンバーであるとすることが可能である。第1セル・システム及び第2セル・システムは、セル1403、1404及び基地局1407、1408又はセル・コントローラを含むことができる。各セル1403、1404は、基地局1407、1408がUE1402を含む1つ以上のモバイル・デバイスとの無線接続を提供して維持することが可能な境界を含むことができる。この特定のシナリオでは、UE1402及びそれが所属し得るスウォームは、例えば高速道路1460に沿って左から右へ高速で移動することができる。
【0198】
図14Bは、モバイル・デバイス1402の走行線に沿ったシステム1400の各セル1403、1404の信号強度1421、1422を概略的に示す。図14Aにおけるリファレンス1402は、車両として示されているが、用語「モバイル・デバイス1402」は、車両の一部として実装される通信デバイス、又は車両の一部としては実装されないが車両内に位置する通信デバイスを指す。各セルの信号強度は、各セルのそれぞれの境界付近、特に1つ以上のセル1403、1404のセル塔又はアンテナ付近で、非常に急速に減少する可能性がある。例えば、第1セル1403の信号強度1421は、左から右へ移動するにつれて非常に急速に減少する可能性がある。第2セル1404の信号強度1422は、右から左へ移動するにつれて、非常に急速に減少する可能性がある。モバイル・デバイス1402はネットワーク・インフラストラクチャ1405に近いので、第1及び第2のセル1403、1404はオーバーラップする可能性がある。幾つかの態様において、第1及び第2セル1403、1404は、かなりオーバーラップしているわけではない。
【0199】
図14Cは、左から右へ移動するモバイル・デバイス1402について、ハンドオーバー・コマンド通信のオーバレイを概略的に示す。時間t0において、モバイル・デバイス1402は、第2セル1404を測定し始めるかもしれない。時間t1において、モバイル・デバイス1402は、第2セル1404の信号1422が、第1セル1403の信号1421よりも優れていることを測定し、認識することができる。時間t2において、第1及び第2のセル1403、1404の信号1421、1422の相対的な強度を処理及び認識した後に、モバイル・デバイス1402は、測定値を第1基地局1407に提供し、第2セル1404へのハンドオーバーを要求することができる。時間t3において、第1セル1403の基地局1407がメジャーメント及びハンドオーバー・リクエスト情報及びその他の何らかのハンドオーバー処理を処理した後、第1基地局1407は、モバイル・デバイス1402にハンドオーバー・コマンド1431を提供することができる。
【0200】
一般に、幾つかの態様によれば、t1とt2との間、及びt2とt3との間の間隔は、所与のモバイル・デバイス及び所与のセル・コントローラに対して比較的固定される。図14A~14Cのシナリオに示すように、モバイル・デバイス1402がセルラー・インフラストラクチャ1405に過剰に速く移動して過剰に近くにある場合、モバイル・デバイス1402と第1基地局1407との間で交換される1つ以上の通信は、モバイル・デバイス1402が第1セル1403のカバレッジ・エリアを離れる前に完了しないかもしれない。ハンドオーバー・コマンドを受信することなく(時間t3)、モバイル・デバイス1402とネットワークとの間の接続は終了することが可能である。
【0201】
図15は、Xcellシナリオにおける高速移動スウォーム1501に対処するように構成された例示的なシステム1500を概略的に示す。システム1500は、UE1502x(例えば、1502a、1502b)のようなモバイル・デバイスのスウォーム1501、第1セル・システム、及び第2セル・システムを含むことができる。第1及び第2セル・システムは、セル1503、1504及び基地局1507、1508又はセル・コントローラを含むことができる。各セル1503、1504は、基地局1507、1508がUEとの無線接続を提供し維持することができる境界を含むことができる。スウォーム1501の各UEは、スウォーム1501の少なくとも1つの他のメンバーによって発見されることが可能であり、スウォーム1501の1つ以上の他のメンバーに近接することによって、スウォーム1501におけるメンバーシップを維持することができる。図15の特定の例は、スウォーム1501の2つのモバイル・デバイス1502a、1502bを示す。幾つかの態様において、スウォームは、追加のモバイル・デバイスを有することが可能である。
【0202】
一般に、上述のように、セル・トランシーバを含むネットワーク・インフラストラクチャ1505近傍のセル境界を横断する高速移動スウォーム内のデバイス(例えば、所定の閾値速度を超える速度で移動している)については、デバイスがセル・ハンドオーバーの機会を認識した時点とハンドオーバーが完了し得る時点との間に、デバイスの接続が失われる可能性がある。特定の態様において、スウォーム対応デバイス1502xは、スウォーム1501のD2Dネットワークを使用して、スウォーム1501内の1つ以上のモバイル・デバイスのハンドオーバーを完了することを支援することができる。例えば、スウォーム1501が第1セル1503のセル境界に近づくと、スウォームの第1エッジ・モバイル・デバイス(例えば、1502a)は、第2セル1504を検出することができる。その直後に、第1エッジ・デバイス1502aは、第2セル1504の強度は第1閾値を上回っている又は上っていること、及び第1セル1503の強度は閾値未満である又は下降していることを示すメジャーメント・レポートにより、ハンドオーバー・リクエストを伝達することができる。しかしながら、第1基地局1507がクロスオーバー・リクエストを処理し、ハンドオーバー・コマンドを第1エッジ・デバイス1502aへ提供する前に、第1エッジ・デバイス1502aは、(基地局が)ハンドオーバー・リクエストを受信する前又は受信したハンドオーバー・リクエストにアクノリッジメントを返す前のいずれかにおいて、第1セル1503の圏外に移動する状況が生じ得る。特定の例では、第1セル1503内に依然として存在する1つ以上の他のモバイル・デバイス(例えば、1502b)は、第1セル1503の基地局1507と第1エッジ・デバイス1502aとの間の制御通信をモニタリングすることによって、D2Dネットワークを介してスウォーム1501のステータス情報をモニタリングすることによって、又はそれらの組み合わせによって、状況を認識することができる。状況を認識し、基地局1507から第1エッジ・デバイス1502aに対するハンドオーバー・コマンドを受信すると、スウォーム1501の1つ以上の他のモバイル・デバイス1502bは、スウォーム1501のD2Dネットワークを介して、ハンドオーバー・コマンドを第1エッジ・デバイス1502aへ中継することができる。
【0203】
所定の態様において、ハンドオーバー・リクエストを開始したスウォーム1501のモバイル・デバイス(例えば、1502a)は、ハンドオーバーの伝達が第1セル1503の基地局1507に到達しなかったことを知ることが可能である。このような認識は、基地局1507への送信に応答する確認応答(ACK)をモバイル・デバイス1502aが受信していないことによって明らかにされることが可能である。特定の例において、モバイル・デバイスは、スウォーム1501のD2Dネットワークを使用して、ハンドオーバーが完了するまで、第1セル1503のカバレッジ内のスウォーム1501の1つ以上のメンバーに、基地局1507とモバイル・デバイス1502aとの間のその後の通信を中継させることができる。
【0204】
特定の例において、前縁デバイス1502aのような、高速Xcellハンドオーバーの問題を経験する又は認識し得るモバイル・デバイスは、スウォーム1501のD2Dネットワークを使用して、ハンドオーバーを要求するために、スウォーム1501の他のモバイル・デバイスに関する示唆される位置のようなハンドオーバー情報を配布することができる。このような態様における示唆される位置は、第1セル1503の基地局1507との間の通信を中継するためにスウォーム1501の他のデバイスを当てにすることなく、ハンドオーバーが完了することを可能にするものであるとすることが可能である。
【0205】
図16A及び16Bは、例示的な方法1690が、スウォーム1601に対する高速Xcellイベント中にサービスの欠落を防止することが可能なシナリオ1600を概略的に示す。シナリオ1600は、デバイス1602x(例えば、1602a及び1602b)のスウォーム1601、第1セル・システム、及び第2セル・システムを含む。第1及び第2セル・システムの各々はそれぞれ基地局1607、1608、又はセル・コントローラ、及びセル1603、1604、又はセル・カバレッジ・エリアを含むことができる。スウォーム1601の2つのデバイス1602a、1602bが図16Aに示されているが、スウォーム1601は追加のデバイスを有することが可能であることが理解される。スウォーム1601は、第1セル・アンテナ又は第2セル・アンテナの少なくとも1つをサポートするネットワーク・インフラストラクチャ1605近傍の第2セル1604内へ、第1セル1603の境界を横切って移動している。
【0206】
幾つかの態様において、シナリオ1600は、車両及び乗客の群れを伴う高速道路、車両、乗客又は歩行者の群れを伴う混雑した道路、列車若しくはバスに乗る乗客の群れを伴う輸送路、又はそれらの組み合わせに沿って発生する可能性がある(この場合において、車両、乗客又は歩行者は1つ以上のUEを所有している)。スウォーム1601は、ハンドオーバーを完了する前縁デバイス1602aを含む。ハンドオーバーの間に、メッセージがスウォーム1601の他のメンバーによって中継されるか又はされずに完了するかどうかにかかわらず、前縁デバイス1602aはハンドオーバーの座標を記録する(1690a)。このような座標は、ハンドオーバー・リクエストのグローバル・ポジショニング(GPS)座標、ハンドオーバー・コマンドの受信、ハンドオーバーに関連するアクノリッジメントの受信又は送信、又はそれらの組み合わせを含むことができる。前縁デバイス1601は、スウォーム1601のD2D接続を介して、GPS座標に加えて他の情報(速度及び方向情報、又はメジャーメント情報など)のうちの1つ以上を、スウォーム1601の他のメンバーへブロードキャストすることができる(1690b)。前縁デバイス1602aは、各ハンドオーバーに対して、又は例えばハンドオーバー・メッセージがスウォームの他のメンバーによって中継されることを当てにするような、何らかの困難を経験するハンドオーバーのサブセットに対して、これらの機能を実行することができる。幾つかの態様によれば、ハンドオーバー・メッセージがスウォームの他のメンバーによって中継されることを当てにすることは、スウォーム1601における電力消費及び干渉を低減することになる。
【0207】
例えば、第2スウォーム・デバイス1602bのようなスウォームの他のメンバーは、前縁デバイスからハンドオーバーGPS位置情報を受け取ることができ(1690c)、前述のように潜在的なXcellハンドオーバー問題を回避又は緩和するために、自身のハンドオーバーのためのプランを育むことができる(1690c)。特定の例では、第2スウォーム・デバイス1602bは、前縁デバイス1602aの位置情報及びメジャーメント情報、過去の通信のラウンドトリップ遅延、自身の速度及び方向情報、又はそれらの組み合わせを使用して、ハンドオーバーがトリガされる前に第1セルのサービスを失ってしまうことを回避するように、ハンドオーバー・リクエストを送信する位置を決定することができる(1690c)。位置の決定(1690c)は、第1及び第2セルの信号レベルが交差する位置を近似的に決定することを含むことができる。特定の態様において、ハンドオーバー・リクエストを送信するための決定された位置は、第2セルの信号強度が第1セルの信号強度よりも良好になる場所をちょうど越えてハンドオーバーを完了する結果をもたらすことができる。特定の態様において、第2デバイスがスウォームの前縁デバイスの数レイヤ後方にある場合、第2デバイスは、ハンドオーバーの問題を回避するためにハンドオーバー・コマンドを送信する位置を決定するために、スウォームの複数の他のメンバーからの情報を利用することができる。特定の態様において、ハンドオーバー・リクエストは、ハンドオーバー・リクエストが、時間によりトリガされたり又は信号レベルによりトリガされたりするのではなく、位置に基づくものであることを基地局に通知するインジケータを含むことができる。第2デバイス1602bが、決定された位置に到着すると、第2デバイス1602bはハンドオーバー・リクエストを送信することができる(1690d)。
【0208】
図17は、第1セル1703から第2セル1704へモバイル・デバイス1702a~1702j(総称して1702x)のスウォーム1701をハンドオーバーするためのシステム1700を概略的に示す。システム1700は、UEのようなモバイル・デバイス1702xのスウォーム1701、第1セル・システム、及び第2セル・システムを含むことができる。第1及び第2セル・システムはそれぞれ、セル1703、1704、又はセル・カバレッジ・エリア、及び基地局1707、1708、又はセル・コントローラを含むことができる。各セル1703、1704は、基地局1707、1708が1つ以上のUEとの無線接続を提供して維持することができる境界を含むことができる。
【0209】
幾つかの態様において、スウォーム1701の各UEは、スウォーム1701の少なくとも1つの他のメンバーによって発見されることが可能であり、スウォーム1701の1つ以上の他のメンバーに近接することによってスウォーム1701のメンバーシップを維持することができる。スウォームは静的であるとすることが可能であるが、図示されるスウォーム1701は、速度及び方向の両方において同様な軌道を共有するUE1702xを含む。
【0210】
図17は、スウォーム1701のメンバー1702xが、第1及び第2セル1703、1704の境界を横切っている時点、より具体的には、第1セル1703から出て第2セル1704の中に進行している時点を示す。幾つかの態様において、スウォーム1701の各UE1702xは、ハンドオーバー・リクエスト(例えば、メジャーメント・レポート)を第1セル1703の基地局1707へ個別的に送信し、ハンドオーバー処理の一部として、第1セル1703の基地局1707からハンドオーバー・リクエストの確認又はアクノリッジメントを受信する。第1セル1703の基地局1707は、各UEのハンドオーバーを、第2セル1704の基地局1708とともに調整する。多数のUE(例えば、スウォーム)がある場合、ハンドオーバー・プロセスは、第1基地局、第2基地局、又は第1基地局及び第2基地局双方を圧倒する可能性がある。特定の態様において、スウォーム1701の前縁UE(例えば1702a)は、第2セル1704を最初に検出することができ、従来のシステムで起こり得るようなハンドオーバー・リクエストを提供することができる。しかしながら、従来のハンドオーバー・リクエストに加えて、スウォーム1701の前縁UE1702aはまた、スウォームIDを第1基地局1707に提供することもできる。
【0211】
ある態様では、スウォーム1701のUEが第1セル1703の基地局1707と対話するように、基地局1707は、レジスタを割り当てることができ、スウォーム1701に関する情報をレジスタ内に格納することができ、情報は、スウォームID、スウォームの1つ以上のUEメンバーのID、1つ以上のメンバーUE位置情報、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの態様では、第1基地局1707がスウォーム1701の1つ以上の前縁デバイスからハンドオーバー・リクエストを受信すると、第1基地局1707は、ハンドオーバーが第1基地局1707又は第2基地局1708のいずれをも圧倒しないように、スウォーム1701の他のメンバーのハンドオーバーを計画して処理し始めることが可能である。例えば、スウォーム1701の前縁デバイスからハンドオーバー・リクエストを受信すると、第1セル1703の基地局1707は、スウォーム1701の他のメンバーに対するハンドオーバー位置を計画し始めることができる。このような計画は、レジスタに記憶され及びスウォームIDに関連付けられた位置情報に基づくことが可能である。
【0212】
幾つかの態様において、スウォーム関連情報は、スウォーム1701のモバイル・メンバーのうちの1つ以上にのみ記憶されてもよい。第2セル1704を検出すると、スウォーム1701のメンバーは、ハンドオーバー・リクエストと共にスウォーム情報を第1セル1703の基地局1707に提供することができる。幾つかの態様において、スウォーム情報は、スウォーム1701のマスター・デバイスにのみ存在してもよい。第2セル1704及び差し迫ったハンドオーバー・イベントを検出したスウォームのメンバーが、スウォーム1701のマスター・デバイスではない場合、スウォーム情報は、ハンドオーバー・リクエストを提供する前に、例えばピア・ツー・ピア接続を介して、マスター・デバイスから受信されることが可能である。上述のように、第1セル1703の基地局1707は、次いで、スウォーム1701の他のメンバーのハンドオーバーに備えるために、スウォーム情報を使用することができる。
【0213】
幾つかの態様において、スウォーム1701は発展することができ、新しいデバイスが、前縁デバイス、又は一般的にエッジ・デバイスになることができる。このような変化は、スウォーム1701のメンバー間の速度又は方向のわずかな相違、スウォーム1701の平均的な速度又は方向の変化、又はそれらの組み合わせの結果として生じ得る。スウォームの周辺にあるメンバー・デバイス(即ち、エッジ・デバイス)は、マスター・デバイスによって識別されると、スウォームのマスター・デバイスからのスウォーム情報の更新を、非エッジ・デバイスと比較してより頻繁に受信することができる。幾つかの例では、新しいセルを検出する可能性が最も高いデバイスである前縁デバイスは、スウォームのマスター・デバイスからスウォーム情報の更新を、スウォーム1701内の他のエッジ・デバイスと比較してより頻繁な間隔で受信することができる。幾つかの例では、デバイスがエッジ・デバイスになると、そのようなデバイスは、マスター・デバイスになることが可能であり、現在のスウォーム情報を受信又は中継することができ、スウォーム情報を更新し始めることができる。スウォーム情報の更新は、ピア・ツー・ピア問い合わせの作成、ディスカバリ・リクエスト、基地局通信のモニタリング、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0214】
ハンドオーバー・リクエスト及びスウォーム情報に基づいて、第1セル1703の基地局1707、又はセルラー・ネットワークの制御回路は、第2セル1704へハンドオーバーするための、スウォーム1701の各メンバー・デバイスの最適な位置を識別することができる。セル・コントローラ又はネットワーク制御回路が各位置を決定するために使用することができる情報は、古い及びターゲット・セル1703、1704のセル負荷、スウォーム1701のトラフィック・プロファイル、スウォーム1701の移動パラメータ(速度、方向)、スウォーム1701のサイズ(デバイスのエリア及び数)、スウォーム1701からの様々なデバイスによって報告されたメジャーメント、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。大きなスウォームに対しては、ある態様において、ネットワーク制御回路又は第1セル1703の基地局1707は、ある期間、大きなスウォームを2つのより小さなスウォームとして取り扱い、各パートを異なるセルに割り当てることができる。
【0215】
図18は、モバイル・デバイスのスウォーム1801が、第1セルと第2セルとの間の重複領域内に位置する例示的なシステム1800を概略的に示す。システムは、第1セル1803、第1セル1803内の接続をサポートする第1基地局1807、第2セル1804、第2セル1804内の接続をサポートする第2基地局1808、及び多数のUE1802a~1802j(集合的に1802x)又はモバイル・デバイスを含むことが可能である。UE1802xの幾つかは互いに発見し合い、スウォーム1801を形成している。
【0216】
幾つかの態様において、スウォーム1801は、類似する速度及び方向を共有し、1つ以上の他のスウォーム・メンバーに隣接する1つ以上のUEを含むことができる。隣接性は、限られたホップ数を含む、ピア・ツー・ピア通信プロトコルの範囲に制限されることが可能である。図18に一般的に示される状況において、デバイス(複数)のスウォーム1801は、完全に第1セル1803及び第2セル1804の重複領域内に位置する。1つ以上のハンドオーバー・リクエスト1810を受信すると、第1セル1803の基地局1807は、個々のデバイスへの単独のハンドオーバー・コマンドの代わりに、単独のグループ/スウォーム・ハンドオーバー・コマンド1811をスウォーム・デバイス1802xへブロードキャストすることができる。グループ・コマンド1811は、識別子としてスウォームIDを含むことができ、それにより、スウォーム1801のデバイス1802xは、デバイスがコマンドを処理して応答すべきかどうかを認識することができる。単一の一般的なコマンドをスウォーム1801に提供することは、ネットワーク負荷を著しく低減することができる。更に、スウォーム1801内の全てのデバイスのハンドオーバーに関する共通の時点は、スウォーム1801の全てのデバイスが同一のセルに接続されることを保証することができ、これは、スウォーム1801内のデバイスの任意のセル固有の設定に有益であり得る。そのようなセル固有の設定は、デバイス間のD2Dリンクに対する特定のタイミングを含み得るが、これに限定されない。
【0217】
図19は、制御通信トラフィックの減少とともに、第1セル1903から第2セル(図示せず)へ、モバイル・デバイス1902a~1902j(集合的に1902x)のスウォーム1901をハンドオーバーするための例示的なシステム1900を概略的に示す。システム1900は、第1セル1903と、第1セル1903の接続をサポートする第1基地局1907と、多数のUE1902x又はモバイル・デバイスとを含むことができる。UE1902xのうちの幾つかは互いに発見し合い、スウォーム1901を形成することができる。特定の態様において、スウォーム1901は、類似する速度及び方向を共有し、1つ以上の他のスウォーム・メンバーに隣接するUE1902xを含むことができる。幾つかの態様によれば、スウォーム形成に関する隣接性は、スウォーム通信を伝搬するために使用される一定数のホップ1915を含むピア・ツー・ピア通信プロトコルの範囲として表現されることが可能である。
【0218】
特定の態様では、スウォーム1901が形成される場合に、スウォーム1901のうちの単独のデバイス(例えば、1902a)がスウォーム・マスター1902aとなることが可能である。一旦、スウォーム・マスターとして識別されると、デバイス1902aは、スウォーム1901の他のメンバー・デバイスのための制御通信1910を処理し始めることができる。スウォーム・メンバー1902xのデータ接続1912は、幾つかの態様において、各デバイスと基地局1907との間で直接的に処理され続けることが可能である。制御通信1910は、セル・メジャーメント・レポートを含むことができるが、これに限定されない。セル・メジャーメント・レポートの通信を統合することは、制御通信トラフィックを大幅に削減し、短時間で多数のハンドオーバーを処理すること等のような他の時間的に重要なタスクのためにネットワーク・リソースを解放することができる。
【0219】
図20は、基地局を動作させる例示的な方法2000の概略的なフローチャートを概略的に示す。2001において、基地局は多数のモバイル・デバイスをスウォームとして識別することができる。基地局は、モバイル・デバイスから収集された、又は基地局と各モバイル・デバイスとの間の通信を分析することによって生成された軌跡情報を分析することによって、スウォームのメンバーを識別することができる。2002において、基地局はスウォームの各メンバーに識別子を割り当てることが可能であり、2003において、基地局はスウォームにスウォーム識別子を割り当てることが可能である。個々の識別子及びスウォーム識別子を含むことが可能なスウォーム情報は、基地局に、又はスウォームの1つ以上のメンバー・デバイス(例えば、スウォームのマスター・デバイス)に格納されることが可能である。スウォーム情報又はその一部は、基地局との制御又はデータ通信に提供されることが可能である。基地局は、個々の制御メッセージを発行することによって制御トラフィックを潜在的に削減することができ、ここで、各々の制御メッセージは、スウォームの1つ又は複数のメンバーに制御情報を提供することができる。制御メッセージは、スウォーム情報を使用して設定されることが可能である。このようなスウォーム情報の利用は、セルの制御トラフィックを減少させることが可能であり、ネットワーク・リソースを解放することが可能であり、これはサービスを改善し又はセル容量の拡張するために使用されることが可能である。
【0220】
UEがあるセルから別のセルへ横断する場合に、セルラー・ネットワーク又はその構成要素は、あるセルから次のセルへUEの接続をハンドオーバーする。ハンドオーバーを計画して管理する技術は、セルラー技術が進歩するにつれて進歩してきた。しかしながら依然としてハンドオーバーが失敗し得る状況が存在する。
【0221】
ハンドオーバー(例えば、図7及び図8に関連して図示及び説明されているようなもの)は、典型的には、基地局により応対されているUEであるUEクライアントが、UEにサービスを提供している現在のセルよりも良い、異なるセルとの接続を確立できることを、セルの基地局が認識した場合に発生する。ハンドオーバーの認識は、UEによって提供されるメジャーメント・データの結果としてのものであり得る。認識されると、基地局は異なるセルのコントローラと協調することができ、UEの接続はハンドオーバーされることが可能である。しかしながら、ある側面では、ハンドオーバー技術において多くの進歩があるにもかかわらず、基地局がハンドオーバーの必要性を認識した時点と実際のハンドオーバーとの間で状況が変化すると、ハンドオーバーは失敗するか、又はサービング・セルへ戻る又は第3セルへの追加のハンドオーバーを直後に行う可能性がある。状況の変化は、知覚したハンドオーバーを理想的なものよりも低くする信号状態の変化、UEと基地局との間の通信を遅延させる信号状態の変化、UEのメッセージ・キュー遅延、又はそれらの組み合わせを含む多くの理由により生じ得るが、これらに限定されない。
【0222】
幾つかの態様において、本願で説明される技術は、失敗してしまう及び短期のハンドオーバーを緩和するために使用することができ、従って、移動通信デバイス・ユーザにより良いユーザー体験を提供することができる。特定の態様において、UEのプロセッサは、レポートを不的確にする状況を認識すると、ハンドオーバー関連レポートの送信を中断することができる。幾つかの態様において、レポートは時間的に重要なハンドオーバーを提供する可能性があることを集めて認識すること、プロセッサはレポートの送信を優先することが可能であり、レポートはネットワークへの送信のために、メッセージ・キューの前方に配置されることが可能である。幾つかのケースにおいて、UEが同期を外れた場合、~18%は、約800ミリ秒(ミリ秒)ないし約2000ミリ秒の間に同期を取り戻すであろう。このような遅延の間に、UEの無線状態は著しく変化する可能性がある。従って、同期外れ期間中にキューイングされた如何なるメジャーメントも、UEが同期状態に戻った場合に不的確な状態を報告する可能性がある。幾つかのUEは、一般に、メッセージがキューイングされた順序で、キューイングされたメッセージを送信する。結果として、メジャーメント・レポートなど(ただし、これに限定されない)の特定のレポートの送信に遅延がある場合、ネットワークは、失敗するハンドオーバーをトリガしてしまう、又は成功してもハンドオーバーが直ぐに2回目のハンドオーバーをもたらす結果となるので効率的でないハンドオーバーをトリガしてしまう可能性がある。
【0223】
図21は、何らかの態様に従った、失敗してしまうハンドオーバー及び不必要なハンドオーバーを回避又は軽減するための例示的な方法のフローチャートを概略的に示す。2101において、第1メジャーメント・レポートがネットワークに送信されるべき基準を満たし、アップロード送信のためにデータリンク・レイヤのようなL2に送られる。2103において、無線状態が変化し、最初のメジャーメント・レポートの情報を不的確にする。2105において、L2からの入力は、L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認したか否かを判断するために評価される。L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認した場合、この方法は完了し、他のタスク2109に移行する。L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認していない場合、2107において、L2は、第1メジャーメント・レポートを送信せずに、第1メジャーメント・レポートを破棄するように指示される可能性がある。
【0224】
図22は、何らかの態様に従った、ハンドオーバーの失敗及び不必要なハンドオーバーを回避又は軽減するための代替的な又は強化された例示的な方法2200を概略的に示す。2201において、第1メジャーメント・レポートは、ネットワークに送信されるべき基準を満たすことができ、アップロード送信のためにL2に送られる。例えば、第1メジャーメント・レポートは、第1非サービング・セルがサービング・セルよりも強い信号を提供していることを示すことが可能である。2203において、無線状態が変化し、第1メジャーメント・レポートの情報を不的確にする可能性がある。例えば、第2メジャーメント・レポートが2205で生成されることが可能であり、それは第1非サービング・セルの信号が劣化したこと、及び第2非サービング・セルがサービング・セルよりも強い信号を提供していることを示す可能性がある。2207において、L2からの入力は、L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認したかどうかを判定するために評価される。L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認した場合、本方法は完了し、2213において他のタスクに移行する。2207において、L2が第1メジャーメント・レポートの受領を確認していない場合、2209において、L2は第1メジャーメント・レポートを送信せずに第1メジャーメント・レポートを廃棄するように指示される可能性がある。2213において、L2は処理を再開し、L2のキューにメッセージを送ることができる。特定の例では、L2は、2211において、第2メジャーメント・レポートの処理を優先するか、又は第2メジャーメント・レポートを速やかに処理するために待ち行列のトップに移動させ、ネットワークにアップロードするように指示される可能性がある。
【0225】
mmWave技術では、ステーション(例えば、図1AのUE101、102)と他のステーション又はアクセス・ポイント(例えば、図1AのAP106)との間の通信は、方向に大きく依存し且つ周囲環境の変化によって生じる妨害を受けやすい無線チャネルを使用しているかもしれない。更に、デバイスで使用されるmmWave無線機は、デバイス・ハンドセットの方向、ひいてはアンテナ・アレイの配向に基づいて急速に変化する可能性がある。これら及び他の理由により、mmWaveステーションは、パフォーマンスの低下又は通信待ち時間の増加を検出したときに、通信のための他のビームを探してもよい(例えば、図7~8に示されるようなハンドオーバー、又は他の修正措置が必要とされてもよい)。しかし、幾つかの例では、mmWave接続を確立しようとするデバイスの方向、及びそれらのデバイスのアンテナ・アレイの方向は、それらのデバイスの接続前では知られていない。接続を確立するために、デバイスは、無指向性アンテナ構成及びその他の設定パラメータを使用して、RFパス・ロスを相殺する。接続が確立されると、デバイスは、最良ビーム方向を決定するためにセクタ・レベル掃引(SLS)を使用し、ビーム方向を更に最適化するためにビーム洗練プロトコル(BRP)を使用する。そのようなプロトコルは、コネクションを確立し、新しいコネクション上で通信を効率的に開始するために、シグナリング・オーバーヘッド及び時間を増加させる可能性がある。
【0226】
対照的に、実施態様によれば、通信局は通信局の位置及びアンテナ・アレイに基づいて最良のビーム方向を推定し、この情報を、mmWaveリンクが確立される前に通信局間で通信し、その結果、接続時間を短縮し、シグナリング・オーバーヘッドを減らすことができる。従って、種々の態様によるシステム及び方法は、ターゲット・セル、AP、TRP、又は他のターゲット・ネットワーク・エレメントにおいて新しい接続を形成するために使用される時間を短縮することによって、ハンドオーバーの効率を増加させることができる。
【0227】
所定の態様によれば、OOB(アウト・オブ・バンド)通信は、mmWave通信リンクが確立される前に、ノード(通信局、アクセス・ポイント、及びその他のデバイス)間の情報交換を促進する。実施態様において、OOB通信は、mmWave帯域外、例えばセルラー、WiFi、及び他の帯域の通信を指す。多くの通信がOOBを実行する可能性があるので、mmWaveリンク確立処理に伴う待ち時間とシグナリング・オーバーヘッドを減らすことができる。OOB通信を使用することにより、幾らかの予備的な情報がノード間で事前に交換できるので、ビーム探索及びビーム追跡アルゴリズムはより迅速に実装され完了することができる。従って、ハンドオーバー・プロセスは、より迅速に(例えば、より短い遅延とともに)、より少ないオーバーヘッドとともに生じ得る。予備的情報は、ビーム探索パターンの同期のための情報、アンテナ・アレイの相対位置に関する情報、デバイスの移動情報、及び、mmWaveリンクが確立された後にmmWave通信に使用されるビームの方向及び/又は開口を含むことが可能である。
【0228】
他の態様において、利用可能なビーム・フォーミング(BF)又はビーム調節(BA)設定の優先順位付けされたリストが、周期的な掃引の間に作成され、そして、mmWaveブロッケージ又は他のハンドオーバー・トリガ状態の場合に高速な再接続に使用されるように、OOB又はmmWaveリンク上で伝達される。ある態様によれば、高速指向性リンク再確立のためのスマート・ビーム・ステアリング・アルゴリズムは、セクタ探索空間を狭め、移動によるリンク切断後に送信及び受信ビームを迅速に再ステアリングするために、以前の実現可能なアンテナ・セクタ・ペアの知識を使用する。特定の態様によれば、高速指向性リンク再確立のための方法は、移動によるリンク切断の前にビーム・スキャンで識別される可能な代替的なビーム方向のリストを使用することができる。ある態様によれば、OOB通信が利用できない場合、システム及び方法は、非OOB BF/BAアルゴリズムにデフォルトで設定することができる。
【0229】
現在のユーザー・デバイスは、典型的には、例えばセルラー、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBeeなどの複数の技術を使用して通信することが可能である。mmWaveリンク、例えば、IEEE802.11ad、IEEE802.15.3cなどは、高いデータ・スループット(例えば、>300メガビット/秒、即ちMbs)を要求するアプリケーションに対して接続を提供する。特定の場合にmmWaveによって示される伝搬制限、例えば見通し線(LOS)制限のために、デバイスはしばしば、通信のためにLOSを当てにしない他の技術を同時に使用する。従って、ノード間にLOSmmWave接続を確立するために、特定の態様に従ったシステムは、まず(例えば、mmWave接続の確立前に)非LOS接続を開始し、アンテナ・アレイ配向/ブロードサイド方向に関する情報及びその他の情報を交換することができる。ノードは、SLSエリアを優先又は低減するために、相反ノード最適適合(BF)アルゴリズム内でこの情報を使用することができる。
【0230】
図23は、デバイス2302とデバイス2304との間の方位角及び仰角情報の通信を示す。図23に示すように、デバイス2302のアンテナ・アレイに対する方位角及び仰角情報2306は、デバイス2302のデバイス2304に対する相対位置を追跡するために、OOBコネクション2308を介してデバイス2304へ提供される。同様にデバイス2304のアンテナ・アレイに対する方位角及び仰角情報2310は、OOBコネクション2308を介してデバイス2302へ提供される。仰角及び方位角情報は、デバイスの磁力計、加速度計など(図23には示されていない)を使用して生成されることが可能である。デバイス2302、2304のいずれかは、AP、TRP、基地局、gNodeBなどの静止デバイス、又は、例えば車両、ドローンなどに実装されるモバイル・ネットワーク・エレメントであり得ることが理解されるであろう。
【0231】
デバイス2302、2304が複数のアンテナ・アレイを含む場合、複数のブロードサイド方向が計算され、ユーザーがどのように保持し及び/又はデバイス2302、2304を使用するかを関連付け、図24に示されるように、最も妨害の少ないアンテナ・アレイ・ペアを識別する。例えば、アンテナ・アレイ2412及び2414は、アンテナ・アレイ2416及び2418よりも障害の少ない方法で通信することができる。各アンテナ・アレイ2412、2414及び2416、2418について、複数の組の仰角及び方位角情報が生成されることが可能である。近接センサ(例えば、デバイス・エンクロージャに埋め込まれたキャパシタンス・センサ)を使用して、ユーザーの手に対するデバイス2302、2304の位置、及び/又は、身体における又はテーブル、デッキなどの表面における追加の位置でのデバイス2302、2304の位置を決定することができる。
【0232】
好ましいアンテナ・アレイ2412、2414、2416、2418のブロードサイド方向が所定の態様に従って決定された後、最良のアンテナ・ペアに関する情報がOOBで交換されることが可能であり、SLS手順を利用することなく、図25に見られるようにビーム方向2502が計算され得る。また、BAの追跡と同期もOOBで進めることができる。
【0233】
mmWave接続が、計算された及び/又は最も可能性の高いビーム方向2502を用いて確立することに(例えば、閉塞に起因して)失敗した場合、より良い又は異なるビーム方向を発見するためにSLSが実行されることが可能である。しかしながら、ビーム方向はOOB通信リンクを用いて空間及び時間的に同期させることが可能であるので、mmWaveコネクションを確立するための時間は、全体として削減することが可能である。更に、図26に示されるように、幾つかの態様において、デバイス2302の配向データは、mmWaveコネクション中に連続的にモニタリングされることが可能であり、BF調節コマンド2604、2606は、例えば、WiFi AP2608へのOOB通信のために生成されることが可能である。
【0234】
図27Aは、実施態様に従って、異なるBF/BAコンフィギュレーションがどのようにしてシステム27A00内に記憶され使用され得るかを示す。図27Aでは、デバイス2702及び2704は、デバイス2702及び2704間のmmWave通信のために、少なくとも2つのBA可能性2706及び2708を有する。デバイス2702は、1つ以上のBF2710、2712を生成することができ、デバイス2704は、1つ以上のBF2714、2716を生成することができ、ここで、BF2710、2712、2714、2716は、この文脈では、それぞれのデバイス2702、2704のアンテナによって形成され得るビームを指す。図27Aの例に示されるように、BA可能性2706は、壁2718のような静止物体によって妨害される。従って、図27Aに示されるように、BA可能性2708が、所与の時点における最高ランクのBA可能性である。ブロッキング物体はまた移動可能である可能性があり、例えばブロッキング物体は車両又は車両(複数)のスウォームを含み得る。更に、デバイスは静的であるとすることが可能である一方、ブロッキング物体は移動可能であるか、又はデバイス及びブロック物体の両方が移動可能であるとすることが可能である。何らかの態様に従って、移動物体、静止物体などによる経路ブロッキングの影響を最小限にするために、システムは、可能なビーム方向ペアの定期的な調査及び/又は掃引を実行することができる。この動作の出力は、所与の時間でmmWaveリンクに使用され得るBF/BA構成のリスト2720、2722であるとすることが可能である。リスト2720、2722は、OOBリンク2724を使用してデバイス2702、2704によって交換されることが可能である。このようなリストは、例えば、最大信号対雑音比(SNR)基準、エラー・ベクトル振幅(EVM)基準、又はその他の基準を含む基準に基づいてソートすることが可能である。基準又は基準のグループに対して最良値を有するBF/BA対は、現在のコンフィギュレーションに使用されることが可能であり、リストは、何らかの態様に従って、デバイス2702、2704のローカル・メモリ、又は中央メモリ・ロケーション(例えば、基地局、AP、gNodeB、MMEなど)に格納されることが可能である。
【0235】
図27Bは、システム27B00で発生し得る新しい障害物2726を示す。設定可能な閾値以下にmmWaveリンクが下降及び/又は劣化した場合、接続を再確立する試みにおいて、リスト2720、2722の中からの次のコンフィギュレーションが展開されることが可能であり、リスト2720、2722からの次のコンフィギュレーションを使用して通信を確立するために、ハンドオーバーが実行される可能性がある。幾つかの態様によれば、リスト2720、2722からの次のコンフィギュレーションの採用は、例えば、接続を再確立するためにSLSを実装する代わりに実行されることが可能である。リスト内のBF/BAコンフィギュレーションが接続の再確立/リンク・パフォーマンスの改善に適していない場合、新しいリストを作成するために、新しい検索及び/又はSLSが実行される可能性がある。幾つかの態様によれば、OOBリンク2724は、常にアクティブである必要はなく;通常動作中に、アンテナ・アレイ・ポジショニング又はBF/BAコンフィギュレーション・リスト2720、2722は、mmWaveリンクを介して伝達されることも可能である。OOBリンク2724は、何らかの態様に従ってmmWaveリンクが喪失した場合に再起動されてもよい。
【0236】
図28は、第1ミリメートル波(mmWave)接続から第2mmWave接続へのハンドオーバーを実行するための例示的な方法2800のフローチャートを概略的に示す。幾つかの態様によれば、方法2800の動作は、ユーザー・デバイス(例えば、UE、通信局、ノードなど)によって又はネットワーク・デバイス(例えば、AP、基地局、gNodeBなど)によって実行されることが可能である。2802において、第1mmWave接続は、第1デバイス及び第2デバイスの間で設定される。実施態様において、第1mmWave接続は、第1デバイスと第2デバイスとの間でmmWave通信以外を利用してアンテナ情報を交換し、アンテナ情報に基づいて第1mmWave接続のビーム方向を計算することによって、確立されることが可能である。実施態様において、第1mmWave接続は、WiFiを使用してビーム情報を交換することによって確立されることが可能である。実施態様において、第1mmWave接続は、セルラー通信を使用してビーム情報を交換することによって確立されることが可能である。実施態様において、ビーム情報は、第1デバイス及び第2デバイスに関するアンテナ情報を含む。実施態様において、アンテナ情報は、アンテナ方向情報を含む。実施態様において、アンテナ方向情報は、位置センサ(例えば、加速度計、磁力計など)又は近接センサからの入力に基づいて得ることができる。
【0237】
幾つかの態様において、方法2800は、第1mmWave接続の確立前に、mmWave通信以外の通信タイプを使用して、ビーム探索パターン情報を提供することを含むことができる。幾つかの態様では、方法2800は、第1デバイスと第2デバイスとの間のmmWave接続に使用される資格のあるビームの識別情報を含むリストを記憶することを含むことができる。幾つかの態様において、リストは、ビームの信号品質メジャーメントに基づいてソートされる。幾つかの態様では、方法2800は、受信信号品質メジャーメントに応じてリストのソート順序を更新することを含むことが可能である。幾つかの態様では、信号品質メジャーメントは、mmWave接続以外の接続上で受信されるが、他の態様では、信号品質メジャーメントは、mmWave接続上で受信される。方法2800は、オペレーション2804を継続し、mmWave通信以外の通信タイプを使用して受信した情報に基づいて、第1mmWave接続が品質閾値未満に劣化したことを検出する。方法2800は、オペレーション2806を続行し、検出に応じて第2mmWave接続に切り替える。
【0238】
図1A~1Eに示されるアーキテクチャのような無線アーキテクチャでは、通信局の数及びタイプ(例えば、図1A~1BのUE101及び102、並びにeNB111、112、128、及び130)又はアクセスポイント(例えば、図1AのAP106)は、ハンドオーバー関連動作(例えば、図7~8に関連して説明されるハンドオーバー関連動作)が行われる場合に変わり得る。無線アーキテクチャのスループット及び全体的な効率は、通信資源(例えば、周波数帯域及びチャネル選択)が最適に割り当てられる場合に更に改善されることが可能であり、固定及び移動局及びアクセス・ポイントの最適な利用につながる。幾つかの態様において、最適な割り当ては、事前に決定された閾値又はベンチマークに合うリソース配分を指すことが可能である。
【0239】
本願で使用される場合、用語「リソース」又は「通信リソース」又は「スペクトル・リソース」は、例えば、周波数帯域、周波数帯域内の1つ以上の通信チャネル、空間リソース、通信プロトコル、及び/又は類似のもののうちの1つ以上を含む。
【0240】
図29は、何らかの態様に従う無線アーキテクチャにおける予約ベースのリソース割り当てを示す。図29を参照すると、基地局2902のセル2904内に静止無線デバイス2906及び2908を含む無線アーキテクチャ2900が示されている。無線デバイス2906及び2908は、例えば、UE、アクセス・ポイント、無線ヘッド、又は1つ以上の通信プロトコルを使用して通信するように構成された他のタイプの無線デバイスであるとすることが可能である。
【0241】
幾つかの態様において、移動無線デバイス2910(例えば、ドローン又は無人機)は、基地局2902のセル2904に入ることができ、これは、図7図8に関連して示されるハンドオーバー手順又は別のタイプのハンドオーバー手順などのハンドオーバー手順の後に実行されることが可能である。
【0242】
幾つかの態様において、基地局2902は、無線アーキテクチャ2900に関連する周波数マップ(例えば、図31に示されるような3114)を維持することができる。より具体的には、周波数マップは、例えばセル2904内で現在利用可能な通信リソース、現在占有されている通信リソース、無線アーキテクチャ2900に関連する静止及び/又は移動デバイスの識別子、セル2904内のモバイル・デバイスの移動パターン、セル2904内の静止及び/又は移動デバイスによって使用される送信電力、ドローン・スウォーム内のドローン・リーダーの1つ以上の識別子を含むドローン・スウォーム識別子などを含むことが可能である。幾つかの態様では、無線デバイスがセル2904に出入りする場合に、周波数マップが動的に更新されることが可能である。
【0243】
モバイル無線デバイス2910がセル2904に入ると、基地局2902は、モバイル・デバイス2910の存在を検出することができ、デバイス2910のためにスペクトル・リソースを割り当てることができ、スペクトル割り当て2912をデバイス2910に伝達することができる。幾つかの態様では、基地局2902は、例えばデバイス2910に関連付けられたデバイス・タイプ、送信電力条件、セル内の他の静止デバイスへの近接性、推定された移動パターン、及び同様の特性に基づいて、スペクトル割り当て2912を決定することができる。幾つかの態様では、スペクトル割り当て2912は、特定のデバイス(例えば、デバイス2910の識別情報に関連付けられるもの)、特定のデバイス・タイプ(例えば、UE、アクセス・ポイント、又は他のデバイスなどのデバイスのタイプに関連付けられるもの)、特定の位置、特定の時間に、特定の所定の移動パターンを使用して、所定の送信電力で送信しながらセル2904に入るモバイル・デバイス、及び/又は他の基準に関して予約されたスペクトル割り当てであるとすることが可能である。
【0244】
図30は、何らかの態様に従う無線アーキテクチャにおけるスペクトル・リソースの動的な割り当てを示す。図30を参照すると、基地局3002のセル3004内に固定無線デバイス3016、3018、3020、及び3022を含む無線アーキテクチャ3000が示されている。無線デバイス3016~3022は、例えば、UE、アクセス・ポイント、無線ヘッド、又は1つ以上の通信プロトコルを使用して通信するように構成された他のタイプの無線デバイスであるとすることが可能である。
【0245】
幾つかの態様において、移動無線デバイス3006(例えば、ドローン)は、図30に示されるように或る方向に移動して、位置3008で基地局3002のセル3004に入ることができる。基地局3002は、モバイル・デバイス3006が位置3008でセル3004に入ることを検出することができ、また、スペクトル割り当て3012をデバイス3006に伝達することができる。スペクトル割り当て3012は、例えばモバイル・デバイス3006の位置3008、固定局3016~3022に対する近接性、周波数マップによって示されるスペクトルの利用可能性、デバイス3006によって示されるスペクトル条件、デバイス3006に関する事前スペクトル予約、及び/又は他の特性又は基準のうちの1つ以上に基づくことができる。
【0246】
デバイス3006は位置3010に移動し、スペクトル割り当ては基地局3002によって更新されることが可能である。より具体的には、基地局3002は、初期スペクトル割り当て3012を更新し、位置3010でデバイス3006と通信するための新しいスペクトル割り当て3014を生成することができる。実施態様によれば、そのようなスペクトル割り当て更新は、セル3004内で移動するデバイスに対して、所定の時間間隔で、又はセル3004内の所定の位置に到達したときに、動的に実行されることが可能である。スペクトル割り当て更新はまた、新たなデバイスがセル3004に入ること又は既存のデバイスがセル3004を去ることによって引き起こされる変化する周波数マップによってトリガされることも可能である。
【0247】
幾つかの態様において、スペクトル割り当て更新は、セル3004内の固定局に関連するスペクトル条件を変更することによってトリガされることが可能である。例えば、モバイル・デバイス3006が、位置3010において、ステーション3022により近い場合、ステーション3022は、デバイス3006の初期位置3008に近いステーション3016~3020とは異なるスペクトル要件を有する可能性がある。従って、デバイス3006が位置3008から位置3010へ移動すると、デバイス3006のスペクトル割り当ては、動的に更新され、デバイス3006へ伝達されることが可能である。幾つかの態様において、スペクトル割り当てはまた、指示されたスペクトルが使用され得る特定の時間(例えば、時間ウィンドウ又は開始時間)を含むことも可能である。
【0248】
図31は、何らかの態様に従う無線アーキテクチャにおけるスペクトル・リソースのコグニティブ自律的割当を示す。図31を参照すると、固定無線デバイス3106、移動無線デバイス3103a~3103j(集合的に3103x)のスウォーム3108、及び基地局3102のセル3104内の単独の移動無線デバイス3112を含む、無線アーキテクチャ3100が示されている。無線デバイス3106、3103x及び3112は、例えばUE、アクセス・ポイント、無線ヘッド、又は1つ以上の通信プロトコルを使用して通信するように構成された他のタイプの無線デバイスであるとすることが可能である。無線デバイス3103x及び3112は、例えば、ドローンなどの移動可能なデバイスであるとすることが可能である。
【0249】
特定の態様において、スウォーム3108は接続されることが可能であり、各UE3103xは、例えばデバイス間(D2D)通信及びディスカバリにより、スウォーム3108内の他のUEを認識することができる。特定の態様において、スウォーム3108は、エッジ・デバイス(例えば、3103a-3103h)及びインナー・デバイス(例えば、3103i-3103j)を含むことが可能である。エッジ・デバイスは、スウォーム3108の物理的周辺を規定することができる。エッジ・デバイス3103a~3103hは、少なくとも1つの前縁デバイス(又はスウォーム・リーダー)3103aを更に含むことができる。特定の態様において、スウォーム・リーダー3103aは、一般に、先ずセル境界に関連する信号変化を測定し、現在のセル内の1つ以上の既存のデバイスに関連する信号センシング及び信号メジャーメントを実行し、スペクトル・センシング・メジャーメント、スペクトル割り当て要求、スペクトル割り当て決定、及びその他の情報に関連して基地局3102と通信するように構成されることが可能である。幾つかの態様では、スウォーム・リーダー3103aは、基地局3102から受信されたスペクトル関連情報を、スウォーム3108内のデバイスへ更に伝達することができる。例えば、スウォーム・リーダー3103aに利用可能な情報は、D2D通信プロトコル又は別のタイプの無線プロトコルにより、スウォーム3108内の他のデバイスへ伝達することが可能である。
【0250】
幾つかの態様において、無線アーキテクチャ3100内の1つ以上のデバイスは、無線スペクトルを自律的に感知し、少なくとも感知したスペクトルに基づいてスペクトル・リソースを割り当てる又は要求することができる。例えば、移動無線デバイス3112は、基地局3102のセル3104に入ると、無線スペクトルを感知し、スペクトル・センシング・データ3108及び3120を取得することができる。例えば、スペクトル・センシング・データ3108は、スウォーム3108内のデバイスによって使用される1つ以上の周波数、使用される周波数チャネル、信号送信電力、及びその他の情報を示すことが可能である。同様に、スペクトル・センシング・データ3120は、固定デバイス3106によって使用される通信スペクトルを示すことが可能である。スペクトル・センシング・データ3108及び3120に基づいて、デバイス3112は、基地局3102に伝達されることが可能な所望のスペクトル割り当て3122を自律的に決定することができる。基地局3102は、次いで、指示された所望のスペクトル割り当て3122に基づいて、周波数マップ(例えば、3114)を更新することができる。例えば、スペクトル割り当て3122は、無線デバイス3112によって決定される、所望の動作周波数、周波数チャネル、空間リソース、及びその他の特性を示すことができる。幾つかの態様において、基地局3102は、現在利用可能なスペクトル、セル3104内の他の固定又は移動デバイスに対するデバイス3112の近接性、又はその他の要因に基づいて、修正されたスペクトル割り当てをデバイス3112へ再び伝達することができる。
【0251】
幾つかの態様において、コグニティブ・スペクトル割り当てが無線アーキテクチャ3100内で実行されることが可能である。より具体的には、コグニティブ・スペクトル割り当ては、スペクトルの利用、デバイス密度、デバイス送信電力、無線アーキテクチャ3100内の個々のデバイスの帯域幅要件、及びその他の情報のようなセンシングされたネットワーク条件に基づいて、(例えば、専用サーバー又は基地局によって)実行されることが可能である。図31に関し、スウォーム3108がセル3104に入ると、スペクトル情報リクエスト3117が(例えば、ドローン・リーダー3103aによって)基地局3102へ伝達されることが可能である。スペクトル情報リクエスト3117に応答して、基地局3102は、周波数マップ3114を、スウォーム3108内の1つ以上のデバイス(例えば、ドローン・リーダー3103a)へ伝達することができる。周波数マップ3114内の情報(例えば、無線アーキテクチャ3100内の利用可能なスペクトル)に基づいて、ドローン・リーダー3103aは、スウォーム3108内の1つ以上のデバイスによって使用するためのスペクトルを選択することができる。次いで、選択されたスペクトルを示すスペクトル割り当て3116は、基地局3102に伝達されることが可能であり、現在の周波数マップ3114を更新するために基地局3102によって使用されることが可能で或る。この点に関し、コグニティブ・スペクトル割り当ては、無線アーキテクチャ3100内の個々のデバイスによる自律スペクトル割当によって実行されることが可能である。
【0252】
幾つかの態様において、コグニティブ・スペクトル割り当ては、基地局3102によって、又はアーキテクチャ3100内の別の専用サーバーによって実行されることが可能である。例えば、基地局3102は、セル3104内の既存のデバイスからスペクトル・センシング・データを取得し、周波数マップ3114を生成(又は更新)することができる。セル3104内に新しいデバイスが入ると、基地局3102は、現在の周波数マップに基づいて、新しいデバイスのためにスペクトルを割り当てることができる。通信デバイスがセル3104を離れる場合に、基地局3102は、周波数マップ3114を更新することができ、セル3104内の1つ以上の残りのデバイスに対するスペクトル割り当てを調整することができる。この場合、対応するスペクトル割り当てメッセージは、セル3104内の個々のデバイス又はスウォームに伝達されることが可能である。
【0253】
図32及び図33は、幾つかの態様によるリソース配分のための例示的な方法のフロー図を示す。図32を参照すると、例示的な方法3200は、無線ネットワーク内のスペクトル利用情報を判定するために、無線デバイスによって、リッスン・ビフォー・トーク(listen-before-talk:LBT)手順(又は別のタイプのスペクトル・センシング手順)が実行されることが可能である場合に、動作3202から開始することが可能である。例えば、図31に関し、セル3104に入ると、通信デバイス3112は、セル3104内の他のデバイスによるスペクトル利用に関連するスペクトル・センシング情報3108及び3120を取得することができる。
【0254】
オペレーション3204において、無線ネットワークの基地局へ送信するために、スペクトル利用情報は集約されることが可能である。例えば、デバイス3112は、スペクトル・センシング情報3108及び3120を集約することができ、集約されたスペクトル・センシング・データを、評価のために基地局3102へ送信することができる。オペレーション3206において、スペクトル利用情報に応答して、スペクトル割り当て情報が基地局から受信されることが可能である。例えば、基地局3102は、デバイス3112から受信したスペクトル・センシング・データに基づいて、決定を行い、スペクトルをデバイス3112に割り当てることができる。オペレーション3208において、無線通信デバイスのトランシーバ・サブシステムは、スペクトル割り当て情報に基づいて、1つ以上の周波数帯域で動作するように構成されることが可能である。例えば、無線デバイス3112は、基地局3102から受信したスペクトル割り当てによって示される1つ以上の周波数帯域で動作するように、自身のトランシーバ・サブシステムを設定することができる。
【0255】
図33を参照すると、例示的な方法3300は、オペレーション3302で始まり、それにより、基地局に無線接続されたモバイル・デバイスのスウォームは識別されることが可能になる。例えば、図31に関し、基地局3102は、スウォーム3108がセル3104に入った後に、スウォーム3108に関連するスウォーム・デバイス3103xを識別することができる。オペレーション3304において、周波数マップは、スウォームの第1モバイル・デバイスへの送信のために符号化されることが可能である。例えば、無線アーキテクチャ3100内で占有された及び利用可能なスペクトルを示す周波数マップ3114は、スウォーム3108がセル3104に入った後に、スウォーム・リーダー3103aへ伝達されることが可能である。
【0256】
実施態様によれば、オペレーション3306において、利用可能なスペクトルの中から1つ以上の周波数帯域を示すスペクトル割当情報が、第1モバイル・デバイスから受信されることが可能である。例えば、基地局3102が周波数マップ3114をスウォーム・リーダー3103aに伝達した後、基地局3102は、スウォーム・リーダー3103aからスペクトル割り当て3116を受信することができる。スペクトル割り当て情報3116は、無線アーキテクチャ3100内で通信するために、スウォーム3108内のモバイル・デバイスによって使用するように、スウォーム・リーダー3103aによって選択された1つ以上の周波数帯域を示すことができる。オペレーション3308において、1つ以上の指示される周波数帯域は、モバイル・デバイスのスウォームのために予約されることが可能である。例えば、基地局3102がスペクトル割り当て3116を受信した後、基地局3102は、スペクトル割り当て3116の中で、指示されたスペクトルを確保することができ、スペクトル割り当て3116に基づいて現在の周波数マップ3114を更新することができる。
【0257】
ハンドオーバー・シナリオ(例えば、図7~8を参照して説明されるようなもの)では、各モバイル・デバイス又はUEに対する接続、データ又は音声接続は、一方のセルから他方のセルへ堅牢に転送され又はハンドオーバーされることが望ましい。多数のUEがハンドオーバー支援を同時に又はほぼ同時に使用することは、セル・インフラストラクチャを圧倒してしまう可能性があるので、1つのセルから別のセルへUE又はUEのスウォームのハンドオーバーを開始するために、以下の技術のうちの1つ以上が使用されることが可能である。
【0258】
ある態様では、例示的な方法は、ハンドオーバーをトリガする時を決定するために、ネットワーク又はUEのいずれかで利用可能なメジャーメント情報を説明することができる。幾つかの態様において、メジャーメント情報は、ハンドオーバーを何時トリガするかを決定するために、UEの位置又は軌道情報と組み合わせられることが可能である。幾つかの態様において、ネットワークは、ハンドオーバーをトリガするために結合された情報を使用することができる。幾つかの態様において、UEは、結合された情報を使用してハンドオーバーをトリガすることができる。
【0259】
ある態様では、基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME)のようなネットワーク側回路は、マップ情報を記憶又は維持することができる。マップ情報は、ネットワークの特定のセル内のUEのロケーションを含むことができる。マップは、学習を利用して又はクラウドソーシング情報を利用して構築されることが可能である。幾つかの態様において、UEは、マップ情報の生成を支援するために、それらの位置をネットワークに報告することができる。幾つかの態様において、UEが報告した位置情報は、クラウドソーシングされた情報を補強するために使用されることが可能である。幾つかの態様において、UEが報告した位置情報は、クラウドソースの情報におけるエラーを予測又は低減するために使用されることが可能である。特定の態様では、マップ情報は、セル又はビームの関連付けに使用されることが可能である。マップ情報は、他のUEだけでなく、他の基地局及びネットワーク側の構成要素又は回路とも共有されることが可能である。
【0260】
特定の態様において、UE又は基地局は、ハンドオーバーをトリガするためにマップ情報を使用することができる。位置情報はまた、ハンドオーバーをトリガするために、メジャーメント・レポート及び過去の地図情報と組み合わせられることも可能である。UEは、予定の軌跡に基づいてハンドオーバーをトリガしてもよい。同様に、デュアル・ラジオUEは、位置又は軌跡に基づいて「デュアル・コネクティビティ」モードをトリガ又は非アクティブ化してもよい。幾つかの態様において、セル信号をブロックすると思われる構造又は位置に関するブロッカー情報をマップ情報が含む特定の状況において、ハンドオーバーがトリガされることが可能である。
【0261】
UE又はネットワークは軌道情報を決定することができる。例えば、UEは、UEの軌跡を決定するためにグローバル・ポジショニング・データを使用することができる。一態様では、基地局は、メジャーメント・レポート及びマップ情報を使用してUEの軌道を決定することができる。幾つかの態様において、UEは、位置に基づくトリガ及びメジャーメント・トリガに基づいてUEがトリガされるように、ハンドオーバー・トリガを所有することができる。このような例において、UEは、1つ以上のメジャーメント・レポートを送信する代わりに、ハンドオーバー・コマンドを送信することができる。図34は、ハンドオーバーをトリガするためにメジャーメント情報と位置情報とを組み合わせる例示的な方法3400のシグナリングを概略的に示す。3401において、トレーニング・データは、位置-対-セル・ビーム・マッピングを作成する目的でクラウドソーシングされることが可能である。3403において、トレーニング・データはネットワーク全体で照合されることが可能である。このような照合は、データが共有することを可能にし、また、幾つかの態様によれば、リモート・トレーニング・データがローカル・マッピングに影響しないように、種々のネットワーク構成要素がトレーニング・データをフィルタリングすることを許容する。3405において、マップ情報は、位置-対-セル・ビーム関連の確率的マップを生成するために使用されることが可能である。幾つかの態様では、中央ネットワーク・コントローラ120は、マッピング情報を生成することができる。
【0262】
3407において、確率的マップ、マッピング・データ、又はそれらの組み合わせが、サービング基地局3422のUE3421と共有されることが可能である。3409において、サービング基地局3422は、メジャーメント・レポートのためにUE3421にコンフィギュレーション情報を提供することができ、ハンドオーバーのために位置に基づくトリガを提供することができる。特定の態様では、位置に基づくトリガは、サービング・セル内の過去のハンドオーバー位置に基づくことができる。コンフィギュレーション・レポートは、確率的マップの側面と位置トリガとを組み合わせて、メジャーメント又はハンドオーバー閾値が満たされているかどうかを評価することができる。3411において、UE3421は、コンフィギュレーション情報に従ってメジャーメント・レポートをサービング・セルに提供することができる。3413において、サービング基地局3422は、UE3421から受信されるメジャーメント・レポートを、サービング基地局の位置トリガ及び確率マップ、並びに利用可能なリソースに対して評価することができる。メジャーメント・レポートがターゲット基地局3423に対するハンドオーバー閾値を満たす場合、3415において、サービング基地局3422はハンドオーバー・コマンドをUE3421に提供することができる。3417において、ハンドオーバー・コマンドのアクノリッジメントにより、UE3421、サービング基地局3422、及びターゲット基地局3423は、ハンドオーバー・シーケンス及び関連するハンドオーバー・シグナリングを開始することができる。
【0263】
図35は、UEによって開始されるハンドオーバーをトリガするためにメジャーメント情報と位置情報とを組み合わせる例示的な方法3500のシグナリングを概略的に示す。3501において、位置-対-セル・ビーム・マッピングを作成する目的で、トレーニング・データがクラウドソーシングされることが可能である。3503において、トレーニング・データが、ネットワーク全体で照合されることが可能である。このような照合は、データが共有されることを可能にし、また、リモート・トレーニング・データがローカル・マッピングに影響しないように、様々なネットワーク構成要素がトレーニング・データをフィルタリングすることを可能にする。3505において、マップ情報は、位置-対-セル・ビーム関連の確率的マップを生成ために使用されることが可能である。幾つかの態様において、セントラル・ネットワーク・コントローラ120は、マッピング情報を生成することができる。
【0264】
3507において、確率的マップ、マッピング・データ、又はそれらの組み合わせが、サービング基地局3522のUE3521と共有されることが可能である。3513において、UE3521は、メジャーメント・データ、確率的マップ情報、及びオプションとして位置トリガを評価して、ハンドオーバー閾値が満たされているかどうかを判断することができる。3515では、UE3521は、サービング基地局3522にハンドオーバー・コマンドを提供することができる。3517において、ハンドオーバー・コマンドを確認すると、UE3521、サービング基地局3522、及びターゲット基地局3523は、ハンドオーバー・シーケンス及び関連するハンドオーバー・シグナリングを開始することができる。
【0265】
図36は、幾つかの態様による位置ベースのトリガを使用してハンドオーバーを実行する例示的な方法を示す。図34及び図36を参照すると、例示的な方法3600は、サービング基地局(例えば、3422)のセル内の複数のユーザー・デバイス(UE)からトレーニング・データを受信できる場合に、3602において始まることが可能である。幾つかの態様において、トレーニング・データは、UEの位置と、UEの位置にある場合に1つ以上のUEによって使用される対応するセル・ビーム・データとを含むことができる。3604において、トレーニング・データに基づいて、UE位置及び対応するセル・ビーム・データのマップが生成されることが可能である。例えば、そのようなマップは、セントラル・コントローラ3420によって生成されることが可能である。幾つかの態様において、セントラル・コントローラ3420は、サービング基地局3422又はターゲット基地局3423の一部であるとすることが可能である。3606において、コンフィギュレーション情報は、複数のUEのうちのUEへの送信のために(例えば、サービング基地局3422によって)符号化されることが可能である。幾つかの態様において、コンフィギュレーション情報は、1つ以上の位置ベースのハンドオーバー・トリガを含むことが可能である。幾つかの態様において、トリガの各々は、UEの地理的位置又は他の位置(例えば、3405で生成された確率的マップ)に関連付けることができ、UEがトリガに関連する特定の位置にある場合にハンドオーバーを開始するために使用することができる。3608において、コンフィギュレーション情報に応答して受信したメジャーメント・レポートが、(例えば、3413において)評価されることが可能である。3610において、メジャーメント・レポートが1つ以上の位置ベースのトリガに関連するハンドオーバー閾値を満たす場合、ハンドオーバー・コマンドがUEへの送信(例えば、3415におけるもの)のためにエンコードされることが可能である。
【0266】
図37は、何らかの態様に従う位置に基づくトリガを使用してハンドオーバーを実行するための例示的な方法を示す。図35及び図37を参照すると、例示的な方法3700は、サービング基地局のセル内の複数のユーザー装置(UE)からトレーニング・データが受信されると(例えば、3501)、3702において始まることが可能である。幾つかの態様において、トレーニング・データは、UE位置及び対応するセル・ビーム・データ(即ち、ビームフォーミング・データを含むビーム情報)を含む。3704において、UE位置及び対応するセル・ビーム・データのマップは、トレーニング・データに基づいて生成されることが可能である(例えば、図35の3503及び3505)。3706において、コンフィギュレーション情報は、複数のUEのうちのUEへの送信のために符号化されることが可能であり、コンフィギュレーション情報は1つ以上の位置ベースのハンドオーバー・トリガを含む。3708において、ハンドオーバー・コマンドは、UEからデコードされることが可能である(例えば、3515)。幾つかの態様において、ハンドオーバー・コマンドは、位置ベースのトリガ及びUEの現在位置に基づくことが可能である。例えば、現在のUE位置が、位置ベースのトリガによって示される位置と同じ(又は所定の閾値距離の範囲内)であるとUEが判断した場合、UEは、ハンドオーバー・コマンドを生成し、サービング基地局3522に伝達することができる(例えば、3515)。
【0267】
幾つかの態様において、UEは、信号の欠如に起因する予期せぬ接続終了なしに、長時間多くのセッションにわたって、セルラー・ネットワークを介して他のUEと接続することができる。しかしながら、そのような予期せぬ終了は、依然として発生する。本願で説明されるように、種々の技術(例えば、モバイル基地局又はeNBに関連するもの)を使用して、セルに基づく無線ネットワークのカバレッジを向上させ、例えば図7図8に関連して示されるようなハンドオーバー手順の間に接続性を改善することができる。
【0268】
ある態様では、ソース及びターゲット基地局はUEで観測される干渉を減らすために動作を調整することができる。幾つかの態様において、ソース及びターゲット基地局は、ソース基地局からターゲット基地局への1つ以上のUEのハンドオーバーの様々な段階で信号対雑音比(SNR)を改善するために移動することができる。幾つかの態様において、モバイル基地局は、車両、バス、飛行機、ドローン、ロボット、ボート、又はその他のデバイス等の乗り物の一部であるとすることが可能である。例えば、ハンドオーバーの間に、UEとサービング基地局(又はeNB)との間の信号対雑音比(SNR)は低下してゆく可能性があり、ターゲット基地局(又はeNB)に対するSNRは向上してゆく可能性がある。ハンドオーバーの間にシグナリング・オーバーヘッドは高くなるかもしれない。ハンドオーバー中にSNRが著しく低下する場合、ハンドオーバーは失敗するかもしれない。失敗する状況及び低SNR状況は、セル端で特に観測される可能性があり、又はUEとソース基地局との間又はその信号経路付近に移動又は静止ブロッカーが存在する場合に、特に観測される可能性がある。本開示の特定の態様によれば、ソース及び/又はターゲット基地局は、ハンドオーバーの失敗を防止するために、又はハンドオーバー・イベントを防止するためでさえ、ハンドオーバー中の動作を調整することができる。協調した動作は干渉を防止することにも役立つ可能性がある。
【0269】
特定の態様において、1つ以上のモバイル基地局の移動アルゴリズムは、強化学習のような学習アルゴリズムにより定式化することができる。学習アルゴリズムは、セル・カバレッジを補助するため、又はハンドオーバー・イベントを補助するためにモバイル基地局の位置を調整するための閾値条件を決定することができる。幾つかの態様において、学習アルゴリズムは、図39~51に関連して以下で提供されるアルゴリズムに基づくことが可能である。
【0270】
図38は、ハンドオーバー・イベントを支援するためにモバイル基地局を調整する例示的な方法3800を図式的に示す。3801において、モバイル基地局は、モバイル基地局がサービスしているUEからメジャーメント情報を受信することができる。3803において、モバイル基地局は、メジャーメント・レポートを分析し、UEは異なる基地局によってより良好に応対され得ることを決定した後に、UEに対してハンドオーバー・コマンドを発行することができる。3805において、モバイル基地局は、モバイル基地局、UE、及び新しい基地局の間でのシグナリングを用いてハンドオーバーを実行することができる。3807において、ハンドオーバー・シグナリング3805を実行すると同時に、基地局は、UEとモバイル基地局との間、UEと新しい基地局との間、又はそれらの組み合わせの間の接続の信号品質を監視することができる。3809において、モバイル基地局がモバイル基地局の速度、軌道、又は位置を変えた場合に、モバイル基地局は信号品質を分析し、信号品質を推定することができる。分析は、モバイル基地局が蓄積した、又はアクセスすることが可能な1つ以上のデータ・セットを当てにすることができる。そのようなデータ・セットは、信号マッピング情報、ブロッカー情報、信号停止確率情報、モバイル基地局の許容移動範囲、又はそれらの組み合わせを含むことができる。3811において、分析が、サービング基地局の速度、位置、又は軌道の変更を示す場合、又はサービング基地局ノードがハンドオーバーの間に信号品質を向上させることができる場合、3813において、モバイル基地局は、信号品質を向上させるために移動する、又は速度、軌道、若しくは位置を変更することができる。3811において、分析がサービング基地局の移動は信号品質を改善し得ることを、分析が示していない場合、又はモバイル基地局の位置、軌道、又は速度の変更が始まった場合、本方法は継続する。3815において、ハンドオーバー・シーケンスは、ハンドオーバーが完了したかどうかを判定するためにモニタリングされる。完了してない場合、接続信号品質のモニタリングが3807で繰り返される。ハンドオーバーが完了すると、方法3800は、3817で他のモバイル基地局タスクに移行する。
【0271】
幾つかの態様では、モバイル基地局はまた、ハンドオーバー中にバックホール接続を監視することも可能であり、速度、位置又は軌跡の変化に応じて移動し、バックホール接続の信号品質の改善を支援することが可能である。特定の態様において、ターゲット基地局はモバイル基地局であるとすることが可能であり、また、ターゲット・モバイル基地局の速度、軌道又は位置の変更が、信号を使用する1つ以上の接続の品質を改善することができるかどうかを判定する目的で、種々の信号品質を監視することが可能であり、改善できる場合、ターゲット・モバイル基地局の許容可能な位置の範囲という制約の範囲内で適切な変更を行うことができる。
【0272】
多くの無線アクセス・ネットワークは、それらのセルを静止エンティティとして配備する。具体例は、モバイル・ブロードバンド・カバレッジ・エリアの全体にわたって固定位置に配置された基地局や、住宅又は商業エリアの固定位置に配置されたアクセス・ポイントを含む。これらの固定された位置の下では、これらのセルは各自が応対する端末デバイスの配置に応じて動的に動くことはできない。様々なタイプの空中セル(例えば、セル装備ドローン(cell-equipped drones))が提案されているが、これらの空中セルは、完全には開発されておらず、商業的に展開されてはいない。
【0273】
センシング、アクセス、及び/又はバックホール・サービスを提供する一群の移動セルは、カバレッジ・エリア内のそれらの配置を改善又は最適化する可能性がある。本願で説明されるように、外側及びバックホール移動セルのためのこの軌道制御に関し、種々の適用可能なユース・ケースが存在する。限定する訳ではないが、これらのユース・ケースは、一群のバックホール移動セルが、セントラル軌道コントローラと協働し、セントラル・コントローラによって制御されないデバイスに応対するために、それらの軌道を最適化するシナリオ、及び一群のバックホール移動セルと(センシング又はアクセスを提供する)一群のアウター移動セル(a set of outer moving cells)とが、それらの軌道を最適化するために、互いに及びセントラル・コントローラともに協働するシナリオを含むことができる。本願で説明される種々の態様によれば、セントラル軌道コントローラ及び移動セルの軌道アルゴリズムが、移動セルの最適化された軌道を決定するために使用されることが可能である。移動セルは、例えば、空中及び地上を含む任意のタイプのモバイル・セルであるとすることが可能である。
【0274】
図39は、何らかの態様に従う例示的なネットワーク図を示す。図39に示されるように、一群のアウター移動セル3902~3906は、各自それぞれのターゲット・エリアに対してアウター・タスク(an outer task)を実行するように構成されてもよい。アウター・タスクは、センシングであるとすることが可能であり、そのセンシングにおいてアウター移動セル3902~3906は、各自それぞれのターゲット・エリアのセンシング・データを得るために、ローカル・センサ(例えば、オーディオ、ビデオ、画像、位置、レーダー、光、環境、又はその他の任意のタイプのセンシング構成要素)でセンシングを実行する。追加的又は代替的に、アウター・タスクはアクセス可能であり、アウター移動セル3902~3906は、各自それぞれのターゲット・エリア内に位置する端末デバイス(図39に示されるように)にフロント・ホール・アクセスを提供する。幾つかの態様では、移動セル3902~3906の各々は、同じアウター・タスクを実行してもよいが、他の態様では、移動セル3902~3906の一部は、異なるアウター・タスクを実行してもよい(例えば、一部がセンシングを実行する一方、他の一部がアクセスを実行する)。図39に示されるアウター移動セルの数は、例示的であり、任意の量にスケーラブルである。
【0275】
アウター移動セル3902-3906は、ネットワークに戻る伝送のためのアップリンク・データを生成することができる。アウター移動セルをセンシングするケースでは、センシングするアウター移動セルは、記憶及び/又は処理のためのサーバーへ返送されるセンシング・データ(例えば、調査/監視、移動車両の制御、又は他の分析などのために、センシング・データを評価及び解釈するためのもの)を生成してもよい。アウター移動セルにアクセスするケースでは、各自それぞれ応対される端末デバイスは、無線アクセス、コア、及び/又は外部データ・ネットワークに送り返される通信データ(例えば、制御及びユーザー・データ)を生成してもよい。このセンシング及び通信データはアップリンク・データであってもよい。
【0276】
図39に示すように、アウター移動セル3902-3906は、バックホール用のバックホール移動セル3908及び3910を使用してもよい。従って、アウター移動セル3902~3906は、それらのアップリンク・データをバックホール移動セル3908及び3910へ送信することができる。次いで、バックホール移動セル3908及び3910は、このアップリンク・データを受信し、アップリンク・データをネットワーク・アクセス・ノード3912へ送信することができる(例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912へのアップリンク・データを中継することができ、中継は、デコーディング及び誤り訂正を伴うものを含む任意のタイプの中継方式を含むことができる)。次いで、ネットワーク・アクセス・ノード3912は、適宜、アップリンク・データを使用及び/又はルーティングすることができる。例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912は、アクセス・ストラタム制御データに関連するアップリンク通信データ(例えば、そのプロトコル・スタックにおけるもの)をローカルに使用し、ノン・アクセス・ストラタム制御データに関連するアップリンク通信データをコア・ネットワーク制御ノードへルーティングし、その宛先に向かう経路上のコア・ネットワーク(例えば、センシング・データを処理するためのクラウド・サーバー、又はユーザー・データに関連する外部データ・ネットワーク)を介してセンシング・データ及びアップリンク通信データをルーティングすることができる。図39に示されるバックホール移動セルの数は、例示的であり、任意の量にスケーラブルである。
【0277】
アウター移動セル3902-3906及びバックホール移動セル3908及び3910のポジショニングは、通信及び/又はセンシング・パフォーマンスに影響を与える可能性がある。例えば、センシング又はアクセスを実行する場合に、アウター移動セル3902~3906は、各々、センシングを行うか、又はアクセスを提供するためのターゲット・エリアを有することができる(各自それぞれのターゲット・エリアは、地理的に固定されてもよいし、又は動的であってもよい)。従って、アウター移動セル3902~3906は、それらが各自それぞれのターゲット・エリアを効果的に応対できる位置に留まるように期待される可能性があるので、それらは完全に自由に任意の位置へ移動することはできないかもしれない。けれども場合によっては、ターゲット・エリアを応対するのに最適な位置が、バックホール移動セル3908~3910へアップリンク・データを送信するのに最適な位置ではないかもしれない。これは、例えば、最適なサービング位置からバックホール移動セル3908及び3910への見通し線(LOS)経路が何らかの物体によってブロックされる場合、あるいは最適なサービング位置がバックホール移動セル3908及び3910から遠く離れている場合に起こり得る。
【0278】
バックホール移動セル3908及び3910は、同様な配置の問題を経験する可能性がある。例えば、図39に示すように、バックホール移動セル3910は、アウター移動セル3904及び3906にバックホールを提供してもよい。アウター移動セル3904及び3906は、異なるターゲット・エリアに応対するので、それらは異なる位置に配置される可能性がある。しかしながら、アウター移動セル3904に応対するためのバックホール移動セル3910に最適なバックホール位置は、アウター移動セル3906に応対するためのバックホール移動セル3910に最適なバックホール位置と同一にはなりそうにない。更に、たとえバックホール移動セル3910がアウター移動セル3904及び3906から(それらに近接して配置される場合、それらから)良好な受信パフォーマンスを獲得できるかもしれないとしても、この配置は、バックホール移動セル3910が、ネットワーク・アクセス・ノード3912から遠くに配置されることを意味するかもしれない。従って、バックホール移動セル3910からネットワーク・アクセス・ノード3912への中継伝送は、この配置では、他の配置と同様に有益ではない可能性がある。
【0279】
図39に示されるような特定の態様によれば、セントラル軌道コントローラ3914はまた、ネットワーク・アーキテクチャの一部として配備されてもよい。幾つかの態様において、セントラル軌道コントローラ3914は、ネットワーク・アクセス・ノード3912の一部として配備されてもよい。他の態様では、セントラル軌道コントローラ3914は、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)プラットフォームのように、ネットワーク・アクセス・ノード3912と別々ではあるが近接して配備されてもよい。他の態様では、セントラル軌道コントローラ3914は、コア・ネットワーク内のサーバーとして、又は外部データ・ネットワーク内の(例えば、インターネット又はクラウドの一部の)サーバーとして配備されてもよい。図39では単独のコンポーネントとして示されているが、幾つかの態様において、セントラル軌道コントローラ3914は、仮想化されたセントラル軌道コントローラを形成するように相互に論理的に相互接続された複数の個別的な物理コンポーネントとして配備されてもよい。
【0280】
セントラル軌道コントローラ3914は、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に対する軌道(例えば、固定された位置又は動的な移動経路)を決定するように構成されることが可能である。アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、これらの軌道を局所的に最適化するように、この軌道決定において協働することができる。本願で使用される場合、用語「最適化」は、最適値に向かって移動する試みを指す。以下で更に説明されるように、この軌道決定の基礎となる論理は、軌道アルゴリズムに組み込まれることが可能であり、それにより、セントラル軌道コントローラ3914は、セントラル軌道アルゴリズムを実行することができ、アウター移動セル3902~3906はアウター軌道アルゴリズムを実行することができ、バックホール移動セル3908~3910はバックホール軌道アルゴリズムを実行することができる。これらの軌道アルゴリズムはアウター移動セル3902~3906の軌道を決定することができ、従ってバックホール移動セル3908~3910は複数の要因に基づく可能性があり、その要因は、アウター移動セル3902~3906の現在位置及びそれら各自のターゲット・エリア、バックホール移動セル3908の現在位置及びそれら各自のターゲット・エリア、ネットワーク・アクセス・ノード3912の位置、並びに関連するデバイスのチャネル状態及び送信能力などである。これらの軌道アルゴリズムの包括的な論理は、以下、図面により説明される。
【0281】
図40~44は、幾つかの態様による、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びにセントラル軌道コントローラ3914の例示的な内部構成を示す。図40を最初に参照すると、アウター移動セル3902~3906は、アンテナ・システム4002、無線トランシーバ4004、ベースバンド・サブシステム4006(物理レイヤ・プロセッサ4008及びプロトコル・コントローラ4010を含む)、軌道プラットフォーム4012、及び移動システム4022を含むことができる。幾つかの態様によれば、アンテナ・システム4002、無線トランシーバ4004、及びベースバンド・サブシステム4006は、図2のデバイスに示され説明されたアンテナ210、無線トランシーバ又はRF回路206、及びベースバンド回路204と同一又は類似の方法で構成されてもよい。従って、アンテナ・システム4002、無線トランシーバ4004、及びベースバンド・サブシステム4006は、特定の態様によれば、アウター移動セル3902~3906との間で無線通信を行うように構成されてもよく、これは、他の移動セル、端末デバイス、及びネットワーク・アクセス・ノードと無線通信することを含むことが可能である。
【0282】
軌道プラットフォーム4012は、他の移動セル及びセントラル軌道コントローラ3914と通信して入力データを得ること、及び入力データに関してアウター軌道アルゴリズムを実行してアウター移動セル3902~3906の軌道を得ることを含む、アウター移動セル3902~3906の軌道を決定することに責任を負う可能性がある。図40に示すように、軌道プラットフォーム4012は、セントラル・インターフェース4014、セル・インターフェース4016、軌道プロセッサ4018、及びアウター・タスク・エンジン4020を含むことができる。幾つかの態様において、セントラル・インターフェース4014及びセル・インターフェース4016はそれぞれ、セントラル軌道プロセッサ3914及び他の移動セルとの間のデータを(論理ソフトウェア・レベルの接続で)送受信するように構成されるアプリケーション・レイヤ・プロセッサであってもよい。例えば、セントラル軌道コントローラ3914にデータを送信する場合、セントラル・インターフェース4014は、データからパケットを生成し(例えば、セントラル軌道コントローラ3914におけるセントラル・インターフェース4014及びそのピア・インターフェースによって使用される所定のフォーマットに従って生成し)、プロトコル・コントローラ4010で動作するプロトコル・スタックにパケットを提供するように構成されてもよい。次に、プロトコル・コントローラ4010及び物理レイヤ・プロセッサ4008は、プロトコル・スタック及び物理レイヤ・プロトコルに従ってパケットを処理し、無線トランシーバ4004及びアンテナ・システム4002を介してワイヤレス無線信号としてデータを送信することができる。セントラル軌道コントローラ3914からデータを受信すると、アンテナ・システム4002及び無線トランシーバ4004は、ワイヤレス無線信号の形態でデータを受信し、対応するベースバンド・データをベースバンド・モデムに提供することができる。次に、物理レイヤ・プロセッサ4008及びプロトコル・コントローラ4010は、ベースバンド・データを処理して、セントラル軌道コントローラ3914におけるピア・インターフェースによって送信されたパケットを復元することができ、プロトコル・コントローラ4010はそれをセントラル・インターフェース4014に提供することができる。セル・インターフェース4016は、同様に、他の移動セルにおけるピア・インターフェースにデータを送信することができる。
【0283】
軌道プロセッサ4018は、アウター移動セル3902~3906の軌道を決定するアウター軌道アルゴリズムを実行するように構成された特定用途プロセッサであってもよい。本願で使用される場合、軌道は、例えば静的な位置、一連の静的な位置(例えば、静的な位置のタイムスタンプ・シーケンス)、又はパス又は輪郭を指すことが可能である。軌道プロセッサ4018は、メモリ(図40には明示的には示されていない)から、アウター軌道アルゴリズムを定める実行可能命令を検索し、これらの命令を実行するように構成されてもよい。軌道プロセッサ4018は、入力データに関してアウター軌道アルゴリズムを実行して、アウター移動セル3902~3906について更新された軌道を決定するように構成されてもよい。このアウター軌道アルゴリズムの論理は、視覚的に図面によって及び以下においても共に本願で説明されている。
【0284】
アウター・タスク・エンジン4020は、アウター移動セル3902-3906のためのアウター・タスクを実行するように構成されてもよい。アウター移動セル3902~3906がセンシングを実行するように構成される幾つかの態様において、アウター・タスク・エンジン4020は、1つ以上のセンサを含むことができる。これらのセンサは、限定なしに、オーディオ、ビデオ、画像、位置、レーダー、光、環境、又は他のタイプのセンサであるとすることが可能である。アウター・タスク・エンジン4020はまた、センサから得られたセンシング・データを伝送のためにベースバンド・サブシステム4006に提供するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。アウター移動セル3902~3906が端末デバイスへのアクセスを提供するように構成される幾つかの態様において、アウター・タスク・エンジン4020は、端末デバイスからのデータを送信、受信、及び中継するように構成される1つ以上のプロセッサ(ベースバンド・サブシステム4006を介して、プロトコル・スタック及び物理レイヤ通信機能を処理することが可能である)を含んでもよい。図40は、軌道プラットフォーム4012の一部としてアウター・タスク・エンジン4020を示しているが、幾つかの態様において、アウター・タスク・エンジン4020は、ベースバンド・サブシステム4006の一部として含まれてもよい。
【0285】
移動システム4022は、幾つかの態様によれば、アウター移動セル3902~3906の移動を制御し、実行する責任を負う可能性がある。図40に示すように、移動システム4022は、移動コントローラ4024及びステアリング移動機構4026を含んでもよい。移動コントローラ4024は、アウター移動セル3902~3906の全体的な移動を制御するように構成されてもよく(例えば、移動制御アルゴリズムの実行により)、移動を指定するステアリング移動機構4026に制御信号を提供してもよい。幾つかの態様では、移動コントローラ4024は、自律的であってもよく、従って自律移動制御アルゴリズムを実行するように構成されてもよく、そのアルゴリズムにより、移動コントローラ4024は、人的な/オペレータのプライマリ制御なしに、アウター移動セル3902~3906の動きを指図する。次いで、ステアリング移動機構4026は、制御信号で指定された動きを実行することができる。アウター移動セル3902~3906が地上の車両である幾つかの態様において、ステアリング移動機構4026は、車輪及び車軸、エンジン、変速機、ブレーキ、ステアリング・ホイール(ハンドル)、関連する電気回路及び配線、並びに自動車又は他の地上の乗り物の駆動に使用される他の任意の構成要素を含むことができる。アウター移動セル3902~3906が航空機(例えば、ドローン)である幾つかの側面において、ステアリング移動機構4026は、回転子(ローター)、プロペラ、ジェット・エンジン、翼、方向舵又は翼フラップ、エア・ブレーキ、ヨーク又はサイクリック、関連する電気回路及び配線、並びに航空機の飛行に使用される他の任意の構成要素のうちの1つ以上を含んでもよい。アウター移動セル3902~3906が水上又は水上小型ビークルである幾つかの態様において、ステアリング移動機構4026は、舵、エンジン、プロペラ、操舵ホイール、関連する電気回路及び配線、並びに水上ビークルの操舵又は移動に使用される他の任意の構成要素のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0286】
図41は、幾つかの態様による、バックホール移動セル3908及び3910の例示的な内部構成を示す。図41に示されるように、バックホール移動セル3908及び3910は、アウター移動セル3902~3906のものと同様のコンポーネントを含んでもよい。アンテナ・システム4102、無線トランシーバ4104、ベースバンド・サブシステム4106、セントラル・インターフェース4114、セル・インターフェース4116、移動コントローラ4124、及びステアリング移動機構4126はそれぞれ、図40に図示及び説明されるような、アンテナ・システム4002、無線トランシーバ4004、ベースバンド・サブシステム4006、セントラル・インターフェース4014、セル・インターフェース4016、移動コントローラ4024、及びスケジューリング移動機構4026の態様でそれぞれ構成されてもよい。
【0287】
アウター移動セル3902~3906の軌道プロセッサ4018とは対照的に、軌道プロセッサ4118は、特定の態様に従って、バックホール移動セル3908及び3910の軌道を制御するバックホール軌道アルゴリズムを実行するように構成されてもよい。このバックホール軌道アルゴリズムは、本願で図面によって視覚的に説明される。
【0288】
図41に示されるように、バックホール移動セル3908及び3910はまた、リレー・ルーター4120を含んでもよい。上述したように、バックホール移動セル3908及び3910は、アウター移動セル3902~3906にバックホール・サービスを提供するように構成することが可能であり、これは、アウター移動セル3902~3906からアップリンク・データを受信し、アップリンク・データを無線アクセス・ネットワーク(例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912)へ中継することを含むことができる。中継ルーター4120は、この中継機能を処理するように構成されてもよく、セル・インターフェース4116とやりとりを行い、ベースバンド・サブシステム4106を介してアップリンク・データを中継し、その後に無線アクセス・ネットワークへ送信するためにアップリンク・データを識別することができる。図41では軌道プラットフォーム4112の一部として示されているが、幾つかの態様では、リレー・ルーター4120は、(例えば、全体的又は部分的に)ベースバンド・サブシステム4106の一部であってもよい。
【0289】
図42は、幾つかの態様によるセントラル軌道コントローラ3914の例示的な内部構成を示す。図42に示されるように、セントラル軌道コントローラ3914は、セル・インターフェース4202、入力データ・リポジトリ4204、及び軌道プロセッサ4206を含んでもよい。幾つかの態様において、セル・インターフェース4202は、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910内のピア・セントラル・インターフェース4014、4114との間で(例えば、論理ソフトウェア・レベルの接続で)データを送受信するように構成されるアプリケーション・レイヤ・プロセッサであってもよい。従って、セル・インターフェース4202は、図42に示されるインターフェースでパケットを送信することができ、これは、(セントラル軌道コントローラ3914の配備位置に応じて)インターネット・バックホール、コア・ネットワーク、及び/又は無線アクセス・ネットワークを経由する可能性がある。無線アクセス・ネットワーク(例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912)は、ワイヤレス無線信号としてパケットを送信することができる。アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910は、ワイヤレス無線信号を受信及び処理して、それらのピア・セントラル・インターフェース4014、4114でデータ・パケットを復元するように構成されてもよい。
【0290】
入力データ・リポジトリ4204は、幾つかの態様によれば、コントローラ及びメモリを含むサーバー型コンポーネントであってもよい。入力データ・リポジトリ4204は、軌道プロセッサ4206によって実行されるセントラル軌道アルゴリズムへの入力のために、入力データを収集するように構成されてもよい。セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に対する粗い軌道を決定するように構成されてもよい。これらの粗い軌道は、セントラル軌道コントローラ3914によって提供される上位レベルの予定された軌道であってもよい。アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、更新された軌道を得るために、それらのアウター及びバックホール軌道アルゴリズムを使用して、これらの粗い軌道を洗練することができる。幾つかの態様では、セントラル軌道アルゴリズムはまた、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910のための初期ルーティングを決定するように構成されてもよい。これらの初期ルーティングは、バックホール移動セル3908及び3910を介する無線アクセス・ネットワークとアウター移動セル3902~3906との間のバックホール経路を特定することができ;換言すれば、初期ルーティングは、バックホール移動セル3908及び3910のうち、アウター移動セル3902~3906が各自のアップリンク・データを送信すべきものを特定することができる。このセントラル軌道アルゴリズムは、本願では文章で及び図面によって視覚的に説明される。
【0291】
図43は、アウター及びバックホール移動セルのための軌道制御に関与するシグナリング・フロー及びオペレーションの何らかの態様に従う例示的なメッセージ・シーケンス・チャート4300を示す。図43に示されるように、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びにセントラル軌道コントローラ3914は、アウター及びバックホール移動セルの軌道制御に関与する可能性がある。セントラル軌道コントローラ3914は、先ず、バックホール移動セル3908及び3910、並びにアウター移動セル3902~3906をそれぞれ、ステージ4302及び4304で初期化及び設定することを実行することができる。例えば、ステージ4302において、セントラル軌道コントローラ3914のセル・インターフェース4202は、バックホール移動セル3908及び3910のセントラル・インターフェース4114との間で(予め定義された初期化及びセットアップ手順に従って)シグナリングを交換してもよい。従って、セル・インターフェース4202は、バックホール移動セル3908及び3910とのシグナリング接続を確立することができる。
【0292】
同様に、4304において、セントラル軌道コントローラ3914のセル・インターフェース4202は、アウター移動セル3902~3906のセントラル・インターフェース4014との間で(予め定義された初期化及びセットアップ手順に従って)シグナリングを交換してもよく、従って、バックホール移動セル3902~3906とのシグナリング接続を確立することができる。図39に関して前述したように、セントラル軌道コントローラ3914は、(例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912の一部として、エッジ・コンピューティング・コンポーネントとして、ネットワーク・アクセス・ノード3912の背後のコア・ネットワークの一部として、又は外部ネットワーク位置から)ネットワーク・アクセス・ノード3912に対するインターフェースとなることができ、ネットワーク・アクセス・ノード3912によって提供される無線アクセス・ネットワークを使用するデータ・ベアラにより、セントラル・インターフェース4014及び4114とシグナリングを交換することができる。セル・インターフェース4202とセントラル・インターフェース4014及び4114との間の通信に対する更なる言及は、そのようなデータ・ベアラによるデータ交換を指す。
【0293】
ステージ4302及び4304において、アウター移動セル3902-3906及びバックホール移動セル3908及び3910とのシグナリング接続を確立することに加えて、セントラル軌道コントローラ3914はまた、アウター移動セル3902-3906及びバックホール移動セル3908及び3910との初期化及びセットアップの一部として、粗い軌道及び初期ルーティングを計算するための入力データを得ることもできる。例えば、ステージ4302及び4304の一部として、セントラル・インターフェース4014及び4114は入力データを送信してもよく、入力データは、アウター移動セル3902~3906のデータ・レート要件(例えば、センシング・データ又は応対される端末デバイスからのアクセス・データを送信するためのもの)、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910の位置(例えば、地理的位置)、アウター移動セル3902~3906に割り当てられたターゲット・エリア(例えば、センシング又はアクセスのためのもの)、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908~3910によって得られた最近の無線メジャーメント(例えば、それぞれのベースバンド・サブシステム4006及び4106によって得られたもの)、及び/又はアウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908~3910の無線能力に関する詳細(例えば、送信電力能力、有効動作範囲など)を含む。セントラル軌道コントローラ3914のセル・インターフェース4202は、この入力データを受信し、それを入力データ・リポジトリ4204に提供することができ、リポジトリは、軌道プロセッサ4206による以後の使用のために入力データを記憶することができる。幾つかの態様では、セル・インターフェース4202は、ネットワーク・アクセス・ノード3912と通信するように構成されてもよく、例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912による無線メジャーメントなどの入力データ(例えば、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908~3910によって送信されるシグナリング)を受信する可能性がある。
【0294】
セントラル軌道コントローラ3914は、軌道プロセッサ4206によって実行されるセントラル軌道アルゴリズムのためにこの入力データを使用するように構成されてもよい。幾つかの態様では、セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びに無線アクセス・ネットワーク(例えば、オプションとして1つ以上の追加のネットワーク・アクセス・ノードに加えてネットワーク・アクセス・ノード3912)の間の無線環境の統計モデルを、入力データとして使用してもよい。様々な複雑性についての統計モデルが使用されることが可能である。例えば、幾つかの態様において、統計モデルは、デバイス間の距離とそれらの現在の無線状態とを評価して、デバイス間のチャネル状態を推定する伝搬モデル(例えば、デバイス間の距離とそれらの現在の無線状態に基づいて無線環境をモデル化するもの)であるとすることが可能である。他の態様では、統計モデルは、マッピングされたエリア上のチャネル状態を示す無線マップ(例えば、無線環境マップ(a radio environment map:REM))に基づくことが可能である。このタイプの統計モデルは、より高度な地理的データを使用して、異なる伝搬特性を有する地理的エリアでの無線環境をモデル化することができる。
【0295】
図44は、幾つかの態様による無線マップの概念を示す基本的な例である。図44に示される無線マップ4400は、複数の地理的ユニット(単位)の各々にチャネル状態の等級を割り当てており、より明るい色の地理的ユニットは、より暗い色の地理的ユニットよりも好ましいチャネル状態(推定値)を示す。地理的ユニットの色/パターンは、例えば、地理的ユニットを通過する無線信号の推定されたパス・ロスを示すことが可能であり、各々の色は、特定のパス・ロス値(例えば、デシベル又は類似のメトリック)に割り当てられることが可能である。無線マップ4400の構成は例示的なものである。従って、異なるタイプの地理的ユニット形状及びサイズを有する均一な及び不均一なグリッドを使用する他の無線マップも同様に制限なしに使用されることが可能である。無線マップ4400は、(地理的ユニットのカラーリング/パターニングによって示されるように)単一の無線パラメータを描写しているが、これもまた例示的であり、地理的ユニットに複数の無線パラメータを割り当てる無線マップが適用される可能性もある。
【0296】
入力データ・リポジトリ4204は、そのような無線マップの前提となる無線マップ・データを格納することができる。幾つかの態様では、入力データ・リポジトリ4204は、無線マップ・データを格納するリモート・サーバー(例えば、REMサーバー)などのリモート・ロケーションから、この無線マップ・データの一部又は全部をダウンロードすることができる。幾つかの態様において、入力データ・リポジトリ4204は、局所的に(例えば、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びに無線アクセス・ネットワークによって提供される入力データに基づいて)無線マップ・データの一部又は全部を生成することができる。
【0297】
幾つかの態様において、入力データ・リポジトリ4204は、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、及び無線アクセス・ネットワークによってステージ4302及び4304で提供される入力データに基づいて、無線マップ・データを更新することができる。例えば、入力データ・リポジトリ4204は、無線メジャーメント(例えば、入力データのもの)と、測定を行ったデバイスの対応する位置とを照合するように構成されてもよい。入力データ・リポジトリ4204は、次に、無線メジャーメントに基づいて、その位置が存在する無線マップの地理的ユニットにおける無線パラメータを更新してもよい。このようにして、このタイプの更新は、無線環境内のデバイスによって提供される実際の測定に基づいて、無線マップ・データを適合させることができる。
【0298】
入力データ・リポジトリ4204によって得られる入力データは、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910によって提供される入力データ、並びに無線環境の統計モデルに関連する他の入力データ(例えば、基本伝搬モデル又は無線マップ・データ)を含むことができる。この入力データを得た後に、セントラル軌道コントローラ3914は、ステージ4306において、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に対する粗い軌道及び初期経路を計算することができる。例えば、入力データ・リポジトリ4204は、入力データを軌道プロセッサ4206に提供してもよく、プロセッサは、入力データを入力として使用してセントラル軌道アルゴリズムを実行することができる。
【0299】
上述のように、セントラル軌道アルゴリズムの出力は、セントラル軌道コントローラ3914がアウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に割り当てる粗い軌道(例えば、静的な位置、静的な位置のシーケンス、又は経路若しくは輪郭)であってもよい。出力はまた、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びに無線アクセス・ネットワーク間のデータの流れを支配する初期ルーティングを含むことも可能である。幾つかの態様において、セントラル軌道アルゴリズムは、統計モデルに従って最適化基準を最適化するために、これらの粗い軌道及び初期ルーティングを計算するように構成されてもよい。上述のように、統計モデルは、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びに無線アクセス・ネットワーク間の無線環境の確率的特徴を提供することができる。従って、セントラル軌道アルゴリズムは、可能な粗い軌道及び/又はルーティングの範囲にわたって無線環境を推定するために統計モデルを評価することができ、また、無線環境に関連する最適化基準を最適化する粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定することができる。最適化基準は、何らかの態様による無線リンク最適化基準と考えられてもよい。
【0300】
例えば、幾つかの態様において、最適化基準は、サポートされるデータ・レート(例えば、無線アクセス接続によってサポートされるデータ・レート)であってもよい。この例では、アウター移動セル3902~3906は、最低限のデータ・レート要件を有する可能性がある。アウター移動セル3902~3906は、センシングに関連するアップリンク・データ(例えば、アウター移動セル3902~3906によって生成されるセンシング・データ)又はアクセスに関連するアップリンク・データ(例えば、アウター移動セル3902~3906によって応対される端末デバイスによって生成されるアップリンク・データ)を生成している可能性があり、このアップリンク・データは、このセンシング・データの送信をサポートすることが可能な所定の最小限のデータ・レートを有する可能性がある。従って、セントラル軌道アルゴリズムはそれ故にデータ・レートに近づくために統計モデルを使用して、サポートされるデータ・レートの関数を増加させる(例えば、最大化させる)粗い軌道及び初期ルーティングをステージ4306で決定してもよい。この最適化又は最大化は、勾配降下法(ここでは、勾配降下及び上昇の両方を総称して使用している)などの任意のタイプの最適化アルゴリズム、又は、サポートされるデータ・レートを増加させる(例えば、最大化させる)粗い軌道又は初期ルーティングを発見するために、様々な可能性のある粗い軌道及び/又は初期ルーティング上で徐々に「ステップを進める」別の最適化アルゴリズムを使用することができる。従って、サポートされるデータ・レートの関数は、サポートされるデータ・レートの関数に対する異なるパラメータ入力に基づいて、サポートされる推定データ・レートを出力する統計表現である可能性がある。幾つかの態様では、セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906から出る各々のバックホール中継経路(例えば、アウター移動セル3902~3906から無線アクセス・ネットワークへの全てのバックホール中継経路にわたる集まり)の全体的なサポートされるデータ・レートを最大化することができる。他の態様では、セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906から出て来る各バックホール中継経路が、予め定められたデータ・レート閾値を超えるサポートされたデータ・レートを有する確率を最大化することができる。
【0301】
追加的又は代替的に、幾つかの態様において、最適化基準はリンク品質メトリックであってもよい。リンク品質メトリックは、信号強度、信号品質、信号対雑音比(SNR、又は信号対干渉プラス雑音比のような他の関連するメトリック)、誤り率(例えば、ビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)、パケット誤り率(PER)、又は任意の他のタイプの誤り率)、通信デバイス間の距離、通信デバイス間の推定されたパス・ロス、又は任意の他のタイプのリンク品質メトリックであるとすることが可能である。セントラル軌道アルゴリズムは、同様に、最適化基準としてリンク品質メトリックを最適化することによって、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910のための粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定するように構成されることが可能である。例えば、セントラル軌道アルゴリズムは、リンク品質メトリックに近づくために統計モデルを使用してリンク品質メトリックの関数を増加させる(例えば、最大化させる)ことが可能である。関数は、リンク品質メトリック自体の関数(例えば、バックホール中継経路にわたる集まり)、又はリンク品質メトリックがリンク品質メトリック閾値を上回る確率(例えば、各バックホール中継経路がリンク品質メトリック閾値を上回る確率)の関数であるとすることが可能である。
【0302】
上記の例は、個々の最適化基準を特定しているが、幾つかの態様では、セントラル軌道アルゴリズムは、複数の最適化基準を同時に評価するように構成される可能性がある。例えば、最適化基準の個々の関数の重み付けされた組み合わせが、最適化アルゴリズムで最大化される関数として定義され、その後に使用されることが可能である。
【0303】
上述のように、セントラル軌道アルゴリズムは、最適化基準の関数に近接するするために、無線環境の統計モデルを使用するように構成されることが可能である。例えば、統計モデルが基本伝搬モデルであるケースにおいて、セントラル軌道アルゴリズムは、(例えば、より近い相対位置は、遠い相対位置よりも高いサポートされたデータ・レートをもたらす可能性があるシナリオにおいて)例えばアウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、並びに無線アクセス・ネットワークの間の相対距離に依存するサポートされたデータ・レート関数を使用すること等によって、基本伝搬モデルを使用して最適化基準に接近するように構成されてもよい。次いで、セントラル軌道アルゴリズムは、サポートされたデータ・レート関数を増加させるアウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910の軌道を(例えば、勾配降下法又は別の最適化アルゴリズムに従って)発見することを試みてもよい。複数の移動セルが存在する場合、これは、個々の軌道が(一緒に実行される場合)、サポートされたデータ・レート関数を増加させるように、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に対する個々の軌道を決定することを含む可能性がある。
【0304】
統計モデルが無線マップ・データに基づいている場合、セントラル軌道アルゴリズムは、何らかの態様に応じて、無線マップの地理的ユニットの無線パラメータにも依存する伝搬モデルを用いて、最適化基準に接近するように構成されることが可能である。従って、サポートされるデータ・レート関数は、アウター移動セル3902~3906、バックホール移動セル3908及び3910、及び無線アクセス・ネットワークの間の相対距離、並びにそれら各自の位置の間に該当する無線マップの地理的ユニットの無線パラメータに依存する可能性がある。次いで、セントラル軌道アルゴリズムは、同様に、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910のための軌道を発見することを試みることができ、これは、このサポートされるデータ・レート関数を最大化する。上述のように、これは、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910について、実行される場合に、サポートされるデータ・レート関数を一緒に最大化する個々の軌道を決定することを含むことができる。
【0305】
幾つかの態様において、最適化基準の関数はまた、ルーティングに依存する可能性もあり、ある何らかのルーティングは、他のルーティングよりも高い近接最適化基準をもたらす可能性がある。例えば、図39の例示的状況を参照すると、バックホール用のバックホール移動セル3908を使用する場合、アウター移動セル3902は、そのアップリンク・データに対して、バックホール移動セル3910と比較して、より高いサポートされたデータ・レートを達成することが可能である場合がある。追加的又は代替的に、バックホール移動セル3908及び3910は、それらがアップリンク・データを無線アクセス・ネットワークの特定のネットワーク・アクセス・ノードに中継する場合に、より高いサポートされたデータ・レートを有するバックホール中継経路を提供することができる。従って、ステージ4306の一部として、セントラル軌道アルゴリズムは、最適化基準の関数を増大させるために使用されることが可能な調整可能パラメータとして、ルーティングを取り扱ってもよい。従って、セントラル軌道アルゴリズムは、ステージ4306における初期経路を決定することが可能であり、その決定は、フォワード移動セル3902~3906が各自のアップリンク・データを送信することが可能なバックホール移動セル3908及び3910を選択すること、及び/又は、バックホール移動セル3908及び3910がこのアップリンク・データを中継することが可能なネットワーク・アクセス・ノードを選択することを含むことが可能である。
【0306】
幾つかの態様において、セントラル軌道アルゴリズムはまた、粗い軌道及び初期ルーティングを決定する際に制約パラメータを考慮することもできる。例えば、アウター移動セル3902~3906に割り当てられるターゲット・エリアは制約として作用することが可能であり、それにより、アウター移動セル3902~3906は、特定のターゲット・エリアにおいて、各自の割り当てられたアウター・タスク(センシング又はルーティング)を実行するように期待される。従って、幾つかのケースにおいて、アウター移動セル3902~3906に割り当てられた粗い軌道は、ターゲット・エリア内又はその近辺にある(例えば、割り当てられたアウター・タスクをアウター・タスク・エンジン4020で実行するためにターゲット・エリアに十分近接する)ように制約されることが可能である。従って、最適化基準の関数を増大させることを試みる場合に、セントラル軌道アルゴリズムは、それぞれに割り当てられたターゲット・エリアによって制約される、アウター移動セル3902~3906の粗い軌道を(例えば、排他的に)考慮してもよい。幾つかの態様において、バックホール移動セル3908及び3910は、粗い軌道を決定する際にセントラル軌道アルゴリズムが考慮し得る地理的制約も有する可能性がある。
【0307】
幾つかの態様において、セントラル軌道アルゴリズムは、粗い軌道決定の一部として、アウター移動セル3902~3906のターゲット・エリアを決定してもよい。例えば、セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906がアウター・タスクを実行するために割り当てられる全体的な地理的エリアを定める全体的なターゲット・エリアを(例えば、アウター移動セル3902~3906によって入力データとして報告されるように)識別することができる。各自各々のアウター移動セルが割り当てられるエリアとして、各アウター移動セルのターゲット・エリアを取り扱う代わりに、セントラル軌道アルゴリズムは、何らかの態様に従って、全体のターゲット・エリアをカバーしつつ最適化基準を増加させる、アウター移動セルの粗い軌道を決定することができる。
【0308】
ステージ4306における粗い軌道及び初期ルーティングを決定した後、セントラル軌道コントローラ3914は、粗い軌道及び初期経路をそれぞれ、ステージ4308及び4310におけるバックホール移動セル3908及び3910並びにアウター移動セル3902~3906へ送ることができる。例えば、軌道プロセッサ4206は、粗い軌道及び初期経路をセル・インターフェース4202に提供し、そのインターフェースは、粗い軌道及び初期ルーティングを、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910におけるピア・セントラル・インターフェース4014及び4114へ送信することができる。幾つかの態様において、セル・インターフェース4202は、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910の各々に個別に割り当てられた粗い軌道及び初期ルーティングを識別することができ、次いで、粗い軌道及び各移動セルへの初期ルーティングを、移動セルの対応するセントラル・インターフェース4014又は4114へ送信することができる。
【0309】
バックホール移動セル3908及び3910、並びにアウター移動セル3902~3906はそれぞれ、セントラル・インターフェース4014及び4114における粗い軌道及び初期ルーティングを受信することができる。図43に示されるように、次いで、バックホール移動セル3908及び3910は、ステージ4312におけるアウター移動セル3902~3906との接続性を確立することができる。例えば、バックホール移動セル3908及び3910は、アウター移動セル3902~3906が無線アクセス・ネットワーク(ネットワーク・アクセス・ノード3912を含む)との間でデータの送受信に使用することが可能な、アウター移動セル3902~3906とのバックホール中継経路を設定することができる。これは例えば、アウター移動セル3902~3906とバックホール移動セル3908~3910との間のフロントホール・リンクを設定し、バックホール移動セル3908~3910と無線アクセス・ネットワークとの間のバックホール・リンクを設定することを含むことが可能である(ただし、幾つかの態様においては、バックホール・リンクは既に確立されているかもしれない)。
【0310】
幾つかの態様において、バックホール移動セル3908及び3910、並びにアウター移動セル3902~3906は、それらのセル・インターフェース4016及び4116においてステージ4312を実行してもよい。例えば、アウター移動セル3902に関連して、そのセントラル・インターフェース4014は、ステージ4310において、アウター移動セル3902に割り当てられた粗い軌道及び初期ルーティングを受信することができる。次いで、アウター移動セル3902のセントラル・インターフェース4014は、粗い軌道を軌道プロセッサ4018に提供し、初期ルーティングをセル・インターフェース4016に提供することができる。初期ルーティングは、アウター移動セル3902が、バックホール移動セル3908のようなバックホール移動セル3908及び3910のうちの1つを使用するように割り当てられることを指定する可能性がある。従って、アウター移動セル3902のセル・インターフェース4016は、バックホール移動セル3908を介する無線アクセス・ネットワークへのバックホール中継経路を確立するようにそれが割り当てられていることを識別することができる。従って、アウター移動セル3902のセル・インターフェース4016は、(例えば、アウター移動セル3902のベースバンド・サブシステム4006及びバックホール移動セル3908のベースバンド・サブシステム4106を介して)無線シグナリングを相互に交換すること等によって、アウター移動セル3902とバックホール移動セル3908との間のフロントホール・リンクを確立する、バックホール移動セル3908のセル・インターフェース4116との接続を確立することができる。アウター移動セル3902~3906は、同様に、各自それぞれの初期ルーティングによって割り当てられたバックホール移動セルとの接続性を確立することができる。
【0311】
幾つかの態様において、セントラル軌道アルゴリズムは粗い軌道を決定するが、初期ルーティングを決定しない可能性がある。従って、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、経路を決定する(例えば、バックホール中継経路を決定する)ように構成されてもよい。例えば、アウター移動セル3902~3906のセル・インターフェース4014は、近傍のバックホール移動セルを識別するためにディスカバリ・プロセスを実行し、バックホール中継経路として使用するためにバックホール移動セルを選択することができる。このような態様では、これらのルーティングは初期ルーティングである可能性がある。次いで、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、これらの初期ルーティングに従って互いに接続を確立することができる。
【0312】
接続を確立した後、アウター移動セル3902-3906は、ステージ4314でそれぞれ割り当てられた粗い軌道に従ってアウター・タスクを実行することができる。例えば、アウター移動セル3902を参照する例では、軌道プロセッサ4018は、粗い軌道を移動コントローラ4024に提供する可能性がある。次に、移動コントローラ4024は、粗い軌道に従ってアウター移動セル3902を動かすようにステアリング移動機構4026を指図する制御信号を、ステアリング移動機構4026に提供してもよい。アウター・タスクとしてセンシングを実行するように構成される場合、アウター・タスク・エンジン4020の1つ以上のセンサ(図40に明示的に示されない)は、センシング・データを取得することができる。アウター・タスクとしてアクセスを実行するように構成される場合、アウター・タスク・エンジン4020は、何らかの態様に従って、アウター移動セル3902のカバレッジ・エリア内の端末デバイスへの無線アクセスをワイヤレスで提供するために、ベースバンド・サブシステム4006を使用することができる。
【0313】
上述のように、幾つかの態様における粗い軌道は、静的位置、静的位置のシーケンス、又はパス若しくは輪郭であり得る。粗い軌道が静的な位置である場合、移動コントローラ4024は、その静的位置にアウター移動セル3902を位置付け、静的位置に留まるように、ステアリング移動機構4026を制御してもよい。粗い軌道が静的な位置のシーケンスである場合、移動コントローラ4024は、アウター移動セル3902を、静的位置のシーケンスの各々に順次移動させるように、ステアリング移動機構4026を制御してもよい。静的位置のシーケンスは、タイム・スタンプされることが可能であり、移動コントローラ4024は、アウター移動セル3902を、タイム・スタンプに従った静的位置のシーケンスのそれぞれに移動させるように、ステアリング移動機構4026を制御してもよい。粗い軌道が経路又は輪郭である場合、移動コントローラ4024は、アウター移動セル3902を経路又は輪郭に沿って移動させるために、ステアリング移動機構4026を制御してもよい。
【0314】
図43に示すように、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908、3910は、ステージ4316、4318でデータ伝送を行うことができる。例えば、アウター移動セル3902~3906は(例えば、それぞれのセル・インターフェース4016において)、各自それぞれのフロントホール・リンクにおけるアウター・タスクからのアップリンク・データを、初期ルーティングによって割り当てられるようなバックホール移動セル3908及び3910へ送信してもよい。次いで、バックホール移動セル3908及び3910は、各自それぞれのセル・インターフェース4116においてアップリンク・データを受信することができる。次いで、中継ルーター4120は、セル・インターフェース4116で受信したアップリンク・データを識別し、そのアップリンク・データを、ベースバンド・サブシステム4106を介してバックホール・リンク上の無線アクセス・ネットワークへ送信することができる。幾つかの態様では、フロントホール移動セル3902~3906はまた、ダウンリンク・データ伝送のためにバックホール中継経路を使用してもよい。従って、バックホール移動セル3908及び3910は、ベースバンド・サブシステム4106の無線アクセス・ネットワークから、アウター移動セル3902~3906に宛てたダウンリンク・データを受信することができる。中継ルーター4120は、このダウンリンク・データを識別し、それをセル・インターフェース4116に提供することができ、セル・インターフェース4116は、次いで、フロントホール・リンク上のダウンリンク・データを(ベースバンド・サブシステム4106を介して)アウター移動セル3902~3906へ送信することができる。
【0315】
アウター移動セル3902-3906と同様に、バックホール移動セル3908及び3910は、ステージ4316a及び4316bの間に、割り当てられた粗い軌道に従って移動することができる。従って、バックホール移動セル3908を例示的に参照すると、軌道プロセッサ4118は(セントラル・インターフェース4114から粗い軌道を受信した後に)、移動コントローラ4124への粗い軌道を指定することができる。移動コントローラ4124は、次いで、何らの態様に従って、粗い軌道に従ってバックホール移動セル3908を動かすように、ステアリング移動機構4126を指図することができる。
【0316】
セントラル軌道コントローラ3914によって決定されるこれらの粗い軌道及び初期ルーティングは、特定の態様に従う、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910の軌道及びルーティングの初期の基礎を形成する上位レベルの計画とみなすことが可能である。従って、幾つかの態様において、アウター移動セル3902~3906、及びバックホール移動セル3908及び3910は、軌道及びルーティングの局所的な最適化を実行することができる。図43に示されるように、アウター移動セル3902~3906、及びバックホール移動セル3908、3910は、それらのセル・インターフェース4016、4116を使用して、シグナリング接続を介してパラメータを交換すること等により、ステージ4320でパラメータ交換を実行することができる。これらのパラメータはそれぞれ、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムのための、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910の軌道プロセッサ4018及び4118によって入力として使用される局所入力データに関連付けられる可能性がある。例えば、パラメータは、例えば移動セルのデータ・レート要件、移動セルの位置、移動セルに割り当てられたターゲット・エリア、移動セルによって取得される最近の無線メジャーメント、及び/又は移動セルの無線能力に関する詳細のような入力データに類似する情報を含むことが可能である。パラメータはまた、セントラル軌道アルゴリズムによって移動セルに割り当てられた粗い軌道を含むことも可能である。幾つかの態様において、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、例えば無線アクセス・ネットワーク(例えば、ネットワーク・アクセス・ノード3912)からのような他の場所からパラメータを受信してもよい。
【0317】
幾つかの態様によれば、パラメータを取得した後、セル・インターフェース4016及び4116は、軌道プロセッサ4018及び4118にパラメータを提供してもよい。アウター移動セル3902の軌道プロセッサ4018を参照する例では、軌道プロセッサ4018は、アウター軌道アルゴリズムの局所入力データとして、パラメータを使用してもよい。幾つかの態様において、軌道プロセッサ4018は、例えばベースバンド・サブシステム4006によって実行される無線メジャーメントなどの局所入力データ、並びにセントラル軌道コントローラ3914によって割り当てられる現在の粗い軌道などの他の情報を使用することも可能である。次いで、軌道プロセッサ4018は、ステージ4320においてアウター軌道アルゴリズムを実行することによって、ステージ4322で軌道及びルーティングの局所的な最適化を実行してもよい。同様に、バックホール移動セル3908の軌道プロセッサ4118を参照する例では、軌道プロセッサ4118は、バックホール軌道アルゴリズムのための局所入力データとして、パラメータを使用することができる。次いで、軌道プロセッサ4118は、ステージ4320においてバックホール軌道アルゴリズムを実行することによって軌道及びルーティングの局所的な最適化を実行してもよい。
【0318】
アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910によって実行されるアウター及びバックホール軌道アルゴリズムは、セントラル軌道コントローラ3914によって実行されるセントラル軌道アルゴリズムに類似していてもよい。例えば、幾つかの態様において、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムは、最適化基準を最適化する(例えば、最大化する)軌道及び/又はルーティングを決定することによって機能する可能性がある。幾つかの態様において、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムによって使用される最適化基準は、セントラル軌道アルゴリズムによって使用される最適化基準と同じであってもよい。幾つかの態様において、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムは、例えば基本的な伝搬モデル又は無線マップに基づく伝搬モデルなどの最適化基準に接近するために、無線環境の統計モデルを同様に使用することができる。
【0319】
例えば、幾つかの態様において、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムは、最適化基準を増加させる軌道アルゴリズムを実行する移動セルのための更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを(例えば、最適化基準の関数を最大値の方に導くように、徐々にパラメータの歩を進めることによって)決定することができる。従って、多数の移動セルのための粗い軌道及び/又は初期ルーティングを同時に決定するセントラル軌道アルゴリズムとは対照的に、アウター及びバックホール軌道アルゴリズムは、軌道アルゴリズムを実行する個々の移動セルで別々に焦点を合わせることが可能である。
【0320】
幾つかの局面において、移動セルの軌道プロセッサ4018及び4118は、ステージ4320を交互方式で実行してもよい。例えば、デュアル・フェーズ最適化を使用することができ、この場合、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、アウター移動セル3902~3906の軌道とバックホール移動セル3908~3910の軌道とを交互に最適化してもよい。この例では、アウター移動セル3902~3906の軌道プロセッサ4018は、各自の現在の軌道(例えば、粗い軌道)、現在のルーティング、及びステージ4318からの関連するパラメータを、アウター軌道アルゴリズムの局所入力データとして使用して、アウター軌道アルゴリズムを実行するように構成されてもよい。アウター軌道アルゴリズムは、この局所入力データを使用して、最適化基準の関数を最大値の方に向けて(例えば、何らかのインクリメント・ステップによって)歩を進めるその現在の軌道に対する更新を決定するように構成されてもよい。セントラル軌道アルゴリズムに関して上述したように、これは勾配降下法又は別の最適化アルゴリズムを用いて実行されることが可能である。アウター軌道アルゴリズムはまた、(例えば、更新された軌道が、最適化基準に対してより良いルーティングをもたらす場合)更新されたルーティングを決定することも可能である。
【0321】
特定の態様によれば、アウター移動セル3902~3906の各々は、それぞれの更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを決定することができる。次いで、アウター移動セル3902~3906は、更新された軌道及び/又はルーティングを、バックホール移動セル3908及び3910へ送信することによって、別のラウンドのパラメータ交換を行うことができる。次いで、バックホール移動セル3908及び3910は、これらの更新された軌道及び/又はルーティングを、他の何らかの関連パラメータとともに、バックホール軌道アルゴリズムのための局所入力データとして使用することができる。従って、バックホール移動セル3908及び3910の軌道プロセッサ4116は、バックホール移動セル3908及び3910の更新された軌道を決定するためにこの局所入力データを使用してバックホール軌道アルゴリズムを実行することができる。例えば、アウター移動セル3902~3906の軌道が更新された軌道に変化すると、バックホール軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906の更新された軌道の下で最適化基準を増加させる(例えば、最大化させる)バックホール移動セル3908及び3910の更新された軌道を決定するように構成されることが可能である。バックホール軌道アルゴリズムはまた、ルーティングを変更するように構成されてもよく、例えば、アウター移動セル3902~3910によって決定された更新されたルーティングを、バックホール移動セル3908及び3910の更新された軌道を最適化する新しい更新されたルーティングに変更してもよい。
【0322】
バックホール移動セル3908及び3910が、それら自身の更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを決定した後、バックホール移動セル3908及び3910は、何らかの態様に従って、別のラウンドのパラメータ交換を行い、それらの更新された経路及び/又は更新されたルーティングをアウター移動セル3902~3906に送信することができる。次いで、アウター移動セル3902~3906は、バックホール移動セル3908及び3910からのこれらの更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを使用してアウター軌道アルゴリズムを再度実行して、最適化基準を増加させる新しい更新された軌道及び/又はルーティングを決定することができる。幾つかの態様によれば、この2段階最適化は、経時的に反復し続けてもよい。幾つかの態様では、ある方向に分かれる遠ざかる軌道をステアリングするために、アウター及びバックホール双方を横断するアグリゲート・メトリックが使用されることが可能である。幾つかの態様では、セントラル軌道コントローラ3914は、セントラル軌道アルゴリズムを周期的に再実行し、新しい粗い軌道及び/又は新しい初期ルーティングを、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に提供することができる。これは、幾つかの態様において、一種の周期的再編成を構成し、セントラル軌道コントローラ3914は、アウター移動セル3902~3906とバックホール移動セル3908及び3910とを、セントラル化された方式で周期的に再編成する。
【0323】
局所最適化は、このような2段階最適化アプローチに限定されない。幾つかの態様では、アウター移動セル3902~3906、及びバックホール移動セル3908及び3910は、それらの軌道アルゴリズムを実行してそれらの軌道及び/又はルーティングを交互に又はラウンド・ロビン方式で更新し、例えば一度にアウター移動セル3902~3906のうちの1つを更新してもよい。幾つかの態様では、マスター・アウター移動セルと呼ばれるアウター移動セル3902~3906のうちの1つは、残りの1つ以上の(又は全ての)アウター移動セル3902~3906について、更新された軌道及び/又はルーティングを決定する責任を負ってもよい。従って、複数のアウター移動セルについての軌道を同時に評価するセントラル軌道アルゴリズムと同様に、マスター・アウター移動セルは、複数のアウター移動セルについての更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを、(例えば、最適化基準を最大化する更新された軌道を決定することによって)同時に決定するアウター軌道アルゴリズムを実行することができる。次いで、マスター・アウター移動セルは、更新された軌道及び/又はルーティングを他のアウター移動セルに送信することができ、次いでそれらは更新された軌道に従って移動することができる。これは、バックホール移動セル3908又は3910のうちの1つが、マスター・バックホール移動セルの役割を引き受け、複数の(又は全ての)バックホール移動セルのための更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを決定することができるバックホール移動セルに、同様に適用されることが可能である。
【0324】
場合によっては、局所的な最適化を行うことは、より良いパフォーマンスをもたらす可能性がある。例えば、上述のように、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、局所最適化のラウンドの前及びラウンド間でパラメータを交換するように構成されてもよい。これらのパラメータは現在の無線メジャーメントを含むことが可能であり、これは、セントラル軌道コントローラ3914によって使用される基本伝搬モデル及び/又は無線マップよりも一層正確な無線環境のインジケータであり得る。従って、幾つかの態様において、局所最適化は、実際の無線環境のより正確な反映に基づくことが可能であり、従って、実際問題としてより良い最適化基準(例えば、最適化基準として使用されるメトリックのより良い値)に至ることが可能である。
【0325】
更に、幾つか態様において、局所最適化の利用は、より有効な分割処理をもたらす可能性がある。例えば、幾つかの態様において、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、セントラル軌道コントローラ3914のようなサーバー型コンポーネントと同じ処理能力をサポートできない可能性がある。従って、設計上の制約に応じて、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910に関する所定の態様において、それらの軌道をローカルに決定する完全な軌道アルゴリズムを先ず第1に実行することは実現不可能である可能性がある。局所最適化の利用は、セントラル軌道コントローラ3914が、軌道に対する上位レベルの計画を決定することを可能にし得る一方、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910が、局所的な調整(例えば、始めから新しい軌道を決定することと比較して、単なる調整を構成するにすぎないもの)を適宜行うことを可能にし得る。
【0326】
更に、幾つかの態様において、アウター移動セル3902-3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、セントラル軌道コントローラ3914がそれらの軌道に対する完全なコントロールを持っていた場合に(例えば、何らの局所最適化もなしに)生じるものよりも短い待ち時間でそれらの軌道を調整することができる。例えば、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、先ずデータをセントラル軌道コントローラ3914に送り返してその後に応答を受信するのを待機する必要なしに、それらの軌道に対する局所的な調整(例えば、それらの無線メジャーメント及びその他のパラメータ交換に基づくもの)を行うように構成されることが可能である。
【0327】
図43の例示的な状況において、セントラル軌道アルゴリズムは、アウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び/又は3910の両方に対してポジショニング制御を行う可能性がある。幾つかの態様によれば、セントラル軌道コントローラ3914は、バックホール移動セル3908及び3910に対する制御を行うが、アウター移動セル3902~3906に対しては制御を行わない。他の態様によれば、バックホール移動セル3908及び3910は、アウター移動セルなしに存在する。図45は、幾つかの態様に従うそのような一例を示し、バックホール移動セル4508及び4510が、(セントラル軌道コントローラ4514に通信可能に結合される)基地局4512の種々の端末デバイスにバックホールを提供することができる。
【0328】
これらの例示的なケースにおいて、幾つかの態様によれば、セントラル軌道コントローラ4514(又は3914)は、粗い軌道及び/又はルーティングをバックホール移動セル4508及び4510には提供できるが、アウター移動セル又は端末デバイスには何れにも(例えば、それらがセントラル軌道コントローラ4514の位置制御の支配下にない範囲には)提供できない可能性がある。図46は、そのようなケースに関連する、幾つかの態様に従った例示的なメッセージ・シーケンス・チャート4600を示す。図46に示されるように、セントラル軌道コントローラ3914及びバックホール移動セル3908及び3910は、最初に、ステージ4602において(例えば、ステージ4302と同じ又は同様な方法で)初期化及びセットアップを実行することができる。次いで、セントラル軌道コントローラ3914は、ステージ4604において、入力データ及びセントラル軌道アルゴリズムを使用して、粗い軌道及び初期ルーティングを計算することができる。
【0329】
バックホール移動セル3908及び3910が、セントラル軌道コントローラ3914の位置制御下にない応対されるデバイス(例えば、アウター移動セル及び/又は端末デバイス)にバックホールを提供するという事実に起因して、図46の設定に関する軌道アルゴリズムには種々の相違が存在し得る。図43の上述の状況において、セントラル軌道コントローラ3914は、アウター移動セル3902~3906の特定の位置を使用して最適化基準を評価することができる(例えば、無線環境の統計モデルを使用して、アウター移動セル3902~3906の特定の位置の下で、サポートされるデータ・レート又はリンク品質メトリックを近付ける)。しかしながら、図46の状況では、セントラル軌道アルゴリズムは、応対されるデバイスの特定の位置を想定することができず、代わりに、幾つかの態様に従ってそれらの位置の統計的推定を使用する可能性がある。
【0330】
例えば、幾つかの態様において、セントラル軌道アルゴリズムは、応対されるデバイスの位置を統計的に推定するために、仮想ノードの概念を使用してもよい。例えば、幾つかの態様において、セントラル軌道コントローラ3914の入力データ・リポジトリ4204は、応対される端末デバイスに関する統計的密度情報を収集するように構成されてもよい。場合によっては、統計的密度情報は、例えば、応対されるデバイスについての報告された位置のような基本情報、及び/又は応対されるデバイスの経時的な密度を示すヒート・マップのようなより複雑な情報などのような統計的な地理的密度情報であってもよい。幾つかのケースにおいて、統計的密度情報は、追加的又は代替的に、データ・トラフィックの地理的密度を示す統計的トラフィック密度情報を含むことができる。例えば、所与のエリアに僅か数台の応対される端末デバイスしか存在しないが、これらの応対されるデバイスがかなりのデータ・トラフィックを発生させている場合、統計的トラフィック密度情報は、このエリアで増加したデータ・トラフィックを示すことができる(一方、厳密な地理的な密度情報は、少数の応対される端末デバイスが存在することを示すだけであろう)。この統計的密度情報は、何らかの態様に従って、バックホール移動セル3908及び3910によって(例えば、それら自身の無線メジャーメント又は位置報告に基づいて)、無線アクセス・ネットワークから、及び/又は外部ネットワーク位置から、セントラル軌道コントローラ3914に報告されることが可能である。
【0331】
ステージ4604においてセントラル軌道アルゴリズムを実行する際に、幾つかの態様では、軌道プロセッサ4206はこの統計的密度情報を入力データとして使用してもよい。幾つかの態様では、セントラル軌道アルゴリズムは、ステージ4306について上述したような類似の最適化アルゴリズムを利用してもよい。例えば、これは、勾配降下(又は別の最適化アルゴリズム)を適用して、最適化基準を増加(例えば、最大化)させる、バックホール移動セル3908及び3910に対する粗い軌道及び/又はルーティングを決定することを含むことが可能であり、最適化基準は、無線環境の統計モデルに基づく関数によって表現される。しかしながら、図43のケースとは対照的に、セントラル軌道アルゴリズムは、応対されるデバイスの特定の位置を持たず、代わりに、幾つかの態様によれば統計的密度情報を使用して仮想的な応対されるデバイスを特徴付けることができる。例えば、セントラル軌道アルゴリズムは、統計的密度情報(例えば、仮想的な応対されるデバイスの予想される位置)を使用して、仮想的な応対されるデバイスの位置を近似することができ、次いで、バックホール移動セル3908及び3910に関する粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定する際に、これらの位置を使用することができる。応対されるデバイスは、幾つかの態様によりセントラル軌道コントローラ3914の位置制御下にはないので、セントラル軌道アルゴリズムは、バックホール移動セル3908及び3910の粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定するだけである可能性がある(初期ルーティングは、バックホール移動セル3908及び3910を指定し、所定の応対されるデバイスのバックホールを提供する)。図43のケースと同様に、最適化基準は、例えば、サポートされるデータ・レート及び/又はリンク品質メトリック(最適化基準が各バックホール中継経路に対して所定の閾値を上回る統計値及び確率を含む)であるとすることが可能である。
【0332】
ステージ4604における粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定した後、セントラル軌道コントローラ3914は、粗い軌道及び/又は初期ルーティングをバックホール移動セル3908及び3910に送信することができる(例えば、セントラル軌道コントローラ3914のセル・インターフェース4202と、バックホール移動セル3908及び3910のそのピア・セントラル・インターフェース4114との間のシグナリング接続を使用する)。次いで、バックホール移動セル3908及び3910は、ステージ4608において、応対されるデバイスとの接続を確立することができる(例えば、セントラル軌道コントローラ3914によって提供される初期ルーティングを使用するか、又はそれら自身の初期ルーティングを決定することによって行われる)。応対されるデバイスがアウター移動セルである場合、応対されるデバイスは、ステージ4610においてアウター・タスクを実行する可能性がある。応対されるデバイスは、次いで、ステージ4612aにおいて、フロントホール・リンクを使用して、アップリンク・データをバックホール移動セル3908及び3910へ送信することができ、バックホール移動セル3908及び3910は、ステージ4612bにおいて、アップリンク・データを無線アクセス・ネットワークへ送信することができる。ステージ4612a及び4612bはまた、バックホール移動セル3908及び3910によって提供されるバックホール中継経路を介する、無線アクセス・ネットワークから応対されるデバイスへのダウンリンク・データの送信及び中継を含むことも可能である。バックホール移動セル3908及び3910は、幾つかの態様によれば、ステージ4612a及び4612bの間に、それぞれ割り当てられた粗い軌道に従って移動することができる。
【0333】
図43の場合と同様に、セントラル軌道コントローラ3914によって提供される粗い軌道及び/又は初期ルーティングは、局所的に最適化されることが可能な上位レベル計画を形成する可能性がある。従って、図46に示されるように、バックホール移動セル3908及び3910は、ステージ4614において、応対されるデバイスとのパラメータ交換を実行してもよい。幾つかの態様において、応対されるデバイスは、ステージ4614において、位置報告をバックホール移動セル3908及び3910に提供する可能性があり、このバックホール移動セルは、応対されるデバイスの統計的密度情報を更新するためにそれを使用することができる。この更新された統計的密度情報は、バックホール軌道アルゴリズムのためのローカルな入力データの一部である可能性がある。ローカルな入力データを形成するパラメータ交換は、応対されるデバイスのデータ・レート要件、応対されるデバイスの位置、応対されるデバイスに割り当てられたターゲット・エリア、応対されるデバイスによって得られた最近の無線メジャーメント、及び/又は応対されるデバイスの無線能力に関する詳細を含むことが可能である。
【0334】
バックホール移動セル3908及び3910は、次いでステージ4616において、ローカルな入力データに関してバックホール軌道アルゴリズムを実行することによって、軌道及び/又はルーティングの局所最適化を実行することができる。幾つかの態様によれば並行して動作する対応するアウター軌道アルゴリズムが存在しないので、バックホール軌道アルゴリズムは、何らかの態様による2段階最適化を利用しない可能性がある。バックホール軌道アルゴリズムは、ローカル入力データに基づいて、更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを計算することができる。更新された軌道及び/又は更新されたルーティングを決定した後、バックホール移動セル3908及び3910は、更新された軌道に従って移動することができ、及び/又は更新されたルーティングに従ってバックホール中継を実行することができる。幾つかの態様では、バックホール移動セル3908及び3910は、経時的にステージ4612a~4616を反復してもよく、従って、軌道及び/又はルーティングを更新するために、新しいローカル入力データを利用してバックホール軌道アルゴリズムを反復的に実行してもよい。局所入力データは実際の無線環境を反映する可能性があるので、場合によっては、局所最適化はパフォーマンスを改善することができる。
【0335】
上述のシステムに対する1つ以上の追加的な拡張が採用されてもよい。幾つかの態様において、1つ以上のアウター移動セル3902~3906及びバックホール移動セル3908及び3910は、複数の同時無線リンクをサポートするように構成されてもよい。従って、フロントホール・リンク又はバックホール・リンクのために単一の無線リンクのみを使用する代わりに、幾つかの態様によれば、1つ以上の移動セルは複数の無線リンクを使用して送信及び/又は受信するように構成されることが可能である。このようなケースでは、セントラル軌道コントローラ3914は、移動セルのマルチリンク能力の事前知識を有する可能性がある。従って、セントラル軌道アルゴリズムは、粗い軌道及び/又は初期ルーティングを決定する際に、複数リンクにわたる総容量を表すチャネル統計を使用してもよい。例えば、移動セルの利用可能な第1リンクのデータ・レートがRであり、移動セルの利用可能な第2リンクのデータ・レートがRである場合、セントラル軌道アルゴリズムは、両方のリンクのデータ・レートが一緒にR+Rになるように決定することができる(例えば、独立に処理される場合、集まる容量を加算する)。同様に、移動セルがmmWaveをサポートする場合、セントラル軌道アルゴリズムは、(例えば、mmWaveアンテナ・アレイで複数のアンテナ・ビームを生成することによって)mmWaveからの複数ビームを複数の分離されたリンクとしてモデル化することができる。
【0336】
幾つかの態様において、バックホール・ルーティング・パスは、複数のリンクを使用して冗長性を導入することができる。例えば、アウター移動セル3902~3906又は応対されるデバイスは、(例えば、異なるフロントホール・リンク及び/又はバックホール・リンクを有する)複数のバックホール・ルーティング・パスを使用することができ、複数のバックホール・ルーティング・パスを介して同じデータを冗長的に送信することができる。これはパケットレベルの冗長性として行うことが可能である。
【0337】
幾つかの態様において、アウター移動セル3902-3906及び/又はバックホール移動セル3908及び3910は、無線パフォーマンスを改善するために送信又は受信の協調を利用することができる。例えば、セントラル軌道アルゴリズムは、単独グループとして協働するために、アウター移動セル又はバックホール移動セルのクラスタを指定し、次に、送信及び/又は受信ダイバーシティをサポートするために、クラスタに関する粗い軌道を決定することができる。次に、セントラル軌道アルゴリズムは、クラスタを、(例えば、実効レート表現を使用して)複合ノードとして扱うことができる。一旦セントラル軌道アルゴリズムがクラスタの粗い軌道を決定すると、クラスタ内の移動セルは、それらの軌道を調整するためにそれらのアウター又はバックホール軌道アルゴリズムを使用することができ、その結果、クラスタの実効重心位置は一定のまま残る。
【0338】
幾つかの態様において、セントラル、アウター、及びバックホール軌道アルゴリズムは、以下の文献に記載されている特徴を利用することができる:J.Stephens et.al.“Concurrent control of mobility and communication in multi-robot system,”(IEEE Transactions on Robotics,October 2017),J.L.Ny et.al,“Adaptive communication constrained deployment of unmanned aerial vehicle,”(IEEE JSAC,2012),M.Zavlanos et. al.“Network integrity in mobile robotic network,”(IEEE Trans. On Automatic Control,2013),及び/又はJ.Fink et. al.,“Motion planning for robust wireless networking,”(IEEE Conference On Robotics & Automation,2012)。
【0339】
図47は、幾つかの態様に従って移動セルの軌道を管理する例示的な方法4700を示す。図47に示されるように、方法4700は、1つ以上のバックホール移動セル及び1つ以上のアウター移動セルとのシグナリング接続を確立し(4702)、1つ以上のアウター移動セル及び1つ以上のバックホール移動セルの無線環境に関連する入力データを取得し(4704)、入力データを入力として使用してセントラル軌道アルゴリズムを実行し、1つ以上のバックホール移動セルに対する第1の粗い軌道及び1つ以上のアウター移動セルに対する第2の粗い軌道を決定し(4706)、第1の粗い軌道を1つ以上のバックホール移動セルへ、及び第2の粗い軌道を1つ以上のアウター移動セルへ送信すること(4708)を含む。
【0340】
図48は、幾つかの態様に従ったアウター移動セルを動作させるための例示的な方法4800を示す。図48に示すように、方法4800は、セントラル軌道コントローラから粗い軌道を受信し(4802)、粗い軌道に従ってアウター・タスクを実行し、無線アクセス・ネットワークへ中継するために、アウター・タスクからのデータをバックホール移動セルへデータを送信し(4804)、粗い軌道を入力とするアウター軌道アルゴリズムを実行して、更新された軌道を決定し(4806)、更新された軌道に従ってアウター・タスクを実行すること(4808)を含む。
【0341】
図49は、幾つかの態様に従ったバックホール移動セルを動作させるための例示的な方法4900を示す。図49に示すように、方法4900は、セントラル軌道コントローラから粗い軌道を受信し(4902)、粗い軌道に従って移動する間に1つ以上のアウター移動セルからデータを受信し、そのデータを無線アクセス・ネットワークに中継し(4904)、粗い軌道を入力とするバックホール軌道アルゴリズムを実行して、更新された軌道を決定し(4906)、更新された軌道に従って移動しながら1つ以上のアウター移動セルから追加データを受信し、追加データを無線アクセス・ネットワークに中継すること(4908)を含む。
【0342】
図50は、幾つかの態様に従って移動セルの軌道を管理するための例示的な方法5000を示す。図50に示すように、方法5000は、1つ以上のバックホール移動セルとのシグナリング接続を確立し(5002)、1つ以上のバックホール移動セルの無線環境に関連し、且つ1つ以上の応対されるデバイスの統計的密度情報に関連する入力データを取得し(5004)、入力データを入力として使用してセントラル軌道アルゴリズムを実行し、1つ以上のバックホール移動セルの粗い軌道を決定し(5006)、粗い軌道を1つ以上のバックホール移動セルへ送信すること(5008)を含む。
【0343】
図51は、幾つかの態様に従ったバックホール移動セルを動作させるための例示的な方法5100を示す。図51に示すように、方法5100は、セントラル軌道コントローラから粗い軌道を受信し(5102)、粗い軌道に従って移動しながら、1つ以上の応対されるデバイスからデータを受信し、データを無線アクセス・ネットワークに中継し(5104)、粗い軌道を入力とするバックホール軌道アルゴリズムを実行して、更新された軌道を決定し(5106)、更新された軌道に従って移動しながら、1つ以上の応対されるデバイスから追加データを受信し、追加データを無線アクセス・ネットワークに中継すること(5108)を含む。
【0344】
幾つかの態様において、ハンドオーバー・プロセス(例えば、図7~8に関連して説明されるようなもの)は、ネットワーク・エレメント(例えば、TRP又はgNB)又はUEによってトリガされることが可能である。ハンドオーバーは、ビームがもはや有用でない又は役立たないことをUEが検出した場合、又は、例えば周囲の環境におけるチャネル障害によって引き起こされる信号品質の低下に起因して、UEによってトリガされることが可能である。ハンドオーバーの間、ビーム・スイッチングは、様々なTRP又はgNBからのビーム間で行われる。ハンドオーバーは、移動性が高い状況でより頻繁に発生じる可能性があり、ネットワークに負荷をかける可能性があるシグナリング・オーバーヘッドの増加を引き起こし、待ち時間の増加及びユーザー体験の他の劣化を引き起こす可能性がある。幾つかの態様によれば、システム及び方法はハンドオーバーの頻度を減らすことができる。ハンドオーバーを実行する代わりに、幾つかの態様では、UEは、同じTRP又はgNBの別のビームへの高速ビーム・スイッチングを実行することができる。幾つかの態様において、ビームの変更は、単一の制御ユニット内で、及びTRP間又はgNB間の通信なしに行われるので、シグナリングは、少なくともハンドオーバーに関して削減される。更に、データは、幾つかの態様において、物理レイヤ制御シグナリングを使用して、ほとんど又は全く待ち時間を伴わずに、元のビームから新しいビームへ移されることが可能である。
【0345】
ビーム・スイッチングは、何らかの態様に応じて、gNB送信(Tx)ビームを、前のビームから、空間相関の低い又は全くない別のビームへ変更することを可能にする。ビーム・スイッチングは、識別された候補ビーム間で生じる可能性がある。識別された候補ビームは、ビーム洗練手順を用いて更に洗練されることが可能である。幾つかの態様において、UE (例えば、UE101、102、図1A)は、gNBにおける通信に利用可能な候補ビームを識別するために、gNBの複数のTxビームの測定を実行することができる。UEは、一組の様々なビームの中からのRxビーム掃引を行い、候補ビームのリストを作成することができる。
【0346】
幾つかの態様において、UEは、Rxビーム掃引中に、例えばバイナリ・サーチ又は逐次サーチ等の探索を用いて、又は現在のサービング・ビームからの角度を拡大してgNBの他のビームを検出することにより、候補ビームを識別することができる。幾つかの態様において、UEは、複数セッションでセクタ・レベル掃引を実行することができる。例えば、UEは、より広いビーム・パターンにわたるバイナリ・サーチを実行し、その後のバイナリ・サーチにおいてビームを狭くすることができる。UEは、ビーム・スイッチング後にビーム調整、アンテナ・トレーニングなどを実行することができる。gNBも同じ調整を実行することができる。通信が確立されると、適切な通信規格に従って通信は進行することが可能である。
【0347】
幾つかの態様において、UEは候補ビームの各々に関する情報を格納することができる。候補ビーム情報はUEメモリに格納されることが可能である。候補ビーム情報は、例えば、識別情報及びビーム品質情報を含むことができる。候補ビーム情報は、ビーム品質(例えば、信号対雑音比(SNR))に基づいて順序付けられたリストに記憶されることが可能である。リスト順序は、システム条件に適合するように動的に更新されることが可能である。幾つかのシステム条件は、チャネル障害物の導入又は移動を含むことができる。
【0348】
幾つかの態様において、UE101、102は、UE101、102が現在のサービング・ビーム、gNB、又はTRPがUE101、102に適切に応対しているとは思われないことを検出した場合、ハンドオーバー又はビーム・スイッチングを実行することを控える可能性がある。これは、ハンドオーバー又はビーム・スイッチングの数を更に減少させることができる。UEは、閾値を超える信号強度を測定することで、現在のサービング・ビーム、TRP、又はgNBがUEに十分に応対していることを判断することが可能であり、ここで、閾値はSNR又はコード・レートに関連することが可能である。そのような状態を検出することは、ハンドオーバーの全体数を減らすことによって、シグナリング・オーバーヘッドを更に減少させることができる。
【0349】
図52は、幾つかの態様に従った例示的方法5200のフローチャートである。例示的な方法5200は、デバイス(例えば、UE101、102、図1A)がネットワーク・デバイス(例えば、TRP又はgNB)における複数の候補ビームを測定するオペレーション5202により始まることが可能であり、複数の候補ビームは少なくとも第1ビーム及び第2ビームを含む。例示的な方法5200は、デバイスが第1ビームを使用してネットワーク・デバイスと通信するオペレーション5204に続くことが可能である。例示的な方法5200は、第1ビームを使用する通信の品質は閾値を下回ったことをデバイスが検出するオペレーション5206に続くことが可能である。例示的な方法5200は、検出に応答して第2ビームへのビーム・スイッチング・プロセスをデバイスが実行するオペレーション5208に続くことが可能である。
【0350】
幾つかの態様において、ハンドオーバー(例えば、図7~8に関連して説明されるようなもの)は、移動性の高い状況においてより頻繁に発生し、ネットワークに負担をかける可能性のあるシグナリング・オーバーヘッドの増加を引き起こし、待ち時間の増加及びユーザー体験の他の劣化を引き起こす可能性がある。幾つかの態様によれば、システム及び方法は、どのようにしてハンドオーバーがトリガされ実行されるかにおいて、より豊富な柔軟性を提供する。
【0351】
幾つかの態様では、UEはgNB内のセルに対してビーム測定を実行することができる。各gNBは複数のセルを有する可能性があり、各セルは複数の送信受信ポイント(transmission-reception points:TRP)を有する可能性があり、各TRPは複数のビーム・フォーミング・モジュールを有する可能性がある。UEは、ビームが(同じセルIDに基づいて)同じセルからのものであることを認識しつつビームを測定することができる。次いで、UEは、(品質に関して)上位N個のビームを選択し、品質の線形平均を計算することが可能であり、ここで、線形平均は、セル・レベル品質として表現されることが可能である。次いで、セル・レベル品質は、あるセルから別のセルへのレイヤ3モビリティ・ハンドオーバー・イベント・トリガに使用されることが可能である。セル内の(例えば、セル内のビーム間の)ハンドオーバーに関し、ハンドオーバーは、ビーム管理によって発生する可能性があり、これはMAC及びPHYレイヤで発生する可能性がある。
【0352】
幾つかの態様において、UEは少なくとも2つの信号のうちの1つ以上をビーム測定に使用することができる。第1メジャーメント信号はCSI-RSである。CSI-RSはUE固有であり、ネットワークは測定を実行するためにUEにより使用されるべきCSI-RSリソースのリストを設定することができる。
【0353】
第2メジャーメント信号は、新しい無線同期信号ブロック(NR SSB)又は新しい無線同期信号(NRSS)と呼ぶことが可能である(例えば、LTEプライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)に類似している)。NRSSは直交するように符号化されことが可能である。幾つかの態様において、同期信号は、バースト・セットで異なるセルによって周期的に送信されることが可能であり、各セルは、複数のビームを有することが可能である。各バースト・セットは、L SSブロックを含むことが可能である。UEは、パラメータの中でも特に、周期に関する値及び各ブロックのセルIDを含むシグナリングを受信することができる。各周波数は、高々2つのネットワーク設定周期を有することが可能である。UEは、受信したバーストを測定し、受信したバースト・セット全体に基づいてセル・ビームフォーミング・メジャーメントを送信することができ、又はUEはバースト・セットからの1つ以上の個々のメジャーメントに基づいてセル・ビームフォーミング・メジャーメントを送信することができる。幾つかの態様によれば、NRSSはセル固有であり、NRSSはアイドル、インアクティブ、又は接続モードのUEで使用されることが可能である。
【0354】
UEが上記信号のうちの1つ以上を用いて測定を実行する場合、ネットワークはNを設定することが可能であり、Nは最良ビーム数であり、UEがセル・レベルの品質を獲得すべき数である。ネットワークは、メジャーメント・レポートをトリガするメジャーメント・イベントを設定することができる。測定の後、ビーム管理は、ハンドオーバーを実行する代わりに、同じセル内でビーム・スイッチングをトリガし、これは、シグナリング・オーバーヘッドを低減し、待ち時間を改善することができる。UEが測定値を取得すると、幾つかの態様では、ネットワークは、報告のためのセル・レベル・イベント・トリガを設定することができる。ネットワークは、幾つかの態様によれば、UEをトリガして、最良のビームをネットワークに報告したり、最良のN NRSSビーム又はY CSI-RSビームをネットワークに報告したりして、ネットワークがターゲット・セルを特定するのを支援することができる。
【0355】
他の態様によるシステムは、ハンドオーバー速度を改善するために専用のランダム・アクセス・チャネル(RACH)を利用することができる。専用のRACHは、UEがターゲット・セルに迅速にアクセスすることを許容する。ハンドオーバー・コマンドでは、何らかの態様において、専用プリアンブルが利用可能であり、その結果、ハンドオーバーUEはターゲット・セルに対する競合の無いランダム・アクセスを行う。幾つかの態様において、UEは、専用RACHを使用してハンドオーバー完了を試みることが可能であり、アクセスが完了されない場合には、共通RACHに戻ることが可能である。実施態様において、どのビームが最良のビームであるかをネットワークが知るために、UEがメジャーメント・レポートをソース・セルへ送信する場合、UEはまた、ターゲット・セルの最良のビームを識別する識別情報も送信すべきである。ソース・セルは、この情報をターゲット・セルに転送することが可能であり、従って、ターゲット・セルは、専用のRACHリソースをUEに割り当てることができる。ソース・セルはその後、ハンドオーバー・コマンドをUEに転送することができる。
【0356】
図53は、幾つかの態様に従った例示的な方法5300のフローチャートである。例示的な方法5300は、デバイス(例えば、UE101、102、図1A)がNRSSを使用してgNBの候補ビームを測定するオペレーション5302とともに始まることが可能である。例示的な方法5300は、測定に基づいてgNBの最良ビームのうちのN個をデバイスが選択するオペレーション5304に続くことが可能である。例示的な方法5300は、gNBの第1ビームを使用する通信の品質は閾値を下回るほど劣化したことをデバイスが検出するオペレーション5306に続くことが可能である。例示的な方法5300は、検出に応じて最良のN個のビームのうちのビームへのビーム・スイッチング・プロセスをデバイスが実行するオペレーション5308に続くことが可能である。ビーム・スイッチング・プロセスは、ビーム管理手順、セクタ・レベル掃引(SLS)、1つのセルから別のセルへのレイヤ3モビリティ・ハンドオーバー・イベント・トリガ等を含むことができる。セル内の(セル内のビーム間の)ハンドオーバーに関し、ハンドオーバーは、ビーム管理によって発生する可能性があり、これは、MAC及びPHYレイヤで発生する。方法5300のハンドオーバー・プロセス又はビーム・スイッチング・プロセスは、ターゲット・セル又はターゲット・ビームへのアクセスを得るために専用RACHを使用することを含むことが可能である。
【0357】
上述したように、ハンドオーバーは、移動性が高い状態でより頻繁に発生する可能性があり、ネットワークに負担をかける可能性があるシグナリング・オーバーヘッドの増加を引き起こし、遅延の増加及びユーザー体験の他の劣化を引き起こす可能性がある。ある態様によれば、複数のセルを有するgNBに関し、ハンドオーバーは、それらの複数のセルの間で実行されることが可能であり(即ち、gNB内ハンドオーバー)、それによりハンドオーバーのためのシグナリングは削減される。
【0358】
ハンドオーバーにおけるソース・セルとターゲット・セルが同じgNBに属する場合、ネットワークはハンドオーバー中に通常実行される特定のアクションを実行しないようにUEを設定することが可能である。例えば、これらのアクションは、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)をリセットすることを含むことが可能である。
【0359】
幾つかの態様によれば、ソース・セルとターゲット・セルが同じgNBに属する場合、その他のオペレーションも省略されることが可能である。例えば、無線リンク制御(RLC)は、リセットされないように設定されてもよい。更に、ソースとターゲットとの間で同じセキュリティ・キーが維持されることが可能である。無線リソース制御(RRC)シグナリングは、PDCP又はRLC、又は他のプロトコル・スタック、キー、又はハンドオーバーに関連するパラメータをリセットしないように、ネットワークがUEに知らせるために使用されことが可能である。UEベースのモビリティが採用された場合、ネットワーク(モビリティ管理エンティティ(MME)又は他のネットワーク要素を使用するもの)は、UEベースのハンドオーバーがトリガされた場合に、幾つかの態様では、プロトコル・スタックの一部のリセットが回避され得るように、どのセルが同じgNBに属するかをUEに通知することができる。
【0360】
図54は、幾つかの態様に従った例示的方法5400のフローチャートである。例示的な方法5400は、デバイス(例えば、図1AのUE101、102)がgNBのソース・セルを使用して通信するオペレーション5402とともに始まることが可能である。例示的な方法5400はソース・セルを使用する通信の品質は閾値を下回るほど劣化したことをデバイスが検出するオペレーション5404に続くことが可能である。例示的な方法5400は、検出の後に、ハンドオーバー・オペレーションの少なくとも第1部分を実行することを控えるようにデバイスが通知を受信するオペレーション5406に続くことが可能である。上述のように、第1部分は、PDCPをリセットすることを含むことができる。第1部分はまた、RLCのリセット、セキュリティ・キーの交換、又は他のオペレーションのような他のオペレーションを含むことができる。例示的な方法5400は、少なくとも第1部分を実行することを控えながら、ターゲット・セルへのハンドオーバー・オペレーションをデバイスが実行するオペレーション5408に続くことが可能である。例示的な方法5400は、ソース・セル及びターゲット・セルが同じgNBに属するという通知を受信することを更に含むことができる。デバイスは、通知に基づいてハンドオーバー・オペレーション一部を省略することを控えることができる。
【0361】
特定の態様において、モバイル・セルはセル端での接続性を補強することができる。例えば、モバイル・セルはハンドオーバー(HO)プロセスを介して信頼性のある二重接続を提供することができる。特定の態様において、モバイル・インフラストラクチャは、移動を調整し、接続性及びHOを改善するために使用されることが可能である。
【0362】
様々な態様において、HOを容易にするために、ドローンに基づくセルが配備されてもよい。実施態様は、ドローンに基づくセルに限定されず、他の種類のモバイル・セル(例えば、車両、ロボットなど)を利用することが可能である。ドローンに基づくセルは、HOプロセスを通じて信頼性の高い「デュアル・コネクション(二重接続)」を提供することができる。ドローンの位置は、移動シナリオに応じてオンデマンドで調整されることが可能である。また、支援するドローンは、幾つかの態様において、HOを促進にするための中継器として役立つことができる。これら及び他の態様では、ドローンの配置は、UEの分布及び位置、信号強度、メジャーメント・レポートなどに基づいて行うことができる。
【0363】
様々な態様において、ドローン又は他のモバイル・セルは、静止セル間のHOを支援することができる。これら及び他の態様では、ドローンは、ユーザー・デバイスの上、及び静止セルの間をホバリングして、HO中に接続性を提供することができる。従って、少なくともこれらの態様において、ユーザー・デバイスは、複数の接続(例えば、2つの接続)を介して通信する可能性がある。追加接続又は接続は、信頼性を改善するために使用されることが可能である。また、幾つかの態様では、ドローンはリレー・ノードとして機能することができる。ドローンは、バックホール接続の維持を支援するために、これらの態様で使用される可能性がある。このように、幾つかの態様によれば、アルゴリズムは、信頼できるアクセスの提供とバックホール接続の保守とをバランスさせるために、ドローンの理想的又は望ましい配置を維持するために使用されることが可能である。
【0364】
様々なエンティティはドローンに命令することができる。シグナリングは、データの集まりを含むことが可能であり、ここで、収集されたデータは、HOをトリガするかどうか等を決定するための種々の基準に対して使用されることが可能である。様々な態様において、1つ以上のネットワーク・エンティティは、収集されたデータを使用して、ドローンの支援が必要とされる可能性のある場所を予測することができる。UEメジャーメント情報、UE位置、マッピング位置-対-UE位置、又はそれらの組み合わせは、、遅かれ早かれ支援が必要とされるかもしれないことを判定するために使用される可能性がある。ネットワーク・コントローラ又は1つ以上の基地局は、HOを支援するためにドローンの動きをトリガすることができる。特定の態様において、トリガは、上述の予測に基づくことが可能である。
【0365】
所定の態様では、ネットワークは、より迅速な配備のために、セル境界付近にドローンを停泊させておくことができる。幾つかの態様において、1つ以上のドローンは自律的であるが、何らかの方法でネットワークに接続することができる。アシスタント・ドローンは、おそらくハンドオーバーを支援するために、移動して無線状態を監視することができる。ある態様では、支援するドローンはハンドオーバーの間に支援リンクを確立することができる。状況によっては、ドローンはリレーとして動作することが可能である一方、他の状況では、ドローンは小さなセルを確立したり、二重接続された基地局を提供したりすることができる。
【0366】
幾つかの態様では、ドローンに基づくセルは、ハンドオーバーを促進するために配備される可能性がある。このようなセルは、ハンドオーバー・プロセスを通じて信頼性の高い「デュアル・コネクション」を提供することができる。支援するドローンは、移動シナリオに応じてオンデマンドで配置されることが可能である。ドローンの配置は、UE信号強度の分布及び位置に基づいてもよい。
【0367】
図55は、支援ドローンを使用する例示的な方法5500のフローチャートを概略的に示す。5501において、位置及び軌道情報が、UEから収集されることが可能である。5503において、ドローン支援の機会は、位置及び軌道情報、並びにモバイルUEの経路に関するものであると予想される領域における信号カバレッジに関する情報を使用して決定されることが可能である。5505において、ドローンは、モバイルUEを支援するために派遣されることが可能である。幾つかの態様において、モバイルUEを支援するために使用されるドローンは、地形、障害物などに起因して信号が減衰しやすいエリアやセル境界のような、意図しない接続終了がより起こりやすい領域の近くに配備されることが可能である。幾つかの態様において、移動時間が決定論的であり、且つモバイルUEにとってタイムリーな方法で支援が提供され得るか否かを考慮に入れることができるように、支援ドローンは中央位置から派遣されることが可能である。
【0368】
5507において、UEと1つ以上の基地局との間の支援接続又はリンクは、ドローンを介して確立されることが可能である。幾つかの態様において、1つ以上の基地局は、任意のサービング基地局、任意のターゲット基地局、及びモバイルUEへの接続を有する基地局、又はそれらの組み合わせを含むことができる。ドローンは、5509において、UE、ネットワーク、サービング基地局、又はドローンのうちの1つが、モバイルUEへの支援のためにドローンを使用することを終了する条件が満たされていると判断するまで、支援接続を維持することができる。そのような条件は、ハンドオーバーのような特定のタスクの完了、接続が閾値を下回って落ちる確率、より高い優先度のタスクがドローンに対して確認されたこと、ドローンの電源が再充電される必要があること、又はもはや支援タスクをサポートできないこと、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。5511において、支援接続又は支援リンクは、順序付けられた方法で切断されることが可能である。
【0369】
図56は、モバイルUE5641のハンドオーバーを支援するためにドローン5640を使用するシグナリングの例示的な方法のシグナリング・フローチャートを概略的に示す。5601において、ドローン5640の位置及び軌道情報が収集されることが可能である。幾つかの態様において、情報は、無線ネットワークの中央コントローラ5644によって収集されることが可能である。他の態様では、位置及び軌道情報は、例えば基地局5642、5643のうちの1つのような、何らかの他のネットワーク・エンティティによって収集されることが可能である。幾つかの態様において、位置及び軌道情報は、UE5641の現在又は以前のサービング基地局から収集されることが可能である。幾つかの態様において、位置及び軌道情報は、UE5641のターゲット基地局から収集されることが可能である。幾つかの態様において、位置及び軌道情報は、UE5641によって提供されるGPS情報から収集されることが可能である。
【0370】
UE5641において、UE5641の位置情報及び軌道情報を収集するエンティティは、情報を分析して、支援ドローンを使用することが、UE5641とネットワークとの間に確立された接続又はリンクの信頼性の最小限又は望ましいレベルを保証できるかどうかを判断することが可能である。
【0371】
モバイルUE5641の接続又はリンクの信頼性の最低限又は望ましいレベルは保証され得ないとエンティティが判断した場合、5605において、ネットワークは、ネットワークとの通信の維持を支援するためにドローン5640を要求又は派遣することが可能である。確率論的観点からは、特定の態様において、支援ドローンは、しばしばセル境界近傍で最も有用なものである可能性があり、従って、様々な態様において、ドローン・ポート又はドローン・アイドル・ロケーションは、潜在的に支援による恩恵を得ることが可能なUEにタイムリーに派遣するために、セル境界近傍に配置されることが可能である。しかしながら、アイドル・アシスト・ドローンの配置に関して他の場所も可能である。特定の例では、援助ドローンを要求するネットワーク・エンティティは、援助が提供されるべきUE5641についての詳細を提供することも可能である。このような詳細には、位置、軌道、速度、サービング基地局、ターゲット基地局、代替基地局、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0372】
支援リクエスト又はコマンドに応じて、支援ドローン5640は、接続の信頼性を確保又は向上させるのに役立つ位置まで移動し、その位置でUE5641を追跡し始めることができる。5607において、支援ドローン5640は、UE5641のサービング基地局5642との接続又はリンクを確立することができる。5609において、支援ドローン5640とのリンクに応答して、サービング基地局5642は、ドローン5640がネットワークへの通信でUE5641を援助している旨の指示をUE5641に提供することが可能である。5611において、UE5641を位置決めして追跡すると、支援ドローン5640は、UE5641との接続又はリンクを確立することができる。様々な態様において、サービング基地局5642は、オプションとして、支援ドローン5640を利用するか、又は通常の接続又はリンクが失敗し始めた場合に支援ドローン5640に退避するように、UE5641の1つ以上の通信形態を再構築することができる。
【0373】
一旦、支援ドローン5640の接続が確立されると、支援ドローン5640の使用は、ある態様ではUE5641と種々の基地局5642、5643との間のメッセージの中継、又は他の態様ではメッセージ通信の失敗のためにバックアップを抵抗することを含むことができる。ハンドオーバー支援のためにドローン5640が使用される場合、いったん支援接続が確立されると、例えば5613におけるメジャーメント・レポートのように、UE5641とサービング基地局5642との間の通信は進行することが可能である。5615において、支援ドローン(例えば、5640)は、直接的に、又はネットワーク5644又は基地局5642、5643からの情報を介して、信号品質をセンシングし、最大限に又は十分に接続信頼性を維持する試みを処理することができる。5617において、サービング基地局5642、又は本願で議論されるような幾つかのケースにおいて、UE5641は、ハンドオーバーを決定又は開始するために、メジャーメント又はロケーション・トリガを使用することができる。
【0374】
5619において、ハンドオーバー・シグナリングが、UE5641、サービング基地局5642、及びターゲット基地局5643の間で行われることが可能である。オプションとして、ハンドオーバー・シグナリングのうちの幾つかは、UE5641、サービング基地局5642、及びターゲット基地局5643のうちの2つ以上の間でのシグナリングを中継するために、支援ドローン5640を使用することができる。5620において、オプションとして、ハンドオーバーの完了直後の時点で、支援ドローン5640の支援接続又はリンクは、リソースを解放するために、及び支援ドローン5640を解放するために、切り離されることが可能である。5621において、以前のサービング基地局5642又は以前のターゲット基地局5643のうちの1つは、UE5641のハンドオーバーが完了したことをネットワーク5644に通知することができる。5623において、ネットワーク5644又は支援ドローン5640は、UE 5641の支援は完了していること、又は、ドローン5640は何らかの他のタスクを実行するためにUE5641の支援から抜け出していることの通知を他方に提供することが可能であり、他のタスクは、別のUEに応対すること、次の支援指定を待機すること、充電などのサービスのためにオフラインにすること等を含むが、これらに限定されない。
【0375】
図57は、無線ネットワークにおける分散クラウド管理(DCM)のための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。幾つかの態様において、DCMシステム5700は、モバイル・クラウド・ユニット(MCU)5704のスウォームを含んでもよく、これは、無線ネットワーク内で移動することができる。各MCUは、特定の態様において、ドローン(例えば、MCU5708a~5708j)であってもよく、ドローンのスウォームは、通信インターフェース5712を介して、DCM機能5702との無線通信リンクを確立するように構成される可能性がある。幾つかの態様では、単一のMCU(例えば、ドローン)5708hは、DCM機能5702と通信インターフェース5712を介して通信するように構成されてもよい。この点に関し、単一のドローン5708hは、ドローン・リーダー、スウォーム・リーダー、及び/又は能力のあるドローンとして可換に言及されてもよい。しかしながら、インターフェース5712を介する及び/又はDCM機能5702との通信は、ドローン・リーダー5708hに限定されず、スウォーム5704内の1つ以上の他のMCUが、通信インターフェース5712を介してDCM機能5702と通信するように構成されてもよい。
【0376】
DCM機能5702は、ネットワーク・インフラストラクチャ(例えば、コア・ネットワーク)の一部のようなサービス及び/又はアプリケーションであってもよい。幾つかの態様によれば、DCM機能5702は、スタンドアロン・エンティティであってもよいし、基地局5714(例えば、gNB)に配備されてもよいし、ネットワークのエッジ(例えば、モバイル・エッジ・コンピューティング・デバイス(MEC))に存在してもよいし、又はクラウド・ネットワークに存在してもよい。幾つかの態様において、MCU5704のスウォームは、DCM機能5702の調整の配下にあってもよい。通信インターフェース5712は、幾つかの態様において、制御シグナリング及びデータ・シグナリングの伝送のために構成されてもよく、コア・ネットワークへのバックホール接続であってもよい。
【0377】
幾つかの態様において、スウォーム5704のMCUのうちの任意の1つは、ユーザー装置(UE)5706又はUEのグループに無線で通信するように構成されてもよい。特定の態様において、スウォーム5704内の各MCUは、例えば個々のモバイルAPとして動作することによって、個々のUEとアップリンク又はダウンリンク設定で無線通信するように構成されてもよい。他の態様において、スウォーム5704内の全てのMCUは、例えば単一のモバイルAPとして動作することによって、単一のUEに対するグループとしてアップリンク又はダウンリンク設定で無線通信するように構成されてもよい。UE5706はまた、無線通信インターフェース5710を介して基地局5714(例えば、gNB)と通信するように構成されてもよい。スウォーム5704(例えば、スウォーム内の任意のMCU)とUEとの間、及びUEと基地局との間の通信リンクは、任意の種類の無線接続、例えば3GPPセルラー・ベースの無線接続(例えば、LTE、LTE-A、5G、mmWave)及び/又はWLANベースの無線接続(例えば、WiFi、WiGig)を含んでもよい。
【0378】
幾つかの態様において、スウォーム5704内のMCUのうちの何れもが、別のMCUと無線通信するように構成されてもよい。例えば、スウォーム内のMCUは、互いに通信リンクを確立することができ、スウォーム内の2つ以上のMCU間の通信用に構成された通信インターフェースを介して通信を同期させることができる。
【0379】
幾つかの態様において、スウォーム5704の2つ以上のMCU間の通信インターフェースはまた、例えば3GPPセルラー・ベースの無線接続(例えば、LTE、LTE-A、5G、mmWave)及び/又はWLANベースの無線接続(例えば、WiFi、WiGig)等の任意のタイプの無線接続を含んでもよい。幾つかの態様において、スウォームのMCUは、互いの所定の近隣の中で通信するために、デバイス・ツー・デバイス通信インターフェース(例えば、3PPG D2Dインターフェース)を使用してもよい。
【0380】
所定の態様において、スウォームのMCUのうちの1つが、スウォーム・リーダー(例えば、5708h)として指定されることが可能性があり、DCM機能5702と直接的に通信することが可能であり、スウォームの1つ以上の他のMCUとの通信に同期及び/又は調整することが可能であり、DCM機能5702から受信したデータ及び/又は制御シグナリングを、分散及び/又は冗長方式で1つ以上の他のMCUに送信することが可能である。スウォーム・リーダーは、例えばMCUのスウォームのセキュアなフォーメーションを構成するために、1つ以上のセキュリティ・キーを使用することができる。1つ以上の他のMCUは、何らかの態様に従って、干渉を回避又は緩和してスペクトル再利用を最適化するために通信を調整することができる。幾つかの態様において、スウォーム・リーダー5708hは、スウォームの他のMCUに対するリレーとして機能してもよく、他のMCUに対するバックホール接続を提供することが可能であり、及び/又は他の任意の何れかのMCUからの送信を受信し、DCM機能5702へ送信することができる。幾つかの態様において、スウォーム5704のMCUは、分散アンテナ・モード(例えば、分散MIMO)で動作するように構成されてもよい。特定の態様において、セントラル・コントローラ(例えば、スウォーム・リーダーとして動作するMCU)は、データをスウォーム内の他のMCUへ分配し、それらのMCUはその後にそのデータを1つ以上のUEへ送信することが可能である。
【0381】
図58は、何らかの態様による無線ネットワークにおけるDCMのための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。図58におけるリファレンス5802、5804、5808x、5810、5812、及び5814は、幾つかの態様においてそれぞれ図57に示されるリファレンス5702、5704、5708x、5710、5712、及び5714と同様の機能を有する可能性がある。図58のDCMシステム5800の構成によれば、例えばスウォーム・リーダー(例えば、5808h)は、データ・シグナリングを分散方式でスウォーム5804内の他のMCUへ送信する可能性があり、それぞれのMCUへの各データ・シグナリング送信は異なっていてもよい。スウォーム内の各MCUは、その後に、スウォーム・リーダーから受信したデータ・シグナリングを個々のUE(例えば、5816a、5818a、5820a、及び5822a)へ送信することが可能であり、個々のUEへの各データ・シグナリング(例えば、5816b、5818b、5820b、及び5822b)は異なっていてもよい。幾つかの態様において、分散アンテナ・モードの場合、スウォーム内のMCUの各々は、MIMO送信用に構成された1つ以上のアンテナを含んでいてもよい。
【0382】
幾つかの態様において、スウォーム5704のMCUは、冗長モードで動作するように構成されてもよい。例えば、冗長モードでは、スウォーム5704の各MCUは、信頼性を改善するために(例えば、ミッション・クリティカル・データのために)、同じデータを単一のUEへ送信する可能性がある。特定の態様において、セントラル・コントローラ(例えば、スウォーム・リーダーとして動作するMCU)は、データをスウォーム内の他のMCUに分配し、それらのMCUはその後にそのデータを単一のUE(例えば、図59の5906)へ送信することが可能である。
【0383】
図59は、何らかの態様による無線ネットワークにおけるDCMのための例示的なシステム・アーキテクチャを示す。図59におけるリファレンス5902、5904、5908x、5910、5912、及び5914は、幾つかの態様においてそれぞれ図57に示されるリファレンス5702、5704、5708x、5710、5712、及び5714と類似の機能を有する可能性がある。図59のDCMシステム5900の構成によれば、例えばスウォーム・リーダー(例えば、5908h)は、データ・シグナリングをスウォーム5904内の他のMCUへ送信することが可能であり、それぞれのMCUへの各データ・シグナリングは同一であってもよい。スウォーム内の各MCUは、その後、スウォーム・リーダーから受信したデータ・シグナリングを単一のUE5906へ送信することが可能であり、UE5906への各データ・シグナリング送信は同一であってもよい。
【0384】
幾つかの態様において、DCM機能5902は、MCUのうちの1つ(例えば、5908h)から能力情報(又はケーパビリティ情報)を受信及びデコードするように構成されることが可能であり、能力情報は、MCMシステムにおいて動作するMCUの特定の能力を示すことが可能である。例えば、特定の態様において、能力情報は、DCM機能5902へ送信されるフレームの一部として、1つ以上の情報要素を含む可能性がある。MCUから能力情報を受信する際に、DCM機能は、MCUを有能デバイスとして登録し、シグナリングを有能デバイス(例えば、MCU)へ送信することが可能であり、シグナリングは、MCUのスウォームのフォーメーション(例えば、5904)を構成するためのコンフィギュレーション情報を含む可能性がある。特定の態様において、能力情報は、MCUのスウォームのセキュアなフォーメーションを構成するために1つ以上のセキュリティ・キーを含んでもよく、また、有能デバイスをスウォーム・リーダーとして構成するための情報を含んでもよい。特定の態様において、いったんMCU(例えば、MCU5908h)がコンフィギュレーション情報を受信して有能デバイス(例えば、スウォーム・リーダー)として設定されると、MCU5908hは、スウォーム内の他のMCUと同期をとることが可能である。幾つかの態様において、MCUのスウォーム・リーダーとしての指定は、予め設定されていてもよいし、又はMCUによって設定されてもよい。
【0385】
所定の態様では、トリガ・イベントがMCUのスウォームの形成を開始させることが可能である。幾つかの態様において、DCM機能5902は、スウォーム形成のトリガの前、後、及び/又は最中に、コンフィギュレーション情報を送信することが可能であり、DCM機能5902は、MCUのスウォーム形成を開始するためにトリガ情報を送信することが可能である。トリガ・イベントは、例えばUE及び/又はMCUの接続の欠落や緊急イベントを含む可能性があり、例えば、アーキテクチャの交換が要求された場合、追加的な容量が必要とされた場合、又は基地局がサービス圏外になった場合である。幾つかの態様において、スウォームを形成するために、グループ・リーダーとして設定されるMCU(例えば、5908h)は、MCU間の無線通信インターフェースを介してブロードキャストされることとなるグループ広告シグナリングを送信することができる。特定の態様において、グループ広告シグナリングは、1つ以上のビーコン・フレームを含むことが可能である。他の態様において、トリガ・イベント(例えば、閾値イベント)の際に、任意の何れかのMCUが、確立されたスウォームに追加される又はそこから除外される可能性がある。
【0386】
前述したスウォームのスウォームのドローン間のハンドオーバーに加えて、幾つかの態様では、システム及び方法は、ドローンの第1スウォームからドローンの第2スウォームへのハンドオーバーを実行することが可能である。1つのUEがドローンの第2スウォームへハンドオーバーされることが可能であり、あるいはUEのグループがドローンの第2スウォームへハンドオーバーされることが可能である。幾つかの態様によれば:ドローン・スウォームのハンドオーバー・イベントのための基本シグナリング、UEへの無線アクセスを提供する分散型ドローン・ベースのクラウド・インフラストラクチャを維持するためのドローン間のシグナリング、ドローン・ネットワーク及びドローン間の無線バックホールを設定及び管理するためのドローンとインフラストラクチャDCM機能との間のシグナリング、及び分散型クラウドで変化が発生した場合の接続を維持するためのドローンとUEとの間のシグナリング等が使用される可能性がある。このような変化は、スウォームに対するドローンの参加や離脱などを特に含むことが可能である。幾つかの態様によれば、UEに対する一貫したモバイル・カバレッジは、モバイル・ドローンに基づくクラウド・インフラストラクチャを介して提供されることが可能である。
【0387】
図60は、無線ネットワークにおけるDCMに関する例示的なシステム・アーキテクチャ6000を示す。幾つかの態様において、DCMシステム6000は、無線ネットワーク内で移動することが可能なMCU6004、6006という2つ以上のスウォームを含んでもよい。各MCUは、特定の態様において、ドローン(例えば、MCU6008a~6008t)であってもよく、スウォーム6004、6006は、通信インターフェース6012、6014を介してDCM機能6010との無線通信リンクを確立するように構成されてもよい。幾つかの態様において、各スウォーム6004、6006からの単一のMCU(例えば、ドローン)6008h、6008rは、通信インターフェース6012、6014を介してDCM機能6010と通信するように構成されてもよい。しかしながら、幾つかの態様によれば、スウォーム6004、6006内の1つ以上の他のMCUが、通信インターフェース6012、6014を介してDCM機能6010と通信するように構成されてもよい。
【0388】
DCM機能6010は、ネットワーク・インフラストラクチャ(例えば、コア・ネットワーク)の一部としてのサービス及び/又はアプリケーションであってもよい。幾つかの態様によれば、DCM機能6010は、スタンドアロン・エンティティであってもよく、基地局6016(例えば、gNB)に配備されてもよく、ネットワークのエッジ(例えば、モバイル・エッジ・コンピューティング・デバイス(MEC))に存在してもよく、又はクラウド・ネットワークに存在してもよい。幾つかの態様において、スウォーム6004、6006は、DCM機能6010の調整の支配下にあってもよい。通信インターフェース6012、6014は、幾つかの態様において、制御シグナリング及びバックホール・シグナリングの伝送のために構成されてもよく、コア・ネットワークへのバックホール接続であってもよい。
【0389】
幾つかの態様において、スウォーム6004、6006のMCUのうちの何れもが、ユーザー装置6018又はUEグループに無線で通信するように構成される可能性がある。特定の態様において、スウォーム6004、6006内の各MCUは、例えば個々のモバイルAPとして動作することによって、アップリンク又はダウンリンク形式で個々のUEと無線通信するように構成されてもよい。他の態様では、スウォーム6004、6006内の全てのMCUが、それぞれのスウォームの単独UEへの接続の際に、例えば単独のモバイルAPとして動作することによって、単独UEに対してグループとしてアップリンク又はダウンリンク構成で無線通信するように構成される可能性がある。また、UE6018は、無線通信インターフェース6020を介して基地局6016(例えば、gNB)と通信するように構成されてもよい。スウォーム6004、6006(例えば、スウォーム内の任意のMCU)とUEとの間、及びUEと基地局との間の通信リンクは、任意の種類の無線接続、例えば3GPPセルラー・ベースの無線接続(例えば、LTE、LTE-A、5G、mmWave)及び/又はWLANベースの無線接続(例えば、WiFi、WiGig)を含んでもよい。
【0390】
幾つかの態様において、スウォーム6004、6006内のMCUの何れもが、他のMCUと無線で通信するように構成されてもよい。例えば、スウォーム内のMCUは、互いに通信リンクを確立することが可能であり、スウォーム内の2つ以上のMCU間の通信のために構成される通信インターフェースを介して通信を同期させることが可能である。
【0391】
幾つかの態様において、スウォーム6004、6006の2つ以上のMCU間の通信インターフェースは、任意のタイプの無線接続、例えば3GPPセルラー・ベースの無線接続(例えば、LTE、LTE-A、5G、mmWave)及び/又はWLANベースの無線接続(例えば、WiFi、WiGig)を含んでもよい。幾つかの態様において、スウォームのMCUは、互いの特定の近辺の中で通信するためにデバイス・ツー・デバイス通信インターフェース(例えば、3GPP D2Dインターフェース)を使用してもよいが、実施態様はそのように限定されない。特定の態様において、スウォームのMCUのうちの1つは、スウォーム・リーダー(例えば、6008h、6008r)として指定されることが可能であり、DCM機能6010と直接的に通信することが可能であり、スウォームの1つ以上の他のMCUと同期し及び/又は通信を調整することが可能であり、DCM機能6010から受信したデータ及び/又は制御シグナリングを、分散及び/又は冗長方式で1つ以上の他のMCUへ送信することが可能である。スウォーム・リーダーは、例えばMCUのスウォームの安全なフォーメーションを構成するために、1つ以上のセキュリティ・キーを使用することができる。幾つかの態様によれば、1つ以上の他のMCUは、干渉を回避し、スペクトル再利用を最適化するために通信を調整することが可能である。幾つかの態様において、スウォーム・リーダー6008h、6008rは、スウォームの他のMCUへのリレーとして機能することが可能であり、他のMCUにバックホール接続を提供することが可能であり、及び/又は、他の任意の1つのMCUからの送信を受信し、DCM機能6010へ送信することが可能である。幾つかの態様において、スウォーム6004、6006のMCUは、分散アンテナ・モード(例えば、分散MIMO)で動作するように構成されてもよい。特定の態様において、セントラル・コントローラ(例えば、スウォーム・リーダーとして動作するMCU)は、データを各スウォーム内の他のMCUに分配し、その後にそれらのMCUがそのデータを1つ以上のUEへ送信することができる。
【0392】
実施態様において、UEはあるスウォームから別のスウォームへハンドオーバーされることが可能である。図61は、UE6118がスウォーム6106にハンドオーバーされていることを示す。幾つかの態様によれば、スウォーム6104、6106が定位置に留まっている場合、UE 6118が移動するにつれて、UE6118はスウォーム6106へハンドオーバーされる可能性がある。そのような態様では、UE6118は、固定BSと同じ方式でハンドオーバーをトリガすることが可能である一方、それぞれのスウォームの端に位置するMCU(例えば、MCU6108j、6108k、6108l、6108m)は、そのような態様において、アクティブなセッションを有するUEの接続を失うことなく、別のスウォームへの遷移を可能にするように各自の動きを調整することが可能である。例えば、ハンドオーバーがUEによってトリガされると、2つの隣接するスウォーム中の各MCUは、UEとの対応するリンク品質を改善するようにUEに相対的に移動することが可能である。ハンドオーバーが完了すると、何らかの態様に従って、エッジMCU(例えば、MCU6108j、6108k、6108l、6108m)は、所与の時間におけるグループのカバレッジ・ニーズに応じて、それらの元の位置に戻る又は新しい位置に移ることが可能である。
【0393】
幾つかの態様において、スウォーム(例えば、スウォーム6104)から、スウォームの一部ではないMCU(図61には示されていない)へのハンドオーバーが発生する可能性がある。幾つかの態様において、スウォームは、基地局6116以外の異なる基地局へのハンドオーバーを支援するために、UE又はUEグループと共に移動してもよい。実施態様において、スウォーム6104又は6106は、それらの支援BS(例えば、基地局6116)に関してハンドオーバーを実行する可能性がある。これら及び他のハンドオーバー・プロセスは、DCM機能6110によって処理され、スウォーム内の各ドローンと固定インフラストラクチャとの間のシグナリングを低減するスウォーム・ハンドオーバー手順を提供することができる。幾つかの態様において、スウォーム・リーダー(例えば、6108h、6108r)は、ハンドオーバーに参加する唯一のMCUであってもよいが、他のスウォーム・メンバーがメジャーメント(トリガ情報又は新しいBSディスカバリ情報)を提供することによって支援する可能性がある。ハンドオーバーが完了すると、スウォーム・リーダー6108h、6108rは、新しい基地局(図61には示されていない)との接続を可能にするために、それぞれのスウォーム6104、6106を再構成することができる。
【0394】
UE接続がアクティブである間にUEのグループがハンドオーバーされる特定の態様において、UEデータ・セッションを継続するためにインフラストラクチャとの接続を維持するように、数台のスウォーム・メンバーが選択される可能性がある。選択は、例えば、UE及びスウォーム内のドローンの位置及び条件に基づく可能性がある。MCUがセル間を移行している間、ネットワーク・インフラストラクチャへのデータ転送を可能にするために、専用ハンドオーバー・データ・チャネルが確立されることが可能である。専用チャネルは、選択されたMCUがハンドオーバー中に接続を維持できるように大きなカバレッジ範囲を提供することが可能であるが、容量の減少を伴う可能性があり、その結果、そのような態様によれば、選択されたUEのみがグループ・ハンドオーバー中に支援される。
【0395】
図62は、ハンドオーバーを実行するための例示的な方法6200を示す。例示的な方法6200は、第1スウォーム(例えば、図60のスウォーム6004)の第1MCU(例えば、図60のMCU6008h)とUEが通信するオペレーション6202とともに始まることが可能である。例示的な方法6200は、第1MCUへの接続の信号品質が閾値未満に劣化したものとして検出される可能性がある場合、オペレーション6204に続くことが可能である(例えば、検出は、基地局6016、DCM6010、又は図60内のスウォーム6004内の1つ以上のドローンによって実行されることが可能である)。例示的な方法6200は、検出に応答して、第2スウォームの第1MCU(例えば、図60のMCU6008m)に対してハンドオーバーがトリガされる可能性がある場合に、オペレーション6206に続くことが可能である。
【0396】
これまでのネットワーク技術の目標の1つは、大量のデータの低遅延ストリーミングを許容する質の高いモバイル・ブロードバンド体験をユーザーに提供することであった。最近では、他の通信タイプがますます利用されつつある。従って、コア・ネットワーク・エレメント及び基地局は、場合によっては、種々の通信タイプを処理するためのインテリジェンス及び柔軟性の恩恵を受けることができ、これは特にハンドオーバー関連の状況において特に有益である可能性がある。
【0397】
モバイル・ブロードバンドに加えて、5G通信は、マッシブIoT(Massive Internet of Things)やURLLC(Ultra-reliable Low Latency Communication)の通信タイプを含むことが可能である。マシン・ツー・マシン(M2M)及びデバイス・ツー・デバイス(D2D)通信(これらはしばしばセンサ・データを含む)は、コア及びエッジ・ネットワークに影響を及ぼす小規模なアドホック・ネットワークを形成することにより、5G無線ネットワーク・インフラストラクチャを利用する可能性がある。データ特性及び待ち時間の要件は、通信タイプの間で異なる可能性があり、その結果、異なる要件が生じる。そのような相違は、異なる変調及び符号化/復号化方式、充電に関する異なるメカニズム、並びにデータ・カプセル化及び転送の相違を含む可能性がある。幾つかの通信タイプは、より小さなペイロード・データ転送に起因して、削減された制御オーバーヘッドを利用することができる。更に、幾つかの通信タイプは、データ・パスから制御シグナリング・パスを分離する様々な方法から恩恵を得ることが可能であり、その理由は例えばデータ・パスが、ある通信タイプについては、他の通信タイプと比較してより短い可能性があるからである。コア・ネットワーク・エレメント及び基地局は、場合によっては、5Gトラフィック・タイプを処理するために向上したインテリジェンス及び柔軟性による恩恵を得ることができる。
【0398】
幾つかの態様によれば、システム、方法、及び装置は、トラフィックのインテリジェントな分類、トラフィックの処理予想を識別するためのトラフィックへのメタデータのアタッチメント、及び分類に基づくトラフィックのインテリジェントな処理を提供することができる。幾つかの態様において、メタデータのインテリジェント解釈に基づいて、特定のタイプの処理はバイパスされることが可能である。幾つかの態様によれば、エンド・ツー・エンド(E2E)待ち時間、タイミング同期、及びサービスの保証に取り組むことが可能である。プラットフォームが適応するにつれて、特定の態様によれば、変調方式、チャネル推定、MIMOアルゴリズム及び方式のより効率的な選択のための機械学習アルゴリズムが使用される可能性がある。
【0399】
図63は、無線ネットワーク・インフラストラクチャ6300を示す。図63の左側に示されるように、種々のUE6302は、種々な方法でネットワーク・サービスにアクセスする。UE6302によって発呼又は他のアクセス・リクエスト(例えば、アプリケーション・データ・リクエスト)が行われると、リクエストは、基地局、アクセス・ポイント、セル、エボルブド・ノードB(eNB)、次世代ノードB(gNB)等と呼ばれる種々のネットワーク・エレメントを含む無線アクセス・ネットワーク(RAN)6304に入る。復号化及びその他のプロセスは、仕様(例えば、3GPP、WiFiなど)に基づいて制御されることが可能である。次に、リクエストは、コア・ネットワーク6306に転送されることが可能であり、コア・ネットワーク6306は、データ・ネットワーク6308(例えば、インターネット)へのアクセスを制御することが可能である。幾つかのコア・ネットワーク6306の要素は、例えば、MME6310、SDN(software defined network)要素6312、及び種々のゲートウェイ要素6314を含むことができる。オペレーティング・システム及び他の要素6316は、何らかの態様に従って、コア・ネットワーク6306、RAN6304、及びデータ・ネットワーク6308内の任意の構成要素において実行することが可能である。
【0400】
消費者は、データ・ストリーミング・アプリケーション及びその他のブロードバンド・アプリケーション等のますますデータを必要とするアプリケーションへのアクセスを好みつつある。他方、産業機械の状況でよく見受けられるように、URLLCの需要もまた増加している。ブロードバンド通信とは異なり、URLLC通信では僅かなデータが伝送されるが、遅延仕様はブロードバンド・アプリケーションに付随するものよりも厳しい場合がある。本願でマッシブIoTと称する幾つかのトラフィック・タイプでは、何百万ものセンサが、何らかの態様に従ってデータを提供する可能性がある。たとえ各センサは非常に限られたデータしか送信しないかもしれないが、送信されるデータの総量は、ネットワークに大きな負荷を課す可能性がある。更に、あちこちに送信されるデータは典型的に処理される。例えば、スマート・シティ・アプリケーションでは、センサ・データはトラフィック・モニタリング、セキュリティなどのために処理され使用されることが可能である。
【0401】
図64は、アップリンクでのデータ処理に関する5G動作を示し、図65は、ダウンリンクでのデータ処理に関する5G動作を示す。図64は、現在5Gシステムに実装されてもよいアップリンク・パイプライン6400を示す。例示的なパイプライン6400は、何らかの態様に従って、有限数のコンポーネント・キャリア(CC)に対してスケーラビリティとともに、所与の伝送時間間隔(TTI)においてそれぞれ高々「N」個のストリームを有する複数のキャリアに対して動作することが可能である。図64の左から始まって、データは、複数のアンテナ6402から取り込まれることが可能であり、リソース・エレメント・マッピング、MIMO検出、及び変調デマッピングが実行されることが可能である。パイロット及び/又はリファレンス信号(RS)6404は、リファレンス信号処理、チャネル推定6408、及び最小平均二乗誤差(MMSE)6410計算のために、処理回路6406に提供されることが可能である。次いで、チャネル応答及びMMSEウェイトは、ビーム管理のために、及びデスクランブラ6412、チャネル・デインターリーバ6414、データ制御デマルチプレクサ6416、順方向誤り訂正(FEC)復号化及びレート・デマッチング・アルゴリズム6418を含む更なる処理のために提供されることが可能である。他の適切な機能が含まれてもよい。デマルチプレクシング動作の出力は、制御チャネル処理6420に提供されることが可能である。FECデコーディング及びレート・デマッチング・アルゴリズムの出力は、トランスポート・ブロック(TB)のレイヤ1(L1)処理6422に対して提供されることが可能である。何らかの態様に従って、最終的な出力は、MAC及びL2レイヤ処理に提供される。
【0402】
図65は、何らかの態様による5Gシステムで現在実施されてもよいダウンリンク・パイプライン6500を示す。図65の右側では、トランスポート・ブロック6502は、FEC符号化回路(LPDC)及びレート・マッチング回路6504に適用される前に、コード・ブロック・セグメンテーションと呼ばれる、より小さなサイズのコード・ブロックに分割される。次に、レート・マッチング済みの出力コード・ブロックが連結される。制御チャネル情報6506が受信され、データ・チャネル情報とインターリーブされる。次いで、インターリーブされたデータは、スクランブラ6508及び変調マッパー6510に供給されることが可能であり、デジタル・ビームフォーミング又はプリコーディング・ウェイトが受信され、各UEアンテナ6512においてデータをリソース・エレメントにマッピングすることが可能である。
【0403】
ビデオ・ストリーミングや音声のパケット処理を行うことに加えて、さまざまなレベルの待ち時間やスループット要求を有する様々なタイプのデータ利用を処理及びサポートするために、オペレーションが呼び出されることが可能である。トラフィックを分離する1つの方法は、異なる無線ベアラを提供することである。幾つかの態様によれば、本願ではネットワーク・スライシングと言及される、より動的なトラフィック処理及び認識メカニズムが、基地局及びUE自体で実装されることが可能である。何らかの態様に従って、ネットワーク・スライスは、どのネットワーク要素が使用されるか、どの計算リソース(例えば、プロセッサ、メモリ、ファイル、ハードウェア・アクセラレーション、PGAなど)が使用されるかに基づいて、理解されることが可能である。どのネットワーク要素及び計算リソースがそのトラフィックに関して使用できるかを定義するために、メタデータがトラフィックに付加されることが可能である。
【0404】
図66は、実施態様によるネットワーク・スライスを示す。一例として、幾つかの態様によれば、周波数プールが使用されることが可能であり、様々なトラフィック・タイプのトラフィックを運ぶために、コンポーネント・キャリア(CC)又は他のタイプの割り当てが、その周波数プールから割り当てられることが可能である。ネットワークは、異なるタイプのトラフィックに取り組むために、異なるスライスを有することが可能である。例えば、特定の態様において、図66のネットワーク・スライス1(要素6602)は無線ブロードバンド専用であり、ネットワーク・スライス2(要素6604)はリアル・タイム・トラフィック・タイプ(例えば、工業制御)専用であり、ネットワーク・スライス3(要素6606)はIoTセンサ(例えば、マッシブIoT)専用であり、ネットワーク・スライス4(要素6608)はモバイル・エッジ・クラウド(例えば、キャッシング)専用である可能性がある。任意数のネットワーク・スライスが提供されることが可能であり、通信タイプは、図66に記載されるタイプに限定されない。ネットワーク・スライスは、幾つかの態様に従って、多様で可変な処理要件を処理するために、柔軟に(例えば、基地局コントローラによって)定義されることが可能である。
【0405】
何らかの態様に従ってネットワーク・スライスの各々に対して異なるタイプの処理が使用されてもよい。例えば、ネットワーク・スライス1,6602は、デジタル・ストリーミング・トラフィックを含む可能性があり、デコーディング及びある種の変調及びパケット処理(暗号化/暗号解除、及びTCP/IP処理を含む)を使用する可能性がある。このようにして、ネットワーク・スライス1,6602は、RANトランスポート・ネットワーク・レイヤ(TNL)、サービス・ゲートウェイ(S-GW)TNL、及びパケット・データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)を利用することができる。更に、モバイル・ブロードバンドはネットワーク・スライス1,6602のトラフィックに関してサポートされることが可能であるので、モバイル・サービス(例えば、MME及びモビリティ・ベアラ)が提供されることが可能である。実施態様によれば、本願に記載される処理要素及びサービスの代わりに及び/又はそれに加えて、ネットワーク・スライス1,6602のトラフィックのために、他の構成コンポーネントが提供されることが可能である。ネットワーク・スライス1,6602に対するこれらのサービス及びオペレーションの全てが、ネットワーク・スライス2,6604、ネットワーク・スライス3,6606又はネットワーク・スライス6608を使用するトラフィックに使用されるわけではなく、従って、何らかの態様ではそのような処理は、ネットワーク・スライス2,6604、ネットワーク・スライス3,6606又はネットワーク・スライス6608では実行されない。同様に、幾つかの態様において、ネットワーク・スライス3,6606又はネットワーク・スライス6608を使用するトラフィックに対して移動管理は使用されない可能性があり(なぜなら、例えば、機器は移動可能ではなく固定されているため)、従って幾つかの態様ではそのトラフィックは、移動ベアラ又はMMEを使用しないように構成されることが可能である。更なる例として、暗号化/復号化のためのトランスポート・ネットワーク・レイヤ(TNL)処理は、特定のトラフィック・タイプに使用されない可能性がある。更に別の例として、ホーム・サブスクライバ・サーバー(HSS)及び/又はポリシー及び課金実行機能(PCRF)は、例えば対応するトラフィック・タイプはプリペイドであるか、又は予約金の一部ではないので、ネットワーク・スライス3,6606又はネットワーク・スライス4,6608に使用されない可能性がある。
【0406】
同様に、図67に示されているエボルブド・パケット・コア(EPC)のユーザー・プレーン・パイプラインは、何らかの態様による複数の処理ステージを有する。配備の性質に基づいて、特定のステージは使用されてもされなくてもよい(例えば、カプセル化は、基地局とパケット・コアが共に配置されている状況では、デアクティベート又はバイパスされることが可能であり、あるいはディープ・パケット検査(DPI)機能は、IoTトラフィック又は他のトラフィックのために、デアクティベート化又はバイパスされることが可能である)。これら及び他の処理決定は、実施態様に従って、到来するトラフィックのパケットに付加されているメタデータに基づいて、よりインテリジェントに行われることが可能である。
【0407】
本願に記載されるトラフィック・タイプのうちの1つ以上、又は全ては、何らかの態様に従って、同一の基地局及びコア・ネットワークで処理される可能性がある。異なるタイプのトラフィックを処理するための現在のシステムは、しばしば動的な構成変更可能性を欠き、従って、何らかのトラフィック・タイプのトラフィックの処理中に、種々のネットワーク要素が未使用のまま残る可能性がある。対照的に、幾つかの態様によれば、トラフィックのタイプを識別し、そのトラフィックによって使用される要素の選択されたセットを含むダイナミック・ネットワークを形成する方法が使用されることが可能である。例えば、図68を参照すると、幾つかの態様によるそのような要素は、基地局6802及びバックホール6804(幾つかの態様において全て又はほとんどのトラフィックによって使用される)、MME6806、HSS又はPCRF6808、S-GW6810、パケット・データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)6812、及びアプリケーション・サーバー6814を含むことが可能である。
【0408】
図69A及び69B、及び図70は、実施態様に従って方法を実行するための2つのシステム6900(サブシステム6900A及び6900Bを含む)及び7000を示す。幾つかの態様において、システム6900及びシステム7000は、トラフィック・タイプを決定するために、トラフィックのインテリジェント分類を実行することができる。例えば、上述のように、一部のトラフィックはストリーミング・ビデオである可能性がある一方、他のトラフィックはURLLCを使用する可能性がある。トラフィック・タイプが識別されると、ネットワーク要素が、トラフィックに対して実行される処理をより簡単に識別できるように、メタデータがデータに追加されることが可能である。幾つかの態様において、トラフィックは、より高速な処理のために、プログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)によって処理される可能性がある。幾つかの態様において、高品質無線(図69A、69B及び70には示されていない)が、あるトラフィックに対して使用されてもよく、一方、高品質無線が有益ではないであろうと思われる他のトラフィックに対しては低品質無線が使用されてもよい。幾つかの態様に従って、異なる変調及び符号化方式が異なるトラフィック・タイプに対して使用されることが可能である。
【0409】
実施態様において、システム6900及び7000は、トラフィック及びネットワーク・パフォーマンスの観察に基づいてアルゴリズムを学習し及び適合させることが可能である。アルゴリズムは実行されることが可能であり、ストリームは分類されることが可能であり、ストリーム処理パラメータは、基地局又はコア・ネットワーク要素内のネットワーク・インターフェース・カード(NIC)、FPGA、又は図69A及び69B及び図70に示される他の構成要素によって、インテリジェントに適合させることが可能である。
【0410】
何らかの態様に従って システムはまた、トラフィック・タイプを判別するために、UEの識別情報を利用することも可能である。例えば、システムがUEはスマート・メーターであることを検出した場合、システム6900又は7000は、トラフィックがマッシブIoTに特有のネットワーク・スライスで処理されるべきであると決定することができる。
【0411】
図69A、69B、及び70に示される要素に実装される学習アルゴリズムは、何らかの態様に従って、分類アルゴリズムの有効性を決定し及び適合させるために、このようなスマート・メーターによって実際に受信されるパケット・タイプを調べることが可能である。学習アルゴリズムは、次の後続トラフィック・タイプを予測し、それらのトラフィックを処理するモジュールを、それらのモジュールが実際に使用される前に設定するために使用されることも可能である。更に、検出されたUEタイプ(複数可)がタイプIoT(例えば、スマート・メーター)のものである場合、システム6900及び7000の要素は、これらのデバイスが静止(例えば、「非移動性の」)デバイスであることを事前に判定することが可能である。そのように、これらのデバイスのチャネル状態は、システム6900及び7000の要素によって知ることが可能であり、幾つかの態様では、ランダムにも急速にも変化しない。従って、システム6900及び7000の要素は、チャネル条件の知識を適用して、関連データをデコードすることができる。デコードされたデータがチェックサム失敗の結果となった場合、フル・チャネル推定が実行されることが可能であり、その学習を機械学習アルゴリズムに従って適用してデコードの精度を改善することができる。同様に、メタデータに基づいて、コア・ネットワーク内のパケット(複数可)の処理は、全段階を処理するためによりインテリジェントに実行されることが可能であり、或いは、何らかの態様に従って処理の特定の段階をインテリジェントにスキップすることが可能である。何らかの態様に従ってスキップされる可能性のある幾つかのステージは、IoTのための課金ステージ(なぜなら、そのようなデバイスは典型的にはプリペイドだからである)、又は収束及び/又は崩壊基地局又はパケット・コア配備に関するカプセル化又はカプセル解除を含む。
【0412】
更に、中央位置でベースバンド処理が実行されるセントラル化されたRANタイプ・アーキテクチャや、mmWaveスペクトル・チャネルと6GHz以下のチャネルとを組み合わせた階層配備では、機械学習アルゴリズムは、何らかの態様により、通常のカバレッジ状況だけでなくセル端カバレッジ状況についてもスループットを改善することができる。他の状況において、メタデータは、基地局及びパケット・コアにおいて行われるべき処理の幅と深さを決定するためにインテリジェントに使用されることが可能である(例えば、特定のタイプのUEに対しては暗号化はデアクティベート又はバイパスされることが可能であり、他のタイプのUEに対しては課金及び/又はQoS強制がデアクティベート又はバイパスされることが可能である)。このようなポリシーは、幾つかの態様に従って、パケットが受信される場合に、トラフィック・パケットのメタデータによりインテリジェントに決定されることが可能である。
【0413】
幾つかの態様では、異なるスライスが互いに協調することが可能である。システムはまた、情報セントリック・ネットワーキング(ICN)に類似した概念を実装することもできる。この概念に従って、所与のデータ・ストリームを処理するためにどのノードが使用されるかを決定するために、情報のIPアドレス又はヘッダを調べるのではなく、データは、コンテンツ名に基づいてルーティングされることが可能である。例えば、コンテンツ名に基づいて、異なる機能がデータ・ストリーム上で実行されることが可能である。
【0414】
図69A及び69Bにおいて、インテル・アーキテクチャ(IA)ベースのシステム6900(サブシステム6900A及び6900Bを含む)は、オン・パッケージ又はオフ・パッケージ・ネットワークIP(NIP)ロジックを介して拡張及び/又は強化されることが可能であり、高速及び低遅延相互接続6902Aによってインターフェースされることが可能である。図70において、幾つかの態様によれば、完全なシステム・オン・チップ(SOC)実装のために、同様な機能が、システム7000に元々オン・ダイ(on-die)で統合されることが可能である。NIPロジックは、LTE、5Gベースバンド(即ち、レイヤ-1)、レイヤ-2(RLC、PDCP)、レイヤ-3(GTP、IP、IP-Sec)に及ぶ様々なネットワーク・インフラストラクチャ・ワークロードに特化した処理能力を何らかの態様に従って提供する。NIPロジックは、例えば、トラフィックがチップ又はプラットフォーム内の適切な処理ブロックに向かって誘導されることができるようにするデータのインテリジェント分類;機械学習特有のトレーニングを意図したネットワーク・ワークロード;及び推論アルゴリズムを提供する。NIP機能の幾つかの部分は、特定の態様ではハードウェアで加速されることが可能である。
【0415】
統合されたネットワークIPロジック(例えば、タイル6904A/6904B、タイル7004(カスタム又は汎用)、カスタム又は標準I/O6906B、7006、アクセラレータ・ロジック6908A/6908B)は、例えば、5G基地局、コア・ネットワーク・ゲートウェイ実装、又は有線ゲートウェイをターゲットにするために使用されることが可能である。カスタム又は汎用処理タイル6904A/6904B、7004は、潜在的に、何らかの態様に従って、5G基地局のベースバンド・ステージの効率的な処理、又はパケットのインテリジェントな処理、又は機械学習の目的のための学習及び推論アルゴリズムの実行を支援する潜在的なアプリケーション固有の加速及びローカルSRAM/メモリに結合された、「ベリー・ワイド・ベクトル」コア、DSP又は固定機能ロジックの集団を含むことが可能である。
【0416】
システム6900A/6900B,7000は次の場合にロジックを提供することが可能であり、それは、RFインターフェース6910A,7010から例えば基地局に入ってくるデータ(例えばURLLC)が、ロジックの特定の部分に向けてインテリジェントに案内され、L1、L2、L3レイヤを含むこれらのブロックで処理され、超低遅延特性を可能にする一方で、異なるレベルのQoS(メタデータ)を有する他のタイプのデータ(例えば、モバイル・ブロードバンド)が、何らかの態様に従って、異なるエリアへ又はIAコア・タイル6904A/6904Bに向けて案内される場合である。システムの異なる部分へのデータのインテリジェントなステアリング(オン・ダイ、又はオン・パッケージ、又はオフ・パッケージの物理的な統合に依存しない)は、(例えば、図69A、69B、及び70における高速I/O、カスタム又は標準IOブロック等の)IOインターフェースにおける到来するデータのインテリジェントな分類によって達成することができ、メタデータもデータに付加することが可能であり、その結果、データは、全体のプラットフォーム内の様々なブロックに送信され、それに応じて処理されることが可能である。一般的なアクセラレータ・ブロックは、固定機能アクセラレーション(例えば、FFT、順方向誤り訂正、符号化/復号化、IP-Sec、又はML訓練/推論アルゴリズムのための任意の種類のHWアシスト)を使用する最も広く使用されるアルゴリズムを実装する。オン・ダイ相互接続は、何らかの態様に従って、システム/SOCの異なるブロック間の高い帯域幅、低遅延の接続を可能にし、相互接続されたブロック間のデータ移動を可能にする。
【0417】
システム6900A/6900B、7000は、何らかの態様に従って、異なる処理ユニット(例えば、タイル6904、7004)間でキャッシュ・コヒーレンスを提供するために、キャッシュ・コヒーレント相互接続6912A、7012を含むことができる。メモリ・コントローラ6914A、7014、ペリフェラル6916A、7016、及びローカル・オンチップ・メモリ6918Bのような他の要素が使用されることが可能である。
【0418】
図71は、幾つかの態様による例示的な方法7100のフローチャートである。例示的な方法7100は、デバイス(例えば、システム6900、7000の要素)がネットワーク・トラフィックのストリームを受信するオペレーション7102とともに始まることが可能である。例示的な方法7100は、デバイスがストリームのトラフィック・タイプを識別するオペレーション7104に続くことが可能である。例示的な方法7100は、ストリームを処理するネットワーク要素を識別するために、デバイスがストリームに情報を挿入するオペレーション7106に続くことが可能である。この方法は、更に、トラフィック・タイプに基づいて変調及び符号化方式(MCS)を適合させることを含み得る。
【0419】
図72は、エボルブド・ノードB(eNB)、新世代ノードB(gNB)、アクセス・ポイント(AP)、無線局(STA)、又はユーザー装置(UE)のような何らかの態様に従う通信デバイスのブロック図を示す。代替的な態様では、通信デバイス7200は、スタンドアロン・デバイスとして動作してもよいし、又は他の通信デバイスに接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。
【0420】
回路(例えば、処理回路)は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含む、デバイス7200の有形の実体に実装される回路の集まりである。回路の構成要素は、時間の経過に応じて柔軟である可能性がある。回路は、動作時に、指定された動作を単独で又は組み合わせて実行することが可能なメンバーを含む。一例では、回路のハードウェアは、特定の動作を実行するように、不変的に設計(例えば、有線接続)されてもよい。一例では、回路のハードウェアは、特定の動作の命令をエンコードするために物理的に(例えば、磁気的に、電気的に、不変の塊状粒子の移動可能な配置などにより)変更される機械可読媒体を含む、可変に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含んでもよい。
【0421】
物理的構成要素を接続する際、ハードウェア構成要素の基礎となる電気的特性は、例えば、絶縁体から導体に、又はその逆に変更される。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニット又はローディングメカニズム)が、動作の際に特定の動作の一部を実行するように、可変接続を介してハードウェア内で回路のメンバーを形成することを可能にする。従って、一例では、機械可読媒体素子は、回路の一部であるか、又はデバイスが動作している場合に回路の他の構成要素に通信可能に結合される。一例では、物理的構成要素のうちの何れかが、複数の回路のうちの複数のメンバーで使用されることが可能である。例えば、動作中に、実行ユニットは、ある時点で第1回路装置の第1回路で使用され、第1回路装置の第2回路によって、又は異なる時点で第2回路装置の第3回路によって再利用されることが可能である。デバイス7200に関するこれらの構成要素の更なる例は、以下のとおりである。
【0422】
幾つかの態様において、デバイス7200は、スタンドアロン・デバイスとして動作してもよいし、又は他のデバイスに接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク化された配備において、通信デバイス7200は、サーバー通信デバイス、クライアント通信デバイス、又は両方の能力で、サーバー・クライアント・ネットワーク環境で動作することが可能である。一例では、通信デバイス7200は、ピア・ツー・ピア(P2P)(又は他の分散)ネットワーク環境におけるピア通信デバイスとして機能してもよい。通信デバイス7200は、UE、eNB、PC、タブレットPC、STB、PDA、携帯電話、スマートフォン、ウェブ・アプライアンス、ネットワーク・ルーター、スイッチ若しくはブリッジ、又は、その通信デバイスにより行われるべき動作を指定する命令(連続的な又は別の形式のもの)を実行することが可能な任意の通信デバイスであってもよい。更に、単一の通信デバイスのみが例示されているが、用語「通信デバイス」は、クラウド・コンピューティング、ソフトウェア・アズ・サービス(SaaS)、その他のコンピュータ・クラスタ構成などの、本願で議論される任意の1つ以上の方法を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する通信デバイスの任意のコレクションも含むものとする。
【0423】
本願で記載されるような例は、ロジック又は多数のコンポーネント、モジュール、又は機構を含むことが可能であるか、又はそれらに基づいて動作することが可能である。モジュールは、特定のオペレーションを実行することが可能な有形の実体(例えば、ハードウェア)であり、特定の方法で構成又は配置される可能性がある。一例では、回路は、特定の方法で(例えば、内的に、又は他の回路などの外部の実体に対して)、モジュールとして配置されてもよい。一例では、1つ以上のコンピュータ・システム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバー・コンピュータ・システム)又は1つ以上のハードウェア・プロセッサの全体又は一部は、指定されたオペレーションを実行するために動作するモジュールとして、ファームウェア又はソフトウェア(例えば、命令、アプリケーションの一部分、又はアプリケーション)によって構成されてもよい。一例では、ソフトウェアは、通信デバイスが読み取ることが可能な媒体上に存在してもよい。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基礎となるハードウェアによって実行されると、指定されたオペレーションをハードウェアに実行させる。
【0424】
従って、用語「モジュール」は、有形の実体を包含するように理解され、物理的に構築された、具体的に構成された(例えば、配線された)、又は一時的に(例えば、短期間の間に)構成された(例えば、プログラムされた)実体であって、特定の方法で動作する、又は本願に記載される任意の動作のうちの一部もしくは全部を実行するように構成された実体である。モジュールが一時的に構成される例を考察すると、各モジュールはある一瞬にインスタンス化される必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを用いて構成される汎用ハードウェア・プロセッサを含む場合、汎用ハードウェア・プロセッサは、異なる時間にそれぞれの異なるモジュールとして構成されてもよい。従って、ソフトウェアは、例えばある時点では特定のモジュールを構成し、異なる時点では異なるモジュールを構成するように、ハードウェア・プロセッサを構成する可能性がある。
【0425】
通信デバイス(例えば、UE)7200は、ハードウェア・プロセッサ7202(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェア・プロセッサ・コア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メイン・メモリ7204、スタティック・メモリ7206、及び大容量ストレージ7216(例えば、ハード・ドライブ、テープ・ドライブ、フラッシュ・ストレージ、又は他のブロック若しくはストレージ・デバイス)を含んでもよく、それらの一部又は全ては、インターリンク(例えば、バス)7208を介して互いに通信することができる。
【0426】
通信デバイス7200は、表示ユニット7210、英数字入力デバイス7212(例えば、キーボード)、及びユーザー・インターフェース(UI)ナビゲーション・デバイス7214(例えば、マウス)を更に含んでもよい。一例では、表示ユニット7210、入力デバイス7212、及びUIナビゲーション・デバイス7214は、タッチ・スクリーン・ディスプレイであってもよい。通信デバイス7200は、更に、信号発生デバイス7218(例えば、スピーカ)、ネットワーク・インターフェース・デバイス7220、及び1つ以上のセンサ7221(例えば、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサ)を含んでもよい。通信デバイス7200は、1つ以上のペリフェラル・デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)に対する通信又は制御の、シリアル(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB))、パラレル、又はその他の有線若しくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ7228を含んでもよい。
【0427】
ストレージ・デバイス7216は、通信デバイスが読み込むことが可能な媒体7222を含んでもよく、この媒体には、本願に記載される任意の1つ以上の技術又は機能によって具体化又は利用される1つ以上のデータ・セット構造又は命令7224(例えば、ソフトウェア)が記憶される。幾つかの態様において、プロセッサ7202、メイン・メモリ7204、スタティック・メモリ7206、及び/又は大容量記憶装置7216のレジスタは、本願に記載される任意の1つ以上の技術又は機能によって具体化又は利用される1つ以上のデータ・セット構造又は命令がそこに記憶される、デバイスが読み込むことが可能な媒体7222であってもよいし、又はその媒体を(完全に又は少なくとも部分的に)含んでもよい。一例では、ハードウェア・プロセッサ7202、メイン・メモリ7204、スタティック・メモリ7206、又は大容量記憶7216のうちの1つ又は任意の組み合わせが、デバイスが読み込むことが可能な媒体7222を構成してもよい。
【0428】
本願で使用されるように、用語「デバイスが読み込むことが可能な媒体」は、「コンピュータ可読媒体」又は「機械可読媒体」と互換性がある。通信デバイスが読み込むことが可能な媒体7222は単一の媒体として示されるが、「通信デバイス可読媒体」という用語は、1つ以上の命令7224を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、セントラル化された若しくは分散化されたデータベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバー)を含んでもよい。
【0429】
用語「通信デバイス読取可能媒体」は、通信デバイス7200による実行のための命令を記憶、符号化、又は搬送することが可能であって、本願の技術のうちの任意の1つ以上を通信デバイスに実行させる任意の媒体、又はそのような命令によって使用されるか又は関連するデータ構造を記憶、符号化、又は搬送することが可能な任意の媒体を含んでもよい。非限定的な通信デバイス読取可能媒体の例は、ソリッド・ステート・メモリ、光媒体及び磁気媒体を含むことが可能である。通信デバイス読取可能媒体の特定の例は:半導体メモリ・デバイス(例えば、電気的にプログラム可能なリードオンリー・メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リードオンリー・メモリ(EEPROM))及びフラッシュ・メモリ・デバイスなどの不揮発性メモリ;内部ハード・ディスク及びリムーバブル・ディスクなどの磁気ディスク;磁気光学ディスク;ランダム・アクセス・メモリ(RAM);並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むことが可能である。幾つかの例において、通信デバイス読取可能媒体は、非一時的な通信デバイス読取可能媒体を含んでもよい。幾つかの例において、通信デバイス読取可能媒体は、一時的に伝搬する信号ではない通信デバイス読取可能媒体を含むことが可能である。
【0430】
命令7224は、多数の伝送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネット・プロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のうちの任意の1つを利用して、ネットワーク・インターフェース・デバイス7220を介して伝送媒体を使用することで、通信ネットワーク7226を介して更に送信又は受信されることが可能である。通信ネットワークの例は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、パケット・データ・ネットワーク(例えば、インターネット)、移動電話ネットワーク(例えば、セルラー・ネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、及び無線データ・ネットワーク、例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格ファミリ、WiMax(登録商標)として知られるIEEE802.16規格ファミリ、IEEE802.15.4規格ファミリ、LTE(a Long Term Evolution)規格ファミリ、UMTS(Universal Mobile Telecommunicationsystem)規格ファミリ、P2P(Peer-to-Peer)ネットワークなどを特に含むことが可能である。一例では、ネットワーク・インターフェース・デバイス7220は、通信ネットワーク7226に接続するために、1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサーネット、同軸、又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナを含んでもよい。一例では、ネットワーク・インターフェース・デバイス7220は、単一入力複数出力(SIMO)、MIMO、又は複数入力単一出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信するために複数のアンテナを含むことが可能である。幾つかの例では、ネットワーク・インターフェース・デバイス7220は、マルチ・ユーザMIMO技術を使用して無線通信する可能性がある。
【0431】
用語「伝送媒体」は、通信デバイス7200による実行のための命令を記憶、符号化、又は搬送することが可能な任意の無形媒体を含み、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためにデジタル又はアナログ通信信号、又はその他の無形媒体を含むように解釈するものとする。この点に関し、本開示の文脈における伝送媒体は、デバイスが読み取ることが可能な媒体である。
【0432】
付記及び実施例:
【0433】
実施例1は、第1セルのカバレッジから第2セルへ移動する複数のモバイル・デバイスをハンドオーバーする方法であり、本方法は:複数のモバイル・デバイスのうちの第1エッジ・モバイル・デバイスにおいて第2セルを検出するステップ;第1モバイル・デバイスにおいて第2セルの1つ以上のパラメータを測定するステップ;及び1つ以上のパラメータを、デバイス・スウォームの第1モバイル・デバイスから他のモバイル・デバイスへ伝達するステップを含む。
【0434】
実施例2において、実施例1の対象事項は、複数のモバイル・デバイスがスウォームの物理的範囲に位置することを含む。
【0435】
実施例3において、実施例2の対象事項は以下を含む:1つ以上のパラメータを伝達することは、デバイス・ツー・デバイス(D2D)プロトコルを用いて、第1モバイル・デバイスからスウォームの他のモバイル・デバイスへ1つ以上のパラメータを伝達することを含む。
【0436】
実施例4において、実施例3の対象事項は以下を含む:D2Dプロトコルは、第1セル内の複数のモバイル・デバイスへの接続をサポートするように構成された第1無線プロトコルを含む。
【0437】
実施例5において、実施例4の対象事項は以下を含む:第1無線プロトコルはIEEE802.11又は802.15規格ファミリに従って動作する。
【0438】
実施例6において、実施例4~5の対象事項は以下を含む:第1無線プロトコルは、低エネルギ・パーソナル・エリア・ネットワーク・プロトコルに従って動作する。
【0439】
実施例7において、実施例1~6の対象事項は以下を含む:1つ以上のパラメータを伝達することは、第1モバイル装置の接続が第1セルによって応対されている間に、1つ以上のパラメータを、第1モバイル・デバイスからスウォームの他のモバイル・デバイスへ伝達することを含む。
【0440】
実施例8において、実施例7の対象事項は以下を含む:1つ以上のパラメータを伝達することは、第1セルの基地局を使用して、1つ以上のパラメータを、第1モバイル・デバイスからのスウォームの他のモバイル・デバイスへ伝達することを含む。
【0441】
実施例9において、実施例1~8の対象事項は:1つ以上のパラメータを第1モバイル・デバイスから第1セルのコントローラへ伝達することを含む。
【0442】
実施例10において、実施例1~9の対象事項は以下を含む:デバイス・スウォームはスウォームの境界内に少なくとも1つのセントラル・モバイル・デバイスを含み、スウォームの境界は複数のモバイル・デバイスによって定義され;及び少なくとも1つのセントラルUEはハンドオーバー測定を実行することを控える。
【0443】
実施例11は、モバイル・デバイスである装置であり、装置は:メモリと、メモリに結合された処理回路とを備え、処理回路は:複数のモバイル・デバイスが第1セルのカバレッジから第2セルへ移動することに関連して、第2セルを検出し;第2セルの1つ以上のパラメータを測定し;及び1つ以上のパラメータを複数のモバイル・デバイスの1つ以上の他のモバイル・デバイスへ伝達する。
【0444】
実施例12において、実施例11の対象事項は以下を含む:処理回路は、第1セルのカバレッジから第2セルへ複数のモバイル・デバイスと共に移動しながら、第2セルを検出するように構成される。
【0445】
実施例13において、実施例11~12の対象事項は以下を含む:処理回路は、更に、デバイス・ツー・デバイス(D2D)プロトコルを用いて1つ以上のパラメータを伝達する。
【0446】
実施例14において、実施例13の対象事項は以下を含む:D2Dプロトコルは、IEEE802.11又は802.15規格ファミリに従って動作する無線プロトコルを含む。
【0447】
実施例15において、実施例11~14の対象事項は以下を含む:処理回路は、更に、第1モバイル・デバイスの接続が第1セルによって応対されている間に、1つ以上のパラメータを伝達する。
【0448】
実施例16は、複数のモバイル・デバイスのスウォーム内のモバイル・デバイスにおける方法であり、本方法は:ハンドオーバー・リクエストをサービング・セルへ送信するステップ;ハンドオーバー・リクエストがサービング・セルで受信されたかどうかを判定するステップ;ハンドオーバー・リクエストはサービング・セルで受信されていない旨の判定に応答して、サービング・セルへ転送するために、複数のモバイル・デバイスのスウォーム内の第2モバイル・デバイスへハンドオーバー・リクエストを送信するステップを含む。
【0449】
実施例17において、実施例16の対象事項は以下を含む:検出は、ハンドオーバー・リクエストの送信に応答してアクノリッジメント(ACK)が受信されていないことを検出することを含む。
【0450】
実施例18において、実施例16~17の対象事項は:ハンドオーバー・リクエストの送信に応答してアクノリッジメント(ACK)を受信した後に、モバイル・デバイスのスウォーム内の他のモバイル・デバイスへのデバイス・ツー・デバイス(D2D)通信を用いて、位置情報を送信することを含む。
【0451】
実施例19において、実施例18の対象事項は、異なるハンドオーバー・リクエストをサービング・セルへ転送するために、スウォーム内の異なるモバイル・デバイスからリクエストを受信することを含む。
【0452】
実施例20において、実施例16~19の対象事項は、ハンドオーバー・リクエストを送信した後に、サービング・セルから受信した信号の信号強度測定値が閾値未満に低下したことを検出するステップ;及び検出に応答してUEモバイル・デバイスのスウォーム内の少なくとも1つの他のモバイル・デバイスへ、ハンドオーバー・コマンドがハンドオーバー・セルから予定されている旨の通知を送信するステップを含む。
【0453】
実施例21において、実施例16~20の対象事項は、モバイル・デバイスが少なくとも2つのセルの範囲内にあるハンドオーバー・ポイントの位置を検出するステップ;及びモバイル・デバイスのスウォームにハンドオーバー・ポイントの位置を報知するステップを含む。
【0454】
実施例22は、モバイル・デバイスである装置であり、装置はメモリと、メモリに結合された処理回路とを備え、処理回路は:ハンドオーバー・リクエストをサービング・セルへ送信し;ハンドオーバー・リクエストがサービング・セルで受信されたかどうかを判定し;及びハンドオーバー・リクエストがサービング・セルで受信されていない旨の判定に応答して、サービング・セルに転送するためにモバイル・デバイスのスウォーム内の第2モバイル・デバイスへハンドオーバー・リクエストを送信する。
【0455】
実施例23において、実施例22の対象事項は以下を含む:処理回路は更に、ハンドオーバー・リクエストの送信に応答してアクノリッジメント(ACK)が受信されていないことを検出する。
【0456】
実施例24において、実施例22~23の対象事項は以下を含む:処理回路は更に、ハンドオーバー・リクエストの送信に応答して受信したアクノリッジメント(ACK)をデコードした後に、モバイル・デバイスのスウォーム内の他のモバイル・デバイスへのデバイス・ツー・デバイス(D2D)通信を使用して送信する位置情報を符号化する。
【0457】
実施例25において、実施例24の対象事項は以下を含む:処理回路は更に、異なるハンドオーバー・リクエストをサービング・セルへ転送するために、スウォーム内の異なるモバイル・デバイスから受信したリクエストをデコードする。
【0458】
実施例26において、実施例22~25の対象事項は以下を含む:処理回路は、ハンドオーバー・リクエストを送信した後に、サービング・セルから受信した信号の信号強度測定値が閾値を下回ったことを検出し;及び、その検出に応じてUEモバイル・デバイスのスウォーム内の少なくとも1つの他のモバイル・デバイスへの送信のための通知であってハンドオーバー・コマンドがサービング・セルから予定されている旨の通知をエンコードすることを更に含む。
【0459】
実施例27は、セルラー・ネットワークの第1セルの基地局を動作させる方法であり、本方法は:第1セルを介して基地局に無線接続されるモバイル・デバイスのスウォームを識別するステップであって、スウォームの複数のモバイル・デバイスは、スウォームの1つ以上の他のモバイル・デバイスに隣接している、ステップ;基地局においてスウォームの各モバイル・デバイスに識別子を割り当てるステップ;及び基地局においてスウォームにスウォーム識別子を割り当てるステップを含む。
【0460】
実施例28において、実施例27の対象事項は以下を含む:スウォームの各モバイル・デバイスは、互いに同じ方向に移動し、それぞれが閾値の範囲内の平均速度を有する。
【0461】
実施例29において、実施例27~28の対象事項は以下を含む:ピア・ツー・ピア通信プロトコルの範囲内でスウォーム通信を伝搬するために、予め決定された数のホップが使用される場合、スウォームの第1モバイル・デバイス、スウォームの第2モバイル・デバイスに隣接している。
【0462】
実施例30において、実施例27~29の対象事項は、基地局においてスウォームの第1モバイル・デバイスから第1情報を受信するステップを含み、第1情報は、スウォーム識別子と、第2セルを測定した第1モバイル・デバイスの指標とを含む。
【0463】
実施例31において、実施例30の対象事項は、基地局において第1モバイル・デバイスから第2情報を受信するステップを含み、第2情報は、スウォーム識別子と、スウォームの第2セルへのハンドオーバーのためのハンドオーバー・リクエストとを含む。
【0464】
実施例32において、実施例30~31の対象事項は以下を含む:第1情報は、スウォームの第2モバイル・デバイスからの測定情報を含む。
【0465】
実施例33において、実施例30~32の対象事項は以下を含む:第1情報は、スウォームの複数のモバイル・デバイスからの測定情報を含む。
【0466】
実施例34において、実施例33の対象事項は以下を含む。スウォームの複数のモバイル・デバイスは、スウォームの非中心モバイル・デバイスを含む。
【0467】
実施例35において、実施例31~34の対象事項は、ハンドオーバー・リクエストに応答して、スウォームの各モバイル・デバイスに対するハンドオーバー地点を決定することを含む。
【0468】
実施例36において、実施例35の対象事項は、ハンドオーバー情報をスウォームへ送信するステップを含み、ハンドオーバー情報は、スウォーム識別子と、スウォームの複数のモバイル・デバイスに対する特定のハンドオーバー情報とを含む。
【0469】
実施例37は、基地局という装置であり、本装置は:メモリ;及びメモリに結合された処理回路を備え、処理回路は:第1セルを介して基地局に無線接続された複数のモバイル・デバイスのスウォームを識別し(スウォームの複数のモバイル・デバイスは、スウォームの1つ以上の他のモバイル・デバイスに隣接している);スウォームの各モバイル・デバイスに識別子を割り当て;及びスウォームにスウォーム識別子を割り当てる。
【0470】
実施例38において、実施例37の対象事項は以下を含む:スウォームの各モバイル・デバイスは、互いに同じ方向に移動し、それぞれが閾値の範囲内の平均速度を有する。
【0471】
実施例39において、実施例37~38の対象事項は以下を含む:処理回路は:スウォームの第1モバイル・デバイスから第1情報を受信し、第1情報は、スウォーム識別子と、第2セルを測定した第1モバイル・デバイスの指標とを含む。
【0472】
実施例40において、実施例39の対象事項は以下を含む:処理回路は、第1モバイル・デバイスから第2情報を受信し、第2情報は、スウォーム識別子と、スウォームの第2セルへのハンドオーバーのためのハンドオーバー・リクエストとを含む。
【0473】
実施例41において、実施例39~40の対象事項は以下を含む:第1情報は、スウォームの第2モバイル・デバイスからの測定情報を含む。
【0474】
実施例42において、実施例39~41の対象事項は以下を含む:第1情報は、スウォームの複数のモバイル・デバイスからの測定情報を含む。
【0475】
実施例43において、実施例42の対象事項は以下を含む:スウォームの複数のモバイル・デバイスは、スウォームの非中心モバイル・デバイスを含む。
【0476】
実施例44において、実施例40~43の対象事項は以下を含む:処理回路は、ハンドオーバー・リクエストに応答して、スウォームの各モバイル・デバイスに対するハンドオーバー地点を決定する。
【0477】
実施例45において、実施例44の対象事項は以下を含む:処理回路は、ハンドオーバー情報をスウォームへ送信し、ハンドオーバー情報は、スウォーム識別子と、スウォームの複数のモバイル・デバイスに対する特定のハンドオーバー情報とを含む。
【0478】
実施例46は無線通信デバイスであり、本デバイスは:アンテナ;アンテナに結合されたトランシーバ;及びベースバンド・プロセッサを含み、ベースバンド・プロセッサは:無線ネットワークへの報告のために第1情報をアグリゲートし;トランシーバによる無線ネットワークへの送信のために、第1情報のデータリンク・レイヤへの送信を開始し;第1情報よりも高い優先度である、無線ネットワークへ報告するための第2情報をアグリゲートし;トランシーバにより無線ネットワークへ送信するために第2条方のデータリンク・レイヤへの送信を開始し;及び第1情報が送信された場合に、第1情報を廃棄するようにデータリンク・レイヤに指示する。
【0479】
実施例47は、無線通信デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であり、1つ以上のプロセッサは、以下を行うように無線通信デバイスを構成し、即ち:無線ネットワークへの報告のために第1情報をアグリゲートし;無線ネットワークへの送信のために第1情報のデータリンク・レイヤへの送信を開始し;第1情報よりも高い優先度である、無線ネットワークへの報告のための第2情報をアグリゲートし;第2情報が第1情報よりも高い優先度を有することを検出し;無線ネットワークへの送信のために第2情報のデータリンク・レイヤへの送信を開始し;及び第1情報が送信された場合に、第1情報を廃棄するようデータリンク・レイヤに指示する。
【0480】
実施例48は、無線通信デバイスを動作させる方法であって、本方法は:無線ネットワークに報告するために第1情報をアグリゲートするステップ;無線ネットワークへ送信するために第1情報をデータリンク・レイヤへ送信するステップ;無線ネットワークに報告するために第2情報をアグリゲートするステップ;第2情報は第1情報よりも高い優先度であることを検出するステップ;無線ネットワークへ送信するために第2情報をデータリンク・レイヤへ送信するステップ;及び第1情報が送信されない場合に、第1情報を廃棄するようにデータリンク・レイヤに指示するステップを含む。
【0481】
実施例49において、実施例48の対象事項は以下を含む:第1情報をアグリゲートするステップは、無線通信デバイスの第1サービング・セルに加えて、1つ以上の他のセルを測定することを含む。
【0482】
実施例50において、実施例48~49の対象事項は以下を含む:第2情報は第1情報よりも高い優先度であることを検出するステップは、第1情報が不正確であることを検出することを含む。
【0483】
実施例51において、実施例48~50の対象事項は以下を含む:第2情報は第1情報よりも高い優先度であることを検出するステップは、第1情報の測定情報が変化したことを検出することを含む。
【0484】
実施例52において、実施例48~51の対象事項は以下を含む:第1情報は、第1セルよりも良い信号を提供する第2セルの測定情報を含み;及び第2情報は、第2セルよりも良い信号を提供する第3セルの測定情報を含む。
【0485】
実施例53において、実施例48~52の対象事項は、第1情報をデータリンク・レイヤへ送信した後に、同期外れ条件を受信することを含む。
【0486】
実施例54は無線通信デバイスであり、本デバイスは:無線ネットワークに報告するために第1情報をアグリゲートする手段;無線ネットワークへ送信するために第1情報をデータリンク・レイヤへ送信する手段;無線ネットワークに報告するために第2情報をアグリゲートする手段;第2情報は第1情報よりも高い優先度であることを検出する手段;無線ネットワークへ送信するために第2情報をデータリンク・レイヤへ送信する手段;及び第1情報が送信されない場合に、データリンク・レイヤの第1情報を破棄する手段を備える。
【0487】
実施例55は、第1ミリメートル波(mmWave)接続から第2mmWave接続へのハンドオーバーを行う方法であり、本方法は:第1デバイスと第2デバイスとの間で、mmWave通信以外を利用してアンテナ情報を交換し、アンテナ情報に基づいて第1mmWave接続のビーム方向を算出することにより、第1デバイスと第2デバイスとの間で第1mmWave接続を確立するステップ;第1mmWave接続が、mmWave以外の通信を用いて受信した情報に基づいて、品質閾値を下回って劣化したことを検出するステップ;及び、その検出に応答して第2mmWave接続に切り替えるステップを含む。
【0488】
実施例56において、実施例55の対象事項は以下を含む:第1mmWave接続は、WiFiを用いてビーム情報を交換することによって確立される。
【0489】
実施例57において、実施例55~56の対象事項は以下を含む:第1mmWave接続は、セルラー通信を用いてビーム情報を交換することによって確立される。
【0490】
実施例58において、実施例55~57の対象事項は以下を含む:ビーム情報は、第1デバイス及び第2デバイスのアンテナ情報を含む。
【0491】
実施例59において、実施例58の対象事項は以下を含む:アンテナ情報は、アンテナ配向情報を含む。
【0492】
実施例60において、実施例59の対象事項は以下を含む:アンテナ配向情報は、位置センサからの入力に基づいて得られる。
【0493】
実施例61において、実施例55~60の対象事項は、第1mmWave接続の確立前に、mmWave通信以外を利用してビーム探索パターン情報を提供することを含む。
【0494】
実施例62において、実施例55~61の対象事項は、第1デバイスと第2デバイスとの間のmmWave接続に使用されるのに相応しいビームの識別情報を含むリストを記憶することを含む。
【0495】
実施例63において、実施例62の対象事項は以下を含む:ビームの信号品質測定に基づいてリストはソートされる。
【0496】
実施例64において、実施例63の対象事項は、信号品質測定値を受信したこと応じて、リストのソート順序を更新することを含む。
【0497】
実施例65において、実施例64の対象事項は以下を含む:信号品質測定値は、mmWave接続以外の接続で受信される。
【0498】
実施例66において、実施例64~65の対象事項は以下を含む:信号品質測定値は、mmWave接続上で受信される。
【0499】
実施例67は、無線通信デバイスであり、本デバイスは処理回路;及び処理回路に結合されるメモリを含み、処理回路は:無線ネットワーク内のスペクトル使用情報を決定するためにリッスン・ビフォー・トークン(listen-before-talk:LBT)手順を実行し;無線ネットワークの基地局へ送信するためにスペクトル使用情報をアグリゲートし;スペクトル使用情報に応答して、基地局からスペクトル割り当て情報をデコードし;及びスペクトル割り当て情報に基づいて1つ以上の周波数バンドで動作するように無線通信デバイスのトランシーバ・サブシステムを構成するように構成され;及びメモリは、スペクトル割り当て情報を格納するように構成される。
【0500】
実施例68において、実施例67の対象事項は以下を含む:無線通信デバイスは、無線ネットワーク内を移動するドローン・スウォーム内のドローンである。
【0501】
実施例69において、実施例67~68の対象事項は以下を含む:スペクトル使用情報を決定するために、処理回路は:無線通信プロトコルの複数の通信帯域を走査し;及び複数の通信帯域のうちの1つ以上において無線ネットワーク内で送信された複数の信号を検出するように構成される。
【0502】
実施例70において、実施例69の対象事項は以下を含む:スペクトル使用情報は、検出された複数の信号に関連する信号強度レベル及び周波数帯域の一方又は両方を含む。
【0503】
実施例71において、実施例69~70の対象事項は以下を含む:無線通信プロトコルは、IEEE802.11規格ファミリに従って動作する。
【0504】
実施例72において、実施例69~71の対象事項は以下を含む:無線通信プロトコルは、IEEE802.15規格ファミリに従って動作する。
【0505】
実施例73において、実施例69~72の対象事項は以下を含む:無線通信プロトコルは、低エネルギ・パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)プロトコルに従って動作する。
【0506】
実施例74において、実施例67~73の対象事項は以下を含む:スペクトル使用情報は、無線通信デバイスの第1地理的位置に関連付けられている。
【0507】
実施例75において、実施例74の対象事項は以下を含む:処理回路は、第1地理的位置から第2地理的位置への無線通信デバイスの移動を検出すると、基地局への送信のために第2地理的位置におけるスペクトル使用情報を感知し;第2地理的位置で感知されたスペクトル使用情報に応答して、基地局からの第2スペクトル割り当て情報をデコードし;及び第2スペクトル割り当て情報によって示される1つ以上の周波数帯域で動作するようにトランシーバ・サブシステムを構築するように構成される。
【0508】
実施例76は、無線ネットワークの基地局を動作させる方法であり、本方法は:基地局に無線接続されたモバイル・デバイスのスウォームを識別するステップ;モバイル・デバイスのスウォームのうちの第1モバイル・デバイスへ送信するために周波数マップをエンコードするステップであって、周波数マップは、無線ネットワーク内で占有されるスペクトル及び利用可能なスペクトルを示す、ステップ;第1モバイル・デバイスから、利用可能なスペクトルのうちの1つ以上の周波数バンドを示すスペクトル割り当ての要求を受信するステップ;及び1つ以上の指定された周波数バンドを、モバイル・デバイスのスウォームのために予約するステップを含む。
【0509】
実施例77において、実施例76の対象事項は、モバイル・デバイスのスウォームの第1モバイル・デバイスからスペクトル情報リクエストを受信するステップであって、第1モバイル・デバイスはスウォーム・リーダー・デバイスである、ステップ;及びスペクトル情報リクエストに応じて 周波数マップをスウォーム・リーダー・デバイスへ送信するステップを含む。
【0510】
実施例78において、実施例76~77の対象事項は、受信した周波数割当リクエストに基づいて周波数マップを更新するステップを含む。
【0511】
実施例79において、実施例76~78の対象事項は、スウォームの外にある少なくとも第2モバイル・デバイスから、第2スペクトル割当リクエストを受信するステップ;及び受信した第2スペクトル割当リクエストに基づいて周波数マップを更新するステップを含む。
【0512】
実施例80において、実施例79の対象事項は、第1モバイル・デバイスへの送信のために、第2スペクトル割当リクエストに基づいて、スウォームのために予約された1つ以上の周波数バンドに対するスペクトル割当アップデートをエンコードするステップを含む。
【0513】
実施例81は、セルラー・ネットワークのサービング基地局を動作させる方法であり、本方法は:サービング基地局のセル内の複数のユーザー・デバイス(UE)からトレーニング・データを受信するステップであって、トレーニング・データは、UEロケーション及び対応するセル・ビーム・データを含む、ステップ;トレーニング・データに基づいて、UEロケーションのマップ及び対応するセル・ビーム・データを生成するステップ;複数のUEのうちのUEに送信するためのコンフィギュレーション情報をエンコードするステップであって、コンフィギュレーション情報は、1つ以上のロケーション・ベースのハンドオーバー・トリガを含む、ステップ;コンフィギュレーション情報に応じて受信したメジャーメント・レポート告を評価するステップ;及びメジャーメント・レポートが1つ以上のロケーション・ベースのトリガに関連するハンドオーバー閾値を充足する場合に、UEに送信するためのハンドオーバー・コマンドをエンコードするステップを含む。
【0514】
実施例82において、実施例81の対象事項は以下を含む:1つ以上のロケーション・ベースのトリガは、サービング基地局のセル内の過去のハンドオーバー位置に基づいている。
【0515】
実施例83において、実施例81~82の対象事項は、1つ以上のロケーション・ベースのハンドオーバー・トリガ及び生成されたマップに対してメジャーメント・レポートを評価し、サービング基地局からターゲット基地局へのハンドオーバーを実行するかどうかを決定することを含む。
【0516】
実施例84は、セルラー・ネットワークのサービング基地局を動作させるための方法であり、本方法は:サービング基地局のセル内の複数のユーザー装置(UE)からトレーニング・データを受信するステップであって、トレーニング・データは、UE位置及び対応するセル・ビーム・データを含む、ステップ;トレーニング・データに基づいてUE位置及び対応するセル・ビーム・データのマップを生成するステップ;複数のUEのうちのUEに送信するためのコンフィギュレーション情報をエンコードするステップであって、コンフィギュレーション情報は、1つ以上のロケーション・ベースのハンドオーバー・トリガを含む、ステップ;及びUEからのハンドオーバー・コマンドをデコードするステップであって、ハンドオーバー・コマンドはロケーション・ベース・トリガ及びUEの現在位置に基づいている。
【0517】
実施例85はネットワーク・ノードであり、ネットワーク・ノードは、無線基地局の少なくとも第1移動セル及び第2移動セルに関連付けられた識別情報を記憶するメモリと;メモリに結合された処理回路とを備え、処理回路は:少なくとも第1移動セル及び少なくとも第2移動セルとのシグナリング接続を確立し;第1移動セル及び第2移動セルに関連付けられた1つ以上の信号測定値を受信し;1つ以上の信号測定値に基づいて、第1移動セルの第1の粗い軌道及び第2移動セルの第2の粗い軌道を決定し;第1移動セル及び第2移動セルへそれぞれ送信するために第1の粗い軌道及び第2の粗い軌道をエンコードするように構成される。
【0518】
実施例86において、実施例85の対象事項は以下を含む:第1セルは1つ以上のバックホール移動セルを含み、第2セルは1つ以上のアウター移動セルを含む。
【0519】
実施例87において、実施例86の対象事項は以下を含む:処理回路は:1つ以上のバックホール移動セル内の第1モバイル・デバイスへ送信するために第1の粗い軌道をエンコードするように構成され、第1モバイル・デバイスはバックホール・タスクを実行する。
【0520】
実施例88において、実施例87の対象事項は以下を含む:バックホール・タスクは、データを無線アクセス・ネットワークへ送信することを含む。
【0521】
実施例89において、実施例86~88の対象事項は以下を含む:処理回路は、1つ以上のアウター移動セル内の第2モバイル・デバイスへ送信するために、第2の粗い軌道をエンコードするように構成され、第2モバイル・デバイスはアウター・タスクを実行する。
【0522】
実施例90において、実施例89の対象事項は以下を含む:アウター・タスクは、無線アクセス・ネットワークに送信するために、1つ以上のバックホール移動セルへデータを送信することを含む。
【0523】
実施例91において、実施例85~90の対象事項は以下を含む:1つ以上の信号測定値は、第1及び第2移動セル内のチャネル状態を示す電波環境マップ(REM)を含む。
【0524】
実施例92は、ビーム・スイッチングのための方法であり、本方法は:ユーザー装置において、多数の候補ビームを測定するステップであって、多数の候補ビームは、少なくとも第1ビーム及び第2ビームを含む、ステップと;第1ビームを使用して基地局と通信するステップと;第1ビームを使用する通信の品質が閾値未満に劣化したことを検出するステップと;検出に応答して第2ビームへのビーム・スイッチング・プロセスを実行するステップとを含む。
【0525】
実施例93において、実施例92の対象事項は以下を含む:ビーム・スイッチング・プロセスは、セクタ・レベル掃引(SLS)を実行することを含む。
【0526】
実施例94において、実施例92~93の対象事項は以下を含む:ビーム・スイッチング・プロセスは、バイナリ・サーチを実行することを含む。
【0527】
実施例95において、実施例92~94の対象事項は、基地局において、安定したビームの数に関する識別情報を記憶することを含む。
【0528】
実施例96において、実施例92~95の対象事項は以下を含む。ビーム・スイッチング・プロセスを実行するステップは、アンテナ情報を交換するステップを含む。
【0529】
実施例97は、ハンドオーバーを実行するための方法であり、本方法は:ユーザー装置において、ニュー・ラジオ同期信号(NRSS)を用いて、基地局(BS)における複数の候補ビームを測定するステップと;測定に基づいて、BSの所定数のビームを選択するステップと;BSの第1ビームを使用する通信の品質が閾値を下回ったことを検出するステップと;検出に応答して、所定数のビームのうちのビームに対するビーム・スイッチング・プロセスを実行するステップとを含む。
【0530】
実施例98において、実施例97の対象事項は以下を含む:ハンドオーバーは、セクタ・レベル掃引(SLS)を実行することを含む。
【0531】
実施例99において、実施例97~98の対象事項は以下を含む:ハンドオーバー・プロセスは、バイナリ・サーチを実行することを含む。
【0532】
実施例100において、実施例97~99の対象事項は、gNBにおいて安定したビームの数に関する識別情報を記憶することを含む。
【0533】
実施例101において、実施例97~100の対象事項は以下を含む:ビーム・スイッチング・プロセスを実行することは、アンテナ情報を交換することを含む。
【0534】
実施例102において、実施例97~101の対象事項は、専用のランダム・アクセス・チャネル(RACH)を使用してビームにアクセスすることを含む。
【0535】
実施例103は、ハンドオーバーを実行するための方法であり、本方法は:基地局(BS)のソース・セルを使用して通信するステップと;ソース・セルを利用する通信の品質が閾値を下回って劣化したことを検出するステップと;検出の後に、ハンドオーバー・オペレーションの少なくとも第1部分を実行することを停止するための通知を受信するステップと;ハンドオーバー・オペレーションの少なくとも第1部分を実行することを停止している間に、ターゲット・セルへのハンドオーバー・オペレーションを実行するステップとを含む。
【0536】
実施例104において、実施例103の対象事項は、ソース・セル及びターゲット・セルがBSに属する旨の別の通知を受信することを含む。
【0537】
実施例105において、実施例104の対象事項は以下を含む:他の通知が移動管理装置(MME)から受信される。
【0538】
実施例106において、実施例103~105の対象事項は以下を含む:通知は、無線リソース制御(RRC)シグナリングで受信される。
【0539】
実施例107において、実施例106の対象事項は以下を含む:ハンドオーバー・オペレーションの第1部分は、パケット・データ収束プロトコル(PDCP)をリセットすることを含む。
【0540】
実施例108において、実施例105~107の対象事項は以下を含む:ハンドオーバー・オペレーションの第1部分は、少なくとも1つのセキュリティ・キーを交換することを含む。
【0541】
実施例109は、無線ネットワーク内のハンドオーバーに関して第1モバイル・デバイスを支援する方法であり、本方法は:第1モバイル・デバイスにおいて、無線ネットワークのネットワーク・コントローラからディスパッチ情報(派遣情報)を受信するステップと;ディスパッチ情報に応答してハンドオーバーに関して第2モバイル・デバイスを支援するために移動するステップと;ハンドオーバーに関して第2モバイル・デバイスを支援するステップとを含む。
【0542】
実施例110において、実施例109の対象事項は以下を含む:ディスパッチ情報は、第2モバイル・デバイスの位置及び軌道情報を含む。
【0543】
実施例111において、実施例109~110の対象事項は、第2モバイル・デバイスの移動を追跡し、第2モバイル・デバイスと無線ネットワークの1つ以上の基地局との接続を維持することを含む。
【0544】
実施例112において、実施例109~111の対象事項は以下を含む:ハンドオーバーに関して第2モバイル・デバイスを支援することは、第2モバイル・デバイスと1つ以上の基地局との間でメッセージを中継することを含む。
【0545】
実施例113において、実施例112の対象事項は以下を含む:1つ以上の基地局は、第2モバイル・デバイスのサービング基地局と、第2モバイル・デバイスのターゲット基地局とを含む。
【0546】
実施例114は、モバイル・クラウド・ユニット(MCU)として動作するように構成された無線通信デバイスであり、本装置は処理回路とメモリとを含み、処理回路は:第1通信インターフェースを介して分散型クラウド管理機能(DCM)との無線通信リンクを確立し;DCM機能へ送信し、モバイル・クラウド・ユニット(MCU)として動作する無線通信デバイスの能力を登録するために、能力情報をエンコードし;DCM機能からのシグナリングにおいて受信されたコンフィギュレーション情報をデコードし、コンフィギュレーション情報はMCUのスウォームの形成を設定し、MCUのスウォームは、無線通信デバイス及び1つ又は複数の追加の無線通信デバイスを含み、1つ以上の追加の無線通信デバイスの各々は、追加のMCUとして構成され、メモリは能力情報を格納するように構成される。
【0547】
実施例115において、実施例114の対象事項は以下を含む:処理回路は、DCM機能からのシグナリングで受信したトリガ情報をデコードし(トリガ情報はコンフィギュレーション情報に従ってMCUのスウォームのフォーメーションを示す);第2通信インターフェース上でブロードキャストするためにグループ通知シグナリングをエンコードし(グループ通知シグナリングは無線通信デバイスと1つ以上の追加MCUとの間の第2通信インターフェース上で通信リンクを確立するために通知する);同期シグナリングを第2通信インターフェース上で1つ以上の追加のMCUと交換する(同期シグナリングは、無線通信デバイスと1つ以上の追加MCUとの間の通信を同期させる)。
【0548】
実施例116において、実施例115の対象事項は以下を含む:MCUのスウォームは、無線ネットワーク内を移動するドローンのスウォームであり、無線通信デバイスはドローンであり、1つ以上の追加MCUの各々は追加のドローンである。
【0549】
実施例117において、実施例115~116の対象事項は以下を含む:第1通信インターフェースは、制御シグナリング及びバックホール・シグナリングの伝送のために構成されている。
【0550】
実施例118において、実施例115~117の対象事項は以下を含む:第2通信インターフェースは、スウォームの2つ以上のMCU間の通信のために構成されている。
【0551】
実施例119において、実施例115~118の対象事項は以下を含む:処理回路は、ユーザー装置(UE)と無線通信するように無線通信デバイスを設定するように構成される。
【0552】
実施例120において、実施例115~119の対象事項は以下を含む:スウォームのMCUの各々は、複数のUEのうちの個々のユーザー装置(UE)と無線で通信するように構成される。
【0553】
実施例121において、実施例115~120の対象事項は以下を含む:スウォームの全てのMCUは、単一のユーザー装置(UE)と無線通信するように設定される。
【0554】
実施例122は、ハンドオーバーを実行するための方法であり、本方法は:ユーザー装置(UE)により、第1モバイル・クラウド・ユニット(MCU)と通信するステップであって、第1MCUはMCUの第1スウォームのメンバーである、ステップと;第1MCUへの接続の信号品質が閾値未満に劣化したことを検出するステップと;検出に応答して、複数のMCUを含む第2スウォームのうちの第1MCUへのハンドオーバーをトリガするステップとを含む。
【0555】
実施例123において、実施例122の対象事項は以下を含む:第1スウォームのうちの少なくとも1つのMCUは、第2スウォームへのハンドオーバー・プロセスの実行中に、UEとの通信を維持する。
【0556】
実施例124において、実施例123の対象事項は以下を含む:第1スウォーム及び第2スウォームのそれぞれの少なくとも1つのMCUは、ハンドオーバー・プロセスの実行中に、地理的位置を適合させる。
【0557】
実施例125において、実施例122~124の対象事項は以下を含む:通信は2つ以上のユーザー装置(UE)のグループによって実行され、ハンドオーバーはグループ中の複数のUEに対して実行される。
【0558】
実施例126において、実施例122~125の対象事項は、第1基地局との通信が閾値未満に劣化したことを検出するステップと;検出に応答して第2基地局へのMCU支援ハンドオーバーをトリガするステップとを含む。
【0559】
実施例127は、無線ネットワークにおける通信方法であり、本方法は:ネットワーク・トラフィックのストリームを受信するステップと;ストリームのトラフィック・タイプを識別するステップと;ネットワーク要素を識別してストリームを処理するために情報をストリームに挿入するステップとを含む。
【0560】
実施例128において、実施例127の対象事項は、トラフィック・タイプに基づいて、変調及び符号化方式(MCS)を適合させることを含む。
【0561】
実施例129では、実施例127~128の対象事項は以下を含む:ネットワーク要素は、移動度管理装置(MME)、トランスポート・ネットワーク・レイヤ(TNL)要素のうちの1つ以上を含む。
【0562】
実施例130において、実施例127~129の対象事項は以下を含む:ストリームのトラフィック・タイプを識別することは、トラフィック・タイプ識別・機械学習アルゴリズムを実行することを含む。
【0563】
実施例131において、実施例130の対象事項は以下を含む:トラフィック・タイプ識別・機械学習アルゴリズムは、ユーザー装置の位置情報、アカウント情報、移動方向、履歴情報、及び識別情報のうちの少なくとも1つを入力として有する。
【0564】
実施例132は、処理回路によって実行されると、実施例1~131のうちの何れかを実現するための動作を処理回路に実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0565】
実施例133は、実施例1~131のうちの何れかを実現する手段を含む装置である。
【0566】
実施例134は、実施例1~131のうちの何れかを実現するシステムである。
【0567】
実施例135は、実施例1~131のうちの何れかを実現する方法である。
【0568】
特定の例示的な態様を参照して態様が説明されてきたたが、本開示のより広範囲に及ぶ目的から逸脱することなく、これらの態様に対して種々の修正及び変更が施され得ることは明らかであろう。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的なものと解釈されるべきである。本願の一部を構成する添付の図面は、限定ではなく例示的に、対象事項が実施され得る特定の態様を示す。図示された態様は、本願に開示された教示を当業者が実施することを可能にするの程度に十分に詳細に説明されている。他の態様が使用され及びそれらから導出される可能性があり、そのため、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更が行われる可能性がある。従って、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、種々の態様の範囲は、添付の請求項によってのみ、そのような請求項に認められる均等物の完全な範囲とともに、種々の態様の範囲が決定される。
【0569】
発明の対象事項のこのような態様は、単に便宜的な目的で、及び事実上複数が開示されている場合に、本願の範囲を何らかの単一の態様又は発明概念に自発的に限定する意図なしに、本明細書において個別に及び/又は集合的に言及される可能性がある。従って、本願で特定の態様が図示及び説明されているが、同一の目的を達成するように計画された何れの配置も、具体的に示された態様と置換されてもよいことが理解されるべきである。本開示は、様々な側面の任意の及び全ての適合性又は変形例をカバーするように意図されている。上記の態様の組み合わせ、及び本願で具体的には記載されていない他の態様は、上記の説明を検討すれば当業者にとって明らかであろう。
【0570】
本開示の要約は、読者が技術的開示の性質の特徴を迅速に把握することを可能にするために提供されている。要約は、特許請求の範囲の目的又は意味を解釈又は限定するためには使用されないであろうという理解のもとで提出されている。更に、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の態様の中で一緒にまとめられていることが分かる。この開示方法は、クレームされた側面が、各クレームにおいて明示的に記載されているよりも多くの特徴を必須とする意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下のクレームが反映しているように、本発明の対象事項は、単一の開示された態様のうちの全ての特徴よりも少ないものの中にある。従って、以下の特許請求の範囲は、それ自体別個の態様として成り立つ各請求項とともに、詳細な説明中に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
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図27A
図27B
図28
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図30
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図34
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図68
図69A
図69B
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