(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】モーター
(51)【国際特許分類】
H02K 3/04 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
H02K3/04 J
(21)【出願番号】P 2020536862
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2018016753
(87)【国際公開番号】W WO2019135549
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0001648
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ウンソン
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/078455(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2849315(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトと結合するローターと、
前記ローターの外側に配置されるステーターと、
前記ステーターの上側に配置されるバスバーと、を含み、
前記バスバーは、前記ステーターのコイルと接続するターミナルを含み、
前記ターミナルは、回路的に分離される第1ターミナルと第2ターミナルを含み、
前記第1ターミナルは、第1中性ターミナルおよび複数の第1上ターミナルを含み、
前記第2ターミナルは、第2中性ターミナルおよび複数の第2上ターミナルを含み、
前記複数の第1上ターミナルのそれぞれの第1曲率中心は、互いに異なるように配置され、
前記複数の第2上ターミナルのそれぞれの第2曲率中心は、互いに異なるように配置され、
前記第1中性ターミナルの曲率中心の位置と前記第2中性ターミナルの曲率中心の位置は、同じであ
り、
前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第1基準線とするとき、
前記第1曲率中心は、前記第1基準線のいずれか一側に配置され、前記第2曲率中心は、前記第1基準線の他の側に配置されるモーター。
【請求項2】
前記第1曲率中心の位置と前記第2曲率中心の位置は、互いに異なる請求項1に記載のモーター。
【請求項3】
前記第1基準線に垂直であり、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第2基準線とするとき、
前記第1曲率中心および前記第2曲率中心は、前記第2基準線のいずれか一側に配置される請求項1に記載のモーター。
【請求項4】
シャフトと、
前記シャフトと結合するローターと、
前記ローターの外側に配置されるステーターと、
前記ステーターの上側に配置されるバスバーと、を含み、
前記バスバーは、前記ステーターのコイルと接続するターミナルを含み、
前記ターミナルは、回路的に分離される第1ターミナルと第2ターミナルを含み、
前記第1ターミナルは、第1中性ターミナルおよび複数の第1上ターミナルを含み、
前記第2ターミナルは、第2中性ターミナルおよび複数の第2上ターミナルを含み、
前記複数の第1上ターミナルのそれぞれの第1曲率中心は、互いに異なるように配置され、
前記複数の第2上ターミナルのそれぞれの第2曲率中心は、互いに異なるように配置され、
前記第1中性ターミナルの曲率中心の位置と前記第2中性ターミナルの曲率中心の位置は、同じであり、
前記第1基準線に垂直であり、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第2基準線とするとき、
前記第1曲率中心は、前記第2基準線のいずれか一側に配置され、前記第2曲率中心は、前記第2基準線の他の側に配置される
、モーター。
【請求項5】
前記第1曲率中心と前記第2曲率中心は、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、回転対称となるように配置される請求項4に記載のモーター。
【請求項6】
前記第1曲率中心と前記第2曲率中心は、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、点対称となるように配置される請求項5に記載のモーター。
【請求項7】
前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれボディーと、前記ボディーから前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準にして半径方向に曲がった突出部を含む請求項1に記載のモーター。
【請求項8】
前記第1中性ターミナルと前記第2中性ターミナルは、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、点対称となるように配置される請求項7に記載のモーター。
【請求項9】
前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれ複層構造であり、
2層部に配置された前記突出部は、1層部に配置された前記ボディーの上側を横切って配置される請求項7に記載のモーター。
【請求項10】
軸方向から見るとき、複数の前記第1上ターミナルのうち、いずれか1つに配置された複数の突出部のうち、いずれか1つは、前記第1中性ターミナルの一側の端部と第2中性ターミナルの一側の端部との間に配置され、
複数の前記第2上ターミナルのうち、いずれか1つに配置された複数の突出部のうち、いずれか1つは、前記第1中性ターミナルの他側の端部と第2中性ターミナルの他側の端部との間に配置される請求項7に記載のモーター。
【請求項11】
前記突出部は、前記ボディーから前記半径方向に延長される第1端部と、前記第1端部から突出し、前記ステーターのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第2端部から分岐し、電源ケーブルと電気的に接続される第3端部を含む請求項7に記載のモーター。
【請求項12】
前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれボディーと、前記ボディーから前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準にして半径方向に曲がった突出部を含み、
前記突出部は、前記ボディーから前記半径方向に延長される第1端部と、前記第1端部から突出し、前記ステーターのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第2端部から分岐し、電源ケーブルと電気的に接続される第3端部を含み、
前記第1上ターミナルの前記第2端部と、前記第2上ターミナルの前記第2端部は、前記第1曲率中心を基準に、回転対称となるように配置される請求項4に記載のモーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電動式操向装置(EPS)は、車両の旋回安全性を保障し、迅速な復元力を提供することにより、運転者に安全な走行が可能となるようにする装置である。このような電動式操向装置は、車速センサー、トルクアングルセンサーおよびトルクセンサーなどで感知した運行条件に応じて、電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)を介してモーターを駆動し、車両の操向軸の駆動を制御する。
【0003】
モーターは、ローターとステーターを含む。ステーターには、コイルが巻かれる。ステーターに巻かれたコイルの接続端は、バスバーと接続され得る。バスバーは、ボディーとターミナルを含む。ターミナルは、コイルの接続端と接続される。そして、ターミナルは、ケーブルを介して外部電源と接続され得る。
【0004】
ターミナルは、U、V、W上の電源が接続される上ターミナルと、上ターミナルを連結する中性ターミナルの組み合わせからからなり得る。このとき、モーターの安全性を確保するために、このような組み合わせのターミナルを2つ配置し、2つのターミナルを回路的に分離させ得る。いずれか1つのターミナルと接続された回路やそれに接続された素子に異常が発生した場合、他の1つのターミナルを介して、モーターの駆動を確保することが可能である。これらの2つのターミナルは、バスバーのボディーから空間的に分離される。
【0005】
但し、ターミナルの接続端が等間隔に配置されるため、様々な形状のターミナルが必要になり得る。ターミナルの形状が様々な場合、金型の数も増加して費用が増加し、材料の損失も大きく、製造工程が複雑化する問題点がある。また、バスバーを射出成形する過程において、2つのターミナルの位置に誤差が発生しやすく、中性ターミナルや上ターミナルの位置が正しいか、目視で確認が難しいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここに、実施例は、前述の問題点を解決するためのものであって、ターミナルの形状を統一し、バスバーの成形過程における、ターミナルの正確な位置を確保し、組立工程を簡素化できるモーターを提供することを解決しようとする課題とする。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、ここで言及しないまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施例は、シャフトと、前記シャフトと結合するローターと、前記ローターの外側に配置されるステーターと、前記ステーターの上側に配置されるバスバーと、を含み、前記バスバーは、前記ステーターのコイルと接続するターミナルを含み、前記ターミナルは、回路的に分離される第1ターミナルと第2ターミナルを含み、前記第1ターミナルは、第1中性ターミナルおよび複数の第1上ターミナルを含み、前記第2ターミナルは、第2中性ターミナルおよび複数の第2上ターミナルを含み、前記複数の第1上ターミナルのそれぞれの第1曲率中心は、互いに異なるように配置され、前記複数の第2上ターミナルのそれぞれの第2曲率中心は、互いに異なるように配置され、前記第1中性ターミナルの曲率中心の位置と前記第2中性ターミナルの曲率中心の位置は、同じであるモーターを提供し得る。
【0009】
好ましくは、前記第1曲率中心の位置と前記第2曲率中心の位置は、互いに異なり得る。
【0010】
好ましくは、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第1基準線とし、前記第1基準線に垂直であり、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第2基準線とするとき、前記第1曲率中心は、前記第1基準線のいずれか一側に配置され、前記第2曲率中心は、前記第1基準線の他の側に配置され、前記第1曲率中心および前記第2曲率中心は、前記第2基準線のいずれか一側に配置され得る。
【0011】
好ましくは、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第1基準線とし、前記第1基準線に垂直であり、前記第1中性ターミナルの曲率中心を通る仮想の線を第2基準線とするとき、前記第1曲率中心は、前記第1基準線のいずれか一側に配置され、前記第2曲率中心は、前記第1基準線の他の側に配置され、前記第1曲率中心は、前記第2基準線のいずれか一側に配置され、前記第2曲率中心は、前記第2基準線の他の側に配置され得る。
【0012】
好ましくは、前記第1曲率中心と前記第2曲率中心は、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、回転対称となるように配置され得る。
【0013】
好ましくは、前記第1曲率中心と前記第2曲率中心は、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、点対称となるように配置され得る。
【0014】
好ましくは、前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれボディーと、前記ボディーから前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準にして半径方向に曲がった突出部を含み得る。
【0015】
好ましくは、前記第1中性ターミナルと前記第2中性ターミナルは、前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準に、点対称となるように配置され得る。
【0016】
好ましくは、前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれ複層構造であり、2層部に配置された前記突出部は、1層部に配置された前記ボディーの上側を横切って配置され得る。
【0017】
好ましくは、軸方向から見るとき、複数の前記第1上ターミナルのうち、いずれか1つに配置された複数の突出部のうち、いずれか1つは、前記第1中性ターミナルの一側の端部と第2中性ターミナルの一側の端部との間に配置され、複数の前記第2上ターミナルのうち、いずれか1つに配置された複数の突出部のうち、いずれか1つは、前記第1中性ターミナルの他側の端部と第2中性ターミナルの他側の端部との間に配置され得る。
【0018】
好ましくは、前記突出部は、前記ボディーから前記半径方向に延長される第1端部と、前記第1端部から突出し、前記ステーターのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第2端部から分岐し、電源ケーブルと電気的に接続される第3端部を含み得る。
【0019】
好ましくは、前記第1上ターミナルおよび前記第2上ターミナルは、それぞれボディーと、前記ボディーから前記第1中性ターミナルの曲率中心を基準にして半径方向に曲がった突出部を含み、前記突出部は、前記ボディーから前記半径方向に延長される第1端部と、前記第1端部から突出し、前記ステーターのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第2端部から分岐し、電源ケーブルと電気的に接続される第3端部を含み、前記第1上ターミナルの前記第2端部と、前記第2上ターミナルの前記第2端部は、前記第1曲率中心を基準に、回転対称となるように配置され得る。
【発明の効果】
【0020】
実施例によると、同じ形状のターミナルを組み合わせて分離した2つの回路にそれぞれ接続されるターミナルを具現することにより、バスバーの成形過程における、ターミナルの正確な位置を確保し、組立工程を簡素化する有利な効果を提供する。
【0021】
実施例によると、複数のターミナルがそれぞれ同じ形状を有していても、ターミナルの突出部を等間隔に配置しやすく、絶縁安全性を高める有利な効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】
図2で示したバスバーのターミナルを示した図面、
【
図8】上ターミナルの突出部の位置を示したターミナルの平面図、
【
図10】
図2で示したバスバーのターミナルの変形例を示した図面、
【
図11】
図10で示したターミナルにおける、回転対称となる第1上ターミナルと第2上ターミナルを示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して具体的に説明する。本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付された図面に係る以下の詳細な説明と好ましい実施例からさらに明らかになるであろう。そして、本発明を説明するにおいて、本発明の要旨を不要に曖昧にし得る、関連する公知の技術についての詳細な説明は省略する。
【0024】
第2、第1のように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利の範囲を逸脱せずに、第2構成要素は、第1構成要素と命名し得、同様に、第1構成要素も第2構成要素と命名し得る。および/またはという用語は、複数の関連記載の項目の組み合わせまたは、複数の関連記載の項目のうち、いずれかの項目を含む。
【0025】
【0026】
図1を参照すると、実施例によるモーターは、シャフト10、ローター20、ステーター30およびバスバー40を含み得る。
【0027】
シャフト10は、ローター20に結合され得る。電流供給を通じてローター20とステーター30に電磁気的相互作用が発生すると、ローター20が回転し、これに連動してシャフト10が回転する。シャフト10は、車両の操向軸と接続され、操向軸に動力を伝達し得る。
【0028】
ローター20は、ステーター30と電気的相互作用を通じて回転する。
【0029】
ローター20は、ローターコアとマグネットを含み得る。ローターコアは、円形の薄い鋼板形の複数のプレートが積層された形状で実施されるか、または1つの筒の形で実施され得る。ローターコアの中心には、シャフト10が結合するホールが配置され得る。ローターコアの外周面には、マグネットをガイドする突起が突出し得る。マグネットは、ローターコアの外周面に付着できる。複数のマグネットは、一定の間隔でローターコアの周りに沿って配置され得る。ローター20は、マグネットを取り囲んでマグネットがローターコアから離脱しないように固定させマグネットの露出を防ぐ缶部材を含み得る。
【0030】
ステーター30は、ローター20と電気的相互作用を誘発するためにコイル31が巻かれ得る。コイル31を巻くためのステーター30の具体的な構成は、次のようである。ステーター30は、複数のティースを含むステーターコアを含み得る。ステーターコアは、環状のヨーク部分が設けられ、ヨークから中心方向にコイルが巻かれるティースが設けられ得る。ティースは、ヨーク部分の外周面に沿って一定の間隔に設けられ得る。一方、ステーターコアは、薄い鋼板形の複数のプレートが相互積層されてなり得る。また、ステーターコアは、複数の分割コアが相互結合されるか、または連結されてなり得る。
【0031】
バスバー40は、ステーター30上に配置され得る。バスバー40は、環状のボディー内部にターミナルを含み得る。そして、バスバー40のターミナルは、U、V、W上の電源と接続される上ターミナルと、上ターミナルを電気的に接続する中性ターミナルを含み得る。
【0032】
ハウジング50は、内部にローター20とステーター30を収容できる。
【0033】
センシングマグネット60は、ローター20と連動するようにシャフト10に結合される。センシングマグネット60は、ローター20の位置を検出するための装置である。
【0034】
印刷回路基板70には、センシングマグネット60の磁気力を感知するセンサーが配置され得る。このとき、センサーは、ホールIC(Hall IC)であり得る。センサーは、センシングマグネット60のN極とS極の変化を感知し、センシングシグナルを生成する。
【0035】
図2は、
図1で示したバスバーを示した斜視図である。
【0036】
図2を参照すると、バスバー40は、ターミナル41とボディー42を含む。ボディー42は、射出成形を通じて形成されたモールド物である。ボディー42は、中心部にホール40aを含む。ターミナル41は、ボディー42の内部に配置され、ターミナル41の端部の一部は、ボディー42から露出するように配置される。ボディー42は、全体的に環状であり得る。ボディー42は、複層構造であり得る。例えば、ボディー42は、1層部42aの上面の一部に2層部42bが積層される形態であり得る。
【0037】
図3は、
図2で示したバスバーのターミナルを示した図面であり、
図4は、
図3で示した中性ターミナルを示した図面であり、
図5は、
図3で示した上ターミナルを示した図面である。
【0038】
図1ないし
図3を参照すると、ターミナル41は、第1ターミナル100と第2ターミナル200を含み得る。第1ターミナル100と第2ターミナル200は、それぞれステーター30のコイル31と接続されるが、回路的に分離される。そして、第1ターミナル100と第2ターミナル200は、空間的に分離されて配置される。
【0039】
第1ターミナル100は、1つの第1中性ターミナル110と、3つの第1上ターミナル120を含み得る。3つの第1上ターミナル120は、3相電源の各相(U、V、W)と接続される。第2ターミナル200も、1つの第2中性ターミナル210と、3つの第2上ターミナル220を含み得る。3つの第2上ターミナル220は、3相電源の各相(U、V、W)と接続される。3つの第1上ターミナル120と3つの第2上ターミナル220は、すべて同じ形状である。したがって、1つの金型で第1、2上ターミナル120、220を製造できる。そして、第1中性ターミナル110と第2中性ターミナル210は、同じ形状である。これも1つの金型で第1、2中性ターミナル110、210を製造できる。このように第1ターミナル100と第2ターミナル200の形状が同じであり、それぞれの上ターミナルの形状がすべて同じであるため、製造工程が単純であり、製造費用が削減される利点がある。
【0040】
図4を参照すると、第1、2中性ターミナル110、210は、それぞれボディー1と突出部2を含み得る。ボディー1と突出部2は、その形状および機能的特性に応じて区分されて説明できるだけであり、互いに上下に連結された1つの部材であり得る。
【0041】
ボディー1は、曲面を有する帯状部材である。第1、2中性ターミナル110、210は、第1、2上ターミナル120、220に比べて相対的に長い。突出部2は、ボディー1からバスバー40の中心(第1中性ターミナル110の曲率中心C0)を中心にして半径方向に延長されて形成される。第1、2中性ターミナル110、210は、それぞれ複層構造であり得る。第1、2中性ターミナル110、210の1層部F1には、ボディー1が位置し得る。第1、2中性ターミナル110、210の2層部F2には、突出部2が位置し得る。これらの突出部2は、ステーター(
図1の30)のコイル(
図1の31)と電気的に接続される。突出部2は、ステーター30のコイル31とフュージング(Fusing)できる。
【0042】
図5を参照すると、第1、2上ターミナル120、220は、それぞれボディー3と突出部4を含み得る。ボディー3と突出部4は、その形状および機能的特性に応じて区分されて説明できるだけであり、互いに上下に連結された1つの部材であり得る。
【0043】
ボディー3は、曲面を有する帯状部材である。第1、2上ターミナル120、220は、第1、2中性ターミナル110、210に比べて相対的に短い。突出部4は、第1端部4aと第2端部4bと、第3端部4cを含み得る。第1端部4aは、ボディー3からバスバー40の中心(第1中性ターミナル110の曲率中心C0)を中心にして半径方向に延長されて形成され得る。第2端部4bは、第1端部4aから突出する。第2端部4bは、先端がホック形に曲がり、ステーター(
図1の30)のコイル(
図1の31)と接続される。第2端部4bは、ステーター(
図1の30)のコイル(
図1の31)とフュージング(Fusing)できる。第3端部4cは、第1端部4aに上側に分岐し得る。第3端部4cは、電源ケーブルと電気的に接続される。第1、2上ターミナル120、220は、それぞれ複層構造であり得る。第1、2上ターミナル120、220の1層部F1には、ボディー3の一部と第2端部4bが位置し得る。第1、2上ターミナル120、220の2層部F2には、ボディー3の一部と第1端部4aが位置し得る。
【0044】
図6は、中性ターミナルの曲率中心を示した図面であり、
図7は、上ターミナルの曲率中心を示した図面である。
【0045】
図6を参照すると、第1、2中性ターミナル110、210の曲率中心C0は、ボディー1の内周面が延長された半径R1を有する仮想の円の中心に相当する。
図7を参照すると、第1、2上ターミナル120、220の第1、2曲率中心C1、C2は、ボディー3の内周面が延長された半径R2を有する仮想の円の中心に相当する。
【0046】
図3ないし
図6を参照すると、第1上ターミナル120の第1曲率中心C1と第2上ターミナル220の第2曲率中心C2が異なる。同時に、第1中性ターミナル110と第2中性ターミナル210は、その曲率中心C0が同じである。そして、第1ターミナル100の3つの第1上ターミナル120A、120B、120Cのそれぞれの曲率中心C1a、C1b、C1cは、互いにその位置が異なる。そして、第2ターミナル200の3つの第2上ターミナル220A、220B、220Cのそれぞれの曲率中心C2a、C2b、C2cも互いにその位置が異なる。これは、同じ形状を有する6つの上ターミナルと同じ形状を有する2つの中性ターミナルのすべての突出部2、4をバスバー40の円周方向と同時に半径方向に整列して配置するためのものである。
【0047】
具体的に、第1、2中性ターミナル110、210の曲率中心C0を通る第1基準線L1を基準に、第1曲率中心C1の位置と第2曲率中心C2の位置は区分できる。例えば、第1基準線L1のいずれか一側には、第1曲率中心C1が位置し、第1基準線L1の他の側には、第2曲率中心C2が位置するように、第1ターミナル100と第2ターミナル200が配置され得る。このとき、3つの第1上ターミナル120A、120B、120Cのそれぞれの曲率中心C1a、C1b、C1cは、互いにその位置が異なる。また、3つの第2上ターミナル220A、220B、220Cのそれぞれの曲率中心C2a、C2b、C2cも互いにその位置が異なる。
【0048】
3つの第1上ターミナル120A、120B、120Cは、曲率半径は同じであるが、曲率中心C1a、C1b、C1cの位置がそれぞれ異なる。3つの第1上ターミナル120A、120B、120Cの突出部4が第1中性ターミナル110の突出部2とバスバー40の円周方向および半径方向に整列するように、それぞれの曲率中心C1a、C1b、C1cの位置が決定される。
【0049】
また、3つの第2上ターミナル220A、220B、220Cも曲率半径は、同じであるが、曲率中心C2a、C2b、C2cの位置がそれぞれ異なる。3つの第2上ターミナル220A、220B、220Cの突出部4が第2中性ターミナル210の突出部2とバスバー40の円周方向および半径方向に整列するように、それぞれの曲率中心C2a、C2b、C2cの位置が決定される。
【0050】
一方、第1中性ターミナル110と第2中性ターミナル210は、第1中性ターミナル110の曲率中心C0を中心にして回転対称となるように配置され得る。例えば、第1中性ターミナル110と第2中性ターミナル210は、第1中性ターミナル110の曲率中心C0を中心にして第1中性ターミナル110と第2中性ターミナル210のうち、いずれか1つが180゜回転し、他の1つに重なるように、点対称となるように配置され得る。
【0051】
図8は、上ターミナルの突出部の位置を示したターミナルの平面図である。
【0052】
図8を参照すると、
図8のA1は、第1中性ターミナル110の一側の端部と第1中性ターミナル110の曲率中心C0を連結する基準線であり、
図8のA2は、第1中性ターミナル110の他側の端部と第1中性ターミナル110の曲率中心C0を連結する基準線である。
【0053】
また、
図8のB1は、第2中性ターミナル210の一側の端部と第1中性ターミナル110の曲率中心C0を連結する基準線であり、
図8のB2は、第2中性ターミナル210の他側の端部と第1中性ターミナル110の曲率中心C0を連結する基準線である。
【0054】
第1上ターミナル120A、120B、120Cの突出部4のうち、いずれか1つ、例えば、第1上ターミナル120A、120B、120Cの突出部4のうち、最外側に配置された突出部4は、バスバー40の円周方向を基準に、A1とB1との間に相当するS1領域に配置され得る。
【0055】
そして、第2上ターミナル220A、220B、220Cの突出部4のうち、いずれか1つ、例えば、第2上ターミナル220A、220B、220Cの突出部4のうち、最外側に配置された突出部4は、バスバー40の円周方向を基準に、A2とB2との間に相当するS2領域に配置され得る。
【0056】
これは、第1、2中性ターミナル110、210の突出部(
図4の2)と第1、2上ターミナル120、220の突出部(
図4の4)をバスバー40の円周方向および半径方向に整列するためのものである。
【0057】
【0058】
図4、
図5および
図9を参照すると、第1上ターミナル120と第2上ターミナル220は、それぞれ複層構造である。第1上ターミナル120を基準に説明すると、次のようである。第1上ターミナル120の2層部F2に配置された突出部4は、他の第1上ターミナル120の1層部F1に配置されたボディー3の上側または、第1中性ターミナル110の1層部F1に配置されたボディー1の上側を横切って配置される。これは、複数の上ターミナル間または、上ターミナルと中性ターミナル間の交差部分で互いに重ならないようにするためである。
【0059】
図10は、
図2で示したバスバーのターミナルの変形例を示した図面である。
【0060】
図10を参照すると、変形例によるターミナル41において、第1、2中性ターミナル110、210の曲率中心C0を通る第1基準線L1を基準に、第1曲率中心C1の位置と第2曲率中心C2の位置は区分できる。例えば、第1基準線L1のいずれか一側には、第1曲率中心C1が位置し、第1基準線L1の他の側には、第2曲率中心C2が位置するように、第1ターミナル100と第2ターミナル200が配置され得る。
【0061】
また、第1、2中性ターミナル110、210の曲率中心C0を通り、第1基準線L1に垂直である第2基準線L2を基準に、第1曲率中心C1の位置と第2曲率中心C2の位置が区分できる。例えば、第2基準線L2のいずれか一側には、第1曲率中心C1が位置し、第2基準線L2の他の側には、第2曲率中心C2が位置するように、第1ターミナル100と第2ターミナル200が配置され得る。
【0062】
このとき、3つの第1上ターミナル120A、120B、120Cのそれぞれの曲率中心C1a、C1b、C1cは、互いにその位置が異なる。また、3つの第2上ターミナル220A、220B、220Cのそれぞれの曲率中心C2a、C2b、C2cも互いにその位置が異なる。
【0063】
そして、第1曲率中心C1と第2曲率中心C2は、第1中性ターミナル110の曲率中心C0を基準に、回転対称となるように配置され得る。例えば、第1曲率中心C1と第2曲率中心C2のうち、いずれか1つが第1中性ターミナル110の曲率中心C0を基準に、180゜回転して他の1つに重なるように、第1曲率中心C1と第2曲率中心C2は、点対称となるように配置され得る。
【0064】
図11は、
図10で示したターミナルにおける、回転対称となる第1上ターミナルと第2上ターミナルを示した図面である。
【0065】
図11を参照すると、変形例によるターミナル41において、第1上ターミナル120と第2上ターミナル220は、第1中性ターミナル110の曲率中心C0を基準に、回転対称となるように配置され得る。例えば、第1上ターミナル120の第2端部4bは、第2上ターミナル220の第2端部4bと回転対称となる。
【0066】
以上、本発明の好ましい1つの実施例によるモーターに関して添付された図面を参照して具体的に説明した。
【0067】
前述した本発明の一実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解されるべきであり、本発明の範囲は、前述した具体的な説明よりも、後述する特許請求の範囲によって表されるであろう。そして、この特許請求の範囲の意味および範囲はもちろん、その等価概念から導出されるすべての変更または変形可能な形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。