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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】界面活性剤供給システム
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/04 20060101AFI20230417BHJP
【FI】
A01M21/04 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020550924
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 GB2018053569
(87)【国際公開番号】W WO2019111022
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】1720478.5
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520206357
【氏名又は名称】ウィーディング テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】バルダッチ-プリンス フランク アーネスト クロード
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトクーム チャールズ ラルフ
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02530158(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0343466(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02845481(EP,A1)
【文献】特表2007-536083(JP,A)
【文献】特表2015-503919(JP,A)
【文献】特開2011-019448(JP,A)
【文献】実開平05-060579(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
A01M 21/00 - 21/04
A47L 11/34
B05B 7/00 - 7/32
B60S 3/00 - 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤を含む温水流を提供するためのシステムであって、
前記システムは、水源と、給水ダクトに沿って水が流れるようにする手段と、給水ダクト内のベンチュリ注入器と、前記給水ダクトの水を加熱するための水加熱器とを有し、前記ベンチュリ注入器は、界面活性剤を供給する入口ダクトと連通し、前記システムは、複数の界面活性剤容器が前記入口ダクトに連通されるように配置された複数の界面活性剤供給ダクトを備え、各界面活性剤供給ダクトは、オン/オフバルブを組み込んだ第1の部分と、流量を制御する逆止弁を組み込んだ第2の部分とを有し、
更に、各界面活性剤容器を内部に取り付けることのできる上部が開口されたチャンバを備え、前記界面活性剤供給ダクトの前記第1の部分は前記上部が開口されたチャンバの底部に取り付けられ、前記上部が開口されたチャンバは、入口及び出口を有し前記上部が開口されたチャンバ内に温水が供給される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
各オン/オフバルブが電気的に制御される弁である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各オン/オフバルブが電磁弁である、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各界面活性剤供給ダクトの前記第1の部分及び前記第2の部分が互いに一体である、
請求項1~3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
各界面活性剤供給ダクトの前記第1の部分及び前記第2の部分が、流体密連結によって連結可能な別体の構成要素である、
請求項1~3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
各界面活性剤供給ダクトの前記第2の部分が、流体密連結によって前記界面活性剤容器に連結可能である、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各逆止弁が、ばね付勢プランジャを備える、
請求項1~6の何れか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記入口ダクトが流路内にオリフィスを組み込み、前記オリフィスが、前記入口ダクトを通る界面活性剤の流速を調節できるように調節可能である、
請求項1~7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記入口ダクトは、前記入口ダクトをり次いで前記ベンチュリ注入器に入る界面活性剤の流量の速度を監視する流量計を備える
請求項1~8の何れか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記オン/オフバルブが電気的に制御される弁であり、異なる界面活性剤容器の使用の間の切替を自動化する、
請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤を含む水流を提供するシステム、より詳細には、ただし限定的ではなく、温水流内へ界面活性剤の導入をすることのできるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水流、特に温水流に界面活性剤を加えることを必要とする多くの状況がある。これは、例えば、加熱された水を使用する車両洗浄システムに関連して適用可能であり、例えば英国特許第2,530,158号明細書で説明さているように界面活性剤を含む温水から生成された泡を使用することによって雑草を枯らす除草システムにも適用できる。このような状況では水の供給は、大量、または実際に、水が水道から直接供給される場合に無限であり、そして、界面活性剤は、典型的には、濃縮溶液として提供され、希釈溶液を生成するように水流に徐々に注入される。界面活性剤は、携帯可能な容器内に提供されてもよく、与えられたサイズの容器では、界面活性剤溶液が濃縮されるほど、界面活性剤の容器の交換が必要となる前に、より多くの水を取扱うことができる。界面活性剤の容器の交換が必要となる前の作動時間は、より大きな容器を設ける、及び/またはこの容器内でより高い界面活性剤濃度を使用することによって増加させることができるが、これらは両者とも、大きな容器は重すぎて便利に取り扱うことができず、また、より濃縮された溶液は、著しく高い粘度のため分配がより困難であるという問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】英国特許第2,530,158号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、界面活性剤を含む水流を提供するためのシステムが提供され、このシステムは、水源と、給水ダクトに沿って水が流れるようにする手段と、給水ダクト内のベンチュリ注入器とを有し、ベンチュリ注入器は、界面活性剤を供給する入口ダクトと連通し、このシステムは、入口ダクトと界面活性剤容器との間で連通する界面活性剤供給ダクトを備え、界面活性剤供給ダクトは、オン/オフバルブを組み込んだ第1の部分と、流量を制御する逆止弁を組み込んだ第2の部分とを有する。
【0005】
オン/オフバルブは、手動弁または、電磁弁などの電気的に制御される弁であるのがよい。界面活性剤を供給する場合、オン/オフバルブはオンのポジションにあり、界面活性剤を界面活性剤容器から供給しない場合、オン/オフバルブ弁はオフのポジションにある。界面活性剤供給ダクトの第2の部分は、流出を防ぐためのばね付勢プランジャを有するのがよい逆止弁を有するが、水供給ダクトに沿って十分な水流が存在する場合、ベンチュリは、入口ダクトでの圧力低下を生成し、オン/オフバルブがオンのポジションにある場合、対応する界面活性剤供給ダクトの圧力低下が生じ、プランジャをばね付勢に逆らって変位させ、これにより逆止弁を開放し、界面活性剤の水流への流入を可能にする。代替的なタイプの逆止弁は、減圧されると流れを許容するが、減圧されないときに流出を防ぐ弾性要素を組み込む。弾性要素は、例えば、フレームに取り付けられたゴム製のスパイダーであるのがよく、スパイダーの中心領域は、開口部を通る流れを妨害する。これらのタイプの逆止弁の各々は、界面活性剤容器が界面活性剤供給ダクトに連結されるまで、界面活性剤容器が逆さにされても界面活性剤容器から流出できないことを確実にする。
【0006】
界面活性剤供給ダクトの第1の部分および第2の部分は、互いに一体であるのがよい。その代わりに、界面活性剤供給ダクトの第1の部分及び第2の部分が、流体密連結によって連結可能な別体の構成要素であってもよく、これは、シールを確実にするために、例えばOリングを用いた、ねじ嵌合、プッシュ嵌合、またはバヨネット連結であってもよい。界面活性剤供給ダクトの第1の部分および第2の部分が別体の構成要素である場合、第2の部分は、界面活性剤容器と一体であってもよく、または流体密連結によって界面活性剤容器に連結されてもよく、流体密連結は、やはりねじ嵌合、プッシュ嵌合、またはバヨネット連結であってもよく、シールを確実にするためにOリングを有してもよい。
【0007】
入口ダクトは、複数の界面活性剤容器が入口ダクトに連結されるように複数の界面活性剤供給ダクトと連通するのが好ましい。
【0008】
例として、各界面活性剤容器は、円筒のネック部を有する剛性あるいは可撓性材料の円筒のまたは長方形の容器であるのがよく、ネック部は初めに蓋で閉じることができる。界面活性剤容器がこのシステムで使用されるとき、蓋は取り外され、逆止弁を有する第2の界面活性剤供給ダクト部分と交換される。逆止弁は、界面活性剤容器が界面活性剤が漏れることなく上下を逆にでき、容器は、次いで、界面活性剤供給ダクトの第1の部分に連結できることを確実にする。逆止弁は、ばね付勢プランジャによって提供されてもよい。
【0009】
各界面活性剤容器は、界面活性剤供給ダクトの第1の部分が、上部が開口されたチャンバの底部に取り付けられた状態で、上部が開口されたチャンバ内に取り付けることができる。上部が開口されたチャンバは、上部が開口されたチャンバ内に温水が供給されるように入口および出口を有するのがよい。したがって、界面活性剤容器の取付け後、界面活性剤容器の内容物の温度が上昇するように界面活性剤容器を少なくとも部分的に温水に少なくとも一定時間浸水させることができる。界面活性剤の温度を上昇させると、その粘度は低下し、したがって、水流中に分配することがより容易になる。このシステムが別の目的のために温水を提供するヒータを有する場合に、界面活性剤容器の内容物を加熱するために温水の利用可能性の利点を容易にする。
【0010】
入口ダクトは、流路内にオリフィスを組み込むのがよく、オリフィスは、入口ダクトを通る界面活性剤の流速が調節できるように調節可能である。例えば、異なるサイズの複数のオリフィスを形成する可動オリフィスプレートが存在してもよく、したがって、異なるオリフィスを露出させるようにバルブプレートを移動させることによって、オリフィスのサイズを変更してもよい。
【0011】
このシステムは、入口ダクトなどを通ってベンチュリ注入器に入る界面活性剤の流速を監視する流量計を備えるのがよい。これは、システムが容器内に残る界面活性剤の量を自動的に監視することを可能にするのがよい。このシステムが複数の界面活性剤容器と連通する入口ダクトを備える場合、全てのオン/オフバルブは、オンのポジションにある1つを除いてオフのポジションになることができ、流量計からの流量データの累積に基づき、その1つの容器から流れた合計量が界面活性剤容器の初期容量に達したとき、オン/オフバルブはオフのポジションに切り替えられ、別のオン/オフバルブがオンのポジションに切り替えられる。したがって、このような流量計を設けることによって、異なる界面活性剤容器間の切換を自動化することができる。
【0012】
上部が開口されたチャンバ内に温水を供給するための設備が、システムが界面活性剤で洗い流されるときに利用されてもよいことは理解されるだろう。この場合、上部が開口されたチャンバ内に界面活性剤容器は存在せず、次いで、温水が、上部が開口されたチャンバ内に流入され、オン/オフバルブが開かれる場合、給水ダクトを通る流れは、ベンチュリ注入器に、上部が開口されたチャンバから界面活性剤ダクトの第1の部分及び入口ダクトを通して温水を吸引させ、これにより残りのあらゆる界面活性剤を洗い流す。
【0013】
単なる例示である添付の図面を用いて本発明を更により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】雑草制御装置のフロー図である。
図2図1の装置のための界面活性剤分配器具の斜視図である。
図3図2の界面活性剤分配器具の平面図である。
図4図3の線4-4に沿った断面図である。
図5】界面活性剤容器と界面活性剤流ダクトとの間の連結部を示す図4の図の一部の拡大図の断面図である。
図6】界面活性剤容器と界面活性剤流ダクトとの間の他の連結部の断面図である。
図7図6に示された配置の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は雑草制御装置10のフロー図を多少概略的に示す。まず装置10を概略的にみると、作動中、貯蔵容器18からの界面活性剤または発泡剤が、貯水タンク14からの水へ導入され、次いで、水が水加熱器16によって加熱され、次に分配ランス24へホース22を介して供給される。オペレータが装置10を作動させ、水が十分に熱いと、熱い泡が分配ランス24から生じる。一例として、熱い泡は、分配ランスから生じるとき、摂氏80度を超える温度がよく、好ましくは摂氏90度を超える温度、例えば摂氏96度がよい。熱い泡は、接触した雑草を枯らす。一例では、ホース22を通る水の流れ速度は、少なくとも5リットル/分であり、10リットル/分または15リットル/分、または30リットル/分まででもよい。
【0016】
雑草制御装置10は、マイクロプロセッサであるのがよく、データをセンサから受信し、他の構成要素の作動を制御するコントローラ12の制御で作動する。貯水タンク14は、タンクバルブ31を有する出口ダクト30を備える。水は、ベンチュリ注入器36を介してダクト34に沿って水加熱器16へ水を圧送するポンプ32へ提供される。界面活性剤または発泡剤用の貯蔵容器18は、電磁弁38を有する供給ダクト37を介してベンチュリ注入器36へ連結され、電磁弁38が開放されている限り、水がベンチュリ注入器36を介して圧送され界面活性剤または発泡剤が供給ダクト37を通って吸引され、水と混合される。
【0017】
ベンチュリ注入器36と水加熱器16の間には、ダクト34に連結された圧力逃がしダクト40が存在し、圧力逃がしダクト40には高圧力逃がし弁42が組み込まれ、貯水タンク14へ水を戻す水戻り回路44へ連結されている。水戻り回路44は、ファン26と組み合わせてラジエータ45の形態である熱交換機を有する。高圧力逃し弁42は、水圧が安全限界値(例えば、40bar=40MPa)を超えた場合に開放されるように構成され、圧力を逃がし、過剰な水を水戻し回路44へ戻すことができる。
【0018】
本例では、水加熱器16は、液体燃料タンク47に保存されたディーゼルのような液体燃料によって作動される。液体燃料は、燃料供給ダクト48を介して水加熱器16へ供給される。水加熱器16は、50及び52によって示された2段階で水を加熱する。第1ステージ50は、水の温度が(通常流速度、例えば、10リットル/分または12リットル/分で)摂氏約55度または60度上昇するように構成され、通常作動中連続的に作動する。第2ステージ52は、パルス状態に短時間サイクル、典型的には10秒より短いサイクルで作動する。例えば、時間サイクルが8秒である場合、第2ステージは時間サイクルの分数である時間t1でパルスされる。例えば、4秒(即ち、t1=4秒)でパルスされるのがよい。熱は、液体燃料のバーナーでの燃焼によって発生し、熱は、熱交換ダクトを介して水の流れへと伝達され、その結果、生成された排出ガスは排出管17を介して放出される。これらの2つのステージ50、52は、直列の2つの別体の熱交換ダクトを有しても、2つの別体のバーナーによって加熱される単一の熱交換ダクトで構成されてもよい。
【0019】
加熱された水は、流出ダクト54を通して放出される。コントローラ12は、水温を制御することができ、時間t1が連続可変であるので、例えば、第2ステージ52がオンである時間t1を調節することによって水加熱器16からの出口のところで摂氏102度のほぼ一定の温度を維持する。コントローラ12は、作動中、流入する水の温度に基づいて時間t1が、水加熱器16からの所望排出温度を到達するために必要とされることを確かめ、これは、例えばスタートアップされるときの初期のプリセットとして使用され次いで調整される。
【0020】
流出ダクト54内部は、水加熱器16の出口ポートの温度に応じて起動される制御弁55であり、制御弁55は、温度がプリセット値(例えば摂氏102度)に到達するまで閉じたままである。制御弁55の上流では、圧力逃がしダクト56が流出ダクト54に連結され、圧力逃がしダクト56は中間圧力逃がし弁57を貯水タンク14に戻すように通じている水戻り回路44へ連結されている。中間圧力逃がし弁57は、水圧が通常作動値(例えば、20bar=2.0MPa)を超えた場合に開放されるように構成され、制御弁55が閉じられている間、加熱された水は貯水タンク14に戻ることができる。加えて、以下で詳細に説明するように、流出ダクト54に連結され制御弁60を有する温水供給ダクト58が存在する。
【0021】
制御弁55の下流では、流出ダクト54は、ホース22が巻き付けられるホースリール20に繋がる。ホースリール20の少し上流は、水戻り回路54に連結された圧力逃がしダクト62であり、圧力逃がしダクト62は調整弁63を組み込み、出口ダクト水戻り回路54に連結している。調整弁63は、水圧が例えば12bar(1.2MPa)の通常作動値である限りは、で、流出ダクト54を通って流れる水の10%というような少量の水が圧力逃がしダクト62を通って流れるが、水圧が通常作動圧力を超えると、調整弁63は、流出ダクト54を通る流れのほぼすべてが圧力逃がしダクト62を通って流れるように設定されている。
【0022】
雑草制御装置10は、水を水加熱器16へ供給するダクト34の温度、水加熱器16からの排出口のところの流出ダクト54の温度、水戻り回路44に流入する水の温度、水加熱器16の入口のところのダクト34の圧力、制御弁55の下流の流出ダクト54の圧力などの種々のパラメータのセンサ(図示せず)を有してもよい。さらに、水加熱器16への入口や水戻り回路44のような場所で水流速度を監視するためにフローセンサがあってもよい。したがって、使用中、コントローラ12がセンサからの信号を受信し、ポンプ32、電磁弁38、水加熱器16、制御弁55、ファン46への制御信号を提供する。作動が開始されると、制御弁55は、初めに閉鎖され、水が水加熱器16及び中間圧力逃がし弁57を通ってポンプ32によって循環される。加熱された水が所望の温度に到達したとき、制御弁55が開放され、オペレータによってランス24を介して水を分配することができる。水は、ランス24で空気と混合され、発泡剤の存在により雑草を覆い、枯らす泡を形成する。典型的には、最初に分配されたとき、泡は、少なくとも摂氏90度、例えば、摂氏95度の温度となる。
【0023】
界面活性剤貯蔵容器18に提供される界面活性剤の特性は、用途に応じることは認められるだろう。除草の状況では、界面活性剤は典型的には、粘性の増加に役立ち生じた泡は植物に付着する傾向となる少量のキサンタンガムをとそうでなければ泡の形成を阻害する可能性のあるカルシウムイオンのようなあらゆる高いオンを封鎖状態にするグルタミン酸ベースのキレート剤と、2つの異なるアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、表面を効率的に濡らすより短い鎖長C8~C10と、泡の形成を向上させる広範囲の鎖長のAPG、例えばC8~C14との混合物とを含む水溶液である。適当なAPGは、例えばコグニス(Cognis登録商標)という名称で販売されている。これらの化合物は全て、天然に存在する化合物であるか、または天然に存在する化合物をベースとしており、環境中の微生物によって容易に分解され、したがって汚染を引き起こさない。容器18内の界面活性剤は、粘性溶液の形態であり、ダクト34に沿って流入する水へ流入し希釈される。
【0024】
ここで図2を参照すると、装置10で使用するための界面活性剤分配器具65の斜視図が示され、界面活性剤分配器具65がベンチュリ注入器36に連結され、それぞれに電磁弁38を備える(図4に図示)複数の界面活性剤貯蔵容器18が組み込まれ、本実施形態では、界面活性剤分配器具65が、それぞれの容器が、例えばプラスチックの薄肉可撓性容器である界面活性剤貯蔵容器18を有する。各界面活性剤貯蔵容器18は、例えば、5リットルの容量を有することができる。図3にも示すように、分配器具65は、上部に開口された4つのチャンバ68を形成するように直立の仕切り67によって細分された上部に開口されたほぼ長方形のボックス66を備え、1つの界面活性剤貯蔵容器18が上部が開口された各チャンバ68の内部に配置されている。
【0025】
温水用の入口管70は、上部に近いボックス66の一壁に沿って伸び、それぞれが上部が開口されたチャンバ68の1つと連通している4つのサイドダクト70aを有する。出口ダクト72は、上部が開口されたチャンバ68内部の液体を外に排出させることを可能にする。入口管70及び出口ダクト72は、それぞれ電磁弁71を備える。界面活性剤貯蔵容器18からの界面活性剤は、調節可能なオリフィス73及び流量計74を通って出現し、流量計74は供給ダクト37を介して図1に示すベンチュリ注入器36に連結された出口75を有する。
【0026】
ここで、図4は、界面活性剤分配器具65の断面図を示す。上部が開口されたチャンバ68の各々は、ベースプレート76を有する。ベースプレート76の下方には界面活性剤流入ダクト77があり、一端は閉鎖され他端は調節可能なオリフィス73を介して流量計74に繋がれ、即ち供給ダクト37及び、したがってベンチュリ注入器36に連通している。調整可能なオリフィス73は、回転可能な円板78を組み込み、円板78は、自身の回転軸を中心に配置されたサイズの異なる6つの開口部79(図2に開口部79の一例を図示)を形成し、円板78の回転が異なる開口部79が界面活性剤流入ダクト77と流量計74との間に流入経路の一部を形成させる。
【0027】
上部が開口されたチャンバ68のそれぞれのベースプレート76の中間では、電磁弁38を介して界面活性剤流入ダクト77に繋がる出口ポート80がある。各界面活性剤貯蔵容器18は、ばね付勢プランジャ84を組み込んだインターフェースコネクタ83に連結されたネック82を有する。プランジャ84は、逆止弁として機能し、インターフェースコネクタ83をシールするポジションにばね付勢され、貯蔵容器18からの界面活性剤の貫流を防ぐ。インターフェースコネクタ83は、貯蔵容器18と一体型でもよく、またはその代わりに、蓋を取り外した後にねじ山付きねじ92(図5に図示)によって貯蔵容器18のネック部に連結されてもよい。
【0028】
図5は、開放ポジションの電磁弁38を備える出口ポート80、電磁弁38、インターフェースコネクタ83を拡大して示す。電磁弁38の頂部の真上には、スリーブ87によって固定され、出口ポート80を形成するチューブの周りにはまるフィルタ86があり、スリーブ87はフィルタ86の上方に伸びるより大きな直径の短い部分を有する。インターフェースコネクタ83は、下方端部が閉鎖された内側チューブ90を内部に有する外側チューブ88を有し、外側チューブ88の頂部は、内側チューブ90に固定された内方フランジ89を有する。外側チューブ88の下端はスリーブ87の上方突出部内にはまり、Oリング94によってスリーブ87にシールされている。内側チューブ90は、外側チューブ88の頂部上方に突出し、ねじ山付きねじ92を上端に形成し、それによって貯蔵容器18のネック部に連結され、逆止弁として機能するばね付勢プランジャ84を閉鎖する。内側チューブ90は、その壁の一部分を貫通するスロット95を形成し、スロット95は、内側チューブ90と外側チューブ88との間の環状スペースに連通する。図示されたポジションでは、プランジャ84は、ネック部82の口から離れて下方に吸引しばねを圧縮し、したがって逆止弁が界面活性剤の流出を可能にするように開放される。
【0029】
界面活性剤の温度を監視するための熱電対(図示せず)のような温度センサがあってもよい。このような温度センサは、電磁弁38の上方の出口ポート80内部に配置されるのがよい。
【0030】
したがって、吸引が界面活性剤流入ダクト77に提供された場合、これがプランジャ84を下方に引っ張ることによって逆止弁を開放し、貯蔵容器18からの界面活性剤は内側チューブ89の壁のスロットを介して内側チューブ89の外側に流れ、次いでフィルタ86を通って流れ、したがって電磁弁38を介して界面活性剤出口ダクト77へ流れることができる。しかしながら界面活性剤出口ダクト77内に吸引がない場合には、ばね付勢プランジャ84がバックアップするばねによってネック部の口に対して押しつけられ、逆止弁を閉じ、流れを防ぐ。
【0031】
図3を再度参照すると、上部が開口されたチャンバ68のそれぞれのベースプレート76は、フィルタを備える出口ポート86を更に形成する。全ての出口ポート86は出口ダクト72と連通している。
【0032】
界面活性剤分配器具65は、4つの貯蔵容器18を準備し、これらの蓋を取り外し、インターフェースコネクタ83を蓋の場所に取り付けることによって、組み立てられる。貯蔵容器18は、次いで逆さにされ、上部が開口されたチャンバ68内へ下げられいずれの場合にもインターフェースコネクタ83が出口ポート80と係合される。界面活性剤がダクト34(図1に図示)に沿って水流内に注入されたとき、図4の右側の電磁弁38に示すように電磁弁38の1つが開放される。この場合、ベンチュリ注入器36からの減圧が、ばね付勢プランジャ84をシールされたポジションから吸引し、その結果、貯蔵容器18からの界面活性剤が調節可能なオリフィス73及び流量計74を介してベンチュリ注入器36に吸引される。界面活性剤が貯蔵容器18から吸引されるとき、可撓性の壁は徐々に変形し貯蔵容器18は潰れる。例として、ベンチュリ注入器36内で、水の流路は、例えば、直径9mmから5mmまで減少してもよく、例えば、12リットル/分の水流速度での圧力低下は、約200kPa(2bar)であるのがよく、したがって、これは、界面活性剤の流れを引き起こす吸引圧力である。
【0033】
流量計74からのデータは、コントローラ12に提供され、コントローラ12は、その貯蔵容器18内に残る界面活性剤の量を決定することができる。コントローラ12は、貯蔵容器から流出した界面活性剤の合計量を元の容量と比較する、または流量がゼロになるどちらかによって、貯蔵容器18が空であることを確認したとき、対応する電磁弁38を閉鎖し、次の貯蔵容器18用の電磁弁を開放する。したがって、いつでも1つの貯蔵容器18のみが使用中となる。
【0034】
貯蔵容器18内の界面活性剤が低温すぎ、したがって粘性が高すぎて適切な速度で流れない場合、制御弁60および対応する電磁弁71を開放し温水供給ダクト58(図1に図示)からの温水が入口ダクト70に供給され、温水を上部が開口されたチャンバ68のそれぞれに供給する。温水を供給する電磁弁71は、上部が開放された各チャンバ68が十分に満たされる(例えば、4分の3が満たされる)と閉鎖される。温水は、貯蔵容器18内の界面活性剤を加熱する。コントローラ12によって制御される適当な時間の後、出口ダクト72の電磁弁71が開放され、上部が開口されたチャンバ68から全ての水を排出し、貯水タンク14に戻すのがよい。さらなる加熱が必要な場合、このプロセスを繰り返してもよい。例として、界面活性剤は満足できる流速を達成するために摂氏50度を超える温度である必要があり、供給ダクト58から上部が開口されたチャンバ68へ供給される温水は、摂氏90度より高い温度であるのがよい。
【0035】
使用後、界面活性剤分配器具65は洗い流すことができる。この場合、全ての貯蔵容器18は、全ての電磁弁38が閉鎖された状態で、界面活性剤分配器具65から取り外される。温水入口管70の電磁弁71を開放し、温水供給ダクト58から上部が開放された各チャンバ68に温水を供給し、水が予め設定された水位に達したとき、電磁弁38は全て開放される。水は、ダクト34及びベンチュリ注入器36を通って流れ続けるため、温水は、したがって界面活性剤流入ダクト77、調節可能なオリフィス73、及び流量計74を通って吸引され、これにより、残余のあらゆる界面活性剤を洗い流す。温水は、温水入口管70を通して供給され続け、予め設定された時間の間界面活性剤流入ダクト77から排出されるのがよい。温水入口管70の電磁弁71が閉鎖され、全ての上部が開口されたチャンバ68から水が排出されると、電磁弁38も閉鎖されることができる。これは、界面活性剤が流れた経路全体を洗い流す。
【0036】
この界面活性剤分配器具65は例示のためだけに説明され、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内とどまりながら、種々の方法で変形される場合があることは認められるだろう。例として、容器18は、代替的に、実質的に剛性であってもよく、この場合、各容器18は、容器18が上部に開口されたチャンバ68内に取り付けられたときに最上部の位置に入口弁を備えるのがよく、これにより界面活性剤が分配されるときに空気が容器に流入する。もう1つの例として、容器18は異なる形状であってもよい。界面活性剤分配器具65は、異なる数の上部が開口されたチャンバ68を組み込んでもよく、したがって、異なる数の界面活性剤貯蔵容器18を収容することができる。上部が開口されたチャンバ68、即ち貯蔵容器18の数は、1~10の間が好ましい。
【0037】
図6を参照すると、界面活性剤容器18を電磁弁38を介して界面活性剤流入ダクト77に連結することのできる代替的な配置が示され、図6の特徴は図5で示された特徴と同一の引用番号を有して示されている。容器18のネック部82へは金属リング100(例えば、金属リング100の内側にねじ山付きねじを設けることによって)が連結され、金属リング100は、ネック部82の端部に当接する内側フランジ101を形成する。金属リング100の他端は、内側フランジ101から離れるように間隔を空けた端面を形成する円環キャップ102に圧入され、端面の中心は円環開口部104を形成する。ゴム製のスパイダー106は、外縁が内側フランジ101とキャップ104の間で金属リング100に固定された4つの放射状の脚を有し、スパイダー106の本体はキャップ104に向かって弓型に曲げられ、円環開口部104の縁に対して押しつけられる。したがって、ゴム製のスパイダー106は、このポジションで、円環開口部を介するどの液体の流入も防ぐ。
【0038】
電磁弁38は、界面活性剤流入ダクト77から上方に突出するチューブ内に取り付けられ、フィルタ86を介してベースプレート上方に突出す円筒体延長部109を備えるマウスピース108に繋がっている。ゴム製のスパイダー106を備える金属リング100及びそこのマウスピース108の斜視図である図7に示すように、マウスピース108は、錘台形状の頂部の斜面の周りの5つの穴112で形成される錘台状形状の頂部110を有する。
【0039】
図6では、組立中、界面活性剤容器18がマウスピース108から離れて示されている。界面活性剤容器18が下がるにしたがって、マウスピース108の円筒体延長部109が、円環開口部104にはまり、例えば、バヨネット嵌合またはねじ山付きねじによってそれに固定されるのがよい。同時に、錘台形状の頂部110の中心が、ゴム製のスパイダー106を上方に押し、これにより、円環開口部104はもはやシールされない。したがって、このポジションでは、界面活性剤がゴム製のスパイダー106の脚の間に、次いで円環開口部104を流れ、そして5つの穴112を介して流れ、電磁弁38を介して界面活性剤流入ダクト77に流れる。この流れは、当然、電磁弁38が開放されているときのみ生じ、この流れはベンチュリ注入器36によって生成される吸入がある場合のみもたらされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7