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特許7263411鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法、鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法、および鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法、鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法、および鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/04 20060101AFI20230417BHJP
   B09B 3/65 20220101ALI20230417BHJP
   C12M 1/107 20060101ALN20230417BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20230417BHJP
【FI】
C02F11/04 A ZAB
B09B3/65
C12M1/107
C12M1/34 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021025203
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127198
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2021-05-17
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度国土技術政策総合研究所委託研究、下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)「高濃度消化・省エネ型バイオガス精製による効率的エネルギー利活用技術実証研究」の成果に係る、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】小野田 草介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 航介
(72)【発明者】
【氏名】宮本 博司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朋弘
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-159005(JP,A)
【文献】特開2014-161813(JP,A)
【文献】特開2003-331377(JP,A)
【文献】田島 淳 ほか4名,B-DASHプロジェクト No.31 高濃度消化・省エネ型バイオガス精製による効率的エネルギー利活用技術導入ライン(案),国土技術政策総合研究所資料,No.1139,日本,国土技術政策総合研究所,2020年12月,p. 99, 116-134,ISSN1346-7328
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 35/20
B09B 3/65
C02F 11/04
C12M 1/107
C12M 1/34
G01F 23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板製メタン発酵槽の外側面に設置された温度センサにより、前記外側面の表面温度を測定する温度測定工程と、
前記温度センサの測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された前記温度センサによる計測位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する判断工程と、
を備え、
前記温度測定工程において、前記外側面の第1位置の表面温度、および当該第1位置よりも下方の前記外側面の第2位置の表面温度を前記温度センサで測定し、
前記判断工程において、前記第2位置の表面温度の測定値が、前記第1位置の表面温度の測定値よりも所定の値以上低い場合に、前記第2位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法において、
前記温度測定工程において、前記第1位置および前記第2位置のそれぞれに前記温度センサを取り付けておき、前記第1位置の表面温度および前記第2位置の表面温度を前記温度センサで常時連続測定する、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法。
【請求項3】
請求項1に記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法において、
前記温度センサとして持ち運び可能なポータブル温度計を用い、
前記温度測定工程において、前記第1位置の表面温度および前記第2位置の表面温度を前記ポータブル温度計で測定する、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法において、
前記温度測定工程において、前記鋼板製メタン発酵槽の周方向に沿って前記外側面の複数箇所の表面温度を前記温度センサで測定する、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法において、
前記温度センサとして非接触式温度計を用いる、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法によって検知された堆積物の堆積高さが所定の高さ以上であると推定されたとき、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う堆積物除去工程を備える、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法によって検知された堆積物の体積が前記鋼板製メタン発酵槽の容積の5%以上になったと推定されたとき、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う堆積物除去工程を備える、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法において、
前記堆積物除去工程において、前記鋼板製メタン発酵槽に設けられた撹拌機を通常運転時と逆方向に回転させながら、または前記撹拌機を通常運転時と逆方向に回転させた後、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法において、
前記堆積物除去工程において、前記鋼板製メタン発酵槽内の底部に流体を供給することで、当該流体で前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物を泳動させながら前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法。
【請求項10】
鋼板製メタン発酵槽の外側面に設置され、前記外側面の表面温度を測定する温度センサと、
前記温度センサの測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された前記温度センサによる計測位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する判断部と、
を備え、
前記外側面の第1位置の表面温度、および当該第1位置よりも下方の前記外側面の第2位置の表面温度が前記温度センサで測定され、
前記判断部は、前記第2位置の表面温度の測定値が、前記第1位置の表面温度の測定値よりも所定の値以上低い場合に、前記第2位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する、
鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法、鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法、および鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有機性廃棄物を嫌気環境におき、メタンを生成するメタン発酵技術において、有機性廃棄物に含まれる砂分等のメタン発酵不適物は、分解されず、堆積物としてメタン発酵槽内の底部に堆積する。堆積物量が増大すると、メタン発酵槽内の有効容量が減少しメタン発酵槽の処理能力が低下する。
【0003】
メタン発酵槽内の堆積物を検知する方法として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。その従来技術は、次のようなものである。
【0004】
メタン発酵槽の側面に、底面からの高さが異なるように複数個の堆積物検知用温度計を設置する。また、メタン発酵槽内の発酵液の液温を測定する液温温度計を設置する。堆積物検知用温度計の測定値が液温温度計の測定値よりも低い値となった場合に、堆積物検知用温度計が堆積物に埋もれたと判断することにより、メタン発酵槽内の堆積物の堆積状態を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-159005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法では、メタン発酵槽の内部に温度計の一部を設置するため、その設置・点検の際は、メタン発酵槽の運転を停止し、内部のメタン発酵液を槽外へ排出しなくてはならず、多大な手間とコストがかかる。また、温度計を槽内に設置するため、一度設置場所を決めてしまうと、後からの設置場所変更が容易ではない。設置場所を変更するには、メタン発酵槽の運転停止、およびメタン発酵液の排出が必要となる。堆積物の測定に不適切な場所に温度計を設置してしまった場合、堆積物の検知ができなくなるおそれがある。
【0007】
また、有機性廃棄物に含まれる毛髪等の夾雑物が温度計に引っ掛かり、堆積物の誤検知を引き起こす可能性がある。撹拌などにより槽内を泳動する毛髪等が温度計に絡み付き、これが原因で温度計が示す温度が低下し、その温度計の設置高さまで堆積物が存在すると誤検知される。堆積物の誤検知により、過剰・過少な排出運転を引き起こし、その結果、メタン発酵槽の運転が不調となる懸念がある。
【0008】
本発明の目的は、測定計器の取り扱いが容易で、且つ毛髪等の夾雑物に影響を受けることなくメタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を把握することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知方法は、鋼板製メタン発酵槽の外側面の表面温度を温度センサで測定する温度測定工程と、前記温度センサの測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された前記温度センサによる計測位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する判断工程と、を備える。
【0010】
この構成によると、鋼板製メタン発酵槽の外側面の表面温度を温度センサで測定するので、メタン発酵槽の内部に温度計の一部を設置する場合に比べて、測定計器(温度センサ)の取り扱いが容易である。また、メタン発酵槽内の毛髪等の夾雑物に影響を受けることなく温度測定することができるので、当該夾雑物に影響を受けることなくメタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を把握することができる。夾雑物に起因する堆積物の誤検知を防止することができる。
【0011】
前記温度測定工程において、前記外側面の第1位置の表面温度、および当該第1位置よりも下方の前記外側面の第2位置の表面温度を前記温度センサで測定し、前記判断工程において、前記第2位置の表面温度の測定値が、前記第1位置の表面温度の測定値よりも所定の値以上低い場合に、前記第2位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断してもよい。
【0012】
この構成によると、メタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を容易に把握することができる。
【0013】
また、前記温度測定工程において、前記第1位置および前記第2位置のそれぞれに前記温度センサを取り付けておき、前記第1位置の表面温度および前記第2位置の表面温度を前記温度センサで常時連続測定してもよい。
【0014】
この構成によると、メタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を常時把握することが可能となる。
【0015】
また、前記温度センサとして持ち運び可能なポータブル温度計を用い、前記温度測定工程において、前記第1位置の表面温度および前記第2位置の表面温度を前記ポータブル温度計で測定してもよい。
【0016】
この構成によると、メタン発酵槽の外側面の表面温度を容易に測定することができる。
【0017】
また、前記温度測定工程において、前記鋼板製メタン発酵槽の周方向に沿って前記外側面の複数個所の表面温度を前記温度センサで測定してもよい。
【0018】
この構成によると、メタン発酵槽の周方向における槽内の堆積物の分布を把握することができる。
【0019】
また、前記温度センサとして非接触式温度計を用いてもよい。
【0020】
この構成によると、メタン発酵槽の外側面の表面温度を容易に測定することができる。
【0021】
本発明に係る鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法は、鋼板製メタン発酵槽内の前記堆積物検知方法によって検知された堆積物の堆積高さが所定の高さ以上であると推定されたとき、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う堆積物除去工程を備える。
【0022】
この構成によると、メタン発酵槽内の有効容量が減少することを抑制することができる。
【0023】
本発明に係る鋼板製メタン発酵槽内の堆積物除去方法は、鋼板製メタン発酵槽内の前記堆積物検知方法によって検知された堆積物の体積が前記鋼板製メタン発酵槽の容積の5%以上になったと推定されたとき、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行う堆積物除去工程を備える。
【0024】
この構成によると、メタン発酵槽内の有効容量が減少することを抑制することができる。
【0025】
前記堆積物除去工程において、前記鋼板製メタン発酵槽に設けられた撹拌機を通常運転時と逆方向に回転させながら、または前記撹拌機を通常運転時と逆方向に回転させた後、前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行ってもよい。
【0026】
この構成によると、メタン発酵槽内の堆積物の除去を効率よく行うことができる。
【0027】
また、前記堆積物除去工程において、前記鋼板製メタン発酵槽内の底部に流体を供給することで、当該流体で前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物を泳動させながら前記鋼板製メタン発酵槽内の堆積物の除去を行ってもよい。
【0028】
この構成によると、メタン発酵槽内の堆積物の除去を効率よく行うことができる。
【0029】
本発明に係る鋼板製メタン発酵槽内の堆積物検知システムは、鋼板製メタン発酵槽の外側面の表面温度を測定する温度センサと、前記温度センサの測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された前記温度センサによる計測位置の高さレベル近傍まで前記鋼板製メタン発酵槽内に堆積物が堆積していると判断する判断部と、を備える。
【0030】
この構成によると、鋼板製メタン発酵槽の外側面の表面温度を温度センサで測定するので、メタン発酵槽の内部に温度計の一部を設置する場合に比べて、測定計器(温度センサ)の取り扱いが容易である。また、メタン発酵槽内の毛髪等の夾雑物に影響を受けることなく温度測定することができるので、当該夾雑物に影響を受けることなくメタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を把握することができる。夾雑物に起因する堆積物の誤検知を防止することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、測定計器の取り扱いが容易で、且つ毛髪等の夾雑物に影響を受けることなくメタン発酵槽内の堆積物の堆積状況を把握することができる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】鋼板製メタン発酵槽の一例を示す側面図である。
図2図1に示す鋼板製メタン発酵槽において、堆積物が堆積した状態を示す側面図である。
図3図2に示す鋼板製メタン発酵槽において、加温装置および流体圧入装置の図示を省略した側面図である。
図4図2に示す鋼板製メタン発酵槽において、撹拌機を通常運転時と逆方向に回転させたときの側面図である。
図5図4に示す鋼板製メタン発酵槽において、堆積物を排出した状態を示す側面図である。
図6図3に判断部を追記した図である。
図7】鋼板製メタン発酵槽の外側面の表面温度を実際に測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1は、鋼板製メタン発酵槽1の一例を示す側面図である。鋼板製メタン発酵槽1は、下水汚泥や食品廃棄物などの有機性廃棄物を嫌気性発酵処理するための鋼板製タンクである。以下の説明では、例として、下水汚泥を嫌気性発酵処理するための鋼板製メタン発酵槽1として、すなわち、下水処理場に設置される鋼板製メタン発酵槽1として、鋼板製メタン発酵槽1について説明することとする。
【0035】
鋼板製メタン発酵槽1は、その名称のとおり、鋼板製のメタン発酵槽である。鋼板は、コンクリートよりも熱伝導率が高い。鋼板製メタン発酵槽1には、撹拌機2、加温装置3、排出装置4、および流体圧入装置5が設けられる。
【0036】
鋼板製メタン発酵槽1に投入された汚泥(有機性廃棄物)は、加温装置3により加温されるとともに、撹拌機2により撹拌される。汚泥の嫌気性発酵により発生した消化ガスは、槽頂部から出ていくようにされる。なお、鋼板製メタン発酵槽1への汚泥投入手段、鋼板製メタン発酵槽1からの消化ガス取出手段の図示は省略されている。消化ガスは、メタンが約60容量%、二酸化炭素が約40容量%のガス(バイオガス)である。
【0037】
鋼板製メタン発酵槽1は、低温発酵処理においては温度約20℃で滞留時間30~60日程度、中温発酵処理においては温度約37℃で滞留時間20~30日程度、高温発酵処理においては温度約55℃で滞留時間7~20日程度で運転される。槽内の発酵液の温度は、撹拌機2による発酵液の撹拌によって均一に保たれる。槽内の堆積物S(図2等参照)は、排出装置4によって適時槽外へ引き抜かれる。堆積物Sは、砂分を多く含む汚泥であったり、粘度の高い汚泥であったりする。
【0038】
鋼板製メタン発酵槽1の底などに堆積した堆積物Sの温度は、槽内を上方から下方へ、下方から上方へ撹拌されている発酵液の温度よりも低くなる。
【0039】
鋼板製メタン発酵槽1の形状は、円筒形状であってもよいし、直方体形状などであってもよい。
【0040】
攪拌機2は、鋼板製メタン発酵槽1に投入された汚泥(有機性廃棄物、発酵液)を攪拌するためのものである。本実施形態では、水平方向に回転する2段の羽根2aで汚泥(発酵液)を攪拌する攪拌機とされている。なお、攪拌機は、ドラフトチューブ式の攪拌機であってもよいし、ガス攪拌式の攪拌機であってもよい。攪拌機2は、平面視において鋼板製メタン発酵槽1の中央に配置される。
【0041】
加温装置3は、鋼板製メタン発酵槽1に投入された汚泥(発酵液)を加温するためのものである。加温装置3は、循環ポンプ6と、加温器7(熱交換器)と、汚泥循環配管8とで構成されている。加温器7には、ボイラー(不図示)などの温水源から温水が供給される。循環ポンプ6により鋼板製メタン発酵槽1から引き抜かれた汚泥(発酵液)は、加温器7にて加温された後、鋼板製メタン発酵槽1の上部に戻される。
【0042】
排出装置4は、槽内の堆積物S(図2等参照)などの汚泥を鋼板製メタン発酵槽1の槽外へ排出するためのものである。排出装置4は、引抜ポンプ11と、引抜管12とで構成されている。
【0043】
流体圧入装置5は、鋼板製メタン発酵槽1内の底部に流体を圧入(供給)することで、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sを泳動させるためのものである。流体圧入装置5は、流体供給ポンプ9と、圧入管10とで構成されている。圧入する流体は、原料としての汚泥(有機性廃棄物)、下水処理水などの水、発酵液、消化ガス(バイオガス)などである。なお、液体ではなくガスを圧入(供給)する場合、ポンプに代えて送風機を用いることになる。
【0044】
本実施形態では、鋼板製メタン発酵槽1の槽底部中央(攪拌機2の下方)へ向けて流体が供給されるように、圧入管10の吐出口10aが配置されている。なお、鋼板製メタン発酵槽1内への流体の供給は、槽底部中央(攪拌機2の下方)ではなく、槽底角部であってもよいし、槽底部中央と槽底角部との中途部であってもよい。また、本実施形態では、圧入管10の吐出口10aは一つとされているが、圧入管10を分岐させるなどして吐出口10aが複数とされてもよい。すなわち、鋼板製メタン発酵槽1内の底部への流体の供給は、吐出口一箇所からの流体供給ではなく、複数箇所からの流体供給とされてもよい。
【0045】
ここで、図1の鋼板製メタン発酵槽1の中に図示する矢印は、攪拌機2が通常運転(正回転)の時の鋼板製メタン発酵槽1内の発酵液の流れを示す矢印である。攪拌機2が通常運転の時、槽内の発酵液は、撹拌機2による撹拌によって槽中心部を上方から下方へ流れ(下降し)、槽底部で放射状に広がって反転した後、下方から上方へと流れる(上昇する)。
【0046】
図2に示すように、鋼板製メタン発酵槽1の運転を続けていくと、時間の経過とともに鋼板製メタン発酵槽1の底に堆積物Sが堆積していく。メタン発酵槽の有効容量が堆積物Sによって減少するので、堆積物Sの量が増大するとメタン発酵槽の処理能力が低下する。発酵液は不透明であるため、堆積物Sの堆積状態を目視で確認することはできない。
【0047】
そこで、作業者は、次のようして堆積物Sを検知する。
【0048】
鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を温度センサ14(図3参照)で測定する(温度測定工程)。温度センサ14の測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された温度センサ14による計測位置の高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断する(判断工程)。
【0049】
この方法によると、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を温度センサ14で測定するので、メタン発酵槽の内部に温度計の一部を設置する場合に比べて、測定計器(温度センサ14)の取り扱いが容易である。また、メタン発酵槽内の毛髪等の夾雑物に影響を受けることなく温度測定することができるので、当該夾雑物に影響を受けることなくメタン発酵槽内の堆積物Sの堆積状況を把握することができる。毛髪等の夾雑物に起因する堆積物Sの誤検知を防止できる。
【0050】
前記のとおり、加温装置3で加温される鋼板製メタン発酵槽1内の発酵液の温度は、撹拌機2による撹拌によって均一に保たれる。一方、堆積物Sは特に加温されないため、鋼板製メタン発酵槽1の底などに堆積した堆積物Sの温度は発酵液の温度よりも低くなる。このように発酵液と堆積物Sとには温度差が生じる。この温度差を利用して鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していることを検知する。鋼板製メタン発酵槽1の外側面のうち槽内側壁面に堆積物Sがある部分の表面温度は、流動する発酵液がある部分の表面温度よりも低くなる。
【0051】
一例として、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度の測定位置13a~13fを、図3に例示している。作業者は、例えば、鋼板製メタン発酵槽1の外側面のうちの高い位置(測定位置13a)から、外側面のうちの底部(測定位置13f)に向けて、測定位置13a、測定位置13b、測定位置13c、・・・と、一定間隔で外側面の表面温度を測定する。
【0052】
温度測定に用いる温度センサ14は、例えば、持ち運び可能なポータブル温度計とされる。温度センサ14は、例えば、非接触式温度計である。非接触式温度計として、赤外線温度計がある。なお、温度センサ14として、測温抵抗体などの接触式温度計が用いられてもよい。
【0053】
ここで、例えば、鋼板製メタン発酵槽1の外側面のうちの測定位置13e(第2位置)の表面温度の測定値が、測定位置13eよりも上方の測定位置13d(第1位置)の表面温度の測定値よりも所定の値以上低い場合に、作業者は、測定位置13eの高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断する。所定の値は、1℃、5℃などである。なお、冬場であるか夏場であるか、日向であるか日陰であるか、中温発酵処理であるか高温発酵処理であるかなどの違いにより、発酵液と堆積物Sとの間の温度差の現れ方に違いが生じるので、所定の値は、1℃、5℃に限定されることはない。
【0054】
温度センサ14としてポータブル温度計を用いると、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の測定間隔を自由に変更することができる。測定間隔を自由に変更できることで、温度測定の測定効率を向上させることができるとともに、堆積物Sの検出精度を高めることができる。例えば、測定位置13bのような、この高さレベルまでは堆積物Sが堆積していないであろうと経験から予測される測定位置での測定を作業者は省略することができる。このようにして測定間隔を広げることで、測定位置の数が減少し、測定効率が向上する。一方、堆積物Sが堆積しているかもしれないと予測される測定位置13e付近では、測定間隔を上下方向に密にして(測定間隔を狭めて)、堆積物Sの検出精度を高めることができる。
【0055】
作業者は、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を一定間隔で測定することに代えて、例えば、温度センサ14としてポータブル温度計を用い、測定位置13aから測定位置13fまで、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を連続的に測定してもよい。この場合、赤外線温度計などの非接触式温度計を温度センサ14として用いると、接触式温度計を用いる場合に比べて、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度をより容易に連続的に測定することができる。
【0056】
1台の温度センサ14を用いて上記のように温度測定することに代えて、各測定位置13a~13fに、それぞれ、温度センサ14を取り付けておき、各測定位置13a~13fの表面温度を常時連続測定するようにしてもよい。この構成によると、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの堆積状況を常時把握することが可能となる。
【0057】
なお、堆積物Sを検知するための鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度の測定箇所は、最少で2箇所である。すなわち、鋼板製メタン発酵槽1の外側面のうちの第1位置の表面温度、および当該第1位置よりも下方の外側面の第2位置の表面温度を温度センサ14で測定する。上記第1位置の表面温度および第2位置の表面温度を、1台の温度センサ14(ポータブル温度計)を用いて測定してもよいし、上記第1位置および第2位置のそれぞれに温度センサ14を取り付けておき、各位置の表面温度を常時連続測定するようにしてもよい。
【0058】
前記実施形態では、鋼板製メタン発酵槽1の外側面に関し、槽の上下方向に沿って当該外側面の複数箇所の表面温度を温度センサ14で測定することを説明した。ここで、鋼板製メタン発酵槽1の上下方向(高さ方向)に加えて、または、鋼板製メタン発酵槽1の上下方向(高さ方向)に代えて、鋼板製メタン発酵槽1の周方向に沿って鋼板製メタン発酵槽1の外側面の複数箇所の表面温度を温度センサ14で測定してもよい。温度センサ14の測定値が、所定の値以上低い場合に、その低い温度が検出されたメタン発酵槽の周方向位置において、温度センサ14による計測位置の高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断する。この構成によると、鋼板製メタン発酵槽1の周方向における槽内の堆積物Sの分布を把握することができる。
【0059】
鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去方法について説明する。作業者は、次のようして鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行う。
【0060】
温度センサ14によって検知された堆積物Sの堆積高さが所定の高さ以上であると推定されたとき、鋼板製メタン発酵槽1内の有効容量が減少することを抑制するために、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行う(堆積物除去工程)。例えば、図3において、測定位置13eの高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断されると、これをもって、検知された堆積物Sの堆積高さが所定の高さ以上であると推定し、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行う。
【0061】
図4に示すように、作業者は、撹拌機2を通常運転時と逆方向に回転させる。すると、槽内の発酵液は、逆方向に回転する撹拌機2による撹拌によって、槽中心部を下方から上方へ流れ(上昇し)、槽上部で放射状に広がって反転した後、上方から下方へと流れる(下降する)。発酵液の流れの変化によって、図4に例示するように、堆積物Sの堆積形状が変化する。堆積物Sは、例えば、攪拌機2の下方に山のように集約される。作業者は、撹拌機2を通常運転時と逆方向に回転させながら排出装置4の引抜ポンプ11を動作させることで堆積物Sの除去(引抜)を行う。または、撹拌機2を通常運転時と逆方向に回転させた後、排出装置4の引抜ポンプ11を動作させることで堆積物Sの除去(引抜)を行う。この構成によると、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を効率よく行うことができる。
【0062】
なお、撹拌機2を通常運転時と逆方向に回転させることで、槽底部の堆積物Sが巻き上がる。堆積物Sの巻き上がりによっても堆積物Sの除去(排出)が促進される。
【0063】
図5は、図4に示す鋼板製メタン発酵槽1において、堆積物Sを排出した状態を示す側面図である。図5において、加温装置3および流体圧入装置5の図示は省略されている。図5の状態で、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を測定すると、測定位置13a~13fのいずれにおいても、温度センサ14による表面温度測定値は、ほぼ一定値を示すこととなる。これにより、鋼板製メタン発酵槽1内から堆積物Sが十分除去されていることを確認することができる。
【0064】
なお、撹拌機2を通常運転時と逆方向に回転させることに加えて、鋼板製メタン発酵槽1内の底部に流体を供給することで、当該流体で鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sを泳動させながら鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行ってもよい。流体圧入装置5の流体供給ポンプ9を動作させることで鋼板製メタン発酵槽1内の底部に流体を供給する。
【0065】
撹拌機2の逆転、および流体圧入装置5による槽底部への流体供給の両方を行うことで、より効率よく堆積物Sの除去を行うことができる。また、撹拌機2の逆転時に槽底部へ流体を供給することで、逆転時に不足する撹拌力を補うこともできる。なお、撹拌機2の逆転は行わずに、流体圧入装置5による槽底部への流体供給のみを行って、流体で堆積物Sを泳動させながら堆積物Sの除去(引抜)を行ってもよい。
【0066】
前記では、温度センサ14によって検知された堆積物Sの堆積高さが所定の高さ以上であると推定されたときに、鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行うこととした。これに代えて、温度センサ14によって検知された堆積物Sの体積が鋼板製メタン発酵槽1の容積の5%以上になったと推定されたときに、前記のような方法で鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの除去を行ってもよい。これによると、鋼板製メタン発酵槽1内の有効容量が減少し鋼板製メタン発酵槽1の処理能力が低下することを抑制することができる。堆積物Sの体積は、鋼板製メタン発酵槽1内の底板面から、所定の値以上低い測定値が測定された温度センサ14による計測位置までの高さに鋼板製メタン発酵槽1の底面積を乗じて算出しても良いし、底板面の中心から鋼板製メタン発酵槽1の半径方向に一次関数的に堆積物Sの堆積高さが増加すると仮定して算出しても良い。
【0067】
図6は、温度センサ14の測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定された温度センサ14による計測位置(例えば、測定位置13e)の高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断する判断部15を、図3に追記した図である。
【0068】
鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を測定する温度センサ14と、上記判断部15とで鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sを検知するシステム、すなわち堆積物検知システムが構成される。判断部15は、例えばコンピュータである。
【0069】
温度センサ14の測定値は判断部15に入力される。温度センサ14として、持ち運び可能なポータブル温度計を用いる場合には、温度センサ14の各測定値および対応する各計測位置13a~13fは作業者(人)によって判断部15に入力される。
【0070】
各測定位置13a~13fに、それぞれ、温度センサ14を取り付けておき、各測定位置13a~13fの表面温度を常時連続測定するような場合には、各温度センサ14からの温度測定信号は例えば信号ケーブル(不図示)を介して判断部15に入力される。各測定位置13a~13fの位置情報は作業者(人)によって予め判断部15に入力される。
【0071】
このように、温度センサ14による温度測定、および鋼板製メタン発酵槽1内の堆積物Sの堆積判断(堆積検知)のうちの少なくともいずれかを、作業者(人)ではなくハードウェア(例えばコンピュータ)を用いて行うようにしてもよい。
【0072】
(実施例)
図7は、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を温度センサ14で実際に測定した結果を示すグラフである。
【0073】
鋼板製メタン発酵槽1の基本となる運転をまず説明する。通常運転時(普段は)、図1~3に矢印で示す向きに鋼板製メタン発酵槽1内の発酵液が流動するように攪拌機2は回転される(正回転)。そして、定期的に、攪拌機2は逆回転される。攪拌機2が逆回転されると、図4、5に矢印で示すように鋼板製メタン発酵槽1内の発酵液の流れが変化する。また、定期的に、排出装置4によって堆積物Sを含む汚泥が槽底部より引き抜かれる。なお、攪拌機2を逆回転させたときの1回当たりの逆回転の運転時間は、例えば1時間である。
【0074】
図7の上側に示すグラフは、3日に1回の頻度で攪拌機2を逆回転させているときの鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を温度センサ14で測定した結果を示すグラフである。図7の下側に示すグラフは、攪拌機2の逆回転の頻度を3日に1回から2日に1回に増加させて約2週間経過したときの鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を温度センサ14で測定した結果を示すグラフである。
【0075】
いずれのグラフについても縦軸は、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の槽底からの高さ(mm)である。横軸は、温度(℃)である。鋼板製メタン発酵槽1の外側面の槽底から高さ1700mmの位置における外側面の表面温度との差(℃)を横軸にとっている。
【0076】
作業者は、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を、槽周方向における同じ位置で高さを変えて測定した。具体的には、槽底から1700mm、1600mm、・・・、400mm、300mmと、100mm間隔で高さを変えて測定した。
【0077】
図7の上側に示すグラフからわかるように、逆回転の頻度が3日に1回の場合、槽底から0~1000mmの範囲で明らかな表面温度の低下が確認された。槽底から0~1000mmの範囲で最大で9℃の表面温度の低下が確認された。また、図7の下側に示すグラフからわかるように、逆回転の頻度を2日に1回に変更すると、表面温度の低下領域が縮小した。槽底から0~500mmの範囲で明らかな表面温度の低下が確認された。槽底から0~500mmの範囲で最大で5℃の表面温度の低下が確認された。
【0078】
図7の上側に示すグラフより、例えば、槽底から1000mmぐらいまで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断される。また、図7の下側に示すグラフより、例えば、槽底から400~500mmぐらいまでに堆積物Sの堆積が減少していると判断される。なお、堆積物Sが槽底部に一様に堆積しているのか、または、例えば図2などに示すような形状で堆積物Sが槽底部に堆積しているのかまでは明らかにならないが、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を測定することで、槽内の堆積物Sの堆積程度を把握することができる。
【0079】
上記の結果より、攪拌機2の逆回転の頻度を例えば次のようにする。基本は、3日に1回の頻度で攪拌機2が逆回転するように設定する。そして、槽底から500mm位置の外側面の表面温度が、槽底から1000mm位置の外側面の表面温度に比べて5℃以上低くなった時点で、攪拌機2の逆回転の頻度を2日に1回にする。なお、上記500mm、1000mm、5℃は任意に変更可能である。
【0080】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
【0081】
上記実施形態では、温度センサ14として、ポータブル温度計、測温抵抗体などの接触式温度計などを例示し、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の複数箇所の表面温度をスポット測定(局所測定)することを示した。すなわち、温度センサとして、スポット測定する(局所測定する)タイプの温度センサ14を例示した。これに代えて、温度センサとしてサーモグラフィを用いて、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度を測定してもよい。
【0082】
この場合、鋼板製メタン発酵槽1の外側面の表面温度をサーモグラフィで測定し、サーモグラフィの測定値が、所定の値以上低い場合に、当該所定の値以上低い測定値が測定されたサーモグラフィによる計測位置の高さレベル近傍まで鋼板製メタン発酵槽1内に堆積物Sが堆積していると判断する。
【0083】
流体圧入装置5は省略されてもよい。
【0084】
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行うことは勿論可能である。
【符号の説明】
【0085】
1:鋼板製メタン発酵槽
2:撹拌機
13a~13f:測定位置(表面温度の測定位置)
14:温度センサ
15:判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7