(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】車両体感測定評価方法、装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20230417BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20230417BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
B60W60/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021061452
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】202010431715.8
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】傅軼群
(72)【発明者】
【氏名】李晴宇
(72)【発明者】
【氏名】陶勝召
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110441048(CN,A)
【文献】特開2019-202778(JP,A)
【文献】特開2018-165070(JP,A)
【文献】特開平09-218115(JP,A)
【文献】特開2001-074592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00 - 17/10
B60W 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設置された慣性測定ユニットにより車両の走行中の各時点での角速度及び加速度を測定することと、
前記角速度及び前記加速度の数値変化に基づいて、客観的体感測定評価のための測定期間を確定することと、
予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって前記測定期間内に、
前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する、被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することと、
各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することと、
測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での
、前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する客観的体感測定評価スコアを確定することと、
前記被測定対象の前記現在の体重での
、前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する客観的体感測定評価スコア及び予め確定された、前記車両が前記測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、前記車両が前記測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することと、を含むことを特徴とする車両体感測定評価のための方法。
【請求項2】
前記測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での
、前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する客観的体感測定評価スコアを確定することは、
測定された各測定領域に作用する圧力に基づき、前記被測定対象により
前記測定期間内に各測定領域に作用する圧力の統計値を算出することと、
算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象により
前記測定期間内に各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの統計値を算出することと、
前記圧力の統計値と予め確定された圧力測定評価重み値、及び前記圧力の強さの統計値と予め確定された圧力の強さ
の測定評価重み値に基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコアを算出することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定された各測定領域に作用する圧力に基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の統計値を算出することは、
各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値及び最小値を取得することと、
各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値
及び最小値と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数とに基づき、前記少なくとも1つの圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の平均値を算出することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
【請求項5】
前記算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象
により前記測定期間内に各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの統計値を算出することは、
前記算出された各測定領域に作用する圧力の強さから所定閾値よりも大きい圧力の強さを抽出し、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数を統計することと、
前記所定閾値よりも大きい圧力の強さと、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数に基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの平均値を算出することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
【請求項7】
予め設置された慣性測定ユニットにより車両の走行中の各時点での角速度及び加速度を測定するように構成される第1の測定モジュールと、
前記角速度及び前記加速度の数値変化に基づいて、客観的体感測定評価のための測定期間を確定するように構成される確定モジュールと、
予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって
前記測定期間内に、
前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する、被測定対象
の現在の体重で目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定するように構成される
第2の測定モジュールと、
各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出するように構成される計算モジュールと、
測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での
、前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する客観的体感測定評価スコアを確定するように構成される客観的体感測定評価モジュールと、
前記被測定対象の前記現在の体重での
、前記車両の前記角速度及び前記加速度の数値変化に対応する客観的体感測定評価スコア及び予め確定された前記車両が前記測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、前記車両が前記測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出するように構成される総合的体感測定評価モジュールと、を含むことを特徴とする車両体感測定評価のための装置。
【請求項8】
前記客観的体感測定評価モジュールは、
測定された各測定領域に作用する圧力に基づき、前記被測定対象により
前記測定期間内に各測定領域に作用する圧力の統計値を算出し、
算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象により
前記測定期間内に各測定領域に作用する圧力の強さのうち所定閾値よりも大きい圧力の強さの統計値を算出し、
前記圧力の統計値と予め確定された圧力測定評価重み値、及び前記圧力の強さの統計値と予め確定された圧力の強さ
の測定評価重み値に基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコアを算出する
ように構成されることを特徴とする請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記客観的体感測定評価モジュールは、
各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値及び最小値を取得し、
各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値
及び最小値と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数とに基づき、前記少なくとも1つの圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の平均値を算出する
ように構成されることを特徴とする請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
【請求項11】
前記客観的体感測定評価モジュールは、
前記算出された各測定領域に作用する圧力の強さから所定閾値よりも大きい圧力の強さを抽出し、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数を統計し、
前記所定閾値よりも大きい圧力の強さと、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数に基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの平均値を算出する
ように構成されることを特徴とする請求項
8に記載の装置。
【請求項12】
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続された記憶装置とを備える電子機器であって、
前記記憶装置には、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が格納されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~
6のいずれか1項に記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータ命令が格納されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令
はコンピュータに請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行させるために用いられる
ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると請求項1~
6のいずれか1項に記載の方法が実装されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は人工知能分野に関し、さらに自動運転技術分野、特に車両体感測定評価方法、装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車両はスマート車両であり、ホイール式移動ロボットと呼ばれてもよく、主に車内のコンピュータシステムを主とするスマート運転装置によって自動運転を実現する。自動運転車両の1つの目標は、搭乗者が乗車中に良好な体感を有することである。自動運転の開発及び試験プロセスにおいて、頻繁に搭乗者の車両運転中の体感を測定評価し、それにより車両の計画の改良が必要であるか否かを検証する。したがって、体感測定評価の有効性及び測定評価効率は自動運転の開発に非常に重要である。
【0003】
従来、業界での自動運転の体感測定評価は主に主観的測定評価方法に基づき、測定評価結果は主観的影響を大きく受ける。体感測定評価を行う場合、人間の体感耐性は試験の繰り返しに伴って増加し、測定評価結果の精度が徐々に低下し且つ測定評価結果を定量化することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は車両体感測定評価方法、装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供し、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に体感測定の定量化結果を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本出願は車両体感測定評価方法であって、
車両の走行中に、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって,測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することと、
各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することと、
測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することと、
前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された前記車両が前記測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、前記車両が前記測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することと、を含む車両体感測定評価方法を提供する。
【0006】
第2態様において、本出願は、車両体感測定評価装置であって、
車両の走行中に、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定するように構成される測定モジュールと、
各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出するように構成される計算モジュールと、
測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定するように構成される客観的体感測定評価モジュールと、
前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された前記車両が前記測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、前記車両が前記測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出するように構成される総合的体感測定評価モジュールと、を含む車両体感測定評価装置を提供する。
【0007】
第3態様において、本出願の実施形態は1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置とを備える電子機器であって、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに本出願のいずれかの実施例に記載の車両体感測定評価方法を実現させる、電子機器を提供する。
【0008】
第4態様では、本出願の実施例は、コンピュータプログラムが格納されている記憶媒体であって、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、本出願のいずれかの実施例に記載の車両体感測定評価方法を実現する記憶媒体を提供する。
【0009】
第5態様では、本出願の実施例は、プロセッサにより実行されると、本出願のいずれかの実施例に記載の車両体感測定評価方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【0010】
本出願の技術に基づいて従来技術において評価結果が主観的影響を大きく受け、体感測定評価の精度が低く且つ定量化が困難であるという技術的問題を克服し、本出願により提供される技術的解決手段は、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に体感測定評価の定量化結果を得ることができる。
【0011】
なお、発明の概要に記載された内容は、本開示の実施形態のかなめとなる特徴又は重要な特徴を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定するものでもない。本開示の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は本出願をよりよく理解するために用いられ、本出願を限定するものではない。
【
図1】本出願の実施例1が提供する車両体感測定評価方法の概略フローチャートである。
【
図2】本出願の実施例1が提供する圧力センサユニットの構造概略図である。
【
図3】本出願の実施例2が提供する車両体感測定評価方法のフローチャートである。
【
図4】本出願の実施例3が提供する車両体感測定評価方法のフローチャートである。
【
図5】本出願の実施例3が提供する主観的体感測定評価スコアの分布概略図である。
【
図6】本出願の実施例4が提供する車両体感測定評価装置の構造概略図である。
【
図7】本出願の実施例に係る車両体感測定評価方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は図面を参照して本出願の例示的な実施例を説明し、ここでは理解に役立つため、本出願の実施例の様々な詳細が記載されるが、これらは単なる例示的なものに過ぎない。従って、本出願の範囲および要旨を逸脱しない限り、当業者が本明細書の実施例に対して様々な変更や修正を行うことができることは自明である。なお、以下の説明では、明確化及び簡略化のため、公知の機能及び構成については説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
図1は本出願の実施例1が提供する車両体感測定評価方法のフローチャートであり、該方法は車両体感測定評価装置又は電子機器によって実行されることができ、該装置又は電子機器はソフトウェア及び/又はハードウェアの方式によって実現することができ、該装置又は電子機器はネットワーク通信機能を有する任意のスマートデバイスに統合されることができる。
図1に示すように、車両体感測定評価方法はステップS101~S104を含むことができる。
【0015】
S101、車両の走行中に、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定する。
【0016】
車両は自動運転過程において、発進、走行、駐車の三段階に分けることができ、これらの三段階はさらに細分化することができる。発進段階について、シーンに応じて直進路、カーブ、坂道、追従発進などに分けることができる。走行段階について、自動運転の挙動が多様であるため、以下では簡単から複雑の順に説明し、主な挙動をシーンから抽象化する。簡単な直進路において、自動運転車両はクルーズ走行及び追従走行を行うことができ、それぞれ体感測定評価を行う必要があり、左、右折シーン及びUターンシーンもそれぞれ体感測定評価を行う必要がある。障害物の自動運転車両への影響に対し、単独でスマート障害回避行動を評価する必要があり、連続した車両の流れで割り込みを行う行動を評価する。また、障害物の有無にかかわらず、自動運転車両に車線変更行動が存在する。さらに、道路には様々な交通標識が存在する可能性があり、体感に大きな影響を与えるのはスピードバンプ、止まれ及び徐行の標識などである。駐車段階について、自動運転車両は路側駐車、カーブ駐車、坂道駐車及び追従駐車等のいくつかの状況が存在し、自動駐車機能も相応に考慮する必要がある。上記分析に基づき、具体的には、車両走行中に、不快な体感を引き起こしやすい具体的なシーンは下記表1に示すとおりである。
【0017】
【0018】
上記表1における不快な体感を引き起こしやすい12の運転行為に対して、それぞれ本出願に係る車両体感測定評価方法を採用して各運転行為における各具体的なシーンに対して体感測定評価を行うことができ、自動運転車両の快適性をより正確、公正及び客観的に評価し、同時に、自動運転車両の体感測定評価スコアは自動運転車両の改良の重要な参考にすることができる。
【0019】
本ステップにおいて、車両の走行中に、電子機器は予め設けられた少なくとも1つの圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することができる。本出願における被測定対象は本物の乗客であってもよく、成人の体重に相当する乗客模型であってもよい。乗客模型を被測定対象とする場合、その体重は模型に液体を注入するか又は模型から液体を放出することによって調整することができ、そのため、被測定対象が異なる体重である場合、同様の方法で異なる客観的体感測定評価スコアを算出することができ、それにより被測定対象の異なる体重での客観的体感測定評価スコアの変化曲線を描くことができる。
【0020】
本出願の具体的な実施例において、目標搭載装置は被測定対象が乗車時に着座する、ヘッドレスト、背もたれ、シートクッション及びアームレストといったシートユニットを含むシートであってもよい。そのため、そのうちの一つ又は複数のシートユニットに少なくとも1つの圧力センサユニットを設置してもよく、各シートユニットに少なくとも1つの圧力センサユニットを設置してもよい。ここでは制限しない。
【0021】
本出願の具体的な実施例において、圧力センサユニットは一つの独立した圧力センサであってもよく、一つの圧力センサにおける一つの感知ユニットであってもよい。
図2は本出願の実施例1が提供する圧力センサユニットの構造概略図である。
図2に示すように、本出願はアレイ式圧力センサにおける各感知ユニットを一つの圧力センサユニットとすることができる。アレイ式圧力センサは水平方向及び垂直方向にそれぞれ複数の圧力センサユニットが設けられ、
図1における各小格子は一つの圧力センサユニットを示す。型番がLX210:48.48.02のアレイ式圧力センサを例としたとき、このアレイ式圧力センサにおける各圧力センサユニットの個体サイズは12.7mmであり、感知領域は60.9cm*60.9cmであり、測定できる圧力の強さの範囲は0.07~10.3N/cm
2であり、優れた柔軟性及び耐久性を有する。センサの個体面積が一定であるため、センサにより測定された圧力の強さは人体の受力状況を示すことができる。圧力測定時には、それを車両のシートクッション上に置き、各シーンについて評価するときに対応するセンサ圧力値を記録することができる。
【0022】
S102、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出する。
【0023】
本ステップでは、電子機器は各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することができる。具体的には、各圧力センサユニットはそれに対応する一つの測定領域において被測定対象の該測定領域における圧力を測定することができる。以下の式を利用して被測定対象の該測定領域における圧力によって生成された圧力の強さP=F/Sを算出することができる。ここで、Fは、現在の圧力センサユニットにより測定された、被測定対象の対応する測定領域における圧力を示す。Sは現在の圧力センサの受力面積を示す。Pは、被測定対象の該測定領域における圧力の強さを示す。
【0024】
S103、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定する。
【0025】
本ステップでは、電子機器は測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することができる。具体的には、電子機器は測定された各測定領域に作用する圧力と予め確定された圧力測定評価重み値、及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さと予め確定された圧力の強さ測定評価重み値に基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを算出することができる。
【0026】
S104、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出する。
【0027】
本ステップでは、電子機器は被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することができる。具体的には、電子機器は被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアの統計値を算出し、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアとすることができる。例えば、統計値は、平均二乗偏差または標準偏差などを含むことができる。
【0028】
本出願の実施例が提供する車両体感測定評価方法は、圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することと、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することと、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することと、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された、車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することと、を含む。すなわち、本出願は圧力センサユニットが圧力値を測定するという手段によって被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することができ、このスコアは乗客の主観的感覚に依存せず、車両の乗り心地を客観的に評価することができる。従来の車両体感測定評価方法は、主に主観的測定評価方法に基づくため、測定評価結果は主観的影響を大きく受ける。本出願は、車両走行中に少なくとも1つの圧力センサユニットによって各測定領域における圧力を測定する技術的手段を採用するため、従来技術における体感測定評価の精度が低く且つ定量化が困難であるという技術的問題を克服し、本出願により提供される技術的解決手段は、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に定量化された体感測定評価結果を得ることができ、且つ、本出願の実施例の技術的解決手段は実現しやすく、普及しやすく、適用範囲がより広い。
【実施例2】
【0029】
図3は本出願の実施例2が提供する車両体感測定評価方法のフローチャートである。上記技術的解決手段に基づいてさらに最適化及び拡張し、且つ上記各選択可能な実施例と結合することができる。
図3に示すように、車両体感測定評価方法はステップS301~S307を含むことができる。
【0030】
S301、予め設けられた慣性測定ユニットにより車両の走行中の各時点での加速度を測定する。
【0031】
本ステップにおいて、車両の走行中に、電子機器は、予め設けられた慣性測定ユニットにより車両の走行中の各時点での加速度を測定することができる。慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit、IMUと略称する)は物体の3軸姿勢角(又は角速度)及び加速度を測定する装置である。一般的に、1つのIMUは3つの単軸の加速度計及び3つの単軸のジャイロを含み、加速度計が物体のキャリア座標系における独立した3軸の加速度信号を検出し、ジャイロがキャリアのナビゲーション座標系に対する角速度信号を検出することで、物体の3次元空間における角速度及び加速度を測定し、且つそれにより物体の姿勢を算出する。
【0032】
S302、車両の走行中の各時点での加速度と、予め確定された車両の走行開始時刻及び走行終了時刻とに基づき、少なくとも1つの期間内における各加速度区間に分布する加速度を確定する。
【0033】
本ステップにおいて、電子機器は、車両の走行中の各時点での加速度と、予め確定された車両の走行開始時刻及び走行終了時刻とに基づき、少なくとも1つの期間内における各加速度区間に分布する加速度を確定することができる。具体的には、電子機器は予め確定された車両の走行開始時刻及び走行終了時刻に基づき、車両の走行開始時刻から走行終了時刻までの走行期間を複数の期間に分割し、次に、車両の走行中の各時点での加速度をそれに対応する期間に区分けし、各期間内の加速度に基づき、各期間において各加速度区間内に分布する加速度を確定することができる。ここで、加速度区間の数及び各区間の境界値は予め定義することができる。例えば、加速度区間は、第1区間、第2区間及び第3区間を含み得る。第1区間は0~2m/s2、第2区間は2~4m/s2、第3区間は4~6m/s2である。第1区間における加速度の値が低いため、第1区間を低加速度区間と呼ぶことができる。第2区間における加速度の値が中ぐらいであり、第2区間を中加速度区間と呼ぶことができる。第3区間における加速度の値が高く、第3区間を高加速度区間と呼ぶことができる。本出願における低加速度区間、中加速度区間及び高加速度区間の数はそれぞれ一つであってもよく、複数であってもよい。例を挙げて説明すると、車両の走行開始時刻が0:00、走行終了時刻が1:00であると仮定すると、車両の走行中において、0:00~1:00という走行期間を複数の期間に分けることができる。そのうち、期間の数は車両の走行中における道路状況に応じて確定することができ、各期間の長さは同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、本出願は0:00~1:00という走行期間を第1期間、第2期間及び第3期間の3つの期間に分けることができ、そのうち、第1期間は0:00~0:20、第2期間は0:20~0:40、第3期間は0:40~1:00である。次に各時点における加速度をそれに対応する期間に区分けすることができ、さらに各期間内の加速度に基づき、各期間内における各加速度区間内に分布する加速度を確定する。
【0034】
S303、各期間内における各加速度区間内に分布する加速度に基づき、少なくとも1つの期間のうちの1つの期間を測定期間として確定する。
【0035】
本ステップにおいて、電子機器は、各期間内における各加速度区間に分布する加速度に基づき、少なくとも1つの期間から1つの期間を測定期間として確定することができる。例えば、ある1つまたは複数の高加速度区間に分布する加速度の数が多い場合には、その期間での車両の走行が不安定であることを示すので、測定期間を確定する際に、その期間を除外してもよい。特に、車両の走行中には、車両が凹凸区間を通過すると加速度が急激に変化する傾向があるため、測定期間を確定する際には、加速度が急激に変化する期間を除外する必要がある。
【0036】
S304、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定する。
【0037】
S305、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出する。
【0038】
S306、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定する。
【0039】
S307、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出する。
【0040】
本出願の実施例が提供する車両体感測定評価方法は、圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することと、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することと、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することと、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することと、を含む。すなわち、本出願は圧力センサユニットが圧力値を測定するという手段によって被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することができ、このスコアは乗客の主観的感覚に依存せず、車両の乗り心地を客観的に評価することができる。従来の車両体感測定評価方法は、主に主観的測定評価方法に基づくため、測定評価結果は主観的影響を大きく受ける。本出願は、車両走行中に少なくとも1つの圧力センサユニットによって各測定領域における圧力を測定する技術的手段を採用するため、従来技術における体感測定評価の精度が低く且つ定量化が困難であるという技術的問題を克服し、本出願により提供される技術的解決手段は、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に定量化された体感測定評価結果を得ることができ、且つ、本出願の実施例の技術的解決手段は実現しやすく、普及しやすく、適用範囲がより広い。
【実施例3】
【0041】
図4は、本出願の実施例3が提供する車両体感測定評価方法のフローチャートである。上記技術的解決手段をさらに最適化及び拡張し、且つ上記各選択可能な実施例と結合することができる。
図4に示すように、車両体感測定評価方法はステップS401~S406を含むことができる。
【0042】
S401、車両の走行中に、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定する。
【0043】
S402、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出する。
【0044】
S403、測定された各測定領域に作用する圧力に基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の統計値を算出する。
【0045】
【0046】
【0047】
S404、算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの統計値を算出する。
【0048】
【0049】
【0050】
S405、圧力の統計値と予め確定された圧力測定評価重み値、及び圧力の強さの統計値と予め確定された圧力の強さ測定評価重み値に基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを算出する。
【0051】
S406、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された、車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出する。
【0052】
本出願の具体的な実施例において、各運転行為の各具体的なシーンに対して、同一の主観的スコアリング基準を採用し、快適性の主観的評価を行うことができる。ANSI/SAE J1441標準に基づき、スコア1~4は体感が受け入れできず、自動運転車両の体感関連機能を再設計する必要があることを示す。スコア5~6は体感が受け入れできるが、さらに改良する余地を有することを示す。スコア7点以上は体感に問題がないか又は極めて少なく、乗員の自動運転車両に対する体感要求に達したことを示す。具体的には、主観的体感測定評価スコア及び各スコアに対応する意味及び解釈は以下の表2に示すとおりである。
【0053】
【0054】
図5は本出願の実施例3が提供する主観的体感測定評価スコアの分布概略図である。表1における12個の不快な体感を引き起こしやすい運転行為に対して、それぞれ各運転行為における各具体的なシーンに対して主観的体感測定評価を行うことができる。次に各具体的なシーンにおける体感測定評価スコアを重み付けして総合的主観的体感測定評価スコアを得る。評価が完了した後に
図5に示すレーダチャートを採用して自動運転の快適性に対して全体的な評価を行うことができる。現在の車両の快適性レベルを表現することができ、同時に現在の車両の弱点を直感的に表示することができる。
図5に示すように、該分布概略図は5本の閉曲線を含み、内から外に向かうにつれてこれら5本の閉曲線をそれぞれ曲線1、曲線2、曲線3、曲線4及び曲線5として表記することができる。ここで、曲線1は主観的体感測定評価スコアが2点であることを示す。曲線2は主観的体感測定評価スコアが4点であることを示す。曲線3は主観的体感測定評価スコアが6点であることを示す。曲線4は主観的体感測定評価スコアが8点であることを示す。曲線5は主観的体感測定評価スコアが10点であることを示す。A社が生産した車両とB社が生産した車両に対して、それぞれ発進、追従走行、スピードバンプ通過、駐車、車線変更、クルーズ走行、左右折、Uターン、スマート障害回避、車流に合流、一時停止標識通過、自動駐車などの具体的なシーンで主観的体感測定評価を行い、各具体的なシーンでの主観的体感測定評価スコアを得ることができる。そのうち、A社が生産した車両の主観的体感測定評価スコアは実線で連結される。B社が生産した車両の主観的体感測定評価スコアは破線で連結される。そのため、
図5によってA社とB社が生産した車両の快適性レベルを表現することができ、同時に各車両の弱点を直感的に表現することができる。
【0055】
本出願の実施例が提供する車両体感測定評価方法は、圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定することと、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出することと、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することと、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出することと、を含む。すなわち、本出願は圧力センサユニットが圧力値を測定するという手段によって被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することができ、このスコアは乗客の主観的感覚に依存せず、車両の乗り心地を客観的に評価することができる。従来の車両体感測定評価方法は、主に主観的測定評価方法に基づくため、測定評価結果は主観的影響を大きく受ける。本出願は、車両走行中に少なくとも1つの圧力センサユニットによって各測定領域における圧力を測定する技術的手段を採用するため、従来技術における体感測定評価の精度が低く且つ定量化が困難であるという技術的問題を克服し、本出願により提供される技術的解決手段は、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に定量化した体感測定評価結果を得ることができ、且つ、本出願の実施例の技術的解決手段は実現しやすく、普及しやすく、適用範囲がより広い。
【実施例4】
【0056】
図6は、本出願の実施例4が提供する車両体感測定評価装置の構造概略図である。
図6に示すように、前記装置600は、測定モジュール601、計算モジュール602、客観的体感測定評価モジュール603及び総合的体感測定評価モジュール604を含む。
【0057】
前記測定モジュール601は、車両の走行中に、予め設置された少なくとも1つの圧力センサユニットによって測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定するように構成される。
【0058】
前記計算モジュール602は、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び予め確定された各圧力センサユニットの個体サイズに基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出するように構成される。
【0059】
前記客観的体感測定評価モジュール603は、測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定するように構成される。
【0060】
前記総合的体感測定評価モジュール604は、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された前記車両が前記測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、前記車両が前記測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出するように構成される。
【0061】
さらに、前記客観的体感測定評価モジュール603は、測定された各測定領域に作用する圧力に基づき、前記被測定対象が各測定領域に作用する圧力の統計値を算出し、算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、前記被測定対象が各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの統計値を算出し、前記圧力の統計値と予め確定された圧力測定重み値、及び前記圧力の強さの統計値と予め確定された圧力の強さ測定重み値に基づき、前記被測定対象の前記現在の体重での客観的体感評価スコアを算出するように構成される。
【0062】
さらに、前記客観的体感測定評価モジュール603は、各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値及び最小値を取得し、各圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の最大値および最小値と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数とに基づき、前記少なくとも1つの圧力センサユニットにより前記測定期間内に測定された各測定領域に作用する圧力の平均値を算出するように構成される。
【0063】
【0064】
さらに、前記客観的体感測定評価モジュール603は、前記算出された各測定領域に作用する圧力の強さから所定閾値よりも大きい圧力の強さを抽出し、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数を統計し、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さと、前記所定閾値よりも大きい圧力の強さの数と、予め確定された前記少なくとも1つの圧力センサユニットの数に基づき、前記被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さのうちの所定閾値よりも大きい圧力の強さの平均値を算出するように構成される。
【0065】
【0066】
さらに、前記装置は、確定モジュール(図示せず)をさらに備える。
【0067】
前記測定モジュール601はさらに、予め設置された慣性測定ユニットにより前記車両の走行中の各時点での加速度を測定するように構成される。
【0068】
前記確定モジュール605は、前記車両の走行中の各時点での加速度と、予め確定された前記車両の走行開始時刻及び走行終了時刻とに基づき、少なくとも1つの期間内における各加速度区間に分布する加速度を確定し、各期間内における各加速度区間に分布する加速度に基づき、前記少なくとも1つの期間から、1つの期間を前記測定期間として確定するように構成される。
【0069】
上記車両体感測定評価装置は本出願のいずれかの実施例に提供された方法を実行することができ、方法の実行に対応する機能モジュール及び有益な効果を有する。本実施例において詳しく説明されていない技術の詳細は、本出願のいずれかの実施例が提供する車両体感測定評価方法を参照することができる。
【実施例5】
【0070】
本出願の実施例によれば、さらに電子機器及び可読記憶媒体を提供する。
【0071】
図7に示すように、
図7は本出願の実施例に係る車両体感測定評価方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームおよびその他の適切なコンピュータ等の様々な形態のデジタルコンピュータを表す。また、電子機器は、個人情報端末、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器およびその他の類似するコンピューティングデバイス等の様々な形態のモバイルデバイスを表すことができる。なお、ここで示したコンポーネント、それらの接続関係、およびそれらの機能はあくまでも一例であり、ここで説明および/または要求した本出願の実施例の実現を限定することを意図するものではない。典型的には、本実施例に開示された電子機器は車両、携帯端末、及び車載装置等の装置の一般的な構造を例示的に説明するために用いることができる。
【0072】
図7に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ701、記憶装置702、及び各コンポーネントを接続するためのインタフェース(高速インタフェース及び低速インタフェースを含む)を含む。各コンポーネントは、異なるバスで互いに接続されており、共通のマザーボード上に実装されていてもよいし、必要に応じて他の方式で実装されていてもよい。プロセッサは電子機器内で実行される命令を処理することができ、インタフェースに結合された表示装置等の外部入出力装置にグラフィカルユーザインタフェース(GUI,Graphical User Interface)のグラフィック情報を表示するための命令を、記憶装置内または記憶装置上に格納することを含む。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサおよび/または複数のバスおよび複数の記憶装置を、複数の記憶装置とともに使用することができる。また、複数の電子機器が接続されていてもよく、各機器は、例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群またはマルチプロセッサシステムとして、一部の必要な動作を提供する。
図7では、1つのプロセッサ701を例としている。
【0073】
記憶装置702は、本出願の実施例が提供する非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。ここで、前記記憶装置は、少なくとも1つのプロセッサが実行可能な命令を格納しており、それにより前記少なくとも1つのプロセッサに本出願の実施例が提供する車両体感測定評価方法を実行させる。本出願の実施例の非一時的コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ命令を格納し、該コンピュータ命令はコンピュータに本出願の実施例が提供する車両体感測定評価方法を実行させるために用いられる。
【0074】
記憶装置702は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、非一時的ソフトウェアプログラムや、非一時的コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば本出願の実施例における車両体感測定評価方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、
図6に示す測定モジュール601、計算モジュール602、客観的体感測定評価モジュール603及び総合的体感測定評価モジュール604)を格納するために用いられる。プロセッサ701は、記憶装置702に格納された非一時的ソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、電子機器の各種機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施例における車両体感測定評価方法を実現する。
【0075】
記憶装置702は、オペレーティングシステムや、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを格納可能なプログラム記憶領域と、車両体感測定評価方法に係る電子機器の使用に応じて作成されたデータ等を格納可能なデータ記憶領域とを含んでもよい。また、記憶装置702は高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また非一時的記憶装置(例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス又はその他の非一時的ソリッドステート記憶装置)を含むことができる。いくつかの実施例において、記憶装置702は任意選択でプロセッサ701に対して遠隔に設置された記憶装置を含むことができ、これらのリモート記憶装置はネットワークを介して本実施例の車両体感測定評価方法を実現するための電子機器に接続することができる。上記ネットワークとしては、例えば、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信網及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0076】
本実施例の車両体感測定評価方法を実現するための電子機器は、さらに入力装置703及び出力装置704を含むことができる。プロセッサ701、記憶装置702、入力装置703及び出力装置704は、バス又はその他の方式で接続されていてもよく、
図7ではバスで接続されている例を示している。
【0077】
入力装置703は、入力された数字や文字情報を受信でき、本実施例の車両体感測定評価方法を実現するための電子機器のユーザ設定および機能制御に関するキー信号の入力を生成することができる。入力装置703として、タッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングデバイス、1つまたは複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティック等が例示される測定評価。出力装置704は表示装置、補助照明装置及び触覚フィードバック装置等を含むことができ、そのうち、補助照明装置は例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)であり、触覚フィードバック装置は例えば、振動モータである。該表示装置は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)、LEDディスプレイ及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、表示装置はタッチパネルであってもよい。
【0078】
ここで説明するシステム及び技術の様々な実施形態はデジタル電子回路システム、集積回路システム、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実装され、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて実行及び/又は解釈することができ、該プログラマブルプロセッサは専用又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信することができ、且つデータ及び命令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置及び該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0079】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとも呼ばれ、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、且つ高度プロセス及び/又はオブジェクト指向のプログラミング言語、及び/又はアセンブリ言語/機械言語を利用して実現することができる。ここで、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD))を意味し、機械可読信号である機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意の信号を意味する。
【0080】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明するシステムと技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、陰極線管(Cathode Ray Tube,CRT)またはLCDモニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール)とを備えるコンピュータ上で実現することができ、ユーザが該キーボード及び該ポインティングデバイスを介してコンピュータに入力を提供できる。他の種類の装置もユーザとのインタラクションを提供することに用いることができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックといったいかなる形態のセンシングフィードバックであってもよく、且つ音入力、音声入力、又は触覚入力を含むいかなる形態でユーザからの入力を受信してもよい。
【0081】
ここで説明したシステム及び技術は、バックグラウンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバ))で実施されてもよい。又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)で実施されてもよい。又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)で実施され、ユーザは該グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを介してここで説明したシステム及び技術の実施形態とインタラクションしてもよい。又はこのようなバックグラウンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント又はフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施されてもよい。また、システムの各構成要素間は、通信ネットワーク等の任意の形態または媒体を介してデジタルデータ通信により接続されていてもよい。通信ネットワークとしては、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network,LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network,WAN)およびインターネットなどが挙げられる。
【0082】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含んでもよい。クライアントとサーバは、通常、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションを行う。クライアントとサーバとの関係は、互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムをそれぞれのコンピュータ上で動作させることによって生成される。
【0083】
本出願の実施例の技術案によれば、まず、圧力センサユニットによって、測定期間内に被測定対象の現在の体重により目標搭載装置の各測定領域に作用する圧力を測定する。次に、各圧力センサユニットにより測定された各測定領域における圧力及び圧力センサユニットの個体サイズに基づき、被測定対象により各測定領域に作用する圧力の強さを算出する。さらに測定された各測定領域に作用する圧力及び算出された各測定領域に作用する圧力の強さに基づき、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定する。最後に、被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコア及び予め確定された車両が測定期間内に走行した際の主観的体感測定評価スコアに基づき、車両が測定期間内に走行した際の総合的体感測定評価スコアを算出する。すなわち、本出願は圧力センサユニットが圧力値を測定するという手段によって被測定対象の現在の体重での客観的体感測定評価スコアを確定することができ、このスコアは乗客の主観的感覚に依存せず、車両の乗り心地を客観的に評価することができる。従来の車両体感測定評価方法は、主に主観的測定評価方法に基づくため、測定評価結果は主観的影響を大きく受ける。本出願は、車両走行中に少なくとも1つの圧力センサユニットによって各測定領域における圧力を測定する技術的手段を採用するため、従来技術における体感測定評価の精度が低く且つ定量化が困難であるという技術的問題を克服し、本出願により提供される技術的解決手段は、体感測定評価の正確性を向上させることができ、主観的評価の一面性を低減させ、同時に定量化された体感測定評価結果を得ることができ、且つ、本出願の実施例の技術的解決手段は実現しやすく、普及しやすく、適用範囲がより広い。
【0084】
なお、上述した様々な形態のフローを用いて、ステップを改めて並び替え、追加または削除を行うことができる。例えば、本出願に記載された各ステップは、本出願に開示された技術案の所望の結果が達成できる限り、並行して実行されてもよいし、順序に実行されてもよいし、異なる順番で実行されてもよい。本明細書はここで制限しない。
【0085】
上記具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。設計要件および他の要因に従って、様々な修正、組み合わせ、副次的な組み合わせ、および置換を行うことができることを当業者は理解すべきである。本出願の趣旨および原理を逸脱せずに行われたあらゆる修正、均等置換および改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。