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特許7263433プローブカード装置及びデュアルアームプローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】プローブカード装置及びデュアルアームプローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20230417BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021075606
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2022086975
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】109142031
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517009143
【氏名又は名称】中華精測科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHUNGHWA PRECISION TEST TECH.CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】NO.15,GONGYE 3RD ROAD,PINGJHEN DIST,TAOYUAN CITY 324,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】謝 開傑
(72)【発明者】
【氏名】蘇 偉誌
(72)【発明者】
【氏名】陳 弘明
(72)【発明者】
【氏名】ベル サンカー ラマチャンドラン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2047264(KR,B1)
【文献】米国特許第06530148(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0166541(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0041430(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1172998(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離れて配置される第1の誘導板ユニット及び第2の誘導板ユニットと、
前記第1の誘導板ユニット及び前記第2の誘導板ユニットに貫設する複数のデュアルアームプローブと、
を具備し、
各前記デュアルアームプローブに長さ方向が定義され、かつ、前記長さ方向に沿ってプローブ長を有し、各前記デュアルアームプローブの外面に、前記長さ方向に平行となるお互いに反対側に位置される2つの幅広側面が含まれ、
各前記デュアルアームプローブは、
前記第2の誘導板ユニット側から見て前記第1の誘導板ユニットの外側に位置し、分岐端部開口を有する、分岐端部と、
前記第1の誘導板ユニット側から見て前記第2の誘導板ユニットの外側に位置し、分離可能にテスト対象物に当接するために用いられる、試験端部と、
前記分岐端部に接続され、前記試験端部に向かって延在する第1の接続部と、
前記試験端部に接続され、前記分岐端部に向かって延在する第2の接続部と、
前記第1の接続部と前記第2の接続部を連接する行程部と、
を含み、
各前記デュアルアームプローブには、前記分岐端部開口から前記長さ方向に沿って前記試験端部に向かって2つの前記幅広側面の一方から他方に貫通するスロットが延伸して形成され、このように、各前記デュアルアームプローブは前記スロットを通して、互いの間に所定の距離が設けられる2つの分岐アームが定義され、各前記デュアルアームプローブにおける前記スロットは、前記長さ方向でのスロット長が前記プローブ長の50%~90%であり、複数の前記デュアルアームプローブにおいて、1つの前記デュアルアームプローブの前記距離と、別の1つの前記デュアルアームプローブの前記距離とは異なっており、
前記長さ方向に垂直となる各前記デュアルアームプローブにおける2つの前記分岐アームの断面において、何れか一方の前記分岐アームの断面積は、他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%であり、
複数の前記デュアルアームプローブは、それぞれにおける2つの分岐アームの断面積の総合が、互いに同様となるように構成され、
少なくとも1つの前記デュアルアームプローブでは、前記分岐端部と前記第1の接続部と前記行程部にわたって、2つの前記分岐アームにおける互いに対向する2つの内面における一方の前記内面に、複数のリブが前記長さ方向に間隔をあけて突出するように形成される、
ことを特徴とするプローブカード装置。
【請求項2】
前記第1の誘導板ユニットと前記第2の誘導板ユニットとが互いに斜めに位置がずれている場合、複数の前記リブを有する少なくとも1つの前記デュアルアームプローブでは、その2つの前記分岐アームが少なくとも1つの前記リブを通して互いの間の間隔を保持し、複数の前記リブを有する少なくとも1つの前記デュアルアームプローブにおいて、2つの前記内面における他方の前記内面に、複数の前記リブに対応した少なくとも1つの、位置制限切れ目が凹設され、かつ、少なくとも1つの前記位置制限切れ目の深さは、少なくとも1つの前記リブの高さよりも小さい、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項3】
前記第1の接続は、各前記デュアルアームプローブにおける前記第1の誘導板ユニット内に位置し、前記第2の接続部は、各前記デュアルアームプローブにおける前記第2の誘導板ユニット内に位置し、少なくとも1つの前記デュアルアームプローブにおいて、前記スロットは、前記分岐端部開口から前記第2の接続部まで延在し、前記デュアルアームプローブにおける、前記行程部は、前記第1の誘導板ユニットと前記第2の誘導板ユニットの間に位置し、各前記デュアルアームプローブにおいて、前記行程部の2つの末端部分の前記幅広側面での幅は、2つの前記末端部分の間に位置する前記行程部の主体部分の前記幅広側面での幅よりも大きく、各前記デュアルアームプローブにおける前記外面は、前記長さ方向に平行となるお互いに反対側に位置される2つの幅狭側面を含み、各前記デュアルアームプローブにおいて、何れか一方の前記分岐アームにおける何れか一方の前記幅狭側面の幅は、前記幅広側面での厚さの20%~100%でなる、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項4】
前記プローブカード装置はさらに、前記第1の誘導板ユニットに近接する信号転送板を含み、少なくとも1つの前記デュアルアームプローブにおいて、2つの前記分岐アームを前記長さ方向において異なる長さにすることによって、2つの前記分岐アームは一方の前記分岐アームのみが前記信号転送板に当接することにするか、或いは2つの前記分岐アームを前記長さ方向において同じ長さにして、2つの前記分岐アームが一緒に前記信号転送板に当接するようにする、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項5】
長さ方向が定義され、前記長さ方向にプローブ長を有し、かつ、外面に前記長さ方向に平行となるお互いに反対側に位置される2つの幅広側面が含まれ、
分岐端部開口を有する分岐端部と、
それぞれが両端部に位置し、分離可能にテスト対象物に当接するために用いられる、試験端部と、
前記分岐端部に接続され、前記試験端部に向かって延在する第1の接続部と、
前記試験端部に接続され、前記分岐端部に向かって延在する第2の接続部と、
前記第1の接続部と前記第2の接続部を連接する行程部と、
を含み、
前記分岐端部開口から前記長さ方向に沿って前記試験端部に向かって2つの前記幅広側面の一方から他方に貫通するスロットが延伸して形成されることによって、互いの間に所定の距離が設けられる2つの分岐アームが定義され、かつ、前記スロットが前記長さ方向でのスロット長は、前記プローブ長の50%~90%であり、
前記長さ方向に垂直となる前記2つの分岐アームの断面において、何れか一方の前記分岐アームの断面積は、他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%であり、
前記分岐端部と前記第1の接続部と前記行程部にわたって、2つの前記分岐アームにおける互いに対向する2つの内面における一方の前記内面に、複数のリブが前記長さ方向に間隔をあけて突出するように形成される、
ことを特徴とするデュアルアームプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブカードに関し、特にプローブカード装置及びデュアルアームプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
信号転送板の回路レイアウトに合わせるため、既存のプローブカード装置には、様々な導電性プローブが含まれている。なお、様々な前記導電性プローブの断面積に大きい差異があるため、様々な前記導電性プローブに異なる導電性特性(例えば、抵抗値)及び異なる機械的物性(例えば、圧接力)が持たされるようになっている。
【0003】
そこで、本発明者は、上記の欠点を改善できると考え、科学的な原理を研究・応用し、最終的に本発明の合理的な設計と上記の欠点の効果的な改善を実現しました。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態は、既存の導電性プローブに生じうる欠点を改善するプローブカード装置及びデュアルアームプローブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る実施形態は、互いに離れて配置される第1の誘導板ユニット及び第2の誘導板ユニットと、前記第1の誘導板ユニット及び前記第2の誘導板ユニットに貫設する複数のデュアルアームプローブと、を具備するプローブカード装置を開示する。各前記デュアルアームプローブに長さ方向が定義され、かつ、前記長さ方向に沿ってプローブ長を有し、各前記デュアルアームプローブの外面は、前記長さ方向に平行となるお互いに反対側に位置される2つの幅広側面が含まれる。なかでも、各前記デュアルアームプローブは、前記第2の誘導板ユニット側から見て前記第1の誘導板ユニットの外側に位置し、分岐端部開口を有する分岐端部と、前記第1の誘導板ユニット側から見て前記第2の誘導板ユニットの外側に位置し、分離可能にテスト対象物に当接するための試験端部と、を有する。なかでも、各前記デュアルアームプローブには、前記分岐端部開口から前記長さ方向に沿って前記試験端部に向かって2つの前記幅広側面の一方から他方に貫通するスロットが延伸して形成されることによって、各前記デュアルアームプローブは、前記スロットによって互いの間に特定の距離が設けられる2つの分岐アームが定義される。なかでも、各前記デュアルアームプローブにおける前記スロットは、前記長さ方向でのスロット長は、前記プローブ長の50%~90%であり、複数の前記デュアルアームプローブにおいて、1つの前記デュアルアームプローブの前記距離と、別の1つの前記デュアルアームプローブの前記距離とは異なっている。なかでも、前記長さ方向に垂直となる各前記デュアルアームプローブにおける2つの前記分岐アームの断面において、何れか一方の前記分岐アームの断面積は他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%である。
【0006】
本発明に係る実施形態は、下記のようなデュアルアームプローブを開示している。デュアルアームプローブでは、長さ方向が定義され、前記長さ方向に沿ってプローブ長を有し、かつ、前記デュアルアームプローブの外面に前記長さ方向に平行となる、お互いに反対側に位置される2つの幅広側面を有する。なかでも、前記デュアルアームプローブは、分岐端部開口を有する分岐端部と、テスト対象物に当接するための試験端部とを含む。かつ、前記分岐端部と前記試験端部はそれぞれ前記デュアルアームプローブの両端部に位置する。なかでも、前記デュアルアームプローブは、前記分岐端部開口から前記長さ方向に沿って前記試験端部に向かって2つの前記幅広側面の一方から他方に貫通するスロットが延伸して形成されることによって、前記デュアルアームプローブは、前記スロットによって互いの間に特定の距離が設けられる2つの分岐アームが定義される。なかでも、前記デュアルアームプローブにおける前記スロットの前記長さ方向でのスロット長は、前記プローブ長の50%~90%である。なかでも、前記長さ方向に垂直となる前記デュアルアームプローブにおける2つの分岐アームの断面において、何れか一方の前記分岐アームの断面積は、他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%である。
【発明の効果】
【0007】
上記を纏めて、本発明に係る実施形態に開示されたプローブカード装置に含まれた複数の前記デュアルアームプローブは、同様な構造原理の基に、異なる構造(例えば、複数の前記デュアルアームプローブにおいて、1つの前記デュアルアームプローブの前記距離と、別の1つの他方の前記デュアルアームプローブの前記距離とは異なる)を有することが可能となるため、前記信号転送板のレイアウトに合わせることが可能である。
【0008】
また、本発明に係る実施形態に開示された前記デュアルアームプローブは、2つの前記分岐アームの構造での設計(例えば、何れか一方の前記分岐アームの断面積は、他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%である)を通して、複数の前記デュアルアームプローブに略相似的な導電性特性(例えば、抵抗値)及び略相似的な機械的物性(例えば、圧接力)を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る第1の実施形態のプローブカード装置を示す平面模式図である。
図2図1におけるプローブカード装置において、第1のガイドプレートと第2のガイドプレートが互いに位置がずれた状態を示す平面模式図である。
図3図1におけるデュアルアームプローブを示す斜視模式図である。
図4図1における断面線IV-IVに沿った断面模式図である。
図5】本発明に係る第1の実施形態のデュアルアームプローブの変形例を示す斜視模式図である。
図6図1の部分VIを示す拡大模式図である。
図7図2の部分VIIを示す拡大模式図である。
図8図1の部分VIIIを示す拡大模式図である。
図9】本発明に係る第2の実施形態のデュアルアームプローブを示す斜視模式図である。
図10図9の部分Xを示す拡大模式図である。
図11】本発明に係る第3の実施形態のデュアルアームプローブを示す斜視模式図である。
図12】本発明に係る第3の実施形態のデュアルアームプローブの変形例を示す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0011】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「プローブカード装置及びデュアルアームプローブ」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神を逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0012】
なお、本明細書において「第1」、「第2」、「第3」等の用語で各種の部品又は信号を説明する場合があるが、これらの部品又は信号はこれらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は、主として一つの部品と別の部品、又は一つの信号と別の信号を区分するためのものであることが理解されたい。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
[第1の実施形態]
【0013】
図1図8に示すように、図1図8は、本発明に係る第1の実施形態を示す。図1及び図2に示すように、本実施形態はプローブカード装置1000を開示する。プローブカード装置1000は、プローブヘッド100、及び前記プローブヘッド100の一方側(例えば、図1におけるプローブヘッド100の上方側)に当接する信号転送板200を具備する。かつ、前記プローブヘッド100の他方側(例えば、図1のプローブヘッド100の下方側)ではテスト対象物(device under test,DUT)(図示されないが、例えば、半導体ウェーハである)に当接するために用いられる。
【0014】
なお、前記プローブカード装置1000における各要素の構造及び接続関係をよりはっきりと示すために、本実施形態の理解の便宜上、図面には、前記プローブカード装置1000の局部構造のみが示されていることは説明しておきたい。しかし、本発明は図面の構造に制限されない。次には、前記プローブヘッド100における各要素及びそれらの連接関係を紹介する。
【0015】
図1に示すように、前記プローブヘッド100は、第1の誘導板ユニット1、前記第1の誘導板ユニット1と離れて配置される第2の誘導板ユニット2、前記第1の誘導板ユニット1と第2の誘導板ユニット2との間に挟まれたスペーサー3、及び前記第1の誘導板ユニット1と前記第2の誘導板ユニット2に貫設する複数のデュアルアームプローブ4、を含む。
【0016】
なお、前記デュアルアームプローブ4は、本実施形態では、前記第1の誘導板ユニット1、前記第2の誘導板ユニット2、及び前記スペーサー3と合わせて説明するが、本発明はこの例に制限されないのを説明しておきたい。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記前記デュアルアームプローブ4は独立に適用され、(例えば、販売)、または別の要素と組み合わせて利用されてもよい。
【0017】
本実施形態において、前記第1の誘導板ユニット1が1つの第1のガイドプレートを、前記第2の誘導板ユニット2が1つの第2のガイドプレートを含む。なお、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記第1の誘導板ユニット1が複数の第1のガイドプレート(及び隣り合う2つの前記第1のガイドプレートの間に挟まれたスペーサー)を、前記第2の誘導板ユニット2が複数の第2のガイドプレート(及び隣り合う2つの前記第2のガイドプレートの間に挟まれたスペーサー)を含んでもよい。複数の前記第1のガイドプレートは互いに位置がずれて配置されてもよい。複数の前記第2のガイドプレートが互いに位置がずれて配置されてもよい。前記第1の誘導板ユニット1が前記第2の誘導板ユニット2に対して位置がずれて配置されてもよい。
【0018】
また、前記スペーサー3は環状構造に形成されてもよい。また、前記スペーサー3は、前記第1の誘導板ユニット1及び前記第2の誘導板ユニット2における比較的に外側となる部分に挟持されてもよいが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記プローブカード装置1000における前記スペーサー3は省略、または他の要素によって置き換えられてもよい。
【0019】
なお、複数の前記デュアルアームプローブ4は、本実施形態では、少なくとも2種類の異なる構造を有するが、少なくとも2種類の前記デュアルアームプローブ4の構造原理はほぼ同様であるため、説明の便宜上、次は1つの前記デュアルアームプローブ4を例として、構造原理と他のデュアルアームプローブ4と同様な部分について紹介するが、本発明はこの例に制限されないことは説明しておきたい。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記プローブヘッド100は少なくとも2種類の前記デュアルアームプローブ4、及び直線状に構成される少なくとも1つの既存の導電性プローブを含んでもよい。
【0020】
また、前記デュアルアームプローブ4の構造をより理解しやすく説明するために、以下は、まず前記第1の誘導板ユニット1が未だ前記第2の誘導板ユニット2に対して位置がずれていない状態をもって、デュアルアームプローブ4の構造を説明する。
【0021】
図1及び図3に示すように、前記デュアルアームプローブ4は、一体成型となるワンピース構造であり、かつ、前記デュアルアームプローブ4はほぼ直線状に形成され長さ方向Lが定義されている、なかでも、前記デュアルアームプローブ4において、前記長さ方向Lに沿ってプローブ長L4を有し、かつ、前記デュアルアームプローブ4の外面に2つの幅広側面4aと2つの幅狭側面4bが含まれる。2つの前記幅広側面4aと2つの前記幅狭側面4bはいずれも前記長さ方向Lに平行となる。かつ、2つの前記幅広側面4aはそれぞれ、前記デュアルアームプローブ4における互いに相対する一方の両側に位置し、また、2つの前記幅狭側面4bはそれぞれ前記デュアルアームプローブ4における互いに相対する他方の両側に位置する。
【0022】
別の見方をすると、前記デュアルアームプローブ4は、それぞれ両端部に位置する分岐端部41及び試験端部42と、前記分岐端部41に接続され、前記試験端部42に向かって延在する第1の接続部43と、前記試験端部42に接続され、前記分岐端部41に向かって延在する第2の接続部44と、前記第1の接続部43と前記第2の接続部44を接続する行程部45と、を含む。即ち、前記デュアルアームプローブ4は、前記長さ方向Lに沿って、順に前記分岐端部41、前記第1の接続部43、前記行程部45、前記第2の接続部44、及び前記試験端部42を含むが、本発明はこの例に制限されない。
【0023】
なかでも、前記分岐端部41は、前記第2の誘導板ユニット2側から見て前記第1の誘導板ユニット1の外側(例えば、前記第1の誘導板ユニット1の上方側)に位置すると共に、前記第1の誘導板ユニット1に近接する前記信号転送板200に当接するために用いられる。前記試験端部42は、前記第1の誘導板ユニット1側から見て前記第2の誘導板ユニット2の外側(例えば、前記第2の誘導板ユニット2の下方側)に位置すると共に、前記第2の誘導板ユニット2に近接する前記テスト対象物に分離可能に当接するため用いられる。また、前記第1の接続部43が前記第1の誘導板ユニット1内に位置し、前記第2の接続部44が前記第2の誘導板ユニット2内に位置し、前記行程部45が前記第1の誘導板ユニット1と前記第2の誘導板ユニット2との間に位置する。
【0024】
さらに詳しくは、前記分岐端部41に分岐端部開口411が設けられ、かつ、前記デュアルアームプローブ4において、前記分岐端部開口411から前記長さ方向Lに沿って前記試験端部42に向かって2つの前記幅広側面4aの一方から他方に貫通するスロット4cが延伸して形成される。このように、前記デュアルアームプローブ4は前記スロット4cによって、互いの間に距離D4dが設けられた2つの分岐アーム4dが定義される。
【0025】
なかでも、複数の前記デュアルアームプローブ4において、1つの前記デュアルアームプローブ4の前記距離D4dと、別の1つの前記デュアルアームプローブ4の前記距離D4dとは異なっている。即ち、複数の前記デュアルアームプローブ4は同様な構造原理の基に、さらに異なる構造を有し得る。このように、前記信号転送板200の回路レイアウトに合わせることが可能である。
【0026】
また、前記スロット4cにおける前記長さ方向Lでのスロット長L4cは、前記プローブ長L4の50%~90%である。また、図1及び図4に示すように、前記長さ方向Lに垂直となる各前記デュアルアームプローブ4における2つの前記分岐アーム4dの断面において、何れか一方の前記分岐アーム4dの断面積は、他方の前記分岐アーム4dの断面積の90%~110%(例えば、100%)であり、かつ、何れか一方の前記分岐アーム4dにおける何れか一方の前記幅狭側面4bの幅W4bは、前記幅広側面4aでの厚さT4dの20%~100%である。なお、前記断面積は、本実施形態では下記リブ4d2と位置制限切れ目4d3を含んでいないことを説明しておきたい。
【0027】
このように、構造相違の複数の前記デュアルアームプローブ4は、各前記デュアルアームプローブ4における2つの前記分岐アーム4dの断面積の総合が略相似的なことによって、略相似的な導電性特性(例えば、抵抗値)及び略相似的な機械的物性(例えば、圧接力)を有するようになる。なかでも、各前記デュアルアームプローブ4における何れか一方の前記分岐アーム4dの断面積は、他方の前記分岐アーム4dの断面積に等しいのが好ましい。このように、複数の前記デュアルアームプローブ4にほぼ同様な導電性特性と機械的物性を持たせることができる。
【0028】
ところで、実際のニーズに合わせるために、何れか一方の前記デュアルアームプローブ4では、2つの前記分岐アーム4dの細部構成に変化を加えてもよい。例えば、少なくとも1つの前記デュアルアームプローブ4は下記複数の技術的特徴の少なくとも1つを含んでもよいが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記デュアルアームプローブ4は下記何れかの技術的特徴を含まなくてもよい。
【0029】
図1及び図3に示すように、2つの前記分岐アーム4dは、前記長さ方向Lにおいて同じ長さを有し、かつ、2つの前記分岐アーム4dは一緒に前記信号転送板200に当接するように構成される。即ち、前記分岐端部開口411は、前記分岐端部41の末端面に凹設され、かつ、前記分岐端部開口411は、ほぼ前記長さ方向Lに沿って前記スロット4cに連通する。
【0030】
なかでも、前記スロット4cは、本実施形態では、前記分岐端部開口411から前記第2の接続部44に延伸する。即ち、前記スロット4cの末端は前記第2の誘導板ユニット2内に位置するのであるが、本発明はこの例に制限されない。例えば、図5に示すように、少なくとも1つの前記デュアルアームプローブ4における前記スロット4cは、前記分岐端部開口411から前記行程部45のほぼ中央まで延在してもよい。
【0031】
さらに詳しくは、図1図6、及び図7に示すように、前記デュアルアームプローブ4では、2つの前記分岐アーム4dにおける互いに対向する2つの内面4d1における一方の前記内面4d1に少なくとも1つのリブ4d2が突出して配置される。なお、他方の前記内面4d1に、少なくとも1つの前記リブ4d2に対応した少なくとも1つの位置制限切れ目4d3が凹設される。かつ、少なくとも1つの前記位置制限切れ目4d3の深さD4d3は、少なくとも1つの前記リブ4d2の高さH4d2よりも小さい。
【0032】
本実施形態において、図1及び図6に示すように、前記デュアルアームプローブ4において、一方の前記分岐アーム4dの前記内面4d1に、前記分岐端部41と前記第1の接続部43と前記行程部45にわたって、前記長さ方向Lに沿って間隔をあけて排列される複数の前記リブ4d2が形成され、かつ、他方の前記分岐アーム4dの前記内面4d1に、複数の前記リブ4d2に対応する複数の前記位置制限切れ目4d3が凹設されてもよいが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記デュアルアームプローブ4では、何れか1つの前記リブ4d2の位置を、1つの前記位置制限切れ目4d3に対応させるように、各前記分岐アーム4dに少なくとも1つの前記リブ4d2と少なくとも1つの前記位置制限切れ目4d3を形成させてもよい。また、前記デュアルアームプローブ4は、少なくとも1つの前記分岐アーム4dに少なくとも1つの前記リブ4d2を形成させるが、何れも前記位置制限切れ目4d3を形成させなくてもよい。
【0033】
このように、図1及び図2に示すように、前記第1の誘導板ユニット1と前記第2の誘導板ユニット2とが互いに斜めに位置がずれている場合、少なくとも1つの前記リブ4d2を有する少なくとも1つの前記デュアルアームプローブ4において、その2つの前記分岐アーム4dは、少なくとも1つの前記リブ4d2(またはそれに対応した少なくとも1つの前記位置制限切れ目4d3と合わせて)を通して、互いの間の間隔を保持することができる。
【0034】
また、図1及び図8に示すように、何れか1つの前記デュアルアームプローブ4において、前記行程部45における2つの末端部分451の前記幅広側面4aでの幅W451は、2つの前記末端部分451の間に位置する前記行程部45の主体部分452の前記幅広側面4aでの幅W452よりも大きい。
[第2の実施形態]
【0035】
図9及び図10に示すように、図9及び図10は、本発明に係る第2の実施形態を示す。本実施形態は上記第1の実施形態とほぼ同様であるため、2つの実施形態の一致点については繰り返さない。なお、本実施形態が前記第1の実施形態に対する相違点は次のように説明する。
【0036】
本実施形態に係る少なくとも1つの前記デュアルアームプローブ4において、2つの前記分岐アーム4dは前記長さ方向Lにおいて異なる長さを有し、かつ、2つの前記分岐アーム4dにおける一方の前記分岐アーム4dのみが前記信号転送板200に当接するようになる。即ち、前記分岐端部41における前記分岐端部開口411は、前記幅狭側面4bの一方に凹設されるため、前記分岐端部開口411は前記長さ方向Lに垂直となる他方向に沿って前記スロット4cに連通となる。
[第3の実施形態]
【0037】
図11及び図12に示すように、図11及び図12は本発明に係る第3の実施形態を示す。本実施形態は上記第1の実施形態とほぼ同様であるため、2つの実施形態の一致点については繰り返さない。なお、本実施形態が前記第1の実施形態に対する相違点は次のように説明する。
【0038】
本実施形態に係る図11において、前記デュアルアームプローブ4では、2つの前記分岐アーム4dにおける互いに対向する2つの内面4d1における一方の前記内面4d1に、少なくとも1つのリブ4d2が突出して形成されたが、前記デュアルアームプローブ4にいずれかの位置制限切れ目4d3も形成されていない。
【0039】
また、本実施形態に係る図12において、前記デュアルアームプローブ4では、2つの前記分岐アーム4dにおける互いに対向する2つの内面4d1のそれぞれに、少なくとも1つのリブ4d2が突出して配置されたが、前記リブ4d2に対応する前記デュアルアームプローブ4にいずれかの位置制限切れ目4d3も形成されていない。
[本発明による有益な効果]
【0040】
上記を纏めて、本発明に係る実施形態が開示したプローブカード装置では、複数の前記デュアルアームプローブは同じ構造原理の基に、異なる構成(例えば、複数の前記デュアルアームプローブにおいて、1つの前記デュアルアームプローブの前記距離と、別の1つの前記デュアルアームプローブの前記距離とは違う)を有することによって、前記信号転送板での回路レイアウトに合わせることが可能である。
【0041】
また、本発明に係る実施形態が開示した前記デュアルアームプローブでは、2つの前記分岐アームの構造設計(例えば、何れか一方の前記分岐アームの断面積は、他方の前記分岐アームの断面積の90%~110%である)によって、複数の前記デュアルアームプローブに、略相似的な導電性特性(例えば、抵抗値)及び略相似的な機械的物性(例えば、圧接力)を持たせることができる。
【0042】
また、本発明に係る実施形態が開示したプローブカード装置において、前記デュアルアームプローブは、少なくとも1つの前記リブ(またはそれに対応した少なくとも1つの前記位置制限切れ目と合わせて)を形成させることによって、前記第1の誘導板ユニットと前記第2の誘導板ユニットとが互いに斜めに位置がずれている場合、前記デュアルアームプローブ同士の間の距離は維持し得るため、2つの前記分岐アームによる機械的物性が変化してしまうのを避けることができる。
【0043】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0044】
1000:プローブカード装置
100:プローブヘッド
1:第1の誘導板ユニット
2:第2の誘導板ユニット
3:スペーサー
4:デュアルアームプローブ
4a:幅広側面
4b:幅狭側面
4c:スロット
4d:分岐アーム
4d1:内面
4d2:リブ
4d3:位置制限切れ目
41:分岐端部
411:分岐端部開口
42:試験端部
43:第1の接続部
44:第2の接続部
45:行程部
451:末端部分
452:主体部分
200:信号転送板
L:長さ方向
L4:プローブ長
L4c:スロット長
D4d:距離
H4d2:高さ
D4d3:深さ
T4d:厚さ
W4b:幅
W451:幅
W452:幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12