(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】レゾナントアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20230417BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
B06B1/04 S
G06F3/01 560
(21)【出願番号】P 2021086504
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0152534
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0035866
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504084328
【氏名又は名称】エステック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 正旭
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209657(JP,A)
【文献】特開2015-149845(JP,A)
【文献】特開平10-014195(JP,A)
【文献】特開2013-158117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、
フレームに連結され、フレームに振動を伝達する第1振動モジュール、
第1振動モジュールから離隔してフレームに連結され、フレームに振動を伝達する第2振動モジュール、および、
第1振動モジュー
ルに連結され、フレームに振動を伝達する第3振動モジュールを含
み、
第3振動モジュールと第1振動モジュールは直列に連結されてフレームに振動を伝達し、
第2振動モジュールは第1振動モジュールと第3振動モジュールに並列に連結されてフレームに振動を伝達し、
第1振動モジュールは磁気ギャップを形成する磁気回路部、およびフレームと磁気回路部に連結され、磁気回路部を振動可能に支持する第1弾性部材を含み、
第2振動モジュールは磁気ギャップに配置されるボイスコイル部、およびボイスコイル部とフレームに連結され、ボイスコイル部を振動可能に支持する第2弾性部材を含み、
第3振動モジュールは磁気回路部に連結された第3弾性部材、および第3弾性部材に連結された第3重量体を含み、
第3弾性部材は一側が磁気回路部に連結され、他側がフレームから離隔され、
第3重量体は第3弾性部材の端部に配置され、フレームから離隔されており、第3弾性部材と磁気回路部の連結部位を基準として振動する、レゾナントアクチュエータ。
【請求項2】
第1振動モジュールは第1固有振動周波数を有し、
第2振動モジュールは第1固有振動周波数と異なる第2固有振動周波数を有し、
第3振動モジュールは第1固有振動周波数および第2固有振動周波数と異なる第3固有振動周波数を有する
請求項
1に記載のレゾナントアクチュエータ。
【請求項3】
第1振動モジュールと第2振動モジュールおよび第3振動モジュールのうち少なくとも一つに第1周波数の電流と第2周波数の電流および第3周波数の電流のうち少なくとも一つの電流を提供する制御部をさらに含む、請求項
2に記載のレゾナントアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレゾナントアクチュエータに関し、さらに詳細には、互いに異なる周波数の振動で異なる触感を感じさせ得るレゾナントアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
ハプティックを具現する機器は、画面をタッチしたり、スイッチを動作させた時、命令が正確に伝達されたことを振動触感で感じさせる振動装置である。
【0003】
従来技術によると、ハプティック機能時に単一振動周波数で振動を伝達した。したがって、振動の有無だけで一部の情報を伝達することはできる。ただし、従来技術の場合、振動の有無で提供できる触感は制限的であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施の形態は、多様な共振周波数を有する振動特性を利用して、正確かつ、より具体的な情報を伝達できるレゾナントアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記したような目的を達成するために、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータは、フレーム、フレームに連結され、振動軸に沿って振動してフレームに振動を伝達する第1振動モジュール、および第1振動モジュールから離隔し、振動軸に沿って振動してフレームに振動を伝達する第2振動モジュールを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータは、フレーム、フレームに連結され、フレームに振動を伝達する第1振動モジュール、第1振動モジュールから離隔してフレームに連結され、フレームに振動を伝達する第2振動モジュール、および第1振動モジュールおよび第2振動モジュールのうちいずれか一つに連結され、フレームに振動を伝達する第3振動モジュールを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、複数の共振周波数を有する多様な振動を生成して多様な振動感覚を具現することができる。これによって、多様かつ具体的な情報を触感で提供することができる。
【0009】
また、複数の共振周波数を有する振動を簡単な構造で具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータを概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に図示されたレゾナントアクチュエータの側面図である。
【
図3】
図1に図示されたレゾナントアクチュエータの一断面図である。
【
図4】
図3に図示されたレゾナントアクチュエータの他の実施の形態を示す断面図である。
【
図5】
図3および4に図示されたレゾナントアクチュエータの周波数特性の一例を示すグラフである。
【
図6】
図3に図示されたレゾナントアクチュエータの他の実施の形態を概略的に示す断面図である。
【
図7】
図6に図示されたレゾナントアクチュエータの概念図である。
【
図8】
図6に図示された第1振動モジュールの振動を説明するための図である。
【
図9】
図6に図示された第2振動モジュールの振動を説明するための図である。
【
図10】
図6に図示された第3振動モジュールの振動を説明するための図である。
【
図11】
図6に図示されたレゾナントアクチュエータによる周波数特性グラフである。
【
図12】
図6に図示されたレゾナントアクチュエータの他の実施の形態を示す図である。
【
図13】本発明の一実施の形態に係る第1弾性部材~第3弾性部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1を説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1に示されたレゾナントアクチュエータ1の側面図であり、
図3は
図1に示されたレゾナントアクチュエータ1の一断面図である。
【0013】
図1~3を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は、フレーム10、第1振動モジュール20および第2振動モジュール30を含む。第1振動モジュール20はフレーム10に連結され、振動軸Aに沿って振動してフレーム10に振動を伝達する。第2振動モジュール30は第1振動モジュール20から離隔し、振動軸Aに沿って振動してフレーム10に振動を伝達する。
【0014】
フレーム10は直接または間接的に第1振動モジュール20と第2振動モジュール30を支持する。フレーム10は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30を収容する。フレーム10は中心軸(振動軸A)を基準として、円周方向に延びた円筒状を有することができる。しかし、これに限定されず、多様な形状を有することができる。ここで、第1振動モジュール20の振動と第2振動モジュール30の振動は互いに異なる周波数特性を有する。これによって、周波数による異なる振動を生成できるため、多様な触感を提供することができる。多様な触感は多様な情報の提供を可能にする。
【0015】
第1振動モジュール20はフレーム10に連結された第1弾性部材210、および第1弾性部材210に連結された磁気回路部200を含む。第2振動モジュール30は磁気回路部200と相互に作用して振動するボイスコイル部300、およびフレーム10とボイスコイル部300に連結されてボイスコイル部300を支持する第2弾性部材310を含む。
【0016】
磁気回路部200はヨーク201、マグネット202およびポールピース203を含む。磁気回路部200は第1重量体であり得る。ヨーク201は底部2010、側壁部2020および側壁突起部2030を含むことができる。底部2010は円板状とすることができる。側壁部2020は底部2010の縁に配置され、円筒状とすることができる。しかし、円筒状に限定されない。側壁突起部2030は側壁部2020から突出して第1弾性部材210の内側縁を支持することができる。すなわち、第1弾性部材210は側壁突起部2030に結合され得る。第1弾性部材210は側壁突起部2030により安定的に結合されて支持され得る。側壁突起部2030は円周方向に延びたリング形状とすることができる。しかし、リング形状に限定されない。側壁突起部2030は側壁部2020の外周面を囲む。
【0017】
ボイスコイル部300はボイスコイル301、ボビン302および第2重量体303を含む。ボイスコイル301はボビン302に巻き取られる。これとは異なり、ボビン302なしにボイスコイル301が円周方向に沿って巻き取られ得る。第2重量体303はボビン302と第2弾性部材310に連結される。すなわち、第2重量体303の下面にボビン302の上端が結合される。また、第2重量体303の上面に第2弾性部材310が結合される。第2重量体303はその大きさ、形状、重量および材質のうち少なくとも一つを変更して共振周波数を設定することができる。
【0018】
第1振動モジュール20と第2振動モジュール30は上下に向かい合うように配置される。これによって、ボイスコイル部300が磁気回路部200の磁気ギャップ(gap)に配置される。したがって、一つのボイスコイル部300と一つの磁気回路部200で互いに異なる周波数特性による複数の振動が生成され得る。第1振動モジュール20と第2振動モジュール30の上下位置は変動可能である。
【0019】
本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は第1カバー60と第2カバー70をさらに含むことができる。第1カバー60はフレーム10に結合され、第2振動モジュール30を覆うようにフレーム10に固定される。第2カバー70はフレーム10に結合され、第1振動モジュール20を覆うようにフレーム10に固定される。
【0020】
第1弾性部材210は板スプリングおよびバネスプリングのうち少なくとも一つを含むことができる。また、第2弾性部材310は板スプリングおよびバネスプリングのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0021】
また、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は制御部50をさらに含むことができる。制御部50は第1振動モジュール20および第2振動モジュール30のうち少なくとも一つに、第1周波数Fo1の電流および第2周波数Fo2の電流を提供することができる。具体的には、制御部50はボイスコイル部300に第1周波数Fo1の電流または第2周波数Fo2の電流を供給する。第1周波数Fo1の電流が印加された場合、第1振動モジュール20が共振して振動することができる。また、第2周波数Fo2の電流が印加された場合、第2振動モジュール30が共振して振動することができる。したがって、制御部50は状況によって情報伝達のための異なる振動特性を提供することができる。
【0022】
また、制御部50は第1周波数Fo1の電流と第2周波数Fo2の電流の強度を調節することができる。例えば、制御部50は第1周波数Fo1の電流または第2周波数Fo2の電流のうち少なくとも一つの電流の強度を次第に増加させたり、次第に減少させることができる。すなわち、制御部50は電流の強度を多様な形態で制御することができる。したがって、多様な情報を提供することができる。
【0023】
図4は、
図3に図示されたレゾナントアクチュエータ1の他の実施の形態を図示した断面図である。
【0024】
図4を参照すると、レゾナントアクチュエータ1はフレーム10、第1振動モジュール20および第2振動モジュール30を含むことができる。第1振動モジュール20はフレーム10に連結された第1弾性部材210、および第1弾性部材210に連結された磁気回路部200を含む。第2振動モジュール30は磁気回路部200に連結された第2弾性部材310、および第2弾性部材310に配置された第2重量体320を含む。第2重量体320はフレーム10から離隔し、第2弾性部材310と磁気回路部200の連結部位を基準として振動する。第2重量体320はフレーム10と磁気回路部200の間に配置され得る。
【0025】
磁気回路部200はヨーク201、マグネット202およびポールピース203を含む。ヨーク201は底部2010および側壁部2011を含む。一方、第1振動モジュール20はボイスコイル部220をさらに含む。ボイスコイル部220は第1カバー60または第2カバー70に固定され得る。ボイスコイル部220は磁気回路部200の磁気ギャップに配置される。第1振動モジュール20および第2振動モジュール30は円周方向に延びることができる。ただし、これに限定されず、多角形、楕円などの多様な形状で具現され得る。また、レゾナントアクチュエータ1は制御部50をさらに含むことができる。
図4の実施の形態で制御部50は、矛盾しない範囲で
図3の制御部50の実施の形態と同一に適用され得る。
【0026】
また、第1振動モジュール20と第2振動モジュール30は上下に向かい合うように配置される。したがって、一つのボイスコイル部220と一つの磁気回路部200で互いに異なる周波数特性による複数の振動が生成され得る。第1振動モジュール20と第2振動モジュール30の上下位置は変動可能である。
【0027】
図5は、
図3および4に図示されたレゾナントアクチュエータ1の周波数特性の一例を示したグラフである。
【0028】
図3および
図5を参照すると、一実施の形態で第1振動モジュール20は、磁気回路部200の重量と第1弾性部材210の弾性係数によって設定される第1固有振動周波数Fo1を有することができる。また、第2振動モジュール30は、ボイスコイル部300の重量と第2弾性部材310の弾性係数によって設定される第2固有振動周波数Fo2を有することができる。第1固有振動周波数Fo1と第2固有振動周波数Fo2は互いに異なり得る。これによって、ボイスコイル部300に第1固有振動周波数Fo1と同一の第1周波数の電流が流れると、第1振動モジュール20は共振してフレーム10に振動を伝達する。この時、第2振動モジュール30はほとんど振動しない。また、ボイスコイル部300に第2固有振動周波数Fo2と同一の第2周波数の電流が流れると、第2振動モジュール30は共振してフレーム10に振動を伝達する。この時、第1振動モジュール20はほとんど振動しない。したがって、異なる周波数により異なる特性の振動をフレーム10に伝達することができる。
【0029】
また、
図4および
図5を参照すると、一実施の形態で第1振動モジュール20は磁気回路部200の重量と第1弾性部材210の弾性係数によって設定される第1固有振動周波数Fo1を有することができる。また、第2振動モジュール30は第2重量体320の重量と第2弾性部材310の弾性係数によって設定される第2固有振動周波数Fo2を有することができる。これに対する詳しい説明は
図3および
図5に対して前述した内容を参照することができる。
【0030】
本発明に係るレゾナントアクチュエータ1は、携帯用電話機、タブレットPC、自動車のナビゲーション、車両操作ハンドルなどに適用されて着信信号、情報伝達信号に対する振動を発生させ得る。すなわち、第1周波数Fo1と第1周波数Fo2より高いか低い第2周波数Fo2の振動で異なる触感を感じさせ得る。一実施の形態で、ボリュームを上げる時は第1周波数Fo1の振動が伝達され、ボリュームを下げる時は第1周波数Fo1より低い第2周波数Fo2の振動が伝達され得る。したがって、互いに異なる振動特性で情報の伝達が可能である。一方、
図3の実施の形態は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30が並列に連結され得る。また、
図4の実施の形態は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30が直列に連結され得る。並列または直列は互いに異なる共振周波数を設定するようにすることができる。
【0031】
図6は
図3に図示されたレゾナントアクチュエータ1の他の実施の形態を概略的に図示した断面図であり、
図7は
図6に図示されたレゾナントアクチュエータ1の概念図である。
【0032】
図1、
図2、
図6および
図7を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は、多様な共振周波数を有する振動特性を具現してより具体的な情報を伝達するものである。本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は、フレーム10、第1振動モジュール20、第2振動モジュール30および第3振動モジュール40を含む。
【0033】
図6において、フレーム10は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30を支持する。フレーム10は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30を収容する。フレーム10は中心軸(振動軸A)を基準として円周方向に延びた、円筒状とすることができる。しかし、これに限定されず、フレーム10は平面上多角形または楕円状を有してもよい。
【0034】
第1振動モジュール20はフレーム10に連結され、フレーム10に振動を伝達する。第2振動モジュール30は第1振動モジュール20から離隔してフレーム10に連結される。第2振動モジュール30はフレーム10に振動を伝達する。
【0035】
第3振動モジュール40は第1振動モジュール20および第2振動モジュール30のうちいずれか一つに連結される。第3振動モジュール40はフレーム10に振動を伝達する。第1振動モジュール20の振動と第2振動モジュール30の振動および第3振動モジュール40の振動は、互いに異なる周波数特性を有することができる。これによって、周波数による異なる振動を生成できるため、多様な触感を提供することができる。
【0036】
一実施の形態で、第1振動モジュール20は磁気回路部200と第1弾性部材210を含むことができる。磁気回路部200は磁場、すなわち磁気ギャップを形成する。第1弾性部材210はフレーム10と磁気回路部200に連結されて磁気回路部200を振動可能に支持する。第1振動モジュール20は振動軸Aを基準として円周方向に沿って延びることができる。しかし、これに限定されず、第1振動モジュール20は平面上多角形または楕円状を有してもよい。
【0037】
第2振動モジュール30はボイスコイル部300と第2弾性部材310を含むことができる。ボイスコイル部300は磁気ギャップに配置されて磁場と相互に作用して振動する。第2弾性部材310はフレーム10とボイスコイル部300に連結され、ボイスコイル部300を振動可能に支持する。第2振動モジュール30は振動軸Aを基準として円周方向に沿って延びることができる。しかし、これに限定されず、第2振動モジュール30は平面上多角形または楕円状を有してもよい。
【0038】
第3振動モジュール40は第3弾性部材400および第3重量体410を含む。第3弾性部材400は磁気回路部200に連結され得る。第3重量体410は第3弾性部材400に連結される。第3重量体410は第3弾性部材400の端部に配置される。第3振動モジュール40は振動軸Aを基準として円周方向に沿って延びることができる。しかし、これに限定されず、第3振動モジュール40は平面上多角形または楕円状を有してもよい。第3重量体40はフレーム10から離隔し、第3弾性部材400と磁気回路部200の連結部位を基準として振動する。これによって、第1振動モジュール20と直列に連結され得る。
【0039】
一方、第1振動モジュール20と第2振動モジュール30および第3振動モジュール40は、磁気回路部200とボイスコイル部300の相互作用によって、フレミングの左手の法則により振動軸Aに沿って上下に振動することができる。すなわち、一つのボイスコイル部300とこれに対応する一つの磁気回路部200で第1振動モジュール20~第3振動モジュール40のそれぞれを駆動することができる。この時、電流はボイスコイル部300に提供される。電流の周波数に応じて第1振動モジュール20~第3振動モジュール40が振動する。
【0040】
図8は
図6に図示された第1振動モジュール20の振動を説明するための図面であり、
図9は
図6に図示された第2振動モジュール30の振動を説明するための図面であり、
図10は
図6に図示された第3振動モジュール40の振動を説明するための図面であり、
図11は
図6に図示されたレゾナントアクチュエータ1による周波数特性グラフである。
【0041】
図8~
図11を参照すると、第1振動モジュール20は第1固有振動周波数Fo1を有し、第2振動モジュール30は第1固有振動周波数Fo1と異なる第2固有振動周波数Fo2を有し、第3振動モジュール40は第1固有振動周波数Fo1および第2固有振動周波数Fo2と異なる第3固有振動周波数Fo3を有する。
【0042】
具体的には、第1振動モジュール20は磁気回路部200の重量と第1弾性部材210の弾性係数によって設定される第1固有振動周波数Fo1を有する。第2振動モジュール30はボイスコイル部300の重量と第2弾性部材310の弾性係数によって設定される第2固有振動周波数Fo2を有する。第3振動モジュール30は第3重量体410の重量と第3弾性部材400により設定される第3固有振動周波数Fo3を有する。
【0043】
第1固有振動周波数Fo1と第2固有振動周波数Fo2および第3固有振動周波数Fo3は互いに異なり得る。このような固有振動周波数は、
図7で示すように、重量と弾性係数によって設定され得る。
図7において、第1振動モジュール20と第3振動モジュール40は直列に連結される。また、第2振動モジュール30は第1振動モジュール20と第3振動モジュール40に並列に連結され得る。ここで、第1振動モジュール20と第2振動モジュール30および第3振動モジュール40の直列または並列連結状態は重量と弾性係数によって異なるように設定され得る。
【0044】
第1振動モジュール20と第3振動モジュール40が直列連結される場合、第1振動モジュール20の固有振動周波数Fo1と第3振動モジュール40の固有振動周波数Fo3は下記の[計算式1]によって算出され得る。第1振動モジュール20の固有振動周波数Fo1と第3振動モジュール40の固有振動周波数Fo3のうちいずれか一つは他の一つより大きくてもよい。
【0045】
【0046】
[計算式1]
ここで、k1は第1弾性部材210および第3弾性部材400のうちいずれか一つの弾性係数であり、k3は第1弾性部材210および第3弾性部材400のうち他の一つの弾性係数であり得る。m1は磁気回路部200および第3重量体410のうちいずれか一つの重量であり、m3は磁気回路部200および第3重量体410のうち他の一つの重量であり得る。
【0047】
また、第1振動モジュール20に並列に連結される第2振動モジュール30の固有振動周波数Fo2は下記の[計算式2]によって算出され得る。
【0048】
【0049】
[計算式2]
ここで、k2は第2弾性部材310の弾性係数であり、m2は第2重量体303の重量である(ボイスコイル301とボビン302の重量を含むことができる)。
【0050】
一実施の形態で、ボイスコイル部300に第1固有振動周波数Fo1と同一の第1周波数の電流が流れると、第1振動モジュール20は共振してフレーム10に振動を伝達することができる。この時、第2振動モジュール30と第3振動モジュール30は第1振動モジュール20の振動に影響を受けるが、ほとんど振動しない。
【0051】
また、ボイスコイル部300に第2固有振動周波数Fo2と同一の第1周波数の電流が流れると、第2振動モジュール30は共振してフレーム10に振動を伝達することができる。この時、第1振動モジュール20と第3振動モジュール40は第2振動モジュール30の振動に影響を受けるが、ほとんど振動しない。
【0052】
また、ボイスコイル部300に第3固有振動周波数Fo3と同一の第1周波数の電流が流れると、第3振動モジュール40は共振してフレーム10に振動を伝達することができる。この時、電磁気的な相互作用によって第1振動モジュール20と第2振動モジュール30の微細振動が第3振動モジュール40に伝達される。これによって、第3振動モジュール40は共振して第1振動モジュール20と第2振動モジュール30より大きい振動を発生させる。したがって、異なる周波数により異なる特性の振動をフレーム10に伝達することができる。
【0053】
磁気回路部200はヨーク201、マグネット202およびポールピース203を含み、第1弾性部材210により支持される第1重量体200を構成することができる。磁気回路部200は振動軸Aを基準として円周方向に延びる。すなわち、マグネット202およびポールピース203は円板状とすることができる。ヨーク201は底部2010、側壁部2011および側壁突起部2012を含むことができる。底部2010は円板状とすることができる。側壁部2011は底部2010の縁に配置され、円筒状とすることができる。側壁突起部2012は側壁部2011から突出して第1弾性部材210の内側縁を支持することができる。すなわち、第1弾性部材210は側壁突起部2012に結合され得る。第1弾性部材210は側壁突起部2012により安定的に結合されて支持され得る。側壁突起部2012は円周方向に延びたリング状とすることができる。側壁突起部2012は側壁部2011の外周面を囲む。磁気回路部200の形状は限定されない。すなわち、磁気回路部200は平面上多角形または楕円状であってもよい。
【0054】
ボイスコイル部300はボイスコイル301、ボビン302および第2重量体303を含む。ボイスコイル301はボビン302に巻き取られる。これとは異なり、ボビン302なしにボイスコイル301が円周方向に沿って巻き取られ得る。第2重量体303はボビン302と第2弾性部材310に連結される。すなわち、第2重量体303の下面にボビン302の上端が結合される。また、第2重量体303の上面に第2弾性部材310が結合される。第2重量体303はその大きさ、形状、重量および材質のうち少なくとも一つを変更して第2固有振動周波数Fo2を設定することができる。これは、第1重量体(磁気回路部200)と第2重量体303にも適用され得る。ボイスコイル部300は平面上円形、多角形または楕円状を有してもよい。
【0055】
第1振動モジュール20と第2振動モジュール30は上下に向かい合うように配置される。また、第1振動モジュール20と第2振動モジュール30および第3振動モジュール40は同一の振動軸Aを有する。これによって、ボイスコイル部300が磁気回路部200の磁気ギャップ(gap)に配置される。したがって、一つのボイスコイル部300と一つの磁気回路部200で互いに異なる周波数特性による複数の振動が生成され得る。第1振動モジュール20と第2振動モジュール30の上下位置は変動可能である。また、第3振動モジュール40が第1振動モジュール20および第2振動モジュール30のうちいずれか一つに連結され、一つのボイスコイル部300で第3固有振動周波数Fo3を有する振動も生成され得る。
【0056】
本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は第1カバー60と第2カバー70を含むことができる。第1カバー60はフレーム10に結合され、第1振動モジュール20を覆うようにフレーム10に固定される。第2カバー70はフレーム10に結合され、第2振動モジュール30および第3振動モジュール40を覆うようにフレーム10に固定される。
【0057】
図12は、
図6に図示されたレゾナントアクチュエータ1の他の実施の形態を図示した図面である。
【0058】
図12を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレゾナントアクチュエータ1は、制御部50をさらに含むことができる。制御部50は第1振動モジュール20と第2振動モジュール30および第3振動モジュール40のうち少なくとも一つに第1周波数の電流と第2周波数の電流および第3周波数の電流のうち少なくとも一つを提供することができる。具体的には、制御部50はボイスコイル部300に第1周波数の電流または第2周波数の電流を供給する。第1周波数の電流が印加された場合、第1振動モジュール20が共振して振動することができる。また、第2周波数の電流が印加された場合、第2振動モジュール30が共振して振動することができる。また、第3周波数の電流が印加された場合、第3振動モジュール40が共振して振動することができる。したがって、制御部50は状況によって情報伝達のための異なる振動特性を提供することができる。
【0059】
また、制御部50は第1周波数の電流と第2周波数の電流および第3周波数の電流の強度を調節することができる。例えば、制御部50は第1周波数の電流、第2周波数の電流および第3周波数の電流のうち少なくとも一つの電流の強度を次第に増加させたり、次第に減少させることができる。すなわち、制御部50は電流の強度を多様な形態で制御することができる。
【0060】
図13は、本発明の一実施の形態に係る第1弾性部材210~第3弾性部材400を図示した図面である。
【0061】
第1弾性部材210は板スプリングおよびバネスプリングのうち少なくとも一つを含むことができる。また、第2弾性部材310は板スプリングおよびバネスプリングのうち少なくとも一つを含むことができる。第3弾性部材400は板スプリングおよびバネスプリングのうち少なくとも一つを含むことができる。第1弾性部材210、第2弾性部材310および第3弾性部材400はいずれも並んでいるように配置され得る。
【0062】
一方、
図1~
図13の実施の形態において、同一の構成は矛盾しない範囲で他の実施の形態に適用され得る。
【0063】
以上、本発明者によってなされた発明を前記実施の形態により具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を離脱しない範囲で多様に変更できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、多様な共振周波数を有するレゾナントアクチュエータとして好適である。
【符号の説明】
【0065】
1:レゾナントアクチュエータ
10:フレーム
20:第1振動モジュール
200:磁気回路部
210:第1弾性部材
30:第2振動モジュール
300:ボイスコイル部
303:第2重量体
310:第2弾性部材
40:第3振動モジュール
400:第3弾性部材
410:第3重量体
50:制御部