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特許7263460ナビゲーションセンサを伴うガイドワイヤ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ナビゲーションセンサを伴うガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20230417BHJP
   A61B 17/24 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A61M25/09 510
A61M25/09
A61B17/24
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021151014
(22)【出願日】2021-09-16
(62)【分割の表示】P 2017555383の分割
【原出願日】2016-04-11
(65)【公開番号】P2022000182
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/150,954
(32)【優先日】2015-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/835,108
(32)【優先日】2015-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス・トーマス・アール
(72)【発明者】
【氏名】ケステン・ランディ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジロトラ・ロヒット
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-507197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0296692(US,A1)
【文献】特開2008-264533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
A61B 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)近位端および遠位端を有する外部コイルであって、内径によって境界を付けられた内部領域を画定する外部コイルと、
(b)ナビゲーションコイルであって、前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位に位置し、電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されているナビゲーションコイルと、
(c)前記ナビゲーションコイルよりも遠位に位置する遠位先端部材であって、その結果、前記ナビゲーションコイルが前記遠位先端部材と前記外部コイルの前記遠位端との間に長手方向に置かれている、遠位先端部材と、
(d)前記外部コイルの前記内部領域を通って延びるコアワイヤと、
(e)前記コアワイヤの遠位端が固定される支持チューブであって、前記支持チューブは、前記支持チューブの遠位端から近位端まで略同一の外径を有する円筒形状を備え、前記支持チューブの近位部分が、前記外部コイルの前記遠位端内に位置し、前記支持チューブの前記近位部分の外面上に前記外部コイルの前記遠位端固定されており、前記ナビゲーションコイルが、前記支持チューブの遠位部分の外面上で巻かれており、前記支持チューブの遠位端は、前記遠位先端部材近傍に位置している、支持チューブと、
(f)前記ナビゲーションコイルと結合しているナビゲーションケーブルと、を備え
前記支持チューブは、長手方向に対して垂直な横方向に配向され、前記支持チューブを貫通するスロットを備え、前記スロットは、前記ナビゲーションケーブルが前記ナビゲーションコイルと結合するための経路を提供し、前記ナビゲーションケーブルの遠位端は前記ナビゲーションコイルの近位端と結合し、前記ナビゲーションケーブルは、前記外部コイルの前記内部領域を通って延在する、装置。
【請求項2】
前記支持チューブは、非伝導性ポリマー材料で構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ナビゲーションコイルが画定する有効径は、前記外部コイルの前記内径よりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ナビゲーションコイルは近位端において近位に終了し、前記ナビゲーションコイルの前記近位端は前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ナビゲーションコイルは遠位端において遠位に終了し、前記ナビゲーションコイルの前記遠位端は前記遠位先端部材よりも近位である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
鉄コアを更に含み、前記鉄コアは、前記ナビゲーションコイルによって画定される内部に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コアワイヤの前記遠位端は、ハンダ接合を形成するハンダによって前記支持チューブに固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ナビゲーションシステムを更に含み、前記ナビゲーションシステムは電磁界を発生させるように動作可能であり、前記ナビゲーションコイルは、前記電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡張が望まれる場合がある。これには、副鼻腔の口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法としては、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを位置させ、次いでバルーンを流体(例えば、生理食塩水)を用いて膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、膨張可能なバルーンを副鼻腔の口内に配置してから膨張させることによって、粘膜の切開や骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡張することができる。その後、拡張した口によって、罹患した副鼻腔からの排膿及び副鼻腔の通気を改善することができる。このような処置を行なうために用い得るシステムは、米国特許公開第2011/0004057号、発明の名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」(2011年1月6日に公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示により得ることができる。かかるシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)によるRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty(商標)システムがある。
【0002】
かかるシステムと共に可変視野方向内視鏡を使用して、解剖学的通路(例えば、耳、鼻、咽頭、副鼻腔など)内を可視化し、バルーンを所望の位置に配置することができる。可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内で内視鏡のシャフトを曲げる必要なく広範な横断視野角に沿った視野を可能にすることができる。このような内視鏡は、米国特許公開第2010/0030031号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(2010年2月4日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示により得ることができる。かかる内視鏡の一例として、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)によるAcclarent Cyclops(商標)マルチアングル内視鏡がある。
【0003】
可変視野方向内視鏡は解剖学的通路内の可視化に使用できるが、バルーンの膨張前に、バルーンの正しい位置の視覚的確認を追加することが望ましい場合もある。これは、照明ガイドワイヤを用いて行なうことができる。かかるガイドワイヤが標的領域内に位置決めされ、その後、ガイドワイヤの遠位端から投射される光によって照明することができる。この光は、隣接組織(例えば皮下(hypodermis)、皮下(subdermis)組織など)を照明するため、皮膚を通過する照明により患者の体外から肉眼で見ることができる。例えば、遠位端が上顎洞内に位置付けられると、患者の頬を通して光を見ることができる。ガイドワイヤの位置の確認にこのような外部可視化を利用して、バルーンをその後、拡張部位の位置内にガイドワイヤに沿って遠位に進めることができる。このような照明ガイドワイヤは、米国特許公開第2012/0078118号、発明の名称「Sinus Illumination Lightwire Device」(2012年3月29日に公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示により得ることができる。かかる照明ガイドワイヤの一例として、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)によるRelieva Luma Sentry(商標)副鼻腔照明システムがある。
【0004】
拡張処置においてバルーンの膨張/収縮の容易な制御を提供することが望ましい場合があり、これには、単一の操作者だけで実施される処置が含まれる。拡張バルーンなどの膨張可能な部材を膨張させるために、いくつかのシステム及び方法がこれまでに製造及び使用されているが、本発明者らよりも以前に付属の特許請求の範囲に記載の本発明を製造及び使用した者はないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論となすものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1】典型的な拡張カテーテルシステムの側面図である。
図2A図1の拡張カテーテルシステムの典型的な照明ガイドワイヤの側面図である。
図2B図1の拡張カテーテルシステムの典型的なガイドカテーテルの側面図である。
図2C図1の拡張カテーテルシステムの典型的な拡張カテーテルの側面図である。
図3図2Aの照明ガイドワイヤの詳細な側面図である。
図4図2Aの照明ガイドワイヤの詳細な側断面図である。
図5図1の拡張カテーテルシステムと共に用いるのに適した典型的な内視鏡の斜視図である。
図6図5の内視鏡の遠位端の側面図であって、視野角の典型的な範囲を示す図である。
図7A】上顎洞開口部に隣接して位置する図2Bのガイドカテーテルの正面図である。
図7B】上顎洞開口部に隣接して位置する図2Bのガイドカテーテルの正面図であって、図2Cの拡張カテーテル及び図2Aの照明ガイドワイヤがガイドカテーテル内に位置し、ガイドワイヤの遠位部分が上顎洞内に位置する図である。
図7C】上顎洞開口部に隣接して位置する図2Bのガイドカテーテルの正面図であって、図2Aの照明ガイドワイヤがガイドカテーテルよりも更に遠位に平行移動して上顎洞内に入っている図である。
図7D】上顎洞開口部に隣接して位置する図2Bのガイドカテーテルの正面図であって、図2Cの拡張カテーテルが図2Aの照明ガイドワイヤに沿ってガイドカテーテルから遠位に平行移動して、拡張カテーテルのバルーンを小孔内に配置させている図である。
図7E】上顎洞開口部の正面図であり、小孔が図7Dのバルーンの膨張によって拡大されている図である。
図8】典型的な画像誘導ナビゲーションシステムと共に用いられている図1の拡張カテーテルシステムの変更例の概略斜視図である。
図9図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図10】示す図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図11図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図12図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図13図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図14図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図15図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の斜視図である。
図16図15のガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
図17図8の変更された拡張カテーテルシステム内に組み込んでもよい別の典型的なガイドワイヤの遠位端の斜視図である。
図18図17のガイドワイヤの遠位端の断面側面図である。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の種々の実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が示される正確な配置に限定されない点が理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる、かつ明白な態様が可能である。例えば、様々であるが。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0008】
「近位」及び「遠位」なる用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して用いられることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」といった空間に関する用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準として用いられている点も更に理解されよう。しかしながら、外科器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0009】
更に、本明細書に記載の教示、表現要素、変形物、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、変形物、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載の教示、表現要素、変形物、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0010】
I.典型的な拡張カテーテルシステムの概要
図1に示すのは、副鼻腔の小孔を拡張するために、又は何らかの他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉などの中)を拡張するために用いてもよい典型的な拡張カテーテルシステム(10)である。本実施例の拡張カテーテルシステム(10)は、拡張カテーテル(20)と、ガイドカテーテル(30)と、膨張器(40)と、ガイドワイヤ(50)と、を備える。単に一例として、拡張カテーテルシステム(10)は、米国特許公開第2011/0004057号(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成され得る。いくつかの変形形態では、拡張カテーテルシステム(10)の少なくとも一部は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty(商標)Systemに類似して構成されている。
【0011】
図2Cにおいて最もよく分かるように、拡張カテーテル(20)の遠位端(DE)は、膨張可能な拡張器(22)を含む。拡張カテーテル(20)の近位端(PE)は把持部(24)を含み、把持部(24)は側方ポート(26)と開近位端(28)とを有する。中空の細長いシャフト(18)が把持部から遠位に延びている。拡張カテーテル(20)は、シャフト(18)内に形成された第1の管腔(図示せず)を含み、第1の管腔によって、側方ポート(26)と拡張器(22)の内部との間の流体連通がもたらされる。拡張カテーテル(20)はまた、シャフト(18)内に形成された第2の管腔(図示せず)を含み、第2の管腔は、開近位端(28)から拡張器(22)よりも遠位の開遠位端まで延びている。この第2管腔は、ガイドワイヤ(50)を摺動可能に受容するように構成されている。拡張カテーテル(20)の第1及び第2管腔は、互いに流体的に隔離されている。したがって、拡張器(22)は、ガイドワイヤ(50)が第2管腔内に位置している間は、側方ポート(26)を介して第1管腔に沿って流体を連通させることによって、選択的に膨張及び収縮できる。いくつかの変形形態では、拡張カテーテル(20)は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のRelieva Ultirra(商標)Sinus Balloon Catheterに類似して構成される。いくつかの別の変形形態では、拡張カテーテル(20)は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のRelieva Solo Pro(商標)Sinus Balloon Catheterに類似して構成されている。本明細書の教示を考慮することで、拡張カテーテル(20)が取り得るその他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0012】
図2Bにおいて最もよく分かるように、本例のガイドカテーテル(30)は、その遠位端(DE)に湾曲した遠位部分(32)を、その近位端(PE)に把持部(34)を含む。把持部(34)は、開口近位端(36)を有する。ガイドカテーテル(30)によって、拡張カテーテル(20)を摺動可能に収容するように構成された管腔が画定されて、ガイドカテーテル(30)が拡張器(22)を、湾曲した遠位端(32)を通して外部に誘導し得るようになっている。いくつかの変形形態では、ガイドカテーテル(30)は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のRelieva Flex(商標)Sinus Guide Catheterに類似して構成されている。本明細書の教示を考慮することで、ガイドカテーテル(30)が取り得るその他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0013】
図1を再び参照すると、本例の膨張器(40)は、流体を保持するように構成されたバレル(42)と、バレル(42)に対して往復運動して、選択的にバレル(42)から流体を排出する(又はバレル(42)内に流体を引き込む)ように構成されたプランジャ(44)と、を含む。バレル(42)は、可撓性チューブ(46)を介して側方ポート(26)に流体的に連結されている。したがって、膨張器(40)は、バレル(42)に対してプランジャ(44)を並進運動させることによって、拡張器(22)に流体を追加するか、又は拡張器(22)から流体を引き抜くように動作する。本実施例では、膨張器(40)によって連通する流体は生理食塩水を含むが、その他の任意の好適な流体が使用できることが理解されよう。膨張器(40)を流体(例えば、生理食塩水など)で充填し得る様々な方法がある。一例にすぎないが、可撓性チューブ(46)を側方ポート(26)に連結する前に、可撓性チューブ(46)の遠位端を、流体が入ったリザーバ内に配置することができる。次にプランジャ(44)を遠位位置から近位位置に引き戻して、流体をバレル(42)に引き入れることができる。膨張器(40)は次に、真っ直ぐ上向きに保持し、バレル(42)の遠位端を上向きにすることができ、次いでプランジャ(44)を中間位置又はわずかに遠位位置へと進めて、空気があればそれをバレル(42)からパージすることができる。次に、可撓性チューブ(46)の遠位端は側方ポート(26)に連結され得る。いくつかの変形形態では、膨張器(40)は、米国特許公開第2014/0074141号、発明の名称「Inflator for Dilation of Anatomical Passageway」(2014年3月13日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成し動作可能とする。
【0014】
図2A、3、及び4に示すように、本例のガイドワイヤ(50)は、コアワイヤ(54)の周りに位置するコイル(52)を含む。照明ファイバー(56)は、コアワイヤ(54)の内部に沿って延在し、非外傷性レンズ(58)において終端する。ガイドワイヤ(50)の近位端にあるコネクタ(55)は、照明ファイバ(56)と光源(図示せず)との間の光学的連結を可能にする。照明ファイバ(56)は、1本以上の光ファイバを含み得る。レンズ(58)は、照明ファイバ(56)が光源によって照射されると光を投影するように構成されており、その結果、照明ファイバ(56)が光源からレンズ(58)まで光を伝送する。いくつかの変形形態では、ガイドワイヤ(50)の遠位端は、ガイドワイヤ(50)の近位端より可撓性である。ガイドワイヤ(50)は、ガイドワイヤ(50)の遠位端が拡張器(22)の遠位に位置付けられ、一方ガイドワイヤ(50)の近位端が把持部(24)の近位に位置付けられるような長さを有する。ガイドワイヤ(50)は、拡張カテーテル(20)に対するガイドワイヤ(50)の挿入深さを示す視覚的フィードバックを操作者に提供するために、その長さの少なくとも一部(例えば、近位部分)に沿ってしるしを含んでもよい。単に一例として、ガイドワイヤ(50)は、米国特許公開第2012/0078118号、(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成され得る。いくつかの変形形態では、ガイドワイヤ(50)は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のRelieva Luma Sentry(商標)Sinus Illumination Systemに類似して構成されている。本明細書の教示を考慮することで、ガイドワイヤ(50)が取り得るその他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0015】
II.典型的な内視鏡の概要
上記のように、内視鏡(60)を用いて、拡張カテーテルシステム(10)の使用プロセス中に解剖学的通路内(例えば、鼻腔内など)を可視化してよい。図4~5に示されるように、この例の内視鏡は、本体(62)と、本体(62)から遠位に延在する剛性シャフト(64)と、を備える。シャフト(64)の遠位端は、湾曲した透明窓(66)を含む。複数のロッドレンズ及び光伝送ファイバは、シャフト(64)の長さに沿って延在し得る。レンズはロッドレンズの遠位端に位置し、スイングプリズムはレンズと窓(66)との間に位置付けられる。スイングプリズムは、シャフト(64)の長手方向軸を横断する軸の周りを枢動可能である。スイングプリズムは、スイングプリズムによって旋回する視線を画定する。視線は、シャフト(64)の長手方向軸に対する視野角を画定する。この視線は、約0度~約120度、約10度~約90度、又はその他の任意の好適な範囲内で旋回できる。スイングプリズム及び窓(66)は、約60度広がる視界(視界の中心に視線がある状態で)ももたらす。したがって、この視界により、スイングプリズムの旋回範囲に基いて、約180度、約140度、又はその他の任意の範囲に広がる視認範囲が可能になる。当然のことながら、これらの値のすべては例にすぎない。
【0016】
この例の本体(62)は、ライトポスト(70)と、アイピース(72)と、回転ダイアル(74)と、旋回ダイアル(76)と、を含む。ライトポスト(70)は、シャフト(64)内の光伝送ファイバと連通し、光源と結合するように構成され、それによって、窓(66)の遠位の患者にある部位を照らす。アイピース(72)は、内視鏡(60)の光学素子によって窓(66)を通して捕捉された画像を可視化するように構成されている。可視化システム(例えば、カメラ及び表示スクリーンなど)は、アイピース(72)と連結して、内視鏡(60)の光学素子によって窓(66)を通して捕捉された画像を可視化できると理解されたい。回転ダイアル(74)は、シャフト(64)の長手方向軸を中心に本体(62)に対してシャフト(64)を回転するように構成されている。かかる回転は、視線がシャフト(64)の長手方向軸と平行しないようにスイングプリズムが旋回される間でも実行できると理解されたい。旋回ダイアル(76)はスイングプリズムと連結し、それによって、スイングプリズムが横方向旋回軸の周りを旋回するように動作可能である。本体(62)上のしるし(78)は、視野角を示す視覚的フィードバックを提供する。本明細書の教示を考慮することで、回転ダイアル(74)をスイングプリズムと結合させるのに使用され得る様々な好適な構成要素及び配置が、当業者に明らかになるであろう。単に一例として、内視鏡(60)は、米国特許公開第2010/0030031号(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成し得る。いくつかの変形形態では、内視鏡(60)は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)のAcclarent Cyclops(商標)Multi-Angle Endoscopeに類似して構成されている。内視鏡(60)が取り得るその他の好適な形状は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0017】
III.上顎洞の小孔を拡張するための典型的な方法
図7A~7Eに示すのは、前述した拡張カテーテルシステム(10)を用いて患者の上顎洞(MS)の洞小孔(O)を拡張するための典型的な方法である。本例は上顎洞(MS)の洞小孔(O)を拡張する文脈で提供されているが、当然のことながら、拡張カテーテルシステム(10)は他の種々の処置で用いてもよい。単に一例として、拡張カテーテルシステム(10)及びその変形を用いて、耳管、喉頭、後鼻孔、蝶形骨洞小孔、1つ以上の篩骨洞蜂巣に付随する1つ以上の開口部、前頭陥凹、及び/又は副鼻腔に付随するその他の通路を拡張してもよい。拡張カテーテルシステム(10)を用い得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0018】
本例の処置では、ガイドカテーテル(30)を経鼻的に挿入し、鼻腔(NC)を通して、拡張すべき目標とする解剖学的通路(洞小孔(O))内又はその付近の位置まで進めてもよい(図7Aに示す)。膨張可能な拡張器(22)及びガイドワイヤ(50)の遠位端は、この段階では、ガイドカテーテル(30)の湾曲した遠位端(32)内又はそれよりも近位に位置してもよい。このガイドカテーテル(30)の位置決めは、内視鏡、例えば前述した内視鏡(60)を用いて、及び/又は直接可視化、X線撮影法によって、並びに/あるいは任意のその他の好適な方法によって、内視鏡的に検証することができる。ガイドカテーテル(30)を配置した後で、オペレータはガイドワイヤ(50)をガイドカテーテル(30)を通して遠位に進めて、ガイドワイヤ(50)の遠位部分が上顎洞(MS)の小孔(O)を通って上顎洞(MS)の体腔内に入るようにしてもよい。これを図7B及び7Cに示す。オペレータは照明ファイバ(56)及びレンズ(58)を照明してもよく、これによって、患者の顔面を通る経皮的照明が得られて、オペレータが比較的容易に上顎洞(MS)内でのガイドワイヤ(50)の遠位端の位置決めを視覚的に確認できる。
【0019】
図7Cに示すように、ガイドカテーテル(30)及びガイドワイヤ(50)が好適に配置されると、拡張カテーテル(20)をガイドワイヤ(50)に沿って、ガイドカテーテル(30)の湾曲した遠位端(32)を通して、拡張器(22)が非拡張の状態で進めることを、拡張器(22)が上顎洞(MS)の小孔(O)(又は何らかの他の目標とする解剖学的通路)内に位置するまで行なう。拡張器(22)を小孔(O)内に位置させた後に、拡張器(22)を膨張させて、それによって小孔(O)が拡張することができる(図7Dに示す)。拡張部(22)を膨張させるために、プランジャ(44)を作動させて、膨張器(40)の注射外筒(42)から拡張カテーテル(20)を通って拡張器(22)内へ生理食塩水を押し出すことができる。流体が移動すると拡張器(22)が拡張状態まで広がって、例えば、口(O)を形成する骨などを再構築することによって口(O)を開かせる、つまり拡張させる。一例にすぎないが、拡張器(22)は、約10~約12気圧に達する大きさの容積まで膨張させることができる。拡張器(22)を数秒間この容積で維持して、口(O)(又はその他の標的とする解剖学的通路)を十分に開かせることができる。続いて、膨張器(40)のプランジャ(44)を逆に動かして生理食塩水を膨張器(40)内に戻すことによって、拡張器(22)を非拡張状態に戻してよい。拡張器(22)は、異なる口及び/又はその他の標的とする解剖学的通路内で、繰り返し膨張及び収縮させてよい。その後、拡張カテーテル(20)、ガイドワイヤ(50)、及びガイドカテーテル(30)を、図7Eに示すように患者から取り出すことができる。
【0020】
場合によっては、拡張カテーテル(20)用いて小孔(O)を拡張した後で洞及び副鼻腔に灌注することが望ましい場合がある。このような潅注を行なって、拡張処置の後に存在する場合がある血液などを流し出してもよい。例えば、場合によっては、ガイドカテーテル(30)は、ガイドワイヤ(50)及び拡張カテーテル(20)及び洗浄液、他の物質を取り出した後に所定の位置に留まるようにしてもよいし、又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、洗浄カテーテル、バルーンカテーテル、カッティングバルーン、カッター、歯、回転カッター、回転ドリル、回転ブレード、連続拡張器、テーパ状拡張器、パンチ、解剖用器具、掘削器具、非膨張性の機械的に伸張可能な部材、高周波機械振動子、拡張ステント及び高周波切除デバイス、マイクロ波切除デバイス、レーザデバイス、スネア、生検ツール、スコープ、及び診断又は治療薬を送達するデバイス)にガイドカテーテル(30)を通過させて症状の更なる治療に備えてもよい。単に一例として、潅注は、米国特許第7,630,676号、発明の名称「Methods,Devices and Systems for Treatment and/or Diagnosis of Disorders of the Ear,Nose and Throat、」(2009年12月8日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により行なうことができる。拡張カテーテル(20)を除去した後に潅注部位に到達するようにガイドカテーテル(30)を通して供給し得る潅注カテーテルの一例は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)によるRelieva Vortex(登録商標)Sinus Irrigation Catheterである。拡張カテーテル(20)を除去した後に潅注部位に到達するようにガイドカテーテル(30)を通して供給し得る潅注カテーテルの別の一例は、Acclarent,Inc.(Menlo Park,California)によるRelieva Ultirra(登録商標)Sinus Irrigation Catheterである。当然ながら、潅注は拡張処置なしで提供することができ、拡張処置もまた、潅注なしで完了し得る。
【0021】
IV.典型的な画像誘導ナビゲーションシステム
画像誘導手術(IGS)は、コンピュータを用いて、患者の身体内に挿入された機器の場所の、手術前に得られた画像のセット(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイム相関を得て、機器の現在位置を手術前に得られた画像に重ね合わせる技術である。いくつかのIGS処置では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)が装着された特別な機器を用いて処置を実行し、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、機器装着センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関づける。トモグラフィスキャン画像をビデオモニタ上にインジケータ(例えば、十字線又は照明されたドット)と共に表示して、スキャン画像に示された解剖学的構造に対する各手術用器具のリアルタイム位置を示す。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在の位置において直接見ることができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0022】
ENT及び洞手術で用い得る電磁IGSシステムの例としては、InstaTrak ENT(商標)システム(GE Medical Systems、Salt Lake City,Utahから入手可能)が挙げられる。本開示に従って用いるように変更することができる電磁気画像誘導システムの他の例としては、これらに限定されないが、CARTOR(登録商標)3システム(Biosense-Webster,Inc.、Diamond Bar,California)、Surgical Navigation Technologies,Inc.(Louisville,Colorado)から入手可能なシステム、及びCalypso Medical Technologies,Inc.(Seattle,Washington)から入手可能なシステムが挙げられる。
【0023】
内視鏡下機能的副鼻腔手術(FESS)、バルーンサイナプラスティ(balloon sinuplasty)、及び/又はその他のENT処置に適用した場合、画像誘導システムを用いることによって、外科医は、内視鏡だけを通して見ることによって実現できるよりも、手術用器具のより正確な動き及び位置決めを実現することができる。これは、典型的な内視鏡の画像が空間的に制限された2次元の視線の視界だからである。画像誘導システムを用いることによって、空間的に制限された2次元の直接視線の内視鏡視野において実際に見えるものだけではなく、術野を囲む生体構造すべてのリアルタイムの3次元図が得られる。その結果、画像誘導システムはFESS、バルーンサイナプラスティ、及び/又はその他のENT処置の実行中に特に有用であり得、特に、通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に視覚化することが難しい場合にそうである。
【0024】
図8に示すのは、典型的な画像誘導システム(200)と組み合わせた変更された拡張カテーテルシステム(100)である。拡張カテーテルシステム(100)は、ガイドカテーテル(130)と、その中に滑動可能に配置されたガイドワイヤ(150)と、を含む。ガイドカテーテル(130)を前述したガイドカテーテル(30)と同様に構成及び動作可能とすることができ、そのため、更なる詳細はここで示さない。また当然のことながら、図8では示していないが、拡張カテーテルシステム(100)はまた、前述した拡張カテーテル(20)と同様に構成し動作可能とした拡張カテーテルを含んでもよい。拡張カテーテルを、前述したように、ガイドワイヤ(150)に沿って、及びガイドカテーテル(130)を通して滑動させてもよい。
【0025】
この例のガイドワイヤ(150)は、前述したガイドワイヤ(50)と実質的に同様であるが、この例のガイドワイヤ(150)は特に、ナビゲーションシステム(200)と共に動作するように構成されている。詳細には、ガイドワイヤ(150)は、画像誘導システム(200)のケーブル(210)と結合するように構成されたコネクタハブ(152)を含む。ガイドワイヤ(150)の遠位端は、ガイドワイヤ(150)の長さに沿って延びる1つ以上の電線導管と連通しているコイル(図示せず)を含む。コイルを電磁界内に配置させると、その磁界内でのコイルの動きがコイル内に電流を発生させ得、この電流はガイドワイヤ(150)内の電線導管に沿って、更にコネクタハブ(152)を介してケーブル(210)に沿って伝達されることができる。この現象によって、画像誘導システム(200)は3次元空間内のガイドワイヤ(150)の遠位端の場所を決定することを可能にすることができるが、これについては以下に詳細に説明する。
【0026】
本例ではガイドワイヤ(150)は1つのコイルのみを有しているが、当然のことながら、ガイドワイヤ(150)は2つ以上のコイルを有していてもよい。また、ガイドワイヤ(150)は、必ずしもコイルを構成しない何らかの他の種類の位置検知構成部品を有していてもよい。ガイドワイヤ(150)の遠位端は多くの方法で構成し得ることを理解されたい。ガイドワイヤ(150)の遠位端を構成し得る方法のいくつかの単なる説明例について、以下に詳細に説明する。
【0027】
この例の画像誘導システム(200)は更に、コンピュータ(220)、ビデオディスプレイモニタ(230)、及び電界放出アセンブリ(240)を含む。電界放出アセンブリ(240)は患者の頭部の周りで電磁界を発生させるように動作可能である。単に一例として、電界放出アセンブリ(240)は一組のコイルを含み得る。電界放出アセンブリ(240)を形成及び駆動するために用い得る種々の好適な構成部品は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。電界放出アセンブリ(240)は、図8において患者が着用するヘッドセットの一部として示されているが、当然のことながら、電界放出アセンブリ(240)は任意の他の好適な場所に配置させてもよい。
【0028】
コンピュータ(220)は、電界放出アセンブリ(240)と、ガイドワイヤ(150)のコイルによって生成されるプロセス信号と、を駆動するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含む。詳細には、ガイドワイヤ(150)を電界放出アセンブリ(240)が発生させた電磁界内で動かすと、コイルによって位置関係信号が生成され、これらの信号はコネクタハブ(152)及びケーブル(210)を介してコンピュータ(220)に伝達される。コンピュータ(220)内のプロセッサは、ガイドワイヤ(150)の遠位端の位置座標をガイドワイヤ(150)内のコイルの位置関係信号から計算するアルゴリズムを実行する。コンピュータ(220)は更に、ビデオディスプレイモニタ(230)を介してビデオをリアルタイムで提供するように動作可能であり、患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルに対するガイドワイヤ(150)の遠位端の位置を示す。
【0029】
場合によっては、ガイドワイヤ(150)を用いて、患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成することを、患者の鼻腔内の拡張カテーテルシステム(100)に対するナビゲーションをもたらすために用いることに加えて行なう。あるいは、任意のその他の好適なデバイスを用いて患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成することを、ガイドワイヤ(150)を用いて患者の鼻腔内の拡張カテーテルシステム(100)に対するナビゲーションをもたらす前に行なってもよい。単に一例として、この解剖学的構造のモデルは、米国特許出願第14/825,551号、発明の名称「System and Method to Map Structures of Nasal Cavity」(2015年8月13日出願)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により生成することができる。患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成し得る更に他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成する方法又は場所には関係なく、モデルをコンピュータ(220)上に記憶させてもよい。したがって、コンピュータ(220)は、少なくとも一部のモデルの画像をビデオディスプレイモニタ(230)を介してレンダリングしてもよいし、更にモデルに対するガイドワイヤ(150)の位置のリアルタイムビデオ画像をビデオディスプレイモニタ(230)を介してレンダリングしてもよい。
【0030】
単に一例として、拡張カテーテルシステム(100)及び/又は画像誘導システム(200)は、以下の文献の教示の少なくとも一部により構成し動作可能としてもよい:米国特許第8,702,626号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年4月22日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,320,711号、発明の名称「Anatomical Modeling from a 3-D Image and a Surface Mapping」(2012年11月27日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,190,389号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2012年5月29日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,123,722号、発明の名称「Devices,Systems and Methods for Treating Disorders of the Ear,Nose and Throat」(2012年2月28日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、及び米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)。
【0031】
更なる単なる例として、拡張カテーテルシステム(100)及び/又は画像誘導システム(200)は、以下の文献の教示の少なくとも一部により構成し動作可能としてもよい:米国特許公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許公開第2014/0200444号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年7月17日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許公開第2012/0245456号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2012年9月27日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許公開第2011/0060214号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2011年3月10日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許公開第2008/0281156号、発明の名称「Methods and Apparatus for Treating Disorders of the Ear Nose and Throat」(2008年11月13日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、及び米国特許公開第2007/0208252号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2007年9月6日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)。
【0032】
前述から理解されるように、拡張カテーテルシステム(100)と画像誘導システム(200)との組み合わせを用いて画像誘導拡張処置を、様々な副鼻腔の口内、前頭陥凹内、耳管内、並びに/又は耳、鼻、及び喉に付随するその他の通路内で行なってもよい。例えば、拡張カテーテルシステム(100)と画像誘導システム(200)との組み合わせを用いて、洞上顎洞(MS)の洞小孔(O)の拡張を行なってもよい。これについては図7A~7Eに示し、前述している。内視鏡(60)などの内視鏡を用いて鼻腔内のある程度の可視化をもたらす場合であっても、ガイドワイヤ(150)内にコイルセンサを付加すること、及び画像誘導システム(200)を通してイメージング機能をもたらすことによって、オペレータの経験は、内視鏡(60)を通して観察することはできない解剖学的領域の更なる可視化を効果的にもたらすことにより更に高まることができる。更に、画像誘導システム(200)を通してイメージング機能をもたらすことによって、更なるフィードバックをオペレータに提供して、患者内でのガイドワイヤ(150)の位置決めを従来のガイドワイヤ(50)を用いたときには得られなかった精度で示すことができる。拡張カテーテルシステム(100)と画像誘導システム(200)との組み合わせを用いることを通して得ることができる他の潜在的利益及び機能は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0033】
V.典型的な代替的なナビゲーションガイドワイヤ構成
前述したように、ガイドワイヤ(150)の遠位端はコイルを有しており、これは、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(150)の遠位端の位置を示す信号をリアルタイムで与える。このようなコイルは、ガイドワイヤ(150)の遠位端に多くの異なる方法で組み込むことができる。このようなコイルをガイドワイヤ(150)の遠位端内に組み込むことができるいくつかの方法が、本明細書で引用する1つ以上の参考文献に記載されている。どのようにコイルをガイドワイヤ(150)の遠位端内に組み込むことができるかの他の例については、以下に詳細に説明する。また当然のことながら、以下の教示を取り入れることに加えて、後述する種々の典型的なガイドワイヤは、米国特許公開第2012/0078118号(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示も取り入れてよい。後述するガイドワイヤのいずれかは、ガイドワイヤ(50、150)の代わりに拡張カテーテルシステム(10、100)内に容易に組み込むことができる」。
【0034】
A.遠位先端部材の内部にコイルセンサを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図9に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(300)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(300)を前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(300)は、外部コイル(302)、遠位先端部材(304)、コアワイヤ(308)、ナビゲーションコイル(310)、ナビゲーションケーブル(312)、及びハンダ接合(320)を含む。外部コイル(302)は、ガイドワイヤ(300)の長さに沿って延び、コアワイヤ(308)、ナビゲーションコイルの近位部分(310)、及びナビゲーションケーブル(312)を収容している。外部コイル(302)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0035】
遠位先端部材(304)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(302)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(304)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(302)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(304)は、光透過性の接着剤を外部コイル(302)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(304)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。遠位先端部材(304)を構成し動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0036】
いくつかの変形形態では、光ファイバ(図示せず)の遠位端は遠位先端部材(304)と光学的に結合されている。光ファイバの近位端は光源と結合するように構成されている。光ファイバを光源と結合し得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。光ファイバは、光源からの光を遠位先端部材(304)まで伝達するための経路を提供するように構成され、そのため、遠位先端部材(304)は光源によって生成された光を発することができるようになっている。単に一例として、1つ以上の光ファイバが、ナビゲーションコイル(310)によって画定される外径と一緒に進んで、遠位先端部材(304)まで達してもよい。別の単なる説明例として、1つ以上の光ファイバが外部コイル(302)の側壁内で、ナビゲーションコイル(310)の直近位にある場所で終了して、1つ以上の光ファイバが外部コイル(302)の側壁を通して光を発し得るようになっていてもよい。ガイドワイヤ(300)が光ファイバを含む変形形態では、任意の好適な数の光ファイバを用いてもよいことを理解されたい。ガイドワイヤ(300)が1つ以上の光ファイバを取り入れ得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、ガイドワイヤ(300)は単純に光ファイバがなくてもよい。
【0037】
コアワイヤ(308)は、外部コイル(302)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(308)の近位端は外部コイル(302)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(308)の遠位端は外部コイル(302)の遠位端に固く固定されている。こうして、コアワイヤ(308)は外部コイル(302)の長手方向の延伸を防止又は制限する。コアワイヤ(308)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0038】
ナビゲーションコイル(310)は外部コイル(302)の遠位端内に位置している。そのため、この例では、ナビゲーションコイル(310)が示す有効外径は、外部コイル(302)によって画定される内径よりも小さい。加えて、ナビゲーションコイルの遠位部分(310)は先端部材(304)内に位置する。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(310)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(310)に沿って又はナビゲーションコイル(310)の長さの一部に沿って延びることができる。ナビゲーションコイル(310)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(300)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(312)はナビゲーションコイル(310)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(310)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(300)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(312)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0039】
ハンダ接合(320)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(320)は先端部材(304)よりも近位にあり、外部コイル(302)、コアワイヤ(308)、及びナビゲーションコイル(310)の周りに延びている。ナビゲーションケーブル(312)はハンダ接合(320)の長手方向位置よりも近位で終了する。ガイドワイヤ(300)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(320)はまた、ある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(300)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(320)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(300)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0040】
B.遠位先端部材の内部にコイルセンサを及びコイル内に光ファイバを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図10に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(400)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(400)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(400)は、外部コイル(402)、遠位先端部材(404)、コアワイヤ(408)、ナビゲーションコイル(410)、ナビゲーションケーブル(412)、及びハンダ接合(420)を含む。外部コイル(402)はガイドワイヤ(400)の長さに沿って延び、コアワイヤ(408)、及びナビゲーションケーブル(412)を収容している。外部コイル(402)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0041】
遠位先端部材(404)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(402)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(404)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(402)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(404)は、光透過性の接着剤を外部コイル(402)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(404)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。遠位先端部材(404)を構成して動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0042】
いくつかの変形形態では、光ファイバ(図示せず)の遠位端は遠位先端部材(404)と光学的に結合されている。光ファイバの近位端は光源と結合するように構成されている。光ファイバを光源と結合し得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。光ファイバは、光源からの光を遠位先端部材(404)まで伝達するための経路を提供するように構成され、そのため、遠位先端部材(404)は光源によって生成された光を発することができるようになっている。単に一例として、1つ以上の光ファイバが、ナビゲーションコイル(410)によって画定される外径と一緒に進んで、遠位先端部材(404)まで達してもよい。別の単なる説明例として、1つ以上の光ファイバが外部コイル(402)の側壁内で、ナビゲーションコイル(410)の直近位の場所で終了して、1つ以上の光ファイバが外部コイル(402)の側壁を通して光を発し得るようになっていてもよい。ガイドワイヤ(400)が光ファイバを含む変形形態では、任意の好適な数の光ファイバを用いてもよいことを理解されたい。ガイドワイヤ(400)が1つ以上の光ファイバを取り入れ得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、ガイドワイヤ(400)は単純に光ファイバがなくてもよい。
【0043】
コアワイヤ(408)は、外部コイル(402)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(408)の近位端は外部コイル(402)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(408)の遠位端は外部コイル(402)の遠位端に固く固定されている。こうして、コアワイヤ(408)は、外部コイル(402)の長手方向の延伸を防止又は制限する。コアワイヤ(408)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0044】
ナビゲーションコイル(410)は外部コイル(402)の遠位端よりも遠位に位置する。この例では、ナビゲーションコイル(410)が示す有効外径は外部コイル(402)によって画定される内径よりも大きい。加えて、ナビゲーションコイルの全長(410)は先端部材(404)内に位置する。当然のことながら、この例におけるナビゲーションコイル(410)の位置決めによって、ナビゲーションコイル(410)を、より厚いゲージのワイヤ(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)で形成することが可能になり、またナビゲーションコイル(410)を形成するために必要なワイヤの巻き数を減らすことができる(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)。また当然のことながら、ナビゲーションコイル(410)を外部コイル(402)の遠位端よりも遠位に位置させると、ナビゲーションコイル(410)が外部コイル(402)内に位置するガイドワイヤ(300)などの変形形態において別の方法で生成され得るものよりも小さい信号干渉が示され得る。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(410)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(410)に沿って又はナビゲーションコイル(410)の長さの一部に沿って延びることができる。
【0045】
ナビゲーションコイル(410)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(400)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(412)は、ナビゲーションコイル(410)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(410)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(400)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(412)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0046】
ハンダ接合(420)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(420)は、先端部材(404)よりも近位であり、外部コイル(402)、コアワイヤ(408)、及びナビゲーションケーブル(412)の遠位部分の周りに延びている。ナビゲーションコイル(410)は、ハンダ接合(420)の長手方向位置よりも遠位に配置されている。ガイドワイヤ(400)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(420)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(400)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(420)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(400)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0047】
C.コイルセンサ内に支持チューブを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図11に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(500)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(500)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(500)は、外部コイル(502)、遠位先端部材(504)、コアワイヤ(508)、ナビゲーションコイル(510)、ナビゲーションケーブル(512)、ハンダ接合(520)、及び支持チューブ(530)を含む。外部コイル(502)は、ガイドワイヤ(500)の長さに沿って延び、コアワイヤ(508)、ナビゲーションケーブル(512)、及び支持チューブ(530)の近位部分を収容している。外部コイル(502)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0048】
遠位先端部材(504)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(502)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(504)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(502)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(504)は、光透過性の接着剤を外部コイル(502)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(504)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。遠位先端部材(504)を構成して動作可能として得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0049】
本例では、ガイドワイヤ(500)には光ファイバがない。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(500)のいくつかの変形形態では単純に、遠位先端部材(504)を通して光を発しない。あるいは、外部コイル(502)によって形成された管腔は、光を外部コイル(502)の近位端から遠位先端部材へ送信する光導体(504)を形成してもよい。別の単に例示的な代替案では、1つ以上の光ファイバがガイドワイヤ(500)に含まれていてもよい。このような変形形態では、1つ以上の光ファイバは支持チューブ(530)の内部を通って延びて遠位先端部材(504)まで達してもよい。
【0050】
コアワイヤ(508)は、外部コイル(502)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(508)の近位端は外部コイル(502)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(508)の遠位端は外部コイル(502)の遠位端に固く固定されている。いくつかの他の変形形態では、コアワイヤ(508)の遠位端は支持チューブ(530)に固く固定されている。いくつかのこのような変形形態では、支持チューブ(530)は外部コイル(502)の遠位端に固く固定されている。任意のこのような例では、コアワイヤ(508)は外部コイル(502)の長手方向の延伸を防止又は制限することができる。コアワイヤ(508)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0051】
ナビゲーションコイル(510)は外部コイル(502)の遠位端よりも遠位に位置する。この例では、ナビゲーションコイル(510)が示す有効外径は外部コイル(502)によって画定される内径よりも大きい。加えて、ナビゲーションコイルの全長(510)は先端部材(504)内に位置する。当然のことながら、この例におけるナビゲーションコイル(510)の位置決めによって、ナビゲーションコイル(510)を、より厚いゲージのワイヤ(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)で形成することが可能になり、またナビゲーションコイル(510)を形成するために必要なワイヤの巻き数を減らすことができる(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)。また当然のことながら、ナビゲーションコイル(510)を外部コイル(502)の遠位端よりも遠位に位置させると、ナビゲーションコイル(510)が外部コイル(502)内に位置するガイドワイヤ(300)などの変形形態において別の方法で生成され得るものよりも小さい信号干渉が示され得る。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(510)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(510)に沿って又はナビゲーションコイル(510)の長さの一部に沿って延びることができる。
【0052】
ナビゲーションコイル(510)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(500)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(512)はナビゲーションコイル(510)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(510)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(500)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(512)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0053】
ハンダ接合(520)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(520)は先端部材(504)よりも近位であり、外部コイル(502)、コアワイヤ(508)、ナビゲーションケーブル(512)の遠位部分、及び支持チューブ(530)の近位部分の周りに延びている。ナビゲーションコイル(510)は、ハンダ接合(520)の長手方向位置よりも遠位に配置されている。ガイドワイヤ(500)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(520)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(500)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(520)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(500)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0054】
本例の支持チューブ(530)はシリンダ状構成を有する。支持チューブ(530)の近位部分は外部コイル(502)の遠位端内に位置している。そのため、支持チューブ(530)が示す外径は、外部コイル(502)によって画定される内径よりも小さい。支持チューブ(530)はまた、ナビゲーションコイル(510)を通って完全に延びている。いくつかの変形形態では、支持チューブ(530)の遠位端はナビゲーションコイル(510)の遠位端よりも遠位である。いくつかの他の変形形態では、支持チューブ(530)の遠位端はナビゲーションコイル(510)の遠位端と同一平面にある。更に他の変形形態では、支持チューブ(530)の遠位端はナビゲーションコイル(510)の遠位端の直近位である。また当然のことながら、支持チューブ(530)の外径は、ナビゲーションコイル(510)によって画定される有効内径と任意の好適な関係を有し得る。いくつかの変形形態では、ナビゲーションコイル(510)は支持チューブ(530)の外部の周りに巻かれていて、ナビゲーションコイル(510)の内部が支持チューブ(530)の外部に接触するようになっている。いくつかの他の変形形態では、ナビゲーションコイル(510)の内部は支持チューブ(530)の外部から半径方向外側に離間されている。また当然のことながら、支持チューブ(530)は、横方向に配向された開口部又はスロットなどを含んで、ナビゲーションケーブル(512)がナビゲーションコイル(510)と結合するための経路を提供してもよい。
【0055】
本例の支持チューブ(530)によって、ナビゲーションコイル(510)に更なる構造的完全性がもたらされて(例えば、ナビゲーションコイル(310、410)と比べて)、ガイドワイヤ(500)の使用中に先端部材(504)が患者内の解剖学的構造及び他の構造体に衝突したときにナビゲーションコイル(510)が損傷を受ける可能性が小さくなる。また本例の支持チューブ(530)は、ナビゲーションコイル(510)によって提供される信号に悪影響を及ぼさないように構成されている。いくつかの変形形態では、支持チューブ(530)は非伝導性ポリマー材料で構成されている。支持チューブ(530)を構成し得る他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0056】
D.コイルセンサの周りに支持チューブを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図12に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(600)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(600)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(600)は、外部コイル(602)、遠位先端部材(604)、コアワイヤ(608)、ナビゲーションコイル(610)、ナビゲーションケーブル(612)、ハンダ接合(620)、及び支持チューブ(630)を含む。外部コイル(602)は、ガイドワイヤ(600)の長さに沿って延び、コアワイヤ(608)、ナビゲーションケーブル(612)、及び支持チューブ(630)の近位部分(634)を収容している。外部コイル(602)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0057】
遠位先端部材(604)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(602)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(604)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(602)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(604)は、光透過性の接着剤を外部コイル(602)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(604)は、前述したレンズ(58)のように構成して動作可能としてもよい。遠位先端部材(604)を構成して動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0058】
本例では、ガイドワイヤ(600)には光ファイバがない。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(600)のいくつかの変形形態では単純に、遠位先端部材(604)を通して光を発しない。あるいは、外部コイル(602)によって形成された管腔は、光を外部コイル(602)の近位端から遠位先端部材へ送信する光導体(604)を形成してもよい。別の単に例示的な代替案では、1つ以上の光ファイバがガイドワイヤ(600)に含まれていてもよい。このような変形形態では、1つ以上の光ファイバは支持チューブ(630)の内部を通って延びて遠位先端部材(604)まで達してもよい。
【0059】
コアワイヤ(608)は、外部コイル(602)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(608)の近位端は外部コイル(602)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(608)の遠位端は外部コイル(602)の遠位端に固く固定されている。いくつかの他の変形形態では、コアワイヤ(608)の遠位端は支持チューブ(630)に固く固定されている。いくつかのこのような変形形態では、支持チューブ(630)は外部コイル(602)の遠位端に固く固定されている。任意のこのような例では、コアワイヤ(608)は外部コイル(602)の長手方向の延伸を防止又は制限することができる。コアワイヤ(608)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0060】
ナビゲーションコイル(610)は外部コイル(602)の遠位端よりも遠位に位置する。この例では、ナビゲーションコイル(610)が示す有効外径は外部コイル(602)によって画定される内径よりも大きい。加えて、ナビゲーションコイルの全長(610)は先端部材(604)内に位置する。当然のことながら、この例におけるナビゲーションコイル(610)の位置決めによって、ナビゲーションコイル(610)を、より厚いゲージのワイヤ(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)で形成することが可能になり、またナビゲーションコイル(610)を形成するために必要なワイヤの巻き数を減らすことができる(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)。また当然のことながら、ナビゲーションコイル(610)を外部コイル(602)の遠位端よりも遠位に位置させると、ナビゲーションコイル(610)が外部コイル(602)内に位置するガイドワイヤ(300)などの変形形態において別の方法で生成され得るものよりも小さい信号干渉が示され得る。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(610)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(610)に沿って又はナビゲーションコイル(610)の長さの一部に沿って延びることができる。
【0061】
ナビゲーションコイル(610)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(600)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(612)はナビゲーションコイル(610)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(610)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(600)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(612)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0062】
ハンダ接合(620)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(620)は先端部材(604)よりも近位であり、外部コイル(602)、コアワイヤ(608)、ナビゲーションケーブル(612)の遠位部分、及び支持チューブ(630)の近位部分(634)の周りに延びている。ナビゲーションコイル(610)は、ハンダ接合(620)の長手方向位置よりも遠位に配置されている。ガイドワイヤ(600)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(620)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(600)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(620)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(600)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0063】
本例の支持チューブ(630)は、遠位部分(632)、近位部分(634)、及び移行部(636)を有する。遠位部分(632)の外径及び内径はそれぞれ近位部分(634)の外径及び内径よりも大きい。この例では、移行部(636)によって部分(632、634)間のテーパ状の移行がもたらされるが、当然のことながら、移行は代替的に階段状であってもよいし又は他の方法で構成してもよい。近位部分(634)は外部コイル(602)の遠位端内に位置している。そのため、近位部分(634)が示す外径は、外部コイル(602)によって画定される内径よりも小さい。遠位部分(632)は外部コイル(602)の遠位端よりも遠位に位置し、その外径は外部コイル(602)によって画定される内径よりも大きい。移行部(636)は外部コイル(602)のちょうど遠位端に位置している。
【0064】
遠位部分(632)はナビゲーションコイル(610)の周りに延びている。そのため、遠位部分(632)の内径はナビゲーションコイル(610)が示す有効外径よりも大きい。いくつかの変形形態では、支持チューブ(630)の遠位端はナビゲーションコイル(610)の遠位端よりも遠位である。いくつかの他の変形形態では、支持チューブ(630)の遠位端はナビゲーションコイル(610)の遠位端と同一平面にある。更に他の変形形態では、支持チューブ(630)の遠位端はナビゲーションコイル(610)の遠位端の直近位である。また当然のことながら、遠位部分(632)の内径は、ナビゲーションコイル(610)によって画定される有効外径と任意の好適な関係を有し得る。いくつかの変形形態では、ナビゲーションコイル(610)の外部は遠位部分(632)の内部と接触している。いくつかの他の変形形態では、ナビゲーションコイル(610)の外部は遠位部分(632)の内部から半径方向内側に離間されている。また当然のことながら、ナビゲーションケーブル(612)はナビゲーションコイル(610)と遠位部分(632)内のどこかで結合していてもよい。
【0065】
本例の支持チューブ(630)によってナビゲーションコイル(610)に更なる構造的完全性がもたらされて(例えば、ナビゲーションコイル(410)と比べて)、ガイドワイヤ(600)の使用中に先端部材(604)が患者内の解剖学的構造及び他の構造体に衝突したときにナビゲーションコイル(610)が損傷を受ける可能性が小さくなる。また本例の支持チューブ(630)は、ナビゲーションコイル(610)によって提供される信号に悪影響を及ぼさないように構成されている。いくつかの変形形態では、支持チューブ(630)は非伝導性ポリマー材料で構成されている。支持チューブ(630)を構成し得る他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0066】
E.コイルセンサの周りに支持チューブを及びコイルセンサ内にコアワイヤを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図13に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(700)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(700)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(700)は、外部コイル(702)、遠位先端部材(704)、コアワイヤ(708)、ナビゲーションコイル(710)、ナビゲーションケーブル(712)、ハンダ接合(720)、及び支持チューブ(730)を含む。外部コイル(702)は、ガイドワイヤ(700)の長さに沿って延び、コアワイヤ(708)、ナビゲーションケーブル(712)、及び支持チューブ(730)の近位部分(734)を収容している。外部コイル(702)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0067】
遠位先端部材(704)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(702)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(704)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(702)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(704)は、光透過性の接着剤を外部コイル(702)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(704)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。遠位先端部材(704)を構成して動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0068】
本例では、ガイドワイヤ(700)には光ファイバがない。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(700)のいくつかの変形形態では単純に、遠位先端部材(704)を通して光を発しない。あるいは、外部コイル(702)によって形成された管腔は、光を外部コイル(702)の近位端から遠位先端部材へ送信する光導体(704)を形成してもよい。別の単に例示的な代替案では、1つ以上の光ファイバがガイドワイヤ(700)に含まれていてもよい。このような変形形態では、1つ以上の光ファイバは支持チューブ(730)の内部を通って延びて遠位先端部材(704)まで達してもよい。
【0069】
コアワイヤ(708)は、外部コイル(702)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(708)の近位端は外部コイル(702)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(708)の遠位端は遠位先端部材(704)内に最後まで延びている。この例では、コアワイヤ(708)の遠位端はナビゲーションコイル(710)の遠位端よりも遠位に位置する。コアワイヤ(708)は外部コイル(702)の長手方向の延伸を防止又は制限することができる。コアワイヤ(708)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0070】
ナビゲーションコイル(710)は外部コイル(702)の遠位端よりも遠位に位置する。この例では、ナビゲーションコイル(710)が示す有効外径は外部コイル(702)によって画定される内径よりも大きい。加えて、ナビゲーションコイルの全長(710)は先端部材(704)内に位置する。当然のことながら、この例におけるナビゲーションコイル(710)の位置決めによって、ナビゲーションコイル(710)を、より厚いゲージのワイヤ(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)で形成することが可能になり、またナビゲーションコイル(710)を形成するために必要なワイヤの巻き数を減らすことができる(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)。また当然のことながら、ナビゲーションコイル(710)を外部コイル(702)の遠位端よりも遠位に位置させたると、ナビゲーションコイル(710)が外部コイル(702)内に位置するガイドワイヤ(300)などの変形形態において別の方法で生成され得るものよりも小さい信号干渉が示され得る。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(710)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(710)に沿って又はナビゲーションコイル(710)の長さの一部に沿って延びることができる。
【0071】
ナビゲーションコイル(710)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(700)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(712)はナビゲーションコイル(710)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(710)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(700)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(712)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0072】
ハンダ接合(720)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(720)は先端部材(704)よりも近位であり、外部コイル(702)、コアワイヤ(708)、ナビゲーションケーブル(712)の遠位部分、及び支持チューブ(730)の近位部分(734)の周りに延びている。ナビゲーションコイル(710)は、ハンダ接合(720)の長手方向位置よりも遠位に配置されている。ガイドワイヤ(700)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(720)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(700)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(720)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(700)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。いくつかの典型的な代替的な変形形態では、ハンダ接合(720)は支持チューブ(732)の近位部分(734)よりも近位に位置する。いくつかのこのような変形形態では、ハンダ接合(720)の遠位端と近位部分(734)の近位端との間の外部コイル(702)の長さが衝撃吸収材として働いて、ガイドワイヤ(700)の使用中に遠位先端部材(704)が解剖学的構造又は他の構造体に衝突したときに衝撃を吸収する歪みをもたらし得る。
【0073】
本例の支持チューブ(730)は遠位部分(732)、近位部分(734)、及び移行部(736)を有する。遠位部分(732)の外径及び内径はそれぞれ近位部分(734)の外径及び内径よりも大きい。この例では、移行部(736)によって部分(732、734)間のテーパ状の移行がもたらされるが、当然のことながら、移行は代替的に階段状であってもよいし又は他の方法で構成してもよい。近位部分(734)は外部コイル(702)の遠位端内に位置している。そのため、近位部分(734)が示す外径は、外部コイル(702)によって画定される内径よりも小さい。遠位部分(732)は外部コイル(702)の遠位端よりも遠位に位置し、その外径は外部コイル(702)によって画定される内径よりも大きい。移行部(736)は外部コイル(702)のちょうど遠位端に位置している。
【0074】
遠位部分(732)はナビゲーションコイル(710)の周りに延びている。そのため、遠位部分(732)の内径はナビゲーションコイル(710)が示す有効外径よりも大きい。いくつかの変形形態では、支持チューブ(730)の遠位端はナビゲーションコイル(710)の遠位端よりも遠位である。いくつかの他の変形形態では、支持チューブ(730)の遠位端はナビゲーションコイル(710)の遠位端と同一平面にある。更に他の変形形態では、支持チューブ(730)の遠位端はナビゲーションコイル(710)の遠位端の直近位である。また当然のことながら、遠位部分(732)の内径は、ナビゲーションコイル(710)によって画定される有効外径と任意の好適な関係を有し得る。いくつかの変形形態では、ナビゲーションコイル(710)の外部は遠位部分(732)の内部と接触している。いくつかの他の変形形態では、ナビゲーションコイル(710)の外部は遠位部分(732)の内部から半径方向内側に離間されている。また当然のことながら、ナビゲーションケーブル(712)はナビゲーションコイル(710)と遠位部分(732)内のどこかで結合していてもよい。
【0075】
本例の支持チューブ(730)によってナビゲーションコイル(710)に更なる構造的完全性がもたらされて(例えば、ナビゲーションコイル(410)と比べて)、ガイドワイヤ(700)の使用中に先端部材(704)が患者内の解剖学的構造及び他の構造体に衝突したときにナビゲーションコイル(710)が損傷を受ける可能性が小さくなる。当然のことながら、ナビゲーションコイル(710)の内部を通してコアワイヤ(708)を延ばすこと、並びに遠位先端部材(704)内のナビゲーションコイル(710)の遠位端よりも遠位にある場所にコアワイヤ(708)の遠位端を固定することによって、ナビゲーションコイル(710)の構造的完全性を更に高めることができる。コアワイヤ(708)のこの遠位伸張は、本明細書で説明する他の例のいずれにおいてももたらすことができる。また本例の支持チューブ(730)は、ナビゲーションコイル(710)によって提供される信号に悪影響を及ぼさないように構成されている。いくつかの変形形態では、支持チューブ(730)は非伝導性ポリマー材料で構成されている。支持チューブ(730)を構成し得る他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0076】
F.押出成形品内にコイルセンサを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図14に示すのは、画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(800)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(800)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(800)は、外部押出成形品(802)、遠位先端部材(804)、コアワイヤ(808)、ナビゲーションコイル(810)、及びナビゲーションケーブル(812)を含む。外部押出成形品(802)はガイドワイヤ(800)の長さに沿って延び、コアワイヤ(808)、ナビゲーションコイルの近位部分(810)、及びナビゲーションケーブル(812)を収容している。
【0077】
本例では、外部押出成形品(802)はポリマー材料の単一の一体押出成形品を含む。単に一例として、材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、例えばPEBAX(登録商標)(Arkema Inc.、King of Prussia,Pennsylvania)、ナイロン、ケブラー、及び/又は任意のその他の好適な材料を含み得る。またポリマー材料を押出形態で提供することに加えて又はその代わりに編組形態で提供してもよいことを理解されたい。当然のことながら、外部押出成形品(802)は、本明細書で説明する様々なその他の例で用いられるように、外部コイルの代わりに用いる。外部押出成形品(802)は、の肉厚は、本明細書で説明する他の例で用いられるような外部コイルによってもたらされる有効肉厚よりも薄くてよい。これによって、外部押出成形品(802)が、本明細書で説明する他の例で用いられるような外部コイルによって画定されるものよりも大きな内径を画定することが可能になる。加えて、外部押出成形品(802)の場合、ナビゲーションコイル(810)との信号干渉は、本明細書の他の例で用いられるような外部コイルによって別の方法でもたらされ得るものよりも小さくすることができる。(他の潜在的な違いの中で)上記で概略した違い以外に、外部押出成形品(802)は、他の点では、本明細書で説明する他の例で用いられるような外部コイルと同様に機能し得る。
【0078】
遠位先端部材(804)は非外傷性のドーム形状を有し、外部押出成形品(802)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(804)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部押出成形品(802)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(804)は、光透過性の接着剤を外部押出成形品(802)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(804)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。遠位先端部材(804)を構成して動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0079】
いくつかの変形形態では、光ファイバ(図示せず)の遠位端は遠位先端部材(804)と光学的に結合されている。光ファイバの近位端は光源と結合するように構成されている。光ファイバを光源と結合し得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。光ファイバは、光源からの光を遠位先端部材(804)まで伝達するための経路を提供するように構成され、そのため、遠位先端部材(804)が、光源によって生成された光を発することができるようになっている。単に一例として、1つ以上の光ファイバが、ナビゲーションコイル(810)によって画定される外径と一緒に進んで遠位先端部材(804)まで達してもよい。別の単なる説明例として、1つ以上の光ファイバが外部押出成形品(802)の側壁内で、ナビゲーションコイル(810)の直近位の場所で終了して、1つ以上の光ファイバが外部押出成形品(802)の側壁を通して光を発し得るようになっていてもよい。ガイドワイヤ(800)が光ファイバを含む変形形態では、任意の好適な数の光ファイバを用いてもよいことを理解されたい。ガイドワイヤ(800)が1つ以上の光ファイバを取り入れ得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、ガイドワイヤ(800)は単純に光ファイバがなくてもよい。
【0080】
コアワイヤ(808)は外部押出成形品(802)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(808)の近位端は外部押出成形品(802)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(808)の遠位端は外部押出成形品(802)の遠位端に固く固定されている。こうして、コアワイヤ(808)は外部押出成形品(802)の長手方向の延伸を防止又は制限する。コアワイヤ(808)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。コアワイヤ(808)は、この例ではナビゲーションコイル(810)の外側に位置すると示されているが、当然のことながら、コアワイヤ(808)は、他の例ではナビゲーションコイル(810)の内側に位置してもよい。
【0081】
ナビゲーションコイル(810)は外部押出成形品(802)の遠位端内に位置する。そのため、この例では、ナビゲーションコイル(810)が示す有効外径は、外部押出成形品(802)によって画定される内径よりも小さい。加えて、ナビゲーションコイルの遠位部分(810)は先端部材(804)内に位置する。外部押出成形品(802)の内径が、外部コイル(302)によって画定される内径よりも大きい場合、内径が大きいことによってナビゲーションコイル(810)を、より厚いゲージのワイヤ(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)で形成することができ、またナビゲーションコイル(810)を形成するために必要なワイヤの巻き数を減らすことができる(例えば、ナビゲーションコイル(310)と比べて)。いくつかの変形形態では、鉄及び/又は何らかのその他の強磁性物質のコアが、ナビゲーションコイル(810)によって画定される内径内に位置している。このような物質のコアは、ナビゲーションコイルの全長(810)に沿って又はナビゲーションコイル(810)の長さの一部に沿って延びることができる。
【0082】
ナビゲーションコイル(810)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(800)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(812)はナビゲーションコイル(810)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(810)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(800)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(812)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0083】
本例のガイドワイヤ(800)には、外部押出成形品(802)の構造に起因してハンダ接合がない。しかし当然のことながら、任意の好適な長さの1つ以上の補強スリーブを、ガイドワイヤ(800)の長さに沿った任意の好適な場所に配置させてよい。ガイドワイヤ(800)に対して成し得る他の変更は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0084】
G.コイルセンサ内にコアを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図15~16に示すのは、別の画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込んでもよい典型的なガイドワイヤ(900)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(900)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(900)は、外部コイル(902)、遠位先端部材(904)、コアワイヤ(908)、ナビゲーションコイル(910)、ナビゲーションケーブル(912)、及びハンダ接合(920)を含む。外部コイル(902)は、ガイドワイヤ(900)の長さに沿って延び、コアワイヤ(908)、ナビゲーションコイルの近位部分(910)、及びナビゲーションケーブル(912)を収容している。外部コイル(902)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。
【0085】
遠位先端部材(904)は非外傷性のドーム形状を有し、外部コイル(902)の遠位端に固定されている。単に一例として、遠位先端部材(904)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意のその他の好適な技術を用いて外部コイル(902)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(904)は、光透過性の接着剤を外部コイル(902)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(904)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。
【0086】
レンズ(58)のように構成することに加えて又はその代わりに、遠位先端部材(904)は導電性材料(例えば、金又は銀が充填されたエポキシなど)を含んでいてもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(904)は、導電性金属及び/又は何らかのその他の導電性材料で形成されたキャップを備えていてもよい。このようなキャップは、外部コイル(902)の遠位端内に圧入してもよく、及び/又は外部コイル(902)の遠位端にハンダ付けしてもよい。遠位先端部材(904)に導電性材料が含まれる変形形態では、伝導性材料は、比較的低透磁率を有する一方で、良好な導電性を有するように選択し得る。遠位先端部材(904)に導電性材料が含まれる変形形態では更に、遠位先端部材は外部コイル(902)(やはり導電性材料で形成してもよい)と電気的導通があってもよい。本例では、外部コイル(902)は接地されている。そのため、導電性の遠位先端部材(904)と外部コイル(902)との組み合わせによって、電気シールド(例えば、ファラデーケージと類似)が形成されるが、磁界に対しては透過的である。したがって、この組み合わせによって、ガイドワイヤ(900)の遠位端が患者の身体と接触することによって生じるガイドワイヤ(900)に対する電気的連結(例えば容量結合/誘導電流結合)が小さくなり得る。遠位先端部材(904)を構成して動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0087】
いくつかの変形形態では、光ファイバ(図示せず)の遠位端は遠位先端部材(904)と光学的に結合されている。光ファイバの近位端は光源と結合するように構成されている。光ファイバを光源と結合し得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。光ファイバは、光源からの光を遠位先端部材(904)まで伝達するための経路を提供するように構成され、そのため、遠位先端部材(904)が、光源によって生成された光を発することができるようになっている。単に一例として、1つ以上の光ファイバが、ナビゲーションコイル(910)によって画定される外径と一緒に進んで遠位先端部材(904)まで達してもよい。別の単なる説明例として、1つ以上の光ファイバが外部コイル(902)の側壁内で、ナビゲーションコイル(910)の直近位の場所で終了して、1つ以上の光ファイバが外部コイル(902)の側壁を通して光を発し得るようになっていてもよい。ガイドワイヤ(900)が光ファイバを含む変形形態では、任意の好適な数の光ファイバを用いてもよいことを理解されたい。ガイドワイヤ(900)が1つ以上の光ファイバを取り入れ得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、ガイドワイヤ(900)は単純に光ファイバがなくてもよい。
【0088】
コアワイヤ(908)は、外部コイル(902)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(908)の近位端は外部コイル(902)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(908)の遠位端は外部コイル(902)の遠位端に固く固定されている。こうして、コアワイヤ(908)は、外部コイル(902)の長手方向の延伸を防止又は制限する。コアワイヤ(908)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0089】
ナビゲーションコイル(910)は外部コイル(902)の遠位端内に位置している。そのため、この例では、ナビゲーションコイル(910)が示す有効外径は、外部コイル(902)によって画定される内径よりも小さい。加えて、ナビゲーションコイル(910)の遠位端は先端部材(904)の近位面の直近位に位置している。本例では、強磁性物質のコア(950)は、ナビゲーションコイル(910)によって画定される内径内に位置している。この例では、コア(950)はナビゲーションコイル(910)の全長に沿って延びている。単に一例として、コア(950)は鉄又は何らかのその他の強磁性物質で形成されていてもよい。ナビゲーションコイル(910)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(900)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するように構成されている。ナビゲーションケーブル(912)はナビゲーションコイル(910)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(910)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(900)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(912)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0090】
本例では、支持チューブ(930)はナビゲーションコイル(910)の周りに位置している。本例の支持チューブ(930)はシリンダ状構成を有する。そのため、支持チューブ(930)が示す外径は、外部コイル(902)によって画定される内径よりも小さい。支持チューブ(930)はナビゲーションコイル(910)の全長に沿って延びており、そのため、支持チューブ(930)の遠位端及び近位端はナビゲーションコイル(910)の遠位端及び近位端と同一平面になる。あるいは、支持チューブ(930)は、ナビゲーションコイル(910)の長さ及び/又は位置決めに対して任意のその他の好適な長さ及び/又は位置決めを有していてもよい。本例では、支持チューブ(930)の外面は外部コイル(902)の内面に接着剤によって接着され、支持チューブ(930)の内面はナビゲーションコイル(910)の外面に接着剤によって接着されている。あるいは、任意のその他の好適な方法を用いて、支持チューブ(930)を外部コイル(902)及び/又はナビゲーションコイル(910)に固定してもよい。また当然のことながら、支持チューブ(930)は代替的に、1つのコイル(902、910)のみに固定して、他のコイル(902、910)にも固定するということをしなくてもよい。
【0091】
本例の支持チューブ(930)によって、ナビゲーションコイル(910)に更なる構造的完全性がもたらされて(例えば、ナビゲーションコイル(310,410,810)と比べて)、ガイドワイヤ(900)の使用中に先端部材(904)が患者内の解剖学的構造及び他の構造体に衝突したときにナビゲーションコイル(910)が損傷を受ける可能性が小さくなる。また本例の支持チューブ(930)は、ナビゲーションコイル(910)によって提供される信号に悪影響を及ぼさないように構成されている。いくつかの変形形態では、支持チューブ(930)は非伝導性ポリマー材料(例えばポリアミド)で構成されている。支持チューブ(930)を構成し得る他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0092】
ハンダ接合(920)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(920)は先端部材(904)よりも近位にあり、外部コイル(902)、コアワイヤ(908)、及びナビゲーションケーブル(912)の周りに延びている。ナビゲーションコイル(910)は、ハンダ接合(920)の長手方向位置よりも遠位で、近位に終了する。ガイドワイヤ(900)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(920)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(900)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(920)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(900)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0093】
単に一例として、外部コイル(902)は、有効外径が約0.089センチメートル(0.035インチ)、内径が約0.056センチメートル(0.022インチ)であり得る。また外部コイル(902)は、厚さが約0.02センチメートル(0.006インチ)で丸い断面輪郭を有する316ステンレス鋼(又はニチノール)ワイヤによって形成されてもよい。ナビゲーションコイル(910)は、長さが約0.300センチメートル(0.118インチ)、有効外径が約0.056センチメートル(0.022インチ)であり得る。コア(950)は、外径が約0.025センチメートル(0.010インチ)であり得る。当然のことながら、これらの寸法はすべて、単なる説明例にすぎない。本明細書の教示を考慮することで、その他の好適な寸法が当業者に明らかになるであろう。
【0094】
H.積層された外部コイル及びコイルセンサを伴う典型的なナビゲーションガイドワイヤ
図17~18に示すのは、別の画像誘導システム(200)と共に用いるために拡張カテーテルシステム(100)内に組み込むことができる典型的なガイドワイヤ(1000)である。本明細書で特に記載のない限り、ガイドワイヤ(1000)を、前述したガイドワイヤ(50、150)と同様に構成し動作可能としてもよい。この例のガイドワイヤ(1000)は、外部コイル(1002)、遠位先端部材(1004)、コアワイヤ(1008)、ナビゲーションコイル(1010)、ナビゲーションケーブル(1012)、ハンダ接合(1020)、及びナビゲーションコイル(1010)を囲む外側チューブ(1030)を含む。
【0095】
外部コイル(1002)はガイドワイヤ(900)の長さの実質的な部分に沿って延び、コアワイヤ(1008)及びナビゲーションケーブル(1012)を収容している。外部コイル(1002)は、任意の好適な従来のガイドワイヤ外部コイルにより構成してよい。本明細書で説明する他の例とは違って、外部コイル(1002)はハンダ接合(1020)において遠位に終了し、これはナビゲーションコイル(1010)の近位端及び外側チューブ(1030)の近位端に位置する。いくつかの変形形態では、外部コイル(1002)は丸いワイヤを螺旋構造に巻いたものによって形成されている。いくつかの他の変形形態では、外部コイル(1002)は平坦ワイヤを螺旋構造に巻いたものによって形成されている。外部コイル(1002)を形成し得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0096】
遠位先端部材(1004)は非外傷性のドーム形状を有し、外側チューブ(1030)の遠位端に、ナビゲーションコイル(1010)の遠位端において固定されている。単に一例として、遠位先端部材(1004)は、光透過性ポリマー材料で形成してもよく、また、締まり嵌め、溶接、接着剤を用いて、又は任意の他の好適な技術を用いて外側チューブ(1030)の遠位端に固定してもよい。別の単なる説明例として、遠位先端部材(1004)は、光透過性接着剤を外側チューブ(1030)の遠位端に塗布した後に硬化させることによって形成してもよい。また当然のことながら、遠位先端部材(1004)は、前述したレンズ(58)のように構成し動作可能としてもよい。しかしながら、いくつかの変形では、遠位先端部材(1004)は全く光透過性ではない。遠位先端部材(1004)を構成し動作可能とし得るその他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0097】
いくつかの変形形態(例えば、遠位先端部材(1004)が光透過性である変形形態)では、光ファイバ(図示せず)の遠位端は遠位先端部材(1004)と光学的に結合されている。光ファイバの近位端は光源と結合するように構成されている。光ファイバを光源と結合し得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。光ファイバは、光源からの光を遠位先端部材(1004)まで伝達するための経路を提供するように構成され、そのため、遠位先端部材(1004)が、光源によって生成された光を発することができるようになっている。単に一例として、1つ以上の光ファイバが、ナビゲーションコイル(1010)によって画定される外径と一緒に進んで遠位先端部材(1004)まで達してもよい。別の単なる説明例として、1つ以上の光ファイバが外部コイル(1002)の側壁内で、外側チューブ(1030)の直近位の場所で終了して、1つ以上の光ファイバが外側チューブ(1030)の側壁を通して光を発し得るようになっていてもよい。ガイドワイヤ(1000)が光ファイバを含む変形形態では、任意の好適な数の光ファイバを用いてもよいことを理解されたい。ガイドワイヤ(1000)が1つ以上の光ファイバを取り入れ得る様々な好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また当然のことながら、ガイドワイヤ(1000)は単純に光ファイバがなくてもよい。
【0098】
コアワイヤ(1008)は、外部コイル(1002)に更なる構造的完全性をもたらすように構成されている。本例では、コアワイヤ(1008)の近位端は外部コイル(1002)の近位端に固く固定され、一方で、コアワイヤ(1008)の遠位端は外部コイル(1002)の遠位端に固く固定されている。こうして、コアワイヤ(1008)は、外部コイル(1002)の長手方向の延伸を防止又は制限する。コアワイヤ(1008)を形成するために用いることができる種々の好適な材料及び構成は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0099】
ナビゲーションコイル(1010)は外部コイル(1002)の遠位端の遠位で外側チューブ(1030)内に位置し、そのため、コイル(1002、1010)は長手方向に積層された関係となっている。本例では、この例ではナビゲーションコイル(1010)が示す有効外径は外部コイル(1002)によって画定される内径よりも大きい。いくつかの変形形態では、ガイドワイヤ(1000)の構造によって、ナビゲーションコイル(1010)の有効外径を、本明細書で説明する他のガイドワイヤにおけるナビゲーションコイルの有効外径よりも大きくすることが可能である。これによって、ナビゲーションコイル(1010)は画像誘導システム(200)により発生する電磁界に対する感度が高くなり、その結果、ガイドワイヤ(1000)は、ナビゲーションにおいて、本明細書で説明する他のガイドワイヤよりも有用となる。加えて又は代替的に、ガイドワイヤ(1000)の構造によって、外部コイル(1002)の有効外径を、本明細書で説明する他のガイドワイヤにおける外部コイルの有効外径よりも小さくすることが可能である。また当然のことながら、ガイドワイヤ(1000)の構造によって、ナビゲーションコイル(1010)の有効長を、本明細書で説明する他のガイドワイヤにおけるナビゲーションコイルの有効長よりも短くすることができる。このように有効長が短くなることによって、ガイドワイヤ(1000)の遠位端における比較的堅い部分の長さを、本明細書で説明する他のガイドワイヤ構造と比べて効果的に短くすることができる。ガイドワイヤ(1000)の遠位端における堅い部分が短くなることによって、ガイドワイヤ(1000)は、より多くの種類の解剖学的構造にアクセスすることが可能になり得る。
【0100】
ナビゲーションコイル(1010)の遠位端は、先端部材(1004)の近位面の直近位に位置する。本例では、強磁性物質のコア(1050)は、ナビゲーションコイル(1010)によって画定される内径内に位置している。この例では、コア(1050)はナビゲーションコイル(1010)の全長に沿って延びている。単に一例として、コア(1050)は鉄又は何らかのその他の強磁性物質で形成されていてもよい。ナビゲーションコイル(1010)は、前述したように、画像誘導システム(200)と協働して、患者内のガイドワイヤ(1000)の遠位端の位置決めを示す信号を提供するために構成されている。ナビゲーションケーブル(1012)はナビゲーションコイル(1010)の近位端と結合し、ナビゲーションコイル(1010)から画像誘導システム(200)へケーブル(210)を介して信号を送信する。したがって、当然のことながら、ガイドワイヤ(1000)の近位端はコネクタハブ(152)と同様のコネクタハブを含んでいてよく、またナビゲーションケーブル(1012)はコネクタハブと連通していてもよい。
【0101】
前述したように、本例において外側チューブ(1030)はナビゲーションコイル(1010)の周りに位置し、外部コイル(1002)の遠位端から先端部材(1004)の近位端まで延びている。本例の外側チューブ(1030)はシリンダ状構造を有する。外側チューブ(1030)は、外部コイル(1002)によって画定される外径よりも大きい内径を呈し、その結果、外部コイル(1002)の遠位端は外側チューブ(1030)の近位端内に収まるようになっている。外側チューブ(1030)はナビゲーションコイル(1010)の全長を越えて延びている。本例では、ナビゲーションコイル(1010)は接着剤によって外側チューブ(1030)の内面に接着されている。また外側チューブ(1030)は接着剤によって外部コイル(1002)及び/又はハンダ接合(1020)に固定されている。別の単なる説明例として、外側チューブ(1030)は重ね継手を通して外部コイル(1002)の遠位端に固定してもよい。あるいは、任意のその他の好適な方法を用いて、外側チューブ(1030)を外部コイル(1002)及び/又はナビゲーションコイル(1010)に固定してもよい。
【0102】
本例の外側チューブ(1030)によってナビゲーションコイル(1010)に更なる構造的完全性がもたらされて(例えば、ナビゲーションコイル(310,410,810)と比べて)、ガイドワイヤ(1000)の使用中に先端部材(1004)が患者内の解剖学的構造及び他の構造体に衝突したときにナビゲーションコイル(1010)が損傷を受ける可能性が小さくなる。また本例の外側チューブ(1030)は、ナビゲーションコイル(1010)によって提供される信号に悪影響を及ぼさないように構成されている。いくつかの変形形態では、外側チューブ(1030)は非伝導性ポリマー材料(例えばポリアミド)で構成されている。いくつかの他の変形形態では、外側チューブ(1030)は、チタン、ニチノール、316ステンレス鋼、及び/又は何らかのその他の材料で構成されている。外側チューブ(1030)を構成し得る他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0103】
ハンダ接合(1020)を用いて、前述した構成部品の少なくとも一部を共に固定する。本例では、ハンダ接合(1020)はナビゲーションコイル(1010)よりも近位であり、外部コイル(1002)、コアワイヤ(1008)、及びナビゲーションケーブル(1012)の周りに延びている。ナビゲーションコイル(1010)は、ハンダ接合(1020)の長手方向位置よりも遠位で、近位に終了する。ガイドワイヤ(1000)の構成部品を共に固定することに加えて、ハンダ接合(1020)はある程度の構造的完全性をガイドワイヤ(1000)にもたらすことができる。当然のことながら、ハンダ接合(1020)は単に選択肢であり、ガイドワイヤ(1000)の構成部品は任意のその他の好適な方法で共に固定し得る。
【0104】
単に一例として、外部コイル(1002)は、有効外径が約0.0800センチメートル(0.0315インチ)、内径が約0.0533センチメートル(0.0210インチ)であり得る。外部コイル(1002)は、316ステンレス鋼(又はニチノール)ワイヤであって約0.01センチメートル(0.005インチ)×約0.02センチメートル(0.007インチ))の平坦な断面輪郭を有するもので形成されてもよい。ナビゲーションコイル(1010)は、長さが約0.15センチメートル(0.059インチ)、有効外径が約0.079センチメートル(0.031インチ)であり得る。コア(1050)は、外径が約0.038センチメートル(0.015インチ)であり得る。外側チューブ(1030)は、外径が約0.091センチメートル(0.036インチ)であり得る。当然のことながら、これらの寸法はすべて、単なる説明例にすぎない。その他の好適な寸法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0105】
VI.典型的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願における任意の時点において提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも制限することを目的としたものではない点が理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の要素を省略してもよいことも考えられる。したがって、本発明者によって又は対象となる本発明者の継承者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は要素のいずれも必須であるとしてみなされるべきではない。以下に言及される要素以外の更なる要素を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる要素は、特許性に関連するいずれの理由によっても追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例
【0106】
(実施例1)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、ナビゲーションコイルの近位部分は外部コイルの内部領域内に配置され、ナビゲーションコイルの遠位部分は遠位先端部材に配置され、ナビゲーションコイルは電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されているナビゲーションコイルと、を含む、装置。
【0107】
(実施例2)
実施例1の装置であって、遠位先端部材は光透過性材料で形成されている、装置。
【0108】
(実施例3)
実施例1~2のいずれか1つ以上の装置であって、外部コイルの内部領域を通って長手方向に延びる光ファイバを更に含む、装置。
【0109】
(実施例4)
実施例3の装置であって、光ファイバは遠位先端部材と光通信する、装置。
【0110】
(実施例5)
実施例3~4のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルは有効外径を画定し、光ファイバは、ナビゲーションコイルによって画定される有効外径の外側に位置する、装置。
【0111】
(実施例6)
実施例1~5のいずれか1つ以上の装置であって、外部コイルの内部領域を通って長手方向に延びるコアワイヤを更に含む、装置。
【0112】
(実施例7)
実施例6の装置であって、ナビゲーションコイルは有効外径を画定し、コアワイヤは、ナビゲーションコイルによって画定される有効外径の外側に位置する、装置。
【0113】
(実施例8)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、遠位先端部材内の外部コイルの遠位端よりも遠位にある位置に配置され、電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されたナビゲーションコイルと、を含む、装置。
【0114】
(実施例9)
実施例8の装置であって、外部コイルは、内部領域を囲む内径を画定し、ナビゲーションコイルは有効外径を画定し、ナビゲーションコイルの有効外径は外部コイルの内径よりも大きい、装置。
【0115】
(実施例10)
先行する実施例又は以下の実施例8~9のいずれかの装置であって、支持チューブを更に含み、少なくとも支持チューブの一部はナビゲーションコイル内に位置する、装置。
【0116】
(実施例11)
実施例10の装置であって、支持チューブは近位端を有し、ナビゲーションコイルは近位端を有し、支持チューブの近位端はナビゲーションコイルの近位端よりも近位である、装置。
【0117】
(実施例12)
実施例10~11のいずれか1つ以上の装置であって、支持チューブはシリンダ形状を有する、装置。
【0118】
(実施例13)
実施例8~9のいずれか1つ以上の装置であって、支持チューブを更に含み、支持チューブの少なくとも一部はナビゲーションコイルの周りに位置する、装置。
【0119】
(実施例14)
実施例13の装置であって、支持チューブは近位部分と遠位部分とを含み、近位部分は第1の内径と第1の外径とを有し、遠位部分は第2の内径と第2の外径とを有し、第2の内径は第1の内径よりも大きく、第2の外径は第2の内径よりも大きい、装置。
【0120】
(実施例15)
実施例14の装置であって、近位部分は外部コイルの内部領域内に位置し、遠位部分はナビゲーションコイルの周りに位置する、装置。
【0121】
(実施例16)
実施例10~15のいずれか1つ以上の装置であって、コアワイヤを更に含み、コアワイヤは支持チューブを通って遠位先端部材内に延びる、装置。
【0122】
(実施例17)
実施例16の装置であって、コアワイヤは更にナビゲーションコイルを通って延びる、装置。
【0123】
(実施例18)
装置であって、(a)遠位端を有する外部押出成形品であって、内部領域を画定する外部押出成形品と、(b)外部押出成形品の遠位端に固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、ナビゲーションコイルの近位部分は外部コイルの内部領域内に配置され、ナビゲーションコイルの遠位部分は遠位先端部材に配置され、ナビゲーションコイルは電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されているナビゲーションコイルと、を含む、装置。
【0124】
(実施例19)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、ナビゲーションコイルは外部コイルの内部領域内に配置され、ナビゲーションコイルの少なくとも一部は遠位先端部材よりも近位に配置され、ナビゲーションコイルは電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成され、ナビゲーションコイルは内径を画定するナビゲーションコイルと、(d)ナビゲーションコイルの内径内に配置された強磁性コアと、を含む、装置。
【0125】
(実施例20)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内径によって境界を付けられた内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、ナビゲーションコイルは外部コイルの内部領域内に配置され、ナビゲーションコイルの少なくとも一部は遠位先端部材よりも近位に配置され、ナビゲーションコイルは電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成され、ナビゲーションコイルは外径を画定するナビゲーションコイルと、(d)外部コイルの内径とナビゲーションコイルの外径との間に置かれた支持チューブと、を含む、装置。
【0126】
(実施例21)
実施例20の装置であって、支持チューブはナビゲーションコイルの外径に接着されている、装置。
【0127】
(実施例22)
実施例20~21のいずれか1つ以上の装置であって、支持チューブは外部コイルの内径に接着されている、装置。
【0128】
(実施例23)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内径によって境界を付けられた内部領域を画定する外部コイルと、(b)ナビゲーションコイルであって、外部コイルの遠位端よりも遠位に位置し、電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されたナビゲーションコイルと、(c)ナビゲーションコイルよりも遠位に位置する遠位先端部材であって、ナビゲーションコイルが遠位先端部材と外部コイルの遠位端との間に長手方向に置かれている、遠位先端部材と、を含む、装置。
【0129】
(実施例24)
実施例23の装置であって、ナビゲーションコイルは、外部コイルの内径よりも大きい有効径を画定する、装置。
【0130】
(実施例25)
実施例23~24のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルの周りに位置する外側チューブを更に含む、装置。
【0131】
(実施例26)
実施例25の装置であって、外側チューブは近位端を有し、外側チューブの近位端は外部コイルの遠位端に固定されている、装置。
【0132】
(実施例27)
実施例25~26のいずれか1つ以上の装置であって、外側チューブは遠位端を有し、外側チューブの遠位端は遠位先端部材に固定されている、装置。
【0133】
(実施例28)
実施例25~27のいずれか1つ以上の装置であって、外側チューブはナビゲーションコイルに接着されている、装置。
【0134】
(実施例29)
実施例25~28のいずれか1つ以上の装置であって、外側チューブはポリアミドを含む、装置。
【0135】
(実施例30)
実施例23~29のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルは近位端において近位に終了し、ナビゲーションコイルの近位端は外部コイルの遠位端よりも遠位である、装置。
【0136】
(実施例31)
実施例23~30のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルは遠位端において遠位に終了し、ナビゲーションコイルの遠位端は遠位先端部材よりも近位である、装置。
【0137】
(実施例32)
実施例23~31のいずれか1つ以上の装置であって、鉄コアを更に含み、鉄コアは、ナビゲーションコイルによって画定される内部に位置する、装置。
【0138】
(実施例33)
実施例23~32のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルと結合された電気ワイヤを更に含み、電気ワイヤは外部コイルの内部領域を通って延びる、装置。
【0139】
(実施例34)
実施例23~33のいずれか1つ以上の装置であって、外部コイルの内部領域を通って延びるコアワイヤを更に含み、コアワイヤの遠位端は外部コイルに固定されている、装置。
【0140】
(実施例35)
実施例34の装置であって、コアワイヤの遠位端は、ハンダ接合を形成するハンダによって外部コイルに固定されている、装置。
【0141】
(実施例36)
実施例35の装置であって、ナビゲーションコイルの周りに位置する外側チューブ更に含み、外側チューブの近位端はハンダ接合に固定されている、装置。
【0142】
(実施例37)
実施例23~36のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションシステムを更に含み、ナビゲーションシステムは電磁界を発生させるように動作可能であり、ナビゲーションコイルは、電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されている、装置。
【0143】
(実施例38)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に対して固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、外部コイルの遠位端よりも遠位にある位置に配置され、電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されたナビゲーションコイルと、を含む、装置。
【0144】
(実施例39)
実施例38の装置であって、ナビゲーションコイルは遠位先端部材と外部コイルの遠位端との間に長手方向に置かれている、装置。
【0145】
(実施例40)
実施例38~39のいずれか1つ以上の装置であって、ナビゲーションコイルは遠位先端部材に配置されている、装置。
【0146】
(実施例41)
装置であって、(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、(b)外部コイルの遠位端に対して固定された遠位先端部材と、(c)ナビゲーションコイルであって、ナビゲーションコイルの少なくとも一部は遠位先端部材よりも近位に配置され、ナビゲーションコイルの少なくとも一部は外部コイルの遠位端よりも遠位に配置され、ナビゲーションコイルは電磁界内のナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成され、ナビゲーションコイルは内径を画定するナビゲーションコイルと、(d)ナビゲーションコイルの内径内に配置された強磁性コアと、を含む、装置。
【0147】
(実施例42)
実施例41の装置であって、ナビゲーションコイルは長さを画定し、ナビゲーションコイルの全長は遠位先端部材と外部コイルの遠位端との間に位置する装置。
【0148】
VII.その他
本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得る点が理解されるべきである。あくまで例としてであるが、本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、参照によって本明細書に援用される様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ以上を含むこともできる。
【0149】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現要素、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0150】
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する記載にも優先するものとする。参照によって本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示物と矛盾する任意の内容、又はそれらの一部は、組み込まれた内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0151】
本明細書に開示される装置の変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。いずれか又は両方の場合において、変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。詳細には、装置の変形形態は分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部品又は部材を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、装置の変形形態は、再調整用の施設において、又は外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本発明の範囲内にある。
【0152】
あくまで例としてであるが、本明細書に記載の変形形態は手術に先立って処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌され得る。
【0153】
本発明の様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0154】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)遠位端を有する外部コイルであって、内径によって境界を付けられた内部領域を画定する外部コイルと、
(b)ナビゲーションコイルであって、前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位に位置し、電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されているナビゲーションコイルと、
(c)前記ナビゲーションコイルよりも遠位に位置する遠位先端部材であって、その結果、前記ナビゲーションコイルが前記遠位先端部材と前記外部コイルの前記遠位端との間に長手方向に置かれている、遠位先端部材と、を含む、装置。
(2) 前記ナビゲーションコイルが画定する有効径は、前記外部コイルの前記内径よりも大きい、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記ナビゲーションコイルの周りに位置する外側チューブを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記外側チューブは近位端を有し、前記外側チューブの前記近位端は前記外部コイルの前記遠位端に固定されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記外側チューブは遠位端を有し、前記外側チューブの前記遠位端は前記遠位先端部材に固定されている、実施態様3に記載の装置。
【0155】
(6) 前記外側チューブは前記ナビゲーションコイルに接着されている、実施態様3に記載の装置。
(7) 前記外側チューブはポリアミドを含む、実施態様3に記載の装置。
(8) 前記ナビゲーションコイルは近位端において近位に終了し、前記ナビゲーションコイルの前記近位端は前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位である、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記ナビゲーションコイルは遠位端において遠位に終了し、前記ナビゲーションコイルの前記遠位端は前記遠位先端部材よりも近位である、実施態様1に記載の装置。
(10) 鉄コアを更に含み、前記鉄コアは、前記ナビゲーションコイルによって画定される内部に位置する、実施態様1に記載の装置。
【0156】
(11) 前記ナビゲーションコイルと結合された電気ワイヤを更に含み、前記電気ワイヤは前記外部コイルの前記内部領域を通って延びる、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記外部コイルの前記内部領域を通って延びるコアワイヤを更に含み、前記コアワイヤの遠位端は前記外部コイルに固定されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記コアワイヤの前記遠位端は、ハンダ接合を形成するハンダによって前記外部コイルに固定されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記ナビゲーションコイルの周りに位置する外側チューブを更に含み、前記外側チューブの近位端は前記ハンダ接合に固定されている、実施態様13に記載の装置。
(15) ナビゲーションシステムを更に含み、前記ナビゲーションシステムは電磁界を発生させるように動作可能であり、前記ナビゲーションコイルは、前記電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0157】
(16) 装置であって、
(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、
(b)前記外部コイルの前記遠位端に対して固定された遠位先端部材と、
(c)ナビゲーションコイルであって、前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位にある位置に配置され、電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成されているナビゲーションコイルと、を含む、装置。
(17) 前記ナビゲーションコイルは前記遠位先端部材と前記外部コイルの前記遠位端との間に長手方向に置かれている、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記ナビゲーションコイルは前記遠位先端部材に配置されている、実施態様16に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)遠位端を有する外部コイルであって、内部領域を画定する外部コイルと、
(b)前記外部コイルの前記遠位端に対して固定された遠位先端部材と、
(c)ナビゲーションコイルであって、前記ナビゲーションコイルの少なくとも一部は前記遠位先端部材よりも近位に配置され、前記ナビゲーションコイルの少なくとも一部は前記外部コイルの前記遠位端よりも遠位に配置され、前記ナビゲーションコイルは、電磁界内の前記ナビゲーションコイルの動きに応じて信号を生成するように構成され、前記ナビゲーションコイルは内径を画定する、ナビゲーションコイルと、
(d)前記ナビゲーションコイルの前記内径内に配置された強磁性コアと、を含む、装置。
(20) 前記ナビゲーションコイルは長さを画定し、前記ナビゲーションコイルの全長は前記遠位先端部材と前記外部コイルの前記遠位端との間に位置する、実施態様19に記載の装置。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18