(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/12 20060101AFI20230417BHJP
H01H 45/12 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
H01H50/12 A
H01H45/12
(21)【出願番号】P 2021154401
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】511017070
【氏名又は名称】松川精密股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】呉 頌仁
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135970(JP,A)
【文献】中国実用新案第203398028(CN,U)
【文献】中国実用新案第208570484(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102612724(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102157295(CN,A)
【文献】特開2012-199111(JP,A)
【文献】特開2002-251933(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108269716(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、少なくとも1つの固定導電片組立部材と、少なくとも1つの可動導電片組立部材と、少なくとも1つの電弧吹付部材と、電磁体と、外蓋とを備える電磁継電器であって、
前記固定導電片組立部材は、前記台座に設けられ、かつ固定接片と、固定接点とを含み、前記固定接点が前記固定接片に設けられ、かつ前記台座内に位置し、前記可動導電片組立部材は、前記固定導電片組立部材に対応して配置され、かつ前記台座内に位置し、可動板と、少なくとも1つの可動接点とを含み、前記可動接点が前記可動板に設けられて前記固定接点と相互に対応し、前記電弧吹付部材は、前記台座の外側に設けられ、かつ前記固定接点及び前記可動接点の一側に位置し、前記電磁体は、前記可動導電片組立部材の一側に設けられ、前記可動板を駆動するために供され、前記可動接点と前記固定接点とを電磁効果に応じて電気的接続状態または電気的断続状態を形成させ、前記外蓋は、前記台座に施蓋されると共に、前記電磁体を前記外蓋内に位置させ、
前記台座は、高分子導熱材料で構成されており、前記固定接片は、第1導熱部と、第2導熱部とを有し、前記可動接点と前記固定接点の電気的接続時または断続時に発生する熱エネルギーを散逸させるために供され、前記第1導熱部が前記台座内に位置し、前記第2導熱部が前記第1導熱部の一端に連結されると共に、前記台座の外側に延設され、
前記電磁継電器は、前記台座内に設けられ、かつ対称に配置されることから、前記固定接点及び前記可動接点の相対両側に位置する少なくとも2つの導熱組立部材をさらに有し、熱エネルギーを散逸させるために供され
、
前記台座は、少なくとも2つの収容溝を有し、前記複数の導熱組立部材は、前記複数の収容溝内に設置されて消弧室を形成し、前記固定接点及び前記可動接点の開、閉作動時に発生する電弧が案内されることで、それを切断し、
前記第1導熱部は、前記固定接片の中間位置に位置して中間熱伝導部分となり、かつ前記第1導熱部は、前記台座に嵌着され、熱エネルギーを、前記第1導熱部を介して前記台座に伝達して散逸させ、前記第2導熱部は、前記固定接片の末端位置に位置して末端熱輻射部となり、かつ前記第2導熱部と前記第1導熱部とが一体成形構造であり、熱エネルギーを、前記第2導熱部を介して空気中に輻射して散逸させ、かつ各前記導熱組立部材は、複数の導熱フィンと、第1導熱絶縁側板と、第2導熱絶縁側板とを含み、前記複数の導熱フィンが上から下に間隔をあけて平行配列設置され、前記第1導熱絶縁側板が各前記導熱フィンの第1側辺に連設され、前記第2導熱絶縁側板が各前記導熱フィンの第2側辺に連設され、前記第1側辺及び前記第2側辺は、平行にかつ相対的に配置されることを特徴とする、電磁継電器。
【請求項2】
各前記導熱組立部材の総高さは、13.5~20mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
各前記導熱フィンの前記第1側辺の長さは、前記第2側辺よりも長く、かつ各前記導熱フィンの第3側辺は、前記第1側辺及び前記第2側辺と垂直に隣接し、前記第3側辺は、前記台座の内側面と相対応することにより、各前記導熱フィンの前記第1側辺を主要な電弧吹付方向に対応して位置させることを特徴とする、請求項
1に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記固定接片の前記第1導熱部と前記第2導熱部とが連結される端に相対する端に第3導熱部が延在形成され、前記第3導熱部は、前記固定接片の前端位置に位置して前端熱対流部分となり、かつ前記第3導熱部は、前記可動導電片組立部材に相対して高温形成区間と、対流区間とが形成され、前記高温形成区間と前記対流区間とが上下相対して配置され、かつ前記対流区間は、前記台座外に現出して前記台座の外表面と挟み込むようにして熱対流空間を形成し、前記高温形成区間は、前記固定接点及び前記可動接点の開、閉作動時に発生する熱エネルギーを受け取ると共に、前記対流区間と前記熱対流空間を通じて散逸するために供されることを特徴とする、請求項
3に記載の電磁継電器。
【請求項5】
各前記導熱フィンの第4側辺は、前記第3側辺に相対して配置され、かつ第1区分と、第2区分と、第3区分とを有し、前記第1区分の一端は、前記第1側辺と垂直に隣接し、前記第3区分の一端は、前記第2側辺と垂直に隣接し、前記第2区分は、前記第1区分と前記第3区分との間に位置し、かつ前記第1区分及び前記第3区分を傾斜連結することを特徴とする、請求項
4に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記導熱組立部材は、絶縁部材をさらに含み、前記絶縁部材の両端は、それぞれ前記第1導熱絶縁側板及び前記第2導熱絶縁側板と相連結されると共に、前記複数の導熱フィンの前記第3側辺に設置され、前記絶縁部材には複数の補強リブがさらに設けられ、かつ前記複数の補強リブは、前記複数の導熱フィンと相互に垂直であり、前記複数の導熱フィンは、交差に配置され、各前記導熱フィンの前記第1側辺に最も接近する前記補強リブの長さは、前記複数の補強リブのうちの残りの前記補強リブの長さよりも長いことを特徴とする、請求項
3に記載の電磁継電器。
【請求項7】
各前記導熱フィンの前記第4側辺には、間隔をあけて配列設置される複数の切欠口が設けられ、かつ前記導熱組立部材は、絶縁部材をさらに含み、前記絶縁部材の両端は、それぞれ前記第1導熱絶縁側板及び前記第2導熱絶縁側板と相連結されると共に、前記複数の導熱フィンの前記第3側辺に設置され、前記絶縁部材には複数の補強リブがさらに設けられ、かつ前記複数の補強リブは、前記複数の導熱フィンと相互に垂直であり、前記複数の導熱フィンは、交差に配置され、前記複数の補強リブは、それぞれ隣り合う任意の2つの前記複数の切欠口の間に位置し、各前記導熱フィンの前記第1側辺に最も接近する前記補強リブの長さは、前記複数の補強リブのうちの残りの前記補強リブの長さよりも長いことを特徴とする、請求項
5に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記台座内には、前記台座の内部を2つの収容区域に区画するバリヤ部が設けられ、かつ各前記収容区域内に1個の前記固定導電片組立部材が設けられ、前記可動板上に2個の前記可動接点が設けられ、前記複数の導熱組立部材の個数が4個であり、各前記収容区域内に2個の前記導熱組立部材を有させ、かつ各前記導熱組立部材の前記第2導熱絶縁側板は、前記バリヤ部に近接して設置されることを特徴とする、請求項
1~4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器の分野に関連し、とりわけ極めて優れた導熱性能を備えて使用寿命を有効に延長させることができる電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
継電器の作動時に発生する高熱エネルギー量は、関連業者にとって常に克服すべき問題である。継電器の接触作動時に、相対的に高温熱エネルギー量がもたらされ、このようにして継電器の組立部材に対して損傷を与えるほか、継電器の作動にも影響を及ぼす。それゆえ、導熱部分の設計は、継電器の品質と使用寿命を決定する重要な要因である。従って、継電器は、如何にして熱エネルギーを有効に散逸させることができると共に、電磁継電器の作動時に発生する電弧を消滅させることにより継電器の安全性、使用寿命と信頼性を有効に向上させることができるかどうかが、関連業者が継電器を設計、開発する時の重要な要因の一つとなっている。同時に、継電器中に放熱構造を設計するときに、継電器の電気的設計、構造、体積などの諸多の要件を同期的に考慮して始めて、継電器は、市場のニーズをさらに満足させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現行の継電器は、電気回路システムとの接続方式の取扱いが容易でないことに鑑みれば、操作する者に余計な負担をかけることになる。また、継電器の使用時間は比較的長いため、大量の熱エネルギーが発生しやすい。しかし、現行の継電器は、放熱効果が劣ることから、継電器及びそれに電気的接続されている電気回路システムにダメージを及ぼしてしまい、使用性能の低下が招来される。そこで、本発明者は、長年にわたり関連業界に従事してきた豊富な経験により、現有の継電器の不足点を解決するための電磁継電器を着想、提案している。
【0004】
本発明の目的は、継電器の作動時に発生する電弧を切断でき、及び作動により生じる熱エネルギーを有効に散逸させることにより、使用寿命と安全性を向上させることができる電磁継電器を提供することを旨とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明で開示する電磁継電器は、台座と、少なくとも1つの固定導電片組立部材と、少なくとも1つの可動導電片組立部材と、少なくとも1つの電弧吹付部材と、電磁体と、外蓋とを備え、前記固定導電片組立部材は、前記台座に設けられ、かつ固定接片と、固定接点とを含み、前記固定接点が前記固定接片に設けられ、前記可動導電片組立部材は、前記固定導電片組立部材に対応して配置され、かつ前記台座内に位置し、可動板と、少なくとも1つの可動接点とを含み、前記可動接点が前記可動板に設けられて前記固定接点と相互に対応し、前記電弧吹付部材は、前記台座の外側に設けられ、かつ前記固定接点及び前記可動接点の一側に位置し、前記電磁体は、前記可動導電片組立部材の一側に設けられ、前記可動板を駆動するために供され、前記可動接点と前記固定接点とを電磁効果に応じて電気的接続状態または電気的断続状態を形成させ、前記外蓋は、前記台座に施蓋されると共に、前記電磁体を前記外蓋内に位置させ、前記電磁継電器の特徴としては、前記台座は、高分子導熱材料で構成されており、かつ前記固定接片は、第1導熱部と、第2導熱部とを有し、前記可動接点と前記固定接点の電気的接続時または断続時に発生する熱エネルギーを散逸させるために供され、その内、前記第1導熱部が前記台座内に位置し、前記第2導熱部が前記第1導熱部の一端に連結されると共に、前記台座の外側に延設されるところであり、前記電磁継電器は、前記台座内に設けられ、かつ対称に配置されることから、前記固定接点及び前記可動接点の相対両側に位置する少なくとも2つの導熱組立部材をさらに有し、熱エネルギーを散逸させるために供される。
【0006】
より好ましくは、前記第1導熱部は、前記固定接片の中間位置に位置して中間熱伝導部分となり、かつ前記第1導熱部は、前記台座に嵌着され、熱エネルギーを、前記第1導熱部を介して前記台座に伝達して散逸させ、前記第2導熱部は、前記固定接片の末端位置に位置して末端熱輻射部となり、かつ前記第2導熱部と前記第1導熱部とが一体成形構造であり、熱エネルギーを、第2導熱部を介して空気中に輻射して散逸させ、かつ各前記導熱組立部材は、複数の導熱フィンと、第1導熱絶縁側板と、第2導熱絶縁側板とを含み、前記複数の導熱フィンが上から下に間隔をあけて平行配列設置され、前記第1導熱絶縁側板が各前記導熱フィンの第1側辺に連設され、前記第2導熱絶縁側板が各前記導熱フィンの第2側辺に連設され、その内、前記第1側辺及び前記第2側辺は、平行にかつ相対的に配置され、前記複数の導熱フィンの配置間隔Dは、0.5~2.5mmの範囲にあり、前記複数の導熱フィンの枚数は、5~15枚である。
【発明の効果】
【0007】
より好ましくは、前記固定接片の前記第1導熱部と前記第2導熱部とが連結される端に相対する端に第3導熱部が延在形成され、前記第3導熱部は、前記固定接片の前端位置に位置して前端熱対流部分となり、かつ前記第3導熱部は、前記可動導電片組立部材に相対して高温形成区間と、対流区間とが形成され、前記高温形成区間と前記対流区間とが上下相対して配置され、かつ前記対流区間は、前記台座外に現出して前記台座の外表面と挟み込むようにして熱対流空間を形成し、前記高温形成区間は、前記固定接点及び前記可動接点の開、閉作動時に発生する熱エネルギーを受け取ると共に、前記対流区間と前記熱対流空間を通じて散逸するために供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】第1実施態様の電磁継電器の分解模式図である。
【
図1B】第1実施態様の電磁継電器の他の視角からの分解模式図である。
【
図2】第1実施態様の導熱組立部材の斜視構造模式図である。
【
図3】第1実施態様の導熱組立部材の平面構造模式図である。
【
図4A】第1実施態様の電磁継電器の第1視角からの一部組立断面模式図である。
【
図4B】第1実施態様の電磁継電器の第2視角からの組立断面模式図である。
【
図4C】第1実施態様の電磁継電器の第3視角からの一部組立断面模式図である。
【
図5】第2実施態様の導熱組立部材の斜視構造模式図である。
【
図6】第3実施態様の電磁継電器の分解模式図である。
【
図7A】第3実施態様の導熱組立部材の斜視構造模式図である。
【
図7B】第3実施態様の導熱組立部材の他の視角からの斜視構造模式図である。
【
図8】第3実施態様の導熱組立部材の平面構造模式図である。
【
図9】第4実施態様の電磁継電器の分解模式図である。
【
図10】第4実施態様の導熱組立部材の斜視構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施態様]
図1A~
図4Cを参照する。それらはそれぞれ第1実施態様の電磁継電器の分解模式図、他の視角からの分解模式図、導熱組立部材の斜視構造模式図、導熱組立部材の平面構造模式図、第1視角からの一部組立断面模式図、第2視角からの組立断面模式図及び第3視角からの一部組立断面模式図である。本発明で開示する電磁継電器1は、台座10と、少なくとも1つの固定導電片組立部材11と、少なくとも1つの可動導電片組立部材12と、少なくとも1つの電弧吹付部材13と、電磁体14と、外蓋15とを備える。
【0010】
固定導電片組立部材11は、台座10内に設けられ、かつ固定接片111と、固定接点112とを含み、固定接点112が固定接片111に設けられる。可動導電片組立部材12は、固定導電片組立部材11に対応して配置され、かつ台座10内に位置し、可動板121と、少なくとも1つの可動接点122とを含み、可動接点122が可動板121に設けられて固定接点112と相互に対応する。電弧吹付部材13は、台座10の外側に設けられ、かつ固定接点112及び可動接点122の一側に位置し、より好ましくは、電弧吹付部材13は、磁石や電磁構造などであってもよく、ここで例示した電弧吹付部材13が磁石であり、かつ電磁継電器1は、相対配置される2個の電弧吹付部材13を備える。電磁体14は、可動導電片組立部材12の一側に設けられ、可動板121を駆動するために供され、可動接点122と固定接点112とを電磁効果に応じて電気的接続状態または電気的断続状態を形成させ、より好ましくは、電磁体14は、コイル構造を有すると共に、連動組立部材と可動板121とを連結することにより、電磁体14は、導電後に電磁効果を経て磁力を発生するようになると、連動組立部材によって可動板121を固定接片111に相対して移動させるように従動することにより、このことによって可動接点122と固定接点112とを電気的接続状態または電気的断続状態を形成させる。外蓋15は、台座10に施蓋されると共に、電磁体14を外蓋15内に位置させ、その内、外蓋15は、台座10を被蓋しない施蓋態様を呈してもよく、あるいは台座10を部分的に被蓋する施蓋態様を呈して台座10と組立てられてもよく、外蓋15が台座10を部分的に被蓋する態様を呈するときに、外蓋15は、比較的よい導熱特性を持つ材料を選択使用して構成されてもよい。
【0011】
電磁継電器1の特徴としては、台座10は、全体が高分子導熱材料で構成されており、かつ固定接片111は、第1導熱部1111と、第2導熱部1112とを有し、可動接点122と固定接点112の電気的接続時または断続時に発生する熱エネルギーを散逸させるために供され、その内、第1導熱部1111が台座10内に位置し、第2導熱部1112が第1導熱部1111の一端に連設されると共に、台座10の外側に延設されるところである。電磁継電器1は、台座10内に設けられ、かつ対称に配置されることから、固定接点112及び可動接点122の相対両側に位置する少なくとも2つの導熱組立部材16をさらに有し、熱エネルギーを散逸させるために供され、より好ましくは、複数の電弧吹付部材13と複数の導熱組立部材16の設置方向は、相互に垂直であり、電弧は、磁気吹消作用を受けて複数の導熱組立部材16の位置に案内されることを容易にする。これにより、台座10、固定接片111及び複数の導熱組立部材16の構造を介して、電磁継電器1の作動時に発生する熱を、台座10または複数の導熱組立部材16によって有効に散逸させることができ、固定接片111の第1導熱部1111と第2導熱部1112によって散逸させることもでき、このようにして電磁継電器1の使用寿命を有効に延長させることができる。そのほか、導熱組立部材16は、電磁継電器1の作動時に発生する熱を円滑に散逸させる役割を担っているほか、電磁継電器1の作動時に発生する電弧をも電弧吹付部材13による作用のもとに、切断消滅される作用を達成し、電磁継電器1に影響する不良要因をより一層有効に除去することができる。
【0012】
さらに、本実施態様では、十分な導熱体積を備えるように、各導熱組立部材16の総高さLを13.5~20mmの範囲にさせる。なお、より好ましくは、台座10は、少なくとも2つの収容溝101を有し、複数の導熱組立部材16は、複数の収容溝101内に設置されて消弧室を形成し、固定接点112及び可動接点122の開、閉作動時に発生する電弧が案内されることで、それを切断する。より具体的に言えば、複数の導熱組立部材16が台座10に設置されるときに、複数の導熱組立部材16の3個の側辺は、複数の収容溝101の側壁及び底面に当接または近接して設置されてもよく、このようにすると、上記箇所は、内部が中空になる室のような構造に形成されており、電弧に対して切断を行うに有利である。これにより、導熱組立部材16は、電磁継電器1の作動時の熱エネルギーを外部に散逸させることができる効果を備えているほか、台座10は、複数の収容溝101をさらに有する場合でも、消弧室と互いに補い合うように構成され、消弧効果を向上させることができる。
【0013】
このほか、より好ましくは、第1導熱部1111は、固定接片111の中間位置に位置して中間熱伝導部分となり、かつ第1導熱部1111は、台座10に嵌着され、熱エネルギーを、第1導熱部1111を介して台座10に伝達して散逸させる。第2導熱部1112は、固定接片111の末端位置に位置して末端熱輻射部となり、かつ第2導熱部1112と第1導熱部1111とが一体成形構造であり、熱エネルギーを、第2導熱部1112を介して空気中に輻射して散逸させる。そして、各導熱組立部材16の好適な実施状態では、複数の導熱フィン161と、第1導熱絶縁側板162と、第2導熱絶縁側板163とを含んでもよく、複数の導熱フィン161が上から下に間隔をあけて平行配列設置され、かつ各導熱フィン161は、金属材料で構成されており、第1導熱絶縁側板162が各導熱フィン161の第1側辺1611に連設され、第2導熱絶縁側板163が各導熱フィン161の第2側辺1612に連設され、その内、第1側辺1611及び第2側辺1612は、平行にかつ相対的に配置される。導熱組立部材16は、複数の導熱フィン161を含む場合、その設置条件をさらに限定してもよく、例えば、複数の導熱フィン161の配置間隔Dを0.5~2.5mmの範囲にし、または複数の導熱フィン161の枚数を5~15枚にすることで、各導熱組立部材16は、さらに好ましい導熱性能並びに消弧性能を有するものである。また、ここで、各導熱組立部材16の総高さLを13.85mmにし、複数の導熱フィン161の配置間隔Dを1mmにし、複数の導熱フィン161の枚数を8枚にして例を挙げて説明していく。
【0014】
第1導熱部1111は、熱伝導特性を利用して熱エネルギーを台座10に伝達すると共に、消除を行い、一部の熱エネルギーは、固定接片111に沿って継続的に伝導されて台座10外に位置する第2導熱部1112の位置に至り、この時、当該箇所に伝達した熱を、第2導熱部1112を介して空気中に輻射して散逸させることができ、これによって極めて優れた熱エネルギーを散逸させる効果を達成する。複数の導熱組立部材16は、上記の構造態様下で、導熱の面では、複数の導熱フィン161を介して電磁継電器1の作動時に発生する一部の熱エネルギーを台座10上に有効に伝達することができ、それから台座10の導熱特性を利用して外部へと散逸させる。勿論、第1導熱絶縁側板162と第2導熱絶縁側板163とが設置される状況下で、いくつかの熱エネルギーは、第1導熱絶縁側板162と第2導熱絶縁側板163の当該箇所に伝達して散逸されてもよく、全体の導熱効果を強化することができる。さらに、複数の導熱組立部材16は、その構造の配列設計に基づいて、各導熱組立部材16は、台座10内に多層片状構造を形成させることができると共に、複数の導熱フィン161は、間隔をあけて配列される多数個の気流空間を挟み込むので、このため、複数の導熱組立部材16で作動により形成された電弧を切断し、かつ電弧の熱エネルギーを複数の導熱フィン161に伝達した後、各導熱フィン161の間の気流空間により、一部の熱エネルギーは、対流の方式で固定接片111の方向または台座10の方向に向かって散逸されてしまい、他部の熱エネルギーでは、熱伝導方式によって複数の導熱フィン161、第1導熱絶縁側板162、第2導熱絶縁側板163と台座10を介して散逸させることができ、このようにして電磁継電器1の使用寿命の向上にも役立つ。同時に、電弧により発生する熱エネルギーは、上記の方式によって散逸されるほか、直接に複数の導熱フィン161から台座10を介して中間熱伝導部分となる第1導熱部1111にも伝達されてから、末端熱輻射部となる第2導熱部1112に伝達して外向きに散逸される。一方、固定接点112と可動接点122とが相互に接触したり離間したりするときに発生する熱エネルギーも熱輻射に応じて複数の導熱フィン161に伝達してもよく、次に台座10によって直接に外部へと散逸させるか、または上記の伝導経路を経て熱エネルギーを散逸させる。このようにすれば、複数の導熱フィン161は、つまり熱エネルギーを双方向に散逸させる効果を備え、電弧の熱エネルギーまたは接点作動の熱エネルギーに関係なく、いずれも複数の導熱フィン161によって散逸される。
【0015】
電弧を切断する面で、電弧が電弧吹付部材13の作用に対応して複数の導熱組立部材16に向かって移動するときに、複数の導熱フィン161の作用を受け、電弧が複数節の短い電弧になるように切断され、この時、相互に絶縁状態とされた複数の導熱フィン161は、短い電弧の電極に相当し、各導熱フィン161の間の絶縁強度に応じて、電弧を形成する印加電圧を維持できないようにさせれば、電弧が切断されて滅失される。
【0016】
さらに、本実施態様において、第1側辺1611の長さは、第2側辺1612よりも長く、そして導熱フィン161の全体には、一端が広く他端が狭くなるような構造形態を呈させ、かつより好ましくは、第2導熱絶縁側板163の長さは、第1導熱絶縁側板162よりも短い。各導熱フィン161の第3側辺1613は、第1側辺1611及び第2側辺1612と垂直に隣接し、その内、第3側辺1613は、台座10の内側面に対応して設置されることにより、各導熱フィン161の第1側辺1611を主要な電弧吹付方向に対応して位置させる。この構造態様下で、複数の導熱フィン161の複数の第1側辺1611の長さが複数の第2側辺1612よりも長いので、電弧にとっても点弧誘引の効果を有する。複数の導熱組立部材16が台座10に設置された後、複数の導熱フィン161の複数の第1側辺1611は、複数の第2側辺1612に比べて可動接点122及び固定接点112よりも遠く離れるように構成されており、このようにして電弧発生時に、これによって電弧がそちらに吸引されて接点から遠く離れ、接点に受けた電弧による影響を低減することができる。より具体的に言えば、本発明の複数の導熱フィン161は、両端が不等幅の構造を備え、電弧の進行方向により正確に対応してそれを切断消滅し、及びさらなる諸多の導熱組立部材の特徴は、いずれも導熱と電弧消滅に有利であると同時に、継電器を保護する設計でもあり、それと同時に、如何にして電磁継電器の有限空間中に実現されるかがをさらに考慮して、極めて優れた消弧性能、導熱性能を備えた構造を設計することにより、継電器の体積の増大を回避することができる。なお、現有の様々な継電器または電弧消滅上、各々その設計概念と方式があるが、そのほとんどは電弧の消失効果に重点を置くものであり、熱エネルギーの案内、または如何にして継電器の有限空間内にできるだけ体積を減少させると共に、一定の消弧効果などを保つかの面に対して、最終製品は、極めて優れた消弧効果、導熱効果及び体積小型化効果を兼ね備えるためには、依然として対応策がまだ提案されていない。他の一方で、モジュール化設計された複数の導熱組立部材16を介して、生産製造と組立作業上でも、その利便性をも有し、かつ置き換え容易な利点を備えてもよい。
【0017】
このほか、固定接片111の第1導熱部1111と第2導熱部1112とが連結される端に相対する端に第3導熱部1113が延設され、第3導熱部1113は、固定接片111の前端位置に位置して前端熱対流部分となり、かつ第3導熱部1113は、可動導電片組立部材12に相対して高温形成区間11131と、対流区間11132とが形成され、高温形成区間11131と対流区間11132とが上下相対して配置され、かつ対流区間11132は、台座10外に現出して台座10の外表面と挟み込むようにして熱対流空間を形成し、高温形成区間11131は、固定接点112及び可動接点122の作動時に発生する熱エネルギーを受け取り、対流区間11132と熱対流空間を通じて散逸するために供される。具体的に言えば、台座10は、第3導熱部1113の位置に対応して穿孔が開設され、そして対流区間11132を露出させて熱対流空間として形成させる。この実施態様下で、高温形成区間11131は、固定接点112が設置される区域であるので、可動接点122と固定接点112とを接触導通させた後、発生した熱エネルギーの一部を、高温形成区間11131を通して対流区間11132に伝導して対流区間11132と穿孔とに挟み込んで形成されている熱対流空間に発生する熱対流ループによって散逸が形成される。なお、一部の熱エネルギーは、第1導熱部1111に伝導することができ、そして高分子導熱材料で構成されている台座10に応じて迅速的に散逸することができ、一部の熱エネルギーは、続いて第2導熱部1112に伝導して熱輻射方式によって散逸することができ、これによって極めて優れた導熱効果が得られ、その熱エネルギーの散逸経路は、
図4Aを参照して示される。さらに言えば、この実施態様において、固定接片111は、具体的にL字状に近似する屈曲片体であると共に、台座10に一部嵌着される態様を呈し、固定接片111の第2導熱部1112は、その台座10外から露出される部分であり、第3導熱部1113は、台座10内に位置する部分であり、かつ固定接点112を設置するために供され、最後に、第1導熱部1111は、第2導熱部1112と第3導熱部1113との間に位置する区分であると共に、台座10に埋設される。その内、例示を容易にするために、
図4A及び
図4C中には、外蓋15の構造が省略して描かれている。このほか、電弧を切断してもたらされた熱エネルギーは、台座10を介して直接に外向きに散逸させるほか、熱輻射のような方式によって高温形成区間11131に伝導することもでき、前端熱対流部分となる第3導熱部1113を介して中間熱伝導部分となる第1導熱部1111及び末端熱輻射部分となる第2導熱部1112に伝導するように形成され、引き続き外部へと散逸させ、途中に伝導された熱エネルギーの散逸される方式についての説明は、前述の通りであり、ここでの重複する説明は割愛する。
【0018】
複数の導熱組立部材16に戻って説明すると、複数の導熱フィン161が上記の構造態様のようになるときに、複数の導熱フィン161の好適な実施態様としては、直角台形の片体であり、そして複数の導熱フィン161の第4側辺1614を斜辺とさせる。または、本実施態様に示すように、複数の導熱フィン161の第4側辺1614は、第1区分16141と、第2区分16142と、第3区分16143とを有し、第1区分16141の一端は、第1側辺1611と垂直に隣接し、第3区分16143の一端は、第2側辺1612と垂直に隣接し、第2区分16142は、第1区分16141と第3区分16143との間に位置し、かつ第1区分16141及び第3区分16143を傾斜連結する。このようにすれば、複数の導熱フィン161と第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163とを相互に組立てるときに、つまり第1区分16141及び第3区分16143は、第1側辺1611及び第2側辺1612と垂直に隣接して挟み込んで形成されている直角構造を利用して、複数の導熱フィン161と第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163との組付をさらに堅牢にすることができ、換言すれば、複数の導熱フィン161と第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163とは、より多くの連結区域を有することができる。
【0019】
なお、本実施態様において、台座10内にバリヤ部102が設けられ、台座10の内部を2つの収容区域103に区画し、かつ各収容区域103内に1個の固定導電片組立部材11が設けられ、可動板121上に2個の可動接点122が設けられ、複数の導熱組立部材16の個数が4個であり、各収容区域103内に2個の導熱組立部材16を有させ、かつ各導熱組立部材16の第2導熱絶縁側板163は、バリヤ部102に近接して設置される。ここで開示される電磁継電器1は、2組の導電構造を有する実施状態であり、バリヤ部102は、突出状の片体構造または凹溝構造であってもよく、台座10を単に2個の収容区域103に区切りできればよい。各収容区域103中には、電磁継電器1の作動時に接触導通する2組の接点組を形成するように、1個の固定接点112及び1個の可動接点122が設置され、その内、本実施態様では、電磁継電器1は、2個の固定導電片組立部材11(各収容区域103中に1個の固定導電片組立部材11を設置)と、2個の可動接点122を含む単一個の可動導電片組立部材12とを備えることを例として挙げられ、このようにして単一個の可動板121によって2個の可動接点122を同期従動させる効果が得られ、これによって複数の可動接点122の移動同期性を確保すると同時に、電磁体14と可動板121とを繋ぐ連動組立部材の設計も相対的に簡単になることから、構造複雑度を低減させる。ちなみに、第2側辺1612の長さは、第1側辺1611よりも短く、及び第2導熱絶縁側板163の長さは、第1導熱絶縁側板162よりも短い構造特徴としては、電磁継電器1に2組の導電接点組が設けられるときに、隔絶度を強化するために、電弧を2個の導電接点組の間の位置に向けて移動させることをさらに好適に防止することができる。
【0020】
電磁継電器1の作動時に、電磁体14は、電磁効果に応じて可動板121を変位させるように駆動し、可動板121上の可動接点122と固定接点112とを相互に接触したり離間したりするようにさせ、この時、作動瞬間に発生する電弧は、複数の電弧吹付部材13の作用に対応して複数の導熱組立部材16の箇所に向かって移動することができると共に、複数の導熱フィン161の作用を受けて複数個の短い電弧になるように切断され、その内、本発明は、電磁継電器1の全体設計及び電界効果の影響などに基づいて、電弧の進行方向では、複数の導熱フィン161の第4側辺1614の全体区域に非全面的に均一に触れるようにし、そして複数の導熱フィン161の第1側辺1611の位置に略傾けられ、この時、複数の第1側辺1611の長さが複数の第2側辺1612の長さよりも長い構造特徴によれば、上記箇所に吹き付けられた電弧を有効に切断することができ、そのエネルギーを消滅させるまでに低減する。同時に、電弧により生じる高温熱エネルギーは、複数の導熱組立部材16によって散逸されるほか、一部の熱エネルギーは、第1導熱部1111から台座10に伝達して散逸されてもよく、一部分は、続いて第2導熱部1112、第3導熱部1113を介して散逸され、そして電弧が複数の導熱フィン161に案内された後に持ち去られた熱エネルギーでは、複数の導熱フィン161によって主要な散逸動作を行うことができる。
【0021】
[第2実施態様]
図5を続いて参照して、それは第2実施態様の導熱組立部材の斜視構造模式図である。複数の導熱フィン161の端部(すなわち、第1側辺1611と第2側辺1612)は、第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163に嵌着される構造状態を呈してもよく、前の実施態様に示す通りであってもよく、本実施態様に示す通りであってもよく、第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163は、それぞれ複数の開口1621、1631が開設され、複数の導熱フィン161の端部を固定するために供され、このようにして組立及び製造上、より簡易と便利になる。第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163は、複数の導熱フィン161の配置間隔、位置などに基づいて、製造時に複数の開口1621、1631が予め開設されておき、組立時に複数の導熱フィン161の端部を逐一に複数の開口1621、1631内に固定すればよく、そして複数の導熱フィン161を複数の開口1621、1631に組付けた後、各導熱フィン161の第1側辺1611及び第2側辺1612は、第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163の外表面と面一になってもよいし、あるいは第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163の外表面よりも略内凹み状に設けられてもよい。また、上記態様の導熱組立部材16が台座10内に組付けられる例示は、再び
図4Cを合わせて参照して示される。
【0022】
[第3実施態様]
図6~
図8を併せて参照して、それらはそれぞれ第3実施態様の電磁継電器の分解模式図、導熱組立部材の斜視構造模式図、導熱組立部材の他の視角からの斜視構造模式図、及び導熱組立部材の平面構造模式図である。本実施態様において、電磁継電器1の素子は、ほぼ第1実施態様と同様であるため、ここで、同様の素子は同一の参照符号を付けて示している。導熱組立部材16は、絶縁部材164をさらに含み、絶縁部材164の両端は、それぞれ第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163と相連結されると共に、複数の導熱フィン161の第3側辺1613に設置される。このようにすれば、絶縁部材164の構造により、絶縁部材164は、他層を保護するものと熱量を案内するものとして用いられる。絶縁部材164は、板状構造や枠状構造などであってもよいことが好ましく、かつ絶縁部材164は、各導熱フィン161ごとに相互に連結組付けられてもよく、あるいは複数の導熱フィン161のうちの一部のみに連結組付けられてもよい。
【0023】
さらに、導熱組立部材16全体の構造剛性を向上させると共に、絶縁導熱性能を増大させるために、絶縁部材164には複数の補強リブ1641がさらに設けられ、かつ複数の補強リブ1641は、複数の導熱フィン161と相互に垂直であり、複数の導熱フィン161は、交差に配置され、その内、各導熱フィン161の第1側辺1611に最も接近する補強リブ1641の長さは、複数の補強リブ1641のうちの残りの補強リブ1641の長さよりも長い。複数の補強リブ1641は、複数の導熱フィン161を上から下に垂直に貫通している設置態様を呈し、そして複数の導熱フィン161と相互に交差し、このようにして導熱組立部材16の剛性をさらに十分に確保することができるほか、熱エネルギーを有効に消滅させることもできると共に、各枚の導熱フィン161の間の絶縁を強化させ、面距離に沿って長くすることで、滅弧をさらに有効に行える。より好ましくは、絶縁部材164及び複数の補強リブ1641は、第1導熱絶縁側板162及び第2導熱絶縁側板163と同じ材料を選択使用して構成されてもよい。その内、前述のように、複数の導熱フィン161の第1側辺1611は、電弧の主要な電弧吹付方向に対応するため、原則的に比較的多くの電弧エネルギーを受け取り、それゆえ上記箇所の補強リブ1641は、長さが複数の補強リブ1641のうちの残りの補強リブ1641の長さよりも長い構造態様に設計され、さらに好ましい効果作用を発揮させることができる。
【0024】
本実施態様における電磁継電器1の具体的な作動と、電弧吹付、消弧、導熱などの方式とは、第1実施態様に述べたと同様であり、ここでの重複する説明は割愛する。そして、電弧は、複数の電弧吹付部材13の影響を受けて複数の導熱組立部材16を通過し、かつ電弧は、複数の導熱組立部材16の作用を受けてエネルギーを次第に減衰させるときに、絶縁部材164と複数の補強リブ1641は、複数の導熱組立部材16の剛性の増強に役立ち、そして消弧と導熱の作用を有効に実行することができると共に、電磁継電器1の使用寿命を延長させることができる。その余の詳細な特徴と効果説明については、再び前述の関連段落の内容を合わせて参照されたい。上記態様の導熱組立部材16が台座10内に組付けられる例示は、再び
図4Cを合わせて参照して示され、その相違点は、本実施態様の各導熱組立部材16は、絶縁部材164及び複数の補強リブ1641を具備する点のみであり、そして絶縁部材164と複数の補強リブ1641の設置態様については、既に前述の内容と対応の添付図面に基づいて説明した。
【0025】
[第4実施態様]
図9及び
図10を続いて参照して、それらはそれぞれ第4実施態様の電磁継電器の分解模式図、及び導熱組立部材の斜視構造模式図である。前述の各実施態様の内容を承り、ここで、同様の素子も同一の参照符号を付けて示している。本実施態様における電磁継電器1は、ほぼ第1~第3実施態様と相似であるため、その相違点は、各導熱フィン161の第4側辺1614には、複数の切欠口16144が設けられ、その内、第4側辺1614は、一端が第1側辺1611に連結され、他端が第2側辺1612に連結される点である。複数の切欠口16144の形状は、例えば、弧形、矩形や三角形などであってもよく、各導熱フィン161の第4側辺1614に複数の切欠口16144が設けられるときに、第4側辺1614上に相対突出する部分が形成され、このようにして電弧発生時に、第4側辺1614上に相対突出する部分は、電弧に対して案内効果が発揮され、電弧は、複数の電弧吹付部材13の作用に対応するほか、突出部分の吸引を受けて、導熱組立部材16には電弧に相対して2回の点弧誘引の性能を備えさせ、電弧が導熱組立部材16の位置に案内される確実度を向上させ、すなわち、電弧を分断する能力を増加することもでき、電弧をさらに細かく切り砕くことができる。電弧のより多くのエネルギーを複数の導熱フィン161の第1側辺1611に集中させる状態に基づき、一つの好適な実施態様においては、第4側辺1614の第1側辺1611に近接する区域に比較的多くの切欠口16144を設けることができ、より多くの相対突出部分が形成されることから、電弧に対してより強い吸引作用が働く。
【0026】
同様に、複数の導熱フィン161に複数の切欠口16144が設けられるときに、複数の導熱組立部材16にも、絶縁部材164と複数の補強リブ1641とがさらに設けられてもよく、電弧エネルギーが台座に直接に接触してもたらされる影響を低減することができる。絶縁部材164は、同様に複数の導熱フィン161の複数の第3側辺1613の位置に設けられると共に、各第3側辺1613に相互に連結されるか、または一部の第3側辺1613のみに相互に連結される構造態様を呈してもよい。そして、複数の補強リブ1641も複数の導熱フィン161と相互に垂直であり、交差に配置される状態が形成されるが、ただ各第4側辺1614が複数の切欠口16144を有するときに、複数の補強リブ1641は、それぞれ隣り合う任意の2つの複数の切欠口16144の間に位置し、かつ各導熱フィン161の第1側辺1611に最も接近する補強リブ1641の長さは、複数の補強リブ1641のうちの残りの補強リブ1641の長さよりも長い。電弧は,尖点吸引の効果を受けるので、このため、複数の導熱フィン161に複数の切欠口16144が設けられるときに、電弧は各第4側辺1614の相対突出する部分の吸引を受けて集中し、それゆえ一部の区域に比較的多くの電弧エネルギーが集中することに起因して、台座10のいくつかの区域に大量の熱エネルギーを受け入れる必要があることを回避するため、複数の補強リブ1641を隣り合う任意の2つの複数の切欠口16144の間に対応して設置させ、上記箇所は、つまり各第4側辺1614の相対突出する部分である。上記態様の導熱組立部材16が台座10内に組付けられる例示は、再び
図4Bを合わせて参照して示され、その相違点は、本実施態様の各導熱組立部材16は、複数の切欠口16144、絶縁部材164及び複数の補強リブ1641を具備する点のみであり、そして複数の切欠口16144、絶縁部材164及び複数の補強リブ1641の設置態様については、既に前述の内容と対応の添付図面に基づいて説明した。
【0027】
ここで、電磁継電器1の応用状態に関しても、第1実施態様に述べたと同様に、電磁継電器1の作動後に発生する電弧は、複数の電弧吹付部材13の作用を受けると、複数の導熱組立部材16の位置に向かって移動し、複数の導熱組立部材16を通過して電弧を切断し、この時、複数の切欠口16144によって各第4側辺1614に点弧誘引可能な突出区域を形成させ、電弧は、つまり複数の導熱フィン161の箇所にさらに案内され、そして絶縁部材164と複数の補強リブ1641では、熱エネルギーを案内する効果がさらに得られ、並びに熱エネルギーの散逸経路も第1実施態様の対応段落に述べたと同様である。その余の詳細な特徴と効果説明については、再び前述の関連段落の内容を合わせて参照されたい。
【0028】
上記をまとめると、本発明の電磁継電器は、作動時に発生する高温熱エネルギーについて散逸設計を行うものであり、導熱組立部材と固定接片の特殊な構造設計により、継電器の作動時の熱エネルギーを有効に散逸させる。さらに、導熱組立部材の導熱フィンは、継電器の作動時に発生する電弧を消滅することもできると共に、電弧の継電器に対してもたらされる諸多の不良影響を除去することができ、並びに収容溝と結合されて消弧室を形成する。上記電磁継電器の応用性能を向上させるためには、上記導熱組立部材について、本発明には、モジュール化概念に則って、組立と置き換えを容易に行う導熱組立部材を設計することも開示されており、モジュール化設計のもとに、上記導熱組立部材に絶縁部材、補強リブなどの構造を増設させてもよく、及び上記導熱組立部材の具体的な実施上の好ましい寸法条件範囲などが設定される。ここで繰り返して述べるのは、本発明の全体設計は、継電器の作動時に発生する熱エネルギーを円滑に外部に散逸させることができない問題を有効に解決することができると同時に、また、極めて優れた導熱性能を備えた状況下で、継電器に困惑する電弧を切断消滅する性能をさらに備えることも可能である。さらに、上記複数の導熱組立部材は、両端が不等幅の構造を備える場合、電弧の進行方向により正確に対応してそれを切断消滅し、及びさらなる諸多の導熱組立部材の特徴は、如何にして電磁継電器の有限空間中に実現されるかがをさらに考慮して、極めて優れた導熱性能、消弧性能及び保護性能を兼ね備える導熱組立部材の構造を設計することにより、継電器の体積の増大を回避することができる。現有の様々な継電器では、依然として如何にして継電器の有限空間内にできるだけ体積を減少させると共に、一定の導熱効果と消弧効果を保ち、最終製品に極めて優れた導熱、消弧、保護及び体積小型化などの利点を兼ね備えさせるものがまだ提案されていなかった。本発明者は上記現状に踏まえ、上記技術分野の豊富な関連経験により、発想と実験、測定を続けた結果、遂に本発明で開示するような電磁継電器を提案し、市場の大衆により一層優秀な関連製品を提供するという要望が叶えられる。
【符号の説明】
【0029】
1 電磁継電器
10 台座
101 収容溝
102 バリヤ部
103 収容区域
11 固定導電片組立部材
111 固定接片
1111 第1導熱部
1112 第2導熱部
1113 第3導熱部
11131 高温形成区間
11132 対流区間
112 固定接点
12 可動導電片組立部材
121 可動板
122 可動接点
13 電弧吹付部材
14 電磁体
15 外蓋
16 導熱組立部材
161 導熱フィン
1611 第1側辺
1612 第2側辺
1613 第3側辺
1614 第4側辺
16141 第1区分
16142 第2区分
16143 第3区分
16144 切欠口
162 第1導熱絶縁側板
1621 開口
163 第2導熱絶縁側板
1631 開口
164 絶縁部材
1641 補強リブ
L 導熱組立部材の総高さ
D 導熱フィンの配置間隔