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特許7263506自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230417BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021511606
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019048299
(87)【国際公開番号】W WO2020046903
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】18191003.5
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】キングスレイ,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】カイレ,マンジュシャ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダー,ティム
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-129731(JP,A)
【文献】特開2008-009985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039517(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0142868(US,A1)
【文献】川又 英紀,トヨタのIoT、JITを工場の外に持ち出せ,日経情報ストラテジー No.292,日本,日経BP社,2016年06月29日,第25巻,pp.20-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体工場(100)内での車(110)の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視する方法であって、修理される前記車(110)は、前記車(110)の内部に少なくとも1つのビーコン(111)を設けられ、前記車体工場(100)は複数の特定機能のジオフェンスエリア(201,202)に分割され、前記各ジオフェンスエリア(201,202)は、少なくとも1つの通信ノード(211,222)によってサービスを提供され、前記方法は、少なくとも以下の工程:
a) 事前に与えられた実行計画スケジュールに従って、前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)が複数の前記ジオフェンスエリア(201,202)を通って前記車(110)を誘導する工程、
b) 前記車(110)が前記ジオフェンスエリア(201,202)の1つに入ると直ちに:
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)、前記車(110)の内部の少なくとも1つのビーコン(111)を検知し、対応して決定された前記車(110)の位置データをクラウドサーバ(310)に送信する工程、
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)、前記ジオフェンスエリア(201,202)内での車(110)の滞在時間の間、前記ジオフェンスエリア(201,202)内のデータを捕捉し、前記捕捉したデータをクラウドサーバ(310)に送信する工程、
c) 前記クラウドサーバ(310)において、前記クラウドサーバ(310)がデータを処理する工程、
d) 前記処理されたデータに基づいて、前記クラウド(300)上のログファイル及び/又はデータベースにおいて、前記クラウドサーバ(310)が前記車(110)の修理段階を更新する工程、
e) 前記処理されたデータ及び前記更新された修理段階に基づいて、ユーザーインタフェース(233)、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートを、
提供する工程、及び、
f) 前記実行計画スケジュールに従って、前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)が前記車(110)を後続の1つのジオフェンスエリア(201,202)に移動させ、前記実行計画スケジュールに従って前記車(110)が最後のジオフェンスエリア(201,202)に到達するまで、及び/又は誤ったイベントが検出されるまで、工程b)からe)を繰り返す工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記処理されたデータ及び前記更新された修理段階は、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートとともに、前記クラウドサーバ(310)からダッシュボード(233)へ送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ダッシュボード(233)が、モバイルデバイス及び/又はコンピュータに実装することができるモバイルアプリケーション及び/又はウェブサイトとして設計される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レポート及び/又は通知及び/又はアラートが動的に生成され、前記ダッシュボード(233)に定期的に送信される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記レポート及び/又は通知及び/又はアラートの出力が、プレーンテキスト、HTML、又はPDF又はエクセルなどのファイルの形式である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)が、以下のアイテム:温度、VOC、湿度、オフサイト時間、オンサイト時間、アウトサイド時間、車の動き、人員の動き、工具の動き、部品の動き、カートの動き、前記1つのジオフェンスエリア内の大型機器の動き、車の活動、人員の活動、工具の活動、部品の活動、カートの活動、前記1つのジオフェンスエリア内の大型機器の活動、車の状態、人員の状態、工具の状態、部品の状態、カートの状態、前記1つのジオフェンスエリア内の大型機器の状態、のいずれか1つに関するデータを捕捉する、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートが、前記自動車再仕上げ修理プロセスが進行中の間、前記ユーザーインタフェース(211)を介して瞬時に提供される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
車体工場(100)内の車(110)の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視するシステムであって、該システム(200)は、修理される前記車(110)の内部に提供される少なくとも1つのビーコン(111)、クラウドサーバ(310)、少なくとも1つのユーザーインタフェース(233)、前記車体工場(100)が分割される複数のジオフェンスエリア(201,202)を有し、各ジオフェンスエリア(201,202)が少なくとも1つの通信ノード(211,222)によってサービスを提供され、前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)は、前記車(110)が前記それぞれの1つのジオフェンスエリア(201,202)に進入すると直ちに前記車(110)内の前記少なくとも1つのビーコン(111)を検知し、それに応じて決定された車(110)の位置データを前記クラウドサーバー(310)に送信するように構成されており、前記1つのジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)は、前記それぞれ1つのジオフェンスエリア(201,202)内での前記車(110)の滞在時間の間、前記それぞれの1つのジオフェンスエリア(201,202)内のデータを捕捉し、前記捕捉したデータを前記クラウドサーバ(310)に送信するように構成されており、前記クラウドサーバ(310)は、前記データを処理し、前記処理されたデータに基づいて、クラウド(300)内に配置されたログファイル及び/又はデータベースにおいて前記車(110)の修理段階を更新するように構成されており、前記ユーザーインタフェース(233)は、前記処理されたデータ及び前記更新された修理段階に基づいて、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートを提供するように構成されている、システム。
【請求項9】
前記車(110)が実行計画スケジュールに従って最後のジオフェンスエリア(201,202)に到達するまで、及び/又は誤ったイベントが検出されるまで、前記実行計画スケジュールに従って、複数の前記ジオフェンスエリア(201,202)を通って、前記車(110)を自動的に移動させるように構成された搬送手段をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザーインタフェース(233)はダッシュボードとして設計されている、請求項又はに記載のシステム。
【請求項11】
前記ダッシュボード(233)は、モバイルデバイス及び/又はコンピュータに実装可能なモバイルアプリケーション又はウェブサイトとして設計されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のジオフェンシングエリア(201,202)の少なくとも1つにサービスを提供する前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)のそれぞれが、以下のアイテム:温度、VOC、湿度、オフサイト時間、オンサイト時間、アウトサイド時間、車の動き、人員の動き、工具の動き、部品の動き、カートの動き、前記1つのジオフェンスエリア(201,202)内での大型機器の動き、車の活動、人員の活動、工具の活動、部品の活動、カートの活動、前記1つのジオフェンスエリア内での大型機器の活動、車の状態、人員の状態、工具の状態、部品の状態、カートの状態、前記1つのジオフェンスエリア内での大型機器の状態、のいずれか1つに関するデータを捕捉するよう構成されている、請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている、請求項12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
コンピュータによって実行可能な命令を有するコンピュータプログラムであって、
以下の命令:
G) 事前に与えられた実行計画スケジュールに従って、複数のジオフェンスエリア(201,202)を通って車(110)を誘導する命令、
H) 前記車(110)が前記ジオフェンスエリア(201,202)の1つに入ると直ちに:
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する少なくとも1つの通信ノード(211,222)によって、前記車(110)の内部に配置された少なくとも1つのビーコン(111)を検知し、対応して決定された前記車(110)の位置データをクラウドサーバ(310)に送信する命令、及び、
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する前記少なくとも1つの通信ノード(211,222)によって、前記ジオフェンスエリア(201,202)内での前記車(110)の滞在時間の間、前記ジオフェンスエリア(201,202)内のデータを捕捉し、前記捕捉したデータを前記クラウドサーバ(310)に送信する命令、
I) 前記クラウドサーバ(310)でデータを処理する命令、
J) 前記処理されたデータに基づいて、クラウド(300)に配置されたログファイル及び/又はデータベースにおいて、前記車(110)の修理段階を更新する命令、
K) 前記処理されたデータ及び前記更新された修理段階に基づいて、ユーザーインタフェース(233)を介して、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートを提供する命令、及び、
L) 実行計画のスケジュールに従って、前記車(110)を後続の1つのジオフェンスエリア(201,202)に自動的に移動させ、前記実行計画スケジュールに従って前記車(110)が最後のジオフェンスエリア(201,202)に到達するまで、及び/又は、誤ったイベントが検出されるまで、命令B)からE)を繰り返す命令、
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年8月27日に出願されたEP出願番号EP 18191003.5の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、車体工場内での車の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
経営者は、効率性の向上、コストや不必要な工程の削減による品質の向上、プロセスの透明性と正確性を宣伝することによるビジネスの拡大、ソフトウェアツールを使用してリソースのニーズをサポートし、プロセスの信頼性と持続可能性を提供することによる一人の人間への依存の低減、プロセスの信頼性の向上などの、ビジネスニーズを有している。車体工場内の工具、人員、修理される車両、及びその他のリソースをより良く監視できることにより、それらの探索に費やす時間を少なくし、起こり得る停滞を理解することができ、無駄な動きを容易に発見することができ、実行中のプロセスを継続的に改善するための先行プロセスを実施することができる。
【0004】
WO2017/060781 A1は、工場及び/又はカーディーラーおける時間を自動的に計時するシステム及び方法を示している。自動時間計時方法は、修理される車両に対するオペレータの近接の計算によって作動し、及びこのようにして、ボトルネック、修理作業の実施、工場の作業負荷、効率、交換部品の必要性によって影響される修理プロセスと、承認のための車両の所有者との連絡を最適化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この文献は、修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視すること、及び、ユーザが即座に干渉できるように修理プロセスに関するリアルタイム情報をユーザに提供することの可能性については教示していない。また、修理プロセスの現在の状態の概要をリアルタイムで提供するために、異なるデータソースから得られるデータを収集することについても教示していない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、それぞれの車体工場の性能を向上させるために、車体工場内の車の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視することを可能にする方法及びシステムを提供することにある。
【0007】
これは、本発明による、請求項1に記載の方法、請求項10に記載のシステム及び請求項16に記載のコンピュータプログラム製品によって達成される。さらなる実施形態は、それぞれの従属請求項及び以下の説明から導き出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
車体工場内での自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視する方法が提供されている。修理対象車は、車に及び/又は車の内部に少なくとも1つのビーコンを設けられ、車体工場は複数のジオフェンスエリアに分割される。各ジオフェンスエリアは、少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供される。本方法は、少なくとも以下の工程:
a) 事前に与えられた実行計画スケジュールに従って、複数のジオフェンスエリアのうちの少なくともいくつかを通って車を誘導する工程、
b) 車がジオフェンスエリアの1つに入ると直ちに:
- 前記ジオフェンスエリアの少なくとも1つの通信ノードによって、車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンを検知し、対応して決定された車の場所/位置のデータをクラウドサーバに報告/送信する工程、
- 1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって、1つのジオフェンスエリア内の車の滞在時間の間、1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのさらなるビーコンからデータ/信号を捕捉し、捕捉したデータをクラウドサーバに送信する工程であって、該少なくとも1つのさらなるビーコンは、少なくとも1つのセンサの感知能力を有し、1つのジオフェンスエリア内の追跡される少なくとも1つのアイテムに割り当てられており、捕捉されたデータは、好ましくは、該少なくとも1つのアイテムの位置データ以外のデータも含む、工程、
c) クラウドサーバにおいて、捕捉されたデータ及び車の位置データを処理する工程、
d) 処理されたデータに基づいて、クラウド上のログファイル及び/又はデータベース/データリポジトリにおいて、特に車が該1つのジオフェンスエリアから離れるときに、車の修理段階を更新する工程、
e) 処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、ユーザーインタフェースを介して、プッシュレポート及び/又は通知及び/又は先行アラートを、提供する工程、及び、
f) 実行計画スケジュールに従って、車を後続の1つのジオフェンスエリアに、特に自動的に、移動させ、実行計画スケジュールに従って車が最後のジオフェンスエリアに到達するまで、及び/又は誤ったイベントが検出されるまで、工程b)からe)を繰り返す工程、
を含む。
【0009】
コンピュータによって実行可能な命令を有するコンピュータプログラム製品が提供される。該コンピュータプログラム製品は、少なくとも以下の命令:
A) 事前に与えられた実行計画スケジュールに従って、複数のジオフェンスエリア(201,202)を通って車(110)を誘導する命令、
B) 車(110)がジオフェンスエリア(201,202)の1つに入ると直ちに:
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する少なくとも1つの通信ノード(211,222)によって、車(110)内に配置された少なくとも1つのビーコン(111)を検知し、対応して決定された車(110)の位置データをクラウドサーバ(310)に送信する命令、
- 前記ジオフェンスエリア(201,202)にサービスを提供する少なくとも1つの通信ノード(211,222)によって、前記ジオフェンスエリア(201,202)内の車(110)の滞在時間の間、前記ジオフェンスエリア(201,202)内のデータを捕捉し、捕捉したデータをクラウドサーバ(310)に送信する命令、
C) クラウドサーバ(310)でデータを処理する命令、
D) 処理されたデータに基づいて、クラウド(300)に配置されたログファイル及び/又はデータベースにおいて、車(110)の修理段階を更新する命令、
E) 処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、ユーザーインタフェース(233)を介して、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートを提供する命令、及び、
F) 実行計画スケジュールに従って、車(110)を後続の1つのジオフェンスエリア(201,202)に自動的に移動させ、実行計画スケジュールに従って車(110)が最後のジオフェンスエリア(201,202)に到達するまで、及び/又は、誤ったイベントが検出されるまで、B)からE)の命令を繰り返す命令、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
さらに、他の目的、望ましい特徴及び特性は、添付の図面と併せて以下の要約及び詳細な説明、ならびに従属請求項から明らかになるであろう。
図1】提案されたシステムの一実施形態を示し、提案された方法の一実施形態を示す図である。
図2】提案された方法のさらなる実施形態を示すフロー図である。
【0011】
本開示の詳細な説明
以下では、「車」及び「車両」という用語は同義的に使用され、修理プロセスを受けなければならない可能性のあるすべての種類の車両を指す。
【0012】
1つのジオフェンスエリア内で捕捉されるデータは、修理される車及び/又は追跡される任意のアイテムの、時間及び/又は活動及び/又は状態データであり得、データは自動車再仕上げ修理プロセスに関する。
【0013】
一般的に、1つ以上のビーコンがあり、特に、追跡されるアイテムの種類ごとに少なくとも1つのビーコンがある。一般的に、それぞれのビーコンは、特に追跡される1つのアイテムに取り付けられて割り当てられる。それぞれのビーコンは、それが割り当てられたアイテムに配置されてよい。データが捕捉される1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのビーコンは、少なくとも1つのアイテムに割り当てられており、少なくとも1つのアイテムは、修理される車、車体工場の従業員、部品、部品カート、キー、工具などからなる一群から選択されてもよいが、これらに限定されない。つまり、修理対象車が1つのジオフェンスエリア内に滞在する限り、1つのジオフェンスエリア内で追跡され、及び、車の再仕上げ修理プロセスに関連する、すべてのアイテムから、すべてのビーコンからデータが収集される。各ビーコンは、少なくとも1つの通信ノードから適切な距離に位置している場合、特に1つのジオフェンスエリア内に位置している場合、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードへの通信接続を確立するように構成される。追跡されるアイテムの少なくともいくつかは移動可能であるため、修理される車と同様に、実行計画スケジュールに従って、1つのジオフェンスエリアから後続のジオフェンスエリアへと移動することができる。一般的に、修理対象の車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンからのデータが収集されるだけでなく、追跡されるさらなるアイテムに割り当てられたさらなるビーコンからのデータも、それらのビーコン、すなわち各アイテムが、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードに、ビーコンが少なくとも1つの通信ノードに通信接続されるように、近接して配置されている限り、収集される。ジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードは、ジオフェンスエリア内のすべてのビーコンによって測定及び/又は感知されたすべてのデータを収集するように構成される。各ビーコンは、クロノメーター、湿度計、シノメーター、近接計、温度計、ガスメーターを含むセンサの群からの少なくとも1つのセンサの感知能力を有してよい。一実施形態によれば、追跡される各アイテムについて、1つのビーコンのみが、すべての上述のセンサ能力を包含/実現し、全ての異なる種類のデータを追跡及び記録するために、必要とされる。
【0014】
少なくとも1つの通信ノードは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)などの有線のネットワーク、及び/又は、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、及び/又はBluetooth(登録商標)のような近距離無線ネットワークなどの無線ネットワークなど、任意の種類の通信ネットワークの一部であってよい。通信ノードは、2つのネットワークのうちの一方を介してアクセス可能な少なくとも1つのビーコンと、2つのネットワークのうちの他方を介してアクセス可能なクラウドサーバとの間で信号を中継する2つの異なる通信ネットワーク間で、ゲートウェイとして動作可能である。通信ノードは、例えば、少なくとも1つのビーコンとWLAN、例えばWiFiを介してアクセス可能なクラウドサーバとの間で信号を中継するWLAN、例えばWiFiゲートウェイに対するBluetooth(登録商標) Low-Energy(BLE)として構成されていてもよい。その場合、少なくとも1つのビーコンは、小型のBluetooth無線送信機であるか、及び/又はそれを含む。好ましくは、ビーコンは、様々な無線通信プロトコル及び技術、例えば、限定されないが、(IEEE)802.15.4、(IEEE)802.11 WiFi規格、Z-Wave、WirelessHDなどを使用して無線信号を送信及び送信するように構成された無線送信機である。
【0015】
ジオフェンスエリアが互いに重なっていてよい。あるいは、ジオフェンスエリアが地理的に明確に分離されていてもよい。また、いくつかのジオフェンスエリアが他のジオフェンスエリアと重なっており、いくつかの他のジオフェンスエリアが複数のジオフェンスエリアの他のジオフェンスエリアから明確に分離されていることも可能である。
【0016】
異なるジオフェンスエリアは、それぞれ、車体工場の異なる作業ステーションに割り当てられる。ジオフェンスエリアは、各ジオフェンスエリアが少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供されるように、通信ノードのトポロジーの事前に与えられたパラメータ内で設計される。
【0017】
1つのジオフェンスエリアへの車の進入は、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによる車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンの検知の引き金となる。さらに、車に割り当てられ、車に及び/又は車の内部に位置する少なくとも1つのビーコンを検知することは、少なくとも1つの通信ノードに、異なるビーコンから、それぞれが少なくとも1つのビーコンを装備している固定及び移動エンティティの位置データ、例えば、1つのジオフェンスエリア内の工具、人員、機器、1つのジオフェンスエリア内の湿度データ、ジオフェンスエリア内の温度データ、及び様々な時間データなどが含まれるが、これらに限定されないデータを、収集/捕捉させることを引き起こす。固定及び移動エンティティの位置データを測定するために、そのような各エンティティは、少なくとも1つの通信ノードによって感知され得る適切なタグ/ビーコンを備えなければならない。
【0018】
収集されたビーコンデータは、クラウドサーバで処理される。これにより、異なるビーコンデータが分析され、おそらくフィルタリングされ、適切にマージされる。マージされたデータに基づいて、車の修理段階が更新され、修理プロセスに関するさらなる結論が導き出され得る。
【0019】
さらなる実施形態によれば、処理されたデータ及び更新された修理段階は、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラート、特に、クラウドサーバからダッシュボードへの先行アラートとともに送信される。
【0020】
別の実施形態によれば、ダッシュボードは、モバイルデバイスにインストールして実装することができるモバイルアプリケーションとして設計される。ダッシュボードは、ユーザが自動車再仕上げ修理プロセスをさらに改善することができるように、ボトルネックなどの問題及びその原因を認識して識別することができるように、ユーザに情報を通知するように構成されたグラフィカルユユーザーインタフェースを提供する。ダッシュボードはまた、コンピュータ及び/又はモバイルデバイスを介してアクセス可能なウェブサイトとして設計されることも可能である。
【0021】
ダッシュボードは、さらに、修理される車、及び/又はそれぞれの顧客に関する情報を提供することができる。
【0022】
いずれにしても、ユーザーインタフェースは、ユーザが自動車再仕上げ修理プロセスの実際の状態を適切なディスプレイ上で一目で見ることを可能にする。ディスプレイは、PC、ラップトップ、PDAやスマートフォンなどのモバイルデバイスなどの、クラウドサーバと通信接続している任意の計算装置の一部であり得る。このような通信接続は、無線通信接続、特にウェブベースアクセスとして、又は、有線通信接続として、又は無線通信接続と有線通信接続の組み合わせとして、実現/確立することができる。
【0023】
「通信接続」、すなわち、エンティティが操作可能に接続される接続は、信号、物理的通信、及び/又は論理的通信が送信及び/又は受信され得るものである。通信接続は、物理的インタフェース、電気的インタフェース、及び/又はデータインタフェースを含むが、しかしながら、通信接続は、操作可能な制御を可能にするのに十分な、これら又は他のタイプの接続の異なる組み合わせを含むことができることは留意すべきである。例えば、2つのエンティティは、互いに直接、又はプロセッサ、オペレーティングシステム、ロジック、ソフトウェア、又は他のエンティティのような1つ以上の中間エンティティを介して、信号を通信できることによって互いに通信接続できる。論理的及び/又は物理的な通信チャネルは、通信接続を生成するために使用されることができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「信号」は、1つ以上の電気信号又は光信号、アナログ信号又はデジタル信号、データ信号、データパケット又は他のネットワーク形式の信号、クロック信号、1つ以上のコンピュータ又はプロセッサの命令、メッセージ、ビット又はビットストリーム、上記の組み合わせ、又は受信、送信及び/又は検出され得る他の手段を含むが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用される場合、「ユーザ」は、1人又は複数の人、ソフトウェア、コンピュータ又は他のデバイス、又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
携帯型/モバイル型の通信装置は、現代社会では一般的になり全ての人に属すため、通信接続として、クラウドサーバと適切なディスプレイを備えた各通信装置との間の完全にワイヤレスな通信接続を確立することが好ましい。例えば、携帯電話、携帯情報端末、スマートフォン、タブレットコンピュータなどは、様々な用途で通信装置として広く普及している。データ及び/又は通知及び/又はプッシュレポート及び/又はアラートが、セルラーネットワーク、例えば、GSM、CDMA又はWCDMA(登録商標)のプロトコルに基づくモバイルネットワークを介して、クラウドサーバからそのようなそれぞれの通信装置に送信されることが可能である。あるいは、データ/信号が、ローカルエリアネットワーク(LAN)のアクセスポイントなどの中間デバイスを介して送信されることも可能である。ただし、この場合、クラウドサーバとそれぞれの通信装置は、情報を交換する前に同じ中間デバイスに接続する必要がある。
【0027】
さらに、クラウドサーバは、通信装置から一定の距離内にある場合、ピアツーピアネットワークを介して通信装置に直接情報を送信するようにしてもよい。
【0028】
有線通信接続の場合、接続は銅ケーブル又はグラスファイバを介して実現することができる。
【0029】
また、それぞれの通信装置で確立されたユーザーインタフェースとクラウドサーバとの間の通信接続が、有線技術と無線技術の組み合わせであることも可能である。つまり、クラウドサーバと通信装置との間の通信接続の一部は、銅ケーブル及び/又はグラスファイバによって確立され、通信接続の残りの部分は無線で実現される。
【0030】
クラウドサーバの使用は、特にインターネット上で提供され得る構成可能なシステムリソースとサービスの共有プールへのユビキタスアクセスを可能にする。クラウドサーバは、ウェブベース(すなわち、Uniform Resource Locator(URL)を介してのアクセス)又はネイティブのネットワーククラウドサービスやアプリケーションを提供する。例としては、サービスとしてのソフトウェアの提供(SaaS)、サービスとしてのプラットフォームの提供(PaaS)、及びサービスとしてのインフラストラクチャの提供(IaaS)、及びURLを介して公開される車体工場の内部アプリケーションが挙げられる。
【0031】
提案された方法のさらなる実施形態によれば、報告及び/又は通知及び/又はアラートは、動的に生成され、定期的にユーザーインタフェースに送信される。報告及び/又は通知及び/又はアラートの動的生成は、自動車再仕上げ修理プロセス中にそのような報告及び/又は通知及び/又はアラートの提供が引き続き実行されていると理解されるべきである。これにより、ユーザーインタフェースを介して提供される報告及び/又は通知及び/又はアラートを見ているユーザが、自動車再仕上げ修理プロセスに直ちに作用することができ、特に、誤ったイベントが検出された場合に自動車再仕上げ修理プロセスを中断することができる。「定期的に」という表現は、そのような報告が自動的に送信される所定の時間間隔として理解されるべきである。時間間隔は、ユーザによって事前に与えられてもよいし、システム内で事前に設定されてもよい。あるいは、ユーザが報告及び/又は通知及び/又はアラートの発行を要求すること、及び、要求された報告及び/又は通知及び/又はアラートが要求に応じてクラウドサーバからユーザーインタフェースにダウンロードされることも可能である。
【0032】
提案された方法のさらなる実施形態によれば、報告及び/又は通知及び/又はアラートの出力は、プレーンテキスト、HTML、又はPDF又はエクセルなどの添付ファイルの形式である。任意の他の適切な形態が可能である。
【0033】
提案された方法のさらなる実施形態によれば、ユーザは、ユーザが適切なアクセス権を有している場合にのみ、ユーザーインタフェースを介して報告及び/又は通知及び/又はアラートを閲覧することができる。すなわち、アクセスを望むユーザ、又はユーザーインタフェースを介して報告及び/又は通知及び/又はアラートを閲覧したいユーザは、例えば、事前に合意されたキーの入力によって、自己認証しなければならない。アクセスを得たい各ユーザ、又は通知及び/又はアラート及び/又は報告を受けたい各ユーザは、自動車再仕上げ修理プロセス及びこの自動車再仕上げ修理プロセスに関するすべての情報への加入を自ら登録しなければならないことも可能である。つまり、ユーザは、ユーザーインタフェースを介して自動的に報告、通知及び/又はアラートを取得するために、提案された方法によって提供されるサービスに加入しなければならない。一般に、あらゆる種類の適切な暗号化方法もここでは使用可能である。
【0034】
提案された方法のさらなる実施形態によれば、ユーザは、ユーザーインタフェースを管理することができ、ユーザーインタフェースを介して提供されるプッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートのためのユーザ固有のフィルタをインスタンス生成することができる。すなわち、ユーザは、ユーザーインタフェースを介してレポートテンプレートを管理することができ、各レポートテンプレートについて、例えば、報告送信プロセスの周期性、及び各報告内容を決定することができる。
【0035】
提案された方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの通信ノードは、下記のいずれか1つに関して前記少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供される1つのジオフェンスエリアのデータ/信号を捕捉するように構成される:
各ジオフェンスエリア内の温度、各ジオフェンスエリア内のVOC(揮発性有機化合物)、各ジオフェンスエリア内の湿度、オフサイト時間、オンサイト時間、アウトサイド時間、各ジオフェンスエリア内の車の動き、各ジオフェンスエリア内の人員の動き、各ジオフェンスエリア内の工具の動き、各ジオフェンスエリア内の部品の動き、各ジオフェンスエリア内のカートの動き、各ジオフェンスエリア内での大型機器の動き、各ジオフェンスエリア内の車の活動、各ジオフェンスエリア内の人員の活動、各ジオフェンスエリア内の工具の活動、各ジオフェンスエリア内の部品の活動、各ジオフェンスエリア内のカートの活動、各ジオフェンスエリア内の大型機器の活動、車の状態、人員の状態、工具の状態、部品の状態、カートの状態、ジオフェンスエリア内の大型機器の状態。
【0036】
「オフサイト時間」とは、車両/車が、調整、ガラス交換、内装修理、機械修理、又は車体工場が提供しないその他の必要な作業などの下請修理作業に時間を費やす必要があることを意味する。
【0037】
「オンサイト時間」とは、車体工場の場所で費やされる時間である。
【0038】
「アウトサイド時間」とは、車が作業されていない間の駐車場で費やされる時間を指す。駐車場で車が待機する理由の例としては、保険の承認、顧客の承認、部品待ち、次の段階の修理プロセスの開始待ち、コーティングの硬化、顧客の受取り待ちなどがあるが、これらに限定されない。
【0039】
すなわち、複数のビーコンが存在し、各ビーコンは、追跡される1つのアイテムに割り当てられ、上記データの少なくとも1つの種類を測定及び/又は感知するように構成されていることを意味する。1つのこのようなビーコンが、上述したデータの複数又はすべてに対する感知能力を統合することが可能である。複数のジオフェンスエリアは、各ビーコンの消費時間が追跡される場所を区別する。
【0040】
車が複数のジオフェンスエリアの1つに進入すると、車は、車の及び/又は車の内部のビーコンの検知を介して検出され、これにより、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードは、1つのジオフェンスエリア内の異なるビーコンからのビーコンデータを捕捉/収集する。
【0041】
複数のジオフェンスエリアの各ジオフェンスエリアは、車体工場の作業ステーション又は車体工場の駐車場に割り当てられているため、1つのジオフェンスエリア内で収集されたビーコンデータは、それぞれの1つの作業ステーション又はそれぞれの1つの駐車場の現在の状態についての情報、したがって修理プロセスについての情報を与える。
【0042】
既に前に述べたように、プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートが、作動中、すなわち自動車再仕上げ修理プロセスの間は、ユーザーインタフェースを介して瞬時に提供されることも可能である。そのような集められた通知は、検査シートの形式にすることができる。
【0043】
実行計画スケジュールは、修理計画スケジュールとも呼ばれ、どのようにして及び修理工程のどの順序に従って自動車再仕上げ修理プロセスが行われるべきかを正確に定義する。それは、修理における特定の活動、修理に適用されるリソース、及び修理の組織化を詳述する。好ましくは、実行される個々の修理プロセスに基づいて、車が通る修理ステップ及び/又は作業ステーション(又は駐車場)の順序を、車体工場のオペレータ(又は管理システム)によって、及び/又は計算/モデリングによって、及び/又は計算装置によって予め与えてよい。
【0044】
本発明によれば、車体工場は、現実世界で目的特化した特定の地理的領域に分割されており、そのような現実世界の地理的領域のそれぞれは、例えば、自動車再仕上げ修理プロセスの少なくとも1つの特定の修理工程が実行される車体工場の特定の作業ステーションに、又は、車体工場の駐車場に割り当てられる。車体工場のそのような現実世界の地理的領域のそれぞれは、仮想パラメータとしてジオフェンスを割り当てられており、すなわち、ジオフェンスは、一種の仮想(地理的)境界である。車体工場のこのようなジオフェンスは、車位置情報サービスと共に使用され、車体工場内の車、車体工場内の任意の人間、又は車体工場内で使用される他の任意の工具又は機器の位置及び動きについてユーザに通知することを可能にする。このようなジオフェンシングは、作業ステーション、従業員、及び/又は車体工場内で実行される自動車再仕上げ修理プロセスの工程を監視及び制御するために使用される。ジオフェンシングを使用することにより、車がジオフェンスエリアの1つにある場合に、車の及び/又は車の内部のビーコンを使用して、車の在不在を記録することが可能である。さらに、本発明の意味でのジオフェンシングは、車体工場内の車の位置決めを可能にし、該車は、複数のジオフェンスエリアのうちの少なくとも1つにサービスを提供するそれぞれの通信ノードによって検知されたときに、車体工場内の正確な位置決めを可能にするビーコンを備えている。また、作業ステーションに固定的に設置され、修理される車が前記ジオフェンスエリアに進入し、少なくとも1つの通信ノードによって位置決め/感知されるとすぐに、前記作業ステーション、すなわち前記作業ステーションに割り当てられた前記ジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって追跡される、いくつかのビーコンが存在することも可能である。さらなるビーコンが、車が前記ジオフェンスエリア内にあるときに、前記ジオフェンスエリア内で追跡されるように、モバイルアイテムに取り付けられる。
【0045】
少なくとも1つのビーコンと、該少なくとも1つのビーコンと通信接続されたそれぞれの通信ノードは、位置認識装置を実現する。
【0046】
少なくとも1つの通信ノードは、既に述べたように、Bluetooth(登録商標)とWLAN、例えばWiFiネットワークとの間のゲートウェイであり得る。その場合、車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンは、小型のBluetooth(登録商標)無線送信機であり、該無線送信機は、車が進入するそれぞれのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードが受信して見ることができる単一の信号を繰り返し送信することができる。すなわち、ジオフェンスエリアの1つにサービスを提供する通信ノードは、車が1つのジオフェンスエリア内に進入すると、車の及び/又は車の内部のビーコンを見ることができることを意味する。したがって、車の位置は、現実世界の地理的位置が既知である各ジオフェンスエリアが少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供されるため、容易に特定することができる。
【0047】
一般的に、通信ノードは約10m間隔で配置される。ジオフェンスエリアは、通信ノードの配置/トポロジーのパラメータ内で作成され、複数のジオフェンスエリアから通信ノードが見られる可能性が高く、すなわち、通信ノードが複数のジオフェンスエリアにサービスを提供する。
【0048】
光ビームが車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンから現れるためには、少なくとも1つのビーコンは起動される必要がある。これは、データが捕捉されるすべてのビーコンに適用され、各ビーコンは車体工場内で追跡されるアイテムに割り当てられている。
【0049】
上述の実施形態によれば、ビーコンは、Bluetooth(登録商標) Low-Energy(BLE)又はBluetooth(登録商標) Smart技術を使用する。ビーコンの範囲は、10メートルから30メートルである。各々のジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードは、ビーコンからの信号を受信することができる。そうするために、通信ノードは、Bluetooth(登録商標) Low-Energy(BLE)又はBluetooth Smart技術をサポートしている必要があるか、又は通信ノードは、適切なアプリケーション(App)を有している。車の内部のビーコンの信号の認識は、どのジオフェンスエリアにサービスを提供するどの通信ノードがそれぞれの信号を受信するかに応じて、車の位置を決定することを可能にする。それぞれのジオフェンスエリアからの車の距離に応じて、それぞれのジオフェンスエリアにサービスを提供する複数の通信ノードが信号を受信することも可能であるが、受信した信号の強度に基づいて、車の正確な位置を明確に特定することが可能である。さらに、これにより、複数のジオフェンスエリアを介して車の指向された誘導が可能になる。
【0050】
修理される車が、車によって実際に進入された1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードに直接接続するように構成された自律走行車であることも可能である。それにより、通信ノードは、車と直接通信することができ、実行計画スケジュールに従って複数のジオフェンスエリアを自律的に移動するように自律走行車を誘導及び/又はプログラムすることが可能である。すなわち、修理車体工場全体がジオフェンスエリアに分割されているため、現在の車両修理段階が完了したときに、車が次の作業ステーション(ジオフェンスエリア)、つまり修理段階に自律的に移動できるように、車をプログラムすることが可能である。さらに車体工場内にある全ての車に一度に接続することができるため、次の作業ステーション(ジオフェンスエリア)に空きスペースがあるかどうかを直ちに知ることができる。次の作業ステーションに空きがあり、その作業ステーションに車が移動することができる場合、車は自由に移動できる。自動運転技術は、複数のジオフェンスエリアを通過する途中で車が障害物に衝突するのを防ぎ、必要に応じて車を停止させる。車が次の作業ステーション、すなわち、それぞれのジオフェンスエリア内の修理段階に到着すると、車は、それぞれの1つのジオフェンスエリアにサービスを提供するそれぞれの通信ノードとの通信を介し、必要な関係者に、適切なユーザーインタフェースを介して、車が次の修理段階のために配置されていることを警告するようにさらに構成されている。次の作業ステーションが利用できない場合には、次の作業ステーションが空くまで車をそのままにしておくか、又は駐車場に移動させるかが決定される。駐車場に移動されると、次の作業ステーションが空くまで車はそのまま留められる。次の作業ステーションが空くと、車は自動的に警告され、次の作業ステーションが組み込まれている適切な次のジオフェンスエリアに自律的に移動する。
【0051】
提供される方法は、人員、車両、工具、部品、カート、大型機器の動きを含むがこれらに限定されない車体工場内のすべての動きを捕捉することができる。ジオフェンスエリアにサービスを提供するそれぞれの通信ノードは、温度、VOC、湿度、オフセット時間、オンサイト時間、アウトサイド時間を含むがこれらに限定されないデータ/信号を捕捉することができる。車体工場の内外で導出された様々な作業ステーション又は駐車場における時間及び/又は活動及び/又は状態データを捕捉することが可能である。ダッシュボードやモバイルアプリケーションによって、所有者、管理者、従業員、顧客などのユーザは、車の状態、部品の状態、工具の位置、大型機器の性能を追跡することができる。ダッシュボードは、タイムレコーダー機能を含むビジネス及び従業員のKPI(主要業績評価指標)を捕捉し、プッシュレポート及び自動通知を提供することができる。さらに、車両の修理に予想以上に時間がかかっている場合には、先行アラートを提供することができる。見積もりや管理システムなどの既存のビジネスシステムとのリンクも可能である。このように、基本車両情報などのさらなるデータが、手動のデータ入力なしに、簡単にインポートされることができる。車両の修理段階は、車両がどこにあったか、車両が現在どこにあるかに基づいて自動的に更新される。請求されたシステム及び方法は、ショップがリアルタイムで捕捉されたデータにより、ショップがベンチマーク期限を比較検討することを可能にする。
【0052】
提案された方法は、修理段階の更新、健全状態すなわち実行の進捗の提供であって、そのような実行の進捗は、車両の位置及び状態について収集されたデータに基づく実行の進捗の提供、修理完了までの見積時間の予測、車、スタッフ、修理工具からのスマートビーコンデータのリアルタイムの収集と分析、及び、カスタマイズ可能なダッシュボードとプロダクションビューを介して収集されたデータの容易な可視化と解釈を可能にし、そこでは、ダッシュボードは車両と資産位置をリアルタイムで表示し、改善された修理タイミングをサポートする。
【0053】
提案された方法は、その修理プロセスの業務効率を改善することによって、車体工場をより成功させることを可能にする。提案された方法は、例えば、各修理段階/ジオフェンスエリア内の消費時間を含む車の位置、及び車の部品や技術工具などの追加のアプリケーションを含む、車体工場内の複数のタイプの固定及び/又は移動エンティティのリアルタイムのビーコンデータの収集及び分析を可能にする。収集及び集計されたデータは、ユーザに最小限のトレーニングを必要とする直感的なカスタマイズ可能なダッシュボードを介して表示される。
【0054】
本発明はさらに、車体工場内の車の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視するためのシステムに関する。本システムは、修理される車に及び/又は車の内部に提供される少なくとも1つのビーコン、クラウド上に配置されたクラウドサーバ、少なくとも1つのユーザーインタフェース、車体工場が分割される複数のジオフェンスエリアを含み、各ジオフェンスエリアは、少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供され、少なくとも1つのさらなるビーコンを備える。各々のジオフェンスエリアの少なくとも1つの通信ノードは、車が少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供されるそれぞれの1つのジオフェンスエリアに進入すると直ちに、車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンを検知するように構成されている。さらに、少なくとも1つの通信ノードは、それに応じて決定された車の位置/位置データをクラウドサーバに報告し、信号を送るように構成されている。少なくとも1つの通信ノードは、それぞれの1つのジオフェンスエリア内での車の滞在時間の間、1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのさらなるビーコンから、それぞれの1つのジオフェンスエリア内の時間及び/又は活動及び/又は状態データなどのデータを捕捉し、捕捉されたデータをデータが収集されるクラウドサーバに送信するように構成される。少なくとも1つのさらなるビーコンは、少なくとも1つのセンサの感知能力を有してよく、1つのジオフェンスエリア内で追跡される少なくとも1つのアイテムに割り当てられている。クラウドサーバは、データを処理し、処理されたデータに基づいて、クラウド内に配置されたログファイル及び/又はデータベース内の車の修理段階を更新するように構成され、ユーザーインタフェースは、処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、プッシュレポート及び/又は通知及び/又は先行アラートを提供するように構成されている。
【0055】
更新された車の修理段階は、遅くとも、車がそれぞれのジオフェンスエリアの1つを離れるときまでに、最新の状態で利用可能である。
【0056】
提案されたシステムの可能な実施形態では、システムは、さらに、車が実行計画スケジュールに従って最後のジオフェンスエリアに到達するまで、及び/又は誤ったイベントが検出されるまで、実行計画スケジュールに従って複数のジオフェンスエリアのうちの少なくともいくつかを通って、車を自動的に誘導するように構成された搬送手段を含む。車が自律走行車、すなわち、車がそれに応じてプログラムされている場合に、実行計画スケジュールに従って複数のジオフェンスエリアを通って人間の入力なしで環境を感知して走行することが可能な自動運転車であることも可能である。
【0057】
提案されたシステムの一実施形態によれば、ユーザーインタフェースは、ショップビュー及び/又は生産管理ボードを提供するダッシュボードとして設計される。ダッシュボードは、適切なモバイルデバイス上に実装できるモバイルアプリケーションとして設計され得る。「ショップビュー」とは、車体工場への仮想ビューを意味し、したがって、ユーザがリアルタイムで車体工場内で起こるすべてのことを見ること及び追跡することが可能である。
【0058】
少なくとも1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードは、少なくとも1つのジオフェンスエリア内のそれぞれのビーコンから、下記のアイテムのいずれか1つに関するデータを取得するように構成されている。
【0059】
温度、VOC、湿度、オフセット時間、オンサイト時間、アウトサイド時間、車の動き、人員の動き、工具の動き、部品の動き、カートの動き、1つのジオフェンスエリア内の大型機器の動き、車の活動、人員の活動、工具の活動、部品の活動、カートの活動、1つのジオフェンスエリア内の大型機器の活動、車の状態、人員の状態、工具の状態、部品の状態、カートの状態、1つのジオフェンスエリア内の大型機器の状態。
【0060】
提案されたシステムは、前記のような方法を実行するように構成される。提案された方法及びシステムは、本開示の範囲内で、あらゆる種類の車の修理プロセスに使用され得る。
【0061】
本発明は、さらに、コンピュータによって実行され得る命令を有するコンピュータプログラム製品に向けられ、コンピュータプログラム製品は、以下の命令を有する。
A) 事前に与えられた実行計画スケジュールに従って、車体工場の複数のジオフェンスエリアのいくつかを通って車(110)を誘導する命令、
B) 車がジオフェンスエリアの1つに入ると直ちに:
- 前記ジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって、車に及び/又は車の内部に配置された少なくとも1つのビーコンを検知し、それに応じて決定された車の位置データをクラウドサーバに報告する命令、
- 1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって、1つのジオフェンスエリア内の車の滞在時間の間、1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのさらなるビーコンからデータ/信号を捕捉し、捕捉したデータをクラウドサーバに送信する命令であって、該少なくとも1つのさらなるビーコンは、少なくとも1つのセンサの感知能力を有し、1つのジオフェンスエリア内の追跡される少なくとも1つのアイテムに割り当てられており、捕捉されたデータは、好ましくは、該少なくとも1つのアイテムの位置データ以外のデータも含む、命令、
C) クラウドサーバでデータを処理する命令、
D) 遅くとも、車が1つのジオフェンスエリアを離れるときまでに、処理されたデータに基づいて、クラウドに保存されたログファイル及び/又はデータベースにおいて、車の修理段階を更新する命令、
E) 処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、ユーザーインタフェースを介して、プッシュレポート及び/又は通知及び/又は先行アラートを提供する命令、及び、
F) 実行計画スケジュールに従って、車を後続の1つのジオフェンスエリアに移動させ、実行計画スケジュールに従って車が最後のジオフェンスエリアに到達するまで、及び/又は、誤ったイベントが検出されるまで、B)からE)の命令を繰り返す命令、
を含む。
【0062】
本明細書で使用される場合、「命令」は、読み出し、解釈、コンパイル、及び/又は実行することができ、コンピュータ、プロセッサ、又は他の電子デバイスに、機能、動作を実行させ、及び/又は所望の方法で作動させることができる。命令は、ルーチン、アルゴリズム、モジュール、メソッド、スレッド、及び/又は別個のアプリケーションを含むプログラム又は動的にリンクされたライブラリからのコードのような様々な形態で具現化され得る。コンピュータ可読命令及び/又は実行可能な命令は、1つの論理に配置され、及び/又は2つ以上の通信する、協調する、及び/又は並列処理する論理間に分散され、したがって、直列、並列、及び他の方法でロードされ、及び/又は実行され得る。
【0063】
捕捉されるデータは、自動車再仕上げ修理プロセスに関連する時間及び/又は活動及び/又は状態データであり得る。これらのデータは、1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのビーコンから、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって捕捉され、ビーコンは、追跡される少なくとも1つのアイテムに割り当てられている。一般的に、少なくとも1つのビーコンは、それぞれの追跡される少なくとも1つのアイテムに取り付けられる。追跡される少なくとも1つのアイテムは、修理される車、車の部品、車体工場の従業員、工具、キー、部品カートを含むアイテム群から選択することができるが、これらに限定されるものではない。追跡される少なくとも1つのアイテムは、少なくとも1つのジオフェンスエリア内の車の滞在時間の間は、同様に1つのジオフェンスエリア内に配置される。このようにして、1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードは、それぞれのビーコンとそれぞれの通信接続をそれぞれに確立することができる。
【0064】
提案されたシステムは、捕捉された及び/又は収集されたデータが保存され得るデータベースをさらに含むことが可能である。「データベース」という用語は、検索及び取得できる関連情報の集合を指す。データベースは、検索可能な電子数値又はテキスト文書、検索可能なPDF文書、Microsoft Excel(登録商標)スプレッドシート、Microsoft Access(登録商標)データベース、Oracle(登録商標)データベース、又はLinux(登録商標)データベースであり得、それぞれはそれぞれの商標で登録されている。データベースは、検索及び取得可能なコンピュータ可読記憶媒体に存在する電子文書、写真、画像、図、又は図面のセットであり得る。データベースは、単一のデータベース、又は、関連データベースのセット、又は、関連しないデータベースの一群であってよい。「関連データベース」とは、そのようなデータベースを関連付けるために使用できる少なくとも1つの共通の情報要素が関連データベースに存在することを意味する。関連データベースの一例としては、Oracle(登録商標)リレーショナルデータベースがある。MySQL(登録商標)を使用することも可能である。
【0065】
ユーザーインタフェースは、計算装置を介して実現することができる。ここで使用される計算装置は、データ処理チップ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ポケットPC、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルド電子処理デバイス、PDAと携帯電話の機能を組み合わせたスマートフォン、又は情報を自動的に処理することができる他の電子デバイスを指すことができる。計算装置は、画像処理デバイスに統合された内蔵データ処理チップ、又は別のツールなど、他の電子デバイスに組み込まれていてよい。計算装置は、データベースへの、他の計算装置への、例えばクラウドサーバへの1つ以上の有線接続又は無線接続、又はそれらの組み合わせを有することができる。計算装置は、イントラネット及びインターネットを含む有線又は無線ネットワークを介して接続されたマルチコンピュータクライアントホストシステムにおけるホストコンピュータと通信するクライアントコンピュータであってもよい。計算装置は、有線又は無線接続を介してデータ入力デバイス又は出力デバイスに結合されるようにも構成され得る。例えば、ラップトップコンピュータは、無線接続を介してデータを受信するように動作可能に構成され得る。ポータブル計算装置は、ラップトップコンピュータ、ポケットPC、携帯情報端末、ハンドヘルド電子処理デバイス、携帯電話、PDAと携帯電話の機能を組み合わせたスマートフォン、タブレットコンピュータ、又は情報及びデータを処理することができ、人が携帯することができる任意の他の電子デバイスを含む。
【0066】
有線接続は、ハードウェアカップリング、スプリッタ、コネクタ、ケーブル又はワイヤを含む。無線接続及びデバイスは、WiFiデバイス、Bluetooth(登録商標)デバイス、ワイドエリアネットワーク(WAN)無線デバイス、ローカルエリアネットワーク(LAN)デバイス、赤外線通信装置、光データ転送デバイス、無線送信機及び任意に受信機、無線電話、無線電話アダプタカード、又は可視又は不可視の光波長及び電磁波長を含む広い範囲の無線周波数で信号を送信することができる任意の他のデバイスを含むが、これらに限定されない。
【0067】
本発明は、以下の実施例においてさらに定義される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単なる例示として与えられていることを理解されたい。上記の説明及び実施例から、当業者は、本発明を本質的な特徴を確認することができ、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明を様々な用途及び条件に適合させるために、本発明の様々な変更及び修正を行うことができる。
【0068】
図1は、車体工場100内の車110の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視する、提案されたシステム200の一実施形態を示している。修理される車110は、車110の車の内部に少なくとも1つのビーコン111を備えている。車体工場100は、複数のジオフェンスエリア201,202に分割されている。各ジオフェンスエリア201,202は、少なくとも1つの通信ノード211,222によってサービスを提供される。
【0069】
図1では、修理される車110は、車体工場100内の異なる作業ステーションに示されている。各作業ステーションは、1つのジオフェンスエリア201,202に割り当てられている。車体工場100内の修理される車110の位置を特定するために、車110内のビーコン111は、それぞれのジオフェンスエリア201,202にサービスを提供するそれぞれのノード211,222によって検知される。
【0070】
車110が第1方法ステップ401に従って「顧客ドロップオフ」と呼ばれる第1ジオフェンスエリア201内に位置しているとき、車110内のビーコン111はジオフェンスエリア201「顧客ドロップオフ」にサービスを提供するノード211によって検知される。車110内の少なくとも1つのビーコン111が、ジオフェンスエリア「顧客ドロップオフ」201をサービスを提供する少なくとも1つのエリア特定ノード211によって検知されると、車110の位置が決定され、決定された車110の場所/位置データがノード211からクラウド300内に配置されたクラウドサーバ310に報告される。車110がジオフェンスエリア「顧客ドロップオフ」201内に存在する限り、ジオフェンスエリア「顧客ドロップオフ」201の少なくとも1つのノード211は、ジオフェンスエリア「顧客ドロップオフ」201内の時間及び/又は活動及び/又は状態データを捕捉し、捕捉したデータをクラウドサーバ310に送信する。データは、ジオフェンスエリア201内に配置されたそれぞれのビーコンによって提供される。各ビーコンは、追跡される1つのアイテムに割り当てられ、具体的には取り付けられる。各ビーコンは、ジオフェンスエリア201にサービスを提供する通信ノード211と、例えばBluetooth(登録商標)を介して、通信接続されている。この通信接続を介して、感知されたデータは、それぞれのビーコンから、異なるビーコンからすべてのそれらのデータを捕捉し、それらのデータをクラウドサーバに送信する通信ノード211に送信される。送信されたデータは、クラウドサーバ310で処理され、車110の修理段階は、車110がジオフェンスエリア「顧客ドロップオフ」201を離れるときに、処理されたデータに基づいて、クラウド300内のデータベースに配置/保存されたログファイルで更新される。処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、プッシュレポート及び/又は通知及び/又は先行アラートが、リモートエリア210に配置されたユーザーインタフェース233を介してクラウドサーバ310によって提供される。リモートエリア210は、車体工場100から離れて位置することができる。ユーザーインタフェース233は、モバイルデバイスにインストールされて実装されるモバイルアプリケーションとしても設計可能なダッシュボードによって実現することができる。ここに示すように、ユーザーインタフェース233は、パーソナルコンピュータ又はラップトップのディスプレイとしても実現することができる。プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートの送信は、リアルタイムで、すなわち自動車再仕上げ修理プロセスが進行している間に実行される。したがって、ユーザは、リアルタイムで自動車再仕上げ修理プロセスに関する完全な透明性を得る。プッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートは、ダッシュボードからダウンロードしたり、又はダッシュボードにプッシュできる。
【0071】
次の方法ステップ402では、車110は、実行計画スケジュールに従って、後続の1つのジオフェンスエリア202「車体」に自動的に誘導/移動される。車110が移動すると、車内のビーコン111は、異なるジオフェンスエリア202にサービスを提供する異なるノード222によって検知される。車110がジオフェンスエリア「車体」202に入ると直ちに、ジオフェンスエリア202にサービスを提供する少なくとも1つのノード222が、車110内の少なくとも1つのビーコン111を検知し、それに応じて決定された車110の位置データをクラウドサーバ310に送信する。さらに、ジオフェンスエリア202にサービスを提供する少なくとも1つのノード222は、ジオフェンスエリア202内の車110の滞在時間の間、ジオフェンスエリア202内の時間及び/又は活動及び/又は状態データを捕捉し、捕捉したデータをクラウドサーバ310に送信する。データは、少なくとも1つのビーコン、一般的には、ジオフェンスエリア「車体」内の複数のビーコンから捕捉される。各ビーコンは、追跡されるアイテムに割り当てられ、具体的には取り付けられる。そのようなアイテムは、修理される車110、車体工場100の従業員、車体工場の工具、車の部品、部品カートなどであり得る。それらのデータは再びクラウドサーバ310によって処理され、車110の修理段階は、車110がジオフェンスエリア202を離れるときに、処理されたデータに基づいて再び更新される。ユーザは、再び、方法ステップ403において、場所210におけるユーザーインタフェース233を介して、処理されたデータ及び更新された修理段階に基づく、プッシュレポート、及び/又は通知及び/又は先行アラートを提供される。
【0072】
一般に、計算装置に一般的に実装されるユーザーインタフェース233は、クラウドサーバ310と無線で、特にセルラーネットワークを介して接続されている。しかしながら、ユーザディスプレイ233とクラウドサーバ310との間の通信接続は、部分的には有線接続によって、部分的には無線接続によって実現されることも可能である。有線接続は、グラスファイバーケーブル又は銅ケーブルによって実現されることができる。車110がジオフェンスエリア202を離れると、車110は、再び、実行計画スケジュールに従って車110が最後のジオフェンスエリアに到達するまで、又は、クラウドサーバ310内の処理されたデータの結果として誤ったイベントが検出され、ユーザーインタフェース233を介してプッシュレポート及び/又は通知及び/又はアラートが提供されるまで、実行計画スケジュールに従って後続の1つのジオフェンスエリアに再び誘導/移動される。
【0073】
本明細書に記載された方法は、自動化されたKPI(主要業績評価指標)データの生成を可能にする。さらに、それは、先行的な自動化された生産アラートと、タグ付けされたアイテム、すなわち、車両、キー、部品、工具、カート、機器などの、車体工場100内のそれぞれのビーコンとタグ付けられたアイテムを位置付けるリアルタイム位置情報サービスとを可能にする。さらに、ユーザーインタフェース233を介して、さらに遠隔監視することができる車体工場100のデジタル画像を提供することが可能である。車体工場100のデジタル画像は、自動車再仕上げ修理プロセスの進行と同時に動的に変化する。既に述べたように、すべてのデータ及び報告、通知及び/又はアラートは、ハンドヘルドデバイス上のモバイルアプリケーションを介して提供されることも可能である。報告、通知及び/又はアラートへのアクセスを有するそれぞれのユーザは、自動車再仕上げ修理プロセスに対して是正措置を講じ、それに応じて行動することができる。
【0074】
提案される方法とシステムは、ボトルネックを特定し、先行生産アラートを受信し、したがって、自動車再仕上げ修理プロセス中の障害を最小限に抑えることを可能にする。提案される自動化は、自動車再仕上げ修理プロセスが自動的に追跡され、いつでも最新のKPIが利用をできるため、手作業をさらに削減することができる。さらに、計画とスケジューリングの向上された予測可能性により、与えられたリソースを効果的に再配置して管理することができる。さらに、車体工場100内の任意の場所のオペレーションをリアルタイムで遠隔監視することが可能である。車、工具、キーなどのタグ付けされたアイテムを、それぞれのそのようなアイテムに割り当て/タグ付けされたそれぞれのビーコン、及び車体工場100のジオフェンスエリアにサービスを提供しそれぞれのビーコン/タグと通信接続されている/され得るそれぞれの通信ノードによって、迅速に位置付けることが可能である。このようにして、ユーザ/オペレータ/管理者の個々のダウンタイムは大幅に削減される。それぞれの車体工場のデジタル画像を提供する可能性があるため、1つ以上の車体工場を管理下又は監視下に置いている管理者は、それらすべての車体工場を一目で見て制御することができる。さらに、すべての車体工場の日々の業務をリアルタイムで遠隔で監視することができる。
【0075】
搬送手段は、修理される車が作業ステーションから作業ステーションに自動的に搬送さる輸送ラインによって実現することができ、そこでは、車が完全に修理されて修理プロセスが終了するまで、個々の修理プロセスが順番に実行される。修理される車を作業ステーションから作業ステーションへ機械的に移動させることにより、固定された車で作業員が修理プロセスを行う場合に比べて、より速く、より少ない労働力で修理プロセスを行うことができる。1つの修理ラインでは、通常は一度に1つの修理プロセスしか行えないため、本修理プロセスは複数の作業ステーションに分割され、すべての作業ステーションが同時に作業し、それぞれのジオフェンスエリアに割り当てられる。1つの作業ステーションで車を仕上げると、自動的に次の作業ステーションに車が渡される。したがって、車体工場内で複数の車を同時に作業/修理することができ、それぞれは修理プロセスの異なる段階、つまり、異なるジオフェンスエリアに割り当てられた異なる作業ステーションにある。したがって、修理される車をある作業ステーションから別の作業ステーションに移動させる際の時間の損失がなく、修理ライン上の最も長い段階がスループットを決定する。代替的に、修理される車が、それに応じてプログラムされているときに、実行計画スケジュールに従ってジオフェンスエリアを通って自らを誘導する自律走行車であることが可能である。
【0076】
これらすべての作業ステーションと車体工場のそれぞれの駐車場は、それぞれのジオフェンスエリアとそれぞれの通信ノードを介して、クラウドサーバと通信接続されているため、修理プロセス全体と、単一の作業ステーションで起きているすべてのことを詳細に追跡し、監視することが可能である。各作業ステーションが正確に1つのジオフェンスエリアに割り当てられ、それぞれ1つのジオフェンスエリア内で修理される車の滞在時間中に捕捉されたすべてのデータは、それぞれ1つのジオフェンスエリア内に位置するそれぞれの作業ステーションの状態及び作業条件について明白かつ明確な結論を与えることが可能である。また、特に、ジオフェンスエリアが非常に大きい場合には、各ジオフェンスエリアが複数の通信ノードによってサービスを提供されることも可能である。各ジオフェンスエリアへの作業ステーションの割り当ては、データベース内、具体的にはクラウド内に配置され、より具体的にはクラウドサーバ内に配置されているデータベースに保存される。したがって、それぞれの捕捉データを作業ステーションに明確的に割り当てることが可能である。
【0077】
ユーザーインタフェースを介してユーザに提供される収集されたデータに基づいて、ユーザは、特定のジオフェンスエリア内に位置する特定の作業ステーションの状態と機能についての結論を導き出すことができる。
【0078】
提案された方法の可能な実施形態によれば、自律走行車は、車内のBluetooth(登録商標)ネットワークへの通信ノードの通信接続を介して、遠隔操作によって操作することができる。車体工場全体をジオフェンス化することによって、あるジオフェンスエリア(作業ステーション/修理段階)から次のジオフェンスエリア(作業ステーション/修理段階)へ車を誘導することが可能である。したがって、現在の車両の修理段階が完了し、次の修理段階に移動する準備が整ったときに即座に通知することがさらに可能となる。通信ノードを介して車体工場内の全ての車を感知することができるため、次の修理段階に空きがあるかどうかが分かる。次の修理段階に車を移動する空きがあれば、車はそのようにする。車がそれぞれのジオフェンスエリア内の次の修理段階に到着すると、必要な関係者は、(それぞれのジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードと、通信ノードに接続されているそれぞれのユーザーインタフェースを介して)車が次の修理段階にあることを警告される。
【0079】
次の修理段階が空いていない場合は、次の修理段階が空くまで車をそのままにしておくか、駐車場に移動させるかを決定する。駐車場に車が停められると、次の修理段階が空くまでその場所に車はそのまま置かれる。次の修理段階が空いたら、車は警告を受け、次の修理段階に移動する。
【0080】
車との通信は、複数のジオフェンスエリアにサービスを提供する通信ノードを介して実現され、Bluetooth(登録商標)を介して車と接続されている。通信ノードは、さらにセルラーネットワークを介してユーザーインタフェースに接続され、車の遠隔制御が実現され得る。
【0081】
図2は、車体工場内の自動車再仕上げ修理プロセスをデジタル的に追跡及び監視するための提案された方法の一実施形態の概略フロー図である。修理される車は、車に及び/又は車の内部に少なくとも1つのビーコンを備え、車体工場は、複数のジオフェンスエリアに分割されている。各ジオフェンスエリアは、少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供される。一般的に、複数の通信ノードが存在し、ここで、通信ノードは互いに所定の距離だけ離れており、したがって、所定のトポロジーを有する通信ノードのネットワーク/メッシュを形成する。通信ノードのトポロジーは、通信ノード間の所定の距離などのパラメータによって説明することができる。
【0082】
ステップ500では、所定の実行計画スケジュール、すなわち所定の修理計画スケジュールに従って、修理される車が、複数のジオフェンスエリアのうちの少なくともいくつかを通って誘導される。ステップ501において、車がジオフェンスエリアのうちの1つに進入すると直ちに、車の及び/又は車の内部の少なくとも1つのビーコンは、ステップ502で、車が進入した1つのジオフェンスエリアにサービスを提供する少なくとも1つの通信ノードによって検知される。ステップ503では、車の場所/位置データ/信号が通信ノードからクラウドサーバに報告/送信される。場所/位置データは、通信ノード自体によって、検出されたビーコンの通信ノードまでの測定された距離を介して直接感知されるか、又は、検出されたビーコンの通信ノードまでの測定された距離を介して、ビーコンによって感知され、位置データを通信ノードに送信し、そこからさらにクラウドサーバに送信する。
【0083】
ステップ504において、少なくとも1つの通信ノードは、少なくとも1つの通信ノードによってサービスを提供される1つのジオフェンスエリア内の車の滞在時間の間、1つのジオフェンスエリア内の自動車再仕上げ修理プロセスに関連する時間及び/又は活動及び/又は状態データを捕捉する。データは、1つのジオフェンスエリア内の少なくとも1つのビーコンから捕捉される。一般に、複数のビーコンが存在し、各ビーコンは、追跡されるアイテムに割り当てられ、特定の種類のデータを感知するように構成されている。各ビーコンは、温度計、湿度計、位置計、加速度計、移動計の一群からの少なくとも1つのセンサの感知能力を有する。一般的に、ビーコンのすべてが同じように構成され、同じデータを追跡する。捕捉されたデータは、ステップ505において、無線ネットワークを介して、クラウドサーバに送信される。
【0084】
さらなるステップ506では、データが処理され、すなわち、クラウドサーバによって分析、フィルタリング、収集される。ステップ507では、一般的に、車がジオフェンスエリアの1つから離れるとき、処理されたデータに基づいて、車の修理段階が更新される。更新された修理段階は、クラウドに配置されたログファイル及び/又はデータベースに保存される。
【0085】
ステップ508では、処理されたデータ及び更新された修理段階に基づいて、プッシュレポート及び/又は通知及び/又は先行アラートがユーザーインタフェースを介して提供される。
【0086】
後続のステップ509では、実行計画スケジュールに従って、車は、特に自動的に後続の1つのジオフェンスエリアに誘導される。
【0087】
ステップ502から509は、矢印510で示されるように、実行計画スケジュールに従って、車が最後のジオフェンスエリアに到達するまで、及び/又は誤ったイベントが検出されるまで繰り返される。
図1
図2