(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】芯なしタイプの、特に食品用のアルミニウムなどのシート形態で使用するための材料のロールを提供するための機械および方法
(51)【国際特許分類】
B65H 18/04 20060101AFI20230417BHJP
B65H 19/30 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
B65H18/04
B65H19/30
(21)【出願番号】P 2021520273
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2019059136
(87)【国際公開番号】W WO2019242903
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】102018000006478
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520501001
【氏名又は名称】アイ・エム・エス・テクノロジーズ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】IMS TECHNOLOGIES S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルディ,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】コルナルバ,チェーザレ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-156573(JP,U)
【文献】特開平06-340356(JP,A)
【文献】実開昭54-131674(JP,U)
【文献】特開2004-043068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/04
B65H 19/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に食品用のアルミニウムなど、シート形態で使用するための材料(71)のロール(70)を提供するための機械であって、
-前記シート形態で使用するための材料(71)を巻き取るステップを実行するために、長手方向軸(3a)を中心とした回転運動によって作動させることができる、少なくとも1つの実質的に円筒形の巻き取りシャフト(3)と、
-前記巻き取りシャフト(3)に、巻かれる予定の前記シート形態で使用するための材料(71)を供給するために作動させることができるシート形態で使用するための材料(71)を供給するための手段(4)と
を備え、
前記少なくとも1つの巻き取りシャフト(3)は、前記長手方向軸(3a)の周りに円周方向に配置され、前記巻き取りステップ中に前記シート形態で使用するための材料(71)と接触するように適合された前記巻き取りシャフト(3)の外側面(90)を形成する複数の円筒形セクタ(17、16)を含み、
前記円筒形セクタ(17、16)は、格納式円筒形セクタ(17)と交互に配置された固定円筒形セクタ(16)を含み、
前記格納式円筒形セクタ(17)は、半径方向において前記長手方向軸(3a)に向かって、および前記長手方向軸から外方に、
-前記巻き取りシャフト(3)の外側面(90)を形成するように、前記格納式円筒形セクタ(17)および前記固定円筒形セクタ(16)が同一平面に配置される拡張位置と、
-前記格納式円筒形セクタ(17)が、前記拡張位置に対してより内側に配置され、結果、長手方向のくぼみ(91)が、前記巻き取りシャフト(3)の前記外側面(90)に沿って形成される格納位置と
の間で並進することが可能であ
り、
前記機械は、前記巻き取りシャフトに収容される作動カムを備え、前記作動カム(18)は、少なくとも前記巻き取りステップ中、前記格納式円筒形セクタ(17)を前記拡張位置に維持するように構成され、結果、前記シート形態で使用するための材料(71)の前記巻き取りは、円筒形であり、実質的に均一であるときの前記外側面(90)の周りで行われ、
前記作動カム(18)が、前記巻き取りシャフト(3)内に同軸に収容され、前記格納式円筒形セクタ(17)に機械的に接続される円錐部分(18a)を備えたシャフトを備え、前記作動カム(18)は、前記拡張位置と前記格納位置との間で前記格納式円筒形セクタ(17)の半径方向の動きを実行するために、前記固定円筒形セクタ(16)に対して軸方向に可動であることを特徴とする、機械。
【請求項2】
前記少なくとも1つの巻き取りシャフト(3)が、前記巻き取りシャフト(3)の前記長手方向軸(3a)に向かって半径方向に吸引フローを加えることによって、前記シート形態で使用するための材料(71)を前記巻き取りシャフト(3)の前記外側面(90)に付着させるように構成された吸引チャネルを備えていることを特徴とする、
請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記機械は、リボルバー様構造(6)によって支持される複数の前記巻き取りシャフト(3)と、前記リボルバー様構造(6)の主軸(6a)の周りに配置されている処理ステーション(25、26、27、28、29、30)とを備え、前記リボルバー様構造(6)は、各事例において、前記巻き取りシャフト(3)の1つを前記処理ステーション(25、26、27、28、29、30)の1つに配置するために、断続的な動きで前記主軸(6a)を中心として回転することが可能であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の機械。
【請求項4】
前記処理ステーション(25、26、27、28、29、30)は、前記リボルバー様構造(6)の前記主軸(6a)を中心とした回転方向に沿って、前記リボルバー様構造(6)の前記主軸(6a)の周りに順次配置される、前記シート形態で使用するための材料(71)を巻き取るための少なくとも1つのステーション(27)を含むことを特徴とする、請求項
3に記載の機械。
【請求項5】
前記巻き取りシャフト(3)の各々が、前記リボルバー様構造(6)によって独自の長手方向軸(3a)を中心として自由に回転することができ、軸方向端部と、対応する電動心押し台(14)との係合または係合解除、および前記シート形態で使用するための材料(71)の前記巻き取り後の前記ロール(70)からの係合解除のために、前記リボルバー様構造(6)に関して長手方向軸(3a)に沿って命令を受けて動くことができるように支持されることを特徴とする、請求項
3または
4に記載の機械。
【請求項6】
前記
材料を供給するための前記手段(4)が、前記シート形態で使用するための材料(71)のフィードロール(32)を支持するための手段(31)と、前記支持手段(31)と前記巻き取りステーション(27)との間に配置される、前記シート形態で使用するための材料(71)を引き込むためのアセンブリとを備え、前記巻き取りステーション(27)内には、前記シート形態で使用するための材料(71)を切断するための手段(34)があることを特徴とする、請求項
1から5のいずれか1項に記載の機械。
【請求項7】
特に食品用のアルミニウム合金などの、シート形態で使用するための材料(71)のロール(70)を提供する方法であって、ロール(70)を形成するために前記シート形態で使用するための材料(71)を巻き取るステップを含み、
前記巻き取るステップは、前記シート形態で使用するための材料(71)を巻き取りシャフト(3)に直接巻き付けることによって達成され、前記シート形態で使用するための材料(71)は、芯なしロール(70)を得るために、その長手方向軸(3a)を中心とした回転運動によって作動される、前記巻き取りシャフト(3)の連続的な円筒形外側面(90)と接触すること、
および、前記巻き取るステップは、前記シート形態で使用するための材料が前記巻き取りシャフト(3)の周りに少なくとも1回巻かれる前に、前記巻き取りシャフトの固定円筒形セクタと共に前記連続的な円筒形外側面を規定するように適合されている前記巻き取りシャフト(3)の格納式円筒形セクタ(17)を半径方向に拡張させるステップを含
み、
前記方法は、後続の取り外しステップを含み、前記ステップにおいて、
-前記格納式円筒形セクタは、前記巻き取りシャフトの内側に向かって半径方向に動かされ
、
-前記巻き取るステップにおいて得られる前記ロール(70)は、前記巻き取りシャフトを独自の長手方向軸(3a)に沿って動かすことにより、前記巻き取りシャフト(3)から滑り落ちることを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記巻き取りステップ中に、シートが前記ロール(70)の最初のターンの内側に挿入されることを特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食品用のアルミニウムなどのシート形態で使用するための材料のロールを提供するための機械および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、食品用途(食品の包装および保存用)に使用されるアルミニウムロールは、剛性ボール紙芯に巻かれたアルミニウム合金の薄いシートによって形成される。
【0003】
剛性ボール紙芯は、必要な剛性および一貫性を提供するために、複数の紙片をらせん状に巻き、層を貼り合わせることによって提供される。
【0004】
剛性のある芯は、実際には非常に薄く(9~23ミクロン)壊れやすいアルミニウムシートを支持および保護する機能を有する。
【0005】
したがって、アルミニウムシートロールを製造するための現在の技法は、巻き取り機(リワインダ)の使用を提供し、巻き取り機は、他の機械で製造され、その後巻き取り機に装填されるアルミニウムシートおよび剛性ボール紙芯のフィードロールを使用する。
【0006】
ボール紙シートをそれぞれのロールから巻き出し、アルミニウムシートが巻かれるのと同じ巻き取りシャフトに予め巻き付けることによって、剛性ボール紙芯を巻き取り機上で直接製造する解決策も知られている。
【0007】
したがって、アルミニウムシートはフィードロールから巻き取られ、剛性ボール紙芯に所望の長さまで巻き出される。
【0008】
剛性ボール紙芯の存在により、製品は、パッケージ化され、輸送され、最終的に使い果たされるまでエンドユーザが使用するために必要な一貫性が得られる。
【0009】
ただし、剛性ボール紙芯を使用すると、アルミニウムシートロールの製造プロセスにおいて相当の労力が必要になる。これは、これらの剛性ボール紙芯が、
-製造および調達することを必要とし、
-広い収納スペースを必要とし、
-リワインダに供給するためにかなりの労働力を使用することを必要とし、
-生産部門に混乱を引き起こし、
-ボール紙ゴミを生成し、
-アルミニウムシートのコストと比較すると、コストが高く、
-最後に、ロールのエンドユーザが正しく廃棄する必要があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目標は、上記の問題を解決することができる、特に食品用のアルミニウムなど、シート形態で使用するための材料のロールを提供するための方法および機械を提案することである。
【0011】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、現在市販されているロールと同等の実用性を有する、特に食品用のアルミニウムなど、シート形態で使用するための材料のロールを製造することを可能にする方法および機械を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、ロールの製造のための労働力の使用を大幅に削減することを可能にする方法および機械を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、背景技術のものと比較した場合に提供がより容易であり、経済的に競争力のある、シート形態で使用するための材料のロールを提供するための方法および機械を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、廃棄物の生成を減らすことによって環境への影響を減らすことを可能にする、シート形態で使用するための材料のロールを生成することを可能にする方法および機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目標、ならびに以下により明らかになるこれらおよび他の目的は、特に食品用のアルミニウムなど、シート形態で使用するための材料のロールを提供するための機械によって達成され、この機械は、
-上記シート形態で使用するための材料を巻き取るステップを実行するために、長手方向軸を中心とした回転運動によって作動させることができる、少なくとも1つの実質的に円筒形の巻き取りシャフトと、
-巻き取りシャフトに、巻かれる予定のシート形態で使用するための材料を供給するために作動させることができるシート形態で使用するための材料を供給するための手段と
を備え、
上記少なくとも1つの巻き取りシャフトは、上記長手方向軸の周りに円周方向に配置され、上記巻き取るステップ中に上記シート形態で使用するための材料と接触するように適合された巻き取りシャフトの外側面を形成する複数の円筒形セクタを含み、
上記円筒形セクタは、格納式円筒形セクタと交互に配置された固定円筒形セクタを含み、
上記格納式円筒形セクタは、上記巻き取りシャフトに収容されている作動カムの作用によって、半径方向において上記長手方向軸に向かって、および上記長手方向軸から外方に、
-巻き取りシャフトの円筒形で実質的に均一な外側面を形成するように、上記格納式円筒形セクタおよび上記固定円筒形セクタが同一平面に配置される拡張位置と、
-上記格納式円筒形セクタが、上記拡張位置に対してより内側に配置され、結果、長手方向のくぼみ91が、巻き取りシャフトの上記外側面に沿って形成される格納位置と
の間で運動可能であることを特徴とする。
【0016】
この目標ならびにこれらおよび他の目的はまた、特に食品用のアルミニウム合金などの、シート形態で使用するための材料のロールを提供する方法によって達成され、この方法は、ロールを形成するためにシート形態で使用するための材料を巻き取るステップを含み、
上記巻き取るステップは、上記シート形態で使用するための材料を巻き取りシャフトに直接巻き付けることによって達成され、上記シート形態で使用するための材料は、芯なしロールを得るために、その長手方向軸を中心とした回転運動によって作動される、上記巻き取りシャフトの円筒形外側面と接触することを特徴とする。
【0017】
本発明のさらなる特性および利点は、添付の図面に非限定的な例として示されている、本発明による方法および機械の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】複数の巻き取りシャフトを支持するリボルバー様構造の斜視図である。
【
図6】上記リボルバー様構造の軸方向断面図である。
【
図7】動作状態における巻き取りシャフトの軸方向断面図である。
【
図8】平面VIII -VIIIに沿った
図7の拡大断面図である。
【
図9】ロールと係合した
図8のような巻き取りシャフトの図である。
【
図10】別の動作状態における巻き取りシャフトの軸方向断面図である。
【
図11】平面XI -XIに沿った
図10の拡大断面図である。
【
図12】ロールから係合解除された
図11のような巻き取りシャフトの図である。
【
図13】リボルバー様構造の処理ステーションの概略図である。
【
図14】シート形態で使用するための材料のロールの側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図を参照すると、一般に参照符号1によって示される本発明の機械は、地面に置くことができ、少なくとも1つの実質的に円筒形の巻き取りシャフト3を支持する支持構造2を備え、巻き取りシャフト3は、以下から明らかになるように、好ましくはアルミニウムによって、さらにより好ましくは食品用途のためのアルミニウム合金によって構成される、シート形態で使用するための材料71を巻き取るステップを実行するために、その長手方向軸3aを中心とした回転運動によって作動することができる。
【0020】
さらに、機械1は、以下によりよく説明されるように、特に
図14および
図15に示されるロール70を提供するために、巻き取りシャフト3に巻かれる予定の、シート形態で使用するための材料71を、巻き取りシャフト3に供給するために作動することができる、シート形態で使用するための材料71を供給するための手段4を備える。
【0021】
より明確にするために、本明細書では、「シート形態で使用するための材料」という表現は、食品の包装に使用される、例えばアルミニウムのシート、またはむしろアルミニウム合金など、エンドユーザが使用できるロール70の材料を識別するために使用される。
【0022】
好ましくは、水平(長手方向)主軸6aを有するリボルバー様構造6によって支持される複数の巻き取りシャフト3が存在する。示される実施形態では、6つの巻き取りシャフト3があり、これらは主軸6aの周りに均等に分布され、それらの長手方向軸3aが上記主軸6aに平行になるように配置されている。
【0023】
図示されていない他の可能な実施形態では、巻き取りシャフト3は、要件に従って、異なる数で存在する。
【0024】
特に
図5および
図6に示されるように、リボルバー様構造6は実質的に、その軸が、リボルバー様構造6の主軸6aを規定する主シャフト7、および、主シャフト7に同軸に固定され、相互に離間されている2つのディスク8、9からなる。これらの2つのディスク8、9によって区切られる領域の外側では、ディスク8の横方向に、スライドガイド10が主シャフト7に固定され、主軸6aに平行に延伸する。巻き取りシャフト3の各々は、その軸方向端部の1つによってスライダ11に固定され、スライダ11は、上記ガイド10の1つとスライド可能に係合し、対応するガイド10に沿ってスライドするように作動させることができる。各巻き取りシャフト3は、ディスク8内に形成された穴12を通過する。引き出しリング13が、対応するスライダ11に対して反対方向を向いたディスク8の側で、上記穴12の周りに配置されている。
【0025】
他方のディスク9は、各巻き取りシャフト3に1つずつある、複数の心押し台14を支持する。各心押し台14は、ディスク9の、ディスク8に向けられている側に配置され、対応する巻き取りシャフト3と同軸である。
【0026】
各心押し台14は、ディスク9の反対側に配置された対応するプーリ15に接続されている。プーリ15は、それ自体既知の方法で、それらの本体によって支持構造2に固定され、対応する巻き取りシャフト3の長手方向軸3aと一致する対応する軸を中心とした心押し台14の回転を引き起こすように作動させることができる対応するモータに接続される。
【0027】
各巻き取りシャフト3は、対応するスライダ11によってその長手方向軸3aを中心として回転することができ、対応するスライダ11に接続された軸方向端部に関して反対である、その軸方向端部の、対応する心押し台14との係合に従ってそれ自体の長手方向軸3aを中心とした回転運動によって作動できるように支持される。実際には、対応するガイド10に沿って各スライダ11をスライドさせることにより、対応する心押し台14に対して対応する巻き取りシャフト3を係合または係合解除することが可能である。
【0028】
ここでも、対応するガイド10に沿って各スライダ11をスライドさせることにより、以下でよりよく説明されるように、完成したロール70の取り外しを実行するために、対応する巻き取りシャフト3をディスク8、9によって区切られた空間のほぼ完全に外側に動かすことが可能である。
【0029】
本発明によれば、各巻き取りシャフト3は、長手方向軸3aに沿って長手方向に延在し、長手方向軸3aの周りに円周方向に配置される(すなわち、実際には、長手方向軸3aを中心とする1つまたは複数の円周に沿って配置される)複数の円筒形セクタ17、16を備える。
【0030】
相互に隣接して配置され、好ましくはそれらの相互運動を可能にするために可能な最小のスペースによって離間されているこれらの円筒形セクタ16、17は、巻き取りシャフト3の外側面90を規定する。より詳細には、外側面90は、少なくとも巻き取りステップ中、円形断面を有し、シート形態で使用するための材料71と接触するように適合された円筒体である。実際、本発明によれば、巻き取るステップは、シート形態で使用するための材料71を、巻き取りシャフト3にその外側面90と接触して直接巻き付けることによって達成される。
【0031】
特に
図8、
図9、
図11および
図12を参照して巻き取りシャフト3をより詳細に検討すると、円筒形セクタ17、16は、格納式または半径方向に可動な円筒形セクタ17と交互に配置されている固定円筒形セクタ16を含む。
【0032】
好ましくは、固定円筒形セクタ16は、巻き取りシャフト3の支持芯として機能し、その軸が対応する巻き取りシャフト3の軸3aを規定する単一の要素を形成するように、相互に剛性に接続され、相互に角度的に等距離にある。
【0033】
格納式円筒形セクタ17は、一方の固定円筒形セクタ16と他方との間に形成された空間内に配置され、半径方向において長手方向軸3aに向かって、または長手方向軸から外方に可動である。
【0034】
格納式円筒形セクタ17の半径方向運動は、巻き取りシャフト内に収容された作動カム18の作用によって達成することができる。
【0035】
示されている例では、3つの格納式円筒形セクタ17と交互に配置されている3つの固定円筒形セクタ16があり、6つの円筒形セクタ16、17の各々は、外側壁に沿って、断面において、幅が約60°の円周弧を規定する。
【0036】
「円筒形セクタ」という表現によって参照される要素が、必ずしも正確な円筒形セクタの幾何学的形状を有することを意図するものではないことを示すことは有意義である。例えば、好ましい例示された実施形態では、格納式円筒形セクタ17は、直線状で互いに直角な3つの底面と、その半径が外側面90を構成する円形断面を有する上記の円筒体の半径である、円周弧のように湾曲した第4の底面を備えた疑似平行六面体のような形状の横断面を有する。
【0037】
より詳細には、格納式円筒形セクタ17は、拡張位置(
図8および
図9に示されている)と格納位置(
図11および
図12に示されている)との間で半径方向に可動である。
【0038】
図8および
図9から明らかなように、拡張位置では、格納式円筒形セクタ17および固定円筒形セクタ16は、円形断面を有する円筒形であり、実質的に均一である、すなわち、実際には、好ましくは格納式円筒形セクタ17の半径方向の動きを可能にするために必要な最小幅を有する、隣接する円筒形セクタ16、17の間に存在するわずかな隙間によってのみ中断される、巻き取りシャフト3の外側面90を形成するように、同一平面に配置される(すなわち、外面が同じ理想的な円筒面に沿って整列される)。
【0039】
図11および
図12から明らかなように、格納位置では、格納式円筒形セクタ17は、拡張位置に対してより内側に(すなわち、長手方向軸3aからより小さい半径方向距離で)配置され、その結果、長手方向のくぼみまたは溝91が、巻き取りシャフト3の外側面90に沿って形成される。
【0040】
実際には、格納式円筒形セクタ17が格納位置にあるときに形成される長手方向のくぼみ91の深さは、拡張位置から開始してそれらによって実行される半径方向の動きに等しい。
【0041】
好都合なことには、作動カム18は、少なくとも巻き取りステップ中、格納式円筒形セクタ17を拡張位置に維持するように構成され、その結果、シート形態で使用するための材料71の巻き取りは、円筒形であり、実質的に均一であるときの外側面90の周りで行われる。
【0042】
図示の実施形態では、格納式円筒形セクタ17の半径方向の動きを案内する作動カム18は、固定円筒形セクタ16の中央において巻き取りシャフト3内に同軸に収容され、固定円筒形セクタ16によって構成される芯内に画定された半径方向通路20を通過し、格納式円筒形セクタ17に作用するピストン19によって格納式円筒形セクタ17に機械的に接続される円錐部分18aを備えたシャフトによって構成される。上記作動カム18は、格納式円筒形セクタ17の半径方向の動きを実行するために(すなわち、格納式円筒形セクタ17を巻き取りシャフト3の長手方向軸3aに対して近づけまたは遠ざけて動かすために)、したがって、格納式円筒形セクタの格納位置から拡張位置への(実際には、外側面90を完成させる)遷移およびその逆の遷移(実際には、外側面を中断させる)を実行するために、固定円筒形セクタ16に対して軸方向に可動である。
【0043】
固定円筒形セクタ16を基準とする作動カム18の軸方向の動きは、好ましくは、巻き取りシャフト3と対応する心押し台14との係合によって実行される。実際には、巻き取りシャフト3がその軸方向端部の1つによって対応する心押し台14と係合すると、上記心押し台14は、固定円筒形セクタ16の間に設けられたシート21に入り、作動カム18の軸方向端部と係合し、図には示されていない、固定円筒形セクタと作動カム18との間に挿入されるばねの作用とは対照的に、巻き取りシャフト3の反対側の端部に向かって軸方向端部を軸方向に押す。
【0044】
任意選択の有利な特徴によれば、各巻き取りシャフト3には、好ましくは半径方向に配向された(例えば、固定円筒形セクタ16内に形成された)吸引チャネルが設けられ、吸引チャネルは、長手方向軸3aに向かって半径方向に吸引フローを加えることによって巻き取りシャフト3の外側面90にシート形態で使用するための材料71を付着させる機能を実行する。
【0045】
心押し台14および対応する巻き取りシャフト3の対応する長手方向軸3aを中心とした回転における接続を確実にするために、それらが相互に係合すると、各心押し台14は、それが面する対応する巻き取りシャフト3の固定円筒形セクタの端部に設けられている相補的な歯23のセットと係合することができる歯22のセットを有する。
【0046】
処理ステーション25、26、27、28、29、30は、リボルバー様構造6の主軸6aの周りに配置され、リボルバー様構造6は、単純にするために図示されていない既知のタイプの手段によって、各事例において、巻き取りシャフト3の1つを処理ステーション25、26、27、28、29、30の1つに配置するために、それ自体の軸6aを中心とした断続的な回転運動によって作動させることができる。
【0047】
図13に概略的に示されるように、処理ステーション25、26、27、28、29、30は、リボルバー様構造6の独自の軸6aを中心とした回転方向に沿って、リボルバー様構造6の主軸6aの周りに順次配置される、シート形態で使用するための材料71を巻き取るための少なくとも1つのステーション27を含む。
【0048】
より詳細には、リボルバー様構造6の主軸6aの周りに、順番に、第1のステーション25または巻き取りシャフト3をセットアップするためのステーション、第2のステーション26または巻き取りシャフト3の回転を開始するためのステーション、第3のステーション27またはシート形態で使用するための材料71を巻き取るためのステーション、第4のステーション28またはシート形態で使用するための材料71を切断するためのステーション、第5のステーション29または巻き取りシャフト3を減速するためのステーション、および、第6のステーション30または完成したロール70を取り外し、任意選択的にラベル付けするためのステーションが存在する。
【0049】
給送手段4は、シート形態で使用するための材料71のフィードロール32を支持するための手段31と、支持手段31と巻き取りステーション27との間に配置される、シート形態で使用するための材料71を引き込むためのアセンブリ33とを備える。第4のステーション28の近くに、シート形態で使用するための材料71を切断するための手段34が存在する。
【0050】
より詳細には、支持手段31は、シート形態で使用するための材料71のフィードロール32をそれ自体既知の方法で支持し、その制御された(駆動されたまたは単に制動された)巻き出しを可能にする機能を有する巻き出しアセンブリ35によって構成される。
【0051】
巻き出しアセンブリ35は、それ自体既知の様態で、拡張シャフト36を有するかまたはシャフトを有しないフィードロール32を支持するための装置、フィードロール32を駆動または制動するための装置、および回転中にフィードロール32を分離するための保護装置を備える。上記巻き出しアセンブリ35は、さらに、巻き出しアセンブリ35の電気および電子装置、ならびにコマンドおよび制御論理を含み、これらは、巻き出し中に、フィードロール32の外径が変化するときに、シート形態で使用するための材料71の張力を調整し、制御下に保つことを目的とする。
【0052】
さらに、巻き出しアセンブリ35は、フィードロール32を交換するための操作が非常に短時間で安全な状態で行われることを可能にする。
【0053】
特に
図2に示される引き込みアセンブリ33は、フィードロール32から第3のステーション27または巻き取りステーション27に巻き出されているシート形態で使用するための材料71を引き込む機能を有する。
【0054】
引き込みアセンブリ33は、それ自体が既知の様態で、一連のアイドルガイドローラ37、2つの電動引き込みローラ、すなわち下側電動引き込みローラ38および上側電動引き込みローラ39、ならびに押さえローラ40によって形成される。
【0055】
上側引き込みローラ39および押さえローラ40は、2つの振動ショルダ41に結合され、振動ショルダ41は、対応する流体作動アクチュエータ43の作用により、下側引き込みローラ38の軸38aを中心として回転しており、ローラ39、40がそれらの位置を、巻き取られているロール70の直径に適合させることを可能にする。さらに、押さえローラ40は、2つのアームによって支持され、これらのアームは、軸38aに平行な軸を中心として振動ショルダ41へと旋回され、流体作動シリンダ44の作用によって上側引き込みローラ39に押し付けられる。
【0056】
特に
図3に示される切断手段34は、シート形態で使用するための材料71を、機械の動作を監視するコマンドおよび制御装置によって、オペレータによって予め設定された長さに切断する機能を実行する。
【0057】
切断手段34は、それ自体既知の様態で、歯付きブレード59およびその作動のための電空装置を含む。ブレード59は、ブレード59が切断される材料と接触したときに層流圧縮空気のジェットを分配することを担うノズル60を備える。層流圧縮空気は、シート形態で使用するための材料71が予め設定された長さに切断された直後に、新しいロールの最初のフラップが巻き取りステーション27内に位置する次の巻き取りシャフト3に巻き付くようにする。
【0058】
ブレード59は、ブレード59の高さを調整するための装置を備えた一対のリンケージ61に取り付けられている。ブレード59を作動させるための装置は、レバー62および流体作動アクチュエータ63を含む。
【0059】
好都合なことには、特に
図4を参照すると、第6のステーション30の近くに、完成したロールを取り外すためのアセンブリ65を備える取り外し手段64があり、これは、リボルバー様構造6から完成したロール70を引き出し、これを機械の外に動かす機能を有し、ここで、ロールは、オペレータが拾うことができ、または、適合したコンベヤベルトによって取り上げて包装機に移すことができる。
【0060】
特に
図4に示される取り外しアセンブリ65は、以下でよりよく説明されるように、巻き取りシャフト3によって放出されたロール70が堆積される振動クレードル66と、取り外しベルト67とを備える。
【0061】
振動クレードル66を作動させるための装置は、レバー68および流体作動アクチュエータ69を含む。
【0062】
本発明による方法の実行における、記載された機械の動作は、以下の通りである。
上記巻き取りシャフト3が第1のステーション25に配置されるときから開始して、巻き取りシャフト3を参照して動作を説明する。
【0063】
この第1のステーション25において、巻き取りシャフト3は、その軸方向端部の1つに接続されたスライダ11をディスク8に向かって前進させることにより、反対側の軸方向端部を対応する心押し台14に接近させる。
【0064】
次に、リボルバー様構造6が作動して、巻き取りシャフト3を第2のステーション26に配置する。この第2のステーション26において、巻き取りシャフト3は、その軸方向端部の1つに接続されたスライダ11のディスク8に向かってさらに前進することによって、歯22のセットおよび歯23のセットによって対応する心押し台14と係合する。
【0065】
すでに説明したように、心押し台14と巻き取りシャフト3との間のこの係合は、巻き取りシャフト3を、リボルバー様構造6に対するそれらの軸3aを中心とした回転において心押し台14と一体にし、上記心押し台14によって作動カム18に与えられる軸方向推力のために、格納式円筒形セクタ17の半径方向の拡張、すなわち、すでに説明した拡張位置へのそれらの遷移、したがって巻き取り状態の巻き取りシャフト3の拡張が引き起こされる。この状態では、すでに説明したように、円筒形セクタ17および16は、全体として外接円の外半径に等しい外半径を有するため、巻き取りシャフト3の外側面90は、格納式円筒形セクタ17の半径方向の動きを可能にするのに必要な最小幅を有する、隣接する円筒形セクタ16と17との間に存在する狭い隙間を除いて完全に円筒形で均一である。
【0066】
したがって、リボルバー様構造6は、巻き取りシャフト3を次の巻き取りステーション27に移動させるように回転される。この遷移中、巻き取りシャフト3は、プーリ15によって対応する心押し台14に接続されたモータの作動によって、フィードロール32から巻き出されているシート形態で使用するための材料71の直線速度に対応する回転速度で動かされる。
【0067】
巻き取りステーション27において、シート形態で使用するための材料71の前部フラップが、巻き取りシャフト3の外側面90に付着させられ、次いで、その上に巻かれる。シート形態で使用するための材料71の前部フラップの巻き取りシャフト3への付着は、既知のタイプであり、示されていないガイド装置の機械的作用によって、すなわち接着剤なしで、または、巻き取りシャフト3に設けられた適合された吸引チャネルにおける吸引によって引き起こすことができる。
【0068】
任意選択的に、好ましくは紙から作製される単一のシートが、既知のタイプの手段(図示せず)によって、ロールの第1の内側ターンの内部の巻き取りステーション27に挿入される。上記シートは、広告または警告機能を有することができ、および/またはロール70を補強する機能を有することができ、シート形態で使用するための材料71が使い果たされる前にわずか数回転しか残っていない場合でも、その使用中に適切な剛性を保証する。
【0069】
この単一のシートは、
図1の点線で示すシート挿入機を通じて挿入することができる。
巻き取りシャフト3上のシート形態で使用するための材料71の予め設定された長さの巻き取りが終了すると、リボルバー様構造6が再び回転されて、考慮されている巻き取りシャフト3が第4のステーション28に運ばれ、一方、別の巻き取りシャフト3が、第3のステーション27または巻き取りステーションに配置される。
【0070】
第4のステーション28内の巻き取りシャフト3により、切断手段34が作動され、シート形態で使用するための材料71を切断し、上記第1の切断手段34によって送達される空気のジェットによって、切断されたばかりのシート形態で使用するための材料71の前部フラップが、第3のステーション27に配置された巻き取りシャフト3に押し付けられる。
【0071】
したがって、考慮されている巻き取りシャフト3は、リボルバー様構造6がその軸6aを中心として回転することによって、第5のステーション29に配置され、そこで巻き取りシャフト3の回転は、それが停止するまで漸進的に減速される。
【0072】
次に、巻き取りシャフト3は、ここでもリボルバー様構造6のそれ自体の軸6aを中心とした回転に従って、第6のステーション30に配置され、そこで、形成されたロール70が取り外され、機械1から外方に移動される。より具体的には、任意選択的にロール70に粘着ラベルが貼付された後、スライダ11が対応するガイド10に沿って作動されて、巻き取りシャフト3が対応する心押し台14から係合解除され、したがってディスク8、9によって区切られた領域から漸進的に引き出される。心押し台14の係合解除は、すでに説明したように、ばねの作用により、巻き取りシャフト3の固定円筒形セクタ16に関して作動カム18の軸方向のスライドを引き起こし、その結果、格納式円筒形セクタ17が長手方向軸3aに接近する(すなわち、格納位置に遷移する)。このようにして、格納式円筒形セクタ17は、ロール70の内面から係合解除し、巻き取りシャフト3からのロール70の分離に有利な空気の通過を容易にする長手方向のくぼみ91を作成する。さらに、2つのディスク8、9の間に含まれる領域から巻き取りシャフト3を引き出すと、上記巻き取りシャフト3が引き出され、ロール70がその下に配置された振動クレードル66に落下する。巻き取りシャフト3の引き出しは、引き出しリング13の存在によって容易になる。振動クレードル66は、完成したロール70を機械から取り外し、それを容器またはコンベヤベルト67に堆積させる。
【0073】
続いて、第6のステーション30から第1のステーション25への遷移において、巻き取りシャフト3は、対応するスライダ11の作動によって、再び対応する心押し台14に向かって移動し、したがって、格納式円筒形セクタ17が拡張位置に戻されるステーション26に移動し、次に巻き取りステーション27に移動する。
【0074】
次に、検討中の巻き取りシャフト3に関する動作サイクルは、すでに説明したように再開する。
【0075】
本発明による方法および機械によって得られるロール70は芯を有しないが、単純にするために示されていない既知のタイプの材料に与張するための装置によって、後続の梱包、輸送、および使用ステップ中の損傷を回避するのに十分な剛性を有することに留意されたい。
【0076】
実際には、本発明による機械および方法によって、芯が使用されていないという事実により、背景技術において見出され得る、他の機械に対して別個に与えられる、巻き取り機械に芯を供給する動作の負担が回避される。
【0077】
さらに、芯がないことによって、背景技術において、巻き取り機内での芯の移動中および巻き取り操作中に芯によって生成されるゴミがなくなる。
【0078】
本発明による機械および方法の別の利点は、芯を提供するために使用される材料の節約を可能にすることである。
【0079】
さらに、本発明による方法および機械によって提供されるロール70は、従来の技術に従って提供されるロールよりもはるかに均一な外面およびはるかに小さい公差を有し、したがって、完成したロール70のより高い品質を達成することを可能にする。
【0080】
特に、背景技術に従って提供されるロールによって起こることとは異なり、本発明に従って提供されるロールが完成すると、芯廃棄の問題はなくなる。
【0081】
実際には、本発明による方法および機械は、他の機械において以前に製造されている芯の製造、供給、貯蔵、および巻き取り機への装填に関連する問題を排除し、そしてより高品質のロールが取得され、また芯の生産のための材料の消費も排除するため、意図された目標を完全に達成することが見出されている。
【0082】
本発明による方法および機械は、特に芯なしアルミニウムまたはアルミニウム合金ロールの製造のために考案されたが、それらは、いかなる場合でも他の材料に使用することができる。例えば、シート形態で使用するための材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の代わりに、例えばクッキングシートなどの紙材料または合成材料によって構成されてもよい。
【0083】
このように考案された方法および機械は、多くの修正および変形を受けてもよく、それらはすべて、添付の特許請求項の範囲内にある。さらに、すべての詳細を他の技術的に同等の要素に置き換えることができる。
【0084】
実際には、使用される材料、および寸法は、要件および現行技術水準に応じて任意であってもよい。
【0085】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第102018000006478号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
任意の請求項に記載されている技術的特徴部の後に参照符号が続く場合、それらの参照符号は、請求項の了解度を高めることのみを目的として含まれており、したがって、そのような参照符号は、例としてそのような参照符号によって識別される各要素の解釈に制限的な影響を一切与えない。