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特許7263530真空遮断器用接点監視装置、及びこれを含む真空遮断器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】真空遮断器用接点監視装置、及びこれを含む真空遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/664 20060101AFI20230417BHJP
   H01H 33/666 20060101ALI20230417BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
H01H33/664 Z
H01H33/666 Z
H01H33/42 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021547782
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2019011719
(87)【国際公開番号】W WO2020171328
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0018651
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0018681
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ミン-ギュ
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-025146(JP,U)
【文献】特開平10-274506(JP,A)
【文献】特開2005-308706(JP,A)
【文献】特開2012-150000(JP,A)
【文献】特開平06-215669(JP,A)
【文献】特開2007-149369(JP,A)
【文献】特開平11-087937(JP,A)
【文献】特開2006-310133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/00
33/66 ー33/668
G01D 5/347
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁容器内に固定される固定電極と、前記固定電極の一端に配置される固定接点と、前記絶縁容器内に設置されて、上下方向に移動可能な可動電極と、前記可動電極の一端に配置されて、前記固定接点と接触又は分離される可動接点、とを含む真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合されて、前記可動電極を上昇又は下降させるプッシュロッドアセンブリとを備えた真空遮断器のための接点監視装置において、
前記プッシュロッドアセンブリに隣接して設置され、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向と異なるセンシング方向を有するセンサアセンブリを含
前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周面に付着する鑑別ステッカーをさらに含み、
前記センサアセンブリはフォトセンサモジュールを含み、前記フォトセンサモジュールはロッドハウジングの方向に向いた発光部および受光部を含み、前記発光部と前記受光部は前記鑑別ステッカーの方向に向いている、
真空遮断器用接点監視装置。
【請求項2】
前記センサアセンブリのセンシング方向は、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に垂直となる、
請求項1に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項3】
記センサアセンブリは、前記鑑別ステッカーの位置を監視する、
請求項2に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項4】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が相異なる第一領域及び第二領域を含む、
請求項3に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項5】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が段階的に変わる複数の領域を含む、
請求項3に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項6】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が徐々に変わるグラデーション形態からなる、
請求項3に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項7】
前記センサアセンブリは、前記鑑別ステッカーの位置を監視するためのフォトセンサモジュールを含み、
前記フォトセンサモジュールは、
前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーに向かって光を発光する前記発光部;
前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーから反射する光を受光する前記受光部;及び、
前記発光部及び前記受光部と結合して、前記受光部で受光された光量によって出力信号を出力する回路部;
を含む、
請求項5又は請求項6に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項8】
前記センサアセンブリは、
前記プッシュロッドアセンブリに隣接して設置され、前記フォトセンサモジュールを収容して、前記プッシュロッドアセンブリに向かう一側が開放され、開放された一側に前記発光部及び受光部が露出するセンサホルダ;及び、
主回路部ハウジングの下部一側に結合されて、前記センサホルダを支持するセンサブラケット;
をさらに含む、
請求項7に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項9】
前記センサアセンブリは、
前記回路部の出力信号を予め貯蔵された基準値と比較して、前記真空インタラプタの接点摩耗量を判断する判断部;
をさらに含む、
請求項7に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項10】
前記鑑別ステッカーは、上端が黒色で、下端が白色であり、前記上端から前記下端に行くほど、徐々に色が薄くなるように構成される場合、
前記判断部は、前記回路部から出力された出力信号による接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以上であると、前記接点摩耗量が限界値と判断して、お知らせ信号を出力する、
請求項9に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項11】
前記鑑別ステッカーにおいて、上端が白色で、下端が黒色であり、前記上端から前記下端に行くほど、徐々に色が濃くなるように構成される場合、
前記判断部は、前記回路部から出力された出力信号による接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以下であると、前記接点摩耗量が限界値と判断して、お知らせ信号を出力する、
請求項9に記載の真空遮断器用接点監視装置。
【請求項12】
絶縁容器内に固定される固定電極と、前記固定電極の一端に配置される固定接点と、前記絶縁容器内に設置されて、上下方向に移動可能な可動電極と、前記可動電極の一端に配置されて、前記固定接点と接触又は分離される可動接点、とを含む真空インタラプタ;
前記真空インタラプタを収容するハウジングを備えた主回路部;
前記可動電極の他端に結合されて、前記可動電極を上昇又は下降させるプッシュロッドアセンブリ;及び、
前記プッシュロッドアセンブリに隣接して設置され、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向と異なるセンシング方向を有するセンサアセンブリを含
前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周面に付着する鑑別ステッカーをさらに含み、
前記センサアセンブリはフォトセンサモジュールを含み、前記フォトセンサモジュールはロッドハウジングの方向に向いた発光部および受光部を含み、前記発光部と前記受光部は前記鑑別ステッカーの方向に向いている、
真空遮断器。
【請求項13】
前記センサアセンブリのセンシング方向は、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に垂直となる、
請求項12に記載の真空遮断器。
【請求項14】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が相異なる第一領域及び第二領域を含む、
請求項13に記載の真空遮断器。
【請求項15】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が段階的に変わる複数の領域を含む、
請求項13に記載の真空遮断器。
【請求項16】
前記鑑別ステッカーは、
前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が徐々に変わるグラデーション形態から構成される、
請求項13に記載の真空遮断器。
【請求項17】
前記センサアセンブリは、前記鑑別ステッカーの位置を監視するための前記フォトセンサモジュールを含み、
前記フォトセンサモジュールは、
前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーに向かって光を発光する前記発光部;
前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーから反射する光を受光する前記受光部;及び、
前記発光部及び前記受光部と結合して、前記受光部で受光された光量によって出力信号を出力する回路部を含む、
請求項14~請求項16のうちいずれか一項に記載の真空遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空遮断器用接点監視装置、及びこれを含む真空遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
真空遮断器は、真空の絶縁耐力を利用して電気回路で発生する短絡や地絡などの事故時、事故電流から負荷機器及び線路を保護する電気保護機である。
【0003】
真空遮断器は、電力輸送の制御及び電力系統を保護する役割を果たす。真空遮断器は、遮断用量が大きくて、信頼性及び安全性が高い。そして、真空遮断器は、小さな設置空間にも据え置くことができるため、中電圧から高電圧に至るまで容易に適用することができる。
【0004】
真空遮断器は、電流を遮断する真空インタラプタと、真空インタラプタに動力を伝達する動力伝達装置、動力伝達装置によって上下往復運動して真空インタラプタ内の接点を投入又は遮断するプッシュロッド、とを含む。一例として、韓国特許登録第10-1860348(登録日:2018年5月16日)は、真空遮断器の真空インタラプタを開示している。
【0005】
従来の真空インタラプタは、絶縁容器、固定電極、可動電極及びアークシールドを含む。固定電極は固定接点を備え、可動電極は可動接点170を備える。そして、可動電極の上下移動に従って可動接点が固定接点に接触するか分離される。
【0006】
ところが、真空インタラプタの電流遮断動作が繰り返されると、固定接点又は可動接点(以下、「接点」と通称する。)が徐々に摩耗する問題がある。そして、臨界以上に摩耗した接点は、真空インタラプタの短時間性能、短絡性能及び通電性能が低下する原因になる。これによって、臨界以上に摩耗した接点の補修又は取り替えのために接点の摩耗状態を感知する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、真空インタラプタの内部の接点摩耗量を監視し得る真空遮断器用接点監視装置、及びこれを含む真空遮断器を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、水平方向のセンシング方向を有するフォトセンサを利用して、垂直方向の変位である接点摩耗量を感知することのできる真空遮断器用接点監視装置、及びこれを含む真空遮断器を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解され得、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現することができることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一例示は、絶縁容器内に固定される固定電極と、前記固定電極の一端に配置される固定接点と、前記絶縁容器内に設置されて、上下方向に移動可能な可動電極と、前記可動電極の一端に配置されて、前記固定接点と接触又は分離される可動接点、とを含む真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合されて、前記可動電極を上昇又は下降させるプッシュロッドアセンブリとを備えた真空遮断器のための接点監視装置において、前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周面に付着する鑑別ステッカー、及び前記プッシュロッドアセンブリに隣接して、前記鑑別ステッカーの位置を監視し、前記プッシュロッドアセンブリの移動変位と異なるセンシング方向を有するセンサアセンブリを含む真空遮断器用接点監視装置を提供する。
【0011】
前記センサアセンブリのセンシング方向は、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に垂直となり得る。
【0012】
前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が相異なる第一領域及び第二領域を含んでいてもよい。
【0013】
または、前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が段階的に変わる複数の領域を含んでいてもよい。
【0014】
または、前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が徐々に変わるグラデーション形態からなり得る。
【0015】
前記センサアセンブリは、前記鑑別ステッカーの位置を監視するためのフォトセンサモジュールを含んでいてもよく、前記フォトセンサモジュールは、前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーに向かって光を発光する発光部、前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーから反射する光を受光する受光部、及び前記発光部及び前記受光部と結合して、前記受光部で受光された光量によって出力信号を出力する回路部、とを含んでいてもよい。
【0016】
前記センサアセンブリは、前記プッシュロッドアセンブリに隣接して、前記フォトセンサモジュールを収容して、前記プッシュロッドアセンブリに向かう一側が開放され、開放された一側に前記発光部及び受光部が露出するセンサホルダ、及び主回路部ハウジングの下部一側に結合されて、前記センサホルダを支持するセンサブラケット、とをさらに含んでいてもよい。
【0017】
前記センサアセンブリは、前記回路部の出力信号を予め貯蔵された基準値と比較して、前記真空インタラプタの接点摩耗量を判断する判断部をさらに含んでいてもよい。
【0018】
前記鑑別ステッカーは、上端が黒色で、下端が白色であり、前記上端から前記下端に行くほど、徐々に色が薄くなるように構成される場合、前記判断部は、前記回路部から出力された出力信号による接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以上であると、前記接点摩耗量が限界値と判断して、お知らせ信号を出力することができる。
【0019】
または、前記鑑別ステッカーは、上端が白色で、下端が黒色であり、前記上端から前記下端に行くほど、徐々に色が濃くなるように構成される場合、前記判断部は、前記回路部から出力された出力信号による接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以下であると、前記接点摩耗量が限界値と判断して、お知らせ信号を出力することができる。
【0020】
また、本発明の他の一例示は、絶縁容器内に固定される固定電極と、前記固定電極の一端に配置される固定接点と、前記絶縁容器内に設置されて、上下方向に移動可能な可動電極と、前記可動電極の一端に配置されて、前記固定接点と接触又は分離される可動接点、とを含む真空インタラプタ、前記真空インタラプタを収容するハウジングを備えた主回路部、前記可動電極の他端に結合されて、前記可動電極を上昇又は下降させるプッシュロッドアセンブリ、及び前記プッシュロッドアセンブリに隣接して、前記プッシュロッドアセンブリの移動変位と異なるセンシング方向を有するセンサアセンブリ、とを含む真空遮断器を提供する。
【0021】
前記センサアセンブリのセンシング方向は、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に垂直となり得る。
【0022】
前記真空遮断器は、前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周面に付着する鑑別ステッカーをさらに含む。
【0023】
前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が相異なる第一領域及び第二領域を含んでいてもよい。
【0024】
または、前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が段階的に変わる複数の領域を含んでいてもよい。
【0025】
または、前記鑑別ステッカーは、前記プッシュロッドアセンブリの移動方向に沿って配置され、反射率が徐々に変わるグラデーション形態からなり得る。
【0026】
前記センサアセンブリは、前記鑑別ステッカーの位置を監視するためのフォトセンサモジュールを含み、前記フォトセンサモジュールは、前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーに向かって光を発光する発光部、前記鑑別ステッカーに向かい合う方向に配置されて、前記鑑別ステッカーから反射する光を受光する受光部、及び前記発光部及び前記受光部と結合して、前記受光部で受光された光量によって出力信号を出力する回路部、とを備えたフォトセンサモジュールを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明による真空遮断器用接点監視装置は、フォトセンサを利用して接点の摩耗量をリアルタイムで監視して、適宜な維持補修時点を判断することができる。
【0028】
また、本発明による真空遮断器用接点監視装置は、フォトセンサを利用して接点摩耗量が限界値以上に進められる前に、接点摩耗量を判断することができるため、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
【0029】
また、本発明による真空遮断器用接点監視装置は、水平方向のセンシング方向を有するフォトセンサを利用して垂直方向の変位を有する接点摩耗量を感知することができる。よって、接点摩耗量を正確に感知して、適宜な維持補修時点を判断することができる。
【0030】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態による接点監視装置が適用された真空遮断器を示した部分断面図。
図2図1による接点監視装置の設置状態を示した斜視図。
図3図1による接点監視装置のフォトセンサを示した分解斜視図。
図4図1による接点監視装置の鑑別ステッカーを示した模式図。
図5図1による接点監視装置の動作状態を示した斜視図。
図6】本発明の第2実施形態による接点感知装置の鑑別ステッカーを示した模式図。
図7】本発明の第3実施形態による接点監視装置の設置状態を示した斜視図。
図8図7による接点監視装置の鑑別ステッカーを示した模式図。
図9図7による接点監視装置の動作状態を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すことに使われる。
【0033】
以下における構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成の間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0034】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」すると記載されている場合、前記構成要素は、互いに直接連結されるか又は接続されてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」し得ると理解すべきである。
【0035】
図1は、本発明の第1実施形態による接点監視装置が適用された真空遮断器を示した部分断面図である。図2は、図1による接点監視装置の設置状態を示した斜視図である。図3は、図1による接点監視装置のフォトセンサを示した分解斜視図である。図4は、図1による接点監視装置の鑑別ステッカーを示した模式図である。図5は、図1による接点監視装置の動作状態を示した斜視図である。
【0036】
図1に示されたように、本発明の第1実施形態による真空遮断器用接点監視装置Bは、真空遮断器Aの主回路部100の下側に設置されて、真空インタラプタ130の接点摩耗を監視する。
【0037】
先ず、真空遮断器Aの主な構成について簡単に説明する。以下では、本発明の実施形態と関連する真空遮断器の一部の構成のみについて簡単に説明する。
【0038】
真空遮断器Aは、真空インタラプタ130を含む主回路部100と、真空インタラプタ130の接点に動力を伝達するためのプッシュロッドアセンブリ200、及びメインシャフト300と、駆動力を発生し、メインシャフト300に連結されて駆動力を伝達するメカニズムアセンブリ400、とを含む。
【0039】
主回路部100は、ハウジング110の内部に真空インタラプタ130が設置される。真空インタラプタ130は、収容空間を形成する絶縁容器132と、絶縁容器132の内側上部に固定される固定電極134と、固定電極134の端部に備えられた固定接点134aと、絶縁容器132の内側下部に上下移動可能に設置される可動電極136と、可動電極136の端部に備えられた可動接点136a、とを備える。絶縁容器132の内部には、真空を形成するアークシールド132aが収容されて、アークシールド132aは、固定電極134と固定接点134a、可動電極136と可動接点136aの周りを囲む。可動接点136aは、可動電極136によって固定接点134aに接触(投入状態)されるか、固定接点134aから分離(遮断状態)される。可動電極136は、プッシュロッドアセンブリ200によって上昇又は下降する。
【0040】
プッシュロッドアセンブリ200は、可動電極136を投入又は遮断する。プッシュロッドアセンブリ200は、メインシャフト300の動力を可動電極136に伝達する複数の軸及びばねなどから構成される。プッシュロッドアセンブリ200のロッドハウジング210上に後述する接点監視装置Bの一部の構成が設置される。プッシュロッドアセンブリ200の下端にメインシャフト300が連結される。
【0041】
メインシャフト300は、メカニズムアセンブリ400に連結されて、メカニズムアセンブリ400から発生した動力をプッシュロッドアセンブリ200に伝達する。
【0042】
図2及び図3に示されたように、本発明の第1実施形態による接点監視装置Bは、主回路部100の下側に設置されるセンサアセンブリ500と、ロッドハウジング210の外周面に付着する鑑別ステッカー700、とを含む。
【0043】
センサアセンブリ500は、鑑別ステッカー700の位置を感知するためのフォトセンサモジュール510と、フォトセンサモジュール510を収容するセンサホルダ530と、センサホルダ530を主回路部100の下側に結合させるセンサブラケット550、とを含む。図面には示していないものの、センサアセンブリ500は、判断部(未図示)をさらに含んでいてもよい。
【0044】
フォトセンサモジュール510は、発光部512及び受光部514と、発光部512及び受光部514の信号を処理する回路部516、とを含む。発光部512及び受光部514は、回路部516の一面に並んで設置される。フォトセンサモジュール510は、発光部512及び受光部514がプッシュロッドアセンブリ200のハウジング110に向かうように設置される。フォトセンサモジュール510の設置方向の意味は、後述する。
【0045】
フォトセンサモジュール510は、発光部512から光を放射し、放射された光が鑑別ステッカー700の表面に反射して戻った光量を受光部514で感知するタイプの光センサである。
【0046】
回路部516は、受光部514で感知した光の強さに比例する光電流が流れるため、反射して戻った光量が大きいほど、発生する電流量が大きくなる。フォトセンサモジュール510は、発光部512で発光した光が反射して入射される光量を感知するため、フォトセンサモジュール510から遠くなるほど、反射して受光部514に入射される光量が減少する。入射される光量が減少すると、光電流が弱くなるため、フォトセンサモジュール510からの距離が分かる。
【0047】
よって、フォトセンサモジュール510は、光を発光し、反射光の反射する方向がセンシング方向となる。フォトセンサモジュール510は、センシング方向と同じ方向の移動変位を感知することができる。
【0048】
回路部516では、光電流を処理して、外部へ信号を出力することができる。出力信号は、センシングした光量によって小さくなるか大きくなり、光量は、変位によって異なってくる。よって、回路部516から出力された信号を処理すれば、結果的に移動変位を計算することができる。回路部516から出力された信号は、図面に示していない外部データ処理処置や管理者のスマート端末などに伝送され得る。
【0049】
前述した判断部は、回路部内に備えることもでき、外部データ処理処置やスマート端末内に備えることもできる。判断部における回路部516の出力信号を処理して、予め貯蔵された基準値と比較した後、真空インタラプタ130の接点摩耗量を判断することができる。
【0050】
センサホルダ530は、フォトセンサモジュール510を収容する。センサホルダ530は、一面が開放された箱状を有し得る。センサホルダ530の開放された一側にフォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514が露出する。センサホルダ530は、開放された一側と反対側の他側又は側面部にセンサブラケット550に結合される結合部532を備えることができる。結合部532は、ボルトの挿入される孔状に備えることができる。
【0051】
【0052】
【0053】
前述した実施形態では、センサホルダ530とセンサブラケット550とが別途備えられたものを例に挙げて説明した。しかし、フォトセンサモジュール510を収容して、主回路部100のハウジング110に結合させるのであれば、一つの固定手段を使っても構わない。かくして設置されたフォトセンサモジュール510は、鑑別ステッカー700を利用してセンシング方向と相違する方向の変位を測定するのに利用される。
【0054】
図4に示されたように、鑑別ステッカー700は、ロッドハウジング210の外周面に付着するステッカーである。鑑別ステッカー700は、所定の大きさを有する四角形状である。鑑別ステッカー700は、フォトセンサモジュール510に向かう方向に付着する。鑑別ステッカー700は、一端の一部領域が白色で、他の一端の一部の領域が黒色であり、白色領域と黒色領域との間の領域は、明暗が徐々に濃くなるか薄くなる灰色であるものからなり得る。すなわち、鑑別ステッカー700は、白色から灰色を経て黒色に、または黒色から灰色を経て白色に色相(または明暗)が段階的に変わる複数の領域を有し得る。このように、鑑別ステッカー700の色相又は明暗が異なる領域は、それぞれ異なる反射率を示す。
【0055】
鑑別ステッカー700の白色と黒色の領域は、図2を基準に垂直方向に配置され得る。鑑別ステッカー700の白色と黒色の領域は、周辺部の色がセンシングに影響を与えないようにするために、周辺部との境界を成す領域である。実際、センシングは、鑑別ステッカー700の白色と黒色の領域を除いた領域で行われうる。
【0056】
鑑別ステッカー700は、図4のように、上端が黒色で、下端が白色であり、黒色から白色に行くほど、徐々に色が薄くなる複数の領域から構成され得る。
【0057】
鑑別ステッカー700は、フォトセンサモジュール510のセンシング方向と垂直を成す変位である接点摩耗量を鑑別するために使用される。
【0058】
すなわち、鑑別ステッカー700は、固定接点134a及び可動接点136aが一定量以上摩耗して、プッシュロッドアセンブリ200の上昇高さが変わるか否かを鑑別するためのステッカーである。ここで、接点摩耗量は、固定接点又は可動接点が投入によって摩耗して、プッシュロッドアセンブリが上昇する変位と定義し得る。
【0059】
よって、接点投入が行われていない状態(オープン状態)で、フォトセンサモジュール510の感知位置(発光部で光が発光されて反射する位置)が、鑑別ステッカー700のうち黒色の二番目の下方領域に対応するように、鑑別ステッカー700が配置され得る。この位置をオープン位置710と定義する。オープン状態で、発光及び受光が行われる位置は、常に同一である。
【0060】
また、接点投入状態で、フォトセンサモジュール510の最初感知位置を初期クローズ位置720と言う。その後、接点投入が行われる度に、接点が摩耗するうちにプッシュロッドアセンブリ200が徐々に上昇するため、鑑別ステッカー700も徐々に上昇することになる。フォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514の位置は、固定されているため、鑑別ステッカー700の上昇によって発光及び受光位置が徐々に下降することになる。これによって、フォトセンサモジュール510の感知位置は、鑑別ステッカー700の下端の方に移動するようになる。
【0061】
予め設定された接点摩耗量以上にプッシュロッドアセンブリ200が上昇する場合、鑑別ステッカー700の白色の真上の領域がフォトセンサモジュール510の感知位置となるように、鑑別ステッカー700の付着位置が決定され得る。接点摩耗量が予め設定された最大値となる感知位置を最大クローズ位置730と定義する。
【0062】
フォトセンサモジュール510のセンシング位置及び接点摩耗量が最大となる位置が、鑑別ステッカー700のどの部位になるかは、現場に接点監視装置が設置される前に予め決定され得る。
【0063】
前述した構成を有する本発明の第1実施形態による接点監視装置において、フォトセンサモジュールを利用して接点摩耗量を感知する方法について詳説すれば、次のとおりである。
【0064】
プッシュロッドアセンブリ200は、図2の上下方向である垂直方向に作動するため、オープン状態では、常に同じ位置を維持する(図4のオープン位置710参照)。最初1回の投入状態で、プッシュロッドアセンブリ200は、一定量の垂直方向変位を示す(図4の初期投入位置720参照)。しかし、接点摩耗が発生すれば、摩耗量だけプッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向に沿って上昇することになる。すなわち、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位の増加量が接点摩耗量となる。
【0065】
プッシュロッドアセンブリ200の移動量を測定するためには、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知しなければならない。このために、プッシュロッドアセンブリ200の下側に垂直変位を感知することのできるセンサを設置するのが好ましい。しかし、プッシュロッドアセンブリ200の下側にはメインシャフト300が結合され、真空遮断器Aの下部構成品が存在するため、センサを設置するのに足りる空間の確保が難しい。
【0066】
よって、本発明のフォトセンサモジュール510は、ロッドハウジング210の外周面に隣接して設置されるものの、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に平行な一側に設置される。このとき、フォトセンサモジュール510のセンシング方向は、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に垂直な方向である。また、周辺部との干渉を最小化するために、フォトセンサモジュール510は、主回路部100のハウジング110の下端から外側に近い部分に設置される。
【0067】
プッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向への変位のみ有するだけであり、水平方向へは移動しないため、一側にフォトセンサモジュール510を設置しても、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知することができない。かかる問題を解決するために本実施形態では、鑑別ステッカー700を適用して、プッシュロッドアセンブリ200の垂直方向変位を水平方向変位に変換するのと同様の効果を生じさせて、フォトセンサモジュール510を使用することができるようにすることである。
【0068】
図2及び図4に示されたように、鑑別ステッカー700は、フォトセンサモジュール510に向かい合う方向のロッドハウジング210の外周面上に付着する。このとき、ロッドハウジング210を投入する前の位置におけるフォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514の位置は、鑑別ステッカー700のオープン位置710に位置する。オープン位置710が投入される前の状態で、フォトセンサモジュール510のセンシング位置となる。接点投入が繰り返されるうちに接点摩耗量が徐々に増加しても、予め設定された限界値以下であるときは、フォトセンサモジュール510の感知位置は、最大クローズ位置730よりも上方になる。
【0069】
投入が繰り返されるうちに接点摩耗量が増えると、図5に示されたように、ロッドハウジング210が徐々に上昇することになる。ロッドハウジング210の上昇によって鑑別ステッカー700も伴って上昇する。フォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514の位置は、固定されているため、鑑別ステッカー700の上昇によって発光及び受光位置が徐々に下降することになる。
【0070】
接点摩耗量が徐々に増加して、ロッドハウジング210が徐々に上昇し、接点摩耗量が予め設定された限界値に至ると、フォトセンサモジュール510の感知位置は、最大クローズ位置730となる。
【0071】
本実施形態では、鑑別ステッカー700のオープン位置710に光を発光して再入射される反射光は、最大クローズ位置730で再入射される反射光よりも光量が非常に少ない。黒色は、光を吸収する色だからである。よって、フォトセンサモジュール510のセンシング位置が鑑別ステッカー700のオープン位置710に位置するときよりも、最大クローズ位置730に位置するときに発生する光電流の大きさが急激に大きくなるようになる。よって、フォトセンサモジュール510から出力される出力信号が変わるため、判断部では、この出力信号を分析して、ロッドハウジング210の垂直変位が分かる。ロッドハウジング210の垂直変位がすなわち接点摩耗量であるため、判断部は、接点摩耗量が予め設定された限界値になったのか否かをフォトセンサモジュール510から出力される信号を分析することで分かる。
【0072】
前述した実施形態のように、鑑別ステッカー700の上端が黒色で、下端が白色であり、黒色から白色に行くほど、徐々に色が薄くなる複数の領域を含んでいてもよい。このとき、判断部は、回路部から出力された出力信号による接点摩耗量を基準値と比較して、接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以上であると、接点摩耗量が限界値に到逹したと判断して、使用者にお知らせ信号を出力することができる。
【0073】
または、鑑別ステッカー700の上端が白色で、下端が黒色であり、白色から黒色に行くほど、徐々に色が濃くなる複数の領域を含んでいてもよい。この場合は、フォトセンサモジュール510の感知領域が徐々に下降することにつれて、光量が徐々に小さくなる。このとき、判断部は、回路部から出力された出力信号による接点摩耗量を基準値と比較して、接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以下であると、接点摩耗量が限界値に到逹したと判断して、使用者にお知らせ信号を出力することができる。
【0074】
フォトセンサモジュール510は、センシング方向に垂直となる垂直方向変位を直接に感知することはできないが、鑑別ステッカー700の明暗変化による反射率の変化が垂直変位を水平変位に転換する効果を奏する。よって、フォトセンサモジュール510を適用して、接点摩耗量を間接に監視及び感知することができる。
【0075】
フォトセンサモジュール510によって監視される接点摩耗量は、リアルタイム又は予め設定された時間周期で監視され得る。これによって、接点摩耗量が限界値以上に進められる前に接点摩耗量を判断することができるため、適宜な維持補修時点が分かる。また、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
(発明の実施のための形態)
【0076】
以上では、鑑別ステッカーが互いに対比する明暗を有する2つの領域から構成されたことを例に挙げて説明した。しかし、鑑別ステッカーは、他の形態も有し得る。
【0077】
図6は、本発明の第2実施形態に他の接点感知装置の鑑別ステッカーを示した模式図である。
【0078】
本発明の第2実施形態による接点感知装置の鑑別ステッカー700’は、領域を明らかに分割せずにグラデーション形態に作われる。鑑別ステッカー700’をグラデーション形態に構成する場合、反射率が徐々に変わるため、反射光の電流値も徐々に変わるようになる。
【0079】
鑑別ステッカー700’のグラデーション段階は、最初投入の前の遮断状態(オープン位置、710’)、最大接点摩耗量を示す最大クローズ位置720’が予め設定された段階別接点摩耗量によるロッドハウジング210の上昇距離を考慮して設定され得る。
【0080】
前述した実施形態では、フォトセンサモジュールがプッシュロッドアセンブリのロッドハウジングと平行な位置に設置されたことを例に挙げて説明した。しかし、周辺部との干渉が避けられるのであれば、プッシュロッドアセンブリの下側に設置されてもよい。この場合、フォトセンサモジュールのセンシング方向とプッシュロッドアセンブリの移動方向とが同一であるため、鑑別ステッカーがなくても、垂直方向の移動変位である接点摩耗量をフォトセンサを介して直接感知することができる。
【0081】
一方、鑑別ステッカーは、反射率が相異なる単に二つの領域を含んでいてもよい。
【0082】
図7は、本発明の第3実施形態による接点監視装置の設置状態を示した斜視図である。図8は、図7による接点監視装置の鑑別ステッカーを示した模式図である。図9は、図7による接点監視装置の動作状態を示した斜視図である。
【0083】
図7及び図8に示されたように、本発明の第3実施形態は、鑑別ステッカー700’’が二つの領域を含むことを除いては、第1実施形態と同一であるため、以下では、重複する説明を省略する。
【0084】
図7及び図8に示されたように、本発明の第3実施形態よれば、鑑別ステッカー700’’は、ロッドハウジング210の外周面に付着するステッカーである。鑑別ステッカー700’’は、所定の大きさを有する四角形状である。鑑別ステッカー700’’は、フォトセンサモジュール510に向かう方向に付着する。
【0085】
鑑別ステッカー700’’は、一部の領域が白色であり、一部の領域が黒色で形成され得る。例えば、鑑別ステッカー700’’は、二分割された上部領域が黒色、下部領域が白色であってもよい。または逆に、二分割された上部領域が白色、下部領域が黒色であってもよい。黒色は、光を吸収する色であり、白色は、光を反射する色であるため、二分割された各領域の反射率が相違する。すなわち、鑑別ステッカー700’’は、一定領域における反射率が、他の領域における反射率と相違するため、フォトセンサモジュール510でこれを区分して感知するように形成される。以下では、鑑別ステッカー700’’の上部領域を第一領域740、下部領域を第二領域750と定義する。
【0086】
鑑別ステッカー700’’の白色と黒色の領域は、図7を基準に垂直方向に配置され得る。鑑別ステッカー700’’は、図8のように、第一領域740が黒色であり、第二領域750が白色であるか、逆に、第一領域740が白色であり、第二領域750が黒色で構成されてもよい。
【0087】
鑑別ステッカー700’’は、フォトセンサモジュール510のセンシング方向と垂直を成す変位である接点摩耗量を鑑別するために使用される。
【0088】
すなわち、鑑別ステッカー700’’は、固定接点134a及び可動接点136aが一定量以上摩耗して、プッシュロッドアセンブリ200の上昇高さが変わるか否かを鑑別するためのステッカーである。
【0089】
よって、接点投入が行われていない状態(オープン状態)で、フォトセンサモジュール510の感知位置は、鑑別ステッカー700’’の第一領域740のうち一部に対応し得る。図面には示していないが、オープン状態で発光及び受光が行われる位置は、常に同一である。
【0090】
その後、接点投入が行われる度に、接点が摩耗するうちにプッシュロッドアセンブリ200が徐々に上昇するため、鑑別ステッカー700’’も徐々に上昇することになる。これによって、フォトセンサモジュール510の感知位置は、鑑別ステッカー700’’の下端の方に移動することになる。しかし、接点摩耗量が予め設定された臨界値以下である場合、フォトセンサモジュール510の感知位置は、継続して鑑別ステッカー700’’の第一領域740内に位置するようになる。但し、フォトセンサモジュール510の感知位置は、オープン位置よりは、第一領域740の下部に位置する。
【0091】
投入回収が増加して、予め設定された接点摩耗量以上にプッシュロッドアセンブリ200が上昇する場合、フォトセンサモジュール510の感知位置が第二領域750に渡るように設定され得る。すなわち、接点摩耗量が予め貯蔵された臨界値以上になると、反射率が異なるように鑑別ステッカー700’’の位置を設定することによって、フォトセンサモジュール510でセンシングされる光量が変わるようにすることができる。よって、フォトセンサモジュール510の出力信号が変わるため、接点摩耗量が臨界値以上になったか否かが分かる。
【0092】
接点摩耗量の臨界値は、接点摩耗によって接圧力が低くなり、機器の信頼性に問題が生じ得る程の摩耗量を基準に予め設定することができる。
【0093】
前述した構成を有する本発明の第3実施形態による接点監視装置において、フォトセンサモジュールを利用して接点摩耗量を感知する方法について詳説すれば、次のとおりである。
【0094】
プッシュロッドアセンブリ200は、図7の上下方向である垂直方向に作動するため、オープン状態では、フォトセンサモジュール510の感知位置が常に同じ位置を維持する。最初1回の投入状態で、プッシュロッドアセンブリ200は、第一領域740内で一定量の垂直方向変位を示す。その後、接点投入が繰り返されると、摩耗量だけプッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向に沿って上昇することになる。すなわち、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位の増加量が接点摩耗量となる。
【0095】
プッシュロッドアセンブリ200の移動量を測定するためには、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知しなければならない。このために、プッシュロッドアセンブリ200の下側に垂直変位を感知することのできるセンサを設置するのが好ましい。しかし、プッシュロッドアセンブリ200の下側には、メインシャフト300が結合して、真空遮断器Aの下部構成品が存在するため、センサを設置するのに足りる空間の確保が難しい。
【0096】
よって、本発明のフォトセンサモジュール510は、ロッドハウジング210の外周面に隣接して設置されるものの、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に平行な一側に設置される。このとき、フォトセンサモジュール510のセンシング方向は、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に垂直な方向である。また、周辺部との干渉を最小化するために、フォトセンサモジュール510は、主回路部100のハウジング110の下端から外側に近い部分に設置される。
【0097】
プッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向への変位のみ有するだけであり、水平方向へは移動しないため、一側にフォトセンサモジュール510を設置しても、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知することができない。かかる問題を解決するために本実施形態では、鑑別ステッカー700’’を適用して、プッシュロッドアセンブリ200の垂直方向変位を水平方向変位に変換するのと同様の効果を生じさせて、フォトセンサモジュール510を使用することができるようにすることである。
【0098】
図7に示されたように、鑑別ステッカー700’’は、フォトセンサモジュール510に向かい合う方向のロッドハウジング210の外周面上に付着する。このとき、ロッドハウジング210を投入する前の位置で、フォトセンサモジュール510の感知位置は、鑑別ステッカー700’’の第一領域740に位置する。感知位置も、接点投入が繰り返されるうちに接点摩耗量が徐々に増加しても、予め設定された臨界値以下であるときは、フォトセンサモジュール510の感知位置は、鑑別ステッカー700’’の第一領域740内に位置する。但し、前述したように、接点摩耗が発生するときの感知位置は、オープン状態での感知位置よりは、下側に位置する。
【0099】
また、図9に示されたように、投入が繰り返されるうちに接点摩耗量が増えると、ロッドハウジング210が徐々に上昇することになる。ロッドハウジング210の上昇によって、鑑別ステッカー700’’も伴って上昇する。フォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514の位置は、固定されているため、鑑別ステッカー700’’の上昇によって発光及び受光位置が徐々に下降することになる。
【0100】
鑑別ステッカー700’’は、最初投入が行われる前の状態から接点摩耗量が予め設定された限界値に至る前の状態まで、フォトセンサモジュール510の発光及び受光位置が第一領域740となるように作られる。鑑別ステッカー700’’の付着位置も、同様である。よって、接点摩耗量が予め設定された臨界値に至る前までは、ロッドハウジング210が徐々に上昇しても、フォトセンサモジュール510の発光及び受光位置が第一領域740に位置する。
【0101】
接点摩耗量が徐々に増加して、ロッドハウジング210が徐々に上昇し、接点摩耗量が予め設定された臨界値に至ると、フォトセンサモジュール510の感知位置は、第一領域740から第二領域750に渡るようになる。
【0102】
本発明の第3実施形態において、鑑別ステッカー700’’の第一領域740に光を発光して再入射される反射光は、第二領域750で再入射される反射光よりも光量が非常に少ない。黒色は、光を吸収する色だからである。よって、フォトセンサモジュール510の感知位置が鑑別ステッカー700’’の第一領域740に位置するときより、第二領域750に位置するときに発生する光電流の大きさが急激に大きくなるようになる。
【0103】
よって、フォトセンサモジュール510から出力される出力信号が変わるため、この出力信号に基づいて、ロッドハウジング210の垂直変位が分かる。ロッドハウジング210の垂直変位がすなわち接点摩耗量であるため、接点摩耗量が予め設定された限界値となったか否かを、フォトセンサモジュール510から出力される信号を分析することで分かる。接点摩耗量の判断は、作業者や管理者、またはフォトセンサモジュール510の出力信号を受信する装置などから判断することができる。
【0104】
フォトセンサモジュール510は、センシング方向に垂直となる垂直方向変位を直接に感知することはできないが、鑑別ステッカー700’’の明暗変化による反射率の変化は、垂直変位を水平変位に転換する効果を奏する。よって、フォトセンサモジュール510を適用して、接点摩耗量を間接に監視及び感知することができる。
【0105】
フォトセンサモジュール510によって監視される接点摩耗量は、リアルタイム又は予め設定された時間周期で監視され得る。これによって、接点摩耗量が限界値以上に進められる前に、接点摩耗量を判断することができるため、適宜な維持補修時点が分かる。また、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
【0106】
前述した実施形態では、フォトセンサモジュールがプッシュロッドアセンブリのロッドハウジングと平行な位置に設置されたことを例に挙げて説明した。しかし、周辺部との干渉が避けられるのであれば、プッシュロッドアセンブリの下側に設置されてもよい。この場合、フォトセンサモジュールのセンシング方向とプッシュロッドアセンブリの移動方向とが同一であるため、鑑別ステッカーがなくても、垂直方向の移動変位である接点摩耗量をフォトセンサを介して直接感知することができる。
【0107】
前述した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるので、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9