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特許7263558センサアレイの水中配備のためのセンサ懸架システム及び関連する配備システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】センサアレイの水中配備のためのセンサ懸架システム及び関連する配備システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 3/801 20060101AFI20230417BHJP
   H04R 1/44 20060101ALI20230417BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
G01S3/801
H04R1/44 320
B63B49/00 B
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021569142
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020023673
(87)【国際公開番号】W WO2020236251
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】16/417,363
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミズリア,ジョセフ
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-212874(JP,A)
【文献】特開2015-087160(JP,A)
【文献】特開平04-320986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/72- 1/82
G01S 3/80- 3/86
G01S 5/18- 5/30
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
H04R 1/44
B63B 49/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中環境において使用するためのセンサ懸架システムであって、
センサと、
複数の支持構造を含み、前記センサを収容するようにサイズ決定されて構成された内部容積を画定するフレームワークと、
前記フレームワークと前記センサとの間に延在し、前記内部容積内で前記センサを懸架するように、前記フレームワークの前記内部容積内で前記センサから互いに対して異なる方向に延在する複数のコンプライアントデバイスと
を含み、
前記複数のコンプライアントデバイスは、前記水中環境に配備されたとき、少なくとも1つの自由度で前記センサの対称的感知反応を実現する、センサ懸架システム。
【請求項2】
前記複数のコンプライアントデバイスは、弾性材料で構成され、前記複数のコンプライアントデバイスによって懸架され且つ前記水中環境に配備された場合に生じる前記センサの共振周波数が前記センサの関心周波数帯域の外側になるように調整される、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項3】
前記複数のコンプライアントデバイスは、前記複数のコンプライアントデバイスが前記水中環境に配置されると3つの自由度で前記センサの対称的感知反応を実現するように、前記センサの第1の側に結合された第1のセットのコンプライアントデバイスと、前記第1の側と反対の前記センサの第2の側に結合された第2のセットのコンプライアントデバイスとを含む、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項4】
前記センサは、互いに結合される第1のハウジング半部及び第2のハウジング半部を含み、前記第1のセットのコンプライアントデバイスは、前記第1のハウジング半部に結合され、前記第2のセットのコンプライアントデバイスは、前記第2のハウジング半部に結合される、請求項3に記載のセンサ懸架システム。
【請求項5】
前記複数の支持構造は、実質的に球形のエンベロープを画定する少なくとも4つの支持構造を含む、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項6】
それぞれの支持構造の上端に互いに結合する上部ハブ部品と、それぞれの支持構造の下端に互いに結合する下部ハブ部品とを更に含み、前記上部ハブ部品及び前記下部ハブ部品は、前記水中環境において前記センサ懸架システムを配置するためにそれぞれの上部テザー及び下部テザーに結合可能であるように構成される、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項7】
前記複数の支持構造は、前記フレームワークが折り畳み位置と展開位置との間で、前記センサに対してリンクの旋回運動を介して移動可能であるように、互いに旋回可能に結合された複数のリンクをそれぞれ含む、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項8】
前記複数の支持構造のそれぞれの上端を互いに旋回可能に結合する上部ハブ部品と、前記複数の支持構造のそれぞれの下端を互いに旋回可能に結合する下部ハブ部品とを更に含み、前記上部ハブ部品及び前記下部ハブ部品は、前記折り畳み位置から前記展開位置への前記フレームワークの移動を実現する、請求項7に記載のセンサ懸架システム。
【請求項9】
前記上部ハブ部品及び前記下部ハブ部品のうち少なくとも1つは、前記少なくとも1つの上部ハブ部品及び下部ハブ部品に対して少なくとも2つのリンクを互いにロックすることを介して、前記複数の支持構造を前記展開位置においてロックするように動作可能なフレームロック機構を含む、請求項8に記載のセンサ懸架システム。
【請求項10】
前記フレームワークは、前記折り畳み位置及び前記展開位置にあるときに実質的に球形のエンベロープを画定する、請求項7に記載のセンサ懸架システム。
【請求項11】
前記複数のリンクのそれぞれのリンクは、それぞれの接合部材によって3つの隣接するリンクに旋回可能に結合される、請求項7に記載のセンサ懸架システム。
【請求項12】
前記折り畳み位置にあるときに前記センサへの制振又は衝撃吸収のために、前記支持構造と前記センサとの間にスペーサクッションが位置するように、前記複数の支持構造のそれぞれの内側に支持された少なくとも1つのスペーサクッションを更に含む、請求項7に記載のセンサ懸架システム。
【請求項13】
前記コンプライアントデバイスは、前記フレームワークが前記展開位置に動かされたときに伸張し、それによって、前記センサを前記フレームワークの前記内部容積の中心領域に配置するように動作可能な弾性バンドを含む、請求項7に記載のセンサ懸架システム。
【請求項14】
前記センサは、前記水中環境を移動する音波に関連する出力データを生成するように構成されたベクトルセンサを含み、前記複数のコンプライアントデバイスは、前記ベクトルセンサに衝突する音波に応じて3つの自由度で前記ベクトルセンサの対称的感知反応を実現するように異なる方向に配置される、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項15】
前記複数の支持構造は、前記水中環境を並進する音波が開口を通過してセンサに移動する間に前記支持構造によって実質的に衝突しないように、隣接する支持構造の間に複数の開口を画定する、請求項1に記載のセンサ懸架システム。
【請求項16】
水中環境においてセンサアレイを配備するためのセンサアレイ配備システムであって、
水中環境の水中表面に配置するように動作可能な配備制御システムと、
収容構成で前記配備制御システムに互いに繋がれた複数のセンサ懸架システムであり、各センサ懸架システムは、フレームワークと、センサを前記フレームワークに結合する複数のコンプライアントデバイスによって懸架された前記センサとを含む、複数のセンサ懸架システムと、
前記複数のセンサ懸架システムと共に動作可能な少なくとも1つの浮遊デバイスと
を含み、
前記配備制御システムは、前記少なくとも1つの浮遊デバイスを解放し、前記複数のセンサ懸架システムの配備を行わせるように作動するよう動作可能であり、前記浮遊デバイスは、前記配備制御システムに固定されている間に、前記複数のセンサ懸架システムをセンサアレイに垂直に配置するように、水面に向かって上昇するように動作可能である、センサアレイ配備システム。
【請求項17】
前記センサは、前記コンプライアントデバイスを介して前記フレームワークの内部容積に懸架され、前記コンプライアントデバイスは、前記水中環境において配備されると、3つの自由度で前記センサの対称的感知反応を実現するように異なる方向に配置される、請求項16に記載のセンサアレイ配備システム。
【請求項18】
前記複数のセンサ懸架システムは、複数のテザーを介して連続して互いに繋がれる、請求項16に記載のセンサアレイ配備システム。
【請求項19】
各フレームワークは、互いに旋回可能に結合された複数のリンクを有する複数の支持構造を含み、前記フレームワークは、前記少なくとも1つの浮遊デバイスの解放の後に、前記少なくとも1つの浮遊デバイスを介した前記フレームワークに対する引張力に応じて、前記収容構成にあるときの折り畳み位置から展開位置に移動可能である、請求項16に記載のセンサアレイ配備システム。
【請求項20】
前記配備制御システムは、互いに通信可能に結合された受信機及びコントローラを含み、前記コントローラは、前記少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を実現するように構成され、前記受信機が送信機から音響配備信号を受信したことに応じて、前記コントローラは、前記少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を生じさせる、請求項16に記載のセンサアレイ配備システム。
【請求項21】
水中環境にセンサアレイを配置するための方法であって、
水中環境の水中表面に配備制御システムを配置するステップであり、前記配備制御システムは、互いに繋がれた複数のセンサ懸架システムを支持し、前記配備制御システムは、センサ懸架システムに繋がれた少なくとも1つの浮遊デバイスを支持する、ステップと、
前記配備制御システムに固定されている間に、前記少なくとも1つの浮遊デバイスが水面に向かって上昇し、前記水中環境において前記複数のセンサ懸架システムをセンサアレイに垂直に配置するように、前記複数のセンサ懸架システムを配備するために前記少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を行わせるステップと
を含む方法。
【請求項22】
前記配備制御システムのコントローラが前記少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を行わせ、前記複数のセンサ懸架システムを前記センサアレイに配備するように、前記水中環境を通じて音響配備信号を前記配備制御システムの受信機に送信するステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記センサアレイの水面取得のために、前記コントローラが前記少なくとも1つの浮遊デバイスを介した水面への上昇のために前記センサアレイを解放するように、前記水中環境を通じて音響取得信号を前記受信機に送信するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
水面への前記少なくとも1つの浮遊デバイスの上昇中に、各センサ懸架システムのフレームワークは、前記少なくとも1つの浮遊デバイスからの引張力に応じて折り畳み位置から展開位置に自動的に移動する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のセンサ懸架システムのセンサを介してセンサ出力データを生成するステップであり、各センサ懸架システムは、複数のコンプライアントデバイスが3つの自由度で前記センサの対称的感知反応を実現するように、フレームワークと、前記フレームワークに前記センサを懸架する前記複数のコンプライアントデバイスとを含む、ステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
音波を感知するために使用されるカンチレバービームベクトルセンサ(cantilever beam vector sensor)のような水中音響センサは、一般的に、水中を移動又は伝播する音波を適切に感知するために、使用中に水粒子のような水柱内を自由に移動できるものでなければならない。しかし、このようなセンサは、非常に脆弱であり、センサの出荷及び取扱いの間、又はセンサの水柱内への配備の間に受ける衝撃荷重から生じるもののような損傷を受けやすい。これらの懸念に対処するための従来の試みは、各センサ(又はセンサアレイ)をパッキングすることを含む。一例では、各センサ(又はセンサアレイ)は、シンタクティックシェル(syntactic shell)又は硬質フォームに封入されたソノチューブ(sonotube)にパッケージングでき、次いで、シェルがケーブルを介して互いに結合される。しかし、このような手法は有効でないことが証明されており、この手法は様々な程度のセンサの機械的損傷を依然としてもたらし、センサの部分的又は全体的な故障を生じる。センサに対するわずかな損傷であっても、水中に配備された場合にセンサデータを効果的に生成するセンサ(又は複数のセンサ)の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面と共に考慮される、以下の詳細な説明から明らかになり、添付の図面は、一例として本発明の特徴を一緒に示す。
図1A】本開示の一例によるセンサアレイ配備システムの等角図であり、センサアレイ配備システムは、展開位置において示される、水中環境に配置された少なくとも1つのセンサ懸架システムを含む。
図1B図1Aのセンサ懸架システムの側面図である。
図1C図1Aのセンサ懸架システムの上面図である。
図1D】折り畳み位置において示される、図1Aのセンサ懸架システムの等角図である。
図1E】折り畳み位置において示される、図1Aのセンサ懸架システムの側面図である。
図1F】折り畳み位置において示される、図1Aのセンサ懸架システムの上面図である。
図1G】折り畳み位置における支持構造を示す、図1Aのセンサ懸架システムの一部の拡大図である。
図1H】展開位置における支持構造を示す、図1Aのセンサ懸架システムの一部の拡大図である。
図2A図1Aのセンサ懸架システムのハブ部品の等角図である。
図2B図2Aのハブ部品の側面図である。
図2C図2Aのハブ部品の上面図である。
図3A】本開示の一例による、図1Aのハブ部品を置き換えることができる代替ハブ部品の等角図である。
図3B図1Aの支持構造フレームワークに結合された(すなわち、図1Aのハブ部品を置き換える)図3Aのハブ部品の等角図である。
図4】本開示の一例による、展開位置にあり水中環境に配置されたセンサ懸架システムの上面図である。
図5】本開示の一例による展開位置におけるセンサ懸架システムの等角図である。
図6A】本開示の一例による、水中環境において収容構成の複数のセンサ懸架システムを有するセンサアレイ配備システムの概略立面図である。
図6B図6Aのセンサアレイ配備システムの概略立面図であり、センサアレイ配備システムの配備制御システムによって配備された複数のセンサ懸架システムを示しており、複数のセンサ懸架システムは水中環境においてセンサアレイに配備される。
図7A】本開示の一例による、折り畳み位置及び収容構成のセンサ懸架システムを支持して収容するセンサアレイ配備システムの一部としてのセンサ解放システムの側面立面図である。
図7B図7Aのセンサ解放システムの側面立面図であり、センサ懸架システムを露出して解放するために、下部ハウジングから解放される上部ハウジングを示す。
図8A】本開示の一例による、水中環境においてそれぞれ複数のセンサ解放システム内における収容構成の複数のセンサ懸架システムを有するセンサアレイ配備システムの概略立面図である。
図8B図8Aのセンサアレイ配備システムの概略立面図であり、それぞれのセンサ解放システムから解放され、センサアレイ配備システムの配備制御システムによって水中環境においてセンサアレイに配備された複数のセンサ懸架システムを示す。 次に、図示の例示的な実施形態に参照が行われ、実施形態を説明するために本明細書において特有の言語が使用される。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲の限定が意図されるものではないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本明細書において、「実質的に」という用語は、動作、特徴、特性、状態、構造、項目又は結果の完全又はほぼ完全な範囲又は程度を示す。例えば、「実質的に」囲まれた物体は、当該物体が完全に囲まれてるか或いはほぼ完全に囲まれることを意味する。絶対的な完全性からの正確な許容可能な逸脱の程度は、いくつかの場合に特定の状況に依存することがある。しかし、一般的に言えば、完全性の近さは、絶対的且つ完全な完全性が得られたかのように、同一の全体的な結果を有するようなものである。「実質的に」の使用は、動作、特徴、特性、状態、構造、項目又は結果の完全又はほぼ完全な欠如を示すために、負の意味で使用される場合にも同様に適用可能である。
【0004】
本明細書で使用される「隣接」は、2つの構造又は要素の近接を示す。特に、「隣接」であると識別される要素は、接してもよく或いは接続されてもよい。このような要素はまた、必ずしも互いに接触することなく互いに接近又は近接してもよい。正確な近接の程度は、いくつかの場合に特定の状況に依存することがある。
【0005】
本発明の概念の最初の概要が以下に提供され、次いで、特定の例について以降に更に詳細に説明する。この最初の概要は、読者が例をより迅速に理解するのを助けることを意図するものであるが、例の主な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の対象物の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0006】
本開示は、本開示の例に従って、水中環境において使用するためのセンサ懸架システムを記載する。センサ懸架システムは、センサと、複数の支持構造を含み、センサを収容するようにサイズ決定されて構成された内部容積を画定するフレームワークとを含むことができる。複数のコンプライアントデバイス(compliant device)は、フレームワークとセンサとの間に延在でき、内部容積内でセンサを懸架するように、フレームワークの内部容積内でセンサとは異なる方向に延在できる。複数のコンプライアントデバイスは、水中環境に配備されると(すなわち、配備されたとき)、少なくとも1つの自由度でセンサの対称的感知反応(symmetrical sensing response)を実現することができる。
【0007】
一例では、複数のコンプライアントデバイスは、弾性材料で構成され、複数のコンプライアントデバイスによって懸架され且つ水中環境に配備された場合に生じるセンサの共振周波数がセンサの関心周波数帯域の外側になるように調整される。
【0008】
一例では、複数の支持構造は、フレームワークが折り畳み位置と展開位置との間で、センサに対してリンクの旋回運動を介して移動可能であるように、互いに旋回可能に結合された複数のリンクをそれぞれ含む。
【0009】
一例では、センサ懸架システムは、複数の支持構造のそれぞれの上端を互いに旋回可能に結合する上部ハブ部品を含む。上部ハブ部品及び下部ハブ部品は、折り畳み位置から展開位置へのフレームワークの移動を実現できる。
【0010】
本開示は、水中環境においてセンサアレイを配備するためのセンサアレイ配備システムを記載する。センサアレイ配備システムは、水中環境の水中表面に配置するように動作可能な配備制御システムと、収容構成で配備制御システムに互いに繋がれた複数のセンサ懸架システムとを含むことができる。各センサ懸架システムは、フレームワークと、センサをフレームワークに結合する複数のコンプライアントデバイスによって懸架されたセンサとを含むことができる。センサアレイ配備システムは、複数のセンサ懸架システムと共に動作可能な少なくとも1つの浮遊デバイスを含むことができる。水中表面に配置されると、配備制御システムは、少なくとも1つの浮遊デバイスを解放し、複数のセンサ懸架システムの配備を行わせるように作動するよう動作可能である。浮遊デバイスは、配備制御システムに固定されている間に、複数のセンサ懸架システムをセンサアレイに垂直に配置するように、水面に向かって上昇するように動作可能である。
【0011】
一例では、複数のセンサ懸架システムは、複数のテザー(tether)を介して連続して互いに繋がれる。
【0012】
一例では、配備制御システムは、互いに通信可能に結合された受信機及びコントローラを含む。コントローラは、少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を実現するように構成され、受信機が送信機から音響配備信号を受信したことに応じて、コントローラは、少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を生じさせる。
【0013】
本開示は、水中環境にセンサアレイを配置するための方法を記載する。当該方法は、水中環境の水中表面に配備制御システムを配置することを含むことができる。配備制御システムは、互いに繋がれた複数のセンサ懸架システムを支持し、センサ懸架システムに繋がれた少なくとも1つの浮遊デバイスを支持する。当該方法は、配備制御システムに固定されている間に、少なくとも1つの浮遊デバイスが水面に向かって上昇し、水中環境において複数のセンサ懸架システムをセンサアレイに垂直に配置するように、複数のセンサ懸架システムを配備するために少なくとも1つの浮遊デバイスの解放を行わせることを含むことができる。
【0014】
本技術を更に説明するために、図面を参照して例が提供される。
【0015】
図1A~1Hは、本開示の例による、センサアレイ配備システム103(図1参照)の一部としての例示的なセンサ懸架システム100の様々な側面及び概観を示す。図2A図2Cは、上部ハブ部品122aを示す。図1A図2Cを参照すると、センサアレイ配備システム103は、水中環境Uで配備及び使用するための少なくとも1つのセンサ懸架システム100を含むことができる。例えば、センサアレイ配備システム103は、センサアレイの一部として複数のセンサ懸架システム100を含むことができる。概要として、センサ懸架システム100は、センサ102(例えば、音響センサ)と、複数の支持構造106a~104を含み、センサ102を収容し且つ懸架された位置及び配置においてセンサ102の支持を実現するようにサイズ決定されて構成された内部容積108を画定する複数の支持構造106dを含むフレームワーク104とを含むことができる。センサ懸架システム100は、センサ102を内部容積108内に懸架するように、フレームワーク104とセンサ102との間に延在する複数のコンプライアントデバイス110a~110h(例えば、弾性バンド又はコード)を更に含むことができる。複数のコンプライアントデバイス110a~110hのうち少なくともいくつかは、水中環境Uに配備され使用されると、少なくとも1つの自由度(例えば、1つ、2つ又は3つの自由度のうちの少なくとも1つ)においてセンサ102の対称的感知反応を実現するように、フレームワーク104の内部容積108内でセンサ102から異なる方向に延在することができる。
【0016】
センサ102は、センサ102に衝突してセンサ102を通過する音波を感知する水中音響センサのようなセンサセンブリとして構成できる。例えば、センサ102は、センサ102のハウジングによって支持された多数の加速度計等を有する利用可能なベクトルセンサセンブリとすることができる。このようにして感知することの主な目的は、水中にある物体112及び/又は水面Sにある物体の位置(2D及び/又は3D位置)の決定を支援するためのセンサ出力データを生成することである。例えば、物体112は、潜水機、水上船、魚雷、哺乳類、又は水中環境Uを通じて音波を発する可能性がある他の物体でもよい。したがって、このような音波を効果的に感知するために、センサ102は、一般的に、水柱内の水粒子のように自由に移動して作用することができ、それにより、物体112によって発せられた音波に関連するセンサ出力データを適切且つ正確に生成できる。複数のこのようなセンサ(例えば、102)が、水柱(例えば、図6B及び図8B)を通じてセンサアレイに配置される場合、センサアレイは、例えば、このようなセンサ出力データを処理する従来の方式で、物体112の物体種別及び/又は3D位置の決定で使用されるセンサ出力データを収集又は生成できる。
【0017】
センサ懸架システム100は、センサ懸架システム100を水中環境Uの水中表面Gに固定するテザー116(例えば、可撓性の非弾性ケーブル若しくはコード、又は当業者にとって明らかな他の種別のもの)を介してベース又はアンカー114に繋がれることにより或いは取り付けられることにより、水中環境Uに懸架できる。センサ懸架システム100のフレームワーク104の頂部又は上部領域は、同様に、テザー120を介して浮遊デバイス118に繋がれることができる。すなわち、浮遊デバイス118(例えば、ブイ、浮袋又は当業者にとって明らかな他の種別のもの)は、水中環境Uの表面Sに向かってセンサ懸架システム100に上向きの引張り力を印加し、それにより、水環境U内でセンサ懸架システム100を懸架する正の浮力を有することができる。
【0018】
上記のように、複数のコンプライアントデバイス110a~110hのうちの少なくともいくつかは、フレームワーク104にセンサ102を懸架して、水中環境Uにあるときに少なくとも1つの自由度のセンサ102の対称的感知反応を実現するように、センサ102とは異なる方向に延在できる。センサ102の移動又は感知反応の1つの自由度は、x軸、y軸若しくはz軸のうちいずれか1つ、これらのうちいずれか2つ、又はこれらの全てに関するものとすることができる。したがって、センサ102の移動又は感知反応の3つまでの自由度が、xyz軸のいずれか1つ、いずれかの組み合わせ、又は3つの全てにおいて生じることができる。これらの自由度のうち1つ以上が制約される場合、センサ102は、センサ102に衝突してセンサ102によって感知される音波に関連する正確又は有用なセンサデータを生成しない可能性があり、そのため、ほとんどの場合、xyz軸の3つの全ての自由度で反応を感知するようにセンサ懸架システム100を構成することが望ましい。実際に、複数のコンプライアントデバイス110a~110hは、センサ102からセンサ102を取り囲むフレームワーク104まで、互いに対して異なる方向に延在するので、センサ102は、3つの全てのxyz軸において対称的感知反応を有することができる。これは、複数のコンプライアントデバイス110a~110hのうち1つ以上が、センサ102に衝突する音波に応じて、わずかに偏向(例えば、圧縮又は膨張)及び/又は振動/共振する可能性があり、それにより、センサ102が水粒子に対して作用又は模倣でき、それにより、どの方向から音波が発生しても、センサ102がxyz軸に対して対称的に反応するからである。
【0019】
その結果、センサ102は、xyz軸の少なくとも1つに厳密に拘束される1つ以上のセンサを支持する従来のシステムと比較して、より効果的に正確なセンサデータを生成できる。例えば、いくつかの従来のシステムは、特定のセンサがz軸に関してフレーム又は他の構造に堅く取り付けられ、水柱に配備されるように(水中表面又は表面上の容器に厳密に拘束されるように)構成される。この場合、センサは制約され、z軸において共振又は移動することが許容されないので、センサは、z軸において正確な感知反応を提供することができないため、対称的感知を提供しない。したがって、水中を通じてz軸に関して一般的に並進する如何なる音波も、センサによって正確或いは効果的に感知されない。この理由は、少なくとも1つの自由度(すなわち、z軸)において制約されているためである。このシステム及び他の従来システムとは異なり、本技術のセンサ102は、3つの全てのxyz軸において感知反応を提供することができるように、懸架方式で支持される。
【0020】
特に、コンプライアントデバイス110a~110hは、センサ懸架システム100が、水中環境Uに配備されたときに非常に低い共振周波数(例えば、5Hz未満)を有するように「調整」又は設計でき、それにより、センサ102は、関心周波数において水粒子として移動又は作用できる。したがって、コンプライアントデバイス110a~110hは、複数のコンプライアントデバイス110a~110hによって懸架されて水中環境に配備された場合に、センサ102の結果の共振周波数がセンサ102の関心周波数帯域外になるように調整できる。例えば、水中を推進する魚雷は、センサ102が捕捉に「関心を持つ」ことができる既知の周波数範囲(すなわち、センサ102の関心周波数帯域)を有してもよい。この既知の周波数範囲に基づいて、コンプライアントデバイス110a~110hは、センサ102が特定の周波数において魚雷によって発せられる音波を正確に感知できるように設計又は調整できる。すなわち、センサ102及び懸架システム100の結果の共振周波数は、コンプライアントデバイス110a~110hの特定の調整又は設計のために、センサ102自身の関心周波数帯域の範囲外になる。センサ102及び関連するセンサ懸架システム100の結果の共振周波数がセンサ102の関心周波数帯域内にある場合、センサ102は、例えば、魚雷によって発せられる音波を効果的に感知できない可能性がある。一例では、各コンプライアントデバイス(例えば、110a~110h)は、バンジーコード(bungie cord)のように互いに集められた複数のバンドを含むことができる弾性バンド又はコードを含むことができ、或いは、各コンプライアントデバイスは、単一の弾性バンドとすることができる。各コンプライアントデバイスの長さ、厚さ及びジュロメータは、上記の関心周波数に基づいて選択でき、したがって、コンプライアントデバイス110a~110hは、上記に例示したように調整できる。
【0021】
別の例では、フレームワークにセンサを懸架するために、2つのコンプライアントデバイスのみが利用されてもよい。例えば、第1のコンプライアントデバイスはセンサに取り付けられ、センサから上方に延在し、次いでフレームワークの上部領域に取り付けられることができ、第2のコンプライアントデバイスはセンサに取り付けられ、センサから下方に延在し、次いでフレームワークの下部領域に取り付けられることができる。したがって、これらの2つのコンプライアントデバイスは、概ね垂直に且つz軸に沿って延在できる。これは、z軸(すなわち、1つの自由度)においてのみセンサの対称的感知反応を生成し、これは、いくつかの用途において有用になり得る。当業者は、他の例では、特定の軸に関するそれぞれの対称的反応のために、2つのコンプライアントデバイスが、水平方向に且つx軸又はy軸に沿って延在できることを認識する。
【0022】
図1A図2Cを再び参照すると、複数のコンプライアントデバイス110a~110hは、センサ102に結合された第1(上部)のセットのコンプライアントデバイス110a~110dと、第1のセットのコンプライアントデバイス110a~110dからセンサ102の反対側にあるセンサ102に結合できる第2のセット(下部)のコンプライアントデバイス110e~110hとを含むことができる。各コンプライアントデバイス110a~110hは、いずれか1つの特定のx軸、y軸又はz軸に沿って完全に延在するとは限らない点に留意されたい。すなわち、各コンプライアントデバイス110a~110hは、xyz軸の3つの全てを通じて延在する。このように、コンプライアントデバイス110a~110hは、xyz軸に関する3つの自由度でセンサ102の対称的感知反応を実現するように協働する。
【0023】
特定の対向するコンプライアントデバイスは、同一の直線方向又は経路に沿って延在するように配向できるが、これは必要ではなく或いはいずれかの方法で限定することを意図するものでない点に留意されたい。例えば、コンプライアントデバイス110aは、センサ102の他方側の反対のコンプライアントデバイス110eと同一又は同様の直線経路に沿って延在する。同じことは、他の対向するセットのコンプライアントデバイスにも当てはまる。このように、複数のコンプライアントデバイス110a~110hは、水中環境Uに配置されると、3つの自由度xyzの移動におけるセンサ102の対称的感知反応を実現するように協働する。
【0024】
フレームワーク104の複数の支持構造106a~106dは、図1A図1Cに示すように、センサ102を取り囲み、内部容積108を画定する、実質的に球形又は楕円形のエンベロープ又は形状を画定することができる、図示の4つの支持構造を含むことができる。他の例では、特定のフレームワークは、4つよりも多くの支持構造を有することができる(例えば、以下で更に議論するように、図4の例に示す6つの支持構造を参照する)。さらに、いくつかの例では、特定のフレームワークは、立方形(例えば、図5を参照する)、円筒、円錐、立方体、四面体、又はいずれかの適切な三次元形状若しくはエンベロープのような、異なる三次元のエンベロープ又は形状を画定できる。
【0025】
センサ懸架システム100は、複数の支持構造106a~106dのそれぞれの上端を互いに結合する第1のハブ部品又は上部ハブ部品122aと、複数の支持構造106a~106dのそれぞれの下端を互いに結合する第2のハブ部品又は下部ハブ部品122bとを更に含むことができる。上部ハブ部品122aは、浮遊デバイス118によって支持されるテザー120に取り付けられることができる(或いは、テザー120は、以下に説明する図6B及び図8Bのセンサアレイの例に示すように、隣接/上部センサ懸架システム100に結合できる)。下部ハブ部品122bは、ベース又はアンカー114に支持されるか或いは繋がれたテザー116に取り付けられることができる(或いは、テザー116は、図6B及び図8Bの例に示すように、隣接/下部センサ懸架システム100に結合できる)。
【0026】
一例では、センサ102はカンチレバービーム型ベクトルセンサセンブリを含むことができ、これは周知であり、詳細には説明しない。或いは、センサ102は、当業者に明らかなように、他の利用可能なセンサを含むことができる。図示の例では、センサ102は、上部及び下部ハウジング、すなわち、ハウジング半部150a及び150bを含むことができ、これらのそれぞれは、球形のセンサ又はセンサセンブリを形成するように固定されるか或いは互いに繋がれた半球形のハウジング半部とすることができる。各コンプライアントデバイス110a~110hの一方の端部は、上部及び下部ハウジング150a及び150bのそれぞれの開口151(1つが図1Aにラベルが付されている)に延在でき、次いで、端部は、いずれか適切な方式で、それぞれの上部及び下部ハウジング150a、150bに結合できるか或いは取り付けられることができる。例えば、留め具又は他の結合デバイスは、コンプライアントデバイスの端部をそれぞれのハウジング150a及び150bに取り付けることができ、或いは、コンプライアントOリングが端部に結合され、次いで適切な手段によってそれぞれのハウジング150a及び150bに取り付けられることができる。各コンプライアントデバイス110a~110hの他方の末端は、例えば、以下に更に説明するように、支持構造106aのリンク又はジョイントの1つの周囲でループされるか或いは巻き付けられたコンプライアントOリング148(図1H)を介したもののような適切な手段によって、それぞれの支持構造106a~106dの領域又は部分に取り付けられることができる。一例では、各コンプライアントデバイス110a~110hは、フレームワーク104の一部の周囲でループされ、次いでセンサ102上のフック又は他の特徴を通じてループされる弾性Oリング自体とすることができる。
【0027】
各支持構造106a~106dの特定の取り付け部分(コンプライアントデバイス110a~110a~110hが取り付けられているもの)は、互いに同一又は同様の位置にあるように選択される点に留意されたい。例えば、コンプライアントデバイス110a~110dの端部は、それぞれの支持構造106a~106d上の同一又は同様の相対位置に全て取り付けられ、これは、3つの自由度に関してセンサ102の上記の対称的感知反応を更に実現するか或いはそれに寄与する。
【0028】
フレームワーク104の展開可能機能に関して、図1D図1Gは、折り畳み位置Cのフレームワーク104を示しており、図1A図1C及び図1Hは、フレームワーク104が展開位置Eに移動したことを示している。フレームワーク104の構造及び構成並びに上部ハブ部品122a及び下部ハブ部品122bの構造及び構成は、これらの折り畳み位置と展開位置との間の移動を実現する。
【0029】
より具体的には、上部ハブ部品122a(上部ハブ部品122a(下部ハブ部品122bと同じ構成及び構成とすることができる)のより詳細な図については図2A図2Cを参照する)は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、複合材料、ポリマー、又は当業者には明らかないずれかの他の材料種別若しくは材料の組み合わせのような剛性材料で構成できる。上部ハブ部品122aは、テザー(例えば、図1Aのテザー120を参照する)への上部ハブ部品122aの結合を実現するための開口126を画定し且つ有するテザー取付部124と、上部ハブ部品122aをそれぞれの支持構造106a~106dの端部に結合することを実現するためのそれぞれの開口130a~130dを画定し且つ有する複数のフレーム取付部128a~128dとを含むことができる。テザー取付部124及び複数のフレーム取付部128a~128dは、互いに異なる方向に延在できる。例えば、図示のように、テザー取付部124は、複数のフレーム取付部128a~128dから上方に且つ離れて延在でき、複数のフレーム取付部128a~128dは、互いに異なる方向に、テザー取付部124から横方向に外側へ延在できる。テザー取付部124及び複数のフレーム取付部128a~128dは、同一のベース又はコア構造部品123の周りに支持できる。
【0030】
支持構造106aの端部リンクの端部は、開口130aを通じて延在する支持構造106aに支持された接合部材(例えば、ピン)を介して、上部ハブ部品122aのフレーム取付部128aに旋回可能に結合でき、それによって支持構造106aを上部ハブ部品122aに結合できる。同じことが、上部ハブ部品122aと同様の方式で、それぞれのフレーム取付部128b~128dに旋回可能に結合された他の支持構造106b~106dにも当てはまる。同じことが、上部ハブ部品122aと同様の方式で、下部ハブ部品122bのそれぞれのフレーム取付部128a~128dに旋回可能に結合された支持構造106a~106dの他の端部にも当てはまる。支持構造106a~106dが同様に旋回可能に結合されるが、別のハブ部品222に結合されることを示す図3Bも参照する。
【0031】
上記のように、支持構造106a~106dの端部を上部ハブ部品122a及び下部ハブ部品122bに旋回可能に結合する1つの目的は、センサ102の周囲で或いはセンサ102に対して折り畳み位置Cと展開位置Eとの間でフレームワーク104を移動させ、それにより、センサ102が展開位置Eのときに動作するようにするためである。展開位置Eに移動すると、コンプライアントデバイス110a~110hが伸長し、それにより、センサ102が伸長したコンプライアントデバイス110a~hによって懸架される。したがって、各コンプライアントデバイス110a~110hは、実質的に同じ長さ、ジュロメータ及びサイズを有することができ、それにより、センサ102は、概してフレームワーク104の内部容積108の中心又は重心の周りで支持される。
【0032】
さらに、フレームワーク104の展開可能性に関して、複数の支持構造106a~106dは、複数の接合部材134(例えば、ピン、リベット、ピン/水/コッターピンアセンブリ等)によって旋回可能に互いに結合された複数のリンク132(例えば、特定の例としてのリンク132a~132dを参照する)をそれぞれ含むことができ、これは、各支持構造106a~106dが上部ハブ部品122a及び下部ハブ部品122bの周りを旋回しながら、互いに展開して折り畳みすることを可能にする。より具体的には(図1G及び図1Hの拡大図を参照する)、いずれかの特定のリンク132、例えばリンク132aは、3つの開口(図面から隠れている)を含むことができ、この開口を通じて3つのそれぞれの接合部材134a~134cが、リンク132aを3つの隣接するリンク、例えばリンク132c~132dに旋回可能に結合するように延在する。すなわち、各接合部材134a~134cは、それぞれ隣り合うか或いは隣接するリンク132b~132dのそれぞれの開口を通じて延在する。したがって、フレームワーク104の各接合部材134は、2つの特定のリンク132を通じて延在し、2つの特定のリンク132を接合して旋回可能に結合する。このパターン又は構成は、支持構造106a~106dの他の全てのリンクについて同一又は同様のものとすることができる。
【0033】
リンク132は、剛性材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、複合材料、又は当業者にとって明らかないずれかの他の材料若しくは材料の組み合わせ)で形成された平坦なプレートとすることができ、支持構造106a~106dの展開及び折り畳みを実現するために互いに協働するいずれか適切な形状及びサイズとすることができる。例えば、リンク132は、図示のように、それらの長さに沿った非直線形状を有することができ、それにより、リンク132は互いに或る角度で形成された第1及び第2の直線部分をそれぞれ有し、それにより、リンク132は、内部容積108又はセンサ102に向かっていくらか曲げられるか或いは内側に形成される。このように、リンク132及び/又はこれらの接合部材134は、図1Hに示すように展開位置Eに移動したときに、隣接するリンク132のための「阻止」として作用することができ、それによって、展開位置Eの形状の達成及び維持を実現する。これは、支持構造106aが望ましくない形状又は形態に回転しすぎたり或いは展開しすぎたりするのを防止するのに役立つ。これは、フレームワーク104が折り畳まれるときに、リンク132が互いにネスト構造になることを更に可能にする。
【0034】
一例では、センサ懸架システム100は、支持構造106a~106dのうち1つの内側に関してそれぞれ支持されたスペーサクッション136(例えば、図1D)のような制振材料を含むことができ、それにより、スペーサクッション136は、支持構造106a~102とセンサ102との間に位置する。スペーサクッション136は、折り畳み位置Cにあるときに、支持構造106a~102とセンサ102との間のクッション又はコンプライアントバッファとして作用する発泡体又は他のコンプライアント材料若しくは弾性材料を含むことができる。これは、折り畳み位置Cにあるときにセンサ懸架システム100の保管及び搬送中にセンサ102の敏感又は脆弱な部品を保護し、センサ102に対して保持力を提供し、したがって、フレームワーク104に対するセンサ102の移動を制限するのに有用である。スペーサクッション136は、接着剤、取り付けデバイス(Oリング)又は他の固定手段のような適切な手段によって、それぞれの支持構造106a~106dの内側領域に取り付けられることができる。したがって、折り畳み位置Cにあるときに、フレームワーク104は、いずれかの衝撃からセンサ102を保護するための頑丈でコンパクトな構成を提供し、一方、スペーサクッション136は、輸送及び/又は収容中にフレームワーク104によって受けてフレームワーク104を通じて伝播する可能性のあるいずれかの衝撃又は振動を緩和又は減衰するように動作する。
【0035】
特に、フレームワーク104が展開位置Eにある場合、これは、センサ懸架システム100の重心又は中心点を通って垂直に延在する中心平面Z(図1B)に関して対称的である(また、折り畳み位置Cにある場合にも対称的である)。これは、音波が如何なる方向からでもフレームワーク104を通じて並進できるので、センサ102の対称的感知反応を実現するのに寄与する。さらに、展開された場合、複数の支持構造106a~106dは、隣接する支持構造106a~106dの間に複数の開口136a~136d(図1C)を形成又は画定できる。これらの開口136a~136dは、それぞれ、概して北極から南極に延在する球の断面として形成できる。これらの開口136a~136dはまた、支持構造106a~106dのサイズ及び厚さと比較して比較的大きく、それにより、音波がセンサ懸架システム100によって画定される外側境界又はエンベロープを貫通するとき、且つ音波がセンサ102に到達するとき、フレームワーク104が音波を顕著に衝突、阻止又は干渉させることなく、音波は開口136a~136dを通過してセンサ102に到達できる。これは、各支持構造106a~106dが展開されたときに比較的薄くなるためであり、このような構成は比較的大きな開口136a~136d又は三次元領域を生成するので、センサ102の感知能力を最大化又は最適化する。別の説明では、支持構造106a~106dは、センサ懸架システム100によって画定される周囲のエンベロープ境界の比較的小さな量又は部分(例えば、10%未満)を含むか或いは占有し、したがって、支持構造106a~106dの間の間隔又はギャップ又は領域によって画定されるエンベロープ境界の大部分を残す。
【0036】
図3A及び図3Bは、上記の上部ハブ部品122a及び/又は下部ハブ部品122bのいずれか又は双方を置き換えることができる代替ハブ部品222を示す。ハブ部品222は、ハブ部品222をテザー(例えば、図1Aの120)に結合するのを実現するための開口226を有するテザー取付部224を含むことができ、ハブ部品222をそれぞれの支持構造(例えば、支持構造106a~106d)の端部に結合するのを実現するためのそれぞれの開口230a~230dを有する複数のフレーム取付部228a~228dを含むことができる。テザー取付部224は、複数のフレーム取付部228a~228dから離れて延在でき、複数のフレーム取付部228a~228dは、上部ハブ部品122a及び下部ハブ部品122bに関して上記に説明したのと同様の方式で、互いに異なる方向に、テザー取付部224から横方向にそれぞれ延在する。
【0037】
ハブ部品222は、図3Bの展開位置Eにおいて複数の支持構造106a~106dをロックするように動作可能なフレームロック機構234を更に含むことができる(図1Aも参照する)。フレームロック機構234は、フレーム取付部228dの下側に外側に向かって延在するロック支持部232によって支持されたばね荷重ピン235を含むことができる。ばね荷重ピン235は、ロック支持部232のキャビティの内側に支持できる内側ばね(隠れており、図示せず)を介して、バイアスされた方式で支持できる。ばね荷重ピン235は、図3Aにおいて通常の展開位置に示されており、以下に更に詳細に説明するように、印加された荷重によって内側に押し込まれることができる。
【0038】
支持構造106aの端部リンク(例えば、リンク132g)の端部は、ハブ部品222の開口230dを通じて延在するピン134gを介して、フレーム取付部228aに旋回可能に結合でき、それによって、支持構造106aをハブ部品222に結合する。同一の構成が、ハブ部品222と同様に構成できる下部ハブ部品と共に、同様の方式でそれぞれのフレーム取付部228b~228dに旋回可能に結合された他の支持構造106b~106dにも当てはまる。ロックリンク132h(端部リンク132gに旋回可能に結合される)は、フレームロック機構234と共に動作し、展開位置Eにおいて支持構造106a~106dの全てをロックし、それにより、(例えば、フレーム104に印加又は付与される海洋発生力の流れ又は動きによって)折り畳み位置まで不注意に折り畳まれることができないようにする。
【0039】
したがって、支持構造106a~106dが展開位置Eまで移動すると、ロックリンク132hは、ばね荷重ピン234に対して回転し、次いで、ばね荷重ピン234に沿って、ロックリンク132hの開口236がばね荷重ピン234と整列するまで、ばね荷重ピン234に沿ってスライドして、内側に(内部ばねの圧縮を介して)圧縮する。この時点で、ばね荷重ピン234は、ばね荷重ピン234に作用するばねによって生成されたばね力によって、(ばね荷重ピン234に力を印加して、ばね荷重ピン234をロックリンク132hの開口236に移動させる内部ばねの膨張のために)ロックリンク132hの開口236に移動させる。この動作は、フレームワーク104が展開位置Eに移動したときに、支持構造106aをハブ部品222にロックする。この理由は、ばね荷重ピン234とピン134g及び134hとがハブ部品222に対して支持構造106aの回転を制限するように協働するからである。他のハブ部品222が(図1Aのように)支持構造106aの下端に組み込まれている場合、支持構造106a~106dの下端も、このような下部ハブ部品に対して適所にロックされる点に留意されたい。したがって、フレームワーク(例えば、104)は、ロック機構を有する上部ハブ部品及び下部ハブ部品(例えば、222)を介して展開位置においてロックできる。
【0040】
さらに、他のハブ部品(例えば、下部ハブ部品)がロック機能を有する必要がないように、1つのロックハブ部品(例えば、222)のみが必要となってもよい点に留意されたい。これは、222のような1つのロックハブ部品が、展開位置Eにおいて全ての支持構造110a~110dをロックできるからである。この理由は、当業者によって認識及び理解されるように、支持構造及びハブ部品が全て互いに連結されているので、他の全ての支持構造(例えば106a)が折り畳まれない限り、いずれの1つの支持構造(例えば106b~106d)も折り畳まれることができないからである。
【0041】
図4は、本開示の一例による、水中環境において使用するための別のセンサ懸架システム200の上面図を示す。図1A図1Hのセンサ懸架システム100に関して上記に説明したのと同様に、センサ懸架システム200は、センサ202を収容するようにサイズ決定されて構成された内部容積208を画定する複数の支持構造206a~206fを含むフレームワーク204によって部分的に支持されたセンサ202を含むことができる。センサ懸架システム200は、複数のコンプライアントデバイス(隠れており、図示せず)を更に含むことができ、これらは、内部容積208内でセンサ202を懸架するように、センサ202をフレームワーク204に結合する弾性バンド又は部材とすることができる(上記に説明して図1Aに示すものと同様である)。このように、複数のコンプライアントデバイスは、図1Aの例を参照して説明したのと同様に、水中環境に配備されると、少なくとも1つの自由度でセンサ202の対称的感知反応を実現する。したがって、センサ懸架システム200は、センサ懸架システム200を水中環境の水中表面に固定するベース又はアンカーに繋げるか或いは取り付けられることによって、また、テザーを介して浮遊デバイスに繋げることによって(例えば、図1A図6B図8Bを参照する)、水中環境において懸架できる。
【0042】
支持構造206a~206fは、実質的に球形の形状及び対応する周囲のエンベロープ又は境界をそれぞれ画定する合計で6つの支持構造を含むことができる。他の例では、8つ以上の支持構造が利用できる。いくつかの例では、1つ以上の補助支持構造(例えば、補助支持構造206g)は、補助支持構造206gがフレームワーク204に関して横方向に延在する(例えば、支持構造206a~206fによって画定される赤道に関して延在するように配置される)ように、支持構造206a~206hのそれぞれに旋回可能に結合できる。1つ以上の補助支持構造(例えば、206g)は、他の支持構造(例えば、図1G及び図1Hの106aを参照する)と同様に構成でき、或いは、これらは、ハブ部品(図2Aのハブ部品122a及び122bと同様のもの)を介して隣接する支持構造206a~206fに旋回可能に結合された複数の個々の支持構造で構成できる。補助支持構造206gは、センサ202を支持及び保護するためにフレームワーク204に対して更なる構造的支持(例えば、横方向支持)を提供できるので、折り畳み位置にあるときにセンサ202を保護するフレームワーク204の「頑丈な」保護性に寄与できる。
【0043】
図5は、本開示の一例による、水中環境において使用するための別のセンサ懸架システム300を示す。図1A図1Cのセンサ懸架システム100と同様に、センサ懸架システム300は、センサ302と、センサ302を収容するようにサイズ決定されて構成された内部容積308を画定する複数の支持構造306を含むフレーム304とを含むことができる。センサ懸架システム300は、内部容積308内でセンサ302を懸架するように、センサ302をフレームワーク304に結合する弾性バンド又は部材のような複数のコンプライアントデバイス310(例えば、8x)を更に含むことができる。このように、複数のコンプライアントデバイス310は、図1Aの例を参照して、上記と同様に、水中環境に配備されると、少なくとも1つの自由度でセンサ302の対称的感知反応を実現する。したがって、センサ懸架システム300は、センサ懸架システム300を水中環境の水中表面に固定するベース又はアンカーにフレームワーク304の下端を繋げることによって、また、テザーを介してフレームワーク304の上端を浮遊デバイスに繋げることによって(例えば、図1A図6B図8Bを参照する)、水中環境において懸架できる。
【0044】
上記のものとは異なり、支持構造306は、折り畳み又は展開しない剛性の固定されたフレームワーク構造を含むことができ、したがって、互いに溶接又は固定され且つ実質的に立方体のエンベロープ又は形状を画定する複数の剛性部材(例えば、金属ポスト、ビーム、ロッド)によって画定できる点に留意されたい。したがって、センサ懸架システム300は、図5に示す形状で収容、搬送及び配備できる。或いは、フレームワーク304は、展開位置と折り畳み位置との間で移動するように互いに旋回可能に結合されたリンクを有する複数の支持構造で構成でき、立方体構成を提供できる。
【0045】
図6A及び図6Bは、本開示の一例による、水中環境においてセンサアレイA1を配備するためのセンサアレイ配備システム403及び関連する方法を概略的に示す。センサアレイ配備システム403は、水中環境Uの水中表面Gに配置するように動作可能な配備制御システム401を含むことができる。配備制御システム401は、大型の円筒形ドラム又は他の容器のような容器404と、水中表面G上で容器404及びシステム401の他の部品の位置を維持するために十分な負の浮力を提供する1つ以上の構造部品を有するアンカー又はベース405とを含むことができる。配備制御システム401は、センサアレイA1を配備及び/又は動作させるように動作する電子機器を支持及び収容するためにベース405(又はベース405の一部)に結合された電子機器支持ハウジング407を更に含むことができる。
【0046】
例えば、コントローラ409及び受信機411は、互いに通信可能に結合でき、電子機器支持ハウジング407内に支持できる。容器404は、テザー416によって互いに繋がれ且つ収容構成S1にある複数のセンサ懸架システム400を支持及び/又は収容できる。センサ懸架システム400は、概略的に示されているが、それぞれが、本明細書に開示されたセンサ懸架システムのうちいずれか1つ又はこれらの均等物とすることができる。センサ懸架システム400は、テザー420を介して、センサ懸架システム400の一端においてベース405に繋がれることができ、他端で浮遊デバイス418(例えば、ブイ)に繋がれることができる。浮遊デバイス418は、複数のセンサ懸架システム400で動作可能とすることができ、これは、浮遊デバイス418が、頂部又は上部センサ懸架システム400のフレームワークに直接取り付けられること、又は、図6A及び図6Bに概略的に示すように、頂部又は上部懸架システム400のフレームワークに繋がれることができることを意味するものとすることができる。
【0047】
一例では、センサ懸架システム400は、容器404の内部で収容構成S1になることができ、図1D図1Gに例示するように、折り畳み位置のそれぞれのフレームワークで容器404内に収容できる。センサ懸架システム400は、図1A及び図2A図2Cのハブ部品122a及び122b、及び/又は図3Aのハブ部品222等を介して、隣接するそれぞれの上部ハブ部品及び下部ハブ部品を互いに結合する複数のテザー416を介して連続して繋がれることができる。
【0048】
配置制御システム401は、収容構成S1においてセンサ懸架システム400を支持する場合、配置制御システム401が図6Aに示すように垂直に水中表面Gに静止するようになるか或いは他の方式で配置されるように、船又は潜水機から降下又は落下させることができる。センサアレイA1の配備を図6Bの配備構成に対して作動させる一例では、音響配置信号413が音響送信機(例えば、容器、ブイ、潜水機にある)を介して水中を通じて送信できる。受信機411は、音響配備信号413を受信するように構成でき、次いで、容器404から(或いは他の例では容器404の外部からであっても)浮遊デバイス418の解放を行わせるために、コマンド信号をコントローラ407に送信するように構成できる。浮遊デバイス418は、典型的なブイとすることができ、或いは、圧縮ガス膨張浮袋又はデバイスのような作動時に膨張するデバイスとすることができる。コントローラ407を介して解放又は作動されると、浮遊デバイス418は水面Sに向かって上昇する。浮遊デバイス418の上昇は、最初の或いは隣接して取り付けられたセンサ懸架システム400に張力を印加するように機能し、したがって、センサ懸架システム400を垂直位置に垂直方向に配置するように、センサ懸架システム400を容器404から引っ張る。それぞれの後続のセンサ懸架システム400は、図6Bに示すように、センサ懸架システム400の全てがセンサアレイA1を形成するようにこれらのそれぞれの位置に配備されるまで、浮遊デバイスの継続的な上昇によって同様に作用され、センサ懸架システム400のうち少なくとも1つが、配備制御システム401のベース405に固定又は繋げられ、センサアレイを所望の位置及び水中の所望の深さに維持する。完全に配置された場合でさえ、浮遊デバイスは、センサアレイA1を通じてセンサ懸架システム400のそれぞれに一定の張力を維持する。或いは、コントローラ407は、指定の時間に解放を行うようにプログラムされたタイマを介して浮遊デバイス418を解放するように動作可能とすることができる。
【0049】
さらに、センサ懸架システム400が容器404に収容されたときに折り畳み位置にある例では、浮遊デバイス418が表面Sに向かって上昇すると、浮遊デバイス418によって、テザー420及び他のテザー416を介してセンサ懸架システム400の全てに引張力又は張力荷重が加えられる。センサアレイA1はベース405に繋げられるので、浮遊デバイス418からのこの引張力は、センサ懸架システム400のそれぞれを折り畳み位置から展開位置に移動させ、それによって、2つ以上のコンプライアントデバイス(例えば、110a~110h)を介してフレームワーク(例えば、104)内に懸架される各センサ(例えば、102)を露出して懸架する。浮遊デバイス418の正の浮力は、センサ懸架システム400並びにテザー416及び420の集合の負の浮力に打ち勝つのに十分であるが、ベース405の負の浮力に打ち勝つのには十分ではない点に留意されたい。このように、センサアレイA1は、各センサ(例えば、102)が、例えば物体412からセンサに衝突する音波からセンサ出力データを生成又は作成するように動作できるように、所与の深さ又は所望の深さで水柱内に懸架又は配置される。
【0050】
センサ(例えば、102)によって生成されたセンサ出力データは、各センサのメモリデバイスに記憶でき、及び/又は、記憶及び後の取得のために受信機411又はメモリデバイスに無線送信できる。特定の時間の後に、センサによって生成されたセンサ出力データを取得及び処理するために、配備制御システム401の一部又は全部が取得できる。取得の一例では、音響取得信号は送信機から水中環境を通じて受信機411に送信できる。次いで、受信機411は、配備制御システム401(水中表面Gに残るベース405を除いたもの)、電子機器支持ハウジング407(メモリデバイスを含む)及びセンサ懸架システム400を解放するために、コマンド信号をコントローラ409に送信できる。その結果、浮遊デバイス418及びセンサ懸架システム400の集合は、船又は他の乗り物又はシステムによる回収のために水面Sに上昇でき、それにより、センサ及び電子機器支持ハウジング407が処理のために回収できる。
【0051】
ベース405からの電子機器支持ハウジング407、センサ懸架システム400の集合のセンサアレイA1、及び電子機器支持ハウジング407の解放は、ワイヤ燃焼、若しくはベース405と電子機器支持ハウジング407の構造との間の結合部材を解放するアクチュエータを作動させること、又はこれらの部品の水中解放のためのいずれかの他の適切な解放手段のような、いずれかの適切な解放システムによって達成できる。容器404からの浮遊デバイス418の解放は、コントローラ409がアクチュエータ、ワイヤ燃焼、又は他の部品から解放させるようにいくつかの部品を移動させる他の可動部品の作動を行わせるような適切な手段によって達成できる。
【0052】
電子機器支持ハウジング407は、バッテリのような電源を含むことができ、また、音響信号の受信と、センサ懸架システムの配備及び水面へのセンサアレイA1の解放とに関連する情報を処理するために送信機及びコントローラに結合されたプロセッサを含むことができる点に留意されたい。コントローラに浮遊デバイスを解放させることのような本明細書に記載の様々な機能を実現するためにプロセッサによって実行可能な命令を有するソフトウェアの形式のコンピュータ読み取り可能媒体のような、1つ以上のメモリデバイスは、記憶及びメモリへのアクセスのためにプロセッサに結合できる。
【0053】
図7A図8Bは、本開示の例による、水中環境においてセンサアレイA2(例えば、図8B)を配備するためのセンサアレイ配備システム503及び関連する方法を概略的に示す。センサアレイ配備システム503は、水中環境Uの水中表面Gに配備するように動作可能な配備制御システム501を含むことができる。配備制御システム501は、プロセッサ、受信機、コントローラ、メモリ、ベース又はアンカー等のような、図6Aを参照して説明したシステム401と同じ部品及び機能の多くを含むことができ、これらは全て、概略的に図示するベース505の側面とすることができる。
【0054】
この例では、センサアレイ配備システム503は、図8Aに示す位置において水中地表面Gに沿って位置することができ、したがって、図8Bに示すセンサアレイA2におけるセンサ懸架システム500の配備の準備が整っている。より具体的には、センサアレイ配備システム503は、それぞれが互いに取り外し可能に結合された上部ハウジング522a及び下部ハウジング522b(図7A及び図7B)を含む複数のセンサ解放システム521を含むことができる。上部ハウジング522a及び下部ハウジング522bは、センサ解放システム521の内外への水の自由な流れを可能にする開口を形成し、且つ折り畳み位置となることができるセンサ懸架システム500を収容して支持するように協働する、シェル半部を含むことができる。上部ハウジング522a及び下部ハウジング522bは、ハウジング522a及び522bを通る水の自由な流を可能にするために、それらの壁を通じて形成された複数の開口又は穴523をそれぞれ有することができる。一例では、上部ハウジング522a及び下部ハウジング522bは、ワイヤ燃焼又は同様の/適切な作動システムによって作動されるばね解放機構を介して互いに結合できる。
【0055】
上部ハウジング522a及び下部ハウジング522bは、チタン、ステンレス鋼等のような硬質材料で構成でき、上部ハウジング522bは、正の浮力材料(例えば、高密度硬質フォーム、浮袋又は他のもの)を含むことができる。したがって、下部ハウジング522bからの上部ハウジング522aの作動又は解放によって、上部ハウジング522aは表面Sに向かって浮動し、したがって、センサアレイA2に配備するためのセンサ懸架システム500を露出させることができる。
【0056】
図8Aを更に参照すると、センサ解放システム521は、センサ解放システム521の下部ハウジング522aを水中表面Gに保持するケーブルシステムのケーブル524のような適切な手段を介して、連続してベース505に互いに結合できる。複数のテザー516及び520(例えば、図8Bを参照する)は、センサ懸架システム500及び浮遊デバイス518を互いに繋げるように、ケーブル524に沿って制御ベース505から延在できる。浮遊デバイス518は、複数のセンサ懸架システム500と共に動作可能であり、これは、1つの浮遊デバイス518が、図示のように、直近に隣接する頂部又は上部のセンサ懸架システム500aのフレームワークに直接取り付けられるか、或いは、テザー520を介して頂部センサ懸架システム500aのフレームワークに繋げられることができることを意味するものとすることができる。
【0057】
センサ懸架システム500は、図7Bに示すように、折り畳み位置において収容でき、上部及び下部ハブ部品(122a、122b、222)のような、それぞれ上部及び下部ハブ部品に隣接して互いに結合する複数のテザー516を介して連続して互いに繋げられることができる。
【0058】
センサアレイ配備システム503は、船又は水中機から降下又は落下させることができ、それにより、センサアレイ配備システム503は、図8Aに示すように水中表面G上に水平方向に静止するか或いは別の方法で位置するようになる。図8Bの配備構成へのセンサアレイA2の配備を作動させる一例では、音響配備信号513は、音響送信機(例えば、船、ブイ、水中機にある)を介して水中を通じて送信できる。配備制御システム501の受信機は、音響配備信号513を受信するように構成でき、次いで、浮遊デバイス518の解放、及び下部ハウジング522bからの上部ハウジング522aの同時解放を行わせるためのコマンド信号をコントローラに送信するように構成できる。コマンド信号は、1つ以上のスプリングセットを介して、下部ハウジング522bから上部ハウジング522aの解放を行わせる第1のワイヤ燃焼動作をトリガするために使用できる。次いで、他のコマンド信号が制御ベース505から送信され、浮遊デバイス518をケーブル524に留めているケーブル留め具を解放すること等によって、浮遊デバイス518の解放を行わせる第2のワイヤ燃焼動作をトリガすることができる。上部ハウジング522aが全て解放され、浮遊デバイス518が解放されると、浮遊デバイス518は、図8Bに示すように、ベース505に固定されるか或いは繋げられている間に、複数のセンサ懸架システム500をセンサアレイA2に垂直方向に配置するように、水面Sに向かって上昇する。
【0059】
浮遊デバイス518が表面Sに向かって上昇すると、浮遊デバイス518によって、テザー520及び516を介してセンサ懸架システム500の全てに引張力又は張力が加えられる点に留意されたい。センサ懸架システム500は、ベース505に繋がれているので、この引張力は、センサ懸架システム500のそれぞれを折り畳み位置から展開位置に移動させ、それによって、2つ以上のコンプライアントデバイス(例えば110a~110h)を介してフレームワーク(例えば104)内で懸架された各センサ(例えば102)を露出させる。アレイA2のセンサによって生成されたセンサ出力データは、図6A及び6Bに関して上記に説明したものと同様の方式で、或いは他の適切な手段によって記憶及び取得できる。
【0060】
単一のセンサ懸架システムが、ベースと浮遊デバイスとの間に配備されて繋がれてもよく、或いは、複数のセンサ懸架システム(例えば、2つ以上)が、互いに水中表面に繋がれてもよい点に留意されたい。
【0061】
図面に示す例に参照が行われ、本明細書では、これを記述するために特定の言語が使用されている。それにもかかわらず、本技術の範囲の限定はそれによって意図されていないことが理解される。本明細書に示す特徴の変更及び更なる修正、並びに本明細書に示す例の更なる適用は、本明細書の範囲内であると考えられる。
【0062】
本開示は、本明細書に記載のいくつかの実施形態又は特徴が本明細書に記載の他の実施形態又は特徴と組み合わされ得ることを明示的に開示しないことがあるが、本開示は、当業者によって実施可能であるいずれかのこのような組み合わせを記載するものとして読まれるべきである。本開示における「又は」の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、非排他的論理和、すなわち、「及び/又は」を意味すると理解されるべきである。
【0063】
さらに、記載の特徴、構造又は特性は、1つ以上の例において、いずれかの適切な方式で組み合わされてもよい。上記の説明では、記載の技術の例の完全な理解を提供するための様々な構成の例のような、複数の特定の詳細が提供されている。しかし、当該技術は、特定の詳細のうち1つ以上を伴わずに、或いは他の方法、部品、デバイス等と共に実施されてもよいことが認識される。他の例では、周知の構造又は動作は、技術の側面を不明瞭にすることを回避するために、詳細に図示又は記載されない。
【0064】
構造的特徴及び/又は動作に特有の言語で対象物が記載されているが、添付の請求項において定義された対象物は、必ずしも上記の特定の特徴及び動作に限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形式として開示される。記載の技術の真意及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替の構成が考案され得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B