(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】RORγt活性阻害化合物、その調製方法及び応用
(51)【国際特許分類】
C07D 495/04 20060101AFI20230417BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230417BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230417BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230417BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230417BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230417BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230417BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
C07D495/04 105Z
A61K31/519
A61P19/02
A61P17/00
A61P11/06
A61P1/00
A61P37/02
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2021571506
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2020081051
(87)【国際公開番号】W WO2020238369
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】201910456766.3
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521521840
【氏名又は名称】▲賽▼▲爾▼瑞成(北京)生命科学技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 朝峰
(72)【発明者】
【氏名】柏 川
【審査官】小路 杏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107158003(CN,A)
【文献】国際公開第2010/006032(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/191537(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105061462(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108947922(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104814962(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 495/04
A61K 31/519
A61P 19/02
A61P 17/00
A61P 11/06
A61P 1/00
A61P 37/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(A)で表されるRORγt活性阻害化合物
:
【化1】
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立で水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル基、
【化2】
からなる群から選択される1つであり、R
4は、
【化3】
からなる群から選択され、
R
3は、メチル、
【化4】
からなる群から選択され
、
R
1
及びR
2
は同時に水素ではなく、R
3
はメチルであり、R
1
とR
2
の一方が水素である場合、他方はメチルではなく、或いは、
R
1
及びR
2
は同時に水素であり、R
3
は、
【化5】
からなる群から選択される。
【請求項2】
R
1とR
2の一方は水素であり、他方は、直鎖又は分岐鎖のC2~C4アルキル基、
【化6】
からなる群から選択され、或いは、
R
1とR
2は両方ともメチルであり、或いは、
R
1とR
2は、それぞれ独立でフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項
1に記載のRORγt活性阻害化合物。
【請求項3】
構造式(A)で表される化合物は、
【化7】
からなる群から選択される1つである、
ことを特徴とする請求項1に記載のRORγt活性阻害化合物。
【請求項4】
化合物
【化8】
、及び元素硫黄をモルホリンとエタノールの存在下で反応させて、化合物
【化9】
を調製する工程(式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立で水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル基、
【化10】
からなる群から選択され、R
4は、
【化11】
からなる群から選択される)と、
調製した化合物
【化12】
を塩化水素の1,4-ジオキサン溶液中でNC-R
3と反応させて、化合物
【化13】
を調製する工程(式中、R
3は、メチル、
【化14】
からなる群から選択される)と、
調製した化合物
【化15】
をオキシ塩化リンと反応させて、化合物
【化16】
を調製する工程と、
調製した化合物
【化17】
を重炭酸ナトリウムとジメチルスルホキシドの存在下で化合物
【化18】
と反応させて化合物
【化19】
を調製する工程
(式中、R
1
及びR
2
は同時に水素ではなく、R
3
はメチルであり、R
1
とR
2
の一方が水素である場合、他方はメチルではなく、或いは、
R
1
及びR
2
は同時に水素であり、R
3
は、
【化20】
からなる群から選択される)と、を含む、
ことを特徴とするRORγt活性阻害化合物の調製方法。
【請求項5】
前記化合物
【化21】
は、フェニルイソチオシアネートとアジ化ナトリウムを水溶液中で反応させることによって調製される、
ことを特徴とする請求項
4に記載のRORγt活性阻害化合物の調製方法。
【請求項6】
R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化22】
であり、
前記調製方法は、化合物
【化23】
を水酸化リチウム水溶液中で反応させて化合物
【化24】
を調製する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
4又は
5に記載のRORγt活性阻害化合物の調製方法。
【請求項7】
R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化25】
であり、
前記調製方法は、調製した化合物
【化26】
、R
4NH
2、HOBT、及びEDCIを超乾燥DCM溶媒に溶解して反応させて、化合物
【化27】
を調製する工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
6に記載のRORγt活性阻害化合物の調製方法。
【請求項8】
自己免疫疾患を治療する治療用調製物の調製、Th17細胞の形成を阻害する調製物の調製、RORγtの転写活性を阻害する調製物の調製、若しくは、IL17A遺伝子及び/又はIL17F遺伝子の転写発現を阻害する調製物の調製における請求項1~
3のいずれか一項に記載のRORγt活性阻害化合物の
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物合成の技術分野に関し、特に、RORγt活性阻害化合物、その調製方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自己免疫疾患は世界人口の約5%に影響を及ぼしている。乾癬、多発性硬化症、関節リウマチ、喘息、炎症性腸疾患などを含む約70種類以上の疾患は、すべて自己免疫疾患に関連している(Goodnow et al., 2005)。現在、自己免疫疾患の治療は、主に一部の非選択的免疫抑制剤に依頼されており、その効果が限られており、副作用が大きいため、臨床の視点から自己免疫疾患の治療に特に有効な薬剤はまだ見つかされない。そのため、治癒効果が高く副作用の少ない新規の自己免疫疾患の治療薬の開発が臨床的な急務となっている。
【0003】
研究によると、T細胞サブセットであるTh17細胞は、人間の自己免疫疾患および関連する動物モデルの発生に関わることが示される(Linden 2006; Kikly et al., 2006)。関節リウマチ、乾癬、喘息、炎症性腸疾患などの自己免疫疾患において、Th17細胞の特徴的なサイトカインであるIL17の発現がアップレギュレートされるため、IL17の発現とTh17細胞の形成に対する阻害は、自己免疫疾患の発生または臨床的重症度を軽減することができる(Bowman et al., 2006; Kikly et al., 2006)。既存の研究では、Th17細胞の分化と形成は転写因子RORγtによって制御され、RORγtノックアウトマウスのTh17細胞の分化能は低下し、数も減少するとともに、誘導されてマウスのEAE自己免疫疾患の発生の確率と臨床スコアリングインデックスの両方ともは大幅に減少したことが示される(Ivanov et al., 2006)。これは、RORγtの機能阻害剤がTh17でガイドする自己免疫疾患の治療薬を開発するための指向標的とすることができることを意味する。
【0004】
RORγtは、ステロイド核内受容体ファミリーのメンバーであり、そのタンパク質分子には、保存されたDNA結合ドメインと、12個のヘリックスからなるリガンド結合ドメインとが含まれ、リガンド結合ドメインは、リガンドの結合、核局在化、及び二量体の形成に対して重要な領域である。ステロイド受容体のコアクチベーター分子SRCは、リガンド結合ドメインのAF2領域に結合することにより、転写抑制因子複合体を解重合し、転写活性化因子分子を動員し、関連遺伝子の転写を起動させることができる(Glass and Rosenfeld, 2000)。現在、RORγtの天然リガンドは発見されていない。しかし、最近の2つの研究により、合成分子ジゴキシンとその誘導体(Huh et al., 20011; Fujita-Sato et al., 2011)およびSR1001(Solt et al., 2011)は、RORγtのリガンド結合ドメインに特異的に結合し、RORγtの機能を阻害し、Th17細胞の分化能を低下させ、マウスの自己免疫疾患EAEの臨床症状を弱めることができることが見出された。ただし、ジゴキシンとその誘導体は、毒性が非常に高い(Paula et al., 2005)。また、SR1001分子は、in vitroでTh17細胞の分化を効果的に阻害できるが、in vivo実験では、高濃度(40 mg/kg)で投与しても、EAEの臨床症状をわずかに軽減することが分かった。また、SR1001は、他のRORと相互作用する可能性があるため、選択性が低い(Solt et al., 2011)。これらの研究により、一方で、RORγtの機能を阻害することで自己免疫疾患を治療するのは実行可能な解決策であることが示されているが、理想的な標的薬はまだ発見されていない。したがって、高効率、低毒性、かつ特異性の高いRORγt機能阻害剤を探すことは、Th17でガイドする自己免疫疾患の治療薬の開発にとって重要な方向である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Goodnow et al., 2005
【文献】Linden 2006;
【文献】Kikly et al., 2006
【文献】Bowman et al., 2006
【文献】Ivanov et al., 2006
【文献】Glass and Rosenfeld, 2000
【文献】Huh et al., 20011
【文献】Fujita-Sato et al., 2011
【文献】Solt et al., 2011
【文献】Paula et al., 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、RORγt活性阻害化合物、その調製方法及び応用を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
RORγt活性阻害化合物は、構造式(A)で表される。
【化1】
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立で水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル基、
【化2】
からなる群から選択される1つであり、R
4は、
【化3】
からなる群から選択され、
R
3は、メチル、
【化4】
からなる群から選択される。
【0008】
一実施例において、R3は、メチルであり、R1及びR2は同時に水素ではなく、R1とR2の一方が水素である場合、他方はメチルではない。
【0009】
一実施例において、R
1とR
2の一方は水素であり、他方は、直鎖又は分岐鎖のC2~C4アルキル基、
【化5】
からなる群から選択され、或いは、R
1とR
2は両方ともメチルであり、或いは、R
1とR
2は、それぞれ独立でフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択される。
【0010】
一実施例において、R
1及びR
2は同時に水素であり、R
3は、
【化6】
からなる群から選択される。
【0011】
一実施例において、構造式(A)で表される化合物は、
【化7】
からなる群から選択される1つである。
【0012】
RORγt活性阻害化合物の調製方法は、化合物
【化8】
、及び元素硫黄をモルホリンとエタノールの存在下で反応させて、化合物
【化9】
を調製する工程(式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立で水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル基、
【化10】
からなる群から選択され、R
4は、
【化11】
からなる群から選択される)と、調製した化合物
【化12】
を塩化水素の1,4-ジオキサン溶液中でNC-R
3と反応させて、化合物
【化13】
を調製する工程(式中、R
3は、メチル、
【化14】
からなる群から選択される)と、調製した化合物
【化15】
をオキシ塩化リンと反応させて、化合物
【化16】
を調製する工程と、調製した化合物
【化17】
を重炭酸ナトリウムとジメチルスルホキシドの存在下で化合物
【化18】
と反応させて化合物
【化19】
を調製する工程と、を含む。
【0013】
一実施例において、前記化合物
【化20】
は、フェニルイソチオシアネートとアジ化ナトリウムを水溶液中で反応させることによって調製される。
【0014】
一実施例において、R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化21】
であり、前記調製方法は、化合物
【化22】
を水酸化リチウム水溶液中で反応させて化合物
【化23】
を調製する工程をさらに含む。
【0015】
一実施例において、R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化24】
であり、前記調製方法は、調製した化合物
【化25】
、R
4NH
2、HOBT、及びEDCIを超乾燥DCM溶媒に溶解して反応させて、化合物
【化26】
を調製する工程をさらに含む。
【0016】
上記の実施例のいずれか1つに記載のRORγt活性阻害化合物は、自己免疫疾患を治療する治療用調製物の調製、Th17細胞の形成を阻害する調製物の調製、RORγtの転写活性を阻害する調製物の調製、若しくは、IL17A遺伝子及び/又はIL17F遺伝子の転写発現を阻害する調製物の調製に使用される。
【0017】
発明者らは、検討により、構造式(A)で表される上記の化合物は、RORγtの活性に対して優れた阻害効果を有することを見出した。具体的には、ルシフェラーゼ活性レポーターシステム及びTh17細胞分化実験により、当該化合物がTh7細胞分化において重要な転写因子であるRORγtの転写を阻害し、RORγtの標的遺伝子であるIL17A及びIL17F分子の転写発現を阻害できることが証明された。フローサイトメーターにより、タンパク質レベルでのIL17Aの細胞内発現も明らかに阻害されたことが検出されるため、当該化合物分子がTh17細胞の活性に対して明らかな阻害機能を持っていることが証明された。したがって、当該化合物が、対応する活性阻害製剤の調製に用いられ、自己免疫疾患の治療薬を開発するためのリード構造を提供することができる。
【0018】
特に、本発明では、構造式(A)の化合物である先頭化合物についてさらなる研究を行い、それらを置換し、いくつかの置換基に対して創造的な設計及び検討を行った結果、多数の化合物のうち、RORγtの活性に対して明らかな阻害効果を有する化合物を見出した。これらの化合物に対する研究により、自己免疫疾患の治療薬のガイド薬剤や候補薬剤に対しても、より信頼性の高い技術サポートをさらに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、中間体及び化合物の合成経路の概略図である。
【
図2】
図2は、別の中間体及び化合物の合成経路の概略図である。
【
図3】
図3は、さらに別の中間体及び化合物の合成経路の概略図である。
【
図4】
図4は、化合物6の
1H NMRスペクトルである。
【
図5】
図5は、化合物6の
13H NMRスペクトルである。
【
図6】
図6は、化合物10の
1H NMRスペクトルである。
【
図7】
図7は、化合物10の
13H NMRスペクトルである。
【
図8】
図8は、化合物13の
1H NMRスペクトルである。
【
図9】
図9は、化合物13の
13H NMRスペクトルである。
【
図10】
図10は、化合物22の
1H NMRスペクトルである。
【
図11】
図11は、化合物22の
13H NMRスペクトルである。
【
図12】
図12は、化合物28の
1H NMRスペクトルである。
【
図13】
図13は、化合物28の
13H NMRスペクトルである。
【
図14】
図14は、化合物28のHR-ESI-MSスペクトルである。
【
図15】
図15は、化合物29のHR-ESI-MSスペクトルである。
【
図16】
図16は、化合物30のHR-ESI-MSスペクトルである。
【
図17】
図17は、化合物31の
1H NMRスペクトルである。
【
図18】
図18は、化合物31の
13H NMRスペクトルである。
【
図19】
図19は、化合物31のHR-ESI-MSスペクトルである。
【
図20】
図20は、RORγtの転写活性を阻害する化合物28及び31の結果を示す図である。
【
図21】
図21は、IL-17Aの細胞内のタンパク質発現を阻害する化合物6、10、22、28及び31のデータを示す図である。
【
図22】
図22は、Th17細胞の分化のin vitroでの誘導中に、RORγt(左)、IL17A(中間)、IL-17F(右)のmRNA発現を阻害する化合物6、10、22、28、及び31の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を容易に理解するために、図面を参照しながら本発明についてより全面的に説明する。図面には、本発明の最適な実施例が示されている。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に記載されている実施例に限定されるものではない。その一方で、これらの実施例を挙げる目的は、本発明の開示をさらに徹底的かつ全面に理解することである。
【0021】
他に定義されない限り、本明細書中で使用された全ての専門用語及び科学技術用語は、本発明に属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の明細書で使用された用語は具体的な実施例の説明のみを目的をとし、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用された用語「及び/又は」は、挙げられた1つ又は複数の関連項目の任意の、あらゆる組み合わせを含む。
【0022】
本発明は、以下の構造式(A)で表されるRORγt活性阻害化合物を提供する。
【化27】
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立で水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル基、
【化28】
からなる群から選択される1つであり、R
4は、
【化29】
からなる群から選択され、
R
3は、メチル、
【化30】
からなる群から選択される。
【0023】
特定の例において、R3は、メチルであり、R1及びR2は同時に水素ではなく、R1とR2の一方が水素である場合、他方はメチルではない。
【0024】
より具体的には、R
1とR
2の一方は水素であり、他方は、直鎖又は分岐鎖のC2~C4アルキル基、
【化31】
からなる群から選択され、或いは、R
1とR
2は両方ともメチルであり、或いは、R
1とR
2は、それぞれ独立でフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択される。
【0025】
別の特定の例において、R
1及びR
2は同時に水素であり、R
3は、
【化32】
からなる群から選択される。
【0026】
特定の例において、当該RORγt活性阻害化合物は、
【化33-1】
【化33-2】
【化33-3】
【化33-4】
からなる群から選択される1つであってもよい。
【0027】
好ましくは、当該RORγt活性阻害化合物は、
【化34】
からなる群から選択される1つである。
【0028】
本発明は、RORγt活性阻害化合物の調製方法を提供する。当該調製方法は、
化合物
【化35】
、及び元素硫黄をモルホリンとエタノールの存在下で反応させて、化合物
【化36】
を調製する工程と、調製した化合物
【化37】
を塩化水素の1,4-ジオキサン溶液中でNC-R
3と反応させて、化合物
【化38】
を調製する工程と、調製した化合物
【化39】
をオキシ塩化リンと反応させて、化合物
【化40】
を調製する工程と、調製した化合物
【化41】
を重炭酸ナトリウムとジメチルスルホキシドの存在下で化合物
【化42】
と反応させて化合物
【化43】
を調製する工程と、を含む。
【0029】
特定の例において、化合物
【化44】
は、フェニルイソチオシアネートとアジ化ナトリウムを水溶液中で反応させることによって調製される。
【0030】
より具体的には、R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化45】
であり、調製方法は、化合物
【化46】
を水酸化リチウム水溶液中で反応させて化合物
【化47】
を調製する工程をさらに含む。
【0031】
より具体的には、R
1とR
2の一方はHであり、他方は、
【化48】
であり、調製方法は、調製した化合物
【化49】
、R
4NH
2、HOBT、及びEDCIを超乾燥DCM溶媒に溶解して反応させて、化合物
【化50】
を調製する工程をさらに含む。
【0032】
上記のRORγt活性阻害化合物は、自己免疫疾患を治療する治療用調製物の調製、Th17細胞の形成を阻害する調製物の調製、RORγtの転写活性を阻害する調製物の調製、若しくは、IL17A遺伝子及び/又はIL17F遺伝子の転写発現を阻害する調製物の調製に使用される。当該構造式(A)で表される化合物は、RORγtの活性に対して優れた阻害効果を有している。具体的には、ルシフェラーゼ活性レポーターシステム及びTh17細胞分化実験により、当該化合物がTh7細胞分化において重要な転写因子であるRORγtの転写を阻害し、RORγtの標的遺伝子であるIL17A及びIL17F分子の転写発現を阻害できることが証明された。フローサイトメーターにより、タンパク質レベルでのIL17Aの細胞内発現も明らかに阻害されたことが検出されるため、当該化合物分子がTh17細胞の活性に対して明らかな阻害機能を持っていることが証明された。したがって、当該化合物が、対応する活性阻害製剤の調製に用いられ、自己免疫疾患の治療薬を開発するためのリード構造を提供することができる。
【0033】
以下、具体的な実施例を参照しながら、本発明のRORγt活性阻害化合物、その調製方法及び応用についてさらに詳細に説明する。
【0034】
一.各化合物及び中間体の調製
【0035】
図1~
図3を参照して、各化合物及び中間体の調製及び試験結果は、次のとおりである。
【0036】
1.中間体2
【0037】
化合物1(4-シクロヘキサノン誘導体、5.50mmol)、モルホリン(5.50mmol)、シアノ酢酸エチル(5.01mmol)、元素硫黄(5.50mmol)、および5mLのエタノールを、それぞれ100 mLのナス型フラスコに加えた。反応溶液を60℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した後、溶媒をスピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル= 50:1)により分離・精製して、中間体2(白色または黄色の固体、95%収率)を得た。
【0038】
2.中間体3
【0039】
化合物2を50mLの密閉チューブに加え、5mLのアセトニトリルで溶解し、次に4 mol/L HClの1,4-ジオキサン溶液(4mL)を加えた。反応溶液を100℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した後、溶媒をスピン乾燥させた。残留物を適量の酢酸エチルで溶解し、飽和NaHCO3水溶液を加えてアルカリ性に調整した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させて中間体3(白色固体、収率75%)を得た。中間体3を精製せずに直接次の反応に投入した。
【0040】
3.中間体4
【0041】
中間体3(0.82mmol)及び5mLのPOCl3を100mLのナス型フラスコに加えた。反応液を110℃で3時間還流して撹拌し、室温まで冷却した後、減圧下でスピン乾燥させた。残留物を適量の酢酸エチルで溶解し、飽和NaHCO3水溶液を加えてアルカリ性に調整した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させて中間体4(白色固体、収率97%)を得た。中間体4を精製せずに直接次の反応に投入した。
【0042】
4.中間体5
【0043】
フェニルイソチオシアネート(2700mg、20.00mmol)、NaN3(1952 mg、30.04mmol)、および20mLの水を、100mLのナス型フラスコに加えた。反応液を90℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した。反応液を酢酸エチルで抽出して、有機層の副生成物を除去した。水層を1N HCl水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させて中間体5(白色固体、収率75%)を得た。中間体5を精製せずに直接次の反応に投入した。
【0044】
5.化合物6
【0045】
中間体4(0.65mmol)、中間体5(0.73mmol)、NaHCO
3(1.30mmol)、および5mLのDMSOを、100 mLのナス型フラスコに加えた。反応液を80℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した。反応液を酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル=25:1)により分離・精製して、化合物6(白色固体、収率63%)を得た。試験データ:
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図4及び
図5に示される。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.63 (dt, J = 8.4, 3.6 Hz, 2H), 7.55 - 7.44 (m, 3H), 3.04 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 2.86 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.99 - 1.88 (m, 4H), 1.28 (s, 1H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 167.74 (s), 161.14 (s), 155.98 (s), 146.50 (s), 137.61 (s), 134.23 (s), 130.44 (s), 129.40 (s), 125.90 (d, J = 14.9 Hz), 124.53 (s), 29.70 (s), 26.07 (s), 25.72 (s), 25.21 (s), 22.42 (d, J = 12.8 Hz). ESI-MS m/z: 381.2 [M+H]
+。
【0046】
6.化合物7
【0047】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.69 (dd, J = 7.7, 1.8 Hz, 2H), 7.58 - 7.44 (m, 3H), 3.13 - 3.00 (m, 1H), 2.90 (dd, J = 17.0, 4.5 Hz, 2H), 2.41 (dd, J = 17.9, 10.3 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 1.93 (s, 2H), 1.52 - 1.42 (m, 1H), 1.05 (d, J = 6.5 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 167.38 (s), 161.09 (s), 156.58 (s), 147.59 (s), 137.40 (s), 134.03 (s), 131.13 (s), 129.97 (s), 125.96 (s), 125.44 (s), 33.37 (s), 30.28 (s), 28.68 (s), 25.76 (s), 25.36 (s), 21.39 (s). ESI-MS m/z: 395.10 [M+H] +。
【0048】
7.化合物8
【0049】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.64 - 7.57 (m, 2H), 7.50 - 7.42 (m, 3H), 3.17 (dd, J = 10.6, 8.2 Hz, 1H), 2.98 - 2.86 (m, 2H), 2.49 - 2.43 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.12 - 2.04 (m, 1H), 1.82 - 1.70 (m, 1H), 1.55 - 1.38 (m, 3H), 0.99 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 167.90 (s), 161.13 (s), 155.98 (s), 146.52 (s), 137.45 (s), 134.21 (s), 130.47 (s), 129.43 (s), 125.89 (s), 124.55 (s), 35.62 (s), 31.66 (s), 28.40 (d, J = 20.6 Hz), 28.31 - 28.13 (m), 25.85 (s), 25.24 (s), 11.44 (s). ESI-MS m/z: 409.26 [M+H] +。
【0050】
8.化合物9
【0051】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.69 (dd, J = 7.6, 1.9 Hz, 2H), 7.56 - 7.46 (m, 3H), 3.07 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.95 - 2.82 (m, 2H), 2.42 (dd, J = 17.2, 9.9 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H), 1.99 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 1.80 (s, 1H), 1.46 (ddd, J = 23.8, 10.8, 5.8 Hz, 1H), 1.41 - 1.29 (m, 4H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 167.40 (s), 161.08 (s), 156.54 (s), 147.58 (s), 137.54 (s), 134.03 (s), 131.13 (s), 129.97 (s), 126.19 (s), 125.44 (s), 37.83 (s), 33.33 (s), 31.67 (s), 28.46 (s), 25.77 (s), 25.37 (s), 19.90 (s), 14.61 (s). ESI-MS m/z: 423.21 [M+H] +。
【0052】
9.化合物10
【0053】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図6及び
図7に示される。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.65 - 7.59 (m, 2H), 7.51 - 7.44 (m, 3H), 3.02 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.62 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 2.45 (d, J = 20.8 Hz, 3H), 2.16 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 1.76 - 1.54 (m, 4H), 1.44 - 1.40 (m, 1H), 1.37 (s, 1H), 1.33 (s, 1H), 1.24 (dd, J = 24.2, 13.0 Hz, 4H), 1.06 (s, 6H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 167.92 (s), 161.11 (s), 156.08 (s), 146.55 (s), 137.11 (s), 134.20 (s), 130.49 (s), 129.44 (s), 125.66 (s), 124.60 (s), 39.14 (s), 35.16 (s), 31.48 (d, J = 8.8 Hz), 30.51 - 29.31 (m), 29.39 - 29.31 (m), 27.70 (s), 25.24 (s), 23.85 (s). ESI-MS m/z: 409.15 [M+H]
+。
【0054】
10.化合物11
【0055】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.60 (dd, J = 6.4, 3.0 Hz, 2H), 7.45 (dd, J = 7.2, 3.6 Hz, 3H), 3.24 (dd, J = 16.1, 4.9 Hz, 1H), 2.85 (td, J = 16.5, 5.2 Hz, 2H), 2.62 - 2.53 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.18 - 2.13 (m, 1H), 1.58 (ddd, J = 11.8, 4.5, 3.0 Hz, 1H), 1.43 (ddd, J = 24.7, 12.3, 5.1 Hz, 1H), 0.96 (s, 9H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 167.95 (s), 161.12 (s), 155.89 (s), 146.50 (s), 138.40 (s), 134.18 (s), 130.48 (s), 129.43 (s), 125.93 (s), 125.57 (s), 124.52 (s), 44.52 (s), 32.51 (s), 27.22 (t, J = 18.6 Hz), 25.27 (s), 24.05 (s). ESI-MS m/z: 437.26 [M+H] +。
【0056】
11.化合物12
【0057】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.63 - 7.57 (m, 2H), 7.51 - 7.43 (m, 3H), 3.34 (ddd, J = 30.6, 12.3, 4.6 Hz, 4H), 2.36 (ddd, J = 20.1, 13.4, 6.6 Hz, 2H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 167.97 (s), 161.71 (s), 157.22 (s), 147.50 (s), 133.95 (s), 131.13 (s), 129.97 (s), 125.41 (s), 124.77 (s), 124.52 (s), 34.97 (d, J = 28.7 Hz), 34.76 - 34.65 (m), 34.62 (s), 29.94 (s), 29.65 (d, J = 24.2 Hz), 29.41 - 29.18 (m), 25.39 (s), 23.86 (s). ESI-MS m/z: 417.14 [M+H]+。
【0058】
12.化合物13
【0059】
実験操作は、化合物6を参照する通りである。試験データ:
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図8及び
図9に示される。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.63 - 7.57 (m, 2H), 7.52 - 7.44 (m, 3H), 4.20 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.20 (ddd, J = 16.3, 5.3, 4.4 Hz, 1H), 3.09 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 3.07 - 2.96 (m, 1H), 2.92 - 2.80 (m, 1H), 2.41 (d, J = 15.8 Hz, 3H), 2.39 - 2.28 (m, 1H), 2.08 - 1.97 (m, 1H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 173.90 (s), 167.91 (s), 161.48 (s), 156.26 (s), 146.33 (s), 135.68 (s), 134.15 (s), 130.53 (s), 129.46 (s), 125.36 (d, J = 7.5 Hz), 124.56 (s), 60.99 (s), 39.17 (s), 27.79 (s), 25.54 - 24.89 (m), 14.23 (s). ESI-MS m/z: 453.26 [M+H]
+。
【0060】
13.化合物14
【0061】
化合物13(1.30mmol)を100mlのナス型フラスコに加え、10mlのTHF超乾燥溶媒で溶解し、次に1N LiOH水溶液(3.9ml、3.9mmol)を加えた。反応液を室温で一晩撹拌し、1mLのHCl水溶液を加えて酸性化し、酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:アセトン=3:1)により分離・精製して、化合物14(白色または黄色の固体、収率49%)を得た。試験結果:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.49 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 2H), 7.54 - 7.45 (m, 3H), 3.10 - 3.01 (m, 2H), 2.94 (dd, J = 16.9, 8.6 Hz, 2H), 2.88 - 2.78 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.24 - 2.15 (m, 1H), 1.88 (ddd, J = 15.5, 12.5, 7.6 Hz, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 175.67 (s), 167.42 (s), 161.25 (s), 156.66 (s), 147.55 (s), 136.37 (s), 134.00 (s), 131.13 (s), 129.98 (s), 125.80 (s), 125.32 (d, J = 27.1 Hz), 38.61 (s), 27.73 (s), 25.24 (d, J = 31.8 Hz), 25.00 (s). ESI-MS m/z: 423.17 [M-H] -.
【0062】
14.化合物15
【0063】
化合物14(0.28mmol)、芳香族ヘテロアミン誘導体(0.57mmol)、HOBT(0.31mmol)、及びEDCI(0.31mmol)を100mLのナス型フラスコに加え、10mLのDCM超乾燥溶媒で溶解した。反応液を室温で一晩撹拌し、減圧下でスピン乾燥させ、酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:アセトン=10:1)により分離・精製して、化合物15(黄色固体、収率63%)を得た。試験結果:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.72 - 7.67 (m, 2H), 7.63 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 3.81 (d, J = 11.0 Hz, 3H), 3.78 - 3.72 (m, 1H), 3.10 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 3.02 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.72 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 2.62 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.30 (s, 1H), 2.08 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 1.80 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.69 (s, 3H), 1.39 (dd, J = 15.6, 7.2 Hz, 3H), 1.20 (s, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 173.16 (s), 167.40 (s), 161.18 (s), 156.60 (s), 147.63 (s), 136.86 (s), 133.98 (s), 131.15 (s), 129.98 (s), 125.69 (s), 125.44 (s), 125.27 (s), 66.35 (s), 45.36 (s), 32.95 (d, J = 8.0 Hz), 28.31 (s), 26.12 (s), 25.43 (d, J = 15.8 Hz). ESI-MS m/z: 530.23 [M+Na] +。
【0064】
15.化合物16
【0065】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=66%。試験データ:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.98 (s, 1H), 7.70 (dd, J = 7.7, 1.8 Hz, 2H), 7.56 - 7.49 (m, 3H), 7.47 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.16 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 3.09 - 2.84 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.25 - 2.19 (m, 1H), 1.96 - 1.85 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 172.87 (s), 167.46 (s), 161.23 (s), 157.27 (s), 156.63 (s), 147.62 (s), 139.57 (s), 138.34 (s), 136.68 (s), 134.02 (s), 131.14 (s), 129.98 (s), 129.01 (s), 125.73 (s), 125.48 (t, J = 25.0 Hz), 124.38 (s), 120.22 (s), 116.86 (s), 28.22 (s), 26.81 (s), 26.08 (s), 25.45 (d, J = 18.5 Hz), 23.76 (s), 21.66 (s). ESI-MS m/z: 514.26 [M+H] +。
【0066】
16.化合物17
【0067】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=70%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.97 (s, 1H), 7.74 - 7.66 (m, 2H), 7.52 (dd, J = 9.6, 2.6 Hz, 5H), 7.16 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 16.0, 7.3 Hz, 2H), 2.96 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 2.90 - 2.79 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.22 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 1.95 - 1.85 (m, 1H), 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 6H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 172.70 (s), 167.47 (s), 161.23 (s), 156.62 (s), 147.64 (s), 143.76 (s), 137.41 (s), 136.72 (s), 134.01 (s), 131.14 (s), 129.98 (s), 126.87 (s), 125.71 (s), 125.38 (d, J = 16.7 Hz), 119.77 (s), 33.33 (s), 28.26 (s), 26.12 (s), 25.92 - 25.66 (m), 25.46 (d, J = 21.2 Hz), 24.43 (s). ESI-MS m/z: 542.35 [M+H]+。
【0068】
17.化合物18
【0069】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=44%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.74 - 7.64 (m, 2H), 7.56 - 7.47 (m, 3H), 7.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.28 - 7.19 (m, 3H), 4.33 - 4.28 (m, 2H), 3.10 (s, 1H), 2.95 (dd, J = 29.7, 23.5 Hz, 3H), 2.81 - 2.70 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.19 - 2.10 (m, 1H), 1.96 - 1.78 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 129.98 (s), 128.78 (s), 127.59 (s), 125.36 (d, J = 18.6 Hz), 41.40 - 39.92 (m), 39.74 (d, J = 21.0 Hz), 39.49 (s), 25.42 (d, J = 12.2 Hz). ESI-MS m/z: 514.17 [M+H] +。
【0070】
18.化合物19
【0071】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=32%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.36 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.61 - 7.55 (m, 2H), 7.49 (dd, J = 14.4, 7.9 Hz, 4H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.20 (dd, J = 15.8, 7.3 Hz, 2H), 3.06 - 2.97 (m, 2H), 2.94 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.36 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 2.06 (dd, J = 12.6, 5.4 Hz, 1H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 172.55 (s), 167.89 (s), 161.41 (s), 155.72 (s), 146.52 (s), 139.19 (s), 136.08 (s), 134.70 (s), 133.92 (s), 130.76 (s), 130.00 (s), 129.58 (s), 125.14 (s), 124.93 (s), 124.48 (s), 120.04 (s), 117.84 (s), 41.76 (s), 28.22 (s), 26.92 (s), 26.27 (s), 25.35 (d, J = 14.7 Hz). ESI-MS m/z: 534.20 [M+H] +。
【0072】
19.化合物20
【0073】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=49%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.20 (s, 1H), 7.72 - 7.66 (m, 2H), 7.60 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.55 - 7.44 (m, 5H), 5.47 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 3.62 (dq, J = 13.1, 6.5 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 3.08 - 2.84 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 2.23 (dd, J = 10.8, 2.4 Hz, 1H), 1.95 - 1.85 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 173.13 (s), 167.47 (s), 161.25 (s), 157.27 (s), 156.65 (s), 147.63 (s), 139.00 (s), 136.56 (s), 134.01 (s), 132.01 (s), 131.15 (s), 129.98 (s), 125.70 (s), 125.45 (s), 121.58 (s), 115.25 (s), 28.16 (s), 25.99 (s), 25.44 (d, J = 15.3 Hz), 23.76 (s). ESI-MS m/z: 578.09 [M-H] -。
【0074】
20.化合物21
【0075】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=43%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.28 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 7.7, 1.8 Hz, 2H), 7.55 - 7.50 (m, 3H), 7.48 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.18 - 3.02 (m, 4H), 2.94 (dd, J = 13.8, 6.4 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.24 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 1.98 - 1.89 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 172.90 (s), 167.45 (s), 161.30 (s), 158.40 (s), 156.67 (s), 147.63 (s), 138.13 (s), 136.31 (s), 134.00 (s), 131.15 (s), 129.99 (s), 125.71 (s), 125.43 (s), 125.26 (s), 114.02 (s), 31.16 (s), 27.77 (s), 25.81 (s), 25.38 (s). ESI-MS m/z: 507.19 [M+H] +。
【0076】
21.化合物22
【0077】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=20%。
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図10及び
図11に示される。
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 7.57 (dt, J = 8.7, 3.9 Hz, 2H), 7.51 - 7.43 (m, 3H), 7.40 (s, 2H), 7.02 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 3.28 - 3.11 (m, 2H), 3.01 (ddd, J = 30.5, 19.2, 7.3 Hz, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.36 (d, J = 0.9 Hz, 3H), 2.30 (dd, J = 16.7, 10.2 Hz, 1H), 2.13 - 1.99 (m, 1H).
13C NMR (126 MHz, MeOD) δ 133.85 (s), 130.74 (s), 129.53 (s), 124.49 (s), 77.54 (s), 77.40 (d, J = 32.2 Hz), 77.01 (s), 49.18 (s), 49.09 - 48.65 (m), 48.50 (s), 48.33 (s), 48.15 (s), 40.09 (s), 27.73 (s), 25.77 (s), 25.21 (s), 24.81 (s), 11.20 (s). ESI-MS m/z: 521.25 [M+H]
+。
【0078】
22.化合物23
【0079】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=38%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.31 (s, 1H), 8.78 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 4.6, 1.3 Hz, 1H), 8.08 (ddd, J = 8.3, 2.3, 1.5 Hz, 1H), 7.83 - 7.66 (m, 2H), 7.62 - 7.42 (m, 2H), 7.36 (dd, J = 8.2, 4.7 Hz, 1H), 3.26 - 2.81 (m, 5H), 2.60 - 2.45 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.27 (dd, J = 8.9, 5.0 Hz, 1H), 2.10 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.03 - 1.84 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 173.71 (s), 167.42 (s), 161.25 (s), 156.66 (s), 147.60 (s), 143.27 (s), 139.63 (s), 136.76 (s), 136.43 (s), 133.98 (s), 131.16 (s), 129.98 (s), 128.16 (s), 125.69 (s), 125.44 (s), 125.24 (s), 124.85 (s), 28.00 (s), 25.93 (s), 25.39 (d, J = 4.8 Hz). ESI-MS m/z: 501.36 [M+H] +。
【0080】
23.化合物24
【0081】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=33%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 9.1, 4.1 Hz, 1H), 7.81 - 7.63 (m, 3H), 7.61 - 7.46 (m, 3H), 3.14 (t, J = 16.1 Hz, 1H), 3.12 - 2.85 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 2.31 - 2.15 (m, 1H), 1.90 (d, J = 7.9 Hz, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 173.69 (s), 167.43 (s), 161.25 (s), 156.63 (s), 149.02 (s), 147.63 (s), 136.60 (s), 135.88 (s), 135.68 (s), 133.98 (s), 131.15 (s), 129.99 (s), 125.76 (d, J = 19.8 Hz), 125.44 (s), 125.25 (s), 115.03 (d, J = 3.5 Hz), 27.97 (s), 26.12 (s), 25.46 (d, J = 19.1 Hz). ESI-MS m/z: 519.21 [M+H] +。
【0082】
24.化合物25
【0083】
実験操作は、化合物15を参照する通りである。収率=42%。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 12.59 (s, 1H), 7.93 - 7.87 (m, 1H), 7.76 (dt, J = 8.9, 4.4 Hz, 1H), 7.74 - 7.69 (m, 2H), 7.53 (t, J = 1.8 Hz, 3H), 7.29 (ddd, J = 9.2, 7.5, 3.0 Hz, 1H), 3.21 - 3.02 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.4, 8.0 Hz, 1H), 2.45 (s, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.36 - 2.27 (m, 1H), 2.09 (s, 1H), 2.02 - 1.93 (m, 1H), 1.28 - 1.17 (m, 1H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ 174.01 (s), 167.41 (s), 161.27 (s), 160.03 (s), 158.34 (s), 158.12 (s), 156.63 (s), 147.59 (s), 145.64 (s), 136.12 (s), 133.99 (s), 133.14 (d, J = 11.0 Hz), 131.13 (s), 129.97 (s), 125.63 (s), 125.42 (s), 125.16 (s), 122.04 (d, J = 8.9 Hz), 114.76 (s), 114.56 (s), 108.96 - 108.71 (m), 108.57 (d, J = 26.9 Hz), 27.60 (s), 25.69 (s), 25.37 (s). APCI-MS m/z: 574.8 [M+H] +。
【0084】
25.中間体26
【0085】
中間体2を50mLの密閉チューブに加え、5mLのシアノ酢酸エチルで溶解し、次に4mmol/L HClの1,4-ジオキサン溶液(4mL)を加えた。反応液を100℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した後、減圧下でスピン乾燥させた。残留物を適量の酢酸エチルで溶解し、飽和NaHCO3水溶液を加えてアルカリ性に調整した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層を減圧下でスピン乾燥させて中間体26の粗生成物(黄色固体、収率75%)を得た。中間体26を精製せずに直接次の反応に投入した。
【0086】
26.中間体27
【0087】
中間体26(0.82mmol)及び5mLのPOCl3を100mLのナス型フラスコに加えた。反応液を110℃で3時間還流して撹拌し、室温まで冷却した後、減圧下でスピン乾燥させた。残留物を適量の酢酸エチルで溶解し、飽和NaHCO3水溶液を加えてアルカリ性に調整した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層をスピン乾燥させて中間体27の粗生成物(黄色固体、収率97%)を得た。中間体27を精製せずに直接次の反応に投入した。
【0088】
27.化合物28
【0089】
中間体27(0.65mmol)、中間体5(0.73mmol)、重炭酸ナトリウム固体(1.30mmol)、および5mLのDMSOを、100 mLのナス型フラスコに加えた。反応液を80℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した。反応液を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層をスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル=25:1)により分離・精製して、化合物28(白色固体、収率63%)を得た。試験結果:
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図12及び
図13に示される。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.66 (dd, J = 6.5, 2.8 Hz, 2H), 7.57 - 7.44 (m, 3H), 3.96 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.31 (s, 5H), 2.95 (s, 2H), 2.82 (s, 2H), 1.83 (d, J = 4.4 Hz, 4H), 1.10 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 169.13 (s), 167.69 (s), 157.44 (s), 156.91 (s), 146.25 (s), 138.85 (s), 133.94 (s), 130.60 (s), 129.49 (s), 126.56 (s), 126.08 (s), 124.93 (s), 61.25 (s), 44.71 (s), 25.91 (d, J = 27.1 Hz), 25.75 - 25.61 (m), 22.37 (d, J = 11.1 Hz), 14.08 (s). ESI-MS m/z: 453.11626 [M+H]
+。HR-ESI-MSスペクトルは、
図14に示される。
【0090】
28.化合物29
【0091】
化合物28(1.30mmol)を100mlのナス型フラスコに加え、10mlのTHF超乾燥溶媒で溶解し、次に1N LiOH水溶液(3.9ml、3.9mmol)を加えた。反応液を室温で一晩撹拌し、1NのHCl水溶液を加えて酸性化し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層を減圧下でスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:アセトン=3:1)により分離・精製して、化合物29(黄色固体、収率66%)を得た。試験結果:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.64 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.44 (dt, J = 14.0, 7.0 Hz, 3H), 3.46 (s, 3H), 2.92 (s, 2H), 2.78 (s, 2H), 1.91 - 1.74 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ 167.09 (s), 156.53 (s), 147.63 (s), 137.90 (s), 133.81 (s), 131.11 (s), 129.99 (s), 127.11 - 126.28 (m), 126.21 (s), 126.17 - 125.23 (m), 26.04 (s), 25.57 (s), 22.31 (d, J = 11.7 Hz). ESI-MS m/z: 425.08487 [M+H]
+ 。HR-ESI-MSスペクトルは、
図15に示される。
【0092】
29.化合物30
【0093】
化合物29(0.28mmol)、2-アミノ-5-メチルピリジン(0.57mmol)、HOBT(0.31mmol)、及びEDCI(0.31mmol)を100mLのナス型フラスコに加え、10mLのDCM超乾燥溶媒で溶解した。反応液を室温で一晩撹拌し、スピン乾燥させ、酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、有機層をスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:アセトン=10:1)により分離・精製して、化合物30(黄色固体、収率59%)を得た。試験結果:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.92 - 7.82 (m, 1H), 7.66 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.57 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.83 (s, 2H), 2.95 (s, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.73 - 2.65 (m, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.23 (s, 3H), 1.83 (d, J = 4.9 Hz, 4H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ 163.55 (s), 158.95 (s), 154.66 (s), 131.20 (s), 130.96 (s), 120.62 (s), 25.73 (s), 24.82 (s), 22.99 (s), 22.26 (s), 21.28 (s). ESI-MS m/z: 515.14344 [M+H]
+。HR-ESI-MSスペクトルは、
図16に示される。
【0094】
30.化合物31
【0095】
化合物29(0.28mmol)、2-アミノベンズイミダゾール(0.57mmol)、HOBT(0.31mmol)、及びEDCI(0.31mmol)を100mLのナス型フラスコに加え、10mLのDCM超乾燥溶媒で溶解した。反応液を室温で一晩撹拌し、減圧下でスピン乾燥させ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機層を減圧下でスピン乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:アセトン=10:1)により分離・精製して、化合物31(黄色固体、収率59%)を得た。Yield=29%。試験結果:
1H NMRスペクトル及び
13C NMRスペクトルは、それぞれ
図17及び
図18に示される。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.72 - 7.65 (m, 2H), 7.54 - 7.33 (m, 5H), 7.12 - 7.02 (m, 2H), 3.93 - 3.86 (m, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.86 - 2.79 (m, 2H), 1.88 - 1.75 (m, 4H).
13C NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ 167.12 (s), 158.96 (s), 158.61 (s), 157.32 (s), 154.68 (s), 147.37 (s), 138.89 (s), 133.86 (s), 131.10 (t, J = 15.5 Hz), 129.86 (s), 128.03 - 126.57 (m), 126.44 (s), 125.97 (d, J = 59.1 Hz), 121.54 (s), 31.62 (s), 30.29 (s), 29.47 (s), 29.16 (s), 26.05 (s), 25.82 - 24.54 (m), 22.99 (s), 22.29 (d, J = 6.9 Hz), 21.29 (s). ESI-MS m/z: 540.13865 [M+H]
+。HR-ESI-MSスペクトルは、
図19に示される。
【0096】
二.抑制効果の検出
【0097】
EC50及びCC50の検出:EC50(half maximal (50%) effective concentration)は、RORγt-LBD+ -Jurkat細胞に対する最大有効濃度の半分であり、CC50(median (50%) cytotoxic concentration)は、RORγt-LBD+ -Jurkat細胞に対する細胞毒性濃度の中央値である。結果は、以下の表1~3に示される。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
図20は、RORγtの転写活性を阻害する化合物28及び31の結果を示した。化合物28(左)の場合、EC
50=0.14μMとなり、化合物31(右)の場合、EC
50=0.85μMとなる。
図20から、化合物28および31がRORγtの転写活性に対して明らかな阻害効果を有することが分かった。
【0102】
図21は、IL-17Aの細胞内のタンパク質発現を阻害する化合物6、10、22、28及び31のデータを示した。
図21から、化合物6、10、22、28及び31が明らかな阻害効果を有することが分かった。
図21において、左から右の順で、溶媒群、1.56μMの化合物群、312μMの化合物群、6.25μMの化合物群である。
【0103】
図22は、Th17細胞の分化のin vitroでの誘導中に、RORγt(左)、IL17A(中間)、IL-17F(右)のmRNA発現を阻害する化合物6、10、22、28、及び31の結果を示した。
図22において、左から右の順で、溶媒群、1.56μMの化合物群、312μMの化合物群、6.25μMの化合物群である。
図22から、化合物6、10、22、28及び31が明らかな阻害効果を有することが分かった。
【0104】
また、他の化合物に対しても同様の実験が行われた。その結果は化合物6、10、22、28、31の結果よりもわずかに悪化するが、投与量と濃度の増加につれて、RORγtの転写活性に対して明らかな阻害効果も観察した。
【0105】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0106】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的且つ詳細であるが、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形及び改良を行うことができ、これらもすべて本発明の保護範囲内にある。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。