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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20230417BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
E04H1/12 A
E04B2/74 561H
E04B2/74 561E
E04H1/12 302Z
E04H1/12 305
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022039283
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2019045797の分割
【原出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2022071217
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴規
(72)【発明者】
【氏名】北田 一彦
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-147983(JP,A)
【文献】特開2015-086545(JP,A)
【文献】特開2004-150255(JP,A)
【文献】特開2012-095858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を区画する側壁と、
前記内部空間を複数の個別空間に仕切るロールスクリーンと、
複数の前記個別空間それぞれに設置された什器と、
前記側壁に設けられて、複数の前記個別空間それぞれを個別に開閉可能な扉と、
を備え
前記ロールスクリーンは、正面の前記側壁、及び前記正面の側壁に対向する背面の側壁の間に設けられ、
前記扉は、前記正面の側壁に設けられ、
前記扉は、一方の前記個別空間を開閉する一方の扉、及び前記ロールスクリーンを間に挟んで一方の前記個別空間に隣り合う他方の前記個別空間を開閉する他方の扉を含み、
前記一方の扉及び前記他方の扉は、前記正面の側壁のうち中央に位置する中央壁面に対して両側に配置され、
前記一方の扉及び前記他方の扉は、前記中央壁面側とは反対側の端部を支点に回転可能に構成されていることを特徴とするブース。
【請求項2】
前記什器は、机を含み、
複数の前記個別空間それぞれに配置された前記机は、前記ロールスクリーンを間に挟んで向かい合って配置されている請求項1に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側壁で区画された内部空間を有するブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや展示場や公共施設等において、執務や打ち合わせやテレビ会議等を行うためのブースが設置されていることがある。特に、近年、オフィスのフリーアドレス化や携帯端末やパソコン等のICT(情報通信技術)を活用したモバイルワークが進展している。そのため、各種の移動先でブースを利用して執務や打ち合わせ等を行う機会が増加している。スモールオフィスとしても利用可能である。
【0003】
このようなブースの一例として、例えば特許文献1に記載されたブース装置が提案されている。このブース装置は、オフィスや展示場等において周壁で仕切られた内部空間内に机とモニター等が設置され、利用者が椅子に着座して単独で執務できるようになっている。
このブース装置は一人で集中作業を行う用途であるため、一人用のブースが提案されている。一方、複数人数での打ち合わせやミーティング、研修等を行うために2名用のブースも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-37671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2名用のブースは内部空間に2名分のスペースがありながら、1つの空間であるため独立した集中作業等の執務は1名でしか行えなかった。また、これらのブースは1名による執務等の作業の方が2名以上による打ち合わせ等の作業よりニーズが多かった。そのため、1名用のブースと2名用のブースを別個に設置するのは利用効率が悪くてコスト高になるという問題があった。
【0006】
本願発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、単独での使用と複数人での使用を必要に応じて選択できるブースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるブースは、内部空間を区画する側壁と、前記内部空間を複数の個別空間に仕切るロールスクリーンと、複数の前記個別空間それぞれに設置された什器と、前記側壁に設けられて、複数の前記個別空間それぞれを個別に開閉可能な扉と、を備え、前記ロールスクリーンは、正面の前記側壁、及び前記正面の側壁に対向する背面の側壁の間に設けられ、前記扉は、前記正面の側壁に設けられ、前記扉は、一方の前記個別空間を開閉する一方の扉、及び前記ロールスクリーンを間に挟んで一方の前記個別空間に隣り合う他方の前記個別空間を開閉する他方の扉を含み、前記一方の扉及び前記他方の扉は、前記正面の側壁のうち中央に位置する中央壁面に対して両側に配置され、前記一方の扉及び前記他方の扉は、前記中央壁面側とは反対側の端部を支点に回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記什器は、机を含み、複数の前記個別空間それぞれに配置された前記机は、前記ロールスクリーンを間に挟んで向かい合って配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るブースによれば、複数人で共同で使用する場合には内部空間を可動仕切り部で仕切ることなく単一空間として使用でき、個別に使用する場合には可動仕切り部で内部空間を仕切ることで複数の個別空間として個別に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態によるブースを複数の個別空間に仕切った斜視図である。
図2図1に示すブースの使用状態を示す平面図である。
図3】ブースの単一空間での斜視図である。
図4図3に示すブースの使用状態を示す平面図である。
図5】第二実施形態によるブースを個別空間に仕切った斜視図である。
図6図5に示すブースの使用状態の平面図である。
図7】ブースの単一空間での斜視図である。
図8】第三実施形態によるブースの単一空間での斜視図である。
図9】第四実施形態によるブースの個別空間での使用状態を示す平面図である。
図10】第五実施形態によるブースの個別空間を示す平面図である。
図11】第六実施形態によるブースの個別空間での使用状態を示す平面図である。
図12】第七実施形態によるブースの個別空間での使用状態を示す平面図である。
図13】第八実施形態によるブースの個別空間での使用状態を示す平面図である。
図14図13に示すブースの側断面図である。
図15】第九実施形態によるブースの単一空間での斜視図である。
図16図15に示すブースの個別空間での使用状態を示す平面図である。
図17】第九実施形態の変形例によるブースの使用状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態によるブースを添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図4は、本発明の第一実施形態によるブース1を示すものである。
本実施形態によるブース1は、オフィスや公共施設等において床面上に設置され、例えば天井部分が開口した四角形筒状に形成されている。ブース1は四角形筒状の各角部に設置された4本の支柱2A~2Dと、隣接する2本の支柱2A、2B、2C、2D同士を上端でそれぞれ連結する4本の梁部3A~3Dとを有している。隣接する2本の支柱2A、2B、2C、2Dとその間の梁部3A、3B、3C、3Dは面板状の側壁4A~4Dで互いに連結されている。
【0016】
側壁4A~4Dは適宜の材質で形成できるが、本実施形態では、例えば側壁4Aを正面の側壁4Aとして、対向する側壁4Cは不透明な樹脂や鋼材、または木製板材からなる背面の側壁4Cとされている。背面の側壁4Cの両側の側壁4B、4Dは例えばガラス面とされている。正面の側壁4Aは中央に例えばガラス面からなる中央壁面4aを設置し、その両側の開口に例えばガラス製のドア6A、6Bが開閉可能に設置されている。
【0017】
ブース1は4枚の側壁4A~4Dで区画された略直方体形状の内部空間8を有している。背面の側壁4Cと対向する中央壁面4aの間には例えばアコーディオン式のスクリーン(カーテン)9が水平方向に開閉可能に設置されている。このスクリーン9は例えば蛇腹式に折り畳みと引き伸ばしが可能であり、下端部にキャスター(図示しない)が取り付けられていてもよい。
このスクリーン9は例えば背面の側壁4C(または中央壁面4a)に収納時に折り畳んだ状態で保持する基部10を固定している。スクリーン9の反対側端部には、引き伸ばした際に中央壁面4a(または背面の側壁4C)に固定した金属部に固着するマグネット11等が設置されている。
【0018】
ブース1は、図1及び図2に示すように、スクリーン9を伸張して引き延ばしてマグネット11を中央壁面4aに固着することで内部空間8が2室に仕切られ、2室の個別空間13A、13Bとなる。また、図3及び図4に示すように、スクリーン9を基部10に収納した状態では内部空間8が単一空間になる(図3参照)。
内部空間8において、背面の側壁4Cにはスクリーン9の基部10の一方側に机として第一天板15Aが固定され、他方側に第二天板15Bが固定されている。第一天板15Aと第二天板15Bは背面の側壁4Cに並んで配設されている。この配列を並列とする。しかも、第一天板15Aと第二天板15Bの間には、スクリーン9が伸縮移動するための僅かな隙間Sが設定されている。
【0019】
そのため、第一天板15Aと第二天板15Bは直線状に配列されている。隙間S内にスクリーン9を折り畳んで収納して内部空間8を単一空間として使用する場合には、第一天板15Aと第二天板15Bの間の隙間Sに断面略T字型の遮蔽板17を設置することで、一体の天板として利用できる。
第一天板15Aと第二天板15Bの下面には例えば三角形状のブラケット(受け具)16がそれぞれ両端に固定され、背面の側壁4Cに固定している。そして、第一天板15A、第二天板15Bの近傍には使用者が着座するための椅子18A、18Bがそれぞれ設置されている。
【0020】
なお、第一天板15Aと第二天板15Bを支持する部材として、ブラケット16に代えて床面に延ばす脚部を設置してもよいし、吊り具によって梁部3C等から吊り下げ支持してもよい。或いは、第一天板15Aと第二天板15Bの背面側の端部と外側の側端部を、直交する二面の背面の側壁4C及び側壁4D、背面の側壁4C及び側壁4Bによってそれぞれ固定支持してもよい。
本実施形態では、第一天板15A及び第二天板15B、椅子18A及び椅子18Bが内部空間8に設置された什器になり、単一空間と個別空間13A、13Bの両方で使用可能である。
【0021】
本第一実施形態によるブース1は上述した構成を有しており、次にその使用方法について説明する。
図1及び図2に示すように、ブース1の内部空間8をスクリーン9で仕切った状態で、2室の個別空間13A、13Bとして独立して使用することができる。この場合、利用者A、Bは個別にドア6A,6Bを開けて個別空間13A、13Bにそれぞれ入る。そして、利用者A,Bは個々に第一天板15A、第二天板15Bの前で椅子18A,18Bに着座してパソコンや携帯端末や書類等で個々に執務を行うことができる。内部空間8はスクリーン9で仕切られているため、利用者A、Bは個々の執務に集中できる。
【0022】
また、ブース1内で2名の利用者A、Bが打ち合わせやミーティング等を行う場合、スクリーン9を基部10に折り畳んで隙間S内に収納する。すると、内部空間8は単一空間になる。そして、必要に応じて第一天板15A及び第二天板15Bの隙間Sを遮蔽板17で覆うことで、第一天板15A及び第二天板15Bを一体の天板として使用できる。或いは、遮蔽板17を設置しなくても隙間Sは小さいので、第一天板15A及び第二天板15Bをそのまま一体の天板として使用できる。そのため、2人の利用者A、Bは第一天板15A及び第二天板15B上に資料等を広げて、打ち合わせや共同作業等を行える。
【0023】
上述したように本実施形態によるブース1は、並列の第一天板15A及び第二天板15Bの隙間Sにスクリーン9を引き延ばして遮蔽するか折り畳んで収納するかによって、内部空間8を単一空間として、または独立した2つの個別空間13A、13Bとして選択的に利用できる。単一空間であっても、第一天板15A及び第二天板15Bは隙間Sが小さいので、或は遮蔽板17で隙間Sを塞ぐことで一体の天板として使用できる。
しかも、利用者A、Bが共同作業後に個別作業を行う場合、或いは個別作業後に共同作業を行う場合でも、ブース1を移動する必要がなく同一の内部空間8内でスクリーン9を開閉移動するだけで効率よく切り替えて作業を行うことができる。
【0024】
なお、本発明は上述の第一実施形態によるブース1に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の他の実施形態や変形例等について説明するが、上述した第一実施形態と同一または同様な部品や部材等には同一の符号を用いて説明を行う。
【0025】
次に本発明の第二実施形態によるブース1Aについて図5乃至図7により説明する。 本第二実施形態によるブース1Aでは、第一天板15Aと第二天板15Bは側壁4A~4Dに固定されておらず、内部空間8の中央に島状に対向して向い合せに設置されている。第一天板15Aと第二天板15Bはそれぞれ脚部20によって床面上に支持されている。
しかも、第一天板15Aと第二天板15Bの間に隙間Sが設定されている。この隙間S内には第一天板15Aと第二天板15Bの間に複数枚の仕切り板21が重ねて設置されている。
【0026】
そして、ブース1Aの内部空間8を仕切って独立した2つの個別空間13A、13Bとする場合には、仕切り板21を不図示のモータ等によって順次第一天板15Aと第二天板15Bの間の隙間Sから例えば梁部3A~3Dの高さ位置まで上昇させて内部空間8を仕切る。図5に示す例では3枚の仕切り板21によって内部空間8を個別空間13A、13Bに仕切っている。
この状態で、図6に示すように、利用者A、Bは仕切られた2つの個別空間13A、13B内で個別に執務等の作業を集中して行うことができる。しかも、利用者A、Bは個別のドア6A,6Bから個別に個別空間13A、13B内に出入りできる。
【0027】
また、ブース1内で2名の利用者A、Bが打ち合わせ等の共同作業を行う場合、第一天板15Aと第二天板15Bの上方に突出して空間を仕切る仕切り板21を降下させる。複数の仕切り板21が第一天板15Aと第二天板15Bの隙間S内に納まることで天板を広く使用でき、図7に示すように内部空間8を単一空間に切り換えることができる。
そして、必要に応じて第一天板15A及び第二天板15Bの隙間Sは仕切り板21で覆われているため、第一天板15A及び第二天板15Bを一体の天板として使用できる。そのため、2人の利用者A、Bは第一天板15A及び第二天板15B上に資料等を広げて、打ち合わせや共同作業等を行える。
【0028】
特に本第二実施形態によるブース1Aでは、第一天板15A及び第二天板15Bが側壁4A~4Dから離れて内部空間8の中央に対向して設置されている。そのため、利用者A,Bが向き合って打ち合わせをしたり、利用者Aが他の利用者Bに対してプレゼンテーションをしたり、教育や指導を行う等の場合に効率よく進めることができる。
しかも、仕切り板21は第一天板15Aと第二天板15Bの隙間S内に隠れているため外観の見栄えが良い。
【0029】
次に本発明の第三実施形態によるブース1Bを図8により説明する。
本実施形態では、ブース1Bは基本構成が第二実施形態によるブース1Aと共通している。本実施形態では内部空間8の中央に設置された第一天板15Aと第二天板15Bの間に隙間Sと仕切り板21は設けられておらず、第一天板15Aと第二天板15Bは一体に形成されている。本実施形態において、ブース1Bの対向する梁部3A、3C間にロールスクリーン23が設置されている。ロールスクリーン23の軸部23aが梁部3A、3Cに連結されている。
そして、内部空間8を単一空間として使用する場合には、ロールスクリーン23はスクリーン22が巻き上げられている。また、内部空間8を2つの個別空間13A、13Bとして使用する場合には、ロールスクリーン23からスクリーン22を降下させて第一天板15Aと第二天板15Bの境界に着座させる。これによって内部空間8を2室の個別空間13A、13Bに仕切ることができる。
【0030】
なお、スクリーン22の下端部を第一天板15A及び第二天板15Bの幅に応じてコの字状に切り欠いて形成してもよい。このように構成すれば、スクリーン22を降下させた際に第一天板15Aと第二天板15Bを仕切るだけでなく、対向する正面の側壁4A及び背面の側壁4Cと第一天板15A及び第二天板15Bとの間の空間も仕切ることができる。
或いは、第一天板15Aと第二天板15Bの間に隙間Sが形成されていてもよい。この場合には、スクリーン22の下端部をコの字状に切り欠かなくてもスクリーン22を第一天板15A及び第二天板15Bの隙間Sを通して床面まで降下できる。これにより、内部空間8を2室の個別空間13A、13Bに仕切ることができる。
【0031】
次に、次に本発明の第四実施形態によるブース1Cについて図9により説明する。
本第四実施形態によるブース1Cでは、背面の側壁4Cの長手方向半分以下の領域に開口とドア6Aを設け、残りの半分以上の領域を壁面4cで閉鎖している。また、正面の側壁4Aでも、ドア6Aとは反対側の長手方向の半分以下の領域に開口とドア6Bを設け、残りの半分以上の領域を中央壁面4aで閉鎖している。
【0032】
また、ブース1Cの内部空間8において、正面の側壁4Aの中央壁面4aに第一天板24Aを固定し、その一側端部を側壁4Dにも固定している。第一天板24Aは正面の中央壁面4aと側壁4Dの二面で固定支持され、しかも利用者Aが着座する側の前端部24aは側壁4Dから離間する方向に奥行きが広くなるように湾曲形成されている。
また、背面の側壁4Cの壁面4cには第二天板24Bを固定し、その一側端部を側壁4Bにも固定している。第二天板24Bは背面の側壁4Cと側壁4Bの二面で固定支持され、しかも利用者Bが着座する側の前端部24bは側壁4Bから離間する方向に奥行きが広くなるように湾曲形成されている。
【0033】
また、第一天板24Aと第二天板24Bの各前端部24a、24bに隣接する側端部24aa、24bbの間には小さな隙間Sが形成されている。この隙間S内に昇降可能な複数枚の仕切り板21が収納されている。
ブース1Bの内部空間8を2つの個別空間13A、13Bとして仕切って使用する場合には複数の仕切り板21の一部を第一天板24A及び第二天板24Bの隙間Sから上昇させて梁部3A~3Dの高さ程度に設置すればよい。これによって、利用者A、Bは仕切り板21で仕切られた個別空間13A、13B内で個々に執務等の作業に集中できる。
【0034】
また、ブース1Cの内部空間8を単一空間として使用する場合には仕切り板21を第一天板24A及び第二天板24Bの天面以下の高さに収納すればよい。これによって仕切り板21を第一天板24A及び第二天板24Bの隙間S内に隠すことができる。第一天板24A及び第二天板24Bは幅の最も広い側端部24aa、24bb同士が隙間Sを介して対向配置されている。
そのため、打ち合わせ等の共同作業をする際に、第一天板24A及び第二天板24Bの対向する側端部24aa、24bbの幅が長いので広い天板が得られて使用可能スペースが大きい。利用者A、Bは第一天板24A及び第二天板24Bの上に資料を広げる等して共同作業をすることができる。
【0035】
次に第五実施形態によるブース1Dについて図10により説明する。
図10に示すブース1Dは例えば六角形筒状に形成されている。本実施形態では、支柱2A~2F、梁部3A~3F、側壁4A~4Fによって六角形筒状に形成されている。内部空間8において、第一天板27Aと第二天板27Bは4つの角部間に並列に配設され、それぞれ2つの側壁4A及び4F、側壁4A及び4Bによって2辺の側端部がそれぞれ固定されている。
【0036】
図10は内部空間8を2つの個別空間13A、13Bとして仕切った構成を示すものである。第一天板27Aと第二天板27Bの間には小さな隙間Sが形成され、隙間Sには例えばアコーディオン式のスクリーン9が伸縮可能に配設されている。利用者A、Bは、例えば側壁4Eに設けたドア6Aと側壁4Cに設けたドア6Bを通して個別空間13A、13Bに出入り可能とされている。
なお、内部空間8を個別空間13A、13Bに仕切ることができるブース1~1Dの構成は四角形筒状や六角形筒状に限定されるものではない。例えば五角形筒状や八角形筒状等、適宜の多角形筒状や円筒形等のものを採用できる。
【0037】
次に第六実施形態によるブース1Eについて図11により説明する。
本実施形態によるブース1Eは六角形筒状に形成されている。本実施形態では、内部空間8内の中央に平面視台形状の第一天板29Aと第二天板29Bが対向して配設され、第一天板29Aと第二天板29Bの隙間Sに昇降可能な複数の仕切り板21が設置されている。仕切り板21は内部空間8を単一空間として使用する場合には、仕切り板21は第一天板29Aと第二天板29Bの天面以下に収納され、個別空間13A、13Bとして使用する場合には、一部の仕切り板21が第一天板29Aと第二天板29Bの上方に延びて内部空間8を2つの個別空間13A、13Bに仕切っている。
【0038】
第一天板29Aと第二天板29Bは内部空間8の中央に設置されたため、六角形筒状に配設された側壁4A~4Fに連結されておらず、全周に亘って空間が形成されている。そして、第一天板29Aと第二天板29Bに対して、利用者A,Bが着座する椅子18A、18Bの背面側の側壁4A、4Dにドア6A、6Bがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、仕切り板21を第一天板29Aと第二天板29Bの天面以下に収納して内部空間8を単一空間として使用する場合、利用者A、Bが向き合って椅子18A、18Bに着座しているため、打ち合わせや指導等の会話を行いやすい。
【0039】
次に第七実施形態によるブース1Fについて図12により説明する。
本実施形態によるブース1Fは六角形筒状に形成されている。本実施形態では、内部空間8内の中央に五角形状の第一天板31Aと第二天板31Bと第三天板31Cが対向して配設されている。第一天板31Aと第二天板31Bと第三天板31Cは、それぞれ隙間Sを介して対向しており、全体で平面視六角形状とされている。各隙間Sにはそれぞれ仕切り板21が昇降可能に配設されている。
内部空間8を仕切るように配設された六角形筒状の側壁4A~4Fにおいて、第一天板31Aと第二天板31Bと第三天板31Cの中央の辺に対向する側壁4A、4C、4Eにはドア6A、6B、6Cがそれぞれ形成されている。
【0040】
本実施形態によるブース1Fにおいて、内部空間8を単一空間として使用する場合には、仕切り板21が第一天板31Aと第二天板31Bと第三天板31Cの天面より下側に収納されている。この状態で、3人の利用者A,B,Cは互いに向き合った状態で打ち合わせ等ができる。また、仕切り板21が第一天板31Aと第二天板31Bと第三天板31Cの間の隙間Sから上方、例えば梁部3A~3Fの高さ程度まで上昇して配設された場合には、内部空間8は3つの個別空間13A,13B,13Cに仕切られる。この状態では、独立した3つの個別空間13A,13B,13C内で利用者A、B、Cが個々に集中して執務等の作業を行える。各利用者A、B、Cは各側壁4A,4C、4Eに設けられたドア6A、6B、6Cから3つの個別空間13A,13B,13C内に個々に出入り可能とされている。
【0041】
なお、各ブース1Fの内部空間8は2室または3室の個別空間13A、13B、13Cに仕切る構成に限定されるものではなく、仕切り板21によって4つ以上の個別空間13A、13B、13C、…に仕切ることができる。
【0042】
次に本発明の第八実施形態によるブース1Gについて図13及び図14により説明する。
本実施形態によるブース1Gは四角形筒状に形成されている。
ブース1Gの四角形筒状の側壁4A~側壁4Dで仕切られた内部空間8において、背面の側壁4Cには第一天板15Aと第二天板15Bが連続して固定されている。本実施形態において第一天板15Aと第二天板15Bは一体形成されている。しかも、第一天板15A及び第二天板15Bの両側端部はそれぞれ側壁4B、側壁4Dに固定されているが、これに代えて側壁4Cに固定されたブラケット16で支持されていてもよい。
【0043】
また、内部空間8には2つの個別空間13A、13Bに仕切ることができるアコーディオン式のスクリーン33が設置されている。このスクリーン33は例えば正面の側壁4Aの中央壁面4aにスクリーン33の一端部に連結された基部10が設置され、他端部にはスクリーン33を引き延ばして背面の側壁4Cに固着可能なマグネット11が設置されている。しかも、図14に示すように、スクリーン33は引き伸ばした際に、その下部に第一天板15A及び第二天板15Bの天面でその境界を仕切る切欠部33aが形成されている。そのためスクリーン33は略L字状に形成されている。
【0044】
そのため、図13及び図14に示すブース1Gにおいて、スクリーン33の正面の側壁4Aの中央壁面4aから引き伸ばされてマグネット11が背面の側壁4Cに固着された状態で、内部空間8が2室の個別空間13A、13Bに区画される。このとき、スクリーン33は切欠部33aが第一天板15A及び第二天板15Bの境界の天面上に位置し、切欠部33aのない部分では下部が床面上に位置している。
この状態で、利用者A,Bは個別空間13A、13B内で個々に椅子18A、18Bに着座して第一天板15A及び第二天板15Bの前に対面する。利用者A、Bは個々に執務やその他の作業に集中することができる。
【0045】
また、スクリーン33が正面の側壁4Aの中央壁面4aに折り畳まれて収納された状態で、内部空間8が単一空間とされる。この状態で、利用者A、Bが資料を第一天板15A及び第二天板15Bの上に広げる等して打ち合わせ等ができる。
特に本実施形態では、内部空間8を単一空間として利用する際、第一天板15A及び第二天板15Bを一体に形成したから広く利用できる。しかも、内部空間8をスクリーン33で2室の個別空間13A、13Bに仕切った状態でも、スクリーン33が第一天板15A及び第二天板15B上でたるんだりしないから邪魔にならない。
【0046】
なお、上述した第八実施形態の変形例として、横方向に伸縮可能なスクリーン33に変えて、第三実施形態に示すロールスクリーン23を梁部3A、3C間に設置してもよい。この場合、昇降可能なスクリーン22の下端部に、上述したスクリーン33と同様に切欠部を設ける。このスクリーン22を一体形成した第一天板15A及び第二天板15Bに対向する位置に設けることで、内部空間8をスクリーン22で個別空間13A、13Bに仕切った際に、切欠部が第一天板15A及び第二天板15Bの境界に降下する。
【0047】
次に本発明の第九実施形態によるブース1Hについて図15及び図16により説明する。
本実施形態によるブース1Hは四角形筒状に形成されている。ブース1Hの四角形筒状の側壁4A~側壁4Dで仕切られた内部空間8において、対向する側壁4B、側壁4D側にはそれぞれソファ35A、35Bが向い合せに設置されている。そして、背面の側壁4C側には、例えばホワイトボード36が設置されている。背面の側壁4Cに対向する正面の側壁4Aには幅方向中央に中央壁面4aが設置され、その両側には開口を開閉可能なドア6A、6Bが設置されている。
そして、内部空間8の天井部には対向する梁部3Aと梁部3Cの間にロールスクリーン23が設置されている。ロールスクリーン23の軸部23aが梁部3A、3Cに連結されている。
【0048】
ブース1Hにおいて、内部空間8を単一空間として使用する場合には、ロールスクリーン23にはスクリーン22が巻き上げられている。この状態で、利用者A、Bはソファ35A、35Bに個々に着座したり一方のみに着座したりして、ホワイトボード36の全体を使用する等して、打ち合わせやミーティング等を行える。
内部空間8を2つの個別空間13A、13Bとして分割する場合には、ロールスクリーン23からスクリーン22を床面に降下させて個別空間13A、13Bに仕切る。この状態で、各個別空間13A、13Bにはそれぞれソファ35A、35Bが設置されている。しかもホワイトボード36は降下したスクリーン22で2つに仕切られており、各個別空間13A、13Bで利用者A、Bが個別に半分の区画のホワイトボード36を使用可能とされている。そのため、利用者A、Bは個別にソファ35A、35Bやホワイトボード36の半分の区画を使用する等して独立して執務や作業等をすることができる。或いは、ソファ35A、35Bは利用者A,Bが個別空間13A、13Bでそれぞれ使用可能であると共に、ホワイトボード36は単一空間でのみ使用可能としてもよい。
本実施形態において、ソファ35A、35Bやホワイトボード36は什器に含まれる。
【0049】
なお、上述の実施形態によるブース1Hにおいて、変形例として、ホワイトボード36に代えて大型のディスプレイを配置して什器として使用してもよい。或いは、各個別空間13A、13B毎に側壁4Cや側壁4B及び側壁4D等に個々にホワイトボード36やディスプレイを設置してもよい。
また、ブース1Hの内部空間8において、背面の側壁4Cにホワイトボード36やディスプレイを設置せず、背面の側壁4C側の個別空間13A、13Bにそれぞれソファ35A、35Bを設置してもよい。或いは、背面の側壁4C側に個別空間13A及び13Bに亘る長いソファを設置してもよい。
【0050】
なお、上述した各実施形態等では、内部空間8の正面の側壁4A等に個別空間13A、13B毎にドア6A、6Bを設置したがドアは1つでもよい。例えば、図17に示すブース1Jにおいて、ロールスクリーン23のスクリーン22で内部空間8を個別空間13A及び13Bで仕切ったものとする。正面の側壁4Aにおいて、スクリーン22の両側に延びる中央領域に個別空間13A及び13Bに出入り可能な開口38を設け、その両側に端部壁面4b、4bが形成されている。そして、開口38に対して左右方向にスライド可能なドア39が設置されている。両側の端部壁面4b、4bにはドア39のスライドをストップさせるストッパー40A、40Bが設置されている。
【0051】
そして、利用者A、Bが個別空間13A及び13Bの一方、例えば個別空間13Aに出入りする場合には、ドア39を反対側にスライドさせてストッパー40Bに当接させた位置で、ドア39は開口38の個別空間13Aに連通する部分だけ開放させることができる。逆に、個別空間13Bに出入りする場合には、ドア39を反対側にスライドさせてストッパー40Aに当接させた位置で、ドア39は開口38の個別空間13Bに連通する部分だけ開放させることができる。そのため、1つのドア39でも、個別空間13Aまたは個別空間13Bに出入りする際、他の個別空間13Bまたは個別空間13Aを開放させることがない。そのため、出入りの際に、誤って他の個別空間13A、13Bを開放したりしない。
【0052】
なお、上述した各実施形態においてロールスクリーン23を用いた場合、ロールスクリーン23のスクリーン22は下部の一部が切り欠かれた切欠部を設けてもよい。スクリーン22を降下させて複数の個別空間13A、13B、…に仕切る際、切欠部によって複数の個別空間13A、13B、…に跨って連続するソファを設けた場合でも、ソファと干渉することなく分割したり仕切ったりすることができる。
なお、側壁4A~4Dで仕切られた内部空間8を単一空間と複数の個別空間13A、13B、…との間で区画して仕切る、または切り替えるスクリーン9、仕切り板21、ロールスクリーン23は可動仕切り部に含まれる。
【0053】
また、ブースの内部空間に什器として棚を設置してもよい。内部空間8の背面の側壁4C側に棚を設置した場合、スクリーン9等で内部空間8の棚を単一空間として使用した場合や個別空間13A、13Bに仕切った場合に、利用者は単一またはスクリーン9で分割された棚で執務等を行える。
また、ドア6A、6B、6C、39は扉に含まれる。
可動仕切り部として、複数枚のパネルによって構成された移動間仕切りであっても良い。
また、上述した各実施形態によるブース1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1Jは執務用に限定されるものではなく、各種の作業を行う際に使用可能なブースに含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J ブース
4A 正面の側壁
4B、4D 側壁
4C 背面の側壁
4a 中央壁面
4b 端部壁面
6A、6B、6C、39 ドア
8 内部空間
9 スクリーン
13A、13B、13C 個別空間
15A、24A、27A、29A、31A 第一天板
15B、24B、27B、29B、31B 第二天板
17 遮蔽板
18A、18B 椅子
21 仕切り板
22、33 スクリーン
23 ロールスクリーン
31C 第三天板
33a 切欠部
35A、35B ソファ
36 ホワイトボード
38 開口
図1
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