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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】オーバーフロー防止管
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/14 20060101AFI20230417BHJP
   A47G 21/18 20060101ALI20230417BHJP
   F16L 55/00 20060101ALN20230417BHJP
   A61J 11/00 20060101ALN20230417BHJP
【FI】
F16K15/14 C
A47G21/18
F16L55/00 N
A61J11/00 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022516252
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2019101144
(87)【国際公開番号】W WO2020237844
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】201910447527.1
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920776856.6
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521513764
【氏名又は名称】北京申▲創▼世▲紀▼信息技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Shenchuang Century Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】A-2001,Jianwai SOHO Building 24, No.39 Dongsanhuan Middle Road, Chaoyang District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】王浩
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-79380(JP,U)
【文献】中国実用新案第207940562(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0268276(US,A1)
【文献】米国特許第5601207(US,A)
【文献】実開昭62-162468(JP,U)
【文献】実開昭60-89472(JP,U)
【文献】登録実用新案第3006520(JP,U)
【文献】特開平11-63345(JP,A)
【文献】特開2002-89762(JP,A)
【文献】特開2019-35491(JP,A)
【文献】特開2016-1039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00-15/20
A47G 21/18
A61J 11/00
F16L 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管壁と弁膜と、を含み
前記管壁の長さ方向に垂直する平面において、前記管壁の内側壁の断面は楕円形を呈し、前記管壁の外側壁の断面は封止の環状を呈し、前記内側壁の楕円形の長軸と前記管壁の長さ方向とが位置する平面において、前記弁膜の断面はV型構造を呈して前記内側壁に接続され、前記弁膜に単方向に流体を導通するためのスリットが設けられ、
前記弁膜には補強筋が設けられ、前記補強筋は、前記弁膜から前記管壁の長さ方向に突出しており、前記補強筋の中部に前記スリットが開設され、前記スリットの長さ方向は前記補強筋の長さ方向と同じである、
ことを特徴とするオーバーフロー防止管。
【請求項2】
前記管壁の長さ方向に垂直する平面において、前記管壁の外側壁の断面は楕円形を呈し、前記外側壁の断面の楕円形の原点は前記内側壁の断面の楕円形の原点と重なり、前記内側壁の楕円形の曲線方向に沿って、前記管壁の壁厚は楕円形の短軸端点から楕円形の長軸端点へ徐々に小さくなり、
好ましくは、前記管壁の楕円形の短軸端点での壁厚と楕円形の長軸端点での壁厚との比例の範囲は2:0.9~1.2である、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項3】
前記内側壁の断面の楕円形の長軸と短軸の長さの比例の範囲は5:3.5~4.5である、
ことを特徴とする請求項2に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項4】
前記内側壁の楕円形の長軸と前記管壁の長さ方向とが位置する平面内に、前記管壁の頂端輪郭は中部が上向きに湾曲する弧状曲線である、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項5】
前記弁膜のV型尖角に前記補強筋が設けられ、前記補強筋は前記内側壁の楕円形短軸と共線であり、かつ前記補強筋の両端は前記管壁に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項6】
前記管壁の頂面が円弧面であり、前記円弧面と前記管壁の内側壁、外側壁との間が滑らかに移り変わる、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項7】
前記弁膜の前記管壁の頂面からの長さ範囲は5mm~20mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項8】
前記管壁と前記弁膜は一体的に設けられ、熱可塑性エラストマー材質で製造される、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項9】
前記弁膜のV型両側壁は平面である、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のオーバーフロー防止管。
【請求項10】
前記弁膜のV型両側壁は中心が下向きに湾曲する弧状曲面である、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のオーバーフロー防止管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体部品の技術分野に属し、具体的には、本発明はオーバーフロー防止管に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の流れの制御において、流体の管路での流れが人々の意図に合致することが望ましく、すなわち、流体の流れが必要とされる場合、流体は指定方向に応じて管路で流動し、流体の流れが必要とされない場合、流体は管路でオーバーフローや逆流が発生せず、流体の浪費、人員の意外傷害を引き起こすことを回避する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、生活中のストローは、ほとんど流体の流れを制御するための構造が設置されず、簡単なキャビティであり、カップと組み合わせて使用する時、カップが圧力を受けた後、又は流体の熱膨脹及び冷収縮作用により流体がストローに沿ってオーバーフローしやすくなり、資源を浪費する。また、流体温度が高い場合、人体に迅速に接触して火傷を引き起こしやすく、従来のストローは流体の流れを緩和する構造がなく、使用時、潜在的なリスクが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明はオーバーフロー防止管を提供し、その技術案は以下のとおりである。
【0005】
オーバーフロー防止管であって、管壁と弁膜とを含み、前記管壁の長さ方向に垂直する平面において、前記管壁の内側壁の断面は楕円形を呈し、楕円形は楕円の長軸方向に沿って対称であってもよく、楕円の長軸方向に沿って非対称であってもよく、すなわち楕円形の長軸が位置する直線で楕円形が二段の弧線に分割され、二段の弧線の曲率は同じであってもよく、異なってもよく、前記管壁の外側壁の断面は封止の環状を呈し、前記内側壁の楕円形の長軸と前記管壁の長さ方向とが位置する平面において、前記弁膜の断面はV型構造を呈し、前記弁膜は前記内側壁の断面の楕円形の原点に対して中心対称を呈して前記内側壁に接続され、前記弁膜に単方向に流体を導通するためのスリットが設けられる。
【0006】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記管壁の長さ方向に垂直する平面において、前記管壁の外側壁の断面は楕円形を呈し、前記外側壁の断面の楕円形の原点は前記内側壁の断面の楕円形の原点と重なり、前記内側壁の楕円形の曲線方向に沿って、前記管壁の壁厚は楕円形の短軸端点から楕円形の長軸端点へ徐々に小さくなる。
【0007】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記管壁の楕円形の短軸端点での壁厚と楕円形の長軸端点での壁厚との比例の範囲は2:0.9~1.2である。
【0008】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記内側壁の断面の楕円形の長軸と短軸の長さの比例の範囲は5:3.5~4.5である。
【0009】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記内側壁の楕円形の長軸と前記管壁の長さ方向とが位置する平面内に、前記管壁の頂端輪郭は中部が上向きに湾曲する弧状曲線である。
【0010】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記弁膜のV型尖角に補強筋が設けられ、前記補強筋は前記内側壁の楕円形の短軸と共線であり、かつ前記補強筋の両端は前記管壁に接続され、かつ楕円形の断面の短軸と重ね合わせる。
【0011】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記弁膜に、前記補強筋の中部に前記スリットが開設され、前記スリットの長さ方向は前記補強筋の長さ方向と同じである。
【0012】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記管壁の頂面が円弧面であり、前記円弧面と前記管壁の内側壁、外側壁との間が滑らかに移り変わる。
【0013】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記弁膜の前記管壁の頂面からの長さ範囲は5mm~20mmである。
【0014】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記管壁と前記弁膜は一体的に設けられ、熱可塑性エラストマー材質で製造される。
【0015】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記弁膜のV型両側壁は平面である。
【0016】
上記オーバーフロー防止管であって、さらに好ましくは、前記弁膜のV型両側壁は中心が下向きに湾曲する弧状曲面である。
【発明の効果】
【0017】
分析してから分かるように、従来技術に比べて、本発明の利点及び有益な効果は以下のとおりである。
【0018】
1、本発明のオーバーフロー防止管は吸引力の作用を受けない場合、スリットは閉鎖状態であり、流体は弁膜で阻害されて外へオーバーフローしない。管壁が吸引力の作用を受ける時、管壁が変形し、さらに弁膜が変形するように駆動し、弁膜が変形する時にV型の両側壁が下向きに湾曲し、スリットが湾曲変形して広がることで、流体流通の経路が導通され、流体が吸引力の作用を受けて弁膜から外に流通する。本発明は、内側壁の断面が楕円形である管壁にV型構造の弁膜を設置することにより、流体が吸引力の作用で吸い出され、熱膨張及び冷収縮の影響又はカップ圧力の影響を受けて溢れ出すことがなく、流体の浪費及び利用者の火傷、濡れを回避し、利用者の人身安全を保障することができる。同時に、本発明の弁膜は流体の流通に対して緩衝作用を果たすことができ、流体の流れが速すぎるという潜在的なリスクを回避するだけでなく、管壁の外部の流体が弁膜を介して管壁内に流入して流体汚染を引き起こすことを回避できる。
【0019】
2、本発明は内側壁の断面の楕円形の円周方向において、管壁の厚さが短軸端点から長軸端点へ徐々に薄くなるのは、管壁の吸引力による変形は、楕円形の短軸方向が圧縮され、長軸方向が拡張される変形であることを保証でき、スリットの変形を制御し、流体の管内でのオンオフを正確に制御する。
【0020】
3、内側壁の楕円形の長軸と管壁の長さ方向とが位置する平面内に、本発明の管壁の頂端輪郭は中部が上向きに湾曲する弧状曲線であるのは、管壁の吸引力による変形は、楕円形の短軸方向が圧縮され、長軸方向が拡張される変形であることをさらに保証でき、管壁の頂端の変形を正確に制御する。
【0021】
4、本発明の弁膜のV型尖角に補強筋が設けられ、管壁に対して楕円形の短軸方向に沿って外向きの作用力を生じ、弁膜の密封効果を保証できる。同時に、弁膜の疲労寿命を向上させ、弁膜におけるスリットの開閉回数を増加させ、さらに弁膜の使用寿命を向上させることができる。
【0022】
5、本発明の管壁の頂面は円弧面であるので、頂面の縁部の角が利用者を傷つけるという潜在的なリスクを回避し、頂面が円滑であるのは、使用習慣により合致し、使用体感を有効に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図である。
図2】本発明のオーバーフロー防止管の正面図である。
図3図2の断面図である。
図4】本発明のオーバーフロー防止管の側面図である。
図5図4の断面図である。
図6】本発明のオーバーフロー防止管の平面図である。
図7】本発明のオーバーフロー防止管の底面図である。
図8】弁膜が弧状曲面である場合の模式図である。
図9】本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図二である。
図10】本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図三である。
図11】本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図四である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例における技術案を明確で完全に説明する。説明された実施例は本発明の一部の実施例のみであり、全ての実施例ではないのは、明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を要さずに取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
本発明の説明において、用語「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」等が指示した方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本発明が特定の方位で構成・操作されなければならないことを要求するものではなく、本発明を説明しやすくことを目的とするだけであるため、本発明への限定と理解することができない。
【0026】
本発明に使用された用語「接する」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、直接的に接されてもよく、中間部材を介して間接的に接されてもよい。当業者は、具体的な状況に応じて上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0027】
図1図11を参照する。ここで、図1は本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図である。図2は本発明のオーバーフロー防止管の正面図である。図3図2の断面図である。図4は本発明のオーバーフロー防止管の側面図である。図5図4の断面図である。図6は本発明のオーバーフロー防止管の平面図である。図7は本発明のオーバーフロー防止管の底面図である。図8は弁膜が弧状曲面である場合の模式図である。図9は本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図二である。図10は本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図三である。図11は本発明のオーバーフロー防止管の構造模式図四である。
【0028】
図1図9図10及び図11に示すように、本発明は、主に管壁1と弁膜2とを含み、管壁の長さ方向に垂直する平面において、管壁1の内側壁の断面は楕円形を呈し、楕円形は楕円の長軸方向に沿って対称であってもよく、楕円の長軸方向に沿って非対称であってもよく、すなわち楕円形の長軸が位置する直線で楕円形が二段の弧線に分割され、二段の弧線の曲率は同じであってもよく、異なってもよく、管壁1の外側壁の断面は封止の環状を呈し、内側壁の楕円形の長軸と管壁1の長さ方向とが位置する平面において、弁膜2の断面はV型構造を呈し、弁膜2は内側壁の断面の楕円形の原点に対して中心対称を呈して内側壁に接続され、弁膜2に単方向に流体を導通するためのスリット3が設けられるオーバーフロー防止管を提供する。
【0029】
具体的には、図1図9及び図10に示すように、本発明の一つの実施例において、管壁1の内側壁の断面は楕円形を呈し、楕円形は楕円の長軸方向に沿って対称であり、すなわち楕円形の長軸が位置する直線で楕円形が曲率が同じである二段の弧線に分割される;弁膜2の断面はV型を呈し、弁膜2にスリット3が設けられ、吸引力の作用を受けない時、スリット3は閉鎖状態であり、流体は弁膜2で阻害されて外へオーバーフローしない。管壁1が吸引力の作用を受ける時、管壁1が変形し(管壁1が楕円形の短軸方向に圧縮され、楕円形の長軸方向に拡張される)、さらに弁膜2が変形するように駆動し、弁膜2が変形する時にV型の両側壁が下向きに湾曲し、スリット3が湾曲変形して広がることで、流体流通の経路が導通され、流体が吸引力の作用を受けて弁膜2から外に流通する。本発明は、内側壁の断面が楕円形である管壁1にV型構造の弁膜2を設置することにより、流体が吸引力の作用で吸い出され、熱膨張及び冷収縮の影響又はカップ圧力の影響を受けて溢れ出すことがなく、流体の浪費及び利用者の火傷、濡れを回避し、利用者の人身安全を保障することができる。同時に、本発明の弁膜2は流体の流通に対して緩衝作用を果たすことができ、流体の流れが速すぎるという潜在的なリスクを回避するだけでなく、管壁1の外部の流体が弁膜2を介して管壁1内に流入して流体汚染を引き起こすことを回避できる。本発明の管壁1の外側壁の断面は封止の環状を呈しており、管壁1を吸引力の作用で内側壁の断面の楕円形の短軸方向に沿って圧縮され、楕円形の長軸方向に拡張させることができる限り、封止の環状の形状が具体的に限定されない。具体的には、図1に示すように、本発明の外側壁の断面は、利用者の使用時の快適感を増加する楕円形であってもよい;図9に示すように、本発明の外側壁の断面は二つの優角を有する凹多角形であってもよく、二つの優角の中心線方向は内側壁の断面の楕円形の長軸方向と重なり、吸引力の作用を受ける時、外側壁の二つの優角角度が大きくなり、管壁1が変形し、スリット3が広がり流体を導通するように促進する;図10に示すように、本発明の外側壁の断面は鋸歯を有する楕円形であってもよく、流体の密封フィルムを突き刺す時に鋸歯に空気(例えば密封フィルムに適用される飲料)を流通させることができ、流体を吸引する時の吸引力を減少させる。図11に示すように、本発明の別の実施例において、管壁1の内側壁の断面は楕円形を呈し、楕円形は楕円の長軸方向に沿って非対称であり、すなわち楕円形の長軸が位置する直線で楕円形が曲率が異なる二段の弧線に分割される。
【0030】
使用時、本発明は流体のタイプを具体的に限定せず、流体の流れの導通に広く応用することができ、流体のタイプは気体であってもよく、液体、コロイドであってもよく、同時に、本発明は管壁1の長さを限定せず、カップ本体内に単独に挿入して使用してもよく、管路の端部に装着し、ボトルキャップに装着して使用してもよい。例えば、コロイドの導通に応用される場合、本発明は哺乳瓶に装着されて乳首として使用することができ、乳児の乳にむせることや火傷を回避する;液体の導通に応用される場合、本発明は旅行カップに装着されることができ、室外で使用しやすくなり不意の水漏れを回避する;気体の導通に応用される場合、本発明は酸素輸送管に装着されることができ、患者の呼吸に合わせて使用され、酸素のオーバーフローが速すぎることによる浪費を回避する。
【0031】
本発明に対する改善として、図1図11に示すように、本発明はさらに以下の改善案を提供する。
【0032】
流体の管内でのオンオフを正確に制御するために、図6及び図7に示すように、管壁1の長さ方向に垂直する平面において、管壁1の外側壁の断面は楕円形を呈し、外側壁の断面の楕円形の原点は内側壁の断面の楕円形の原点と重なる;内側壁の楕円形の曲線方向に沿って、管壁1の壁厚は楕円形の短軸端点から楕円形の長軸端点へ徐々に小さくなる。好ましくは、管壁1の楕円形の短軸端点での壁厚と楕円形の長軸端点での壁厚の比例の範囲は2:0.9~1.2である;さらに、内側壁の断面の楕円形の長軸と短軸の長さの比例の範囲は5:3.5~4.5である。本発明は楕円形の円周方向において、管壁1の厚さが短軸端点から長軸端点へ徐々に薄くなるのは、管壁1の吸引力による変形は、楕円形の短軸方向が圧縮され、長軸方向が拡張される変形であることを保証でき、スリット3の変形を制御し、流体の管内でのオンオフを正確に制御する。
【0033】
管壁1の頂端が吸引力を受ける時の変形状態を正確に制御するために、図2図5に示すように、内側壁の楕円形の長軸と管壁1の長さ方向とが位置する平面内に、管壁1の頂端輪郭は中部が上向きに湾曲する弧状曲線であり、本発明の楕円形円周方向における管壁1の厚さが短軸端点から長軸端点へ徐々に薄くなるという設計に合わせることで、管壁1の吸引力による変形は、楕円形の短軸方向が圧縮され、長軸方向が拡張される変形であることをさらに保証でき、管壁1の頂端の変形を正確に制御する。
【0034】
弁膜2の密封効果及び使用寿命を向上させるために、図1及び図3に示すように、弁膜2のV型尖角に補強筋4が設けられ、補強筋4の両端は管壁1に接続され、かつ管壁1の楕円形の断面の短軸と重ね合わせる。使用時、管壁1が吸引力を受けて変形し、弁膜2が管壁1の圧力作用を受けてスリット3が広がり、流体が導通し、この時に補強筋4が弁膜2の変形に伴って変形して屈曲する;吸引力が停止する時に、管壁1が反発し、スリット3が閉じ、補強筋4が反発し、補強筋4が反発する時に管壁1に対して楕円形の短軸方向に沿って外向きの作用力を生じ、管壁1の反発が不十分である時に管壁1の反発に対して一定の補償を行うことができ、弁膜2の密封効果を保証する。同時に、本発明は弁膜2のV型尖角に補強筋4を設置することにより、弁膜2の疲労寿命を向上させ、弁膜2におけるスリット3の開閉回数を増加させ、さらに弁膜2の使用寿命を向上させることができる。
【0035】
流体の流通量及び弁膜2の密封効果を容易に制御するために、図3図5図8及び図9に示すように、本発明は弁膜2に、補強筋4の中部にスリット3が開設され、スリット3の長さ方向は補強筋4の長さ方向と同じであり、スリット3が補強筋4と同期して変形することを保証し、弁膜2の密封効果を向上させることができる。さらに、スリット3の長さは補強筋4の長さ以下である。
【0036】
使用体感を改善するために、図1図2及び図4に示すように、管壁1の頂面5は円弧面であり、円弧面と管壁1の内側壁や外側壁との間は円滑になるので、頂面5の縁部の角が利用者を傷つける潜在的なリスクを回避し、頂面5は円滑であるのは、使用習慣により合致し、使用体感を有効に改善することができる。
【0037】
利用者が流体を容易に吸引するために、図3及び図5に示すように、弁膜2の管壁1の頂面5から(弁膜2の最高点の管壁1の頂面5の最低点から)の長さ範囲は5 mm~20 mmであり、弁膜2が管壁1の変形に伴って変形しやすくなり、利用者が流体を吸引する時の吸引力を減少させることができ、流体が吸引力を受ける時の流通が容易になる。
【0038】
加工組立を容易にするために、図3及び図5に示すように、本発明の管壁1と弁膜2は一体的に設置され、熱可塑性エラストマー材質で製造され、加工しやすい。さらに、本発明の管壁1、弁膜2、補強筋4はシリカゲル材質を利用して加硫プロセスにより製造され、利用されたシリカゲルショア硬度の数値範囲は30~80であり、スリット3が吸引力の作用で繰り返して変形することを保証できる。
【0039】
材質に合わせて柔軟に設計することを容易にするために、図1図3及び図8に示すように、本発明において、弁膜2の形状は様々なパターンであってもよく、本発明には限定しない。具体的には、図1及び図3に示すように、弁膜2のV型両側壁(即ち弁膜2における補強筋4の両側の二つの面)は平面である;図8に示すように、弁膜2のV型両側壁(即ち弁膜2における補強筋4の両側の二つの面)は中心が下向きに湾曲する弧状曲面である。弧状曲面は平面よりも変形しやすくなるので、弁膜2の形状の選択は弁膜2の材質、硬度と一致すればよい。材質の硬度の上昇に伴って熱可塑性エラストマーは徐々に変形しにくく、例えば、シリカゲルを例とし、かつショア硬度Aの数値が70である場合を分界にして、数値が70よりも高い場合に弧状曲面を採用し、70よりも低い場合に平面を採用する。
【0040】
技術常識から分かるように、本発明はその主旨又は必要な特徴から逸脱しない他の実施形態により実現することができる。したがって、上記開示された実施形態は、いずれにしても例示的な説明に過ぎず、唯一のものではない。本発明の範囲内又は本発明と同等の範囲内の全ての変更は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 管壁
2 弁膜
3 スリット
4 補強筋
5 頂面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11