(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/217 20110101AFI20230418BHJP
【FI】
B60R21/217
(21)【出願番号】P 2020063219
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小松 学倫
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-046886(JP,A)
【文献】特開2011-063048(JP,A)
【文献】特開平11-123998(JP,A)
【文献】実開昭61-152667(JP,U)
【文献】特開平02-262447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0140120(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/217
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれたエアバッグを収納して保持し、かつ、前記インフレーターを保持するケースと、前記ケースを車両のボディ側に取り付ける取付ブラケットと、前記エアバッグ及び前記インフレーターを前記ケースに取り付けるとともに、前記取付ブラケットを前記ケースに取り付けるリテーナと、を備えて構成されるとともに、
前記リテーナに配設された連結ボルトを、前記エアバッグ、前記インフレーター、前記ケース、及び、前記取付ブラケットに設けられた各貫通孔に貫通させ、前記連結ボルトにナットを締結して、組み立てられるエアバッグ装置であって、
前記取付ブラケットが、前記ボディ側に取り付けられるブラケット側取付部を備え、前記ケースが、前記エアバッグ装置の周囲における前記ブラケット側取付部と異なる部位に取り付けられるケース側取付部と、を備えて構成されるとともに、
前記取付ブラケットと前記ケースとが、前記リテーナの前記連結ボルトを貫通させる前記貫通孔と別位置に配置されて、組立時に、前記ブラケット側取付部と前記ケース側取付部とをそれぞれ対応する取付部位への取付基準位置に配置可能に、相互に対応して係合する係合部
を配設させており、
前記取付ブラケットと前記ケースとの相互の前記係合部として、前記取付ブラケット側の前記係合部が凸状係合部として構成され、前記ケース側の前記係合部が前記凸状係合部を挿入させて係合させる凹状係合部として構成され、前記凸状係合部の前記凹状係合部への挿入方向が、前記連結ボルトの前記ケースと前記取付ブラケットとの前記各貫通孔への挿入方向に沿う方向となっており、
前記ケースが、底壁部と該底壁部の縁から上方に延びる側壁部とを備えて構成されるとともに、前記底壁部に前記貫通孔を配設させ、前記底壁部の上面側における前記貫通孔の周縁を前記エアバッグの取付座として、前記底壁部の上面側に折り畳まれた前記エアバッグを収納する収納部位として構成され、
前記ケースの前記取付座の下面側に、前記インフレーターの前記貫通孔の周縁部位と、前記取付ブラケットの前記貫通孔の周縁部位とが配設され、
前記ケースの前記凹状係合部が、前記ケースにおける前記側壁部近傍の前記底壁部に貫通するように配設される係合孔として構成され、
前記取付ブラケットの前記凸状係合部が、前記係合孔を貫通して前記底壁部から上方へ突出する係合爪として構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
前記取付ブラケットの前記貫通孔が、前記インフレーターの前記貫通孔より、開口径を大きくしていることを特徴とする請求項
1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
対応する前記凸状係合部と前記凹状係合部とが、少なくとも二組配設され、
二組の前記凹状係合部が、対応する前記凸状係合部を係合させる開口形状として、係合させた前記凸状係合部の相互の離隔した側の隙間と、係合させた前記凸状係合部の相互の接近する側の隙間と、の一方側を他方側より、小さくするように、形成されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載のエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置に関し、特に、車両の所定部位に取り付ける二つの取付部を、相互の配置位置精度を良好にして、組み付けることができるエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエアバッグ装置では、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれたエアバッグを収納して保持し、かつ、インフレーターを保持するケースと、ケースを車両のボディ側に取り付ける取付ブラケットと、エアバッグ及びインフレーターをケースに取り付けるとともに、ケースを取付ブラケットに取り付けるリテーナと、を備えて構成されるものがあった(例えば、特許文献1,2参照)。このエアバッグ装置では、リテーナに配設された連結ボルトを、エアバッグ、インフレーター、ケース、及び、取付ブラケットに設けられた各貫通孔に貫通させ、連結ボルトにナットを締結して、組み立てられていた。そして、エアバッグ装置の車両への搭載時には、取付ブラケットに設けられたブラケット側取付部をボディ側の取付部位に取り付けるとともに、ケースに設けられたケース側取付部を、ブラケット側取付部と異なる部位としたインストルメントパネル側の取付部位に、取り付けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-137432号公報
【文献】特開2014-46886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のエアバッグ装置では、リテーナの連結ボルトを、ケースの貫通孔、インフレーターの貫通孔、及び、取付ブラケットの貫通孔に貫通させる構成であるものの、各貫通孔の配置位置や開口径の寸法の誤差により、ケースに対して、取付ブラケットがずれて組み付けられる場合があり、その場合、誤差が大きければ、ボディ側へ取り付けるケース側取付部とブラケット側取付部との少なくとも一方が取付基準位置からずれ、エアバッグ装置を円滑に車両に取り付け難くなってしまう。ちなみに、この対処として、ケース、インフレーター、及び、取付ブラケットの各貫通孔の配置位置と開口径とを、精度よく設けることが考えられるが、このような構成では、逆に、連結ボルトを各貫通孔に挿入し難くなって、エアバッグ装置自体を組み立て難くさせてしまう。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、組立作業性の低下を招くことなく、ケースと取付ブラケットとの各取付部の対応する取付部位への取付作業性を良好にすることができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエアバッグ装置は、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれたエアバッグを収納して保持し、かつ、前記インフレーターを保持するケースと、前記ケースを車両のボディ側に取り付ける取付ブラケットと、前記エアバッグ及び前記インフレーターを前記ケースに取り付けるとともに、前記取付ブラケットを前記ケースに取り付けるリテーナと、を備えて構成されるとともに、
前記リテーナに配設された連結ボルトを、前記エアバッグ、前記インフレーター、前記ケース、及び、前記取付ブラケットに設けられた各貫通孔に貫通させ、前記連結ボルトにナットを締結して、組み立てられるエアバッグ装置であって、
前記取付ブラケットが、前記ボディ側に取り付けられるブラケット側取付部を備え、前記ケースが、前記エアバッグ装置の周囲における前記ブラケット側取付部と異なる部位に取り付けられるケース側取付部と、を備えて構成されるとともに、
前記取付ブラケットと前記ケースとが、前記リテーナの前記連結ボルトを貫通させる前記貫通孔と別位置に配置されて、組立時に、前記ブラケット側取付部と前記ケース側取付部とをそれぞれ対応する取付部位への取付基準位置に配置可能に、相互に対応して係合する係合部、を配設させていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るエアバッグ装置では、組立時において、エアバッグ、インフレーター、ケース、及び、取付ブラケットの各貫通孔の周縁部位を重ねて、リテーナの連結ボルトを、各貫通孔に貫通させる際、取付ブラケットとケースとの対応する係合部を係合させて、そして、リテーナの連結ボルトを各貫通孔に貫通させて、連結ボルトにナットを締結すれば、エアバッグ装置を組み立てることができる。その後、ブラケット側取付部とケース側取付部とを、対応するボディ側等の取付部位に取り付ければ、エアバッグ装置を車両に搭載することができる。その際、取付ブラケットとケースとは、対応する係合部相互を係合させれば、ブラケット側取付部とケース側取付部とを、それぞれ、対応する取付部位への取付基準位置に配置させることができることから、円滑に、ブラケット側取付部とケース側取付部とを、対応するボディ側等の取付部位に、取り付けることができる。また、エアバッグ装置の組立時に、単に、取付ブラケットとケースとの対応する係合部相互を係合させるだけであり、係合部相互が、貫通孔から離れた別位置に配置されていることもあいまって、エアバッグ装置の組立作業性を低下させる虞れも生じない。
【0008】
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、組立作業性の低下を招くことなく、ケースと取付ブラケットとの各取付部の対応する取付部位への取付作業性を良好にすることができる。
【0009】
そして、本発明に係るエアバッグ装置では、前記取付ブラケットと前記ケースとの相互の前記係合部として、一方の前記係合部が、凸状係合部として構成され、他方の前記係合部が、前記凸状係合部を挿入させて係合させる凹状係合部として構成されていることが望ましい。
【0010】
このような構成では、嵌め合わせるように、単に、凸状係合部を凹状係合部に挿入させるだけで、係合できることから、取付ブラケットとケースとの係合部相互の係合作業が容易となる。
【0011】
この場合、前記凸状係合部の前記凹状係合部への挿入方向が、前記連結ボルトの前記ケースと前記取付ブラケットとの前記各貫通孔への挿入方向に沿う方向としていることが望ましい。
【0012】
このような構成では、リテーナの連結ボルトを、各貫通孔に挿入させる際、その方向に沿って、凸状係合部を凹状係合部に挿入させて係合できることから、一層、容易に、係合部相互を係合することができる。
【0013】
さらにこの場合、前記ケースが、底壁部と該底壁部の縁から上方に延びる側壁部とを備えて構成されるとともに、前記底壁部に前記貫通孔を配設させ、前記底壁部の上面側における前記貫通孔の周縁を前記エアバッグの取付座として、前記底壁部の上面側に折り畳まれた前記エアバッグを収納する収納部位、として構成され、
前記ケースの前記取付座の下面側に、前記インフレーターの前記貫通孔の周縁部位と、前記取付ブラケットの前記貫通孔の周縁部位とが、配設され、
前記ケースの前記凹状係合部が、前記ケースにおける前記側壁部近傍の前記底壁部に貫通するように配設される係合孔、として構成され、
前記取付ブラケットの前記凸状係合部が、前記係合孔を貫通して前記底壁部から上方へ突出する係合爪、として構成されていることが望ましい。
【0014】
このような構成では、エアバッグ装置の組立時、取付ブラケットの凸状係合部しての係合爪を、ケースの凹状係合部としての係合孔に挿入させれば、取付ブラケットのブラケット側取付部とケースのケース側取付部とを、所定の取付基準位置に配置させることができる。そして、取付ブラケットの係合爪は、ケースの底壁部の係合孔を経て、折り畳んだエアバッグを収納する底壁部の上面側に、突出することとなるが、係合孔が側壁部近傍に配設されており、側壁部に沿い、かつ、側壁部の近傍に、係合爪が配設されることから、係合爪が、膨張するエアバッグに対して傷付けるように干渉することを抑制できる。
【0015】
さらに、本発明に係るエアバッグ装置では、前記取付ブラケットの前記貫通孔が、前記インフレーターの前記貫通孔より、開口径を大きくしていることが望ましい。
【0016】
このような構成では、連結ボルトを貫通させる際に、エアバッグ、ケース、インフレーター、及び、取付ブラケットの各貫通孔に貫通させることとなり、インフレーターの貫通孔より取付ブラケットの貫通孔の開口径が大きければ、インフレーターの貫通孔を貫通させつつ、取付ブラケットの貫通孔に、連結ボルトの先端を貫通させる際、開口径の大きい分、取付ブラケットの貫通孔の周縁に、連結ボルトの先端を干渉させずに、容易に連結ボルトを貫通させることができて、エアバッグ装置の組立作業性を良好にすることができる。勿論、取付ブラケットの貫通孔が開口径を大きくしていても、取付ブラケットとケースとの係合部相互を係合させれば、ブラケット側取付部とケース側取付部とを、所定の取付基準位置に配置できることから、組立後のボディ側等の所定の取付部位への良好な取付作業性は、確保される。
【0017】
さらに、本発明に係るエアバッグ装置では、対応する前記凸状係合部と前記凹状係合部とが、少なくとも二組配設され、
二組の前記凹状係合部が、対応する前記凸状係合部を係合させる開口形状として、係合させた前記凸状係合部の相互の離隔した側の隙間と、係合させた前記凸状係合部の相互の接近する側の隙間と、の一方側を他方側より、小さくするように、形成されていることが望ましい。
【0018】
このような構成では、隙間が狭くなる側の凹状係合部の縁側を係合位置基準とすれば、凸状係合部の凹状係合部への挿入を容易にして、凸状係合部と凹状係合部とを、位置精度よく、係合させることができる。すなわち、各凹状係合部は、それぞれ、内周面の略全周を、対応する凸状係合部に外周面に接するように、形成せずに、係合時に、隙間を広くする側を設けた開口形状としていることから、凸状係合部の挿入時に、隙間を広くする側の干渉を無くして、容易に凹状係合部に凸状係合部を挿入でき、そして、挿入後には、二組の内における隙間の狭い側相互で、凸状係合部相互を位置規制できて、二組の凸状係合部と凹状係合部とを、位置ずれさせずに、係合させることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る一実施形態のエアバッグ装置の車両搭載状態における車両の前後方向に沿った概略縦断面図である。
【
図2】実施形態のエアバッグ装置の車両の左右方向に沿った概略縦断面図である。
【
図3】実施形態のエアバッグ装置の底面側から見た分解斜視図である。
【
図4】実施形態のエアバッグ装置の底面側から見た部分拡大斜視図である。
【
図5】実施形態のエアバッグ装置における取付ブラケットの係合爪をケースの係合孔に挿入させる状態を示す概略縦断面図である。
【
図6】実施形態のエアバッグ装置のケースの部分拡大底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のエアバッグ装置Mは、
図1,2に示すように、助手席前方のインストルメントパネル(以下、インパネと略す)10に配置される助手席用エアバッグ装置であり、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター30と、折り畳まれたエアバッグ20を収納して保持し、かつ、インフレーター30を保持するケース35と、を備えている。さらに、エアバッグ装置Mは、ケース35を車両のボディ1側のインパネリインホース2に取り付ける取付ブラケット60と、エアバッグ20及びインフレーター30をケース35に取り付けるとともに、取付ブラケット60をケース35に取り付けるリテーナ25と、を備えて構成されている。
【0021】
なお、インパネ10には、ケース35の上方を覆うエアバッグカバー11が配設されている。
【0022】
また、本明細書の上下の方向の基準は、エアバッグ装置Mのケース35を基準とし、後述する底壁部36の上下の方向と一致し、前後左右の方向は、エアバッグ装置Mを搭載する車両に対応して、後述する側壁部40の対向する前壁部40aと後壁部40bとの対向方向を前後方向として、対向する左壁部40cと右壁部40dとの対向方向を左右方向とするものである。
【0023】
エアバッグ20は、
図1,2に示すように、下部に膨張用ガスを流入させる円形の開口20aを備えた袋状として、ポリエステルやポリアミド等の可撓性を有した織布から形成されている。開口20aの周縁は、略四角環状のリテーナ25に押圧されて、ケース35に組み付けられる組付座21となり、組付座21には、エアバッグ20をケース35の底壁部36に取り付けるための複数(実施形態では4個)の貫通孔22が形成されている。
【0024】
エアバッグ20をケース35に取り付けるリテーナ25は、板金製として、
図1~3に示すように、略四角環状の本体26を備えて構成されている。本体26は、中央に円形の開口26aを備え、開口26aの周縁の本体26の四隅付近には、下方へ突設される連結ボルト27を配設させている。
【0025】
そして、リテーナ25は、各連結ボルト27をエアバッグ20の貫通孔22から突出させるようにエアバッグ20内に配置させて、各連結ボルト27をケース35の後述する貫通孔38と、インフレーター30の後述するフランジ部32の貫通孔33と、さらに、取付ブラケット60の後述する貫通孔67に貫通させ、各連結ボルト27にナット28を螺合させることにより、リテーナ25の本体26が、エアバッグ20の開口20aの周縁における組付座21、インフレーター30のフランジ部32、及び、取付ブラケット60、を、ケース35の底壁部36に取付固定している。
【0026】
インフレーター30は、
図1~3に示すように、上部側にガス吐出口31aを設けた円柱状の本体部31と、本体部31の外周面に配設されたフランジ部32と、を備えて構成されている。フランジ部32には、各連結ボルト27を挿通させる貫通孔33が配設されている。
【0027】
ケース35は、
図1~5に示すように、板金製として、左右方向に長い略長方形板状の底壁部36と、底壁部36の外周縁から上方に延びる略四角筒形状の側壁部40と、を有し、上方を開口させた略直方体形状として、インフレーター30と折り畳まれたエアバッグ20とを保持している。なお、折り畳まれたエアバッグ20は、底壁部36の上面36b側に収納されることとなる。
【0028】
底壁部36は、
図1~3に示すように、インフレーター30の本体部31を下方から挿入可能な円形に開口した開口36aを備え、開口36aの周縁を、エアバッグ20とインフレーター30とを保持するための取付座37として、この取付座37にリテーナ25の各連結ボルト27を貫通させる貫通孔38を配設させている。
【0029】
また、底壁部36には、前縁36c側の左右方向の中央付近の両側に、係合部としての凹状係合部を構成する係合孔45(L,R)が、上下方向に貫通するように形成されている。各係合孔45(L,R)は、前壁部40aの近傍で、左右方向に延びた長方形状の開口51を設けて構成されている(
図6参照)。なお、実施形態では、軽量化のために、係合孔45と同様な開口とした肉盗み穴が、底壁部36の前後の縁36c,36dに設けられている。
【0030】
側壁部40は、前後方向で対向する前壁部40a及び後壁部40bを備えるとともに、左右方向で対向する左壁部40c及び右壁部40dを備えて構成されている。そして、前後方向で対向する前壁部40aと後壁部40bとには、上端側に左右方向に複数(実施形態では5個)の並設される係止フック41が、配設されている。各係止フック41は、先端を側壁部40の外側で下向きに反転する略J字形状に形成されている。各係止フック41は、エアバッグカバー11の後述する側壁構成部14に形成された係止孔15に挿入されて、側壁構成部14を係止する。
【0031】
また、ケース35の側壁部40における左右方向で対向する左壁部40cと右壁部40dとには、取付部42(L,R)が形成されている。取付部42(L,R)は、それぞれ、左壁部40cと右壁部40dとの外側面に固着された段差を有した縦杆部42aと、縦杆部42aの上端から左右方向の外方に延びる横杆部42bと、を備えた略断面L字形状としている。そして、横杆部42bには、ボルト18を挿通させる取付孔42cを開口させている。取付部42(L,R)は、ケース35を、エアバッグ装置Mの周縁部位としてのエアバッグカバー11の後述する取付フランジ部16に取り付けるケース側取付部を構成する。
【0032】
なお、エアバッグカバー11は、ポリオレフィン系やポリエステル系の熱可塑性エラストマー等から形成され、実施形態の場合、インパネ10と一体的に形成されている。エアバッグカバー11は、ケース35に収納されたエアバッグ20を覆って、膨張時のエアバッグ20に押されて開く扉部13(F,B)を有した天井構成部12と、扉部13の周囲から下方に延びてケース35の側壁部40の外周側に配置される略四角筒形状の側壁構成部14と、を備えて構成されている。側壁構成部14の前後方向で対向する壁部14a,14aには、それぞれ、ケース35の各係止フック41を挿入させる係止孔15が、形成されている。
【0033】
また、側壁構成部14の左右方向で対向する壁部14b,14bには、それぞれ、ナット17を設けた取付フランジ部16(L,R)が配設されている。取付フランジ部16L,16Rは、ケース35のケース側取付部42L,42Rを取り付ける取付部位を構成し、各ケース側取付部42L,42Rの取付孔42cを貫通させて、ボルト18を、ナット17に締結させることにより、各ケース側取付部42L,42Rを取り付けている。
【0034】
また、エアバッグ装置Mの取付ブラケット60は、
図1~5に示すように、横板部64の左右両縁から上方に延びるアーム65(L,R)を設けたU字状の板金製として、横板部64の左右方向の中央にナット62を固着させている。横板部64は、ボディ1側のインパネリインホース2から延びるブラケット3に対し、ブラケット3の取付孔3aを経て、ボルト4を、ナット62に締結させることにより、取付固定されることとなり、エアバッグ装置Mをボディ1側に取り付けるブラケット側取付部61としている。
【0035】
また、左右のアーム65(L,R)の上端には、インフレーター30のフランジ部32を介在させて、ケース35の底壁部36に取り付けられる支持座66(L,R)が配設され、支持座66L,66Rには、リテーナ25の前側の2つの連結ボルト27を貫通させるように、1つずつの貫通孔67が、前部66a側に、形成されている。支持座66L,66Rは、連結ボルト27とナット28とを利用して、ケース35に取り付けられる際、インフレーター30のフランジ部32を介在させて、ケース35の取付座37の下面36e側に押圧されて、ケース35の底壁部36に取付固定されることとなる。
【0036】
なお、各支持座66L,66Rは、後部66c側をリテーナ25の連結ボルト27やナット28と干渉しないように、後方側へ長く延ばさずに、短くしている。
【0037】
また、取付ブラケット60の貫通孔67の開口径(内径寸法)d3は、
図5に示すように、インフレーター30の貫通孔33の開口径d2より、大きく設定されている。ちなみに、ケース35の貫通孔38の開口径d1は、インフレーター30の貫通孔33の開口径d2より、小さくされている(d1<d2<d3)。実施形態の場合、開口径d1は、約5.5mm、開口径d2は、約5.6mm、開口径d3は、約6.5mmとしている。
【0038】
そして、各支持座66L,66Rには、前縁66b側に上方へ突出する係合部としての凸状係合部を構成する係合爪70(L,R)が配設されている。これらの係合爪70は、先端を丸くして、幅方向を左右方向に沿わせた帯状として、支持座66の前縁66bから突出し、ケース35の係合孔45に挿入されて係合されるように構成されている。
【0039】
各係合部70の厚さ寸法Tは、
図6に示すように、係合孔45に挿入可能に、係合孔45の前後方向の開口幅寸法LWと略同等としている。また、各係合部70の幅寸法Wは、係合孔45の左右方向の開口幅寸法(長さ寸法)HWより、小さくしている。
【0040】
但し、左右の係合爪70(L,R)を、対応する各係合孔45(L,R)に挿入した際には、
図6に示すように、各係合孔45の開口51に関し、左右の係合部70L,70Rの相互に接近する側の隙間52と、左右の係合爪70L,70Rの相互に離隔する側を隙間53と、において、離隔する側の隙間53を、隙間52より小さくしている。すなわち、実施形態の場合、左右の係合孔45(L,R)に関し、内周縁48の内、離隔する側の小さい隙間(殆ど無いような隙間)53側を、相互に接近する係合爪70(L,R)を係合させた際に、係合爪70を位置規制(左右方向に沿う方向での位置規制)する位置決め縁49として、設定されている。
【0041】
そして、実施形態では、取付ブラケット60側の係合部としての各係合爪70をケース35側の係合部としての係合孔45に、挿入させて相互に係合されば、相互に、取付ブラケット60とケース35とが位置決めされて、取付ブラケット60のブラケット側取付部61と、ケース35のケース側取付部42とが、対応する取付部位としてのボディ1側のブラケット5とインパネ10側の取付フランジ部16とに対し、共に、対応する取付基準位置P1,P2に配置されることとなる。
【0042】
なお、取付ブラケット60において、符号68に示す部位は、周囲のハーネスを保持する支持環部68である。
【0043】
実施形態のエアバッグ装置Mの組み立ては、まず、各貫通孔22から連結ボルト27を突出させるように、内部にリテーナ25を配設させた状態で、エアバッグ20を折り畳み、さらに、折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ20を、破断可能な図示しないラッピングシートでくるんでおく。ついで、各連結ボルト27を貫通孔38から突出させつつ、折り畳んだエアバッグ20をケース35の底壁部36上に収納するとともに、インフレーター30の本体部31を、下方から開口36aを経てケース35内に挿入させつつ、フランジ部32の各貫通孔33に底壁部36から突出している各連結ボルト27を挿通させる。さらに、取付ブラケット60の各係合爪70(L,R)を、下方からケース35の係合孔45(L,R)に挿入させて、係合孔45(L,R)に係合させつつ、取付ブラケット60の支持座66(L,R)における貫通孔67に、各連結ボルト27を挿通させ、そして、各連結ボルト27にナット28を締結する。すると、取付ブラケット60のブラケット側取付部61とケース35のケース側取付部42とを、対応する取付部位としてのボディ1側のブラケット5とインパネ10側の取付フランジ部16とに対する所定の取付基準位置P1,P2に配置させることができるとともに、ケース35に、エアバッグ20、インフレーター30、及び、取付ブラケット60を取付固定することができて、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。
【0044】
その後、エアバッグ装置Mは、ケース35の側壁部40を、下方からエアバッグカバー11の側壁構成部14側に押し上げて、側壁構成部14の係止孔15に係止フック41を係止させて、ケース35にエアバッグカバー11を組み付けるとともに、エアバッグカバー11の各取付フランジ部16(L,R)にケース35の取付部42(L,R)を当てて、ボルト18を、各取付部42(L,R)の取付孔42cを経て、ナット17に締結させて、ケース側取付部42(L,R)をインパネ10側の取付部位として取付フランジ部16(L,R)に取り付ける。また、エアバッグ装置Mの取付ブラケット60のブラケット側取付部61を、ボディ1側の取付部位としてのブラケット3に当てて、ボルト4を、ブラケット3の取付孔3aを経て、取付部61のナット62に締結させれば、取付ブラケット60をブラケット3に取付固定できて、エアバッグ装置Mを、ボディ1側に取り付けて、車両に搭載することができる。
【0045】
車両へのエアバッグ装置Mの搭載完了後、インフレーター30のガス吐出口31aから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ20が、膨張して、側壁構成部14で囲まれた天井構成部12の扉部13F,13Bを前後に開かせ、助手席搭乗者の前方側へ大きく展開しつつ膨張し、そして、膨張を完了させることとなる。
【0046】
以上のように、実施形態のエアバッグ装置Mでは、組立時において、エアバッグ20、インフレーター30、ケース35、及び、取付ブラケット60の各貫通孔22,33,38,67の周縁部位(組付座21、フランジ部32、取付座37、及び、支持座66)を重ねて、リテーナ25の連結ボルト27を、各貫通孔22,33,38,67に貫通させる際、取付ブラケット60とケース35との対応する係合部70,45を係合させて、そして、リテーナ25の連結ボルト27を各貫通孔22,33,38,67に貫通させて、連結ボルト27にナット28を締結すれば、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。そしてその後、ブラケット側取付部61とケース側取付部42とを、対応するボディ1側等の取付部位としてのブラケット3や取付フランジ部16に取り付ければ、エアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。その際、取付ブラケット60とケース35とは、対応する係合部70,45相互を係合させれば、ブラケット側取付部61とケース側取付部42とを、それぞれ、対応する取付部位としてのブラケット3や取付フランジ部16への取付基準位置P1,P2に配置させることができることから、円滑に、ブラケット側取付部61とケース側取付部42とを、対応するボディ1側等の取付部位3,16に、取り付けることができる。また、エアバッグ装置Mの組立時に、単に、取付ブラケット60とケース35との対応する係合部70,45相互を係合させるだけであり、係合部70,45相互が、貫通孔67,38から離れた別位置に配置されていることもあいまって、エアバッグ装置Mの組立作業性を低下させる虞れも生じない。
【0047】
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、組立作業性の低下を招くことなく、ケース35と取付ブラケット60との各取付部42,61の対応する取付部位16,3への取付作業性を良好にすることができる。
【0048】
そして、実施形態では、取付ブラケット60とケース35との相互の係合部として、一方の係合部が、凸状係合部としての係合爪70として構成され、他方の係合部が、凸状係合部を挿入させて係合させる凹状係合部としての係合孔45として、構成されている。
【0049】
そのため、実施形態では、嵌め合わせるように、単に、凸状係合部としての係合爪70を凹状係合部としての係合孔45に挿入させるだけで、係合できることから、取付ブラケット60とケース35との係合部相互の係合作業が容易となる。
【0050】
なお、実施形態では、取付ブラケット60側に、係合爪70からなる凸状係合部を設けて、ケース35側に、係合孔45からなる凹状係合部を設けたが、逆の構成として、取付ブラケット60側に、凹状係合部を設けて、ケース35側に、凸状係合部を設けてもよい。
【0051】
また、凸状係合部は、柱状等の出っ張った突起や凸部とし、凹状係合部は、その凸部や突起を挿入可能な凹部としてもよい。
【0052】
さらに、本発明に係る係合部は、一方側を他方側に挿入させる凹状係合部と凸状係合部とから構成せずに、例えば、ケース35の側壁部40の前後左右の外周側に当てる当接部を取付ブラケット60に設け、その当接部と側壁部40自体とで係合部を構成したり、あるいは、取付ブラケット60の支持座66の両側に当たる当接部をケース35側に設けて、その当接部と取付ブラケット60の支持座66とで係合部を構成してもよい。
【0053】
また、実施形態では、凸状係合部としての係合爪70の凹状係合部として係合孔45への挿入方向が、連結ボルト27のケース35と取付ブラケット60との各貫通孔38,67への挿入方向に沿う方向としている(
図5のA,B参照)。
【0054】
そのため、実施形態では、リテーナ25の連結ボルト27を、各貫通孔38,67に挿入させる際、その方向に沿って、凸状係合部としての係合爪70を凹状係合部としての係合孔45に挿入させて係合できることから、一層、容易に、係合部70,45相互を係合することができる。
【0055】
さらに、実施形態では、ケース35が、底壁部36と底壁部36の縁から上方に延びる側壁部40とを備えて構成されるとともに、底壁部36に貫通孔38を配設させ、底壁部36の上面36b側における貫通孔38の周縁をエアバッグ20の取付座37として、底壁部36の上面36b側に折り畳まれたエアバッグ20を収納する収納部位、として構成され、ケース35の取付座37の下面36e側に、インフレーター30の貫通孔33の周縁部位としてのフランジ部32と、取付ブラケット60の貫通孔67の周縁部位としての支持座66とが、配設されている。そして、ケース35の凹状係合部が、ケース35における側壁部40の前壁部40a近傍の底壁部36に貫通するように配設される係合孔45、として構成され、また、取付ブラケット60の凸状係合部が、係合孔45を貫通して底壁部36から上方へ突出する係合爪70、として構成されている。
【0056】
そのため、実施形態では、エアバッグ装置Mの組立時、取付ブラケット60の凸状係合部しての係合爪70を、ケース35の凹状係合部としての係合孔45に挿入させれば、取付ブラケット60のブラケット側取付部61とケース35のケース側取付部42とを、所定の取付基準位置P1,P2に配置させることができる。そして、取付ブラケット60の係合爪70は、
図5に示すように、ケース35の底壁部36の係合孔45を経て、折り畳んだエアバッグ20を収納する底壁部36の上面36b側に、突出することとなるが、係合孔45が側壁部40の前壁部40a近傍に配設されており、側壁部40の前壁部40aに沿い、かつ、前壁部40aの近傍に、係合爪70が配設されることから、係合爪70が、膨張するエアバッグ20に対して傷付けるように干渉することを抑制できる。
【0057】
なお、実施形態の場合には、係合爪70の前面71aが側壁部40の前壁部40aの内側面40aaに当接するように、配設され、係合爪70の後面71bと内側面40aaとが、連なるように配設されており、一層、係合爪70がエアバッグ20を傷付けしないように、構成されている。
【0058】
さらに、実施形態では、取付ブラケット60の貫通孔67は、その開口径d3を、インフレーター30の貫通孔33の開口径d2より、大きくしている(開口径d2は、約5.6mm、開口径d3は、約6.5mm)。
【0059】
そのため、実施形態では、連結ボルト27を貫通させる際に、エアバッグ20、ケース35、インフレーター30、及び、取付ブラケット60の各貫通孔22,38,33,67に貫通させることとなり、インフレーター30の貫通孔33の開口径d2より取付ブラケット60の貫通孔67の開口径d3が大きければ、インフレーター30の貫通孔33を貫通させつつ、取付ブラケット60の貫通孔67に、連結ボルト27の先端を貫通させる際、開口径d3の大きい分、取付ブラケット60の貫通孔67の周縁に、連結ボルト27の先端を干渉させずに、容易に連結ボルト27を貫通させることができて、エアバッグ装置Mの組立作業性を良好にすることができる。勿論、取付ブラケット60の貫通孔67が開口径d3を大きくしていても、取付ブラケット60とケース35との係合部70,45相互を係合させれば、ブラケット側取付部61とケース側取付部42とを、所定の取付基準位置P1,P2に配置できることから、組立後のボディ1側等の所定の取付部位3,16への良好な取付作業性は、確保される。
【0060】
さらに、実施形態では、対応する凸状係合部としての係合爪70(L,R)と凹状係合部としての係合孔45(L,R)とが、少なくとも、左右に並設されるように、二組配設されている。そして、二組の凹状係合部としての係合孔45(L,R)が、対応する凸状係合部としての係合爪70(L,R)を係合させる開口形状として、係合させた係合爪70L,70Rの相互の離隔した側の隙間53と、係合させた係合爪70L,70Rの相互の接近する側の隙間52と、の一方側を他方側より、小さくするように、形成されている。実施形態の場合、左右方向の外側の隙間53が小さく、内側の隙間52を大きくしている。
【0061】
このような構成では、狭くなる隙間53側の係合爪70の外縁70a側を係合位置基準とすれば、係合爪70(L,R)の係合孔45(L,R)への挿入を容易にして、係合爪70(L,R)と係合孔45(L,R)とを、位置ずれを生じさせずに、係合させることができる。すなわち、各凹状係合部としての係合孔45(L,R)は、それぞれ、内周面46の略全周(前面46a、後面46b、左面46c、右面46d)を、対応する凸状係合部としての係合爪70の外周面71に接するように、形成せずに、係合時に、広い隙間52側を設けた開口形状としていることから、係合爪70の挿入時に、広い隙間52側での干渉を無くして、容易に係合孔45(L,R)に係合爪70(L,R)を挿入でき、そして、挿入後には、二組の内における狭い隙間53側の位置決め縁49相互で、係合爪70(L,R)相互を位置規制できて、二組の係合爪70(L,R)と係合孔45(L,R)とを、位置ずれさせずに、係合させることができることとなる。
【0062】
なお、この位置ずれの規制は、主に、左右方向の位置ずれを規制することとなる。そして、実施形態の場合、取付部61が、ケース35の左右方向の中央の1箇所で前後方向に沿って締結されるボルト4を使用して、取付部位3に取り付けられることから、ケース35と取付ブラケット60との前後方向の位置ずれは、取付時に吸収され易い。そのため、ケース35と取付ブラケット60とは、左右方向の位置ずれの規制が重要となり、実施形態の場合、上記のように、左右方向の位置ずれを好適に規制できることから、所定の取付基準位置P1,P2に対して、ケース35と取付ブラケット60とを、一層、精度よく配置させることが可能となる。
【0063】
また、実施形態では、係合孔45(L,R)の内周縁48における相互に離隔した側を位置決め縁49,49として構成したが、
図6の括弧書きに示すように、実施形態の場合より、係合孔45(L,R)相互を離隔させて、係合孔45(L,R)の内周縁48における相互に接近した側を位置決め縁49,49として、係合爪70(L,R)の内縁70b側を位置規制するように、構成してもよい。
【0064】
なお、実施形態の場合、係止爪70L,70Rの外縁70aは、下方から見て、支持材66L,66Rの各貫通孔67の中心67aを通る直線LC,RCに一致するように設定されている。そのため、係止爪70L,70Rの外縁70a,70a相互と、支持材66L,66Rの貫通孔67の中心67a相互との離隔距離RTは、等しく構成されている。
【0065】
また、実施形態では、助手席用のエアバッグ装置Mについて説明したが、本発明は、助手席用のエアバッグ装置に限定されるものでなく、ケースをボディ側取り付ける取付ブラケットと、取付ブラケットと異なる取付部位にケースを取り付ける構成であれば、助手席用のエアバッグ装置以外のエアバッグ装置に適用することできる。
【符号の説明】
【0066】
1…ボディ、3…(取付部位)ブラケット、10…インストルメントパネル、
16(L,R)…(取付部位)取付フランジ部、20…エアバッグ、22…貫通孔、25…リテーナ、27…連結ボルト、28…ナット、30…インフレーター、32…(貫通孔周縁)フランジ部、33…貫通孔、35…ケース、36…底壁部、36b…上面、36e…下面、37…取付座、38…貫通孔、40…側壁部、42(L,R)…(ケース側)取付部、45(L,R)…(係合部・凹状係合部)係合孔、60…取付ブラケット、61…(ブラケット側)取付部、66(L,R)…(貫通孔周縁)支持座、67…貫通孔、70…(L,R)…(係合部・凹状係合部)係合爪、
P1…(ケース側)第1取付基準位置、P2…(ブラケット側)第2取付基準位置、d2…(インフレーター貫通孔の)開口径、d3…(取付ブラケット貫通孔の)開口径、M…エアバッグ装置。