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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ゲームプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230418BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20230418BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230418BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/792
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018117412
(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公開番号】P2019217055
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】岡林 芳弘
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特許第6260993(JP,B2)
【文献】特表2016-525919(JP,A)
【文献】特開2014-188142(JP,A)
【文献】特開2018-051267(JP,A)
【文献】特開2018-047100(JP,A)
【文献】特開2014-195530(JP,A)
【文献】エンターブレインムック コネクト!オン モンスタードラゴン,株式会社エンターブレイン,2013年03月12日,P33
【文献】株式会社ゲームマスター,モンスターハンタークロス 公式ガイドブック 初版,第1版,カドカワ株式会社,2016年02月09日,P199
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と接続可能なコンピュータを、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段、
前記処理手段により選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更する変更手段、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と接続可能なコンピュータを、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、プレイヤが所有する景品の数に応じて前記対価及び/又は前記景品候補を削除する削除数を変更する変更手段、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項3】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と接続可能なコンピュータを、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、プレイヤの抽選回数に応じて前記対価及び/又は前記景品候補を削除する削除数を変更する変更手段、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項4】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と接続可能なコンピュータを、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、選択を受け付けた前記景品候補の当選確率に応じて前記対価を変更する変更手段、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項5】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段と、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段と、
前記処理手段により選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更する変更手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段と、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段と、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、プレイヤが所有する景品の数に応じて前記対価及び/又は前記景品候補を削除する削除数を変更する変更手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段と、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段と、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、プレイヤの抽選回数に応じて前記対価及び/又は前記景品候補を削除する削除数を変更する変更手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と、
前記複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段と、
プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補を削除することなく当該景品候補の選択確率を低くする処理手段と、
前記処理手段により削除された又は選択確率が低くされた景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更し、選択を受け付けた前記景品候補の当選確率に応じて前記対価を変更する変更手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定するゲームが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、抽選の後に、複数の景品候補の中から一以上の景品候補のプレイヤによる選択を受け付け、次回の抽選のために、選択を受け付けた景品候補を削除する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6260993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、最初のほうの抽選では、所望の景品がプレイヤに付与される可能性が低い。この結果、当選する確率の低い抽選をプレイヤに強いることとなり、特に有料での抽選が行われる場合、その抽選が敬遠されてしまう恐れがある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、敬遠されにくい抽選を提供することができるゲームプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るゲームプログラムは、複数の景品候補毎に当選確率が対応付けて記憶される記憶手段と接続可能なコンピュータを、複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する抽選手段、プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を削除する又は選択を受け付けた景品候補の選択確率を低くする処理削除手段、前記削除手段により削除された景品候補以外の残った又は選択確率が低くされた景品候補の当選確率を変更する変更手段、として機能させる。
【0008】
上記第一態様によれば、抽選の前に、選択を受け付けた景品候補を削除してから抽選を行うので、削除の前に抽選を行うことなく、残りの景品候補の当選確率を上げることができることと、抽選処理にプレイヤが積極的に関与することが出来ることから、敬遠されにくい抽選を提供することができる。
【0009】
また、本発明の第二態様では、前記変更手段は更に、前記景品候補を削除する削除数及び/又は前記対価を変更する。
【0010】
また、本発明の第三態様では、前記変更手段は、前記対価に応じて前記削除数を変更する。
【0011】
また、本発明の第四態様では、前記記憶手段には、前記対価として、前記景品候補の種類及び/又はレアリティに応じて異なる対価が設定されている。
【0012】
また、本発明の第五態様では、前記変更手段は、プレイヤが所有する景品状況に応じて前記対価及び/又は削除数を変更する。
【0013】
また、本発明の第六態様では、前記変更手段は、プレイヤの抽選回数に応じて前記対価及び/又は前記削除数を変更する。
【0014】
また、本発明の第七態様では、前記変更手段は、選択を受け付けた前記景品候補の当選確率に応じて前記対価を変更する。
【0015】
また、本発明の第八態様では、前記変更手段は、プレイヤにより対価が支払われた場合、前記抽選手段による抽選の前に、前記複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補の当選確率を変更する。
【0016】
また、本発明の第九態様では、前記景品候補を削除するための前記対価は課金を含み、前記抽選手段は、プレイヤにより対価が支払われた又はプレイヤにより対価を支払うことにより得られるアイテムが消費された場合に抽選し、前記課金の額と前記抽選のための額は、異なる額が設定されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、抽選において、敬遠されにくい抽選を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る情報処理装置を含むゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図3図1に示すサーバ装置の機能手段の一例を概略的に示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る各機能手段が実行する抽選に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】端末装置に表示される抽選画面の一例を示す図である。
図6】(A)は、景品候補が削除される前の抽選テーブルの説明図であり、(B)は、景品候補が一つ削除された後の抽選テーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置(コンピュータ)を含むゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、ゲームシステム1は、一又は複数のプレイヤにゲームを提供するシステムである。ゲームシステム1は、本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらサーバ装置10と端末装置12は、イントラネットやインターネット等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
サーバ装置10は、ゲームプログラム14を実行して得られるゲーム、又はゲームプログラム14そのものを、通信ネットワークNTを介して各端末装置12に提供する情報処理装置である。本実施形態では、ゲームプログラム14の一部がサーバ装置10にインストールされるとともに残りが端末装置12にインストールされ、当該ゲームプログラム14がサーバ装置10と端末装置12により連携して実行される場合を説明する。
【0023】
各端末装置12は、プレイヤが所持する情報処理装置であって、ゲームプログラム14の実行結果を出力することで、プレイヤにゲームを提供する情報処理装置である。これらの端末装置12としては、ビデオゲーム機や携帯ゲーム機、業務用ゲーム装置、スマートフォン(携帯電話)、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。
【0024】
<ハードウェア構成>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0025】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0026】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0027】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0028】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0029】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作装置や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0030】
<機能手段>
図3は、サーバ装置10の機能手段の一例を概略的に示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、サーバ装置10は、記憶手段40と、進行手段42と、抽選手段44と、削除手段(処理手段)46と、変更手段48等の機能手段を備える。記憶手段40は、一又は複数の記憶装置28で実現される。記憶手段40以外の機能手段は、記憶装置28等に格納されたゲームプログラム14を制御装置20が実行することにより実現される。なお、これら機能手段40~48の全部又は一部は端末装置12に設けられてもよい。また、サーバ装置10は、記憶手段40と接続可能であればよく、上記のように、サーバ装置10内部で接続されていても、サーバ装置10外部で接続されていてもよい。言い換えれば、サーバ装置10自体が記憶手段40を備えていなくてもよい。この場合、記憶手段40は別のサーバ装置等に設けられる。
【0032】
記憶手段40は、プレイヤ毎のプレイデータ40Aや、一又は複数の抽選テーブル40B等を記憶する機能を有する。
プレイデータ40Aには、プレイヤのゲームの進行状況やプレイヤ情報、プレイヤが所持するゲームキャラクタ、ゲームアイテム等が記述されている。なお、ゲームキャラクタには、例えばレベルやヒットポイント、攻撃力、防御力、レアリティ等の各種パラメータが対応付けられている。抽選テーブル40Bは、複数の景品候補毎に、当選確率が対応付けて記述されている。なお、景品候補としては、ゲームキャラクタ(キャラクタカードを含む。)や、ゲームアイテム、経験値、ゲーム内通貨等が挙げられる。また、抽選テーブル40Bには、景品候補毎に、当該景品候補を削除する対価(第一対価)として、景品候補の種類及び/又はレアリティに応じて異なる第一対価が予め記述(設定)されていてもよい。
【0033】
進行手段42は、端末装置12におけるプレイヤの操作に応じてゲームを進行する機能を有する。
【0034】
抽選手段44は、複数の景品候補の中からプレイヤに付与する景品を抽選で決定する機能を有する。本実施形態では、抽選手段44は、プレイヤにより第二対価(金銭やクレジット等)が支払われた又はプレイヤにより第二対価を支払うことにより得られるアイテム(課金アイテム)が消費された場合に抽選する。
【0035】
削除手段46は、プレイヤにより第三対価が支払われた場合、抽選手段44による抽選の前に、複数の景品候補の中から一以上の景品候補のプレイヤによる選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補を抽選テーブル40Bの景品候補から削除する機能を有する。対価としては、例えば、課金や、課金アイテム、課金アイテムを除くゲームアイテム、所定の行為等が挙げられる。なお、第一対価と第二対価と第三対価は、支払う目的が異なるだけで、種類や価値は同じであってもよい。
なお、景品候補から削除するとは、記憶手段40やメモリ24などに記憶された抽選テーブル40B等から選択された景品候補を消去することや、抽選手段44において、プログラム処理上で選択された景品候補を抽選対象から外す等を意味する。
また、課金アイテムとは、課金の支払いにより得られるゲームアイテムである。
また、第一対価として課金を含む場合、その課金の額と抽選のための額は、異なる額が設定されていてもよい。例えば、第一対価は、抽選を行うために支払う金銭(第二対価)よりも高くしても、低くしてもよい。抽選を楽しませるという観点からは、第一対価は金銭(第二対価)よりも高いことが好ましい。
また、削除した後に、所定期間経過した場合に、削除手段46は、削除した景品候補を複数の景品候補に追加してもよい。
また、第一対価が上記のような所定の行為である場合は、「支払われた」行為を行ったという意味であり、対価の支払いが検出されたことを指す。所定の行為としては、所定のミッションをクリアする行為、所定回数ログインする行為、端末装置12に表示される広告を見る行為、他のゲームをプレイする行為等が挙げられ、そのそれぞれまたは何れかが検出されたことを条件として景品候補から削除される。
【0036】
変更手段48は、抽選テーブル40Bにおいて、削除手段46により削除された景品候補以外の残った景品候補の当選確率を変更する機能を有する。当選確率の変更方法は特に限定されないが、例えば、残った景品候補の当選確率を一律に上げたり、プレイヤが選択した景品候補の当選確率の上げ幅を、他の景品候補の当選確率の上げ幅よりも大きくしたり、残った景品候補の種類に応じて当選確率を上げてもよい。また、変更手段48は、残った景品候補の一部については当選確率を下げてもよい。例えば、変更手段48は、削除手段46により削除された景品候補と同種類のもの又は同じレアリティのもの当選確率は下げてもよい。また、下げない場合でも、変更手段48は、削除手段46により削除された景品候補と同種類のもの又は同じレアリティのもの当選確率の上げ幅は、他の景品候補の上げ幅に比べて低くてもよい。また、変更手段48は、残った景品候補それぞれの上げ幅を、抽選等でランダムに変更してもよい。
【0037】
また、変更手段48は、景品候補を削除する削除数又は対価を変更する機能を更に有する。例えば、(1)変更手段48は、第一対価に応じて削除数を変更したり、(2)選択を受け付けた景品候補の種類に応じて対価を変更したり、(3)プレイヤが所有する景品状況に応じて削除数及び/又は第一対価を変更したり、(4)プレイヤの抽選回数に応じて削除数及び/又は対価を変更したり、(5)選択を受け付けた景品候補の当選確率に応じて第一対価を変更したりする。以下に、上記(1)~(5)の具体例を説明する。
【0038】
(1)対価に応じて変更する場合
変更手段48は、複数の第一対価のうち何れか1つの第一対価の、プレイヤによる選択を受け付け、選択された第一対価が高いほど削除数を多く変更する。例えば、変更手段48は、プレイヤが支払う課金額が1000円であれば削除数を1に変更し、2000円であれば削除数を2に変更する。
【0039】
(2)景品候補の種類に応じて変更する場合
変更手段48は、選択を受け付けた景品候補のレアリティが高いほど第一対価を低くしてもよい。例えば、変更手段48は、レアリティが「高」を示す場合、課金額を1000円に変更し、レアリティが「中」を示す場合、課金額を1500円に変更し、レアリティが「低」を示す場合、課金額を2000円に変更する。逆に、変更手段48は、選択を受け付けた景品候補のレアリティが高いほど第一対価を高くしてもよい。
ただし、本実施形態では、記憶手段40の抽選テーブル40Bに、削除する対価として、景品候補の種類及び/又はレアリティに応じて異なる第一対価が設定されているので、その第一対価を使用すれば、結果的に、景品候補の種類に応じて第一対価が変更される。
【0040】
(3)景品状況に応じて変更する場合
変更手段48は、プレイヤが所有する景品数が閾値よりも多いほど削除数を多く変更したり、第一対価を低く変更したりしてもよい。逆に、変更手段48は、プレイヤが所有する景品数が閾値よりも多いほど削除数を少なく変更したり、第一対価を高く変更したりしてもよい。
また、変更手段48は、選択を受け付けた景品候補が、プレイヤが所有する景品の中に存在する場合、プレイヤが所有する景品の中に存在しない場合に比べて、第一対価を低く変更してもよい。逆に、変更手段48は、選択を受け付けた景品候補が、プレイヤが所有する景品の中に存在する場合、プレイヤが所有する景品の中に存在しない場合に比べて、第一対価を高く変更してもよい。
【0041】
(4)抽選回数に応じて変更する場合
変更手段48は、プレイヤの抽選回数が多いほど削除数を多くしたり、第一対価を低く変更したりしてもよい。逆に、変更手段48は、プレイヤの抽選回数が多いほど削除数を少なくしたり、第一対価を高く変更したりしてもよい。
なお、抽選回数に応じて削除数を変更することは、抽選回数が所定回数に達した場合に景品候補を削除することが出来るように変更手段48を動作させることも含む。
【0042】
(5)当選確率に応じて変更する場合
変更手段48は、選択を受け付けた景品候補の当選確率が高いほど第一対価を高く変更してもよい。逆に、変更手段48は、選択を受け付けた景品候補の当選確率が高いほど第一対価を低く変更してもよい。
【0043】
<各機能手段の処理の流れ>
図4は、本実施形態に係る各機能手段が実行する抽選に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理は、例えばゲームのメニュー画面において抽選画面ボタンが押下された場合に開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0044】
(ステップSP10)
進行手段42は、抽選画面を端末装置12に表示する。
【0045】
図5は、端末装置12に表示される抽選画面100の一例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、抽選画面100には、景品候補表示ボタン102と、景品候補削除ボタン104と、抽選開始ボタン106と、戻るボタン108と、が設けられている。景品候補表示ボタン102が押下されると、抽選によりプレイヤに付与される景品候補が表示可能となる。景品候補削除ボタン104が押下されると、景品候補を削除することが可能となる。抽選開始ボタン106が押下されると、抽選を開始することが可能となる。戻るボタン108が押下されると、メニュー画面が表示可能となる。
【0047】
図4に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP12)
進行手段42は、抽選画面100において景品候補表示ボタン102が押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP14の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP16の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP14)
進行手段42は、抽選テーブル40Bに記述されている複数の景品候補(及びその当選確率)を表示する。その後、プレイヤの操作に応じて、進行手段42は、再度、抽選画面100を端末装置12に表示する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP16)
進行手段42は、抽選画面100において景品候補削除ボタン104が押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP18の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP28の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP18)
進行手段42は、抽選テーブル40Bに記述されている複数の景品候補を列挙し、当該複数の景品候補の中から削除する一以上の景品候補の選択を受け付ける選択画面を端末装置12に表示する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP20)
削除手段46は、選択画面において、複数の景品候補の中からプレイヤによる一以上の景品候補の選択を受け付ける。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP22)
変更手段48は、選択された景品候補に応じて第一対価を変更する。本実施形態では、変更手段48は、景品候補はキャラクタカードで、第一対価は課金アイテムであり、選択されたキャラクタカードのレアリティが高いほど、第一対価しての課金アイテムの数を少なく変更する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP24)
削除手段46は、ステップSP22にて変更された数分だけ、課金アイテムを消費する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP26)
削除手段46は、抽選テーブル40Bをプレイヤに対応付けて記憶手段40にコピーするとともに、コピーした抽選テーブル内の景品候補の中からステップSP20にて選択された景品候補を削除する。なお、既にプレイヤに対応する抽選テーブルが記憶手段40に存在する場合には、削除手段46は、新たにコピーをすることなく、プレイヤに対応する抽選テーブル内の景品候補の中からステップSP20にて選択された景品候補を削除する。
【0056】
図6(A)は、景品候補が削除される前の抽選テーブルの説明図である。図6(B)は、景品候補が一つ削除された後の抽選テーブルの説明図である。
【0057】
図6(A)及び(B)に示すように、選択された景品候補が「キャラI9」である場合、削除手段46は、プレイヤに対応する抽選テーブル内の景品候補の中から「キャラI9」の行を削除する。この削除に伴い、変更手段48は、抽選テーブル内で残った景品候補の当選確率を更新(変更)する。例えば、景品候補が5つから4つになった場合、削除手段46は、各景品候補の当選確率の合計が100%となるように、各景品候補の当選確率を上げる。
【0058】
図4に戻って、進行手段42は、再度、抽選画面100を端末装置12に表示する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP28)
進行手段42は、抽選画面100において抽選開始ボタン106が押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP34の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP30)
抽選手段44は、課金アイテムを消費する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP32)
抽選手段44は、プレイヤに対応する抽選テーブルがある場合には当該抽選テーブル、対応する抽選テーブルがない場合には抽選テーブル40Bに基づき、抽選を開始する。抽選の結果、抽選手段44は、当選した景品をプレイヤに付与する。進行手段42は、再度、抽選画面100を端末装置12に表示する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP34)
進行手段42は、抽選画面100において戻るボタン108が押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP36の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP10の処理に戻る。
【0063】
(ステップSP36)
進行手段42は、メニュー画面を表示する。そして、図4に示す一連の処理が終了する。
【0064】
以上、本実施形態によれば、抽選の前に、選択を受け付けた景品候補を削除してから抽選を行うので、削除の前に抽選を行うことなく、残りの景品候補の当選確率を上げることができることと、抽選処理にプレイヤが積極的に関与することが出来ることから、敬遠されにくい抽選を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、景品候補を削除する削除数又は対価を変更することが可能なので、削除数や対価が一定の場合に比べて、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、選択を受け付けた景品候補の種類に応じて対価を変更することが可能なので、景品候補が異なっても対価が一定の場合に比べて、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、選択を受け付けた景品候補に設定されているレアリティが高いほど対価を低くすることが可能なので、一般的にレアリティの低い景品候補がレアリティの高い景品候補よりも多いことを考慮すると、ゲームを提供する側の収益を上げることができる。逆に、選択を受け付けた景品候補に設定されているレアリティが高いほど対価を高くすると、数が多い、レアリティの低い景品候補を、安価に削除することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態によれば、プレイヤが所有する景品状況に応じて対価や削除数を変更することが可能なので、プレイヤが所有する景品状況が異なっても対価や削除数が一定の場合に比べて、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、プレイヤの抽選回数に応じて対価や削除数を変更可能なので、抽選回数が異なっても対価や削除数が一定の場合に比べて、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、選択を受け付けた景品候補の当選確率に応じて対価を変更するので、選択を受け付けた景品候補の当選確率が異なっても対価が一定の場合に比べて、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0071】
---変形例---
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0072】
例えば、上記実施形態では、削除する景品候補はプレイヤが選択する場合を説明したが、プレイヤに付与する景品を抽選する前であれば、削除する景品候補を抽選手段44が抽選により選択してもよい。
【0073】
また、変更手段48は、削除数や対価を変更する場合を説明したが、プレイヤにより対価が支払われた場合、抽選手段44による抽選の前に、複数の景品候補の中から一以上の景品候補の選択を受け付け、選択を受け付けた景品候補の当選確率を変更してもよい。例えば、変更手段48は、プレイヤにより対価が支払われた場合、選択を受け付けた景品候補の当選確率を低く変更してもよい。この場合、プレイヤにとって不要な景品候補の当選確率を低く変更して、残りの景品候補の当選確率を高くすることができる。逆に、変更手段48は、プレイヤにより対価が支払われた場合、選択を受け付けた景品候補の当選確率を高く変更してもよい。この場合、プレイヤにとって所望の景品候補の当選確率を高く変更して、所望の景品を獲得し易くすることができる。
なお、当選確率を変更する対価は、削除する対価に比べて安価に設定することが好ましい。
【0074】
また、削除手段46は、課金するプレイヤとしないプレイヤとの間のゲームバランスを維持するために、イベントなどの所定期間だけ、景品候補を削除できるようにしてもよい。
【0075】
また、削除手段46は、景品候補を削除した場合に、報酬(ゲームアイテムや経験値、ポイント等)をプレイヤに付与してもよい。また、削除手段46は、景品候補を削除した場合に、他のプレイヤの抽選にも影響を与えてもよい。例えば、削除手段46は、景品候補を削除した場合に、他のプレイヤの削除した景品候補の当選確率を下げたり、上げたりしてもよい。
また、対戦型のゲームの場合、プレイヤが景品候補を選択して削除及び/又は当選確率を変更したことを条件にして、対戦相手にも同様に景品候補を選択して削除及び/又は当選確率を変更可能に設定したり、協力型のゲームの場合、チーム内で削除及び/又は当選確率を変更できる数が設定されていてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、削除手段46は、選択を受け付けた景品候補を削除する場合を説明したが、削除することなく、処理手段として、選択を受け付けた景品候補の選択確率を低くする処理を実行してもよい。選択確率は、例えば、現在の選択確率から半分以下にすることが好ましく、1/3以下にすることが好ましく、ゼロ付近にすることが好ましい。この処理を行っても、削除と同様に、残りの景品候補の当選確率を上げることができることと、抽選処理にプレイヤが積極的に関与することが出来ることから、敬遠されにくい抽選を提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
10…サーバ装置(情報処理装置)
40…記憶手段
44…抽選手段
46…削除手段(処理手段)
48…変更手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6