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特許7263719ボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/56 20060101AFI20230418BHJP
   H01H 33/53 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
H01H33/56 H
H01H33/53 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018173610
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2020047420
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】泰間 智也
(72)【発明者】
【氏名】瀧ケ崎 光
(72)【発明者】
【氏名】堤 則彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴治
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-092273(JP,A)
【文献】特開平05-334944(JP,A)
【文献】実開昭50-084076(JP,U)
【文献】特開2017-227485(JP,A)
【文献】特開2016-219007(JP,A)
【文献】特開平10-153515(JP,A)
【文献】特開平08-007719(JP,A)
【文献】特開2006-318722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/28-33/59
G01M 3/00- 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から開閉器内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトであって、
前記検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサー
を備え、
前記ボルトは、前記センサーを、前記ボルトのねじ先部分に有し、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記ねじ先部分に取り付けられた前記センサーが前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれ、
前記センサーは、短絡センサーである、ボルト。
【請求項2】
前記センサーが検出した前記浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信する通信部
を備える、請求項1に記載のボルト。
【請求項3】
前記開閉器は、柱上開閉器である、請求項1又は請求項2に記載のボルト。
【請求項4】
前記ねじ穴は、気密栓である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボルト。
【請求項5】
外部から開閉器内の検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサーを備え、前記検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトと、
前記センサーが検出した前記浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信する通信装置と、
前記通信装置が送信した前記浸水の状態を示す情報に基づいて、前記開閉器内が浸水しているか否かを判定する管理装置と、
を備え、
前記センサーは、短絡センサーであり、前記ボルトのねじ先部分に取り付けられ、
前記ボルトは、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記センサーが、前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれている、浸水検出システム。
【請求項6】
外部から開閉器内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトが備えるセンサーが検出した浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信するステップと、
前記送信するステップで送信された前記浸水の状態を示す情報に基づいて、前記開閉器内が浸水しているか否かを判定するステップと、
を有し、
前記ボルトは、前記センサーを、前記ボルトのねじ先部分に有し、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記ねじ先部分に取り付けられた前記センサーが前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれ、
前記センサーは、短絡センサーである、浸水検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
柱上開閉器とは、配電系統の制御、運用のために取り付けられる開閉器である。柱上開閉器は、例えば、長年の使用により錆が発生し、発生した錆が進行した場合に外箱に穴が開き、この穴から雨水が侵入する場合がある。外箱に空いた穴から雨水が侵入することによって、柱上開閉器が浸水した場合、柱上開閉器が設置されている配電系統の停電事故などの公衆災害に繋がるおそれがある。このため、柱上開閉器に対して、 定期的な浸水点検が行われている。
【0003】
柱上開閉器の浸水を検出する技術に関して、超音波を用いて柱上開閉器内の浸水を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、送信用探触子から柱上開閉器の鋼底板内に、超音波を、所定の角度をもって斜角法により横波入射させ、柱上開閉器からの反射波を、送信用探触子と対向して鋼底板に設置された受信用探触子によって受信して、受信した反射波の中から鋼底板からの横波による反射波と浸水により生じる水界面からの縦波反射波とを検出して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-280775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波を用いて柱上開閉器内の浸水を検出する場合には、柱上開閉器の設置箇所まで出向して、柱上開閉器に、超音波を入射させなければならない。配電系統には膨大な数の柱上開閉器が設置されていることから、多大な労力を要していた。
また、超音波を用いて柱上開閉器内の浸水を検出するには、反射波の波形を観測する必要があり、熟練の技術者による判断が必要であった。
以上のことは、柱上開閉器に限らず、開閉器に当てはまる。
【0006】
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、開閉器内の浸水の状態を容易に取得できるボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、外部から開閉器内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトであって、前記検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサーを備え、前記ボルトは、前記センサーを、前記ボルトのねじ先部分に有し、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記ねじ先部分に取り付けられた前記センサーが前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれ、前記センサーは、短絡センサーである、ボルトである。
本発明の一態様のボルトにおいて、前記センサーが検出した前記浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信する通信部を備える
発明の一態様のボルトにおいて、前記開閉器は、柱上開閉器である。
本発明の一態様のボルトにおいて、前記ねじ穴は、気密栓である。
本発明の一態様は、外部から開閉器内の検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサーを備え、前記検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトと、前記センサーが検出した前記浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信する通信装置と、前記通信装置が送信した前記浸水の状態を示す情報に基づいて、前記開閉器内が浸水しているか否かを判定する管理装置と、を備え、前記センサーは、短絡センサーであり、前記ボルトのねじ先部分に取り付けられ、前記ボルトは、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記センサーが、前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれている、浸水検出システムである。
本発明の一態様は、外部から開閉器内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトが備えるセンサーが検出した浸水の状態を示す情報を、前記開閉器内を管理する管理装置へ送信するステップと、前記送信するステップで送信された前記浸水の状態を示す情報に基づいて、前記開閉器内が浸水しているか否かを判定するステップと、を有し、前記ボルトは、前記センサーを、前記ボルトのねじ先部分に有し、前記検出対象空間の下部の気体注入口に、前記ねじ先部分に取り付けられた前記センサーが前記開閉器の外箱の内部に露出するようにはめ込まれ、前記センサーは、短絡センサーである、浸水検出方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、開閉器内の浸水の状態を容易に取得できるボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の浸水検出システムが適用される配電線系統の一例を示す模式図である。
図2】第1の実施形態のボルトの一例を示す図である。
図3】第1の実施形態の浸水検出システムの一例を示すブロック図である。
図4】テーブルの一例を示す図である。
図5】第1の実施形態の浸水検出システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6】第2の実施形態の浸水検出システムが適用される配電線系統の一例を示す模式図である。
図7】第2の実施形態のボルトの一例を示す図である。
図8】第2の実施形態の浸水検出システムの一例を示すブロック図である。
図9】テーブルの一例を示す図である。
図10】第2の実施形態の浸水検出システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本実施形態のボルト、浸水検出システム、および浸水検出方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0011】
(第1の実施形態)
(浸水検出システム)
図1は、第1の実施形態の浸水検出システムが適用される配電線系統の一例を示す模式図である。
第1の実施形態の浸水検出システムは、配電線系統に適用される。配電線系統は、発電所からの電力を、変電所を介して住宅、商業施設、工業施設などの需要家負荷へ供給する。
配電線系統には、開閉器、自動電圧調整器、変圧器等の多数の電気機器が接続されている。図1に示される例では、電気機器の一例として、柱上開閉器100が示されている。柱上開閉器100は、短絡、地絡などの事故が発生した場合に、高圧配電線による送電を停止(停電)する。図1に示されるように、柱上開閉器100は、電柱102の上方に設置(装柱)され、腕金104に引留装柱された電源側の高圧配電線106aと負荷側の高圧配電線106bが接続されている。本実施形態の浸水検出システムでは、柱上開閉器100の外箱(ケース)100a内への浸水の有無を検出する。
【0012】
柱上開閉器100の製造工程では、組み立てられた外箱100aに気密漏れがないことを確認する際に、外箱100aの内部を加圧するために主に外箱100aの下部に気体注入口が形成される。気体注入口は、ねじ穴になっており、外箱100aに気密漏れがないことを確認した後に、気密栓がはめ込まれる。気密栓の一例は、ボルト300である。これによって、外箱100aの内部の気密性を保つことができるため、柱上開閉器100に湿気が侵入することを低減できる。
また、ボルト300には、ボルト300のねじ先部分に、センサーが取り付けられている。センサーは、外箱100aの内部の浸水の状態を検出する。センサーが検出することによって得られたセンサー値は、ケーブル320を介して、通信装置200へ送信される。
通信装置200は、柱上開閉器100毎に対応付けて設置される。通信装置200は、ボルト300に取り付けられたセンサーからのセンサー値を受信し、受信したセンサー値と、通信装置200の通信装置IDとを含み、管理装置400をあて先とするセンサー値通知情報を作成する。通信装置200は、作成したセンサー値通知情報を、管理装置400などの他の装置へ送信する。
管理装置400は、通信装置200が送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報に含まれるセンサー値と、通信装置IDとを取得する。管理装置400は、取得したセンサー値に基づいて、センサー値を送信したセンサーを有するボルト300がはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。管理装置400は、取得した通信装置IDに対応する柱上開閉器100を特定し、特定した柱上開閉器100と、柱上開閉器100とが浸水しているか否かの判定結果とを関連付けて、表示する。
【0013】
(ボルト300)
図2は、第1の実施形態のボルトの一例を示す図である。前述したように、ボルト300は、柱上開閉器100の外箱100aの下部のねじ穴にはめ込まれる。
ボルト300は、センサー310と、ケーブル320と、ボルト本体Bとを備える。センサー310の一例は、短絡センサー、温度センサー、湿度センサーなどである。以下、センサー310の一例として、温度センサーを使用した場合について説明を続ける。センサー310は、ボルト本体Bのねじ先部分SDに取り付けられている。センサー310が、ボルト本体Bのねじ先部分SDに埋め込まれていてもよい。以下、一例として、センサー310が、ボルト本体Bのねじ先部分SDに取り付けられている場合について説明を続ける。このように構成することによって、ボルト300が、柱上開閉器100の外箱100aの下部のねじ穴にはめ込まれた場合に、ねじ先部分SDに取り付けられたセンサー310が、外箱100aの内部に露出するため、外箱100a内部の空間の浸水の状態を検出できる。
センサー310が外箱100aの内部の空間の浸水の状態を検出することによって得られたセンサー値は、ケーブル320を経由して、通信装置200へ送信される。
【0014】
図3は、第1の実施形態の浸水検出システムの一例を示すブロック図である。図3に示される例では、浸水検出システムは、ボルト300-1と、通信装置200-1と、ボルト300-2と、通信装置200-2と、ボルト300-3と、通信装置200-3と、管理装置400とを備える。
ボルト300-1は、柱上開閉器100-1(図示なし)の外箱100a-1(図示なし)にはめ込まれ、ボルト300-2は、柱上開閉器100-2(図示なし)の外箱100a-2(図示なし)にはめ込まれ、ボルト300-3は、柱上開閉器100-3(図示なし)の外箱100a-3(図示なし)にはめ込まれる。
ボルト300-1と、ボルト300-2と、ボルト300-3とのうち、任意のボルトを、ボルト300と記載する。センサー310-1と、センサー310-2と、センサー310-3とのうち、任意のセンサーを、センサー310と記載する。通信装置200-1と、通信装置200-2と、通信装置200-3とのうち、任意の通信装置を、通信装置200と記載する。
ボルト300と、センサー310と、通信装置200とについては、前述したので、ここでの説明を省略する。
【0015】
(管理装置400)
管理装置400は、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。管理装置400は、通信部410と、記憶部420と、情報処理部430と、表示部440と、操作部450と、前記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン460とを備える。
通信部410は、通信モジュールによって実現される。通信部410は、ネットワーク50を介して、通信装置200などの外部の通信装置と通信する。具体的には、通信部410は、通信装置200が送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報を、情報処理部430へ出力する。また、通信部410は、情報処理部430が出力した柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けた情報を、他の装置へ送信してもよい。
【0016】
記憶部420は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部420には、情報処理部430により実行されるプログラム421と、アプリ422と、テーブル423とが記憶される。
【0017】
アプリ422は、管理装置400に、通信装置200が送信したセンサー値通知情報を受信させる。アプリ422は、管理装置400に、受信させたセンサー値通知情報から、センサー値と、通信装置IDとを取得させる。アプリ422は、管理装置400に、取得させたセンサー値に基づいて、そのセンサー値を出力したセンサーを有するボルト300がはめ込まれた外箱100aの内部が浸水しているか否かを判定させる。アプリ422は、管理装置400に、取得させた通信装置IDに対応する柱上開閉器100の柱上開閉器IDを取得させる。アプリ422は、外箱100aの内部が浸水しているか否かの判定結果(以下「浸水判定結果」という)と、柱上開閉器100の柱上開閉器IDとを、表示部440へ表示させるとともに、他の装置へ出力させる。
テーブル423は、通信装置IDと柱上開閉器IDとを関連付けたテーブル形式の情報である。
図4は、テーブルの一例を示す図である。図4に示される例では、通信装置ID「CE001」と、その通信装置IDによって示される通信装置に対応する柱上開閉器100の柱上開閉器ID「PS001」とが関連付けられている。図3に戻り説明を続ける。
表示部440は、柱上開閉器100の柱上開閉器IDと、その柱上開閉器100の浸水判定結果とを関連付けて表示する。具体的には、表示部440は、柱上開閉器100の柱上開閉器IDを表示し、ユーザが、柱上開閉器100の柱上開閉器IDを押す操作を行った場合に、ユーザが押す操作を行った柱上開閉器IDと、その柱上開閉器IDに対応する柱上開閉器100の浸水判定結果とを関連付けて表示する。
操作部450は、例えば、タッチパネルなどによって構成され、表示部440に表示される画面に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理部430へ出力する。
【0018】
情報処理部430の全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部420に格納されたプログラム421を実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、情報処理部430の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部430は、例えば、取得部431と、浸水判定部432と、出力部433とを備える。
【0019】
取得部431は、通信部410が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、浸水判定部432へ出力する。
浸水判定部432は、取得部431が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報に含まれる通信装置IDと、センサー値とを取得する。浸水判定部432は、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサーを有するボルト300がはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。具体的には、浸水判定部432は、センサー値として取得した外箱100aの内部の温度に基づいて、外箱100aの内部の温度と外部の温度との差が閾値以上である場合には柱上開閉器100が浸水していると判定し、閾値未満である場合には柱上開閉器100が浸水していないと判定してもよい。柱上開閉器100が浸水している場合には、外箱100aの外部の温度変化に対して、外箱100aの内部の温度変化が小さいと想定されるためである。ここで、外箱100aの外部の温度は、気象庁が提供する気象情報から取得されてもよいし、通信装置200に温度計を設置し、設置した温度計から取得されてもよい。通信装置200に設置された温度計から取得する場合、通信装置200は、外箱100aの外部の温度を示す情報を、センサー値通知情報に含めて送信するようにしてもよい。浸水判定部432は、取得した通信装置IDと、浸水判定結果とを、出力部433へ出力する。
出力部433は、浸水判定部432が出力した通信装置IDと、浸水判定結果とを取得する。出力部433は、取得した通信装置IDに関連する柱上開閉器IDを、記憶部420に記憶されたテーブル423から取得する。出力部433は、ユーザが、柱上開閉器100の柱上開閉器IDを押す操作を行った場合に、操作部450が出力したタッチ操作の検出結果に基づいて、取得した柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433は、柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410から他の装置へ送信してもよい。
【0020】
(浸水判定システムの動作)
図5は、第1の実施形態の浸水判定システムの動作の一例を示す図である。
(ステップS1)
ボルト300-1は、そのボルト300-1のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-1が外箱100a-1の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、通信装置200-1へ送信する。具体的には、センサー310-1は、一日に一回、一週間に一回、一か月に一回などの所定の周期で、外箱100a-1の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、通信装置200-1へ送信する。
(ステップS2)
通信装置200-1は、ボルト300-1が送信したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、通信装置200-1の通信装置ID-1とを含むセンサー値通知情報(以下「第1センサー値通知情報」という)を作成する。通信装置200-1は、作成した第1センサー値通知情報を、管理装置400へ送信する。管理装置400の通信部410は、通信装置200-1が送信したセンサー値通知情報を受信する。
(ステップS3)
ボルト300-2は、そのボルト300-2のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-2が外箱100a-2の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、通信装置200-2へ送信する。
【0021】
(ステップS4)
通信装置200-2は、ボルト300-2が送信したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、通信装置200-2の通信装置ID-2とを含むセンサー値通知情報(以下「第2センサー値通知情報」という)を作成する。通信装置200-2は、作成した第2センサー値通知情報を、管理装置400へ送信する。管理装置400の通信部410は、通信装置200-2が送信したセンサー値通知情報を受信する。
(ステップS5)
ボルト300-3は、そのボルト300-3のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-3が外箱100a-3の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、通信装置200-3へ送信する。
(ステップS6)
通信装置200-3は、ボルト300-3が送信したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、通信装置200-3の通信装置ID-3とを含むセンサー値通知情報(以下「第3センサー値通知情報」という)を作成する。通信装置200-3は、作成した第3センサー値通知情報を、管理装置400へ送信する。管理装置400の通信部410は、通信装置200-3が送信したセンサー値通知情報を受信する。
【0022】
(ステップS7)
管理装置400の通信部410は、通信装置200-1が送信した第1センサー値通知情報と、通信装置200-2が送信した第2センサー値通知情報と、通信装置200-3が送信した第3センサー値通知情報とを受信し、受信した第1センサー値通知情報と、第2センサー値通知情報と、第3センサー値通知情報とを、取得部431へ出力する。
取得部431は、通信部410が出力した第1センサー値通知情報と、第2センサー値通知情報と、第3センサー値通知情報とを取得し、取得した第1センサー値通知情報と第2センサー値通知情報と第3センサー値通知情報とを、浸水判定部432に出力する。
浸水判定部432は、取得部431が出力した第1センサー値通知情報を取得し、取得した第1センサー値通知情報に含まれる通信装置ID-1と、センサー値とを取得する。浸水判定部432は、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-1を有するボルト300-1がはめ込まれた外箱100a-1の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432は、取得した通信装置IDと、浸水判定結果とを、出力部433へ出力する。
浸水判定部432は、取得部431が出力した第2センサー値通知情報を取得し、取得した第2センサー値通知情報に含まれる通信装置ID-2と、センサー値とを取得する。浸水判定部432は、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-2を有するボルト300-2がはめ込まれた外箱100a-2の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432は、取得した通信装置ID-2と、浸水判定結果とを、出力部433へ出力する。
浸水判定部432は、取得部431が出力した第3センサー値通知情報を取得し、取得した第3センサー値通知情報に含まれる通信装置ID-3と、センサー値とを取得する。浸水判定部432は、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-3を有するボルト300-3がはめ込まれた外箱100a-3の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432は、取得した通信装置ID-3と、浸水判定結果とを、出力部433へ出力する。
【0023】
(ステップS8)
管理装置400の出力部433は、浸水判定部432が出力した通信装置ID-1と、浸水判定結果とを取得する。出力部433は、取得した通信装置ID-1に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-1を、記憶部420に記憶されたテーブル423から取得する。出力部433は、ユーザが、操作部450を操作することによって柱上開閉器100-1の柱上開閉器ID-1を押す操作を行った場合に、操作部450が出力したタッチ操作の検出結果に基づいて、取得した柱上開閉器ID-1と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433は、柱上開閉器ID-1と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410から他の装置へ送信してもよい。
また、管理装置400の出力部433は、浸水判定部432が出力した通信装置ID-2と、浸水判定結果とを取得する。出力部433は、取得した通信装置ID-2に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-2を、記憶部420に記憶されたテーブル423から取得する。出力部433は、ユーザが、操作部450を操作することによって柱上開閉器100-2の柱上開閉器ID-2を押す操作を行った場合に、操作部450が出力したタッチ操作の検出結果に基づいて、取得した柱上開閉器ID-2と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433は、柱上開閉器ID-2と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410から他の装置へ送信してもよい。
また、管理装置400の出力部433は、浸水判定部432が出力した通信装置ID-3と、浸水判定結果とを取得する。出力部433は、取得した通信装置ID-3に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-3を、記憶部420に記憶されたテーブル423から取得する。出力部433は、ユーザが、操作部450を操作することによって柱上開閉器100-3の柱上開閉器ID-3を押す操作を行った場合に、操作部450が出力したタッチ操作の検出結果に基づいて、取得した柱上開閉器ID-3と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433は、柱上開閉器ID-3と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410から他の装置へ送信してもよい。
図5に示されるシーケンスチャートでは、管理装置400が、通信装置200-1が送信した第1センサー値通知情報と、通信装置200-2が送信した第2センサー値通知情報と、通信装置200-3が送信した第3センサー値通知情報を受信した後に、外箱100a-1の内部と、外箱100a-2の内部と、外箱100a-3の内部とが浸水しているか否かを判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、管理装置400が、通信装置200-1が送信した第1センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-1の内部が浸水しているか否かを判定し、通信装置200-2が送信した第2センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-2の内部が浸水しているか否かを判定し、通信装置200-3が送信した第3センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-3の内部が浸水しているか否かを判定してもよい。
【0024】
前述した第1の実施形態では、柱上開閉器100について説明したが、この例に限らず、開閉器に適用できる。開閉器とする場合には、開閉器の設置箇所まで出向する手間と、柱上開閉器100に超音波を照射する手間とをなくすことができる。柱上開閉器100とすることによって、柱上開閉器100の設置箇所まで出向する手間と、柱上開閉器100が設置されている電柱102の上方に超音波を照射する手間とをなくすことができる。
前述した第1の実施形態では、ボルト300が、外箱100aの下部の気体注入口に、気密栓としてはめ込まれる場合について説明したがこの例に限られない。例えば、外箱100aを貫通している気体注入口以外のねじ穴であってもよい。外箱100aを貫通している気体注入口以外のねじ穴とする場合には、新たに貫通孔を空けることが必要になるが、気体注入口とすることによって、新たに貫通孔を空けることなく、柱上開閉器100の内部が浸水しているか否かを判定できる。
前述した第1の実施形態では、浸水検出システムが、ボルト300-1と、ボルト300-2と、ボルト300-3とを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ボルト300の数は、一個から二個でもよいし、四個以上であってもよい。
前述した第1の実施形態では、浸水検出システムが、通信装置200-1と、通信装置200-2と、通信装置200-3とを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、通信装置200の数は、一個から二個でもよいし、四個以上であってもよい。
【0025】
前述した第1の実施形態では、外箱100aの外部の温度が、気象庁が提供する気象情報から取得される場合と、通信装置200に温度計を設置し、設置した温度計から取得される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ボルト300に、外箱100aの外部の温度も測定できるように、センサー310を設置するようにしてもよい。このように構成することによって、気象庁が提供する気象情報から外箱100aの外部の温度を取得したり、通信装置200に設置された温度計から外箱100aの外部の温度を取得したりすることなく、外箱100aの外部の温度を取得できる。この場合、センサー310は、センサー値として、外箱100aの内部の温度と外部の温度とを、通信装置200へ出力する。
前述した第1の実施形態では、センサーの一例として、温度センサーがボルト本体Bにはめ込まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、短絡センサーがボルト本体Bにはめ込まれてもよい。この場合、短絡センサーによって検出される短絡したことを示す情報が、センサー情報として、通信装置200へ送信される。
また、例えば、湿度センサーがボルト本体Bにはめ込まれてもよい。この場合、湿度センサーによって検出される湿度を示す情報が、センサー情報として、通信装置200へ送信される。浸水判定部432は、センサー値として取得した外箱100aの内部の湿度に基づいて、外箱100aの内部の湿度と外部の湿度との差が閾値以上である場合には柱上開閉器100が浸水していると判定し、閾値未満である場合には柱上開閉器100が浸水していないと判定してもよい。柱上開閉器100が浸水している場合には、外箱100aの外部の湿度変化に対して、外箱100aの内部の湿度変化が小さいと想定されるためである。
ここで、外箱100aの外部の湿度は、気象庁が提供する気象情報から取得されてもよいし、通信装置200に湿度計を設置し、設置した温度計から取得されてもよい。また、ボルト300に、外箱100aの外部の湿度も測定できるように、センサー310を設置するようにしてもよい。このように構成することによって、気象庁が提供する気象情報から外箱100aの外部の湿度を取得したり、通信装置200に設置された湿度計から外箱100aの外部の湿度を取得したりすることなく、外箱100aの外部の湿度を取得できる。この場合、センサー310は、センサー値として、外箱100aの内部の湿度と外部の湿度とを、通信装置200へ出力する。通信装置200に設置された湿度計から取得する場合、通信装置200は、外箱100aの外部の湿度を示す情報を、センサー値通知情報に含めて送信するようにしてもよい。
【0026】
第1の実施形態の浸水検出システムによれば、浸水検出システムは、センサー310と、ボルト本体Bとを有するボルト300が、柱上開閉器100の外箱100aの下部の気体注入口にはめ込まれる。センサー310が、外箱100aの内部の浸水の状態を検出することによって得られたセンサー値は、ケーブル320を介して、通信装置200へ送信される。通信装置200は、センサー310が送信したセンサー値を受信し、受信したセンサー値と通信装置IDとを含むセンサー値通知情報を作成し、作成したセンサー値通知情報を、管理装置400へ送信する。
管理装置400は、通信装置200が送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報に基づいて、センサー値を送信したセンサー310を有するボルト300がはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。
従来は、配電系統には膨大な数の柱上開閉器100が設置されていることから、種々の機能を要する超音波での浸水検出装置を柱上開閉器100に対して一台ごとに設置し、遠隔にて浸水しているか否かについて管理することは困難であった。
本実施形態では、このように構成することによって、柱上開閉器100の設置箇所まで出向することなく、遠隔で柱上開閉器100の浸水を検出できる。また、センサー310が検出したセンサー値に基づいて、外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定することによって、超音波を利用して判定する場合と比較して、熟練の技術者でなくとも浸水の有無を判断できる。また、柱上開閉器100が浸水しているか否かを判断する手間が簡素になることによって、柱上開閉器100一台ごとへの設置を容易にできる。
【0027】
<構成例>
一構成例として、外部から開閉器(実施形態では、柱上開閉器100)内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトであって、検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサーを備え、ボルトは、センサーを、ボルトのねじ先部分に有する。
一構成例として、センサーが検出した浸水の状態を示す情報を、開閉器内を管理する管理装置へ送信する通信部を備える。
一構成例として、センサーは、開閉器内外の湿度を検出する。
一構成例として、前記開閉器は、柱上開閉器である。
一構成例として、ねじ穴は、気密栓である。
【0028】
(第2の実施形態)
(浸水検出システム)
図6は、第2の実施形態の浸水検出システムが適用される配電線系統の一例を示す模式図である。
第2の実施形態の浸水検出システムは、ボルト300の代わりにボルト300aを備え管理装置400の代わりに管理装置400aを備える点で、第1の実施形態の浸水検出システムとは異なる。
柱上開閉器100の製造工程では、組み立てられた外箱100aに気密漏れがないことを確認する際に、外箱100aの内部を加圧するために主に外箱100aの下部に気体注入口が形成される。気体注入口は、ねじ穴になっており、外箱100aに気密漏れがないことを確認した後に、気密栓がはめ込まれる。気密栓の一例は、ボルト300aである。これによって、外箱100aの内部の気密性を保つことができるため、柱上開閉器100に湿気が侵入することを低減できる。
【0029】
また、ボルト300aには、ボルト300aのねじ先部分にセンサーが取り付けられ、ボルト300aの頭部に制御部と通信部とが取り付けられている。センサーは、外箱100aの内部の浸水の状態を検出する。センサーが検出することによって得られたセンサー値は、ケーブルを介して、制御部へ出力される。制御部はセンサーが出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と制御部IDとを含み、管理装置400aを宛先とするセンサー値通知情報を作成し、作成したセンサー値通知情報を、通信部へ出力する。通信部は、制御部が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、管理装置400aなどの他の装置へ送信する。
管理装置400aは、ボルト300aが送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報に含まれるセンサー値と、制御部IDとを取得する。管理装置400aは、取得したセンサー値に基づいて、センサー値を送信したセンサーを有するボルト300aがはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。管理装置400aは、取得した制御部IDに対応する柱上開閉器100を特定し、特定した柱上開閉器100と、柱上開閉器100とが浸水しているか否かの判定結果とを関連付けて、表示する。
【0030】
(ボルト300a)
図7は、第2の実施形態のボルトの一例を示す図である。前述したように、ボルト300aは、柱上開閉器100の外箱100aの下部のねじ穴にはめ込まれる。
ボルト300aは、センサー310と、ケーブル320aと、ケーブル320bと、ボルト本体Bと、制御部330と、通信部340とを備える。センサー310の一例は、短絡センサー、温度センサー、湿度センサーなどである。以下、センサー310の一例として、温度センサーを使用した場合について説明を続ける。センサー310は、ボルト本体Bのねじ先部分SDに取り付けられている。センサー310が、ボルト本体Bのねじ先部分SDに埋め込まれていてもよい。以下、一例として、センサー310が、ボルト本体Bのねじ先部分SDに取り付けられている場合について説明を続ける。このように構成することによって、ボルト300aが、柱上開閉器100の外箱100aの下部のねじ穴にはめ込まれた場合に、ねじ先部分SDに取り付けられたセンサー310が、外箱100aの内部に露出するため、外箱100a内部の空間の浸水の状態を検出できる。
センサー310が外箱100aの内部の空間の浸水の状態を検出することによって得られたセンサー値は、ケーブル320aを介して、制御部330へ出力される。
制御部330は、その制御部330の制御部IDを記憶する。制御部330は、センサー310が出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、制御部IDとを含み、管理装置400aをあて先とするセンサー値通知情報を作成する。制御部330は、作成したセンサー値通知情報を、ケーブル320bを介して、通信部340へ出力する。
通信部340は、制御部330が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、管理装置400aなどの他の装置へ送信する。
【0031】
図8は、第2の実施形態の浸水検出システムの一例を示すブロック図である。図8に示される例では、浸水検出システムは、ボルト300a-1と、ボルト300a-2と、ボルト300a-3と、管理装置400aとを備える。
ボルト300a-1は、柱上開閉器100-1(図示なし)の外箱100a-1(図示なし)にはめ込まれ、ボルト300a-2は、柱上開閉器100-2(図示なし)の外箱100a-2(図示なし)にはめ込まれ、ボルト300a-3は、柱上開閉器100-3(図示なし)の外箱100a-3(図示なし)にはめ込まれる。
ボルト300a-1と、ボルト300a-2と、ボルト300a-3とのうち、任意のボルトを、ボルト300aと記載する。センサー310-1と、センサー310-2と、センサー310-3とのうち、任意のセンサーを、センサー310と記載する。制御部330-1と、制御部330-2と、制御部330-3とのうち、任意の制御部を、制御部330と記載する。通信部340-1と、通信部340-2と、通信部340-3とのうち、任意の通信部を、通信部340と記載する。
ボルト300aと、センサー310と、制御部330と、通信部340については、前述したので、ここでの説明を省略する。
【0032】
(管理装置400a)
管理装置400aは、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。管理装置400aは、通信部410aと、記憶部420aと、情報処理部430aと、表示部440と、操作部450と、前記各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン460とを備える。
通信部410aは、通信モジュールによって実現される。通信部410aは、ネットワーク50を介して、ボルト300aなどの外部の通信装置と通信する。具体的には、通信部410aは、ボルト300aが送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報を、情報処理部430aへ出力する。また、通信部410aは、情報処理部430aが出力した柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けた情報を、他の装置へ送信してもよい。
【0033】
記憶部420aは、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部420aには、情報処理部430aにより実行されるプログラム421と、アプリ422aと、テーブル423aとが記憶される。
【0034】
アプリ422aは、管理装置400aに、ボルト300aが送信したセンサー値通知情報を受信させる。アプリ422aは、管理装置400aに、受信させたセンサー値通知情報から、センサー値と、制御部IDとを取得させる。アプリ422aは、管理装置400aに、取得させたセンサー値に基づいて、そのセンサー値を出力したセンサーを有するボルト300aがはめ込まれた外箱100aの内部が浸水しているか否かを判定させる。アプリ422aは、管理装置400aに、取得させた制御部IDに対応する柱上開閉器100の柱上開閉器IDを取得させる。アプリ422aは、外箱100aの内部の浸水判定結果と、柱上開閉器100の柱上開閉器IDとを、表示部440へ表示させるとともに、他の装置へ出力させる。
テーブル423aは、制御部IDと柱上開閉器IDとを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0035】
図9は、テーブルの一例を示す図である。図9に示される例では、通信部ID「CU001」と、その通信部IDによって示される通信部に対応する柱上開閉器100の柱上開閉器ID「PS001」とが関連付けられている。図8に戻り説明を続ける。
【0036】
情報処理部430aの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部420aに格納されたプログラム421を実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部430aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部430aは、例えば、取得部431と、浸水判定部432aと、出力部433aとを備える。
【0037】
浸水判定部432aは、取得部431が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報に含まれる制御部IDと、センサー値とを取得する。浸水判定部432aは、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサーを有するボルト300aがはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。具体的には、浸水判定部432aは、センサー値として取得した外箱100aの内部の温度に基づいて、外箱100aの内部の温度と外部の温度との差が閾値以上である場合には柱上開閉器100が浸水していると判定し、閾値未満である場合には柱上開閉器100が浸水していないと判定してもよい。柱上開閉器100が浸水している場合には、外箱100aの外部の温度変化に対して、外箱100aの内部の温度変化が小さいと想定されるためである。
ここで、外箱100aの外部の温度は、気象庁が提供する気象情報から取得されてもよいし、制御部330に温度計を設置し、設置した温度計から取得されてもよい。制御部330に設置された温度計から取得する場合、制御部330は、外箱100aの外部の温度を示す情報を、センサー値通知情報に含めて、通信部340に出力するようにしてもよい。浸水判定部432aは、取得した制御部IDと、浸水判定結果とを、出力部433aへ出力する。
出力部433aは、浸水判定部432aが出力した制御部IDと、浸水判定結果とを取得する。出力部433aは、取得した制御部IDに関連する柱上開閉器IDを、記憶部420aに記憶されたテーブル423aから取得する。出力部433aは、ユーザが、柱上開閉器100の柱上開閉器IDを押す操作を行った場合に、操作部450が出力したタッチ操作の検出結果に基づいて、取得した柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433aは、柱上開閉器IDと、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410aから他の装置へ送信してもよい。
【0038】
(浸水判定システムの動作)
図10は、第2の実施形態の浸水判定システムの動作の一例を示す図である。
(ステップS11)
ボルト300a-1は、そのボルト300a-1のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-1が外箱100a-1の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-1へ出力する。制御部330-1は、センサー310-1が出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、制御部ID-1とを含み、管理装置400aをあて先とするセンサー値通知情報(以下「第1センサー値通知情報」という)を作成する。制御部330-1は、作成した第1センサー値通知情報を通信部340-1へ出力する。通信部340-1は、制御部330-1が出力した第1センサー値通知情報を取得し、取得した第1センサー値通知情報を、管理装置400aへ送信する。具体的には、センサー310-1は、一日に一回、一週間に一回、一か月に一回などの所定の周期で、外箱100a-1の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-1へ出力する。
(ステップS12)
ボルト300a-2は、そのボルト300a-2のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-2が外箱100a-2の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-2へ出力する。制御部330-2は、センサー310-2が出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、制御部ID-2とを含み、管理装置400aをあて先とするセンサー値通知情報(以下「第2センサー値通知情報」という)を作成する。制御部330-2は、作成した第2センサー値通知情報を通信部340-2へ出力する。通信部340-2は、制御部330-2が出力した第2センサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、管理装置400aへ送信する。具体的には、センサー310-2は、一日に一回、一週間に一回、一か月に一回などの所定の周期で、外箱100a-2の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-2へ出力する。
(ステップS13)
ボルト300a-3は、そのボルト300a-3のねじ先部分に取り付けられたセンサー310-3が外箱100a-3の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-3へ出力する。制御部330-3は、センサー310-3が出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、制御部ID-3とを含み、管理装置400aをあて先とするセンサー値通知情報(以下「第3センサー値通知情報」という)を作成する。制御部330-3は、作成した第3センサー値通知情報を通信部340-3へ出力する。通信部340-3は、制御部330-3が出力した第3センサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、管理装置400aへ送信する。具体的には、センサー310-3は、一日に一回、一週間に一回、一か月に一回などの所定の周期で、外箱100a-3の内部の浸水の状態を検出することによって得られるセンサー値を、制御部330-3へ出力する。
【0039】
(ステップS14)
管理装置400aの通信部410aは、ボルト300a-1が送信した第1センサー値通知情報と、ボルト300a-2が送信した第2センサー値通知情報と、ボルト300a-3が送信した第3センサー値通知情報とを受信し、受信した第1センサー値通知情報と、第2センサー値通知情報と、第3センサー値通知情報とを、取得部431へ出力する。
管理装置400aの取得部431は、通信部410aが受信した第1センサー値通知情報と、第2センサー値通知情報と、第3センサー値通知情報とを取得し、取得した第1センサー値通知情報と第2センサー値通知情報と第3センサー値通知情報とを、浸水判定部432aに出力する。
浸水判定部432aは、取得部431が出力した第1センサー値通知情報を取得し、取得した第1センサー値通知情報に含まれる制御部ID-1と、センサー値とを取得する。浸水判定部432aは、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-1を有するボルト300a-1がはめ込まれた外箱100a-1の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432aは、取得した制御部IDと、浸水判定結果とを、出力部433aへ出力する。
【0040】
浸水判定部432aは、取得部431が出力した第2センサー値通知情報を取得し、取得した第2センサー値通知情報に含まれる制御部ID-2と、センサー値とを取得する。浸水判定部432aは、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-2を有するボルト300a-2がはめ込まれた外箱100a-2の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432aは、取得した制御部IDと、浸水判定結果とを、出力部433aへ出力する。
浸水判定部432aは、取得部431が出力した第3センサー値通知情報を取得し、取得した第3センサー値通知情報に含まれる制御部ID-3と、センサー値とを取得する。浸水判定部432aは、取得したセンサー値に基づいて、そのセンサー値を送信したセンサー310-3を有するボルト300a-3がはめ込まれた外箱100a-3の内部が浸水しているか否かを判定する。浸水判定部432aは、取得した制御部IDと、浸水判定結果とを、出力部433aへ出力する。
【0041】
(ステップS15)
管理装置400aの出力部433aは、浸水判定部432aが出力した制御部ID-1と、浸水判定結果とを取得する。出力部433aは、取得した制御部ID-1に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-1を、記憶部420aに記憶されたテーブル423aから取得する。出力部433aは、取得した柱上開閉器ID-1と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433aは、柱上開閉器ID-1と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410aから他の装置へ送信してもよい。
また、管理装置400aの出力部433aは、浸水判定部432aが出力した制御部ID-2と、浸水判定結果とを取得する。出力部433aは、取得した制御部ID-2に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-2を、記憶部420aに記憶されたテーブル423aから取得する。出力部433aは、取得した柱上開閉器ID-2と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433aは、柱上開閉器ID-2と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410aから他の装置へ送信してもよい。
また、管理装置400aの出力部433aは、浸水判定部432aが出力した制御部ID-3と、浸水判定結果とを取得する。出力部433aは、取得した制御部ID-3に関連付けて記憶されている柱上開閉器ID-3を、記憶部420aに記憶されたテーブル423aから取得する。出力部433aは、取得した柱上開閉器ID-3と、浸水判定結果とを関連付けて、表示部440に表示する。また、出力部433aは、柱上開閉器ID-3と、浸水判定結果とを関連付けた情報を、通信部410aから他の装置へ送信してもよい。
図10に示されるシーケンスチャートでは、管理装置400aが、ボルト300a-1が送信した第1センサー値通知情報と、ボルト300a-2が送信した第2センサー値通知情報と、ボルト300a-3が送信した第3センサー値通知情報を受信した後に、外箱100a-1の内部と、外箱100a-2の内部と、外箱100a-3の内部とが浸水しているか否かを判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、管理装置400aが、ボルト300a-1が送信した第1センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-1の内部が浸水しているか否かを判定し、ボルト300a-2が送信した第2センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-2の内部が浸水しているか否かを判定し、ボルト300a-3が送信した第3センサー値通知情報を受信した直後に外箱100a-3の内部が浸水しているか否かを判定してもよい。
【0042】
前述した第2の実施形態では、柱上開閉器100について説明したが、この例に限らず、開閉器に適用できる。開閉器とする場合には、開閉器の設置箇所まで出向する手間と、柱上開閉器100に超音波を照射する手間とをなくすことができる。柱上開閉器100とすることによって、柱上開閉器100の設置箇所まで出向する手間と、柱上開閉器100が設置されている電柱102の上方に超音波を照射する手間とをなくすことができる。
前述した第2の実施形態では、ボルト300aが、外箱100aの下部の気体注入口に、気密栓としてはめ込まれる場合について説明したがこの例に限られない。例えば、外箱100aを貫通している気体注入口以外のねじ穴であってもよい。外箱100aを貫通している気体注入口以外のねじ穴とする場合には、新たに貫通孔を空けることが必要になるが、気体注入口とすることによって、新たに貫通孔を空けることなく、柱上開閉器100の内部が浸水しているか否かを判定できる。
前述した第2の実施形態では、センサー値通知情報に、制御部IDと、センサー値とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、制御部IDの代わりに、通信部IDが含まれてもよい。この場合、管理装置400aには、通信部IDと、柱上開閉器IDとが関連付けられて記憶される。また、制御部IDの代わりに、柱上開閉器IDが含まれてもよい。このように構成することによって、制御部IDから柱上開閉器IDを導出する処理を省略することができる。
前述した第2の実施形態では、浸水検出システムが、ボルト300a-1と、ボルト300a-2と、ボルト300a-3とを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ボルト300aの数は、一個から二個でもよいし、四個以上であってもよい。
前述した第2の実施形態では、外箱100aの外部の温度が、気象庁が提供する気象情報から取得される場合と、制御部330に温度計を設置し、設置した温度計から取得される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ボルト300aに、外箱100aの外部の温度も測定できるように、センサー310を設置するようにしてもよい。このように構成することによって、気象庁が提供する気象情報から外箱100aの外部の温度を取得したり、通信装置200に設置された温度計から外箱100aの外部の温度を取得したりすることなく、外箱100aの外部の温度を取得できる。この場合、センサー310は、センサー値として、外箱100aの内部の温度と外部の温度とを、通信部340へ出力する。
【0043】
前述した第2の実施形態では、センサーの一例として、温度センサーがボルト本体Bにはめ込まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、短絡センサーがボルト本体Bにはめ込まれてもよい。この場合、短絡センサーによって検出される短絡したことを示す情報が、センサー情報として、制御部330へ送信される。
また、例えば、湿度センサーがボルト本体Bにはめ込まれてもよい。この場合、湿度センサーによって検出される湿度を示す情報が、センサー情報として、制御部330へ送信される。浸水判定部432aは、センサー値として取得した外箱100aの内部の湿度に基づいて、外箱100aの内部の湿度と外部の湿度との差が閾値以上である場合には柱上開閉器100が浸水していると判定し、閾値未満である場合には柱上開閉器100が浸水していないと判定してもよい。柱上開閉器100が浸水している場合には、外箱100aの外部の湿度変化に対して、外箱100aの内部の湿度変化が小さいと想定されるためである。
ここで、外箱100aの外部の湿度は、気象庁が提供する気象情報から取得されてもよいし、制御部330に湿度計を設置し、設置した温度計から取得されてもよい。また、ボルト300aに、外箱100aの外部の湿度も測定できるように、センサー310を設置するようにしてもよい。このように構成することによって、気象庁が提供する気象情報から外箱100aの外部の湿度を取得したり、制御部330に設置された湿度計から外箱100aの外部の湿度を取得したりすることなく、外箱100aの外部の湿度を取得できる。この場合、センサー310は、センサー値として、外箱100aの内部の湿度と外部の湿度とを、通信部340へ出力する。制御部330に設置された湿度計から取得する場合、制御部330は、外箱100aの外部の湿度を示す情報を、センサー値通知情報に含めて送信するようにしてもよい。
【0044】
第2の実施形態の浸水検出システムによれば、浸水検出システムは、センサー310と、ボルト本体Bと、制御部330と、通信部340とを有するボルト300aが、柱上開閉器100の外箱100aの下部の気体注入口にはめ込まれる。センサー310が、外箱100aの内部の浸水の状態を検出することによって得られたセンサー値は、ケーブル320aを介して、制御部330へ出力される。制御部330は、センサー310が出力したセンサー値を取得し、取得したセンサー値と、制御部330の制御部IDとを含むセンサー値通知情報を作成する。制御部330は、作成したセンサー値通知情報を、ケーブル320bを介して、通信部340へ出力する。通信部340は、制御部330が出力したセンサー値通知情報を取得し、取得したセンサー値通知情報を、管理装置400aへ送信する。
管理装置400aは、ボルト300aが送信したセンサー値通知情報を受信し、受信したセンサー値通知情報に基づいて、センサー値を送信したセンサー310を有するボルト300aがはめ込まれた外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定する。
従来は、配電系統には膨大な数の柱上開閉器100が設置されていることから、種々の機能を要する超音波での浸水検出装置を 柱上開閉器100に対して一台ごとに設置し、遠隔にて浸水しているか否かについて管理することは困難であった。
本実施形態では、このように構成することによって、柱上開閉器100の設置箇所まで出向することなく、遠隔で柱上開閉器100の浸水を検出できる。また、センサー310が検出したセンサー値に基づいて、外箱100aの内部の柱上開閉器100が浸水しているか否かを判定することによって、超音波を利用して判定する場合と比較して、熟練の技術者でなくとも浸水の有無を判断できる。また、柱上開閉器100が浸水しているか否かを判断する手間が簡素になることによって、柱上開閉器100一台ごとへの設置を容易にできる。
さらに、ボルト300aに、制御部330と、通信部340とを備えることによって、第1の実施形態と比較して、通信装置200を設置する手間を省くことができる。
【0045】
<構成例>
一構成例として、外部から開閉器(実施形態では、柱上開閉器100)内の検出対象空間に貫通しているねじ穴にはまり込むボルトであって、検出対象空間の浸水の状態を検出するセンサーを備え、ボルトは、センサーを、ボルトのねじ先部分に有する。
一構成例として、センサーは、開閉器内外の湿度を検出する。
一構成例として、前記開閉器は、柱上開閉器である。
一構成例として、ねじ穴は、気密栓である。
【0046】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0047】
なお、上述した管理装置400と、管理装置400aとは、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
【0048】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0049】
なお、上述の管理装置400と、管理装置400aとは内部にコンピュータを有している。そして、上述した管理装置400と、管理装置400aとの各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
50…ネットワーク、100…柱上開閉器、100a…外箱(ケース)、102…電柱、104…腕金、106a…高圧配電線106a、106b…高圧配電線、200、200-1、200-2、200-3…通信装置、300、300-1、300-2、300-3、300a、300a-1、300a-2、300a-3…ボルト、310、310-1、310-2、310-3…センサー、320、320a、320b…ケーブル、330、330-1、330-2、330-3…制御部、340、340-1、340-2、340-3…通信部、400、400a…管理装置400、410、410a…通信部、420、420a…記憶部、421…プログラム、422、422a…アプリ、423、423a…テーブル、430、430a…情報処理部、440…表示部、450…操作部、431…取得部、432、432a…浸水判定部、433,433a…出力部、460…バスライン
図1
図2
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