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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】組立家具の枠体
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/02 20060101AFI20230418BHJP
   F16B 12/40 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
A47B47/02 B
F16B12/40 C
F16B12/40 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018209098
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020074851
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 祥悟
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-001090(JP,U)
【文献】実開平01-146002(JP,U)
【文献】特開2007-092764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 47/00-47/08
F16B 12/00-12/60
A47B 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、
前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ
前記一のフレーム部材の内部には第一の板ナット部材が固定され、
前記一方の結合部を貫通する第一のボルト部材が前記第一の板ナット部材と螺合することにより、前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合され、
前記他のフレーム部材の内部には第二の板ナット部材が固定され、
前記他方の結合部を貫通する第二のボルト部材が前記第二の板ナット部材と螺合することにより、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合され、
前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第二の板ナット部材との距離は、前記一方の結合部の前記本体部からの延出長さよりも小さく形成される、組立家具の枠体。
【請求項2】
前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第一の板ナット部材との距離は、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記第二のボルト部材の前記本体部からの延出長さ以上に形成される、請求項1に記載の組立家具の枠体。
【請求項3】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、
前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ
前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二つにおける同一の水平面に位置する面の両端部には、前記枠体の角部から同じ距離に連結穴が開口される、組立家具の枠体。
【請求項4】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、
前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、
前記フレーム部材の内部に板ナット部材が固定され、
前記結合部を貫通するボルト部材が前記板ナット部材と螺合することにより、前記結合部と前記フレーム部材とが結合され、
前記結合部と前記板ナット部材との何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には前記挿入凸部が挿入可能とされる被挿入孔が形成される、組立家具の枠体。
【請求項5】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、
前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、
前記フレーム部材の内部に板ナット部材が固定され、
当該連結部材における前記結合部を貫通するボルト部材が前記板ナット部材と螺合することにより、前記結合部と前記フレーム部材とが結合され、
前記フレーム部材における反対側には、他の前記連結部材が結合可能とされ、
当該連結部材における前記結合部と前記板ナット部材とにおいて、何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には被挿入孔が形成され、
前記フレーム部材における反対側に他の前記連結部材が所定の姿勢で結合される場合に、前記挿入凸部が被挿入孔に挿入可能とされる、組立家具の枠体。
【請求項6】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、
前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ
前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二つにおける同一の水平面に位置する面の両端部には、前記枠体の角部から同じ距離に連結穴が開口される、組立家具の枠体。
【請求項7】
角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、
前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、
前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、
前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ、
前記一のフレーム部材の内部には第一の板ナット部材が固定され、
前記一方の結合部を貫通する第一のボルト部材が前記第一の板ナット部材と螺合することにより、前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合され、
前記他のフレーム部材の内部には第二の板ナット部材が固定され、
前記他方の結合部を貫通する第二のボルト部材が前記第二の板ナット部材と螺合することにより、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合され、
前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第二の板ナット部材との距離は、前記一方の結合部の前記本体部からの延出長さよりも小さく形成され、
前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、
前記一方又は他方の結合部を貫通するボルト部材が前記第一又は第二の板ナット部材と螺合することにより、前記一方又は他方の結合部と前記一又は他のフレーム部材とが結合され、
前記一方又は他方の結合部と前記第一又は第二の板ナット部材との何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には前記挿入凸部が挿入可能とされる被挿入孔が形成されることにより、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされる、組立家具の枠体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立家具の枠体に関し、詳細には組立家具の枠体を組付ける際の作業を簡素化させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のフレーム部材を連結して構成する組立家具が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。特許文献1及び特許文献2に記載の組立家具においては、太さや断面形状の異なる複数種類のフレーム部材を連結することにより、棚や机等を構成している。このように、従来技術においては、フレーム部材の太さや断面形状を種類ごとに異ならせることにより、組付ける際の組み間違いを低減する構成が採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-61759号公報
【文献】特開2007-195721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献の如く、フレーム部材の太さや断面形状を種類ごとに異ならせた場合は、フレーム部材の加工工程及び加工時間が増加するため、コスト増の原因となる。一方、フレーム部材の太さや断面形状を統一した場合は、加工コストを抑制できるものの、組立家具の組付け時にフレーム部材の種類や姿勢等を間違える可能性がある。このような間違いを防ぐため、組立家具を組付ける際には、部品ごとに確認作業が必要となり、組立家具を組付ける際の作業が煩雑になるとともに、組付時間も長くなっていた。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、フレーム部材の太さや断面形状を統一した場合でも、フレーム部材の種類や姿勢等を間違えて組付ける可能性を低減することにより、組立家具を組付ける際の作業を簡素化するとともに、組付時間を短縮することのできる、組立家具の枠体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に構成する組立家具の枠体を提供する。
【0007】
(1)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ、前記一のフレーム部材の内部には第一の板ナット部材が固定され、前記一方の結合部を貫通する第一のボルト部材が前記第一の板ナット部材と螺合することにより、前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合され、前記他のフレーム部材の内部には第二の板ナット部材が固定され、 前記他方の結合部を貫通する第二のボルト部材が前記第二の板ナット部材と螺合することにより、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合され、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第二の板ナット部材との距離は、前記一方の結合部の前記本体部からの延出長さよりも小さく形成される、組立家具の枠体。
【0008】
(2)前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第一の板ナット部材との距離は、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記第二のボルト部材の前記本体部からの延出長さ以上に形成される、(1)に記載の組立家具の枠体。
【0009】
(3)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二つにおける同一の水平面に位置する面の両端部には、前記枠体の角部から同じ距離に連結穴が開口される、組立家具の枠体。
【0010】
(4)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、前記フレーム部材の内部に板ナット部材が固定され、前記結合部を貫通するボルト部材が前記板ナット部材と螺合することにより、前記結合部と前記フレーム部材とが結合され、前記結合部と前記板ナット部材との何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には前記挿入凸部が挿入可能とされる被挿入孔が形成される、組立家具の枠体。
【0011】
(5)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、前記フレーム部材の内部に板ナット部材が固定され、当該連結部材における前記結合部を貫通するボルト部材が前記板ナット部材と螺合することにより、前記結合部と前記フレーム部材とが結合され、前記フレーム部材における反対側には、他の前記連結部材が結合可能とされ、当該連結部材における前記結合部と前記板ナット部材とにおいて、何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には被挿入孔が形成され、前記フレーム部材における反対側に他の前記連結部材が所定の姿勢で結合される場合に、前記挿入凸部が被挿入孔に挿入可能とされる、組立家具の枠体。
【0012】
(6)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされ、前記他方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、他のフレーム部材と結合可能とされ、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされ、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二つにおける同一の水平面に位置する面の両端部には、前記枠体の角部から同じ距離に連結穴が開口される、組立家具の枠体。
【0013】
(7)角管部材である第一フレーム部材と、前記第一フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第二フレーム部材と、前記第一フレーム部材及び前記第二フレーム部材と直交して設けられる角管部材である第三フレーム部材と、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち少なくとも二本を互いに連結する連結部材と、を備える、組立家具の枠体であって、前記連結部材は、本体部と、前記本体部から延出される一方の結合部と、前記本体部から前記一方の結合部と直交する方向に延出される他方の結合部と、を備え、前記一方の結合部は、前記第一フレーム部材、前記第二フレーム部材、及び、前記第三フレーム部材のうち、一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、前記他方の結合部は、前記他のフレーム部材と結合可能とされ、前記一のフレーム部材の内部には第一の板ナット部材が固定され、前記一方の結合部を貫通する第一のボルト部材が前記第一の板ナット部材と螺合することにより、前記一方の結合部と前記一のフレーム部材とが結合され、前記他のフレーム部材の内部には第二の板ナット部材が固定され、前記他方の結合部を貫通する第二のボルト部材が前記第二の板ナット部材と螺合することにより、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合され、前記他方の結合部と前記他のフレーム部材とが結合された際の、前記本体部と前記第二の板ナット部材との距離は、前記一方の結合部の前記本体部からの延出長さよりも小さく形成され、前記一方の結合部及び前記一のフレーム部材と、前記他方の結合部及び前記他のフレーム部材と、のうち少なくとも何れか一組は、前記一方又は他方の結合部を貫通するボルト部材が前記第一又は第二の板ナット部材と螺合することにより、前記一方又は他方の結合部と前記一又は他のフレーム部材とが結合され、前記一方又は他方の結合部と前記第一又は第二の板ナット部材との何れか一方には挿入凸部が形成され、他方には前記挿入凸部が挿入可能とされる被挿入孔が形成されることにより、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされる、組立家具の枠体。
【発明の効果】
【0014】
以上における本発明に係る組立家具の枠体は、以下に示す効果を奏する。
【0015】
本発明に係る組立家具の枠体によれば、一のフレーム部材と他のフレーム部材を連結部材に組付ける際に、各フレーム部材の種類を間違えて取付ける可能性を低減することにより、組立家具の枠体を組付ける際の作業を簡素化するとともに、組付時間を短縮することが可能となる。また、一方の結合部を他のフレーム部材と結合しようとすると、一方の結合部が第二の板ナット部材と干渉して取付不能となるため、一のフレーム部材と他のフレーム部材を連結部材に組付ける際に、各フレーム部材の種類を間違えて取付ける可能性をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る組立家具の枠体を示す斜視図。
図2】第一連結部材による連結構造を示す斜視図。
図3】(a)及び(b)は第一連結部材の上側斜視図及び下側斜視図。
図4】第一連結部材における連結手順を示す第一の斜視図。
図5】第一連結部材における連結構造を示す左側面図。
図6】第一連結部材における連結手順を示す第二の斜視図。
図7】第一連結部材における連結構造を示す正面図。
図8】第二連結部材による連結構造を示す斜視図。
図9】(a)及び(b)は第二連結部材の上側斜視図及び下側斜視図。
図10】第二連結部材における連結手順を示す斜視図。
図11】第二連結部材における連結構造を示す左側面図。
図12】第一実施例に係る組立家具を示す斜視図。
図13】第二実施例に係る組立家具を示す斜視図。
図14】第三実施例に係る組立家具を示す斜視図。
図15】複数の組立家具を連設した状態を示す斜視図。
図16】組立家具の連結部分を拡大した斜視図。
図17】複数の組立家具の枠体を連設した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では図1を用いて本発明の一実施形態に係る組立家具の枠体(以下、単に「枠体」と表記する)1の概略構成について説明する。本明細書においては、各図中に示す矢印で枠体1の方向を規定する。枠体1は金属板を折り曲げて構成した角管部材である三種類のフレーム部材(第一フレーム部材10S、第二フレーム部材10L、及び、第三フレーム部材10M)が、金属製部材である第一連結部材20及び第二連結部材30で連結されて構成される。
【0018】
本実施形態に係る枠体1は図12から図14に示す如く、内部に種々のオプション(追加の部品や機器等)を組付けたり配置したりすることにより、使用者の意向に応じてバリエーションに富んだ組立家具を構成することができる。また、図15及び図17に示す如く、同一又は複数の種類の組立家具を構成した枠体1を連設することにより、使用者が自由に空間をカスタマイズすることができる。
【0019】
枠体1は図1に示す如く、前後方向に沿って平行に設けられる四本の第一フレーム部材10Sと、上下方向に沿って平行に設けられる四本の第二フレーム部材10Lと、枠体1の上部で左右方向に沿って平行に設けられる二本の第三フレーム部材10Mと、を備える。枠体1において各フレーム部材10S・10L・10Mは互いに直交して設けられている。より詳細には、それぞれの第一フレーム部材10Sは第一連結部材20及び第二連結部材30を介して第二フレーム部材10Lの上端部と下端部とを前後方向に連結している。また、第三フレーム部材10Mは第一連結部材20を介して第二フレーム部材10Lの上端部を左右方向に連結している。
【0020】
本実施形態においては、第三フレーム部材10Mを枠体1の上部のみに配置しているが、枠体1の下部にも第三フレーム部材10Mを設ける構成としても良い。また、枠体1の下部において、第一フレーム部材10Sに替えて第三フレーム部材10Mのみを設けることも可能である。
【0021】
枠体1において、各フレーム部材10S・10L・10Mは互いに長さが異なる点以外、軸方向に直交する断面形状等は略同一に形成されている。このため、各フレーム部材10S・10L・10Mを製造する際の加工工程を共通化することにより、加工コスト等を抑制することが可能となる。本実施形態においては、各フレーム部材10S・10L・10Mのうち、第一フレーム部材10Sが最も短く、第二フレーム部材10Lが最も長くなるように形成されている。また、図2に示す如く、枠体1において各フレーム部材10S・10L・10Mの断面形状は一辺が数十mmの正方形となるように形成されている。
【0022】
図1及び図2に示す如く、第一フレーム部材10Sには、四面のうち一面(上側の第一フレーム部材10Sの上面)の両端に二個の連結穴17が開口されており、反対側の面(下側の第一フレーム部材10Sの上面)には二個の細孔である連結孔11が三箇所に開口されている。また、図1及び図2に示す如く、第二フレーム部材10Lには、四面のうち隣接する二面に、二個の連結孔11が軸方向に並んで形成されている。連結孔11は、第一・第二ビーム部材50S・50M(図12図14を参照)を枠体1に組付ける際に使用される。また、図1に示す如く、第三フレーム部材10Mには、四面のうち一面(上面)に四個の連結穴17が開口されている。
【0023】
本実施形態においては図2に示す如く、第一フレーム部材10S及び第三フレーム部材10Mにおける同一の水平面である上面の両端部には、枠体1の角部から同じ距離に連結穴17が開口されている。詳細には、図2において、第一フレーム部材10Sの上面における枠体1の前端面から連結穴17までの距離と、第三フレーム部材10Mの上面における枠体1の左側端面から連結穴17までの距離とが同じ大きさに形成されている。
【0024】
各フレーム部材10S・10L・10Mは第一連結部材20及び第二連結部材30で連結される。具体的には図1に示す如く、枠体1における四箇所の上側角部では、第一フレーム部材10S、第二フレーム部材10L、及び、第三フレーム部材10Mが各一個の第一連結部材20で連結される。また、枠体1における四箇所の下側角部では、第一フレーム部材10S及び第二フレーム部材10Lが各一個の第二連結部材30で連結される。
【0025】
図1に示す如く、枠体1の下部において、第一フレーム部材10Sの下面には合計四個の脚部材41が組付けられる(図8図10及び図11を参照)。第一フレーム部材10Sからの脚部材41の延出長さを各々調節することにより、床面において枠体1を水平に設置することができる。また、枠体1は、上側で対向する二本の第一フレーム部材10Sの中央部分を中間フレーム部材40で連結することにより、剛性を向上させている。
【0026】
次に、図2から図7を用いて、枠体1の上部における、第一連結部材20による第一フレーム部材10S、第二フレーム部材10L、及び、第三フレーム部材10Mの連結構造について説明する。なお、図2から図7においては、枠体1の上部における左前角部の第一連結部材20を示している。本実施形態において、左前角部と右後角部とに配置されている第一連結部材20は同じ構成である。また、右前角部と左後角部とに配置されている第一連結部材20は、左前角部と右後角部とに配置されている第一連結部材20に対して、左右の構成が逆に配置されていることを除いて同じ構成である。
【0027】
図2図3(a)及び(b)に示す如く、第一連結部材20は、本体部21と、本体部21から互いに直交する方向に延出される、第一結合部22S、第二結合部22L、及び、第三結合部22Mと、を備える。具体的には、本体部21の後面からは第一結合部22Sが延出長さL1(図5を参照)で延出される。また、本体部21の下面からは第二結合部22Lが延出長さL2(図5及び図7を参照)で、右側面からは第三結合部22Mが延出長さL3(図7を参照)で延出される。図5及び図7に示す如く、本実施形態において、第一~第三結合部22S・22L・22Mの延出長さは、L1>L2>L3となるように構成されている。
【0028】
図2に示す如く、第一結合部22Sは第一フレーム部材10Sの内部に挿入されることにより第一フレーム部材10Sと結合される。同様に、第二結合部22Lは第二フレーム部材10Lに挿入されることにより第二フレーム部材10Lと結合され、第三結合部22Mは第三フレーム部材10Mに挿入されることにより第三フレーム部材10Mと結合される。
【0029】
この際、第一フレーム部材10Sは連結穴17が開口された面が上側を向くように配置される。また、第二フレーム部材10Lは、連結孔11が開口された二面が内側を向くように配置される。また、第三フレーム部材10Mは、連結穴17が開口された面が上側を向くように配置される。
【0030】
上記の如く、本実施形態に係る枠体1によれば、各フレーム部材10S・10L・10Mにおいて枠体1における前後左右の外側に位置する面には開口部を形成しないことにより、外観をシンプルに構成している。即ち、枠体1の意匠性を向上させることにより、使用者が枠体1を視認した際の印象を高めることができる。
【0031】
図3及び図5に示す如く、第一結合部22Sの上面及び下面には溶接面23が形成されている。また、図4及び図5に示す如く、第一フレーム部材10Sの上面及び下面には、それぞれ二箇所に第一の溶接孔12が開口されている。第一結合部22Sは、第一フレーム部材10Sに挿入された状態で、第一フレーム部材10Sが第一の溶接孔12を介して溶接面23と溶接される。これにより、第一結合部22Sが第一フレーム部材10Sと強固に結合される。
【0032】
図4及び図5に示す如く、第二フレーム部材10Lの内部には第一の板ナット部材14Lが固定される。具体的には、第二フレーム部材10Lの前面及び後面には第二の溶接孔13が開口されている。第一の板ナット部材14Lは、第二フレーム部材10Lに挿入された状態で、第二の溶接孔13を介して第二フレーム部材10Lと溶接される。
【0033】
図3及び図5に示す如く、第一連結部材20には、本体部21及び第二結合部22Lを貫通する第一の貫通孔25Lが開口されている。第一の貫通孔25Lには第一のボルト部材15Lが挿通される。そして、第一のボルト部材15Lは第二結合部22Lを貫通し、雄ねじ部が第一の板ナット部材14Lと螺合する。これにより、第二結合部22Lが第二フレーム部材10Lと強固に結合される。
【0034】
図3及び図4に示す如く、第二結合部22Lの下端面における右側には二個の挿入凸部24Lが形成されている。また、第一の板ナット部材14Lにおける右側には、挿入凸部24Lが挿入可能とされる二個の被挿入孔16Lが形成される。そして、第二結合部22Lが第二フレーム部材10Lに正常な姿勢で挿入された際には、図5に示す如く被挿入孔16Lに挿入凸部24Lが挿入される。第二結合部22Lが第二フレーム部材10Lに対して異なる姿勢で挿入された際には、被挿入孔16Lに挿入凸部24Lが挿入されず、第二結合部22Lと第二フレーム部材10Lとは結合不能となる。
【0035】
上記の如く、本実施形態に係る枠体1においては、第二結合部22Lと第二フレーム部材10Lとは、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされている。これにより、第二結合部22Lに対して第二フレーム部材10Lの姿勢を間違えて(例えば、連結孔11が開口された面が枠体1の外側を向く姿勢で)取付けることを防止している。即ち、第二フレーム部材10Lと第二結合部22Lとを結合した際には、第二フレーム部材10Lにおいて連結孔11が開口された二面が必ず内側を向くように構成されている。
【0036】
図6及び図7に示す如く、第三フレーム部材10Mの内部には第二の板ナット部材14Mが固定される。具体的には、第三フレーム部材10Mの上面及び下面には第二の溶接孔13が開口されている。第二の板ナット部材14Mは、第三フレーム部材10Mに挿入された状態で、第二の溶接孔13を介して第三フレーム部材10Mと溶接される。
【0037】
図3及び図7に示す如く、第一連結部材20には、本体部21及び第三結合部22Mを貫通する第二の貫通孔25Mが開口されている。第二の貫通孔25Mには第二のボルト部材15Mが挿通される。そして、第二のボルト部材15Mは第三結合部22Mを貫通し、雄ねじ部が第二の板ナット部材14Mと螺合する。これにより、第三結合部22Mが第三フレーム部材10Mと強固に結合される。
【0038】
本実施形態においては図17に示す如く、第一のボルト部材15Lの軸心の延長線と第二のボルト部材15Mが交わる配置としている。このため、第一連結部材20に対して、第二フレーム部材10Lを第二結合部22Lに組付けた後に、第三フレーム部材10Mが第三結合部22Mに組付けられる。
【0039】
図3及び図6に示す如く、第三結合部22Mの右側端面における下側には二個の挿入凸部24Mが形成されている。また、第二の板ナット部材14Mにおける下側には、挿入凸部24Mが挿入可能とされる二個の被挿入孔16Mが形成される。そして、第三結合部22Mが第三フレーム部材10Mに正常な姿勢で挿入された際には、図7に示す如く被挿入孔16Mに挿入凸部24Mが挿入される。第三結合部22Mが第三フレーム部材10Mに対して異なる姿勢で挿入された際には、被挿入孔16Mに挿入凸部24Mが挿入されず、第三結合部22Mと第三フレーム部材10Mとは結合不能となる。
【0040】
上記の如く、本実施形態に係る枠体1においては、第三結合部22Mと第三フレーム部材10Mとは、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされている。これにより、第三結合部22Mに対して第三フレーム部材10Mの姿勢を間違えて(例えば、連結穴17が開口された面が枠体1の上側以外の方向を向く姿勢で)取付けることを防止している。即ち、第三フレーム部材10Mと第三結合部22Mとを結合した際には、第三フレーム部材10Mにおいて連結穴17が開口された面が必ず上側を向くように構成されている。
【0041】
本実施形態においては、第二結合部22Lが本発明に係る「一方の結合部」として機能し、第二フレーム部材10Lが本発明に係る「一のフレーム部材」として機能する。また、第三結合部22Mが本発明に係る「他方の結合部」として機能し、第三フレーム部材10Mが本発明に係る「他のフレーム部材」として機能する。
【0042】
なお、第三結合部22Mと第三フレーム部材10M(第二結合部22Lと第二フレーム部材10Lについても同様、以下同じ)とを、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とする構成は、上記に限定されるものではない。例えば、第三フレーム部材10Mにおける反対側(本実施形態における右側)に、枠体1の上部における右前角部の第一連結部材20(以下、「他の第一連結部材20」と記載する)が所定の姿勢で結合される場合にのみ、第二の板ナット部材14Mの被挿入孔16Mに第三結合部22Mの挿入凸部24Mが挿入される構成とすることもできる。
【0043】
具体的には、他の第一連結部材20における第二結合部22Lが当該第一連結部材20における第二結合部22Lと同じ方向に延出される姿勢で、第三フレーム部材10Mが当該第一連結部材20及び他の第一連結部材20と結合される場合にのみ、被挿入孔16Mに挿入凸部24Mを挿入可能とすることも可能である。換言すれば、当該第一連結部材20と第三フレーム部材10Mとを誤った姿勢で組付けた場合は、枠体1を組み立てることができなくなるように構成するのである。これにより、第三結合部22Mと第三フレーム部材10Mとが、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされる。このため、第三結合部22Mに対して第三フレーム部材10Mの姿勢を間違えて取付けることを防止できる。
【0044】
本実施形態に係る枠体1においては、第二結合部22Lを第三フレーム部材10Mと結合不能に構成することにより、第二フレーム部材10Lと第三フレーム部材10Mとの種類を間違えて第一連結部材20に取付ける可能性を低減している。具体的には図7に示す如く、第三結合部22Mと第三フレーム部材10Mとが結合された際の、本体部21と第二の板ナット部材14Mとの距離G3は、第二結合部22Lの本体部21からの延出長さL2よりも小さく形成されている。このため、第二結合部22Lを第三フレーム部材10Mと結合しようとすると、第二結合部22Lが第二の板ナット部材14Mと干渉して取付不能となる。これにより、第二フレーム部材10Lと第三フレーム部材10Mとを第一連結部材20に組付ける際に、第二フレーム部材10L及び第三フレーム部材10Mの種類を間違えて取付ける可能性を低減できる。即ち、枠体1を組付ける際の作業を簡素化するとともに、組付時間を短縮することが可能となる。
【0045】
また、図7に示す如く、第二結合部22Lと第二フレーム部材10Lとが結合された際の、本体部21と第一の板ナット部材14Lとの距離G2は、第三結合部22Mと第三フレーム部材10Mとが結合された際の、第二のボルト部材15Mの本体部21からの延出長さB以上に形成される。このため、第三結合部22Mを第二フレーム部材10Lと結合しようとすると、第二のボルト部材15Mが第一の板ナット部材14Lに届かずに取付不能となる。これにより、第二フレーム部材10Lと第三フレーム部材10Mとを第一連結部材20に組付ける際に、第二フレーム部材10L及び第三フレーム部材10Mの種類を間違えて取付ける可能性をさらに低減できる。
【0046】
上記の如く、本実施形態に係る枠体1によれば、各フレーム部材10S・10L・10Mの太さや断面形状を統一して加工コストを抑制するとともに、第二フレーム部材10L及び第三フレーム部材10Mの種類を間違えて取付ける可能性を低減させている。
【0047】
本実施形態においては図5及び図7に示す如く、本体部21と第一の板ナット部材14Lとの距離G2、及び、本体部21と第二の板ナット部材14Mとの距離G3を、第一結合部22Sの延出長さL1よりも小さく形成している。これにより、第一結合部22Sと第二フレーム部材10L及び第三フレーム部材10Mとが結合不能となるように構成している。
【0048】
なお、本実施形態において第一結合部22Sと第一フレーム部材10Sとは溶接で結合する構成としているが、他の結合部22L・22Mと同様に板ナット部材及びボルト部材で結合する構成とすることも可能である。この場合でも、結合部の延出長さと、本体部と板ナット部材との距離と、の関係を調節することにより、特定の組み合わせに係る結合部とフレーム部材とを結合可能とすることができる。
【0049】
また、本実施形態において、第一の板ナット部材14Lと第二の板ナット部材14M、及び、第一のボルト部材15Lと第二のボルト部材15Mは、互いに共通する部品を使用している。これにより、部品の種類を少なくして枠体1の製造コスト等を抑制している。
【0050】
次に、図8から図11を用いて、枠体1の下部における、第二連結部材30による第一フレーム部材10S及び第二フレーム部材10Lの連結構造について説明する。なお、図8から図11においては、枠体1の下部における左前角部の第二連結部材30を示している。本実施形態において、左前角部と右後角部とに配置されている第二連結部材30は同じ構成である。また、右前角部と左後角部とに配置されている第二連結部材30は、左前角部と右後角部とに配置されている第二連結部材30に対して、左右の構成が逆に配置されていることを除いて同じ構成である。
【0051】
図8図9(a)及び(b)に示す如く、第二連結部材30は、本体部31と、本体部31から直交する方向に延出される第一結合部32S及び第二結合部32Lを備える。具体的には、本体部31の後面からは第一結合部32Sが延出長さL1(図11を参照)で延出される。また、本体部31の上面からは第二結合部32Lが延出長さL2(図11を参照)で延出される。図11に示す如く、本実施形態において、第一・第二結合部32S・22Lの延出長さは、L1>L2となるように構成されている。図8及び図9に示す如く、第二連結部材30における第一結合部32S及び第二結合部32Lが延出される面に隣接する一面(図8及び図9における右側面)には、第二ビーム部材50Mを枠体1に組付ける際に使用される二個の細孔である連結孔36が開口されている。
【0052】
図8に示す如く、第一結合部32Sは第一フレーム部材10Sの内部に挿入されることにより第一フレーム部材10Sと結合される。同様に、第二結合部32Lは第二フレーム部材10Lに挿入されることにより第二フレーム部材10Lと結合される。この際、第一フレーム部材10Sは連結孔11が開口された面が上側を向くように配置される。
【0053】
図9及び図11に示す如く、第一結合部32Sの上面及び下面には溶接面33が形成されている。第一結合部32Sは、第一フレーム部材10Sに挿入された状態で、第一フレーム部材10Sが第一の溶接孔12を介して溶接面33と溶接される。これにより、第一結合部32Sが第一フレーム部材10Sと強固に結合される。
【0054】
図10及び図11に示す如く、第二フレーム部材10Lの内部には第一の板ナット部材14Lが固定される。第一の板ナット部材14Lは、第二フレーム部材10Lに挿入された状態で、第二の溶接孔13を介して第二フレーム部材10Lと溶接される。
【0055】
図9及び図11に示す如く、第二連結部材30には、本体部31及び第二結合部32Lを貫通する貫通孔35Lが開口されている。貫通孔35Lには第一のボルト部材15Lが挿通される。そして、第一のボルト部材15Lは第二結合部32Lを貫通し、雄ねじ部が第一の板ナット部材14Lと螺合する。これにより、第二結合部32Lが第二フレーム部材10Lと強固に結合される。
【0056】
図9及び図10に示す如く、第二結合部32Lの上端面における右側には二個の挿入凸部34Lが形成されている。また、第一の板ナット部材14Lにおける右側には、挿入凸部34Lが挿入可能とされる二個の被挿入孔16Lが形成される。そして、第二結合部32Lが第二フレーム部材10Lに正常な姿勢で挿入された際には、図11に示す如く被挿入孔16Lに挿入凸部34Lが挿入される。第二結合部32Lが第二フレーム部材10Lに対して異なる姿勢で挿入された際には、被挿入孔16Lに挿入凸部34Lが挿入されず、第二結合部32Lと第二フレーム部材10Lとは結合不能となる。
【0057】
上記の如く、本実施形態に係る枠体1においては、第二結合部32Lと第二フレーム部材10Lとは、互いに所定の姿勢でのみ結合可能とされている。これにより、第二結合部32Lに対して第二フレーム部材10Lの姿勢を間違えて(例えば、連結孔11が開口された面が枠体1の外側を向く姿勢で)取付けることを防止している。即ち、第二フレーム部材10Lと第二結合部32Lとを結合した際には、第二フレーム部材10Lにおいて連結孔11が開口された二面が必ず内側を向くように構成されている。
【0058】
本実施形態においては図11に示す如く、本体部31と第一の板ナット部材14Lとの距離G2を、第一結合部32Sの延出長さL1よりも小さく形成している。これにより、第一結合部32Sと第二フレーム部材10Lとが結合不能となるように構成している。
【0059】
なお、本実施形態において第一結合部32Sと第一フレーム部材10Sとは溶接で結合する構成としているが、第二結合部32Lと同様に板ナット部材及びボルト部材で結合する構成とすることも可能である。この場合、結合部の延出長さと、本体部と板ナット部材との距離と、の関係を調節することにより、特定の組み合わせに係る結合部とフレーム部材とを結合可能とすることができる。このように、二本のフレーム部材を連結する連結部材においても、一方の結合部が一のフレーム部材と結合可能とされるとともに、他のフレーム部材と結合不能とされ、他方の結合部が他のフレーム部材と結合可能とされる構成とすることも可能である。
【0060】
次に、図12から図14を用いて、枠体1を用いて構成した第一~第三実施例に係る組立家具1A~1Cについて説明する。
【0061】
図12に示す第一実施例に係る組立家具1Aは、机ユニットとして構成される。組立家具1Aにおいては、枠体1における第二フレーム部材10Lに対して、軸心方向を前後方向に向けた第一ビーム部材50Sが左右両側に組付けられる。第一ビーム部材50Sは各フレーム部材10S・10L・10Mと同様に、金属板を折り曲げて構成した角管部材である。二本の第一ビーム部材50Sの中央部分は図示しない支持ビーム部材で連結される。そして、二本の第一ビーム部材50Sと支持ビーム部材との上面に天板51が固定されることにより、組立家具1Aが机ユニットとして構成される。
【0062】
また、枠体1における下側で対向する二本の第一フレーム部材10Sの中央部分は中間ビーム部材52で連結される。そして、中間ビーム部材52と支持ビーム部材とを支持部材53で結合することにより、天板51に加わる荷重を支持する構成としている。本実施形態において、枠体1における中間フレーム部材40には仕切り板54が組付けられている。
【0063】
図13に示す第二実施例に係る組立家具1Bは、椅子ユニットとして構成される。組立家具1Bにおいては、枠体1における第二フレーム部材10Lに対して、軸心方向を前後方向に向けた第一ビーム部材50Sが左右両側に組付けられる。それぞれの第一ビーム部材50Sと下側の第一フレーム部材10Sとの間に、第一のパネル部材55が組付けられる。
【0064】
また、後部の第二フレーム部材10Lに対して、軸心方向を左右方向に向けた第二ビーム部材50Mが組付けられる。第二ビーム部材50Mは第一ビーム部材50Sと同様に、金属板を折り曲げて構成した角管部材である。本実施例における枠体1は、下側後部に第三フレーム部材10Mが配置され、第一フレーム部材10S及び第二フレーム部材10Lと第一連結部材20で連結されている(図14を参照)。そして、第二ビーム部材50Mと下側の第三フレーム部材10Mとの間に、第二のパネル部材56が組付けられる。さらに、第一のパネル部材55と第二のパネル部材56とで囲まれた空間に椅子57が配置されることにより、組立家具1Bが椅子ユニットとして構成される。
【0065】
図14に示す第三実施例に係る組立家具1Cは、OA機器ユニットとして構成される。組立家具1Cにおいては、第二実施例に係る組立家具1Bにおける椅子57に替えて、第一のパネル部材55と第二のパネル部材56とで囲まれた空間にOA機器58が配置される。これにより、組立家具1CがOA機器ユニットとして構成される。
【0066】
枠体1を用いて構成される組立家具の種類は、上記の第一~第三実施例に限定されるものではなく、使用者の意向に応じてバリエーションに富んだ構成とすることができる。例えば、枠体1に組付けるオプションを変更することにより、組立家具を本棚、衣装棚、陳列棚、食卓、物置等として構成することも可能である。
【0067】
次に、図15及び図16を用いて、複数の組立家具1Aを連設する構成について説明する。図15及び図16に示す如く、組立家具1Aを隣接して連結する際には、隣り合う枠体1における連結穴17を連結具60により連結する。本実施形態における連結具60は樹脂製部材であり、下面に二個のピン61が突出して形成されている。図16に示す如く、隣接する連結穴17のそれぞれに連結具60のピン61を挿入することにより、隣接する組立家具1Aが連結される。
【0068】
本実施形態における枠体1によれば、第一フレーム部材10S及び第三フレーム部材10Mのそれぞれに連結穴17が開口されているため、図15及び図16に示す如く四個の組立家具1Aの四隅を一箇所に集めて連設する際にも、四個の連結具60を用いて全ての組立家具1Aを連結することができる。
【0069】
第一フレーム部材10S及び第三フレーム部材10Mの上面の両端部には、枠体1の角部から同じ距離に連結穴17が開口されている。このため、図17に示す如く一方の枠体1を90度回転し、互いに隅部を一致させて枠体1を隣接した状態でも、連結具60により隣接する枠体1同士を連結することができる。即ち、本実施形態に係る枠体1によれば、複数の枠体1を連設する際に、枠体1の並べ方に関わらず互いの連結穴17を連結することができる。
【0070】
また、図12に示す如く、第一フレーム部材10Sに開口されている連結穴17の間隔D1と、第三フレーム部材10Mにおいて最も端部側に開口されている連結穴17と当該連結穴17に隣接する連結穴17との間隔D2とが等しくなるように形成されている。これにより、図17に示す如く枠体1の長手方向を90度回転させた状態でも、互いに近接する連結穴17を連結具60により連結することが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
1 枠体(組立家具の枠体)
1A 組立家具(第一実施例)
1B 組立家具(第二実施例)
1C 組立家具(第三実施例)
10S 第一フレーム部材
10L 第二フレーム部材(一のフレーム部材)
10M 第三フレーム部材(他のフレーム部材)
11 連結孔 12 第一の溶接孔
13 第二の溶接孔 14L 第一の板ナット部材
14M 第二の板ナット部材 15L 第一のボルト部材
15M 第二のボルト部材 16L 第一の被挿入孔
16M 第二の被挿入孔 17 連結穴
20 第一連結部材(連結部材)
21 本体部 22S 第一結合部
22L 第二結合部(一方の結合部)
22M 第三結合部(他方の結合部)
23 溶接面 24L 第一の挿入凸部
24M 第二の挿入凸部 25L 第一の貫通孔
25M 第二の貫通孔 30 第二連結部材
31 本体部 32S 第一結合部
32L 第二結合部 33 溶接面
34L 第一の挿入凸部 35L 貫通孔
36 連結孔 37 固定孔
40 中間フレーム部材 41 脚部材
50S 第一ビーム部材 50M 第二ビーム部材
51 天板 52 中間ビーム部材
53 支持部材 54 仕切り板
55 第一のパネル部材 56 第二のパネル部材
57 椅子 58 OA機器
60 連結具 61 ピン
L1~3 延出長さ G2~3 距離
D1~2 間隔 材
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