(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】車両用操作入力装置および車両用操作入力方法
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20230418BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20230418BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20230418BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230418BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
G06F3/04817
G06F3/0482
B60K35/00 Z
B60H1/00 103A
(21)【出願番号】P 2019080167
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】山下 貴克
(72)【発明者】
【氏名】加藤 忍
(72)【発明者】
【氏名】加藤 有理
(72)【発明者】
【氏名】松尾 純太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤村 絵梨
(72)【発明者】
【氏名】諸川 波動
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/013514(WO,A1)
【文献】特開2001-253268(JP,A)
【文献】特開2015-182603(JP,A)
【文献】特表2013-528137(JP,A)
【文献】特開2013-033451(JP,A)
【文献】特開2016-110313(JP,A)
【文献】特開2017-049788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
G06F 3/04817
G06F 3/0482
B60K 35/00
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する機器に対する入力を行う車両用操作入力装置であって、
表示部と、
前記表示部の表示面における第1位置と対応付けられた操作面を持ち、前記操作面における、入力操作された第2位置を検出する入力位置検出部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、
前記入力位置検出部で検出した第2位置に対応する第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得する入力内容取得部とを備え、
前記表示制御部は、設定対象を表す設定対象表示を前記表示内容として前記表示面の第1位置に表示し、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として前記表示面に表示
し、
前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示を前記表示内容として前記表示部に表示し、前記設定対象表示内に、現在、設定されている動作モードに対応した図記号を表示する、
車両用操作入力装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記設定対象表示および前記モード選択表示を除く他の表示を、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前における第1表示態様から、前記第1表示態様と異なる第2表示態様に変更する、
請求項1に記載の車両用操作入力装置。
【請求項3】
前記設定対象表示は、円形または多角形であり、前記複数のモード選択表示は、前記設定対象表示の外周側に周方向に沿って順に並置される、
請求項1または請求項2に記載の車両用操作入力装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記複数のモード選択表示を前記表示部に表示しない、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操作入力装置。
【請求項5】
前記複数のモード選択表示は、互いに隣接して配置され、互いに共通な動作を含む第1および第2動作モードを表す2個の第1および第2モード選択表示を含む、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操作入力装置。
【請求項6】
前記機器は、複数の吹き出し口を備え、前記複数の吹き出し口のうち、前記動作モードに応じた吹き出し口から送風する空調装置である、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操作入力装置。
【請求項7】
車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する機器に対する入力を行う車両用操作入力方法であって、
所定の表示内容を表示する表示工程と、
入力操作された表示面上での位置を検出する入力位置検出工程と、
前記
入力位置検出工程で検出した位置に表示されている表示内容を、前記入力内容として取得する入力内容取得工程とを備え、
前記表示工程は、設定対象を表す設定対象表示を前記表示内容として表示し、前記入力内容取得工程で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として表示
し、
前記表示制御工程は、前記入力内容取得工程で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示を前記表示内容として表示し、前記設定対象表示内に、現在、設定されている動作モードに対応した図記号を表示する、
車両用操作入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された機器(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)の入力内容を入力する車両用操作入力装置および車両用操作入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車や鉄道車両等の車両には、所定の機能を持つ様々な機器(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)が搭載されている。前記機器を所望の動作で稼働させるために、ユーザから、設定対象の選定や前記選定された設定対象に対する設定値の入力等の入力操作を受け付ける車両用操作入力装置が前記車両には、備え付けられている。このような車両用操作入力装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示された車載情報処理装置は、空調装置の設定可能な設定項目、及び前記設定項目ごとに定められた選択項目が記憶された記憶部と、前記設定項目及び前記選択項目を表示し、入力操作を受け付ける入出力装置と、前記入力操作に基づいて第1のユーザ操作及び第2のユーザ操作を検出する入力検出部と、前記設定項目及び前記選択項目を前記入出力装置に表示させ、前記第1のユーザ操作及び前記第2のユーザ操作が実行された際に前記空調装置を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記第1のユーザ操作が検出されたときに、複数の前記設定項目のうちの一つを選択状態とし、前記第2のユーザ操作が検出されたときに、複数の前記選択項目のうちの一つを選択状態とするとともに、選択された前記選択項目により変化する前記空調装置から車室内へ送風される空気の状態を前記入出力装置にアニメーションで表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に開示された車載情報処理装置は、空調装置に関する設定項目を表示部に一覧で表示し、その設定項目に設定可能な選択項目を表示するため、1つの入出力装置の画面で空調装置の設定項目全体を容易に把握することができる。しかしながら、前記特許文献1に開示された車載情報処理装置は、空調装置に関する設定項目を表示部に一覧で表示し、その設定項目に設定可能な選択項目を表示するため、誤って設定項目を選択しても気付かない虞がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる車両用操作入力装置および車両用操作入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる車両用操作入力装置は、車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する機器に対する入力を行う装置であって、表示部と、前記表示部の表示面における第1位置と対応付けられた操作面を持ち、前記操作面における、入力操作された第2位置を検出する入力位置検出部と、前記表示部を制御する表示制御部と、前記入力位置検出部で検出した第2位置に対応する第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得する入力内容取得部とを備え、前記表示制御部は、設定対象を表す設定対象表示を前記表示内容として前記表示面の第1位置に表示し、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として前記表示面に表示し、前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示を前記表示内容として前記表示部に表示し、前記設定対象表示内に、現在、設定されている動作モードに対応した図記号を表示する。好ましくは、上述の車両用操作入力装置において、前記操作面は、前記表示面上に配置されている。好ましくは、上述の車両用操作入力装置において、前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記複数の動作モードの中のいずれかの動作モードを取得した場合に、前記取得された動作モードのモード選択表示の第3表示態様と、前記取得された動作モードを除く他の動作モードのモード選択表示の第4表示態様とを互いに異ならせる。
【0008】
このような車両用操作入力装置は、入力内容取得部で入力内容として設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、複数のモード選択表示を表示するので、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる。上記車両用操作入力装置は、設定対象表示に対する操作面での入力操作およびモード選択表示に対する操作面での入力操作を実行すれば、所望の設定対象に所望の動作モードを設定できるので、簡易な入力操作で設定を変更できる。
【0009】
他の一態様では、上述の車両用操作入力装置において、前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記設定対象表示および前記モード選択表示を除く他の表示を、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前における第1表示態様から、前記第1表示態様と異なる第2表示態様に変更する。好ましくは、上述の車両用操作入力装置において、前記第1表示態様は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前における前記設定対象表示の表示態様と同じ表示態様であり、前記第2表示態様は、ぼかし、または、グレーアウトである。
【0010】
このような車両用操作入力装置は、入力内容取得部で入力内容として設定対象を取得した場合に、設定対象表示およびモード選択表示を除く他の表示を、前記取得前の第1表示態様から前記取得後の第2表示態様に変更するので、選択した設定対象を視覚的により容易に確認できる。
【0011】
他の一態様では、これら上述の車両用操作入力装置において、前記設定対象表示は、円形または多角形であり、前記複数のモード選択表示は、前記設定対象表示の外周側に周方向に沿って順に並置される。
【0012】
このような車両用操作入力装置は、複数のモード選択表示を設定対象表示の外周側に周方向に沿って順に並置して表示するので、設定対象表示に対する操作面での第2位置(設定対象表示位置)から、設定したい動作モードのモード選択表示に対する操作面での第2位置(レベル選択表示位置)までの、入力操作の移動が、より短い距離で可能となる。
【0013】
他の一態様では、これら上述の車両用操作入力装置において、前記表示制御部は、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記複数のモード選択表示を前記表示部に表示しない。すなわち、上述の車両用操作入力装置において、前記表示制御部は、前記設定対象表示を前記表示部に表示し、前記設定対象表示に対する前記操作面での入力操作を待機している場合において、前記複数のモード選択表示を前記表示部に表示しない。
【0014】
このような車両用操作入力装置は、入力内容取得部で入力内容として設定対象を取得する前において、複数のレベル選択表示を表示しないので、レベル選択表示に対する操作面での入力操作が誤って実行されることがない。
【0015】
他の一態様では、これら上述の車両用操作入力装置において、前記複数のモード選択表示は、互いに隣接して配置され、互いに共通な動作を含む第1および第2動作モードを表す2個の第1および第2モード選択表示を含む。
【0016】
このような車両用操作入力装置は、互いに共通な動作を含む第1および第2動作モードを表す2個の第1および第2モード選択表示を互いに隣接して配置するので、所望の動作モードを表すモード選択表示ではないモード選択表示を誤って入力操作した場合に、速やかに所望の動作モードを表すモード選択表示に対して入力操作できる可能性が高い。
【0017】
他の一態様では、これら上述の車両用操作入力装置において、前記機器は、複数の吹き出し口を備え、前記複数の吹き出し口のうち、前記動作モードに応じた吹き出し口から送風する空調装置である。好ましくは、これら上述の車両用操作入力装置において、前記機器は、設定速度で自車両を走行させる第1動作モード、先行車両に追従するように自車両を走行させる第2動作モードおよび車線内を維持するように自車両を走行させる第3動作モードを含む複数の動作モードで自車両を走行させる自動走行装置である。ましくは、これら上述の車両用操作入力装置において、前記機器は、複数のウィンドウを備え、前記複数のウィンドウのうち、前記動作モードに応じたウィンドウを開閉するパワーウィンドウ装置である。
【0018】
これによれば、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる空調装置用の車両用操作入力装置が提供できる。
【0019】
本発明の他の一態様にかかる車両用操作入力方法は、車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する機器に対する入力を行う方法であって、所定の表示内容を表示する表示工程と、入力操作された表示面上での位置を検出する入力位置検出工程と、前記入力位置検出工程で検出した位置に表示されている表示内容を、前記入力内容として取得する入力内容取得工程とを備え、前記表示工程は、設定対象を表す設定対象表示を前記表示内容として表示し、前記入力内容取得工程で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として表示し、前記表示制御工程は、前記入力内容取得工程で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、前記設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示を前記表示内容として表示し、前記設定対象表示内に、現在、設定されている動作モードに対応した図記号を表示する。
【0020】
このような車両用操作入力方法は、入力内容取得工程で入力内容として設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、複数のモード選択表示を表示するので、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる。上記車両用操作入力方法は、設定対象表示に対する操作面での入力操作およびモード選択表示に対する操作面での入力操作を実行すれば、所望の設定対象に所望の動作モードを設定できるので、簡易な入力操作で設定を変更できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる車両用操作入力装置および車両用操作入力方法は、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態における車両用操作入力装置の構成を説明するための図である。
【
図2】一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部および入力位置検出部の車両室内での配置を説明するための図である。
【
図3】一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される設定対象選択画面を示す図である。
【
図4】一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される入力操作前のモード選択画面を示す図である。
【
図5】一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される入力操作後のモード選択画面を示す図である。
【
図6】
図1に示す車両用操作入力装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0024】
実施形態における車両用操作入力装置は、例えば自動車や鉄道車両等の車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する機器(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)に対する入力を行う装置である。この車両用操作入力装置は、表示を行う表示部と、前記表示部の表示面における第1位置と対応付けられた操作面を持ち、前記操作面における、入力操作された第2位置を検出する入力位置検出部と、前記表示部を制御する表示制御部と、前記入力位置検出部で検出した第2位置に対応する第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得する入力内容取得部とを備える。そして、前記表示制御部は、設定対象を表す設定対象表示(Item)を前記表示内容として前記表示部に表示し、前記入力内容取得部で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として前記表示部に表示する。このような車両用操作入力装置について、以下、より具体的に説明する。
【0025】
図1は、実施形態における車両用操作入力装置の構成を説明するための図である。
図1Aは、実施形態における車両用操作入力装置の構成を示すブロック図であり、
図1Bは、表示部の第1位置と入力位置検出部の第2位置との関係を説明するための図である。
図2は、一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部および入力位置検出部の車両室内での配置を説明するための図である。
図3は、一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される設定対象選択画面を示す図である。
図4は、一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される入力操作前のモード選択画面を示す図である。
図5は、一例として、
図1に示す車両用操作入力装置における表示部に表示される入力操作後のモード選択画面を示す図である。
【0026】
実施形態における車両用操作入力装置Dは、例えば、
図1Aに示すように、表示部1と、入力位置検出部2と、制御処理部3と、記憶部4とを備え、1または複数の機器5、
図1Aに示す例では2個の第1および第2機器5-1、5-2それぞれに対する入力を行うための装置である。
【0027】
第1および第2機器5-1、5-2は、それぞれ、例えば自動車や鉄道車両等の車両に搭載され、互いに異なる複数の動作モードで所定の機能を奏する装置(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)である。機器5は、上述のような適宜な装置であって良く、例えば、機器5は、複数の吹き出し口を備え、前記複数の吹き出し口のうち、前記動作モードに応じた吹き出し口から送風する空調装置、設定速度で自車両を走行させる第1動作モード、先行車両に追従するように自車両を走行させる第2動作モードおよび車線内を維持するように自車両を走行させる第3動作モードを含む複数の動作モードで自車両を走行させる自動走行装置、および、複数のウィンドウを備え、前記複数のウィンドウのうち、前記動作モードに応じたウィンドウを開閉するパワーウィンドウ装置等である。これら第1および第2機器5-1、5-2は、制御処理部3に接続される。
【0028】
表示部1は、制御処理部3に接続され、制御処理部3の制御に従って表示を行う装置である。表示部1は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ等である。
【0029】
入力位置検出部2は、制御処理部3に接続され、その操作面における、搭乗者等のユーザによって入力操作された位置(第2位置)を検出する装置であり、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の接触位置を検出して入力する位置入力装置等である。入力位置検出部2は、その検出した第2位置を制御処理部3へ出力する。前記操作面における第2位置は、表示部1の表示面における位置(第1位置)と予め対応付けられている。例えば、
図1Bに示すように、表示部1の表示面DPは、k行l列(k×l)で2次元アレイ状に配列された、所定の第1面積を持つ複数の画素11-klを備えて構成され、入力位置検出部2の操作面SPは、同様に、m行n列(m×n)で2次元アレイ状に配列された、所定の第2面積を持つ複数の検出領域(ドット)21-mnを備えて構成され、
図1Bを平面視した場合に、操作面SPにおける左上のドット21-11が表示面DPにおける左上の画素11-11と対応付けられ、これらを基準に、操作面SPにおける複数のドット21-mnそれぞれが表示面DPにおける複数の画素11-klそれぞれと対応付けられている(k、l、m、nは、正の整数)。なお、
図1Bでは、操作面SPにおける左上のドット21-11および表示面DPにおける左上の画素11-11が図示され、他のドット21および他の画素11の図示は、省略されている。また、表示面DPを構成する複数の画素11における第1空間分解能と、操作面SPを構成する複数のドット21における第2空間分解能とは、同一であって良く(第1面積=第2面積)、あるいは、異なっても良い(第1面積≠第2面積)。第1および第2空間分解能が異なる場合、第1および第2位置とは、多対1または1対多で対応付けられる。
【0030】
表示部1の表示面における第1位置(上述例では複数の画素11それぞれの各第1位置)と、入力位置検出部2の操作面における第2位置(上述例では複数のドット21それぞれの各第2位置)とが互いに対応付けられていれば、表示部1と入力位置検出部2とは、車両室内で別々の配設箇所に配設されて良いが、本実施形態では、前記操作面が前記表示面上に配置され、入力位置検出部2は、表示部1と一体化され、いわゆるタッチパネル(タッチスクリーン)を構成する。このような表示部1と入力位置検出部2とから構成されるタッチパネルTP(1、2)は、例えば、
図2に示すように、車両室内において、運転席と助手席とを隔てるセンターコンソールからダッシュボードへ延びる部材であって、側面視にて傾斜している前記部材の斜面に、操作面SPおよび表示面DPが外部に臨むように、配設されている。なお、
図1Bでは、前記第1位置と第2位置との対応関係を説明する都合上、入力位置検出部2の操作面SPは、表示部1の表示面DPから離間して図示されている。
【0031】
図1に戻って、記憶部4は、制御処理部3に接続され、制御処理部3の制御に従って各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、車両用操作入力装置Dの各部1、2、4を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、表示部1を制御する表示制御プログラムや、入力位置検出部2で検出した操作面の第2位置に対応する表示面の第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得する入力内容取得プログラムや、前記入力内容取得プログラムによって取得された動作モードで設定対象の機器5を処理する機器処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、表示部1に表示する画面を表す画面情報、および、表示部1における表示面の第1位置と入力位置検出部2における操作面の第2位置との対応関係を表す対応関係情報等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部4は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部4は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部3のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0032】
制御処理部3は、車両用操作入力装置Dの各部1、2、4を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、車両の搭載された所定の機器に対する入力内容の入力を受け付けるための回路である。制御処理部3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部3は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部31、表示制御部32、入力内容取得部33および機器処理部34を機能的に備える。
【0033】
制御部31は、車両用操作入力装置Dの各部1、2、4を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、車両用操作入力装置Dの全体制御を司るものである。
【0034】
入力内容取得部33は、入力位置検出部2で検出した操作面の第2位置に対応する表示面の第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得するものである。入力内容取得部33は、前記取得した入力内容を表示制御部32および機器処理部34それぞれへ通知する。
【0035】
機器処理部34は、入力内容取得部33によって取得された動作モードで設定対象の機器5を処理するものである。例えば、機器5自体が制御機能を持つ場合には、機器処理部34は、入力内容取得部33によって取得された動作モードで設定対象の機器5を稼働させるために、入力内容取得部33によって取得された動作モードを設定対象の機器5へ出力する。あるいは、例えば、機器5が制御機能を持たない場合には、機器処理部34は、入力内容取得部33によって取得された動作モードで稼働するように、設定対象の機器5を制御する。
【0036】
表示制御部32は、表示部1を制御するものである。
【0037】
より具体的には、本実施形態では、表示制御部32は、設定対象を表す設定対象表示(Item)を前記表示内容として表示部1における表示面の第1位置に表示する。入力内容取得部33で前記入力内容として前記設定対象を取得した場合に、表示制御部32は、前記取得した設定対象を表す設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示を前記表示内容として表示部1の表示面に表示する。そして、この場合に、表示制御部32は、前記設定対象表示および前記モード選択表示を除く他の表示を、入力内容取得部33で前記入力内容として前記設定対象を取得する前における第1表示態様から、前記第1表示態様と異なる第2表示態様に変更する。
【0038】
一方、入力内容取得部33で前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、表示制御部32は、前記設定対象表示の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示を前記表示内容として表示部1に表示する。そして、これにおいて、表示制御部32は、前記複数のモード選択表示を表示部1に表示しない。すなわち、表示制御部32は、前記設定対象表示を表示部1に表示し、前記設定対象表示に対する前記操作面での入力操作を待機している場合において、前記複数のモード選択表示を表示部1に表示しない。
【0039】
そして、表示制御部32は、入力内容取得部33で前記入力内容として前記複数の動作モードの中のいずれかの動作モードを取得した場合に、前記取得された動作モードのモード選択表示の第3表示態様と、前記取得された動作モードを除く他の動作モードのモード選択表示の第4表示態様とを互いに異ならせる。
【0040】
一例では、記憶部4は、前記画面情報の1つとして、
図3に示す設定対象選択画面200aを表す情報を記憶し、表示制御部32は、記憶部4の画面情報を参照し、この設定対象選択画面200aを表示部1に表示する。設定対象選択画面200aは、設定対象を入力(選定)するための画面であり、設定対象を表す設定対象表示101、201を含む。
図3に示す例では、設定対象選択画面200aは、空調装置の風量を前記設定対象として表す第1設定対象表示101と、前記空調装置の動作モード(前記空調装置の吹き出し口)を前記設定対象として表す第2設定対象表示201とを含む。これら第1および第2設定対象表示101、201は、それぞれ、円形であり、各円形内には、設定対象を象徴的に表す図記号を備えている。そして、
図3に示す例では、設定対象選択画面200aは、現在、設定されている動作モードを表示する現在モード表示画面を兼ねている。この現在の動作モードを表示するために、設定対象選択画面200aは、第2設定対象表示201の周りに、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、現在、設定されている動作モードを表す複数の設定モード表示202(202-1~202-4)を備えている。より具体的には、複数の設定モード表示202は、円形の第2設定対象表示201の外周側に、円形の第2設定対象表示201と同心で、周方向に沿って一周するように順に並置(表示)されている。これら複数の設定モード表示202は、現在、設定されている動作モードを示す設定モード表示202の第5表示態様と、前記現在、設定されている動作モードを除く他の動作モード(すなわち、前記現在、設定されていない動作モード)を示す他(残余)の設定モード表示202の第6表示態様とを、互いに異ならせて表示されている。さらに、この
図3に示す例では、第2設定対象表示201内に表示される前記図記号が、前記現在、設定されている動作モードに対応した図記号となっており、第2設定対象表示201内にも、現在の動作モードが表示される。この
図3に示す例では、機器5の一例である空調装置は、4個の第1ないし第4動作モードを備える。第1動作モードは、足下に向けて送風する第1吹き出し口から、温度および風量を調整した空気(調整後空気)を吹き出す動作モードである。第2動作モードは、上半身に向けて送風する(座席の前方から送風する)第2吹き出し口および前記第1吹き出し口から、前記調整後空気を吹き出す動作モードである。第3動作モードは、前記第2吹き出し口から、前記調整後空気を吹き出す動作モードである。第4動作モードは、窓ガラスに向けて送風するデフロスタ用の第3吹き出し口および前記第1吹き出し口から、前記調整後空気を吹き出す動作モードである。これら4個の第1ないし第4動作モードに対応して、設定対象選択画面200aは、円弧状の4個の第1ないし第4設定モード表示202-1~202-4を備えている。これら第1ないし第4設定モード表示202-1~202-4それぞれは、現在、設定されている動作モードが第1ないし第4動作モードそれぞれであることを示すための表示である。現在、設定されている動作モードは、
図3に示す例では第3動作モードであり、第3設定モード表示202-3は、前記第5表示態様として点灯(
図3では白抜きで図示)で表示され、第1、第2および第4設定モード表示202-1、202-2、202-4は、前記第6表示態様として消灯(
図3では黒塗りで図示)で表示されている。
【0041】
記憶部4は、前記画面情報の他の1つとして、
図4に示すモード選択画面(モード選択表示203を入力操作する前のモード選択画面)200bを表す情報を記憶し、そして、このような設定対象選択画面200aを表示している表示部1に対し、ユーザが入力位置検出部2を介した第2設定対象表示201の表示位置で入力操作すると、表示制御部32は、記憶部4の画面情報を参照し、このモード選択画面200bを表示部1に表示する。モード選択画面200bは、設定対象に対し、動作モードを入力(選定)するための画面であり、第1および第2設定対象表示101、201と、設定対象選択画面200aで取得した設定対象を表す第2設定対象表示201の周りに配置(表示)され、前記複数の動作モードそれぞれに対応し、設定される動作モードを表す複数のモード選択表示203(203-1~203-4)とを含む。上述したように、
図3に示す例では、空調装置は、互いに異なる4個の第1ないし第4動作モードを備えており、これに対応して、モード選択画面200bは、円弧状の帯形の4個の第1ないし第4モード選択表示203-1~203-4を備えている。より具体的には、これら複数のモード選択表示203は、円形の第2設定対象表示201の外周側に、円形の第2設定対象表示201と同心で、周方向に沿って一周するように順に並置(表示)されている。そして、
図4に示す例では、第1ないし第4モード選択表示203-1~203-4内には、それぞれ、当該モード選択表示203で表示される動作モードに対応した図記号が記載されている。
【0042】
このモード選択画面200bでは、
図4に示すように、設定対象選択画面200aで取得した設定対象を表す第2設定対象表示201およびそのモード選択表示203は、第1表示態様で表示され、これら第2設定対象表示201およびモード選択表示203を除く他の表示、例えば第1設定対象表示101等は、前記第1表示態様と異なる第2表示態様で表示される。より具体的には、前記第1表示態様は、通常の表示態様、すなわち、入力内容取得部33で前記入力内容として前記設定対象を取得する前における、
図3に示す設定対象選択画面200aの第2設定対象表示201の表示態様と同じ表示態様であり、前記第2表示態様は、ぼかしである。なお、
図4および
図5では、作図の都合上、ほかしを点群のハッチで示している。また、前記第2表示態様は、前記ぼかしに代え、グレーアウトであっても良い。
【0043】
また、このモード選択画面200bも、現在、設定されている動作モードを表示する現在モード表示画面を兼ねている。この現在の動作モードを表示するために、現在、設定されている動作モードのモード選択表示203が第3表示態様で表示され、前記現在設定されている動作モードを除く他の動作モードのレベル選択表示103が前記第3表示態様と異なる第4表示態様で表示される。
図4に示す例では、前記現在、設定されている動作モードは、第2動作モードであり、第2モード選択表示203-2は、前記第3表示態様として第1輝度レベル(
図4ではクロスのハッチで図示)で表示され、残余の第1、第3および第4モード選択表示203-1、203-3、203-4は、前記第4表示態様として前記第1輝度レベルと異なる第2輝度レベル(
図4では白抜きで図示)で表示される。さらに、このモード選択画面200bでは、
図4に示すように、上述の
図3と同様に、第2設定対象表示201内に表示される前記図記号が、前記現在、設定されている動作モードに対応した図記号となっており、第2設定対象表示201内に、現在の動作モードが表示される。
【0044】
そして、このモード選択画面200bでは、前記複数のモード選択表示203は、互いに隣接して配置され、互いに共通な動作を含む第Aおよび第B動作モードを表す2個の第Aおよび第Bモード選択表示203を含む。より具体的には、
図4に示す例では、第1動作モードに設定するための第1モード選択表示203-1、第2動作モードに設定するための第2モード選択表示203-2、第3動作モードに設定するための第3モード選択表示203-3、および、第4動作モードに設定するための第4モード選択表示203-4が第2設定対象選択表示201の外周側に周方向に沿って一周するように順に並置(表示)されている。これによって、互いに隣接する第1および第2モード選択表示203-1、203-2は、前記第1吹き出し口から調整後空気を吹き出す動作の点で共通し、互いに隣接する第2および第3モード選択表示203-2、203-3は、前記第2吹き出し口から調整後空気を吹き出す動作の点で共通し、互いに隣接する第4および第1モード選択表示203-4、203-1は、前記第1吹き出し口から調整後空気を吹き出す動作の点で共通する。
【0045】
そして、このようモード選択画面200bを表示している表示部1に対し、ユーザが入力位置検出部2を介した所望のモード選択表示203の表示位置で入力操作すると、
図4に示すモード選択画面200bは、
図5に示すように、前記入力操作されて取得された動作モードのモード選択表示203を第3表示態様で表示し、前記入力操作されて取得された動作モードを除く他(残余)の動作モードのモード選択表示203を前記第3表示態様と異なる第4表示態様で表示するモード選択画面200cに変更される。
図5に示す例では、前記所望のモード選択表示203として、第1動作モードの第1モード選択表示203-1の表示位置でユーザによって入力操作されており、第1モード選択表示203-1は、前記第3表示態様として前記第1輝度レベル(
図5ではクロスのハッチで図示)で表示され、残余の第2ないし第4モード選択表示203-2~203-4は、前記第4表示態様として前記第2輝度レベル(
図5では白抜きで図示)で表示される。
【0046】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は、
図1に示す車両用操作入力装置の動作を示すフローチャートである。
【0047】
このような車両用操作入力装置Dは、車両が稼働を始めると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部3には、制御部31、表示制御部32、入力内容取得部33および機器処理部34が機能的に構成される。そして、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3の表示制御部32によって、記憶部4の画面情報を参照し、例えば
図3に示す設定対象選択画面200aを表示部1に表示する。
【0048】
前記車両の稼働により、表示部1に設定対象選択画面200aを表示すると、
図6において、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3によって、入力操作されたか否かを判定する(S1)。この判定の結果、入力操作されている場合(Yes)には、制御処理部3は、次に、処理S2を実行し、一方、前記判定の結果、入力操作されていない場合(No)には、制御処理部3は、処理を処理S1に戻す。したがって、制御処理部3は、入力操作が有るまで処理S1を繰り返し実行する。
【0049】
この処理S2において、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3の入力内容取得部33によって、入力操作の内容を判定する。より具体的には、入力内容取得部33は、入力位置検出部2で検出した操作面の第2位置に対応する表示面の第1位置に表示されている表示内容を判定する。例えば、
図3に示す設定対象選択画面200aを表示制御部32によって表示部1に表示している際に、第2設定対象表示201を表示している表示面の第1位置に対応する操作面の第2位置が例えばユーザの手指で接触されることによって入力操作された場合、入力内容取得部33は、第2設定対象表示201の入力操作と判定する。あるいは、例えば、
図4に示すモード選択画面200bを表示制御部32によって表示部1に表示している際に、モード選択表示203を表示している表示面の第1位置に対応する操作面の第2位置が例えばユーザの手指で接触されることによって入力操作された場合には、入力内容取得部33は、モード選択表示203の入力操作と判定する。一例では、第1モード選択表示203-1を表示している表示面の第1位置に対応する操作面の第2位置が入力操作された場合には、入力内容取得部33は、第1モード選択表示203-1の入力操作と判定する。この判定の結果、入力内容取得部33が第2設定対象表示201の入力操作と判定した場合(第2設定対象表示)には、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3によって、次に、処理S11および処理S12を順次に実行し、処理S12の判定結果に応じて処理S2または処理S13を実行し、前記処理S13を実行した場合に次に処理S3を実行する。前記判定の結果、入力内容取得部33がモード選択表示203の入力操作と判定した場合(モード選択表示)には、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3によって、次に、処理S21および処理S22を順次に実行した後に、処理S3を実行する。前記判定の結果、入力内容取得部33が前記第2設定対象表示201および前記モード選択表示203を除くその他の入力操作と判定した場合(例えば第1設定対象表示101の入力操作と判定した場合)(その他)には、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3によって、次に、入力操作の内容に応じた適宜な所定の処理を実行する処理S31を実行した後に、処理S3を実行する。
【0050】
前記処理S11では、車両用操作入力装置Dは、まず、入力内容取得部33によって、入力操作された第2設定対象表示201で表示されている設定対象を前記入力内容として取得し、記憶部4に記憶する。車両用操作入力装置Dは、制御処理部3の表示制御部32によって、前記取得した設定対象を表す第2設定対象表示201の周りにモード選択表示203を表示し、前記取得した設定対象を表す第2設定対象表示201および前記モード選択表示203を除く他の表示を、第1表示態様から第2表示態様に変更する。そして、本実施形態では、現在、設定されている動作モードを表示するために、表示制御部3は、前記現在、設定されている動作モードのモード選択表示203-2を第3表示態様で表示し、残余のモード選択表示203を第4表示態様で表示し、第2設定対象表示201内に表示される前記図記号を、前記現在、設定されている動作モードに対応した図記号で表示する。これによって、例えば、
図4に示すモード選択表示203に対する入力操作前のモード選択画面200bが、表示部1に表示される。
【0051】
前記処理S11に続く処理S12では、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3によって、入力操作されたか否かを判定する。この判定の結果、入力操作されている場合(Yes)には、制御処理部3は、次に、処理S2を実行し、一方、前記判定の結果、入力操作されていない場合(No)には、制御処理部3は、次に、処理S13を実行する。
【0052】
この処理S13では、車両用操作入力装置Dは、表示制御部32によって、処理S11でモード選択表示203を表示部1に表示した表示開始から、予め設定された所定の時間(例えば5秒や10秒や20秒等)が経過したか否かを判定する。この判定は、例えば、計時を行う計時部を制御処理部3にさらに機能的に備え、処理S11を実行した時刻からの経過時間を参照することで実施できる。あるいは、例えば、前記判定は、処理S11を実行した際に、前記所定の時間をセット(設定)したタイマーを制御処理部3にさらに機能的に生成し、前記タイマーがタイムアップしたか否かを判定することで実施できる。前記判定の結果、前記表示開始から前記所定の時間が経過していない場合(No)には、制御処理部3は、処理を処理S12に戻す。一方、前記判定の結果、前記表示開始から前記所定の時間が経過している場合(Yes)には、制御処理部3は、次に、処理S3を実行する。したがって、前記処理S11でモード選択画面200bが表示部1に表示されると、モード選択表示203に対する入力操作が前記所定の時間だけ可能となる。
【0053】
一方、前記処理S21では、車両用操作入力装置Dは、まず、入力内容取得部33によって、入力操作されたモード選択表示203で表示されている動作モードを前記入力内容として取得し、記憶部4に記憶する。そして、車両用操作入力装置Dは、表示制御部32によって、前記入力操作された動作モードのモード選択表示203を、前記入力操作された動作モードを除く残余の動作モードのモード選択表示203の第4表示態様と異なる第3表示態様で表示する。例えば、ユーザがその手指を第2設定対象表示201を表示する表示面の第1位置に対応する操作面の第2位置(設定対象表示位置)から、第1モード選択表示203-1を表示する表示面の第1位置に対応する操作面の第2位置(モード選択表示位置)へ、移動することによって入力操作された場合、前記処理S12および処理S2の実行によって、入力内容取得部33は、第1モード選択表示203-1で表示されている第1動作モードを前記入力内容として取得し、記憶部4に記憶し、表示制御部32は、第1モード選択表示203-1を第3表示態様で表示し、残余の第2ないし第4モード選択表示203-2~203-4を第4表示態様で表示する。これによって、例えば、
図5に示すモード選択表示203に対する入力操作後のモード選択画面200cが、表示部1に表示される。なお、前記設定対象表示位置から前記モード選択表示位置への移動は、前記設定対象表示位置から前記モード選択表示位置まで操作面に前記手指を接触しながら行われて良く(いわゆるスワイプ(スライド)で行われて良く)、この場合では、入力内容取得部33は、移動の終了位置を前記第2位置として検出する。あるいは、前記設定対象表示位置から前記モード選択表示位置への移動は、前記設定対象表示位置から前記手指を離して前記モード選択表示位置に前記手指を接触することで行われても良い(いわゆるタップで行われても良い)。
【0054】
前記処理S21に続く処理S22では、車両用操作入力装置Dは、制御処理部3の機器処理部34によって、記憶部4に記憶されている設定対象の機器5を、記憶部4に記憶されている動作モードで処理し、次に、処理S3を実行する。
【0055】
前記処理S13、前記処理S22または前記処理S31に続く処理S3では、車両用操作入力装置Dは、表示制御部32によって、前記設定対象選択画面を表示部1に表示する。例えば、前記処理S13に続く処理S3では、前記モード選択表示203に対する入力操作がユーザによって実施されず、前記処理S11を実行する前の設定対象選択画面が表示部1に表示される。すなわち、表示部1の表示が前記処理S11を実行する前の設定対象選択画面に復帰される。あるいは、前記処理S22に続く処理S3では、記憶部4に記憶されている設定対象の機器5を、記憶部4に記憶されている動作モードで処理した後の設定対象選択画面が表示部1に表示される。このため、
図3に示すような設定モード表示202を含む設定対象選択画面200aでは、前記処理S22で実行された動作モードに対応する設定モード表示202は、前記第5表示態様として点灯で表示される。
【0056】
そして、前記処理S3に続く処理S4では、車両用操作入力装置Dは、例えば車両の稼働をオンオフするスイッチの入力操作等によって、その稼働の終了が指示されているか否かを判定する。この判定の結果、前記稼働の終了が指示されている場合(Yes)では、車両用操作入力装置Dは、本処理を終了して稼働を終了し、一方、前記判定の結果、前記稼働の終了が指示されていない場合(No)では、車両用操作入力装置Dは、処理を処理S1に戻す。
【0057】
以上説明したように、実施形態における車両用操作入力装置Dおよびこれに実装された車両用操作入力方法は、入力内容として設定対象を取得した場合に、前記取得した設定対象を表す第2設定対象表示201の周りに、複数のモード選択表示203を表示するので、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる。上記車両用操作入力装置Dおよび車両用操作入力方法は、第2設定対象表示201に対する操作面での入力操作およびモード選択表示203に対する操作面での入力操作を実行すれば、所望の設定対象に所望の動作モードを設定できるので、簡易な入力操作で設定を変更できる。
【0058】
上記車両用操作入力装置Dおよび車両用操作入力方法は、入力内容として設定対象を取得した場合に、第2設定対象表示201およびモード選択表示203を除く他の表示を、前記取得前の第1表示態様から前記取得後の第2表示態様に変更するので、選択した設定対象を視覚的により容易に確認できる。
【0059】
上記車両用操作入力装置Dおよび車両用操作入力方法は、複数のモード選択表示203を第2設定対象表示201の外周側に周方向に沿って順に並置して表示するので、第2設定対象表示201に対する操作面での第2位置(設定対象表示位置)から、設定したい動作モードのモード選択表示203に対する操作面での第2位置(モード選択表示位置)までの、入力操作の移動が、より短い距離で可能となる。
【0060】
上記車両用操作入力装置Dおよび車両用操作入力方法は、前記入力内容として前記設定対象を取得する前において、例えば、
図4に示すモード選択画面200bが表示される前の、
図3に示す設定対象選択画面200aにおいて、複数のモード選択表示203を表示しないので、モード選択表示203に対する操作面での入力操作が誤って実行されることがない。
【0061】
上記車両用操作入力装置Dおよび車両用操作入力方法は、互いに共通な動作を含む第Aおよび第B動作モードを表す2個の第Aおよび第Bモード選択表示を互いに隣接して配置するので、所望の動作モードを表すモード選択表示203ではないモード選択表示203を誤って入力操作した場合に、速やかに所望の動作モードを表すモード選択表示203に対して入力操作できる可能性が高い。
【0062】
なお、上述の実施形態では、機器5は、複数の吹き出し口を備え、前記複数の吹き出し口のうち、前記動作モードに応じた吹き出し口から送風する空調装置であり、これによれば、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる空調装置用の車両用操作入力装置Dが提供されるが、これに限定されるものではなく、適宜に変更できる。
【0063】
例えば、前記機器5は、設定速度で自車両を走行させる第1動作モード、先行車両に追従するように自車両を走行させる第2動作モードおよび車線内を維持するように自車両を走行させる第3動作モードを含む複数の動作モードで自車両を走行させる自動走行装置であっても良い。これによれば、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できる自動走行装置用の車両用操作入力装置Dが提供できる。
【0064】
あるいは、例えば、前記機器5は、複数のウィンドウを備え、前記複数のウィンドウのうち、前記動作モードに応じたウィンドウを開閉するパワーウィンドウ装置であっても良い。前記動作モードは、例えば、運転席のウィンドウを開閉する第1動作モード、運転席に対する後席のウィンドウを開閉する第2動作モード、助手席のウィンドウを開閉する第3動作モード、助手席に対する後席のウィンドウを開閉する第4動作モード、および、全席の各ウィンドウを開閉する第5動作モードである。これによれば、選択した設定対象を視覚的に容易に確認できるパワーウィンドウ装置用の車両用操作入力装置が提供できる。
【0065】
また、上述の実施形態では、第2設定対象表示201は、円形であったが、これに限定されるものではなく、適宜に変更できる。
図7は、設定対象表示の変形形態を示す図である。
図7Aは、第1変形形態を示し、
図7Bは、第2変形形態を示す。
【0066】
例えば、第2設定対象表示201は、多角形(例えば正多角形)であっても良い。例えば、
図7Aに示すように、第2設定対象表示201aは、正方形であっても良い。このような第2設定対象表示201aでは、複数のモード選択表示203a(203a-1~203a-4)は、それぞれ、円弧状の帯形であり、第2設定対象表示201aの外周側に、前記正方形における対角線の交点を中心に、周方向に沿って順に並置(表示)されている。
【0067】
あるいは、例えば、
図7Bに示すように、第2設定対象表示201bは、正八角形であっても良い。このような第2設定対象表示201bでは、複数のモード選択表示203b(203b-1~203b-4)は、それぞれ、円弧状の帯形であり、第2設定対象表示201bの外周側に、前記正八角形における対角線の交点を中心に、周方向に沿って順に並置されている。
【0068】
また、上述の実施形態では、入力位置検出部2は、操作面全面で入力位置を検出可能な装置であるが、設定対象表示101、101a~101dおよびレベル選択表示103、103a~103dを表示する表示面の各第1位置に対応する操作面の各第2位置で少なくとも入力位置を検出可能な装置であっても良い。
【0069】
また、上述の実施形態では、入力操作が無い場合において、モード選択表示203の表示開始から所定の時間の経過後に、モード選択画面200bから設定対象選択画面200aに復帰したが、これに代え、あるいは、これに追加して、モード選択画面200bにおいて、モード選択表示203の表示位置での入力操作の有無に関わらず、ユーザが入力位置検出部2を介した第2設定対象表示201の表示位置で入力操作した場合に、車両用操作入力装置Dは、モード選択画面200bから設定対象選択画面200aに復帰しても良い。
【0070】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0071】
D 車両用操作入力装置
TP(1、2) タッチパネル
DP 表示面
SP 操作面
1 表示部
2 入力位置検出部
3 制御処理部
4 記憶部
5-1 第1機器
5-2 第2機器
11 画素
21 ドット
31 制御部
32 表示制御部
33 入力内容取得部
34 機器処理部
200a 設定対象選択画面
200b、200c モード選択画面
201 第2設定対象表示
202(202-1~202-4) 設定モード表示
203(203-1~203-4) モード選択表示