(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】映像配信プログラム、装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/845 20110101AFI20230418BHJP
G06F 21/10 20130101ALI20230418BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20230418BHJP
H04N 21/835 20110101ALI20230418BHJP
【FI】
H04N21/845
G06F21/10
H04L67/00
H04N21/835
(21)【出願番号】P 2019138275
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 大祐
(72)【発明者】
【氏名】椎▲崎▼ 耕太郎
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-023247(JP,A)
【文献】特開2007-267173(JP,A)
【文献】特開2008-130215(JP,A)
【文献】特開2008-154124(JP,A)
【文献】特開2009-188936(JP,A)
【文献】特開2015-162174(JP,A)
【文献】特表2018-514127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0282390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
H04L 67/00 -67/75
G06F 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して前記記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する、
ことを含む処理をコンピュータに実行させるための映像配信プログラム。
【請求項2】
前記総コストが前記コスト上限を超えている場合に、前記シーケンスデータを作成できない旨を、前記指定を受け付けた第1ユーザの端末に表示させるように制御し、前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記コスト上限から前記総コストを差し引いた残りコストを前記端末に表示させるように制御する請求項1に記載の映像配信プログラム。
【請求項3】
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記記憶部から前記アクセス情報に対応した前記シーケンスデータを取得し、
前記シーケンスデータの前記再生可能な範囲で前記コンテンツの再生を制御する請求項1又は請求項2に記載の映像配信プログラム。
【請求項4】
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、前記第2ユーザが前記コンテンツに関して設定した再生の制御に関する第1制御情報を取得し、
前記第1制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【請求項5】
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから複数の異なる前記アクセス情報を受け付けた場合に、複数の前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、記憶部から、前記第2ユーザの前記コンテンツの視聴履歴に関する第2制御情報を取得し、
前記第2制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【請求項6】
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、当該コンテンツに関して設定された、コストの閾値に関する第3制御情報を取得し、
前記記憶部から前記シーケンスデータの前記共有区間に係るコストを取得し、
前記シーケンスデータの前記共有区間のうち、前記第3制御情報に設定された前記コストの閾値を超えない区間で再生するように制御する請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【請求項7】
前記アクセス情報に前記第1制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第1制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する請求項4に記載の映像配信プログラム。
【請求項8】
前記アクセス情報に前記第3制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第3制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する請求項6に記載の映像配信プログラム。
【請求項9】
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する生成部、
を含む映像配信装置。
【請求項10】
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する映像配信装置と、
前記映像配信装置から共有された前記アクセス情報を、前記映像配信装置に送信するユーザ端末と、
を含む映像配信システム。
【請求項11】
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する、
ことを含む処理をコンピュータが実行することを特徴とする映像配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信プログラム、装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像のコンテンツを複数のユーザで共有するための技術がある。
【0003】
例えば、映像のコンテンツに関し、識別した一組のビデオセグメントから一部のビデオセグメントが選択され、一部のビデオセグメントに関する再生シーケンスを示すリストが生成される技術がある。
【0004】
また、コンテンツに対するユーザの権限情報に関して、権限情報に定められた限度内で権限情報を他のユーザとサーバの認証過程を経ずに共有する技術がある。
【0005】
また、他の端末装置がコンテンツを利用する権限があるか否かを判定し、判定結果に応じたレベルで、コンテンツが他の端末装置にて再生されるようにレスポンスデータを作成する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2018-514127号公報
【文献】特開2005-71339号公報
【文献】特開2016-126445号公報
【文献】特開2001-134614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来技術では、コンテンツそのものに対する共有状況を管理することは行われているが、共有状況の制限については考慮されていない。そのため、コンテンツが無制限に共有されてしまうと、コンテンツの権利者の権利を十分に確保することができないという課題がある。また、共有状況の制限を厳しくし過ぎると、ユーザ間のコミュニケーションツールとしてコンテンツの活用を促進できないという課題がある。
【0008】
本発明は、一つの側面として、コンテンツの共有を制限すると共に、制限のもとでコンテンツを編集して共有することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様として、配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限を取得する。また、記憶部から、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストを取得する。前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出する。前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する。
【発明の効果】
【0010】
一つの側面として、コンテンツの共有を制限すると共に、制限のもとでコンテンツを編集して共有することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】SNSにおける食べ物とTVとの共有のイメージを対比した図である。
【
図2】本発明の実施形態の映像配信システムの仕組みのイメージを表す図である。
【
図3】第1実施形態に係る映像配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】コンテンツDBに記録されるコンテンツの情報の一例を示す図である。
【
図5】制限情報DBのコスト上限テーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図6】制限情報DBの区間コストテーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図7】編集UIで共有区間を選択する場合のイメージ図である。
【
図8】シーケンスデータDBに記録される情報の一例を示す図である。
【
図9】配信管理サーバとして機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【
図10】コスト設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】編集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第1実施形態の再生制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係る映像配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図14】ユーザ登録DBのユーザ情報テーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図15】ユーザ登録DBのNGリストテーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図16】ユーザ登録DBのユーザ嗜好参照テーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図17】ユーザ視聴履歴DBの視聴ユーザ一覧テーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図18】ユーザ視聴履歴DBの視聴履歴テーブルに記録される情報の一例を示す図である。
【
図19】第2実施形態の再生制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。
【0013】
まず、以下に説明する各実施形態の前提となる背景及び各実施形態の概要を説明する。従来、映像のコンテンツの共有は、非特許文献4に記載のように、ユーザが一部のコンテンツを切り出し又は繋ぎ合わせて、他のユーザに共有される仕組みになっている。しかし、切り出される内容を制限する仕組みがなければ、ユーザが自由にコンテンツを切り出して共有できてしまうため、コンテンツの権利者の権利を確保できないという課題がある。そのため、コンテンツの共有では、コンテンツの権利者の権利を確保することが前提となる。
【0014】
また、SNS(social networking service)で共有される情報を取り巻くビジネス面の課題も挙げられる。
図1は、SNSにおける食べ物とTV番組との共有のイメージを対比した図である。
図1に示すように、SNSにおいて食べ物に関する情報を共有する場合には、食べ物を食べた感想、及びお店のURLを貼り付けることで共有が図られる。食べ物の場合には、食べ物がどうだったか、食べ物のお店がどこであるか、の把握がわかりやすく共有できる。しかし、TV番組の場合には具体的な感想を共有しようとすると、何分のどのシーンであったか、までの具体的な情報が必要となり、SNSで情報を共有することが難しい。ユーザは、TV番組について「ここが良かった」、「ここが面白い」、「この俳優のこの表情を見てほしい」等の情報をSNSで共有したい、という潜在的なニーズを抱えていると考えられる。また、情報を具体的に共有するために番組の映像又はキャプチャを無断で共有してしまうと著作権上の問題が生じてしまう。
【0015】
このように、TV番組のような映像のコンテンツを共有する仕組みが整えられていないため、SNSで映像のコンテンツは拡散しにくい状況がある。SNSを前提としたビジネスでは、視聴者同士で形成されるコミュニティを意識した共有が、重視されるようになってきている。SNS上でコンテンツがどれだけ拡散されるかは、影響力のあるユーザであるいわゆるインフルエンサーによる拡散力、及びファンエンゲージメントが強く影響してくる。よって、ユーザがコンテンツをある程度自由に共有できる仕組みが必要である。
【0016】
以上の背景から、本発明の実施形態では、コンテンツの権利者の権利を担保しつつ、ユーザがコンテンツをある程度自由に共有するための仕組みを提供する。本発明の実施形態の映像配信システムでは、配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、1つ以上のコンテンツについて指定を受け付けて共有する。
図2は、本発明の実施形態の映像配信システムの仕組みのイメージを表す図である。
図2に示すように、映像配信システムはコンテンツのシーンを選択してSNSに共有する。シーンの選択は、コンテンツの所定時間の区間毎に定めた区間基準コストに応じて選択できるようにする。これにより、映像のコンテンツの具体的なシーンを共有できるようになる。また、区間基準コストは、映像のコンテンツの中で権利者が共有されることを避けたい度合いを区間に応じて任意に定められるようにする。これにより、コンテンツの共有が、権利者の権利のもとで制御できる。
【0017】
以上が本発明の実施形態の背景及び概要である。以下、本発明の各実施形態について説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図3に示すように、第1実施形態に係る映像配信システム1において、複数の管理端末10と、複数のユーザ端末12と、配信管理サーバ14と、コンテンツDB16とは、インターネット等のネットワークNを介して接続される。
【0019】
管理端末10は、コンテンツの権利者毎に設置されており、コンテンツを管理するための端末である。管理端末10は、配信管理サーバ14のAPI(Application Programming Interface)60により提供される管理UIを介して、コンテンツDB16へのコンテンツの登録、及びコンテンツのコストの登録が可能である。なお、コンテンツの登録は、本実施形態の主要な機能ではないため説明を省略する。管理端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォン等で実現することができる。
【0020】
ユーザ端末12は、コンテンツを共有するユーザ(以下、共有ユーザ)が操作する場合と、コンテンツを共有されて視聴するユーザ(以下、視聴ユーザ)が操作する場合でそれぞれ用途が異なる。共有ユーザは編集UIを操作する。視聴ユーザは視聴UIを操作する。ユーザ端末12は、共有ユーザが操作する場合には、配信管理サーバ14のAPI60により提供される編集UIを介して、配信管理サーバ14に、コンテンツのシーケンスデータを作成させ、作成したシーケンスデータのアクセス情報を生成させる。ユーザ端末12は、SNSに、生成したアクセス情報を埋め込んだ投稿を行う。ユーザ端末12は、視聴ユーザが操作する場合には、配信管理サーバ14のAPI60により提供される視聴UIを介して、SNSでアクセス情報が埋め込まれた投稿を表示する。ユーザ端末12は、当該投稿が閲覧されると、アクセス情報に基づいてコンテンツを取得し、再生する。ユーザ端末12は、コンテンツの取得及び再生にあたってアクセス情報を配信管理サーバ14に送信する。ユーザ端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォン等で実現することができる。
【0021】
コンテンツDB16は、コンテンツが記録されるデータベースであり、コンテンツの配信に最適化されたCDN(Content Delivery Network)によって提供される。
図4は、コンテンツDB16に記録されるコンテンツの情報の一例を示す図である。
図4に示すように、コンテンツDB16には、コンテンツIDと、コンテンツ名と、データと、メタデータとが記録される。コンテンツはコンテンツID又はコンテンツ名で識別することができる。データはコンテンツのデータ自体であり、任意の映像ファイルである。任意の映像ファイルは、「**.mov」、「**.mpeg」、「**.avi」等である。メタデータは、xml形式のコンテンツの付随情報である。以下、コンテンツは、コンテンツDB16に記録され、コンテンツDB16から読み出されることを前提に説明する。そのため、コンテンツDB16から読み出される記載を省略する場合がある。以下、データベースに関して全て同様である。
【0022】
配信管理サーバ14は、API60と、コスト設定部62と、シーケンス作成部64と、コストチェック部66と、ID発行部68と、シーケンス取得部70と、再生制御部72と、制限情報DB80と、シーケンスデータDB82とを含んで構成される。なお、シーケンス作成部64、コストチェック部66、及びID発行部68が、本発明の生成部の一例である。
【0023】
API60は、管理端末10で操作される管理UI、共有ユーザが操作するユーザ端末12で操作される編集UI、及び視聴ユーザが操作する視聴UIを提供する機能を持つ。また、API60は、コンテンツに係る各種設定を行うための機能、及び配信管理サーバ14内部の各機能部を制御する機能を提供する。また、管理UIには、管理UIにログインするためのID及びパスワードが管理端末10の各々に設定されている。管理UIには、管理端末10からID及びパスワードを入力することでログインできる。管理UIの機能は管理端末10で説明した。同様に、編集UIには、編集UIにログインするためのID及びパスワードが、共有ユーザが利用するユーザ端末12の各々に設定されている。編集UIには、共有ユーザがユーザ端末12から、ID及びパスワードを入力することでログインできる。編集UIの機能はユーザ端末12で説明した。視聴UIは、SNSの投稿を閲覧する際に、投稿に埋め込まれたアクセス情報を元にコンテンツを再生するためのUIである。各種UI及び機能は一般的なAPIにより提供できるものを用いればよいため、詳細な説明は省略する。
【0024】
コスト設定部62は、管理端末10からの管理UIの操作を受け付けて、制限情報DB80にコンテンツのコストに関する情報を登録する。
【0025】
制限情報DB80には、コスト上限テーブル80Aと、区間コストテーブル80Bとが記録される。
【0026】
図5は、制限情報DB80のコスト上限テーブル80Aに記録される情報の一例を示す図である。
図5に示すように、コスト上限テーブル80Aには、コンテンツ名と、コスト上限とが記録される。コスト上限は、公開を許容するコストの値であり、1つのコンテンツにつき1つ定められる。例えば、コンテンツAとコンテンツBとがあった場合に、コンテンツAが新番組であるような場合はコストが高く設定され、コンテンツBが再放送であるような場合はコストが低く設定される。つまり、コスト上限は、コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められる。
【0027】
図6は、制限情報DB80の区間コストテーブル80Bに記録される情報の一例を示す図である。
図6に示すように、区間コストテーブル80Bには、コンテンツの区間毎に、その区間を含むコンテンツのコンテンツ名と、開始位置と、終了位置と、区間基準コストとが記録される。開始位置及び終了位置は、コンテンツの先頭からの経過時間で表される区間の開始位置及び終了位置である。経過時間は、以下では、時分秒として説明するが、時分秒ミリ秒、一連のフレーム番号等の映像上の位置を指定できればどのような時間の単位であってもよい。例えば、開始位置が「00:00:10」、終了位置が「00:00:20」であれば、コンテンツのうち10秒の位置から20秒の位置までの区間であることを表す。区間基準コストは、区間の1秒に対するコストであり、整数の値が入る。あるいはより小さな時間単位に対するコストとしてもよい区間基準コストを1秒よりも小さい時間区間に設定可能とする場合には、連動してコンテンツの位置指定を行うすべてのテーブルに関しても少数時間の単位を記述可能とする。公開内容として静止画として扱う場合には、1枚の画像であっても1秒分のコストを設定する等の取り扱いをしてもよい。静止画については、通常動画像で圧縮されていてIピクチャ以外のフレームについて劣化が大きいが、元DBに非圧縮データがある場合には、公開内容に関しては劣化のない映像を、プレビュー時並びに公開時に配信するようにデータ通信を行ってもよい。また、区間基準コストは秒単位でなく分単位に対するコストとしてもよい。区間基準コストの値は、コンテンツの権利者が任意に決定してもよいし、例えば、ある俳優が出演しているシーンなど特定のシーンでは高い区間基準コストを出力するように予め学習されたモデルを用いて導出してもよい。また、絶対に利用できない区間を設定する場合には、区間基準コストに、コスト上限を大きく上回るような任意の値、例えば「9999」、「∞」等を設定すればよい。また、利用可否を示すフラグにより、利用できない区間であることを設定してもよい。また、例えば、あるコンテンツについて、全ての区間の区間基準コストを「1」にすると、コスト上限の値が、再生可能な秒数の上限とイコールになる。また、ここで定められる区間は、TV番組に定められているシーンの区切りで定めるようにしてもよい。なお、区間が、本発明の所定の時間の区間の一例である。
【0028】
シーケンス作成部64は、ユーザ端末12から編集UIの操作を受け付ける。シーケンス作成部64は、編集UIの操作から、編集対象の1つ以上のコンテンツの指定を受け付ける。また、シーケンス作成部64は、編集UIの操作から、1つ以上の共有区間を受け付ける。共有区間とは、コンテンツを共有する場合に、当該コンテンツ中の再生対象とする開始位置及び終了位置を定めた1つ以上の区間の範囲である。当該区間の範囲が、コンテンツ中の共有対象とする範囲の一例である。共有区間は上述した制限情報DB80の区間とは異なり、共有ユーザが任意に定めることができるため、共有したいコンテンツの内容にある程度の自由度を与えることができる。シーケンス作成部64は、指定を受け付けたコンテンツについて、共有区間がコストチェック部66で許可された場合に、受け付けた共有区間でコンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して、シーケンスデータDB82に登録する。以下では、1つコンテンツについてのシーケンスデータを作成する場合を例に説明する。
【0029】
図7は、編集UIで共有区間を選択する場合のイメージ図である。
図7に示すように、編集UIでは、コンテンツ中の共有したいシーン、すなわち共有区間を、時分秒の単位で開始位置及び終了位置で選択できる。編集UIには、選択した共有区間を示す、インジケータの選択領域、並びに開始位置及び終了位置の時間が表示される。このように、共有ユーザは、編集UIを操作して、コンテンツから共有したいシーンを共有区間として切り出すことができる。
【0030】
シーケンス作成部64は、コンテンツの指定を受け付けると、まず、指定を受け付けたコンテンツについて、制限情報DB80から、当該コンテンツのコスト上限と、当該コンテンツの区間毎の区間基準コストとを取得する。また、当該コンテンツ中の時間の開始及び終了の位置を定めた範囲である1つ以上の共有区間を受け付ける。シーケンス作成部64は、コストチェック部66の判定処理を経て、シーケンスIDを含むシーケンスデータをシーケンスデータDB82に登録する。シーケンス作成部64は、登録したシーケンスデータのシーケンスIDに対応したアクセス情報を生成する。シーケンス作成部64は、
図7に示すように、生成したアクセス情報(
図7では、共有用URL)を編集UIに表示する。アクセス情報である共有用URLは、例えば、シーケンスIDを含んだ埋め込みタグとして利用できる。ユーザ端末12を操作する共有ユーザは、生成された共有用URLを含む内容をSNSに投稿する。共有用URLが埋め込まれた投稿が閲覧されると、自動的にアクセス情報が配信管理サーバ14に送信され、シーケンスデータに基づくコンテンツの再生が行われる。これにより、視聴ユーザにシーケンスデータで定められた共有区間で再生可能なコンテンツを共有できる。
【0031】
コストチェック部66は、区間毎の区間基準コストと選択した共有区間とを照合し、選択した共有区間の総コストが、コスト上限を超えているか否かを判定する。コスト上限を総コストが超えている場合には、API60の編集UIに、コスト上限を超えており当該選択でシーケンスデータを登録できない旨を表示させるように制御する。コストチェック部66は、コスト上限を総コストが超えていない場合には、API60の編集UIに、残りコスト数を表示させるように制御し、当該共有区間のシーケンスデータの登録を許可する。このようにして、区間基準コストに応じて共有されるコンテンツの長さを制限する。
【0032】
ここで、総コストについて説明する。総コストをA、共有区間に含まれる区間をi、区間iの区間基準コストをCi、共有区間のうちの区間iの秒数をhiとした場合に、総コストAは以下(1)式で表される。
【0033】
A=Σi{Ci×hi} ・・・(1)
【0034】
例えば、あるコンテンツについて、コスト上限が「100」と定められていたとする。また、区間「00:00:10~00:00:20」について区間基準コスト「3」、区間「00:00:20~00:00:50」について区間基準コスト「10」と定められていたとする。この場合に、2つの共有区間を受け付け、受け付けた共有区間が「00:00:10~00:00:15」、「00:00:30~00:00:35」であったとする。この場合、上記(1)式から総コストは、{3×5+10×5}=65と求められる。コストチェック部66は、総コスト65がコスト上限100以下であるため、当該共有区間の登録を許可する。
【0035】
ID発行部68は、受け付けた共有区間のシーケンスデータの登録がコストチェック部66で許可された場合に、シーケンスIDを発行する。
【0036】
図8は、シーケンスデータDB82に記録される情報の一例を示す図である。
図8に示すように、シーケンスデータDB82にはシーケンスIDと、コンテンツ名と、開始位置と、終了位置と、区間基準コストとが記録される。シーケンスIDは、シーケンスデータを識別するためのIDである。シーケンスIDは、例えば、
図7に示す共有用URLの一部として埋め込まれる。コンテンツ名は、シーケンスデータの対象とするコンテンツを示すコンテンツ名である。シーケンスデータDB82には、コンテンツの共有区間に含まれる、区間基準コストが定められている1つの区間の開始位置及び終了位置を、1レコードずつ記録する。これは、共有区間は、制限情報DB80に記録されている複数の区間にまたがっている場合があるからである。このようにシーケンスデータDB82に、区間基準コストが定められた区間毎に共有区間を記録することで、選択された共有区間でコンテンツの再生を可能とするシーケンスデータが作成される。なお、シーケンスデータDB82にサムネイル等のコンテンツを表す内容の一部に関する情報を含めてもよい。
【0037】
シーケンス取得部70は、ユーザ端末12からアクセス情報を受け付ける。シーケンス取得部70は、アクセス情報を受け付けると、シーケンスデータDB82からアクセス情報に対応したシーケンスデータを取得する。
【0038】
再生制御部72は、シーケンス取得部70で取得したシーケンスデータが示す再生可能な範囲でコンテンツの再生を制御する。
【0039】
配信管理サーバ14は、例えば
図9に示すコンピュータ20で実現することができる。コンピュータ20は、Central Processing Unit(CPU)21と、一時記憶領域としてのメモリ22と、不揮発性の記憶部23とを備える。また、コンピュータ20は、入出力装置24と、記憶媒体29に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するRead/Write(R/W)部25と、インターネット等のネットワークに接続される通信インターフェース(I/F)26とを備える。CPU21、メモリ22、記憶部23、入出力装置24、R/W部25、及び通信I/F26は、バス27を介して互いに接続される。
【0040】
記憶部23は、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部23には、コンピュータ20を配信管理サーバ14として機能させるための配信管理プログラム30が記憶される。配信管理プログラム30は、コスト設定プロセス32と、シーケンス作成プロセス33と、コストチェックプロセス34と、ID発行プロセス35と、シーケンス取得プロセス36と、再生制御プロセス37とを有する。また、記憶部23は、制限情報DB80、及びシーケンスデータDB82の各々を構成する情報が記憶される情報記憶領域39を有する。なお、配信管理プログラム30が、映像配信プログラムの一例である。
【0041】
CPU21は、配信管理プログラム30を記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、配信管理プログラム30が有するプロセスを順次実行する。CPU21は、コスト設定プロセス32を実行することで、
図3に示すコスト設定部62として動作する。また、CPU21は、シーケンス作成プロセス33を実行することで、
図3に示すシーケンス作成部64として動作する。また、CPU21は、コストチェックプロセス34を実行することで、
図3に示すコストチェック部66として動作する。CPU21は、ID発行プロセス35を実行することで、
図3に示すID発行部68として動作する。CPU21は、シーケンス取得プロセス36を実行することで、
図3に示すシーケンス取得部70として動作する。CPU21は、再生制御プロセス37を実行することで、
図3に示す再生制御部72として動作する。また、CPU21は、情報記憶領域39から情報を読み出して、制限情報DB80、及びシーケンスデータDB82の各々をメモリ22に展開する。これにより、配信管理プログラム30を実行したコンピュータ20が、配信管理サーバ14として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU21はハードウェアである。
【0042】
なお、配信管理プログラム30により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等で実現することも可能である。
【0043】
次に、本実施形態に係る映像配信システム1の作用について
図10~
図12のフローチャートを参照して説明する。映像配信システム1の処理は、コスト設定処理と、編集処理と、再生制御処理とがある。以下、それぞれの処理について説明する。
【0044】
まず、コスト設定処理について説明する。
図10は、コスト設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下のコスト設定処理は、配信管理サーバ14のAPI60を介して管理端末10から管理UIによる操作を受け付けて実行される。
【0045】
ステップS100で、API60が、管理端末10からの管理UIへのログインを受け付ける。
【0046】
ステップS102で、コスト設定部62が、コストを登録する対象のコンテンツの指定を受け付ける。
【0047】
ステップS104で、コスト設定部62が、コンテンツのコストに関する情報を受け付ける。
【0048】
ステップS106で、コスト設定部62が、コンテンツのコストに関する情報を制限情報DB80に登録する。登録するコストに関する情報は、コンテンツ名、コスト上限、各区間の開始位置及び終了位置、並びに各区間の区間基準コストである。なお、コストに関する情報の登録の方式はどのような方式でもよいが、例えば、コストを登録したいコンテンツのコストに関する情報を一覧で入力したファイルをバッチ処理、又は管理UIからの手動入力等の方式によって行えばよい。
【0049】
以上がコスト設定処理の説明である。
【0050】
次に、編集処理について説明する。
図11は、編集処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の編集処理は、配信管理サーバ14のAPI60を介して、共有ユーザが利用するユーザ端末12から編集UIによる操作を受け付けて実行される。
【0051】
ステップS200で、API60が、ユーザ端末12からの編集UIへのログインを受け付ける。
【0052】
ステップS202で、シーケンス作成部64が、編集対象のコンテンツの指定を受け付ける。
【0053】
ステップS204で、シーケンス作成部64が、指定を受け付けたコンテンツをコンテンツDB16から読み込む。読み込まれた、コンテンツは編集UIで表示される。
【0054】
ステップS206で、シーケンス作成部64が、指定を受け付けたコンテンツについて、制限情報DB80から、当該コンテンツについて定められたコスト上限と、当該コンテンツの所定の時間の区間毎の区間基準コストとを取得する。
【0055】
ステップS208で、シーケンス作成部64が、当該コンテンツ中の1つ以上の共有区間を受け付ける。共有区間は、共有ユーザの編集UIの編集操作によって入力される。
【0056】
ステップS210で、コストチェック部66が、共有区間と、区間毎の区間基準コストとを照合して、共有区間の総コストを算出する。なお、このとき算出した総コストから残りコスト数を表示させるように制御してもよい。
【0057】
ステップS212で、コストチェック部66が、総コストがコスト上限を超えているか否かを判定する。超えている場合には、ステップS214へ移行し、超えていない場合には、ステップS216へ移行する。
【0058】
ステップS214で、コストチェック部66が、API60の編集UIに、コスト上限を超えており当該選択でシーケンスデータを登録できない旨を表示させるように制御し、ステップS206に戻る。
【0059】
ステップS216で、コストチェック部66が、API60の編集UIに、残りコスト数を表示させるように制御し、当該共有区間のシーケンスデータの登録を許可する。
【0060】
ステップS218で、コストチェック部66が、API60の編集UIの操作により、シーケンスデータの登録を受け付けたか否かを判定し、登録を受け付けた場合にはステップS220へ移行し、登録を受け付けていない場合には、ステップS206に戻る。
【0061】
ステップS220で、ID発行部68が、シーケンスIDを発行する。
【0062】
ステップS222で、シーケンス作成部64は、シーケンスデータを作成し、シーケンスデータDB82に登録する。登録されるシーケンスデータは、シーケンスID、コンテンツ名、及び1つ以上の区間に関する情報を含む。区間に関する情報は、区間の開始位置、区間の終了位置、及び区間の区間基準コストである。
【0063】
ステップS224で、シーケンス作成部64は、登録したシーケンスデータのシーケンスIDに対応したアクセス情報を生成し、生成したアクセス情報を編集UIに表示し、処理を終了する。ユーザ端末12を操作する共有ユーザは、生成されたアクセス情報を含む内容をSNS等に投稿する。なお、API60の編集UIに投稿ボタンを設け、投稿ボタンを押下することによりアクセス情報が埋め込められた投稿が行われるようにしてもよい。
【0064】
以上が編集処理の説明である。
【0065】
次に、再生制御処理について説明する。
図12は、第1実施形態の再生制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の再生制御処理は、視聴ユーザがユーザ端末12でアクセス情報が投稿されたSNSのページを閲覧した場合に実行される。
【0066】
ステップS300で、シーケンス取得部70が、ユーザ端末12からアクセス情報を受け付ける。
【0067】
ステップS302で、シーケンス取得部70が、シーケンスデータDB82から、アクセス情報に対応したシーケンスデータを取得する。
【0068】
ステップS304で、再生制御部72が、シーケンスデータに基づいて、コンテンツDB16のコンテンツを取得する。コンテンツは、コンテンツID、コンテンツ名、データ、及びメタデータを取得する。
【0069】
ステップS306で、再生制御部72が、シーケンスデータに基づいて、取得したコンテンツを加工する。加工は、シーケンスデータの共有区間で再生されるようにコンテンツを加工する。また、映像の再エンコード、ビットレート制御、サムネイルの設定を行う。
【0070】
ステップS308で、再生制御部72が、加工したコンテンツを、ユーザ端末12で操作される視聴UIで再生させるように制御する。また、再生の前に、コンテンツの再生対象のシーンに含まれるサムネイルを表示させる。
【0071】
以上説明したように、第1実施形態に係る映像配信システムによれば、コンテンツの共有を制限すると共に、制限のもとでコンテンツを編集して共有することができる。
【0072】
また、共有を制限する区間を画一的に定めるのではなく、コンテンツの区間毎の区間基準コストに基づく総コストで制限することにより、共有ユーザそれぞれが好みに応じたシーンを切り出すことができる。これにより、共有ユーザはインフルエンサーとして個性を出すことができ、共有されるコンテンツのバリエーションが拡がり、ユーザ間のコミュニケーションツールとしてのコンテンツの活用が促進される。
【0073】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、視聴ユーザ毎の設定及び視聴履歴に応じて再生を制御する点が第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の箇所については同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
図13に示すように、第2実施形態は、配信管理サーバ214は、ユーザ登録DB284と、ユーザ視聴履歴DB286とを更に含み、再生制御部272が、視聴ユーザ毎に再生を制御する点が第1実施形態と異なっている。
【0075】
第2実施形態では、視聴ユーザについて、以下の(1)~(3)の再生制御を行う。以下の説明においては、共有ユーザ及び視聴ユーザを単にユーザと記載する。なお、具体的な制御の方法は作用において説明する。
【0076】
(1)第1に、ユーザ毎にコンテンツの再生の可否を設定する。例えば、ユーザAについて、ある番組のコンテンツについて何月何日まで再生しない、という設定である。ドラマ等の重要部分の露見に配慮する必要があるコンテンツは、ユーザによっては、まだ見たくないというニーズがあると考えられる。そのため、ユーザがまだ見たくないコンテンツが共有されている場合に、そのユーザについては該当のコンテンツを再生しないように制御する。なお、ユーザは予め設定用の画面又はSNS等からコンテンツの再生の可否を登録する。例えばSNS等でコンテンツの再生画面又はコンテンツの一覧が表示されている画面に、コンテンツ又は当該コンテンツに関連するコンテンツについて再生不可を設定するためのボタンを設置する。ユーザにより当該ボタンが押下されると当該コンテンツについて再生を不可に設定する。
【0077】
(2)第2に、ユーザ毎に再生状況を記録し、過度な閲覧を防止する。上述した第1実施形態の手法で共有されるコンテンツは、異なるユーザによって、異なるシーンがシーケンスデータとして作成される場合が考えられる。例えば、ある番組のコンテンツについて、ユーザAは、10~50秒のシーンを切り出してSNS上で共有し、ユーザBは、50~90秒のシーンを切り出してSNS上で共有することが考えられる。この場合に、いずれの共有されたシーンも閲覧できてしまうと、過度に閲覧ができてしまうことになる。そのため、ユーザの視聴履歴を記録し、同一のコンテンツについて所定の時間以上は閲覧できないようにする。これにより、権利者の意に反して、コンテンツが不正に閲覧されることを防ぐことができる。
【0078】
(3)第3に、区間基準コストに応じて閲覧可否を設定する。第1実施形態で説明した区間基準コストをコンテンツの重要度と捉える。区間基準コストが高い区間は、コンテンツの核心的なシーンであると捉えられ、区間基準コストが低い区間は、非核心的なシーンであると捉えられる。そのため、ユーザ毎に重要部分閲覧可否を設定し、再生を制御する。つまり、ユーザがあるコンテンツについて重要部分の露見についてNG設定しており、かつ、コストの高い区間が共有されている場合は、コストの高い部分は除いて、コストの低い区間だけが閲覧されるようにコンテンツを加工する。これにより、重要部分の露見に配慮した柔軟な閲覧を可能にする。また、ユーザが(1)の設定をしていなかった場合に、誤って重要部分の露見となるシーンを閲覧してしまう状況を避けることができる。
【0079】
ユーザ登録DB284には、ユーザ情報テーブル284Aと、NGリストテーブル284Bと、ユーザ嗜好参照テーブル284Cとが記録される。NGリストテーブル284B及びユーザ嗜好参照テーブル284Cはユーザ毎に作成される。
【0080】
ユーザ視聴履歴DB286には、視聴ユーザ一覧テーブル286Aと、視聴履歴テーブル286Bとが記録される。視聴履歴テーブル286Bはユーザ毎に作成される。
【0081】
図14は、ユーザ登録DB284のユーザ情報テーブル284Aに記録される情報の一例を示す図である。
図14に示すように、ユーザ情報テーブル284Aには、ユーザIDと、ユーザ名と、NGリストIDと、嗜好リストIDと、重要部分閲覧可否とが記録される。NGリストIDは、いずれのNGリストテーブル284Bを参照するのかを示すIDである。NGリストテーブル284Bは、NGリストIDにあるIDの分だけ存在する。嗜好リストIDは、いずれのユーザ嗜好参照テーブル284Cを参照するのかを示すIDである。ユーザ嗜好参照テーブル284Cは、嗜好リストIDにあるIDの分だけ存在する。重要部分閲覧可否は、「OK」又は「NG」が設定される。「NG」の場合には、例えば、共有区間のうち所定の数値以上の区間基準コストの区間を含む共有区間は再生されないように制御される。また、重要部分閲覧可否として数値を設定してもよい。数値を設定する場合には、共有区間のうち設定した数値以上の区間基準コストの区間を含む共有区間は再生されないように制御できる。以下、重要部分閲覧可否を、第3制御情報と記載する。
【0082】
図15は、ユーザ登録DB284のNGリストテーブル284Bに記録される情報の一例を示す図である。NGリストテーブル284Bは、ユーザ情報テーブル284AのNGリストIDのIDごとに存在する。
図15に示すように、NGリストテーブル284Bには、コンテンツIDと、NG情報と、NG有効期限とが記録される。NG情報は、「OK」又は「NG」が設定される。NGの場合に、当該ユーザについて当該コンテンツを再生しないように制御する。NG有効期限は、NGを有効にしておく年月日「YYYY/MM/DD」が設定される。バッチ処理等で、NG有効期限が過ぎた場合に、自動的に「OK」に変更する。以下、NG情報を、第1制御情報と記載する。
【0083】
図16は、ユーザ登録DB284のユーザ嗜好参照テーブル284Cに記録される情報の一例を示す図である。
図16に示すように、ユーザ嗜好参照テーブル284Cには、Likeと、Dislikeとが記録される。Likeには、SNSのページでユーザが高評価をしたシーケンスIDを記録する。Dislikeには、SNSのページでユーザが低評価をしたシーケンスIDを記録する。なお、前提として、API60の視聴UIにおいて、高評価ボタン及び低評価ボタンが設置されており、いずれかが押下されることによりユーザ嗜好参照テーブル284Cに記録される。
【0084】
ユーザ情報テーブル284Aの重要部分閲覧可否、及びNGリストテーブル284BのNG情報は、ユーザ端末12の設定によって予め記録しておく。ユーザ嗜好参照テーブル284Cに記録するデータは、再生制御部272が、アクセス情報に基づくコンテンツの再生時に、高評価又は低評価のボタンが押下された場合に記録する。ユーザ情報テーブル284Aに、プレミアム会員登録の有無の列を設けて、通常会員とプレミアム会員とで提供する再生制御のサービスを分けるようにしてもよい。
【0085】
図17は、ユーザ視聴履歴DB286の視聴ユーザ一覧テーブル286Aに記録される情報の一例を示す図である。
図17に示すように、視聴ユーザ一覧テーブル286Aには、ユーザIDと、視聴履歴リストIDとが記録されている。視聴履歴リストIDは、当該ユーザIDの視聴履歴テーブル286Bへのリレーションを示すIDである。
【0086】
図18は、ユーザ視聴履歴DB286の視聴履歴テーブル286Bに記録される情報の一例を示す図である。
図18に示すように、視聴履歴テーブル286Bには、視聴時刻と、コンテンツIDと、開始位置と、終了位置とが記録されている。開始位置及び終了位置は、コンテンツを再生した区間の開始位置及び終了位置である。以下、視聴履歴テーブル286Bに記録される情報を、第2制御情報と記載する。
【0087】
ユーザ視聴履歴DB286に記録するデータは、アクセス情報に基づくコンテンツの再生が行われた場合に取得すればよい。
【0088】
なお、配信管理サーバ214のコンピュータの構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0089】
次に、第2実施形態の映像配信システム200の作用を説明する。コスト設定処理及び編集処理については第1実施形態と同様であるため、第2実施形態では、再生制御処理に関してのみ説明する。
図19は、第2実施形態の再生制御処理の一例を示すフローチャートである。ステップS1300以降の処理は、ステップS304でコンテンツを取得した後に行われる。
【0090】
ステップS1300で、再生制御部272が、アクセス情報を送信したユーザ端末12のユーザIDを受け付ける。
【0091】
ステップS1302で、再生制御部272が、ユーザIDに対応付けられた、ユーザ登録DB284から第1制御情報を取得する。
【0092】
ステップS1304で、再生制御部272が、第1制御情報に基づいて、コンテンツの再生が可能であるか否かを判定する。再生が可能であればステップS1308へ移行する。再生が可能でなければステップS1306へ移行する。再生可否の判定は、例えば、第1制御情報におけるNG情報が、当該コンテンツについてOKであれば再生可能であると判定し、NGであれば再生不可と判定する。
【0093】
ステップS1306で、再生制御部272が、視聴UIで、当該コンテンツを再生しない旨を表示するように制御する。再生しない旨としては、例えば「重要部分を含むため再生しません」等の表示である。
【0094】
ステップS1308で、再生制御部272が、ユーザIDに対応付けられた、ユーザ視聴履歴DB286から第2制御情報を取得する。
【0095】
ステップS1310で、再生制御部272が、第2制御情報に基づいて、コンテンツの再生が可能であるか否かを判定する。再生が可能であればステップS1314へ移行する。再生が可能でなければステップS1312へ移行する。再生可否の判定は、例えば、第2制御情報における当該コンテンツの視聴履歴の単位時間当たりの総時間あるいは単位時間当たりの総コストが、閾値を超えない場合には再生可能であると判定し、閾値を超える場合には再生不可と判定する。
【0096】
ステップS1312で、再生制御部272が、視聴UIで、当該コンテンツを再生不可である旨を表示するように制御する。再生不可である旨としては、例えば「視聴可能時間を超えているため再生できません」等の表示である。
【0097】
ステップS1314で、再生制御部272が、ユーザIDに対応付けられた、ユーザ登録DB284から第3制御情報を取得する。また、シーケンスデータDB82から、シーケンスデータの共有区間に係る区間毎の区間基準コストを取得する。
【0098】
ステップS1316で、再生制御部272が、第3制御情報と、共有区間に係る区間毎の区間基準コストとに基づいて、コンテンツの再生に制限があるか否かを判定する。制限があると判定した場合にはステップS1318へ移行する。制限がないと判定した場合にはステップS306へ移行する。制限の判定は、所定の条件により判定する。所定の条件は、第3制御情報におけるユーザの重要部分閲覧可否の設定がNGであり、かつ、共有区間に係る区間毎の区間基準コストのうち閾値以上の区間基準コストがある、という条件である。条件を満たす場合に制限ありと判定し、条件を満たさない場合には、制限なしと判定する。なお、一律に重要部分を含むコンテンツの閲覧を不可とする場合には、所定の条件は、ユーザの重要部分閲覧可否の設定がNGである場合とし、コンテンツの閲覧自体を不可とすればよい。
【0099】
ステップS1318で、再生制御部272が、シーケンスデータの共有区間のうち、第3制御情報に設定されたコストの閾値を超えない区間を再生可能区間としてコンテンツを加工する。加工後はステップS308へ移行する。再生可能区間は、例えば、次のように定める。閾値が7であるとする。共有区間として「00:00:40~00:00:50」、「00:01:20~00:01:30」、「00:05:10~00:05:30」の3つの各区間があり、それぞれの区間基準コストが3、8、5であったとする。この場合、閾値7を超えない「00:00:40~00:00:50」、「00:05:10~00:05:30」を再生可能区間としてコンテンツを加工する。
【0100】
以上が、第2実施形態の再生制御処理の説明である。
【0101】
ここで、視聴UIの一例を示す。
図20は、視聴UIの一例を示すイメージ図である。
図20に示すように、視聴UIには、例えば「まだ見たくないボタン」、「本編を見るボタン」が配置される。各種ボタンはアクセス情報に付加することで、視聴UIに表示される。
【0102】
「まだ見たくないボタン」は、ユーザがコンテンツの本編を未視聴で、視聴後に、SNS等を介して話題で盛り上がりたい場合、重要部分を視聴したくない場合を考慮した機能である。「まだ見たくないボタン」を押下すると、即座に再生の停止と、当該コンテンツを含む映像の再生を抑止する。つまり、「まだ見たくないボタン」を押下したユーザについて、ユーザ登録DB284のNGリストテーブル284Bの当該コンテンツのNG情報をNGに設定する。これにより、今後同一のコンテンツの一部についてのアクセス情報を含む投稿を閲覧した際の映像の再生を抑止することができる。さらに、当該コンテンツを含む投稿と同じタグが付与された他の投稿内容の表示を抑止するように、外部のSNSのAPI等に通知を行う機能を伴ってもよい。また、投稿内容の表示を抑止した場合には、何の話題であるのかのみ把握できるように参考となる文字情報として、例えばコンテンツの作品名及び放送日時の情報等をサムネイルとして表示するようにしてもよい。「まだ見たくないボタン」が、本発明の第1制御情報又は第3制御情報を登録するための情報の一例である。
【0103】
「本編を見るボタン」は、視聴ユーザを各種サイトに誘導し、コンテンツの全編の閲覧を補助する機能を持つ。各種サイトは、例えば、要課金の登録制サイト、広告付きの配信用サイト、又は無料全編配信用サイト等である。また、「本編を見るボタン」の派生として、ユーザの視聴行動を補助する例として「このまま本編を見る」、「最初から本編を見る」、「この場面を含む他のSNSの投稿を見る」等の各種機能を持ったボタンを配置してもよい。
【0104】
また、上記ステップS1306で再生しない旨の表示をするように制御した場合に、「視聴OKボタン」が表示されるようにしてもよい。「視聴OKボタン」を押下することにより、NG情報のNGを解除し、コンテンツの再生を開始するように制御することができる。
【0105】
以上説明したように、第2実施形態に係る映像配信システムによれば、共有されたコンテンツの視聴をユーザ毎に制御することができる。
【0106】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0107】
(付記1)
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して前記記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する、
ことを含む処理をコンピュータに実行させるための映像配信プログラム。
【0108】
(付記2)
前記総コストが前記コスト上限を超えている場合に、前記シーケンスデータを作成できない旨を、前記指定を受け付けた第1ユーザの端末に表示させるように制御し、前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記コスト上限から前記総コストを差し引いた残りコストを前記端末に表示させるように制御する付記1に記載の映像配信プログラム。
【0109】
(付記3)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記記憶部から前記アクセス情報に対応した前記シーケンスデータを取得し、
前記シーケンスデータの前記再生可能な範囲で前記コンテンツの再生を制御する付記1又は付記2に記載の映像配信プログラム。
【0110】
(付記4)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、前記第2ユーザが前記コンテンツに関して設定した再生の制御に関する第1制御情報を取得し、
前記第1制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する付記1~付記3の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【0111】
(付記5)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから複数の異なる前記アクセス情報を受け付けた場合に、複数の前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、記憶部から、前記第2ユーザの前記コンテンツの視聴履歴に関する第2制御情報を取得し、
前記第2制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する付記1~付記4の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【0112】
(付記6)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、当該コンテンツに関して設定された、コストの閾値に関する第3制御情報を取得し、
前記記憶部から前記シーケンスデータの前記共有区間に係るコストを取得し、
前記シーケンスデータの前記共有区間のうち、前記第3制御情報に設定された前記コストの閾値を超えない区間で再生するように制御する付記1~付記5の何れか1項に記載の映像配信プログラム。
【0113】
(付記7)
前記アクセス情報に前記第1制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第1制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する付記4に記載の映像配信プログラム。
【0114】
(付記8)
前記アクセス情報に前記第3制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第3制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する付記6に記載の映像配信プログラム。
【0115】
(付記9)
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する生成部、
を含む映像配信装置。
【0116】
(付記10)
前記総コストが前記コスト上限を超えている場合に、前記シーケンスデータを作成できない旨を、前記指定を受け付けた第1ユーザの端末に表示させるように制御し、前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記コスト上限から前記総コストを差し引いた残りコストを前記端末に表示させるように制御する付記9に記載の映像配信装置。
【0117】
(付記11)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記記憶部から前記アクセス情報に対応した前記シーケンスデータを取得し、
前記シーケンスデータの前記再生可能な範囲で前記コンテンツの再生を制御する付記9又は付記10に記載の映像配信装置。
【0118】
(付記12)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、前記第2ユーザが前記コンテンツに関して設定した再生の制御に関する第1制御情報を取得し、
前記第1制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する付記9~付記11の何れかに記載の映像配信装置。
【0119】
(付記13)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから複数の異なる前記アクセス情報を受け付けた場合に、複数の前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、記憶部から、前記第2ユーザの前記コンテンツの視聴履歴に関する第2制御情報を取得し、
前記第2制御情報に基づいて前記コンテンツの再生の可否を判定する付記9~付記12の何れかに記載の映像配信装置。
【0120】
(付記14)
前記アクセス情報が共有された第2ユーザから前記アクセス情報を受け付けた場合に、前記シーケンスデータに対応するコンテンツに関して、前記記憶部から、当該コンテンツに関して設定された、コストの閾値に関する第3制御情報を取得し、
前記記憶部から前記シーケンスデータの前記共有区間に係るコストを取得し、
前記シーケンスデータの前記共有区間のうち、前記第3制御情報に設定された前記コストの閾値を超えない区間で再生するように制御する付記9~付記13の何れかに記載の映像配信装置。
【0121】
(付記15)
前記アクセス情報に前記第1制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第1制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する付記12に記載の映像配信装置。
【0122】
(付記16)
前記アクセス情報に前記第3制御情報を登録及び解除するための情報を付加し、
前記第2ユーザから前記第3制御情報の解除を受け付け、前記シーケンスデータで前記再生可能な範囲で前記コンテンツを再生するように制御する付記14に記載の映像配信装置。
【0123】
(付記17)
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する映像配信装置と、
前記映像配信装置から共有された前記アクセス情報を、前記映像配信装置に送信するユーザ端末と、
を含む映像配信システム。
【0124】
(付記18)
映像配信装置で、前記総コストが前記コスト上限を超えている場合に、前記シーケンスデータを作成できない旨を、前記指定を受け付けた第1ユーザの端末に表示させるように制御し、前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記コスト上限から前記総コストを差し引いた残りコストを前記端末に表示させるように制御する付記17に記載の映像配信システム。
【0125】
(付記19)
配信対象の映像の複数のコンテンツのうち、指定を受け付けた1つ以上のコンテンツについて、記憶部から、前記コンテンツについて共有を許容される時間に基づいて定められたコスト上限と、前記コンテンツの所定の時間の区間毎のコストとを取得し、
前記コンテンツ中の共有対象とする範囲である1つ以上の共有区間を受け付け、前記共有区間と、前記区間毎のコストとを照合して、前記共有区間の総コストを算出し、
前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記共有区間で前記コンテンツを再生可能とするシーケンスデータを作成して記憶部に登録し、
登録された前記シーケンスデータを取得するためのアクセス情報を生成する、
ことを含む処理をコンピュータが実行することを特徴とする映像配信方法。
【0126】
(付記20)
前記総コストが前記コスト上限を超えている場合に、前記シーケンスデータを作成できない旨を、前記指定を受け付けた第1ユーザの端末に表示させるように制御し、前記総コストが前記コスト上限を超えていない場合に、前記コスト上限から前記総コストを差し引いた残りコストを前記端末に表示させるように制御する付記19に記載の映像配信方法。
【符号の説明】
【0127】
1、200 映像配信システム
10 管理端末
12 ユーザ端末
14、214 配信管理サーバ
16 コンテンツDB
62 コスト設定部
64 シーケンス作成部
66 コストチェック部
68 ID発行部
70 シーケンス取得部
72、272 再生制御部
80 制限情報DB
82 シーケンスデータDB
284 ユーザ登録DB
286 ユーザ視聴履歴DB