(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】二環式化合物および癌の処置におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07D 209/08 20060101AFI20230418BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20230418BHJP
C07D 231/56 20060101ALI20230418BHJP
C07D 235/06 20060101ALI20230418BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20230418BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/416 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/41 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20230418BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230418BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230418BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
C07D209/08 CSP
C07D471/04 104Z
C07D231/56 Z
C07D235/06
C07D403/12
C07D401/10
A61K31/404
A61K31/437
A61K31/416
A61K31/4184
A61K31/41
A61K31/4439
A61K31/5377
A61P43/00 111
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2019556633
(86)(22)【出願日】2018-04-17
(86)【国際出願番号】 US2018028034
(87)【国際公開番号】W WO2018195123
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-01
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519368437
【氏名又は名称】テンペスト セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ブラヴォー,ヤルダ
(72)【発明者】
【氏名】バーチ,ジェイソン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チェン,オースティン チー-ユ
(72)【発明者】
【氏名】ナガミゾ,ジョー フレッド
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-521128(JP,A)
【文献】再公表特許第2009/139373(JP,A1)
【文献】再公表特許第2009/005076(JP,A1)
【文献】国際公開第2010/121382(WO,A1)
【文献】再公表特許第2018/008711(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IaまたはIbの化合物
、
【化1】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物であって、
Arは、ハロゲン、シアノ、SF
5、C
1-C
6ハロアルキル、OR
b、複素環、アリール、およびヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルであり、
Wは、C(=O)OR
5、NHC(=O)NHSO
2R
b、C(=O)NHS(=O)
2R
b、または1H-テトラゾールであり、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり、
Yは、単結合、または-CH
2-であり、
R
3とR
4は独立して、H、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルであり、
R
5は、H、またはC
1-C
6アルキルであり、
R
aは、
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C
3-C
6シクロアルキル、および
(i)C
1-C
6ハロアルキルから選択され、
R
b
は、
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、ならびに
(f)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され
、
nは1、2、または3である、
化合物。
【請求項2】
Arは、ハロゲン、シアノ、SF
5、C
1-C
6ハロアルキル、OR
b、複素環、アリール、ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルであって、ここで、R
bは、C
1-C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルである、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項3】
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してC-R
aであり、または、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-R
aである、請求項1または2に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項4】
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してC-R
aである、請求項3に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項5】
R
aはHまたはハロゲンである、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項6】
Wは、
(a)CO
2H、および
(b)1H-テトラゾールである、請求項1~5のいずれか1つに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項7】
式Ia、
【化2】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物を有し、ここで、
Arは、
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(d)SF
5、
(e)C
1-C
6ハロアルキル、
(f)OR
b、ここで、R
bは、C
1-C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルである
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルであり、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してC-R
aであり、あるいは、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-R
aであり、
Wは、
(a)CO
2H、または
(b)1H-テトラゾールであり
Yは単結合または-CH
2-であり、
nは、1または2であり、
R
3とR
4は、
(a)H、
(b)C
1-C
3アルキル、または
(c)C
1-C
3ハロアルキルから独立して選択され、および
R
aは、
(a)H、および
(b)ハロゲンから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Yは単結合であり、nは1である、請求項1~7のいずれか1つに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項9】
式Ib、
【化3】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物を有し、ここで、
Arは、
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(e)SF
5、
(c)C
1-C
6ハロアルキル、
(f)OR
b、
(d)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルであり、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してC-R
aであり、あるいは、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-R
aであり、
Wは、
(a)CO
2Hまたは
(b)1H-テトラゾールであり、
nは、1または2であり、
R
4は、
(a)H、
(b)C
1-C
3アルキル、または
(c)C
1-C
3ハロアルキルであり、および
R
aは、
(a)H、および
(b)ハロゲンから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
nは1である、請求項9に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項11】
式IcまたはId、
【化4】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物を有し、ここで、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してC-R
aであり、あるいはX
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-R
aであり、
R
aは、
(a)H、および
(b)ハロゲンから選択され、
R
dは、
(a)CN、
(b)SF
5、
(c)C
1-C
3ハロアルキル、
(e)OR
b、ここで、R
bは、C
1-C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルであり、
(f)複素環、
(g)アリール、ならびに
(h)ヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれCHであり、または、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の1つはC-R
aであり、ならびに他のものはCHであり、およびR
aはハロゲンである、請求項1~11のいずれか1つに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物。
【請求項13】
【化6】
【化7】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または塩の溶媒和物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つに記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物、ならびに薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項15】
癌の処置のための薬剤の製造における、請求項1~13のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項16】
前記癌は、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記癌は、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌から選択される、請求項15または16に記載の使用。
【請求項18】
前記処置は、抗-PD-1抗体および抗-PD-L1抗体から選択される追加の薬剤をさらに含む、請求項15~17のいずれか1つに記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
これは、2017年4月18日に出願された米国仮出願第62/486,765号の利益を主張するものであり、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ヘテロアリールカルボキサミド誘導体、そのような化合物を含有する医薬組成物、およびそのような化合物を使用した癌を処置および予防するための方法に関連する。
【0003】
プロスタグランジンE2(PGE2)は、EP4受容体のそのアゴニズムおよび結果として生じるシグナル伝達カスケードの活性化によって、炎症の回復(Chen et al., British J. Pharmacol. 2010, 160, p. 292)ならびにT細胞受容体シグナル伝達の抑制(Wiemer et al., J. Immunology 2011, 187, p. 3663)において重症な役割を果たすと示されている内在性の分子である。炎症反応を弱めることは、例えば、外来の病原体の侵入によって引き起こされた炎症反応の成功した開始後の過度の細胞の損傷の予防にとって極めて重要である一方、いくつかの腫瘍はさらに、腫瘍細胞が増殖することができる免疫抑制の微小環境を作り出す方法として、このメカニズムを乗っ取ることができることが実証されている(Whiteside, Expert Opin. Bio. Th. 2010, 10, p. 1019)。
【0004】
確かに、免疫抑制の腫瘍微小環境の主要な特徴のうちの1つは、大量の骨髄性由来の抑制細胞(MDSC)および2型の腫瘍関連マクロファージ(TAM)の存在であり、そして今度は、胃癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、肝細胞癌(HCC)、頭頸部癌、ならびに他のタイプの癌を患う患者における乏しい全生存期間に大きく関連する(Qian et al., Cell. 2010, 141, p. 39; Gabitass et al., Cancer Immunol. Immunother. 2011, 60, p. 1419)。腫瘍細胞によってかなり大量に産生されるPGE2による未成熟単球でのEP4受容体の関与(Ochs et al., J. Neurochem. 2016, 136, p. 1142; Zelenay, S. et al., Cell 2015, 162, p. 1257)は、これらの未成熟単球の分化を免疫抑制MDSCおよびTAM系統の両方に歪めることが実証されている(Mao, et al., Clin. Cancer Res. 2014, 20, p.4096; Wang et al., Trends in Molecular Medicine 2016, 22, p.1)。
【0005】
さらに、最近の試験により、いくつかの例における腫瘍細胞は、PGE2によるEP4受容体の刺激を介して、周囲の腫瘍微小環境でのインドールアミン2、3ジオキシゲナーゼ(IDO)および/またはトリプトファン2、3-デオキシゲナーゼ(deoxygenase)(TDO)活性のアップレギュレーションも媒介することが明らかになっている(Ochs et al., J. Neurochem. 2016, 136, p. 1142; Hung et al., Breast Cancer Research, 2014, 16, p. 410)。IDO酵素およびTDO酵素の基質であるトリプトファンは、細胞毒性Teff細胞の増殖および活性化にとって不可欠であり、IDO酵素およびTDO酵素の産物であるキヌレニンは、免疫抑制Treg細胞の増殖および活性化にとって不可欠であるため、IDOおよび/またはTDO活性の阻害は様々な癌の処置に対する有望な手段を表す。実際、ペンブロリズマブと組み合わせて使用された場合、Incyte社の強力かつ選択的なIDO阻害剤であるエパカドスタットによって、進行期のIIIBまたはIV黒色腫を有する患者における奏効率の増加が報告されている。したがって、これらのすべての観察および試験に照らして、EP4のアンタゴニズムが、単一の薬剤として、および他の抗癌治療と組み合わせとしての両方で、進行癌の処置のための合理的かつ効果的なアプローチを表すことは合理的である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、EP4受容体の強力かつ選択的なアンタゴニストである式Iの化合物、式Iの薬学的に許容可能な塩、そのような化合物を含む薬学的に許容可能な組成物、およびPGE2媒介シグナル伝達の遮断によって回復され得る様々な疾患(特に癌)の処置でのそのような化合物の使用を説明している。癌の処置については、いくつかの例において、式Iの化合物は単独で、または他の癌治療(例えば、放射線、細胞毒性のt-リンパ球抗原4(つまり、イピリムマブなどの抗CTLA4剤)への抗体、プログラムデスリガンド1(つまり、アテゾリズマブ、アベルマブなどの抗-PD-L1剤)への抗体、プログラム細胞死タンパク質1(つまり、ニボルマブ、ペンブロリズマブなどの抗-PD-1剤)への抗体、あるいは細胞毒性薬(つまり、シスプラチン、ダカルバジン、クロラムブチルなどのアルキル化薬;などの抗代謝産物、メトトレキセート、フルダラビン、ゲムシタビンなど;ビンブラスチン、パクリタキセルなどの抗微小管剤;トポテカン、ドキソルビシンなどなどのトポイソメラーゼ阻害剤;ならびに他のもの)と組み合わせて使用される。本明細書で提供される他の実施形態は、式Iの化合物の調製のための、ならびに本明細書に記載される化合物の合成において使用される中間体の調製のためのプロセスを説明している。
【0007】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式Iの化合物:
【0008】
【化1】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグの化合物を説明し;
ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:(a)C
1-C
6アルキル、(b)C
3-C
7シクロアルキル、(c)複素環、(d)アリール、(e)ヘテロアリール、(f)ハロゲン、(g)CN、(h)OR
b、(i)N(R
b)C(=O)R
c、(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、(k)S(=O)
mR
b、(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、(n)SF
5、および(o)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基と随意に置換され;
Wは:(a)C(=O)OR
5、(b)C(=O)NHOH、(c)S(=O)
2NHR
b、
(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、(f)1H-テトラゾール、(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bから選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは:(a)単結合、(b)(CH
2)
nから選択され、ここで、1~4の水素原子はR
a’、(c)Oおよび(d)NR
bと交換することができ;
Zは(CH
2)
nであり、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)C
3-C
6シクロアルキル、および(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され、ここで、R
2はHでなく;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは、(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)C
3-C
6シクロアルキル、(d)アリール、(e)ヘテロアリール、(f)ハロゲン、(g)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
または、上記R
1、R
2、R
3およびR
4は以下のように選択され:
R
1は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
3とR
2は一体となって、(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、または(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;ならびに、
R
4は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
5は、(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)アリール、(d)アラルキル、(e)CH(R
7)OC(=O)R
8、(f)CH(R
7)OC(=O)OR
8、および(g)以下の式を有する(5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン(dioxolen)-4-イル)メチルの群から選択され:
【0009】
【化2】
ここで、R
6はC
1-C
6アルキルであり;
R
7は、水素またはC
1-C
6アルキルであり;
R
8はC
1-C
6アルキルまたはC
3-C
6-シクロアルキルであり;
R
aは:(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)ハロゲン、(d)アリール、(e)OR
b、(f)シアノ、(g)ヘテロアリール、(h)C
3-C
6シクロアルキル、および(i)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
a’は:(a)シアノ、(b)C
1-C
6アルキル、(c)ハロゲン、(d)アリール、(e)OR
b、(f)ヘテロアリール、(g)C
3-C
6シクロアルキル、および(h)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
bとR
cは:(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)アリール、(d)ヘテロアリール、(e)C
3-C
6シクロアルキル、(f)C
2-C
6複素環、または(g)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;または、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0010】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式Iの化合物:
【0011】
【化3】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグの化合物を説明し;ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:(a)C
1-C
6アルキル、(b)C
3-C
7シクロアルキル、(c)複素環、(d)アリール、(e)ヘテロアリール、(f)ハロゲン、(g)CN、(h)OR
b、(i)N(R
b)C(=O)R
c、(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、(k)S(=O)
mR
b、(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、(n)SF
5、および(o)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基と随意に置換され;
Wは:(a)C(=O)OR
5、(b)C(=O)NHOH、(c)S(=O)
2NHR
b、(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、(f)1H-テトラゾール、(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bから選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは:(a)単結合、(b)(CH
2)
nから選択され、ここで、1~4の水素原子はR
a’、(c)O、および(d)NR
bと交換することができ;
Zは(CH
2)
nであり、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)C
3-C
6シクロアルキル、および(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され、ここで、R
2はHでなく;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)C
3-C
6シクロアルキル、(d)アリール、(e)ヘテロアリール、(f)ハロゲン、(g)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
または、上記R
1、R
2、R
3およびR
4は以下のように選択され:
R
1は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
3とR
2は一体となって、(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、または(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;ならびに、
R
4は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
5は、(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)アリール、(d)アラルキル、(e)CH(R
7)OC(=O)R
8、(f)CH(R
7)OC(=O)OR
8、および(g)以下の式を有する(5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン(dioxolen)-4-イル)メチルの群から選択され:
【0012】
【化4】
ここで、R
6はC
1-C
6アルキルであり;
R
7は、水素またはC
1-C
6アルキルであり;
R
8はC
1-C
6アルキルまたはC
3-C
6-シクロアルキルであり;
R
aは、(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)ハロゲン、(d)アリール、(e)OR
b、(f)シアノ、(g)ヘテロアリール、(h)C
3-C
6シクロアルキル、および(i)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
a’は、(a)シアノ、(b)C
1-C
6アルキル、(c)ハロゲン、(d)アリール、(e)OR
b、(f)ヘテロアリール、(g)C
3-C
6シクロアルキル、および(h)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
bとR
cは、(a)H、(b)C
1-C
6アルキル、(c)アリール、(d)ヘテロアリール、(e)C
3-C
6シクロアルキル、または(f)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;あるいは、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0013】
いくつかの実施形態において、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C1-C6アルキル、
(b)C3-C7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)ORb、
(i)N(Rb)C(=O)Rc、
(j)C(=O)N(Rb)(Rc)、
(k)S(=O)mRb、
(l)S(=O)2N(Rb)(Rc)、
(m)N(Rb)S(=O)2Rc、
(n)SF5、および
(o)C1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~3の置換基と随意に置換される。
【0014】
いくつかの実施形態では、Wは:
(a)CO2H、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)2NHRb、
(d)S(=O)2NHC(=O)Rb、
(e)NHC(=O)NHSO2Rb、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)2Rbからなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態では、X1、X2、X3、X4、およびX5がそれぞれ独立してNまたはCRaであり、X1、X2、X3、X4、およびX5の2つ以下はNである。
【0016】
いくつかの実施形態では、Yは:(a)単結合、(b)(CH2)n、ここで1~4の水素原子はRa’と交換することができ、(c)O、および(d)NRbから選択される。
【0017】
いくつかの実施形態において、Zは(CH2)nであり、1~4の水素原子はRaと交換することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、R1とR2は:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)C3-C6シクロアルキル、および
(d)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、R1とR2の両方がHだとは限らない。
【0020】
いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となって-(CH2)n-、-(CH2)nO(CH2)p-、-(CH2)nNRb(CH2)p-、または(CH2)nS(=O)m(CH2)pを表す。
【0021】
いくつかの実施形態では、R3とR4は:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)C3-C6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、および
(g)C1-C6ハロアルキルからなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、R3とR4は一体となって-(CH2)n-、-(CH2)nO(CH2)p-、-(CH2)nNRb(CH2)p-、または(CH2)nS(=O)m(CH2)pを表す。
【0023】
いくつかの実施形態において、R3とR2は一体となって(CH2)n、(CH2)nO(CH2)p、(CH2)nNRb(CH2)p、または(CH2)nS(=O)m(CH2)pを表す。
【0024】
いくつかの実施形態では、Raは:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)ORb、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C3-C6シクロアルキル、および
(i)C1-C6ハロアルキルからなる群から選択される。
【0025】
いくつかの実施形態では、Ra’は:
(a)シアノ、
(b)C1-C6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)ORb、
(f)ヘテロアリール、
(g)C3-C6シクロアルキル、および
(h)C1-C6ハロアルキルからなる群から選択される。
【0026】
いくつかの実施形態において、RbとRcは:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C3-C6シクロアルキル、および
(f)C1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、RbとRcはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を有する3~6員の複素環を形成する。
【0028】
いくつかの実施形態において、mは0、1、または2である。
【0029】
いくつかの実施形態において、nは1、2、または3である。
【0030】
いくつかの実施形態において、pは1、2、または3である。
【0031】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0032】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0033】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の各々は独立してC-Raである。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、他のものはそれぞれ独立してC-Raである。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5は独立してC-Raである。いくつかの実施形態において、RaはHまたはハロゲン原子である。
【0034】
いくつかの実施形態では、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールからなる群から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、Zは-CH2-である。
【0036】
いくつかの実施形態において、Yは単結合または-CH2-である。
【0037】
いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となってCH2-またはCH2CH2-を表す。
【0038】
いくつかの実施形態において、Yは-CH2-であり、R3とR2は一体となってCH2-またはCH2CH2-を表す。
【0039】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式Iaの構造を有する式Iの化合物:
【0040】
【化5】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグを説明する。
【0041】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0042】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0043】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raである。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0044】
いくつかの実施形態において、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールからなる群から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態において、Yは単結合または-CH2-である。
【0046】
いくつかの実施形態において、nは1、2、または2である。
【0047】
いくつかの実施形態において、R3とR4は、(a)H、(b)C1-C3アルキル、および(c)C1-C3ハロアルキルからなる群から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態において、RaはHおよびハロゲンからなる群から選択される。
【0049】
いくつかの実施形態において、Yは単結合であり、nは1である。
【0050】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式Ibの構造を有する式Iの化合物:
【0051】
【化6】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグを説明する。
【0052】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0053】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0054】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、または、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに、他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0055】
いくつかの実施形態では、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールからなる群から選択される。
【0056】
いくつかの実施形態において、nは1、2、または2である。
【0057】
いくつかの実施形態では、R4は、(a)H、(b)C1-C3、および(c)C1-C3ハロアルキルからなる群から選択される。
【0058】
いくつかの実施形態において、RaはHおよびハロゲンからなる群から選択される。
【0059】
いくつかの実施形態において、nは1である。
【0060】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式IcまたはIdを有する式Iの化合物:
【0061】
【化7】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグを説明する。
【0062】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raである。
【0063】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0064】
いくつかの実施形態において、RaはHおよびハロゲンからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、Rdは:
(a)CN、
(b)C1-C3アルキル、
(c)SF5、
(d)C1-C3ハロアルキル、
(e)ORb、ここで、RbはC1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり;
(f)複素環、
(g)アリール、および
(h)ヘテロアリールから選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rdは:(a)CN、(b)C1-C3アルキル、(c)SF5、および(d)C1-C3ハロアルキルからなる群から選択される。
【0067】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれCHであり;または、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはC-Raであり、ならびに、他のものはCHであり、およびRaはハロゲンである。
【0068】
いくつかの実施形態では、化合物は:
2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-(7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン酸;
3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパン酸;
シス-3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパン酸;
N-(3-(2-オキソ-2-(フェニルスルホンアミド)エチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
N-(3-((3-(フェニルスルホニル)ウレイド)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
N-(3-((1H-テトラゾール-5-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
2-(4-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
2-(4-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(4-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
2-(4-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサノ-1-イル)酢酸;
6-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
2-(3-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-[1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
および、2-(3-(4-フルオロ-1-(4-モルホリノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグから選択される。
【0069】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、またはIdのいずれかの化合物、あるいは前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグ、ならびに薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を説明する。
【0070】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、またはIdのいずれかの化合物、あるいは前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグ、あるいは、式I、Ia、Ib、Ic、またはIdのいずれかを含む医薬組成物、あるいは前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩を、必要とする患者に投与する工程を含む癌の処置のための方法を説明する。
【0071】
いくつかの実施形態において、癌は、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌からなる群から選択される。
【0072】
いくつかの実施形態において、処置は、抗-PD-1抗体および抗-PD-L1抗体から選択される追加の薬剤をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1Aおよび1Bは、マウス結腸癌モデルにける腫瘍体積に対する化合物Aの効果を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0074】
いくつかの実施形態において、選択的なEP4受容体アンタゴニストおよびこれらの化合物を含む組成物が本明細書で提供される(つまり、選択的なEP4受容体アンタゴニスト)。該化合物および組成物は癌の処置に有用である。
【0075】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式Iの化合物:
【0076】
【化8】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを説明する。
【0077】
特定の実施形態において、以下の式Iの化合物:
【0078】
【化9】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグが本明細書で提供され:
ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C
1-C
6アルキル、
(b)C
3-C
7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)OR
b、
(i)N(R
b)C(=O)R
c、
(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、
(k)S(=O)
mR
b、
(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、
(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、
(n)SF
5;および
(o)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルであり;
Wは:
(a)CO
2H、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)
2NHR
b、
(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、
(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bからなる群から選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは以下から選択され:
(a)単結合、
(b)(CH
2)
n、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ、
(c)O、および
(d)NR
b;
Zは(CH
2)
nであり、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、および
(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;
ここで、R
1とR
2の両方がHだとは限らず;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;または、
R
3とR
2は一体となって、(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;
R
aは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C
3-C
6シクロアルキル、
(i)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
a’は:
(a)シアノ、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)ヘテロアリール、
(g)C
3-C
6シクロアルキル、および
(h)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
bとR
cは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、
(f)C
2-C
6複素環、および
(g)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択され;あるいは、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、ならびにSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0079】
ある実施形態において、式Iの化合物:
【0080】
【化10】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグが本明細書で提供され:
ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C
1-C
6アルキル、
(b)C
3-C
7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)OR
b、
(i)N(R
b)C(=O)R
c、
(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、
(k)S(=O)
mR
b、
(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、
(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、
(n)SF
5;および、
(o)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~3の置換基で随意に置換され;
Wは;
(a)CO
2H、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)
2NHR
b、
(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、
(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bからなる群から選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは:
(a)単結合、
(b)(CH
2)
n、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ、
(c)O、および
(d)NR
bから選択され;
Zは(CH
2)
nであり、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、および
(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;ここで、R
1とR
2の両方がHだとは限らず;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;または、
R
3とR
2は一体となって(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;
R
aは;
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C
3-C
6シクロアルキル、
(i)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
a’は;
(a)シアノ、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)ヘテロアリール、
(g)C
3-C
6シクロアルキル、および
(h)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
bとR
cは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、および
(f)C
1-C
6ハロアルキルからなる群から独立して選択され;あるいは、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0081】
いくつかの実施形態では、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C1-C6アルキル、
(b)C3-C7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)ORb、
(i)N(Rb)C(=O)Rc、
(j)C(=O)N(Rb)(Rc)、
(k)S(=O)mRb、
(l)S(=O)2N(Rb)(Rc)、
(m)N(Rb)S(=O)2Rc、
(n)SF5、および
(o)C1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~3の置換基で随意に置換される。
【0082】
いくつかの実施形態において、Arは一置換フェニル基である。いくつかの実施形態において、Arは二置換フェニル基である。いくつかの実施形態において、Arは三置換フェニル基である。いくつかの実施形態において、Arは一置換ピリジル基である。いくつかの実施形態において、Arは一置換ピリミジニル基である。いくつかの実施形態において、Arは二置換ピリジル基である。いくつかの実施形態において、Arは二置換ピリミジニル基である。いくつかの実施形態において、一置換基は、CN(シアノ)、ハロゲン、CF3、CF2H、SF5、または非置換C1-C6アルキルで置換される。いくつかの実施形態において、一置換基は、CN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、複素環、またはアルキルで置換される。いくつかの実施形態において、一置換基は、CN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、フェニル、ピリジル、ハロアルコキシ、または複素環で置換される。いくつかの実施形態において、Arは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環、CN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、SF5、-ORb、およびアルキルから選択される1~3の置換基で置換されるフェニルであり;ならびに、Rbはそれぞれ独立してH、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはC1-C6ハロアルキルである。
【0083】
いくつかの実施形態では、Wは:
(a)CO2H、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)2NHRb、
(d)S(=O)2NHC(=O)Rb、
(e)NHC(=O)NHSO2Rb、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)2Rbからなる群から選択される。
【0084】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の2つ以下がNであるという条件で、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してNまたはCRaである。
【0085】
いくつかの実施形態では、Yは;
(a)単結合、
(b)(CH2)n、ここで、1~4の水素原子はRa’と交換することができ、(c)O、および
(d)NRb以下から選択される。
【0086】
いくつかの実施形態において、Zは(CH2)nであり、1~4の水素原子はRa’と交換することができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、R1とR2は:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)C3-C6シクロアルキル、および
(d)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される。
【0088】
いくつかの実施形態において、R1とR2の両方がHだとは限らない。
【0089】
いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となって-(CH2)n-、-(CH2)nO(CH2)p-、-(CH2)nNRb(CH2)p-、または(CH2)nS(=O)m(CH2)p-を表す。
【0090】
いくつかの実施形態において、R3とR4は:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)C3-C6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、および
(g)C1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0091】
いくつかの実施形態において、R3とR4は一体となって-(CH2)n-、-(CH2)nO(CH2)p-、-(CH2)nNRb(CH2)p-、または(CH2)nS(=O)m(CH2)p-を表す。
【0092】
いくつかの実施形態において、R3とR2は一体となって、(CH2)n、(CH2)nO(CH2)p、(CH2)nNRb(CH2)p、または(CH2)nS(=O)m(CH2)pを表す。
【0093】
いくつかの実施形態では、Raは:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)ORb、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C3-C6シクロアルキル、および
(i)C1-C6ハロアルキルからなる群から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、Ra’は:
(a)シアノ、
(b)C1-C6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)ORb、
(f)ヘテロアリール、
(g)C3-C6シクロアルキル、および
(h)C1-C6ハロアルキルからなる群から選択される。
【0095】
いくつかの実施形態において、RbとRcは:
(a)H、
(b)C1-C6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C3-C6シクロアルキル、および
(f)C1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0096】
いくつかの実施形態において、RbとRcはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成する。
【0097】
いくつかの実施形態において、mは0、1、または2である。
【0098】
いくつかの実施形態において、nは、1、2または3である。
【0099】
いくつかの実施形態において、pは、1、2または3である。
【0100】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり;
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0101】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0102】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0103】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raである。
【0104】
いくつかの実施形態では、RaはHまたはハロゲン原子である。
【0105】
いくつかの実施形態では、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールからなる群から選択される。
【0106】
いくつかの実施形態では、Zは-CH2-である。
【0107】
いくつかの実施形態において、Yは単結合または-CH2-である。
【0108】
いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2を表す。いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となってCH2-またはCH2CH2-を表す。
【0109】
いくつかの実施形態において、Yは直接結合または-CH2-であり、R3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、あるいはCH2CH2CH2-を表す。
【0110】
いくつかの実施形態において、Yは-CH2-であり、およびR3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、あるいはCH2CH2CH2-を表す。
【0111】
いくつかの実施形態において、Yは-CH2-であり、およびR3とR2は一体となってCH2-またはCH2CH2-を表す。
【0112】
いくつかの実施形態は、式Iaを有する化合物:
【0113】
【化11】
あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
【0114】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるアリールまたはヘテロアリールである。
【0115】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり;
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0116】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0117】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0118】
いくつかの実施形態では、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールからなる群から選択される。
【0119】
いくつかの実施形態において、Yは単結合または-CH2-である。
【0120】
いくつかの実施形態において、nは1、2、または2である。
【0121】
いくつかの実施形態において、R3とR4は、(a)H、(b)C1-C3アルキル、(c)C1-C3ハロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、Raは、(a)Hおよび(b)ハロゲンからなる群から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態において、Yは単結合であり、およびnは1である。
【0124】
いくつかの実施形態は、式Ibを有する化合物:
【0125】
【化12】
あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
【0126】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるアリールまたはヘテロアリールである。
【0127】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0128】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、および
(e)C1-C6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるフェニルである。
【0129】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0130】
いくつかの実施形態では、Wは、(a)CO2Hおよび(b)1Hテトラゾールらなる群から選択される。
【0131】
いくつかの実施形態において、nは1、2、または2である。
【0132】
いくつかの実施形態では、R4は、(a)H、(b)C1-C3アルキル、および(c)C1-C3ハロアルキルからなる群から選択される。
【0133】
いくつかの実施形態では、nは1であり、およびRaは(a)Hおよび(b)ハロゲンからなる群から選択される。
【0134】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式IcまたはIdの構造を有する式Iの化合物:
【0135】
【化13】
あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを説明する。
【0136】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0137】
いくつかの実施形態では、Raは、(a)Hおよび(b)ハロゲンからなる群から選択される。
【0138】
いくつかの実施形態では、Rdは:
(a)CN、
(b)C1-C3アルキル、
(c)SF5、および
(d)C1-C3ハロアルキル、
(e)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(f)複素環、
(g)アリール、ならびに
(h)ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0139】
いくつかの実施形態では、Rdは:
(a)CN、
(b)C1-C3アルキル、
(c)SF5、および
(d)C1-C3ハロアルキルからなる群から選択される。
【0140】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれCHであり;あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはC-Raであり、ならびに他のものはCHであり、およびRaはハロゲンである。
【0141】
いくつかの実施形態において、R1とR2は一体となってCH2を表し、Arは一置換アリール基であり、およびYは単結合である。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれCHであり、R1とR2は一体となってCH2を表し、Arは一置換アリール基であり、ならびにYは単結合である。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはC-Raであり、ならびに他のものはCHであり、Raはハロゲンであり、R1とR2は一体となってCH2を表し、Arは一置換アリール基であり、およびYは単結合である。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはCHであり、R1とR2は一体となってCH2を表し、Arは一置換アリール基であり、およびYは単結合である。いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5の2つはNであり、ならびに他のものはCHであり、R1とR2は一体となってCH2を表し、Arは一置換アリール基であり、およびYは単結合である。
【0142】
ある実施形態では、一置換アリール基は、フェニル、ピリジル、複素環、CN(シアノ)、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、SF5、またはハロアルコキシで置換される。
【0143】
ある実施形態において、式Iの化合物:
【0144】
【化14】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグの化合物を説明し;ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C
1-C
6アルキル、
(b)C
3-C
7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)OR
b、
(i)N(R
b)C(=O)R
c、
(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、
(k)S(=O)
mR
b、
(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、
(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、
(n)SF
5;および、
(o)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換され;
Wは:
(a)C(=O)OR
5、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)
2NHR
b、
(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、
(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bから選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは:
(a)単結合、
(b)(CH
2)
n、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ、
(c)O、および
(d)NR
bから選択され;Zは(CH
2)
nであり、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、および
(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;
ここで、R
2はHではなく;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、および
(g)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
または、上記R
1、R
2、R
3およびR
4は以下のように選択され:
R
1は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
3とR
2は一体となって(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、または(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;ならびに、
R
4は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
5は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)アラルキル、
(e)CH(R
7)OC(=O)R
8、
(f)CH(R
7)OC(=O)OR
8、および
(g)以下の式を有する(5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基から選択され:
【0145】
【化15】
ここで、R
6はC
1-C
6アルキルであり;
R
7は水素またはC
1-C
6アルキルであり;
R
8はC
1-C
6アルキルまたはC
3-C
6-シクロアルキルであり;
R
aはそれぞれ独立して:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)シアノ、
(g)ヘテロアリール、
(h)C
3-C
6シクロアルキル、および
(i)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
a’はそれぞれ独立して:
(a)シアノ、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)アリール、
(e)OR
b、
(f)ヘテロアリール、
(g)C
3-C
6シクロアルキル、
(h)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
bとR
cは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、および
(f)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;あるいは、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0146】
ある実施形態において、式Iの化合物:
【0147】
【化16】
あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、水和物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、立体異性体のラセミ混合物、またはプロドラッグの化合物を説明し;ここで、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールはそれぞれ:
(a)C
1-C
6アルキル、
(b)C
3-C
7シクロアルキル、
(c)複素環、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)CN、
(h)OR
b、
(i)N(R
b)C(=O)R
c、
(j)C(=O)N(R
b)(R
c)、
(k)S(=O)
mR
b、
(l)S(=O)
2N(R
b)(R
c)、
(m)N(R
b)S(=O)
2R
c、
(n)SF
5;および、
(o)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換され;
Wは:
(a)C(=O)OR
5、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)
2NHR
b、
(d)S(=O)
2NHC(=O)R
b、
(e)NHC(=O)NHSO
2R
b、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)
2R
bから選択され;
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5の2つ以下はNであり;
Yは:
(a)単結合、
(b)(CH
2)
n、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ、
(c)O、および
(d)NR
bから選択され;
Zは(CH
2)
nであり、ここで、1~4の水素原子はR
a’と交換することができ;
R
1とR
2は;
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、および
(d)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;
ここで、R
2はHではなく;または、
R
1とR
2は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;
R
3とR
4は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)C
3-C
6シクロアルキル、
(d)アリール、
(e)ヘテロアリール、
(f)ハロゲン、
(g)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;または、
R
3とR
4は一体となって-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nO(CH
2)
p-、-(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p-、あるいは(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
p-を表し;または、
上記R
1、R
2、R
3およびR
4は以下のように選択され:
R
1は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
3とR
2は一体となって(CH
2)
n、(CH
2)
nO(CH
2)
p、(CH
2)
nNR
b(CH
2)
p、または(CH
2)
nS(=O)
m(CH
2)
pを表し;ならびに、
R
4は、H、C
1-C
6アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、およびC
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
5は:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)アラルキル、
(e)CH(R
7)OC(=O)R
8、
(f)CH(R
7)OC(=O)OR
8、および
(g)以下の式を有する(5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基から選択され:
【0148】
【化17】
ここで、R
6はC
1-C
6アルキルであり;
R
7は水素またはC
1-C
6アルキルであり;
R
8はC
1-C
6アルキルまたはC
3-C
6-シクロアルキルであり;
R
aはそれぞれ独立して:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)ハロゲン、
(d)OR
b、
(e)シアノ、
(f)C
3-C
6シクロアルキル、および
(g)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
a’はそれぞれ独立して:
(a)C
1-C
6アルキル、
(b)ハロゲン、および
(c)C
1-C
6ハロアルキルから選択され;
R
bとR
cは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、および
(f)C
1-C
6ハロアルキルから独立して選択され;あるいは、
R
bとR
cはそれらが結合されているNと一体となって、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を随意に有する3~6員の複素環を形成し;
mは0、1、または2であり;
nは1、2、または3であり;および、
pは1、2、または3である。
【0149】
特定の実施形態では、X2はC-Raであり;X1、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;ならびに、RaはH、C1-C6アルキル、ハロゲン、アリール、ORb、シアノ、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、およびC1-C6ハロアルキルから選択される。
【0150】
さらなる特定の実施形態では、X2とX3はC-Raであり;X1、X4、およびX5はそれぞれ独立してNあるいはCRaであり、ここで、X1、X4、およびX5の2つ以下はNであり;ならびに、Raは、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、アリール、ORb、シアノ、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、およびC1-C6ハロアルキルから選択される。
【0151】
さらなる特定の実施形態では、X2はCHであり;および、X3はCHまたはC-(ハロゲン)であり;X1、X4、およびX5はそれぞれ独立してNあるいはCRaであり、ここで、X1、X4、およびX5の2つ以下はNであり;ならびに、Raは、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、アリール、ORb、シアノ、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、およびC1-C6ハロアルキルから選択される。さらなる特定の実施形態では、X2はCHであり;および、X3はCHまたはC-(ハロゲン)であり;X1、X4、およびX5はそれぞれ独立してNまたはCHであり、ここで、X1、X4、およびX5の2つ以下はNである。
【0152】
ある実施形態では、X1はNまたはC-Raであり;X2、X3、X4、およびX5はC-Raであり;ならびに、Raは、H、C1-C6アルキル、ハロゲン、アリール、ORb、シアノ、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、およびC1-C6ハロアルキルから選択される。さらなる実施形態では、X1はNまたはCHであり;X2はCHまたはC-(ハロゲン)であり、ならびにX3、X4、およびX5はCHである。
【0153】
ある実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、あるいは、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raである。
【0154】
ある実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raである。ある実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してCHである。
【0155】
ある実施形態では、RaはHまたはハロゲン原子である。
【0156】
ある実施形態では、Zは-CH2-である。
【0157】
ある実施形態において、Yは単結合または-CH2-である。
【0158】
ある実施形態において、R1とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2を表す。
【0159】
ある実施形態において、Yは-CH2-であり、およびR3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、あるいはCH2CH2CH2-を表す。
【0160】
ある実施形態では、Zは-CH2-であり;Yは単結合または-CH2-であり;R1とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2を表す。さらなる実施形態では、Zは-CH2-であり;Yは単結合であり;および、R1とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2を表す。
【0161】
ある実施形態では、Zは-CH2-であり;Yは単結合または-CH2-であり;および、R3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-あるいはCH2CH2CH2-を表す。さらなる実施形態では、Zは-CH2-であり;Yは単結合であり;および、R3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2-を表す。さらなる実施形態では、Zは-CH2-であり;Yは単結合であり;および、R3とR2は一体となってCH2-、CH2CH2-、またはCH2CH2CH2-を表し;R1はHであり、ならびに、R4は、H、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、およびC1-C6ハロアルキルから選択される。
【0162】
いくつかの実施形態において、Arは:
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)C1-C6アルキル、
(d)SF5、
(e)C1-C6ハロアルキル、
(f)ORb、ここで、Rbは、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-C6シクロアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、
(g)複素環、
(h)アリール、および
(i)ヘテロアリールから独立して選択される1~3の置換基で随意に置換されるアリールまたはヘテロアリールである。
【0163】
ある実施形態では、Wは;
(a)C(=O)OR5、
(b)C(=O)NHOH、
(c)S(=O)2NHRb、
(d)S(=O)2NHC(=O)Rb、
(e)NHC(=O)NHSO2Rb、
(f)1Hテトラゾール、
(g)1,2,4-オキザジアゾール-5(4H)オン、
(h)1,2,4-チアジアゾール-5(4H)オン、
(i)1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-チオン、
(j)1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン、
(k)テトラゾール-5(4H)-オン、および
(l)C(=O)NHS(=O)2Rbから選択され;
R5は:
(h)H、
(i)C1-C6アルキル、
(j)アリール、
(k)アラルキル、
(l)CH(R7)OC(=O)R8、
(m)CH(R7)OC(=O)OR8、および
(n)以下の式を有する(5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基から選択され:
【0164】
【化18】
ここで、R
6はC
1-C
6アルキルであり;および、
R
bは:
(a)H、
(b)C
1-C
6アルキル、
(c)アリール、
(d)ヘテロアリール、
(e)C
3-C
6シクロアルキル、ならびに
(f)C
1-C
6ハロアルキルから選択される。
【0165】
ある実施形態では、WはCO2Hまたは1Hテトラゾールである。
【0166】
いくつかの実施形態では、化合物は:
2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]-ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]-ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]-ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]-ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-(7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン酸;
3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)-プロパン酸;
シス-3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)-プロパン酸;
N-(3-(2-オキソ-2-(フェニルスルホンアミド)エチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
N-(3-((3-(フェニルスルホニル)ウレイド)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
N-(3-((1H-テトラゾール-5-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド;
2-(4-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(R)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
(S)-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
2-(4-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(4-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
2-(4-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸;
rac-6-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
rac-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸;
2-(3-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-[1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-[1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;および、
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-モルホリノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸;あるいは、
その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグからなる群から選択される。
【0167】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、前述の実施形態のいずれかの化合物を含む医薬組成物、および薬学的に許容可能な担体を説明する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、式I、式Ia、式Ib、式Ic、または式Idの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグ、および薬学的に許容可能な担体を含む。
【0168】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、患者に化合物または前述の実施形態のいずれかの医薬組成物を投与する工程を含む癌の処置のための方法を説明する。いくつかの実施形態において、上記化合物は、式I、式Ia、式Ib、式Ic、または式Idの化合物である。いくつかの実施形態において、上記組成物は、薬学的に許容可能な担体、および式I、式Ia、式Ib、式Ic、または式Idの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物あるいはプロドラッグを含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、癌は、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌からなる群から選択される。
【0170】
いくつかの実施形態において、処置は、抗-PD-1抗体および抗-PD-L1抗体から選択される追加の薬剤をさらに含む。
【0171】
前述の実施形態のいずれか内のいくつかの例では、式I、Ia、およびIbの化合物について、Arは置換されたフェニルである。フェニルの置換基の例はCN、ハロメチル(CF3およびCHF2など)、ならびにSF5を含む。いくつかの実施形態において、フェニルの置換基は、CN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、フェニル、ピリジン基、ハロアルコキシ、複素環、またはSF5である。
【0172】
いくつかの実施形態において、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれ独立してC-Raであり、または、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つはNであり、ならびに他のものはそれぞれ独立してC-Raであり;および、RaはHおよびハロゲン(クロロとフルオロなど)から選択される。したがって、Raはそれぞれ別のRaの同じまたは異なるものであることがある。一例では、X1、X2、X3、X4、およびX5はそれぞれCHである。別の例では、X1、X2、X3、X4、およびX5の1つは、-C(F)-または-C(Cl)-であり、ならびに他のものはそれぞれCHである。
【0173】
前述の実施形態のいずれか内のいくつかの例では、式I、Ia、およびIbの化合物について、R1とR2は一体となって-CH2である。
【0174】
前述の実施形態のいずれか内のいくつかの例では、式I、Ia、およびIbの化合物について、R3とR2は一体となって-CH2である。
【0175】
前述の実施形態のいずれか内のいくつかの例では、式I、Ia、およびIbの化合物について、Wは-CO2H、-CONHSO2-フェニル、-NHCONHSO2-フェニル、ならびにテトラゾリルである。一例では、Wは-CO2Hである。別の例では、Wはテトラゾリルである。
【0176】
実施形態の特徴のいずれかは、本明細書で特定されるすべての実施形態に適用可能である。さらに、実施形態の特徴のいずれかは、任意の方法で、本明細書に記載される他の実施形態と部分的にまたは全体的に、独立して組み合わせ可能であり、例えば、1、2、または3つ以上の実施形態が全体的にあるいは部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、実施形態の特徴のいずれかは、他の実施形態に対して自由に選択され得る。方法のいかなる実施形態も、化合物の他の実施形態を含むことができ、化合物のいかなる実施形態も他の実施形態の方法を実施するように構成され得る。
【0177】
<定義>
特段の定めのない限り、本明細書で用いる全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、特段の定めのない限り、参照することによってその全体が組み込まれる。本明細書の用語に複数の定義がある場合、特段の定めのない限り、このセクションの定義が優先される。
【0178】
本明細書と請求項で使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、特段の定めのない限り、複数の指示対象を含んでいる。特に指示がない限り、質量分析、NMR、HPCL、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、および薬理学の従来の方法が使用される。「または」あるいは「および」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、限定的なものではない。移行句中であろうと請求項の本体中であろうと、この明細書において使用されるように、用語「含む(comprise(s))」また、「含む(comprising)」は、無制限の意味を有すると解釈されることとする。すなわち、用語は、句「少なくとも有する」または「少なくとも含む」と同義的に解釈されることとする。プロセスの文脈中で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、該プロセスが記載される工程を少なくとも含むことを意味するが、追加の工程を含む場合もある。化合物、組成物、またはデバイスの文脈中で使用される場合、用語「含む(comprising」は、化合物、組成物、またはデバイスが記載される特徴あるいは成分を少なくとも含むことを意味するが、追加の特徴あるいは成分をさらに含む場合がある。
【0179】
用語「患者」は、マウス、ラット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ヤギ、ウマ、サル、イヌ、ネコ、およびヒトなどの哺乳動物を含む。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。
【0180】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、あるいはヨウ素の任意のラジカルを指す。
【0181】
用語「アルキル」は、指示された炭素原子数を含有する直鎖または分枝鎖であり得る飽和炭化水素鎖を指す。例えば、C1-C6アルキルは、その基が1~6の(包括的)炭素原子を有することができることを示す。いくつかの実施形態において、アルキルは、1~6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素ラジカルを表すC1-C6アルキルである。アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルを限定されることなく含む。
【0182】
用語「シクロアルキル」は、環炭素原子の指示された数を有する十分に飽和された単環式、二環式、三環式、または他の多環式炭化水素基を指す。多環式のシクロアルキルは、縮合環系、架橋した環系、またはスピロ環系であってもよい。シクロアルキル基は、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、およびノルボルニレンを含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、単環式のC3-C8シクロアルキルである。
【0183】
用語「ハロアルキル」は、少なくとも1つの水素原子がハロと置き換えられるアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、1を超える水素原子(例えば、2、3、4、5、または6)はハロと置き換えられる。これらの実施形態では、水素原子はそれぞれ同じハロゲン(例えば、フルオロ)と置き換えられ得、あるいは、水素原子は、異なるハロゲンの組み合わせ(例えば、フルオロとクロロ)と置き換えられ得る。「ハロアルキル」は、すべての水素が、ハロ(時々、本明細書においてペルハロアルキル(perhaloalkyl)(例えば、トリフルオロメチルなどのペルフルオロアルキル)と呼ばれる)と置き換えられるアルキル部分をさらに含む。
【0184】
本明細書で言及されるように、用語「アルコキシ」は式O(アルキル)の基を指す。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、secブトキシ、ペントキシ、2-ペントキシ、3-ペントキシ、またはヘキシロキシであってもよい。同様に、用語「チオアルコキシ」は、式-S-(アルキル)の基を指す。用語「ハロアルコキシ」および「チオハロアルコキシ」は、O(ハロアルキル)ならびに-S(ハロアルキル)をそれぞれ指す。
【0185】
用語「アラルキル」は、アルキル水素原子がアリール基と置き換えられるアルキル部分を指す。アルキル部分の炭素の1つは、別の部分へのアラルキル基の結合点として機能する。「アラルキル」の非限定的な例は、ベンジル、2-フェニルエチル、および3-フェニルプロピル基を含む。
【0186】
用語「アルケニル」は、指示された炭素原子数を含有し、かつ1以上の炭素炭素二重結合を有する直線または分岐の炭化水素鎖を指す。アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、1-ブテニル、2-ヘキセニルを含むことができる。いくつかの実施形態において、アルケニルは、C2-C6アルケニルである。
【0187】
用語「アルキニル」は、指示された炭素原子数を含有し、かつ1以上の炭素炭素三重結合を有する直線または分岐の炭化水素鎖を指す。アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパルギル、1-ブチニル、および2-ヘキシニルを含むことができる。いくつかの実施形態において、アルキニルは、C2-C6アルキニルである。
【0188】
明記されている場合を除いて、本明細書で使用されるように、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、または「複素環の」は、炭素原子およびN、O、およびSからなる群から選択される、1~4つの、好ましくは最大3つのヘテロ原子からなる少なくとも1つの非芳香族(つまり、飽和の、または部分的に不飽和の)環を含む、安定した4、5、6、または7員の単環式複素環系、あるいは安定した6、7、8、9、10、11、または12員の二環式複素環系を表し、ここで、窒素および硫黄原子は、N-オキシド、スルホキシド、あるいはスルホンとして随意に酸化されてもよく、およびここで、該窒素原子は随意に四級化されてもよい。複素環は、環炭素原子を介して、または可能であれば環窒素原子を介して結合され得る。二環式複素環系は、縮合二環式複素環系、架橋した二環式複素環系、またはスピロ二環式複素環系であり得る。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは4~7つ、好ましくは、4~6つの環原子を有する単環であり、そのうち1つまたは2つは、N、O、およびSからなる群から独立して選択されるヘテロ原子である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は二環式であり、その場合、第2の環は、ヘテロ原子と、N、O、およびSからなる群から独立して選択される、1~4つ、好ましくは最大3つの炭素原子とからなる芳香族あるいは非芳香族の環であってもよく、あるいは、本明細書に定義されるように、第2の環は、ベンゼン環、または「シクロアルキル」、あるいは「シクロアルケニル」であってもよい。そのような複素環基の例は、限定されないが、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリダジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、テトラヒドロチオフェン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリン、チエタン、チオラン、スルホラン、1、3-ジオキソラン、1,3-オキサゾリジン、1,3-チアゾリジン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロトリアジン、1、3-ジオキサン、1、4-ジオキサン、ヘキサヒドロトリアジン、テトラヒドロ-オキサジン、テトラヒドロピリミジン、ペルヒドロアゼピン、ペルヒドロ-1,4-ジアゼピン、ペルヒドロ-1,4-オキサゼピン、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン、7-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トロパン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンズイミダゾリル(diydrobenzimidazolyl)、ジヒドロベンゾオキサゾール、およびジヒドロベンゾチアゾリル、ならびにそれらのN-オキシドあるいはスルホンまたはスルホキシドを含む。
【0189】
本明細書で使用されるように、用語「アリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である各環(つまり、合計6~10の環原子)における最大6員の任意の安定した単環式または二環式の炭素環を意味するように意図される。例えば、アスフェニル(asphenyl)、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、または1HインデニルなどのC6-C10アリール基。本明細書において特段の定めのない限り、用語「アリール」がCN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、-ORx、-N(Rx)2-、またはアルキルから独立して選択される1以上の置換基で随意に置換されるアリールラジカルを含み;ここで、Rxはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、あるいはヘテロシクリルである。
【0190】
明記されている場合を除いて、本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアリール」は、炭素原子と、N、O、およびSからなる群から選択される1~4つの、好ましくは最大3つのヘテロ原子とからなる少なくとも1つの芳香族環を含む、安定した5、6、または7員の単環式環系あるいは安定した9または10員の縮合二環式環系を表し、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は随意に酸化されてもよく、ならびに窒素ヘテロ原子は随意に四級化されてもよい。二環式基である「ヘテロアリール」の場合には、第2の環が芳香族である必要がなく、ヘテロ原子を含む必要もない。したがって、二環式「ヘテロアリール」は、例えば、上で定義される第2の単環式の「ヘテロアリール」、あるいは「ヘテロシクリル」、「シクロアルキル」、あるいは「シクロアルケニル」と融合する、すぐ上で定義される1~4つ、好ましくは最大3つのヘテロ原子と炭素原子とからなる安定した5または6員の単環式の芳香族環を含む。ヘテロアリール基の例は、限定されないが、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアジアゾール、イソインドール、ピロロピリジン 、イミダゾ[1,2-a]ピリジンなどのイミダゾピリジン 、ピラゾロピリジン、ピロールピリミジン、およびそのN-オキシドを含む。本明細書において特段の定めがない限り、用語「ヘテロアリール」がCN(シアノ)、ハロゲン、ハロアルキル、-ORx、-N(Rx)2-またはアルキルから独立して選択される1以上の置換基で随意に置換されるヘテロアリールラジカルを含み;ここで、Rxはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである。
【0191】
用語「処置すること」、「処置する」、または「処置」は、一旦疾病が確立されたならば、指定された疾病を制御し、軽減し、回復し、その進行を遅くし、または除去することを通常指す。さらに、その従来の意味に加えて、用語「予防すること」、「予防する」、または「予防」は、指定された疾病の発症を遅らせること、あるいは該疾病の発達のリスク、または該疾病あるいは該疾病の症状の再発に結びつくプロセスのリスクを低下させることを指す。
【0192】
用語「治療上有効な量」あるいは「有効な量」は、有益なまたは所望の臨床結果を達成するのに十分な量である。有効な量は1回以上の投与で投与することができる。有効な量は、典型的には疾病状態の進行を軽減するか、改善するか、安定化させるか、回復に向かわせるか、遅くするか、遅らせるのに十分な量である。
【0193】
本明細書で使用されるように、任意の保護基、アミノ酸、および他の化合物の略語は、他に示されない限り、それらの共通の使用に合わせて、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureの略語と認識される(See, Biochem. 11:942-944 (1972))。
【0194】
<化合物数式および塩>
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、1以上の不斉中心を含有しており、したがって、ラセミ体とラセミ混合物、鏡像異性的に濃縮された混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、およびジアステレオマーの混合物として生じる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、不斉中心の性質か、あるいは制限された回転のいずれかによって、異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー)の形態で存在する。
【0195】
2以上の不斉中心が本開示の化合物中にある場合、例証された構造のいくつかのジアステレオマーおよびエナンチオマーがしばしば可能であり、ならびに、その純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーは好ましい実施形態を表すことがさらに理解されるだろう。純粋な立体異性体、純粋なジアステレオマー、純粋なエナンチオマー、およびそれらの混合物は本開示の範囲内であることが意図される。化合物が立体化学を含有する場合、化合物は、立体異性体が分離されていない場合は「ラセミの(racemic)」または「rac」として、あるいは立体異性体が分離されている場合は「(R)あるいは(S)」として指定される。ある実施形態では、本明細書に開示される化合物は、特に化合物を含有するスピロ環式[3.3]ヘプタンの場合には、軸性キラリティーを含有する。さらに、「a」が軸不斉を表す「(aR)または(aS)」のIUPAC規則ではなく、単一の立体異性体がある場合に、これらは「(R)あるいは(S)」のいずれかとして設計される。
【0196】
この開示の化合物のすべての異性体は、分離されているか、純粋であるか、部分的に純粋であるか、ラセミ混合物にあるかに関わらず、この開示の範囲内に含まれる。前記異性体の精製および前記異性体混合物の分離は、当技術分野において既知の標準的な技術によって達成され得る。例えば、ジアステレオマーの混合物は、クロマトグラフィープロセスあるいは結晶化によって個々の異性体の分離することができ、および、ラセミ体は、キラル相でのクロマトグラフィープロセスあるいは分割によってそれぞれのエナンチオマーへ分離することができる。
【0197】
本開示の化合物は、すべてのシス、トランス、シン、アンチ、エントゲーゲン(entgegen)(E)、および、ツザーメン(zusammen)(Z)の異性体、ならびにそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、複数の互変異性体中に存在する。そのような例では、単一の互変異性体だけが表されることがあるが、本開示は、本明細書に記載される化合物の互変異性体をすべて明確に含む。さらに、本開示中で使用される用語が互変異性化する可能性のある基を含む場合、すべての互変異性体はそれに従って明確に含まれる。例えば、ヒドロキシ置換ヘテロアリールは、2-ピリドンならびに2-ヒドロキシピリジン、1-ヒドロキシイソキノリンならびに1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリンなども含む。そのような化合物のそのような異性体はすべて、本開示に明確に含まれる。
【0198】
該当する場合、本開示の化合物は、化合物自体、ならびにそれらの塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、およびそれらのプロドラッグを含む。本開示の目的のための塩は、好ましくは、本開示の化合物薬学的に許容可能な塩である。例えば、医薬品の使用にそれ自体は適していないが、本開示の化合物の単離あるいは精製に使用することができる塩も含まれている。塩は、例えば、本明細書に記載される化合物上でアニオンと、正電荷を帯びた置換基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。適切なアニオンは塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、および酢酸塩を含む。同様に、塩は、本明細書に記載された化合物上でカチオンと負電荷を帯びた置換基(例えば、カルボン酸塩)との間でも形成され得る。適切なカチオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびテトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンを含む。
【0199】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な塩」は誘導体を指し、ここで、親化合物がその酸または塩基塩を作ることによって修飾される。薬学的に許容可能な塩の例は、限定されないが、アミンなどの塩基性残基のミネラルあるいは有機酸塩を含む;カルボン酸などの酸性残基のアルカリあるいは有機塩;などを含む。本開示の化合物が塩基性である場合、薬学的に許容可能な塩は、例えば、従来の無毒な塩、あるいは無毒の無機酸または有機酸から形成される親化合物の第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の無毒な塩は、塩酸、臭化水素酸、スルホン酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来するもの;および、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸 、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレン二スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコン酸、マンデル酸、ムチン酸、パントテン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製される塩を含む。
【0200】
本開示の化合物が酸性の場合、塩は、無機塩基と有機塩基を含む薬学的に許容可能な無毒な塩基から調製され得る。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、アルギニン塩、リジン塩などである。
【0201】
適切な塩のリストは、Remington’Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418; S. M. Berge et al., “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19; and “Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use. A Handbook”; Wermuth, C. G. and Stahl, P. H. (eds.) Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, 2002 [ISBN 3-906390-26-8]で見つけることができ;その各々は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0202】
本開示の文脈における溶媒和物は、溶剤分子を用いた化学量論的配位によって固体または液体の状態の複合体を形成する本開示の化合物の形態として指定される。水和物は、溶媒和物の特定形態であり、その配位が水中で行われる。水和物は本開示の文脈においての好ましい溶媒和物である。溶媒和物の形成は、“Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry”; Reichardt, C. and Welton T.; John Wiley & Sons, 2011 [ISBN: 978-3-527-32473-6]で詳細に記載されており、その内容は、参照によってその全体が本明細書に取り込まれる。当業は本開示の溶媒和物を認識するだろう。
【0203】
本開示は、放射性であろうとなかろうと、本開示の化合物のすべての適切な同位変異体も含む。本開示の化合物の同位変異体は、本開示の化合物内の少なくとも1つの原子が、同じ原子番号であるが、通常あるいは優勢的に自然界で生じる原子質量とは異なる原子質量を有する別の原子と交換されている化合物を意味することが理解される。本開示の化合物に取り込まれ得る同位体の例は、2H(重水素)、3H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129I、および131Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ならびにヨウ素のものである。本開示の化合物の特定の同位変異体(特に、1つ以上の放射性同位体が取り込まれたもの)は、例えば、作用メカニズム、あるいは身体での活性化合物の分布の検査に有益であり得る。比較的容易な調製性(preparability)と検出力ゆえに、特に3H、14Cおよび/または18Fの同位体で標識される化合物はこの目的に適している。さらに、例えば、重水素の同位体の取り込みは、化合物のより大きな代謝性安定性の結果として特定の治療効果、例えば、身体での半減期の延長あるいは必要な有効量の減少へとつながる可能性がある。それゆえ、いくつかの例において、本開示の化合物のそのような修飾は、本開示の好ましい実施形態を構成することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物の水素原子は重水素原子と交換されてもよい。本開示の化合物の同位変異体は、例えば、本明細書の特定の試薬および/または出発化合物の対応する同位体修飾を使用することにより、以下に記載される方法および実施例に記載される方法による当業者に既知のプロセスによって調製され得る。
【0204】
本開示は、式I、および式Ia、Ib、Ic、およびIdの化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。プロドラッグは、一般的に薬物前駆体であり、この薬物前駆体は、被験体への投与後、化学的加水分解または代謝経路による変換などの、いくつかの過程を介して、活性な、またはより活性な種へと変換される。したがって、本開示の治療法において、化合物の「投与」または化合物を「投与する」という用語は、具体的に開示される化合物あるいは具体的に開示されないことがある化合物を用いて、記載される様々な疾病を処置することを含むがものとするが、患者への投与の後にインビボで指定された化合物に変換される。適切なプロドラッグ誘導体の選択と調製に関する従来の手順は、例えば、“Design of Prodrugs,” ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985 (Amsterdam, NL)に記載されており、その内容は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。プロドラッグの例は、被験体への投与時に活性化合物を提供することができるカルボン酸基のC1-C6アルキルエステルを含む。
【0205】
<医薬組成物>
本明細書で使用されるように、用語「医薬組成物」は、活性成分および担体を構築する不活性成分、ならびに、2つ以上の成分のいずれかの組み合わせ、複合体形成、または凝集から、1つ以上の成分の解離から、あるいは1つ以上の成分の他のタイプの反応あるいは相互作用から、直接的あるいは間接的に生じる任意の生成物を含有する生成物を含むように意図される。したがって、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物、または薬学的に許容可能な塩、溶媒和物か塩の溶媒和物、および薬学的に許容可能な担体を混合することにより作られる任意の組成物を含む。
【0206】
用語「薬学的に許容可能な担体」は、本開示の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグとともに患者に投与され得る担体またはアジュバントを指し、それは、その薬理活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な投与量で投与される場合は無毒である。
【0207】
いくつかの実施形態において、本出願の化合物は、約1mg~1,000mg、約2mg~900mg、約3mg~800mg、約4mg~700mg、約5mg~600mg、約10mg~500mg、約50mg~400mg、約100mg~300mg、約150mg~250mg、またはその間の任意の値で投与される。いくつかの実施形態において、合計の1日の投与量は、1日の間で分割して、例えば、1日一回、1日2回、1日3回、1日4回で投与されてもよい。いくつかの実施形態において、合計の投与量は、週一回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回で投与されてもよい。
【0208】
いくつかの実施形態において、注射のための本開示の医薬組成物は、薬学的に許容可能な無菌の水性または非水性の溶液、分散体、懸濁液、あるいはエマルジョン、ならびに使用の直前に、無菌注射溶液あるいは分散体中へと再構成するための無菌の粉体を含む。適切な水溶性および非水溶性の担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適切な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用、分散の場合に必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0209】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含み得る。微生物の作用の予防は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの様々な抗菌剤および抗真菌剤を含めることによって保証され得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張薬剤を含むことが望ましい場合もある。モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を含めることによって、注入可能な医薬形態の持続的吸収が引き起こされ得る。必要に応じて、およびより有効な分布のために、化合物を、高分子マトリックス、リポソーム、および微粒子などの、徐放または標的送達系に組み込むことができる。
【0210】
いくつかの実施形態では、注射可能な調剤である医薬組成物は、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過によって、または使用直前に滅菌水または他の無菌で注射可能な培地中に溶解または分散され得る無菌の固形医薬組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって殺菌され得る。
【0211】
いくつかの実施形態における経口投与のための本医薬組成物の固形剤形。いくつかの実施形態において、経口剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉体、および顆粒を含む。そのような固形剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容可能な賦形剤又は担体、及び/又は、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤又は増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギニン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカのデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液緩和剤、f)四級アンモニウムなどの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、及びi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、投与形態は緩衝剤をさらに含んでもよい。
【0212】
同様のタイプの固形医薬組成物は、高分子量ポリエチレングリコールなどと同様にラクトースまたは乳糖としてこうした賦形剤を使用する、柔らかくまたは固く充填されたゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用されてもよい。
【0213】
錠剤、ドラゼー、カプセル剤、丸剤、および果粒剤の本医薬組成物の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤の分野において既知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製され得る。それらは、随意に、不透明剤を含み、それらが、随意に遅延した方法で、腸管の特定の部分において有効成分のみを、またはそれを優先的に放出する、製剤の剤形でもあり得る。使用され得る埋め込み医薬組成物の例としては、高分子物質およびワックスが挙げられる。
【0214】
適切な場合、活性化合物は、1つ以上の前述の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態である場合がある。
【0215】
いくつかの実施形態は、経口投与のための本医薬組成物の液体の投与形態を提供する。いくつかの実施形態において、液体投与は、薬学的に許容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿の実、落花生類、トウモロコシ、トウゴマ細菌、オリーブ、カストリウム(castor)およびごま油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含んでもよい。
【0216】
不活性希釈剤の他に、経口医薬組成物も、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味料、および芳香剤などの、アジュバントを含み得る。
【0217】
本化合物の懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシレート化(ethoxylated)イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天ならびにトラガント、およびその混合物としての懸濁化剤を含むことがある。
【0218】
直腸または膣の投与のための医薬組成物は、好ましくは、化合物を、室温では固体であるが、体温では液体であり、それ故、直腸または鞘状腔で溶けて、活性化合物を放出するココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬ワックスなどの適切な非刺激性の賦形剤または担体と混合することにより調製することができる坐剤である。
【0219】
本開示の化合物または医薬組成物の局所投与ための投与形態は、粉体、パッチ、噴霧剤、軟膏、および吸入薬を含む。活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容可能な担体、および任意の必要な保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合される。
【0220】
<用途>
いくつかの実施形態は、治療上有効な量の式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを必要とする患者に投与する工程を含む癌を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、限定されないが、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は 黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頚部癌、口腔癌、または食道癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨癌である。いくつかの実施形態では、癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌、腸癌、結腸癌、または膀胱癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌または腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌または子宮頚癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態において、式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、式Ia、Ib、Ic、Idの化合物、または前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩である。
【0221】
いくつかの実施形態は、治療上有効な量の式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを必要とする患者に投与する工程を含む、癌の発症および/または再発を予防する方法を提供する。
【0222】
いくつかの実施形態は、式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを含む、治療上有効な量の組成物を必要とする患者に投与する工程を含む癌を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、限定されないが、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は 黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頚部癌、口腔癌、または食道癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨癌である。いくつかの実施形態では、癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌、腸癌、結腸癌、または膀胱癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌または腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌または子宮頚癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態において、式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、式Ia、Ib、Ic、Idの化合物、または前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩である。
【0223】
いくつかの実施形態は、治療上有効な量の式Iの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、またはプロドラッグを必要とする患者に投与する工程を含む、癌の発症および/または再発を予防する方法を提供する。
【0224】
いくつかの実施形態は、癌の処置に使用される式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、限定されないが、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は 黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頚部癌、口腔癌、または食道癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨癌である。いくつかの実施形態では、癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌、腸癌、結腸癌、または膀胱癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌または腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌または子宮頚癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。
【0225】
いくつかの実施形態は、癌の発症および/または再発の予防に使用される式Iの化合物を提供する。
【0226】
いくつかの実施形態は、癌を処置するための薬物の調製のための式Iの化合物を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、限定されないが、膠芽腫、骨癌、頭頚部癌、黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、腺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、膀胱癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、および前立腺癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は 黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頚部癌、口腔癌、または食道癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨癌である。いくつかの実施形態では、癌は腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌、腸癌、結腸癌、または膀胱癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌または腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌または子宮頚癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。
【0227】
いくつかの実施形態は、癌の発症および/または再発の予防に使用される薬物の調製のための式Iの化合物を提供する。
【0228】
<投与>
本明細書に記載される化合物および組成物は、4~120時間またはその間の任意の値毎に、約0.01mg/kg~約1000mg/kg、またはその間の任意の値(例えば、約0.01~約100mg/kg、約0.1~約100mg/kg、約1~約100mg/kg、約1~約10mg/kg、あるいはその間の任意の値)に及ぶ投与量で、例えば、経口的に、非経口的に(例えば、皮下に、皮内に、静脈内に、筋肉内に、関節内に、動脈内に、滑膜内に、胸骨内に(intrasternally)、鞘内に、病巣内に、および頭蓋内注射または注入技術によって)、吸入噴霧剤によって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬側に、膣内に、埋め込みリザーバーを介して、注射によって、皮下、腹腔内、経粘膜への、または眼科製剤中で投与され得る。動物およびヒトの投与量の相互関係は(体表面に1平方メートル当たりのミリグラムに基づく)はFreireich et al., Cancer Chemother. Rep. 50, 219-244 (1966) に記載されており、当業者によって理解される。体表面積は、当業者によって患者の身長および体重からおおよそ決定され得る。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, N.Y., 537 (1970)を参照。ある実施形態では、組成物は経口投与または注射によって投与される。本明細書の方法は、所望のまたは述べられた効果を達成するために、有効な量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。典型的には、本開示の医薬組成物は、連続注入として1日当たりまたは代替的に約1回~約6回投与される。そのような投与は慢性または急性の治療として使用することができる。
【0229】
上述されたものより低いかまたは高い投与が必要とされることもある。任意の特定の患者のための特定の投与および処置のレジメンは、使用された特定の化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与の回数、排せつ率、薬物の組み合わせ、病気の重症度と経過、疾病または症状、患者の病気に対する素因、および処置する医師の判断を含む様々な要因に依存する。
【0230】
いくつかの実施形態において、投与形態は、本明細書のどこかで定義される式Iの化合物(および/または本明細書に記載される他の式の化合物)あるいはその塩(例えば、薬学的に許容可能な塩)の約0.001ミリグラム~約2,000ミリグラム、またはその間の任意の値を含む(約0.001ミリグラム~約1,000ミリグラム、約0.001ミリグラム~約500ミリグラム、約0.01ミリグラム~約250ミリグラム、約0.01ミリグラム~約100ミリグラム、約0.05ミリグラム~約50ミリグラム、約0.1ミリグラムか~約25ミリグラム、またはその間の任意の値を含む)。投与形態は、薬学的に許容可能な担体および/または追加の治療剤をさらに含んでもよい。
【0231】
適切な投与量レベルは、癌を処置する分野の当業者に既知の任意の適切な方法によって決定され得る。好ましくは、活性物質は、局所投与では1日1~4回、または、薬物送達システムが使用される場合、それより少ない頻度で投与される。
【0232】
それにもかかわらず、本本開示の医薬組成物中の活性成分の実際の用量レベルおよび投与の時間経過は、患者に対して有害となることなく、特定の患者、組成物、および投与方法に関して所望の治療効果を達成するのに有効な活性成分の量を得るために変更されてもよい。したがって、必要に応じて、特に、患者の年齢、性別、体重、食事、健康状態、投与経路、有効成分への個別反応、調製物の性質、あるいは投与が行われる時間または間隔に応じて、記載された量から逸脱する必要がある場合もある。したがって、ある場合においては、前述の最小量未満で管理することで十分な場合もあるが、その他の場合においては、記載される上限を超えなければならない。大量に投与する場合、これらを1日にわたって複数の個別容量に分割することが望ましいこともある。
【0233】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、癌の処置に使用される1つ以上の追加の薬剤と同時投与されてもよい。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は限定されないが以下を含む:シクロホスファミド、クロラムブチル、メクロレタミン(meclorethamine)、イホスファミドあるいはメルファランなどのアルキル化剤;メトトレキセート、シタラビン、ゲムシタビン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、または5-フルオロウラシルなどの代謝拮抗剤;ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、パクリタキセル、またはドセタキセルなどの有糸分裂阻害剤、;シスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチンなどのプラチナ誘導体;タモキシフェンなどのホルモン療法;ビカルタミド、アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾールなどのアロマターゼ阻害剤;イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害剤;Gleevac)、ゲフィチニブ(EGFR阻害剤;イレッサ)または、エルロチニブ(EGFRに作用する受容体TKI;タルセバ)などのシグナル伝達阻害剤;などのモノクローナル抗体、トラスツズマブ、ペルツズマブ、 イノツズマブあるいはそのオゾガマイシン、などの他の抗体薬物複合体と同様に、空騒ぎトラスツズマブemtansine;などの抗血管新生剤、ベバシズマブ、ソラフェニブ(チロシン・プロテインキナーゼ)、パゾパニブまたはスニチニブ(受容体チロシンキナーゼ阻害剤);チボザニブ、アキシチニブ、およびセジラニブ;ラパチニブなどの-tinib(チロシンキナーゼ阻害剤);生物学的応答調節剤などのインターフェロンアルファ;カンプトテシン(イリノテカンおよびトポテカンを含む)、アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩、またはテニポシドなどのトポイソメラーゼ阻害剤;ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、サバルビシン、アクラルビシン、カルビシン、およびバルルビシンなどのアントラサイクリン;アクチノマイシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、またはマイトマイシンなどの他の細胞毒性薬;ラパマイシン、テムシロリムス、およびエベロリムスなどのmTOR阻害剤;ならびに、CTLA4抗体療法、PDL1抗体療法、およびPD1抗体療法などの抗体療法。
【0234】
用語「CTLA4抗体」および「抗CTLA4」は、細胞毒性のt-リンパ球抗原4(CTLA4)を対象とする抗体を指す。例示的な抗体は、限定されないが、米国特許第8,685,394号および第8,709,417号に記載されるCTLA4アンタゴニストまたはCTLA4抗体である抗体を含む。抗体のいくつかの実施形態は、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)およびCP-675,206(tremelimumab、Pfizer)を含む。特定の実施形態において、抗体はイピリムマブである。
【0235】
「PDL1抗体」あるいは「抗PDLl」は、プログラムされた死亡リガンド1(PDL1)を対象とする抗体を指す。例示的な抗体は、限定されないが、米国特許第8,217,149号、第8,383,796号、第8,552,154号、および第8,617,546号において記載される抗体を含む。抗体のいくつかの実施形態は、アベルマブ(Merck KGA/Pfizer)、デュルバルマブ(AstraZeneca)、およびアテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標)、Roche)を含む。特定の実施形態において、抗体はアテゾリズマブである。
【0236】
用語「PDl抗体」および「抗PDl」は、プログラムされた死亡タンパク質1(PDl)を対象とする抗体を指す。例示的な抗体は、限定されないが、米国特許第7,029,674号、第7,488,802号、第7,521,051号、第8,008,449号、第8,354,509号、第8,617,546号、および第8,709,417号において記載される抗体を含む。抗体の特定の実施形態は、BGB-A317、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、labrolizumab(Merck)、およびペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標)、Merck)を含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、抗体(例えば、抗CTLA4、抗PDLl、または抗PDl)は、投与に先立って、無毒で薬学的に許容可能な担体物質(例えば、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水)と混合され、例えば、限定されないが、静脈内または動脈内の投与および脳脊髄液への注射を含む任意の医学的に適切な方法を使用して投与されてもよい。ある場合には、腹腔内、皮内、窩内、髄腔内、あるいは腫瘍への直接投与、または腫瘍を供給する動脈への直接投与が有利な場合もある。
【0238】
本明細書で使用されるように、用語「抗体」および「抗体」は、本明細書に開示される医療用途に適切であり得る、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE、あるいはその断片を含む免疫グロブリンのすべての型を含む。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであることがあり、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、またはヒトを含む任意の種の起原であってもよい。本開示において使用される抗体により結合するタンパク質またはエピトープ(例えば、CTLA4、PDLl、またはPDl)への特異的結合を保持する抗体断片は、用語「抗体」の範囲内に含まれる。そのような断片は既知の技術によって生成することができる。上記抗体は、特に、治療目的で使用される場合、キメラであるか、またはヒト化され得る。上記抗体は、当技術分野において既知の方法を用いて得られるか、または調製され得る。
【0239】
いくつかの実施形態において、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット)などの他の免疫療法の標的は本開示の化合物と組み合わせて使用されてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態において、追加の薬剤は、複数回投与のレジメンの一部として本開示の化合物とは個別に(例えば、順次に、または式Iの1つ以上の化合物の投与と異なる重複スケジュールで)投与されることがある。他の実施形態では、これらの薬剤は、単一組成物中の本開示の化合物と一緒に混合された、単一の投与形態の一部であり得る。いくつかの実施形態において、これらの薬剤は、式Iの1つ以上の化合物が投与されるのとほぼ同時に(例えば、式(I)の1つ以上化合物(および/または、任意の亜属あるいはその特定の化合物も含む他の式のいずれかの化合物)の投与と同時に)投与される別個の投与として与えられ得る。いくつかの実施形態において、併用療法中の治療剤の少なくとも1つは、薬剤が同じ癌の処置のための単独療法として使用される場合に典型的に使用されるのと同じ投与計画(処置の投与量、頻度、および持続時間)を使用して投与される。いくつかの実施形態において、患者は、併用療法において、薬剤が単独療法(例えば、より少ない用量、より少ない頻度の用量、および/またはより短い処置の持続時間)として使用される場合よりも、少なくとも1つの治療剤のより少ない総量を受け取る。
【0241】
本開示の組成物が本明細書に記載される式の化合物と1つ以上の追加の薬剤との組み合わせを含む場合、化合物と追加の薬剤の両方は、単独療法レジメンで通常投与される投与量の約1~100%、およびより好ましくは、約5~95%の投与量レベルで存在することができる。
【0242】
<生体機能>
本開示の有用性は、以下の方法または当技術分野において既知の他の方法の1つ以上によって実証することができる。
【0243】
<インビトロのアッセイ>
本開示中の化合物を、安定してトランスフェクトされたHEK293細胞を用いた機能性カルシウムフラックスアッセイでテストした。EP1、EP2、EP3、およびEP4でトランスフェクトされた細胞を、Eurofins Discovery Services(St. Charles, Missouri)から購入した。それぞれの受容体サブタイプは、カルシウムシグナル伝達経路に結合するために加えられる追加の乱雑なGタンパク質を有する。使用された親の細胞株は、敏感な発光検出を可能にするために、クリチン(clytin)の新規な変異体(カルシウム活性化発光タンパク質)も発現する。
【0244】
細胞を、黒色の明瞭な底の96ウェルプレート中の1つのウェル当たり50,000の細胞で蒔いた。蒔かれた細胞を室温で30分間静置させ、湿った37°Cの5%のCO2インキュベーターに18-24時間移した。アッセイ緩衝液(20mMのHEPESを有するHBSS)および添加液(アッセイ緩衝液+10μMのセレンテラジン)をアッセイ当日に調製した。アッセイは、アッセイプレートからの培地を吸引し、アッセイ緩衝液で一度洗浄し、その後、添加液を交換し、および、細胞を室温で1.5時間インキュベートすることによって実施した。非結合のプレートにおける3倍の最終濃度でアッセイ緩衝液で化合物を調製した。化合物を細胞板に加えて、室温で30分間インキュベートした。プロスタノイド受容体リガンドPGE2を、10nMの最終濃度の4倍の希釈率で調製した。15秒でリガンドの添加を伴う合計60秒間、100ミリセカンドの積分発光プロトコルを用いてFlexstation(商標)でプレートを実行した。データは、曲線下面積によって測定される相対発光量から得られた。
【0245】
【0246】
【0247】
<インビボの腫瘍モデル>
雌のBalb/Cマウスに、2x10
6細胞/mLの++PBS溶液における1x10
6のCT26結腸癌細胞(ATCC(登録商標)CRL-2638(商標))を移植した。細胞を左の側腹後部に皮下注射した。腫瘍を以下の式を用いて計算されたカリパスおよび腫瘍体積を用いて測定した:腫瘍体積(長さx幅
2)=/2。腫瘍体積が~150mm
3だった時、マウスを群(1つの群当たり10匹の動物)にランダム化し、ビヒクル(0.5%のmethocel PO、1日2回、11日間)またはテスト化合物(30mg/kgのPO、1日2回、11日間)のいずれかで処置した。腫瘍体積は、試験終了まで1週当たり3回判定した。化合物Aの結果は
図1Aおよび1Bで提供される。
【0248】
<化合物の調合>
合成に使用された出発物質は、合成されるか、または限定されないが、Sigma-Aldrich、Fluka、Acros Organics、Alfa Aesar、Enamine、PharmaBlock、VWR、Scientificなどの、商業的供給源から得られる。逆相および順相クロマトグラフィーカラムを、Teledyne ISCO社(NE)から購入した。適切な重水素化溶剤を備えたBruker Fourier 300MHzの光度計を使用して、核磁気共鳴(NMR)分析を実施した。LCMSスペクトルをShimazu LCMS-2020 Series mass spectrometerで得て、エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびLuna C18 5μM、2.0×50mmのカラムを使用して、95:5~0:100のH2O:MeCN+0.1%のギ酸で、0.7mL/分の流量で3.5分にわたって溶離した。化合物の調製のための一般的な方法は、本明細書提示の構造に見られる様々な成分を導入させるための、適切な試薬および条件を用いて修正され得る。
【0249】
【0250】
【0251】
<一般的な合成スキーム>
本開示の式Iの化合物は、HATU、CDIなど適切なカップリング試薬、ならびにトリエチルアミン、エチル-ジイソプロピル-アミンなどの適切な塩基の存在下における、例えば、アミン(1)、あるいはその対応するアンモニウム塩、およびカルボン酸(2)から調製され得る。あるいは、塩化チオニル、塩化オキサリルなど薬剤を使用して、対応する酸塩化物へのその転換によって、酸をあらかじめ活性化してもよい。結果として生じるアミド3を、3における官能基「G」の同一性およびI中の官能基「W」の所望の同一性に適切な合成方法を用いて標的化合物Iに変換する。そのような変換の例は、限定されないが以下を含む:
(a)酸媒介加水分解(つまり、HCl、TFA、H2SO4など)、塩基媒介加水分解(つまり、NaOH、LiOH、Bu4NOHなど)、求核分子媒介加水分解(つまり、LiI、TMSI、Me3SnOHなど)、酵素媒介加水分解(ブタ肝臓エステラーゼ、カンジダアンタルクティカリパーゼ(candida antarctica lipase)、カンジダルゴサリパーゼ(candida rugosa lipas)など)、金属媒介水素化分解(Pd/CおよびH2、Pd(PPh3)4、ならびにPMHSなど)、また他のものなどの公知の条件を使用したエステル加水分解(つまり、「G」=CO2R、ここで、Rがメチル、エチル、ベンジル、tert-ブチルなどであってもよい:「W」=CO2H)。あるいは、前述のエステル基は、加水分解に先立って、初めに誘導体化(つまり、入手可能な場合、対応するエノラートを介したα-炭素におけるモノビスアルキル化またはビスアルキル化、あるいはアリール化)することができる。
【0252】
(b)
(i)ほとんどの場合、適切なプロモーター(つまり、ZnBr2、Bu2Sn=O、NH4Clなど)の存在下において、適切なアジド源(つまり、NaN3、Bu3SnN3、Bu4NN3など)を用いて3を熱することにより、テトラゾール(つまり、「W」=
【0253】
【化19】
)を形成し;
(ii)ヒドロキシルアミンを用いて3を熱し、その後、結果として生じるN-ヒドロキシアミジンをCDIなどで処置することによって、オキサジアザロン(oxadiazalone)(つまり、「W」=
【0254】
【化20】
)を形成し;および
(iii)水性のKOHおよびエチレングリコールなどを用いて3を熱することによって、カルボン酸(つまり、「W」=CO
2H)を形成するためのニトリルの反応(つまり、「G」=CN)。
【0255】
(c)
(i)アルント-アイシュテルトホモログ化(Arndt-Eistert homologation)などを使用して、Yが単結合である場合に、YがCH2である対応する化合物を提供するために;
(ii)DCCなどのカップリング剤の存在下において、3とスルホンアミドを結合することによってアシルスルホンアミドへの;
(iii)T3Pなどのカップリング剤の存在下において、3とヒドロキシルアミンを結合することによってヒドロキサム酸への、カルボン酸の同化(つまり、「G」=CO2H)。
【0256】
【化21】
スキーム1に記載されるカップリングに使用されるカルボン酸2は、Ar-CH
2-LG(つまり、6)によるその最初のN-アルキル化を介して、エステル5から調製されてもよく、ここで、LGは、適切な塩基(つまり、NaH、Cs
2CO
3、KO
tBuなど)の存在下において、ハロゲン化物、メシレート、トシラートなどの脱離基である。上記のものを含む当業者に既知の方法を使用するエステル7の後の加水分解は、カルボン酸2を提供する。
【0257】
【化22】
化合物6は市販されているか、あるいは、例えば、DIBAL-H、LiBH
4、LiAlH
4などの試薬を使用して、対応するアルコール9への8の最初の還元によって、エステル8から好都合に調製される。NEt
3、ピリジン、DABCOなどの適切な塩基の存在下におけるメシル塩化物、トシル無水物、PBr
3などを用いたアルコール9の処理は、対応する化合物6を提供する。さらに、LiAlD
4などの重水素化還元剤を使用する8の還元により、9のベンジル炭素で安定した重水素同位体を含有するアナログにアクセスすることができる。
【0258】
【化23】
あるいは、エステル中間体7は、エステル11を用いたアミン10の最初のアリール化によってアニリンエステル12を得て、その後、適切な縮合環形成法(suitable annulation sequence)によってアクセスすることができる(スキーム4)。10のアリール化は、適切に機能的にされたアリール・フッ化物(つまり、Hal=Fである11)の直接のS
NAr置換、あるいは適切に機能的にされたヨウ化アリール(つまり、Hal=Iである11)の金属に触媒されたカップリングによって実現することができる。縮合環形成法は、縮合ビアリールエステル7aを送達するためのエステル12上のアニリン窒素のペンダントアルキン(つまり、FG=アルキンである12)への金属触媒複素環化、または縮合ビアリールエステル7bを送達するための還元金属 (つまり、FG=NO2である12)の存在下におけるギ酸などとの中間体エステル12の酸促進性縮合を必要とし得る。
【0259】
【化24】
スキーム1に記載されるカップリングに使用されるアミン1は、クルチウス転位(つまり、アシルアジ化物として:FG=N
3である14)、ホフマン転位(つまり、一級アミドとして:FG=NH
2である14)、ロッセン転位など(つまり、ヒドロキサム酸として:FG=NHOHである14)によって、カルボン酸13(スキーム5)から調製され得る。転位反応(つまり、14)の前駆体の調製、ならびに転位反応のための試薬および条件は、当業者に公知であり、March’s Advanced Organic Chemistry, 7th Ed., John Wiley & Sons, 2013などの標準教科書に記載されている。結果として生じる生成物(カルバマート15)を直接脱保護し、当業者に既知の利用条件を使用して必要なアミン1を明らかにすることができる(つまり、Rがtert-ブチルである場合、HCl、TFAなどでの処理によって;あるいはRがベンジルである場合、Pd/C、Pt/Cなどの触媒の存在下において水素化によって)。あるいは、窒素の遠位にある官能基のすべての所望の化学処理が完了するまで、カルバマート保護基の除去は延期することができる。
【0260】
【化25】
アミド16(スキーム6)のArがBrまたはIなどのハロゲンで置換される場合、例えば、(ヘテロ)アリールアミド17あるいは複素環アミド18へのその形質転換を引き起こすことが望ましいと考えられることもある。そのような官能基の転換は、当業者に既知の金属触媒反応を使用して容易に実現することができる。そのような転換の例としては、限定されないが、以下が挙げられる:(a)カップリングパートナーとして(ヘテロ)アリールボロン酸または(ヘテロ)アリールボロン酸エステル、触媒としてXPhos palladocycle、Pd(dppf)Cl
2、あるいは任意の他の適切なパラジウムリガンド複合体、および塩基として水性のリン酸カリウム、炭酸ナトリウムなどを使用するSuzuki反応;(b)塩基としてカップリングパートナーとして一級または二級アミン、触媒としてRuPhos palladocycle、BrettPhos palladocycle、あるいは任意の他の適切なパラジウムリガンド複合体、ナトリウムtert-五酸化物、カリウムtert-ブトキシドなどを使用するBuchwald-Hartwig反応。
【0261】
【化26】
<中間体の精製>
中間の酸1:1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0262】
【化27】
0°Cに冷却されたDMF(0.29M)中のメチル1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量)の溶液に、反応温度が5°Cを超えないように、カリウムtert-ブトキシド(1.2当量)を加えた。結果として生じる懸濁液を、30分間0℃で、および30分間室温で撹拌した。上記溶液を0°Cに再度冷却し、DMF(0.69m)中の4-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(1.2当量)を滴下で加えた。反応混合物を16時間にわたって室温にゆっくりと温め、その後、氷水の添加でクエンチし、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水、10%のNaHCO
3水溶液、およびブラインでさらに洗浄し、MgSO
4の上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、黄色の粘着性の油として粗製の反応生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配溶離、9:1のヘキサン/EtOAc対EtOAc)で精製し、静置後に凝固した無色の油として生成物を得た(75%の収率)。
【0263】
1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸(1当量)THFとメタノールの2:1(v/v)の溶液(0.1M)に溶解した。LiOH(5当量、2Nの水溶液)を加えて、その溶液を50°Cで3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、その後、HCl(5当量、1Nの水溶液)で中和した。懸濁液をEtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、静置すると凝固した黄色の粘着性の油として粗製の反応生成物を得た。トルエンにおける粉砕により、白い結晶固体(67%の収率)として生成物を得た。
中間の酸2:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0264】
【化28】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸3:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3、2-b]ピリジン-7-カルボン酸
【0265】
【化29】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボン酸塩(1当量);および4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸4:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3、2-c]ピリジン-7-カルボン酸
【0266】
【化30】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸塩(1当量);および4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸5:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2、3-c]ピリジン-7-カルボン酸
【0267】
【化31】
中間の酸1に同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸塩(1当量);および4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸6:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボン酸
【0268】
【化32】
DMF(0.74M)中のメチル1H-インダゾール-7-カルボン酸塩(1当量)および炭酸セシウム(3当量)の懸濁液を0°Cに冷却し、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量、DMF中の0.89M)を滴下で加えた。反応混合物を16時間にわたって室温にゆっくりと温め、その後、氷水でクエンチし、TBMEで抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により黄橙色の油として粗製の反応生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)で精製し、無色の油(76%の収率)として生成物を得た。
【0269】
前の工程からの生成物(1当量)を、THFとメタノールの3:2(v/v)溶液(0.11M)に溶解し、およびLiOH(3当量、2Nの水溶液)を加えた。結果として生じる溶液を室温で16時間撹拌し、HCl(3当量、1Nの水溶液)で中和した。結果として生じる懸濁液をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機抽出物を水とブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、粘着性の油として粗製の反応生成物を得た。TBMEとヘキサンの再結晶化により、白色の結晶固体として生成物を得た(60%の収率)。
中間の酸7:1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボン酸
【0270】
【化33】
メチル2-フルオロ-3-ニトロベンゾアート(1当量)、(4-(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(1.5当量)、および炭酸カリウム(2当量)を、DMF(0.24M)中で組み合わせ、懸濁液を2時間80°Cで加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、10%のNH
4Cl水溶液、水、およびブラインで順次洗浄した。その後、有機質層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、黄色の半固体として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)のHex:EtOAcから3:7(v/v)Hex:EtOAc)での精製により、ゴールデンイエローの油としてメチル3-ニトロ-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)安息香酸塩を得た(56%の収率)。
【0271】
メチル3-ニトロ-2-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)安息香酸塩(1当量)、鉄粉(10当量)、および塩化アンモニウム(10当量)を、2-プロパノールとギ酸の1:1(v/v)溶液(0.05M)に溶解した。容器をしっかりと密封して80°Cで3時間加熱した。懸濁液を室温に冷却し、2-プロパノールで希釈し、セライトを介して濾過した。濾液を真空内で濃縮し、結果として生じる残留物をDCMに溶解した。その後、その溶液を、1NのNaOH水溶液、水およびブラインで順次洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、オレンジ色の油として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO2、9:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、オレンジ色の油としてメチル1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボン酸塩を得た(31%の収率)。
【0272】
メチル1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボン酸塩(1当量)を、THFとメタノールの2:1(v/v)溶液(0.04M)に溶解し、およびLiOHを加えた(3当量、2Nの水溶液)。その溶液を室温で16時間撹拌し、その後、HCl(3当量、1Nの水溶液)で中和した。揮発性物質を真空内で除去し、固形残留物を水において粉砕し、白色の結晶固体として1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボン酸を得た(58%の収率)。
中間の酸8:1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0273】
【化34】
メチル4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(1当量)をTHF(0.3M)に溶解し、0°Cに冷却した。重水素化リチウムアルミニウム(1当量)を加え、結果として生じる懸濁液を16時間室温でゆっくり温めた。反応物を0°Cに冷却し、1NのHCl水溶液でクエンチし、その後DCMで抽出した。その後、組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、無色の油として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、Hexから3:7(v/v)のHex:EtOAc)での精製により、無色の油として(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタン-d2-オールを得た(61%の収率)。
【0274】
(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタン-d2-オール(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)をDCM(0.39M)中で組み合わせ、0°Cに冷却し、メタンスルホニルクロリド(1.2当量)を滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間、その後、室温で1.5時間撹拌した。その後、反応混合物をTBMEで希釈し、水、1NのNaOH水溶液、1NのHCl水溶液、水、および最後にブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、無色の油として所望の粗製物((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-メタンスルホン酸塩を得た(>99%の収率)。
【0275】
メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量)をDMF(0.32M)中に溶解し、0°Cに冷却した。内部反応温度が5°Cを超えないように、カリウムtert-ブトキシド(1.2当量)を、20分にわたって加えた。結果として生じる懸濁液を、0°で30分間、室温で30分間撹拌し、その後、0°Cに冷却した。前の工程からの((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-メタンスルホン酸塩(1.2当量)を、DMF(0.2M)溶液として滴下で加えた。結果として生じる反応混合物を、16時間室温にゆっくり温め、その後、酸化ジューテリウムでクエンチし、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を、水、10%のNaHCO3水溶液、およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、粘着性の油として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO2、9:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、無色の油としてメチル1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボン酸塩を得た(59%の収率)。
【0276】
メチル1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量)を、THFおよびメタノールの2:1(v/v)溶液(0.1M)に溶解し、LiOH(3当量、2N水溶液)を加えた。結果として生じる溶液を、50°Cで3時間加熱し、室温に冷却し、その後、HCl(3当量、1Nの水溶液)で中和した。結果として生じる懸濁液を濾過し、固体ケーキを、メタノールおよび水の冷たい1:1(v/v)溶液ですすいだ。生成物1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)-メチル-d2)-1H-インドール-7-カルボン酸を16時間真空内で乾燥させ、結晶固体(61%の収率)を得た。
中間の酸9:4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0277】
【化35】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸10:5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0278】
【化36】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル5-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸11:5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0279】
【化37】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル5-クロロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸12:6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0280】
【化38】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル6-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸13:1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0281】
【化39】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、(4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(クロロメチル)-4-(ジフルオロメチル)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸14:1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸
【0282】
【化40】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(クロロメチル)-4-(ジフルオロメチル)ベンゼン)(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸15:1-(4-(ペンタフルオロ-λ
6-スルファニル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0283】
【化41】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、4-(ペンタフルオロチオ)ベンジル臭化物(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸16:1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0284】
【化42】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、4-(ブロモメチル)-1,1’ビフェニル(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸17:1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸
【0285】
【化43】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、4-(ブロモメチル)-1、1’-ビフェニル(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸18:1-[1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インダゾール-7-カルボン酸
【0286】
【化44】
中間の酸6と同様の方法ではあるが、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに、4-(ブロモメチル)-1,1’ビフェニル(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸19:1-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボン酸
【0287】
【化45】
中間の酸6と同様の方法ではあるが、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間の酸20:4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボン酸
【0288】
【化46】
中間の酸1と同様の方法ではあるが、メチル1H-インドール-7-カルボン酸塩の代わりに、メチル4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボン酸塩(1当量);4-(ブロモメチル)ベンゾニトリルの代わりに、1-(ブロモメチル)-4-ヨードベンゼン(1.2当量)を使用して調製した。
中間のアミン1:エチル2-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセテートヒドロクロリド
【0289】
【化47】
3-(メトキシカルボニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(1当量)を、tert-ブタノール(0.25M)に溶解し、トリエチルアミン(1当量)およびジフェニルホスホルイルアジド(1.5当量)を順次に加えた。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌し、その後、80°Cで22時間加熱した。その後、揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物をEtOAcに溶解した。その後、有機質層を水およびブラインで順次洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、粘着性の油として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)のHex:EtOAcから1:1(v/v)Hex:EtOAc)での精製により、白色の結晶固体としてメチル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸塩を得た(79%の収率)。
【0290】
メチル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸塩(1当量)をTHF(0.13M)に溶解し、その溶液を0°Cに冷却し、LiBH4(10当量、1MのTHF溶液)を滴下で加えた。結果として生じる混合物を、10%のNH4Cl水溶液でクエンチし、18時間にわたって室温にゆっくり温め、揮発性物質を真空内で除去した。その後、結果として生じる水性の残留物を、水でさらに希釈し、EtOAcおよびMeTHFで抽出した。その後、組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、その濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、9:1(v/v)のHex:EtOAcから3:7(v/v)のHex:EtOAc)での精製により、白色の結晶固体としてtert-ブチル(3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマートを得た(78%の収率)。
【0291】
tert-ブチル(3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)をDCM(0.21M)中で組み合わせ、0°Cに冷却し、メタンスルホニル塩化物(1.2当量)を滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間および室温で18時間撹拌した。その後、反応混合物を、EtOAcで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、白色の結晶固体として所望の粗製物(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチルメタンスルホン酸塩を得た(99%の収率)。
【0292】
(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチル(メタンスルホン酸塩(1当量)およびKCN(2当量)をDMF(0.075M)中で組み合わせて、70°Cで24時間加熱した。粗製の反応混合物を室温に冷却し、TBMEで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、淡黄色の油として粗製のtert-ブチル(3-(シアノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマートを得た(92%の収率)。
【0293】
tert-ブチル(3-(シアノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート(1当量)をエタノール(0.14M)に溶解し、気体HCl(冷却しながら)で10分間泡立てた。その後、反応容器をしっかりと密閉し、75°Cで48時間加熱し、その後、室温に冷却し、注意深く泡立てた。水(10当量)を加えて、反応混合物を室温で3時間撹拌した。揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物をエタノールおよびDCM中で30分間粉砕し、濾過し、その後、濾液を真空内で濃縮することにより、吸湿性固体として所望の粗製のエチル2-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセテートヒドロクロリドを得た(93%の収率)。
中間のアミン2:2-(3-(クロロ-λ5-アザニル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アセトニトリル
【0294】
【化48】
tert-ブチル(3-(シアノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート(1当量、中間のアミン1、工程4)を、DCM(0.071M)に溶解し、0°Cに冷却し、HCl(30当量、4Mのジオキサン溶液)を滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間および室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空内で除去し、淡黄色の泡として表題化合物を得た(99%の収率)。
中間のアミン3:エチル2-(4-アミノビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)アセテートヒドロクロリド
【0295】
【化49】
4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-カルボン酸(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)をTHF(0.22M)に溶解し、-15°Cに冷却し、エチルクロロホルメート(1.5当量)を滴下で加えた。結果として生じる混合物を、-15°Cで3時間撹拌し、TBMEで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。粗製混成無水物の中間体をメタノール(0.22M)に溶解し、0°Cに冷却し、LiBH
4(6当量)を、30分間にわたって少しずつ加えた。結果として生じる混合物を16時間室温にゆっくり温め、10%のNH
4Cl水溶液でクエンチした。揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる水性の残留物を水でさらに希釈し、EtOAcで抽出した。その後、組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)のHex:EtOAcから3:7(v/v)Hex:EtOAc)での精製により、白色の結晶固体としてtert-ブチル(4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)カルバマートを得た(88%の収率)。
【0296】
tert-ブチル(4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)カルバマート(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)をDCM(0.13M)中で組み合わせ、0°Cに冷却し、メタンスルホニル塩化物(1.2当量)を滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間および室温で18時間撹拌し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、白色の結晶固体として粗製の4-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[2.1.1]ヘキサノ-1-イル)メチルメタンスルホン酸塩を得た(99%の収率)。
【0297】
(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)メチルメタンスルホン酸塩(1当量)およびKCN(2当量)をDMF(0.055M)中で組み合わせ、80°Cで24時間加熱した。粗製の反応混合物を室温に冷却し、TBMEで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、淡黄色の油として粗製のtert-ブチル(4-(シアノメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)カルバマートを得た(99%の収率)。
【0298】
tert-ブチル(4-(シアノメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)カルバマート(1当量)をエタノール(0.05M)に溶解し、気体HClを冷却しながら10分間泡立てた。反応容器をしっかりと密閉し、80°Cで48時間加熱し、室温に冷却し、注意深く放出した。水(10当量)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。真空内で揮発性物質を除去し、結果として生じる残留物をエタノールおよびDCM中で30分間粉砕し、濾過し、濾液を真空内で濃縮して、吸湿性固体として所望の粗生成物を得た(96%の収率)。
【実施例】
【0299】
本開示の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないということは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変更、および置き換えは、本開示から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるだろう。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代案が、本開示の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本開示の範囲を定義するものであり、これら特許請求の範囲及びその同等物の範囲内の方法及び構造は、それにより包含されることが意図されている。
<実施例1>2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0300】
【化50】
工程1:エチル2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸塩:中間の酸1(1当量)、中間のアミン1(1.5当量)およびHATU(1.5当量)を、DMF(0.09M)に溶解した。その後、これに、エチル-ジイソプロピル-アミン(3当量)を加え、結果として生じる黄色の溶液を室温で18時間撹拌した。粗製の反応混合物をEtOAcで希釈し、水、10%のNaHCO
3水溶液、10%のNH
4Cl水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。有機抽出物を、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、1:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)でのさらなる精製により、淡黄色固形物として生成物を得た(54%の収率)。
【0301】
工程2:2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸:前の工程からのエチル2-(3-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸塩(1当量)を、THFおよびメタノールの2:1(v/v)溶液(0.02M)に溶解し、LiOH(5当量、2Nの水溶液)を加え、結果として生じる溶液を50°Cで4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、その後、HCl(5当量、1Nの水溶液)で中和した。その後、揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、9:1(v/v)のH2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮した。その後、結果として生じる水性懸濁液を、飽和NaHCO3水溶液で中和し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、トルエン中でのさらなる粉砕の後に、白色の結晶固体として生成物を得た(77%の収率)。ESI+:M+1:400。ESI-:M-1:398。
<実施例2>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0302】
【化51】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸2(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 443。ESI
-: M-1: 441。
<実施例3>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0303】
【化52】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸3(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 444。ESI
-: M-1: 442。
<実施例4>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0304】
【化53】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸4(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 444。ESI
-: M-1: 442。
<実施例5>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0305】
【化54】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸5(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 444。ESI
-: M-1: 442。
<実施例6>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0306】
【化55】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸6(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 444。ESI
-: M-1: 442。
<実施例7>2-(3-(1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル-d
2)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0307】
【化56】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸8(1当量)を使用して調製した。ESI
+: M+1: 445。ESI
-: M-1: 443。
<実施例8>(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸および(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸(エナンチオマー8aおよびエナンチオマー8b)
【0308】
【化57】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸2(1当量)を、工程1での中間アミノ1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。工程2からのラセミ生成物を、キラルSFC(固定相:AD10×250mm、5μm;移動相:25%のメタノール、CO
2の100のバー;カラム温度:35°C;流量:10mL/分)によってそのエンチオに富んだ(>99%のe.e.)2つの鏡像体へさらに分解した。第1の溶離するエナンチオマー;室温:3.16分、ESI
+:M+1:457。ESI
-:M-1:455。第2の溶離するエナンチオマー;室温:5.32分、ESI
+:M+1:457。ESI
-:M-1:455。
<実施例9>rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0309】
【化58】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸3(1当量)を、および工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。
<実施例10>(R)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸および(S)-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸(エナンチオマー10aならびにエナンチオマー10b)
【0310】
【化59】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸4(1当量)を、および工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。工程2からのラセミ生成物を、キラルSFC(固定相:OJ10×250mm、5μm;移動相:25%のメタノール、CO
2の100のバー;カラム温度:35°C;流量:10mL/分)によってそのエンチオに豊んだ(>99%のe.e.)2つの鏡像体へさらに分解した。第1の溶離するエナンチオマー;室温:3.10分、ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456.第2の溶離するエナンチオマー;室温:4.60分、ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。
<実施例11>rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0311】
【化60】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸5(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。
<実施例12>rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0312】
【化61】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸6(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。
<実施例13>rac-6-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0313】
【化62】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸7(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:458。ESI
-:M-1:456。
<実施例14>3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン酸
<実施例15>シス-3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパン酸
【0314】
【化63】
工程1:tert-ブチル(3-ホルミルビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート:tert-ブチル(3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート(1当量、中間のアミン1、工程2)および炭酸水素ナトリウム(1.5当量)を、DCM(0.034M)中で懸濁した。デズ-マーチンペルヨージナン(1.2当量)を反応混合物に加え、室温で1.5時間撹拌した。その後、反応混合物をTBMEで希釈し、10%のNa
2S
2O
3水溶液、1NのNaOH水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、白色の結晶固体として所望の粗生成物を得た(68%の収率)。
【0315】
工程2:(E)メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アクリル酸塩:前の工程からのtert-ブチル(3-ホルミルビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)カルバマート)(1当量)をTHF(0.034M)に溶解し、メチル2-(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸塩(1当量)を加えた。結果として生じる溶液を、室温で18時間撹拌し、その後、TBMEで希釈し、1NのHCl水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、粘着性の油として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO2、9:1(v/v)のHex:EtOAcから3:7(v/v)Hex:EtOAc)でのさらなる精製により、無色の油として生成物を得た(94%の収率)。
【0316】
工程3:メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルシクロブチル)(プロパノアート:前の工程からの(E)メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)アクリル酸塩(1当量)を、パラジウム(0.06当量、炭素に対して10%(w/w)、乾燥)を、メタノールおよびEtOAcの1:1(v/v)溶液(0.032M)において混合した。その後、結果として生じる懸濁液を、窒素で10分間脱酸素化素し、反応容器を排気し、水素で再充填し、水素のバルーン下で室温で2時間撹拌した。その後、反応物をDCMでクエンチし、結果として生じる懸濁液をセライトを介して濾過した。真空内での濾液の濃縮により、白色の泡としてメチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルシクロブチル)プロパノアートの1.7:1混合物を得た(81%の収率)。
【0317】
工程4:メチル3-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアート塩酸塩およびシス-メチル3-(3-アミノ-3-メチルシクロブチル)プロパノアート塩酸塩:前の工程からのメチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルシクロブチル)プロパノアート(1当量)の混合物を、DCM(0.051M)に溶解し、HCl(10当量、4Mのジオキサン溶液)を0°Cで滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間および室温で4時間撹拌した。その後、揮発物物質を真空内で蒸発させて、白色の泡としてメチル3-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアート塩酸塩およびシス-メチル3-(3-アミノ-3-メチルシクロブチル)プロパノアート塩酸塩の1.7:1混合物を得た(99%の収率)。
【0318】
工程5:メチル3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパノアート:中間の酸2(1当量)、前の工程からのメチル3-(3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアート塩酸塩およびシス-メチル3-(3-アミノ-3-メチルシクロブチル)プロパノアート塩酸塩(1.5当量)の混合物、ならびにHATU(1.5当量)を、DMF(0.13M)に溶解した。エチル-ジイソプロピル-アミン(3当量)を加え、結果として生じる溶液を室温で18時間撹拌した。粗製の反応混合物をEtOAcで希釈し、水、10%のNaHCO3水溶液、10%のNH4Cl水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、1:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、淡黄色の泡としてメチル3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパノアートの1.7:1混合物を得た(67%の収率)。
【0319】
工程6:3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン酸およびシス-3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパン酸:前の工程からのメチル3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパノアートおよびシス-メチル3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパノアート(1当量)の混合物を、THFおよびメタノールの2:1(v/v)溶液(0.057M)に溶解し、LiOH(3当量、2Nの水溶液)を加えた。結果として生じる溶液を、室温で16時間撹拌し、HCl(3当量、1Nの水溶液)で中和した。その後、揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物を、キラルSFC(固定相:AD10×250mm、5μm;移動相:25%のメタノール、CO2の100のバー;カラム温度:35°C;流量:10mL/分)による精製に直接さらした。第2の溶離するピーク:3-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)プロパン酸、実施例14、ESI+:M+1:459。ESI-:M-1:457。第1の溶離するピーク:シス-3-(3-メチル-3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)シクロブチル)プロパン酸、実施例15、ESI+:M+1:459。ESI-:M-1:457。
<実施例16>N-(3-(2-オキソ-2-(フェニルスルホンアミド)エチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド
【0320】
【化64】
2-(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ([1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸(1当量、実施例2)、EDCI(1.4当量)、ベンゼンスルホンアミド(1.4当量)、およびDMAP(1.4当量)をDCM(0.019M)中で組み合わせた。エチル-ジイソプロピル-アミン(1.4当量)を加え、結果として生じる溶液を室温で18時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、1NのHCl水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、オフホワイトの固体として粗製の反応生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)Hex:EtOAcから10:1(v/v)EtOAc:MeOH)でのさらなる精製により、白色粉体として表題化合物を得た(30%の収率)。ESI
+:M+1:582。ESI
-:M-1:580。
<実施例17>N-(3-((3-(フェニルスルホニル)ウレイド)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド
【0321】
【化65】
工程1:メチル3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸塩:中間の酸2(1当量)、メチル3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)およびHATU(1.5当量)をDMF(0.09M)に溶解し、エチル-ジイソプロピル-アミン(3当量)を加えた。結果として生じる溶液を室温で18時間撹拌し、EtOAcで希釈し、水、10%のNaHCO
3水溶液、10%のNH
4Cl水溶液、常水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、1:1(v/v)Hex:EtOAcからEtOAc)での精製により、淡黄色固形物として生成物を得た(71%の収率)。
【0322】
工程2:3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸:前の工程からのメチル3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸塩(1当量)を、THFおよびメタノールの2:1(v/v)溶液(0.03M)に溶解し、LiOH(5当量、2Nの水溶液)を加えた。結果として生じる溶液を、50°Cで18時間撹拌し、室温に冷却し、HCl(5当量、1Nの水溶液)で中和した。その後、揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、9:1(v/v)のH2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮した。その後、結果として生じる水性懸濁液を、飽和NaHCO3水溶液の添加で中和し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、白色の結晶固体としての粗生成物を得た(55%の収率)。
【0323】
工程3:N-(3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:前の工程からの3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)を、THF(0.12M)に溶解し、その溶液を-15°Cに冷却し、エチルクロロホルメート(1.5当量)を滴下で加えた。反応混合物を-15°Cで3時間撹拌し、TBMEで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。粗製の混成無水物の中間体をメタノール(0.12M)に溶解し、LiBH4(6当量)を0°Cで加えた。その後、結果として生じる混合物を、16時間室温にゆっくり温め、10%のNH4Cl水溶液でクエンチし、揮発性物質を真空内で除去した。その後、結果として生じる水性の残留物を、水でさらに希釈し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、4:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、白色の泡として生成物を得た(60%の収率)。
【0324】
工程4:(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチルメタンスルホン酸塩:前の工程からのN-(3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(1当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)を、DCM(0.087M)に溶解し、メタンスルホニル塩化物(1.2当量)を0°Cで滴下で加えた。結果として生じる溶液を、0°Cで30分間および室温で18時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、淡黄色の泡として所望の粗生成物を得た(89%の収率)。
【0325】
工程5:N-(3-(アジドメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:前の工程からの(3-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチルメタンスルホン酸塩(1当量)およびアジ化ナトリウム(2当量)を、DMF(0.12M)中で組み合わせ、80°Cで24時間加熱した。その後、粗製の反応混合物をEtOAcで希釈し、室温に冷却し、水およびブラインで順次洗浄した。その後、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、4:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、白色の結晶固体として生成物を得た(47%の収率)。
【0326】
工程6:N-(3-(アミノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:前の工程からのN-(3-(アジドメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(1当量)およびトリフェニルホスフィン(1.5当量)を、THFおよび水の3:1(v/v)溶液(0.028M)中で組み合わせた。結果として生じる混合物を、45°Cで48時間加熱し、室温に冷却し、rpHPLC(C18、9:1(v/v)のH2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)による精製に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮した。その後、結果として生じる水性懸濁液を、1NのNaOH水溶液で中和し、DCMで抽出した。組み合わせた有機抽出物を水およびブラインでさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。真空内での濾液の濃縮により、無色の油として生成物を得た(77%の収率)。
【0327】
工程7:N-(3-((3-(フェニルスルホニル)ウレイド)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:前の工程からのN-(3-(アミノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(1当量)をDCM(0.042M)に溶解し、ベンゼンスルホニルイソシアン酸(1.1当量)を加えた。結果として生じる混合物を、室温で18時間撹拌し、揮発性物質を真空内で除去し、結果として生じる残留物をrpHPLC(C18、9:1(v/v)のH2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)による精製に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮して、白色泡として表題化合物を得た(52%の収率)。ESI+:M+1:597。ESI-:M-1:595。
<実施例18>N-(3-((1H-テトラゾール-5-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド
【0328】
【化66】
工程1:N-(3-(シアノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:中間の酸2(1当量)、中間のアミン2(1.5当量)、およびHATU(1.5当量)を、DMF(0.55M)に溶解し、エチル-ジイソプロピル-アミン(3当量)を加えた。結果として生じる溶液を、室温で18時間撹拌し、TBMEで希釈し、水、1NのNaOH水溶液、常水およびブラインで順次洗浄したその後、有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、9:1(v/v)のHex:EtOAcからEtOAc)での精製により、白色の結晶固体として生成物を得た(62%の収率)。
【0329】
工程2:N-(3-((1H-テトラゾール-5-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド:前の工程からのN-(3-(シアノメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(1当量)、アジ化ナトリウム(2当量)、およびジブチルスズ(IV)オキシド(0.1当量)を、NMPならびに水の1:1(v/v)溶液(0.052M)中で組み合わせた。反応容器をしっかりと密閉し、ブラストシールド(blast shield)の後ろで110°Cで1週間加熱した。結果として生じる混合物を室温に冷却し、その後、rpHPLC(C18、9:1(v/v)のH2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮して、白色泡として表題化合物を得た(45%の収率)。ESI+:M+1:467。ESI-:M-1:465。
<実施例19>2-(4-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸
【0330】
【化67】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸2(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりに中間のアミン3(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:457。ESI
-:M-1:455。
<実施例20>(R)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸および(S)-6-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸(エナンチオマー20aおよびエナンチオマー20b)
【0331】
【化68】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸9(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。工程2からのラセミ生成物を、キラルSFC(固定相:AD10×250mm、5μm;移動相:20%のメタノール、CO
2の100のバー;カラム温度:35°C;流量:10mL/分)によってそのエンチオに富んだ(>99%のe.e.)2つの鏡像体へさらに分解した。第1の溶離するエナンチオマー;室温:3.96分、ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。第2の溶離するエナンチオマー;室温:7.66分、ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。
<実施例21>rac-6-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0332】
【化69】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸10(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。
<実施例22>rac-6-(5-クロロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0333】
【化70】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸11(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:491。ESI
-:M-1:489。
<実施例23>rac-6-(6-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0334】
【化71】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸12(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。
<実施例24>rac-6-(1-(4-シアノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0335】
【化72】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:414。ESI
-:M-1:412。
<実施例25>rac-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0336】
【化73】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸13(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:439。ESI
-:M-1:437。
<実施例26>2-(4-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸
【0337】
【化74】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸13(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりに中間のアミン3(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:439。ESI
-:M-1:437。
<実施例27>2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0338】
【化75】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸9(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:461。ESI
-:M-1:459。
<実施例28>2-(4-(4-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸
【0339】
【化76】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸9(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりに中間のアミン3(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:475。ESI
-:M-1:473。
<実施例29>2-(4-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[2.1.1]ヘキサン-1-イル)酢酸
【0340】
【化77】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸15(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりに中間のアミン3(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:515。ESI
-:M-1:513。
<実施例30>rac-6-(1-((4-(ペンタフルオロチオール)フェニル)メチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0341】
【化78】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸15(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:515。ESI
-:M-1:513。
<実施例31>rac-6-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)スピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボン酸
【0342】
【化79】
実施例1と同様の方法ではあるが、中間の酸1の代わりに中間の酸14(1当量)を、工程1での中間のアミン1の代わりにrac-メチル6-アミノスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート塩酸塩(1.5当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:457。ESI
-:M-1:455。
<実施例32>2-(3-(1-(4-(ジフルオロメチル)ベンジル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0343】
【化80】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸14(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:443。ESI
-:M-1:441。
<実施例33>2-(3-(5-フルオロ-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0344】
【化81】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸9(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:461。ESI
-:M-1:459。
<実施例34>2-(3-(1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0345】
【化82】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸16(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:451。ESI
-:M-1:449。
<実施例35>2-(3-(1-[1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0346】
【化83】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸17(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:469。ESI
-:M-1:467。
<実施例36>2-(3-(1-([1、1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0347】
【化84】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸18(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:452。ESI
-:M-1:450。
<実施例37>2-(3-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0348】
【化85】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸19(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:460。ESI
-:M-1:458。
<実施例38>2-(3-(4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0349】
【化86】
実施例1と同様の方法ではあるが、工程1での中間の酸1の代わりに、中間の酸20(1当量)を使用して調製した。ESI
+:M+1:519。ESI
-:M-1:517。
<実施例39>2-(3-(4-フルオロ-1-(4-(ピリジン-4-イル)ベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0350】
【化87】
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ([1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸(1当量、実施例38)、4-ピリジニルボロン酸(3当量)、およびXPhos-パラジウム3世代プレ触媒複合体(0.1当量)をジオキサン(0.14M)中で組み合わせた。結果として生じる黄色の溶液を、15分間、窒素の流れを用いた表面下のパージによって脱酸素化した。その後、カリウムリン酸塩(3当量、2Nの水溶液)を反応混合物に加え、結果として生じる二相性溶液を、さらに15分間、窒素の流れを用いた表面下のパージによってさらに脱酸素化した。その後、反応容器をしっかりと密封して80°Cで12時間加熱した。結果として生じる混合物を室温に冷却し、その後、rpHPLC(C
18、9:1(v/v)のH
2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)にさらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮して、オフホワイトの固形物として表題化合物を得た(53%の収率)。ESI
+:M+1:470。ESI
-:M-1:468。
<実施例40>2-(3-(4-フルオロ-1-(4-モルホリノベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸
【0351】
【化88】
2-(3-(4-フルオロ-1-(4-ヨードベンジル)-1H-インドール-7-カルボキサミド)ビシクロ([1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸(1当量、実施例38)、モルホリン(2当量)、およびRuPhos-パラジウム2世代プレ触媒複合体(0.05当量)、およびナトリウムtert-五酸化物(2.5当量)をジオキサン(0.055M)中で組み合わせた。結果として生じる橙赤色の懸濁液を、15分間、窒素の流れを用いた表面下のパージによって脱酸素化した。その後、反応容器をしっかりと密封して80°Cで12時間加熱した。結果として生じる混合物を室温に冷却し、その後、rpHPLC(C
18、9:1(v/v)のH
2O:MeCN+0.1%のギ酸からMeCN+0.1%のギ酸)に直接さらした。生成物を有する画分を組み合わせ、真空内で濃縮して、オフホワイトの固形物として表題化合物を得た(53%の収率)。ESI
+:M+1:478。ESI
-:M-1:476。
【0352】
上記の実施形態は単に例示であることを意図し、当業者は、日常の実験だけを使用して、特定の化合物、材料および手順の多数の相当物を認識するか、または確認することができる。そのような相当物はすべて、請求される発明特定事項の範囲内であると考えられ、添付の請求項に含まれる。