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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】送風口部品
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/06 20060101AFI20230418BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20230418BHJP
   F24F 13/16 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
F24F13/06 A
F24F13/10 E
F24F13/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022116744
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-11-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322004902
【氏名又は名称】株式会社幸和テック
(73)【特許権者】
【識別番号】522292943
【氏名又は名称】株式会社バローマックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】金山 順建
(72)【発明者】
【氏名】江崎 篤
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-100747(JP,U)
【文献】特開2012-026611(JP,A)
【文献】実開昭58-089725(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/06
F24F 13/10
F24F 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送された空気が通過する吸入口を有するベースと、
前記吸入口と向かい合う貫通孔を有する第1部材と、
前記吸入口と前記貫通孔とが向かい合う方向のうち、前記ベースの側から前記第1部材の側に向かう方向を第1方向としたとき、前記第1部材に対して前記第1方向の側に離れており、前記貫通孔を前記第1方向の側から覆う第2部材と、
を備え、
前記第1部材は、前記貫通孔が設けられた板状の第1プレートを有し、
前記第1プレートは、前記吸入口に対して前記第1方向の側に離れており、
前記第2部材は、前記貫通孔を前記第1方向の側から覆うカバー部と、前記第1プレートに向かい合う板状の第2プレートと、を有し、
前記第2プレートは、前記第1プレートに対して前記第1方向の側に離れており、且つ前記カバー部の外縁より外側に広がっており、
前記カバー部における前記貫通孔側を向く面を内面とし、前記第1方向とは反対方向を第2方向としたとき、前記内面は、前記第2プレートに対して前記第1方向の側に窪んでおり、且つ、前記第1方向に直交する方向において前記カバー部の外縁に近づくほど前記第2方向に位置するように傾斜した面を有する
送風口部品。
【請求項2】
前記ベースに固定されており、前記ベースから前記第1方向に沿って延びるシャフトを備え、
前記第1部材は、前記シャフトを介して前記ベースに連結しており、
前記第1部材は、前記シャフトに対して、前記シャフトが延びる方向に沿って相対移動可能である
請求項1に記載の送風口部品。
【請求項3】
前記ベースに固定されており、前記ベースから前記第1方向に沿って延びるシャフトを備え、
前記第2部材は、前記シャフトを介して前記ベースに連結しており、
前記第2部材は、前記シャフトに対して、前記シャフトが延びる方向に沿って相対移動可能である
請求項1に記載の送風口部品。
【請求項4】
記第1方向を向いて前記ベース及び前記第1部材を視たときに、前記吸入口の範囲内に、前記第1プレートのうち、前記貫通孔の縁を含む一部である内縁部が存在しており、
前記内縁部における前記第2方向の側を向く面は、前記貫通孔から遠ざかるほど前記第1方向に位置する傾斜面を有している
請求項1に記載の送風口部品。
【請求項5】
記カバー部は、前記第1方向を向いて視たときに当該カバー部の中央から前記第2方向に向かって突出する突起を備えており、
前記突起は、前記第2方向に向かうにつれて細くなっている
請求項1に記載の送風口部品。
【請求項6】
前記第1部材は、前記第1方向を向いて前記第1プレートを透視したときに、前記貫通孔を囲うガイド部を有しており、
前記ガイド部は、前記第1プレートの前記第1方向を向く面から、前記第1方向に沿って延びている
請求項1に記載の送風口部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風口部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送風装置が記載されている。送風装置は、ベース部と、カバー部と、備えている。ベース部は、室内における天井面などの設置面に取り付けられて使用される。カバー部は、ベース部を覆っている。そして、カバー部とベース部との間には隙間が存在している。そして、送風装置は、圧送された空気を、カバー部とベース部との間の隙間から設置面に向けて送風する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-204294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の送風装置では、設置面に沿って流れる空気が照明器具及びケーブルなどの障害物に衝突することがある。このように送風装置からの空気が障害物に当たると、設置面に沿って流れようとする空気の流れを妨げることになる。つまり、特許文献1の送風装置では、設置面上に障害物が存在すると、送風装置からの空気が設置面に沿って遠くにまで至りにくくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、圧送された空気が通過する吸入口を有するベースと、前記吸入口と向かい合う貫通孔を有する第1部材と、前記吸入口と前記貫通孔とが向かい合う方向のうち、前記ベースの側から前記第1部材の側に向かう方向を第1方向としたとき、前記第1部材に対して前記第1方向の側に離れており、前記貫通孔を前記第1方向の側から覆う第2部材と、を備え、前記第1部材は、前記貫通孔が設けられた板状の第1プレートを有し、前記第1プレートは、前記吸入口に対して前記第1方向の側に離れており、前記第2部材は、前記第1プレートに向かい合う板状の第2プレートを有し、前記第2プレートは、前記第1プレートに対して前記第1方向の側に離れている送風口部品である。
【0006】
上記構成によれば、吸入口から吸入された空気は、第1プレートとベースとの間の隙間から流れ出すとともに、第1プレートと第2プレートとの間の隙間からも流れ出る。そのため、第1プレートと第2プレートとの間の隙間から流れ出る空気が、第1プレートとベースとの間の隙間から流れ出る空気よりも第1方向の側を流れる。これにより、天井面などの設置面上に障害物が存在していても、送風口部品から流れ出た空気が、設置面に沿って障害物を超えやすくなる。その結果、送風口部品から流れ出た空気が設置面に沿って遠くにまで至りやすくなる。
【発明の効果】
【0007】
送風口部品から流れ出た空気が設置面に沿って遠くにまで至りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、送風システムの概略を示す概略図である。
図2図2は、送風口部品を示す分解斜視図である。
図3図3は、図4の3-3線に沿う送風口部品の断面図である。
図4図4は、送風口部品の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
以下、送風口部品の一実施形態について、図面を参照して説明する。先ず、送風口部品が適用される送風システムの概要について説明する。
【0010】
<送風システム>
図1に示すように、送風システム10は、スーパーマーケットなどの建物Bの天井Cに設置される。送風システム10は、建物Bの室内の空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を建物Bの室内へ送風する。送風システム10は、取入口部品11と、ダクト12と、送風ファン13と、送風口部品14と、を備えている。
【0011】
取入口部品11は、建物Bの天井Cに取り付けられている。取入口部品11は、建物Bの天井C下の空間と、天井C裏の空間と、を繋げている。そのため、取入口部品11は、建物Bの天井C下の空間から、空気を天井C裏の空間へと吸い込むための開口を有している。
【0012】
ダクト12は、建物Bの天井C裏の空間に位置している。ダクト12の上流端は、取入口部品11に繋がっている。ダクト12は、途中で4つに分岐している。なお、図1では、分岐したダクト12のうちの2つを図示している。ダクト12は、取入口部品11から吸い込まれた空気が流れる通路である。
【0013】
送風口部品14は、建物Bの天井Cに取り付けられている。なお、図1では2つの送風口部品14のみを図示しているが、本実施形態では、送風システム10は、送風口部品14を4つ備えている。送風口部品14は、分岐した各ダクト12の下流端に繋がっている。送風口部品14の詳細については、後述する。
【0014】
送風ファン13は、ダクト12の途中に位置している。具体的には、送風ファン13は、ダクト12の分岐点に位置している。送風ファン13は、取入口部品11から空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を送風口部品14へと供給する。送風口部品14へ送り込まれた空気は、送風口部品14を介して建物Bの天井Cの下の空間に圧送される。このように、送風ファン13が駆動することで、ダクト12を、圧送された空気が取入口部品11から送風口部品14へと流れる。
【0015】
<送風口部品>
図2に示すように、送風口部品14は、シャフト20と、ベース30と、第1部材40と、第2部材50と、複数のナット60と、を備えている。
【0016】
シャフト20の表面は、ねじ切りされている。なお、以下では、シャフト20の中心軸を、基準軸AXとする。図3に示すように、ベース30、第1部材40、及び第2部材50は、基準軸AXに沿ってこの順で並んでいる。以下の説明では、基準軸AXに沿う方向のうち、ベース30の側から第1部材40の側へと向かう方向を第1方向D1とする。また、基準軸AXに沿う方向のうち、第1方向D1と反対方向を第2方向D2とする。
【0017】
図4に示すように、ベース30は、嵌め込み部31と、取り付け部32と、設置部33と、を有している。なお、ベース30は、嵌め込み部31、取り付け部32、及び設置部33の一体成形物である。図2に示すように、嵌め込み部31は、円筒状である。嵌め込み部31は、天井Cに設けられる穴に嵌め込まれる。また、嵌め込み部31の中心軸は、シャフト20の基準軸AXと一致する。
【0018】
図4に示すように、取り付け部32は、3つの接続部32Aによって構成されている。接続部32Aは、嵌め込み部31の内面から嵌め込み部31の中心軸、すなわち基準軸AXに向かって延びている。そして、各接続部32Aの先端部は、繋がっている。また、図3に示すように、取り付け部32は、各接続部32Aの先端が繋がった箇所に取り付け穴32Bを有する。取り付け穴32Bは、基準軸AXに沿って貫通している。上述のシャフト20は、取り付け穴32Bを貫通している。
【0019】
図2に示すように、設置部33は、基準軸AXを中心とする円環状である。設置部33は、嵌め込み部31の外面のうちの第1方向D1の端から、外側に向かって広がっている。設置部33のうち、第2方向D2を向く面は、設置面となる例えば天井Cに接する。なお、図示は省略するが、設置部33には、複数のボルト孔が開口している。各ボルト孔において、ボルトによって天井Cに固定される。
【0020】
図3に示すように、ベース30は、圧送された空気が通過する吸入口34を有している。本実施形態では、嵌め込み部31の内周面が吸入口34を区画している。なお、取り付け部32は、吸入口34を完全には塞いでいない。そのため、ダクト12から流れ込む圧送された空気は、吸入口34を通過できる。
【0021】
図3に示すように、第1部材40は、第1プレート41と、取り付け部42と、ガイド部43と、を有している。なお、第1部材40は、第1プレート41、取り付け部42、及びガイド部43の一体成形物である。第1プレート41は、板状である。第1方向D1を向いて第1プレート41を視たときに、第1プレート41の外縁は円状である。第1プレート41は、吸入口34に対して第1方向D1の側に離れている。そのため、第1プレート41と設置部33との間には隙間が存在する。
【0022】
図4に示すように、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第1プレート41の外縁の円中心は、吸入口34の円中心と一致している。また、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第1プレート41の外径は、設置部33の外径よりも大きくなっている。そのため、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第1プレート41の外縁は、設置部33の外縁よりも外側に位置している。
【0023】
また、第1プレート41は、貫通孔44を有している。したがって、第1方向D1を向いて第1プレート41を視たときに、第1プレート41は、円環状になっている。そのため、貫通孔44は、第1プレート41の円環の内縁によって区画されている。また、貫通孔44は、吸入口34と向かい合っている。
【0024】
第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、貫通孔44の円中心は、吸入口34の円中心と一致している。また、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、貫通孔44の直径は、吸入口34の直径よりも小さくなっている。そのため、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、貫通孔44は、吸入口34の範囲内に位置している。
【0025】
図3に示すように、第1プレート41は、基準軸AXに近い側から順に、内縁部41A、本体部41B、及び外縁部41Cに大別される。内縁部41Aは、第1プレート41のうち、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、吸入口34の範囲内に存在する部分である。したがって、内縁部41Aは、貫通孔44の縁を含む。
【0026】
内縁部41Aは、貫通孔44から遠ざかるほど第1方向D1の側に位置するように傾斜している。そのため、内縁部41Aの第2方向D2の側を向く面は、貫通孔44から遠ざかるほど第1方向D1の側に位置する傾斜面となっている。
【0027】
本体部41Bは、基準軸AXに直交する方向に広がっている。また、外縁部41Cは、本体部41Bの外縁から第1プレート41の外縁までの範囲である。外縁部41Cの第2方向D2を向く面は、貫通孔44から遠ざかるほど第2方向D2の側に位置する傾斜面となっている。なお、第1部材40は、第1プレート41の第2方向D2を向く面上に、複数のリブ45を有する。複数のリブ45は、基準軸AXを中心として放射状に延びている。なお、図2では、一部のリブ45にのみ、符号を付している。
【0028】
図4に示すように、取り付け部42は、3つの接続部42Aによって構成されている。接続部42Aは、内縁部41Aにおける第1方向D1の側に位置する面から、延びている。また、接続部42Aは、貫通孔44の中心軸、すなわち基準軸AXに向かって延びている。そして、各接続部42Aの先端部は、繋がっている。また、図3に示すように、取り付け部42は、各接続部42Aの先端部が繋がった箇所に取り付け穴42Bを有する。取り付け穴42Bは、基準軸AXに沿って貫通している。上述のシャフト20は、取り付け穴42Bを貫通している。これにより、第1部材40は、シャフト20を介してベース30に連結している。
【0029】
図3に示すように、ガイド部43は、円筒状である。ガイド部43は、本体部41Bの第1方向D1を向く面から第1方向D1の側へ延びている。ガイド部43の内側の円の円中心は、吸入口34の円中心と一致している。ガイド部43の内径は、吸入口34よりも大きくなっている。また、第1方向D1を向いて第1プレート41を透視したときに、ガイド部43は、貫通孔44を囲んでいる。
【0030】
第2部材50は、貫通孔44を第1方向D1の側から覆っている。第2部材50は、第1部材40に対して第1方向D1の側に離れている。第2部材50は、第2プレート51と、カバー部52と、を有している。なお、第2部材50は、第2プレート51及びカバー部52の一体成形物である。
【0031】
第2プレート51は、板状である。第2プレート51は、第1プレート41に向かい合っている。第2プレート51は、第1プレート41に対して第1方向D1の側に離れている。
【0032】
第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第2プレート51は、円環状である。第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第2プレート51の内側の円の円中心は、吸入口34の円中心と一致している。また、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第2プレート51の内径は、ガイド部43の外径よりも大きくなっている。そのため、第2プレート51は、第1プレート41のうち、本体部41Bの外側の一部と、外縁部41Cと、それぞれ向かい合っている。
【0033】
カバー部52は、貫通孔44を第1方向D1の側から覆っている。カバー部52は、全体として、第1方向D1の側に窪むドーム状となっている。第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、カバー部52の外縁は、第2プレート51の内縁に繋がっている。そのため、カバー部52における貫通孔44側を向く面を内面としたとき、当該内面は、第2プレート51に対して第1方向D1の側に窪んでいる。なお、第2プレート51は、カバー部52の外縁より外側に広がっている。
【0034】
また、カバー部52は、突起53を有している。第1方向D1を向いてカバー部52を視たときに、突起53は、カバー部52の中央から第2方向D2に向かって突出している。突起53は、第2方向D2に向かうにつれて徐々に細くなっている。換言すれば、基準軸AXに直交する仮想面で突起53の断面を視たときに、突起53の断面の外縁に囲われる面積が、仮想面の基準軸AXに沿う位置が第2方向D2の側となるほど小さくなっている。
【0035】
また、カバー部52は、取り付け穴54を有する。取り付け穴54は、突起53の中心を貫通している。上述したシャフト20は、取り付け穴54を貫通している。これにより、第2部材50は、シャフト20を介してベース30に連結している。
【0036】
また、送風口部品14は、複数のナット60を備えている。各ナット60は、シャフト20に固定されている。複数のナット60のうちの2つは、第2部材50の突起53を挟み込んでいる。これにより、シャフト20上において、第2部材50が位置決めされている。また、複数のナット60のうちの1つは、第1部材40の取り付け部42を第1方向D1の側から支持している。これにより、シャフト20上において、第1部材40が位置決めされている。さらに、複数のナット60のうちの2つは、ベース30の取り付け部32を挟み込んでいる。これにより、シャフト20上において、ベース30が位置決めされている。
【0037】
各ナット60は、シャフト20に対して相対回転することにより、基準軸AXに沿って移動可能である。つまり、各ナット60の位置によって、ベース30、第1部材40、及び第2部材50は、シャフト20の基準軸AXに沿う方向に沿って相対移動可能である。なお、第1部材40と第2部材50との位置関係について、ガイド部43の第1方向D1の側の端が、第2プレート51よりも第1方向D1の側となることが好ましい。
【0038】
<実施形態の作用>
送風システム10において、送風ファン13が駆動すると、送風ファン13は、天井C下の室内空間の空気を、取入口部品11からダクト12に吸い込む。また、送風ファン13は、ダクト12から送風口部品14に向かって圧送された空気を送る。
【0039】
そして、送風口部品14の吸入口34から圧送された空気がベース30の内部に入り込む。ベース30に入り込んだ空気の一部は、第1プレート41のうち、内縁部41Aの第2方向D2を向く面にガイドされる。ガイドされた空気は、第1プレート41とベース30の設置部33との間の隙間を流れる。そして、第1プレート41と設置部33との間の隙間を流れる空気は、設置面に沿って流れ出る。
【0040】
一方で、ベース30に入り込んだ空気のうち、第1プレート41と設置部33との間に流れなかった空気は、第1プレート41の貫通孔44を通過する。貫通孔44を通過した空気は、ガイド部43によって第2部材50のカバー部52の窪み空間へとガイドされる。そして、カバー部52の内面を沿うようにして、第2プレート51と第1プレート41との間の隙間に流れる。そして、第2プレート51と第1プレート41との間の隙間を流れる空気は、上述した第1プレート41と設置部33との間の隙間を流れる空気よりも第1方向D1の側を、設置面に沿って流れる。
【0041】
<実施形態の効果>
(1)上記実施形態によれば、送風口部品14の吸入口34から吸入された空気は、第1プレート41とベース30との間の隙間から流れ出るとともに、第1プレート41と第2プレート51との間の隙間からも流れ出る。そのため、第1プレート41と第2プレート51との間の隙間から流れ出る空気が、第1プレート41とベース30との間の隙間から流れ出る空気よりも第1方向D1の側を流れる。これにより、天井Cの設置面上に、照明器具及びケーブルなどの障害物が存在していても、送風口部品14から流れ出た空気が、設置面に沿って障害物を超えやすくなる。その結果、送風口部品14から流れ出た空気が設置面に沿って遠くにまで至りやすくなる。
【0042】
(2)上記実施形態によれば、第1部材40は、シャフト20に対して、基準軸AXに沿う方向に相対移動可能である。そのため、基準軸AXに沿う方向での第1部材40の位置を変えることで、第1プレート41とベース30との間の隙間の大きさを変更できる。また、基準軸AXに沿う方向での第1部材40の位置を変えることで、第1プレート41と第2プレート51との間の隙間の大きさを変更できる。よって、設置面上の障害物の位置及び圧送される空気の強さなどにあわせて、各隙間の大きさを調整できる。
【0043】
(3)上記実施形態によれば、第2部材50は、シャフト20に対して、基準軸AXに沿う方向に相対移動可能である。そのため、基準軸AXに沿う方向での第2部材50の位置を変えることで、第2プレート51と第1プレート41との間の隙間の大きさを変更できる。よって、設置面上の障害物の位置及び圧送される空気の強さなどにあわせて、各隙間の大きさを調整できる。
【0044】
また、上記実施形態によれば、第1部材40及び第2部材50のいずれも、シャフト20に対して、基準軸AXに沿う方向に相対移動可能である。そのため、例えば、第1部材40と第2部材50との基準軸AXに沿う方向の位置関係は変えずに、第1プレート41とベース30との間の隙間の大きさだけを変更できる。
【0045】
(4)上記実施形態によれば、第1プレート41の内縁部41Aの第2方向D2を向く面は、貫通孔44から遠ざかるほど第1方向D1に位置する傾斜面となっている。そのため、吸入口34から送風口部品14に吸入された空気の一部は、第1プレート41の内縁部41Aの傾斜面に沿って流れる。これにより、吸入口34から入り込んだ空気の一部が、第1プレート41とベース30の設置部33との間の隙間に流れ込みやすくなる。よって、ベース30と第1プレート41との間の隙間を流れる空気の量を確保しやすくなる。
【0046】
(5)上記実施形態によれば、第2部材50のカバー部52の内面は、第2プレート51に対して第1方向D1の側に窪んでいる。そのため、吸入口34から貫通孔44を通過して流れる空気は、カバー部52の内面に向かって流れる。そして、カバー部52の内面が第2プレート51に対して第1方向D1の側に窪んでいることで、内面に至った空気が第1プレート41と第2プレート51との間の隙間に向かうときに、第2方向D2へと方向づけられやすい。これにより、第1プレート41と第2プレート51との間の隙間から流れ出る空気は、第1方向D1の側に拡散しにくい。
【0047】
(6)上記実施形態によれば、突起53は、第2方向D2に向かうにつれて細くなっている。これにより、吸入口34から貫通孔44を通過して流れる空気は、突起53の第2方向D2を向く面に沿って、緩やかに流れる向きを変えやすい。そのため、空気が流れる向きを変えることによる損失を比較的に少なくすることができる。その結果、第1プレート41と第2プレート51との間の隙間から流れ出る空気の勢いが弱くなることを抑制できる。
【0048】
(7)上記実施形態によれば、第1部材40は、ガイド部43を有している。ガイド部43によって、吸入口34から貫通孔44を通過して流れた空気を、カバー部52へ向かってガイドできる。その結果、貫通孔44を通過した空気の流れる方向を、カバー部52の内面に沿った方向へと方向づけやすくなる。
【0049】
(8)上記実施形態によれば、第1方向D1を向いて視たときに、第1プレート41の外縁は、設置部33の外縁よりも外側に位置している。設置面における設置部33の外側の近傍には、ほこりなどが溜まりやすい。この点、上記実施形態によれば、第1プレート41が、設置部33よりも広がっていることで、設置部33の外側の近傍に溜まるほこりが、天井C下の室内空間から見えにくくなる。
【0050】
(その他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0051】
・シャフト20に代えて、ベース30、第1部材40、及び第2部材50を別の部材で繋げていてもよい。例えば、ベース30の設置部33から、複数本の柱部が第1方向D1に延びており、当該柱部に第1部材40が繋がっていてもよい。
【0052】
・ベース30は、吸入口34を有していればよい。例えば、ベース30をシャフト20に取り付けない場合には、取り付け部32を省いてもよい。また、設置部33を設置面に直接取り付ける場合には、嵌め込み部31を省いてもよい。さらに、嵌め込み部31によって天井Cに十分に固定できる場合には、設置部33を省いてもよい。
【0053】
・第1方向D1を向いてベース30を視たときに、吸入口34の形状は、円状でなくてもよい。吸入口34を圧送された空気が送風口部品14に入り込むように通過できれば、吸入口34の形状は適宜変更されてもよい。
【0054】
・第1部材40は、ナット60によらずにシャフト20に固定されていてもよい。例えば、第1部材40の取り付け穴42Bの内面がねじ切りされている場合には、第1部材40をシャフト20に直接固定してもよい。この場合であっても、第1部材40をシャフト20に対して相対回転させることで、第1部材40は、シャフト20に対して基準軸AXに沿って相対移動可能である。
【0055】
・第1部材40は、シャフト20に対して基準軸AXに沿って相対移動可能でなくてもよい。例えば、第1部材40は、シャフト20に溶着等で固定されていてもよい。
・第1部材40について、例えば、上述したように、第1部材40をシャフト20に取り付けない場合には、取り付け部42を省いてもよい。
【0056】
・第1プレート41の内縁部41Aの第2方向D2の側を向く面は、傾斜面でなくてもよい。例えば、内縁部41Aの第2方向D2の側を向く面は、本体部41Bと同様に基準軸AXに直交していてもよい。
【0057】
・第1部材40において、第2部材50の形状等にあわせて、ガイド部43の大きさなどを適宜変更してもよい。例えば、ガイド部43の内径は、吸入口34よりも小さくなっていてもよい。この場合、ガイド部43は、内縁部41Aの第1方向D1の側の面から第1方向D1の側へ延びていてもよい。また例えば、ガイド部43の内径は、吸入口34と等しくてもよい。また、ガイド部43を省いてもよい。
【0058】
・第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、第1部材40の貫通孔44の円中心は、必ずしも吸入口34の円中心と一致していなくてもよい。第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、吸入口34の範囲内に、第1プレート41の一部が存在するように、貫通孔44の大きさ及び位置を調整してもよい。この場合、内縁部41Aが傾斜面を有する効果が得られる。なお、第1方向D1を向いて送風口部品14を視たときに、貫通孔44は、吸入口34より大きくてもよい。つまり、内縁部41Aが存在していなくてもよい。
【0059】
・第1方向D1を向いて第1部材40を視たときに、貫通孔44の形状は、円状でなくてもよい。例えば、貫通孔44の形状は、四角形状であってもよい。貫通孔44は、空気が通過できればよい。
【0060】
・第2部材50は、ナット60によらずにシャフト20に固定されていてもよい。例えば、第2部材50の取り付け穴54の内面がねじ切りされている場合には、第2部材50をシャフト20に直接固定してもよい。この場合であっても、第2部材50をシャフト20に対して相対回転させることで、第2部材50は、シャフト20に対して基準軸AXに沿って相対移動可能である。
【0061】
・第2部材50は、シャフト20に対して基準軸AXに沿って相対移動可能でなくてもよい。例えば、第2部材50は、シャフト20に溶着等で固定されていてもよい。
・第2部材50において、第2プレート51は、カバー部52の外縁に直接つながっていなくてもよい。例えば、カバー部52の外縁に、第2プレート51よりも第2方向D2の側に位置する部分が繋がっており、当該部分よりも外側にカバー部52が繋がっていてもよい。この場合であっても、第2プレート51は、カバー部52の外縁の外側で広がっている。
【0062】
・第2部材50において、突起53は、第2方向D2の側ほど細くなっていなくてもよい。突起53は、例えば円柱状であってもよい。
・第2部材50において、カバー部52は、突起53を有していなくてもよい。
【0063】
・カバー部52は、ドーム状に窪んでいなくてもよい。例えば、窪み空間が円柱状になるように窪んでいてもよいし、窪み空間が円錐状になるように窪んでいてもよい。
・カバー部52は、第2プレート51に対して第1方向D1の側に窪んでいなくてもよい。カバー部52の第2方向D2を向く面が、第2プレート51の第2方向D2を向く面と面一であってもよい。
【0064】
・送風システム10の一部として、送風口部品14を用いる場合、送風口部品14の数は、4つに限られない。送風口部品14の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0065】
・送風口部品14は、送風システム10として適用されるものに限られない。例えば、特開2020-204294号公報に記載のように、設置面に取り付けられる装置にファンが内蔵されているものに適用されていてもよい。この例の場合、空気を吸入する吸入口34は、第1部材40及び第2部材50に対して、天井Cとは反対側に位置するように使用される。つまり、上記実施形態では、天井Cに対して、近い側からベース30、第1部材40、第2部材50の順に位置していたが、天井Cに対して、近い側から第2部材50、第1部材40、ベース30、の順に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…送風システム 11…取入口部品 12…ダクト 13…送風ファン 14…送風口部品 20…シャフト 30…ベース 33…設置部 34…吸入口 40…第1部材 41…第1プレート 41A…内縁部 43…ガイド部 44…貫通孔 50…第2部材 51…第2プレート 52…カバー部 53…突起 AX…基準軸 D1…第1方向 D2…第2方向
【要約】
【課題】送風口部品から流れ出た空気が設置面に沿って遠くにまで至りやすくする。
【解決手段】送風口部品14は、ベース30と、第1部材40と、第2部材50と、を備えている。ベース30は、圧送された空気が通過する吸入口34を有している。第1部材40は、板状の第1プレート41を有している。第1プレート41は、貫通孔44を有している。貫通孔44は、吸入口34と向かい合っている。第2部材50は、第1部材40に対して第1方向D1の側に離れている。第2部材50は、貫通孔44を第1方向D1の側から覆っている。第2部材50は、板状の第2プレート51を有している。第2プレート51は、第1プレート41に対して第1方向の側に離れている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4