IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テック技販の特許一覧

特許7264373トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法
<>
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図1
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図2
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図3
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図4
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図5
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図6
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図7
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図8
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図9
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図10
  • 特許-トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】トレッドミルおよびトレッドミルの荷重検出方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/02 20060101AFI20230418BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
A63B22/02
A63B24/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019087701
(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公開番号】P2020182644
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】503061485
【氏名又は名称】株式会社テック技販
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 和美
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 圭
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139975(JP,A)
【文献】特開2014-142294(JP,A)
【文献】特開2002-013972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 22/02
A63B 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回部材における人間が載る走行面の下面側に設けられる載置プレートと
前記周回部材を周回させるモーターと、
前記載置プレートの下方に設けられ、周回部材上を歩行もしくは走行する運動者からのXYZ軸方向の荷重を検出するロードセルと、
を備えてなるトレッドミルにおいて、
前記周回部材に運動者が載っていない状態で前記モーターを異なる回転数で空回りさせ、
当該異なる回転数に基づく周期で生じたXYZ軸方向の荷重を記憶させ、
前記周回部材に運動者が載った状態で所定の回転数で前記モーターを回転させた場合、当該所定の回転数でモーターを回転させた際に生ずる荷重から、前記所定の回転数に基づく周期で生ずる荷重であって、前記所定の回転数に応じて、前記異なる回転数で生じたXYZ軸方向の荷重に対して線形的に変化させた大きさの荷重を除去するノイズ除去部を設けたことを特徴とするトレッドミル。
【請求項2】
周回部材における人間が載る走行面の下面側に設けられる載置プレートと
前記周回部材を周回させるモーターと、
前記載置プレートの下方に設けられ、周回部材上を歩行もしくは走行する運動者からのXYZ軸方向の荷重を検出するロードセルと、
を備えてなるトレッドミルの荷重検出方法において、
前記周回部材に運動者が載っていない状態で前記モーターを異なる回転数で空回りさせ、当該異なる回転数に基づく周期で生じたXYZ軸方向の荷重を記憶するステップと、
前記周回部材に運動者が載った状態で所定の回転数で前記モーターを回転させた場合、当該所定の回転数でモーターを回転させた際に生ずる荷重から、前記所定の回転数に基づく周期で生ずる荷重であって、前記所定の回転数に応じて、前記異なる回転数で生じたXYZ軸方向の荷重に対して線形的に変化させた大きさの荷重を除去するステップと、
を設けたことを特徴とするトレッドミルの荷重検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行運動や走行運動(以下、「走行運動」と総称する)の際に使用されるトレッドミルに関するものであって、より詳しくは、運動時に掛かる荷重などを正確に検出できるようにしたトレッドミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なトレッドミルは、図11に示すように、金属製の載置プレート102上を周回する幅広のベルト101と、そのベルト101を上下方向に周回させるモーター103などを備えて構成されている。そして、図示しない操作パネルを用いて速度を指定することにより、その指定された速度でベルト101を周回させながら、運動者を走行させるようにしている(特許文献1)。
【0003】
ところで、近年では、走行者の運動状態を検出できるようにしたトレッドミルが提案されている。このようなトレッドミルは、ベルトの下方に設けられた載置プレートにロードセルを設け、そのロードセルによって検出された荷重から、その走行者におけるCOP(Center of Pressure)や蹴り出し力などの運動状態を検出できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018―187348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような荷重検出機能を有するトレッドミルにおいて、走行者の運動状態を検出する場合、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、一般的なトレッドミルは、フレームにモーターやローラー、載置プレートなどを設け、これにベルトを周回させるようにしているため、モーターやローラーの回転によって周期的な振動が生じると、その振動がフレームから載置プレートを介してロードセルに伝達されてしまう。また、ベルトを周回させる場合、ベルトの厚みをもった接合部分が載置プレートに摩擦力を与えてしまい、周期的な荷重となって検出されてしまう。このため、運動時におけるノイズの荷重が入り込み、正確な運動状態を把握することができないといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に着目してなされたもので、モーターやローラー、ベルトの回転などに基づくノイズの荷重を除去して、正確に走行者の運動状態を検出できるようにしたトレッドミルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、周回部材における人間が載る走行面の下面側に設けられる載置プレートと前記周回部材を周回させるモーターと、前記載置プレートの下方に設けられ、周回部材上を歩行もしくは走行する運動者からのXYZ軸方向の荷重を検出するロードセルと、を備えてなるトレッドミルにおいて、前記周回部材に運動者が載っていない状態で前記モーターを異なる回転数で空回りさせ、当該異なる回転数に基づく周期で生じたXYZ軸方向の荷重を記憶させ、前記周回部材に運動者が載った状態で所定の回転数で前記モーターを回転させた場合、当該所定の回転数でモーターを回転させた際に生ずる荷重から、前記所定の回転数に基づく周期で生ずる荷重であって、前記所定の回転数に応じて、前記異なる回転数で生じたXYZ軸方向の荷重に対して線形的に変化させた大きさの荷重を除去するノイズ除去部を設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モーターの回転に基づく振動によるノイズを除去することができ、走行者の運動に基づく荷重を正確に検出することができるようになる。これにより、走行者の運動状態を正確に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態を示すトレッドミルの概略図
図2】同形態におけるベルトの繋ぎ目を示す図
図3】同形態における周回部材としてプレート要素を用いた場合の概略図
図4図3におけるトレッドミルを走行面上から見た概略図
図5】プレート要素の裏面を示す図
図6図3におけるトレッドミルを走行面に沿って見た断面概略図
図7】同形態におけるノイズの荷重除去を示すフローチャート
図8】同形態におけるノイズの荷重除去を示すフローチャート
図9】本実施の形態における検出荷重とノイズを除去した荷重を示す比較表
図10】本実施の形態における検出モーメントとノイズを除去したモーメントを示す比較表
図11】従来例におけるトレッドミルを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
この実施の形態におけるトレッドミル1は、図1に示すように、フレーム8に取り付けられたモーター7や、そのモーター7の駆動力によって回転するローラー3などを備えてなるもので、前後に設けられたローラー3にベルト21などの周回部材2を周回させて、ベルト21上で人間に走行させるようにしたものである。そして、特徴的に、その載置プレート4にロードセル5を取り付けて走行者の運動によって生ずる荷重を検出し、その運動状態を把握できるようにするとともに、モーター7の回転によって生ずる周期的なノイズの荷重を除去して、正確に走行者の運動状態を把握できるようにしたものである。以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、トレッドミル1の走行方向をX軸、横幅方向をY軸、体重が掛かる鉛直方向をZ軸として説明する。
【0013】
まず、周回部材2は、無端ベルト21(図1)や、横長状のプレート要素22(図3)を連結して構成される。このとき、周回部材2として無端ベルト21を用いた場合は、図2に示すように、繋ぎ目21aが斜め方向となるように接合しておき、これを前後のローラー3に周回させる。一方、周回部材2として、金属やプラスチックなどのような横長状のプレート要素22で構成した場合は、図3などに示すように、横長状のプレート要素22をX軸方向に沿って並べ、これを左右のベルト24(図6参照)に取り付けて周回させる。このプレート要素22をベルト24で連結させる場合は、図5に示すように、プレート要素22の下面に凹部23を設けるとともに、図6に示すように周回するベルト24の上面に凸部25を形成し、凹部23と凸部25を嵌め合わせてボルトなどで固定しておく。そして、このようなプレート要素22を周回させる際には、前後のローラー3で滑りを生じないように、図3に示すように、ベルト24の下面に凹凸26を形成しておき、これを、ローラー3に形成された図示しない凹凸部に噛み合わせて周回させるようにしておく。これらの周回部材2は、フレーム8に取り付けられたモーター7によって駆動するようになっており、図示しない操作パネルからの入力によって、指定された速度で周回するようになっている。
【0014】
この周回部材2の下面側には、載置プレート4が設けられる。この載置プレート4は、走行面9Uの全面にわたって設けられるものであって、例えば、周回部材2がベルト21で構成されている場合は、ベルト21の左右幅の範囲内に設けられる。また、周回部材2がプレート要素22で構成されている場合は、左右に設けられたベルト24の内側領域に設けられる。これらの載置プレート4の表面には、蹴り出し時や着地時における大きな摩擦を低減させるための加工(例えば、フッ素加工など)が施されるとともに、周回部材2がプレート要素22で構成されている場合は、そのプレート要素22にフェルトなどの摩擦低減部材6を設けて摩擦を低減させるようにしておく。このとき、プレート要素22に摩擦防止部材6を設けるようにする場合、左右に設けられたベルト24上に摩擦防止部材6からの荷重が分散されてしまうため、載置プレート4上にのみ摩擦防止部材6を接触させるようにしておく。
【0015】
一方、この載置プレート4の四隅下方には、ロードセル5が設けられる。このロードセル5は、周知のように、起歪部にひずみゲージを貼り付けてなるものであって、そのひずみゲージのひずみによって抵抗変化を生じさせ、その抵抗変化に基づいて電圧を変化させてXYZ軸方向の荷重や各軸周りのモーメントを検出できるようにしたものである。このように検出された荷重やモーメントにより、運動時における走行者の重心位置や、運動時の重心の振れ、蹴り出し力、着地時に掛かる荷重などを検出し、運動者の運動状態などを把握できるようにする。
【0016】
このように構成されたトレッドミル1を使用する場合、走行者は一定の周期で周回部材2上を走行し、その際、ロードセル5によってその周期でXYZ軸方向の荷重やモーメントが検出される。このとき、Z軸方向の荷重は、蹴り出し時や着地時の鉛直方向の荷重として検出され、X軸方向の荷重は、蹴り出し時や着地時の水平方向の荷重として検出され、Y軸方向の荷重は、左右方向の重心の振れに基づく荷重として検出される。
【0017】
ところで、このロードセル5には、モーター7やローラー3の回転や、周回部材2の周回に基づく振動がフレーム8に伝達され、そのフレーム8に取り付けられた載置プレート4が振動してノイズの荷重として検出される。このとき、モーター7やローラー3からの振動は、偏芯に基づく振動としてロードセル5に伝達され、また、周回部材2がベルト21で構成されている場合は、厚みを有する繋ぎ目21a21aがローラー3に接触するタイミングや、その繋ぎ目21aが載置プレート4に擦動するタイミングでの摩擦によるノイズの荷重として検出される。また、周回部材2がプレート要素22で構成されている場合は、各プレート要素22がローラー3に当たるタイミングで振動が生じ、その振動がロードセル5に伝達される。これらの荷重は、すべてモーター7やローラー3の回転や周回部材2の周回によって生ずるものであるが、その周期は、走行者の足の着地や蹴り出しのタイミングよりも周期が短くなる(周波数が高くなる)。そこで、この周期の違いを利用して、ロードセル5に作用するノイズの荷重を除去する。
【0018】
このようなノイズの荷重を除去する場合、ノイズ除去部51によって次のような方法で除去する。
【0019】
まず、モーター7の回転数に基づく周期で生ずる荷重を除去する。具体的には、モーター7の回転数に基づく周期をF1とした場合、その周期F1に対応する周期で生ずる荷重を除去する。このとき、ノイズには、モーター7の回転による振動のみならず、ローラー3や周回部材2などによる振動も加わるため、ローラー3や周回部材2による振動によって生ずるノイズも除去する。ここで、ローラー3の回転周期をF2とした場合、F2の周期で生ずる荷重も除去するようにしておく。さらには、周回部材2がベルト21で構成されている場合、ベルト21の繋ぎ目21aがローラー3に差し掛かる周期F3で生ずる振動による荷重も除去する。一方、周回部材2がプレート要素22で構成されている場合は、各プレート要素22がローラー3や載置プレート4に当たる周期F4で生ずる荷重を除去する。これらの周期F1~F4は、いずれもモーター7の回転数に依存するものであり、このモーター7の回転数に所定の係数を掛け合わせた値となる。そこで、これらF1~F4の周期で生ずる荷重を除去すべく、人間が周回部材2に載っていない状況(すなわち、空回しの状態)での荷重を検出し、それぞれの周期で生ずるXYZ軸方向荷重を検出して、それを除去する。なお、これらのF1~F4の周期や荷重には、一定の幅を持たせておき、その幅内の周期で生ずる荷重を除去するとよい
【0020】
次に、このように構成されたトレッドミル1による荷重の検出方法について、図7図8のフローチャートを用いて説明する。
【0021】
まず、トレッドミル1を使用する前に、事前にトレッドミル1を空回りさせて(ステップS1)運動者が載っていない状態での荷重を検出する。
【0022】
このとき、モーター7の回転(回転数R1)に基づく周期F1や、ローラー3の回転に基づく周期F2、ベルト21の周回に基づく周期F3、プレート要素22の周回に基づく周期F4とした場合、F1~F4の周期で生ずる荷重W1、W2、W3、W4を検出しておく(ステップS2)。また、これらの荷重は、モーター7の回転が速くなればなるほど、偏芯に基づく振動が大きくなると考えられるため、モーター7の回転数をR2に変えて、各周期F1~F4に基づく荷重W1、W2、W3、W4を検出しておき(ステップS3)、これらを記憶させておく(ステップS4)。
【0023】
そして、このように事前にノイズの荷重を記憶させたのち、走行者にトレッドミル1に載って走行してもらう。
【0024】
この際、走行者に、図示しない操作パネルから走行スピードを設定してもらい(ステップT1)、その入力値に基づいてモーター7を回転数Rで回転させる(ステップT2)。
【0025】
すると、周回部材2が載置プレート4上を周回し、その周回部材2の周期に合わせて、走行者が走行していく。
【0026】
このとき、走行者が周回部材2に接触した瞬間に、載置プレート4の四隅に設けられたロードセル5によって、XYZ軸方向の荷重やモーメントなどが検出される(ステップT3)。この検出された荷重には、モーター7の回転に基づく荷重を含まれているため、F1~F4の周期で生ずる荷重W1~W4を除去する。これらの荷重W1~W4は、モーター7の回転数Rによって変化するため、モーター7の回転数Rに対してノイズの荷重も線形的に変化すると仮定して、モーター7の回転数に応じた大きさのノイズの荷重も除去する(ステップT4)。
【0027】
そして、このようにノイズの除去されたXYZ軸方向の荷重やモーメントを演算部52に出力し、演算部52で運動者の足の重心位置や蹴り出し力・着地による衝撃力などを算出していく(ステップT5)。そして、このように算出された値を時系列で記憶させておき、その運動者の運動状態を把握できるように表や数値として出力させる(ステップT6)。
【0028】
このように上記実施の形態によれば、周回部材2における人間が載る走行面9Uの下面側に設けられる載置プレート4と、前記周回部材2を周回させるモーター7と、前記載置プレート4の下方に設けられ、周回部材2上を歩行もしくは走行する運動者からのXYZ軸方向の荷重を検出するロードセル5と、を備えてなるトレッドミル1において、

前記周回部材2に運動者が載っていない状態で前記モーター7を異なる回転数で空回りさせ、当該異なる回転数に基づく周期で生じたXYZ軸方向の荷重を記憶させ、前記周回部材に運動者が載った状態で所定の回転数で前記モーター7を回転させた場合、当該所定の回転数でモーター7を回転させた際に生ずる荷重から、前記所定の回転数に基づく周期で生ずる荷重であって、前記所定の回転数に応じて、前記異なる回転数で生じたXYZ軸方向の荷重に対して線形的に変化させた大きさの荷重を除去するノイズ除去部51と、を設けるようにしたので、モーター7の回転に基づく振動によるノイズを除去することができ、走行者の運動に基づく荷重を正確に検出することができるようになる。これにより、走行者の運動状態を正確に把握することができるようになる。
【0029】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0030】
例えば、上記実施の形態によれば、人間が走行する場合を例に上げて説明したが、周回部材2上を歩行する場合や、車椅子、杖などを用いて歩行・走行する場合についても適用することができる。
【0031】
また、上記実施の形態では、載置プレート4を水平に設ける場合について説明したが、モーターを用いてこの載置プレート4を含むトレッドミル1の走行面9Uを傾斜させるような機能を持たせてもよい。このような傾斜機能を持たせる場合、走行訓練中にモーターを駆動して傾斜させる際に、そのモーターの回転に基づく振動も生ずる可能性があるため、そのモーターの駆動に基づくノイズも同様にして除去するとよい。
【0032】
さらに、周期的なノイズの荷重を除去する場合、モーター7の回転数に基づく周期の荷重や、閾値よりも高い周波数で生ずる荷重を除去するようにしたが、これ以外の方法でノイズの荷重を除去してもよい。
【実施例1】
【0033】
次に、本発明の実験例について説明する。
【0034】
実験においては、ベルト21を周回させた場合に掛かるノイズを検出するとともに、モーター7の回転数に基づく周期で生ずる荷重や、ローラー3の回転に基づく荷重、ベルト21の繋ぎ目21aが接触することに基づく荷重を除去した荷重やモーメントを検出した。
【0035】
図9図10に示すように、各図の上図においては、実際に走行していないにも関わらず、所定の周期でノイズの荷重(図9)やノイズのモーメント(図10)が検出される。一方、ノイズ除去部でこれらのノイズを除去した場合は、各下図に示すように、ほとんどのノイズの荷重が除去されていることが分かる。
【符号の説明】
【0036】
1・・・トレッドミル
2・・・周回部材
21・・・ベルト
22・・・プレート要素
23・・・凹部
24・・・ベルト
25・・・凸部
26・・・凹凸
3・・・ローラー
4・・・載置プレート
5・・・ロードセル
51・・・ノイズ除去部
52・・・演算部
6・・・フェルト(摩擦防止部材)
7・・・モーター
8・・・フレーム
9U・・・走行面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11