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特許7264374複合構造体、複合構造体の製造方法、及び蓄熱方法
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  • 特許-複合構造体、複合構造体の製造方法、及び蓄熱方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】複合構造体、複合構造体の製造方法、及び蓄熱方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/06 20060101AFI20230418BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
C09K5/06 Z
C09K5/14 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019148794
(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公開番号】P2021031507
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(73)【特許権者】
【識別番号】391009419
【氏名又は名称】美濃窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子
(74)【代理人】
【識別番号】100135987
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 重慶
(74)【代理人】
【識別番号】100168033
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 圭太
(74)【代理人】
【識別番号】100161377
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】北 英紀
(72)【発明者】
【氏名】山下 誠司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 実香子
(72)【発明者】
【氏名】尾関 文仁
(72)【発明者】
【氏名】松岡 鮎美
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-162182(JP,A)
【文献】特開2012-111825(JP,A)
【文献】国際公開第2013/061978(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0194543(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K5/00-5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料からなる内部構造部と、
前記内部構造部を内包する、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスからなるシームレスな外殻部と、
前記内部構造部と前記外殻部の間に配置される中間層と、
(i)前記内部構造部と前記中間層の間、又は(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される緩衝層と、を備え
前記中間層が、窒化ホウ素及び炭素の少なくともいずれかの材料で形成されており、
前記緩衝層が、(1)(i)前記内部構造部と前記中間層の間、若しくは(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される空隙、又は
(2)(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される、前記内部構造部及び前記外殻部に比して熱膨張係数が小さい材料で形成された低熱膨張層である複合構造体。
【請求項2】
前記外殻部よりも内側の部分の全体積に占める、前記緩衝層の割合が、2~50体積%である請求項1に記載の複合構造体。
【請求項3】
前記金属材料の融点が、1,500℃以下である請求項1又は2に記載の複合構造体。
【請求項4】
前記金属材料が、銅、アルミニウム、ニッケル、及び鉄からなる群より選択される少なくとも一種の金属である請求項に記載の複合構造体
【請求項5】
前記金属材料が、ケイ素を含有する請求項1~のいずれか一項に記載の複合構造体。
【請求項6】
蓄熱体として用いられる請求項1~のいずれか一項に記載の複合構造体。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の複合構造体の製造方法であって、
下記工程(i)又は工程(ii)と、
得られた前記被焼成体の少なくとも前記被覆層を加熱して前記外殻部を形成する工程と、を有し、
前記第一の被覆材料が、ケイ素の融点以下の温度で昇華又は焼失する材料であり、
前記第二の被覆材料が、ケイ素の融点以下の温度で収縮若しくは圧潰する材料、又は前記内部構造部及び前記外殻部に比して熱膨張係数が小さい材料である複合構造体の製造方法。
[工程(i)]:前記金属材料からなる成形体の外周面を第一の被覆材料で被覆した後、前記中間層を構成する材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
[工程(ii)]:前記金属材料からなる成形体の外周面を、前記中間層を構成する材料で被覆した後、第一の被覆材料又は第二の被覆材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
【請求項8】
前記第一の被覆材料が、ナフタレン、シュウ酸、ヨウ素、パラジクロロベンゼン、サリチル酸、テレフタル酸、及びセルロース繊維からなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記第二の被覆材料が、アルミナ-シリカファイバー、アルミナファイバー、アルカリアースシリケートファイバー、カーボンファイバー、ジルコニアファイバー、溶融シリカ、β-スポジュメン、チタン酸アルミニウム、及びコーディエライトからなる群より選択される少なくとも一種である請求項に記載の複合構造体の製造方法。
【請求項9】
前記被覆層が炭素をさらに含み、
前記被焼成体の少なくとも前記被覆層をケイ素と接触させた状態で加熱し、反応焼結により前記外殻部を形成する請求項又はに記載の複合構造体の製造方法。
【請求項10】
請求項に記載の複合構造体を前記内部構造部の溶融点以上の温度に加熱して、前記複合構造体に蓄熱させる工程を有する蓄熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱体等として有用な複合構造体及びその製造方法、並びにこの複合構造体を蓄熱体として用いた蓄熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄熱方法の一つとして、相変化に伴う潜熱を利用した潜熱蓄熱が知られている。このような潜熱蓄熱を利用した蓄熱体として、その内部に潜熱蓄熱物質を有するカプセル状の蓄熱体が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、電解めっき法によって潜熱蓄熱材の表面に一層以上の金属製被膜を形成した潜熱蓄熱カプセルが提案されている。また、特許文献2では、相変化により蓄熱又は放熱する水溶性の潜熱蓄熱物質を芯物質とし、この芯物質を無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成された複合カプセル壁で被覆した蓄熱マイクロカプセルが提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3では、糖類等の水溶性蓄熱材からなる芯物質と、この芯物質を被覆する、無機化合物と有機高分子化合物の複合材からなる第一カプセル壁と、この第一カプセル壁を被覆するポリマー材からなる第二カプセル壁とを有する蓄熱マイクロカプセルが提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案された潜熱蓄熱カプセルの金属製被膜は耐熱性が低いため、高温状態での使用時に破れてしまい、内部の蓄熱物質が漏出しやすくなるといった問題があった。また、特許文献2及び3で提案された蓄熱マイクロカプセルのカプセル壁は低密度であるために強度が低い。このため、高温条件下や腐食等を生じやすい過酷な環境下で使用することは困難であった。さらに、上述した従来の蓄熱用のカプセル等はエネルギー密度が小さく、外殻部分の耐熱性が十分でないため、温度差を利用した顕熱を十分に利用することができず、エネルギー密度が小さいという問題もあった。
【0006】
このような問題を解決すべく、例えば、セラミックスからなる一対の中空半球体を分割面で嵌合して形成した外殻中に金属等の内部蓄熱体を内包した蓄熱体が特許文献4で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平11-23172号公報
【文献】特開2007-238912号公報
【文献】特開2009-108167号公報
【文献】特開2012-111825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献4で提案された蓄熱体はエネルギー密度が高く、ある程度有用なものではあった。しかしながら、使用時に、外殻を形成する一対の中空半球体の嵌合箇所から内部へと空気が侵入することがあった。このため、金属等の内部蓄熱体が酸化により劣化しやすいとともに、嵌合箇所の存在により機械的強度が不足するといった課題があった。また、外殻と内部蓄熱体との間にわずかな空隙が存在するため、この空隙が熱抵抗となって昇温速度が低下する場合があった。さらに、特許文献4で開示された製造方法では、図5に示すように、内部蓄熱体80と外殻92,94を個別に作製した後、これらを組み合わせて蓄熱体100とする必要がある。このため、製造工程が煩雑となってコスト高であるとともに、安定した性能を有する蓄熱体を定常的に製造することが困難であった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、昇温特性に優れているとともに、機械的強度が高く、かつ、蓄熱性能を安定的に発揮しうる、蓄熱体等として有用な複合構造体を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の複合構造体を高歩留まりで簡便に製造する方法、及び上記の複合構造体を用いた蓄熱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明によれば、以下に示す複合構造体が提供される。
[1]金属材料からなる内部構造部と、前記内部構造部を内包する、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスからなるシームレスな外殻部と、前記内部構造部と前記外殻部の間に配置される中間層と、(i)前記内部構造部と前記中間層の間、又は(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される緩衝層と、を備えた複合構造体。
[2]前記緩衝層が、(1)(i)前記内部構造部と前記中間層の間、若しくは(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される空隙、又は(2)(ii)前記中間層と前記外殻部の間に配置される、前記内部構造部及び前記外殻部に比して熱膨張係数が小さい材料で形成された低熱膨張層である前記[1]に記載の複合構造体。
[3]前記外殻部よりも内側の部分の全体積に占める、前記緩衝層の割合が、2~50体積%である前記[1]又は[2]に記載の複合構造体。
[4]前記中間層が、窒化ホウ素及び炭素の少なくともいずれかの材料で形成されている前記[1]~[3]のいずれかに記載の複合構造体。
[5]前記金属材料の融点が、1,500℃以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載の複合構造体。
[6]前記金属材料が、銅、アルミニウム、ニッケル、及び鉄からなる群より選択される少なくとも一種の金属である前記[5]に記載の複合構造体
[7]前記金属材料が、ケイ素を含有する前記[1]~[6]のいずれかに記載の複合構造体。
[8]蓄熱体として用いられる前記[1]~[7]のいずれかに記載の複合構造体。
【0011】
また、本発明によれば、以下に示す複合構造体の製造方法が提供される。
[9]前記[1]~[8]のいずれかに記載の複合構造体の製造方法であって、下記工程(i)又は工程(ii)と、得られた前記被焼成体の少なくとも前記被覆層を加熱して前記外殻部を形成する工程と、を有し、前記第一の被覆材料が、ケイ素の融点以下の温度で昇華又は焼失する材料であり、前記第二の被覆材料が、ケイ素の融点以下の温度で収縮若しくは圧潰する材料、又は前記内部構造部及び前記外殻部に比して熱膨張係数が小さい材料である複合構造体の製造方法。
[工程(i)]:前記金属材料からなる成形体の外周面を第一の被覆材料で被覆した後、前記中間層を構成する材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
[工程(ii)]:前記金属材料からなる成形体の外周面を、前記中間層を構成する材料で被覆した後、第一の被覆材料又は第二の被覆材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
[10]前記第一の被覆材料が、ナフタレン、シュウ酸、ヨウ素、パラジクロロベンゼン、サリチル酸、テレフタル酸、及びセルロース繊維からなる群より選択される少なくとも一種であり、前記第二の被覆材料が、アルミナ-シリカファイバー、アルミナファイバー、アルカリアースシリケートファイバー、カーボンファイバー、ジルコニアファイバー、溶融シリカ、β-スポジュメン、チタン酸アルミニウム、及びコーディエライトからなる群より選択される少なくとも一種である前記[9]に記載の複合構造体の製造方法。
[11]前記被覆層が炭素をさらに含み、前記被焼成体の少なくとも前記被覆層をケイ素と接触させた状態で加熱し、反応焼結により前記外殻部を形成する前記[9]又は[10]に記載の複合構造体の製造方法。
【0012】
さらに、本発明によれば、以下に示す蓄熱方法が提供される。
[12]前記[8]に記載の複合構造体を前記内部構造部の溶融点以上の温度に加熱して、前記複合構造体に蓄熱させる工程を有する蓄熱方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、昇温特性に優れているとともに、機械的強度が高く、かつ、蓄熱性能を安定的に発揮しうる、蓄熱体等として有用な複合構造体を提供することができる。また、本発明によれば、上記の複合構造体を高歩留まりで簡便に製造する方法、及び上記の複合構造体を用いた蓄熱方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の複合構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の複合構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。
図3】本発明の複合構造体の製造方法の一実施形態を示す模式図である。
図4】本発明の複合構造体の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。
図5】従来の蓄熱体の製造方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<複合構造体>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の複合構造体は、金属材料からなる内部構造部と、内部構造部を内包する、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスからなるシームレスな外殻部と、内部構造部と外殻部の間に配置される中間層と、(i)内部構造部と中間層の間、又は(ii)中間層と外殻部の間に配置される緩衝層とを備える。以下、本発明の複合構造体の詳細について説明する。
【0016】
図1は、本発明の複合構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す実施形態の複合構造体10は、内部構造部2と、この内部構造部2を内包するシームレスな外殻部4とを備える。内部構造部2と外殻部4の間には、中間層6が配置されている。そして、内部構造部2と中間層6の間には、緩衝層8が配置されている。
【0017】
図2は、本発明の複合構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。図2に示す実施形態の複合構造体20は、内部構造部2と、この内部構造部2を内包するシームレスな外殻部4とを備える。内部構造部2と外殻部4の間には、中間層6が配置されている。そして、中間層6と外殻部4の間には、緩衝層28が配置されている。
【0018】
(内部構造部)
複合構造体を構成する内部構造部は金属材料によって形成されており、主として内部蓄熱体として機能する部分である。複合構造体を1,000~1,500℃の温度域の廃熱を回収して再利用する蓄熱体として用いる場合を考慮すると、内部構造部を構成する金属材料の融点は1,500℃以下であることが好ましく、1,000~1,400℃であることがさらに好ましい。このような金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、及び鉄などを挙げることができる。これらの金属材料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
内部構造部を構成する金属材料は、ケイ素を含有することが好ましい。後述する複合構造体の製造方法では、金属材料からなる成形体の外周面を被覆層等で順次被覆した被焼成体を所定温度に加熱する。このため、固体から液体への相変態の際に収縮するケイ素を金属材料に含有させておくことで、加熱に伴って溶融した金属材料の過度の膨張を抑制することができる。これにより、得られる複合構造体に欠損等が生じにくくなるとともに、得られる複合構造体の熱伝導性等の特性をさらに向上させることができる。
【0020】
内部構造部を構成する金属材料がケイ素を含有する場合において、金属材料中のケイ素の含有量は、2~35質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがさらに好ましく、10~25質量%であることが特に好ましい。金属材料中のケイ素の含有量が2質量%未満であると、ケイ素を含有させることによって得られる効果が不十分になる。一方、金属材料中のケイ素の含有量が35質量%超であると、ケイ素の特性が顕在化しやすく、金属材料自体の熱的特性等が不十分になる場合がある。
【0021】
(外殻部)
複合構造体を構成する外殻部は、炭化ケイ素を主成分として含有するセラミックスによって形成されている。このセラミックスに主成分として含まれる炭化ケイ素は、例えば、反応焼結によって形成することができる。複合構造体は、このようなセラミックスによって形成された外殻部によって内部構造部を被覆したものであるため、良好な昇温特性を有するとともに、優れた機械的強度を示す。外殻部を形成するセラミックスに含まれる炭化ケイ素の量は特に限定されないが、50体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがさらに好ましい。
【0022】
また、外殻部は、嵌合部、接合部、又は隙間等が実質的に存在しない、いわゆるシームレスな部分である。このため、外殻部を通じて外部から空気が侵入しにくく、内部構造部が劣化しにくい。さらに、外殻部に嵌合部や隙間が実質的に存在しないことから、優れた機械的強度が発揮される。
【0023】
(中間層)
複合構造体は、内部構造部と外殻部の間に配置される中間層をさらに備える。後述する複合構造体の製造方法では、金属材料からなる成形体の外周面を被覆層等で順次被覆した被焼成体を所定温度に加熱する。このため、所定箇所に中間層を配置することで、加熱に伴って溶融した金属材料の膨張により生ずる応力を緩衝することができる。すなわち、中間層は、金属材料の膨張により生ずる応力を緩和する緩衝層としての機能を具備する。また、中間層を配置することで、加熱に伴って溶融した金属材料が外部に流出しやすくなるのを抑制することも期待される。すなわち、中間層は、遮蔽層としての機能をも具備する。中間層を配置することで、得られる複合構造体に欠損等が生じにくくなるとともに、得られる複合構造体の熱伝導性等の特性を向上させることができる。
【0024】
中間層の厚みは特に限定されないが、3mm以下とすることが好ましく、1mm以下とすることがさらに好ましい。中間層の厚みが3mm超であると、外部から内部構造部への熱伝導が阻害されやすくなる場合がある。
【0025】
中間層を構成する材料としては、窒化ホウ素、炭素等を挙げることができる。これらの材料は、一種単独で又は二種を組み合わせて用いることができる。
【0026】
(緩衝層)
複合構造体は、所定の箇所に配置される緩衝層をさらに備える。緩衝層が配置される箇所は、具体的には、(i)内部構造部2と中間層6の間(図1)であるか、又は(ii)中間層6と外殻部4の間(図2)である。後述する複合構造体の製造方法では、金属材料からなる成形体の外周面を被覆層等で順次被覆した被焼成体を所定温度に加熱する。このため、所定箇所に緩衝層を配置することで、加熱に伴って溶融した金属材料の膨張により生ずる応力を緩衝することができる。
【0027】
緩衝層の具体例としては、内部構造部と中間層の間、又は中間層と外殻部の間に配置される空隙(すなわち、空気(気体)層)を挙げることができる。緩衝層が空隙である場合、空隙が配置される箇所は、内部構造部と中間層の間であることが好ましい。また、緩衝層のさらなる具体例としては、中間層と外殻部の間に配置される、内部構造部及び外殻部に比して熱膨張係数が小さい材料で形成された低熱膨張層を挙げることができる。このような低熱膨張層を緩衝層として配置することでも、加熱に伴って溶融した金属材料の膨張により生ずる応力を緩衝することができるために好ましい。
【0028】
低熱膨張層を形成する材料としては、内部構造部及び外殻部の熱膨張係数との関係を考慮し、適宜選択して用いることができる。低熱膨張層を形成する材料としては、例えば、溶融シリカ、β-スポジュメン、チタン酸アルミニウム、及びコーディエライト等を挙げることができる。これらの材料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
緩衝層の量や厚みについては、緩衝層としての機能が発揮されるか、或いは複合構造体の熱伝導性等の特性が阻害されないか等の事情を勘案して適宜設定すればよい。具体的には、室温条件下において、外殻部よりも内側の部分の全体積に占める、緩衝層の割合(緩衝層割合)は、2~50体積%であることが好ましく、5~45体積%であることがさらに好ましく、8~42体積%であることが特に好ましい。なお、「外殻部よりも内側の部分の全体積」には、外殻部の体積は含まれない。また、緩衝層が空隙である場合、「外殻部よりも内側の部分の全体積」には、空隙の体積が含まれる。緩衝層割合が小さすぎると、緩衝層としての機能が十分に発揮されない場合があり、加熱に伴って溶融した金属材料の膨張により生ずる応力を十分に緩衝できなくなることがある。一方、緩衝層割合が大きすぎると、複合構造体の熱伝導性等の特性がやや低下する場合があるとともに、複合構造体の機械的強度が不足することがある。
【0030】
本発明の複合構造体は、(i)堅牢でシームレスな外殻部、及び(ii)この外殻部に内包された金属材料からなる内部構造部、といった、物理的にも化学的にも顕著に相違する二つの構造部分を備える。このため、本発明の複合構造体は、その特性を生かし、例えば、鉄鋼の転炉などの1,000℃以上の高温かつ腐食しやすい過酷な環境下で廃熱回収するための蓄熱体;輻射を利用した発熱体等として有用である。その他、本発明の複合構造体が、耐食性に優れているとともに熱伝導率が高いものであることを利用すれば、触媒基材、放熱基板、及び熱交換機への適用も期待される。
【0031】
<複合構造体の製造方法>
次に、本発明の複合構造体の製造方法について説明する。本発明の複合構造体の製造方法は、上述の複合構造体を製造する方法であり、被焼成体を得る工程(工程(1))と、得られた被焼成体の少なくとも被覆層を加熱して外殻部を形成する工程(工程(2))とを有する。工程(1)は、具体的には、下記工程(i)又は工程(ii)である。以下、本発明の複合構造体の製造方法の詳細について説明する。
[工程(i)]:金属材料からなる成形体の外周面を第一の被覆材料で被覆した後、中間層を構成する材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
[工程(ii)]:金属材料からなる成形体の外周面を、中間層を構成する材料で被覆した後、第一の被覆材料又は第二の被覆材料で被覆し、さらに、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆して被焼成体を得る工程。
【0032】
(工程(1))
[工程(i)]
工程(i)では、まず、金属材料からなる成形体の外周面を第一の被覆材料で被覆する。成形体を構成する金属材料としては、内部構造部を形成するための前述の金属材料と同様のものを挙げることができる。第一の被覆材料は、ケイ素の融点以下の温度で昇華又は焼失する材料である。後述の工程(2)で加熱して焼成すると、第一の被覆材料は昇華又は焼失するので、内部構造部と中間層の間に空隙(緩衝層)を形成することができる。したがって、金属材料の加熱膨張により生じた応力を緩衝層で緩衝(吸収、緩和)することができるので、外殻部に亀裂等の不具合が生じにくくなり、高い歩留まりで複合構造体を製造することができる。
【0033】
第一の被覆材料としては、昇華性物質及び焼失性物質等を挙げることができる。第一の被覆材料のさらなる具体例としては、ナフタレン、シュウ酸、ヨウ素、パラジクロロベンゼン、サリチル酸、テレフタル酸、及びセルロース繊維等を挙げることができる。これらの材料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
成形体の外周面を第一の被覆材料で被覆した後、中間層を構成する材料(中間層用材料)でさらに被覆する。具体的には、窒化ホウ素や炭素等の中間層用材料の粉末を適当な分散媒(水、エタノール等)に分散させて得られるスラリーを塗布すればよい。次いで、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆することで、被焼成体を得ることができる。
【0035】
[工程(ii)]
工程(ii)では、まず、金属材料からなる成形体の外周面を、中間層を構成する材料(中間層用材料)で被覆する。具体的には、窒化ホウ素や炭素等の中間層用材料の粉末を適当な分散媒(水、エタノール等)に分散させて得られるスラリーを塗布すればよい。成形体を構成する金属材料としては、内部構造部を形成するための前述の金属材料と同様のものを挙げることができる。成形体の外周面を中間層用材料で被覆した後、第一の被覆材料又は第二の被覆材料でさらに被覆する。次いで、炭化ケイ素を含む被覆層で被覆することで、被焼成体を得ることができる。
【0036】
第一の被覆材料は、ケイ素の融点以下の温度で昇華又は焼失する材料である。後述の工程(2)で加熱して焼成すると、第一の被覆材料は昇華又は焼失するので、中間層と外殻部の間に空隙(緩衝層)を形成することができる。したがって、金属材料の加熱膨張により生じた応力を緩衝層で緩衝(吸収、緩和)することができるので、外殻部に亀裂等の不具合が生じにくくなり、高い歩留まりで複合構造体を製造することができる。第一の被覆材料としては、前述の工程(i)で用いることができるものと同様のものを用いることができる。
【0037】
第二の被覆材料は、ケイ素の融点以下の温度で収縮若しくは圧潰する材料、又は内部構造部及び外殻部に比して熱膨張係数が小さい低熱膨張材料である。ケイ素の融点以下の温度で収縮又は圧潰する材料を第二の被覆材料として用いた場合、後述の工程(2)で加熱して焼成することで、中間層と外殻部の間に空隙を形成することができる。一方、低熱膨張材料を第二の被覆材料として用いた場合、後述の工程(2)で加熱して焼成することで、中間層と外殻部の間に低熱膨張層である緩衝層を形成することができる。いずれの場合であっても、金属材料の加熱膨張により生じた応力を緩衝層で緩衝(吸収、緩和)することができるので、外殻部に亀裂等の不具合が生じにくくなり、高い歩留まりで複合構造体を製造することができる。第二の被覆材料としては、アルミナ-シリカファイバー、アルミナファイバー、アルカリアースシリケートファイバー、カーボンファイバー、ジルコニアファイバー、溶融シリカ、β-スポジュメン、チタン酸アルミニウム、及びコーディエライト等を挙げることができる。これらの材料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
図3は、本発明の複合構造体の製造方法の一実施形態を示す模式図である。被焼成体を得るには、まず、金属材料からなる成形体12の外周面上に、第一の被覆材料60及び中間層用材料62を順次付与して被覆した後、炭化ケイ素及び炭素を含有する粉体層14を形成して、粉体被覆物16を得る(図3(A)、(B))。この粉体層14は、例えば、炭化ケイ素の粉末及び炭素の粉末を適当な分散媒(水、エタノール等)に分散させて得られるスラリーを中間層用材料62の外周面上に塗布することで形成することができる。得られた粉体被覆物16を回転混合器19のチャンバー18に入れ、チャンバー18を回転させて粉体被覆物16を転動させる(図3(C))。これにより、粉体層よりも緻密な被覆層22が形成された被焼成体30を得ることができる(図3(D))。
【0039】
また、以下の方法によって被焼成体を得ることもできる。図4は、本発明の複合構造体の製造方法の他の実施形態を示す模式図である。まず、金属材料からなる成形体12の外周面上に第一の被覆材料60及び中間層用材料62を順次付与して得た成形体64の形状に対応する、炭化ケイ素及び炭素を含有する外殻成形体32a,32bを製造する(図4(A))。そして、製造した外殻成形体32a,32bの内部に成形体64を収容すれば、金属材料からなる成形体12の外周面が被覆層34で被覆された被焼成体40を得ることができる(図4(B))。外殻成形体32a,32bは、例えば、炭化ケイ素の粉末及び炭素の粉末を適当なバインダーと混合した後、成形及び脱脂等することによって製造することができる。なお、図4(A)、(B)に示すような2以上の外殻成形体32a,32bを製造する場合、これらの当接部には、例えば、嵌合部42を構成するためのネジ部を形成しておくことが好ましい。
【0040】
(工程(2))
工程(2)では、工程(1)で得た被焼成体の少なくとも被覆層を加熱する。具体的には、被覆層が炭素をさらに含むとともに、図3(E)及び図4(C)に示すように、ケイ素を入れた容器に被焼成体30,40を入れ、所定の温度に加熱することが好ましい。ケイ素の融点は約1,400℃であるため、1,500℃前後に加熱することでケイ素は溶融して溶融ケイ素50となる。これにより、被焼成体30,40の被覆層22,34をケイ素に接触させた状態で加熱することができる。溶融状態となったケイ素(溶融ケイ素50)は被覆層22,34に浸透するとともに、炭素と反応焼結して炭化ケイ素が形成される。これにより、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスからなる外殻部4が形成され、複合構造体10を得ることができる(図3(F)及び図4(D))。
【0041】
なお、図4(C)及び(D)に示すように、嵌合部42の隙間にも溶融ケイ素が含浸するため、含浸したケイ素と炭素が反応して炭化ケイ素が形成される。これにより、嵌合部42の隙間は実質的に消失し、シームレスな外殻部4を形成することができる。
【0042】
<蓄熱方法>
次に、本発明の蓄熱方法について説明する。本発明の蓄熱方法は、前述の複合構造体を蓄熱体として使用する方法である。すなわち、本発明の蓄熱方法は、前述の複合構造体(蓄熱体)を内部構造部の溶融点以上の温度に加熱して、複合構造体に蓄熱させる工程(蓄熱工程)を有する。
【0043】
蓄熱工程では、例えば、溶融前の内部構造部の顕熱、溶融前の内部構造部の潜熱、溶融状態の内部構造部の顕熱、及び外殻部の顕熱の総和の熱量(蓄熱体の全熱量)に対して、外殻部の顕熱の蓄熱量が20%以上となるように、複合構造体を加熱して蓄熱させることが好ましい。このような蓄熱方法によれば、溶融前の内部構造部の顕熱、溶融前の内部構造部の潜熱、溶融状態の内部構造部の顕熱、及び外殻部の顕熱の全てを利用することができ、エネルギー密度の高い蓄熱を実現することができる。なお、これらの顕熱及び潜熱は、下記式(1)を用いて算出することができる。そして、算出した顕熱及び潜熱に基づき、複合構造体を加熱する温度を決定することができる。
【0044】
【0045】
上記式(1)中、Tiは初期温度、Teは最終温度、mは質量、Cpsは固定状態における比熱、Cplは液体状態における比熱、Lは潜熱を示す。
【実施例
【0046】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0047】
<複合構造体の製造>
(実施例1~8、比較例1)
内部構造部となる直径12mmの金属銅の球体を用意した。この球体の表面に、有機バインダーを接着剤として使用してナフタレンの粉末を付与し、任意の厚さ(0~2.14mm)のナフタレン層を形成した。次いで、スラリー状及び粉末状の窒化ホウ素(BN)をナフタレン層の上に塗布し、厚さ約1mmのBN層を形成し、コア成形体を得た。
【0048】
炭化ケイ素(SiC)粉末及びカーボン(C)粉末を、SiC:C=11:2の質量比となるように秤量するとともに、混合して混合粉末を得た。得られた混合粉末に分散媒として水を添加してスラリーを調製した。調製したスラリーをコア成形体の表面に塗布した。同一成分の混合粉末を所定量投入した回転混合機のチャンバーに、その表面にスラリーを塗布したコア成形体を入れた。回転混合器のチャンバーを回転させてコア成形体を転動させ、コア成形体の外周面上に炭化ケイ素及び炭素を含む被覆層が形成された被焼成体を得た。得られた被焼成体は、その直径が約20mmの球体であった。
【0049】
ケイ素粉末を敷いた黒鉛容器内に被焼成体を入れ、アルゴンガス中、1,550℃まで加熱昇温した。ケイ素の融点は約1,400℃である。このため、溶融状態となったケイ素が被覆層を構成する炭化ケイ素粉末の間隙に浸透するとともに、炭素と反応して炭化ケイ素が形成された(反応焼結)。これにより、図1に示すような層構成を有する、炭化ケイ素を主成分とする外殻部を備える複合構造体を得た。なお、加熱により内部構造部も一時溶融するが、外部に流出する等してその形状を失うことはなかった。得られた複合構造体は、その直径が約20mmの球体であった。すなわち、反応焼結により実質的な寸法収縮は生じなかった。
【0050】
(実施例9~16、比較例2)
内部構造部となる直径12mmの金属銅の球体を用意した。この球体の表面に、スラリー状及び粉末状の窒化ホウ素(BN)を塗布し、厚さ約1mmのBN層を形成した。次いで、有機バインダーを接着剤として使用して溶融シリカの粉末をBN層上に付与し、任意の厚さ(0~2.14mm)の溶融シリカ層を形成してコア成形体を得た。
【0051】
炭化ケイ素(SiC)粉末、シリコン(Si)粉末、及びアルミナセメントを、SiC:Si:アルミナセメント=90:6:4の質量比となるように秤量するとともに、混合して混合粉末を得た。得られた混合粉末に分散媒として水を添加してスラリーを調製した。調製したスラリーを球状の型枠の半分程度まで満たした後、コア成形体を型に挿入し、さらにコア成形体を包み込むように上からスラリーを流し込んだ。室温で24時間養生してスラリーを硬化させた後、脱型及び乾燥して被焼成体を得た。得られた被焼成体は、その直径が約20mmの球体であった。
【0052】
黒鉛容器内に被焼成体を入れ、アルゴンガス中、1,200℃まで加熱昇温した。冷却後、さらに大気雰囲気にて1、000℃まで加熱昇温した。この操作により、外殻中のシリコン(Si)が酸化してガラス化し、形成される外殻部の表面を緻密化させることができる。これにより、図2に示すような層構成を有する、炭化ケイ素を主成分とする外殻部を備える複合構造体を得た。なお、加熱により内部構造部も一時溶融するが、外部に流出する等してその形状を失うことはなかった。得られた複合構造体は、その直径が約20mmの球体であった。
【0053】
<評価>
(緩衝層割合の測定)
以下に示す手順にしたがって、室温条件下における、外殻部よりも内側の部分の全体積に占める、緩衝層の割合(緩衝層割合)を測定した。測定結果を表1及び2に示す。緩衝層割合を測定するには、まず、製造後の複合構造体の中心を通る線上で一直線に切断加工して断面の写真を撮影する。次いで、撮影した写真を画像処理して算出した緩衝層の面積から、緩衝層割合を求めた。
【0054】
(外殻部における亀裂の有無の確認)
製造直後の複合構造体(n=100)の外殻部に亀裂が生じているか否かを目視にて確認した。また、製造した複合構造体(n=100)を約1,000℃に加熱した炉内に投入し、1時間保持した後、冷却した。加熱及び冷却のサイクルを10サイクル実施した後、外殻部に亀裂が生じているか否かを目視にて確認した。結果を表1及び2に示す。
【0055】
(昇温特性)
製造した複合構造体の中心部に直径0.5mmの穴をあけた。あけた穴を通じて、その先端が内部構造部の中心に位置するように熱電対を挿入した。約1,150℃に加熱した炉内に熱電対を挿入した状態の複合構造体を投入した。中心部の温度がほぼ一定となるまでの時間(到達時間)を測定し、昇温特性の指標とした。到達時間の測定結果を表1及び2に示す。
【0056】
(機械的強度)
強度試験機を使用し、製造した複合構造体に圧縮荷重を付与した。複合構造体が破壊した時点の荷重(圧壊荷重)を測定し、機械的強度の指標とした。圧壊荷重の測定結果を表1及び2に示す。
【0057】
【0058】
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の複合構造体は、例えば、鉄鋼の転炉などの1,000℃以上の高温かつ腐食しやすい過酷な環境下で廃熱回収するための蓄熱体として有用である。
【符号の説明】
【0060】
2:内部構造部
4:外殻部
6:中間層
8,28:緩衝層
10,20:複合構造体
12:(金属材料からなる)成形体
14:粉体層
16:粉体被覆物
18:チャンバー
19:回転混合器
22,34:被覆層
30,40:被焼成体
32a,32b:外殻成形体
42:嵌合部
50:溶融ケイ素
60:第一の被覆材料
62:中間層用材料
64:成形体
80:内部蓄熱体
92,94:外殻
100:蓄熱体

図1
図2
図3
図4
図5