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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】マネキン用のドッキング装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 23/28 20060101AFI20230418BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
G09B23/28
G09B9/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020527933
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018083948
(87)【国際公開番号】W WO2019110789
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】15/836,236
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503206994
【氏名又は名称】レールダル メディカル エー エス
【氏名又は名称原語表記】Laerdal Medical AS
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】テデシ ベン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス ポール
(72)【発明者】
【氏名】セイン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ポリカンテ ジョルジオ
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-000334(JP,A)
【文献】米国特許第08827720(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56
17/00-19/26
23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マネキン用の肢部と胴体とのドッキング装置であり、
マネキンの肢部または胴体と接続するための第1の接続部(1)と、
マネキンの肢部または胴体の相手側と接続するための第2の接続部(20)と、
を備える、肢部と胴体とのドッキング装置であって、
前記第1の接続部(1)は、前記第1の接続部(1)から突出するピン(3)およびガイド要素(4a、4b、4c)と、肢部および胴体を接続するための第1のプラグ部(5)と、を備え、
前記第2の接続部(20)は、前記第1の接続部(1)のピン(3)およびガイド要素(4a、4b、4c)をそれぞれ受け入れるように適合された開口(21)および溝(22a、22b、22c)を備え、前記第2の接続部(20)は、第2のプラグ部(23)をさらに備え、前記第1のプラグ部(5)および前記第2のプラグ部(23)は、前記第1の接続部(1)と前記第2の接続部(20)とが接続されるときに前記第1のプラグ部(5)と前記第2のプラグ部(23)とが嵌合するように、前記第1の接続部(1)および前記第2の接続部(20)上にそれぞれ配置され、
前記肢部と胴体とのドッキング装置は、嵌合後に前記第1の接続部(1)と第2の接続部(20)とを一緒にロックするように適合されたロック装置(25、6、28、29)をさらに備え、
前記ロック装置(25、6、28、29)は、前記第1の接続部()上に配置された第1のロック部(3)と、前記第2の接続部(20)の静止部(24)に回転可能に取り付けられた第2のロック部(25)とを備え、前記第2のロック部(25)は、前記第1の接続部(1)と前記第2の接続部(20)とを一緒にロック位置にロックするために前記第1のロック部()に向かって回転し、係合するように適合され、
前記第1の接続部(1)は、リンク(10)および接続部分(2)をさらに備え、前記リンク(10)は、前記肢部と前記接続部分(2)との間の旋回可能な継手を形成する、
ことを特徴とする、肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項2】
前記第2のロック部(25)は、ハンドル(26a)および、スロット(26c)を有する固定部(26b)をさらに備え、前記第1のロック部は、前記ピン(3)における凹部(6)として形成され、前記スロット(26c)および前記凹部(6)は、前記第1の接続部(1)と前記第2の接続部(20)とが一緒に接続されるときにロック位置に向かって前記第2のロック部(25)が回転するとき、前記スロット(26c)が前記凹部(6)とスライドして係合するように配置される、請求項1に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項3】
前記第1の接続部(1)は、少なくとも2つのガイド要素(4a、4b、4c)を備え、前記第2の接続部(20)は、少なくとも2つの対応する溝(22a、22b、22c)を備え、前記ガイド要素(4a、4b、4c)および前記溝(22a、22b、22c)は、前記第1の接続部(1)と前記第2の接続部(20)とが接続されるときに嵌合するように適合される、請求項1または2に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項4】
前記リンク(10)は、前記肢部と前記リンク(10)との間の第1の旋回可能な継手(11)と、前記リンク(10)と前記第1の接続部(1)の前記接続部分(2)との間の第2の旋回可能な継手(12)とを備える、請求項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項5】
前記肢部は、第1および第2の旋回可能な継手(11、12)を通って延びる平面内に配置された第1の軸(C)の周りに旋回可能であり、前記肢部は、第1および第2の旋回可能な継手(11、12)を通って延びる平面内に配置された第2の軸(B)の周りに旋回可能であり、第1の軸(C)および第2の軸(B)は、前記平面内に互いに垂直に配置される、請求項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項6】
前記ドッキング装置は、さらなるロック機構をさらに備え、前記さらなるロック機構は、前記第2の接続部(20)の固定部(26b)上に配置されたガイドレール(28)、および静止部(24)上に配置されたレシーバ(29)を有し、前記レシーバ(29)は、前記第2のロック部(25)がロック位置に移動するときに前記ガイドレール(29)を受け入れるように適合される、請求項2~のいずれか1項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項7】
前記ピン(3)は、前記第1の接続部(1)の中心軸(A)に沿って突出し、前記中心軸(A)は、前記リンク(10)の第1および第2の旋回可能な継手(11、12)を通って延びる平面に垂直である、請求項のいずれか1項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項8】
前記第1の接続部(1)は、マネキンの大腿部に接続される、請求項1~のいずれか1項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項9】
前記第2の接続部(20)は、骨盤に固定して取り付けられるか、または骨盤の一体化部分を形成する、請求項1~のいずれか1項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【請求項10】
肢部と胴体とを接続する第1のプラグ部(5)は、電気的、空気圧的、または流体的の少なくとも1つである、請求項1~のいずれか1項に記載の肢部と胴体とのドッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マネキンの肢部と胴体との間のドッキング装置に関する。本発明は、特に、取り外し可能な手足を有する看護技能訓練用マネキン、および特にマネキンの骨盤と大腿部との間の接続、に関する。しかし、ドッキング装置は、肩と腕との間の接続など、マネキンの他の部分に適用することも可能である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、医学訓練目的を狙った医学教育モデルまたはマネキンの分野に属する。
【0003】
本発明の主な目的は、従来技術の装置の欠点を克服する取り外し可能な肢部を備えたマネキンを提供することである。
【0004】
本発明の目的は、マネキンを保管および輸送しやすくするために各四肢の部分を主要関節で分解することができる、取り外し可能な四肢を有する看護技能訓練用マネキンを提供することである。
【0005】
別の目的は、ツールを使用せずにシンプルで使いやすい取り外し可能な四肢を有するマネキンを提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、マネキンの骨盤と大腿部との間の確実な接続を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、人間の大腿部と同じ動きをシミュレートする接続を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、電気的、空気圧的およびおそらく液体的などのさまざまな動作のために、骨盤から大腿部にさまざまな信号を転送するための接続を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、肩および腕などのマネキンの他の部分間の確実な接続を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、マネキンの肢部と接続するための第1の接続部と、マネキンの胴体と接続するための第2の接続部とを備える、マネキン用の肢部と胴体とのドッキング装置に関する。第1の接続部は、第1の接続部から突出するピンおよびガイド要素と、肢部および胴体を接続する第1のプラグ部と、を備え、第2の接続部は、第1の接続部のピンおよびガイド要素をそれぞれ受け入れるように適合された開口および溝と、第2のプラグ部と、を備え、第1のプラグ部および第2のプラグ部は、第1の接続部と第2の接続部とが接続されるときに第1のプラグ部と第2のプラグ部とが嵌合するように、第1の接続部および第2の接続部上にそれぞれ配置され、ドッキング装置は、接続後に第1の接続部と第2の接続部とを一緒にロックするように適合されたロック装置をさらに備える。
【0012】
好ましい実施形態では、ロック装置は、第1の接続部上に配置された第1のロック部と、第2の接続部の静止部に回転可能に取り付けられた第2のロック部とを備える。
【0013】
さらに別の好ましい実施形態では、第2のロック部は、ハンドルおよび、スロットを有する部分をさらに備え、第1のロック部は、ピンにおける凹部として形成され、スロットおよび凹部は、第1の接続部と第2の接続部とが一緒にロックされるロック位置に向かって第2のロック部が回転するとき、スロットが凹部内でスライドするように配置される。
【0014】
別の好ましい実施形態では、第1の接続部は少なくとも2つのガイド要素を備え、第2の接続部は少なくとも2つの対応する溝を備え、ガイド要素および溝は、第1の接続部と第2の接続部とが接続されるときに嵌合するように適合される。
【0015】
別の好ましい実施形態では、ドッキング装置は、肢部と第1の接続部との間に旋回可能に接続を形成するリンクをさらに備える。
【0016】
別の好ましい実施形態では、リンクは、肢部とリンクとの間の第1の旋回可能な接続と、リンクと第1の接続部との間の第2の旋回可能な接続と、を備える。
【0017】
さらに好ましい実施形態では、大腿部は、第1および第2の旋回可能な接続を通って延びる平面内に配置された第1の軸の周りに旋回可能であり、第1の接続は、第1および第2の旋回可能な接続を通って延びる平面内に配置された第2の軸の周りに旋回可能である。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態では、ドッキング装置はさらなるロック機構をさらに備え、さらなるロック機構は、接続機構の回転可能なロック部上に配置されたガイドレールと、第2のロック部がロック位置に移動したときにガイドレールを受け入れるように適合されたレシーバと、を有する。
【0019】
別の好ましい実施形態では、ピンは、第1の接続部の中心軸に沿って突出し、中心軸は、リンク上の第1および第2の旋回可能な接続を通って延びる平面に垂直である。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施形態では、第2の接続部は、胴体に固定して取り付けられるか、または胴体の一体化部分を形成する。
【0021】
さらに好ましい実施形態では、ドッキング装置は、マネキンの大腿部と骨盤との間の接続である。
【0022】
本発明はまた、マネキンの肢部と接続するための第1の接続部と、マネキンの胴体(図示せず)と接続するための第2の接続部と、を備え、第1の接続部は、第1の接続部から突出するピンおよびガイド要素を備え、第1の接続部は、肢部と胴体(図示せず)との間に旋回可能な継手を形成するリンクをさらに備え、第2の接続部は、第1の接続部のピンおよびガイド要素をそれぞれ受け入れるように適合された開口および溝を備え、大腿部と骨盤とのドッキング装置は、接続後に第1の接続部と第2の接続部とを一緒にロックするように適合されたロック装置をさらに備える、マネキン用の肢部と胴体とのドッキング装置に関する。
【0023】
次に、本発明を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の第1の接続部を覆う大腿部の外部構造体を示す。
図2図2は、側方から見た、本発明による第1の接続部を有する大腿部の一部を示す。
図3図3は、第1の接続部を有する端部から見た、本発明による第1の接続部を有する大腿部を示す。
図4図4は、本発明による第1の接続部の詳細図を示す。
図5図5は、側面から見た、本発明による骨盤に取り付けるための第2の接続部の詳細図を示す。
図6図6は、互いに接続する方向に向けられた第1および第2の接続部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
一般に、水平および垂直などの用語は、最も広い意味で解釈されなければならず、添付図面の部品の向きを考慮して定義されることが理解されよう。 部品は、図に開示されて本発明が使用されているときに説明で定義された以外の配置を有することもできる。
【0026】
図1は、本発明の第1の接続部1を覆う大腿部の外部構造体30を示す。外部構造体30は、第1の接続部1が配置される第1の端部30aを有する。第1の接続部1は、この図には示されていない。第1の端部30aは、大腿部の上部を示す。
【0027】
外部構造体30は、下腿部に接続されるように適合された膝関節の一部を示す第2の端部30bをさらに備える。
【0028】
図2は、大腿部の内部構造体31を示す。第1の接続部1は、内部構造体31の内側に取り付けられる。内部構造体31は、大腿部の上部にある第1の端部31aと、膝関節にある第2の端部31bとを有する。内部構造体31は、外部構造体30に対応する形状を有する。第1の接続部1は、図に示されるように、第1の接続端部で内部構造体に結合される。
【0029】
図3は、図2とは反対側から見た大腿部の内部構造体31を示す。この図は、大腿部の内側での第1の接続部1の位置を示す。第1の接続部1は、接続部分2およびリンク3を備える。接続部2は、第1の端部31aの領域でリンク10を介して接続される。第1の接続部1は、第1の端部31aから離れて配置され、それにより、第1の接続部1が骨盤の第2の接続部20に接続されると、大腿部および骨盤は、マネキンにとって通常の構造を得る。
【0030】
接続部分2は、接続部分2と大腿部31とを可動接続するためのリンク10に接続されている。この可動接続は、骨盤に対する人間の大腿部の動きを模倣する。
【0031】
接続部2は、大腿部に直接接続されてもよいが、リンクがないと大腿部が設計どおりに関節運動しないため、これはあまり好ましくない実施形態である。
【0032】
図3および図4の実施形態に示されるように、リンク10と大腿部31、30との間に一対のブラケット13が配置される。ブラケット13は、一端が内部構造体31の内側に取り付けられ、反対端でリンク10に旋回可能に接続される。ブラケット13は、対向して配置された2つの第1の旋回可能接続部11でリンク10に接続される。
【0033】
しかしながら、本発明は、2つのブラケット13との接続に限定されない。旋回可能接続部11の1つと大腿部31との間に延びる1つのブラケット、または第1の旋回可能接続部11および内部構造体13の両方から延びる1つの共通ブラケットなど、他の接続も可能である。
【0034】
第1の接続部1およびリンク10の両方の機能は、図4および図6に関連してさらに開示される。
【0035】
図4は、大腿部30、31なしの第1の接続部1およびリンク3の詳細図を示す。
【0036】
接続部1は、ガイド要素4a、4b、4cを有する垂直に配置された板状要素またはシート4からなる主要部分を有する。ガイド要素4a、4b、4cは、板状要素4の表面上の円の周りに等しく配置される。ガイド要素4a、4b、4cは、それらが板状要素4から水平に外に配置されるように、板状要素4の表面から垂直に突出している。
【0037】
図は、3つのガイド要素4a、4b、4cを有する実施形態を示す。しかしながら、1つ、2つ、または4つ以上のガイド要素を有することが可能である。これらは、本発明の代替実施形態である。
【0038】
第1の接続部1は、板状要素4の中心位置からガイド要素4a、4b、4cと同じ方向に突出するピン3をさらに備える。したがって、ピン4およびガイド要素4a、4b、4cは、図4に示されるように、互いに平行に配置される。しかしながら、ピン3は、ガイド要素4a、4b、4cの各々よりも長い。
【0039】
ピン3は、周方向の凹部6を有する。この凹部6は、好ましくは、ピン3の自由端3bの近く、または自由端3bから上方1/4に配置される。凹部6は、ピン3の主要部分3aよりも小さい直径を有するピン3の一部として規定される。ピン3の自由端3bは、図に示されるように、第2の接続部20との嵌合(mating)を容易にするために湾曲した形状を有することもできる。
【0040】
第1の接続部1は、第1のプラグ部5をさらに備える。第1のプラグ部5は、マネキンの各部(図示せず)間の電気的および/または空気圧的伝達または他の信号のためのプラグである。
【0041】
図において、第1のプラグ部5は、ガイド要素4a、4b、4cおよびピン3の下に配置される。他の位置も可能であるが、第1のプラグ部5は、ガイド要素4a、4b、4cおよびピン3と同じ側に、第2の接続部20上に配置された第2のプラグ部5に対応する位置に配置されなければならない。
【0042】
図4は、リンク10をさらに備える。上述のように、リンク10は、大腿部30または大腿部の内部構造体31への第1の旋回可能継手11を有する。リンク10は、第2の旋回可能継手12において第1の接続部1にさらに旋回可能に接続される。
【0043】
同図に示すように、リンク10は、長方形状のフレーム10aとして形成されてもよい。第1の旋回可能継手11は、フレーム10aの2つの反対側に配置される。第2の旋回可能継手12は、フレームの残りの2つの反対側に配置される。
【0044】
第1の接続部1は、図示の実施形態では、フレーム10aの内側の中空空間内に配置される。第1の接続部1は、フレーム10a内に位置する部分の両側で、またはリンク10と第1の接続部1とを旋回可能に接続する他の適切な方法によって、フレーム10aに接続される。
【0045】
軸Bは、旋回可能継手11、12のすべてを通って延在する平面内で、第2の旋回可能継手12を通って延在する。
【0046】
軸Cは、軸Bと同じ平面内で第1の旋回可能継手11を通って延在する。軸BおよびCは、この平面内で互いに垂直に配置される。
【0047】
図3を参照すると、旋回可能継手11、12は、軸Bの周りおよび軸Cの周りの両方で2つの垂直方向に大腿部30、31の旋回をもたらす。したがって、マネキンに接続したとき、ローリング運動で大腿部を動かすことが可能である。
【0048】
中心軸Aは、第1の接続部1のピン3の長手方向中心を通ってさらに延びる。軸Aは、軸BおよびCの平面内に配置された点Dにおいて軸Bおよび軸Cと交差している。この点Dは、リンク10の中心と一致している。
【0049】
図5は、第1の接続部1に接続するように適合された側から見た、第2の接続部20をさらに詳細に示す。この第2の接続部20は、マネキンの骨盤に取り付けられる。
【0050】
第2の接続部20は、静止部24およびロック部25を備え、前記ロック部25は、点Eで静止部24に回転可能に接続される(図6参照)。したがって、ロック部25は、ロック部25の表面に垂直に位置し、点Eを通って延びる軸の周りを部分的に回転するように適合される。
【0051】
静止部24は、静止部24の中心を通って延びる開口21を備える。静止部24はさらに、開口21の周りの円周リングにおいて開口21から離れて開口21を取り囲む溝22a、22b、22cを備える。図は、3つの溝22a、22b、22cを有する実施形態を示す。しかしながら、異なる数の溝、例えば1つ、2つ、または4つ以上を有することが可能である。しかしながら、溝22a、22b、22cの数は、第1の接続部1上のガイド要素4a、4b、4cの数に対応することが重要である。開口21および溝22a、22b、22cは、それらが第1の接続部1上のピン3およびガイド要素4a、4b、4cに対応して適合されるように、第2の接続部20上に配置される。
【0052】
図に示すように、静止部24は、第2のプラグ部23が第1の接続部1上の第1のプラグ部5と嵌合する(mate)ように適合されるように配置された第2のプラグ部23をさらに有する。
【0053】
第2の接続部2のロック部25は、ハンドル26cと、固定プレート26cに一体化されたスロット26cを有する固定プレート26bとを備える。ハンドル26aおよび固定プレート26bは、両者が接続点Eを通して軸の周りで一緒に回転するように、固定的に接続または一体化される。
【0054】
スロット26cを取り囲む領域における固定プレートの厚さは、図に示されるように、スロット26cに向かってわずかに減少することができる。これは、以下にさらに説明されるように、凹部6におけるスロット26cの係合を容易にする。これにより、凹部6の厚さも薄くなる。
【0055】
第2の接続部20は、さらなるロック機構28、29を備える。さらなるロック機構28、29は、可動ロック部25に取り付けられたガイドレール28を備える。より具体的には、ガイドレール28は、固定プレート26bの遠位端に取り付けられる。
【0056】
さらなるロック機構28、29は、第2の接続部20の静止部24に取り付けられたレシーバ29を備える。レシーバ29は、各部29a、29bの間にガイドレール28を受け入れるように適合された2つの上向き部29a、29bを有するフォークの形状をしている。さらなるロック機構28、29はまた、それぞれの静止部24およびロック部25に取り付けられたブロック32、33を有することができる。ブロック32、33は、以下でさらに説明するように、ロック部25が適切なロック位置に達したときにロック部25がさらに移動するのを防ぐために、ガイドレール28およびレシーバ33と関連して配置される。
【0057】
図6は、第1の接続部1および第2の接続部20の両方を示している。第1の接続部1および第2の接続部20は、接続されるように適合された接続部1、20の側面が互いに向き合うような位置に両方とも向けられる。
【0058】
次に、本発明の機能を2つの動作、すなわち第1および第2の接続部1、20の係合動作、ならびに第1および第2の接続部1、20のロック動作、で説明する。
【0059】
係合動作では、ピン3、ガイド要素4a、4b、4cおよび第1のプラグ部5は、開口21、溝22a、22b、22cおよび第2のプラグ部23とそれぞれ嵌合する。第1および第2の接続部1、20が係合しているとき、ピン3は開口21から突出していて、それにより凹部6は開口21から突出している。しかしながら、ガイドピン4a、4b、4cは、それぞれの溝22a、22b、22cから突出しない。
【0060】
ロック動作は、係合動作後に行うことができる。
【0061】
第1および第2の接続部1、20が係合しているとき、ロック部25は接続点Eの周りに回転する。固定プレート26bのスロット26cは、凹部6と嵌合し、ピン3がスロット26cの端点に出会うまで、凹部6内でさらにスライドする。
【0062】
第1および第2の接続部1、20をさらに確実にロックするために、固定プレート26bに取り付けられたガイドレール28は、第2の接続部20の静止部24に取り付けられたレシーバ29と係合している。ガイドレール28は、レシーバ29内で長手方向にさらに動かされる。2つの対応する停止ブロック32、33が出会うとき、ロック機構28、29はロック位置に到達している。
【0063】
説明では、第1の接続部1およびリンク10が大腿部に接続され、第2の接続部20が骨盤に接続されることを開示しているが、第2の接続部20が大腿部31に接続され、第1の接続部1が骨盤に接続されるように接続部1、20を切り替えることが可能である。
【0064】
接続構成またはドッキングの原理を使用して、腕を肩に接続するなどマネキンの他の部分を接続することもできる。
【0065】
本発明は、好ましい実施形態およびその態様を参照して、ならびに理解のためにのみ添付図面に関連して説明された。そして、当業者には、本発明が、これまでに説明され、添付の特許請求の範囲で請求された範囲内のすべての正当な修正を含むことが明らかであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6