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特許7264405ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法、装置、ブロックチェーンノード、コンピュータ可読媒体およびシステム
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  • 特許-ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法、装置、ブロックチェーンノード、コンピュータ可読媒体およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法、装置、ブロックチェーンノード、コンピュータ可読媒体およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230418BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020538033
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2019071066
(87)【国際公開番号】W WO2019137408
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】201810022602.5
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519195453
【氏名又は名称】ヴィチェーン グローバル テクノロジー エス・アー エール・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】シンリ ティアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンリャン グ
(72)【発明者】
【氏名】ジヘン ジョウ
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107545434(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0210295(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107239954(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107423945(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107506917(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブロックチェーンノードで実行される炭素記録および炭素取引の方法であって、
前記ブロックチェーンノードにおいて、車両の使用に対応する使用データを取得するステップを備え、
前記使用データは、前記車両による移動距離の少なくとも1つを含み、
前記ブロックチェーンノードにより実行される少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記使用データを炭素排出削減量に変換するステップを備え、
前記使用データを前記炭素排出削減量に変換する前記ステップは、「前記使用データに従って、内燃機関車両の使用に対応する基準炭素排出量BEを決定するステップ」と、「前記使用データに従って、前記車両の使用による実際炭素排出量PEを決定するステップ」と、「前記基準炭素排出量BEから前記実際炭素排出量PEを引くステップ」とを含み、
前記炭素排出削減量に対してハッシュ演算を実行するステップと、
ブロックチェーンに前記炭素排出削減量のハッシュ値および前記車両の固有IDを送信して記憶するステップと、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記炭素排出削減量に応じた炭素クレジットを生成するステップと、
記ブロックチェーンに前記炭素クレジットを送信して記憶するステップとを備える、
法。
【請求項2】
前記ブロックチェーンノードにおいて、前記炭素クレジットを使用して商品またはサービスを購入するための取引の第1要求を受信するステップと、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記第1要求に従ってブロックチェーン取引を実行するステップとを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
分散型データベースに前記炭素排出削減量の前記ハッシュ値および前記炭素排出削減量を記憶するステップをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
消費主体によるエネルギー消費量、排出源種類、および、前記消費主体の固有IDを前記ブロックチェーンノードにおいて取得するステップと、
前記ブロックチェーンノードにより実行される前記少なくとも1つのスマートコントラクトによって、前記エネルギー消費量を炭素排出量に変換するステップとを備え、
前記エネルギー消費量前記炭素排出量に変換する前記ステップは、「前記排出源種類に従って、排出発生と前記排出源種類の消費との相関関係である排出係数を決定するステップ」と、「前記エネルギー消費量と前記排出係数とに基づいて前記炭素排出量を計算するステップ」と含み、
前記ブロックチェーンノードを使用して、ブロックチェーン取引として前記炭素排出量をブロックチェーンに書き込むステップを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスマートコントラクトによって、前記炭素排出量に従って負の炭素クレジットを生成するステップと、
前記ブロックチェーンノードを使用して、ブロックチェーン取引として前記負の炭素クレジットおよび前記消費主体の前記固有IDを前記ブロックチェーンに書き込むステップと、
前記ブロックチェーンノードにおいて、前記車両と前記消費主体との間で炭素クレジット取引をするための第2要求を受け、前記炭素クレジットを前記消費主体に移転するステップと、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記第2要求に従ってブロックチェーン取引を実行するステップとを備え、
前記第2要求に従って前記ブロックチェーン取引を実行する前記ステップは、前記ブロックチェーン取引に従って、前記ブロックチェーンにおける前記車両の炭素クレジットおよび前記消費主体の炭素クレジットを更新するステップを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記車両、バッテリー式電気車両、ハイブリッド電気車両または自転車の少なくとも1つを含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記使用データは、前記車両に動作可能に結合されるIoTセンサーにより収集され、前記車両に配置されるコンピュータ装置を介して前記ブロックチェーンノードに送信される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両の前記固有IDは、前記車両の使用者の身分証番号、前記車両の使用者の携帯電話番号、前記車両のフレーム番号、前記車両のナンバープレート番号、前記車両の使用者の身分証番号のハッシュ値、前記車両の使用者の携帯電話番号のハッシュ値、前記車両のフレーム番号のハッシュ値、または、前記車両のナンバープレート番号のハッシュ値の少なくとも1つである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
炭素記録および炭素取引のためのブロックチェーンノードであって、
ロセッサと、
処理を前記プロセッサに実行させるためのコンピュータ可読命令を含むメモリとを備え、
前記処理は、車両の使用に対応する使用データを取得するステップを備え、
前記使用データは、前記車両による移動距離の少なくとも1つを含み、
前記処理は、前記ブロックチェーンノードにより実行される少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記使用データを炭素排出削減量に変換するステップを備え、
変換する前記ステップは、「前記使用データに従って、内燃機関車両の使用に対応する基準炭素排出量BEを決定するステップ」と、「前記使用データに従って、前記車両の使用による実際炭素排出量PEを決定するステップ」と、「前記基準炭素排出量BEから前記実際炭素排出量PEを引くステップ」とを含み、
前記処理は、
前記炭素排出削減量に対してハッシュ演算を実行するステップと、
ブロックチェーンに前記炭素排出削減量のハッシュ値および前記車両の固有IDを送信して記憶するステップと、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記炭素排出削減量に応じた炭素クレジットを生成するステップと、
記ブロックチェーンに前記炭素クレジットを送信して記憶するステップとを備える、
ロックチェーンノード。
【請求項10】
前記メモリは、「前記ブロックチェーンノードにおいて、前記炭素クレジットを使用して商品またはサービスを購入するための取引の要求を受信するステップ」と、「前記少なくとも1つのスマートコントラクトにより、前記要求に従ってブロックチェーン取引を実行するステップ」とを備える処理を前記プロセッサに実行させるためのコンピュータ可読命令をさらに含む、
請求項9に記載のブロックチェーンノード。
【請求項11】
前記車両は、バッテリー式電気車両、ハイブリッド電気車両または自転車の少なくとも1つを含む、
請求項9または10に記載のブロックチェーンノード。
【請求項12】
前記使用データは、前記車両に動作可能に結合されるIoTセンサーにより収集され、前記車両に配置されるコンピュータ装置を介して前記ブロックチェーンノードに送信される、
請求項9から11のいずれか1項に記載のブロックチェーンノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、炭素排出の分野に関し、特に、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法、装置、ブロックチェーンノード、コンピュータ可読媒体およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスは、大気中のガスの一部で、地面で反射された日射を吸収して再放射し得る。炭素排出は、温室効果ガス排出に関する略称である。温室効果ガス中の主なガスは二酸化炭素であるので、「炭素」という用語が使用される。現在の研究によれば、温室効果ガスは、地球の表面温度を上昇させ、環境および気候に影響を与えて害を及ぼす。そのため、現在、排出削減技術による炭素排出量の抑制方法および炭素排出量の削減方法が最も重要な環境課題の一つとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、個人や企業の炭素行動(炭素排出削減行動(公共自転車、バッテリー式電気車両、ハイブリッド電気車両の使用など)や炭素排出行動(企業の生産過程でのエネルギー消費など))に関するデータは、様々な形態を持ち、炭素排出削減(ER)または炭素排出の等価変換を前提とせず、炭素記録に混乱をもたらしている。さらに、これらの炭素記録はそれぞれの企業の独自のデータベースに集中的に格納され、記録のための統一された信頼できるプラットフォームはなく、したがって、データが改ざんされ得る。
【0004】
さらに、炭素排出と炭素排出削減のこれらの記録に基づいて炭素取引を実行して記録するための信頼できる第三者のプラットフォームは存在しない。
【0005】
上記の問題の少なくとも1つに鑑みて、本開示は、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法が提供される。上記方法は、複数の対象の炭素行動関連データを取得するステップと、上記複数の対象の上記炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換するステップと、ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶するステップと、上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行するステップと、ブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するステップとを含む。
【0007】
本開示の第2の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための装置が提供される。上記装置はプロセッサを含み、上記プロセッサは、複数の対象の炭素行動関連データを取得し、上記複数の対象の上記炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換し、ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶させるように構成される。また、上記プロセッサは、上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行し、ブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するようにさらに構成される。
【0008】
本開示の第3の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための不揮発性コンピュータ可読媒体が提供される。上記不揮発性コンピュータ可読媒体は、複数の対象の炭素行動関連データを取得するためのコンピュータプログラムコードと、上記複数の対象の上記炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換するためのコンピュータプログラムコードと、ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶するためのコンピュータプログラムコードと、上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行するためのコンピュータプログラムコードと、ブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するためのコンピュータプログラムコードとを含む。
【0009】
本開示の第4の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法が提供される。上記方法は、第1のスマートコントラクトを使用して複数の対象の炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換するステップと、上記第1のスマートコントラクトを使用してブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶するステップと、第2のスマートコントラクトを使用して上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行するステップと、上記第2のスマートコントラクトを使用してブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するステップとを含む。
【0010】
本開示の第5の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のためのブロックチェーンノードが提供される。上記ブロックチェーンノードはプロセッサを含み、上記プロセッサは、第1のスマートコントラクトを使用して複数の対象の炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換し、上記第1のスマートコントラクトを使用してブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶させるように構成される。また、上記プロセッサは、第2のスマートコントラクトを使用して上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行し、上記第2のスマートコントラクトを使用してブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するようにさらに構成される。
【0011】
本開示の第6の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための不揮発性コンピュータ可読媒体が提供される。上記不揮発性コンピュータ可読媒体は、第1のスマートコントラクトを使用して複数の対象の炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換するためのコンピュータプログラムコードと、上記第1のスマートコントラクトを使用してブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶するためのコンピュータプログラムコードと、第2のスマートコントラクトを使用して上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行するためのコンピュータプログラムコードと、上記第2のスマートコントラクトを使用してブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するためのコンピュータプログラムコードとを含む。
【0012】
本開示の第7の局面によれば、ブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のためのシステムが提供される。上記システムは、複数の対象の炭素行動関連データを取得するように構成されるプロセッサと、第1のスマートコントラクトを使用して上記複数の対象の上記炭素行動関連データを、上記複数の対象の対応する炭素データにそれぞれ変換し、上記第1のスマートコントラクトを使用してブロックチェーンプラットフォームに上記炭素データを送信して記憶させるように構成される第1のスマートコントラクト主体(エンティティ)と、第2のスマートコントラクトを使用して上記炭素データに基づいて、上記複数の対象のうちの2つの対象間、または、上記複数の対象のうちの1つの対象と上記複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行し、上記第2のスマートコントラクトを使用してブロックチェーン取引履歴として上記ブロックチェーンプラットフォームに上記炭素取引を送信するように構成される第2のスマートコントラクト主体(エンティティ)とを含む。
【0013】
本開示の解決策により、炭素データの安全かつ信頼できる記録が達成され得る。さらに、本開示のいくつかの局面によれば、炭素取引の安全かつ信頼できる実行および記録が達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面と併せて示される本開示の具体的な実施形態の説明から、本開示はより良く理解され、本開示の他の目的、詳細、特徴および利点はより明らかになるのであろう。
図1図1は、本開示によるブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法のフローチャートを示す。
図2図2は、本開示によるブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のためのシステムの概略図を示す。
図3A図3Aは、本開示による炭素データのブロックチェーン記憶媒体における記憶媒体フォーマットの概略図を示す。
図3B図3Bは、本開示による炭素データの分散型記憶媒体データベースにおける記憶媒体フォーマットの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本開示の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。本開示の実施形態は添付の図面に示されているが、本開示は様々な方法で具現化することができ本明細書に示された実施形態に限定されないことを理解されたい。その代わりとして、本明細書で提供される実施形態は、本開示をより完全にし、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるためのものである。
【0016】
図1は、本開示によるブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のための方法100のフローチャートを示す。方法100は、例えば、図2に示される炭素記録および炭素取引のためのシステム200によって実行され得る。
【0017】
図1に示すように、方法100は、複数の対象の炭素行動関連データを取得するステップ102を含む。
【0018】
ここで、対象が資源消費対象であるか資源節約対象であるかによって、対象の炭素行動関連データが異なり得る。
【0019】
一実施の形態では、複数の対象は、資源節約対象である第1の対象を含む。例えば、第1の対象は、新エネルギー車両(バッテリー式電気車両(BEV)、ハイブリッド電気車両(HEV)を含む)、公共自転車、新エネルギー車両の使用者または公共自転車の使用者であり得て、関係しているものはそれらの炭素排出削減量である。この場合、取得された第1の対象の炭素行動関連データは、新エネルギー車両または公共自転車による移動距離である。
【0020】
あるいは、第1の対象は、新エネルギー車両の提供者または公共自転車の提供者でもあり得る。この場合、取得された第1の対象の炭素行動関連データは、提供者によって提供されるすべての新エネルギー車両の炭素行動関連データの合計、または、提供者によって提供されるすべての公共自転車の炭素行動関連データの合計であり得る。
【0021】
一実施の形態では、複数の対象は、資源消費対象である第2の対象を含む。例えば、第2の対象は、過剰な炭素排出を伴う企業等であり得て、関係しているものは、炭素排出量または過剰な炭素排出量である。この場合、取得された第2の対象の炭素行動関連データは、そのような企業の排出源の使用量である。
【0022】
ステップ104では、ステップ102で得られた複数の対象の炭素行動関連データが、対応する炭素データにそれぞれ変換される。ここで、炭素データは、上述したように、第1の対象の炭素排出削減量と、第2の対象の炭素排出量とを含む。
【0023】
ステップ104における変換は、以下に説明するようにローカル装置204のプロセッサ208において実行され得て、また、以下に説明するようにブロックチェーンプラットフォーム212上で実行され得る。
【0024】
ステップ104がブロックチェーンプラットフォーム212上で実行される場合、変換を実行するのに専用のスマートコントラクト(図2に示される第1のスマートコントラクト218など)が開発され得て、ブロックチェーンプラットフォーム212(例えば、ブロックチェーンプラットフォーム212上の複数のブロックチェーンノード222)に配布され得る。ここで、ブロックチェーンノード222は、第1のスマートコントラクト218のホストとみなされ得て、本明細書では第1のスマートコントラクト主体(エンティティ)218とも呼ばれる。この場合、複数の対象の炭素行動関連データは、ブロックチェーンプラットフォーム212上の第1のスマートコントラクト主体218に送信され、対象の炭素行動関連データは、第1のスマートコントラクト主体218を使用して、対応する炭素データに変換される。第1のスマートコントラクト218は、炭素記録が記録された各対象によって契約され、ブロックチェーンプラットフォーム212全体またはブロックチェーンプラットフォーム212の一部に配布され得る。第1のスマートコントラクト218は、システム200の開発者または他の提供者によって開発され得て、システム200の一部と見なされ得る。
【0025】
ブロックチェーンプラットフォーム上でスマートコントラクトを使用して炭素データの変換を実行することによって、安全で信頼できる第三者セキュリティ保証が提供され得る。
【0026】
ここで、対象の炭素行動関連データの炭素データへの変換は、当技術分野で公知の方法または将来開発される任意の方法によって実行され得る。
【0027】
例えば、上記第1の対象において、炭素データは、炭素排出削減量を含む。ステップ104の変換は、第1の対象の基準排出量(BE)および計画排出量(PE)に基づく第1の対象の炭素排出削減量を計算することを含み得る。より具体的には、炭素排出削減量(ER)は、以下の式に従って計算され得る。
【0028】
ER = BE - PE
【0029】
ここで、BEは、基準行動下における第1の対象の推定排出量を示し、PEは、排出削減行動下における第1の対象の実排出量を示す。例えば、新エネルギー車両の場合、BEは、従来型燃料を使用した推定排出量を示し、PEは、電気エネルギーまたはハイブリッドエネルギーを使用することで生成された実排出量を示す。当然、炭素排出削減量の計算は、漏排出、車両の種類、燃料の種類等の他の要因も関係し得るが、これらについては本明細書では詳細に説明しない。第1の対象が公共自転車または公共自転車の使用者である場合、PEはゼロとみなされ得る。
【0030】
また、他の例として、上記第2の対象の場合、炭素データは、炭素排出量を含む。ステップ104における変換は、第2の対象の排出源の使用量と、排出源に対応する排出係数とに基づく第2の対象の炭素排出量を計算することを含み得る。より具体的には、炭素排出量は、以下の式に従って計算され得る。
【0031】
炭素排出量=排出源の使用量×排出係数
【0032】
ここで、排出源の使用量は、第2の対象によって消費される排出源の量を示し、排出源に対応する排出係数は、排出源の消費時における炭素排出発生係数を示す。排出源としては、例えば、石炭、石油、天然ガス等が挙げられる。当然、炭素排出量の計算は、排出削減対策が採用されているかどうかなどの他の要因も関係し得るが、これについては本明細書では詳細に説明しない。
【0033】
ステップ106では、ステップ104で得られた炭素データが、ブロックチェーンプラットフォーム212に送信されて記憶される。ここで、ステップ104における変換が装置204のプロセッサ208によって実行される場合、炭素データは、例えば、トランシーバ206および有線または無線ネットワーク214を介して、プロセッサ208によってブロックチェーンプラットフォーム212に送信される。一方、ステップ104における変換が第1のスマートコントラクト主体218によって実行される場合、炭素データは、第1のスマートコントラクト主体218からブロックチェーンプラットフォーム212に直接送信される。炭素データは、ブロックチェーンプラットフォーム212上に格納されることによって安全かつ信頼可能に記憶される。
【0034】
一実施の形態では、ステップ106においてブロックチェーンプラットフォーム212に送信される炭素データは、ステップ104における変換から得られる生炭素データである。しかしながら、大量の生炭素データが存在する場合、これらの炭素データの全てをブロックチェーンプラットフォーム212上に直接格納することによって、ブロックチェーン記憶媒体の比較的大部分が占有され、記憶媒体にかかるコストが高くなる。
【0035】
この問題に対処するために、対象の炭素データは、ブロックチェーン記憶媒体を分散型データベース記憶媒体と組み合わせることによって格納され得る。具体的には、ステップ106において、ハッシュ演算が、ステップ104で変換された炭素データに対して実行され得て、ハッシュ演算の結果(すなわち、炭素データのハッシュ値)および対象の固有識別番号が、ブロックチェーンプラットフォーム212に送信されて記憶され得る。生炭素データは、システム200によって、ローカルメモリまたは分散型データベース(図2に示すデータベース216など)に格納され得る。
【0036】
図3Aは、本開示による炭素データのブロックチェーン記憶媒体における記憶媒体フォーマットの概略図を示し、図3Bは、本開示による炭素データの分散型記憶媒体データベースにおける記憶媒体フォーマットの概略図を示す。図3Aに示すように、ブロックチェーンプラットフォーム212上では、対象の固有識別番号(ID)302と対象の炭素データのハッシュ値304との対応リストが格納されている。図3Bに示すように、分散型データベース(図2に示すデータベース216等)において、ステップ104で変換された対象の炭素データ306と対象の炭素データ306のハッシュ値304との対応リストが格納されている。
【0037】
一実施の形態では、固有識別番号が、システム200によって各対象に割り当てられ得る。別の実施の形態では、ハッシュ演算が、対象の何らかの特定情報について実行され得て、ハッシュ値が、その対象のための固有識別番号として使用され得る。例えば、対象がバッテリー式電気車両またはハイブリッド電気車両である場合、バッテリー式電気車両またはハイブリッド電気車両のフレーム番号またはナンバープレート番号についてハッシュ演算が実行され得て、ハッシュ演算の結果(すなわち、フレーム番号またはナンバープレート番号のハッシュ値)が対象の固有識別番号として使用され得る。他の例として、対象が公共自転車である場合、自転車のナンバープレート番号についてハッシュ演算が実行され得て、ハッシュ演算の結果(すなわち、ナンバープレート番号のハッシュ値)が自転車の固有識別として使用され得る。一方、対象が新エネルギー車両または公共自転車の使用者である場合、使用者の身分証番号、携帯電話番号またはそのハッシュ値が、対象の固有識別番号として使用され得る。
【0038】
上述の炭素記録ステップ102~106の後、方法100は、炭素取引ステップ108をさらに含み得る。炭素取引は、複数の対象のうちの2つの間、または、複数の対象のうちの1つの対象と複数の対象に属さない第三者対象との間で実行され得る。炭素取引を実行するのに専用のスマートコントラクト(図2に示す第2のスマートコントラクト220など)が開発され得て、ブロックチェーンプラットフォーム212(例えば、ブロックチェーンプラットフォーム212上の複数のブロックチェーンノード222)に配布され得る。ここで、ブロックチェーンノード222は、第2のスマートコントラクト220のホストとみなされ得て、本開示では第2のスマートコントラクト主体(エンティティ)220とも呼ばれる。この場合、第2のスマートコントラクト主体220は、例えば第1の対象の炭素データ(例えば、炭素排出削減量)と第2の対象の炭素データ(例えば、炭素排出量)とに基づいて、第1の対象と第2の対象との間で炭素取引を行う。第2のスマートコントラクト220は、各対象によって契約されて炭素取引を実行し得て、ブロックチェーンプラットフォーム212全体またはブロックチェーンプラットフォーム212の一部に配布され得る。第2のスマートコントラクト220は、システム200の開発者または他の提供者によって開発され得て、システム200の一部とみなされ得る。第1のスマートコントラクト218および/または第2のスマートコントラクト220を実行するために使用され得る1つまたは複数のプロセッサ(図示せず)を含むコンピュータ装置として各ブロックチェーンノード222が実装され得ることは、当業者に理解され得る。
【0039】
第1の対象と第2の対象との間の炭素取引は、ブロックチェーン取引履歴(トランザクション)としてブロックチェーンプラットフォーム212に送信され得る(ステップ110)。その結果、異なる対象間の炭素取引の内容もブロックチェーンプラットフォーム上で証明され、取引情報が改ざんされることが防止される。
【0040】
上述した炭素データの記憶と同様に、炭素取引に関する情報の記憶はまた、ブロックチェーン記憶媒体と分散型データベース記憶媒体との組合せによって実行され得るが、これについては本明細書では詳細に説明しない。
【0041】
図2は、本開示によるブロックチェーンに基づく炭素記録および炭素取引のためのシステム200の概略図を示す。図2に示すように、システム200は、プロセッサ208およびトランシーバ206を含むローカル装置(例えば、サーバ)204を含む。プロセッサ208は、トランシーバ206を介してデータソース202から、複数の対象の炭素行動関連データを取り出すように構成される。データソース202はシステム200の一部であり得るかシステム200から独立した外部主体(エンティティ)であり得ることを当業者であれば理解するであろう。データソース202内のデータは、インテリジェントIoT(intelligent Internet of Things)技術を使用して収集され、収集されたデータのソースが信頼できることを保証し得る。
【0042】
一実施の形態では、プロセッサ208は、複数の対象の炭素行動関連データを、対応する炭素データにそれぞれ変換すると共に、例えば有線または無線ネットワーク214を介して結果として得られる炭素データをブロックチェーンプラットフォーム212に送信して記憶させるように構成され得る。
【0043】
別の実施の形態では、変換は、ブロックチェーンプラットフォーム212上のスマートコントラクト(図2に示す第1のスマートコントラクト218など)で実行され得る。この場合、プロセッサ208は、炭素行動関連データを(例えば、ブロックチェーンアプリケーションインターフェース210を介して)ブロックチェーンプラットフォーム212上の第1のスマートコントラクト主体218に送信し、第1のスマートコントラクト主体218は、対象の炭素行動関連データを、対応する炭素データに変換し、ブロックチェーンプラットフォーム212に送信する。
【0044】
同様に、ブロックチェーンプラットフォーム212に送信されて記憶される炭素データは、プロセッサ208または第1のスマートコントラクト主体218によって変換された生炭素データ、または、炭素データのハッシュ値であり得る。具体的には、プロセッサ208は、変換された炭素データ(第1のスマートコントラクト主体218から直接変換または取得された炭素データ)に対してハッシュ演算を実行し、ハッシュ演算の結果(すなわち、炭素データのハッシュ値)および対象の固有識別番号をブロックチェーンプラットフォーム212に送信して記憶させ得る。生炭素データは、システム200によって、ローカルメモリ(図示せず)または分散型データベース216に格納され得る。分散型データベース216はシステム200の一部であり得てシステム200から独立した外部データベースであり得ることは理解されるべきである。
【0045】
さらに、システム200はまた、複数の対象のうちの2つの対象間、または、複数の対象のうちの1つの対象と複数の対象に属さない第三者対象との間で炭素取引を実行し、ブロックチェーン取引履歴としてブロックチェーンプラットフォーム212に炭素取引を送信し得る。具体的には、システム200は、例えば第1の対象の炭素データ(例えば、炭素排出削減量)と第2の対象の炭素データ(例えば、炭素排出量)とに基づく炭素取引を実行するのに専用の第2のスマートコントラクト主体220を含み、第1の対象と第2の対象との間で炭素取引を実行し得る。第2のスマートコントラクト220は、各対象によって契約され、炭素取引を実行してブロックチェーンプラットフォーム212全体またはブロックチェーンプラットフォーム212の一部に配布し得る。第2のスマートコントラクト220は、システム200の開発者または他の提供者によって開発され得て、システム200の一部とみなされ得る。
【0046】
さらに、炭素取引を実行する前に、システム200(プロセッサ208、第1のスマートコントラクト主体218または別のスマートコントラクト主体)は、複数の対象の対応する炭素データを、対応する炭素資産にさらに変換し得る。そのため、炭素取引が、炭素資産に基づいて2つの対象間、または、1つの対象と第三者対象との間で実行され得る。
【0047】
炭素資産は、正または負であり得る。例えば、正の炭素資産を有する対象は、対象の炭素排出量がその炭素排出削減行動を通じて所定割当量未満であることを示し、負の炭素資産を有する対象は、対象の炭素排出量がその割当量を超えることを示す。現在の炭素排出方針によれば、炭素排出量が割当量を超えている企業は他の企業や組織から炭素排出割当量を購入してその開発の要件を満たすことが求められている。正の値または負の値で炭素資産を示すかどうかは例示の目的のためだけであって本開示を限定することを意図しないことは、当業者によって理解され得る。実際の実施では、任意の他の実現可能な方法が使用されて異なる対象の炭素資産を区別し得る。
【0048】
ここで、複数の対象のうちの2つの対象間で炭素取引が行われる場合、そのような炭素取引は「炭素交換」とも呼ばれる。複数の対象のうちの1つの対象と第三者対象との間で炭素取引が行われる場合、そのような炭素取引は「炭素移転」とも呼ばれる。炭素交換では、炭素取引に関与する2つの関係者は、正の炭素資産と負の炭素資産とをそれぞれ有するはずである。炭素移転では、炭素取引の売主が正の炭素資産を有するはずであり、第三者対象の炭素資産は関係ない。すなわち、第三者対象は、第三者対象の炭素データがシステム200に記録されていなくても、システム200を介して炭素資産を購入し得る。この場合、炭素資産は、一般的な商品とみなされ得る。
【0049】
一実施の形態では、2つの対象の炭素資産に基づいて2つの対象間で炭素取引を実行することは、正の炭素資産を有する第1の対象と負の炭素資産を有する第2の対象との間で直接炭素取引を実行することを含み得る。この場合、負の炭素資産を有する企業は、システム200(プロセッサ208、第2のスマートコントラクト主体220または別のスマートコントラクト主体)内で直接正の炭素資産を有する別の企業から炭素排出割当量を購入し得る。
【0050】
別の実施の形態では、2つの対象の炭素資産に基づいて2つの対象間で炭素取引を実行することは、システム200(プロセッサ208または第2のスマートコントラクト主体220または別のスマートコントラクト主体)を介して間接的に炭素取引を実行することを含み得る。特に、一方では、システム200は、正の炭素資産を有する第1の対象から第1の炭素資産量を取得し、第1の炭素資産量に対応する報酬を第1の対象に与え得る。他方では、システム200は、負の炭素資産を有する第2の対象に第2の炭素資産量を与え、第2の対象から第2の炭素資産量に対応する利益を請求し得る。あるいは、システム200は、第2の炭素資産量を第三者対象に与え、第三者対象から第2の炭素資産量に対応する利益を請求し得る。ここで、第1の量は、第2の量と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0051】
ここで、炭素資産は、炭素クレジット又は炭素コインの形態であり得る。この場合、正の炭素資産を有する対象は、その炭素クレジットまたは炭素コインをシステム200に転送し、システム200から報酬を取得し得る。例えば、新エネルギー車両または公共自転車の使用者が第1の対象である場合、使用者は、自身の炭素排出削減行動を通じて得られた自身の炭素クレジットまたは炭素コインをシステム200に移転し得る。これにより、システム200は、オンラインまたはオフラインの証明書、または、特定の商品のためのクーポンを使用者に与え得る。一方、負の炭素資産を有する対象は、システム200に自身の炭素クレジットまたは炭素コインを支払い、システム200から炭素資産を取得し得る。あるいは、炭素資産を持たない第三者対象が、任意の他の方法でシステム200に支払い、システム200から炭素資産を取得し得る。
【0052】
一実施の形態では、炭素データから炭素資産への変換は、ステップ104の直後に実行され得る。この場合、ステップ106において、対象の炭素資産は、ブロックチェーンプラットフォーム212に送信されて記憶され得る。
【0053】
さらに、方法100は、2つの対象の炭素データまたは1つの対象の炭素データが炭素取引後に更新され得るステップ112をさらに含み得る。その後、方法100は、ブロックチェーンプラットフォーム212に更新された炭素データを送信して記憶するためにステップ106に進み得る。
【0054】
同様に、炭素資産に基づいて炭素取引が実行される場合、2つの対象の炭素資産または1つの対象の炭素資産は、ステップ112で更新され得て、更新された炭素資産はブロックチェーンプラットフォーム212に送信されて記憶される。
【0055】
1つまたは複数の例示的な設計では、本開示によって説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実施される場合、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして、機能が記憶されるか送信され得る。
【0056】
本明細書で説明される装置の個々のユニットは、個別のハードウェア構成要素を用いて実装され得るか、プロセッサなどの単一のハードウェア構成要素に一体的に実装され得る。例えば、本明細書で開示された局面に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいは、本明細書で説明された機能を実行するために設計されたそれらの任意の組合せによって実装または実行され得る。
【0057】
当業者は、本明細書に開示された局面に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路およびアルゴリズムステップのいずれかが電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたは両方の組合せとして実装され得ることをさらに理解するであろう。
【0058】
前述の説明は、あらゆる当業者が本開示を実現または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は当業者には自明であり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱しなければ他の局面に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で示される例および設計に限定されることを意図するものではなく、本明細書で開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
図1
図2
図3A
図3B