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特許7264421バンド用微調整バックルおよびそれを備えた腕時計バンド並びに腕時計
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  • 特許-バンド用微調整バックルおよびそれを備えた腕時計バンド並びに腕時計 図1
  • 特許-バンド用微調整バックルおよびそれを備えた腕時計バンド並びに腕時計 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】バンド用微調整バックルおよびそれを備えた腕時計バンド並びに腕時計
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/20 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
A44C5/20 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018192384
(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2020058636
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000135759
【氏名又は名称】株式会社バンビ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】久場 暁史
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3130828(JP,U)
【文献】特開平08-308616(JP,A)
【文献】特開2000-279217(JP,A)
【文献】登録実用新案第3159560(JP,U)
【文献】特開2008-183213(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105476200(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00- 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドの長さを微調整するためのバンド用微調整バックルであって、
バンドの着脱のために設けられたバックルにバンドの一端と接続する接続駒をスライドさせるスライド構造を有し、
当該スライド構造は、バックルの幅方向に付勢し合う一対のスライド駒と、スライド駒から突起する係合突起をバンドの長手方向へ段階的に係合させるようにバックルへ形成された係合溝と、スライド駒の外側に設けられてスライド駒を内側へ押し込むとともに係合突起と係合溝との係合を解消したスライド駒をバンドの長手方向へスライドさせる一対の操作部材と、を備え
操作部材は、スライド駒の外縁に形成されたラックに噛み合う歯車からなり、当該歯車は支軸ピンによって水平方向に回転するように軸支されており、その支軸ピンがバックル内に設けられた幅方向へ延びる長溝に沿って移動することで、スライド駒を内側へ押し込むことが可能になることを特徴とするバンド用微調整バックル。
【請求項2】
当該スライド構造は、一対のスライド駒を収納するとともに接続駒と連結するスライド箱を備えたことを特徴とする請求項1記載のバンド用微調整バックル。
【請求項3】
請求項1又は2記載のバンド用微調整バックルを備えたことを特徴とする腕時計バンド。
【請求項4】
請求項記載の腕時計バンドを備えたことを特徴とする腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、バンド、特に時計バンドの長さを微調整するためのバックル(中留め)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、これまでにもバンドの長さを微調整できるバックルを種々開発してきた(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-183213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願出願人は、さらに進化したバンド用微調整バックルを提供すべく、鋭意試験・研究を行い、本願発明を開発・完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の内容は、以下の通りである。
第1の発明は、バンドの長さを微調整するためのバンド用微調整バックルであって、バンドの着脱のために設けられたバックルにバンドの一端と接続する接続駒をスライドさせるスライド構造を有し、当該スライド構造は、バックルの幅方向に付勢し合う一対のスライド駒と、スライド駒から突起する係合突起をバンドの長手方向へ段階的に係合させるようにバックルへ形成された係合溝と、スライド駒の外側に設けられてスライド駒を内側へ押し込むとともに係合突起と係合溝との係合を解消したスライド駒をバンドの長手方向へスライドさせる一対の操作部材と、を備えたことを特徴とするものである。
第2の発明は、操作部材が、スライド駒の外縁に形成されたラックに噛み合う歯車からなることを特徴とする同バンド用微調整バックルである。
第3の発明は、当該スライド構造が、一対のスライド駒を収納するとともに接続駒と連結するスライド箱を備えたことを特徴とする同バンド用微調整バックルである。
第4の発明は、上記第1乃至第3の発明に係るバンド用微調整バックルを備えたことを特徴とする腕時計バンドである。
第5の発明は、上記第4の発明に係る腕時計バンドを備えたことを特徴とする腕時計である。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)バックルにバンドの一端と接続する接続駒をスライドさせるスライド構造を有することで、そのスライド構造が備える一対の操作部材を操作するだけで、簡単且つ確実にバンドの長さを微調整できる。
(2)操作部材がスライド駒の外縁に形成されたラックに噛み合う歯車からなることで、歯車を押し込みながら回転させる操作でバンドの長さを微調整できるので、微調整の操作を極めて簡単且つ確実に行える。
(3)スライド構造が一対のスライド駒を収納するとともに接続駒と連結するスライド箱を備えることで、スライド構造を確実に保護するとともにその操作性を向上させるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願考案に係るバンド用微調整バックルを説明する外観説明図。
図2】本願考案に係るバンド用微調整バックルを説明する分解説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係るバンド用微調整バックルを説明する外観説明図であり、図2は、その分解説明図である。
図示するように、バンド用微調整バックル10(以下、バックル10ともいう。)は、バンド(図示省略)の着脱のために設けられたバックル(中留め)であって、バンドの一端と接続する接続駒70をスライドさせるスライド構造20を有する。
【0009】
スライド構造20は、バックル10の幅方向に付勢し合う一対のスライド駒30,30と、スライド駒30,30を収納するとともに接続駒70に連結するスライド箱40とを備える。なお、図2ではスライド駒30,30はコイルバネ21によって付勢し合うようになっているが、付勢手段はこれに限るものではない。
また、スライド構造20は、スライド駒30から突起する係合突起31をバンドの長手方向へ段階的に係合させるようにバックル10へ形成された係合溝50を備える。
【0010】
さらに、スライド構造20は、スライド駒30の外側に設けられてスライド駒30を内側へ押し込むとともに係合突起31と係合溝50との係合を解消したスライド駒30をバンドの長手方向へスライドさせる一対の操作部材としての歯車60を備える。歯車60は支軸ピン65によって軸支されており、その支軸ピン65がバックル10に設けられた幅方向へ延びる長溝11に沿って移動することで、スライド駒30を内側へ押し込むことが可能になっている。また、歯車60の外周に設けられた歯61が、スライド駒30の外縁に形成されたラック32に噛み合うことで、歯車60を回転させてスライド駒60をバンドの長手方向へスライドさせることが可能になっている。
【0011】
バックル10が以上のようなスライド構造20を有することで、バックル10に設けられた歯車60,60を押し込みながら回転させる操作でスライド駒30,30をスライドさせて、所望の位置になったら歯車60,60の押し込みを止めることで係合突起31,31を係合溝50,50に係合させてバンドの長さを微調整できる。このときコイルバネ21,21によってスライド駒30,30は外側へ付勢されているので(外側へ常にテンションが掛かっているので)、係合突起31,31と係合溝50,50の係合状態は確実に維持される。よって、微調整の操作を極めて簡単且つ確実に行えるものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本願発明は、腕時計バンドや装身具のバンドの他、ものを締結する際に用いられるバンド・ベルト類などにも幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0013】
10 バンド用微調整バックル(バックル)
11 長溝
20 スライド構造
21 コイルバネ
30 スライド駒
31 係合突起
32 ラック
40 スライド箱
50 係合溝
60 歯車
61 歯
65 支軸ピン
70 接続駒
図1
図2