IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソフイアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326D
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019042183
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020141926
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-143432(JP,A)
【文献】特開2003-010441(JP,A)
【文献】特開2016-154890(JP,A)
【文献】特開2016-093310(JP,A)
【文献】特開2001-062078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に複数の図柄オブジェクトを変動表示して変動表示ゲームを行う制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技盤を視認可能に形成される透明部材と、
前記透明部材の周囲に配設されて発光可能な第1遊技機構成要素と、
前記遊技盤に配設される第2遊技機構成要素と、を備え、
前記変動表示ゲームは、前記変動表示ゲームの開始の際の予備動作を表示する予備動作表示期間と、前記変動表示ゲームの開始直後の期間よりも前記図柄オブジェクトの変動速度が速い高速変動表示期間を含み、
前記制御手段は、
前記変動表示ゲームにて仮停止表示される前記図柄オブジェクトの大きさを前記高速変動表示期間における前記図柄オブジェクトの大きさと異ならせるようにし、
前記図柄オブジェクトよりも小さく表示する小図柄オブジェクトを、前記予備動作表示期間において当該予備動作表示期間内に当該小図柄オブジェクトに含まれる図柄を一巡以上変動する特定速度、且つ所定順序で図柄を更新する変動をさせ、前記予備動作表示期間の終了後も前記特定速度、且つ前記所定順序で図柄を更新する変動を継続するように表示し、
さらに、前記第1遊技機構成要素の操作に応じた演出を表示可能であり、
前記第1遊技機構成要素は、遊技者が手動で第1位置から第2位置へ変位させることが可能であり、当該第1遊技機構成要素が第2位置に変位すると特定の態様で発光することが可能であり、
前記第2遊技機構成要素は、前記透明部材に映り込む前記第1遊技機構成要素の虚像と重なり、前記第1遊技機構成要素が前記第2位置に変位することによって当該第1遊技機構成要素の虚像と重ならなくなることが可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
表示装置に複数の図柄オブジェクトを変動表示して変動表示ゲームを行う制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技盤を視認可能に形成される透明部材と、
前記透明部材の周囲に配設されて発光可能な第1遊技機構成要素と、
前記遊技盤に配設される第2遊技機構成要素と、を備え、
前記変動表示ゲームは、前記変動表示ゲームの開始の際の予備動作を表示する予備動作表示期間と、前記変動表示ゲームの開始直後の期間よりも前記図柄オブジェクトの変動速度が速い高速変動表示期間を含み、
前記制御手段は、
前記変動表示ゲームにて停止表示される前記図柄オブジェクトの大きさを前記高速変動表示期間における前記図柄オブジェクトの大きさと異ならせるようにし、
前記図柄オブジェクトよりも小さく表示する小図柄オブジェクトを、前記予備動作表示期間において当該予備動作表示期間内に当該小図柄オブジェクトに含まれる図柄を一巡以上変動する特定速度、且つ所定順序で図柄を更新する変動をさせ、前記予備動作表示期間の終了後も前記特定速度、且つ前記所定順序で図柄を更新する変動を継続するように表示し、
さらに、前記第1遊技機構成要素の操作に応じた演出を表示可能であり、
前記第1遊技機構成要素は、遊技者が手動で第1位置から第2位置へ変位させることが可能であり、当該第1遊技機構成要素が第2位置に変位すると特定の態様で発光することが可能であり、
前記第2遊技機構成要素は、前記透明部材に映り込む前記第1遊技機構成要素の虚像と重なり、前記第1遊技機構成要素が前記第2位置に変位することによって当該第1遊技機構成要素の虚像と重ならなくなることが可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に複数の図柄オブジェクトを変動表示して変動表示ゲームを行う表
示制御手段を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別
遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機において、始動領域(例えば始動入賞口)に遊技球が通過(入賞)したことを契
機に変動表示ゲームが実行される。変動表示ゲームにおいては、図柄オブジェクトの変動
表示を様々な態様で行っており、特にその途中では高速変動表示が行われる(特許文献1
参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-126438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、昨今の遊技機では、高速変動表示の際に図柄オブジェクトを半透明にするため
、図柄オブジェクトの表示態様を工夫しなければ、どのような態様で図柄オブジェクトが
変動表示を行っているか遊技者が認識できなくなる虞がある。
【0005】
本発明は、遊技機において、変動表示ゲーム中の図柄オブジェクトの変動表示態様を容
易に認識可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の代表的な一形態では、表示装置に複数の図柄オブジェクトを変動表示して変動表示ゲームを行う制御手段を備え、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技盤を視認可能に形成される透明部材と、前記透明部材の周囲に配設されて発光可能な第1遊技機構成要素と、前記遊技盤に配設される第2遊技機構成要素と、を備え、前記変動表示ゲームは、前記変動表示ゲームの開始の際の予備動作を表示する予備動作表示期間と、前記変動表示ゲームの開始直後の期間よりも前記図柄オブジェクトの変動速度が速い高速変動表示期間を含み、前記制御手段は、前記変動表示ゲームにて仮停止表示される前記図柄オブジェクトの大きさを前記高速変動表示期間における前記図柄オブジェクトの大きさと異ならせるようにし、前記図柄オブジェクトよりも小さく表示する小図柄オブジェクトを、前記予備動作表示期間において当該予備動作表示期間内に当該小図柄オブジェクトに含まれる図柄を一巡以上変動する特定速度、且つ所定順序で図柄を更新する変動をさせ、前記予備動作表示期間の終了後も前記特定速度、且つ前記所定順序で図柄を更新する変動を継続するように表示し、さらに、前記第1遊技機構成要素の操作に応じた演出を表示可能であり、前記第1遊技機構成要素は、遊技者が手動で第1位置から第2位置へ変位させることが可能であり、当該第1遊技機構成要素が第2位置に変位すると特定の態様で発光することが可能であり、前記第2遊技機構成要素は、前記透明部材に映り込む前記第1遊技機構成要素の虚像と重なり、前記第1遊技機構成要素が前記第2位置に変位することによって当該第1遊技機構成要素の虚像と重ならなくなることが可能である


【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、変動表示ゲーム中の図柄オブジェクトの変動表示態様を容易
に認識可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遊技機を前面側から見た斜視図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。
図4】遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
図5A】メイン処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。
図5B】メイン処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
図6A】タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図6B】確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。
図7】特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
図8】始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
図9】特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
図10】特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
図11】特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図12】特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図13】大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
図14】大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
図15】大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
図16】特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図17】変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
図18】2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
図19】振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
図20】変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図21】普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
図22】普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
図23】演出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
図24】受信コマンドチェック処理を示すフローチャートである。
図25】受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。
図26】単発系コマンド処理を示すフローチャートである。
図27】先読み図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
図28】先読み変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
図29】図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
図30】変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
図31】変動演出設定処理を示すフローチャートである。
図32】当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
図33】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(前段)である。
図34】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(後段)である。
図35】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様と、フレームとの関係を示す表である。
図36】大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクト等に係る演出表示編集処理の手順を示すフローチャートである。
図37】大図柄オブジェクト(中図柄)の高速変動表示中の変動態様を示す図である。
図38】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第1変形例)を表す遷移図(前段)である。
図39】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第1変形例)を表す遷移図(後段)である。
図40】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第1変形例)とフレームとの関係を示す表である。
図41】保留オブジェクトの変化態様を示す図であり、(a)は変動の振幅が大きい場合、(b)は変動の振幅が中程度である場合、(c)は変動の振幅が小さい場合を示す。
図42】変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(前段)である。
図43】変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(後段)である。
図44】変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様と、フレームとの関係を示す表である。
図45】変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(前段)である。
図46】変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様を表す遷移図(後段)である。
図47】変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様とフレームとの関係を示す表である。
図48】変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(変形例)を表す遷移図である。
図49】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第2変形例)を表す遷移図(前段)である。
図50】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第2変形例)を表す遷移図(後段)である。
図51】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第3変形例)を表す遷移図(前段)である。
図52】高速変動表示中の大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様(第3変形例)を表す遷移図(後段)である。
図53】第2実施形態に係る演出ボタンの移動前後において、演出ボタンがガラス枠に映り込む領域を説明する図である。
図54】第2実施形態に係る演出ボタンの移動前後において、ガラス枠の奥に映る演出ボタンの虚像を遊技者が視認できる領域を説明する図である。
図55】第2実施形態に係る遊技機の斜視図であって、遊技者の視界に入る演出ボタンからの光線の流れを説明する図である。
図56】第2実施形態に係る変形例の演出ボタンの移動前後において、演出ボタンがガラス枠に映り込む領域を説明する図である。
図57】第2実施形態に係る変形例の演出ボタンの移動前後において、ガラス枠の奥に映る演出ボタンの虚像を遊技者が視認できる領域を説明する図である。
図58】第2実施形態に係る第2変形例の演出ボタンの移動態様を説明する図である。
図59】第2実施形態に係る第3変形例の演出ボタンの移動態様を説明する図である。
図60】第2実施形態に係る第4変形例の演出ボタンがガラス枠に映り込む領域と、ガラス枠の奥に映る演出ボタンの虚像を遊技者が視認できる領域とを、説明する図である。
図61】第2実施形態に係る遊技機の突出演出ユニットの横断面図である。
図62】第2実施形態に係る遊技機の斜視図であって、遊技者の視界に入る突出演出ユニットからの光線の流れを説明する図である。
図63】第2実施形態に係る遊技盤等の概略側面図であって、遊技者の視界に入るステージ部や始動入賞口からの光線の流れを説明する図である。
図64】第2実施形態に係る演出制御装置が演出としての変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明にお
ける前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
【0010】
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
【0011】
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けら
れる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成さ
れている。
【0012】
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を
覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊
技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機
能する。
【0013】
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例
えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスするこ
とができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで
、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアク
セスすることができる。
【0014】
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されてい
る。
【0015】
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置1
8a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材
を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0016】
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設され
る。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが
設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右
角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警
報音、報知音等を発するものである。
【0017】
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技
者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット1
3は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13
の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0018】
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付
けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留され
ている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
【0019】
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入
力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と
、をさらに備える。
【0020】
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、
遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
【0021】
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示され
る特図変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことが
できる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示
ゲーム(ゲーム)の結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお
、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には
、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0022】
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作す
ることによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
【0023】
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊
技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別
な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別
結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(
特別遊技状態)である。
【0024】
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ルー
プタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ
、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等が
ある。
【0025】
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが
発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装
置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい
【0026】
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニ
ットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28
と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が
操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカード
ユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタ
ンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
【0027】
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演
出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0028】
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には
、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可
能な下皿23とが設けられている。
【0029】
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に
配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は
上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から
発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くな
るように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)
である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異
なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において
遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下さ
せる右打ちが含まれる。
【0030】
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置さ
れている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球
抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部
23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技
球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
【0031】
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機
10に備えられる遊技盤30の正面図である。
【0032】
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体3
0aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30a
の前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、
ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行
うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車
や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えなが
ら遊技領域32を流下する。
【0033】
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部
の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)
としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを
備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能と
なるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず
、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0034】
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変
動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される
。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エ
ンディング表示等)が表示される。
【0035】
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40
の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した
遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステー
ジ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、
ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞
しやすくなっている。
【0036】
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部
演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40d
は、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している
【0037】
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲー
ト)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を
通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられ
ている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図
変動表示ゲームが実行される。
【0038】
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、セ
ンターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら
一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW
)35a~35n(図3参照)によって検出される。
【0039】
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与
する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第
2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は
、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可
動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通
変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変
動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
【0040】
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所
定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して
開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入
賞容易状態)に変化する。
【0041】
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御
装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確
率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技
状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前
述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(
潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
【0042】
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(図3
参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッ
カ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装
置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不
利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口
内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与する
ようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出
手段としてカウントスイッチ39a(大入賞口スイッチ39a、図3参照)が配設されて
いる。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす発光部材が配設されてい
る。
【0043】
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられ
ている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(
高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域86は、確変大当りの場合にのみ、長
時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置
100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ
72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行すること
を確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定
領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置4
1などにおいて報知できる。
【0044】
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39
の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口
の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置3
7の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30
bが設けられている。
【0045】
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行す
る一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を
表示する表示部51~60を備える。
【0046】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表
示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普
図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の
記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、
を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2
保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ラ
ンプD15、D16により構成される。
【0047】
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時
)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、
時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊
技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態
となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表
示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表
示するラウンド表示部60(ランプD3-D7)が設けられている。
【0048】
図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば
、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお
、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、
複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示
器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環
点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数
のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよ
い。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を
繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器5
1、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
【0049】
また、センターケース40の上部に設けられるランプ表示装置80は、図柄(第四特別
図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部(
LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED
)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED)は、大当り
発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述の
リーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
【0050】
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの
詳細について説明する。
【0051】
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出され
ることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置さ
れた障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲー
ト34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装
置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技
領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置
37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた
数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
【0052】
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲート
スイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過する
と、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の
判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
【0053】
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われて
おり当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当り
となって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)さ
れる。
【0054】
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値
が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示
ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
【0055】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるよ
うになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当り
を示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示する
ことで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は
消灯することで結果を表示するようになっている。
【0056】
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示
器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレ
ノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例え
ば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容さ
れる。
【0057】
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイ
ッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。
始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、
所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特
図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
【0058】
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各
変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記
憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分
)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報
知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置4
1の表示画面にも表示される。
【0059】
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特
図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通
変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2
変動表示ゲームを実行する。
【0060】
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特
図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別
図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、
表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字
、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
【0061】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特
別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の
順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止
させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では
、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図
変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のラン
プ表示部(LED)において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別
図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部の変動表示は、開始から所定時間後に、はず
れの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」で停止する。
【0062】
なお、逆に、第四特別図柄(第4図柄)としてのランプ表示部(LED)の変動表示は
、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する構成も可能である。また
、各ランプ表示部としてLED(第4図柄LED)を複数設けて、はずれの場合に複数の
うちの一つのLEDを点灯させ、大当りの場合に複数の全てのLEDが点灯させるような
構成も可能である。
【0063】
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなさ
れた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図1表示器51ま
たは特図2表示器52において、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の
結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応
して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った
状態)となる。
【0064】
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電
によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。
すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球
が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという
特典が付与される。
【0065】
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよい
し同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないよ
うに設定される。
【0066】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし
、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲ
ーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されない
ようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行
されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があ
り、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行
される。
【0067】
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0068】
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口
スイッチ35a、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金
属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接セン
サ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15
等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前
面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイ
クロスイッチを用いることができる。
【0069】
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置10
0(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基
板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を
有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバな
どを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続す
るデータバス140などからなる。
【0070】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0071】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコ
ンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧
を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン11
1の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停
電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリ
セット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0072】
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、
バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御
装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び
遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置
400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部43
0を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0073】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停
電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投
入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0074】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM
初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、
これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRA
Mに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけでは
ないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0075】
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キース
イッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関
する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化ス
イッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとし
ても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率(小当り
がある場合のみ)などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技
条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM
初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手
段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他の
スイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチ
を設けてもよい。
【0076】
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装
置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作で
きない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キース
イッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
【0077】
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設
定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定
値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能
な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
【0078】
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1
)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率
設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も
不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり
、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
【0079】
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される
度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)
→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(
設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率
設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。こ
のように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお
、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ
確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち
0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定
値を同じ数値にする)。
【0080】
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キー
スイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また
、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に対
応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグ
メント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
【0081】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
【0082】
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの
作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊
技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段
となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換
え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0083】
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
【0084】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0085】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示
領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で
特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし
特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変
動表示するようにしてもよい。
【0086】
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導
出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマル
リーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP
2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。
なお、リーチ演出の大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシ
ャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くな
るようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態
様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになって
いる。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(は
ずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発
生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態で
ある。
【0087】
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆
し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその
演出の選択率などに基づいて算出することができる。
【0088】
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数
や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り
図柄乱数(小当りがある場合のみ)、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチ
やリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための
変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(
原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミ
リ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成す
るクロックジェネレータを備えている。
【0089】
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111b
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当
りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確
率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブル
の中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU11
1aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動
パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情
報取得手段をなす。
【0090】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。
また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出
ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0091】
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波セ
ンサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞
口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動
口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の
大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11
Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変
換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
【0092】
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存
球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72
は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口ス
イッチ73は、特別変動入賞装置39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊
技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを
検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
【0093】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第
4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込
まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッ
チ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの
検出信号は第3入力ポート124に入力される。
【0094】
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッ
チの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
【0095】
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ
73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される
【0096】
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス
枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ
64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ6
5からの信号が入力される。
【0097】
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を
取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
【0098】
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッ
チ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力される
ように構成されている。
【0099】
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
【0100】
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポー
ト124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポ
ート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0101】
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビ
ジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れ
スイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に
設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ1
12からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する
第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊
技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される
信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を
検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコ
マンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
【0102】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバ
ス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチか
らの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部から
の信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0103】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技
用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部13
0の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中
継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図
示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
【0104】
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成する
ようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123
,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によ
って出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセ
ットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊
技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃
棄されるためである。
【0105】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0106】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッ
ファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御
装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
【0107】
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に
供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情
報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号とし
てデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給され
る。
【0108】
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
【0109】
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放さ
せるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口
ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド)、レバーを動作させ特定領域86を開放させる
レバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられ
ている。
【0110】
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0111】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71
に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォト
リレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理
装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装
置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミ
ットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0112】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37
cや大入賞口ソレノイド39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成
し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一
括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライ
バ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側の
デジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート13
7から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4
ドライバ138dが設けられている。
【0113】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50
のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジッ
ト線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜
くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0114】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたL
EDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ド
ライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給され
る。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制
御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるよう
にしてもよい。
【0115】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられて
いない。
【0116】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制
御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性
能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施
形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含める
と8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライ
バであるが、これに限られるものではない。
【0117】
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、
他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、性能表示として、表示用
確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
【0118】
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)
であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数
との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)
することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口
36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2
)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。
【0119】
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(
獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個
当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
【0120】
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞
口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口
に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物
比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた
賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大
入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の
割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
【0121】
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4
は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
【0122】
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えてい
る。
【0123】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
【0124】
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接
続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析
し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314
への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理
などの処理を実行する。
【0125】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
【0126】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
【0127】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0128】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
【0129】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
【0130】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信す
るインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F3
31を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数
コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号
(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5
Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するた
め、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0131】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置8
0が含まれてよい。
【0132】
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は
、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお
、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御
回路を備えていてもよい。
【0133】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネ
ル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演
出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入
力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出し
て主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられてい
る。
【0134】
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。
【0135】
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で
動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを
生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-
DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0136】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
【0137】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置1
00の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲー
トスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽
出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れ
を判定する。
【0138】
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に
特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を
行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う
変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示
器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0139】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲーム
の大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図
1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0140】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出
信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当
り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動
表示ゲームの当り外れを判定する。
【0141】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動
表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出
力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示
した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が
、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装
置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
【0142】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置
41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出
制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、ス
ピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すな
わち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制
御手段をなす。
【0143】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの
場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別
遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、
例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放さ
せ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0144】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開
放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの
条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウ
ンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技
)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合
に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様
を表示する制御を行う。
【0145】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である
。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲーム
の結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲ
ームの両方が高確率状態となる。
【0146】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態にお
いては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い
、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞
装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。
なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして
普電サポートを実行する。
【0147】
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)
を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である
(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図
変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの
時間短縮変動も実行する。
【0148】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1
停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)
となるように制御することが可能である。
【0149】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置
37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば
100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御
することが可能である。
【0150】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動
入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数
(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態において
は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の
通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0151】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態
変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状
態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲ
ームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複
数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材3
7bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第
1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放
態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、そ
れぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発
生させることも可能である。
【0152】
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93の
オンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
【0153】
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされて
いる場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変
更モード)に移行する(図5BのA1027-A1036と図6B参照)。
【0154】
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッ
チ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に
移行する(図5BのA1031-A1036と図6B参照)。
【0155】
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ11
2がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、R
AM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図
5BのA1042-1044参照)。
【0156】
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場
合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
【0157】
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示
すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み
処理とからなる。
【0158】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100による
メイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで
開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステ
ップの符号(番号)は「A****」と表されている。
【0159】
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込み
を禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退
避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理
を実行する(A1002)。
【0160】
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所
定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば
、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして
00hをセットする。
【0161】
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設
定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少な
くとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が
禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93と
RAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
【0162】
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源
ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3
秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上が
って従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコ
マンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避する
ことができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊
技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置3
00等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0163】
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象
とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる
。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のR
AM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止す
ることができる。
【0164】
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態
を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に
検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッ
チ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定
キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しか
し、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても
、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け
付けられないような事態を防止できる。
【0165】
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の
計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA
1010)。
【0166】
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力
されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生
しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果
が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0167】
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)
、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを
判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、す
なわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
【0168】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電
が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができ
る。
【0169】
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」
)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可
能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートに
オフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
【0170】
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載され
ているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に
使用)を設定する(A1013)。
【0171】
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初
期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含
むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んで
ドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューテ
ィ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明
るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用
桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
【0172】
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタ
イマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer C
ircuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内
のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113か
らの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCP
U111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路
に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0173】
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRA
M異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定の
レジスタにセットしておく。
【0174】
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A101
6の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデー
タであるか否かを判定する(A1017)。
【0175】
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結
果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時
のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場
合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM
異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する
【0176】
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと
判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェ
ックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリ
アすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
【0177】
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両
スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モ
ード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
【0178】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM
111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A102
2)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確
率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更
中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA103
1-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステッ
プA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1
041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
【0179】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023
の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報
知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)
。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置10
0の異常があったことを報知する。
【0180】
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1
」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152の
ドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホ
ールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオ
ンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する
情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の
信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返
して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ1
12の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025と
A1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり
(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理
図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行
できない。
【0181】
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場
合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定
変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操
作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
【0182】
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A102
2の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知する
メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停
止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置
152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるため
に、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお
、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信
号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA10
25とA1026の処理を繰り返して待機する。
【0183】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両ス
イッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状
態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する
(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y
」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領
域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから
(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(
A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N
」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。
次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1
030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報
知する。
【0184】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされ
ておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされてい
ない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを
判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果
が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設
定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラ
グをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置30
0(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。な
お、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中である
ことを表示装置41などにおいて報知する。
【0185】
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定
変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理
を実行する。
【0186】
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ
信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセ
ーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ
信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設
定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマ
のカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される
。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号
は出力される。
【0187】
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ
割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否
かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の
結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生して
いない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、
停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A10
61の停電発生時の処理を実行する。
【0188】
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設
定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を
確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
【0189】
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036
の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置
300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信し
た演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であるこ
との報知を終了する。
【0190】
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち
、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フ
ラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定
変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を
実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果
が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の
電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
【0191】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果
が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)
。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RA
M111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0
クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて
、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更
中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や
未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエ
リア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得
られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態に
おける出玉率)、役物比率、排出球数などである。
【0192】
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブす
る(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御
基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
【0193】
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1
041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方と
もオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実
行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセ
ーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図
ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコ
マンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA10
47の処理に移行する。
【0194】
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップ
A1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定
コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コ
マンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマ
ンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマ
ンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
【0195】
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率
設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率
設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一
度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御
装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
【0196】
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマ
ンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、
表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM
初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示
装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定の
コマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)
、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
【0197】
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成
回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(C
TC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定など
がCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハ
ード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
【0198】
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を
、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として
格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
【0199】
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の
規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット
転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパ
ターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても
よい。
【0200】
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフ
ト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する
大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱
数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する
当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落
抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、
割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回
路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されてい
るため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで
生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にする
ことができる。
【0201】
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すた
めの初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではない
が、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱
数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、
大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所
謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処
理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(
CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である
【0202】
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごと
に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値
変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新
でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式
更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り
図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数で
ある。
【0203】
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示
(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報
(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセット
されていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック
領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割
込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能とな
る。
【0204】
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。
停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理
に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰
り返される。
【0205】
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発
生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを
出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセー
ブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A
1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)
。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が
遮断されるまで待機する。
【0206】
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェ
ックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバッ
クアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0207】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理
プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネ
レータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力さ
れることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイ
マ割込み処理が開始される。
【0208】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバ
ンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アド
レスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処
理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で
使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると
、自動的に割込み禁止状態になる。
【0209】
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確
率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確
認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である
場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変
更/確認処理を実行する(A1305)。
【0210】
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A130
4の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば
大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制
御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるス
テップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われるこ
とで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
【0211】
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出
制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数
更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口
1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ
39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が
開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310
)。
【0212】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判
定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中
フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中で
ある場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
【0213】
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)
、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312)。な
お、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
【0214】
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理
を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関す
る各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメン
トLED編集処理を実行する(A1314)。
【0215】
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックし
て異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊
技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不
正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
【0216】
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正
を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出
を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変
動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイ
ッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常
排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特
別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ7
2(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
【0217】
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットす
る外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制
御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を
終了する。
【0218】
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指
定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集
処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処
理を行ってもよい。
【0219】
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細につい
て説明する。図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確
率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
【0220】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2
401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
【0221】
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「
Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表
示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲
内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データ
を設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A
2404)。
【0222】
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値
のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の
混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であ
れば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい
。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい
【0223】
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新す
る(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された1
28ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュ
ータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71
に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信
号はオフ状態に維持される。
【0224】
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判
定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407
の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認
処理を終了する。
【0225】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407
の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込
み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理で
ある場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは
、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更
新がされる事態を防止するためである。
【0226】
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A240
8の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2
409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確
率設定変更/確認処理を終了する。
【0227】
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409
の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値
を0~5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率
設定値1~6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112
が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定
変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納す
る作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出し
た確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
【0228】
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新
に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの
作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定
キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y
」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納す
るようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037
の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に
記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
【0229】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について
説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理
では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表
示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0230】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視
処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞
すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの
開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、
始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
【0231】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ
39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については
後述する。
【0232】
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ割
込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム
処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否
かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果
が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
【0233】
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「
Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲー
ム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブ
ルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを
用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。
続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に
応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
【0234】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、
特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の
設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する
(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図10にて後述する。
【0235】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、
特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特
図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止
を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設
定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブ
する。
【0236】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、
特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレ
コマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定
、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示
中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの
結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を
設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲー
ム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当りでなければ、特図普段
処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0237】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、
大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情
報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例え
ば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応
するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中
処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0238】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラ
ウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大
入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を
設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域に
セーブする。
【0239】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間
を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存
球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口開放中処理では、最終ラウンドでな
ければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/イン
ターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最
終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終
了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0240】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、
特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A
2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り
図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大
当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段
処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定
データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後
の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の
情報が含まれる。
【0241】
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器
51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図
1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器
52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図
2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
【0242】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について
説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
【0243】
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブル
を準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36
への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(
A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始
動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポ
ート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
【0244】
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A
2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短
中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コ
マンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する
(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書
き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
【0245】
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状
態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定
処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通
変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図
始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよ
りも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場
合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンド
を演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(
警告)を表示装置41等によって実行する。
【0246】
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定す
るテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2
708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブル
を準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口
への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(
A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0247】
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果
が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわ
ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを
判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」
)、ステップA2714の処理に移行する。
【0248】
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が
「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37へ
の不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中である
と判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態で
のみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や
不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を
不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生
判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0249】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第
2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した
後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッ
チ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結
果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2
始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0250】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A
2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示す
フローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
【0251】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理
装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロード
した値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する
(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、
更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA
2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結
果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力
回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした
値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数が
オーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0252】
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限
値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合
(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新
対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の
特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始
動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
【0253】
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱
数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当
り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始
動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄
乱数格納領域にセーブする(A2911)。
【0254】
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パタ
ーン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2
913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から
3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号
)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視
対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンド
として準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始
動口スイッチ共通処理を終了する。
【0255】
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲー
ムの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、
始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球
の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第
2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値
を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0256】
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。
図10は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0257】
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判
定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特
図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みである
か否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が
「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
【0258】
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(
A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理
に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A32
11の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215
)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラ
グ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監
視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
【0259】
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N
」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保
留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203
)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理
移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
【0260】
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N
」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保
留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208
)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理
移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
【0261】
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで
、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されること
となる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行される
こととなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)
に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動
記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0262】
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明す
る。図11は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始
処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0263】
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動
表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り
情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定
処理の詳細については後述する。
【0264】
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設
定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはず
れ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パター
ンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を
実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄
番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
【0265】
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図
情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
【0266】
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する
種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情
報テーブルを準備する(A3405)。
【0267】
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パ
ターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)
。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動
開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情
報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特
図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマン
ド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を
行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種
別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する)。
【0268】
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明す
る。図12は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始
処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図11に示した特図1変動
開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0269】
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2
を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図
2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や
大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
【0270】
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パタ
ーンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する
(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情
報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブ
ルを準備する(A3505)。
【0271】
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動
パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始
の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を
終了する。
【0272】
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細につ
いて説明する。図13は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0273】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A36
01)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロー
ドし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリ
アする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうち
で最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備
した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定す
る大当り判定処理を実行する(A3604)。
【0274】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合
(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処
理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A
3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形
態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れか
となる。
【0275】
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細につ
いて説明する。図14は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、図13に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動
記憶を対象として行うものである。
【0276】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A37
01)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロー
ドし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリ
アする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうち
で最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備
した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定す
る大当り判定処理を実行する(A3704)。
【0277】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合
(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処
理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A
3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ
2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果
は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
【0278】
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(
A3605、A3704)の詳細について説明する。図15は、大当り判定処理の手順を
示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される
他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステッ
プA3004などでも実行される。
【0279】
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対
象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大
当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続す
る複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、か
つ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定さ
れる。
【0280】
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A380
2の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大
当り判定処理を終了する。
【0281】
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3
802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判
定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」
)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には
(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
【0282】
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数
の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判
定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外
)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(
A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結
果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
【0283】
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A340
4、A3504)の詳細について説明する。図16は、特図情報設定処理の手順を示すフ
ローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし
)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変
動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲー
ムの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようにな
っている。
【0284】
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)
、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオ
フセットデータを取得する(A4204)。
【0285】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206
)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基
づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リ
ーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グル
ープを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に
変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果とし
て保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パター
ンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さら
にこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
【0286】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)
、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A42
10)。
【0287】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212
)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類
、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変
動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるための
テーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はず
れの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生
率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに
影響しない。
【0288】
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A
3406、A3506)の詳細について説明する。図17は、変動パターン設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0289】
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様であ
る前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態
様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パ
ターンを設定する。
【0290】
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A430
1)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備し
て(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン
乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテ
ーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサ
イズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低
く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズに
なっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使
用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現さ
せたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
【0291】
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し
(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処
理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない
場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA
4307の処理に移行する。
【0292】
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後
半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変
動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する
(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得
られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理
により、後半変動パターンが設定されることとなる。
【0293】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変
動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブ
ル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域
(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、
振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し
、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。こ
の処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定
されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パタ
ーンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
【0294】
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細につ
いて説明する。図18は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2
バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特
図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
【0295】
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グルー
プテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェ
ックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変
動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「
リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例
えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要
がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されてい
る。
【0296】
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭の
データが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた
結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終
了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けな
しのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
【0297】
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステ
ップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)
、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして
、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振
り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して
、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に
規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405
にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A44
04)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
【0298】
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4
405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の
後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が
「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応
するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
【0299】
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A43
15)の詳細について説明する。図19は、振り分け処理の手順を示すフローチャートで
ある。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変
動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パ
ターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図
変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
【0300】
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動
グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステッ
プA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコー
ド(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グルー
プテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半
変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番
号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブ
ルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている
【0301】
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後
半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードで
ある場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに
更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変
動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが
振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(
後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規
定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
【0302】
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準
備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)か
らステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A45
04)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。
そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、
次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移
行して、それ以降の処理を行う。
【0303】
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや
前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その
後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新
たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否
かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0
」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対
象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テ
ーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後
半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テー
ブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択さ
れる。
【0304】
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」より
も小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータ
のアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
【0305】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A
3407、A3507)の詳細について説明する。図20は、変動開始情報設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0306】
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域をクリア
する(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動
番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テー
ブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4
605)。
【0307】
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A460
6)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変
動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対
応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演
出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保
留数を-1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアド
レスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフ
ト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
【0308】
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値
の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づ
いて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パ
ターン決定手段をなす。
【0309】
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間
の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装
置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信すること
で、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
【0310】
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明す
る。図21は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では
、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、
普図の表示の設定等を行う。
【0311】
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイ
ッチ監視処理を実行する(A7601)。
【0312】
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入
賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
【0313】
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されて
いる。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを
判定する(A7604)。
【0314】
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果
が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普
図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐
テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
【0315】
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づ
いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そ
して、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応
じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
【0316】
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、
普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の
設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する
(A7608)。普図普段処理の詳細については、図22にて後述する。
【0317】
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合
には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する
(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲー
ム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時
間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
【0318】
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合
には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電
開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処
理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果
が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定
して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行す
るために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする
【0319】
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合
は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を
行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数
だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行する
ために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0320】
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合
は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する
(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲ
ーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エン
ディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
【0321】
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合
は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処
理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行する
ために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0322】
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するため
の普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通
図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終
了する。
【0323】
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604
の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以
降の処理を実行する。
【0324】
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。
図22は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0325】
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)
。普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理移行設定
処理1を実行し(A7923)、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1
では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲー
ム処理番号領域にセーブする。
【0326】
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「
N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWM
の普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードする(A7902)
。そして、普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1
用)を0クリアする(A7903)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確
率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(
普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7904)。なお、高確率中の普図当り
確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
【0327】
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7904の結果が「N」)、普図
低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7905
)、普図高確率中である場合(A7904の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値
である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7906)、ステップA7907の
処理に移行する。
【0328】
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判
定する(A7907)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで
共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、
はずれの場合、ステップA7909の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である
場合(A7907の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する
(A7908)。
【0329】
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7908の結果が「
Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7909)
。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7910)、はずれ
図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7911)、ステップA7915の処理
に移行する。
【0330】
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7908の結果が「
N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7912)、ロー
ドした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7913)、当り停止図柄
番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7914)、ス
テップA7915の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよい。
【0331】
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A791
5)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7916)。次に、普図
変動表示ゲームに関連する情報(特に普図変動表示ゲームの当り/はずれの情報)に対応
する普図コマンドを演出コマンドとして準備して(A7917)、演出コマンド設定処理
を実行する(A7918)。そして、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7919)、
シフト後の空き領域を0クリアした後(A7920)、普図保留数を-1更新する(A7
921)。
【0332】
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い
、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2~4の順位を1つずつ繰り上げる。
この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普
図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして
、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメ
ントされる。
【0333】
次に、遊技制御装置100は、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7922)、
普図普段処理を終了する。普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行する
ために、ゲーム処理番号として「1」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他
、普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
【0334】
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を
説明する。
【0335】
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23
は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示
すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイ
コン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行す
る処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されて
いる。
【0336】
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(
B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B
0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置1
00から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる
【0337】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し
(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期
化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
【0338】
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0
008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311
が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされな
い場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
【0339】
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情
報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
【0340】
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報
を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読
み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の
際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を
変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置
300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、
所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRT
C338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の
時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用
して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処
理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
【0341】
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンス
イッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出
内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、
遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作
を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者
設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズす
ることができる。
【0342】
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制
御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象
となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出
ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報
等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出
制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を
表示装置41に表示できる。
【0343】
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実
行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する
受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理
の詳細については、図24にて後述する。
【0344】
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集し
て制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状
態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
【0345】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容
に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバ
ッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定され
る描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が
描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することが
できる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了
設定を実行する(B0018)。
【0346】
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B
0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレ
ーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングで
ある場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0
020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム
周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り
替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
【0347】
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御
処理を実行する(B0021)。
【0348】
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装
置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば
、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
【0349】
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演
出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体
制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
【0350】
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処
理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
【0351】
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図24を参照して、上述したメイン処理(図23)における受信コマンドチェッ
ク処理(B0014)の詳細について説明する。図24は、演出制御装置300によって
実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
【0352】
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェック
するためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受
信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定
する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100か
ら受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドが
ないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
【0353】
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装
置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド
受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103
)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B11
04)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコ
マンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新
たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
【0354】
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更
新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32
個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス
0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信
したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマン
ド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応
する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
【0355】
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分の
コマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場
合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返
す。
【0356】
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信
コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ
領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分の
コマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマン
ド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーさ
れると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように
、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コ
マンドの大量受信に備えることができる。
【0357】
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y
」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を
解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理
の詳細については、次の図25にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを
更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受
信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していな
い場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰
り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック
処理を終了する。
【0358】
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図25を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図24)における受信
コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図25は、演出制御装置30
0によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
【0359】
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイ
トをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100か
ら演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びA
CTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類
を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はM
ODE部、ACTION部の順に構成される。
【0360】
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B12
02)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド
仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲
である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲である
か否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を
示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)で
あるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203
の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否か
を判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定
される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せ
である場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統
に応じたコマンド処理を実行する。
【0361】
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令す
るコマンドであり、例えば変動コマンド(A3407)がある。そして、MODE部が変
動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行
し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0362】
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B12
05の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(
B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファー
レ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ
画面を指令するためのファンファーレコマンド(A2610)、ラウンド画面を指令する
ためのラウンドコマンド(A2611)、インターバル画面を指令するためのインターバ
ルコマンド(A2612)、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンド(
A2612)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1
207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド
解析処理を終了する。
【0363】
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1
207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(
B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特
図コマンド(A3403、A3503)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを
表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210
)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0364】
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B12
09の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が
「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了す
る。
【0365】
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B12
11の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンド(A2
913)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B121
3の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド
解析処理を終了する。
【0366】
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(
B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを
判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマ
ンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には
(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受
信コマンド解析処理を終了する。
【0367】
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合
には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ
使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。ま
た、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が
正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するAC
TION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解
析処理を終了する。
【0368】
〔単発系コマンド処理〕
次に、図26を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における単発系コ
マンド処理(B1212)の詳細について説明する。図26は、演出制御装置300によ
って実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0369】
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表
すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合
には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B
1302)、単発系コマンド処理を終了する。
【0370】
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1
301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判
定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(
B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行
し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
【0371】
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には
(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧コマンドを表すか否かを判
定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧コマンドを表す場合には(B13
05の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理
を終了する。
【0372】
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧コマンドを表していない場合には(B1
305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定す
る(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B130
7の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理
を終了する。
【0373】
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B
1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否か
を判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合
には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、
単発系コマンド処理を終了する。
【0374】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合に
は(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す
か否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表
す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B131
2)、単発系コマンド処理を終了する。
【0375】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合に
は(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを
判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1
313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処
理を終了する。
【0376】
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1
313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを
判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コ
マンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。状態オンコマ
ンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や
、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開
放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラ
ーの不発生を示す。
【0377】
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が
「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(
B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
【0378】
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合に
は(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特
図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が
演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード
切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
【0379】
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合
には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コ
マンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマン
ドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1
320)、単発系コマンド処理を終了する。
【0380】
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B
1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウント
コマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイ
ッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報
設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
【0381】
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B
1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド
)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA
1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期
化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(
B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に
記憶するとともに必要な処理を実行する。
【0382】
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B
1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する
(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A
1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B13
25の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し
、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場
合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中
表示を表示装置41に表示する。
【0383】
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(
B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定す
る(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(
A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1
327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマ
ンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶
し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した
場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認
中表示を表示装置41に表示する。
【0384】
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお
、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマン
ド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE
部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置3
00は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B13
30)。
【0385】
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)
、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停
止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を
終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定してい
るが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り
中」「小当り中」のフラグが設定される。
【0386】
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N
」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)
には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
【0387】
その他、演出制御装置300は、図26には記載されていないコマンドに対する処理を
実行してよい。
【0388】
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図27を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における先読み図
柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図27は、演出制御装置30
0によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0389】
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報で
あるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマン
ドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合
(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特
図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
【0390】
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結
果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマン
ドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応
する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
【0391】
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンド
の受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B160
4)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため
、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信さ
れるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
【0392】
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図28を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における先読み変
動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図28は、演出制御装置30
0によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0393】
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)
の受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信
待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中で
あると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が
「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中で
ある場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリア
する(B1702)。
【0394】
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2
の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変
動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(
B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変
動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT
部を取得する(B1706)。
【0395】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)
。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、A
CT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とA
CT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コ
マンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセー
ブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B170
9)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710
)。
【0396】
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する
前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になけれ
ば長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる
。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに
扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンド
MODE部に変換しておく。
【0397】
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対
応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、
仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置30
0がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、
ノーマルリーチ-1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。
従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に
変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担
を軽減する。
【0398】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果
が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B171
0の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理
を終了する。
【0399】
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B
1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマ
ンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を
実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読
み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読
み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読
み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する
ポイント情報を設定する(B1714)。
【0400】
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始す
る演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出
である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定
する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715
の結果が「N」)、保留シフト時(保留表示の移動時、保留数減少時)の先読み演出に対
応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了
する。
【0401】
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の
結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B171
5の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
【0402】
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図29を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における図柄系コ
マンド処理(B1210)の詳細について説明する。図29は、演出制御装置300によ
って実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0403】
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2
コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特
図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT
部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B180
2)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテー
ブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ
図柄や、4R確変大当り図柄(4R-A1、図柄1)、4R通常大当り図柄(4R-A2
、図柄2)、8R確変大当り図柄(8R-A1、図柄3)、8R通常大当り図柄(8R-
A2、図柄4)、12R確変大当り図柄(12R-A1、図柄5)、12R通常大当り図
柄(12R-A2、図柄6)に対応する。
【0404】
〔変動系コマンド処理〕
次に、図30を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における変動系コ
マンド処理(B1206)の詳細について説明する。図30は、演出制御装置300によ
って実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0405】
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1
又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である
場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定
でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの
組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを
判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに
大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうこ
とである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)
、変動系コマンド処理を終了する。
【0406】
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の
結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1
904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B19
05)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態
(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の
先読み演出回数が0でなければ-1更新する(B1907)。
【0407】
〔変動演出設定処理〕
次に、図31を参照して、前述した変動系コマンド処理(図30)における変動演出設
定処理(B1905)の詳細について説明する。図31は、演出制御装置300によって
実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0408】
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にな
らない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変
動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、
特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステ
ーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種
別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003
)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応
するテーブルのアドレスを取得している。
【0409】
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の
結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コ
ード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グ
ループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のM
ODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得
する(B2005)。
【0410】
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前
)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機
種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振
分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応
する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リ
ーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コ
マンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。
なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
【0411】
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決
定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾
り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合
にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
【0412】
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の
表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い
、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B201
5)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装
置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾
装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号
で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
【0413】
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定す
ることも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用
発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽し
める。
【0414】
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B
2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄
(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、
第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1
、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行されてもよい。
【0415】
〔当り系コマンド処理〕
次に、図32を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における当り系コ
マンド処理(B1208)の詳細について説明する。図32は、演出制御装置300によ
って実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0416】
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファー
レコマンド(又は小当りがあるなら小当りファンファーレコマンド)である場合、ファン
ファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。
なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれて
いる。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファン
ファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数
上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定さ
れる図柄種別からも得ることができる。
【0417】
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さ
ない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを
表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の
結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド(又は小当りがあるなら小当
り開放中コマンド)である場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し
、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し
(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
【0418】
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結
果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表
すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107
の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御
装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機
状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当
り系コマンド処理を終了する。(なお、小当りがあって小当りで大入賞口が一回だけ開放
される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマンドはない。)
【0419】
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107
の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディング
を表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B21
10の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド(又は小当りがあ
るなら小当り終了画面コマンド)である場合、演出制御装置300は、エンディング演出
を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P
機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、
当り系コマンド処理を終了する。
【0420】
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2
110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コ
マンド処理を終了する。
【0421】
〔大図柄オブジェクト、小図柄オブジェクト、保留オブジェクトの変動態様又は変化態様

図33は、表示装置41において高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,61
0B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動
態様又は変化態様を表す画面遷移図(前段)である。図34は、表示装置41において高
速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト
615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様を表す画面遷移図(
後段)である。図35は、高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,6
10C、小図柄オブジェクト15、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変
化態様と、フレームとの関係を示す表である。
【0422】
図33(例えば(a1))に示すように、表示装置41の中央部に変動表示領域610
が配置され、変動表示領域610の左側には大図柄オブジェクト610A(第1大図柄オ
ブジェクト)が配置され、変動表示領域610の右側には大図柄オブジェクト610B(
第1大図柄オブジェクト)が配置され、変動表示領域610の中央には、大図柄オブジェ
クト610C(第2大図柄オブジェクト)が配置されている。図33の(a1)では、大
図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、いずれも識別情報として「7」が表
示されているが、それぞれ任意の識別情報(1から9の整数)を表示可能である。また、
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、矩形の板状の本体の表面または裏
面に識別情報(例えば「7」)が記載されたものとして構成するが、本体をなくして識別
情報(例えば「7」)のみから構成してもよい。
【0423】
また、表示装置41の下部であって大図柄オブジェクト610Cの真下となる位置には
保留消化領域640が配置され、その左側には保留表示部630a(特図1保留表示部)
が配置されている。また、保留消化領域640の右側は特図2保留表示部となっている。
図1保留表示部(保留表示部630a)及び特図2保留表示部には、それぞれ消化前の
保留オブジェクト633が保留数(最大4個)に応じて一列に並ぶように配置され、保留
消化領域640には、消化中の保留オブジェクト633aが表示される。保留オブジェク
ト633aは、実行中の特図変動表示ゲームの始動記憶(変動中保留)に対応する保留表
示である。なお、特図1保留表示部は、第1始動記憶(特図1保留、特図1始動記憶)に
対応する保留オブジェクト633(保留表示)を表示し、特図2保留表示部は、第2始動
記憶(特図2保留、特図2始動記憶)に対応する保留オブジェクト633(保留表示)を
表示する。
【0424】
表示装置41の右上(大図柄オブジェクト610Bよりも右側)には、上から順に特図
1保留数表示部650、特図2保留数表示部660が配置されている。特図1保留数表示
部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「2」と
図2保留数を示す数字「0」が表示されている。よって、特図1保留表示部(保留表示
部630a)には保留オブジェクト633が2個表示され、特図2保留表示部には保留オ
ブジェクト633は表示されていない。
【0425】
また、表示装置41の右下(特図2保留表示部よりも右側)には小図柄オブジェクト6
15が配置されている。小図柄オブジェクト615は、例えば漢数字の「一」から「九」
からなる識別情報を表示するものであり、図33では一つのみ表示されているが、例えば
横一列に3個の小図柄オブジェクト615が表示されてもよい。
【0426】
前記のように、保留消化領域640には、保留オブジェクト633aが表示されている
。よって、遊技制御装置100及び演出制御装置300は、当該保留オブジェクト633
a(始動記憶)の消化に伴う変動表示ゲームが実行することになる。
【0427】
表示装置41での変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)においては、大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615が変動表示される。
また、保留オブジェクト633,633aは、変動表示ゲームの実行に関わらず、表示さ
れる形態(形状や模様など)が時間的に変化する可変表示が可能であるが、変動表示ゲー
ム中のみ可変表示するようにしてもよい。
【0428】
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、変動表示ゲームにおいて、予備
動作、低速変動、中速変動、高速変動、中速変動、低速変動、仮停止変動の順に変動表示
がなされる。また、大図柄オブジェクト610A,610Bと大図柄オブジェクト610
Cでは変動態様(変動表示態様)が異なる。
【0429】
小図柄オブジェクト615は、変動表示ゲーム中、表示装置41の画面(フレーム)の
更新期間(例えば30分の1秒、33.3ms)と同期(または更新期間の整数倍の周期
で同期)して「一」から「九」までの識別情報を順次切り替えていく。
【0430】
保留オブジェクト633,633aは、その形状が所定の周期で振動する態様で可変表
示(変動表示)される。
【0431】
本実施形態において、演出制御装置300(表示制御手段)は、大図柄オブジェクト6
10A,610Bを特定経路(ここでは垂直方向に沿った直線経路)の上端(基端)から
特定経路の下端(終端)に向けて移動させて消失させた後、識別情報(第1識別情報)が
切り替えられた大図柄オブジェクト610A,610Bを上端(基端)から下端(終端)
に向けて移動させて消失させることを繰り返す態様で、大図柄オブジェクト610A,6
10Bを垂直スクロール(スクロール)させている。なお、特定経路としては垂直方向に
延びる直線経路のみならず、所定の方向に傾斜した直線経路、円弧状の曲線経路等、様々
な経路を適用することができる。
【0432】
また本実施形態において、演出制御装置300(表示制御手段)は、大図柄オブジェク
ト610Cを段階的に軸回転した態様で表示して、識別情報(第2識別情報)が表示され
る表面または裏面が交互に正面視されるように表示し、表面、及び/若しくは、裏面が正
面視される毎に識別情報(第2識別情報)が切り替わる態様で大図柄オブジェクト610
Cを変動表示させている。
【0433】
大図柄オブジェクト610Cは、例えば、所定位置(画面中央)において識別情報が表
示される表面及び裏面が交互に現れるように軸方向に回転する表示態様を備え、表面また
は裏面が正面視されるタイミングで識別情報が切り替わる回転変動により変動表示がなさ
れる(図37(a)参照)。大図柄オブジェクト610Cは、回転軸から左側となる部分
が紙面奥側に移動し、右側となる部分が紙面手前側に移動する態様で回転するが、逆方向
に回転させてもよい。
【0434】
低速変動、中速変動、高速変動では、大図柄オブジェクト610A,610Bが垂直ス
クロールにより変動表示され、大図柄オブジェクト610Cが回転変動により変動表示さ
れるが、変動速度(スクロール速度、回転速度)は、低速変動、中速変動、高速変動の順
に速くなっていく。なお、小図柄オブジェクト615の変動速度は、低速変動、中速変動
、高速変動において一定である。
【0435】
なお、予備動作とは、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cが低速変動に
入る前に垂直スクロール方向とは逆方向に所定距離移動する表示である。また、仮停止変
動とは、変動表示ゲーム終了直前の変動表示であって、大図柄オブジェクト610A,6
10B,610Cの表示位置が所定の周期で垂直方向に振動する変動表示である。
【0436】
〔高速変動表示〕
高速変動表示中の変動態様(変動表示態様)について説明する。ここで、高速変動表示
等の変動表示はフレーム(画面)を順次更新して表示するものである。図33図34
おいては、例えば101番目(任意の番号)のフレームから125番目(任意の番号)の
フレームを用いた場合について説明する。
【0437】
図33の(a1)に示すフレーム101において、大図柄オブジェクト610Aは表示
装置41の左側上部に表示され大図柄オブジェクト610Bは表示装置41の右側上部に
表示され、それぞれ識別情報「7」を表示している。大図柄オブジェクト610Cは、表
示装置41の中央部において識別情報「7」を正面視させた状態で表示されている。また
小図柄オブジェクト615は識別情報「七」を表示し、保留オブジェクト633,633
aは最も膨らんだ形態(形状「大」)(図41)により表示されている。
【0438】
図33の(a2)に示すフレーム102(フレーム101の次のフレーム)において、
大図柄オブジェクト610Aは表示装置41の左側であって高さ方向の中央となる位置に
表示され、大図柄オブジェクト610Bは、表示装置41の右側であって高さ方向の中央
となる位置に表示され、それぞれ識別情報「7」を表示しているが、フレーム101と比
較して水平方向には移動していない(以後も同様)。
【0439】
大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「7」を正面視させた姿勢からオブジェクト
全体を軸方向に60度軸回転させた状態で所定位置(画面中央)で表示され、識別情報「
7」を斜めから見た態様の図形を表示している。なお、軸回転の方向は、回転軸から左側
が奥に移動し、右側が手前に来る方向であるが、その逆方向に回転してもよい。また、大
図柄オブジェクト610Cは、フレーム101と比較して水平方向及び垂直方向には移動
していない(以後も同様)。また小図柄オブジェクト615は識別情報「八」を表示し、
保留オブジェクト633,633aも形態(形状「大」)を維持している。
【0440】
図33の(a3)に示すフレーム103(フレーム102の次のフレーム)において、
大図柄オブジェクト610Aは表示装置41の左側下部に表示され、大図柄オブジェクト
610Bは表示装置41の右側下部に表示され、それぞれ識別情報「7」を表示している
。大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「7」を正面視させた姿勢からオブジェクト
全体を120度軸回転させた態様で表示されている。
【0441】
ここで、大図柄オブジェクト610Cは、識別情報を除いて透明にすることができるの
で、この場合は(a3)に示すように識別情報「7」の外形が左右反転し且つ斜めから見
た態様の図形が表示される(図35)。また小図柄オブジェクト615は識別情報「九」
を表示し、保留オブジェクト633,633aも形態(形状「大」)を維持している。な
お、大図柄オブジェクト610Aの一部が保留オブジェクト633により隠された態様で
表示されているが、逆に、保留オブジェクト633の一部(または全部)が大図柄オブジ
ェクト610Aにより隠された態様で表示してもよい(以後も同様)。
【0442】
図33の(a4)に示すフレーム104(フレーム103の次のフレーム)において、
識別情報「7」を表示した大図柄オブジェクト610A,610Bは消失し、表示装置4
1の左側上部に識別情報「8」を表示する大図柄オブジェクト610Aが表示され、表示
装置41の右側上部に識別情報「8」を表示する大図柄オブジェクト610Bが表示され
る。大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「7」を正面視させた姿勢からオブジェク
ト全体を180度軸回転させて裏面を正面視させた態様で表示され、当該裏面に識別情報
「8」を表示している。また小図柄オブジェクト615は識別情報「一」を表示し、保留
オブジェクト633,633aも形態(形状「大」)を維持している。
【0443】
図33の(a5)に示すフレーム105(フレーム104の次のフレーム)において、
大図柄オブジェクト610Aは、表示装置41の左側であって高さ方向の中央となる位置
に表示され、大図柄オブジェクト610Bは表示装置41の右側であって高さ方向の中央
となる位置に表示され、それぞれ識別情報「8」を表示している。大図柄オブジェクト6
10Cは、識別情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を60度軸回転させ
た態様で表示され、識別情報「8」を斜めから見た態様の図形を表示している。また小図
柄オブジェクト615は識別情報「二」を表示し、保留オブジェクト633,633aも
形態(形状「大」)を維持している。
【0444】
図33の(a6)に示すフレーム106(フレーム105の次のフレーム)において、
大図柄オブジェクト610Aは表示装置41の左側下部に表示され、大図柄オブジェクト
610Bは表示装置41の右側下部に表示され、それぞれ識別情報「8」を表示している
。大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェクト
全体を120度軸回転させた態様で表示され、識別情報「8」の外形が左右反転し且つ斜
めから見た態様の図形が表示される。また小図柄オブジェクト615は識別情報「三」を
表示し、保留オブジェクト633,633aも形態(形状「大」)を維持している。
【0445】
図33の(a7)に示すフレーム107(フレーム106の次のフレーム)において、
識別情報「8」を表示した大図柄オブジェクト610A,610Bは消失し、表示装置4
1の左側上部に識別情報「9」を表示する大図柄オブジェクト610Aが表示され、表示
装置41の右側上部に識別情報「9」を表示する大図柄オブジェクト610Bが表示され
る。大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェク
ト全体を180度軸回転させて表面を正面視させた態様で表示され、当該表面に識別情報
「9」を表示している。また小図柄オブジェクト615は識別情報「四」を表示している
。保留オブジェクト633,633aは最も膨らんだ形態(形状「大」)から1段収縮し
た形態(形状「中」)に切り替わる(図41)。
【0446】
図33の(a8)に示すフレーム108(フレーム107の次のフレーム)において、
大図柄オブジェクト610Aは表示装置41の左側であって高さ方向の中央となる位置に
表示され、大図柄オブジェクト610Bは表示装置41の右側であって高さ方向の中央と
なる位置に表示され、それぞれ識別情報「9」を表示している。大図柄オブジェクト61
0Cは、識別情報「9」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を60度軸回転させた
態様で表示され、識別情報「9」を斜めから見た態様の図形を表示している。また小図柄
オブジェクト615は識別情報「五」を表示し、保留オブジェクト633,633aも形
態(形状「中」)を維持している。
【0447】
図34の(a9)に示すフレーム113(フレーム108から5フレーム後のフレーム
)において、表示装置41の左側上部に識別情報「2」を表示する大図柄オブジェクト6
10Aが表示され、表示装置41の右側上部に識別情報「2」を表示する大図柄オブジェ
クト610Bが表示される。大図柄オブジェクト610Cは、表面を正面視させた態様で
表示され、当該表面に識別情報「2」を表示している。また小図柄オブジェクト615は
識別情報「一」を表示している。保留オブジェクト633,633aは1段収縮した形態
(形状「中」)から2段収縮した形態(形状「小」)に切り替わる(図41)。
【0448】
図34の(a10)に示すフレーム119(フレーム113から6フレーム後のフレー
ム)において、表示装置41の左側上部に識別情報「4」を表示する大図柄オブジェクト
610Aが表示され、表示装置41の右側上部に識別情報「4」を表示する大図柄オブジ
ェクト610Bが表示される。大図柄オブジェクト610Cは、表面を正面視させた態様
で表示され、当該表面に識別情報「4」を表示している。また小図柄オブジェクト615
は識別情報「七」を表示している。保留オブジェクト633,633aは形状「小」から
形状「中」に切り替わる(図41)。
【0449】
図34の(a11)に示すフレーム125(フレーム119から6フレーム後のフレー
ム)において、表示装置41の左側上部に識別情報「6」を表示する大図柄オブジェクト
610Aが表示され、表示装置41の右側上部に識別情報「6」を表示する大図柄オブジ
ェクト610Bが表示される。大図柄オブジェクト610Cは、表面を正面視させた態様
で表示され、当該表面に識別情報「6」を表示している。また小図柄オブジェクト615
は識別情報「四」を表示している。保留オブジェクト633,633aは形状「中」から
形状「大」に切り替わる(図41)。
【0450】
図33図34に示すように、大図柄オブジェクト610A,610Bは、3フレーム
を用いて同じ識別情報を持った状態(同一形態)で、表示装置41の上部、中央部、下部
の順に移動するように表示される。また大図柄オブジェクト610Cにおいて、同じ識別
情報(正面視させる識別情報)は1フレームにのみ表示される。また、保留オブジェクト
633,633aは、6フレーム毎に形状が変化し、フレーム125において元の形状に
戻る。
【0451】
図35に示すように、大図柄オブジェクト610A(図35:左図柄)、大図柄オブジ
ェクト610B(図35:右図柄)は、3フレームにおいて同一の識別情報が維持され、
3フレーム切り替わるごとに識別情報が切り替わるように表示される。したがって、大図
柄オブジェクト610A,610Bの切替周期P1と同一形態の大図柄オブジェクト61
0A,610Bの表示期間T1は同一で3フレーム分(100ms)となる。
【0452】
大図柄オブジェクト610C(図35:中図柄)は、3フレーム切り替わるごとに識別
情報が切り替わるが、同一の識別情報(正面視させる識別情報)の表示期間T2は1フレ
ーム分(33.3ms)となる。
【0453】
したがって、大図柄オブジェクト610Cの切替周期P1は3フレーム分(100ms
)となるが、同一形態の大図柄オブジェクト610Cの表示期間T2は1フレーム分(3
3.3ms)となる。
【0454】
小図柄オブジェクト615は、1フレーム切り替わるごとに識別情報が切り替わるので
、小図柄オブジェクト615の切替周期P2及び、同一形態の小図柄オブジェクト615
の表示期間S1は同一で1フレーム分(33.3ms)となる。
【0455】
保留オブジェクト633,633aは、形状「大」、形状「中」、形状「小」がそれぞ
れ連続で6フレーム分表示され、6フレーム切り替わるごとに、形状「大」、形状「中」
、形状「小」、形状「中」、形状「大」の順に変化しこれを周期的に繰り返すことになる
。したがって、保留オブジェクト633,633aの揺れ周期P3(形状が変化する周期
)は24フレーム分(800ms)となり、同一形態の保留オブジェクト633,633
aの表示期間H1は6フレーム分(200ms)となる。
【0456】
本実施形態では、同一形態の各オブジェクトの表示期間(連続表示期間)について、小
図柄オブジェクト615の表示期間S1=大図柄オブジェクト610Cの表示期間T2(
1フレーム分)<大図柄オブジェクト610A,610Bの表示期間T1(3フレーム分
)<保留オブジェクト633,633aの表示期間H1(6フレーム分)となっている。
【0457】
ここで、大図柄オブジェクト610A,610Bは垂直スクロールで移動量も大きいた
め、変動していることが認識しやすい。また、同一の識別情報を備えた大図柄オブジェク
ト610A,610Bの形態を変えずに垂直スクロールさせるので移動量が大きくても同
一のものであることを認識できる。したがって、大図柄オブジェクト610A,610B
を半透明にしても垂直スクロールにより変動表示を行っていることを容易に認識すること
ができる。
【0458】
一方、大図柄オブジェクト610Cは、回転変動で移動量が小さい(ゼロ)。しかし、
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cにおいて識別情報を切り替える切替周
期P1を同一としている。そして、大図柄オブジェクト610Cにおいて同一の識別情報
を表示する期間(1フレーム分)を大図柄オブジェクト610A,610Bにおいて同一
の識別情報を表示する期間(3フレーム分)よりも短くしている。さらに、大図柄オブジ
ェクト610Cが正面視で識別情報を表示しないフレームにおいて、識別情報が表示され
た大図柄オブジェクト610Cとは形状の異なる大図柄オブジェクト610C(識別情報
に模した図形を表示しても、表示しなくてもよい)を表示して大図柄オブジェクト610
Cの形状が周期的に変化するよう見せている。したがって、大図柄オブジェクト610C
を半透明にしても回転変動により変動表示を行っていることを容易に認識することができ
る。
【0459】
また、保留オブジェクト633,633aの表示期間H1(6フレーム分)を大図柄オ
ブジェクト610A,610Bの表示期間T1(3フレーム分)及び大図柄オブジェクト
610Cの表示期間T2(1フレーム分)よりも長くしている。これにより、遊技者は速
く動いている方に自然に視線を向けるので、高速変動しているときは遊技者の視線を大図
柄オブジェクト610A,610B,610Cに向けさせることができる。また、大図柄
オブジェクト610A,610B,610Cが停止しているとき(仮停止状態も含む)は
、可変表示している保留オブジェクト633,633aに視線を向けさせることができる
【0460】
前記のように、保留オブジェクト633,633aの揺れ周期P3(形状が変化する周
期)は24フレーム分(800ms)となるが、これは球発射装置による遊技球の発射周
期(600ms)よりも長くなっている。ここで球発射装置による遊技球の発射はそのと
き発生する音や振動により遊技者が体感するものである。よって、保留オブジェクト63
3,633aの揺れ周期P3(800ms)を当該発射周期(600ms)よりもゆっく
りとすることで、遊技者がリラックスすることができ、遊技をゆったりと楽しむことがで
きる。
【0461】
ところで、ランプ表示装置80では、下部の2つのランプ表示部(LED)のうちの一
方のLEDが特図1変動表示ゲームの第4図柄として報知し、他方のLEDが特図2変動
表示ゲームの第4図柄として報知する。2つのLEDは演出制御装置300により制御さ
れ、特図1変動表示ゲームを行う場合は一方のLEDを100ms(100msオン、1
00msオフ:周期200ms)の間隔で点滅させ、特図2変動表示ゲームを行う場合も
他方のLEDを100msの間隔で点滅させている。また、ランプ表示装置80では、左
上の2つのLED(飾り特図1保留LED1、飾り特図1保留LED2)は、消灯状態、
点灯状態、点滅状態によって、飾り特図1保留数(第1始動記憶数)を表示し、右上の2
つのLED(飾り特図2保留LED1、飾り特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状
態、点滅状態によって、飾り特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。これら保留(
保留数)に関するLEDの点滅の間隔も100msである(100msオン、100ms
オフ:周期200ms)。よって、保留オブジェクト633,633aの揺れ周期P3を
3フレーム分の周期(100ms)若しくはその整数倍の周期に設定することも好適であ
る。これにより、保留オブジェクト633,633aの振動と第4図柄の点滅を互いに関
連付けることができる。
【0462】
また、前記のように、一括表示装置50において、特図1保留表示器54はランプD1
1,D12により構成され、特図2保留表示器55はランプD13,D14により構成さ
れる。
【0463】
図1保留表示器54は保留数が1のときはランプD11またはランプD12が点灯し
、保留数が2のときはランプD11及びランプD12が点灯し、保留数が3のときはラン
プD11またはランプD12が点滅して残りのランプが点灯し、保留数が4のときはラン
プD11及びランプD12が点滅する。
【0464】
図2保留表示器55も同様に、保留数が1のときはランプD13またはランプD14
が点灯し、保留数が2のときはランプD13及びランプD14が点灯し、保留数が3のと
きはランプD13またはランプD14が点滅して残りのランプが点灯し、保留数が4のと
きはランプD13及びランプD14が点滅する。
【0465】
遊技制御装置100は、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55を制御するが
、上記ランプD11-D14を128msの間隔(128msオン、128msオフ:周
期256ms)で点滅させている。よって、保留オブジェクト633,633aの揺れ周
期P3をランプD11-D14を128msの点滅間隔に近い周期、例えば4フレーム分
の周期(133ms)若しくはこれの整数倍の周期に設定することも好適である。これに
より、保留オブジェクト633,633aの振動とランプD11-D14の点滅を互いに
関連付けることができる。
【0466】
〔演出表示編集処理〕
図36は、大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト6
15、保留オブジェクト633,633a等に係る演出表示編集処理の手順を示すフロー
図である。演出制御装置300(主制御用マイコン311、VDP312)は、メイン処
理(図23)において、大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブ
ジェクト615、保留オブジェクト633,633aを包含する画像データを1フレーム
ごとに作成し(B0017)、表示装置41に表示する(B0020)。これにより、変
動表示ゲームにおいて大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジ
ェクト615、保留オブジェクト633,633aを1フレーム単位(33.3ms単位
)で変動表示(動画による表示)することができる。
【0467】
ステップB2501において、演出制御装置300は、図柄レイヤを生成する。ここで
、演出制御装置300は、1フレームごとに使用順(図35図40図44図47
照)に大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615を
図柄レイヤに割り付ける。なお、大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小
図柄オブジェクト615は、それぞれ独立に選択でき、これらをレイヤとして重ね合わせ
ることで図柄レイヤを作成する。なお、各レイヤは、表示装置41で表示するための共通
の平面座標を備え、各オブジェクトの形態(識別情報含む)の情報と、各オブジェクトの
平面座標上の位置情報(平面座標原点からの変位の情報)を含んでいる。
【0468】
ステップB2502において、演出制御装置300は、情報表示レイヤを生成する。情
報表示レイヤでは、保留オブジェクト633,633aが1フレームごとに使用順(図3
5、図40図44図47参照)で情報表示レイヤに割り付けられ、特図1保留数表示
部650、特図2保留数表示部660、右打ち表示や左打ち表示など遊技者に認識させた
い情報も適宜割付けられる。なお、右打ち表示や左打ち表示は、遊技者に発射態様(右打
ち又は左打ち)を示唆する。
【0469】
ステップB2503において、演出制御装置300は、背景レイヤを生成する。背景レ
イヤは、表示装置41の画面全体に表示される背景を描画したレイヤである。
【0470】
その他、ステップB2504において、演出制御装置300は、所定の演出画像(エフ
ェクト画像など)を描画した演出枠レイヤを生成する。
【0471】
ステップB2505において、演出制御装置300は、例えば背景レイヤ、図柄レイヤ
、情報表示レイヤ、演出枠レイヤの順に重ね合わせて画像データを生成し、これを表示フ
レームバッファに設定する。前記のように、メイン処理(図23)は、30分の1秒を周
期にループ処理される。したがって、演出制御装置300は、30分の1秒ごとに更新さ
れた画像データ(フレーム)を生成して表示装置41に表示することができる。
【0472】
〔大図柄オブジェクトの回転態様〕
図37は、大図柄オブジェクト610C(中図柄)の高速変動表示中の変動態様を示す
図である。図37(a)は、前記のように、大図柄オブジェクト610C(中図柄)が1
80度軸回転する毎に識別情報が切り替わる変動態様を有している。図37(a)におい
て、大図柄オブジェクト610Cは、1フレーム切り替わると60度軸回転する態様で図
柄の形状を変化させ、3フレーム切り替えることで180度軸回転できるようになってい
る。VDP312は、画像ROM325に記憶された基準のオブジェクト(0度や180
度)のデータから傾いたオブジェクト(60度や120度など)のデータを画像処理によ
って生成してもよいし、基準のオブジェクト(0度又は180度)及び傾いたオブジェク
ト(60度や120度など)のデータを予め全て画像ROM325に記憶していてもよい
【0473】
また、識別情報が表示された表面(または裏面)を正面視した姿勢から60度軸回転し
た態様の大図柄オブジェクト610Cにおいて識別情報「7」を斜めから見た態様の図形
が表示されているが、当該図形は省略してもよい。さらに、当該表面(または裏面)を正
面視した姿勢から120度軸回転した態様の大図柄オブジェクト610Cにおいて識別情
報「7」の外形を左右反転させ且つ斜めから見た態様の図形が表示されているが、当該図
形は省略してもよい。
【0474】
ここで、大図柄オブジェクト610Cは、矩形の板状の本体の表面または裏面に識別情
報(例えば「7」)が記載されたものであるが、本体の枠を除いて本体そのものは透明で
あってもよい(後述の図37(b)、図37(c)に示す場合も同様)。
【0475】
図37(b)は、大図柄オブジェクト610C(中図柄)が360度軸回転する毎に識
別情報が切り替わる変動態様を有している。図37(b)において、大図柄オブジェクト
610Cは、1フレーム切り替わると120度軸回転する態様で図柄の形状を変化させ、
3フレーム切り替えることで360度軸回転できるようになっている。
【0476】
また、識別情報が表示された表面(または裏面)を正面視した姿勢から120度軸回転
した態様の大図柄オブジェクト610Cにおいて識別情報「7」の外形を左右反転させ且
つ斜めから見た態様の図形が表示されているが、当該図形は省略してもよい。さらに、当
該表面(または裏面)を正面視した姿勢から240度軸回転した態様の大図柄オブジェク
ト610Cにおいて識別情報「7」の外形を左右反転させ且つ斜めから見た態様の図形が
表示されているが、当該図形は省略してもよい。
【0477】
図37(c)は、大図柄オブジェクト610C(中図柄)が180度軸回転する毎に識
別情報が切り替わる変動態様を有している。図37(c)において、大図柄オブジェクト
610Cは、1フレーム切り替わると60度軸回転する態様で図柄の形状を変化させ、3
フレーム切り替えることで180度軸回転できるようになっている。
【0478】
また、表面(または裏面)を正面視した姿勢から60度軸回転した態様の大図柄オブジ
ェクト610Cにおいて識別情報「7」を斜めから見た態様の図形が表示され、表面(ま
たは裏面)を正面視した姿勢から120度軸回転した態様の大図柄オブジェクト610C
においては切り替わった識別情報「8」を斜めから見た態様の図形が表示されている。
【0479】
〔高速変動表示の第1変形例〕
図38は、高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図
柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様(第
1変形例)を表す画面遷移図(前段)である。図39は、高速変動表示中の大図柄オブジ
ェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト6
33,633aの変動態様又は変化態様(第1変形例)を表す画面遷移図(後段)である
図40は、高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図
柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様(第
1変形例)とフレームとの関係を示す表である。
【0480】
高速変動表示の第1変形例として、演出制御装置300(表示制御手段)は、大図柄オ
ブジェクト610A,610B(第1大図柄オブジェクト)を識別情報(第1識別情報)
が切り替わる順に垂直方向に沿った直線経路(特定経路)に沿って複数並べて表示すると
ともに、複数の第1大図柄オブジェクト610A,610Bにおいて同一形態の第1大図
柄オブジェクト610A,610Bを表示する期間を同一にした状態で複数の第1大図柄
オブジェクト610A,610Bを垂直スクロール(スクロール)させている。
【0481】
例えば図38の(b1)に示すように、大図柄オブジェクト610Aは、上から順に「
3」の識別情報を備えた大図柄オブジェクト610A(A1)、「2」の識別情報を備え
た大図柄オブジェクト610A(A2)、「1」の識別情報を備えた大図柄オブジェクト
610A(A3)、が並んだオブジェクト列を形成している。同様に、大図柄オブジェク
ト610Bは、上から順に「5」の識別情報を備えた大図柄オブジェクト610B(B1
)、「4」の識別情報を備えた大図柄オブジェクト610B(B2)、「3」の識別情報
を備えた大図柄オブジェクト610B(B3)、が並んだオブジェクト列を形成している
【0482】
大図柄オブジェクト610A(A1,A2,A3)及び大図柄オブジェクト610B(
B1,B2,B3)は、同一の識別情報を表示する期間を同一にすることで大図柄オブジ
ェクト610A(A1,A2,A3)及び大図柄オブジェクト610B(B1,B2,B
3)の垂直スクロールを表示することができる。例えば識別情報を1回切り替えた場合を
考えると、大図柄オブジェクト610A(A3)において、切り替え前の識別情報は消失
して、大図柄オブジェクト610A(A2)が切り替え前に表示した識別情報が表示され
る。また、大図柄オブジェクト610A(A2)において、切り替え前の識別情報は消失
して、大図柄オブジェクト610A(A1)が切り替え前に表示した識別情報が表示され
る。また、大図柄オブジェクト610A(A1)において、切り替え前の識別情報は切り
替え後の識別情報に置き換わることになる。
【0483】
同様に、大図柄オブジェクト610B(B3)において、切り替え前の識別情報は消失
して、大図柄オブジェクト610B(B2)が切り替え前に表示した識別情報が表示され
る。また、大図柄オブジェクト610B(B2)において、切り替え前の識別情報は消失
して、大図柄オブジェクト610B(B1)が切り替え前に表示した識別情報が表示され
る。また、大図柄オブジェクト610B(B1)において、切り替え前の識別情報は切り
替え後の識別情報に置き換わることになる。
【0484】
したがって、切り替えを繰り返す毎に同じ識別情報が上から下に移動するスクロールを
、大図柄オブジェクト610A(A1)及び大図柄オブジェクト610B(B1)に表れ
た識別番号から順に行われることになる。なお、識別情報は、上から下へのスクロールに
よって、1から9の順で一巡して表示されると、また、1から9の順で一巡するように表
示される。
【0485】
なお、大図柄オブジェクト610A(A1,A2,A3)及び大図柄オブジェクト61
0B(B1,B2,B3)は、矩形の板状の本体に識別情報が表示されたものであるが、
上記スクロールを行った識別情報のスクロールは認識できるが、本体のスクロールの認識
が困難になる場合がある。
【0486】
そこで、図では省略しているが、大図柄オブジェクト610A(A1,A2,A3)及
び大図柄オブジェクト610B(B1,B2,B3)では、本体の色と識別情報とを互い
に関連付けることで、本体もスクロールしていると認識させることができる。例えば、(
識別情報,色情報)として(1,赤)、(2,緑)、(3,青)、(4,赤)、(5,緑
)、(6,青)、(7,赤)、(8,緑)、(9,青)と関連付けることで、同一の識別
情報を備えた本体が上から下にスクロールしていると認識させることができる。特に、上
記関連づけによれば、オブジェクト列において同じ色が2箇所以上同時に現れることがな
いので、同一の識別情報を備えた本体が上から下にスクロールしていると容易に認識させ
ることができる。また、別パターンとして、(1,緑)、(2,青)、(3,赤)、(4
,青)、(5,緑)、(6,青)、(7,赤)、(8,青)、(9,緑)と関連付けるこ
とも可能である。すなわち、大図柄オブジェクト610A(A1)及び大図柄オブジェク
ト610A(A2)で互いに異なる配色となり、大図柄オブジェクト610A(A2)及
び大図柄オブジェクト610A(A3)で互いに異なる配色となる。同様に、大図柄オブ
ジェクト610B(B1)及び大図柄オブジェクト610B(B2)で互いに異なる配色
となり、大図柄オブジェクト610B(B2)及び大図柄オブジェクト610B(B3)
で互いに異なる配色となる。なお、(1,緑)と(9,緑)で色が同じになるが、少なく
とも一巡する複数の識別情報1から9に対して異なる配色であればよく、逆に、あえて識
別情報1に対応する最初の大図柄オブジェクトと識別情報9に対応する最後の大図柄オブ
ジェクトを同色にして、当該一巡を認識しやすくしてもよい。
【0487】
よって、大図柄オブジェクト610A(A1,A2,A3)及び大図柄オブジェクト6
10B(B1,B2,B3)を、一巡の識別情報が切り替わる順に特定経路(垂直方向)
に沿って複数並べるとともに、識別情報に関連付けられた色であって特定経路に沿って互
いに隣接する大図柄オブジェクト610A,610Bとの間で互いに異なる配色となるよ
うに表示することが好適である。すなわち、スクロールにおいて同じ色が連続して表示さ
れないように識別情報と色情報を関連付ける。これにより、識別情報のみならず大図柄オ
ブジェクト610A(A1,A2,A3)及び大図柄オブジェクト610B(B1,B2
,B3)のオブジェクト本体がスクロールしていることを遊技者に容易に認識させること
ができる。
【0488】
図38図39に示す(b1)から(b11)に従って説明する。なお、保留オブジェ
クト633,633a及び小図柄オブジェクト615の遷移態様は、図33図34に示
す遷移態様と同じであるので説明を省略する。
【0489】
図38の(b1)に示すフレーム101において、大図柄オブジェクト610Aは、上
から順に「3」(A1)、「2」(A2)、「1」(A3)の識別情報を並べたオブジェ
クト列になっており、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「5」(B1)、「4
」(B2)、「3」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列になっている。なお、大
図柄オブジェクト610Aのオブジェクト列と、大図柄オブジェクト610Bのオブジェ
クト列は、図に示すように互いに異なる識別情報の列としてもよいし、互いに同一の識別
情報の列としてもよい。また、大図柄オブジェクト610Cは、識別情報「7」を正面視
させた状態で表示されている。
【0490】
図38の(b2)に示すフレーム102において、大図柄オブジェクト610Aのオブ
ジェクト列及び大図柄オブジェクト610Bのオブジェクト列は、それぞれフレーム10
1で表示した識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610Cは、オブジェ
クト本体を60度軸回転させた態様で表示され、識別情報「7」を斜めから見た態様の図
形を表示している。
【0491】
図38の(b3)に示すフレーム103において、大図柄オブジェクト610Aのオブ
ジェクト列及び大図柄オブジェクト610Bのオブジェクト列は、それぞれフレーム10
1,102で表示した識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610Cは、
オブジェクト本体を120度軸回転させた態様で表示され、識別情報「7」の外形を左右
反転させ且つ斜めから見た態様の図形を表示している。
【0492】
図38の(b4)に示すフレーム104において、大図柄オブジェクト610Aは、上
から順に「4」(A1)、「3」(A2)、「2」(A3)の識別情報を並べたオブジェ
クト列に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「6」(B1)、「5
」(B2)、「4」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列に切り替わる。また、大
図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「8」に切り替わるとともにこれを正面視させ
た状態で表示される。
【0493】
図38の(b5)に示すフレーム105において、大図柄オブジェクト610Aのオブ
ジェクト列及び大図柄オブジェクト610Bのオブジェクト列は、それぞれフレーム10
4で表示した識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610Cは、オブジェ
クト本体を60度軸回転させた態様で表示され、識別情報「8」を斜めから見た態様の図
形を表示している。
【0494】
図38の(b6)に示すフレーム106において、大図柄オブジェクト610Aのオブ
ジェクト列及び大図柄オブジェクト610Bのオブジェクト列は、それぞれフレーム10
4,105で表示した識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610Cは、
オブジェクト本体を120度軸回転させた態様で表示され、識別情報「8」の外形を左右
反転させ且つ斜めから見た態様の図形を表示している。
【0495】
図38の(b7)に示すフレーム107において、大図柄オブジェクト610Aは、上
から順に「5」(A1)、「4」(A2)、「3」(A3)の識別情報を並べたオブジェ
クト列に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「7」(B1)、「6
」(B2)、「5」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列に切り替わる。また、大
図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「9」に切り替わるとともにこれを正面視させ
た状態で表示される。
【0496】
図38の(b8)に示すフレーム108において、大図柄オブジェクト610Aのオブ
ジェクト列及び大図柄オブジェクト610Bのオブジェクト列は、それぞれフレーム10
7で表示した識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610Cは、オブジェ
クト本体を60度軸回転させた態様で表示され、識別情報「9」を斜めから見た態様の図
形を表示している。
【0497】
図39の(b9)に示すフレーム113において、大図柄オブジェクト610Aは、上
から順に「7」(A1)、「6」(A2)、「5」(A3)の識別情報を並べたオブジェ
クト列に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「9」(B1)、「8
」(B2)、「7」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列に切り替わる。また、大
図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「2」に切り替わるとともにこれを正面視させ
た状態で表示される。
【0498】
図39の(b10)に示すフレーム119において、大図柄オブジェクト610Aは、
上から順に「9」(A1)、「8」(A2)、「7」(A3)の識別情報を並べたオブジ
ェクト列に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「2」(B1)、「
1」(B2)、「9」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列に切り替わる。また、
大図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「4」に切り替わるとともにこれを正面視さ
せた状態で表示される。
【0499】
図39の(b11)に示すフレーム125において、大図柄オブジェクト610Aは、
上から順に「2」(A1)、「1」(A2)、「9」(A3)の識別情報を並べたオブジ
ェクト列に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bは、上から順に「4」(B1)、「
3」(B2)、「2」(B3)の識別情報を並べたオブジェクト列に切り替わる。また、
大図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「6」に切り替わるとともにこれを正面視さ
せた状態で表示される。
【0500】
図40は、図38図39の遷移図に示す内容を表にまとめたものである。図40に示
すように、大図柄オブジェクト610A(図40:左(A1,A2,A3))及び大図柄
オブジェクト610B(図40:右(B1,B2,B3))は3フレームにおいて、同一
の識別情報を維持している。また、大図柄オブジェクト610C(図40:中)は、同一
の識別情報を維持しているのは1フレームであるが、2フレームを用いて当該識別情報を
回転させた態様の図形を表示している。よって、大図柄オブジェクト610A、大図柄オ
ブジェクト610B、大図柄オブジェクト610Cでは識別情報が切り替わるまでの期間
は同一である。前記のように小図柄オブジェクト615は1フレームごとに識別情報が切
り替わっている。
【0501】
図38及び図39に示す保留オブジェクト633,633aは図40の「保留A」に従
って遷移し、同一の形態を表示する期間が6フレーム分(200ms)であり、形態が変
化する周期は24フレーム分(800ms)となっている。ところで、演出制御装置30
0は、前記のように保留表示(保留オブジェクト633,633a)に対して先読み演出
(保留変化予告等)を行い(図28:B1712)、例えば大当りの期待度が高いほど目
立つ態様(ここでは色)に変化させて、当該期待度を示唆する演出を行う。
【0502】
例えば、図40の「保留A」は期待度が「小」の場合の先読み予告演出であり、保留オ
ブジェクト633,633aの色も例えば白色で表示する。図40の「保留B」は、例え
ば期待度が「中」の場合の先読み予告演出であり、例えば青色で表示する。そして、「保
留B」の場合は、同一の形態を表示する期間が4フレーム分(133ms)であり、形態
が変化する周期は16フレーム分(533ms)となっている。図40の「保留C」は、
例えば期待度が「大」の場合の先読み予告演出であり、例えば赤色で表示する。そして、
「保留C」の場合は、同一の形態を表示する期間が2フレーム分(67ms)であり、形
態が変化する周期は8フレーム分(267ms)となっている。もちろん保留オブジェク
ト633,633aは1フレーム切り替わる毎に形態を変化させる態様でもよく、前記の
ように「大」「中」「小」「中」「大」に形態が繰り返し変化する場合は、その周期は4
フレーム分(133ms)となる。
【0503】
上記のように、「保留A」、「保留B」、「保留C」を大当りの期待度を表すものとし
て用いる場合は、各保留オブジェクト633,633aに係る期待度に応じて個別に使い
分けることができる。
【0504】
また、「保留A」、「保留B」、「保留C」の形態変化(形状変化)のいずれか一つを
全ての保留オブジェクト633,633aに対して適用してもよく、例えば、リーチ中、
確変状態中、擬似連続演出の発生中は全ての保留オブジェクト633,633aに対して
「保留B」または「保留C」を適用し、これらが終了すると全ての保留オブジェクト63
3,633aに対して「保留A」を適用してもよい。なお、擬似連続演出とは、1回の変
動表示ゲームにおいて、識別情報を変動及び仮停止させる擬似変動を所定回数行う演出で
ある。
【0505】
また、擬似連続演出で3回擬似変動がある場合には、1回目の擬似変動において全ての
保留オブジェクト633,633aに対して「保留A」の形態変化を適用し、2回目の擬
似変動において全ての保留オブジェクト633,633aに対して「保留B」の形態変化
を適用し、3回目の擬似変動において全ての保留オブジェクト633,633aに対して
「保留C」の形態変化を適用してもよい。以上のように、遊技状態に応じて保留オブジェ
クト633,633aの形態が変化する周期を適宜変更することも好適である。
【0506】
図41は、保留オブジェクト633,633aの変化態様(変動態様)を示す図であり
、(a)は変化(変動)の振幅が大きい場合、(b)は変化(変動)の振幅が中程度であ
る場合、(c)は変化(変動)の振幅が小さい場合を示す。なお、本実施形態では、保留
オブジェクト633,633aは、一方向(幅方向、横方向)に幅が変化(変動、変形)
するように表示されるが、中心に向かって(半径方向に)全体的に収縮、膨張するように
表示されてもよい。
【0507】
上記のように保留オブジェクト633,633aはその形態が変化する周期を変更する
ことができるが、周期が長い場合と周期が短い場合で変化の振幅が同じであると不自然な
印象を受ける場合がある。そこで、「保留A」の場合は(a)に示すように、大きな振幅
を適用し、「保留B」の場合は(b)に示すように(a)よりは小さな振幅を適用し、「
保留C」の場合は(c)に示すように(b)よりも小さな振幅を適用し、保留オブジェク
ト633,633aの周期的な変化をより自然に行うようにすることが好適である。
【0508】
〔変動表示ゲーム開始時の低速変動表示の表示態様〕
図42は、変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブジェクト610A,610B,610
C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化
態様を表す画面遷移図(前段)である。図43は、変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト
633,633aの変動態様又は変化態様を表す画面遷移図(後段)である。図44は、
変動表示ゲーム開始の際の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オ
ブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様と、フレ
ームとの関係を示す表である。
【0509】
ここでは、変動表示ゲーム開始時の大図柄オブジェクト610A,610B,610C
、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態
様について説明する。
【0510】
変動表示ゲームは、保留消化領域640に保留オブジェクト633aが表示されること
を契機に開始される。
【0511】
変動表示ゲームが開始されると、小図柄オブジェクト615は高速変動時と同様に1フ
レーム切り替わるごとに識別情報を切り替える。保留オブジェクト633,633aは、
変動表示ゲームの実行とは無関係に6フレーム(4フレーム、2フレーム、1フレームで
もよい)切り替わるごとに形態を切り替える。
【0512】
一方、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、予備動作を行い、その後
低速変動(低速変動1)に移行する。予備動作においては、大図柄オブジェクト610C
はまだ軸回転せず、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは同時にスクロー
ル方向とは逆方向、即ち上方向に移動してから垂直スクロールを開始し、大図柄オブジェ
クト610Cは初期位置に戻るとその場に留まり回転変動を開始する。また、予備動作中
において、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは通常(例えば、低速変動
中、中速変動中、高速変動中)よりも大きく表示され、予備動作が終了すると元の大きさ
に戻るようになっている。さらに予備動作中において、大図柄オブジェクト610A,6
10B,610Cがそれぞれ識別情報を表示する期間は互いに同一となる。
【0513】
図42の(c1)に示すフレーム1において、保留シフトによって各保留オブジェクト
633が右側に移動して保留消化領域640に保留オブジェクト633aが表示され、変
動表示領域610に大図柄オブジェクト610A,610B,610Cが高さ方向の中央
部(初期位置)に表示される。
【0514】
ここで、大図柄オブジェクト610Aは識別情報「2」を表示し、大図柄オブジェクト
610Bは識別情報「4」を表示し、大図柄オブジェクト610Cは識別情報「7」を表
示しているが、それぞれ任意の識別情報を表示してよい。なお、前記同様に、保留表示部
630aには、保留オブジェクト633が2個表示され、特図1保留数表示部650には
保留数「2」が表され、特図2保留数表示部660には保留数「0」が表示されている。
【0515】
また、保留オブジェクト633aの形態は、変動表示ゲーム開始と同時に形状「中」か
ら形状「大」に切り替わるものとしているが、変動表示ゲーム開始のタイミングと保留オ
ブジェクト633,633aの形態を切り替えるタイミングは同じでなくてもよい。また
、小図柄オブジェクト615は識別情報「七」を表示している。
【0516】
図42の(c2)に示すフレーム7において、大図柄オブジェクト610A,610B
,610Cは、初期位置から予備動作の途中の高さ位置(例えば表示装置41の画素単位
(ピクセル)で300ピクセル又は240ピクセル)まで移動している。このとき、大図
柄オブジェクト610A,610B,610Cは1フレームごとに所定間隔の段(例えば
50ピクセル、または40ピクセル)で移動する態様で表示(以後同様)することができ
るが、2フレームごと、3フレームごとに移動するようにしてもよい。保留オブジェクト
633,633aは、その形態が形状「大」から形状「中」に切り替わる。また、小図柄
オブジェクト615は識別情報「四」を表示している。
【0517】
図42の(c3)に示すフレーム12において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cは、予備動作において最も高くなる位置(例えば、初期位置より550ピク
セル、または440ピクセル高い位置)まで移動している。保留オブジェクト633,6
33aは、形態(形状「中」)を維持している。また、小図柄オブジェクト615は識別
情報「九」を表示している。
【0518】
図42の(c4)に示すフレーム13において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cは、予備動作において最も高くなる位置から1段(例えば、50ピクセル、
または40ピクセル)低い位置に移動している。保留オブジェクト633,633aの形
態は、形状「中」から形状「小」に切り替わる。また、小図柄オブジェクト615は識別
情報「一」を表示している。
【0519】
図42の(c5)に示すフレーム19において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cは、予備動作において最も高くなる位置から7段(例えば、350ピクセル
、または280ピクセル)低い位置に移動している。保留オブジェクト633,633a
の形態は、形状「小」から形状「中」に切り替わる。また、小図柄オブジェクト615は
識別情報「七」を表示している。
【0520】
図42の(c6)に示すフレーム23において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cは、それぞれ初期位置まで移動しており、これにより予備動作が終了する。
以後、大図柄オブジェクト610Cはこのフレーム23から垂直方向の移動を停止して回
転変動による低速変動表示を開始する。また、大図柄オブジェクト610A,610Bは
垂直移動を継続させ、垂直スクロールによる低速変動表示を開始する。さらに、大図柄オ
ブジェクト610A,610B,610Cは通常の大きさに戻る。保留オブジェクト63
3,633aは、形態(形状「中」)を維持している。また、小図柄オブジェクト615
は識別情報「二」を表示している。
【0521】
図42の(c7)に示すフレーム25において、大図柄オブジェクト610A,610
Bは、それぞれ初期位置から2段低い位置にまで移動している。大図柄オブジェクト61
0Cは、識別情報「7」を正面視させた姿勢から所定角度(例えば60度)軸回転させた
態様で表示され、識別情報「7」を斜めから見た態様の図形を表示している。保留オブジ
ェクト633,633aの形態は、形状「中」から形状「大」に切り替わる。また、小図
柄オブジェクト615は識別情報「四」を表示している。
【0522】
ここで、大図柄オブジェクト610Cは、1フレーム当り30度軸回転する表示態様を
有しており(図44:回転1)、識別情報を正面視させた姿勢から360度軸回転するこ
とで識別情報が切り替わるものとする。また、(c7)に表示されている大図柄オブジェ
クト610Cは、識別情報を正面視させた姿勢から180未満軸回転させた態様の図形を
現すものとし、後述の(c8)に表示されている大図柄オブジェクト610Cは、識別情
報を正面視させた姿勢から180度以上、360度未満で軸回転させた態様の図形を現す
ものとする。
【0523】
図42の(c8)に示すフレーム31において、大図柄オブジェクト610A,610
Bは、それぞれ初期位置から8段低い位置にまで移動している。大図柄オブジェクト61
0Cは、識別情報「7」を正面視させた姿勢から240度軸回転させた態様で表示され、
識別情報「7」の外形を左右反転させ且つ斜めから見た態様の図形を表示している。保留
オブジェクト633,633aの形態は、形状「大」から形状「中」に切り替わる。また
、小図柄オブジェクト615は識別情報「一」を表示している。
【0524】
図43の(c9)に示すフレーム35において、大図柄オブジェクト610A,610
Bは、それぞれ最上段に表示される。そして、大図柄オブジェクト610Aの識別情報は
「2」から「3」に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bの識別情報は「4」から「
5」に切り替わる。これ以後、大図柄オブジェクト610A,610Bは、1フレーム切
り替わる毎に2段ずつ移動する。大図柄オブジェクト610Cは、識別情報が「8」に切
り替わるとともに「8」を正面視させた状態で表示している。保留オブジェクト633,
633aは、形態(形状「中」)を維持している。また、小図柄オブジェクト615は識
別情報「五」を表示している。
【0525】
図43の(c10)に示すフレーム37において、大図柄オブジェクト610A,61
0Bは、それぞれ最上段から4段下がった位置に表示される。大図柄オブジェクト610
Cは、識別情報「8」を正面視させた姿勢から所定角度(例えば60度)軸回転させた態
様で表示され、識別情報「8」を斜めから見た態様の図形を表示している。保留オブジェ
クト633,633aの形態は、形状「中」から形状「小」に切り替わる。また、小図柄
オブジェクト615は識別情報「七」を表示している。
【0526】
図43の(c11)に示すフレーム43において、大図柄オブジェクト610A,61
0Bは、それぞれ初期位置から5段低い位置にまで移動している。大図柄オブジェクト6
10Cは、識別情報「8」を正面視させた姿勢から240度軸回転させた態様で表示され
、識別情報「8」の外形を左右反転させ且つ斜めから見た態様の図形を表示している。保
留オブジェクト633,633aの形態は、形状「小」から形状「中」に切り替わる。ま
た、小図柄オブジェクト615は識別情報「四」を表示している。
【0527】
図43の(c12)に示すフレーム47において、大図柄オブジェクト610A,61
0Bは、それぞれ最上段に表示される。そして、大図柄オブジェクト610Aの識別情報
は「3」から「4」に切り替わり、大図柄オブジェクト610Bの識別情報は「5」から
「6」に切り替わる。大図柄オブジェクト610Cは、フレーム35の姿勢から360軸
回転して識別情報が「9」に切り替わるとともに「9」を正面視させた状態で表示してい
る。保留オブジェクト633,633aは、形態(形状「中」)を維持している。また、
小図柄オブジェクト615は識別情報「八」を表示している。
【0528】
以後、変動表示ゲームにおいては、中速変動、高速変動、中速変動、低速変動(低速変
動2)の順に変動表示が移行する(後述)。なお、小図柄オブジェクト615は、フレー
ム1のときから変動表示する旨説明したが、フレーム23の後、即ち準備動作が終了して
から変動表示を開始してもよい。
【0529】
図44は、図42及び図43の遷移図におけるフレーム数、大図柄オブジェクト610
A(図44:左図柄),610B(図44:右図柄)の識別情報と位置、大図柄オブジェ
クト610C(図44:中図柄)の識別情報と位置または回転角度、保留オブジェクト6
33,633aの形態変化、小図柄オブジェクト615の識別情報の関係を表にしたもの
である。
【0530】
ここで、図44の「位置」(段数)とは、表示装置41上の高さ方向の位置であって「
0」は初期位置(高さ方向の中央)を示している。また「-1」は初期位置を基準に上方
向に1段分上昇させた位置であり、例えば1段は表示装置41の画素単位(ピクセル)を
用いて50ピクセル、または40ピクセルが適用できる。逆に「+1」は初期位置を基準
に下方向に1段下降させた位置を示す。また「回転」とは、大図柄オブジェクト610C
の軸回転の回転角度であり後述のように「回転1」、「回転2」、「回転3」、「回転4
」の4パターンがある。なお、図42図43では「回転1」を適用している。
【0531】
前記のように、小図柄オブジェクト615は1フレーム切り替わる毎に識別情報を切り
替えている。保留オブジェクト633,633aは同一形態を6フレーム分表示し、24
フレーム分を用いてその形態を周期的に変化させている。
【0532】
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、フレーム1の初期位置からフレ
ームが切り替わるごとに1段ずつ上昇してフレーム12で最も高い位置に到達し、その後
、フレームが切り替わるごとに1段ずつ下降してフレーム23で初期位置に戻ることで予
備動作は終了する。このとき、大図柄オブジェクト610Cはまだ回転変動を行っていな
い。
【0533】
フレーム23の後、低速変動(低速変動1)が開始され、大図柄オブジェクト610A
,610Bは引き続きフレームが切り替わるごとに1段ずつ下降してフレーム34で最も
低い位置に到達する。一方、大図柄オブジェクト610Cは、フレームが切り替わるごと
に30度軸回転する態様で回転変動を開始し、フレーム34で330度軸回転する。ここ
で、大図柄オブジェクト610Cは、回転変動の開始後高さ位置を初期位置で停止させる
のではなく、初期位置を一旦通り越して初期位置に戻るオーバシュート動作を行うことが
好適である。例えば、図44に示すように、フレーム24-26において1段ずつ下降し
、その後、フレーム27-29で1段ずつ上昇して初期位置に戻る動作を行う。これによ
り大図柄オブジェクト610Cの物体感を高めることができる。
【0534】
フレーム35において、大図柄オブジェクト610A,610Bは初期位置よりも11
段高い位置(最上段)に表示され、識別情報が切り替わる。また、大図柄オブジェクト6
10Cも360度軸回転し、識別情報が切り替わる。その後、大図柄オブジェクト610
Cは、前回同様に、フレームが切り替わるごとに30度軸回転する。一方、大図柄オブジ
ェクト610A,610Bはフレームが切り替わるごとに2段ずつ下降する。
【0535】
フレーム46において、大図柄オブジェクト610A,610Bは初期位置よりも11
段低い位置(最下段)に移動し、大図柄オブジェクト610Cは、前回同様に330度軸
回転する。
【0536】
フレーム47において、大図柄オブジェクト610A,610Bは初期位置よりも11
段高い位置(最上段)に表示され、識別情報が切り替わる。また、大図柄オブジェクト6
10Cも360度軸回転し、識別情報が切り替わる。これにより、低速変動(低速変動1
)を終了させ、中速変動、高速変動へと移行することができる。
【0537】
中速変動では、大図柄オブジェクト610A,610Bは、第1段階として、図44
位置を用いると、-11、-7、-3、0、+3、+7、+11の7段で垂直スクロール
を行い、第2段階として、-11、-6、0、+6、+11の5段で垂直スクロールを行
えばよい。そして、高速変動では、-11、0、+11の3段で垂直スクロールを行えば
よい。
【0538】
また、大図柄オブジェクト610Cは、中速変動の第1段階として、0度、60度、1
20度、180度、240度、270度、330度の7段で回転変動を行い、第2段階と
して、0度、72度、144度、216度、288度の5段で回転変動を行い、高速変動
では、0度、120度、240度の3段(図37(b))で回転変動を行えばよい。
【0539】
なお、図42及び図43では低速変動表示をフレーム24からフレーム46まで行って
いるがこのときの表示期間が23フレーム分(766ms)となる。また低速変動表示は
フレーム24からフレーム35まででもよく、この場合は、低速変動表示の表示期間が1
2フレーム分(400ms)となる。また、中速変動表示(第1段階)の表示期間は46
2ms(14フレーム)、中速変動表示(第2段階)の表示期間は333ms(10フレ
ーム)とすることが好適である。さらに、高速変動表示の表示期間は、特図変動表示ゲー
ムの変動時間に応じて長くすることが好適であり、通常遊技状態であれば、リーチがない
場合に例えば60フレーム分(2000ms)行う。
【0540】
一方、時短状態においては、前記の予備動作を省略してフレーム23から低速変動をス
タートし(大図柄オブジェクト610Cは前記のオーバシュート動作を行わない)、フレ
ーム35以降から中速変動を省略して高速変動に移行すれば行えばよい。さらに高速変動
の表示時間も通常遊技状態で変動表示ゲームを行う場合よりも短くすればよく、リーチが
ない場合に例えば9フレーム分(300ms)とすればよい。
【0541】
ところで、低速変動時において、大図柄オブジェクト610Cの「回転1」による回転
変動は、常に大図柄オブジェクト610Cが回転し続ける状態を表現している。しかし、
図44の「回転2」「回転3」「回転4」を適用することで、大図柄オブジェクト610
Cの識別情報を切り替える周期(大図柄オブジェクト610Cが回転し始めてから360
度軸回転して停止して次に回転し始めるまでの周期)を変化させることなく、大図柄オブ
ジェクト610Cを正面視させた状態でしばらく停止させることができる。
【0542】
図44の「回転2」を適用した場合、大図柄オブジェクト610Cは、フレーム23以
降、フレームが切り替わるたびに32.7度軸回転(図44では小数点以下を四捨五入し
て表示)する態様で表示され、フレーム34で360度軸回転して識別情報が切り替わる
とともに当該識別情報を正面視させ、フレーム35でも正面視させた状態を維持している
。これにより、大図柄オブジェクト610Cは、1フレーム分(33.3ms)だけ識別
情報を正面視させた状態で停止させることができる。
【0543】
図44の「回転3」を適用した場合、大図柄オブジェクト610Cは、フレーム23以
降、フレームが切り替わるたびに36度軸回転する態様で表示され、フレーム33で36
0度軸回転して識別情報が切り替わるとともに当該識別情報を正面視させ、フレーム34
及びフレーム35でも正面視させた状態を維持している。これにより、大図柄オブジェク
ト610Cは、2フレーム分(66.6ms)だけ識別情報を正面視させた状態で停止さ
せることができる。
【0544】
図44の「回転4」を適用した場合、大図柄オブジェクト610Cは、フレーム23以
降、フレームが切り替わるたびに45度軸回転する態様で表示され、フレーム31で36
0度軸回転して識別情報が切り替わるとともに当該識別情報を正面視させ、フレーム31
からフレーム35の間でも正面視させた状態を維持している。これにより、大図柄オブジ
ェクト610Cは、4フレーム分(133ms)だけ識別情報を正面視させた状態で停止
させることができる。
【0545】
演出制御装置300は、大図柄オブジェクト610Cに対して、実行中の変動表示ゲー
ム又は保留オブジェクト633aの大当りの期待度に応じて「回転1」(期待度:小)、
「回転2」(期待度:中)、「回転3」(期待度:大)、「回転4」(期待度:特大)に
係る回転変動を適用してもよい。また、大図柄オブジェクト610Cの大きさを回転の仕
方により変化させてもよく、例えば「回転1」(期待度:小)<「回転2」(期待度:中
)<「回転3」(期待度:大)<「回転4」(期待度:特大)の順に大きく表示するよう
にしてもよい。その際、識別情報も正面視させた姿勢のときに基準となる大きさ(例えば
「回転1」のときの大きさ)よりも大きくなるように表示してもよい。
【0546】
また、演出制御装置300は、大図柄オブジェクト610Cに対して、例えば初期状態
(通常遊技状態)では「回転1」を適用し、リーチ中、確変状態中、擬似連続演出発生中
は「回転2」、「回転3」、「回転4」のいずれかを適用するようにしてもよい。さらに
、演出制御装置300は、擬似連続演出が発生した場合は、大図柄オブジェクト610C
に対して、擬似変動を繰り返す順に「回転1」、「回転2」、「回転3」、「回転4」を
適用してもよい。
【0547】
〔変動表示ゲーム終了時の低速変動表示の表示態様〕
図45は、変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト610
A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633
aの変動態様又は変化態様を表す画面遷移図(前段)である。図46は、変動表示ゲーム
終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小
図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633.633aの変動態様又は変化態様を
表す画面遷移図(後段)である。図47は、変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の
際の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保
留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様と、フレームとの関係を示す表
である。
【0548】
ここでは、変動表示ゲーム終了前の大図柄オブジェクト610A,610B,610C
、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態
様について説明する。
【0549】
変動表示ゲーム終了時の低速変動(低速変動2)は、高速変動、中速変動(第2段階、
第1段階の順)を経た後に実施される。当該低速変動では、大図柄オブジェクト610C
が識別情報を正面視させた状態で回転変動が終了し、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cがスクロール方向に上下する所謂揺れ変動(仮停止表示)を行う。
【0550】
なお、大図柄オブジェクト610A,610Bは、識別情報が切り替わる際は、前記の
ように最上段の位置(-11)に表示され、このとき大図柄オブジェクト610Cも識別
情報が正面視した状態で表示されるが、大図柄オブジェクト610A,610Bが下方向
にスクロールして大図柄オブジェクト610Cと同じ高さになるまで大図柄オブジェクト
610Cの変動表示は一時的に停止するようにしてもよい。
【0551】
保留オブジェクト633,633aは、前記とは異なり、円形の平板形状のキャラクタ
であって、変動表示ゲームの実行とは無関係に同一形態を維持しつつ大図柄オブジェクト
610Cと同様に軸回転する表示態様を備えるものとする。なお、小図柄オブジェクト6
15は変動表示が終了するまで1フレーム切り替わるごとに識別情報を切り替える。また
、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数
を示す数字「2」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
【0552】
図45の(d1)に示すフレーム301において、大図柄オブジェクト610A及び大
図柄オブジェクト610Bは同じ識別情報「3」を表示しつつ大図柄オブジェクト610
Cと同じ高さ(図47:位置「0」(図44の位置「0」と同じ高さ位置))にまで移動
している。大図柄オブジェクト610Cも識別情報「3」を正面視させた状態で表示され
ている。保留オブジェクト633,633aは、いずれもキャラクタを正面視させた状態
で表示されている。小図柄オブジェクト615は、例えば識別情報「一」を表示している
【0553】
図45の(d2)に示すフレーム307において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム301から1フレーム切り替
わるごとに1段下降し(例えば、1段当り25ピクセル、または20ピクセル)、揺れ変
動における最下段(図47:位置「+6」)まで移動している。
【0554】
保留オブジェクト633,633aは、フレーム301の場合から1フレーム切り替わ
るごとに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転し、キャラクタを端面
方向から見る態様で表示されている。ここで回転方向は、回転軸から左側が奥に向い右側
が手前に来るように回転してもよいし、その逆方向に回転してもよい。小図柄オブジェク
ト615は識別情報「七」を表示している。
【0555】
図45の(d3)に示すフレーム313において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは、同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム307から1フレーム切り
替わるごとに1段上昇し、揺れ変動を開始した初期位置(図47:位置「0」)まで移動
している。保留オブジェクト633,633aは、フレーム307の場合から1フレーム
切り替わるごとにさらに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転し、キ
ャラクタが(d1)から左右反転した態様(キャラクタを裏から見た態様)で表示されて
いる。小図柄オブジェクト615は識別情報「四」を表示している。
【0556】
図45の(d4)に示すフレーム319において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム313から1フレーム切り替
わるごとに1段上昇し、揺れ変動において最も高くなる位置(図47:位置「-6」)ま
で移動している。保留オブジェクト633,633aは、フレーム319の場合から1フ
レーム切り替わるごとにさらに15度軸回転(図47図1)することで90度軸回転し
、キャラクタを端面方向から見た態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は識
別情報「一」を表示している。
【0557】
図45の(d5)に示すフレーム325において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム325から1フレーム切り替
わるごとに1段下降し、揺れ変動の初期位置(図47:位置「0」)まで移動している。
保留オブジェクト633,633aは、フレーム319の場合から1フレーム切り替わる
ごとにさらに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転する。これにより
大図柄オブジェクト610Cはフレーム301の姿勢から360度軸回転し、キャラクタ
を(d1)と同様に正面視させた態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は識
別情報「七」を表示している。
【0558】
図45の(d6)に示すフレーム331において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは、同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム325から1フレーム切り
替わるごとに1段下降し、揺れ変動における最下段(図47:位置「+6」)まで移動し
ている。保留オブジェクト633,633aは、フレーム301の場合から1フレーム切
り替わるごとに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転し、キャラクタ
を端面方向から見た態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は識別情報「四」
を表示している。
【0559】
図45の(d7)に示すフレーム337において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは、同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム331から1フレーム切り
替わるごとに1段上昇し、揺れ変動を開始した初期位置(図47:位置「0」)まで移動
している。保留オブジェクト633,633aは、フレーム331の場合から1フレーム
切り替わるごとにさらに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転し、キ
ャラクタが(d5)から左右反転した態様(キャラクタを裏から見た態様)で表示されて
いる。小図柄オブジェクト615は識別情報「一」を表示している。
【0560】
図45の(d8)に示すフレーム343において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム337から1フレーム切り替
わるごとに1段上昇し、揺れ変動において最も高くなる位置(図47:位置「-6」)ま
で移動している。保留オブジェクト633,633aは、フレーム319の場合から1フ
レーム切り替わるごとにさらに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸回転
し、キャラクタを端面方向から見た態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は
識別情報「七」を表示している。
【0561】
図46の(d9)に示すフレーム349において、大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cは同じ識別情報「3」を表示しつつフレーム325から1フレーム切り替
わるごとに1段下降し、揺れ変動の初期位置(図47:位置「0」)まで移動することで
揺れ変動が終了する。保留オブジェクト633,633aは、フレーム343の場合から
1フレーム切り替わるごとにさらに15度軸回転(図47:回転1)することで90度軸
回転する。これにより大図柄オブジェクト610Aはフレーム325の姿勢から360度
軸回転し、キャラクタを正面視させた態様で表示されている。また、このとき、変動表示
ゲームが終了する場合は保留オブジェクト633aが消失する。小図柄オブジェクト61
5は識別情報「四」を表示し、上記揺れ変動が停止すると小図柄オブジェクト615の変
動表示も終了する。そして、例えばフレーム349からフレーム354まではフレーム3
49の内容を維持したのち、大当りのファンファーレ演出(図32:B2102)が行わ
れる。
【0562】
図46の(d10)において大当り時の識別情報「333」と「大当りおめでとう」の
文字情報が表示される。なお、図46の(d1)から(d9)がフリーズ演出である場合
には、その後、保留オブジェクト633aが消失せずにスクロール変動又は回転変動を再
開する、或いは保留オブジェクト633aが消失して次の変動表示ゲームに移行する。な
お仮停止表示期間(揺れ変動表示期間)において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cがそれぞれ識別情報を表示する期間は互いに同一となる。
【0563】
図47は、図45及び図46の画面遷移図におけるフレーム番号、大図柄オブジェクト
610A,610B,610C(図47:大図柄)の位置、保留オブジェクト633,6
33aの軸回転の回転角度、小図柄オブジェクト615の識別情報の関係を表にしたもの
である。
【0564】
図46図47の仮停止表示期間(揺れ変動表示期間)及び停止図柄表示期間(前述の
停止表示時間)では記載を省略しているが、演出制御装置300は、図42に示す予備動
作表示のように、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの大きさを高速変動
表示期間における大きさよりも大きくなるように表示してもよい。これにより、仮停止表
示期間(揺れ変動表示期間)及び停止図柄表示期間(停止表示時間)に対する注目度を高
めることができ、高速変動表示から停止図柄表示期間(仮停止表示期間含む)に移行する
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動表示態様を容易に認識すること
ができる。
【0565】
図47に示すように、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、フレーム
301から揺れ変動を開始してフレーム325で一往復する。よって、大図柄オブジェク
ト610A,610B,610Cの揺れ周期は24フレーム分となる。また、保留オブジ
ェクト633,633a(「回転1」により回転している)もフレーム301を基準とし
てフレーム325で360度軸回転している。よって、保留オブジェクト633,633
aの回転周期も24フレーム分(800ms)となる。なお、小図柄オブジェクト615
図47:小図柄)は1フレーム切り替わるごとに識別情報が切り替わるが、フレーム3
49で大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動表示が停止すると小図柄
オブジェクト615の変動表示も終了する。
【0566】
また、保留オブジェクト633,633aに対しては他の回転態様も適用可能である。
例えば、図47の「回転2」を適用した場合、1フレーム切り替わるごとに7.5度軸回
転する態様で表示させることで、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの揺
れ周期の2倍の周期で軸回転させることができる。
【0567】
また、保留オブジェクト633,633aでは、キャラクタを正面視させた状態で所定
時間軸回転を停止させる表示態様も可能である。例えば、「回転3」を適用した場合、フ
レーム301でキャラクタを正面視させた状態を基準として1フレーム切り替わるごとに
18度軸回転し、ブレーム321で360度軸回転してキャラクタを再び正面視させた表
示態様となるが、フレーム322-325において当該表示態様を維持している。よって
、「回転3」では、フレーム321-324の4フレーム分(133ms)、保留オブジ
ェクト633,633aを停止させることができる。
【0568】
また、「回転3」を適用した場合、フレーム301でキャラクタが正面視した状態を基
準として1フレーム切り替わるごとに30度軸回転し、フレーム313で360度軸回転
してキャラクタを正面視させた表示態様となるが、フレーム314-325において当該
表示態様を維持している。よって、「回転3」では、フレーム313-324の12フレ
ーム分(400ms)、保留オブジェクト633,633aを停止させることができる。
【0569】
ここで、例えば「回転1」、「回転3」、「回転4」を、保留オブジェクト633,6
33aに係る特図変動表示ゲームに対する大当りの期待度を表すものとして適用すること
が可能であり、「回転1」(期待度小)、「回転3」(期待度中)、「回転4」(期待度
大)と割り当てることができる。もちろん前記同様に期待度に応じて保留オブジェクト6
33,633aの色を変化させてもよい。また、「回転1」、「回転3」、「回転4」は
、各保留オブジェクト633,633aに係る期待度に応じて個別に使い分けることもで
きる。
【0570】
なお、保留オブジェクト633,633aにおいて正面視させる時間の割合が大きいほ
ど保留オブジェクト633,633aを大きく表示することも好適であり、例えば、「回
転1」のときの保留オブジェクト633,633aの大きさ<「回転3」のときの保留オ
ブジェクト633,633aの大きさ<「回転4」のときの保留オブジェクト633,6
33aの大きさ、となるように表示してもよい。さらに、保留オブジェクト633,63
3aの大きさは保留オブジェクト633,633aのキャラクタが正面視されるときのみ
、基準となる大きさ(例えば「回転1」のときの保留オブジェクト633,633aの大
きさ)よりも大きくなるように表示してもよい。
【0571】
また、例えば「回転3」、「回転4」のいずれかを全ての保留オブジェクト633,6
33aに対して適用してもよく、例えば、リーチ中、確変状態中、擬似連続演出発生中は
全ての保留オブジェクト633,633aに対して「回転3」または「回転4」を適用し
、これらが終了すると全ての保留オブジェクト633,633aに対して「回転1」を適
用してもよい。
【0572】
また、擬似連続演出で3回擬似変動がある場合には、1回目の擬似変動において全ての
保留オブジェクト633,633aに対して「回転1」を適用し、2回目の擬似変動にお
いて全ての保留オブジェクト633,633aに対して「回転3」を適用し、3回目の擬
似変動において全ての保留オブジェクト633,633aに対して「回転4」を適用して
もよい。以上のように、遊技状態に応じて保留オブジェクト633,633aのキャラク
タを正面視させる時間、すなわち、保留オブジェクト633,633aが回転し始めてキ
ャラクタを正面視で停止し再び回転し始めるまでの時間のうちキャラクタを正面視させる
時間の割合を適宜変更することも好適である。また、保留オブジェクト633,633a
の大きさを、例えば、「回転1」を適用した保留オブジェクト633,633a<「回転
3」を適用した保留オブジェクト633,633a<「回転4」を適用した保留オブジェ
クト633,633aの順に大きく表示してもよい。
【0573】
なお、図47において、「回転1」から「回転4」の1周期を同じ時間(48フレーム
)で制御するようにしてもよい。なお、演出制御装置300は、48フレームを制御ポイ
ンタ0~47に対応付けて管理できる。この場合、「回転1」、「回転3」、「回転4」
は、48フレーム中で2回転する回転態様を備え、「回転2」は48フレーム中で1回転
する回転態様を備える。これによって、演出制御装置300は、所定のタイミングで一つ
の保留オブジェクト633,633aの回転の態様を遷移(例えば、「回転2」から「回
転3」へ遷移)させても、遷移後の回転を他の保留オブジェクト633,633aと同じ
制御ポインタの値から開始して、全ての保留オブジェクト633,633aで回転の同期
を保つことができる。また、図47の「回転2」の周期、すなわち48フレーム切り替わ
ると保留オブジェクト633,633aの変化態様が一巡する周期を基準として、保留オ
ブジェクト633,633aの回転態様(可変態様)を変化させることができる。図47
のフレーム301において保留オブジェクト633が正面視されフレーム302から軸回
転し始めるとする。このとき「回転3’」を新たに設けて、「回転3’」では、1フレー
ムごとに保留オブジェクト633,633aが9度時計回り(反時計回りでもよい)に軸
回転し、フレーム340において保留オブジェクト633,633aが1回転して正面視
され、フレーム341からフレーム349まで保留オブジェクト633,633a静止す
る回転態様とすることができる。また、「回転4’」を新たに設けて、「回転4’」では
、1フレームごとに保留オブジェクト633,633aが15度時計回り(反時計回りで
もよい)に軸回転し、フレーム325において保留オブジェクト633,633aが1回
転して正面視され、フレーム326からフレーム349まで保留オブジェクト633,6
33aが静止する回転態様とすることができる。なお、このとき「回転1’」(=「回転
1」)は「回転2」で用いる角度の情報を1つ置きに取り出すことで「回転2」の場合よ
りも2倍の回転速度で回転することになる。よって、「回転1’」、「回転2」、「回転
3’」、「回転4’」は、回転態様は異なるものの回転周期(可変周期)は互いに同一と
なる(「回転1’」に関しては2倍の周期)。したがって、保留オブジェクト633,6
33aの回転態様(可変態様)を変更した場合、保留オブジェクト633,633aの回
転態様を「回転1’」から「回転4’」の間で遊技状態や演出ステージ等に応じて任意に
変化させる場合であっても、保留オブジェクト633,633aを表示するための制御を
容易に行うことができる。
【0574】
図48は、変動表示ゲーム終了(又はフリーズ演出)の際の大図柄オブジェクト610
A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633
aの変動態様又は変化態様(変形例)を表す遷移図である。図48において、保留オブジ
ェクト633,633aは自ら軸回転することはない。しかし、保留オブジェクト633
,633aは保留オブジェクト633,633aの周囲を周回する装飾オブジェクト63
3bを備えている。装飾オブジェクト633bは、例えば図47の「回転1」を適用する
と、フレーム301(フレーム325)において保留オブジェクト633,633aのキ
ャラクタの周縁(外形)の最も高い位置に配置された状態を基準として1フレーム切り替
わるごとにキャラクタの中心を回転軸として15度周方向回転する態様でキャラクタの周
縁(外形)に沿って移動する表示態様を有している。装飾オブジェクト633bとしては
、例えば太陽や星の形状を備え、保留オブジェクト633,633aよりも輝度が高いも
のを適用することが好適である。
【0575】
図48では、図45図46の(d5)から(d10)倣って大図柄オブジェクト61
0A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,63
3a、及び装飾オブジェクト633bの遷移について記載しているため、大図柄オブジェ
クト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615等の説明を適宜省略する
【0576】
図48の(d5)に示すフレーム325において、保留オブジェクト633,633a
は、キャラクタを正面視させた状態で静止しており、保留オブジェクト633aが消化さ
れるまで移動することはない。装飾オブジェクト633bは、保留オブジェクト633,
633aのキャラクタの周縁の最も高い位置(頭)に配置されている。
【0577】
図48の(d6)に示すフレーム331において、装飾オブジェクト633bは、1フ
レーム切り替わるごとにキャラクタの中心を回転軸として15度周方向回転する態様でキ
ャラクタの周縁に沿って時計回り(反時計回りでもよい)に移動し、フレーム325に係
る位置(頭)から90度周方向回転する態様でキャラクタの周縁に沿って移動した位置(
左頬)に配置されている。
【0578】
図48の(d7)に示すフレーム337において、装飾オブジェクト633bは、フレ
ーム331に係る位置(左頬)から90度時計回りに回転する態様でキャラクタの周縁に
沿って移動した位置(顎)に配置されている。
【0579】
図48の(d8)に示すフレーム343において、装飾オブジェクト633bは、フレ
ーム337に係る位置(顎)から90度時計回りに回転する態様でキャラクタの周縁に沿
って移動した位置(右頬)に配置されている。
【0580】
図48の(d9)に示すフレーム349において、装飾オブジェクト633bは、フレ
ーム337に係る位置(右頬)から90度時計回りに回転する態様でキャラクタの周縁に
沿って移動した位置(頭)に配置され、装飾オブジェクト633bはキャラクタの周縁を
1周したことになる。このとき、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cもフ
レーム325を基準として揺れ変動を1周期行ったことになる。その後、図48の(d1
0)において、保留オブジェクト633aが消失するとこれを装飾する装飾オブジェクト
633bも消失する。
【0581】
なお、この装飾オブジェクト633bに対しても、保留オブジェクト633,633a
と同様に遊技状態に応じて「回転2」、「回転3」、「回転4」を適用できる。
【0582】
「回転2」を適用した場合、揺れ周期の2倍の周期で装飾オブジェクト633bがキャ
ラクタ(保留オブジェクト633,633a)の周縁を周回する。
【0583】
「回転3」を適用した場合、装飾オブジェクト633bがキャラクタの周縁を周回し始
めてからキャラクタの頭の部分で停止し再び周回し始めるまでの期間が「回転1」におい
て装飾オブジェクト633bがキャラクタの周縁を周回する期間と同じになるが、4フレ
ーム分(133ms)だけ装飾オブジェクト633bがキャラクタの頭の部分で停止する
表示態様となる。
【0584】
「回転4」を適用した場合、装飾オブジェクト633bがキャラクタの周縁を周回し始
めてからキャラクタの頭の部分で停止し再び周回し始めるまでの期間が「回転1」におい
て装飾オブジェクト633bがキャラクタの周縁を周回する期間と同じになるが、12フ
レーム分(400ms)だけ装飾オブジェクト633bがキャラクタの頭の部分で停止す
る表示態様となる。
【0585】
また、装飾オブジェクト633bの大きさを、例えば、「回転1」を適用した装飾オブ
ジェクト633b<「回転3」を適用した装飾オブジェクト633b<「回転4」を適用
した装飾オブジェクト633bの順に大きく表示してもよい。
【0586】
なお、装飾オブジェクト633bは、保留オブジェクト633,633aの周縁に配置
されるとともに当該周縁に沿って移動することで保留オブジェクト633,633aを中
心として回転するものとして説明したが、当該周縁の内側または外側に配置して同様に回
転するようにしてもよい。
【0587】
前記の保留オブジェクト633,633aと同様に、図47の「回転2」の周期、すな
わち48フレーム切り替わると、装飾オブジェクト633bがキャラクタを中心として3
60度回転する周期を基準として、装飾オブジェクト633bの回転態様(可変態様)を
変化させることができる。図47のフレーム301において装飾オブジェクト633bが
キャラクタの周縁の最も高い位置(頭)に配置されている場合を考える。このとき「回転
3’」では、1フレームごとに装飾オブジェクト633bがキャラクタを中心として9度
時計回り(反時計回りでもよい)に回転し、フレーム340において装飾オブジェクト6
33bがキャラクタの周囲を一周してキャラクタの周縁の最も高い位置(頭)に配置され
、フレーム341からフレーム349まで装飾オブジェクト633bが当該配置位置にお
いて静止する回転態様とすることができる。また、「回転4’」では、1フレームごとに
装飾オブジェクト633bがキャラクタを中心として15度時計回り(反時計回りでもよ
い)に回転し、フレーム325において装飾オブジェクト633bがキャラクタの周囲を
一周してキャラクタの周縁の最も高い位置(頭)に配置され、フレーム326からフレー
ム349まで装飾オブジェクト633bが当該配置位置において静止する回転態様とする
ことができる。なお、このとき「回転1’」(=「回転1」)は「回転2」で用いる角度
の情報を1つ置きに取り出すことで「回転2」の場合よりも2倍の回転速度で回転するこ
とになる。よって、「回転1’」、「回転2」、「回転3’」、「回転4’」は、回転態
様は異なるものの回転周期(可変周期)は互いに同一となる(「回転1’」に関しては2
倍の周期)。したがって、装飾オブジェクト633bの回転態様(可変態様)を変更した
場合、装飾オブジェクト633bの回転態様を「回転1’」から「回転4’」の間で遊技
状態や演出ステージ等に応じて任意に変化させる場合であっても、装飾オブジェクト63
3bを表示するための制御を容易に行うことができる。
【0588】
〔高速変動表示中の変動態様の第2変形例〕
図49は、高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図
柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様(第
2変形例)を表す画面遷移図(前段)である。図50は、高速変動表示中の大図柄オブジ
ェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト6
33,633aの変動態様又は変化態様(第2変形例)を表す画面遷移図(後段)である
。第2変形例では保留オブジェクト633,633aにおいて、その大きさに応じてキャ
ラクタを正面視させた時間(フレーム数)が変化する場合について説明する。なお、図4
9、図50では高速変動時を例にとっているが、低速変動時においても適用可能である。
【0589】
保留オブジェクト633,633aは、図45及び図46に示す場合と同様に、円形の
平板形状のキャラクタであって軸回転する表示態様を備えるものであるが、例えば保留オ
ブジェクト633,633aの表側が表れた段階でその大きさが拡大され、保留オブジェ
クト633,633aのキャラクタが正面視された状態になると図36に示す演出表示編
集処理において保留オブジェクト633,633aの更新を数フレーム分行わないように
し、その後更新を再開するとともにその大きさを元の大きさに戻していく表示態様が可能
である。
【0590】
図49の(a9)のフレーム113(図34の(a9)と同じタイミング)において、
大図柄オブジェクト610A,610Bは最上段となる位置でそれぞれ識別情報「2」を
表示し、大図柄オブジェクト610Cは中央部において識別情報「2」を正面視させた状
態で表示しているが、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cにおいて識別情
報は互いに異なっていてもよい。このとき、保留オブジェクト633,633aはキャラ
クタを端面方向から見る態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は、識別情報
「一」を表示している。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、そ
れぞれ、特図1保留数を示す数字「2」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されてい
る(以後同様)。
【0591】
図49の(a10)のフレーム119において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「4」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは1フレーム切り替わるごとに7.5度軸回転する態様(図47
回転2)で表示され、フレーム113に表示された姿勢から45度軸回転することでキャ
ラクタを裏面斜め(回転軸から左側が手前に来る配置)から見る態様で表示されている。
小図柄オブジェクト615は、識別情報「七」を表示している。
【0592】
図49の(a11)のフレーム125において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「6」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは前記同様にフレーム119に表示された姿勢から45度軸回転す
ることでキャラクタの裏面を正面視する態様で表示されている。小図柄オブジェクト61
5は、識別情報「四」を表示している。
【0593】
図49の(a12)のフレーム131において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「8」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは前記同様にフレーム125に表示された姿勢から45度軸回転す
ることでキャラクタを裏面斜め(回転軸から右側が手前に来る配置)から見る態様で表示
されている。小図柄オブジェクト615は、識別情報「一」を表示している。
【0594】
図49の(a13)のフレーム137において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「1」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは前記同様にフレーム125に表示された姿勢から45度軸回転す
ることでキャラクタを端面方向から見る態様で表示されている。小図柄オブジェクト61
5は、識別情報「七」を表示している。これ以後、保留オブジェクト633,633aの
拡大演出が開始される。
【0595】
図49の(a14)のフレーム143において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「3」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは拡大表示されるとともに前記同様にフレーム137に表示された
姿勢から45度軸回転することでキャラクタの表面を斜め(回転軸から左側が手前に来る
配置)から見る態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は、識別情報「四」を
表示している。
【0596】
図49の(a15)のフレーム149において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「5」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは拡大表示され、前記同様にフレーム143に表示された姿勢から
45度軸回転することでキャラクタの表面を正面視した態様で表示されている。小図柄オ
ブジェクト615は、識別情報「一」を表示している。なお、保留オブジェクト633,
633aはフレーム137からフレーム149にかけて1フレーム切り替えるごとに徐々
に拡大するようにしてもよく。またフレーム138の段階でフレーム149に示す保留オ
ブジェクト633,633aと同じ大きさ(縦方向の大きさ)になるように表示してもよ
い。
【0597】
図49の(a16)のフレーム155において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「7」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aはフレーム149から更新が停止されキャラクタの表面を正面視し
た態様の表示を維持している。小図柄オブジェクト615は、識別情報「七」を表示して
いる。
【0598】
図50の(a17)のフレーム161において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「9」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aはフレーム155から引き続き更新が停止されキャラクタの表面を
正面視した態様の表示を維持している。小図柄オブジェクト615は、識別情報「四」を
表示している。
【0599】
図50の(a18)のフレーム167において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「1」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aはフレーム161から更新を再開しフレーム161に表示された姿
勢から45度軸回転することでキャラクタの表面を斜め(回転軸から右側が手前に来る配
置)から見る態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は、識別情報「一」を表
示している。
【0600】
図50の(a19)のフレーム173において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「3」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aはフレーム167に表示された姿勢から45度軸回転することでキ
ャラクタを端面方向から見る態様で表示されている。小図柄オブジェクト615は、識別
情報「七」を表示している。フレーム173において保留オブジェクト633,633a
の拡大演出は終了して元の大きさに戻る。その際、フレーム161から1フレーム切り替
わるごとに徐々に小さくするようにしてもよいし、フレーム161からフレーム172ま
で同じ大きさ(縦方向の大きさ)を維持してフレーム173において元の大きさに戻すよ
うにしてもよい。
【0601】
図50の(a20)のフレーム179において、大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cはそれぞれ前記と同じ位置で識別情報「5」を表示している。保留オブジェ
クト633,633aは、フレーム173に表示された姿勢から45度軸回転することで
キャラクタの表面を斜め(回転軸から左側が手前に来る配置)から見る態様で表示される
が、拡大演出されることはない。小図柄オブジェクト615は、識別情報「四」を表示し
ている。
【0602】
なお、高速変動中に大図柄オブジェクト610Cの識別情報が正面視されるタイミング
で、図36に示す演出表示編集処理における大図柄オブジェクト610Cの更新を数フレ
ーム分行わないようにし、その後更新を再開する一時停止演出を行うことも可能である。
その際大図柄オブジェクト610Cを停止させる期間(フレーム数)に比例して大図柄オ
ブジェクト610Cの大きさを拡大させ、一時停止演出終了後もとの大きさに戻すように
してもよい。また、大図柄オブジェクト610Cと同期して、小図柄オブジェクト615
に対しても図36に示す演出編集処理により識別情報の更新を数フレーム分行わない一時
停止演出を行うことも可能である。
【0603】
上記第2変形例において、保留オブジェクト633に対して拡大演出は行わず、実行中
の特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する保留オブジェクト633aに対してのみ拡大
演出を行ってもよい。このとき、保留消化領域640を示す矩形の枠については拡大演出
を行わず保留オブジェクト633aが当該枠からはみ出るような表示をおこなってもよい
。また、保留オブジェクト633は、特図1保留表示部660(保留表示部630a)の
みならず特図2保留表示部(保留表示部630b)にも表示され得る。よって、特図2
留表示部に保留オブジェクト633がある場合は当該保留オブジェクト633についても
同様に拡大演出を行ってもよい。この場合、保留オブジェクト633aが特図1保留表示
部にあった保留オブジェクト633及び特図2保留表示部にあった保留オブジェクト63
3であったかに関わらず、全ての保留オブジェクト633,633aに対して拡大演出を
行う構成でもよい。また、保留オブジェクト633aが特図1保留表示部にあった保留オ
ブジェクト633に係るものである場合、保留オブジェクト633aと特図1保留表示部
に表示された保留オブジェクトに対して拡大演出を行う構成でもよい。同様に、保留オブ
ジェクト633aが特図2保留表示部にあった保留オブジェクト633に係るものである
場合、保留オブジェクト633aと特図2保留表示部に表示された保留オブジェクトに対
して拡大演出を行う構成でもよい。
【0604】
〔高速変動表示の第3変形例〕
図51は、高速変動表示中の大図柄オブジェクト610A,610B,610C、小図
柄オブジェクト615、保留オブジェクト633,633aの変動態様又は変化態様(第
3変形例)を表す画面遷移図(前段)である。図52は、高速変動表示中の大図柄オブジ
ェクト610A,610B,610C、小図柄オブジェクト615、保留オブジェクト6
33,633aの変動態様又は変化態様(第3変形例)を表す画面遷移図(後段)である
【0605】
第3変形例では、大図柄オブジェクト610A,610Bが回転変動を行い、大図柄オ
ブジェクト610Cが垂直スクロール変動を行う構成となっているが、この構成は低速変
動表示においても適用可能である。なお、図51及び図52の(e1)から(e11)は
図33及び図34の(a1)から(a11)に対応し、保留オブジェクト633,63
3a及び小図柄オブジェクト615の遷移態様は、図33図34に示す遷移態様と同じ
であるのでこれらの説明を省略する。
【0606】
図51の(e1)に示すフレーム101において、大図柄オブジェクト610Cは表示
装置41の中央上部に表示され識別情報「7」を表示している。大図柄オブジェクト61
0Aは、表示装置41の左側であって高さ方向の中央となる位置において識別情報「7」
を正面視させた状態で表示している。大図柄オブジェクト610Bは、表示装置41の右
側であって高さ方向の中央となる位置において識別情報「7」を正面視させた状態で表示
している。
【0607】
図51の(e2)に示すフレーム102において、大図柄オブジェクト610Cは表示
装置41の中央部に表示され識別情報「7」を表示しているが、フレーム101と比較し
て水平方向には移動していない(以後も同様)。
【0608】
大図柄オブジェクト610A,610Bは、識別情報「7」を正面視させた姿勢からオ
ブジェクト全体を軸方向に60度軸回転させた状態で表示され、識別情報「7」を斜めか
ら見た態様の図形を表示している。ここで、軸回転の方向は、回転軸から左側が奥に移動
し、右側が手前に来る方向であるが、その逆方向に回転してもよい。なお大図柄オブジェ
クト610A,610Bは、それぞれフレーム101と比較して水平方向及び垂直方向に
は移動していない(以後も同様)。
【0609】
図51の(e3)に示すフレーム103において、大図柄オブジェクト610Cは表示
装置41の中央下部に表示され識別情報「7」を表示している。大図柄オブジェクト61
0A,610Bは、それぞれ識別情報「7」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を
120度軸回転させた態様で表示されている。
【0610】
図51の(e4)に示すフレーム104において、識別情報「7」を表示した大図柄オ
ブジェクト610Cは消失し、表示装置41の中央上部に識別情報「8」を表示する大図
柄オブジェクト610Cが表示される。大図柄オブジェクト610A,610Bは、それ
ぞれ識別情報「7」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を180度軸回転させて裏
面を正面視させた態様で表示され、当該裏面に識別情報「8」を表示している。
【0611】
図51の(e5)に示すフレーム105において、大図柄オブジェクト610Cは、表
示装置41の中央部に表示され識別情報「8」を表示している。大図柄オブジェクト61
0A,610Bは、それぞれ識別情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を
60度軸回転させた態様で表示され、識別情報「8」を斜めから見た態様の図形を表示し
ている。
【0612】
図51の(e6)に示すフレーム106において、大図柄オブジェクト610Cは表示
装置41の中央下部に表示され識別情報「8」を表示している。大図柄オブジェクト61
0A,610Bは、それぞれ識別情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を
120度軸回転させた態様で表示され、識別情報「8」の外形が左右反転し且つ斜めから
見た態様の図形が表示される。
【0613】
図51の(e7)に示すフレーム107において、識別情報「8」を表示した大図柄オ
ブジェクト610Cは消失し、表示装置41の中央上部に識別情報「9」を表示する大図
柄オブジェクト610Cが表示される。大図柄オブジェクト610A,610Bは、識別
情報「8」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を180度軸回転させて表面を正面
視させた態様で表示され、当該表面に識別情報「9」を表示している。
【0614】
図51の(e8)に示すフレーム108において、大図柄オブジェクト610Cは表示
装置41の中央部に表示され識別情報「9」を表示している。大図柄オブジェクト610
A,610Bは、識別情報「9」を正面視させた姿勢からオブジェクト全体を60度軸回
転させた態様で表示され、識別情報「9」を斜めから見た態様の図形を表示している。
【0615】
図52の(e9)に示すフレーム113において、表示装置41の中央上部に識別情報
「2」を表示する大図柄オブジェクト610Cが表示される。大図柄オブジェクト610
A,610Bは、表面を正面視させた態様で表示され、当該表面に識別情報「2」を表示
している。
【0616】
図52の(e10)に示すフレーム119において、表示装置41の中央上部に識別情
報「4」を表示する大図柄オブジェクト610Cが表示される。大図柄オブジェクト61
0A,610Bは、表面を正面視させた態様で表示され、当該表面に識別情報「4」を表
示している。
【0617】
図52の(e11)に示すフレーム125において、表示装置41の中央上部に識別情
報「6」を表示する大図柄オブジェクト610Cが表示される。大図柄オブジェクト61
0A,610Bは、表面を正面視させた態様で表示され、当該表面に識別情報「6」を表
示している。
【0618】
図51図52に示すように、大図柄オブジェクト610Cは、3フレームを用いて同
じ識別情報を持った状態(同一形態)で、表示装置41の中央上部、中央部、中央下部の
順に移動するように表示される。また大図柄オブジェクト610A,610Bにおいて、
同じ識別情報(正面視させる識別情報)は1フレームにのみ表示される。
【0619】
本実施形態では、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cを遊技状態に応じ
て変動態様(変動表示態様)の組み合わせを変更することができる。例えば通常遊技状態
の開始の際に大図柄オブジェクト610A,610Bを垂直スクロール変動に、大図柄オ
ブジェクト610Cを回転変動にそれぞれ設定し、その後、例えば、演出ステージが変化
したとき、或は、確変状態や擬似連続演出が発生したときに、大図柄オブジェクト610
A,610Bを回転変動に変更し、大図柄オブジェクト610Cを垂直スクロール変動に
変更することも可能である。また、擬似連続演出の場合は、擬似変動の仮停止後の擬似変
動の際に前記の回転変動を行う大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610
C)と垂直スクロール変動を行う大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト61
0A,610B)の変動態様を交互に切り替えることも可能である。
【0620】
また、実行中の特図変動表示ゲームや保留オブジェクト633aの大当りの期待度に応
じて変動態様の組み合わせを変更することも可能であり、期待度が「小」の場合は、大図
柄オブジェクト610A,610Bを垂直スクロール変動に、大図柄オブジェクト610
Cを回転変動に設定する。期待度が「中」の場合は、大図柄オブジェクト610A(また
は610B)を垂直スクロール変動に設定し、大図柄オブジェクト610Cと大図柄オブ
ジェクト610B(または大図柄オブジェクト610A)を回転変動に設定する。期待度
が「大」の場合は、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cを回転変動に設定
する、等の変更が可能である。
【0621】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の大図柄オブジェクト610A,610B
,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置300)を
備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発
生可能な遊技機10において、複数の大図柄オブジェクト610A,610B,610C
は、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)と、第
1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)とは変動表示
態様が異なる第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)と、を含
み、
変動表示ゲームは、変動表示ゲームの開始直後の期間よりも大図柄オブジェクト610
A,610B,610Cの変動速度が速い高速変動表示期間を含み、表示制御手段(演出
制御装置300)は、表示装置41において、複数の大図柄オブジェクト610A,61
0B,610Cの変動表示とともに、小図柄オブジェクト615の変動表示を行い、高速
変動表示期間において、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C
)を同じ態様で連続して表示する期間(T2)を、第1大図柄オブジェクト(例えば、大
図柄オブジェクト610A,610B)を同じ態様で連続して表示する期間(T1)より
も短くし、小図柄オブジェクト615を同じ態様で連続して表示する期間(S1)を、第
2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態様で連続して表
示する期間(T2)と等しくする。
【0622】
上記構成により、変動表示ゲーム中の大図柄オブジェクト610A,610B,610
Cの変動態様を容易に認識可能となり、興趣を向上させることができる。
【0623】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件下で(例え
ば、演出ステージの変化時や擬似連続演出の仮停止時)、第1大図柄オブジェクト(例え
ば、大図柄オブジェクト610A,610B)と第2大図柄オブジェクト(例えば、大図
柄オブジェクト610C)の表示位置、及び/若しくは、表示個数を入れ替える。
【0624】
これにより、新たな演出要素を追加することなく演出効果を高め、遊技の興趣を向上さ
せることができる。
【0625】
第1実施形態において、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610
A,610B)は第1識別情報(識別情報)を備えるとともに、第2大図柄オブジェクト
(例えば、大図柄オブジェクト610C)は第2識別情報(識別情報)を備え、表示制御
手段(演出制御装置300)は、表示装置41の画面上に設けられた特定経路に沿ってス
クロールする変動表示態様で第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト61
0A,610B)を変動表示し、所定位置で回転する変動表示態様で第2大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を変動表示する。
【0626】
これにより、変動表示態様の異なる変動表示を同時に行ったとしても変動表示ゲーム中
の大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動表示態様を容易に認識可能と
なる。
【0627】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第2大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を段階的に軸回転した態様で表示して、第
2識別情報(識別情報)が表示される表面または裏面が交互に正面視されるように表示し
、表面、及び/若しくは、裏面が正面視される毎に第2識別情報(識別情報)が切り替わ
る態様で第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を変動表示す
る。
【0628】
これにより、回転変動による第2識別情報(識別情報)の切り替えを容易に把握するこ
とがきる。
【0629】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第1大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を特定経路の基端から特定経路
の終端に向けて移動させて消失させた後、第1識別情報(識別情報)が切り替えられた第
1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を基端から終
端に向けて移動させて消失させることを繰り返す態様で、第1大図柄オブジェクト(例え
ば、大図柄オブジェクト610A,610B)をスクロールする。
【0630】
これにより、垂直スクロール(一方向スクロール)による第1識別情報(識別情報)の
切り替えを容易に把握することがきる。
【0631】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第1大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を第1識別情報(識別情報)が
切り替わる順に特定経路に沿って複数並べて表示するとともに、複数の第1大図柄オブジ
ェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を同じ態様で連続して表示す
る期間を同一にした状態で複数の第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト
610A,610B)をスクロールする。
【0632】
これにより、第1識別情報(識別情報)が複数同時に配列された垂直スクロール(一方
向スクロール)による第1識別情報(識別情報)の切り替えを容易に把握することができ
る。
【0633】
第1実施形態において、特別遊技状態の終了後に特定の遊技を実行可能な特定遊技状態
(例えば時短状態)における変動表示ゲームの表示時間は、特定の遊技を実行可能でない
通常遊技状態における変動表示ゲームの表示時間よりも短い。
【0634】
これにより特定遊技状態(例えば時短状態)を確実に行うとともに、特定遊技状態中の
大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動態様を容易に認識可能となる。
【0635】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の大図柄オブジェクト610A,610B
,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置300)を
備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発
生可能な遊技機10において、複数の大図柄オブジェクト610A,610B,610C
は、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)と、第
1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)とは変動表示
態様が異なる第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)と、を含
み、表示制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41において、複数の大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610Cの変動表示とともに、小図柄オブジェクト615
の変動表示を行い、変動表示ゲーム中の所定期間(予備動作期間、仮停止表示期間)にお
いて、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態様で連
続して表示する期間を、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A
,610B)を同じ態様で連続して表示する期間に等しくし、変動表示ゲーム中の所定期
間以外における特定表示期間(低速変動表示期間、中速変動表示期間、高速変動表示期間
)において、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態
様で連続して表示する期間を、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト6
10A,610B)を同じ態様で連続して表示する期間よりも短くし、小図柄オブジェク
ト615を同じ態様で連続して表示する期間を、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図
柄オブジェクト610C)を同じ態様で連続して表示する期間と等しくする。
【0636】
上記構成により、変動表示ゲーム中の大図柄オブジェクト610A,610B,610
Cの変動態様を容易に認識可能となるとともに、所定期間における第1大図柄オブジェク
ト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)と、第2大図柄オブジェクト(例
えば、大図柄オブジェクト610C)の識別情報の切り替え周期を等しくすることで変動
表示の違和感の発生を回避し、これにより興趣を向上させることができる。
【0637】
第1実施形態において、特定表示期間は、所定期間よりも変動速度が速い高速変動表示
期間を含み、所定期間は、変動表示ゲームの開始の際の予備動作を表示する予備動作表示
期間を含み、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B
)は、第1識別情報(識別情報)を備えるとともに、第2大図柄オブジェクト(例えば、
大図柄オブジェクト610C)は、第2識別情報(識別情報)を備え、表示制御手段(演
出制御装置300)は、高速変動表示期間において、第1大図柄オブジェクト(例えば、
大図柄オブジェクト610A,610B)を、表示装置41の画面上に設けられた特定経
路に沿って第1識別情報(識別情報)をスクロールする態様(垂直スクロール)で変動表
示し、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を、段階的に軸
回転した態様で表示されて、第2識別情報(識別情報)が表示される表面または裏面が交
互に正面視されるように表示するとともに、表面、及び/若しくは、裏面が正面視される
毎に第2識別情報(識別情報)が切り替わる態様(回転変動)で変動表示し、予備動作表
示期間において、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,61
0B)を、第1識別情報(識別情報)を維持しつつ第1大図柄オブジェクト(例えば、大
図柄オブジェクト610A,610B)の表示位置を第1大図柄オブジェクト(例えば、
大図柄オブジェクト610A,610B)の初期位置から第1大図柄オブジェクト(例え
ば、大図柄オブジェクト610A,610B)がスクロールする方向とは逆方向に所定距
離移動してその後第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,61
0B)の初期位置に戻る態様で変動表示し、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オ
ブジェクト610C)を、第2識別情報(識別情報)を維持しつつ第2大図柄オブジェク
ト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の表示位置を第2大図柄オブジェクト(例え
ば、大図柄オブジェクト610C)の初期位置から第1大図柄オブジェクト(例えば、大
図柄オブジェクト610A,610B)がスクロールする方向とは逆方向に所定距離移動
してその後第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の初期位置
に戻る態様で変動表示し、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610
A,610B)及び第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を
互いに同期して移動させる。
【0638】
これにより、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610
B)と、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の変動表示態
様が異なっていても予備動作においては同じ動作をさせることができ、変動表示ゲーム開
始時の演出を自然に行うことができる。
【0639】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第1大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)及び第2大図柄オブジェクト(
例えば、大図柄オブジェクト610C)の予備動作表示期間における大きさを、第1大図
柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)及び第2大図柄オブ
ジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の高速変動表示期間における大きさよ
りも大きくする。
【0640】
これにより予備動作に対して注意を引かせることができるとともに、高速変動表示にお
いて大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの大きさを予備変動時の大きさよ
りも適度に小さくして視界に入り易くすることでスクロールを認識しやすくし、これによ
り大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動表示を容易に認識させること
ができる。また、高速変動表示において大図柄オブジェクト610A,610B,610
Cの大きさを予備変動時の大きさよりも小さくすることでスクロールのスピード感を高め
ることができる。
【0641】
ここで、大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の大きさは、識
別情報の大きさをそのまま第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610
C)の大きさとして定義しても、当該識別情報が表示されたオブジェクト本体(枠、キャ
ラクタ等)を含めた全体の大きさを第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェク
ト610C)の大きさとして定義してもよい。よって、例えば識別情報の大きさが予備動
作表示期間及び高速変動表示期間において違いがない場合であっても、予備動作表示期間
においてオブジェクト本体(枠、キャラクタ)が識別情報とともに表示され、高速変動表
示期間(及び低速変動表示期間)においてオブジェクト本体(枠、キャラクタ)が消失し
て識別情報のみが表示される場合についても、大図柄オブジェクトの予備動作表示期間に
おける大きさが、高速変動表示期間よりも大きいと捉えることができる。
【0642】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、予備動作表示期間の
終了直後において、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を
、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の表示位置が第2大
図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の初期位置を中心として振動
しつつ第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の初期位置に収
束する態様で変動表示する。
【0643】
これにより、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を物体
的に動作させることができる。
【0644】
第1実施形態において、所定期間は、特定表示期間の後に行う仮停止表示期間(揺れ変
動表示期間)を含み、表示制御手段(演出制御装置300)は、仮停止表示期間において
、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)及び第2
大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を、第1大図柄オブジェク
ト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)の表示位置及び第2大図柄オブジ
ェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の表示位置が互いに同期して同一方向に
周期的に変化する態様で変動表示する。
【0645】
これにより、遊技者に変動表示ゲーム終了直前の仮停止状態であることを不自然なく示
唆することができる。
【0646】
第1実施形態によれば、表示装置41において複数の大図柄オブジェクト(大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610C)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御
手段を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状
態を発生可能な遊技機10において、始動領域(例えば始動入賞口36)への遊技球の通
過に基づき変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(遊技制
御装置100)を備え、複数の大図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,61
0B,610C)は、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,
610B)と、第1大図柄オブジェクト例えば、大図柄オブジェクト610A,610B
)とは変動態様が異なる第2大図柄オブジェクト例えば、大図柄オブジェクト610C)
と、を含み、変動表示ゲームは、変動表示ゲームの開始直後の期間よりも大図柄オブジェ
クト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の変動速度が速い高速変動表
示期間を含み、表示制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41において、複数の
大図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の変動表示と
ともに、小図柄オブジェクト615の変動表示と、始動記憶に対応する保留オブジェクト
633,633aの表示と、を行い、高速変動表示期間において、第2大図柄オブジェク
ト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態様で連続して表示する期間(T2)
を、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を同じ
態様で連続して表示する期間(T1)よりも短くし、小図柄オブジェクト615を同じ態
様で連続して表示する期間(S1)を、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジ
ェクト610C)を同じ態様で連続して表示する期間(T2)と等しくし、保留オブジェ
クト633,633aを同じ態様で連続して表示する期間(H1)を、第1大図柄オブジ
ェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を同じ態様で連続して表示す
る期間(T1)よりも長くする。
【0647】
これにより、遊技者は速く動いている方に自然に視線を向けるので、高速変動している
ときは遊技者の視線を大図柄オブジェクト610A,610B,610Cに向けさせるこ
とができる。また、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cが停止していると
き(仮停止状態も含む)は、可変表示している保留オブジェクト633,633aに視線
を向けさせることができる。以上のように、変動表示ゲーム中の大図柄オブジェクト61
0A,610B,610Cの演出を適切に行うことにより遊技の興趣を向上させることが
できる。
【0648】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト6
33,633aを、保留オブジェクト633,633aの形態が周期的に変化する態様で
可変表示し、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cを、仮停止時において大
図柄オブジェクト610A,610B,610Cの表示位置が周期的に変化する態様で変
動表示し、保留オブジェクト633,633aの形態が変化する周期(P3)を、仮停止
時において大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの表示位置が変化する周期
と等しくする(同期させる)。
【0649】
これにより、保留オブジェクト633,633aの可変表示の周期(P3)と仮停止時
の大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動周期を揃えた(同期した)協
調演出が可能になり遊技の興趣が向上するとともに、非同期により生じる不自然さを解消
することができる。
【0650】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト6
33,633aを、保留オブジェクト633,633aの形態が周期的に変化する態様で
可変表示するとともに、保留オブジェクト633,633aの形態が変化する周期を、保
留オブジェクト633,633aに係る変動表示ゲームの結果が特別結果になる期待度が
高い場合には短くすることが可能である。
【0651】
これにより、保留オブジェクト633,633aに係る保留の期待度の違いを視覚的に
把握することができる。
【0652】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト6
33,633aの形態が変化する際の振幅を、保留オブジェクト633,633aの形態
が変化する周期が短くなるほど小さくする。
【0653】
これにより、保留オブジェクト633,633aの形態が変化する周期と振幅との不自
然な関係を解消することができる。
【0654】
第1実施形態において、保留オブジェクト633,633aは、保留オブジェクト63
3,633aの外形に沿って周回する態様で表示される装飾オブジェクト633bを備え
、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト633,633aの形態が
変化する周期を、装飾オブジェクト633bが保留オブジェクト633,633aの外形
を周回する周期とする。
【0655】
これにより、保留オブジェクト633,633aの本体(キャラクタ)を変動表示にお
いて動かす必要はないので、保留オブジェクト633,633aの変動表示(可変表示)
を簡易に行うことができる。
【0656】
第1実施形態において、保留オブジェクト633,633aは、装飾オブジェクト63
3bを備え、表示制御手段(演出制御装置300)は、装飾オブジェクト633bの位置
が周回する態様で保留オブジェクト633,633aを回転するように表示し、保留オブ
ジェクト633,633aの形態が変化する周期を、装飾オブジェクト633bが周回す
る周期とする。
【0657】
これにより、保留オブジェクト633,633aの本体(キャラクタ)を変動表示にお
いて動かす必要はないので、保留オブジェクト633,633aの変動表示(可変表示)
を簡易に行うことができる。
【0658】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の大図柄オブジェクト610A,610B
,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置300)を
備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発
生可能な遊技機10において、複数の大図柄オブジェクト610A,610B,610C
は、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)と、第
1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)とは変動表示
態様が異なる第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)と、を含
み、表示制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41において、複数の大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610Cの変動表示とともに、小図柄オブジェクト615
の変動表示を行い、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を
、所定位置で軸回転する態様(回転変動)で変動表示可能であるとともに第2大図柄オブ
ジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)に含まれる識別情報を正面視させた状
態で所定期間において表示可能であり、所定期間を、第2大図柄オブジェクト(例えば、
大図柄オブジェクト610C)の大きさに基づいて変化可能である。
【0659】
これにより、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の変動
表示中の識別情報の視認性を高めることができる。このように変動表示ゲーム中の大図柄
オブジェクト610A,610B,610Cの演出を適切に行うことにより興趣を向上さ
せることできる。
【0660】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第2大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の大きさを、遊技状態に基づいて変化させ
る。
【0661】
これにより、新たな演出要素を追加することなく遊技者に何れの遊技状態が発生してい
るかを示唆することができる。
【0662】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、識別情報を正面視さ
せたときの第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の大きさを
、識別情報が正面視にならないときの第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェ
クト610C)の大きさよりも大きくする。
【0663】
これにより第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)に表示さ
れる識別情報を強調することができる。
【0664】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、第2大図柄オブジェ
クト(例えば、大図柄オブジェクト610C)が軸回転を開始した後、第2大図柄オブジ
ェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)に含まれる識別情報を正面視させた状態
で、所定期間に亘って第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)
を一時停止させ、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)が軸
回転を開始してから一時停止が終了するまでの周期における所定期間が占める割合を、第
2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の大きさに基づいて変化
させる。
【0665】
これにより、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の変動
表示中の識別情報の視認性を高めることができる。また、第2大図柄オブジェクト(例え
ば、大図柄オブジェクト610C)の軸回転の周期は所定期間によらず不変となるため、
第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の軸回転の周期と第1
大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)のスクロール周
期との同期が容易になり、より自然な変動表示による演出を行うことができる。
【0666】
第1実施形態によれば、表示装置41において変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、始動領域(始動入賞口36等)への
遊技球の通過に基づき変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な始動記憶手
段(遊技制御装置100)を備え、表示制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶に
対応する保留オブジェクト633,633aを表示装置41に表示し、保留オブジェクト
633,633aを、回転するとともに特定の回転角度(キャラクタが正面視される回転
角度、またはそれ以外の回転角度であってキャラクタの特徴を認識可能な回転角度等)に
おいて一時停止する態様で可変表示し、保留オブジェクト633,633aを一時停止す
る期間を、保留オブジェクト633,633aの大きさに基づいて変化可能である。
【0667】
これにより、保留オブジェクト633,633aの特定の回転角度(キャラクタが正面
視される回転角度、またはそれ以外の回転角度であってキャラクタの特徴を認識可能な回
転角度等)に係る画像の視認性を高めることができ、さらに当該一時停止時間を保留オブ
ジェクト633,633aの大きさにより変化させる。よって、保留オブジェクト633
,633aの可変表示(変動表示)が単調ではなくなり遊技者が注視するので興趣を向上
させることができる。
【0668】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト6
33,633aの大きさを、遊技状態に基づいて変化させる。
【0669】
これにより、新たな演出要素を追加することなく遊技者に何れの遊技状態が発生してい
るかを示唆することができる。
【0670】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41におい
て複数の大図柄オブジェクト610A,610B,610Cを変動表示して変動表示ゲー
ムを実行するとともに、仮停止時において、複数の大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cを大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの表示位置が周期的に
変化する態様で変動表示し、保留オブジェクト633,633aが軸回転を始めてから一
時停止が終了するまでの周期を、仮停止時において大図柄オブジェクト610A,610
B,610Cの表示位置が変化する周期に同期させる。
【0671】
これにより、大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの表示位置の振動と保
留オブジェクト633,633aの回転とを調和させ自然な演出を行うことができる。
【0672】
第1実施形態において、表示制御手段(演出制御装置300)は、保留オブジェクト6
33,633aが軸回転を開始してから一時停止が終了するまでの周期における一時停止
が占める割合を、保留オブジェクト633,633aの大きさに基づいて変化させる。
【0673】
これにより、保留オブジェクト633,633aの特定の回転角度(キャラクタが正面
視される回転角度、またはそれ以外の回転角度であってキャラクタの特徴を認識可能な回
転角度等)に係る画像の視認性を高めることができる。また、保留オブジェクト633,
633aの一時停止を含めた回転周期は不変となるため、保留オブジェクト633,63
3aの回転周期と大図柄オブジェクト610A,610B,610Cのスクロール周期又
は回転周期との同期が容易になり、より自然な演出を行うことができる。
【0674】
第1実施形態によれば、表示装置41において複数の大図柄オブジェクト610A,6
10B,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置30
0)と、遊技球を所定の発射周期で発射する球発射装置と、を備え、変動表示ゲームの結
果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10におい
て、始動領域(例えば始動入賞口36)への遊技球の通過に基づき変動表示ゲームの実行
権利として始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、複数の大
図柄オブジェクト610A,610B,610Cは、第1大図柄オブジェクト(例えば、
大図柄オブジェクト610A,610B)と、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄
オブジェクト610A,610B)とは変動表示態様が異なる第2大図柄オブジェクト(
例えば、大図柄オブジェクト610C)と、を含み、変動表示ゲームは、変動表示ゲーム
の開始直後の期間よりも大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動速度が
速い高速変動表示期間を含み、表示制御手段(演出制御装置300)は、表示装置41に
おいて、複数の大図柄オブジェクト610A,610B,610Cの変動表示とともに、
小図柄オブジェクト615の変動表示を行い、始動記憶に対応する保留オブジェクト63
3,633aを表示装置41に表示するとともに保留オブジェクト633,633aの形
態が周期的に変化する態様で可変表示し、高速変動表示期間において、第2大図柄オブジ
ェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態様で連続して表示する期間を、
第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を同じ態様
で連続して表示する期間よりも短くし、小図柄オブジェクト615を同じ態様で連続して
表示する期間を、第2大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同
じ態様で連続して表示する期間と等しくし、保留オブジェクト633,633aを同じ態
様で連続して表示する期間を、第1大図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト6
10A,610B)を同じ態様で連続して表示する期間よりも長くし、保留オブジェクト
633,633aの形態が変化する周期を遊技球の発射周期よりも長くする。
【0675】
球発射装置による遊技球の発射はそのとき発生する音や振動により遊技者が体感するも
のである。よって、上記構成により、保留オブジェクト633,633aの形態が変化す
る周期(揺れ周期P3)を当該発射周期よりもゆっくりとすることで、遊技者がリラック
スすることができ、遊技をゆったりと楽しむことができる。
【0676】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(例えば大図柄610
A,610B)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置300
)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態
を発生可能な遊技機10において、図柄オブジェクト(例えば大図柄610A(A1,A
2,A3),610B(B1,B2,B3))は、識別情報を備えるとともに表示装置4
1の画面上に設けられた特定経路(垂直方向の経路)に沿ってスクロールする変動表示態
様により変動表示され、変動表示ゲームは、変動表示ゲームの開始直後の期間よりも図柄
オブジェクトの変動速度が速い高速変動表示期間を含み、表示制御手段(演出制御装置3
00)は、高速変動表示期間において、図柄オブジェクト(例えば大図柄610A(A1
,A2,A3),610B(B1,B2,B3))を一巡の識別情報が切り替わる順に特
定経路に沿って複数並べるとともに、識別情報に関連付けられた色であって互いに隣接す
る大図柄オブジェクトとの間で互いに異なる配色となるように、一巡の前記識別情報に係
る前記図柄オブジェクトを表示する。
【0677】
上記構成により、識別情報のみならず当該識別情報が表示された大図柄オブジェクト(
例えば大図柄610A(A1,A2,A3),610B(B1,B2,B3))のオブジ
ェクト本体についてもスクロールしていることを遊技者が容易に認識することができる。
【0678】
第1実施形態によれば、表示装置41において変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、始動領域(例えば始動入賞口36)
への遊技球の通過に基づき変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な始動記
憶手段(遊技制御装置100)を備え、表示制御手段(演出制御装置300)は、始動記
憶に対応する保留オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブジェクト
633b)を表示装置41に表示し、保留オブジェクト保留オブジェクト633,633
a、装飾オブジェクト633b)は、互いに異なる複数の可変態様(「回転1’」、「回
転2」、「回転3’」、「回転4’」)のいずれかにより可変表示可能とされ、且つ複数
の可変態様の可変周期が互いに同一である。
【0679】
上記構成により、保留オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブジ
ェクト633b)の回転態様(可変態様)を変更した場合、保留オブジェクト(保留オブ
ジェクト633,633a、装飾オブジェクト633b)の回転態様(可変態様)を複数
の可変態様(回転態様(「回転1’」、「回転2」、「回転3’」、「回転4’」))の
間で遊技状態や演出ステージ等に応じて任意に変化させる場合であっても、保留オブジェ
クト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブジェクト633b)を表示するため
の制御を容易に行うことができる。
【0680】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B610C)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出
制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利
な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、変動表示ゲームは、変動表示ゲームの
開始の際の予備動作を表示する予備動作表示期間と、変動速度が予備動作表示終了直後の
期間(低速変動1、中速変動)の変動速度よりも速い高速変動表示期間と、を含み、表示
制御手段(演出制御装置300)は、図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,
610B,610C)の予備動作表示期間における大きさを高速変動表示期間における大
きさよりも大きくする。
【0681】
上記構成により、予備動作に対して注意を引かせるとともに、高速変動表示において図
柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の大きさを予備変
動時の大きさよりも適度に小さくして視界に入り易くすることでスクロールを認識しやす
くし、これにより図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C
)の変動表示を容易に認識させることができる。また、高速変動表示において図柄オブジ
ェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の大きさを予備変動時の大
きさよりも小さくすることでスクロールのスピード感を高めることができる。
【0682】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出
制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利
な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、変動表示ゲームは、変動表示ゲームの
開始直後の期間(低速変動1、中速変動)よりも図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B,610C)の変動速度が速い高速変動表示期間を含み、表示制御手
段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの終了時に仮停止表示又は停止表示される
前記図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610Cも含む)の大
きさを高速変動表示期間における前記図柄オブジェクトの大きさよりも大きくする。
【0683】
上記構成により、仮停止表示期間(揺れ変動表示期間)及び停止図柄表示期間に対する
注目度を高めることができ、高速変動表示から停止図柄表示期間(仮停止表示期間含む)
に移行する図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の変
動表示態様を容易に認識することができる。
【0684】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B,610C)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、複数の図柄オブジェクト大図柄オブ
ジェクト610A,610B,610C)は、第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄オ
ブジェクト610A,610B)と、第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェク
ト610A,610B)とは変動表示態様が異なる第2図柄オブジェクト(例えば、大図
柄オブジェクト610C)と、を含み、表示制御手段(演出制御装置300)は、変動表
示ゲーム中の所定期間(予備動作期間、仮停止表示期間)において、第2図柄オブジェク
ト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ態様で連続して表示する期間を、第1
図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を同じ態様で連続
して表示する期間に等しくし、変動表示ゲーム中の所定期間(予備動作期間、仮停止表示
期間)以外における特定表示期間(低速変動表示期間、中速変動表示期間、高速変動表示
期間)において、第2図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)を同じ
態様で連続して表示する期間を、第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト6
10A,610B)を同じ態様で連続して表示する期間よりも短くする。
【0685】
上記構成により、変動表示ゲーム中の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A
,610B,610C)の変動態様を容易に認識可能となるとともに、所定期間における
第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)と、第2図柄
オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の識別情報の切り替え周期を等し
くすることで変動表示の違和感の発生を回避し、これにより興趣を向上させることができ
る。
【0686】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B,610C)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、複数記図柄オブジェクト(大図柄オ
ブジェクト610A,610B,610C)は、第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄
オブジェクト610A,610B)と、第1図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェ
クト610A,610B)とは変動表示態様が異なる第2図柄オブジェクト(例えば、大
図柄オブジェクト610C)と、を含み、表示制御手段(演出制御装置300)は、第2
図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610A,610B)を、所定位置で軸
回転する態様で変動表示可能であるとともに第2図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブ
ジェクト610A,610B)に含まれる識別情報を正面視させた状態で所定期間におい
て表示可能であり、所定期間を、第2図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト6
10A,610B)の大きさに基づいて変化可能である。
【0687】
これにより、第2図柄オブジェクト(例えば、大図柄オブジェクト610C)の変動表
示中の識別情報の視認性を高めることができる。このように変動表示ゲーム中の図柄オブ
ジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の演出を適切に行うこと
により興趣を向上させることできる。
【0688】
第1実施形態によれば、表示装置41において変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、表示制御手段(演出制御装置300
)は、オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、大図柄オブジェクト610C
(中図柄))を表示装置41に表示し、オブジェクト(保留オブジェクト633,633
a、大図柄オブジェクト610C(中図柄))を、回転するとともに特定の回転角度(キ
ャラクタや識別情報が正面視される回転角度、またはそれ以外の回転角度であってキャラ
クタや識別情報の特徴を認識可能な所定の回転角度等)において一時停止する態様で可変
表示し、オブジェクトを一時停止する期間を、オブジェクトの大きさに基づいて変化可能
である。
【0689】
これにより、オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、大図柄オブジェクト
610C(中図柄))の特定の回転角度(キャラクタや識別情報が正面視される回転角度
、またはそれ以外の回転角度であってキャラクタや識別情報の特徴を認識可能な所定の回
転角度等)に係る画像の視認性を高めることができ、さらに当該一時停止時間をオブジェ
クトの大きさにより変化させる。よって、オブジェクトの可変表示(変動表示)が単調で
はなくなり遊技者が注視するので興趣を向上させることができる。
【0690】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(例えば大図柄610
A,610B)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出制御装置300
)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態
を発生可能な遊技機10において、図柄オブジェクト(例えば大図柄610A(A1,A
2,A3),610B(B1,B2,B3))は、識別情報を備えるとともに表示装置4
1の画面上に設けられた特定経路(垂直方向の経路)に沿ってスクロールする変動表示態
様により変動表示され、表示制御手段(演出制御装置300)は、図柄オブジェクト(例
えば大図柄610A(A1,A2,A3),610B(B1,B2,B3))を一巡の識
別情報が切り替わる順に特定経路に沿って複数並べるとともに、識別情報に関連付けられ
た色であって互いに隣接する大図柄オブジェクトとの間で互いに異なる配色となるように
、一巡の前記識別情報に係る前記図柄オブジェクトを表示する。
【0691】
上記構成により、識別情報のみならず当該識別情報が表示された大図柄オブジェクト(
例えば大図柄610A(A1,A2,A3),610B(B1,B2,B3))のオブジ
ェクト本体についてもスクロールしていることを遊技者が容易に認識することができる。
【0692】
第1実施形態によれば、表示装置41において変動表示ゲームを行う表示制御手段(演
出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、表示制御手段(演出制御装置300
)は、オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブジェクト633b)
を表示装置41に表示し、オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブ
ジェクト633b)は、互いに異なる複数の可変態様((「回転1」,「回転2」,「回
転3」,「回転4」)または(「回転1’」,「回転2」,「回転3’」,「回転4’」
))のいずれかにより可変表示可能とされ、且つ複数の可変態様の可変周期が互いに同一
である。
【0693】
上記構成により、オブジェクト(保留オブジェクト633,633a、装飾オブジェク
ト633b)の回転態様(可変態様)を変更した場合、オブジェクト(保留オブジェクト
633,633a、装飾オブジェクト633b)の回転態様(可変態様)を複数の可変態
様(回転態様((「回転1」,「回転2」,「回転3」,「回転4」)または(「回転1
’」,「回転2」,「回転3’」,「回転4’」)))の間で遊技状態や演出ステージ等
に応じて任意に変化させる場合であっても、オブジェクト(保留オブジェクト633,6
33a、装飾オブジェクト633b)を表示するための制御を容易に行うことができる。
【0694】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B610C)を変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出
制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利
な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、表示制御手段(演出制御装置300)
は、図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の予備動作
表示期間における大きさを予備動作表示期間後の表示期間(例えば、高速変動表示期間)
における大きさよりも大きくする。
【0695】
上記構成により、予備動作に対して注意を引かせるとともに、予備動作表示期間後の表
示期間の変動表示(例えば高速変動表示)において図柄オブジェクト(大図柄オブジェク
ト610A,610B,610C)の大きさを予備変動時の大きさよりも適度に小さくし
て視界に入り易くすることでスクロールを認識しやすくし、これにより図柄オブジェクト
(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の変動表示を容易に認識させるこ
とができる。また、予備動作表示期間後の表示期間の変動表示(例えば高速変動表示)に
おいて図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の大きさ
を予備変動時の大きさよりも小さくすることでスクロールのスピード感を高めることがで
きる。
【0696】
第1実施形態によれば、表示装置41に複数の図柄オブジェクト(大図柄オブジェクト
610A,610B,610Cを変動表示して変動表示ゲームを行う表示制御手段(演出
制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利
な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、表示制御手段(演出制御装置300)
は、変動表示ゲームの終了時に仮停止表示又は停止表示される前記図柄オブジェクト(大
図柄オブジェクト610A,610B,610Cも含む)の大きさを特定表示期間(低速
変動表示期間、中速変動表示期間、高速変動表示期間)における前記図柄オブジェクトの
大きさよりも大きくする。
【0697】
上記構成により、仮停止表示期間(揺れ変動表示期間)及び停止図柄表示期間に対する
注目度を高めることができ、特定表示期間における変動表示(低速変動表示、中速変動表
示、高速変動表示)から停止図柄表示期間(仮停止表示期間含む)に移行する図柄オブジ
ェクト(大図柄オブジェクト610A,610B,610C)の変動表示態様を容易に認
識することができる。
【0698】
[第2実施形態]
図53から図64を参照して第2実施形態の遊技機10について説明する。なお、以下
で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実
施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明
する。
【0699】
〔演出ボタンの移動前後におけるガラス枠への映り込み〕
図53は、第2実施形態に係る演出ボタン25の移動前後において、演出ボタン25が
ガラス枠15に映り込む領域を説明する図であり、図54は、第2実施形態に係る演出ボ
タン25の移動前後において、ガラス枠15の奥に映る演出ボタン25の虚像を遊技者が
視認できる領域を説明する図である。図53図54は、一の命釘36b(後述)を含む
断面を横方向(左右方向)に見た概略の断面側面図である。
【0700】
図53図54に示すように、ガラス枠15と遊技盤30の遊技盤本体30aとの間に
は遊技領域32が設けられる。遊技領域32には、例えば、遊技盤本体30aに取り付け
られる始動入賞口36と、始動入賞口36の略上方に取り付けられる命釘36bとが、配
設されている。命釘36bは、ステージ部40b(図2参照)上で転動した後にステージ
部40bから落下した遊技球や、遊技領域32内に配置された風車や道釘(始動入賞口3
6と風車の間の一列の障害釘)等によって始動入賞口36へ向かって流下した遊技球を始
動入賞口36へ案内する釘(障害釘、障害部材、案内部材)である。通常、命釘36bは
2本あり、2本の命釘36bの間隙の真下に始動入賞口36が位置している。なお、図5
3や図54等の横方向(左右方向)から見た図において2本の命釘36bは重なっている
ため、一つの命釘36bだけが示されている。
【0701】
上皿ユニット(図1参照)の上部中央に設けられた演出ボタン25の内部には、複数の
LED25c(例えば3個)が遊技の進行状態に応じて発光可能に配設され、当該LED
25cは枠装飾装置18(図4参照)の一部として構成される。なお、LED25cは、
フルカラーLEDでも単色LEDでもよいが、多彩な発光態様が可能となるようにフルカ
ラーLEDが望ましい。また、演出ボタン25は、上皿ユニットの上部中央付近を移動可
能に配設される。例えば、演出ボタン25は、略前後方向に延びる溝状部材に嵌まる摺動
部材を有し、この溝状部材に沿って、略前後方向に移動(摺動)してもよい。なお、演出
ボタン25は、バネ等の弾性部材が取り付けられよく、演出ボタン25は力を付加しない
限り弾性部材によって初期位置(通常位置)に保持される構成も可能である。
【0702】
そして、例えばLED25cが発光することによって、演出ボタン25からの光は、遊
技者の目を含む周囲に向けて直接光として発せられる。
【0703】
他方で、ガラス枠15(ここではカバーガラス14)へと発せられた演出ボタン25か
らの光は、一部がガラス枠15で反射され、前方(手前、遊技者側)へと向かう反射光と
なる。なお、本実施形態では、主に、ガラス枠15(透明部材保持枠)に保持されるカバ
ーガラス14(透明部材)による反射について扱うものとする。また、透明部材として、
カバーガラス14の他に、アクリル板なども使用可能である。ガラス枠15のカバーガラ
ス14は、遊技者が遊技盤30を可視できる透明部材として構成されるが、完全な透明(
反射率=0)ではなく所定の反射率を有するため、反射可能である。
【0704】
演出ボタン25からの光は、ガラス枠15上のいろいろな位置で反射される。また、反
射光の強度(反射率)は、演出ボタン25からの入射角に依存し、入射角が小さくになる
につれて次第に強くなる傾向にある。なお、本実施形態では、入射角は、入射方向とカバ
ーガラス14の表面(反射面)とがなす角度と定義される。
【0705】
ここで、図53に示すように、例えば演出ボタン25が初期位置に位置しているときに
、遊技者がガラス枠15の前方上方(遊技者の顔や頭側)の領域Aから命釘36bを視認
する場合の演出ボタン25の映り込みについて説明する。
【0706】
遊技者が領域Aから命釘36bを視認すると、図54に破線で示すように、初期位置に
位置している演出ボタン25の虚像(初期位置(虚像))が命釘36bと重なって見える
。演出ボタン25から発せられガラス枠15(カバーガラス14)で反射される反射光の
うち領域Aへと向かう反射光が命釘36bと重なる位置において、ガラス枠15(カバー
ガラス14)内に虚像が映り込むためである。演出ボタン25の虚像は、演出ボタン25
のLED25cの発光が強くなるほど、鮮明に(しっかり、はっきりと)映り込むことに
なる。
【0707】
なお、演出ボタン25の虚像は、演出ボタン25のLED25cが発光した場合に限ら
ず、枠装飾装置18のLED、盤装飾装置46のLED、遊技場の照明等によって演出ボ
タン25が照らされ明るくなった場合でも、ガラス枠15内に映り込み得る。
【0708】
また、上記の通り初期位置の演出ボタン25から発せられる光のガラス枠15に対する
入射角(入射方向とカバーガラス14の表面との角度)が小さい場合には反射光の強度が
強くなり、命釘36bと重なる位置におけるガラス枠15内に演出ボタン25の虚像が鮮
明に映り込む傾向が強い。
【0709】
続いて、図53図54の移動後の位置に示すように、演出ボタン25を前方(手前、
遊技者側)へと引き出すと、図53に太実線で示すように、演出ボタン25から発せられ
た光のガラス枠15に対する入射角が大きくなるとともに、強度の減衰した反射光がガラ
ス枠15の前方やや上方(遊技者の胸側)の領域Bへ向かう。
【0710】
その結果、ガラス枠15の前方上方(遊技者の顔や頭側)の領域Aから遊技者が命釘3
6bを視認した際に、演出ボタン25の虚像が命釘36bと重なることを回避でき命釘3
6bの視認性が良くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0711】
また、仮に遊技者が領域B(遊技者の胸側)から命釘36bを視認すると、図54に破
線で示すように、移動後の位置にある演出ボタン25の虚像(移動後(虚像))が命釘3
6bと重なって見える。しかしながら、入射角が大きくなることで反射光の強度が減衰す
るので、仮に遊技者が領域Bから命釘36bを視認した場合であっても、命釘36bの視
認性が悪くなることを抑制することができる。なお、遊技者の目は、通常は領域Aにある
が、遊技者が姿勢を無理に崩すと領域Bに移動することもある。
【0712】
なお、演出ボタン25の移動は、遊技者が手動で、または演出制御装置300の制御に
よって行うことができる。例えば演出制御装置300は、所定の条件時(例えば、右打ち
開始時、右打ちから左打ちに戻る際)や、遊技者の操作に応じて演出ボタン25を移動さ
せることができる。なお、遊技者が演出ボタン25を手動で移動させるようにしてもよい
。また、例えば、通常遊技状態では左打ちが有利となるため右打ちから左打ちの状態に戻
り、特定遊技状態(時短状態、確変状態)や特別遊技状態(大当り状態等)では右打ちが
有利となるため右打ちの状態になる。
【0713】
また、図53図54では、領域Aからの視認の際に、演出ボタン25の虚像(初期位
置(虚像))が、命釘36bと重なることを回避するために演出ボタン25を移動させる
ことについて説明したが、始動入賞口36と重なることを回避するために演出ボタン25
を移動させるようにしてもよい。
【0714】
さらに、ガラス枠15内に映り込む演出ボタン25の虚像が命釘36bや始動入賞口3
6と重なる場合だけでなく、遊技盤30に取り付けられる種々の盤要素(遊技盤30の構
成要素又は構成部材、第2遊技機構成要素)と重なる場合に、演出ボタン25を移動させ
るようにしてもよい。例えば、演出ボタン25の虚像と重なり得る盤要素として、命釘3
6b以外の他の障害釘や、ステージ部40b、ワープ通路40e、普図始動ゲート34、
特別変動入賞装置39の大入賞口、普通変動入賞装置(第2始動入賞口)37、表示装置
41の表示画面、盤装飾装置46のLED、一括表示装置50のLED(特に図柄、保留
、右打ち状態を示すLED)、左打ち時のターゲット位置(目標位置、ぶっこみ位置、左
打ち時に遊技球を着弾させる位置)、ランプ表示装置80のLED等が挙げられる。また
、遊技盤30の盤面(例えば遊技領域32の右上隅や左上隅、操作ハンドル24付近、ア
ウト口30bの左側方等)において、「不正監視中(磁気・電波センサ搭載等)」や「ス
ペック表示(大当り確率や賞球数の表示)」や「のめり込み防止」といった遊技者やホー
ル店員に対する報知・示唆・注意喚起に関する表示を行う際は、当該表示部分に対して演
出ボタン25の虚像が映り込まないように、演出制御装置300は演出ボタン25の移動
を制御することができる。なお、表示装置41の表示画面に遊技者やホール店員に対する
報知・示唆・注意喚起に関する表示を行う際にも、演出制御装置300は、表示画面の当
該表示に演出ボタン25の虚像が映り込まないように、演出ボタン25の移動を制御でき
る。
【0715】
また、命釘36b等と重なるようにガラス枠15内に映り込む虚像の対象は、演出ボタ
ン25に限らず、枠側面の突出演出ユニット13等や枠上部、スピーカ19、上皿ユニッ
ト等に設置される枠装飾装置18のLED、サブ液晶といった種々の枠要素(第1遊技機
構成要素)もガラス枠15内に映り込む虚像の対象として挙げられる。本実施形態におい
て、枠要素は、ガラス枠15を含む開閉枠の構成要素又は構成部材である。
【0716】
また、演出ボタン25等の虚像が映り込むものはガラス枠15に限らず、遊技盤30の
表面や各種装飾部材の表面などの光沢を有する部材にも映り込むことができる。遊技盤3
0の表面や各種装飾部材の表面は、例えば、金属メッキやフィルム被覆が施され、または
樹脂製の素材によって形成されており、演出ボタン25等の光を反射させることができる
。また、例えば導光板が遊技盤30の前方に取り付けられる場合には、演出ボタン25等
の虚像は導光板にも映り込むことができる。
【0717】
なお、演出制御装置300は、演出ボタン25が動作したとき(又は動作中)の発光強
度よりも、演出ボタン25が初期位置にあるときの発光強度が低くなるように制御しても
よい(初期位置の発光強度<移動後(又は動作中)の発光強度)。このように、演出ボタ
ン25が初期位置にあるときの発光強度を抑えることによって、映り込みによる視認性の
低下を軽減することができる。また、遊技者が手動の操作によって演出ボタン25を移動
させる場合には、映り込み具合に応じて遊技者が自由に演出ボタン25を移動させること
ができるとともに、演出ボタン25の操作面が遊技者の正面(LEDの発光が遊技者に直
接届く)となるため、虹色や赤色等の発光態様を観察し易くできる。したがって、演出ボ
タン25の操作時に表示装置41の表示画面に演出ボタン25の操作示唆画像を表示させ
る場合に、例えば操作示唆画像と同様の発色や発光態様で光る演出ボタン25を遊技者は
観察しやすくなり、操作性や装飾性を向上させることができる。
【0718】
また、演出ボタン25が初期位置に戻るときの発光強度は、上記の場合と逆にしてもよ
く、移動後の発光強度を維持してもよい(初期位置に戻ったときの発光強度≧移動後(又
は動作中)の発光強度)。特に、演出ボタン25の操作が大当り報知時に行われる場合に
は、特別変動入賞装置39の大入賞口が開放されることに伴い、遊技者は始動入賞口36
に注目しなくなり易い。そのため、映り込みによって視認性が低下しても影響が少なくな
ることから、演出制御装置300は、装飾性が高くなるように演出ボタン25の発光強度
を制御することによって、ファンファーレ演出やラウンド演出等の演出効果を高めること
ができる。
【0719】
〔演出ボタンがガラス枠へ映り込む態様の具体例〕
次に、図55を参照して、第2実施形態に係る演出ボタン25がガラス枠15(ここで
はカバーガラス14)へ映り込む態様の具体例を説明する。図55は、第2実施形態に係
る遊技機10の斜視図であって、遊技者の視界に入る演出ボタン25からの光線の流れを
説明する図である。
【0720】
図55では、ガラス枠15内への映り込みが分かり易くなるように、演出ボタン25の
発光態様を黒色で表示している。
【0721】
演出ボタン25のLED25cが発光すると、遊技者の目には、図55に実線矢印で示
す演出ボタン25からの直接光と、破線矢印で示すガラス枠15で反射された反射光とが
入る。
【0722】
遊技者の目に反射光が入ることによって、ガラス枠15内に映り込んだ演出ボタン25
の虚像を遊技者は視認することができる。したがって、ガラス枠15内に映り込んだ演出
ボタン25の虚像が、ガラス枠15の後方の部材、すなわち遊技盤30に取り付けられる
命釘36b等の盤要素と重なって見えることで、当該盤要素の視認性が悪くなり易い。
【0723】
そのため、演出制御装置300は、所定の条件時(例えば、右打ち開始時、左打ちに戻
る際)に演出ボタン25のLED25cの発光強度を弱めることができる。なお、演出制
御装置300は、演出ボタン25のLED25cを消灯させてもよい。
【0724】
このような態様によれば、ガラス枠15内に映り込む演出ボタン25の虚像を薄くする
ことができるので、遊技者が盤要素を見た際に演出ボタン25の虚像が盤要素と重なって
見える場合でも、盤要素の視認性が悪くなることを抑制できる。
【0725】
〔演出ボタンの移動前後におけるガラス枠へ映り込みの変形例〕
図56は、第2実施形態に係る変形例の演出ボタン25の移動前後において、演出ボタ
ン25がガラス枠15に映り込む領域を説明する図であり、図57は、第2実施形態に係
る変形例の演出ボタン25の移動前後において、ガラス枠15の奥に映る演出ボタン25
の虚像を遊技者が視認できる領域を説明する図である。なお、以下の図面では、図53
図54の演出ボタン25等と同様の構成については、適宜説明を省略する。
【0726】
図56図57に示すように、本変形例では、演出ボタン25は、例えば初期位置から
上部が遊技者に向かうように斜めに傾くように移動可能である。
【0727】
そのため、図56図57の移動後の位置に示すように、演出ボタン25を斜めに傾け
ると、演出ボタン25から発せられた光の一部が、図56に太実線で示すように、命釘3
6bと重なる位置におけるガラス枠15内に向かう。
【0728】
なお、移動後の演出ボタン25から発せられる光のガラス枠15に対する入射角は、初
期位置のものと比べ小さい角度になるが、演出ボタン25が前方に角度をもって傾斜して
いるため、演出ボタン25の後方、すなわちガラス枠15に向かう光量(強度)は少なく
なる(弱くなる)。また、入射角が小さくなったことに対応して、ガラス枠15で反射さ
れた反射光の方向もガラス枠15に近い方向となり、遊技者の頭上よりも上方の領域Bへ
向かう。
【0729】
その結果、ガラス枠15の前方上方(遊技者の顔や頭側)の領域Aから遊技者が命釘3
6bを視認した際に、演出ボタン25の虚像が命釘36bと重なることを回避でき命釘3
6bの視認性が良くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0730】
また、仮に遊技者が領域B(遊技者の頭の通常位置の上方)から命釘36bを視認する
と、図57に示すように、移動後の位置である遊技盤30の後方に向かって斜めに傾いた
演出ボタン25の虚像(移動後(虚像))が命釘36bと重なって見える。しかしながら
、領域Bが遊技者の頭の通常位置から上方に位置するので、遊技者が立ち上がるなどして
敢えてガラス枠15の前方上方から覗き込むようにしなければ命釘36bと演出ボタン2
5の虚像とが重なって見えることがなく、通常の着座した状態で命釘36bの視認性が悪
くなることを回避することができる。
【0731】
また、遊技機10には、ガラス枠15の上部中央から前方に突出する装飾装置18aが
取り付けられている(図1参照)。そのため、当該装飾装置18aの内側に領域Bを位置
させることで、覗き込もうとする遊技者の頭が装飾装置18aやガラス枠15等に接触す
ることになり無理な体勢にならないと見えないので、実質的に演出ボタン25の虚像を見
えないようにできる。なお、装飾装置18aの内側に領域Bが位置することで、演出ボタ
ン25の発光が映り込むことになるので、装飾装置18aの装飾性を向上させることもで
きる。
【0732】
さらに、演出ボタン25が前方に傾斜した分だけガラス枠15に向かう光量が少なくな
るので、遊技者が領域Bから命釘26bを視認した場合であっても、命釘36bの視認性
が悪くなることを抑制することができる。
【0733】
〔第2変形例の演出ボタンの移動態様〕
図58は、第2実施形態に係る第2変形例の演出ボタン25の移動態様について説明す
る図である。
【0734】
図58(A)に示すように、第2変形例の演出ボタン25は、操作者が掴むことのでき
るグリップ部25dと、グリップ部25dを支持するシャフト部25eとからなるレバー
部(レバースティック、ジョイスティック)として構成される。なお、グリップ部25d
には、発光可能なLED25c(図示省略)が配設される。
【0735】
そして、シャフト部25eは、図58(B)に示すようにグリップ部25dを支持した
状態で前後左右等に傾斜することができ、演出ボタン25は、遊技者による方向入力操作
(レバー操作)を受け付け可能となっている。
【0736】
なお、グリップ部25dとシャフト部25eとを下方に移動可能に構成し、演出ボタン
25を上方から上皿ユニットに向かって押圧するプッシュ入力操作を受け付けるようにし
てもよい。
【0737】
このように、演出ボタン25が構成されることで、グリップ部25dのLED25cを
移動させるとともに発光方向(角度)を変えることができる。したがって、上記した図5
6や図57の演出ボタン25全体を斜めに傾けた場合と同様に、第2変形例の演出ボタン
25によっても、命釘36bの視認性を良くすることができ、遊技の興趣を向上させるこ
とができる。
【0738】
〔第3変形例の演出ボタンの移動態様〕
図59は、第2実施形態に係る第3変形例の演出ボタン25の移動態様について説明す
る図である。
【0739】
図59(A)に示すように、第3変形例の演出ボタン25は、グリップ部25dとシャ
フト部25eとからなるレバー部として構成され、上皿ユニットの上を左右に移動可能で
ある。上皿ユニットには、演出ボタン25が左右に移動可能となる逃げ溝が形成される。
【0740】
そして、演出ボタン25は、図59(B)に示すように、上皿ユニットの逃げ溝に沿っ
て左右に移動させることができる。図59(B)の例では、演出ボタン25は、上皿ユニ
ットの左方へと移動している。
【0741】
このように、演出ボタン25が構成されることで、命釘36bと重ならない位置に演出
ボタン25を移動させて命釘36bの視認性を良くすることができ、遊技の興趣を向上さ
せることができる。
【0742】
〔演出ボタンのガラス枠へ映り込みの第4変形例〕
図60は、第2実施形態に係る第4変形例の演出ボタン25がガラス枠15に映り込む
領域と、ガラス枠15の奥に映る演出ボタン25の虚像を遊技者が視認できる領域とを、
説明する図である。
【0743】
図60に示すように、本変形例では、ステージ部40bと、ガラス枠15内に映り込む
演出ボタン25の虚像とが、重なって見える場合について説明する。
【0744】
ステージ部40bは、発光可能なLED等(図示省略)を有しており、演出や遊技状態
等に応じて発光可能に構成されている。各盤部材(ステージ部40b、命釘36b、始動
入賞口36)の遊技者側の端部からカバーガラス14までの距離は、ステージ部40b、
始動入賞口36、命釘36bの順に短くなる(ステージ部40b>始動入賞口36>命釘
36b(図60参照))。なお、各盤部材の端部からカバーガラス14までの距離は、ス
テージ部40b、命釘36b、始動入賞口36の順に短くなってもよい(ステージ部40
b>命釘36b>始動入賞口36)。
【0745】
また、演出ボタン25はLED25cを有して発光可能に構成されており、演出ボタン
25からガラス枠15へと発せられた光は一部がガラス枠15で反射され、前方(手前、
遊技者側)へと向かう反射光となる。そして、遊技者が領域Aからステージ部40bを視
認すると、図60に破線で示すように演出ボタン25の虚像(演出ボタン(虚像))がス
テージ部40bと重なって見える。
【0746】
ここで、ステージ部40bの発光強度が演出ボタン25の発光強度以上である場合には
、ステージ部40bと重なるように演出ボタン25の虚像がガラス枠15内に映り込んで
も、遊技者はステージ部40bを比較的視認し易くなる。したがって、演出ボタン25が
発光していても、遊技者は、ステージ部40b上で転動する遊技球の動きを目で追いやす
く、ゲームを楽しむことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0747】
他方で、ステージ部40bの発光強度が演出ボタン25の発光強度未満である場合には
、ステージ部40bと重なるように演出ボタン25の虚像がガラス枠15内に映り込むと
、ステージ部40bの視認性が悪くなる。
【0748】
そこで、演出制御装置300は、所定の条件時(例えば、遊技状態の変化によって右打
ちから左打ちに戻る際や保留数が2個以下に減少した際)に演出ボタン25のLED25
cの発光強度を弱めることで、ガラス枠15に対する演出ボタン25の虚像の映り込みを
抑えることができる。その結果、ステージ部40bの視認性が悪くなることを抑制できる
ので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、演出制御装置300は、演出ボタン
25のLED25cを消灯させてもよい。
【0749】
また、演出ボタン25と比べて、ステージ部40bの発光強度が強くなることで、演出
ボタン25の光量が少なくても、光量の多いステージ部40bからの光を演出ボタン25
にて反射させることで、演出ボタン25の発光を補うことができる。その結果、演出ボタ
ン25からの発光強度を抑えつつステージ部40bからの光を補助的に活用して演出ボタ
ン25を光らせることができるので、ガラス枠15にて反射する演出ボタン25からの光
を少なくすることができ、演出ボタン25の虚像がガラス枠15内に映り込んでステージ
部40bの視認性が悪くなることを抑制できる。
【0750】
〔突出演出ユニット〕
続いて、図61を参照して、第2実施形態に係る遊技機10の突出演出ユニット13の
構造について説明する。図61は、第2実施形態に係る遊技機10の突出演出ユニット1
3の横断面図である。ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されると
ともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。
突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を実行可能な演出装置であ
る。
【0751】
突出演出ユニット13の右側(遊技機1の外側)の突出面には、外側レンズ部材13a
が配設される。外側レンズ部材13aの表面には、例えば遊技機1の右側から左側に向か
って通行する遊技者から視認可能なように機種キャラクタが描かれている。なお、遊技機
メーカ名や遊技機名が描かれるようにしてもよい。
【0752】
突出演出ユニット13の内部には、遊技盤30に略平行に、複数の外側用LED13b
(例えば6個)及び内側用LED13c(例えば14個)を有する側方発光基板13dが
配設され、枠装飾装置18(図4参照)の一部として構成される。なお、外側用LED1
3bと内側用LED13cとは、側方発光基板13dに配設されるが、個別に配設されて
もよい。また、外側用LED13bは、外側レンズ部材13aと略平行に配設されるLE
Dパネルにしてもよい。
【0753】
側方発光基板13dの前方には、外側から順に外側レンズ部材13a、導光板13e、
側方ベース部材13f及び内側レンズ部材13gが備えられ、これらの部材の周囲を覆う
ようにカバー部材13hがさらに備えられる。
【0754】
導光板13eは、側方発光基板13dの外側用LED13bの前方に略垂直に配設され
、後端面から取り入れた外側用LED13bの光を拡散させて均一に面発光することで、
外側レンズ部材13aを一定の照度で照らすことができる。
【0755】
側方ベース部材13fは、導光板13eの左側に配設され、隣接する面に導光板13e
が嵌められる。また、側方ベース部材13fは、内側レンズ部材13gと一体化している
。側方ベース部材13fは、内側用LED13cの前方向の光を屈折させて左方向の光に
変える反射板として機能し、側方ベース部材13fを介した内側用LED13cの光によ
って内側レンズ部材13gが照らされる。
【0756】
〔突出演出ユニットがガラス枠へ映り込む態様の具体例〕
次に、図62を参照して、第2実施形態に係る演出ボタン25がガラス枠15(ここで
はカバーガラス14)へ映り込む態様の具体例を説明する。図62は、第2実施形態に係
る遊技機10の斜視図であって、遊技者の視界に入る突出演出ユニット13からの光線の
流れを説明する図である。図62では、突出演出ユニット13の発光する態様を黒色で表
示している。
【0757】
突出演出ユニット13が発光すると、遊技者の目には、図62に実線矢印で示す突出演
出ユニット13からの直接光と、破線矢印で示すガラス枠15(カバーガラス14)で反
射された反射光とが入る。
【0758】
遊技者の目に反射光が入ることによって、遊技者は、ガラス枠15内に映り込んだ突出
演出ユニット13の虚像を視認する。そのため、ガラス枠15内に映り込んだ突出演出ユ
ニット13の虚像が、ガラス枠15内の命釘36b等の盤要素と重なって見えるので、当
該盤要素の視認性が悪くなり易い。
【0759】
そこで、演出制御装置300は、所定の条件時(例えば、右打ち開始時、左打ちに戻る
際)に突出演出ユニット13の内側用LED13cの発光強度を弱めることができる。な
お、演出制御装置300は、突出演出ユニット13の内側用LED13cを消灯させても
よい。
【0760】
このような態様によれば、ガラス枠15内に映り込む突出演出ユニット13の虚像を薄
くすることができるので、遊技者が盤要素を見た際に突出演出ユニット13の虚像が盤要
素と重なって見える場合でも、盤要素の視認性が悪くなることを抑制できる。
【0761】
また、図62に破線矢印で示すように、突出演出ユニット13の光の一部が演出ボタン
25で反射され遊技者の視界に入るようにすることによって、演出ボタン25の発光を補
助するようにしてもよい。このように、演出ボタン25において突出演出ユニット13の
反射光を利用することで、LED25cの発光を弱めて演出ボタン25の虚像がガラス枠
15内に映り込むことを抑制することができ、盤要素の視認性が悪くなることを抑制する
ことができる。
【0762】
〔突出演出ユニットがガラス枠へ映り込む態様の具体例〕
図63は、第2実施形態に係る遊技盤30の斜視図であって、遊技者の視界に入るステ
ージ部40bや始動入賞口36からの光線の流れを説明する図である。
【0763】
始動入賞口36には、図63に示すように、演出や遊技状態や入賞等に応じて発光可能
なLEDを、ステージ部40bと同様に設けることができる。
【0764】
また、遊技盤30には、上部演出ユニット40cまたは側部演出ユニット40dの一部
として構成され演出に応じて遊技盤30内に収容された初期位置からカバーガラス14の
後方(奥側、遊技盤30側)且つ表示装置41の略前方に動作可能な可動役物40fが取
り付けられている。可動役物40fは、下方から入射する光を前方(手前、遊技者側)へ
反射可能な反射部材(金属メッキでもよい)を有する。反射部材は、下方から入射する光
を前方へ反射させ易くするために、例えば前方下方に臨むように傾斜をつけてもよい。
【0765】
ここで、ステージ部40bや始動入賞口36のLEDから発せられた光は、直接光とし
て遊技者の目に入るだけでなく、図63に示すように遊技盤30の周囲を照らすことがで
きる。
【0766】
例えば、ステージ部40bや始動入賞口36からの光は、演出ボタン25の表面で反射
され遊技者の目に届く反射光となる。そのため、演出ボタン25の発光強度を抑えてガラ
ス枠15に対する演出ボタン25の虚像の映り込みを抑えつつ、演出ボタン25の発光演
出を効果的に行うことができる。
【0767】
また、ステージ部40bや始動入賞口36からの光は、カバーガラス14の後方且つ表
示装置41の略前方に動作した可動役物40fの反射部材によって反射され遊技者の目に
届く反射光となることもできる。そのため、可動役物40fがLEDを備えていなくても
、可動役物40fが発光したように見える演出を行うことができるので、パーツ数を抑制
して安価に装飾性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0768】
なお、上記した説明では、ガラス枠15(カバーガラス14)内に映り込む枠要素(ガ
ラス枠15の構成部材)の虚像が、盤要素と重ならなくすることで盤要素の視認性が悪く
なることを抑制した。
【0769】
しかしながら、敢えてガラス枠15内に映り込む枠要素の虚像を、盤要素と重ならせる
ことで演出効果を高めることもできる。例えば、演出制御装置300は、右打ち時に突出
演出ユニット13等の遊技盤30の右側に設けられる装飾部材を発光させ、遊技領域32
の右側に当該装飾部材の虚像を映り込ませることによって、遊技者に右打ち示唆を行うこ
とができる。その際、演出制御装置300は、例えば突出演出ユニット13等(枠要素)
を虹色に発光させる場合に、併せて側部演出ユニット40dの胴体部(盤要素)も虹色に
発光させ、相乗効果によって遊技者への右打ち示唆がより分かり易くなる態様としてもよ
い。
【0770】
他方で、演出制御装置300は、例えば突出演出ユニット13等(枠要素)を黄色に発
光させる場合に、併せて側部演出ユニット40dの胴体部(盤要素)を黄色に対する補色
の関係である青色に発光させることによって目立たない白色に見え、遊技者への右打ち示
唆の際に発光の見かけ上の眩しさが低減されるようにしてもよい。
【0771】
さらに、演出制御装置300は、例えば突出演出ユニット13等(枠要素)を赤色に発
光させる場合に、併せて側部演出ユニット40dの胴体部(盤要素)を緑色に発光させて
もよい。このように、盤要素の発光(緑色)に対し、盤要素とは異なる色(赤色)で発光
する枠要素の光を映り込ませて重ねることによって(赤色+緑色)、見かけ上の光の色が
変化して黄色に見える領域をつくることができ、盤要素と枠要素の発光による装飾性を向
上させるようにしてもよい。
【0772】
また、演出制御装置300は、左打ちに戻る際等の命釘36bや始動入賞口36を注目
させたい場合に、演出ボタン25を図53等の移動後の位置から初期位置へと逆に動かす
ことによって、ガラス枠15内に映り込む演出ボタン25の虚像を命釘36b等の盤要素
と敢えて重ならせてもよい。このような態様によれば、ガラス枠15内に映り込む演出ボ
タン25等の枠要素の虚像が命釘36b等の盤要素と重なり、盤要素が通常とは異なる態
様で明るくなるので、意外性が生じて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0773】
さらに、右打ち終了時(左打ちに戻る際)に、遊技領域32の左側に装飾部材の虚像を
映り込ませることで、遊技者に左打ち示唆を行うこともできる。さらに、大入賞口を開放
する特別変動入賞装置39の開閉扉39cや特定領域86(V入賞口)や普図始動ゲート
34(ドキドキゲート)等に装飾部材の虚像を映り込ませて、遊技者に遊技の示唆を行っ
てもよい。このような態様によれば、開閉扉39c等のLEDを取り付け難い部材におい
ても反射光を利用した光学的な演出を行うことができるので、簡単にかつ安価に装飾性を
高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0774】
なお、演出制御装置300は、敢えてガラス枠15内に映り込む枠要素の虚像を盤要素
と重ならせることで演出効果を高めることができるが、遊技盤30の盤面や表示装置41
の表示画面に「不正監視中(磁気・電波センサ搭載等)」や「スペック表示(大当り確率
や賞球数の表示)」や「のめり込み防止」といった報知・示唆・注意喚起に関する表示を
行う際は、この限りではなく、当該表示部分に対して枠要素(演出ボタン25等)の虚像
が映り込まないように枠要素の位置を制御することができる。
【0775】
〔変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例〕
図64は、第2実施形態に係る演出制御装置300が変動表示ゲーム(飾り特図変動表
示ゲーム)を実行するときのタイミングチャートの例である。
【0776】
図64の時刻(A)で変動表示ゲームが実行されると、表示装置41の表示画面では、
飾り特別図柄(飾り第1図柄A~C、大図柄)と飾り第2図柄(小図柄)とが変動表示さ
れる。
【0777】
また、時刻(A)の前後、すなわち変動表示ゲームの開始前後において、演出制御装置
300は、盤要素としての盤装飾装置46のLEDや枠要素としての枠装飾装置18のL
EDの発光強度を弱にしている。したがって、遊技盤30やその周囲は、盤要素や枠要素
によって比較的弱めに照らされている。
【0778】
時刻(B)で、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において演出1を実行
する。演出1は、例えば擬似連続演出やステップアップ予告といった連続する複数回の単
演出(例えば演出1~3)から構成される演出の1回目の演出である。
【0779】
ここで、擬似連続演出は、一回の変動表示ゲームの開始から終了までの間に、変動表示
されている飾り特別図柄を擬似的に仮停止表示(擬似停止表示)させる擬似変動(単演出
、副演出、副変動)を、所定回数だけ連続して行う演出である。
【0780】
なお、擬似停止表示時に、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示されてもよい
。また、擬似連続演出は、一回の変動表示ゲームの開始から終了までの間に、変動表示さ
れている飾り特別図柄を擬似的に仮停止表示させずに、擬似変動が連続して所定回数(複
数回)実行されているように見せかける演出としてもよい。その際、演出制御装置300
は、仮停止表示を行わない場合でも、表示装置41の表示画面に例えば「NEXT」等の
表示を表示することで、次の擬似変動に移行しているような演出を実行することができる
【0781】
ステップアップ予告は、複数段階に設定された単演出(副演出)を下位の段階(ステッ
プ)から所定の段階(ステップ)まで順次実行する演出である。
【0782】
擬似連続演出とステップアップ予告は、連続する複数回の単演出から構成されるが、当
該複数回が多くなるほど、大当りの期待度が高くなる。
【0783】
また、時刻(B)では、演出制御装置300は、演出1に合わせて、枠装飾装置18(
枠要素)の発光強度を弱から強に変化させる。そのため、例えば演出ボタン25等の枠要
素の虚像がガラス枠15内に強く映り込み、命釘36b等の盤要素とはっきりと重なるこ
とになる。このように、演出制御装置300は、変動表示ゲームにおける演出の初期段階
(演出1)では、枠要素の虚像をはっきりと映り込ませることで、演出が実行されること
を強調することができる。
【0784】
他方で、演出制御装置300は、盤装飾装置46(盤要素)の発光強度を弱のまま維持
する。
【0785】
時刻(C)で、演出1が終了すると、演出制御装置300は、枠装飾装置18(枠要素
)の発光強度を強から弱に変化させる。そのため、枠要素の虚像のガラス枠15内への映
り込みは低減され、命釘36b等の盤要素の視認性が向上する。なお、演出1が擬似変動
であれば、ここで、表示装置41の表示画面の飾り特別図柄は擬似停止表示される。
【0786】
したがって、始動記憶が上限(例えば4個)まで溜まるか否かの判定を遊技者が慎重に
行う可能性の高い変動表示ゲームにおける演出の中盤以降(演出1の後)に、枠要素の発
光が弱まって、盤要素の視認性が向上するので、止め打ちを検討している遊技者が、始動
入賞口36に入賞する遊技球やその上のステージ部40bで転動する遊技球を観察し易く
なり、効率的に遊技できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0787】
また、カバーガラス14の後方の表示装置41の表示画面も視認性が向上するので、遊
技者は表示画面の保留表示や演出自体が見易くなって、遊技の興趣を向上させることがで
きる。なお、枠装飾装置18(枠要素)の発光強度を強から弱に変化させる際に、枠装飾
装置18(枠要素)を初期位置から移動させて虚像の映り込みが重ならなくなるようにし
てもよい。
【0788】
次に、演出1が終了してから所定時間(例えば1秒)が経過した時刻(D)では、演出
制御装置300は、枠装飾装置18(枠要素)を消灯させる。したがって、変動表示ゲー
ムにおける演出の中盤以降における、盤要素や遊技球、表示装置41の表示画面の視認性
がより高くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0789】
時刻(E)では、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において演出1に続
く演出2を実行する。演出2は、連続する複数回の単演出(例えば演出1~3)から構成
される演出の2回目の演出である。なお、演出制御装置300は、演出1と同じ擬似変動
時間(示唆演出、予告演出時間)となるように、演出2の擬似変動を行うことができる。
【0790】
また、時刻(E)では、演出制御装置300は、演出2に合わせて、消灯状態であった
枠装飾装置18(枠要素)の発光強度を弱に変化させる。したがって、枠要素が消灯状態
である場合と比べて、演出2の実行に合わせて遊技盤30やその周囲が明るく照らされる
ので、演出2が実行されることを強調することができる。なお、枠要素の発光強度は弱と
なっているので、ガラス枠15内に枠要素の虚像が必要以上に映り込むことがなく、演出
2の実行を強調することができる。
【0791】
その後、演出2が終了すると、演出制御装置300は、枠装飾装置18(枠要素)を再
度消灯する。
【0792】
また、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、複数回の単演出から
構成される演出の3回目の演出として演出3を実行する。演出制御装置300は、演出3
の実行に合わせて消灯状態であった枠装飾装置18(枠要素)の発光強度を弱に変化させ
る。したがって、演出制御装置300は、演出2と同様に、ガラス枠15内に枠要素の虚
像が必要以上に映り込むことがなく、演出3の実行を強調することができる。
【0793】
続いて、時刻(F)で演出3が終了すると、演出制御装置300は、枠装飾装置18(
枠要素)を消灯するとともに盤装飾装置46(盤要素)も消灯する(煽り消灯)。そのた
め、遊技盤30やその周囲が一時的に暗くなる。このように、演出制御装置300が後述
するSPリーチ演出を実行する前に煽り消灯を行うことによって、一時的に遊技盤30や
その周囲が暗くなり通常の演出とは異なる態様になって意外性が生じるので遊技者の期待
感を煽り、遊技の興趣を向上させることができる。
【0794】
時刻(G)では、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、SPリー
チ演出を実行する。その際、演出制御装置300は、消灯状態であった盤装飾装置46(
盤要素)と枠装飾装置18(枠要素)の発光強度を強にする。したがって、遊技盤30や
その周囲が明るく照らされるので、SPリーチ演出の実行を強調することができる。
【0795】
また、時刻(G)では、枠要素の発光強度が強くなることで、ガラス枠15内への枠要
素の虚像の映り込みが激しくなるので、SPリーチ演出の際に遊技盤30やその周囲の明
るさを強調することができ、演出効果を高める派手な演出を行うことができる。すなわち
、始動記憶が上限(例えば4個)まで溜まり易くなる変動表示ゲームにおける演出の後半
段階において、止め打ち中の遊技者は始動入賞口36やステージ部40b等の周囲の遊技
球を観察しなくても良くなるので、ガラス枠15内へ枠要素の虚像を激しく映り込ませて
も遊技性に影響を与えることなくSPリーチ演出の演出効果を高められ、遊技の興趣を向
上させることができる。
【0796】
なお、枠装飾装置18の発光強度は強であり、ガラス枠15内に枠要素の虚像の映り込
みは強調されるが、盤装飾装置46の発光強度も強であり同等の光量を発しているので、
盤要素の視認性は必要以上に悪くならず遊技者は盤要素の観察を行うこともできる。
【0797】
その後、時刻(H)でSPリーチ演出が終了すると、演出制御装置300は、盤装飾装
置46(盤要素)と枠装飾装置18(枠要素)の発光強度を強から弱に変化させる。した
がって、表示画面のSPリーチ演出の終了とともに、盤要素や枠要素の発光強度が弱に落
ち着くのを視認することで遊技者はSPリーチ演出が終了したことを認識し易くなる。
【0798】
なお、演出制御装置300は、ガラス枠15内に枠要素の虚像の映り込みを強調する際
に発光強度を強くするだけでなく、点滅によって映り込みを強調させるようにしてもよい
。また、演出制御装置300は、枠要素の発光色を大当りの期待度に応じて変化させるこ
とで、ガラス枠15内に映り込む枠要素の虚像の色を変えて大当りの期待度を示唆しても
よい。
【0799】
さらに、演出制御装置300は、ガラス枠15内に枠要素の虚像の映り込みを強調する
演出を、上述したSPリーチ演出以外にも、大当り図柄の停止時やファンファーレ演出中
、エンディング演出中、右打ち時、左打ち戻り時等に実行することができる。また、大当
り図柄の停止時には特定領域86(V入賞口)や普図始動ゲート34(ドキドキゲート)
等に、ガラス枠15内の枠要素の虚像を強調して映り込ませる演出を行ってもよい。この
ように演出制御装置300が遊技に応じてガラス枠15内に枠要素の虚像の映り込みを制
御することによって、各演出効果を高めたり、遊技者に打ち方示唆を行ったりすることが
できる。
【0800】
また、上記のタイミングチャートでは、演出制御装置300は、1回の変動表示ゲーム
における演出の際に枠要素や盤要素の発光強度を制御して、ガラス枠15内へ枠要素の虚
像を映り込ませる演出を行うこととしたが、複数回の変動表示ゲームにわたって行うよう
にしてもよい。
【0801】
例えば、演出制御装置300は、複数回の変動表示ゲームにわたって共通態様のはずれ
の飾り特別図柄を表示する演出である連続予告(チャンス目予告)や、待機中(消化前)
の保留に係る始動記憶の大当り期待度を予告する先読み予告を実行する際に、ガラス枠1
5内へ枠要素の虚像を映り込ませる演出を行うことができる。
【0802】
[第2実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)を実
行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演
出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ゲームの結果が特別結果(大当り)とな
る場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技、大当り状態)を発生可能である。
遊技機10は、遊技盤30の前面に、当該遊技盤30を視認可能に形成される透明部材(
例えばカバーガラス14)と、透明部材の周囲に配設され演出制御手段が実行する演出に
合わせて発光可能な枠要素(演出ボタン25、突出演出ユニット13、枠装飾装置18等
)と、遊技盤30に配設される盤要素(命釘36b、始動入賞口36、ステージ部40b
、可動役物40f、盤装飾装置46等)と、を備える。盤要素は、透明部材に映り込む枠
要素の虚像と重なり、所定の条件(遊技者の操作や演出に対応して自動的に移動する場合
、右打ち開始時や左打ちに戻る場合、遊技者の手動操作の場合)が成立すると枠要素の虚
像と重ならなくなる。
【0803】
このような遊技機10によれば、透明部材に映り込んだ枠要素の虚像が盤要素と重なる
ことを回避でき、盤要素の視認性が良くなるので、遊技の興趣を向上させることができる
【0804】
本実施形態に係る遊技機10では、枠要素は、透明部材に映り込む枠要素の虚像と重な
る初期位置から、所定の条件が成立すると枠要素の虚像と重ならなくなる位置(手前、奥
、前傾位置、横)へと移動可能である。
【0805】
このような遊技機10によれば、枠要素が物理的に移動することによって透明部材に映
り込んだ枠要素の虚像が盤要素と重なることを回避できるので、同様に、盤要素の視認性
が良くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0806】
また、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤30の前面に、当該遊技盤30を視認可
能に形成される透明部材(例えばカバーガラス14)と、透明部材の周囲に配設され演出
制御手段(演出制御装置300)が実行する演出に合わせて発光可能な枠要素(演出ボタ
ン25、突出演出ユニット13、枠装飾装置18等)と、遊技盤30に配設される盤要素
(命釘36b、始動入賞口36、ステージ部40b、可動役物40f、盤装飾装置46等
)と、を備える。盤要素は、透明部材に映り込む枠要素の虚像と重ならず、所定の条件(
右打ち時、右打ち終了時)が成立すると枠要素の虚像と重なる。
【0807】
このような遊技機10によれば、所定の条件が成立したときに敢えて透明部材内に映り
込む枠要素の虚像を盤要素と重ならせるようにしたので、意外性が生じ演出効果を高めら
れるとともに、遊技の示唆(打ち方示唆)を行うことができ、遊技の興趣を向上させるこ
とができる。
【0808】
また、発光部材(LED)を設けにくい盤要素に対して枠要素の虚像を映り込ませるこ
とで、反射光を利用した光学的な演出が行えるので、簡単かつ安価に装飾性を高めること
ができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0809】
本実施形態に係る遊技機10では、盤要素(可動役物)は、透明部材に映り込む枠要素
の虚像と重ならない初期位置(遊技盤30内の収容位置)から、所定の条件が成立すると
枠要素の虚像と重なる位置(透明部材の後方)へと変移可能(動作可能、移動可能)であ
る。或は、枠要素(例えば、演出ボタン25)は、透明部材に映り込む枠要素の虚像が盤
要素と重ならない位置(例えば図53の移動後の位置)から、所定の条件が成立すると枠
要素の虚像が盤要素と重なる位置(例えば図53の初期位置)へと変移可能(動作可能、
移動可能)である。
【0810】
このような遊技機10によれば、透明部材に映り込む枠要素の虚像が盤要素と重なるこ
とで、盤要素が通常とは異なる態様で明るくなるので、意外性が生じて、遊技の興趣を向
上させることができる。
【0811】
また、本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム
)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可
能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、遊技機10前方
に配設される透明部材(例えばカバーガラス14)と、透明部材よりも遊技機10前方に
配設されるとともに、所定態様で発光可能な第1遊技機構成要素(枠要素(演出ボタン2
5、突出演出ユニット13、枠装飾装置18等))と、透明部材よりも遊技機10後方に
配設される第2遊技機構成要素(盤要素(命釘36b、始動入賞口36、ステージ部40
b、可動役物40f、盤装飾装置46等))と、を備える。第2遊技機構成要素は、前記
透明部材に映り込む前記第1遊技機構成要素の虚像と重なり、所定の条件(遊技者の操作
や演出に対応して自動的に移動する場合、右打ち開始時や左打ちに戻る場合、遊技者の手
動操作の場合)が成立すると前記第1遊技機構成要素の虚像と重ならなくなる。
【0812】
このような遊技機10によれば、透明部材に映り込んだ第1遊技機構成要素(枠要素)
の虚像が第2遊技機構成要素(盤要素)と重なることを回避でき、第2遊技機構成要素の
視認性が良くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0813】
また、本実施形態に係る遊技機10は、所定の演出を表示可能な表示手段(表示装置4
1の表示画面)と、遊技機10前方に配設される透明部材(例えばカバーガラス14)と
、透明部材よりも遊技機10前方に配設されるとともに、所定態様で発光可能な第1遊技
機構成要素(枠要素(演出ボタン25、突出演出ユニット13、枠装飾装置18等))と
、透明部材よりも遊技機後方に配設される第2遊技機構成要素(盤要素(命釘36b、始
動入賞口36、ステージ部40b、可動役物40f、盤装飾装置46等))と、を備える
。第2遊技機構成要素は、透明部材に映り込む第1遊技機構成要素の虚像と重なり、所定
の条件(例えば擬似連続演出)が成立すると第1遊技機構成要素の虚像と重ならなくなる
。演出制御手段(演出制御装置300)は、所定の条件が成立したときに表示手段で特定
演出(例えば演出2、3(擬似連続演出の2、3回目の単演出))を実行可能である。
【0814】
このような遊技機10によれば、透明部材に映り込んだ第1遊技機構成要素(枠要素)
の虚像が第2遊技機構成要素(盤要素)と重ならない状態で特定演出が実行されるので、
第2遊技機構成要素や表示手段の視認性が良くなり、遊技の興趣を向上させることができ
る。
【0815】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲
内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれること
が明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本
発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲
は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべ
ての変更が含まれることが意図される。
【0816】
例えば、枠要素または盤要素が特定の発光態様である場合には、特定の発光態様である
ことを報知する画像を、枠要素の虚像が映り込まない位置(例えば図53の領域A~領域
B以外の領域、ガラス枠15の右側部や右上部といった正面からずれた位置)にある表示
領域(表示装置41の表示画面における表示領域や他の盤要素又は枠要素の表示領域)に
表示するようにしてもよい。このように、特定の発光態様であることを報知する画像を枠
要素の虚像が映り込まない位置(枠要素の虚像と重ならない位置)に表示することによっ
て、遊技者が当該画像を注視し易くなるので、仮に映り込みが発生しても遊技者の視線を
枠要素の虚像から離れた別の箇所(盤要素としての表示装置41や他の盤要素又は枠要素
)に逸らすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0817】
また、枠要素が映り込んでいることを分かりにくくするために、盤要素または盤要素付
近に配置される発光部材を枠要素と同じまたは同色の発光態様としてもよい。例えば、枠
要素の発光態様が色を切り替える循環発光態様である場合には、盤要素の発光態様も循環
発光態様とすることができる。なお、その際に演出制御装置300は、枠要素と盤要素の
循環発光態様として色や循環する速度をそれぞれ異ならせることで、どちらの発光か遊技
者に認識し易くさせてもよい。また、枠要素の発光態様の続きを盤要素の発光態様または
盤要素付近の発光部材の発光態様が実行するようにして、映り込みを利用して一連の演出
を実行するようにしてもよい(自然な演出を実行してもよい。盤要素の発光態様の続きを
枠要素がやってもよい)。
【0818】
さらに、盤要素や枠要素の形状は種々の形状とすることができる。例えば、盤要素が円
形で、枠要素が半円形である場合には、枠要素が円形な盤要素の上に映り込んでも、円形
な盤要素の発光と重ねて目立たなくさせることができる。また、盤要素の発光態様を虹色
や高速循環点灯等にすることによって、枠要素よりも盤要素の発光態様を目立たせること
で、相対的に枠要素の虚像を目立たなくさせてもよい。さらに、演出制御装置300は、
表示装置41の表示画面において、盤要素に対応した表示(例えばエフェクト)を盤要素
の近傍(例えば表示画面の右下隅等)に表示することで、盤要素を目立たせるようにして
もよい。
【符号の説明】
【0819】
10 遊技機
25 演出ボタン
30 遊技盤
32 遊技領域
36 第1始動入賞口(第1始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(第2始動入賞領域)
39 特別変動入賞装置
40 センターケース
41 表示装置
50 一括表示装置(LED)
100 遊技制御装置(主基板)
200 払出制御装置
300 演出制御装置(サブ基板)
633b 装飾オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64